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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】構造体
(51)【国際特許分類】
   A47B 81/00 20060101AFI20250218BHJP
   A47B 77/04 20060101ALI20250218BHJP
   A47B 77/02 20060101ALI20250218BHJP
   A47B 83/00 20060101ALI20250218BHJP
【FI】
A47B81/00 A
A47B77/04 A
A47B77/02
A47B83/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021112189
(22)【出願日】2021-07-06
(65)【公開番号】P2023008543
(43)【公開日】2023-01-19
【審査請求日】2024-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】中原 潤平
(72)【発明者】
【氏名】木村 充伸
(72)【発明者】
【氏名】安田 理恵
(72)【発明者】
【氏名】藤原 祥子
【審査官】齋藤 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-231991(JP,A)
【文献】特開平11-244068(JP,A)
【文献】実開昭50-104821(JP,U)
【文献】特開2007-222342(JP,A)
【文献】特開2001-224454(JP,A)
【文献】特開2010-019049(JP,A)
【文献】実開昭50-137835(JP,U)
【文献】実公昭50-039790(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 81/00、81/04
83/00、87/00
77/02、77/04
96/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の床から突出して当該床に固定されており、部屋の天井及び壁から離間する造作壁と、
上記造作壁の第1壁面に固定されたカップボードと、
上記造作壁の第2壁面の上部に固定された吊戸棚と、
上記造作壁の上記第2壁面の下部に固定された収納台と、を備える構造体。
【請求項2】
部屋の床に固定されており、部屋の天井及び壁から離間する造作壁と、
上記造作壁の第1壁面に固定されたカップボードと、
上記造作壁の第2壁面の上部に固定された吊戸棚と、
上記造作壁の上記第2壁面の下部に固定された収納台と、を備えており、
上記造作壁の幅寸法と、上記カップボードの幅寸法と、上記吊戸棚の幅寸法と、上記収納台の幅寸法とが同一である構造体。
【請求項3】
上記造作壁の両側面と、上記カップボードの両側面と、上記吊戸棚の両側面と、上記収納台の両側面とをそれぞれ覆うサイドパネルをさらに備える、請求項2に記載の構造体。
【請求項4】
上記造作壁の上面と、上記カップボードの上面と、上記吊戸棚の上面とが同一の高さ位置にある、請求項1から3のいずれかに記載の構造体。
【請求項5】
上記造作壁の上面と、上記吊戸棚の上面の少なくとも一部とを覆う化粧パネルをさらに備える、請求項4に記載の構造体。
【請求項6】
上記造作壁の上面から上方へ光を照射する照明器具をさらに備える、請求項4に記載の構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅に用いられる構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、リビングとキッチンとを間仕切壁で仕切り、間仕切壁を背にして食器棚をキッチンに設置した構造体を開示する。
【0003】
特許文献2は、壁に取り付けられた吊戸棚を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-121909号公報
【文献】特開2019-45916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
食器棚は、間仕切壁に固定されることにより、地震時における転倒が防止される。間仕切壁は、部屋を仕切る壁であるから、設置する位置の自由度が低い。したがって、特許文献1に記載された構造体では、間仕切壁を背にして設置する食器棚の設置位置の自由度が低くなる。また、間仕切壁は、天井及び床と連結されて固定されるから、間仕切壁を設置するためには、天井及び床の施工が必要となる。
【0006】
一方、吊戸棚も壁に取り付けられるものであるから、設置位置の自由度が低い。
【0007】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カップボードの転倒を防止でき、また、カップボード、吊戸棚、及び収納台の設置位置の自由度を高めることができ、さらに施工が容易な構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明に係る構造体は、部屋の床に固定されており、部屋の天井及び壁から離間する造作壁と、上記造作壁の第1壁面に固定されたカップボードと、上記造作壁の第2壁面の上部に固定された吊戸棚と、上記造作壁の上記第2壁面の下部に固定された収納台と、を備える。
【0009】
カップボードは、造作壁に固定されることによって、転倒を防止される。この造作壁は、部屋の天井及び壁から離間するから、施工が容易である。また、造作壁は、部屋の壁から離間しており、部屋を仕切る間仕切壁ではないから、カップボード、吊戸棚、及び収納台の設置位置の自由度が高い。
【0010】
(2) 上記造作壁の幅寸法と、上記カップボードの幅寸法と、上記吊戸棚の幅寸法と、上記収納台の幅寸法とが同一であってもよい。
【0011】
造作壁の幅寸法と、カップボードの幅寸法と、吊戸棚の幅寸法と、収納台の幅寸法とが同一とされることにより、カップボードと造作壁と吊戸棚と収納台との一体感が向上する。
【0012】
(3) 本発明に係る構造体は、上記造作壁の両側面と、上記カップボードの両側面と、上記吊戸棚の両側面と、上記収納台の両側面とをそれぞれ覆うサイドパネルをさらに備えていてもよい。
【0013】
サイドパネルにより、造作壁とカップボードと吊戸棚と収納台との一体感がさらに向上する。
【0014】
(4) 上記造作壁の上面と、上記カップボードの上面と、上記吊戸棚の上面とが同一の高さ位置にあってもよい。
【0015】
造作壁の上面とカップボードの上面と吊戸棚の上面とが同一の高さ位置とされることにより、造作壁とカップボードと吊戸棚との一体感がさらに向上する。
【0016】
(5) 上記カップボードの上面の少なくとも一部と、上記造作壁の上面と、上記吊戸棚の上面の少なくとも一部とを覆う化粧パネルをさらに備える
【0017】
化粧パネルにより、造作壁とカップボードと吊戸棚との一体感がさらに向上する。
【0018】
(6) 上記造作壁の上面から上方へ光を照射する照明器具をさらに備える
【0019】
照明器具は、カップボード側の室内であるキッチン及び吊戸棚側の室内であるリビングを天井を介して間接的に照明することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る構造体は、カップボード及び吊戸棚の設置位置の自由度を高め、かつ施工を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、部屋10を示す図である。
図2図2は、部屋10の水平断面図である。
図3図3は、構造体30の垂直断面図である。
図4図4は、構造体30の正面図である。
図5図5は、構造体30の水平断面図である。
図6図6は、変形例に係る構造体30の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0023】
本実施形態では、図1に示される部屋10に設けられる構造体30が説明される。部屋10は、リビングダイニングキッチン(LDK)である。図1では、部屋10の一部のみが示されている。部屋10は、室内を区画する第1部屋壁11や第2部屋壁12や掃き出し窓15や床13や天井14(図3参照)を備えている。
【0024】
第1部屋壁11は、大開口の窓16を有している。第2部屋壁12は、窓17を有している。第1部屋壁11の内壁面と第2部屋壁12の内壁面とは直交している。本実施形態では、鉛直方向に沿う方向が上下方向7と称され、水平方向及び第2部屋壁12の内壁面に沿う方向が前後方向8と称され、水平方向及び第1部屋壁11の内壁面に沿う方向が左右方向9と称される。
【0025】
掃き出し窓15は、徐下方向7及び前後方向8に沿って延びており、左右方向9において第2部屋壁12と対向している。掃き出し窓15の外側に、ウッドデッキ18が設けられておる。ウッドデッキ18は、前後方向8に沿って延びている。ウッドデッキ18の外側に、庭19が位置している。部屋10及び庭19は、塀70に囲まれている。
【0026】
部屋10の室内には、構造体30の他、シンク20や第1テーブル21や第2テーブル22や不図示のソファーなどが設置されている。
【0027】
シンク20は、左右方向9に沿って延びる直方体状である。シンク20は、第1部屋壁11の内壁面に隣接している。第1テーブル21は、シンク20の右側に位置しており、シンク20と隣接している。また、第1テーブル21は、第1部屋壁11の窓16に隣接している。
【0028】
構造体30は、シンク20の後側であって、シンク20から離間する位置に位置している。また、構造体30は、第1部屋壁11及び第2部屋壁12から離間する位置に位置している。構造体30とシンク20との間、及び構造体30と第2部屋壁12との間は、住人が移動する動線である。
【0029】
第2テーブル22は、構造体30の右側に位置しており、構造体30と隣接している。また、第2テーブル22は、第1部屋壁11、第2部屋壁12、及び掃き出し窓15から離間する位置に位置している。第2テーブルとシンク20及び第1テーブル21との間、及び第2テーブル22と掃き出し窓15との間は、住人が移動する動線である。
【0030】
図2に示されるように、構造体30は、造作壁40と、カップボード50と、吊戸棚80(図3参照)と、収納台90と、一対のサイドパネル31、32と、化粧板33と、を備える。
【0031】
造作壁40は、床13から上向きに突出している。すなわち、造作壁40は、床13に固定されている。
【0032】
造作壁40は、部屋壁11、12から離間する位置に位置している。また、図3に示されるように、造作壁40の上面45は、部屋の天井14から離間している。すなわち、作業者は、部屋壁11、12や天井14に対する工事をすることなく造作壁40を施工することができる。
【0033】
造作壁40は、矩形状の主面である第1壁面41及び第2壁面42と、矩形状の側面である側面43及び側面44(図5参照)と、矩形状の上面45とを有している。また、造作壁40は、中空である。造作壁40の内部に電源線46が配線されている。
【0034】
カップボード50は、造作壁40の第1壁面41側に位置しており、造作壁40に隣接している。カップボード50は、後述のサイドパネル31、32(図2参照)によって造作壁40に固定され、転倒を防止されている。但し、カップボード50は、ボルトなどの固着具を用いて造作壁40に固定されていてもよい。
【0035】
図3から図5に示されるように、カップボード50は、背板51、天板52、複数の上扉53、複数の下扉54、左右一対の側板61、62、複数の棚板56、及び複数のスライド棚57等を備えている。
【0036】
背板51は、上下方向7及び左右方向9に沿って拡がる2つの主面を有し、前後方向8を厚みとする矩形板状である。背板51の一方の主面である後面58は、造作壁40の第1壁面41と当接している。ただし、カップボード50は、後面58と第1壁面41とが僅かに離間するように造作壁40に対して位置していてもよい。
【0037】
天板52は、前後方向8及び左右方向9に沿って拡がる2つの主面を有し、上下方向7を厚みとする矩形板状である。天板52は、その上面59が造作壁40の上面45と同じ高さ位置となる位置に位置している。すなわち、天板52の上面59と造作壁40の上面45とは面一である。
【0038】
側板61、62は、上下方向7及び前後方向8に沿って拡がる2つの主面を有し、左右方向9を厚みとする矩形板状である。側板61の一方の主面である外側面63は、造作壁40の側面43と面一である。側板62の一方の主面である外側面64は、造作壁40の側面44と面一である。すなわち、左右方向9におけるカップボード50の長さ(幅寸法)は、左右方向9における造作壁40の長さ(幅寸法)と略同一である。
【0039】
複数の棚板56は、カップボード50の内部空間であって、且つカップボード50の上部となる位置に位置している。複数の棚板56は、上下方向7において相互に離間している。棚板56の前側に、上扉53が位置している。
【0040】
スライド棚57は、カップボード50の内部空間であって、且つ上下方向7におけるカップボード50の中央部となる位置に位置している。スライド棚57は、前後方向8に沿ってスライド可能にカップボード50に保持されている。
【0041】
下扉54は、カップボード50の下部となる位置に位置している。下扉54の奥側は、収納スペースである。
【0042】
吊戸棚80は、造作壁40の第2壁面42側に位置しており、第2壁面42の上部と隣接している。吊戸棚80は、背板81と、天板82と、底板83と、複数の扉85と、複数の棚板86とを備えており、角筒状である。但し、吊戸棚80は、左右の側板を有していてもよい。
【0043】
左右方向9における吊戸棚80の長さ(幅寸法)は、左右方向9における造作壁40の長さ(幅寸法)と略同一である。吊戸棚80の左右方向9における両側面の一方は、造作壁40の側面43と面一であり、他方は、造作壁40の側面44と面一である。
【0044】
背板81は、上下方向7及び左右方向9に沿って拡がる2つの主面を有し、前後方向8を厚みとする矩形板状である。背板81の一方の主面である後面87は、造作壁40の第2壁面42の上部と当接している。背板81は、ボルト及びナットやネジなどの固着具を用いて造作壁40に取り付けられている。すなわち、吊戸棚80は、造作壁40に固定されている。
【0045】
天板82は、前後方向8及び左右方向9に沿って拡がる2つの主面を有し、上下方向7を厚みとする矩形板状である。天板82は、その上面88が造作壁40の上面45と同じ高さ位置となる位置に位置している。すなわち、天板82の上面88と造作壁40の上面45とは面一である。
【0046】
底板83は、前後方向8及び左右方向9に沿って拡がる2つの主面を有し、上下方向7を厚みとする矩形板状である。底板83は、上下方向7において天板82と対向している。
【0047】
扉85は、上下方向7及び左右方向9に沿って拡がる2つの主面を有し、前後方向8を厚みとする矩形板状である。扉85は、前後方向8において背板81と対向している。複数の扉85は、左右方向9において並んでいる。ただし、吊戸棚80は、1つの扉85のみを備えていてもよい。
【0048】
複数の棚板86は、吊戸棚80の内部空間に位置しており、且つ上下方向7において相互に離間している。
【0049】
収納台90は、吊戸棚80の下方に位置している。また、収納台90は、造作壁40の第2壁面42側に位置しており、造作壁40に隣接している。また、収納台90は、床13に載置されている。収納台90は、後述のサイドパネル31、32によって造作壁40に固定されている。但し、収納台90は、固着具を用いて造作壁40に固定されていてもよい。
【0050】
前後方向8における収納台90の長さ(奥行寸法)は、前後方向8における吊戸棚80の長さ(奥行寸法)と略同一である。すなわち、収納台90の正面と吊戸棚80の正面とは、概ね面一である。
【0051】
収納台90は、背板91と、天板92と、底板93と、左右一対の側板94と、扉96と、棚板97と、複数の脚98と、カウンタ99と、を備えており、中空の直方体状である。
【0052】
背板91は、上下方向7及び左右方向9に沿って拡がる2つの主面を有し、前後方向8を厚みとする矩形板状である。背板91の一方の主面である背面100は、造作壁40の第2壁面42の下部と当接している。
【0053】
天板92及び底板93は、前後方向8及び左右方向9に沿って拡がる2つの主面を有し、上下方向7を厚みとする矩形板状である。天板92と底板93とは、上下方向7において相互に離間し、かつ対向している。天板92の上に、カウンタ99が載置されている。
【0054】
側板94は、上下方向7及び前後方向8に沿って拡がる2つの主面を有し、左右方向9を厚みとする矩形板状である。一方の側板94の主面である外側面は、造作壁40の側面43と面一である。他方の側板94の主面である外側面は、造作壁40の側面44と面一である。すなわち、左右方向9における収納台90の長さ(幅寸法)は、左右方向9における造作壁40の長さ(幅寸法)と略同一である。
【0055】
扉96は、上下方向7及び左右方向9に沿って拡がる2つの主面を有し、前後方向8を厚みとする矩形板状である。扉96は、前後方向8において背板91と対向している。
【0056】
複数の棚板97は、上下方向7における収納台90の内部空間の中央に位置している。
【0057】
複数の脚98は、底板93の下面から下方に向かって突出している。脚98の下端は、床13と当接している。
【0058】
サイドパネル31、32は、同形状であって、上下方向7及び前後方向8に沿って拡がる2つの主面をそれぞれ有し、左右方向9を厚みとする矩形板状である。上下方向7におけるサイドパネル31、32の長さ(高さ寸法)は、上下方向7におけるカップボード50の長さ(高さ寸法)と略同一である。すなわち、サイドパネル31、32の上端は、造作壁40の上面45及び吊戸棚80の天板82の上面88と同じ高さ位置に位置している。
【0059】
前後方向8におけるサイドパネル31、32の長さ(幅寸法)は、前後方向8における造作壁40の長さ(奥行寸法)と、前後方向8におけるカップボード50の長さ(奥行寸法)と、前後方向8における吊戸棚80の長さ(奥行寸法)との和と略同一である。すなわち、サイドパネル31、32は、カップボード50の両側面、造作壁40の両側面43、44、吊戸棚80の両側面、及び収納台90の両側面を覆う。サイドパネル31、32は、ネジなどの固着具や接着剤などを用いて、造作壁40、カップボード50、吊戸棚80、及び収納台90に取り付けられている。すなわち、サイドパネル31、32は、造作壁40、カップボード50、吊戸棚80、及び収納台90を相互に固定している。サイドパネル31、32は、造作壁40、カップボード50、吊戸棚80、及び収納台90を一体としてユーザに認識させる。
【0060】
化粧板33は、前後方向8及び左右方向9に沿って拡がる2つの主面を有し、上下方向7を厚みとする矩形板状である。左右方向9における化粧板33の長さ(幅寸法)は、左右方向9における造作壁40の長さ(幅寸法)と同じである。前後方向8における化粧板33の長さ(奥行寸法)は、前後方向8における造作壁40の長さ(厚み寸法)よりも長い。化粧板33は、造作壁40の上面45、カップボード50の天板52の上面59の一部、及び吊戸棚80の上面88の一部に載置されており、ネジや接着剤などによって造作壁40に固定されている。なお、化粧板33は、カップボード50及び吊戸棚80にも固定されていてもよい。化粧板33は、造作壁40とカップボード50との継ぎ目、及び造作壁40と吊戸棚80との継ぎ目を覆い隠す。
【0061】
[実施形態の作用効果]
造作壁40は、部屋10の部屋壁11、12及び天井14から離間するから、部屋壁11、12や天井14についての工事を行わずに造作壁40を施工することができる。また、造作壁40は、部屋壁11、12から離間しており、部屋10を仕切る間仕切壁ではないから、カップボード50、吊戸棚80、及び収納台90を設置希望位置に応じた位置に設けることができる。その結果、構造体30では、カップボード50、吊戸棚80、及び収納台90の設置位置の自由度が高く、且つ施工が容易である。
【0062】
本実施形態では、造作壁40の幅寸法と、カップボード50の幅寸法と、吊戸棚80の幅寸法と、収納台90の幅寸法とが同一であるから、造作壁40とカップボード50と吊戸棚80と収納台90との一体感が向上する。
【0063】
本実施形態では、造作壁40の側面43、44とカップボード50の外側面63、64と吊戸棚80の側面と収納台90の側面とをサイドパネル31、32によって覆うことにより、造作壁40とカップボード50と吊戸棚80と収納台90との一体感がさらに向上する。
【0064】
本実施形態では、造作壁40の上面45と化粧板33の上面と吊戸棚80の上面88とが同一の高さ位置とされることにより、造作壁40とカップボード50と吊戸棚80との一体感がさらに向上する。
【0065】
本実施形態では、造作壁40とカップボード50との継ぎ目、及び造作壁40と吊戸棚80との継ぎ目を覆い隠す化粧板33により、造作壁40とカップボード50と吊戸棚との一体感がさらに向上する。
【0066】
[変形例]
本変形例では、図6に示されるように、構造体30が、化粧板33に代えて照明器具34を備える例が説明される。
【0067】
照明器具34は、造作壁40の上面45に載置されており、ネジなどを用いて造作壁40に取り付けられている。照明器具34は、左右方向9に沿って延びている。左右方向9における照明器具34の長さ(幅寸法)は、左右方向9における造作壁40の長さ(幅寸法)と略同一である。
【0068】
照明器具34は、光源及び点灯装置を有している。点灯装置は、造作壁40内の電源線46を通じて電力を供給され、光源を点灯させる。光源は、例えばLEDである。光源は、上向きに光を照射する。すなわち、照明器具34は、天井14に向かって光を照射する。図6において、照明器具34が照射した光が一点鎖線で示されている。天井14で反射された光は、部屋10内を照明する。すなわち、照明器具34は、いわゆる間接照明である。
【0069】
照明器具34により、照明器具34が設置されない場合よりも構造体30の外観が良くなり、かつ部屋10内を間接的に照明することができる。
【符号の説明】
【0070】
10・・・部屋
11、12・・・部屋壁
13・・・床
14・・・天井
30・・・構造体
31、32・・・サイドパネル
33・・・化粧板
34・・・照明器具
40・・・造作壁
41・・・第1壁面
42・・・第2壁面
43、44・・・側面
45・・・上面
50・・・カップボード
70・・・リビング収納
80・・・吊戸棚
90・・・収納台
図1
図2
図3
図4
図5
図6