(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】商品収納装置
(51)【国際特許分類】
G07F 11/24 20060101AFI20250218BHJP
G07F 11/28 20060101ALI20250218BHJP
【FI】
G07F11/24 Z
G07F11/28
(21)【出願番号】P 2021069160
(22)【出願日】2021-04-15
【審査請求日】2024-03-13
(31)【優先権主張番号】P 2020207278
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武井 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】垣内 拓真
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-236559(JP,A)
【文献】特開平11-161843(JP,A)
【文献】特開2000-293751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 11/24
G07F 11/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身が画成した商品収納通路に対し、該商品収納通路の載置面に対して軸心が垂直方向に沿って延在する態様で商品を起立姿勢にて該商品収納通路の延在方向に沿って並ぶよう収納する商品収納装置であって、
前記商品収納通路における最も下流側に位置する最下流商品を、該最下流商品の軸心回りに
一方向に継続的に回転させる回転手段を備えたことを特徴とする商品収納装置。
【請求項2】
常態においては、前記最下流商品が払い出されることを規制する一方、払出指示によって払出動作を行った場合に、前記最下流商品のみが前記商品収納通路より払い出されることを許容する払出手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の商品収納装置。
【請求項3】
前記払出手段は、前記回転手段と共通の駆動源により前記払出動作を行うことを特徴とする請求項2に記載の商品収納装置。
【請求項4】
前記払出手段は、常態においては前記最下流商品の側面に摺接して該最下流商品が払い出されることを規制する一方、払出指示によって前記回転手段の回転軸を軸心として半回転する払出動作を行った場合に、前記最下流商品と、該最下流商品に対して上流側に隣接する次商品との間に介在することで該最下流商品のみが払い出されることを許容する払出部材を備えたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の商品収納装置。
【請求項5】
前記払出部材は、常態において、前記最下流商品の軸心が前記回転手段の回転軸よりも前記次商品に近接する個所に配置されるよう該最下流商品の側面に摺接することを特徴とする請求項4に記載の商品収納装置。
【請求項6】
前記払出部材は、前記最下流商品の側面に線接触する態様で摺接することを特徴とする請求項5に記載の商品収納装置。
【請求項7】
前記払出部材は、前記最下流商品の側面に摺接する部位は平面状を成すことを特徴とする請求項6に記載の商品収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に提案されているように、前後方向に沿って延在する商品収納通路に該商品収納通路の載置面に対して軸心が垂直方向に沿って延在する態様で商品を起立姿勢にて一列に並ぶよう収納する商品収納装置が知られている。
【0003】
このような商品収納装置では、払出指示によって、商品収納通路における最前位置にある商品を該商品収納通路の前方域に払い出すようにしている。そして、前方域に払い出された商品は商品トレイに受容され、その後に商品取出口より取り出されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した商品収納装置では、商品のアピールを行うために、正面が前方域を臨む態様で商品収納通路に商品を収納することが一般的である。ここで商品の正面は、商品を認識させるための文字や図柄等が示された領域をいう。
【0006】
しかしながら、振動等の外的要因によって商品の位置ずれ等が発生し、正面が前方域を臨まない態様で商品が収納されてしまうことがあり、商品のアピールを十分に行うことができない虞れがあった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて、最下流商品のアピールを良好に行うことができる商品収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る商品収納装置は、自身が画成した商品収納通路に対し、該商品収納通路の載置面に対して軸心が垂直方向に沿って延在する態様で商品を起立姿勢にて該商品収納通路の延在方向に沿って並ぶよう収納する商品収納装置であって、前記商品収納通路における最も下流側に位置する最下流商品を、該最下流商品の軸心回りに回転させる回転手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記商品収納装置において、常態においては、前記最下流商品が払い出されることを規制する一方、払出指示によって払出動作を行った場合に、前記最下流商品のみが前記商品収納通路より払い出されることを許容する払出手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記商品収納装置において、前記払出手段は、前記回転手段と共通の駆動源により前記払出動作を行うことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記商品収納装置において、前記払出手段は、常態においては前記最下流商品の側面に摺接して該最下流商品が払い出されることを規制する一方、払出指示によって前記回転手段の回転軸を軸心として半回転する払出動作を行った場合に、前記最下流商品と、該最下流商品に対して上流側に隣接する次商品との間に介在することで該最下流商品のみが払い出されることを許容する払出部材を備えたことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上記商品収納装置において、前記払出部材は、常態において、前記最下流商品の軸心が前記回転手段の回転軸よりも前記次商品に近接する個所に配置されるよう該最下流商品の側面に摺接することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、上記商品収納装置において、前記払出部材は、前記最下流商品の側面に線接触する態様で摺接することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、上記商品収納装置において、前記払出部材は、前記最下流商品の側面に摺接する部位は平面状を成すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、回転手段が、商品収納通路における最も下流側に位置する最下流商品を、該最下流商品の軸心回りに回転させるので、該最下流商品を認識させるための文字や図柄等が示された領域である正面を周期的に払出領域に臨ませることができ、最下流商品のアピールを良好に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態1である商品収納装置が適用された自動販売機の内部構造を模式的に示す模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態1である商品収納装置の外観構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態1である商品収納装置の外観構成を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5に示した回転払出機構の内部構造を縦断面で示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図5及び
図6に示した回転払出機構の要部である駆動ユニット及び軸ベースの分解斜視図である。
【
図8】
図8は、
図5及び
図6に示した回転払出機構の要部である回転軸部材、トルクリミッタ及び払出部材の分解斜視図である。
【
図9】
図9は、
図5及び
図6に示した回転払出機構の要部である回転軸部材、トルクリミッタ及び払出部材の分解斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施の形態1である商品収納装置において、モータが正回転駆動した場合の動作を示す平面図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施の形態1である商品収納装置において、モータが逆回転駆動した場合の動作を示す平面図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施の形態1である商品収納装置において、モータが逆回転駆動した場合の動作を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施の形態1である商品収納装置において、モータが逆回転駆動した場合の動作を示す平面図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施の形態1である商品収納装置において、モータが逆回転駆動した場合の動作を示す斜視図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施の形態2である商品収納装置の要部を示す平面図である。
【
図21】
図21は、
図16に示したようにモータが正回転駆動した場合の払出回転機構の要部を示す底面図である。
【
図22】
図22は、本発明の実施の形態2である商品収納装置において、モータが逆回転駆動した場合の動作を示す平面図である。
【
図23】
図23は、本発明の実施の形態2である商品収納装置において、モータが逆回転駆動した場合における払出部材が後側ストッパ部に当接したときを示す底面図である。
【
図24】
図24は、本発明の実施の形態2である商品収納装置において、モータが逆回転駆動した場合の動作を示す平面図である。
【
図25】
図25は、本発明の実施の形態2である商品収納装置において、モータが正回転駆動した場合の動作を示す平面図である。
【
図26】
図26は、本発明の実施の形態2である商品収納装置において、モータが正回転駆動した場合の動作を示す平面図である。
【
図27】
図27は、本発明の実施の形態2である商品収納装置において、モータが正回転駆動した場合の動作を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る商品収納装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である商品収納装置が適用された自動販売機の内部構造を模式的に示す模式図である。ここで例示する自動販売機は、本体キャビネット1を備えて構成されている。
【0019】
本体キャビネット1は、前面に開口を有した直方状の筐体であり、その内部に断熱構造の商品収容庫2が形成されている。商品収容庫2には、商品ラック3が上下方向に複数段設けてある。これら商品ラック3は、後述する商品収納装置10が左右に並ぶよう設けられることにより構成されるものである。
【0020】
上記商品収容庫2は、図示せぬ冷却手段等により内部雰囲気が冷却されることで商品ラック3に収納される商品が所望の温度に調整されるものである。この商品収容庫2における商品ラック3の前方域には、商品トレイ4が図示せぬ搬送機構により上下方向に沿って移動可能に配設されている。この商品トレイ4は、所望の商品を収納する商品収納装置10から払い出された商品を受容した後、下方に移動し、本体キャビネット1の前面開口の下方側を閉塞する閉塞部材5に設けられた商品取出口6より該商品が取り出されることを許容するものである。尚、この閉塞部材5は、その上方に設けられた扉体7とともに本体キャビネット1の前面開口を閉塞するものであり、該扉体7は該本体キャビネット1に開閉移動可能に配設されている。
【0021】
図2及び
図3は、それぞれ本発明の実施の形態1である商品収納装置10の外観構成を示す斜視図である。ここで例示する商品収納装置10は、ベース10Aと、回転払出機構10Bとを備えて構成されている。
【0022】
ベース10Aは、
図4にも示すように、前後方向が長手方向となる長尺状部材であり、底壁部21及び側壁部22を有している。
【0023】
底壁部21は、前方に向かうに連れて漸次下方に傾斜する態様で設けられており、その上方域に商品収納通路11を形成している。つまり商品収納通路11は、前方に向かうに連れて漸次下方に傾斜する態様で、前後方向に沿って延在するよう形成されている。
【0024】
この底壁部21の上面は、商品を起立姿勢で載置するための載置面21aを構成している。ここで商品の起立姿勢は、商品収納通路11の載置面21aに対して商品の軸心が垂直方向に沿って延在する姿勢のことをいう。
【0025】
そのような底壁部21には、その前方部分に円形孔23が形成されており、円形孔23の開口縁部にはストッパ片24が形成されている。ストッパ片24は、開口縁部の右側部分において、円形孔23の中心に向けて突出するように形成された円弧状のものである。
【0026】
側壁部22は、それぞれ前後方向が長手方向となる長尺平板状部材により構成される左右一対のものであり、底壁部21の左右両端部より上方に向けて突出する態様で設けられている。これら側壁部22は、商品収納通路11の左右方向の寸法を規定している。
【0027】
図5は、
図2及び
図3に示した回転払出機構10Bを示す斜視図であり、
図6は、
図5に示した回転払出機構10Bの内部構造を縦断面で示す斜視図である。これら
図5及び
図6にも示すように、回転払出機構10Bは、駆動ユニット30、軸ベース40、回転軸部材50、トルクリミッタ60、払出部材70及び回転板部80を備えて構成されている。
【0028】
駆動ユニット30は、上記円形孔23を下方より閉塞する態様で底壁部21の下面に、図示せぬ支持部材を介して支持されることにより取り付けられている。この駆動ユニット30は、モータ31と出力ギア32とを備えて構成されている。
【0029】
モータ31は、図示せぬ制御部から与えられる駆動指令により駆動する駆動源である。このモータ31は、正逆回転駆動するものであり、
図7にも示すように、上下一対の駆動ケース30a,30bの内部に収納されている。
【0030】
出力ギア32は、略円環状の形態を成しており、外周縁部分に第1出力歯部32aが形成されているとともに内周縁部分の上端部及び下端部に第2出力歯部32bが形成されている。この出力ギア32は、第2出力歯部32bが駆動ケース30a,30bに形成された貫通孔33の内面から露出する態様で駆動ケース30a,30bの内部に収納されている。ここで貫通孔33は、駆動ケース30a,30bの略中央部分において上下方向に沿って延在するものである。
【0031】
上記出力ギア32は、上記モータ31と連係ギアユニット34を介して連係されており、モータ31の駆動により自身の中心軸回りに回転可能なものである。より詳細に説明すると、出力ギア32は、モータ31が正回転駆動する場合には、上方から見て反時計回りに回転する一方、モータ31が逆回転駆動する場合には、上方から見て時計回りに回転するものである。尚、出力ギア32は、中心軸が駆動ケース30a,30bの貫通孔33の中心軸と一致するように該駆動ケース30a,30bに収納されている。
【0032】
軸ベース40は、
図7にも示すように、例えば樹脂材により成形された略有底円筒状の形態を成しており、円筒状部41と蓋部42とを有している。
【0033】
円筒状部41は、出力ギア32の中空部の内径よりも僅かに小さい外径を有しており、一部に切欠が形成されることにより上方に突出する一対の係止片43が形成されている。この円筒状部41の下端部分における側周面の一部には軸歯部44が形成されている。
【0034】
蓋部42は、円筒状部41の下面開口を閉塞する円板状部分である。この蓋部42は、外径が駆動ケース30a,30bに形成された貫通孔33の内径よりも大きいものであり、中心部分には開口縁部の一部が直線状を成す連結孔45が形成されている。
【0035】
そのような軸ベース40は、円筒状部41が駆動ケース30a,30bの貫通孔33を下方から挿通することにより、軸歯部44が出力ギア32の下端部の第2出力歯部32bに噛合し、係止片43の上端部が出力ギア32の上端部の第2出力歯部32bに係止して設けられている。この軸ベース40は、出力ギア32と一体的に回転するものである。尚、軸ベース40は、中心軸が駆動ケース30a,30bの貫通孔33の中心軸及び出力ギア32の中心軸と一致するように設けられている。また軸ベース40は、蓋部42が駆動ケース30a,30bより下方に露出している。
【0036】
回転軸部材50は、上下方向に沿って延在する略円柱状部材である。この回転軸部材50は、
図8及び
図9にも示すように、下端部分には、外周面の一部が切り欠かれて連結突起51が形成されている。この連結突起51は、上記連結孔45に適合する大きさを有している。
【0037】
また回転軸部材50は、上記下端部分において、連結突起51より上方となる部分に径方向に沿って延在する締結孔部52を貫通する態様で締結ロッド53が設けられている。
【0038】
更に回転軸部材50は、上端部分には、外周面の一部が切り欠かれて直線状を成す取付部54が形成されるとともに、その取付部54の上端面には噛合孔55が形成されている。
【0039】
そのような回転軸部材50は、
図5に示したように、連結突起51が連結孔45に上方より挿入して装着された状態で、軸ベース40の中心軸に沿って該軸ベース40に取り付けられている。これにより回転軸部材50は、貫通孔33の中心軸及び出力ギア32の中心軸に沿って軸ベース40に取り付けられており、軸ベース40と一体的に回転するものである。
【0040】
トルクリミッタ60は、略円筒状の形態を成しており、中空部を有する内周部61と、該内周部61を囲繞する外周部62とを有している。このトルクリミッタ60は、中空部を回転軸部材50が下方より貫通し、該回転軸部材50に設けられた締結ロッド53が該中空部を臨む態様で形成された締結溝63に進入することにより該回転軸部材50と締結されている。トルクリミッタ60の外周部62の上端面には、上方に向けて突出する態様で伝達ブロック64が形成されている。
【0041】
このようなトルクリミッタ60は、内周部61と外周部62との間で一定以上のトルクが生じたときに、内周部61と外周部62との伝達を遮断し、外周部62に対して内周部61を空転させるものである。
【0042】
払出部材70は、例えば樹脂材により形成されており、払出基部71と払出カム部72とが一体的に成形されて構成されている。
【0043】
払出基部71は、円形状を成しており、その外径がベース10Aの円形孔23の内径よりも小さいものである。この払出基部71の中心部分には、下方に向けて突出する凹部73が形成されており、この凹部73の底面には伝達ブロック64の進入を許容する伝達溝74が形成されるとともに、その底面の中心部分に回転軸部材50の通過を許容する通過孔75が形成されている。
【0044】
払出カム部72は、払出基部71の外周部分の一部より該払出基部71の径方向外部に突出しつつ上方に向けて突出する態様で形成された半円筒状の形態を成すものである。
【0045】
このような払出部材70は、伝達溝74に伝達ブロック64が進入することにより、自身の中心軸となる通過孔75の中心軸回りに回転可能となる態様で設けられている。
【0046】
回転板部80は、払出基部71の上面を覆う態様で設けられた円形状部材であり、その中心部分に下方に僅かに突出する窪部81が形成されている。この窪部81は、払出部材70の凹部73に進入しており、その底面の中心部分には、回転軸部材50の上端部分に適合し、かつ上端部分が挿通することを許容する取付孔82が形成されている。
【0047】
この回転板部80は、回転軸部材50の取付部54が取付孔82を下方より挿通した状態で該回転軸部材50の噛合孔55に取付ネジNを上方より進入させて噛合させることにより、該回転軸部材50に取り付けられている。この回転板部80の中心軸は、回転軸部材50の中心軸に一致しており、回転軸部材50と一体的に回転するものである。
【0048】
かかる回転板部80は、上面83がベース10Aの上面(載置面21a)と同一平面上を成すように設けられており、該ベース10Aとともに、商品を起立姿勢で載置させる商品収納通路11を構成している。この回転板部80は、商品収納通路11において最も下流側に位置する最前商品(最下流商品)を載置するものである。
【0049】
以上のような構成を有する商品収納装置10においては、モータ31が正回転駆動することにより出力ギア32が上方から見て反時計回りに回転する。出力ギア32が上方か見て反時計回りに回転することにより軸ベース40も上方から見て反時計回りに回転し、軸ベース40に装着された回転軸部材50も中心軸回りに上方から見て反時計回りに回転する。このように回転軸部材50が上方から見て反時計回りに回転することにより、該回転軸部材50に取り付けられた回転板部80も上方から見て反時計回りに回転する。
【0050】
ところで、払出部材70は、トルクリミッタ60を介して回転軸部材50に連係されているので、回転軸部材50が上方から見て反時計回りに回転することにより上方から見て反時計回りに回転することとなるが、
図10及び
図11に示すように、払出カム部72の端部がストッパ片24に当接してその回転が停止している。
【0051】
これにより回転払出機構10Bにおいては、回転板部80が上方から見て反時計回りに回転しながら、払出部材70が回転を停止して払出カム部72が最前商品の前方に配置しており、
図10に示したように、最前商品を回転させながら、払出カム部72が該最前商品の側面に摺接して該最前商品が前方に向けて払い出されることを規制している。
【0052】
そして、商品収納装置10においては、商品トレイ4が商品収納通路11の前方域に配置された状態で商品収納通路11に収納する商品の払出指示が与えられた場合に、回転払出機構10Bが次のように払出動作を行う。
【0053】
モータ31が逆回転駆動することにより、出力ギア32が上方から見て時計回りに回転する。出力ギア32が上方から見て時計回りに回転することにより、軸ベース40及び回転軸部材50が上方から見て時計回りに回転し、これにより
図12及び
図13に示すように、払出部材70及び回転板部80も上方から見て時計回りに回転する。
【0054】
その後、払出部材70の払出カム部72の端部が、
図14及び
図15に示すようにストッパ片24に当接してその回転を停止することで、払出部材70は、払出カム部72が最前商品とこの最前商品に隣接する商品(以下、次商品とも称する)との間に介在することで最前商品のみが前方に向けて払い出されることを許容する。このようにして払い出された最前商品は、商品トレイ4に受容され、商品トレイ4とともに下方に移動し、その後に商品取出口6を通じて取り出されることとなる。
【0055】
最前商品のみを払い出した商品収納装置10は、その後にモータ31が正回転駆動することにより、出力ギア32が上方から見て反時計回りに回転し、これにより軸ベース40及び回転軸部材50が上方から見て反時計回りに回転する。これにより払出部材70及び回転板部80が上方から見て反時計回りに回転し、その後に払出部材70は、払出カム部72の端部がストッパ片24にその回転を停止することで、次商品を新たな最前商品としてその前方に払出カム部72が配置される。よって、払出部材70は、新たな最前商品を回転板部80に載置させて回転させながら前方に払い出されることを規制している。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態1である商品収納装置10において、回転払出機構10Bは、商品収納通路11における最も下流側に位置する最下流商品を、該最下流商品の軸心回りに回転させる回転手段と、常態においては、最下流商品が払い出されることを規制する一方、払出指示によって払出動作を行った場合に、最下流商品のみが商品収納通路11より払い出されることを許容する払出手段としての機能を有している。
【0057】
上記商品収納装置10によれば、回転払出機構10Bが、商品収納通路11における最前商品を、該最前商品の軸心回りに回転させ、かつ常態においては、最前商品が払い出されることを規制する一方、払出指示によって払出動作を行った場合に、最前商品のみが商品収納通路11より払い出されることを許容するので、最前商品を回転させることで、該最前商品を認識させるための文字や図柄等が示された領域である正面を周期的に前方域に臨ませることができ、最前商品のアピールを良好に行うことができる。
【0058】
上記商品収納装置10によれば、回転払出機構10Bを構成する払出部材70及び回転板部80が共通のモータ31で駆動するので、回転払出機構10Bによる払出動作の駆動源と、最前商品を回転させるための駆動源とを共通化させることができ、部品点数の削減により製造コストの低減化を図ることができる。
【0059】
上記商品収納装置10によれば、払出部材70が、常態においては最前商品の側面に摺接して該最前商品が払い出されることを規制する一方、払出指示によって回転軸部材50を軸心として半回転する払出動作を行った場合に、最前商品と次商品との間に介在することで該最前商品のみが払い出されることを許容するので、回転払出機構10Bの払出動作は、最前商品の回転と共通の回転軸で行うことができ、回転払出機構10Bの設置スペースを小さくすることで、装置自体の小型化を図ることができる。
【0060】
<実施の形態2>
図16は、本発明の実施の形態2である商品収納装置の要部を示す平面図である。尚、上述した実施の形態1である商品収納装置10と同一の構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を適宜省略する。ここで例示する商品収納装置10′は、ベース10Cと回転払出機構10Dとを備えて構成されている。
【0061】
ベース10Cは、
図17にも示すように、前後方向が長手方向となる長尺状部材である。このベース10Cは、前方に向かうに連れて漸次下方に傾斜する態様で設けられた板状部材であり、底壁部21′及び側壁部22′が設けられている。
【0062】
底壁部21′は、前後方向が長手方向となる長尺平板状部材であり、ベース10Cの上面に設置されている。かかる底壁部21′は、上方域に商品収納通路11を形成しており、上面が商品を起立姿勢で載置するための載置面21a′を構成している。
【0063】
また底壁部21′は、少なくとも2つ設けられており、ベース10Cに形成された取付開口10Caの上方域に、前方側の底壁部21′の後端部分と後方側の底壁部21′の前端部分とで略円形状を成す円形孔23′が形成されるようにベース10Cに設置されている。つまり、円形孔23′は、前方側の底壁部21′の後端部分に形成された略半円形状の前側円形構成孔231と、後方側の底壁部21′の前端部分に形成された略半円形状の後側円形構成孔232とにより構成されている。
【0064】
そして、上記底壁部21′においては、
図18に示すように、前側ストッパ部241及び後側ストッパ部242が形成されている。前側ストッパ部241は、前方側の底壁部21′における前側円形構成孔231の右方側の開口縁部の下方部分において右方に向けて延在する態様で形成されている。後側ストッパ部242は、後方側の底壁部21′における後側円形構成孔232の後方側の開口縁部の下方部分において後方に向かうに連れて漸次右方に傾斜延在する態様で形成されている。
【0065】
側壁部22′は、それぞれ前後方向が長手方向となる長尺状部材により構成される左右一対のものであり、底壁部21′の左右両端部より上方に向けて突出する態様でベース10Cに設けられている。これら側壁部22′は、商品収納通路11の左右方向の寸法を規定するものである。
【0066】
図19は、
図16に示した回転払出機構10Dを示す斜視図であり、
図20は、
図19に示した回転払出機構10Dの内部構造を縦断面で示す斜視図である。これら
図19及び
図20に示すように、回転払出機構10Dは、駆動ユニット30、軸ベース40、回転軸部材50、トルクリミッタ60、払出部材70′及び回転板部80を備えて構成されている。
【0067】
駆動ユニット30は、上記円形孔23′を下方より閉塞する態様でベース10Cに、図示せぬ支持部材を介して支持されることにより取り付けられている。
【0068】
払出部材70′は、例えば樹脂材により形成されており、払出基部71と払出カム部72とが一体的に成形されて構成されている。
【0069】
払出基部71は、円形状を成しており、その外径が円形孔23′の内径よりも僅かに小さいものである。この払出基部71の中心部分には、下方に向けて突出する凹部73が形成されており、この凹部73の底面には伝達ブロック64の進入を許容する伝達溝74が形成されるとともに、その底面の中心部分に回転軸部材50の通過を許容する通過孔75が形成されている。
【0070】
これにより払出部材70′は、伝達溝74に伝達ブロック64が進入することにより、自身の中心軸となる通過孔75の中心軸回りに回転可能となる態様で設けられている。
【0071】
かかる払出部材70′を構成する払出カム部72は、払出基部71の外周部分の一部より該払出基部71の径方向外部に突出しつつ上方に向けて突出する態様で形成された半円筒状の形態を成すものである。この払出カム部72には、内面を被覆する態様で摺接部材76が設けられている。
【0072】
このような摺接部材76は、例えば樹脂材により形成されるものである。この摺接部材76は、払出カム部72の内面より離隔して払出基部71の中心に向けて突出するように設けられており、内部に中空部76aが形成されている。かかる摺接部材76は、平面状を成す摺接面部761と、この摺接面部761の両側部分に連続する態様で形成された湾曲状を成す湾曲面部762とにより内面が構成されている。
【0073】
ところで、払出カム部72の一端部、すなわち
図16において左端部の上下方向の中間個所には、該払出カム部72の円弧状に沿うように後方に向けて突出する態様で突部721が形成されている。
【0074】
回転板部80は、払出基部71の上面を覆う態様で設けられた円形状部材であり、回転軸部材50の取付部54が取付孔82を下方より挿通した状態で該回転軸部材50の噛合孔55に取付ネジNを上方より進入させて噛合させることにより、該回転軸部材50に取り付けられている。この回転板部80の中心軸は、回転軸部材50の中心軸に一致しており、回転軸部材50と一体的に回転するものである。
【0075】
かかる回転板部80は、上面83が底壁部21′の上面(載置面21a′)と同一平面上を成すように設けられており、該底壁部21′とともに、商品を起立姿勢で載置させる商品収納通路11を構成している。この回転板部80は、商品収納通路11において最も下流側に位置する最前商品(最下流商品)W1を載置するものである。
【0076】
以上のような構成を有する商品収納装置10′においては、
図16に示したように、モータ31が正回転駆動することにより出力ギア32が上方から見て反時計回りに回転する。出力ギア32が上方か見て反時計回りに回転することにより軸ベース40も上方から見て反時計回りに回転し、軸ベース40に装着された回転軸部材50も中心軸回りに上方から見て反時計回りに回転する。このように回転軸部材50が上方から見て反時計回りに回転することにより、該回転軸部材50に取り付けられた回転板部80も上方から見て反時計回りに回転する。
【0077】
そして、上記商品収納装置10′においては、払出カム部72に摺接部材76が設けられているので、摺接面部761で最前商品W1の側面に線接触し、しかも摺接部材76が払出カム部72の内面から離隔して払出基部71の中心に向けて突出するように設けられているので、最前商品W1の軸心である中心P1が回転板部80の中心軸に一致する回転軸部材50の中心軸Q1よりも次商品W2(最前商品W1に隣接する商品)に近接する個所に配置される。つまり、払出部材70′は、常態において、最前商品W1の軸心が回転軸部材50の回転軸よりも次商品W2に近接する個所に配置されるよう該最前商品W1の側面に摺接する。
【0078】
ところで、払出部材70′は、トルクリミッタ60を介して回転軸部材50に連係されているので、回転軸部材50が上方から見て反時計回りに回転することにより上方から見て反時計回りに回転することとなるが、
図21に示すように、払出カム部72の端部が前側ストッパ部241に当接してその回転が停止している。
【0079】
これにより回転払出機構10Dにおいては、回転板部80が上方から見て反時計回りに回転しながら、払出部材70′が回転を停止して払出カム部72が最前商品W1の前方に配置しており、
図16に示したように、最前商品W1を回転させながら、摺接部材76が該最前商品W1の側面に摺接して該最前商品W1が前方に向けて払い出されることを規制している。
【0080】
そして、商品収納装置10′においては、商品トレイ4が商品収納通路11の前方域に配置された状態で商品収納通路11に収納する商品の払出指示が与えられた場合に、回転払出機構10Dが次のように払出動作を行う。
【0081】
モータ31が逆回転駆動することにより、出力ギア32が上方から見て時計回りに回転する。出力ギア32が上方から見て時計回りに回転することにより、軸ベース40及び回転軸部材50が上方から見て時計回りに回転し、払出部材70′及び回転板部80も上方から見て時計回りに回転する。
【0082】
このように払出部材70′が上方から見て時計回りに回転することにより、
図22に示すように、突部721が次商品W2に側面に当接する。かかる当接について詳細に説明する。上述したように、払出部材70′が、最前商品W1の軸心が回転軸部材50の回転軸よりも次商品W2に近接する個所に配置されるように最前商品W1の側面に摺接していたので、突部721と次商品W2の当接個所においては、該当接個所の接線方向と、突部721の延在方向との成す角度αが鋭角とされる。これにより、突部721が次商品W2の側面の傷つけずに最前商品W1と次商品W2との間に良好に進入することができ、最前商品W1と次商品W2とを良好に切り分けることが可能になる。
【0083】
その後、払出部材70′の払出カム部72の端部が、
図23に示すように、後側ストッパ部242に当接してその回転を停止することで、払出部材70′は、
図24に示すように、払出カム部72が最前商品W1と次商品W2との間に介在することで最前商品W1のみが前方に向けて払い出されることを許容する。このようにして払い出された最前商品W1は、商品トレイ4に受容され、商品トレイ4とともに下方に移動し、その後に商品取出口6を通じて取り出されることとなる。
【0084】
最前商品W1のみを払い出した商品収納装置10′は、その後にモータ31が正回転駆動することにより、出力ギア32が上方から見て反時計回りに回転し、これにより軸ベース40及び回転軸部材50が上方から見て反時計回りに回転する。これにより払出部材70′及び回転板部80が上方から見て反時計回りに回転し、その後に払出部材70′は、払出カム部72の端部が前側ストッパ部241に当接してその回転を停止することで、次商品W2を新たな最前商品W1としてその前方に払出カム部72が配置される。よって、払出部材70′は、新たな最前商品W1を回転板部80に載置させて回転させながら前方に払い出されることを規制している。
【0085】
次に、
図16、
図22及び
図24の図示した商品W1,W2よりも大径となる商品Y1,Y2を払い出す場合について説明する。
【0086】
上記商品収納装置10′においては、
図25に示したように、モータ31が正回転駆動することにより出力ギア32が上方から見て反時計回りに回転する。出力ギア32が上方か見て反時計回りに回転することにより軸ベース40も上方から見て反時計回りに回転し、軸ベース40に装着された回転軸部材50も中心軸Q1回りに上方から見て反時計回りに回転する。このように回転軸部材50が上方から見て反時計回りに回転することにより、該回転軸部材50に取り付けられた回転板部80も上方から見て反時計回りに回転する。
【0087】
そして、上記商品収納装置10′においては、払出カム部72に摺接部材76が設けられているので、摺接面部761で最前商品Y1の側面に線接触し、しかも摺接部材76が払出カム部72の内面から離隔して払出基部71の中心に向けて突出するように設けられているので、最前商品Y1の軸心である中心P2が回転板部80の中心軸に一致する回転軸部材50の中心軸Q1よりも次商品Y2(最前商品Y1に隣接する商品)に近接する個所に配置される。つまり、払出部材70′は、常態において、最前商品Y1の軸心が回転軸部材50の回転軸よりも次商品Y2に近接する個所に配置されるよう該最前商品Y1の側面に摺接する。
【0088】
ところで、払出部材70′は、トルクリミッタ60を介して回転軸部材50に連係されているので、回転軸部材50が上方から見て反時計回りに回転することにより上方から見て反時計回りに回転することとなるが、払出カム部72の端部が前側ストッパ部241に当接してその回転が停止している。
【0089】
これにより回転払出機構10Dにおいては、回転板部80が上方から見て反時計回りに回転しながら、払出部材70′が回転を停止して払出カム部72が最前商品Y1の前方に配置しており、
図25に示したように、最前商品Y1を回転させながら、摺接部材76が該最前商品Y1の側面に摺接して該最前商品Y1が前方に向けて払い出されることを規制している。
【0090】
そして、商品収納装置10′においては、商品トレイ4が商品収納通路11の前方域に配置された状態で商品収納通路11に収納する商品の払出指示が与えられた場合に、回転払出機構10Dが次のように払出動作を行う。
【0091】
モータ31が逆回転駆動することにより、出力ギア32が上方から見て時計回りに回転する。出力ギア32が上方から見て時計回りに回転することにより、軸ベース40及び回転軸部材50が上方から見て時計回りに回転し、払出部材70′及び回転板部80も上方から見て時計回りに回転する。
【0092】
このように払出部材70′が上方から見て時計回りに回転することにより、
図26に示すように、突部721が次商品Y2に側面に当接する。払出部材70′が、最前商品Y1の軸心が回転軸部材50の回転軸よりも次商品Y2に近接する個所に配置されるように最前商品Y1の側面に摺接していたので、突部721と次商品Y2の当接個所においては、該当接個所の接線方向と、突部721の延在方向との成す角度αが鋭角とされる。これにより、突部721が次商品Y2の側面の傷つけずに最前商品Y1と次商品Y2との間に良好に進入することができ、最前商品Y1と次商品Y2とを良好に切り分けることが可能になる。
【0093】
その後、払出部材70′の払出カム部72の端部が、後側ストッパ部242に当接してその回転を停止することで、払出部材70′は、
図27に示すように、払出カム部72が最前商品Y1と次商品Y2との間に介在することで最前商品Y1のみが前方に向けて払い出されることを許容する。このようにして払い出された最前商品Y1は、商品トレイ4に受容され、商品トレイ4とともに下方に移動し、その後に商品取出口6を通じて取り出されることとなる。
【0094】
最前商品Y1のみを払い出した商品収納装置10′は、その後にモータ31が正回転駆動することにより、出力ギア32が上方から見て反時計回りに回転し、これにより軸ベース40及び回転軸部材50が上方から見て反時計回りに回転する。これにより払出部材70′及び回転板部80が上方から見て反時計回りに回転し、その後に払出部材70′は、払出カム部72の端部が前側ストッパ部241に当接してその回転を停止することで、次商品Y2を新たな最前商品Y1としてその前方に払出カム部72が配置される。よって、払出部材70′は、新たな最前商品Y1を回転板部80に載置させて回転させながら前方に払い出されることを規制している。
【0095】
以上説明したように、本実施の形態2である商品収納装置10′において、回転払出機構10Dは、商品収納通路11における最も下流側に位置する最下流商品を、該最下流商品の軸心回りに回転させる回転手段と、常態においては、最下流商品が払い出されることを規制する一方、払出指示によって払出動作を行った場合に、最下流商品のみが商品収納通路11より払い出されることを許容する払出手段としての機能を有している。
【0096】
上記商品収納装置10′によれば、回転払出機構10Dが、商品収納通路11における最前商品W1,Y1を、該最前商品W1,Y1の軸心回りに回転させ、かつ常態においては、最前商品W1,Y1が払い出されることを規制する一方、払出指示によって払出動作を行った場合に、最前商品W1,Y1のみが商品収納通路11より払い出されることを許容するので、最前商品W1,Y1を回転させることで、該最前商品W1,Y1を認識させるための文字や図柄等が示された領域である正面を周期的に前方域に臨ませることができ、最前商品W1,Y1のアピールを良好に行うことができる。
【0097】
上記商品収納装置10′によれば、回転払出機構10Dを構成する払出部材70′及び回転板部80が共通のモータ31で駆動するので、回転払出機構10Dによる払出動作の駆動源と、最前商品W1,Y1を回転させるための駆動源とを共通化させることができ、部品点数の削減により製造コストの低減化を図ることができる。
【0098】
上記商品収納装置10′によれば、払出部材70′が、常態においては最前商品W1,Y1の側面に摺接して該最前商品W1,Y1が払い出されることを規制する一方、払出指示によって回転軸部材50を軸心として半回転する払出動作を行った場合に、最前商品W1,Y1と次商品Y2との間に介在することで該最前商品W1,Y1のみが払い出されることを許容するので、回転払出機構10Dの払出動作は、最前商品W1,Y1の回転と共通の回転軸で行うことができ、回転払出機構10Dの設置スペースを小さくすることで、装置自体の小型化を図ることができる。
【0099】
上記商品収納装置10′によれば、払出部材70′が、最前商品W1,Y1の軸心が回転軸部材50の回転軸よりも次商品W2,Y2に近接する個所に配置されるように最前商品W1,Y1の側面に摺接していたので、突部721と次商品W2,Y2の当接個所においては、該当接個所の接線方向と、突部721の延在方向との成す角度αが鋭角とすることができ、これにより、突部721が次商品W2,Y2の側面の傷つけずに最前商品W1,Y1と次商品W2,Y2との間に良好に進入することができ、最前商品W1,Y1と次商品W2,Y2とを良好に切り分けることが可能になる。よって、次商品W2,Y2等を損傷してしまうことを防止することができる。
【0100】
特に摺接部材76における最前商品W1,Y1と摺接する摺接面部761が平面状を成しているので、該摺接部材76の中空部76aの容積を十分に確保することができ、断熱性の向上を図ることができる。
【0101】
以上、本発明の好適な実施の形態1及び実施の形態2について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0102】
上述した実施の形態1及び実施の形態2では、回転払出機構10Bが、回転手段と払出手段との機能を有していたが、本発明においては、回転手段と払出手段とが別個に設けられていてもよい。そのため、回転手段と払出手段とは、共通の駆動源で駆動するものでなくてよいし、共通の回転軸回りに回転するものでなくてもよい。
【0103】
上述した実施の形態1では言及していないが、本発明では、次のような構成を採用してもよい。
【0104】
払出部材の払出カム部の内面には、アタッチメント部材が着脱可能に設けられてもよい。これによれば、商品の最大幅が小さい小型商品についても商品の回転や払い出しを良好に行うことができる。
【0105】
払出部材の払出カム部は、半円筒状を成していたが、その両端部については、中央部分よりも曲率が小さい形状としてもよいし、両端面が、該払出部材の中心軸より径方向外部に向かうに連れて漸次払出カム部の中央部分に向けて延在する態様で傾斜する傾斜面であってもよい。このように両端部の曲率を小さくしたり、両端面を傾斜面にしたりすることで、払出部材を回転させた場合に、払出カム部が最下流商品と、該最下流商品の上流側に隣接する商品との間に進入しやすくすることができ、商品の縁切りを良好に行うことができる。
【0106】
上述した実施の形態1及び実施の形態2では、商品収納通路11が前後方向に沿って延在し、後方側が上流側、前方側が下流側として説明したが、本発明においては、商品収納通路は、前後方向ではなく左右方向に延在していてもよいし、下流側も後方側であってもよいし、右方側でも左方側であってもよい。
【0107】
上述した実施の形態2では、摺接部材76の摺接面部761が平面状を成していたが、本発明においては、払出部材における最下流商品の側面に摺接する部位は、平面状を成していなくてもよく、最下流商品の軸心が回転手段の回転軸よりも次商品に近接する個所に配置できればその形態は特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0108】
1…本体キャビネット、2…商品収容庫、3…商品ラック、10…商品収納装置、10A…ベース、10B…回転払出機構、11…商品収納通路、21…底壁部、22…側壁部、23…円形孔、24…ストッパ片、30…駆動ユニット、31…モータ、32…出力ギア、40…軸ベース、50…回転軸部材、60…トルクリミッタ、70…払出部材、71…払出基部、72…払出カム部、80…回転板部。