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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/16 20060101AFI20250218BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20250218BHJP
【FI】
H02K5/16
H02K5/22
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021049108
(22)【出願日】2021-03-23
(65)【公開番号】P2022147729
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2024-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青野 真郷
(72)【発明者】
【氏名】牧野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】水谷 竜彦
【審査官】池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-107853(JP,A)
【文献】特開2013-165542(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0214817(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/16
H02K 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる筒状のシャフト筒部を有するシャフトと、
前記シャフトとともに回転可能なロータと、
前記ロータよりも径方向外方に配置されるステータと、
前記シャフトを回転可能に支持するベアリングと、
前記ロータ、前記ステータ、及び前記ベアリングを収容するハウジングと、前記シャフトと前記ハウジングとを電気的に接続する除電装置と、を備え、
前記除電装置は前記シャフトの外側に配置され、
前記シャフト筒部には軸方向他端側に位置する流入口より流入する潤滑液が供給され、
前記シャフトは、軸方向において前記流入口とは反対側である軸方向一方端部に配置される蓋部を有し、
前記蓋部に軸方向に貫通する第2シャフト貫通孔の直径は前記シャフト筒部の内径よりも小さい、モータ。
【請求項2】
前記蓋部は、径方向に広がり、軸方向一方側を向くように設けられる凹部と、第1固定部とを有し、
前記第1固定部は、前記蓋部と前記シャフトとを固定する、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記ハウジングは、
前記ロータおよび前記ステータを径方向外側から囲む筒部と、
径方向に広がり、前記筒部の軸方向一方端部を覆うモータ蓋部と、
径方向に広がり、前記モータ蓋部の軸方向一方側に設けられるプレート部と、
を有し、
前記除電装置は、前記モータ蓋部と前記プレート部によって形成される空間に配置される、請求項1または2に記載のモータ。
【請求項4】
前記モータ蓋部は、前記シャフトが挿通される開口部を有し、
前記開口部において、シール部材が前記シャフトと前記モータ蓋部との間に配置されている、請求項3記載のモータ。
【請求項5】
軸方向において、前記ロータと前記除電装置との間に、前記シール部材が配置されている、請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
軸方向において、前記ベアリングと前記除電装置との間に、前記シール部材が配置されている、請求項5に記載のモータ。
【請求項7】
動力伝達装置をさらに有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの出力軸をアースするアース装置が知られている。たとえば、アース装置のアース部材は、軸方向から出力軸の端面の軸中心と接触する。(たとえば特開2019-192491号公報参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-192491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、中空の出力軸の内部の冷媒を回転により径方向の貫通孔から流出させてモータを冷却する場合、出力軸の軸方向端部から吸気することで、圧力差により冷媒を軸方向他方端部から出力軸の内部に引き込む。従って、上述のアース装置では、上記のような中空の出力軸を用いた冷却をすることは難しい。また、仮に中空の出力軸内に冷媒を供給した場合、アース部材に冷媒が付着し、除電効率が低減してしまう。
【0005】
本発明は、筒状のシャフトを用いたモータの冷却と、除電装置によるシャフトの放電とを両立することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的なモータは、 軸方向に延びる筒状のシャフト筒部を有するシャフトと、前記シャフトとともに回転可能なロータと、前記ロータよりも径方向外方に配置されるステータと、前記シャフトを回転可能に支持するベアリングと、前記ロータ、前記ステータ、及び前記ベアリングを収容するハウジングと、前記シャフトと前記ハウジングとを電気的に接続する除電装置と、を備え、前記除電装置は前記シャフトの外側に配置され、前記シャフト筒部には軸方向他端側に位置する流入口より流入する潤滑液が供給され、前記シャフトは、軸方向において前記流入口とは反対側である軸方向一方端部に配置される蓋部を有し、前記蓋部に軸方向に貫通する第2シャフト貫通孔の直径は前記シャフト筒部の内径よりも小さい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の例示的なモータによれば、筒状のシャフトを用いたモータの冷却と、除電装置によるシャフトの放電とを両立することができ、除電効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、モータの構成例を示す概念図である。
図2図2は、モータの要部の構成例を拡大して示す概念図である。
図3図3は、モータを搭載する車両の一例を示す概略図である。
図4図4は、蓋部材の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して例示的な実施形態を説明する。
【0010】
本明細書において、モータ部1の第1回転軸J1と平行な方向をモータ100の「軸方向」とする。軸方向について、図1に示すとおり、モータ部1側を軸方向一方D1とし、動力伝達装置3側を軸方向他方D2とする。また、所定の軸と直交する径方向を単に「径方向」と称し、所定の軸を中心とする周方向を単に「周方向」と称する。さらに、本明細書において「平行な方向」は、完全に平行な場合のみでなく、略平行な方向も含む。そして、所定の方向または平面に「沿って延びる」とは、厳密に所定の方向に延びる場合に加えて、厳密な方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
【0011】
<1.実施形態>
図1は、モータ100の構成例を示す概念図である。図2は、モータ100の要部の構成例を拡大して示す概念図である。図3は、モータ100を搭載する車両300の一例を示す概略図である。なお、図1及び図2は、あくまで概念図であり、各部の配置および寸法は、実際のモータ100と同じであるとは限らない。また、図2は、図1の破線で囲まれた部分Xを拡大した図である。また、図3は、車両300を概念的に図示している。
【0012】
モータ100は、本実施形態では図3に示すように、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、少なくともモータを動力源とする車両300に搭載される。モータ100は、上記の車両300の動力源として使用される。車両300は、モータ100と、バッテリ200と、を有する。バッテリ200は、モータ100に供給するための電力を蓄積する。モータ100は、車両300の例であれば、左右の前輪を駆動する。なお、モータ100は、少なくともいずれかの車輪を駆動すればよい。
【0013】
図1に示すように、モータ100は、モータ部1と、シャフト2と、動力伝達装置3と、ハウジング4と、液循環部6と、を備える。シャフト2は、第1回転軸J1に沿って軸方向に延びる。シャフト2は、第1回転軸J1を中心として回転可能である。ハウジング4は、モータ部1、シャフト2、及び動力伝達装置3を収容する。たとえば、ハウジング4は、後述するモータ部1のロータ11、ステータ12、及び、後述するベアリング4211,4314などを収容する。
【0014】
また、モータ100は、導電部材71を有する除電装置7をさらに備える。除電装置7は、シャフト2とハウジング4とを電気的に接続する。除電装置7は、ハウジング4に固定されて、シャフト2と接する。図2に示すように、本実施形態の除電装置7は、導電部材71と、保持部材73と、をさらに有する。
【0015】
保持部材73は、リング状であり、導電部材71を内部に収容する。保持部材73は、導電部材71を保持する。導電部材71は、カーボン製の糸状の部材を複数束ねたものである。
【0016】
図示しない、固定部材は、除電装置7をハウジング4に固定する。本実施形態では、固定部材は、保持部材73に取り付けられる。また、少なくとも1つの固定部材が、後述するプレート部433に固定される(たとえば後述する図4A参照)。但し、この例示に限定されず、少なくとも1つの固定部材74が、後述するカバー部材44に固定されてもよい。つまり、固定部材は、保持部材73をプレート部433及びカバー部材44の少なくとも一方に固定する。
【0017】
また、固定部材は、導電性を有し、導電部材71と電気的に接続される。固定部材74が導電性を有するプレート部433又はカバー部材44に固定されることにより、導電部材71は、ハウジング4と電気的に接続される。
【0018】
<1-1.モータ部1>
次に、図1及び図2を参照して、モータ部1を説明する。モータ部1は、直流のブラシレスモータである。モータ部1は、モータ100の駆動源であり、不図示のインバータからの電力によって駆動される。モータ部1は、ステータ12の内方にロータ11が回転可能に配置されたインナーロータ型である。図1に示すように、モータ部1は、ロータ11と、ステータ12と、を有する。
【0019】
<1-1-1.ロータ11>
ロータ11は、シャフト2に支持される。モータ100は、ロータ11を備える。ロータ11は、シャフト2とともに回転可能である。詳細には、ロータ11は、後述する第1シャフト21に支持される。ロータ11は、モータ100の電源部(図示省略)からステータ12に電力が供給されることで回転する。ロータ11は、ロータコア111と、マグネット112と、を有する。ロータコア111は、たとえば、薄板状の電磁鋼板を積層して形成される。ロータコア111は、軸方向に沿って延びる円柱体であり、第1シャフト21の径方向外側面に固定される。ロータコア111には、複数のマグネット112が固定される。複数のマグネット112は、磁極を交互にして周方向に沿って並ぶ。
【0020】
また、ロータコア111は、ロータ貫通孔1111を有する。ロータ貫通孔1111は、ロータコア111を軸方向に貫通するとともに、第1シャフト貫通孔201と繋がる。ロータ貫通孔1111は、冷媒としても機能する潤滑液CLの流通経路として利用される。ロータ11が回転する際、第1シャフト21の中空部211を流通する潤滑液CLは、第1シャフト貫通孔201を経由してロータ貫通孔1111に流入できる。また、ロータ貫通孔1111に流入した潤滑液CLは、ロータ貫通孔1111の軸方向両端部から外部に流出できる。流出した潤滑液CLは、ステータ12に向かって飛び、たとえばコイル部122(特にコイルエンド1221)などを冷却する。また、流出した潤滑液CLは、第1シャフト21を回転可能に支持するベアリング4211,4314などに向かって飛び、ベアリング4211,4314を潤滑するとともに冷却する。
【0021】
<1-1-2.ステータ12>
ステータ12は、ロータ11よりも径方向外方に配置される。モータ100は、ステータ12を備える。ステータ12は、ステータコア121と、コイル部122と、を有する。ステータコア121とコイル部122との間に介在する。ステータ12は、後述する第1ハウジング筒部41に保持される。ステータコア121は、円環状のヨークの内周面から径方向内方に延びる複数の磁極歯(不図示)を有する。コイル部122は、インシュレータ(図示省略)を介して、磁極歯に導線を巻き付けることで形成される。コイル部122は、ステータコア121の軸方向端面から突出するコイルエンド1221を有する。
【0022】
<1-2.シャフト2>
シャフト2は、図1に示すように、後述するベアリング4211,4221,4314,4611を介してハウジング4により回転可能に支持される。つまり、モータ100は、ベアリング4211,4221,4314,4611を備える。ベアリング4211,4221,4314,4611は、第1シャフト21を回転可能に支持する。
【0023】
シャフト2は、第1シャフト21を有する。前述の如くモータ100は、シャフト2を備える。第1シャフト21は、軸方向に延びる筒状である。第1シャフト21の内側には、冷媒が流れる。モータ100は、この冷媒をさらに備える。なお、冷媒は、本実施形態では潤滑液CLである。シャフト2の回転に応じて、第1シャフト21の内側を流れる冷媒を後述する第1シャフト貫通孔201を通じてステータ12及びベアリング4211,4314などに供給することができる。従って、冷媒によって、ステータ12(特にコイル部122のコイルエンド1221)及びベアリング4211,4314などを冷却できる。
【0024】
第1シャフト21は、中空部211と、シャフト筒部212と、流入口213と、を有する。シャフト筒部212は、第1回転軸J1に沿って軸方向に延びる。中空部211は、シャフト筒部212の内部に配置される。流入口213は、シャフト筒部212の軸方向他方D2側に配置され、後述するギヤ蓋部46の油路465と繋がる。流入口213を介して、後述する潤滑液CLが油路465から中空部211に流入する。
【0025】
なお、第1シャフト21は、軸方向の中間部分で分割可能であってもよい。第1シャフト21が分割可能である場合、分割された第1シャフト21は、例えば、雄ねじおよび雌ねじを用いたねじカップリングを採用することが可能である。また、圧入、溶接等の固定方法にて接合してもよい。圧入、溶接等の固定方法を採用する場合、軸方向に延びる凹部および凸部を組み合わせるセレーションを採用してもよい。このような構成とすることで、回転を確実に伝達することが可能である。
【0026】
また、シャフト2は、蓋部22と、第1シャフト21と、第1シャフト貫通孔201と、第2シャフト貫通孔202と、をさらに有する。蓋部22は、第1シャフト21の軸方向一方端部に配置される。第1シャフト貫通孔201は、第1シャフト21において径方向に貫通する。第1シャフト21、蓋部22、及び第2シャフト23は、導電性を有し、本実施形態では金属製である。第2シャフト23は、除電装置7と接する。
【0027】
第1シャフト貫通孔201よりも軸方向一方D1に配置される第2シャフト貫通孔202がシャフト2に設けられるため、第2シャフト貫通孔202から吸気することで、圧力差により、第1シャフト21の軸方向他方D2側から内部に冷媒となる潤滑液CLを引き込むことができる。従って、筒状の第1シャフト21の内部の潤滑液CLを回転により第1シャフト貫通孔201から流出させて、モータ部1(特にステータ12のコイル部122)を冷却できる。さらに、除電装置7が第1シャフト21と接することにより、シャフト2がハウジング4と電気的に接続される。そのため、除電装置7を介して、シャフト2内に生じる電位変動により発生する電流をハウジング4に放電することができる。従って、筒状の第1シャフト21内の冷媒(本実施形態では潤滑液CL)によるモータ部1の冷却と、除電装置7によるシャフト2の放電とを両立することができる。
【0028】
<1-2-2.第1シャフト貫通孔201>
また、第1シャフト貫通孔201は、シャフト筒部212に配置され、シャフト筒部212を径方向に貫通する。シャフト2が回転する際、第1シャフト21内の潤滑液CLは遠心力によって、第1シャフト貫通孔201を通じて中空部211から第1シャフト21の外部に流出する。本実施形態では図1に示すように、第1シャフト貫通孔201は、ロータ11の軸方向一方端部よりも軸方向他方D2、且つ、ロータ11の軸方向他方端部よりも軸方向一方D1に配置され、前述の如くロータ貫通孔1111と繋がる。
【0029】
但し、図1の例示に限定されず、第1シャフト貫通孔201は、ロータ11の軸方向一方端部よりも軸方向一方D1に配置されてもよいし、ロータ11の軸方向他方端部よりも軸方向他方D2に配置されてもよい。つまり、少なくとも一部の第1シャフト貫通孔201は、これらのうちの少なくともいずれかの位置に配置されてもよい。図5は、第1シャフト貫通孔201の他の配置例を示す図である。たとえば図5に示すように、少なくとも一部の第1シャフト貫通孔201は、ロータ11よりも軸方向一方D1に配置されるとともに、ベアリング4314よりも軸方向他方D2に配置されてもよい。また、少なくとも一部の第1シャフト貫通孔201は、ロータ11よりも軸方向他方D2に配置されるとともに、ベアリング4211よりも軸方向一方D1に配置されてもよい。こうすれば、ロータ11よりも軸方向一方D1又は軸方向他方D2に配置された第1シャフト貫通孔201を通じて、シャフト筒部212の内部を流れる冷媒(つまり潤滑液CL)を直接にステータ12、ベアリング4211,4314に向けて流出させることができる。
【0030】
<1-2-3.第2シャフト貫通孔202>
第2シャフト貫通孔202は、蓋部22に形成される。本実施形態では、第2シャフト貫通孔202は、蓋部22に配置され、蓋部22を軸方向に貫通する(たとえば図2参照)。こうすれば、第2シャフト貫通孔202が第1シャフト21に配置される場合よりも、第1シャフト21の内部に空気を吸い込み易くなる。また、吸気口として機能する第2シャフト貫通孔202の直径を変更すれば第1シャフト21内への吸気量、吸気された気流の流れを適切に調節することができる。
【0031】
<1-2-4.蓋部22>
次に、図2及び図4を参照して、蓋部22を説明する。
【0032】
蓋部22は、本実施形態では図2に示すように、第1回転軸J1から径方向に広がる板状である。
【0033】
蓋部22は第1シャフト21とは別の部材であり、蓋部22は、第1シャフト21の軸方向一方D1側の端部に嵌め合わされる。
【0034】
蓋部22は、第1固定部222をさらに有する。第1固定部222は、蓋部22に第1シャフト21に固定する。第1固定部222は、たとえは、ロウ付け用のロウ材(銀ろうなど)であってもよいし、接着剤であってもよいし、溶接跡であってもよい。つまり、穴部221において第1シャフト23が蓋部22に固定される手段は、ロウ付けであってもよいし、接着剤を用いた接着であってもよいし、溶接であってもよい。こうすれば、より確実に第1シャフト21を蓋部22に保持できる。なお、第1固定部222は、これらの例示に限定されない。たとえば、第1シャフト21の径方向外側面に形成された雄螺子部が穴部221の内側面に形成された雌螺子部に螺合されることにより、両者は固定されてもよい。但し、この例示は、シャフト2が第1固定部222を有さない構成を排除しない。
【0035】
また、本実施形態では図2に示すように、蓋部22は、シャフト筒部212の軸方向一方端部に接続され、シャフト筒部212の軸方向一方端部の開口を覆う。これは、後述するシャフト2の流入口213から最も遠い位置に位置する。
【0036】
蓋部22の第2シャフト貫通孔202は、穴部221の内径よりも小さい。すなわち、穴部221の内径はシャフト筒部212の内径と同じである。すなわち、蓋部22の第2シャフト貫通孔202の直径は、シャフト筒部212の内径よりも小さい。また、蓋部22には凹部223を有している。凹部223は軸方向一方側を向くように設けられる。これにより、第1シャフト21内部の潤滑液CLが、後述する除電装置7が収容される除電装置収容空間71に潤滑液CLが飛散する量を減少させることができる。したがって、除電装置収容空間403内に飛散する潤滑液CLの量を減少させることができ、除電効率を向上させることができる。
【0037】
また、蓋部22が第1シャフト21に嵌まる場合、好ましくは、蓋部22は、第1面取り部224をさらに有する。第1面取り部224は、蓋部22の軸方向他方端部のうちの径方向外端部に配置される。たとえば、蓋部22の軸方向他方端部において、蓋部22の軸方向他方端面と径方向外側面とが成す角部には、両者間に曲面を形成するいわゆるR面取り(Round chamfering)、又は、この角部の角を斜めに切り落とすいわゆるC面取り(beveling)が周方向に渡って施される。第1面取り部224の配置により、蓋部22がさらに第1シャフト21の軸方向一方端部に嵌め易くなる。従って、第1シャフト21の軸方向一方端部に第1シャフト21及び蓋部22をさらに容易に取り付けることができる。但し、この例示は、蓋部22が第1面取り部224を有さない構成を排除しない。
<1-3.動力伝達装置3>
次に、図1を参照して、動力伝達装置3の詳細を説明する。動力伝達装置3は、モータ部1の動力を出力シャフトDsに伝達する。動力伝達装置3は、減速装置31と、差動装置32と、を有する。
【0038】
<1-3-1.減速装置31>
減速装置31は、シャフト2に接続される。減速装置31は、モータ部1の回転速度を減じて、モータ部1から出力されるトルクを減速比に応じて増大させる機能を有する。減速装置31は、モータ部1から出力されるトルクを出力シャフトDsへ伝達する。すなわち、動力伝達装置3は、水平方向に沿って延びる第1回転軸J1を中心として回転するシャフト2の軸方向他方D2側に接続される。
【0039】
減速装置31は、メインドライブギヤ311と、中間ドリブンギヤ312と、ファイナルドライブギヤ313と、中間シャフト314と、を有する。モータ部1から出力されるトルクは、シャフト2、メインドライブギヤ311、中間ドリブンギヤ312、中間シャフト314およびファイナルドライブギヤ313を介して出力シャフトDsのリングギヤ321へ伝達される。
【0040】
メインドライブギヤ311は、シャフト2の外周面に配置される。メインドライブギヤ311は、シャフト2と同一の部材であってもよいし、別の部材であって強固に固定されてもよい。メインドライブギヤ311は、シャフト2とともに、第1回転軸J1を中心に回転する。
【0041】
中間シャフト314は、第1回転軸J1と平行な第2回転軸J2に沿って延びる。中間シャフト314の両端は、第1中間ベアリング4231および第2中間ベアリング4621により,第2回転軸J2を中心として回転可能に支持される。中間ドリブンギヤ312およびファイナルドライブギヤ313は、中間シャフト314の外周面に配置される。中間ドリブンギヤ312は、中間シャフト314と同一の部材であってもよいし、別の部材であって強固に固定されてもよい。
【0042】
中間ドリブンギヤ312及びファイナルドライブギヤ313とは、中間シャフト314と一体的に、第2回転軸J2を中心として回転する。中間ドリブンギヤ312は、メインドライブギヤ311に噛み合う。ファイナルドライブギヤ313は、出力シャフトDsのリングギヤ321と噛み合う。
【0043】
シャフト2のトルクは、メインドライブギヤ311から中間ドリブンギヤ312に伝達される。そして、中間ドリブンギヤ312に伝達されたトルクは、中間シャフト314を介してファイナルドライブギヤ313に伝達される。さらに、ファイナルドライブギヤ313から、出力シャフトDsにトルクが伝達される。
【0044】
<1-3-2.差動装置32>
差動装置32は、出力シャフトDsに取り付けられる。差動装置32は、リングギヤ321を有する。リングギヤ321は、モータ部1の出力トルクを出力シャフトDsに伝達する。出力シャフトDsは、差動装置32の左右にそれぞれ取り付けられる車軸Ds1,Ds2を有する。差動装置32は、たとえば、車両の旋回時に、左右の車軸の回転速度差を吸収しつつ、左右の車軸Ds1,Ds2にトルクを伝える。
【0045】
リングギヤ321の下端部は、ギヤ部収容空間402の下部に貯留された潤滑油CLなどが溜まる後述の液貯留部Pの内部に配置される(図1参照)。そのため、第1ギヤ331が回転するとき、リングギヤ321のギヤ歯によって潤滑液CLが掻き上げられる。リングギヤ321にて掻き上げられた潤滑液CLによって、動力伝達装置3の各ギヤ、ベアリングが潤滑または冷却される。また、掻き上げられた潤滑液CLの一部は、後述の受け皿部464に貯められて、シャフト2を介してモータ部1の冷却にも利用される。
【0046】
<1-4.ハウジング4>
次に、図1及び図2を参照して、ハウジング4の詳細を説明する。ハウジング4は、第1ハウジング筒部41と、側板部42と、モータ蓋部43と、カバー部材44と、第2ハウジング筒部45と、ギヤ蓋部46と、を有する。なお、第1ハウジング筒部41、側板部42、モータ蓋部43、第2ハウジング筒部45、及びギヤ蓋部46は、たとえば、導電材料を用いて形成され、本実施形態では鉄、アルミ、これらの合金などの金属材料を用いて形成される。また、接触部分での異種金属接触腐食を抑制するため、これらは、好ましくは同一の材料を用いて形成される。但し、この例示に限定されず、これらは金属材料以外を用いて形成されてもよいし、これらのうちの少なくとも一部は異なる材料を用いて形成されてもよい。
【0047】
また、ハウジング4は、前述の如く、モータ部1のロータ11、ステータ12、及び、ベアリング4211,4314などを収容する。詳細には、ハウジング4は、モータ収容空間401を有する。モータ収容空間401は、第1ハウジング筒部41、側板部42、及びモータ蓋部43で囲まれた空間であり、ロータ11、ステータ12、及び、ベアリング4211,4314などを収容する。
【0048】
また、ハウジング4は、動力伝達装置3を収容する。詳細には、ハウジング4は、ギヤ部収容空間402を有する。ギヤ部収容空間402は、側板部42、第2ハウジング筒部45、及びギヤ蓋部46で囲まれた空間であり、減速装置31及び差動装置32などを収容する。
【0049】
ギヤ部収容空間402内の下部には、潤滑液CLが溜る液貯留部Pが配置される。液貯留部Pには、差動装置32の一部が浸かる。液貯留部Pに溜る潤滑液CLは、差動装置32の動作によって掻きあげられて、ギヤ部収容空間402の内部に供給される。たとえば、潤滑液CLは、差動装置32のリングギヤ321が回転するときに、リングギヤ321の歯面によって掻きあげられる。掻きあげられた潤滑液CLの一部は、ギヤ部収容空間402内の減速装置31及び差動装置32の各ギヤ及び各ベアリングに供給され、潤滑に利用される。また、掻きあげられた潤滑液CLの他の一部は、シャフト2の内部に供給され、モータ部1のロータ11及びステータ12、ギヤ部収容空間402内の各ベアリングに供給されて、冷却・潤滑に利用される。
【0050】
<1-4-1.第1ハウジング筒部41>
第1ハウジング筒部41は、軸方向に延びる筒状である。第1ハウジング筒部41の内側には、モータ部1、後述するモータオイルリザーバ64などが配置される。また、第1ハウジング筒部41の内側面には、ステータコア121が固定される。
【0051】
<1-4-2.側板部42>
側板部42は、第1回転軸J1と垂直な方向に広がり、第1ハウジング筒部41の軸方向他方端部を覆う。本実施形態は、第1ハウジング筒部41及び側板部42は、単一の部材のそれぞれ異なる一部である。両者を一体に形成することで、これらの剛性を高めることができる。但し、この例示に限定されず、第1ハウジング筒部41及び側板部42は、別部材であってもよい。
【0052】
側板部42は、シャフト2が挿通される側板貫通孔4201と、第1出力シャフト貫通孔4202と、を有する。側板貫通孔4201及び第1出力シャフト貫通孔4202は、側板部42を軸方向に貫通する。側板貫通孔4201には、第1シャフト21が挿通される。第1出力シャフト貫通孔4202には、出力シャフトDsの一方の車軸Ds1が挿通される。出力シャフトDsと第1出力シャフト貫通孔4202との隙間には、両者間をシールするオイルシール(不図示)が配置される。なお、シールとは、異なる部材同士がたとえば部材内部の潤滑液CLが外部に漏れない程度、及び外部の水、埃、塵等の異物が進入しない程度に密着していることを指す。シールについては、以下同様とする。
【0053】
また、側板部42は、ベアリング保持部421,422,423,424をさらに有する。ベアリング保持部421は、モータ収容空間401において、側板部42の軸方向一方端面に配置され、ベアリング4211を保持する。ベアリング保持部422,423,424は、後述するギヤ部収容空間402において、側板部42の軸方向他方端面に配置される。ベアリング保持部422は、側板貫通孔4201の軸方向他方端部の外縁部に沿って配置され、ベアリング4211を保持する。ベアリング保持部423は、第1中間ベアリング4231を保持する。ベアリング保持部424は、第1出力シャフト貫通孔4202の軸方向他方端部の外縁部に沿って配置され、第1出力ベアリング4241を保持する。
【0054】
<1-4-3.モータ蓋部43>
モータ蓋部43は、第1ハウジング筒部41の軸方向一方端部に取り付けられる。モータ蓋部43の第1ハウジング筒部41への固定は、たとえば、ねじによる固定を挙げることができるが、これに限定されず、ねじ込み、圧入等、プレート部433を第1ハウジング筒部41に強固に固定できる方法を広く採用できる。これにより、モータ蓋部43は、第1ハウジング筒部41の軸方向一方端部に密着できる。なお、密着とは、部材内部の潤滑液CLが外部に漏れない程度、及び外部の水、埃、塵等の異物が進入しない程度の密閉性を有していることを指す。密着については、以下同様とする。
【0055】
図2に示すように、モータ蓋部43は、蓋部431と、筒部432と、プレート部433と、ベアリング保持部434と、を有する。言い換えると、ハウジング4は、蓋部431、筒部432、及びプレート部433を有する。
【0056】
<1-4-3-1.蓋部431>
蓋部431は、第1回転軸J1と交差する方向に広がり、第1ハウジング筒部41の軸方向一方端部を覆う。蓋部431は、シャフト2が挿通される開口部4311を有する。開口部4311は、蓋部431を軸方向に貫通する。開口部4311には、第1シャフト21が挿通される。また、蓋部431は、ベアリング保持部4312と、シール部材4313と、をさらに有する。ベアリング保持部4312は、モータ収容空間401において、蓋部431の軸方向他方端面に配置される。ベアリング保持部4312は、開口部4311の軸方向他方端部の外縁部に沿って配置され、ベアリング4314を保持する。シール部材4313は、開口部4311において第1シャフト21と蓋部431との間に配置され、両者間をシールする。開口部4311をシール部材4313でシールすることにより、たとえば除電装置7で発生する摩耗粉などの異物が、開口部4311を通じて、ステータ12などが収容されたモータ収容空間401に摩耗粉が進入することを防止できる。
【0057】
<1-4-3-2.筒部432>
筒部432は、第1回転軸J1を囲む筒状であり、蓋部431の軸方向一方端面から軸方向一方D1に延びる。
【0058】
<1-4-3-3.プレート部433>
プレート部433は、第1回転軸J1と交差する方向に広がり、筒部432の軸方向他方端部に取り付けられる。プレート部433は、導電性を有する。前述の如く、ハウジング4は、プレート部433を有する。本実施形態では、プレート部433は、ステータ12及び後述するベアリング4341よりも軸方向一方D1に配置されて、径方向に広がる。プレート部433には、第2シャフト23が挿通される開口部4331が配置される。言い換えると、プレート部433は、開口部4331を有する。開口部4331は、プレート部433を軸方向に貫通する。また、プレート部433の軸方向一方端部には、除電装置7が配置される。
【0059】
<1-4-3-4.ベアリング保持部434>
ベアリング保持部434は、プレート部433の軸方向他方端面において開口部4331の軸方向一方端部の外縁部に沿って配置され、ベアリング4341を保持する。
【0060】
<1-4-3-5.シール部材435>
シール部材435は、プレート部433の開口部4331に配置される。モータ100は、環状のシール部材435を備える。シール部材435は、開口部4331において第2シャフト23とプレート部433との間に配置され、両者間をシールする。シール部材435の径方向外端部は、開口部4331の径方向内方を向く内周面に接する。シール部材435の径方向内端部は、第2シャフト23の径方向外側面に接する。開口部4331をシール部材435でシールすることにより、プレート部433の軸方向一方端面に配置に配置された除電装置7から発生する摩耗粉が開口部4331を通じてプレート部433よりも軸方向他方側に進入することを防止できる。従って、ステータ12などが収容されたハウジング4の内部に摩耗粉が進入することを防止できる。たとえば、摩耗粉が、第2シャフト貫通孔202を介して第1シャフト21の中空部211内に進入することも防止できる。そのため、摩耗粉が、中空部211内の潤滑液CLの流れに乗って、モータ収容空間401内に進入することを防止できる。
【0061】
<1-4-4.カバー部材44>
カバー部材44は、プレート部433の軸方向一方端面に配置される。カバー部材44は、開口部4331及び除電装置7を覆う。
【0062】
カバー部材44のプレート部433への取付は、たとえば、ねじ止めを挙げることができるが、これに限定されない。本実施形態では、カバー部材44は、プレート部433とともに収容空間440を形成する。収容空間440は、カバー部材44及びプレート部433で囲まれた空間であり、開口部4331及び除電装置7を収容する。
【0063】
カバー部材44は、第1カバー部441と、第2カバー部442と、を有する。第1カバー部441は、除電装置7を覆う。第2カバー部442は、第1カバー部441よりも径方向外方に配置される。詳細には、第1カバー部441及び第2カバー部442は、第1回転軸J1と交差する方向に広がる。第1カバー部441は、開口部4331及び除電装置7よりも軸方向一方D1に配置される。また、第2カバー部442は、第1カバー部441よりも軸方向他方D2に配置される。第2カバー部442の径方向内端部は第1カバー部441の径方向外端部に接続され、第2カバー部442の径方向外端部はプレート部433の軸方向一方端面に接続される。
【0064】
また、カバー部材44は、貫通孔443と、筒部444と、フィルタ445と、を有する。貫通孔443は、収容空間440とその外部とを繋ぐ。貫通孔443は、図1では第1カバー部441に配置される。但し、貫通孔443の配置は、図1の例示に限定されない。貫通孔443は、第1カバー部441及び第2カバー部442の少なくとも一方に配置できる。筒部444は、貫通孔443の外縁部から軸方向に延びる。筒部444の内部は、貫通孔443に繋がる。フィルタ445は、筒部444の先端に取り付けられる。収容空間440は、貫通孔443及びフィルタ445を介して外部と繋がる。
【0065】
<1-4-5.第2ハウジング筒部45>
第2ハウジング筒部45は、軸方向に延びる筒状である。第2ハウジング筒部45の内側には、動力伝達装置3が配置される。第2ハウジング筒部45の軸方向一方端部は、側板部42に接続され、側板部42で覆われる。
【0066】
<1-4-6.ギヤ蓋部46>
ギヤ蓋部46は、第1回転軸J1と交差する方向に広がり、第2ハウジング筒部45の軸方向一方端部に着脱可能に取り付けられる。本実施形態は、第2ハウジング筒部45及びギヤ蓋部46は、単一の部材のそれぞれ異なる一部である。但し、この例示に限定されず、第2ハウジング筒部45及びギヤ蓋部46は、別部材であってもよい。また、第2ハウジング筒部45へのギヤ蓋部46の取り付けは、たとえば、ねじによる固定を挙げることができるが、これに限定されず、ねじ込み、圧入等、ギヤ蓋部46を第2ハウジング筒部45に強固に固定できる方法を広く採用できる。これにより、ギヤ蓋部46は、第2ハウジング筒部45の軸方向一方端部に密着できる。
【0067】
ギヤ蓋部46は、第2出力シャフト貫通孔460を有する。第2出力シャフト貫通孔460の中央は、第3回転軸J3と一致する。第2出力シャフト貫通孔460には、出力シャフトDsが挿通される。他方の出力シャフトDsと第2出力シャフト貫通孔460との隙間には、オイルシール(不図示)が配置される。
【0068】
また、ギヤ蓋部46は、ベアリング保持部461,462,463をさらに有する。ベアリング保持部461,462,463は、ギヤ部収容空間402において、ギヤ蓋部46の軸方向他方端面に配置される。ベアリング保持部461は、ベアリング4611を保持する。ベアリング保持部462は、第2中間ベアリング4621を保持する。ベアリング保持部463は、第2出力シャフト貫通孔460の軸方向他方端部の外縁部に沿って配置され、第2出力ベアリング4631を保持する。
【0069】
また、ギヤ蓋部46は、受け皿部464と、油路465と、を有する。受け皿部464は、ギヤ蓋部46の軸方向一方端面に配置され、鉛直下方に凹む凹部を有する。受け皿部464には、リングギヤ321によって掻き上げられた潤滑液CLを貯めることができる。油路465は、潤滑液CLの通路であり、受け皿部464とシャフト2の流入口213とを繋ぐ。受け皿部464に貯まった潤滑液CLは、油路465に供給され、シャフト2の軸方向他方端部の流入口213から中空部211に流入する。
【0070】
<1-5.液循環部6>
次に、液循環部6を説明する。液循環部6は、配管部61と、ポンプ62と、オイルクーラ63と、モータオイルリザーバ64と、を有する。
【0071】
配管部61は、ポンプ62と第1ハウジング筒部41の内部に配置されたモータオイルリザーバ64とを繋ぎ、モータオイルリザーバ64に潤滑液CLを供給する。ポンプ62は、ギヤ部収容空間402の下部領域に貯留される潤滑液CLを吸い込む。ポンプ62は、電動ポンプであるが、これに限定されない。たとえば、モータ100のシャフト2の動力の一部を利用して駆動する構成であってもよい。
【0072】
オイルクーラ63は、配管部61のポンプ62とモータオイルリザーバ64との間に配置される。つまり、ポンプ62で吸引された潤滑液CLは、配管部61を介してオイルクーラ63を通過した後、モータオイルリザーバ64に送られる。オイルクーラ63には、たとえば、外部から供給される水等の冷媒が供給される。オイルクーラ63は、冷媒と潤滑液CLとの間で熱交換して、潤滑液CLの温度を下げる。
【0073】
モータオイルリザーバ64は、モータ収容空間401の内部においてステータ12よりも鉛直上方に配置されたトレイである。モータオイルリザーバ64の底部には、滴下孔が形成されており、滴下孔から潤滑液CLを滴下することで、モータ部1を冷却する。滴下孔は、例えば、ステータ12のコイル部122のコイルエンド1221の上部に形成され、コイル部122が潤滑液CLによって冷却される。
【0074】
<2.その他>
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾が生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、シャフトを接地する装置に有用である。
【符号の説明】
【0076】
100・・・モータ、
200・・・バッテリ、
300・・・車両、
1・・・モータ部、
11・・・ロータ、
12・・・ステータ
2・・・シャフト、
201・・・第1シャフト貫通孔、
202・・・第2シャフト貫通孔、
21・・・第1シャフト、
211・・・中空部、
212・・・シャフト筒部、
213・・・流入口、
22・・・蓋部、
221・・・穴部、
3・・・動力伝達装置、
31・・・減速装置、
32・・・差動装置、
4・・・ハウジング、
401・・・モータ収容空間、
402・・・ギヤ部収容空間、
403・・・除電装置収容空間
7・・・除電装置、
CL・・・潤滑液、
P・・・液貯留部、
Ds・・・出力シャフト、
J1・・・第1回転軸、
J2・・・第2回転軸、
J3・・・第3回転軸
図1
図2
図3
図4