(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】パネル支持構造、太陽光パネルユニット及び建物構造
(51)【国際特許分類】
E04F 13/08 20060101AFI20250218BHJP
H02S 20/30 20140101ALI20250218BHJP
H02S 20/22 20140101ALI20250218BHJP
【FI】
E04F13/08 Z
H02S20/30 A
H02S20/22
(21)【出願番号】P 2021145718
(22)【出願日】2021-09-07
【審査請求日】2024-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100168321
【氏名又は名称】山本 敦
(72)【発明者】
【氏名】藤家 充朗
(72)【発明者】
【氏名】宮城 亜矢
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-144495(JP,A)
【文献】特開2016-066757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/00-13/30
H02S 20/30
H02S 20/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の外壁に対して取り付けられ、太陽光パネルを支持するためのパネル支持構造であって、
前記外壁の外壁面を構成する外壁面材であって、光の透過を許容する外壁面材と、
前記外壁面材を支持する第1支持部と、前記第1支持部に支持された前記外壁面材の外側を向く外面とは反対の内面に対向するように前記太陽光パネルを支持する第2支持部と、を有する支持構造体と、を備え、
前記第2支持部は、
前記外壁面材の広がる面方向に移動可能に前記太陽光パネルを支持する
ものであって、
前記外壁面材と直交する軸の周囲を取り囲むように前記外壁面材から内側に延びることにより、前記外壁面材との間で収納室を形成する周壁と、
前記太陽光パネルが前記収納室に収まった状態で前記太陽光パネルを支持するパネル支持部材と、を含む、パネル支持構造。
【請求項2】
前記外壁面材は、光の透過を許容しつつ当該光の透過率が部分的に異なるように構成される、請求項1に記載のパネル支持構造。
【請求項3】
前記パネル支持部材は、前記面方向に沿った第1方向に延びるとともに、前記太陽光パネルが前記第1方向に移動可能となるように前記太陽光パネルを支持し、
前記周壁は、前記面方向において前記第1方向と直交する第2方向に沿って延びるとともに、前記パネル支持部材が前記第2方向に移動可能となるように前記パネル支持部材を支持する側壁部材を有する、請求項
1又は2に記載のパネル支持構造。
【請求項4】
前記第2支持部は、
前記パネル支持部材に支持された前記太陽光パネルの前記第1方向における位置を調整するための第1位置調整部と、
前記側壁部材に支持された前記パネル支持部材の前記第2方向における位置を調整するための第2位置調整部と、を更に含む、請求項
3に記載のパネル支持構造。
【請求項5】
前記第1位置調整部は、前記パネル支持部材に支持された前記太陽光パネルの前記第1方向の側端面に側方から当接する当接面を有する当接部材を有し、
前記パネル支持部材は、前記当接面が予め設定された位置に配置されるように前記当接部材を取付可能な被取付部を有する、請求項
4に記載のパネル支持構造。
【請求項6】
前記第1位置調整部は、
操作力が与えられる第1被操作部と、
前記第1被操作部に与えられた操作力を前記第1方向に移動するための力として前記太陽光パネルに伝える第1伝達部と、を有する、請求項
4に記載のパネル支持構造。
【請求項7】
前記第2位置調整部は、
操作力が与えられる第2被操作部と、
前記第2被操作部に与えられた操作力を前記第2方向に移動するための力として前記パネル支持部材に伝える第2伝達部と、を有する、請求項
4~6のいずれか1項に記載のパネル支持構造。
【請求項8】
太陽光パネルと、
建物の外壁に対して取り付けられ、前記太陽光パネルを支持するための、請求項
1~7のいずれか1項に記載のパネル支持構造と、を備える、太陽光パネルユニット。
【請求項9】
外壁と、
前記外壁に対して設置される、請求項
8に記載の太陽光パネルユニットと、を備える、建物構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光パネルを支持するためのパネル支持構造、及びそれを備えた太陽光パネルユニット、並びに建物構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化対策等の環境問題の観点から、発電用の太陽光パネルの利用が注目されている。このため、太陽光パネルを備える家屋等の建物が増加している。太陽光パネルを建物に適用する場合、太陽光パネルは、屋根だけではなく、例えば、特許文献1に開示されるように、外壁に対して取り付けられることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
太陽光パネルは、複数の太陽電池セルが電気的に直列に接続された構造を有する平板状の構造体である。太陽光パネルを表面側から見た場合、太陽光パネルは、太陽電池セルの黒色の部分と接続テープの銀色の部分とからなる奇抜な外観を有する。このため、太陽光パネルを建物の外壁に対して取り付けた場合、外壁全体としての見栄えが悪くなる。
【0005】
また、建物の外壁は、屋根に比べて、周囲の建物や電柱、樹木などの影の影響を受けやすい。このため、太陽光パネルを建物の外壁に対して取り付けた場合、周囲の障害物に由来する影が太陽光パネルに生じやすい。太陽光パネルは複数の太陽電池セルが電気的に直列に接続された構造を有するため、太陽光パネルに影の部分が生じると、太陽光パネルの発電量が低下してしまう虞がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、建物の外壁全体の見栄えが悪くなることを抑制できるとともに、建物の周囲の障害物に由来する影によって発電量が低下することを抑制できるように太陽光パネルを外壁に対して設置することが可能なパネル支持構造、及び太陽光パネルユニット、並びに建物構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係るパネル支持構造は、建物の外壁に対して取り付けられ、太陽光パネルを支持するための構造である。このパネル支持構造は、前記外壁の外壁面を構成する外壁面材であって、光の透過を許容する外壁面材と、前記外壁面材を支持する第1支持部と、前記第1支持部に支持された前記外壁面材の外側を向く外面とは反対の内面に対向するように前記太陽光パネルを支持する第2支持部と、を有する支持構造体と、を備える。そして、前記第2支持部は、前記外壁面材の広がる面方向に移動可能に前記太陽光パネルを支持する。
【0008】
このパネル支持構造によれば、建物の外壁の外壁面を構成する外壁面材の内面に対向するように太陽光パネルを支持する。これにより、外側からは外壁面材によって太陽光パネルを覆うことができるため、太陽光パネルが外側に露出している場合と比較して太陽光パネルを見え難くすることができる。このため、奇抜な外観を有する太陽光パネルの外壁に対する設置に起因して外壁全体の見栄えが悪くなることを抑制できる。また、太陽光パネルを支持する第2支持部は、外壁面材の広がる面方向に移動可能に太陽光パネルを支持する。これにより、建物の周囲の障害物に由来する影が太陽光パネルに生じるような場合には、当該太陽光パネルに影の部分が生じないような位置で太陽光パネルを支持することが可能である。このため、建物の周囲の障害物に由来する影によって発電量が低下することを抑制できるように太陽光パネルを外壁に対して設置することが可能となる。
【0009】
上記のパネル支持構造において、前記外壁面材は、光の透過を許容しつつ当該光の透過率が部分的に異なるように構成されていてもよい。
【0010】
この態様では、外壁面材の内側に配置される太陽光パネルへの光の入射を可能とした上で、外側からは外壁面材によって太陽光パネルを見え難くすることができる。
【0011】
上記のパネル支持構造において、前記第2支持部は、前記外壁面材と直交する軸の周囲を取り囲むように前記外壁面材から内側に延びることにより、前記外壁面材との間で収納室を形成する周壁と、前記太陽光パネルが前記収納室に収まった状態で前記太陽光パネルを支持するパネル支持部材と、を含む構成であってもよい。
【0012】
この態様では、周壁により形成される収納室に太陽光パネルが収まった状態であるため、収納室により太陽光パネルを保護することができる。
【0013】
上記のパネル支持構造において、前記パネル支持部材は、前記面方向に沿った第1方向に延びるとともに、前記太陽光パネルが前記第1方向に移動可能となるように前記太陽光パネルを支持し、前記周壁は、前記面方向において前記第1方向と直交する第2方向に沿って延びるとともに、前記パネル支持部材が前記第2方向に移動可能となるように前記パネル支持部材を支持する側壁部材を有する構成であってもよい。
【0014】
この態様では、周壁を構成する側壁部材に支持されたパネル支持部材は、周壁により形成される収納室に収まった状態で太陽光パネルを支持する。この状態では、太陽光パネルをパネル支持部材に沿って第1方向に移動させることが可能であるとともに、パネル支持部材を側壁部材に沿って第2方向に移動させることが可能である。これにより、太陽光パネルを外壁面材の広がる面方向に移動させることが可能である。このため、建物の周囲の障害物に由来する影が太陽光パネルに生じるような場合には、当該太陽光パネルに影の部分が生じないような位置に、外壁面材の範囲内において太陽光パネルを自在に移動させることができる。
【0015】
上記のパネル支持構造において、前記第2支持部は、前記パネル支持部材に支持された前記太陽光パネルの前記第1方向における位置を調整するための第1位置調整部と、前記側壁部材に支持された前記パネル支持部材の前記第2方向における位置を調整するための第2位置調整部と、を更に含む構成であってもよい。
【0016】
この態様では、パネル支持部材に支持された太陽光パネルの第1方向における位置を、第1位置調整部によって調整することができる。また、側壁部材に支持されたパネル支持部材の第2方向における位置を、第2位置調整部によって調整することができる。つまり、側壁部材に支持されたパネル支持部材により太陽光パネルを支持した状態では、第1位置調整部及び第2位置調整部によって、外壁面材に対する太陽光パネルの位置を調整することができる。
【0017】
上記のパネル支持構造において、前記第1位置調整部は、前記パネル支持部材に支持された前記太陽光パネルの前記第1方向の側端面に側方から当接する当接面を有する当接部材を有する構成であってもよい。この場合、前記パネル支持部材は、前記当接面が予め設定された位置に配置されるように前記当接部材を取付可能な被取付部を有する。
【0018】
この態様では、パネル支持部材に支持された太陽光パネルの第1方向における位置を調整する場合、太陽光パネルの第1方向の側端面に側方から当接部材を当接させる。この場合、当接部材は、当接面が予め設定された位置に配置されるようにパネル支持部材の被取付部に取付けられる。これにより、パネル支持部材に対する当接部材の当接面の第1方向における位置に応じて、太陽光パネルの第1方向における位置を調整することが可能である。
【0019】
上記のパネル支持構造において、前記第1位置調整部は、操作力が与えられる第1被操作部と、前記第1被操作部に与えられた操作力を前記第1方向に移動するための力として前記太陽光パネルに伝える第1伝達部と、を有する構成であってもよい。
【0020】
この態様では、パネル支持部材に支持された太陽光パネルの第1方向における位置を調整する場合、第1被操作部に操作力が与えられる。第1被操作部に与えられた操作力は、第1伝達部によって第1方向に移動するための力として太陽光パネルに伝達される。この場合、第1被操作部に操作力が与えられることに応じて太陽光パネルを第1方向に移動させることにより、太陽光パネルの第1方向における位置を調整することが可能である。
【0021】
上記のパネル支持構造において、前記第2位置調整部は、操作力が与えられる第2被操作部と、前記第2被操作部に与えられた操作力を前記第2方向に移動するための力として前記パネル支持部材に伝える第2伝達部と、を有する構成であってもよい。
【0022】
この態様では、側壁部材に支持されたパネル支持部材の第2方向における位置を調整する場合、第2被操作部に操作力が与えられる。第2被操作部に与えられた操作力は、第2伝達部によって第2方向に移動するための力としてパネル支持部材に伝達される。この場合、第2被操作部に操作力が与えられることに応じてパネル支持部材を第2方向に移動させることにより、パネル支持部材の第2方向における位置を調整することが可能である。
【0023】
本発明の他の局面に係る太陽光パネルユニットは、太陽光パネルと、建物の外壁に対して取り付けられ、前記太陽光パネルを支持するための、上記のパネル支持構造と、を備える。
【0024】
この太陽光パネルユニットによれば、上記のパネル支持構造を備えているので、建物の外壁全体の見栄えが悪くなることを抑制できるとともに、建物の周囲の障害物に由来する影によって発電量が低下することを抑制できるように太陽光パネルを外壁に対して設置することが可能である。
【0025】
本発明の他の局面に係る建物構造は、外壁と、前記外壁に対して設置される、上記の太陽光パネルユニットと、を備える。この建物構造によれば、上記の太陽光パネルユニットを備えているので、建物構造における外壁全体の見栄えが悪くなることを抑制できるとともに、周囲の障害物に由来する影によって発電量が低下することを抑制できるように太陽光パネルが設置された建物の構造とすることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、建物の外壁全体の見栄えが悪くなることを抑制できるとともに、建物の周囲の障害物に由来する影によって発電量が低下することを抑制できるように太陽光パネルを外壁に対して設置することが可能なパネル支持構造、及び太陽光パネルユニット、並びに建物構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態に係るパネル支持構造が適用された太陽光パネルユニットを備える建物構造を示す斜視図である。
【
図3】
図1のIII-III線に沿った断面図である。
【
図4】パネル支持構造に備えられる第1位置調整部を構成する当接部材を示す斜視図である。
【
図5】第1位置調整部の第1変形例を
図2に対応して示す断面図である。
【
図6】第1位置調整部の第1変形例を
図3に対応して示す断面図である。
【
図7】第1位置調整部の第2変形例を
図2に対応して示す断面図である。
【
図8】第1位置調整部の第2変形例を
図3に対応して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に係るパネル支持構造、太陽光パネルユニット及び建物構造について、図面に基づいて説明する。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。X軸方向は水平面と平行な方向であり、Y軸方向は水平面上でX軸方向と直交する方向であり、Z軸方向はX、Y両方向に直交する上下方向である。また、X軸方向の一方向側を「+X側」と称し、X軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「-X側」と称する。また、Y軸方向の一方向側を「+Y側」と称し、Y軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「-Y側」と称する。また、Z軸方向の一方向側である下側を「-Z側」と称し、Z軸方向の一方向側とは反対の他方向側である上側を「+Z側」と称する。
【0029】
図1に示されるように、本実施形態に係るパネル支持構造3は、太陽光パネルユニット1に適用される。太陽光パネルユニット1は、建物構造100に適用され、建物構造100における外壁に対して設置される。外壁は、X軸方向及びZ軸方向に広がる外壁面を有する。この場合、外壁の外壁面に直交する方向がY軸方向となり、Y軸方向の+Y側が建物構造100の外側となる一方、Y軸方向の-Y側が建物構造100の内側となる。外壁の外壁面は、例えば、規定のサイズを有する複数の外壁パネルによって構成することができる。太陽光パネルユニット1を外壁に対して設置する場合、当該太陽光パネルユニット1のサイズは、外壁パネルの規定サイズ以下に設定される。太陽光パネルユニット1のサイズが外壁パネルの規定サイズと同サイズに設定される場合、太陽光パネルユニット1は、外壁パネルと同様に並べられて配置される。一方、太陽光パネルユニット1のサイズが外壁パネルの規定サイズよりも小さいサイズに設定される場合、太陽光パネルユニット1は、外壁パネルに予め形成された開口に嵌め込まれるように配置される。
【0030】
太陽光パネルユニット1は、太陽光パネル2と、当該太陽光パネル2を支持するためのパネル支持構造3とを備える。
【0031】
太陽光パネル2は、太陽光を利用した発電用のパネルである。太陽光パネル2は、複数の太陽電池セルが電気的に直列に接続された構造を有する平板状の構造体である。太陽光パネル2における太陽光が入射される光入射面とは反対側の面には、配線22が接続された端子ボックス21が取り付けられている。太陽光パネル2により発電された電気は端子ボックス21に集約され、端子ボックス21から配線22を介して建物構造100内に供給される。
【0032】
パネル支持構造3は、太陽光パネル2を支持するための構造である。パネル支持構造3は、建物構造100の外壁に対して取り付けられる。太陽光パネル2を支持した状態のパネル支持構造3が外壁に対して取り付けられることにより、太陽光パネル2を外壁に対して設置することができる。
【0033】
図1~
図3に示されるように、パネル支持構造3は、外壁面材31と、支持構造体32とを備える。
【0034】
外壁面材31は、外壁パネルと同様に、建物構造100の外壁の外壁面を構成する平板状の部材である。外壁面材31は、X軸方向及びZ軸方向に広がるように、支持構造体32の第1支持部4により支持される。第1支持部4により支持された状態の外壁面材31では、+Y側(外側)を向く外面が建物構造100の外壁の外壁面を構成する。外壁面材31は、光の透過を許容するように構成される。外壁面材31は、光の透過を許容しつつ当該光の透過率が部分的に異なる特性を有するように構成されることが好ましい。このような特性を有する外壁面材31は、すりガラスや意匠ガラスなどの光を拡散させる光拡散特性を有する材料、特定方向に偏光した光を通過させる偏光特性を有する偏光ガラスなどの材料等によって構成することができる。
【0035】
なお、以下では、外壁面材31の広がる面方向について、前記面方向に沿った第1方向をX軸方向とし、前記面方向において第1方向と直交する第2方向をZ軸方向として説明する。
【0036】
支持構造体32は、外壁面材31を支持するための第1支持部4と、太陽光パネル2を支持するための第2支持部5と、を含む。
【0037】
第1支持部4は、外壁面材31におけるZ軸方向の-Z側の端部(一端部)及び+Z側の端部(他端部)をそれぞれ支持する。
【0038】
第2支持部5は、第1支持部4に支持された外壁面材31の+Y側(外側)を向く外面とは反対の内面に対向するように、太陽光パネル2を支持する。この際、第2支持部5は、外壁面材31の広がる面方向(X軸方向及びZ軸方向)に移動可能に太陽光パネル2を支持する。
【0039】
上記の通り、パネル支持構造3では、第1支持部4に支持された外壁面材31の内面に対向するように太陽光パネル2を第2支持部5によって支持する。これにより、+Y側(外側)からは外壁面材31によって太陽光パネル2を覆うことができるため、太陽光パネル2が外側に露出している場合と比較して太陽光パネル2を見え難くすることができる。この際、外壁面材31が、光の透過を許容しつつ当該光の透過率が部分的に異なる特性を有するように構成されることにより、外壁面材31の内側に配置される太陽光パネル2への光の入射を可能とした上で、+Y側(外側)からは外壁面材31によって太陽光パネル2を見え難くすることができる。このため、太陽光パネル2の外壁に対する設置に起因して外壁全体の見栄えが悪くなることを抑制できる。
【0040】
また、太陽光パネル2を支持する第2支持部5は、外壁面材31の広がる面方向(X軸方向及びZ軸方向)に移動可能に太陽光パネル2を支持する。これにより、建物構造100の周囲の障害物(他の建物や電柱、樹木など)に由来する影が太陽光パネル2に生じるような場合には、当該太陽光パネル2に影の部分が生じないような位置で太陽光パネル2を支持することが可能である。このため、建物構造100の周囲の障害物に由来する影によって発電量が低下することを抑制できるように太陽光パネル2を外壁に対して設置することが可能となる。
【0041】
次に、
図1~
図3を参照しながら、第2支持部5を詳細に説明する。第2支持部5は、パネル支持部材6と、周壁7とを含んで構成される。
【0042】
パネル支持部材6は、X軸方向に延びる部材である。パネル支持部材6は、太陽光パネル2がX軸方向に移動可能となるように太陽光パネル2を支持する。本実施形態では、Z軸方向に互いに離間して一対のパネル支持部材6が配置される。一対のパネル支持部材6は、太陽光パネル2がX軸方向に移動可能となるように、太陽光パネル2におけるZ軸方向の-Z側の端部2A(一端部)及び+Z側の端部2B(他端部)をそれぞれ支持する。つまり、一対のパネル支持部材6においては、-Z側に配置されるパネル支持部材6は太陽光パネル2の-Z側の端部2Aを支持し、+Z側に配置されるパネル支持部材6は太陽光パネル2の+Z側の端部2Bを支持する。一対のパネル支持部材6によって支持された状態で太陽光パネル2は、各パネル支持部材6が延びるX軸方向に移動可能である。
【0043】
具体的には、一対のパネル支持部材6はそれぞれ、X軸方向に延びる溝であるパネルガイド溝61を有している。一対のパネル支持部材6のうちの-Z側に配置されるパネル支持部材6は、+Z側を向いて開放されたパネルガイド溝61を有している。一方、一対のパネル支持部材6のうちの+Z側に配置されるパネル支持部材6は、-Z側を向いて開放されたパネルガイド溝61を有している。この場合、-Z側に配置されるパネル支持部材6のパネルガイド溝61に太陽光パネル2の-Z側の端部2Aが挿入され、+Z側に配置されるパネル支持部材6のパネルガイド溝61に太陽光パネル2の+Z側の端部2Bが挿入された状態で、一対のパネル支持部材6は、パネルガイド溝61に沿った移動が可能に太陽光パネル2を支持する。
【0044】
周壁7は、外壁面材31と直交するY軸の周囲を取り囲むように外壁面材31から-Y側(内側)に延びることにより、外壁面材31との間で、一対のパネル支持部材6により支持された太陽光パネル2を収納可能な収納室を形成する枠状の部材である。この場合、一対のパネル支持部材6は、周壁7により形成される収納室に太陽光パネル2が収まった状態で、パネルガイド溝61に沿った移動が可能に太陽光パネル2を支持する。このように、周壁7により形成される収納室に太陽光パネル2が収まった状態では、太陽光パネル2を保護することができる。そして、周壁7は、一対のパネル支持部材6を支持する。周壁7は、一対の側壁部材71と、上壁部材72と、下壁部材73とを有する。
【0045】
一対の側壁部材71は、X軸方向に互いに離間して配置され、Z軸方向に延びる部材である。一対の側壁部材71は、一対のパネル支持部材6がZ軸方向に移動可能となるように、一対のパネル支持部材6におけるX軸方向の+X側の端部(一端部)及び-X側の端部(他端部)をそれぞれ支持する。つまり、一対の側壁部材71においては、+X側に配置される側壁部材71は一対のパネル支持部材6の+X側の端部をそれぞれ支持し、-X側に配置される側壁部材71は一対のパネル支持部材6の-X側の端部をそれぞれ支持する。一対の側壁部材71によって支持された状態で一対のパネル支持部材6は、各側壁部材71が延びるZ軸方向に移動可能である。
【0046】
具体的には、一対の側壁部材71はそれぞれ、Z軸方向に延びる溝であるガイド溝711を有している。一対の側壁部材71のうちの+X側に配置される側壁部材71は、-X側を向いて開放されたガイド溝711を有している。一方、一対の側壁部材71のうちの-X側に配置される側壁部材71は、+X側を向いて開放されたガイド溝711を有している。この場合、+X側に配置される側壁部材71のガイド溝711に一対のパネル支持部材6の+X側の端部が挿入され、-X側に配置される側壁部材71のガイド溝711に一対のパネル支持部材6のX側の端部が挿入された状態で、一対の側壁部材71は、ガイド溝711に沿った移動が可能に一対のパネル支持部材6を支持する。
【0047】
下壁部材73は、X軸方向に延び、一対の側壁部材71の-Z側の端部同士を接続する部材である。下壁部材73は、X軸方向に延び、且つY軸方向に隣接して形成される溝である配線収容溝731と支持部材収容溝732とを有している。配線収容溝731は、一対の側壁部材71に支持された一対のパネル支持部材6に支持される太陽光パネル2の配線22を収容するための溝である。下壁部材73におけるX軸方向の+X側の端部(一端部)及び-X側の端部(他端部)にはそれぞれ、配線収容溝731と連通する開口7311が形成されている。配線収容溝731に収容された配線22は、開口7311を通じて配線収容溝731の外側に引き出される。支持部材収容溝732は、一対の側壁部材71に形成されたガイド溝711と連通する溝である。支持部材収容溝732は、一対の側壁部材71に支持された一対のパネル支持部材6のうちの-Z側に配置されるパネル支持部材6の収容が可能である。
【0048】
上壁部材72は、X軸方向に延び、一対の側壁部材71の+Z側の端部同士を接続する部材である。上壁部材72は、下壁部材73と同様に、X軸方向に延びる溝である支持部材収容溝を有している。この上壁部材72の支持部材収容溝は、一対の側壁部材71に形成されたガイド溝711と連通し、一対の側壁部材71に支持された一対のパネル支持部材6のうちの+Z側に配置されるパネル支持部材6の収容が可能である。
【0049】
下壁部材73の支持部材収容溝732と上壁部材72の支持部材収容溝とは、一対のパネル支持部材6に支持された太陽光パネル2の全体が露出するようにパネル支持部材6を収容する形状を有する。これにより、-Z側に配置されるパネル支持部材6が下壁部材73の支持部材収容溝732に収容された状態、或いは、+Z側に配置されるパネル支持部材6が上壁部材72の支持部材収容溝に収容された状態において、太陽光パネル2の全体が露出する。このため、下壁部材73と上壁部材72とが太陽光パネル2への光の入射の妨げとなることを抑制することができる。
【0050】
上記の通り、第2支持部5では、一対のパネル支持部材6が太陽光パネル2をX軸方向に移動可能に支持し、一対の側壁部材71が一対のパネル支持部材6をZ軸方向に移動可能に支持する。これにより、第2支持部5では、一対の側壁部材71に支持された一対のパネル支持部材6により太陽光パネル2を支持した状態で、一対のパネル支持部材6のパネルガイド溝61に沿って太陽光パネル2をX軸方向に移動させることが可能であるとともに、一対の側壁部材71のガイド溝711に沿ってZ軸方向に一対のパネル支持部材6を移動させることが可能である。これにより、第1支持部4に支持された外壁面材31の-Y側(内側)において、外壁面材31の広がる面方向(X軸方向及びZ軸方向)に太陽光パネル2を移動させることが可能である。このため、建物構造100の周囲の障害物に由来する影が太陽光パネル2に生じるような場合には、当該太陽光パネル2に影の部分が生じないような位置に、外壁面材31の範囲内において太陽光パネル2を自在に移動させることができる。
【0051】
図1~
図3に示されるように、第2支持部5は、第1位置調整部8と、第2位置調整部9とを更に含む。
【0052】
第1位置調整部8は、第2支持部5において、一対のパネル支持部材6に支持された太陽光パネル2のX軸方向における位置を調整するための機構である。第1位置調整部8は、一対のパネル支持部材6の少なくとも何れか一方のパネル支持部材6に対応して設けられる。本実施形態では、第1位置調整部8は、一対のパネル支持部材6の両方のパネル支持部材6にそれぞれ対応して設けられる。
【0053】
第2位置調整部9は、第2支持部5において、一対の側壁部材71に支持された一対のパネル支持部材6のZ軸方向における位置を調整するための機構である。第2位置調整部9は、一対の側壁部材71の少なくとも何れか一方の側壁部材71に対応して設けられる。本実施形態では、第2位置調整部9は、一対の側壁部材71の両方の側壁部材71にそれぞれ対応して設けられる。
【0054】
第1位置調整部8及び第2位置調整部9を含んで構成される第2支持部5では、一対のパネル支持部材6に支持された太陽光パネル2のX軸方向における位置を、第1位置調整部8によって調整することができる。また、一対の側壁部材71に支持された一対のパネル支持部材6のZ軸方向における位置を、第2位置調整部9によって調整することができる。つまり、一対の側壁部材71に支持された一対のパネル支持部材6により太陽光パネル2を支持した状態では、第1位置調整部8及び第2位置調整部9によって、外壁面材31に対する太陽光パネル2の位置を調整することができる。
【0055】
第2位置調整部9は、一対の第2位置調整用軸部材91と、第2位置調整用挿通部材92とを有する。
【0056】
一対の第2位置調整用軸部材91は、X軸方向に互いに離間して配置され、Z軸方向に延びる軸部材である。一対の第2位置調整用軸部材91は、下壁部材73から+Z側に延びる。一対の第2位置調整用軸部材91は、一対のパネル支持部材6におけるX軸方向の+X側の端部(一端部)及び-X側の端部(他端部)をそれぞれ貫通するように、Z軸方向に延びる。つまり、一対の第2位置調整用軸部材91においては、+X側に配置される第2位置調整用軸部材91は一対のパネル支持部材6の+X側の端部をそれぞれ貫通するようにZ軸方向に延び、-X側に配置される第2位置調整用軸部材91は一対のパネル支持部材6の-X側の端部をそれぞれ貫通するようにZ軸方向に延びる。一対の第2位置調整用軸部材91は、例えば、雄ねじが形成されたボルトによって構成される。
【0057】
第2位置調整用挿通部材92は、一対の第2位置調整用軸部材91の各々に挿通され、一対のパネル支持部材6の各々を挟んで両側に配置される部材である。つまり、一対の第2位置調整用軸部材91のうちの+X側に配置される第2位置調整用軸部材91に対しては、4つの第2位置調整用挿通部材92が挿通される。そして、+X側に配置される第2位置調整用軸部材91においては、2つの第2位置調整用挿通部材92が-Z側のパネル支持部材6を挟んで両側に配置され、残り2つの第2位置調整用挿通部材92が+Z側のパネル支持部材6を挟んで両側に配置される。同様に、一対の第2位置調整用軸部材91のうちの-X側に配置される第2位置調整用軸部材91に対しては、4つの第2位置調整用挿通部材92が挿通される。そして、-X側に配置される第2位置調整用軸部材91においては、2つの第2位置調整用挿通部材92が-Z側のパネル支持部材6を挟んで両側に配置され、残り2つの第2位置調整用挿通部材92が+Z側のパネル支持部材6を挟んで両側に配置される。
【0058】
なお、一対の第2位置調整用軸部材91がボルトによって構成されている場合には、第2位置調整用挿通部材92は、当該ボルトの雄ねじと螺合可能な雌ねじが形成されたナットによって構成される。
【0059】
第2位置調整部9では、一対の側壁部材71に支持された一対のパネル支持部材6のZ軸方向における位置を調整する場合、第2被操作部の一例である第2位置調整用挿通部材92に操作力が与えられる。第2位置調整用挿通部材92に与えられた操作力は、第2伝達部の一例である一対の第2位置調整用軸部材91によってZ軸方向に移動するための力として一対のパネル支持部材6に伝達される。具体的には、一対のパネル支持部材6を貫通する一対の第2位置調整用軸部材91に挿通された第2位置調整用挿通部材92に操作力が与えられることにより、一対の第2位置調整用軸部材91上における第2位置調整用挿通部材92の位置が調整される。この場合、第2位置調整部9では、一対の第2位置調整用軸部材91上における第2位置調整用挿通部材92の位置の調整に応じて、当該第2位置調整用挿通部材92に挟まれた一対のパネル支持部材6をZ軸方向に移動させることにより、一対のパネル支持部材6のZ軸方向における位置を調整することが可能である。
【0060】
第1位置調整部8は、一対のパネル支持部材6のパネルガイド溝61に挿入可能な形状を有する当接部材81によって構成することができる。
図1に示されるように、当接部材81は、パネルガイド溝61に挿入された状態において、一対のパネル支持部材6に支持された太陽光パネル2の+X側の端部2C(一端部)の側端面2C1、及び、太陽光パネル2の-X側の端部2D(他端部)の側端面2D1に側方から当接する当接面811を有している。一対のパネル支持部材6のパネルガイド溝61は、一対のパネル支持部材6における、当接部材81を取付可能な被取付部を構成する。一対のパネル支持部材6のパネルガイド溝61に+X側から当接部材81を挿入した場合、当接部材81の当接面811は、太陽光パネル2の+X側の端部2Cの側端面2C1に+X側から当接する。一方、一対のパネル支持部材6のパネルガイド溝61に-X側から当接部材81を挿入した場合、当接部材81の当接面811は、太陽光パネル2の-X側の端部2Dの側端面2D1に-X側から当接する。
【0061】
第1位置調整部8では、一対のパネル支持部材6に支持された太陽光パネル2のX軸方向における位置を調整する場合、太陽光パネル2のX軸方向の側端面2C1,2D1に側方から当接部材81を当接させる。この場合、当接部材81は、当接面811が予め設定された位置に配置されるように、一対のパネル支持部材6のパネルガイド溝61に挿入される。これにより、第1位置調整部8では、一対のパネル支持部材6に対する当接部材81の当接面811のX軸方向における位置に応じて、太陽光パネル2のX軸方向における位置を調整することが可能である。
【0062】
当接部材81の具体的な構成としては、
図4(A)、
図4(B)及び
図4(C)に示される構成を挙げることができる。
【0063】
図4(A)に示される当接部材81は、一対のパネル支持部材6のパネルガイド溝61に挿入可能な形状を有する複数のブロック体によって構成される。この場合、各ブロック体におけるX軸方向に沿う長さが、それぞれ異なるように設定されている。一対のパネル支持部材6のパネルガイド溝61に挿入するブロック体の長さに応じて、一対のパネル支持部材6に対する当接部材81の当接面811のX軸方向における位置を調整することができる。
【0064】
図4(B)に示される当接部材81は、当接面811を有する第1部材812がバネ部材814を介して第2部材813と連結された連結体によって構成される。この場合、一対のパネル支持部材6のパネルガイド溝61に挿入された連結体におけるバネ部材814の圧縮変形の度合いに応じて、一対のパネル支持部材6に対する当接部材81の当接面811のX軸方向における位置を調整することができる。
【0065】
図4(C)に示される当接部材81は、当接面811を有するナット部材815と、そのナット部材815に螺合可能なボルト部材816とが組み合わされた組合体によって構成される。この場合、一対のパネル支持部材6のパネルガイド溝61に挿入された組合体において、ナット部材815とボルト部材816との螺合度合いに応じて、一対のパネル支持部材6に対する当接部材81の当接面811のX軸方向における位置を調整することができる。
【0066】
次に、第1位置調整部8の第1変形例について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。第1変形例に係る第1位置調整部8Aは、一対の装着部材8A1と、一対のベルト軸部材8A2と、ベルト部材8A3と、被操作部材8A4とを含む。第1位置調整部8Aでは、被操作部材8A4は操作力が与えられる第1被操作部を構成し、一対の装着部材8A1、一対のベルト軸部材8A2、及びベルト部材8A3は前記操作力をX軸方向に移動させるための力として太陽光パネル2に伝える第1伝達部を構成する。
【0067】
一対の装着部材8A1は、一対のパネル支持部材6に支持された太陽光パネル2の+X側の端部2C(一端部)及び-X側の端部2D(他端部)にそれぞれ装着される部材である。一対の装着部材8A1は、太陽光パネル2の-Z側の端部2A及び+Z側の端部2Bの各々に対応して設けられる。
【0068】
一対のベルト軸部材8A2は、一対のパネル支持部材6の各々に対応して、X軸方向に互いに離間して配置され、Z軸方向に延びる軸部材である。一対のベルト軸部材8A2は、一対のパネル支持部材6の各々の+X側の端部(一端部)及び-X側の端部(他端部)にそれぞれ突設される。つまり、一対のパネル支持部材6のうちの-Z側に配置されるパネル支持部材6に対しては、当該パネル支持部材6の+X側の端部及び-X側の端部にそれぞれ、+Z側に延びるベルト軸部材8A2が設けられる。同様に、一対のパネル支持部材6のうちの+Z側に配置されるパネル支持部材6に対しては、当該パネル支持部材6の+X側の端部及び-X側の端部にそれぞれ、-Z側に延びるベルト軸部材8A2が設けられる。
【0069】
ベルト部材8A3は、一対のパネル支持部材6の各々に対応して設けられる、ワイヤー又はチェーンなどによって構成される線状部材である。ベルト部材8A3は、各端部が一対の装着部材8A1にそれぞれ固定された状態で一対のベルト軸部材8A2に架け渡さることにより、X軸方向に周回移動が可能である。
【0070】
被操作部材8A4は、ベルト部材8A3に固定され、ベルト部材8A3を周回移動させるときの操作力が与えられる部材である。
【0071】
第1位置調整部8Aでは、一対のパネル支持部材6に支持された太陽光パネル2のX軸方向における位置を調整する場合、被操作部材8A4に操作力が与えられる。被操作部材8A4に与えられた操作力は、ベルト部材8A3、一対のベルト軸部材8A2、及び一対の装着部材8A1を介してX軸方向に移動するための力として太陽光パネル2に伝達される。具体的には、被操作部材8A4に操作力が与えられることにより、太陽光パネル2に装着される一対の装着部材8A1に固定されたベルト部材8A3がX軸方向に周回移動する。この場合、第1位置調整部8Aでは、ベルト部材8A3の周回移動に応じて一対の装着部材8A1をX軸方向に移動させることにより、太陽光パネル2のX軸方向における位置を調整することが可能である。
【0072】
次に、第1位置調整部8の第2変形例について、
図7及び
図8を参照しながら説明する。第2変形例に係る第1位置調整部8Bは、一対の装着部材8B1と、一対の軸受け部材8B2と、第1位置調整用軸部材8B3と、第1位置調整用挿通部材8B4とを含む。第1位置調整部8Bでは、第1位置調整用挿通部材8B4は操作力が与えられる第1被操作部を構成し、一対の装着部材8B1、一対の軸受け部材8B2、及び第1位置調整用軸部材8B3は前記操作力をX軸方向に移動させるための力として太陽光パネル2に伝える第1伝達部を構成する。
【0073】
一対の装着部材8B1は、一対のパネル支持部材6に支持された太陽光パネル2の+X側の端部2C(一端部)及び-X側の端部2D(他端部)にそれぞれ装着される部材である。一対の装着部材8B1は、太陽光パネル2の-Z側の端部2A及び+Z側の端部2Bの各々に対応して設けられる。一対の装着部材8B1は、太陽光パネル2に装着される装着部位8B11と、装着部位8B11から-Y側に延出する延出部位8B12と、を有する。
【0074】
一対の軸受け部材8B2は、一対のパネル支持部材6の各々に対応して、X軸方向に互いに離間して配置される部材である。一対の軸受け部材8B2は、一対のパネル支持部材6の各々の+X側の端部(一端部)及び-X側の端部(他端部)にそれぞれ設けられる。つまり、一対のパネル支持部材6のうちの-Z側に配置されるパネル支持部材6に対しては、当該パネル支持部材6の+X側の端部及び-X側の端部にそれぞれ、軸受け部材8B2が設けられる。同様に、一対のパネル支持部材6のうちの+Z側に配置されるパネル支持部材6に対しては、当該パネル支持部材6の+X側の端部及び-X側の端部にそれぞれ、軸受け部材8B2が設けられる。一対の軸受け部材8B2は、ねじ部材SCによってパネル支持部材6に固定される固定部位8B21と、パネル支持部材6に対して離れる方向側に固定部位8B21から延出するとともに第1位置調整用軸部材8B3を支持するための軸受け部位8B22と、を有する。
【0075】
第1位置調整用軸部材8B3は、X軸方向に延びる軸部材である。第1位置調整用軸部材8B3は、一対の装着部材8B1の延出部位8B12をそれぞれ貫通するように、X軸方向に延びる。第1位置調整用軸部材8B3におけるX軸方向の端部はそれぞれ、一対の軸受け部材8B2の軸受け部位8B22にねじ部材SCなどによって固定される。第1位置調整用軸部材8B3は、例えば、雄ねじが形成されたボルトによって構成される。
【0076】
第1位置調整用挿通部材8B4は、第1位置調整用軸部材8B3に挿通され、一対の装着部材8B1の延出部位8B12の各々を挟んで両側に配置される部材である。つまり、第1位置調整用軸部材8B3に対しては、4つの第1位置調整用挿通部材8B4が挿通される。そして、第1位置調整用軸部材8B3においては、2つの第1位置調整用挿通部材8B4が+X側の装着部材8B1の延出部位8B12を挟んで両側に配置され、残り2つの第1位置調整用挿通部材8B4が-X側の装着部材B1の延出部位8B12を挟んで両側に配置される。
【0077】
なお、第1位置調整用軸部材8B3がボルトによって構成されている場合には、第1位置調整用挿通部材8B4は、当該ボルトの雄ねじと螺合可能な雌ねじが形成されたナットによって構成される。
【0078】
第1位置調整部8Bでは、一対のパネル支持部材6に支持された太陽光パネル2のX軸方向における位置を調整する場合、第1位置調整用挿通部材8B4に操作力が与えられる。第1位置調整用挿通部材8B4に与えられた操作力は、一対の装着部材8B1、一対の軸受け部材8B2、及び第1位置調整用軸部材8B3を介してX軸方向に移動するための力として太陽光パネル2に伝達される。具体的には、太陽光パネル2に装着される一対の装着部材8B1の延出部位8B12を貫通する第1位置調整用軸部材8B3に挿通された第1位置調整用挿通部材8B4に操作力が与えられることにより、第1位置調整用軸部材8B3上における第1位置調整用挿通部材8B4の位置が調整される。この場合、第1位置調整部8Bでは、第1位置調整用軸部材8B3上における第1位置調整用挿通部材8B4の位置の調整に応じて、当該第1位置調整用挿通部材8B4に挟まれた一対の装着部材8B1をX軸方向に移動させることにより、太陽光パネル2のX軸方向における位置を調整することが可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 太陽光パネルユニット
2 太陽光パネル
3 パネル支持構造
31 外壁面材
32 支持構造体
4 第1支持部
5 第2支持部
6 パネル支持部材
7 周壁
71 側壁部材
8,8A,8B 第1位置調整部
81 当接部材
811 当接面
8A1 装着部材(第1伝達部)
8A2 ベルト軸部材(第1伝達部)
8A3 ベルト部材(第1伝達部)
8A4 被操作部材(第1被操作部)
8B1 装着部材(第1伝達部)
8B2 軸受け部材(第1伝達部)
8B3 第1位置調整用軸部材(第1伝達部)
8B4 第1位置調整用挿通部材(第1被操作部)
9 第2位置調整部
91 第2位置調整用軸部材(第2伝達部)
92 第2位置調整用挿通部材(第2被操作部)
100 建物構造
X 第1方向
Y 第2方向