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特許7635460健康面談支援システム、健康面談支援プログラム及び健康面談支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】健康面談支援システム、健康面談支援プログラム及び健康面談支援方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/20 20180101AFI20250217BHJP
   G16H 50/30 20180101ALI20250217BHJP
   G16H 80/00 20180101ALI20250217BHJP
【FI】
G16H10/20
G16H50/30
G16H80/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024193193
(22)【出願日】2024-11-01
(62)【分割の表示】P 2024106342の分割
【原出願日】2024-07-01
【審査請求日】2024-11-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】300016318
【氏名又は名称】株式会社テクノプロジェクト
(74)【代理人】
【識別番号】100196335
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 正樹
(72)【発明者】
【氏名】室脇 俊二
(72)【発明者】
【氏名】田中 啓太
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-110282(JP,A)
【文献】特開2007-317045(JP,A)
【文献】特開2012-208669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の健康診断受診者の健康診断結果を収集し、当該健康診断結果を用いて健康診断受診者毎に行う面談を支援するための健康面談支援システムであって、
複数の検査項目の検査結果を含む健康診断結果を、健康診断受診者毎に記憶する診断結果記憶部と、
各検査項目に応じて、正常値の範囲との境界となる第1閾値を記憶する第1閾値記憶部と、
各検査項目に応じて、正常値の範囲内であり、かつ、正常値の境界に近接する第2閾値を記憶する第2閾値記憶部と、
複数の健康診断受診者から一の健康診断受診者を選択する受診者選択処理部と、
前記受診者選択処理部により一の健康診断受診者が選択された場合に、当該健康診断受診者の健康診断結果を個別に表示する処理を行う表示処理部と、を備え、
前記表示処理部による一の健康診断受診者の個別の表示処理では、検査項目の検査結果を前記第1閾値及び前記第2閾値と合わせて表示する処理を行う、健康面談支援システム。
【請求項2】
健康診断結果に含まれる複数の検査項目のぞれぞれと、各検査項目が関連する疾病の情報とを関連づけて記憶する疾病対応情報記憶部と、
複数の疾病情報から一の疾病情報を選択する疾病選択処理部と、
前記疾病対応情報記憶部が記憶する記憶内容に基づいて、前記疾病選択処理部が選択した疾病情報に対応する検査項目を抽出する検査項目抽出処理部と、をさらに備え、
前記表示処理部による一の健康診断受診者の個別の表示処理では、前記検査項目抽出処理部が抽出した検査項目に絞り込み、当該絞り込んだ検査項目の検査結果を前記第1閾値及び前記第2閾値と合わせて表示する処理を行う、請求項1に記載の健康面談支援システム。
【請求項3】
前記診断結果記憶部が記憶する健康診断結果に基づいて、年代別での検査結果の平均値を算出する平均値算出処理部をさらに備え、
前記表示処理部による一の健康診断受診者の個別の表示処理では、絞り込んだ検査項目の検査結果を表示させる際に、前記平均値算出処理部が算出した平均値のうち表示対象の健康診断受診者の年代と同年代の検査結果の平均値を選択し、当該選択した平均値を合わせて表示する処理を行う、請求項2に記載の健康面談支援システム。
【請求項4】
コンピュータを、複数の健康診断受診者の健康診断結果を収集し、当該健康診断結果を用いて健康診断受診者毎に行う面談を支援するためのシステムとして機能させるための健康面談支援プログラムであって、
複数の検査項目の検査結果を含む健康診断結果を、健康診断受診者毎に記憶するステップと、
各検査項目に応じて、正常値の範囲との境界となる第1閾値を記憶するステップと、
各検査項目に応じて、正常値の範囲内であり、かつ、正常値の境界に近接する第2閾値を記憶するステップと、
複数の健康診断受診者から一の健康診断受診者を選択するステップと、
一の健康診断受診者が選択された場合に、当該健康診断受診者の健康診断結果を個別に表示するステップと、をコンピュータに実行させるものであり、
前記表示するステップでは、検査項目の検査結果を前記第1閾値及び前記第2閾値と合わせて表示する処理を行うものである、健康面談支援プログラム。
【請求項5】
コンピュータにおいて実行する、健康面談支援方法であって、
複数の検査項目の検査結果を含む健康診断結果を、健康診断受診者毎に記憶するステップと、
各検査項目に応じて、正常値の範囲との境界となる第1閾値を記憶するステップと、
各検査項目に応じて、正常値の範囲内であり、かつ、正常値の境界に近接する第2閾値を記憶するステップと、
複数の健康診断受診者から一の健康診断受診者を選択するステップと、
一の健康診断受診者が選択された場合に、当該健康診断受診者の健康診断結果を個別に表示するステップと、を含み、
前記表示するステップでは、検査項目の検査結果を前記第1閾値及び前記第2閾値と合わせて表示するものである、健康面談支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康診断の結果を用いて行う面談を支援する健康面談支援システム、健康面談支援プログラム及び健康面談支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、健康診断の結果を収集し、当該健康診断の結果を活用したシステムが提供されている。健康診断では、検査を行う項目(検査項目)が多く、検査結果データが多くなるため、その検査結果データを担当の人間が逐一分析するとなると作業が煩雑化してしまう。そこで、システムを用いることで、作業を効率化すると共に適切な分析結果を得ることができる。
【0003】
また、一般的には、検査項目毎に健康であるか否かを判断するための正常値(基準値)が設けられており、健康診断では、検査結果の値がこの正常値の範囲内であるか否かが判定される。例えば、医師による診断の現場では、各検査結果が正常値内であるか否かを示すシステムが用いられており、このシステムの判定結果を用いて円滑な診断が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載のシステムでは、各検査結果に関し、A判定、B判定、C判定のいずれかが用いられる。検査結果が正常値の範囲内であればA判定となり、検査結果が正常値よりも悪い値であるが、比較的正常値に近いと考えられる値はB判定となり、正常値よりもかなり悪い値はC判定で表示される。医師は、システムに表示される各判定に基づいて、健康診断受診者の状態を分析し、診療を進めていく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-317045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したシステムは、あくまで医師による診断を支援することを目的とするものであり、診断結果が正常値よりも悪くなった場合において、その異常の程度を判断するものである。一般的に医療による診断の現場では、異常を示した値のものを病気の疑いがあるものとして診療を進める対象とし、正常値の範囲内にあるものは健康体の状態であると判断される。上記したシステムもこのような医師による診断の現場に即した内容となっている。
【0007】
換言すれば、上記システムは、あくまで医療現場で用いられる観点で提供されるものであり、正常値よりも悪い値となったデータを分析することを目的としている。そして、その具体的な方法として、異常の程度を判定することが示されている。
【0008】
しかし、健康状態が悪くなる場合には、少しずつ体の状態が悪くなり、検査結果の値も徐々に悪化していき、あるタイミングで検査結果の値が正常値よりも悪いものとなる。すなわち、健康状態の悪化は、健康診断において検査結果の値が正常値よりも悪い値として現れる前から始まっており、健康状態の悪化が始まった段階でその事に気づくことが健康を維持する観点から重要であると考えられる。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、健康診断受診者の健康状態を詳細に把握することが可能となる健康面談支援システム、健康面談支援プログラム及び健康面談支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明に係る健康面談支援システムは、複数の健康診断受診者の健康診断結果を収集し、当該健康診断結果を用いて健康診断受診者毎に行う面談を支援するための健康面談支援システムである。前記健康面談支援システムは、診断結果記憶部と、第1閾値記憶部と、第2閾値記憶部と、表示処理部と、を備える。前記診断結果記憶部は、複数の検査項目の検査結果を含む健康診断結果を、健康診断受診者毎に記憶する。前記第1閾値記憶部は、各検査項目に応じて、正常値の範囲との境界となる第1閾値を記憶する。前記2閾値記憶部は、各検査項目に応じて、正常値の範囲内であり、かつ、正常値の境界に近接する第2閾値を記憶する。前記表示処理部は、前記診断結果記憶部が記憶する複数の健康診断受診者の健康診断結果の内容を、検査項目毎の検査結果を表示する形式で一覧表示する処理を行う。前記表示処理部は、複数の健康診断受診者の健康診断結果を一覧表示させる処理において、前記第1閾値と比較して悪い値である検査結果を他の検査結果と区別するための第1表示を行い、かつ、前記第1閾値から前記第2閾値の間に含まれる値である検査結果を他の検査結果と区別するための第2表示を行う。前記表示処理部が行う前記第1表示と前記第2表示とが異なる表示である。
【0011】
このような構成によれば、表示処理部によってなされた一覧表示を確認することで、第1表示及び第2表示を同時に認識することができる。また、第1表示は、検査結果のうち正常値の範囲を超えた値であることを示しており、第2表示は、検査結果のうち正常値の範囲内ではあるが正常値との境界に近い値であることを示している。
【0012】
そのため、複数の健康診断受診者の結果を示す一覧表示において、各健康診断受診者の健康状態を詳細に確認することができる。例えば、ある健康診断受診者の健康診断結果において第1表示が多い場合には、異常を示す値が多いことを確認することができる。この場合、その健康診断受診者との健康面談において、健康状態が優れないものであることを伝えることができる。また、例えば、ある健康診断受診者の健康診断結果において第2表示が多い場合には、正常値の範囲内であるがその境界に近い値が多いことを確認することができる。この場合、健康面談において、正常な健康状態ではあるが注意が必要であることを伝えることができる。
【0013】
このように、本発明に係る健康面談支援システムによれば、健康診断受診者の健康状態を詳細に把握することが可能となる。具体的には、健康診断の結果が異常値を示すものである場合の健康状態のみならず、正常値を示すものである場合の健康状態についても詳細に把握することが可能となる。
【0014】
よって、本発明に係る健康面談支援システムを用いることで、病気を未然に防ぐことが可能となる。
【0015】
(2)また、前記健康面談支援システムは、平均値算出処理部と、疾病対応情報記憶部と、疾病選択処理部と、検査項目抽出処理部と、をさらに備えてもよい。前記平均値算出処理部は、前記診断結果記憶部が記憶する健康診断結果に基づいて、年代別での検査結果の平均値を算出する。前記疾病対応情報記憶部は、健康診断結果に含まれる複数の検査項目のぞれぞれと、各検査項目が関連する疾病の情報とを関連づけて記憶する。前記疾病選択処理部は、複数の疾病情報から一の疾病情報を選択する。前記検査項目抽出処理部は、前記疾病対応情報記憶部が記憶する記憶内容に基づいて、前記疾病選択処理部が選択した疾病情報に対応する検査項目を抽出する。前記表示処理部は、前記平均値算出処理部が算出した年代別での検査結果の平均値、前記第1閾値及び前記第2閾値を合わせて表示する処理をさらに行うものであってもよい。前記表示処理部による平均値の表示処理では、前記検査項目抽出処理部が抽出した検査項目に絞り込み、当該絞り込んだ検査項目での年代別平均値を前記第1閾値及び前記第2閾値と合わせて表示する処理を行うものであってもよい。
【0016】
このような構成によれば、疾病の種類に関連する検査項目のみについて、年代別の平均値、第1閾値及び第2閾値を表示させることができる。
【0017】
通常、健康診断で検査する検査項目は多岐にわたるため、健康診断の結果をそのまま表示させると表示情報が多くなりすぎてしまい、健康状態に関してどのような傾向にあるのかが分かりづらい。そこで、上記した構成とすることで、特定した疾病に絞り込み、その疾病に関連する検査項目に限定した上で年代別平均値、第1閾値及び第2閾値を確認することができる。
【0018】
そのため、疾病毎で、詳細な健康状態や傾向を確認することができる。
【0019】
よって、複数の健康診断受診者を含む全体の状況を確認する際において、詳細な健康状態や傾向を直観的に理解することが可能となる。
【0020】
(3)また、前記健康面談支援システムは、疾病対応情報記憶部と、疾病選択処理部と、検査項目抽出処理部と、受診者選択処理部と、をさらに備えてもよい。前記疾病対応情報記憶部は、健康診断結果に含まれる複数の検査項目のぞれぞれと、各検査項目が関連する疾病の情報とを関連づけて記憶する。前記疾病選択処理部は、複数の疾病情報から一の疾病情報を選択する。前記検査項目抽出処理部は、前記疾病対応情報記憶部が記憶する記憶内容に基づいて、前記疾病選択処理部が選択した疾病情報に対応する検査項目を抽出する。前記受診者選択処理部は、複数の健康診断受診者から一の健康診断受診者を選択する。前記表示処理部は、前記受診者選択処理部により一の健康診断受診者が選択された場合に、当該健康診断受診者の健康診断結果を個別に表示する処理をさらに行うものであってもよい。前記表示処理部による一の健康診断受診者の個別の表示処理では、前記検査項目抽出処理部が抽出した検査項目に絞り込み、当該絞り込んだ検査項目の検査結果を前記第1閾値及び前記第2閾値と合わせて表示する処理を行ってもよい。
【0021】
このような構成によれば、一の健康診断受診者の健康診断結果を個別に表示する際において、疾病の種類に関連する検査項目のみについて、検査結果、第1閾値及び第2閾値を表示させることができる。
【0022】
通常、健康診断で検査する検査項目は多岐にわたるため、健康診断の結果をそのまま表示させると表示情報が多くなりすぎてしまい、具体的にどのような健康状態にあるのかといった点や、どのような傾向にあるのかが分かりづらい。そこで、上記した構成とすることで、特定した疾病に絞り込み、その疾病に関連する検査項目に限定した上で、検査結果、第1閾値及び第2閾値を確認することができる。
【0023】
そのため、疾病毎で、詳細な健康状態や傾向を確認することができる。
【0024】
よって、個人の健康状態を確認する際において、詳細な健康状態や傾向を直観的に理解することが可能となる。
【0025】
(4)また、前記健康面談支援システムは、平均値算出処理部をさらに備えてもよい。前記平均値算出処理部は、前記診断結果記憶部が記憶する全員の健康診断結果に基づいて、年代別での検査結果の平均値を算出する。前記表示処理部による一の健康診断受診者の個別の表示処理では、絞り込んだ検査項目の検査結果を表示させる際に、前記平均値算出処理部が算出した平均値のうち表示対象の健康診断受診者の年代と同年代の検査結果の平均値を選択し、当該選択した平均値を合わせて表示する処理を行ってもよい。
【0026】
このような構成によれば、個人の健康状態を確認する際において、個人の検査結果と合わせて同年代の平均値を確認することができる。すなわち、個人の結果と同年代の平均値とを比較することができる。
【0027】
そのため、個人の健康状態を確認する際において、より一層詳細な情報を直観的に理解することが可能となる。
【0028】
(5)また、前記健康面談支援システムは、受診者抽出処理部をさらに備えてもよい。前記受診者抽出処理部は、前記診断結果記憶部が記憶する健康診断結果に基づいて、前記第1閾値と比較して悪い値である検査結果を有する健康診断受診者又は前記第1閾値から前記第2閾値の間に含まれる値である検査結果を有する健康診断受診者を抽出する。前記表示処理部は、前記受診者抽出処理部が抽出した健康診断受診者を一覧表示させる処理を行ってもよい。
【0029】
このような構成によれば、複数の健康診断受診者の結果を示す一覧表示において、表示させる健康診断受診者を、第1閾値と比較して悪い値である検査結果を有する健康診断受診者又は第1閾値から前記第2閾値の間に含まれる値である検査結果を有する健康診断受診者に絞り込むことができる。
【0030】
そのため、目的に応じて適切な健康診断受診者を選択して表示させることができる。
【0031】
例えば、健康面談の順番を決定する場合には、健康診断受診者を絞り込んで一覧表示させ、表示された者の中から優先的に面談を行うようにすることで、適切な面談順番を実現できる。
【0032】
(6)また、前記診断結果記憶部は、健康診断受診者毎に複数回の健康診断結果の情報を記憶するものであってもよい。前記健康面談支援システムは、受診者抽出処理部をさらに備えてもよい。前記受診者抽出処理部は、前記診断結果記憶部が記憶する健康診断結果において、直近の健康診断結果での検査結果の値が前記第2閾値よりも悪い値であり、かつ、当該検査結果の値が前回の健康診断結果での値よりも悪い値となる結果がある場合に、その検査結果を有する健康診断受診者を抽出する。前記表示処理部は、前記受診者抽出処理部が抽出した健康診断受診者を一覧表示させる処理を行ってもよい。
【0033】
このような構成によれば、複数の健康診断受診者の結果を示す一覧表示において、表示させる健康診断受診者を、直近の健康診断結果での検査結果の値が前記第2閾値よりも悪い値であり、かつ、当該検査結果の値が前回の健康診断結果での値よりも悪い値となる結果を有する健康診断受診者に絞り込むことができる。
【0034】
そのため、目的に応じて適切な健康診断受診者を選択して表示させることができる。
【0035】
例えば、健康面談の順番を決定する場合には、健康診断受診者を絞り込んで一覧表示させ、表示された者の中から優先的に面談を行うようにすることで、適切な面談順番を実現できる。
【0036】
(7)また、前記診断結果記憶部は、健康診断受診者毎に複数回の健康診断結果の情報を記憶するものであってもよい。前記健康面談支援システムは、受診者抽出処理部をさらに備えてもよい。前記受診者抽出処理部は、前記診断結果記憶部が記憶する直近の健康診断結果を含む複数回の健康診断結果において、検査結果の値が連続して悪化している結果がある場合に、その検査結果を有する健康診断受診者を抽出する。前記表示処理部は、前記受診者抽出処理部が抽出した健康診断受診者を一覧表示させる処理を行ってもよい。
【0037】
このような構成によれば、複数の健康診断受診者の結果を示す一覧表示において、表示させる健康診断受診者を、連続して悪化している検査結果を有する健康診断受診者に絞り込むことができる。
【0038】
そのため、目的に応じて適切な健康診断受診者を選択して表示させることができる。
【0039】
例えば、健康面談の順番を決定する場合には、健康診断受診者を絞り込んで一覧表示させ、表示された者の中から優先的に面談を行うようにすることで、適切な面談順番を実現できる。
【0040】
(8)また、前記健康面談支援システムは、疾病対応情報記憶部と、疾病選択処理部と、検査項目抽出処理部と、をさらに備えてもよい。前記疾病対応情報記憶部は、健康診断に含まれる複数の検査項目のぞれぞれと、その検査項目に関連する疾病の情報とを関連づけて記憶する。前記疾病選択処理部は、複数の疾病情報から一の疾病情報を選択する。前記検査項目抽出処理部は、前記疾病対応情報記憶部が記憶する記憶内容に基づいて、前記疾病選択処理部が選択した疾病情報に対応する検査項目を抽出する。健康診断受診者を抽出する処理においては、前記検査項目抽出処理部が抽出した検査項目の情報に絞り込み、当該絞り込んだ情報を健康診断結果の情報として健康診断受診者の抽出が行われてもよい。
【0041】
このような構成によれば、目的に応じた検査項目の情報に絞り込み、当該情報を対象として健康診断受診者を抽出し、その抽出した健康診断受診者を一覧表示させることができる。
【0042】
そのため、目的に応じた一覧表示を行うことができる。
【0043】
例えば、ある疾病に絞り込んで健康状態の傾向を確認したい場合には、その疾病を選択することで、その疾病に関連する検査項目に絞り込んだ上で健康診断受診者の抽出が行われる。よって、健康状態の傾向を適切に把握することができる。
【0044】
(9)本発明に係る健康面談支援プログラムは、コンピュータを、複数の健康診断受診者の健康診断結果を収集し、当該健康診断結果を用いて健康診断受診者毎に行う面談を支援するためのシステムとして機能させる。前記健康面談支援プログラムは、複数の検査項目の検査結果を含む健康診断結果を、健康診断受診者毎に記憶するステップと、各検査項目に応じて、正常値の範囲との境界となる第1閾値を記憶するステップと、各検査項目に応じて、正常値の範囲内であり、かつ、正常値の境界に近接する第2閾値を記憶するステップと、複数の健康診断受診者の健康診断結果の内容を、検査項目毎の検査結果を表示する形式で一覧表示するステップと、をコンピュータに実行させる。前記表示するステップでは、複数の健康診断受診者の健康診断結果を一覧表示させる処理において、前記第1閾値と比較して悪い値である検査結果を他の検査結果と区別するための第1表示を行い、かつ、前記第1閾値から前記第2閾値の間に含まれる値である検査結果を他の検査結果と区別するための第2表示を行うものである。前記表示するステップにおける第1表示と前記第2表示とが異なる表示である。
【0045】
(10)また、本発明に係る健康面談支援方法は、コンピュータにおいて実行するものであり、複数の検査項目の検査結果を含む健康診断結果を、健康診断受診者毎に記憶するステップと、各検査項目に応じて、正常値の範囲との境界となる第1閾値を記憶するステップと、各検査項目に応じて、正常値の範囲内であり、かつ、正常値の境界に近接する第2閾値を記憶するステップと、複数の健康診断受診者の健康診断結果の内容を、検査項目毎の検査結果を表示する形式で一覧表示するステップと、を含む。前記表示するステップでは、複数の健康診断受診者の健康診断結果を一覧表示させる処理において、前記第1閾値と比較して悪い値である検査結果を他の検査結果と区別するための第1表示を行い、かつ、前記第1閾値から前記第2閾値の間に含まれる値である検査結果を他の検査結果と区別するための第2表示を行うものである。前記表示するステップにおける第1表示と前記第2表示とが異なる表示である。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、健康診断受診者の健康状態を詳細に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明の一実施形態に係る健康面談支援システムの構成を示したブロック図である。
図2図1の記憶部の構成を詳細に示したブロック図である。
図3】健康面談支援システムの表示部における表示態様の一例を示した図であって、全ての健康診断受診者が一覧表示された状態を示している。
図4】健康面談支援システムの制御部の処理の一例を示したフローチャートである。
図5】健康面談支援システムの表示部における表示態様の一例を示した図であって、抽出された健康診断受診者が一覧表示された状態を示している。
図6】健康面談支援システムの表示部における表示態様の一例を示した図であって、個人の検査結果が表示された状態を示している。
図7】健康面談支援システムの表示部における表示態様の一例を示した図であって、個人の検査結果と平均値の値が合わせて表示された状態を示している。
図8】健康面談支援システムの表示部における表示態様の一例を示した図であって、年代別の平均値が表示された状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
1. 健康面談支援システムの構成
図1は、本発明の一実施形態に係る健康面談支援システム1の構成を示したブロック図である。
【0049】
健康面談支援システム1は、複数の健康診断受診者の健康診断結果を収集し、当該健康診断結果を用いて健康診断受診者毎に行う面談(健康面談)を支援するための健康面談支援システムである。健康面談支援システム1は、例えば、企業等の組織内で行われる健康面談で用いられる。健康面談は、例えば、組織に属する従業員が受けた健康診断結果の情報が収集され、その収集された健康診断結果の情報を衛生管理者等の担当者が確認し、その後、担当者が各従業員に対して個別の健康指導を行うという流れで実施される。このとき、健康面談の担当者(衛生管理者等)は、健康面談支援システム1を用いることで、個人の健康状態を詳細に把握することができ、また、組織全体の健康状態の傾向を把握することができる。さらには、健康面談の順番を適切に決定することも可能となる。
【0050】
健康面談支援システム1は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末により構成される。なお、本実施形態では、健康面談支援システム1がスタンドアロン型のシステムであるとして説明するが、健康面談支援システム1をインターネットを介してサーバとユーザ端末とを接続するクラウド型のシステムにより実現してもよい。
【0051】
健康面談支援システム1は、記憶部2、操作部3、印字部4、表示部5及び制御部6を備えている。
【0052】
記憶部2は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等により構成されている。記憶部2は、健康診断情報21、閾値関連情報22及び疾病対応情報23を記憶している。記憶部2が、診断結果記憶部、第1閾値記憶部、第2閾値記憶部及び疾病対応情報記憶部の一例である。
【0053】
健康診断情報21は、健康診断受診者毎の健康診断結果の情報である。健康診断情報21は、個人で受診した健康診断の結果の情報が収集され、その情報がまとめて格納されることで構成される。後述するように、健康診断情報21には、健康診断で実施された複数の検査項目における結果の情報が含まれる。
【0054】
閾値関連情報22は、健康診断結果に含まれる検査結果を判断するための基準となる値の情報である。後述するように、閾値関連情報22には、複数種類の基準の情報が含まれる。
【0055】
疾病対応情報23は、疾病の情報とその疾病と関連する検査項目の情報を対応づけた構成である。疾病に関連する検査項目とは、ある疾病の進行状態(有無)を判断する際に用いられる検査項目である。すなわち、疾病対応情報23は、疾病の情報とその疾病判定の際に用いる検査項目の情報とを対応付けた情報である。
【0056】
操作部3は、キーボード及びマウスを含む構成である。
【0057】
印字部4は、紙媒体に所定の印刷(印字)を行うための構成であり、例えば、プリンターにより構成されている。
【0058】
表示部5は、例えば、液晶表示器等により構成されている。
【0059】
制御部6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む構成である。制御部6は、記憶部2,操作部3、印字部4及び表示部5と電気的に接続されている。制御部6は、CPUがプログラム(健康面談支援プログラム)を実行することにより、入力受付部61、疾病選択処理部62、受診者選択処理部63、検査項目抽出処理部64、判別処理部65、受診者抽出処理部66、平均値算出処理部67、レポート作成処理部68及び表示処理部69等として機能する。
【0060】
入力受付部61は、操作部3からの信号を受け付ける。
【0061】
疾病選択処理部62は、入力受付部61が受け付けた信号、及び、記憶部2が記憶する情報に基づいて、複数の疾病から一の疾病を選択する処理を行う。
【0062】
受診者選択処理部63は、入力受付部61が受け付けた信号、及び、記憶部2が記憶する情報に基づいて、複数の受診者から一の受診者を選択する処理を行う。
【0063】
検査項目抽出処理部64は、疾病選択処理部62が選択する疾病の情報、及び、記憶部2が記憶する情報に基づいて、必要な検査項目を抽出する処理を行う。
【0064】
判別処理部65は、受診者選択処理部63が選択する受診者の情報、検査項目抽出処理部64が抽出した検査項目の情報、記憶部2が記憶する情報、及び、平均値算出処理部67の処理内容に基づいて、各種の判別処理を行う。
【0065】
受診者抽出処理部66は、検査項目抽出処理部64が抽出した検査項目の情報、記憶部2が記憶する情報、及び、判別処理部65による判別処理の内容に基づいて、健康診断受診者を抽出する処理を行う。
【0066】
平均値算出処理部67は、判別処理部65による判別処理の内容、及び、記憶部2が記憶する情報に基づいて、健康診断結果における各種平均値を算出する処理を行う。
【0067】
レポート作成処理部68は、判別処理部65による判別処理の内容、平均値算出処理部67が算出した平均値の情報、及び、記憶部2が記憶する情報に基づいて、レポートを作成する処理を行う。レポート作成処理部68が作成したレポートの情報は、印字部4に送られる。
【0068】
表示処理部69は、判別処理部65による判別処理の内容、受診者抽出処理部66が抽出した受診者の情報、平均値算出処理部67が算出した平均値の情報、及び、記憶部2が記憶する情報に基づいて、表示部5において行う表示内容を作る処理を行う。表示処理部69の処理内容は、表示部5に送られる。
【0069】
2. 記憶部の詳細構成
図2は、記憶部2の構成を詳細に示したブロック図である。
【0070】
上記したように、記憶部2には、健康診断情報21、閾値関連情報22及び疾病対応情報23が格納されている。健康診断情報21は、健康診断受診者毎の健康診断結果の情報である。健康診断情報21は、診断者情報211、項目情報212及び結果情報213が対応付けられて構成される情報群である。
【0071】
診断者情報211は、健康診断受診者を示す情報である。診断者情報211には、社員番号等の番号の情報、生年月日の情報、性別情報等が含まれる。
【0072】
項目情報212は、健康診断で実施される検査項目の情報である。項目情報212には、複数の検査項目の情報が含まれる。項目情報212に含まれる検査項目の情報としては、例えは、BMI、腹囲、HbA1c、血糖、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、インスリン、HOMA-R、HOMA-β、クレアチニン、ALT、AST、γ-GTP、尿酸、最大血圧の情報等が挙げられる。
【0073】
結果情報213は、健康診断で実施される検査結果の情報である。結果情報213は、項目情報212に含まれる各検査項目に対応づけられている。
【0074】
閾値関連情報22は、健康診断結果に含まれる検査結果を判断するための基準となる値の情報である。閾値関連情報22は、詳細項目情報221、特性情報222、第1閾値情報223、第2閾値情報224及び理想値情報225が対応づけられて構成される情報群である。
【0075】
詳細項目情報221は、具体的な検査項目の情報である。すなわち、詳細項目情報221は、項目情報212に含まれる複数の検査項目から抜き出した一の検査項目の情報である。具体的には、例えば、BMIという個別の情報であったり、HbA1cという個別の情報であったりする。
【0076】
特性情報222は、検査項目の特性を示す情報である。健康診断で実施される検査項目は、検査結果の値が高いほど悪い結果であることを示す場合もあれば、検査結果の値が低いほど悪い結果であることを示す場合もある。また、検査項目によっては、検査結果の値が高い場合と低い場合の両方で悪い結果を示すこともある(一定の範囲の外側の値となった場合に悪い結果であることを示す検査項目もある)。特性情報222は、このような、検査結果の良否を判断する際に必要となる情報を表すものである。換言すれば、特性情報222は、検査結果を示す数値において、高い側と低い側のどちら側に異常値となる領域があるか、又は、その両方であるかを表す情報である。
【0077】
第1閾値情報223は、検査結果の正常値を示す基準値(第1閾値)の情報である。すなわち、第1閾値情報223は、正常値との境界(正常値と異常値との境界)を示す情報である。第1閾値情報223(第1閾値)は、例えば、国が定めるガイドライン等に基づいて決定される。後述するように、第1閾値は、各検査項目に応じて定められる。
【0078】
第2閾値情報224は、第2閾値を示す情報である。後述するように、第2閾値は、検査項目に応じて定められる。第2閾値は、正常値の範囲内であり、かつ、正常値の境界(正常値と異常値との境界)に近接する値(正常値の範囲内であって、正常値との境界付近で設定された値)である。換言すれば、第2閾値は、正常値の範囲内において理想値(中央値)よりも第1閾値側(境界側)に位置する設定値である。第2閾値は、正常と判断される健康状態ではあるが、理想的な健康状態ではなく、今後注意が必要であると考えられる結果を判別するための基準となる値(閾値)である。第2閾値は、第1閾値をベースとし、第1閾値が示す値よりもやや理想値側(中央値)の領域に位置する値として設定される。例えば、値が高くなるほど悪い結果を示す検査項目の場合(第1閾値が上限値を示す場合)には、第2閾値は、第1閾値(上限値)に対して0.60~0.98の数値を乗じることで得られる値であり、好ましくは、第1閾値(上限値)に対して0.70~0.98の数値を乗じることで得られる値であり、より好ましくは、第1閾値(上限値)に対して0.80~0.98の数値を乗じることで得られる値である。また、例えば、値が低くなるほど悪い結果を示す検査項目の場合(第1閾値が下限値を示す場合)には、第2閾値は、第1閾値(下限値)を0.60~0.98の数値で除することで得られる値であり、好ましくは、第1閾値(下限値)を0.65~0.95の数値で除することで得られる値であり、より好ましくは、第1閾値(下限値)を0.70~0.95の数値で除することで得られる値である。
【0079】
理想値情報225は、検査結果の理想値を示す情報である。理想値情報225は、正常値の範囲において中央に位置する値(中央付近の値)として設定される。具体的には、理想値は、正常値の中央を中心として上方側及び下方側に一定の幅(範囲)を有する値である。
【0080】
疾病対応情報23は、疾病情報231及び関連項目情報232が対応付けられて構成される情報群である
【0081】
疾病情報231は、疾病の種類を示す情報である。疾病情報231としては、例えば、糖尿病、腎臓病、脂質異常症、高血圧、肝臓病、肥満、ストレス等が挙げられる。疾病情報231は、例えば、これらの疾病のうちのいずれかを示す情報である。
【0082】
関連項目情報232は、特定の疾病に対し、その疾病であるか否かを判定する際に用いられる検査項目の種類を示す情報である。例えば、疾病情報231が「糖尿病」である場合、関連項目情報232として、「HbA1c」、「血糖」、「インスリン」、「HOMA-R」、「HOMA-β」が設定されている。なお、複数の疾病対応情報23において、関連項目情報232の一部が重なる場合があってもよい。
【0083】
3. 表示態様
図3は、健康面談支援システム1の表示部5における表示態様の一例を示した図である。図3では、表示画面7において、全ての健康診断受診者が一覧表示された状態を示している。
【0084】
表示部5の表示画面7には、表示処理部69による処理の結果が表示される。図3では、健康面談支援システム1の使用を開始した際に表示される画面構成(基本画面)を示している。このとき、表示画面7には、一覧表71、年度欄72、人数欄73、疾病選択第1ボタン74、一覧表示ボタン75及び疾病選択第2ボタン76が表示されている。
【0085】
一覧表71は、表示画面7において中央に配置されている。一覧表71は、複数の健康診断受診者の検査結果を一覧表示するための表である。
【0086】
年度欄72及び人数欄73は、表示画面7において右側上部に配置されている。年度欄72では、表示対象である健康診断(健康診断結果)が実施された年度を表示している。人数欄73では、一覧表示の対象となっている健康診断受診者の人数を表示している。
【0087】
疾病選択第1ボタン74は、表示画面7において上部に配置されている。疾病選択第1ボタン74は、目的に応じて健康診断受診者を抽出する際に用いられるボタンである。疾病選択第1ボタン74として、最も左側に「全て」と表示されたボタンが設けられている。そのボタンの右側には、疾病名が表示された複数のボタン(疾病の種類に応じたボタン)が設けられている。各ボタンでは、「第1閾値外」、「第2閾値外」、「今回から悪い」、「2年連続で悪い」、「3年連続で悪い」、「正常」を選択できるようになっている。後述するように、疾病選択第1ボタン74で選択された情報に応じて、受診者の抽出が行われる。
【0088】
一覧表示ボタン75は、表示画面7において下部左側に配置されている。一覧表示ボタン75は、一覧表71において全ての健康診断受診者を表示させる際(基本画面を表示させる際)に用いられるボタンである。
【0089】
疾病選択第2ボタン76は、健康診断結果を表示させる際において、どの疾病分野の検査項目を表示させるかを選択するためのボタンである。疾病選択第2ボタンとして、疾病名が表示された複数のボタン(疾病の種類に応じたボタン)が設けられている。後述するように、疾病選択第2ボタン76で選択された情報に応じて、検査項目の抽出が行われ、その検査項目の検査結果が表示される。
【0090】
4. 閾値等の設定
健康面談支援システム1を使用するにあたり、操作者は、まず、操作部3を操作して各種設定情報を入力する。そして、入力受付部61がその入力を受け付け、その情報を記憶部2に格納する。これにより、図2に示すように、記憶部2に閾値関連情報22及び疾病対応情報23が格納される。
【0091】
具体的には、まず、国が定めるガイドライン等に基づいて、各検査項目における正常値(基準値:第1閾値)の値が決定される。このとき、ガイドライン等で示される値をそのまま正常値(第1閾値)としてもよく、その値に対して補正を行った独自の値を正常値(第1閾値)としてもよい。そして、その決定した第1閾値の値をベースとして、各項目における第2閾値の値及び理想値の値が決定される。
【0092】
そして、これらの決定された値が閾値関連情報22として設定されて、記憶部2に格納される。このとき、各検査項目の特性についても設定される。
【0093】
また、疾病対応情報23についても設定が行われ、記憶部2に格納される。具体的には、複数の疾病から一の疾病を特定し、その疾病を疾病情報231とした上で、その疾病の有無や進行状況を判断する際に用いる検査項目の種類の情報を関連項目情報232とし、疾病対応情報23として記憶部2に格納する。例えば、疾病情報231として「糖尿病」を特定(選択)した場合、関連項目情報232として、「HbA1c」、「血糖」、「インスリン」、「HOMA-R」、「HOMA-β」を選択し、これらを対応付ける設定を行う。また、「肝臓病」を特定(選択)した場合、関連項目情報232として、「AST」、「ALT」、「γ-GTP」を選択し、これらを対応付ける設定を行う。また、「脂質異常症」を特定(選択)した場合、関連項目情報232として、「中性脂肪」、「HDLコレステロール」、「LDLコレステロール」を選択し、これらを対応付ける設定を行う。設定作業では、このような疾病対応情報23が、疾病毎に作成されて記憶部2に格納される。
【0094】
5. 制御動作
健康面談支援システム1を使用する際には、まず、組織内の人員(従業員)それぞれに対して実施された健康診断結果の情報が収集され、健康診断情報21として記憶部2に格納される。健康診断結果の収集は、各個人から個別に健康面談支援システム1に送信される形式であってもよいし、紙媒体で提出された個人の健康診断結果の情報をシステム担当者が健康面談支援システム1に入力する形式であってもよい。健康診断情報21には、複数回(複数年度)の健康診断結果の情報が含まれる。
【0095】
図4は、健康面談支援システム1の制御部6の処理の一例を示したフローチャートである。以下では、図4を用いながら、健康面談支援システム1での処理を説明する。
【0096】
操作者によって健康面談支援システム1での動作が開始されると、まず、判別処理部65が、記憶部2に記憶されている健康診断情報21及び閾値関連情報22を読み出す。そして、判別処理部65は、健康診断情報21に含まれる結果情報213のそれぞれが第1閾値情報223で示す値(第1閾値)よりも悪い値か否かを判別する(第1判別処理)。同様に、判別処理部65は、健康診断情報21に含まれる結果情報213のそれぞれが第1閾値情報223で示す値(第1閾値)から第2閾値情報224で示す値(第2閾値)の間に含まれるか否かを判別する(第2判別処理)。また、判別処理部65は、健康診断情報21に含まれる結果情報213のそれぞれが理想値情報225に含まれるか否かを判別する(第3判別処理)。このとき、判別処理部65は、健康診断情報21に含まれる項目情報212と、閾値関連情報22に含まれる詳細項目情報221を共通情報として判別処理を行う(ステップS101)。
【0097】
そして、表示処理部69は、判別処理部65による判別処理の内容、及び、記憶部2の健康診断情報21に基づき、表示画面7において一覧表71を表示させる。このときの一覧表71では、全ての健康診断受診者の結果が一覧表示される(ステップS102)。
【0098】
具体的には、表示処理部69は、一覧表示の画面において、第1判別処理で悪い値であると判別された検査結果、第2判別処理で第1閾値から第2閾値の間の値であると判別された検査結果、及び、第3判別処理で理想値の値であると判別された検査結果のそれぞれを異なる色で色分けして表示させる。例えば、表示処理部69は、第1判別処理で第1閾値よりも悪い値であると判別された検査結果を赤色等の注意をひきやすい色で色分けし(第1表示)、2判別処理で第1閾値から第2閾値の間の値であると判別された検査結果を緑色等の比較的注意をひく色で色分けし(第2表示)、第3判別処理で理想値の値であると判別された検査結果を金色等の上記した色とは異なる色で色分けする(第3表示)。
【0099】
例えば、この例では、番号「3」の従業員の検査結果において、「最大血圧」の結果である欄711で示す値は、第1閾値よりも悪い値であると判別されており、赤色等の注意をひきやすい色で背景が彩られている(図3参照)。同様に、番号「3」の従業員の検査結果において、「尿酸」の結果である欄712で示す値は、第1閾値から第2閾値の間の値であると判別されており、緑色等の比較的注意をひく色で背景が彩られている。また、番号「3」の従業員の検査結果において、「AST」の結果である欄713で示す値は、理想値の値であると判別されており、金色等の上記した色とは異なる色で背景が彩られている。
【0100】
なお、各判別処理による結果の表し方(第1表示~第3表示の表し方)は、他の検査結果と区別でき、かつ、各判別処理の結果の表し方が互いに異なるものであればよい。例えば、第1判別処理で第1閾値よりも悪い値であると判別された検査結果を実線の枠で囲み、2判別処理で第1閾値から第2閾値の間の値であると判別された検査結果を点線の枠で囲み、第3判別処理で理想値の値であると判別された検査結果を2点鎖線の枠で囲むものであってもよい。
【0101】
担当者は、このようにして表示された一覧表71を確認することで、各健康診断受診者(従業員)の詳細な健康状態を把握することができる。例えば、第1判別処理で第1閾値よりも悪い値であると判別された検査結果が多い場合は、健康状態が悪い(何らかの病気の疑いがある)と判断することができる。また、例えば、第2判別処理において第1閾値から第2閾値の間の値であると判別された検査結果が多い場合は、正常な健康状態ではあるが、病気予防の観点から今後注意が必要であると判断することができる。また、例えば、第3判別処理において理想値であると判別された検査結果が多い場合には、理想的な健康状態であると判断することができる。
【0102】
この状態で、操作者は、目的に応じて一覧表71に表示させる健康診断受診者(従業員)を抽出し、その抽出した健康診断受診者を一覧表71に表示させることもできる。
【0103】
図5は、表示画面7の一覧表71において、抽出された健康診断受診者が一覧表示された状態を示している。
【0104】
例えば、操作者により疾病選択第1ボタン74の「全て」と表示されるボタンの「第1閾値外」が選択された場合には、全ての健康診断結果を対象とし、健康診断結果において第1閾値よりも悪い値となる検査結果を有している健康診断受診者が抽出(選択)されて一覧表71に表示される。この場合、受診者抽出処理部66は、判別処理部65により第1閾値よりも悪い値であると判別された結果を有している健康診断者を抽出する。そして、表示処理部69は、受診者抽出処理部66により抽出された受診者の健康診断結果を一覧表71に表示させる。また、この際は、全ての検査項目が対象となるため、検査項目の絞り込みは行われない(ステップS103でYES→ステップS104でNO→ステップS107→ステップS106)。
【0105】
また、この場合において、疾病選択第1ボタン74の「全て」と表示されるボタンの「第2閾値外」が選択された場合には、全ての健康診断結果を対象とし、健康診断結果において第1閾値から第2閾値の間の値となる検査結果を有している健康診断受診者が抽出(選択)されて一覧表71に表示される。
【0106】
また、疾病選択第1ボタン74の「全て」と表示されるボタンの「今回から悪い」が選択された場合には、全ての健康診断結果を対象とし、直近の健康診断結果での検査結果の値が第2閾値よりも悪い値であり、かつ、当該検査結果の値が前回(前年度)の健康診断結果での値よりも悪い値となる結果がある場合に、その検査結果を有する健康診断受診者が抽出(選択)されて一覧表71に表示される。
【0107】
また、疾病選択第1ボタン74の「全て」と表示されるボタンの「2年連続で悪い」が選択された場合には、全ての健康診断結果を対象とし、直近の健康診断結果を含む3年間(3回)の健康診断結果において連続して悪化している検査結果がある場合に、その検査結果を有する健康診断受診者が抽出(選択)されて一覧表71に表示される。同様に、疾病選択第1ボタン74の「全て」と表示されるボタンの「3年連続で悪い」が選択された場合には、全ての健康診断受診者を対象とし、直近の健康診断結果を含む4年間(4回)の健康診断結果において連続して悪化している検査結果がある場合に、その検査結果を有する健康診断受診者が抽出(選択)されて一覧表71に表示される。
【0108】
疾病選択第1ボタン74において、「今回から悪い」、「2年連続で悪い」、「3年連続で悪い」が選択されて受診者抽出が行われた場合には、図5の枠714で示すように、該当する検査項目を区別するための表示が行われる。これにより、第1表示~第3表示を表示させながら、該当項目が分かる形で表示できる。例えば、図5は、「今回から悪い」が選択された場合の表示例を示している。
【0109】
また、疾病選択第1ボタン74の「全て」と表示されるボタンの「正常」が選択された場合には、全ての健康診断結果を対象とし、全ての検査結果が第2閾値よりも良い値である場合に、その検査結果を有する健康診断受診者が抽出(選択)されて一覧表71に表示される。
【0110】
また、疾病選択第1ボタン74として疾病名が表示されたボタンにおいて選択が行われた場合には、まず、疾病選択処理部62がその疾病の情報を特定する。例えば、疾病選択第1ボタン74において、「糖尿病」と表示されているボタンで選択が行われた場合には、疾病選択処理部62は疾病として「糖尿病」を特定する。そして、検査項目抽出処理部64は、記憶部2に記憶されている疾病対応情報23に基づいて、「糖尿病」に対応づけられている検査項目の情報(種類)を抽出する。この例では、疾病対応情報23として、「糖尿病」に対して、「HbA1c」、「血糖」、「インスリン」、「HOMA-R」、「HOMA-β」が対応づけられているため、検査項目抽出処理部64は、検査項目としてこれらの項目を抽出する。そして、受診者抽出処理部66は、抽出された検査項目に絞り込んだ上で、受診者抽出の処理を行う。
【0111】
例えば、疾病選択第1ボタン74の「糖尿病」と表示されるボタンの「第1閾値外」が選択された場合には、絞り込んだ検査項目である「HbA1c」、「血糖」、「インスリン」、「HOMA-R」、「HOMA-β」の情報を対象とし、その情報において第1閾値よりも悪い値となる検査結果を有している健康診断受診者が抽出(選択)されて一覧表71に表示される。このようにして、例えば、糖尿病の疑いがある健康診断受診者が表示される(ステップS103でYES→ステップS104でYES→ステップS105→ステップS106)。
【0112】
すなわち、疾病選択第1ボタン74の疾病名が表示されるボタンにおいて選択を行うことで、各疾病分野に限定して健康診断受診者を抽出することができる。なお、各ボタンにおける具体的な処理は、上記した「全て」のボタンにおける処理と同様である。
【0113】
このようにすることで、各疾病の区分けの中で健康診断受診者を抽出することが可能となる。
【0114】
また、操作者の操作により、一覧表71に表示された複数の健康診断受診者から一の健康診断受診者が選択されると、一覧表71においてその健康診断受診者のみ(一人の)の健康診断結果が表示される。
【0115】
このとき、具体的な処理として、受診者選択処理部63は、一の健康診断受診者を選択(特定)する。そして、判別処理部65は、受診者選択処理部63が特定した健康診断受診者の健康診断結果を(特定)判別する。表示処理部69は、判別処理部65が判別(特定)した結果を一覧表71に表示させる。例えば、図5において、番号「2」の健康診断受診者が選択された場合、一覧表71には当該受診者の健康診断結果のみが表示される(図示せず)。
【0116】
そして、この状態で疾病選択第2ボタン76が選択されると、その健康診断受診者の健康診断結果の表示あって、選択された疾病に関連する検査項目の結果が表示される(ステップS108でYES→ステップS109でYES→ステップS110)。
【0117】
図6は、表示画面7における表示態様の一例を示した図であって、個人の検査結果が表示された状態を示している。
【0118】
個人の検査結果が表示される場合には、表示画面7において、属性表示欄77、疾病欄78及び検査結果表示画面79が表示される。
【0119】
例えば、操作者の操作により、複数の健康診断受診者から一の健康診断受診者が選択された上で、疾病選択第2ボタン76の「糖尿病」のボタンが選択されると、その健康診断受診者の健康診断結果(検査結果)あって、「糖尿病」に関連する検査結果が表示される。この場合、属性表示欄77においてその健康診断受診者の属性(番号、性別、年代)が表示され、疾病欄78において「糖尿病」と表示され、検査結果表示画面79において、糖尿病の有無・進行状況を判断する際に用いられる検査項目(HbA1c、血糖、インスリン、HOMA-R、HOMA-β)における検査結果が表示される。また、検査結果表示画面79では、第1閾値及び第2閾値の情報も合わせて表示される。
【0120】
このときの具体的な処理としては、まず、疾病選択処理部62により疾病として「糖尿病」が特定される。そして、検査項目抽出処理部64は、記憶部2に記憶されている疾病対応情報23に基づいて、「糖尿病」に対応づけられている検査項目の情報(種類)を抽出する。この例では、疾病対応情報23として、「糖尿病」に対して、「HbA1c」、「血糖」、「インスリン」、「HOMA-R」、「HOMA-β」が対応づけられているため、検査項目抽出処理部64は、検査項目としてこれらの項目を抽出する。そして、表示処理部69は、検査項目抽出処理部64が抽出した検査項目の結果を検査結果表示画面79に表示する。このとき、表示処理部69は、各検査項目における第1閾値及び第2閾値の情報を合わせて表示させる。
【0121】
担当者は、このようにして表示された検査結果表示画面79を確認することで、健康診断受診者(従業員)の疾病毎での詳細な健康状態を把握することができる。そして、例えば、この表示内容を共有しながら面談を行うことで、自身の健康状態に関し、より深い理解を促すことができる。
【0122】
また、この表示画面において、図示しないボタンを操作することで年代別の平均値を合わせて表示させることを選択することもできる。
【0123】
図7は、表示画面7における表示態様の一例を示した図であって、個人の検査結果と平均値の値が合わせて表示された状態を示している。
【0124】
例えば、図示しないボタンが選択され、年代別(同年代)の平均値を合わせて表示させることが選択されると、表示画面7において図7に示す状態が表示される。図7では、図6に示す個人の検査結果に重ねるようにして、その個人と同年代の平均値の値が棒グラフで表示される。これにより、同年代の平均値と比較しながら個人の検査結果を確認することができる。
【0125】
このときの具体的な処理としては、まず、判別処理部65により、表示されている個人の年代が判別される。そして、判別処理部65が判別した年代の情報、及び、記憶部2の健康診断情報21に基づいて、平均値算出処理部67がその年代の平均値を算出する。表示処理部69は、平均値算出処理部67が算出した平均値を検査結果表示画面79に表示させる。
【0126】
また、このとき、例えば、図示しないレポート作成ボタンが選択されると、レポート作成処理部68は、個人の検査結果と各閾値(第1閾値及び第2閾値)との関係をレポートとして作成する。例えば、第1閾値よりも悪い値となる検査結果や、第1閾値と第2閾値との間となる検査結果がある場合、レポートにおいてこれらの検査結果が挙げられ、その詳細が表示される。また、理想値である検査結果がある場合、悪化傾向にある検査結果がある場合、各閾値よりも悪い値であるが良化傾向にある検査結果がある場合には、それらの説明内容もレポートに含まれる。作成されたレポート情報は、印字部4に送られて印刷される。このレポートを健康面談において用いることも可能である。
【0127】
また、表示画面7では、このような個人の表示とは別に、後述する年代毎での平均値を表示させることも可能である。
【0128】
図8は、表示画面7における表示態様の一例を示した図であって、年代別の平均値が表示された状態を示している。
【0129】
例えば、図3の一覧表71の表示のように、一覧表71に複数の健康診断受診者の結果情報が表示されている状態で、疾病選択第2ボタン76が選択されると、図8に示すように、年代毎での平均値を示す画面が表示される(ステップS108でYES→ステップS109でNO→ステップS111)。
【0130】
このとき、表示画面7には、疾病欄81、年度表示ボタン82、性別表示ボタン83及び検査結果表示画面84が表示される。年度表示ボタン82及び性別表示ボタン83を操作することで、年度毎での平均値や性別毎での平均値を表示させることも可能である。なお、最初に表示される画面では、全ての年度を対象とし、かつ、男女両方を対象とした平均値が表示される。
【0131】
このときの具体的な処理としては、まず、疾病選択処理部62により疾病が特定される。そして、その疾病の情報に基づいて、検査項目抽出処理部64により検査項目の情報が抽出される。判別処理部65は、一覧表71に表示される情報のうち、検査項目抽出処理部64が抽出した情報と、健康診断受診者の年代を特定する。平均値算出処理部67は、判別処理部65が特定した情報に基づいて、年代毎の平均値を算出する。表示処理部69は、平均値算出処理部67の算出結果を検査結果表示画面84に表示させる。また、表示処理部69は、第1閾値及び第2閾値の値を合わせて検査結果表示画面84に表示させる。
【0132】
このとき、例えば、図示しないレポート作成ボタンが選択されると、レポート作成処理部68は、年代別の平均値と各閾値(第1閾値及び第2閾値)との関係をレポートとして作成する。作成されたレポートは、印字部4に送られてレポートとして印刷される。
【0133】
6.作用効果
(1)本実施形態によれば、図3に示すように、健康面談支援システム1では、表示画面7に表示される一覧表71において、第1閾値と比較して悪い値である検査結果と、第1閾値から第2閾値の間に含まれる値である検査結果とのそれぞれが他の検査結果と区別する態様で表示される。また、これらの検査結果は、互いに異なる表示態様で表示される。例えば、第1閾値と比較して悪い値である検査結果は、赤色等の注意をひきやすい色で表示され、第1閾値から第2閾値の間に含まれる値である検査結果は、緑色等の比較的注意をひく色で表示される。
【0134】
そのため、一覧表71を確認することで、各健康診断受診者の健康状態を詳細に確認することができる。例えば、ある健康診断受診者の健康診断結果において赤色の表示が多い場合には、異常値を示す値が多いことを確認することができる。この場合、その健康診断受診者との健康面談において、健康状態が優れないものであることを伝えることができる。また、例えば、ある健康診断受診者の健康診断結果において緑色の表示が多い場合には、正常値の範囲内であるがその境界に近い値が多いことを確認することができる。この場合、健康面談において、正常な健康状態ではあるが注意が必要であることを伝えることができる。
【0135】
このように、健康面談支援システム1によれば、健康診断受診者の健康状態を詳細に把握することが可能となる。具体的には、健康診断の結果が異常値を示すものである場合の健康状態のみならず、正常値を示すものである場合の健康状態についても詳細に把握することが可能となる。
【0136】
よって、健康面談支援システム1を用いることで、病気を未然に防ぐことが可能となる。
【0137】
(2)また、本実施形態によれば、図8に示すように、表示画面7において年代別での検査結果の平均値、第1閾値及び第2閾値を合わせて表示することができる。また、その際の検査項目は、選択された疾病に対応するものに絞り込まれる。
【0138】
通常、健康診断で検査する検査項目は多岐にわたるため、健康診断の結果をそのまま表示させると表示情報が多くなりすぎてしまい、健康状態に関してどのような傾向にあるのかが分かりづらい。健康面談支援システム1では、ある疾病分野に絞り込み、その疾病に関連する検査項目に限定した上で、年代別平均値、第1閾値及び第2閾値を確認することができる。
【0139】
そのため、疾病毎で、詳細な健康状態や傾向を確認することができる。
【0140】
よって、複数の健康診断受診者を含む全体の状況を確認する際において、詳細な健康状態や傾向を直観的に理解することが可能となる。
【0141】
(3)また、本実施形態によれば、図6に示すように、表示画面7において個人の健康診断結果を表示させる際において、ある疾病分野に絞り込み、その疾病に関連する検査項目に限定した上で、検査結果、第1閾値及び第2閾値を表示させることができる。
【0142】
通常、健康診断で検査する検査項目は多岐にわたるため、健康診断の結果をそのまま表示させると表示情報が多くなりすぎてしまい、具体的にどのような健康状態にあるのかといった点や、どのような傾向にあるのかが分かりづらい。そこで、上記した構成とすることで、特定した疾病に絞り込み、その疾病に関連する検査項目に限定した上で、検査結果、第1閾値及び第2閾値が表示される。
【0143】
そのため、疾病毎で、詳細な健康状態や傾向を確認することができる。
【0144】
よって、個人の健康状態を確認する際において、詳細な健康状態や傾向を直観的に理解することが可能となる。
【0145】
(4)また、本実施形態によれば、図7に示すように、個人の検査結果を表示させる際において、個人の検査結果と合わせて同年代の平均値が表示される。
【0146】
そのため、個人の結果と同年代の平均値とを比較して確認することができる。
【0147】
その結果、個人の健康状態を確認する際において、より一層詳細な情報を直観的に理解することが可能となる。
【0148】
(5)また、本実施形態によれば、図3に示すように、第1閾値と比較して悪い値である検査結果を有する健康診断受診者を抽出する処理(「第1閾値外」を選択して行う処理)や、第1閾値から第2閾値の間に含まれる値である検査結果を有する健康診断受診者を抽出する処理(「第2閾値外」を選択して行う処理)を行うことができる。
【0149】
そのため、目的に応じて適切な健康診断受診者を選択して表示させることができる。
【0150】
例えば、健康面談の順番を決定する場合には、健康診断受診者を絞り込んで一覧表示させ、表示された者の中から優先的に面談を行うようにすることで、適切な面談順番を実現できる。
【0151】
(6)また、本実施形態によれば、図3に示すように、直近の健康診断結果での検査結果の値が第2閾値よりも悪い値であり、かつ、当該検査結果の値が前回の健康診断結果での値よりも悪い値となる結果がある場合に、その検査結果を有する健康診断受診者を抽出する処理「今回から悪い」を選択して行う処理)を行うことができる。
【0152】
そのため、目的に応じて適切な健康診断受診者を選択して表示させることができる。
【0153】
(7)また、本実施形態によれば、図3に示すように、直近の健康診断結果を含む複数回の健康診断結果において、検査結果の値が連続して悪化している結果がある場合に、その検査結果を有する健康診断受診者を抽出する処理(「2年連続で悪い」を選択して行う処理、及び、「3年連続で悪い」を選択して行う処理)を行うことができる。
【0154】
そのため、目的に応じて適切な健康診断受診者を選択して表示させることができる。
【0155】
なお、本実施形態では、2年連続又は3年連続で数値が悪化している場合を例に挙げたが、悪化している期間として、4年以上を選択できる構成であってもよい。
【0156】
(8)また、本実施形態によれば、図4のステップS104に示すように、健康診断受診者を抽出する処理において、疾病に応じた検査項目の情報に絞り込み、当該絞り込んだ情報に基づいて健康診断受診者の抽出が行われる。
【0157】
そのため、目的に応じた一覧表示を行うことができる。
【0158】
例えば、ある疾病に絞り込んで健康状態の傾向を確認したい場合には、その疾病を選択し、その疾病に関連する検査項目に絞り込んだ上で健康診断受診者の抽出を行うことができる。
【0159】
よって、健康状態の傾向を適切に把握することができる。
【0160】
7.変形例
上記した実施形態では、表示画面7の一覧表71に表示される第1表示~第3表示として、背景の色を異なる色で表示させるとして説明した。しかし、これらの表示は、互いに区別することができるものであればよく、色分けで区別するものに限られない。例えば、各表示における数値を枠(線)で囲み、枠(線)の種類が異なるようにして表示させてもよい。
【0161】
また、上記した記実施形態では、図7に示すように、個人(個別)の検査結果を折れ線グラフで示し、同年代の平均値を個人の結果に重ねるように棒グラフで示したが、個人の検査結果と同年代の平均値が合わせて表示されるものであればよく、その表示態様は実施形態で示したものに限られない。例えば、個人の検査結果と同年代の平均値の両方を棒グラフで並べて表示してもよい。
【0162】
また、上記した実施形態で示した疾病の種類、及び、検査項目の種類は一例であり、適宜設定することが可能である。
【0163】
また、上記した実施形態では、健康面談支援システム1は、スタンドアロン型のシステムであるとして説明したが、健康面談支援システム1をクラウド型のシステムにより実現することも可能である。
【0164】
また、上記したプログラム(健康面談支援プログラム)は、記録媒体に記録されて提供されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0165】
1 健康面談支援システム
2 記憶部
5 表示部
6 制御部
21 健康診断情報
22 閾値関連情報
23 疾病対応情報
62 疾病選択処理部
63 受診者選択処理部
64 検査項目抽出処理部
65 判別処理部
66 受診者抽出処理部
67 平均値算出処理部
69 表示処理部
211 診断者情報
212 項目情報
213 結果情報
221 詳細項目情報
222 特性情報
223 第1閾値情報
224 第2閾値情報
231 疾病情報
232 関連項目情報

【要約】
【課題】健康診断受診者の健康状態を詳細に把握することが可能となる健康面談支援システム、健康面談支援プログラム及び健康面談支援方法を提供する。
【解決手段】健康面談支援システム1は、記憶部2と、制御部6とを備える。記憶部2には、健康診断情報21、閾値関連情報22及び疾病対応情報23が記憶されている。閾値関連情報22には、第1閾値情報223及び第2閾値情報224が含まれる。表示処理部69は、複数の健康診断受診者の健康診断結果を一覧表示させる処理において、第1閾値と比較して悪い値である検査結果を他の検査結果と区別するための第1表示を行い、かつ、第1閾値から第2閾値の間に含まれる値である検査結果を他の検査結果と区別するための第2表示を行う。表示処理部69が行う第1表示と第2表示とは、異なる表示態様である。
【選択図】 図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8