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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】電池管理装置および電池システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/396 20190101AFI20250218BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20250218BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20250218BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20250218BHJP
【FI】
G01R31/396
H02J7/00 Q
H01M10/44 P
H01M10/48 P
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023534080
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 KR2022010028
(87)【国際公開番号】W WO2023003241
(87)【国際公開日】2023-01-26
【審査請求日】2023-06-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0094503
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドゥク ヨウ
(72)【発明者】
【氏名】ハム、ソク ヒョン
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-013210(JP,A)
【文献】特開2012-132852(JP,A)
【文献】特開2007-333474(JP,A)
【文献】特開2008-245480(JP,A)
【文献】特開2007-276654(JP,A)
【文献】特開2010-117256(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0126472(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0089603(KR,A)
【文献】国際公開第2021/138249(WO,A1)
【文献】米国特許第05677077(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36-31/396
H02J 7/00
H01M 10/44
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング部およびコントローラを備え、
前記スイッチング部は、電池モジュールと前記コントローラとの電気的連結を制御し、
前記コントローラは、前記電池モジュールに含まれた電池セルの電圧を測定可能であり、前記スイッチング部がオンになる場合、前記電池モジュールの内部抵抗を介して駆動電流が伝達され、前記電池セルの電圧を測定する場合、前記スイッチング部をオフにし、前記駆動電流が前記電池モジュールの内部抵抗に流れないように制御し
前記コントローラに駆動電流を供給するための電源部をさらに含み、
前記電源部は、前記スイッチング部がオン状態である場合には、前記電池モジュールから電源の供給を受けて充電され、前記コントローラにより前記スイッチング部がオフになった場合、蓄えられた電源を前記コントローラに供給する
電池管理装置。
【請求項2】
前記電池モジュールの内部抵抗は、前記電池モジュールに含まれた複数の電池セルのうち両端に備えられた電池セルの内部抵抗である、請求項1に記載の電池管理装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記電池セルの電圧を測定する場合、前記スイッチング部をオフにする制御信号を発生させる、請求項1または2に記載の電池管理装置。
【請求項4】
前記スイッチング部は、前記コントローラの内部に備えられる、請求項1または2に記載の電池管理装置。
【請求項5】
前記駆動電流は、前記コントローラの駆動電流である、請求項1または2に記載の電池管理装置。
【請求項6】
前記電源部は、少なくとも1つのキャパシタを含む、請求項1または2に記載の電池管理装置。
【請求項7】
前記電源部のキャパシタは、前記スイッチング部がオン状態である場合、前記電池モジュールから電源の供給を受けて充電される、請求項に記載の電池管理装置。
【請求項8】
複数の電池セルを含む電池モジュールと、
前記電池モジュールと連結され、前記複数の電池セルそれぞれの電圧を蓄電させる蓄電部と、
前記電池モジュールとコントローラとの間に備えられ、前記電池モジュールと前記コントローラとの電気的連結を制御するスイッチング部と、
前記蓄電部に蓄電された電圧に基づいて前記電池セルの電圧を測定可能であり、前記スイッチング部がオンになる場合、前記電池モジュールの内部抵抗を介して駆動電流が伝達され、前記電池セルの電圧を測定する場合、前記スイッチング部をオフにし、前記駆動電流が前記電池モジュールの内部抵抗に流れないように制御するコントローラと、
前記コントローラと連結され、前記スイッチング部がオフになった場合、前記コントローラに駆動電流を供給する電源部と、
を含
前記電源部は、前記スイッチング部がオン状態である場合には、前記電池モジュールから電源の供給を受けて充電され、前記コントローラにより前記スイッチング部がオフになった場合、蓄えられた電源を前記コントローラに供給する、電池システム。
【請求項9】
前記蓄電部は、前記電池セルそれぞれに対応するように備えられた複数のキャパシタを含む、請求項に記載の電池システム。
【請求項10】
前記電源部は、少なくとも1つのキャパシタを含む、請求項8または9に記載の電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2021年07月19日付けの韓国特許出願第10-2021-0094503号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本文書に開示された実施形態は、電池管理装置および電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、一般的に複数の電池セルが直列および/または並列に連結された電池モジュールを含む電池パックとして用いられる。そして、電池パックは、電池管理システムにより、状態および動作が管理および制御される。
【0003】
このような電池パックに対する需要が増加するにつれ、電池を管理する電池管理システム(BMS)の重要性が高まっている。電池管理システムの種々の機能のうち、電池セルそれぞれの電圧を測定する機能を簡単に行うためにモニター(Monitoring)ICを用いている。このようなモニターICは、電池セルの電圧がセンシングラインを介して入力され、周期的に電池セルそれぞれの電圧を測定することができる。
【0004】
この場合、当該モニターICを駆動する電流も電池モジュールから供給を受け、このような電流および電池モジュールの内部抵抗により、両端に位置した電池セルの電圧測定時に大きい誤差が発生する。このような誤差により、電池モジュールの両端に位置した電池セルは他の電池セルに比べて電圧が低く測定され、誤差を補正するためには別の電圧測定装置が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本文書に開示された実施形態は、電池モジュールに対して共有しているセンシングラインと駆動電流ラインを時間的に分離することで、電池セルの電圧測定時に正確度を高めるとともに信頼度を向上させることができる電池管理装置および電池システムを提供することを1つの目的とする。
【0006】
本文書に開示された実施形態の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していないまた他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置は、電池モジュールとの電気的連結を制御するスイッチング部と、前記電池モジュールに含まれた電池セルの電圧を測定し、前記電池セルの電圧を測定する場合、前記スイッチング部のオン/オフを制御して前記電池モジュールから伝達される駆動電流を制御するコントローラと、を含むことができる。
【0008】
一実施形態に係る、前記スイッチング部がオン(on)になる場合、前記電池モジュールと前記コントローラが電気的に連結され、前記電池モジュールの内部抵抗を介して前記駆動電流が伝達されることができる。
【0009】
一実施形態に係る、前記コントローラは、前記電池セルの電圧を測定する場合、前記スイッチング部をオフにすることができる。
一実施形態に係る、前記電池モジュールの内部抵抗は、前記電池モジュールに含まれた複数の電池セルのうち両端に備えられた電池セルの内部抵抗であってもよい。
【0010】
一実施形態に係る、前記コントローラは、前記電池セルの電圧を測定する場合、前記スイッチング部をオフにする制御信号を発生させることができる。
一実施形態に係る、前記スイッチング部は、前記コントローラの内部に備えられることができる。
一実施形態に係る、前記駆動電流は、前記コントローラの駆動電流であってもよい。
【0011】
一実施形態に係る、前記コントローラに駆動電流を供給するための電源部をさらに含むことができる。
一実施形態に係る、前記電源部は、前記コントローラにより前記スイッチング部がオフになった場合、蓄えられた電源を前記コントローラに供給することができる。
【0012】
一実施形態に係る、前記電源部は、少なくとも1つのキャパシタを含むことができる。
一実施形態に係る、前記電源部のキャパシタは、前記スイッチング部がオン状態である場合、前記電池モジュールから電源の供給を受けて充電されることができる。
【0013】
本文書に開示された一実施形態に係る電池システムは、複数の電池セルを含む電池モジュールと、前記電池モジュールと連結され、前記電池セルそれぞれの電圧を蓄電させる蓄電部と、前記電池モジュールとコントローラとの間に備えられ、前記電池モジュールと前記コントローラとの電気的連結を制御するスイッチング部と、前記蓄電部に蓄電された電圧に基づいて前記電池セルの電圧を測定し、前記電池セルの電圧を測定する場合、前記スイッチング部のオン/オフ制御により、前記電池モジュールから伝達される駆動電流を制御するコントローラと、を含むことができる。
【0014】
一実施形態に係る、前記蓄電部は、前記電池セルそれぞれに対応するように備えられた複数のキャパシタを含むことができる。
一実施形態に係る、前記スイッチング部がオンになる場合、前記電池モジュールと前記コントローラが電気的に連結され、前記電池モジュールの内部抵抗を介して前記駆動電流が伝達されることができる。
【0015】
一実施形態に係る、前記コントローラは、前記電池セルの電圧を測定する場合、前記スイッチング部をオフにすることができる。
一実施形態に係る、前記コントローラと連結され、前記スイッチング部がオフになった場合、前記コントローラに駆動電流を供給する電源部をさらに含むことができる。
【0016】
一実施形態に係る、前記電源部は、前記コントローラにより前記スイッチング部がオフになった場合、蓄えられた電源を前記コントローラに供給することができる。
一実施形態に係る、前記電源部は、少なくとも1つのキャパシタを含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置および電池システムは、電池モジュールに対して共有しているセンシングラインと駆動電流ラインを時間的に分離することで、電池セルの電圧測定時に正確度を高めるとともに信頼度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置およびそれを含む電池システムの構成を示すブロック図である。
図2】従来の電池管理装置を示す図である。
図3】本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置を示す図である。
図4】本文書に開示された他の実施形態に係る電池管理装置を示す図である。
図5】本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置の制御方法を示すフローチャートである。
図6】本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置の制御方法を実現するコンピューティングシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本文書に開示された多様な実施形態について詳しく説明する。本文書において、図面上の同一の構成要素に対しては同一の参照符号を付し、同一の構成要素に対して重複した説明は省略する。
【0020】
本文書に開示されている多様な実施形態に対し、特定の構造的または機能的説明は、単に実施形態を説明するための目的で例示されたものであり、本文書に開示された多様な実施形態は、種々の形態で実施されてもよく、本文書に説明された実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。
【0021】
多様な実施形態で用いられた「第1」、「第2」、「1番目」、または「2番目」などの表現は、多様な構成要素を、順序および/または重要度に関係なく修飾してもよく、当該構成要素を限定しない。例えば、本文書に開示された実施形態の権利範囲から逸脱せずに、第1構成要素は第2構成要素と命名してもよく、それと同様に、第2構成要素も第1構成要素に変更して命名してもよい。
【0022】
本文書で用いられた用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたものであって、他の実施形態の範囲を限定しようとするものではない。単数の表現は、文脈上、明らかに他を意味しない限り、複数の表現を含みもよい。
【0023】
技術的または科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本文書に開示された実施形態の技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有してもよい。一般的に用いられる辞書に定義された用語は、関連技術の文脈上の意味と同一または類似の意味を有するものと解釈されてもよく、本文書において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。場合によっては、本文書で定義された用語であっても、本文書に開示された実施形態を排除するように解釈されてはならない。
【0024】
図1は、本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置およびそれを含む電池システムの構成を示すブロック図である。
図1を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係る電池システム10は、電池管理装置100、電池モジュール210、および蓄電部220を含むことができる。また、本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置100は、スイッチング部110、コントローラ120、および電源部130を含むことができる。
【0025】
スイッチング部110は、電池モジュール210から印加される駆動電流を制御するように備えられることができる。ここで、駆動電流は、コントローラ120を駆動するための電流であってもよい。すなわち、スイッチング部110は、電池モジュール210とコントローラ120との間に備えられ、電池モジュール210とコントローラ120の電気的連結を制御することができる。この場合、スイッチング部210がオンになる場合、電池モジュール210とコントローラ120が電気的に連結され、電池モジュール210の内部抵抗を介して駆動電流がコントローラ120に伝達されることができる。また、スイッチング部110は、少なくとも1つのスイッチを含み、電池モジュール210の一端に備えられることができる。例えば、スイッチング部110は、コントローラ120の外部または内部に備えられることができる。
【0026】
コントローラ120は、蓄電部220に蓄電された電圧に基づいて電池セルそれぞれの電圧を測定することができる。また、コントローラ120は、各電池セルの電圧を測定する場合、スイッチング部110のオン/オフ制御により、電池モジュール210から伝達される駆動電流を制御することができる。コントローラ120は、電池セルの電圧を測定する場合、スイッチング部110をオフにし、電池モジュール210からの駆動電流が流れないように制御することができる。
【0027】
すなわち、コントローラ120は、電池モジュール210に含まれた電池セルの電圧を測定する場合、スイッチング部110のオン/オフを制御して駆動電流を制御することができる。コントローラ120は、電池セルの電圧を測定する場合、スイッチング部110をオフにし、駆動電流が電池モジュールの内部抵抗に流れないように制御することができる。例えば、電池モジュール210の内部抵抗は、電池モジュール210に含まれた複数の電池セルのうち両端に備えられた電池セルの内部抵抗であってもよい。
【0028】
また、コントローラ120は、電池セルの電圧を測定する場合、スイッチング部110をオフにする制御信号を発生させることができる。この際、生成された制御信号は、スイッチング部110に伝達され、スイッチング部110の動作を制御することができる。例えば、コントローラ120は、電池管理装置50に備えられたモニターICを含むことができる。
【0029】
電源部130は、コントローラ120に駆動電流を供給することができる。例えば、電源部130は、コントローラ120によりスイッチング部110がオフになった場合、予め蓄えられた電源をコントローラ120に供給することができる。例えば、電源部130は、キャパシタを含むことができ、電源部130のキャパシタは、スイッチング部110がオン状態である場合、電池モジュール210から電源の供給を受けて充電されることができる。
【0030】
すなわち、電源部130は、スイッチング部110がオン状態である場合には、電池モジュール210から電源の供給を受けて充電し、スイッチング部110がオフになると、充電された電源に基づいてコントローラ120に駆動電流を提供することができる。
【0031】
電池モジュール210は、複数の電池セルを含むことができる。この際、電池モジュール210には、複数の電池セルおよび内部抵抗が含まれることができる。
【0032】
蓄電部220は、電池モジュール210と連結され、電池セルそれぞれの電圧を蓄電させることができる。例えば、蓄電部220は、電池セルそれぞれに対応するように備えられた複数のキャパシタを含むことができる。したがって、コントローラ120は、蓄電部220に蓄電された電圧を測定することで、各電池セルの電圧を検出することができる。
【0033】
このように、本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置100は、電池モジュールに対して共有しているセンシングラインと駆動電流ライン(図3参照)を時間的に分離することで、電池セルの電圧測定時に正確度を高めるとともに信頼度を向上させることができる。以下、これについてより具体的に説明する。
【0034】
図2は、一般的な電池管理装置を示す図である。
図2を参照すると、一般的な電池管理装置の場合、電池セルそれぞれの電圧(V1-Vn)は、センシングライン(SL1-SLn)を介してキャパシタ(Cv1-Cvn)に印加されることができる。この場合、コントローラ120(例えば、monitoring IC)においては、キャパシタ(Cv1-Cvn)の電圧を用いて電池セルの電圧を測定することができる。また、図2のRMVは、駆動電流ライン(PL)の寄生抵抗であり、Rpは、センシングライン(SL)の寄生抵抗であってもよい。
【0035】
一方、コントローラ20の駆動電流(Icc)121は、電池モジュール210から供給され、図2における駆動電流ライン(PL)の経路に沿って流れることができる。また、図2ではコントローラ20の内部に駆動電流源(Icc)121が存在するものと示されているが、実際に駆動電流(Icc)121は、電池モジュール210から印加された電流であってもよい。
【0036】
図2に示したように、一般的な電池管理装置において、電池モジュール210の外部ではセンシングライン(SL1-SLn)と駆動電流ライン(PL)を分離させることができるが(すなわち、RpnとRMV+、Rp0とRMV-)、電池モジュール210の内部ではセンシングライン(SL1-SLn)と駆動電流ライン(PL)を分離させることができなくなる。
【0037】
このように、図2において、電池モジュール210の両端に位置した内部抵抗(Rb0、Rbn)にはセンシングライン(SL1-SLn)と駆動電流ライン(PL)の全ての電流が流れることになり、このような駆動電流は相対的に電圧値が大きいため、Rb0とRbnにおいて電圧降下が発生することになる。したがって、図2のCv1とCvnにはV1、Vnよりも有意に小さい電圧が印加され、電池モジュール210の両端に位置した電池セルにおける他の電池セルの電圧よりも常に小さく測定される結果が発生し得る。
【0038】
図3は、本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置を示す図である。
図3を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置100は、コントローラ120において電池セルの電圧測定命令が生成されると、スイッチ制御信号を発生させることができる。これにより、コントローラ120は、スイッチング部110をオフにし、駆動電流が電池モジュール120の内部抵抗(Rb0、Rbn)に流れないように制御することができる。
【0039】
また、図3のキャパシタ(Cv1-Cvn)は、相対的に小さいキャパシタンスを有するため、スイッチング部110がオフになってまもなく、対応の電池セルの電圧(V1-Vn)に固定されることができる。そして、コントローラ120は、電池セルそれぞれの電圧測定を行うことができ、電池セルの内部抵抗(Rb0、Rbn)による誤差なしに実際の電池セルの電圧を正確に測定することができる。
【0040】
一方、コントローラ120において電池セルそれぞれの電圧を測定する間(すなわち、スイッチング部110がオフ状態)、コントローラ120の駆動電流は、電源部130(CMV)から供給することができる。また、電源部130(CMV)は、電池モジュール210の電圧の振動を防止する機能を行うことができる。
【0041】
そして、コントローラ120において電池セルの電圧測定が完了すると、再びコントローラ120のスイッチ制御信号によりスイッチング部110がオンになり、電源部130は、電池モジュール210から充電を開始することができる。
【0042】
図4は、本文書に開示された他の実施形態に係る電池管理装置を示す図である。
図4を参照すると、本文書に開示された他の実施形態に係る電池管理装置100は、スイッチング部110をコントローラ120に内在化することができる。この場合、スイッチング部110がコントローラ120の内部に備えられているため、追加のスイッチ制御信号をコントローラ120の外部に伝送しなくて済むので、コントローラ120の外部回路を変更することなく、図3の電池管理装置100と実質的に同一の機能を有するように構成することができる。
一方、図4に示された電池管理装置100の場合にも、基本的な制御動作は図3の電池管理装置100と実質的に同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0043】
図5は、本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置の制御方法を示すフローチャートである。
図5の本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置100の制御方法は、電池モジュールから印加される駆動電流を制御するように備えられたスイッチング部110と、スイッチング部110のオン/オフを制御して駆動電流を制御するコントローラ120と、を含む電池管理装置を制御する方法であってもよい。ここで、駆動電流は、コントローラ120を駆動するための電流であってもよい。また、スイッチング部110は、少なくとも1つのスイッチを含み、電池モジュールの一端に備えられることができる。例えば、スイッチング部110は、コントローラ120の外部または内部に備えられることができる。
【0044】
図5を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置100の制御方法は、先ず、スイッチング部110のオン/オフを制御して駆動電流を制御することができる(S110)。そして、スイッチング部110のオン/オフ状態に応じて電池セルの電圧を測定することができる(S120)。
【0045】
具体的に、本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置100の制御方法は、コントローラ120を介して電池セルの電圧を測定する場合、スイッチング部110をオフにし、駆動電流が電池モジュールの内部抵抗に流れないようにすることができる。例えば、電池モジュールの内部抵抗は、電池モジュールに含まれた複数の電池セルのうち両端に備えられた電池セルの内部抵抗であってもよい。
【0046】
また、ステップS120において電池セルの電圧を測定する場合、スイッチング部110をオフにする制御信号を発生させることができる。この際、生成された制御信号は、スイッチング部110に伝達され、スイッチング部110の動作を制御することができる。
【0047】
一方、図5には示していないが、本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置100の制御方法は、電源部130を介してコントローラ120に駆動電流を供給するステップをさらに含むことができる。例えば、電源部130は、コントローラ120によりスイッチング部110がオフになった場合、予め蓄えられた電源をコントローラ120に供給することができる。この際、電源部130は、キャパシタを含むことができ、電源部130のキャパシタは、スイッチング部110がオン状態である場合、電池モジュールから電源の供給を受けて充電されることができる。
【0048】
すなわち、電源部130は、スイッチング部110がオン状態である場合には、電池モジュールから電源の供給を受けて充電し、スイッチング部110がオフになると、充電された電源をコントローラ120に供給して駆動電流として機能することができる。
【0049】
このように、本文書に開示された一実施形態に係る電池管理方法は、電池モジュールに対して共有しているセンシングラインと駆動電流ラインを時間的に分離することで、電池セルの電圧測定時に正確度を高めるとともに信頼度を向上させることができる。
【0050】
図6は、本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置の制御方法を実現するコンピューティングシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0051】
図6を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係るコンピューティングシステム1000は、MCU1010、メモリ1020、入出力I/F1030、および通信I/F1040を含むことができる。
【0052】
MCU1010は、メモリ1020に格納されている各種プログラム(例えば、電池セルの電圧測定プログラム、スイッチング制御プログラムなど)を実行させ、このようなプログラムを介して電池セルの電圧および内部抵抗などを含む各種データを処理し、前述した図1に示した電池管理装置100の機能を行うようにするプロセッサであってもよい。
【0053】
メモリ1020は、電池セルの電圧測定やスイッチング制御などに関する各種プログラムを格納することができる。また、メモリ1020は、電池セルの電圧や内部抵抗などの各種データを格納することができる。
【0054】
このようなメモリ1020は、必要に応じて複数備えられてもよい。メモリ1020は、揮発性メモリであってもよく、不揮発性メモリであってもよい。揮発性メモリとしてのメモリ1020は、RAM、DRAM、SRAMなどが用いられることができる。不揮発性メモリとしてのメモリ1020は、ROM、PROM、EAROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリなどが用いられることができる。上記で列挙したメモリ1020の例は単なる例示にすぎず、これらの例に限定されるものではない。
【0055】
入出力I/F1030は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置(図示せず)と、ディスプレイ(図示せず)などの出力装置と、MCU1010との間を連結してデータを送受信できるようにするインターフェースを提供することができる。
【0056】
通信I/F1040は、サーバと各種データを送受信できる構成であり、有線または無線通信を支援できる各種装置であってもよい。例えば、通信I/F1040を介して、別に備えられた外部サーバから電池セルの電圧測定およびスイッチング制御のためのプログラムや各種データなどを送受信することができる。
【0057】
このように、本文書に開示された一実施形態に係るコンピュータプログラムは、メモリ1020に記録され、MCU1010により処理されることで、例えば、図1に示した各機能を行うモジュールとして実現されてもよい。
【0058】
以上、本文書に開示された実施形態を構成する全ての構成要素が1つに結合するかまたは結合して動作するものと説明されたからといって、本文書に開示された実施形態が必ずしもこのような実施形態に限定されるものではない。すなわち、本文書に開示された実施形態の目的の範囲内であれば、その全ての構成要素が1つ以上に選択的に結合して動作してもよい。
【0059】
また、以上に記載された「含む」、「構成する」、または「有する」などの用語は、特に反対の記載がない限り、当該構成要素が内在できることを意味するため、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいものと解釈されなければならない。技術的または科学的な用語を含む全ての用語は、他に定義しない限り、本文書に開示された実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有する。辞書に定義された用語のように一般的に用いられる用語は、関連技術の文脈上の意味と一致するものと解釈されなければならず、本文書において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0060】
以上の説明は本文書に開示された技術思想を例示的に説明したものにすぎず、本文書に開示された実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本文書に開示された実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正および変形が可能である。したがって、本文書に開示された実施形態は本文書に開示された実施形態の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本文書に開示された技術思想の範囲が限定されるものではない。本文書に開示された技術思想の保護範囲は後述の請求範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本文書の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6