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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】ロータおよびロータの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/28 20060101AFI20250218BHJP
   H02K 15/035 20250101ALI20250218BHJP
【FI】
H02K1/28 A
H02K15/035
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021058516
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022155159
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2024-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】古田 泰也
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-123240(JP,A)
【文献】特開2012-100364(JP,A)
【文献】特許第6793888(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/28
H02K 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータコアと、
前記ロータコアの径方向内側において前記ロータコアを支持する円筒部を含むロータコア支持部材と、を備え、
前記ロータコアは、前記径方向内側に突出するキー部を含み、
前記円筒部は、前記キー部と対向する位置に前記径方向内側に凹むように設けられ前記キー部と係合するキー溝部を含み、
前記ロータコアは、前記ロータコアの周方向における前記キー部の近傍において前記円筒部が隙間嵌めされている隙間嵌め部と、前記周方向における前記キー部の近傍以外において前記円筒部が締り嵌めされている締り嵌め部と、前記周方向において前記キー部と隣接する位置に前記径方向外側に凹むように設けられた逃がし部と、を含み、
前記隙間嵌め部は、前記周方向において前記逃がし部に対して前記キー部とは反対側に延びるように設けられている、ロータ。
【請求項2】
記隙間嵌め部は、前記周方向において前記キー部とは反対側に前記逃がし部と隣接するように設けられている、請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記ロータコアは、前記周方向において前記逃がし部とは反対側に前記隙間嵌め部と隣接するとともに前記径方向外側に凹むように設けられ前記ロータコアを冷却する冷却用冷媒が流通する冷媒流路用凹部をさらに含む、請求項2に記載のロータ。
【請求項4】
前記円筒部は、前記円筒部の前記径方向内側に設けられるクラッチ部と係合するように前記径方向外側に凹む複数のスプライン凹部をさらに含み、
前記キー溝部は、前記周方向において、互いに隣り合う前記複数のスプライン凹部同士の間に配置されており、
前記隙間嵌め部は、前記周方向において前記キー溝部と隣接するように設けられた前記スプライン凹部の前記キー溝部側の部分と前記径方向にオーバーラップする位置に設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載のロータ。
【請求項5】
ロータコアと、前記ロータコアの径方向内側において前記ロータコアを支持する円筒部を含むロータコア支持部材と、を備えるロータの製造方法であって、
前記径方向内側に突出するキー部と、前記ロータコアの周方向において前記キー部と隣接する位置に前記径方向外側に凹むように設けられた逃がし部と、を含む前記ロータコアに、前記キー部と対向する位置に前記径方向内側に凹むように設けられ前記キー部と係合するキー溝部を含む前記円筒部を嵌める嵌め工程を備え、
前記嵌め工程は、前記ロータコアの周方向における前記キー部の近傍、かつ、前記周方向において前記逃がし部に対して前記キー部とは反対側に延びる部分において隙間嵌めするとともに、前記周方向における前記キー部の近傍以外において締り嵌めする工程である、ロータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータおよびロータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロータコアの径方向内側においてロータコアを支持する円筒部を含むロータ支持部材を備えるロータが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、フランジ状部材(ロータコア支持部材)がロータコアに嵌め込まれたロータが開示されている。上記特許文献1に記載のロータでは、ロータコアには、径方向内側に突出するキーが設けられている。また、フランジ状部材のロータコアと径方向に対向する円筒状の部分(以下、円筒部)には、キーと対向する位置に径方向内側に凹むようにキー溝が設けられている。そして、ロータコアのキーとフランジ状部材のキー溝とが係合されている。なお、フランジ状部材の円筒部において、径方向内側に凹むようにキー溝が設けられた部分は、キー溝が設けられていない部分と比較して、径方向の厚みが小さい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-102460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1には明記されていないが、上記特許文献1に記載のような従来のロータでは、フランジ状部材(ロータコア支持部材)の円筒部がロータコアの径方向内側に締り嵌めにより嵌め込まれて固定される場合がある。この場合、円筒部にはロータコアから径方向内側へ向かう外力が加わり、円筒部に応力が生じる。しかしながら、上記特許文献1に記載のロータでは、フランジ状部材の円筒部において、径方向内側に凹むようにキー溝が設けられた部分は、キー溝が設けられていない部分と比較して厚みが小さい分だけ、キー溝が設けられていない部分よりも強度(許容応力)が小さい。このため、フランジ状部材(ロータコア支持部材)の円筒部がロータコアの径方向内側に締り嵌めにより固定される場合に、円筒部のキー溝(キー溝部)の近傍の部分に生じる応力を低減することが可能なロータおよびロータの製造方法が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ロータコア支持部材の円筒部がロータコアの径方向内側に締り嵌めにより固定される場合に、円筒部のうちのキー溝部の近傍の部分に生じる応力を低減することが可能なロータおよびロータの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるロータは、ロータコアと、ロータコアの径方向内側においてロータコアを支持する円筒部を含むロータコア支持部材と、を備え、ロータコアは、径方向内側に突出するキー部を含み、円筒部は、キー部と対向する位置に径方向内側に凹むように設けられキー部と係合するキー溝部を含み、ロータコアは、ロータコアの周方向におけるキー部の近傍において円筒部が隙間嵌めされている隙間嵌め部と、周方向におけるキー部の近傍以外において円筒部が締り嵌めされている締り嵌め部と、周方向においてキー部と隣接する位置に径方向外側に凹むように設けられた逃がし部と、を含み、隙間嵌め部は、周方向において逃がし部に対してキー部とは反対側に延びるように設けられている。なお、本願明細書では、「円筒部のキー部(キー溝部)の近傍の部分」とは、周方向において、円筒部のキー部(キー溝部)が設けられた部分そのものと、円筒部のキー部(キー溝部)が設けられた部分の近傍の部分との両方を含む概念である。また、本願明細書では、「締り嵌め」とは、締り嵌めと、締り嵌めと隙間嵌めとの中間的な状態である中間嵌めとの両方を含む概念である。
【0008】
この発明の第1の局面におけるロータでは、上記のように、ロータコアは、周方向におけるキー部の近傍において円筒部が隙間嵌めされている隙間嵌め部を含む。これにより、ロータコアに円筒部が嵌め込まれる際に、周方向におけるキー部の近傍において、ロータコアの隙間嵌め部と、円筒部のうちの隙間嵌め部と対向する部分との間には、径方向における隙間が形成されるので、円筒部のうちの隙間嵌め部と対向する部分には、ロータコアから径方向内側へ向かう外力が加わらない。これにより、ロータコアに円筒部が嵌め込まれる際に、円筒部のうちの隙間嵌め部が設けられたキー部の近傍の部分と対向するキー溝部の近傍の部分に生じる応力を低減することができる。また、上記第1の局面におけるロータでは、上記のように、ロータコアは、周方向におけるキー部の近傍以外において円筒部が締り嵌めされている締り嵌め部を含む。これにより、締り嵌め部によって、キー部の近傍以外の部分でロータコア支持部材の円筒部をロータコアの径方向内側に締り嵌めにより固定することができる。これらの結果、ロータコア支持部材の円筒部がロータコアの径方向内側に締り嵌めにより固定される場合に、円筒部のうちのキー溝部の近傍の部分に生じる応力を低減することができる。なお、この応力低減の効果は、本願発明者が行ったシミュレーションにより確認済みである。
【0009】
また、上記目的を達成するために、この発明の第2の局面におけるロータの製造方法は、ロータコアと、ロータコアの径方向内側においてロータコアを支持する円筒部を含むロータコア支持部材と、を備えるロータの製造方法であって、径方向内側に突出するキー部と、ロータコアの周方向においてキー部と隣接する位置に径方向外側に凹むように設けられた逃がし部と、を含むロータコアに、キー部と対向する位置に径方向内側に凹むように設けられキー部と係合するキー溝部を含む円筒部を嵌める嵌め工程を備え、嵌め工程は、ロータコアの周方向におけるキー部の近傍、かつ、周方向において逃がし部に対してキー部とは反対側に延びる部分において隙間嵌めするとともに、周方向におけるキー部の近傍以外において締り嵌めする工程である。
【0010】
この発明の第2の局面におけるロータの製造方法では、上記のように、嵌め工程は、ロータコアの周方向におけるキー部の近傍において隙間嵌めする工程である。これにより、嵌め工程において、周方向におけるキー部の近傍において、ロータコアの隙間嵌めされる部分と、円筒部のうちのロータコアの隙間嵌めされる部分と対向する部分との間には、径方向における隙間が形成されているので、円筒部のうちの隙間嵌めされる部分と対向する部分には、ロータコアから径方向内側へ向かう外力が加わらない。これにより、上記第1の局面におけるロータと同様に、ロータコアに円筒部が嵌め込まれる際に、円筒部のうちの隙間嵌めされるキー部の近傍の部分と対向するキー溝部の近傍の部分に生じる応力を低減することができる。また、上記第2の局面におけるロータの製造方法では、上記のように、嵌め工程は、周方向におけるキー部の近傍以外において締り嵌めする工程である。これにより、嵌め工程において、キー部の近傍以外の部分でロータコア支持部材の円筒部をロータコアの径方向内側に締り嵌めにより固定することができる。これらの結果、上記第1の局面におけるロータと同様に、ロータコア支持部材の円筒部がロータコアの径方向内側に締り嵌めにより固定される場合に、円筒部のうちのキー溝部の近傍の部分に生じる応力を低減することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、上記のように、ロータコア支持部材の円筒部がロータコアの径方向内側に締り嵌めにより固定される場合に、円筒部のうちのキー溝部の近傍の部分に生じる応力を低減することが可能なロータおよびロータコアの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態によるロータを備える車両用駆動装置の一部を示す断面図である。
図2】一実施形態によるロータのロータコアおよび円筒部を軸方向に見た断面図である。
図3図2の部分拡大断面図である。
図4】一実施形態によるロータの製造フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
[ロータの構成]
図1図3を参照して、一実施形態によるロータ100の構成について説明する。
【0015】
以下の説明では、ロータ100(ロータコア10(図1参照))の軸方向、径方向および周方向を、それぞれ、Z方向、R方向およびC方向とする。また、Z方向の一方側および他方側を、それぞれ、Z1側およびZ2側とする。また、R方向の一方側(径方向内側)および他方側(径方向外側)を、それぞれ、R1側およびR2側とする。
【0016】
(ロータの全体構成)
図1に示すように、ロータ100は、ステータ101と共に、回転電機102の一部を構成する。回転電機102は、たとえば、モータ、ジェネレータ、または、モータ兼ジェネレータである。ロータ100およびステータ101は、それぞれ、円環状に形成されている。ロータ100は、回転軸線90回りに回転するように構成されている。ロータ100は、ロータ100の外周面とステータ101の内周面とがR方向に対向するように、ステータ101のR1側に配置されている。すなわち、ロータ100は、インナーロータ型の回転電機102の一部として構成されている。
【0017】
回転電機102は、エンジン(図示しない)と共に、車両を駆動させるための駆動源として車両用駆動装置103に設けられている。車両用駆動装置103には、駆動力の伝達および遮断を行うためのクラッチ部104が設けられている。クラッチ部104は、ロータ100の円筒部40(後述する)のR1側に設けられている。クラッチ部104は、ロータ100の円筒部40のR1側において、Z2側に設けられた第1クラッチ部104aと、Z1側に設けられた第2クラッチ部104bと、を含む。
【0018】
ロータ100は、ロータコア10と、エンドプレート21と、エンドプレート22と、ロータハブ30と、を備える。なお、ロータハブ30は、特許請求の範囲の「ロータコア支持部材」の一例である。
【0019】
ロータコア10には、Z方向(軸方向)に延びるロータハブ挿入孔11が形成されている。図2に示すように、ロータハブ挿入孔11は、Z方向に見て、ロータコア10の中央部に設けられている。そして、ロータハブ30は、ロータハブ挿入孔11に挿入されている。すなわち、ロータハブ30は、ロータコア10のR1側に設けられている。後述するように、ロータハブ30は、ロータコア10に対して固定されている。
【0020】
図1に示すように、ロータコア10は、複数の電磁鋼板が積層されている。ロータコア10には、電磁鋼板の積層方向(Z方向)に延びる磁石挿入孔12が形成されている。磁石挿入孔12は、ロータコア10のうちのR2側の部分に配置されている。図2に示すように、磁石挿入孔12は、ロータコア10に複数(本実施形態では32個)設けられている。複数の磁石挿入孔12は、Z方向に見て、C方向に沿って等角度間隔に配置されている。
【0021】
複数の磁石挿入孔12の各々には、永久磁石13が収容されている(配置されている)。すなわち、回転電機102は、埋込永久磁石型モータ(IPMモータ:Interior Permanent Magnet Motor)として構成されている。永久磁石13は、Z方向に直交する断面が長方形形状を有している。永久磁石13は、たとえば、磁化方向(着磁方向)が短手方向となるように構成されている。
【0022】
ロータコア10では、C方向に隣り合う一対の永久磁石13により磁極14が形成されている。すなわち、磁極14は、ロータコア10に複数(本実施形態では16個)形成されている。磁極14を形成する一対の永久磁石13は、R1側に凸のV字状に配置されている。なお、磁極14を形成する一対の永久磁石13の形状は、これに限られない。
【0023】
ロータコア10は、ロータコア10の内周面からR1側(径方向内側)に突出するキー部15を含む。キー部15は、Z方向に見て、矩形形状を有する。キー部15は、ロータコア10において、2つ設けられている。2つのキー部15は、Z方向に見て、C方向に沿って等角度(180度)間隔に配置されている。図3に示すように、キー部15は、C方向(周方向)において、ロータコア10のd軸に対応する位置に設けられている。キー部15は、ロータコア10のZ方向の全体に亘って設けられている。
【0024】
図1に示すように、エンドプレート21は、ロータコア10のZ1側の端面10aと当接するように、ロータコア10のZ1側に設けられている。また、エンドプレート22は、ロータコア10のZ2側の端面10bと当接するように、ロータコア10のZ2側に設けられている。エンドプレート21およびエンドプレート22は、磁石挿入孔12から永久磁石13が飛び出すのを防止するために設けられている。
【0025】
ロータハブ30は、円筒部40と、フランジ部50と、を含む。図2に示すように、円筒部40は、円筒形状を有する。円筒部40は、ロータコア10の内周面と円筒部40の外周面とが対向するように、ロータコア10のR1側に設けられている。円筒部40は、ロータコア10のR1側(径方向内側)においてロータコア10を支持する。図1に示すように、フランジ部50は、円筒部40のZ1側の端部41と接合されている。フランジ部50は、円筒部40のR1側に設けられている。フランジ部50のうちの円筒部40側(R2側)に設けられた円筒部側部分51は、円筒部40のZ1側の端部41と接合された接合部分51aからR1側に向かって延びる。
【0026】
円筒部40は、キー部15と係合するキー溝部42を含む。キー溝部42は、円筒部40の外周面においてキー部15と対向する位置にR1側(径方向内側)に凹むように設けられている。キー溝部42は、R1側に突出する矩形形状のキー部15と係合するように、R1側に矩形形状に凹んでいる。キー溝部42は、円筒部40において、2つ設けられている。2つのキー溝部42は、Z方向に見て、C方向に沿って等角度(180度)間隔に配置されている。図3に示すように、キー溝部42は、C方向において、ロータコア10のd軸に対応する位置に設けられている。キー溝部42は、円筒部40のZ方向の全体に亘って設けられている。
【0027】
ロータコア10は、C方向(周方向)においてキー部15と隣接する位置にR2側(径方向外側)に凹むように設けられた逃がし部16を含む。具体的には、逃がし部16は、C方向において、キー部15の両側にキー部15と隣接するように設けられている。なお、逃がし部16は、キー部15と係合するキー溝部42のR2側の角部が、キー部15の根元と接触するのを防止するために設けられている。
【0028】
図2に示すように、円筒部40は、クラッチ部104(図1参照)と係合するようにR2側(径方向外側)に凹む複数のスプライン凹部43を含む。具体的には、クラッチ部104は、クラッチ部104の外周面において円筒部40の複数のスプライン凹部43と対向する位置にR2側に突出する複数のスプライン凸部(図示しない)を含む。そして、円筒部40の複数のスプライン凹部43の各々は、クラッチ部104の複数のスプライン凸部と係合している。なお、複数のスプライン凹部43は、円筒部40のZ方向(軸方向)における全体に亘って設けられている。
【0029】
また、キー溝部42は、C方向(周方向)において、互いに隣り合う複数のスプライン凹部43同士の間に配置されている。具体的には、図3に示すように、複数のスプライン凹部43の各々は、C方向において、ロータコア10のq軸に対応する位置に設けられている。また、上述したように、キー溝部42は、C方向において、ロータコア10のd軸に対応する位置に設けられている。
【0030】
これにより、円筒部40にR1側(径方向内側)に凹むように設けられたキー溝部42と、円筒部40にR2側(径方向外側)に凹むように設けられた複数のスプライン凹部43とが、R方向(径方向)にオーパラップしにくくなる。これにより、キー溝部42と複数のスプライン凹部43とがR方向にオーパラップすることに起因して円筒部40のR方向における厚みが過度に小さくなる(強度が低下する)部分がC方向において広範囲に生じるのを防止することができる。
【0031】
また、複数のスプライン凹部43は、それぞれ、C方向(周方向)に沿って延びる底面部43aと、底面部43aのC方向における両端において底面部43aと連続する傾斜側面部43bと、を含む。具体的には、複数のスプライン凹部43において、傾斜側面部43bと、底面部43aと、傾斜側面部43bとが、この順にC方向に並んでいる。また、傾斜側面部43bは、R1側(径方向内側)に向かうにしたがってC方向(周方向)における幅が拡がるように傾斜する。すなわち、複数のスプライン凹部43の各々と係合するクラッチ部104の複数のスプライン凸部の各々は、R1側に向かうにしたがってC方向における幅が広がっている。また、キー溝部42のC方向(周方向)における端部42aは、C方向において、傾斜側面部43bとR方向(径方向)にオーバーラップする位置に設けられている。具体的には、キー溝部42のC方向における端部42aは、C方向において、傾斜側面部43bの中央部とR方向(径方向)にオーバーラップしている。
【0032】
これにより、スプライン凹部43のC方向(周方向)におけるキー溝部42側の端部である傾斜側面部43bが、キー溝部42とR方向(径方向)にオーバーラップする。すなわち、キー溝部42とスプライン凹部43とがR方向に僅かにオーパラップする。また、底面部43aがR1側(径方向内側)に向かうにしたがってC方向における幅が拡がるように傾斜しているので、キー溝部42とスプライン凹部43とがR方向に僅かにオーパラップしても、キー溝部42とスプライン凹部43との間には一定の間隔が形成される。これにより、キー溝部42と複数のスプライン凹部43とがR方向(径方向)にオーパラップすることに起因して円筒部40のR方向(径方向)における厚みが過度に小さくなる(強度が低下する)部分がC方向において広範囲に生じるのを防止しながら、スプライン凹部43のC方向における幅を比較的大きくすることができる。そして、スプライン凹部43のC方向における厚みが比較的大きくなるので、クラッチ部104(図1参照)を円筒部40の複数のスプライン凹部43とC方向における比較的広い範囲において係合させることによって、円筒部40(フランジ部50)とクラッチ部104との間でトルクを効率的に伝達させることができる。
【0033】
(ロータコアと円筒部との固定構造)
ここで、ロータコア10は、ロータコア10のC方向(周方向)におけるキー部15の近傍において円筒部40が隙間嵌めされている隙間嵌め部17を含む。すなわち、C方向(周方向)におけるキー部15の近傍において、ロータコア10の隙間嵌め部17と、円筒部40のうちの隙間嵌め部17と対向する部分との間には、R方向における隙間が常に形成されている。なお、隙間嵌めの隙間は、たとえば、数百μm~数mmである。
【0034】
これにより、ロータコア10に円筒部40が嵌め込まれる際に、C方向(周方向)におけるキー部15の近傍において、ロータコア10の隙間嵌め部17と、円筒部40のうちの隙間嵌め部17と対向する部分との間には、R方向(径方向)における隙間が形成されるので、円筒部40のうちの隙間嵌め部17と対向する部分には、ロータコア10からR1側(径方向内側)へ向かう外力が加わらない。これにより、ロータコア10に円筒部40が嵌め込まれる際に、円筒部40のうちの隙間嵌め部17が設けられたキー部15の近傍の部分と対向するキー溝部42の近傍の部分に生じる応力を低減することができる(効果1)。なお、この応力低減の効果は、本願発明者が行ったシミュレーションにより確認済みである。
【0035】
また、ロータコア10は、C方向(周方向)におけるキー部15の近傍以外において円筒部40が締り嵌めされている締り嵌め部18を含む。すなわち、C方向におけるキー部15の近傍以外に設けられた締り嵌め部において、円筒部40のうちの締り嵌め部18と対向する部分が、ロータコア10のうちの締り嵌め部18によってR方向に締め付けられている。これにより、締り嵌め部18によって、キー部15の近傍以外の部分でロータハブ30の円筒部40をロータコア10のR1側(径方向内側)に締り嵌めにより固定することができる(効果2)。
【0036】
上記効果1および2の結果、ロータハブ30の円筒部40がロータコア10のR1側に締り嵌めにより固定される場合に、円筒部40のうちのキー溝部42の近傍の部分に生じる応力を低減することができる。
【0037】
また、隙間嵌め部17は、C方向(周方向)においてキー部15とは反対側に逃がし部16と隣接するように設けられている。具体的には、ロータコア10において、キー部15と、逃がし部16と、隙間嵌め部17とが、この順にC方向に並んでいる。なお、逃がし部16は、ロータコア10のZ方向の全体に亘って設けられている。
【0038】
これにより、ロータコア10に円筒部40が嵌め込まれる際に、ロータコア10の隙間嵌め部17と、円筒部40のうちの隙間嵌め部17と対向する部分との間に加えて、ロータコア10の逃がし部16と、円筒部40のうちの逃がし部16と対向する部分との間にも、R方向(径方向)における隙間が形成される。これにより、ロータコア10に円筒部40が嵌め込まれる際に、円筒部40のうちの隙間嵌め部17と対向する部分に加えて、円筒部40のうちの逃がし部16と対向する部分にも、ロータコア10からR1側(径方向内側)へ向かう外力が加わらない。これにより、C方向においてキー部15と隣接する位置に逃がし部16が設けられていない場合と比較して、キー溝部42の近傍の部分に生じる応力をより低減することができる。
【0039】
また、ロータコア10は、C方向(周方向)において逃がし部16とは反対側に隙間嵌め部17と隣接するとともにR2側(径方向外側)に凹むように設けられロータコア10を冷却する冷却用冷媒が流通する冷媒流路用凹部19を含む。具体的には、ロータコア10において、キー部15と、逃がし部16と、隙間嵌め部17と、冷媒流路用凹部19とが、この順にC方向に並んでいる。なお、冷媒流路用凹部19は、ロータコア10のZ方向の全体に亘って設けられている。
【0040】
これにより、ロータコア10に円筒部40が嵌め込まれる際に、ロータコア10の隙間嵌め部17と、円筒部40のうちの隙間嵌め部17と対向する部分との間、および、ロータコア10の逃がし部16と、円筒部40のうちの逃がし部16と対向する部分との間に加えて、ロータコア10の冷媒流路用凹部19と、円筒部40のうちの冷媒流路用凹部19と対向する部分との間にも、R方向(径方向)における隙間が形成される。これにより、ロータコア10に円筒部40が嵌め込まれる際に、円筒部40のうちの隙間嵌め部17と対向する部分、および、円筒部40のうちの逃がし部16と対向する部分に加えて、円筒部40のうちの冷媒流路用凹部19と対向する部分にも、ロータコア10からR1側(径方向内側)へ向かう外力が加わらない。これにより、C方向において逃がし部16とは反対側に隙間嵌め部17と隣接する位置に冷媒流路用凹部19が設けられていない場合と比較して、キー溝部42の近傍の部分に生じる応力をより低減することができる。
【0041】
また、隙間嵌め部17は、C方向(周方向)においてキー部15の両側の近傍に設けられている。具体的には、ロータコア10において、冷媒流路用凹部19と、隙間嵌め部17と、逃がし部16と、キー部15と、逃がし部16と、隙間嵌め部17と、冷媒流路用凹部19とが、この順にC方向に並んでいる。なお、キー部15に対してC方向の一方側に設けられた隙間嵌め部17、逃がし部16および冷媒流路用凹部19と、キー部15に対してC方向の他方側に設けられた隙間嵌め部17、逃がし部16および冷媒流路用凹部19とは、キー部15のC方向における中心位置(d軸)に対して対称に設けられている。
【0042】
これにより、ロータコア10に円筒部40が嵌め込まれる際に、キー部15の両側の近傍において、それぞれ、ロータコア10の隙間嵌め部17と、円筒部40のうちの隙間嵌め部17と対向する部分との間には、R方向(径方向)における隙間が形成される。これにより、隙間嵌め部17がC方向(周方向)においてキー部15の一方側の近傍のみに設けられている場合と比較して、円筒部40のうちのキー溝部42の近傍の部分に生じる応力をより低減することができる。
【0043】
また、隙間嵌め部17は、C方向(周方向)において、キー部15が設けられたd軸と隣り合うロータコア10のq軸よりもd軸側に設けられている。具体的には、冷媒流路用凹部19は、C方向において、ロータコア10のq軸に対応する位置に設けられている。そして、隙間嵌め部17は、C方向において、q軸に対応する位置に設けられた冷媒流路用凹部19よりもd軸に対応する位置に設けられたキー部15側に設けられている。これにより、隙間嵌め部17とキー部15との間のC方向(周方向)における距離を、C方向(周方向)において互いに隣り合うd軸とq軸との間の距離よりも小さくすることができるので、隙間嵌め部17を、C方向において、キー部15の近傍に容易に配置することができる。
【0044】
また、隙間嵌め部17は、C方向(周方向)おいてキー溝部42と隣接するように設けられたスプライン凹部43のキー溝部42側の部分とR方向(径方向)にオーバーラップする位置に設けられている。具体的には、隙間嵌め部17は、底面部43aの傾斜側面部43b側の部分とR方向(径方向)にオーバーラップする位置に設けられている。これにより、隙間嵌め部17を、C方向(周方向)において、キー溝部42の比較的近くの部分とR方向(径方向)にオーバーラップする位置に設けることができるので、隙間嵌め部17を、C方向において、キー部15の近傍に容易に配置することができる。
【0045】
[ロータの製造方法]
図4を参照して、一実施形態によるロータ100の製造方法について説明する。
【0046】
まず、ステップS1において、ロータコア10およびロータハブ30を準備する準備工程が行われる。具体的には、準備工程(S1)において、R1側に突出するキー部15を含むロータコア10が準備される。また、キー部15と対向する位置にR1側に凹むように設けられたキー部15と係合するキー溝部42を含む円筒部40を備えるロータハブ30が準備される。なお、キー部15およびキー溝部42は、たとえば切削加工により、それぞれ、ロータコア10および円筒部40に形成される。
【0047】
次に、ステップS2において、ロータコア10にロータハブ30の円筒部40を嵌める嵌め工程が行われる。具体的には、嵌め工程(S2)において、ロータコア10のZ方向に延びるロータハブ挿入孔11にロータハブ30の円筒部40が挿入される(嵌められる)。
【0048】
ここで、嵌め工程(S2)は、ロータコア10のC方向(周方向)におけるキー部15の近傍において隙間嵌めする工程である。具体的には、準備工程(S1)において、ロータコア10のうちのC方向におけるキー部15の近傍の隙間嵌めされる部分(隙間嵌め部17)の内径が、円筒部40のうちの隙間嵌めされる部分と対向する部分の外形よりも大きくなっているロータコア10およびロータハブ30が準備される。そして、嵌め工程(S2)において、C方向におけるキー部15の近傍において、ロータコア10の隙間嵌めされる部分(隙間嵌め部17)と、円筒部40のうちの隙間嵌めされる部分と対向する部分との間には、R方向における隙間が常に形成される。
【0049】
これにより、嵌め工程(S2)において、C方向(周方向)におけるキー部15の近傍において、ロータコア10の隙間嵌めされる部分(隙間嵌め部17)と、円筒部40のうちのロータコア10の隙間嵌めされる部分と対向する部分との間には、R方向(径方向)における隙間が形成されるので、円筒部40のうちの隙間嵌めされる部分と対向する部分には、ロータコア10からR1側(径方向内側)へ向かう外力が加わらない。これにより、ロータコア10に円筒部40が嵌め込まれる際に、円筒部40のうちの隙間嵌めされるキー部15の近傍の部分と対向するキー溝部42の近傍の部分に生じる応力を低減することができる(効果1)。
【0050】
また、嵌め工程(S2)は、C方向(周方向)におけるキー部15の近傍以外において締り嵌めする工程である。具体的には、準備工程(S1)において、ロータコア10のうちのC方向におけるキー部15の近傍以外の締り嵌めされる部分(締り嵌め部18)の内径が、円筒部40のうちの締り嵌めされる部分と対向する部分の外形よりも小さくなっているロータコア10およびロータハブ30が準備される。そして、嵌め工程(S2)において、たとえば焼嵌めによるロータコア10の加熱膨張によって、一時的にロータコア10の内径を大きくすることによって、ロータコア10のZ方向に延びるロータハブ挿入孔11にロータハブ30の円筒部40が挿入される。そして、ロータコア10の冷却収縮によって、円筒部40のうちの締り嵌めされる部分(締り嵌め部18)と対向する部分が、ロータコア10のうちのC方向におけるキー部15の近傍以外の締り嵌めされる部分に締め付けられる。
【0051】
これにより、嵌め工程(S2)において、キー部15の近傍以外の部分でロータハブ30の円筒部40をロータコア10のR1側(径方向内側)に締り嵌めにより固定することができる(効果2)。
【0052】
上記効果1および2の結果、ロータハブ30の円筒部40がロータコア10のR1側に締り嵌めにより固定される場合に、円筒部40のうちのキー溝部42の近傍の部分に生じる応力を低減することができる。
【0053】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0054】
たとえば、上記実施形態では、隙間嵌め部17が、底面部43aの傾斜側面部43b側の部分とR方向(径方向)にオーバーラップする位置に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、隙間嵌め部が、底面部の傾斜側面部側の部分と径方向にオーバーラップしない位置に設けられていてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、キー溝部42のC方向(周方向)における端部42aが、C方向(周方向)において、傾斜側面部43bとR方向(径方向)にオーバーラップする位置に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、キー溝部の周方向における端部が、周方向において、傾斜側面部と径方向にオーバーラップしない位置に設けられていてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、複数のスプライン凹部43が、それぞれ、R1側(径方向内側)に向かうにしたがってC方向(周方向)における幅が拡がるように傾斜する傾斜側面部43bを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数のスプライン凹部が、それぞれ、径方向内側に向かうにしたがって周方向における幅が拡がらない側面部を含むように構成されていてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、隙間嵌め部17が、C方向(周方向)において、キー部15が設けられたd軸と隣り合うロータコア10のq軸よりもd軸側に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、隙間嵌め部が、周方向において、キー部が設けられたd軸と隣り合うロータコアのq軸よりもd軸とは反対側に設けられていてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、キー部15が、C方向(周方向)において、ロータコア10のd軸に対応する位置に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、キー部が、周方向において、ロータコアのd軸に対応しない位置に設けられていてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、隙間嵌め部17が、C方向(周方向)においてキー部15の両側の近傍に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、隙間嵌め部が、周方向においてキー部の片側の近傍のみに設けられていてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、隙間嵌め部17が、C方向(周方向)おいてキー溝部42と隣接するように設けられたスプライン凹部43のキー溝部42側の部分とR方向(径方向)にオーバーラップする位置に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、隙間嵌め部が、周方向おいてキー溝部と隣接するように設けられたスプライン凹部のキー溝部側の部分と径方向にオーバーラップしない位置に設けられていてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、キー溝部42が、C方向(周方向)において、互いに隣り合う複数のスプライン凹部43同士の間に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、キー溝部が、周方向において、互いに隣り合う複数のスプライン凹部同士の間以外の位置に配置されていてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、円筒部40が、クラッチ部104と係合するようにR2側(径方向外側)に凹む複数のスプライン凹部43を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、円筒部が、クラッチ部と係合するように径方向外側に凹む複数のスプライン凹部を含まないように構成されていてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、ロータコア10が、C方向(周方向)において逃がし部16とは反対側に隙間嵌め部17と隣接するとともにR2側(径方向外側)に凹むように設けられロータコア10を冷却する冷却用冷媒が流通する冷媒流路用凹部19を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ロータコアが、周方向において逃がし部とは反対側に隙間嵌め部と隣接するように設けられたロータコアを冷却する冷却用冷媒が流通する冷媒流路用凹部を含まないように構成されていてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、隙間嵌め部17が、C方向(周方向)においてキー部15とは反対側に逃がし部16と隣接するように設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、隙間嵌め部が、周方向においてキー部とは反対側に逃がし部と離間するように設けられていてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、ロータコア10が、C方向(周方向)においてキー部15と隣接する位置にR2側(径方向外側)に凹むように設けられた逃がし部16を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ロータコアが、周方向においてキー部と隣接する位置に径方向外側に凹むように設けられた逃がし部を含まないように構成されていてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、特許請求の範囲の「ロータコア支持部材」として、クラッチ部104が円筒部のR1側(径方向内側)に設けられたロータハブ30に適用されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、特許請求の範囲の「ロータコア支持部材」として、クラッチ部が径方向内側に設けられていないロータシャフトに適用されてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、キー部15およびキー溝部42が、それぞれ、ロータコア10および円筒部40において、2つ設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、キー部およびキー溝部が、それぞれ、ロータコアおよび円筒部において、1つだけ設けられていてもよいし、3つ以上設けられていてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、キー部15およびキー溝部42が、それぞれ、ロータコア10および円筒部40のZ方向(軸方向)の全体に亘って設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、キー部が、ロータコアの軸方向の一部のみに設けられていてもよいし、キー溝部が、円筒部の軸方向の一部のみに設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…ロータコア、15…キー部、16…逃がし部、17…隙間嵌め部、18…締り嵌め部、19…冷媒流路用凹部、30…ロータハブ(ロータコア支持部材)、40…円筒部、41…キー溝部、42…スプライン凹部、100…ロータ、104…クラッチ部
図1
図2
図3
図4