(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】車両管理サーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20250218BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20250218BHJP
B60S 5/00 20060101ALN20250218BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q10/02
B60S5/00
(21)【出願番号】P 2022018761
(22)【出願日】2022-02-09
【審査請求日】2024-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐瀬 大志
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 義高
(72)【発明者】
【氏名】森 和也
(72)【発明者】
【氏名】安田 宏通
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-060546(JP,A)
【文献】特開2021-076984(JP,A)
【文献】特開2008-282234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B60S 3/00-13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の部品のメンテナンスを管理する車両管理サーバであって、
前記部品の使用状況を取得する処理と、
ユーザにより登録された前記車両の利用スケジュールを取得する処理と、
前記使用状況に基づいて、メンテナンスが必要となるメンテナンス対象部品を抽出する処理と、
前記メンテナンス対象部品が抽出されており、かつ、前記利用スケジュールにおいて前記車両を所定時間以上駐車する長期駐車の予定があることを受けて、
前記長期駐車の予定の駐車場所及び時間帯で前記メンテナンス対象部品のメンテナンスを実施可能な事業者を選択する処理と、
選択された前記事業者による前記長期駐車の予定の前記駐車場所及び前記時間帯におけるメンテナンスサービスの予約又は前記ユーザへの提案を実施する処理と、
を実行するように構成される
ことを特徴とする車両管理サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の車両管理サーバであって、
前記利用スケジュールにおいて前記長期駐車の予定がない場合に前記メンテナンス対象部品が抽出されたことを受けて、前記長期駐車の予定を前記利用スケジュールに含めることを前記ユーザに提案する処理をさらに実行する
ように構成されることを特徴とする車両管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の部品のメンテナンスを管理する車両管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気自動車についての車両走行支援システムであって、最新地図情報からバッテリースタンドを自動探索することと、運転車が最短な適宜なバッテリースタンドを選択することと、再演算したナビゲーションシステムで誘導案内することと、車両の点検の必要有無や支払い方法やサービスなどの情報を得ることと、出先の適宜なバッテリースタンドで車両点検や満充電バッテリーの積み替えを実施して再走行を行うことと、が一連の連動機能で機能する車両走行支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両は、定期的に又は諸事情によりメンテナンスを行うことが必要となる部品を備えている。メンテナンスは、車両の所有者による自主的な判断によって行われることが通常である。このことに対して、従来、メンテナンスの時期を通知するシステムが考えられている。しかしながら、メンテナンスの時期が通知されるだけでは、車両の所有者にとって、メンテナンスの日時や実施店舗の調整、メンテナンスの予約の手続きといった煩わしさが残ってしまう。
【0005】
特許文献1に開示される技術では、電気自動車について、バッテリースタンドにおける充電やバッテリーの積み替えと併せて車両点検を実施することが開示されている。これにより、充電やバッテリーの積み替えの時間を有効活用してメンテナンスを実施することができる。
【0006】
一方で、電気自動車における充電やバッテリーの積み替えの他にも、一般の車両について長期間駐車される状況が想定され得る。このような長期間駐車される間の時間についても、メンテナンスを実施する時間として有効活用を可能とすることに一考の余地がある。
【0007】
本開示の1つの目的は、上記の課題を鑑み、車両の部品のメンテナンスの実施に関する車両の所有者の煩わしさを低減することが可能な技術を提供することにある。本開示の他の1つの目的は、時間を有効活用したメンテナンスを実施することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、車両の部品のメンテナンスを管理する車両管理サーバに関する。
【0009】
本開示に係る車両管理サーバは、前記部品の使用状況を取得する処理と、前記車両の利用スケジュールを取得する処理と、前記使用状況に基づいて、メンテナンスが必要となるメンテナンス対象部品を抽出する処理と、前記メンテナンス対象部品が抽出されており、かつ、前記利用スケジュールにおいて前記車両を所定時間以上駐車する長期駐車の予定があることを受けて、前記長期駐車の予定における駐車場所及び時間帯に応じて、メンテナンスサービスの予約又は提案を実施する処理と、を実行するように構成される。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、車両から取得する部品の使用状況の情報に基づいて、メンテナンス対象部品が抽出される。そして、メンテナンス対象部品が抽出されており、かつ、車両の利用スケジュールにおいて長期駐車の予定があることを受けて、長期駐車の予定における駐車場所及び時間帯に応じて、メンテナンスサービスの予約又は提案が実施される。
【0011】
これにより、車両の長期駐車の予定と車両の部品のメンテナンスとのマッチングを図ることができる。延いては、メンテナンスの日時や実施店舗の調整、メンテナンスの予約の手続きといったメンテナンスの実施に関するユーザの煩わしさを低減することができる。また、車両の駐車中にメンテナンスが実施されることとなるため、時間を有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る車両管理サーバにより提供されるメンテナンスの予約機能について説明する概念図である。
【
図2】メンテナンスの予約機能の第1実施例に係る処理を示すフローチャートである。
【
図3】メンテナンスの予約機能の第2実施例に係る処理を示すフローチャートである。
【
図4】メンテナンスの予約機能の第3実施例に係る処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。ただし、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲などの数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数が特定される場合を除いて、その言及した数に、本開示に係る思想が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構成等は、特に明示した場合や原理的に明らかにそれに特定される場合を除いて、本開示に係る思想に必ずしも必須のものではない。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を附しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0014】
1.メンテナンスの予約機能
本実施形態に係る車両管理サーバは、車両の部品のメンテナンスを管理する。特に本実施形態に係る車両管理サーバにより、車両の部品のメンテナンスの予約機能が提供される。以下、
図1を参照して、本実施形態に係る車両管理サーバ10により提供されるメンテナンスの予約機能について説明する。
【0015】
本実施形態に係る車両管理サーバ10は、管理の対象とする車両1と互いに情報を伝達することが可能なように構成されている。例えば、車両1は車載の通信機により周囲に設置される基地局と無線通信(例えば、セルラー通信)を行い、車両管理サーバ10は基地局とインターネットを介して通信を行う通信ネットワークを形成する。なお、車両管理サーバ10は、複数の車両1を管理の対象とするように構成されていても良い。この場合、車両管理サーバ10は、複数の車両1の各々と互いに情報を伝達することが可能なように構成される。
【0016】
車両1は、定期的に又は諸事情によりメンテナンスを行うことが必要となる部品について、部品の使用状況の情報を車両管理サーバ10に伝達する。定期的に又は諸事情によりメンテナンスを行うことが必要となる部品として、タイヤ、ブレーキパッド、バッテリー、スパークプラグ、ワイパー、各種消耗品(エンジンオイル、クーラント液、ウォッシャー液等)等が例示される。部品の使用状況の情報は、各々の部品についてメンテナンスの要否を判断する指標となる情報が含まれる。例えば、前回のメンテナンス実施日、前回のメンテナンスの実施からの経過期間、タイヤの空気圧、現在の部品での走行距離、バッテリー電圧、各種消耗品の使用量又は残量等が例示される。これらは、各々の部品について与えられていて良い。また、車両1は、部品の使用状況の情報を検出するためのセンサを備えていて良い。
【0017】
また車両1は、車両1の利用スケジュールを車両管理サーバ10に伝達する。車両1の利用スケジュールは、車両1の利用の予定(通勤、買い物、送迎等)についての利用時間帯と目的地の情報を含んでいる。ここで、車両1の利用の予定は、定期的な予定(毎日や週毎の予定等)であっても良い。さらに、車両1の利用スケジュールは、目的地までのルートの情報を含んでいても良い。
【0018】
車両1の利用スケジュールは、ユーザ(典型的には、車両1の所有者)により登録される。例えば、ユーザは、車両1において端末(例えば、カーナビゲーション装置)を操作することにより利用スケジュールを登録する。あるいは、ユーザは、自身の有するユーザ端末(専用端末であっても良いし、スマートフォン等の汎用端末に所定のアプリケーションがインストールされたものであっても良い)を操作することにより利用スケジュールを登録する。この場合、車両1の利用スケジュールは、ユーザ端末から直接に車両管理サーバ10に伝達されるように構成されていても良い。例えば、ユーザ端末は、車両管理サーバ10とインターネットを介して接続する。
【0019】
なお、車両1の利用スケジュールの登録は、直前の予定について行われても良い。例えば、車両1をある駐車場に駐車させた場合に、その駐車場での推定駐車時間を利用スケジュールとして登録することが挙げられる。
【0020】
車両管理サーバ10は、典型的には、メモリと、プロセッサと、を備えるコンピュータである。この場合、メモリは、プロセッサと結合し、プログラムにより与えられる複数の実行可能なインストラクションと、処理の実行に必要な種々のデータと、を記憶している。そして、インストラクションに従ってプロセッサが動作することにより、メモリが記憶するデータに基づく種々の処理の実行が実現される。車両管理サーバ10が取得する情報は、データとしてメモリに記憶される。
【0021】
車両管理サーバ10は、車両1から取得する部品の使用状況の情報に基づいて、メンテナンスが必要となる部品(以下、「メンテナンス対象部品」とも称する。)を抽出する処理(以下、「対象部品抽出処理」とも称する。)を実行する。対象部品抽出処理として、例えば、過去に発生した故障車両のデータとの比較によりメンテナンス対象部品を抽出する、前回のメンテナンスの実施からの経過期間が部品のメンテナンスの推奨期間に近づいている又は過ぎていることからメンテナンス対象部品を抽出する、タイヤの空気圧が推奨値を下回っていることからタイヤをメンテナンス対象部品として抽出する、特定の消耗品の残量が所定値を下回っていることから特定の消耗品をメンテナンス対象部品として抽出する、といった処理が挙げられる。車両管理サーバ10は、メンテナンス対象部品が抽出されたことを受けて、メンテナンス対象部品があることを車両1又はユーザに通知しても良い。
【0022】
そして車両管理サーバ10は、メンテナンス対象部品が抽出されており、かつ、車両1の利用スケジュールにおいて車両1を所定時間以上駐車する長期駐車の予定があることを受けて、長期駐車の予定における駐車場所及び時間帯に応じて、メンテナンスサービスの予約又は提案を実施する処理(以下、「予約提案処理」とも称する。)を実行する。ここで、所定時間は、本実施形態に係る車両管理サーバ10を適用する環境に応じて好適に定められていて良い。例えば、一般的にメンテナンスに必要とされる時間とすることが考えられる。特に、抽出されたメンテナンス対象部品に応じて異なる時間が定められて良い。なお、車両管理サーバ10は、抽出したメンテナンス対象部品のうち、メンテナンスの実施を希望する部品を受け付ける処理を実行するように構成されていても良い。この場合、メンテナンスの実施が希望されない部品については、メンテナンスサービスの予約は実施されないこととなる。このように構成することで、ユーザの意に反してメンテナンスサービスの予約が実施されることを抑止することができる。延いては、ユーザビリティを向上させることができる。
【0023】
車両管理サーバ10は、予約提案処理の実行に際して、メンテナンスサービスを実施する事業者2について、メンテナンスに係る空き状況を取得する。事業者2として、ディーラー、サービス工場、車両修理店等が例示される。そして車両管理サーバ10は、予約提案処理において、長期駐車の予定における駐車場所及び時間帯でメンテナンスを実施可能な事業者2を選択し、当該駐車場所及び時間帯を指定してメンテナンスサービスの予約を実施する。メンテナンスサービスの予約は、例えば、事業者2の予約管理サーバとの通信により実現される。
【0024】
事業者2が車両管理サーバ10による予約に従ってメンテナンスサービスを実施することで、車両1は、駐車中にメンテナンス対象部品のメンテナンスを享受することができる。ここで、長期駐車の予定における駐車場所は、典型的には、事業者2と異なる位置の駐車場3である。例えば、駐車場3として、買い物場所の駐車場、飲食店の駐車場、勤務先の会社の駐車場等が挙げられる。このため、事業者2は、典型的には、メンテナンスサービスの実施に際して、作業員を派遣することが必要である。そこで、車両管理サーバ10は、このような作業員の派遣が行われることを考慮してメンテナンスサービスの予約を実施することが望ましい。例えば、予約先を駐車場3が出張メンテナンスのサービス提供範囲に含まれる事業者2に限定する、派遣に要する時間を考慮して空き状況を確認する、といったことが挙げられる。
【0025】
ただし、長期駐車の予定における駐車場所が事業者2となることも想定され得る。例えば、車両1が電気自動車であってディーラーに設置される給電設備で充電を実施する予定がある場合が挙げられる。この場合は、作業員の派遣を考慮することを要しない。
【0026】
車両管理サーバ10は、メンテナンスサービスの予約を実施した後、予約の内容を車両1又はユーザに通知する。
【0027】
なお、車両管理サーバ10は、予約提案処理において、メンテナンスサービスの提案として、車両1又はユーザに予約の案内情報(例えば、店舗の案内や予約時間の案内)を通知し、予約の承諾を確認する処理を実行するように構成されていても良い。さらに、車両管理サーバ10は、メンテナンスを実施する駐車場所の側で時間をつぶすことができるイベントや遊び場、カフェ等の検索を実施し、案内情報としてこれらの情報をユーザに通知しても良い。このようにメンテナンスサービスの提案を実施する場合、車両管理サーバ10は、予約が承諾されたことを受けて、メンテナンスサービスの予約を実施する。特に、予約の案内情報は、メンテナンスサービスを予約する候補となる複数の事業者2についての情報を含んでいても良い。そして、複数の事業者2の中から予約を承諾する(希望する)事業者2の選択を受け付けるように構成されていても良い。このように構成することで、ユーザの意に反してメンテナンスサービスの予約が実施されることを抑止することができる。延いては、ユーザビリティを向上させることができる。
【0028】
また、車両管理サーバ10は、車両1の利用スケジュールにおいて長期駐車の予定がなく予約提案処理を実行しない場合においても、対象部品抽出処理においてメンテナンス対象部品が抽出されたことを受けて、長期駐車の予定を利用スケジュールに含めることを提案する処理を(以下、「スケジュール提案処理」とも称する。)実行しても良い。ここで、提案される長期駐車の予定は、車両1の過去の利用状況についての学習に基づいて与えられる。例えば、毎週の定例となっている予定(習い事、仕事、買い物等)があることを学習し、長期駐車を行う予定として利用スケジュールに含めることを提案する。なお、車両1の利用状況は、車両1から順次又は定期的に取得するように構成されていても良いし、現在又は過去の車両1の利用スケジュールを参照して取得するように構成されていても良い。
【0029】
長期駐車の予定を利用スケジュールに含めることが承諾され、利用スケジュールが登録されたときには、車両管理サーバ10は、メンテナンスサービスの予約を実施することとなる。
【0030】
2.実施例
以下、車両管理サーバ10により実現されるメンテナンスの予約機能についてのいくつかの実施例を示す。
【0031】
2-1.第1実施例
図2を参照して、メンテナンスの予約機能の第1実施例について説明する。
図2は、第1実施例に係る処理を示すフローチャートである。第1実施例は、車両1の部品の中でメンテナンスの期限切れの部品がある場合やメンテナンスまで期間が迫っている場合が想定される。
【0032】
ステップS100において、メンテナンス対象部品が抽出される。これは、車両管理サーバ10において対象部品抽出処理が実行されることにより行われる。以下の説明では、ステップS100において少なくとも1つのメンテナンス対象部品が抽出されているとする。なお、ステップS100においてメンテナンス対象部品が抽出されない場合は、予約提案処理やスケジュール提案処理が実行されることなく処理は終了する。
【0033】
ステップS100の後、処理はステップS110に進む。
【0034】
ステップS110において、ステップS100において抽出したメンテナンス対象部品からメンテナンスを実施する部品の選択を受け付ける。例えば、ユーザは、車両1の端末又はユーザ端末の操作により、予約提案処理の対象とするメンテナンス対象部品を選択する。ここで、メンテナンス対象部品の各々についてのメンテナンスに要する時間や費用がユーザに通知されても良い。
【0035】
ステップS110の後、車両1の利用スケジュールにおいて長期駐車の予定がない場合(ステップS120;No)、長期駐車の予定を利用スケジュールに含めることが提案される(ステップS130)。これは、車両管理サーバ10においてスケジュール提案処理が実行されることにより行われる。ステップS130の後、第1実施例に係る処理は終了する。
【0036】
ステップS110の後、車両1の利用スケジュールにおいて長期駐車の予定がある場合(ステップS120;Yes)、処理はステップS140に進む。
【0037】
ステップS140において、長期駐車の予定における駐車場所及び時間帯で出張メンテナンスが可能な事業者2を抽出する。
【0038】
ステップS140の後、処理はステップS150に進む。
【0039】
ステップS150において、ステップS140において抽出した事業者2の中から最安で対応可能な事業者2を選択し、メンテナンスサービスの予約を実施する。また、予約が完了した旨をユーザに通知する。ステップS140及びステップS150に係る処理は、車両管理サーバ10において予約提案処理が実行されることにより行われる。
【0040】
ステップS150の後、処理はステップS160に進む。
【0041】
ステップS160において、予約した事業者2により出張メンテナンスが実施される。ここで、出張メンテナンスが完了する時刻をユーザに通知しても良い。ステップS160の後、第1実施例に係る処理は終了する。
【0042】
3-2.第2実施例
次に
図3を参照して、メンテナンスの予約機能の第2実施例について説明する。
図3は、第2実施例に係る処理を示すフローチャートである。第2実施例は、対象部品抽出処理の実行によりメンテナンス対象部品が抽出されている場合であって、現在の利用スケジュールにおいて長期駐車の予定はなくメンテナンスサービスの予約は未だ実施されていない場合が想定される。
【0043】
ステップS200において、車両1は、いずれかの事業者2のメンテナンスサービス対象の駐車場3に駐車する。
【0044】
ステップS200の後、処理はステップS210に進む。
【0045】
ステップS210において、車両1の駐車場3における推定駐車時間がユーザにより利用スケジュールとして登録される。
【0046】
ステップS210の後、推定駐車時間から車両1の駐車場3における駐車が長期駐車でないとする場合(ステップS220;No)、予約提案処理が実行されることなく第2実施例に係る処理は終了する。
【0047】
ステップS210の後、推定駐車時間から車両1の駐車場3における駐車が長期駐車であるとする場合(ステップS220;Yes)、処理はステップS230に進む。
【0048】
ステップS230において、推定駐車時間において車両1が駐車する駐車場3で出張メンテナンスが可能な事業者2を抽出する。
【0049】
ステップS230の後、処理はステップS240及びステップS250に係る処理を実行する。ここで、ステップS240及びステップS250に係る処理は、ステップS150及びステップS160に係る処理と同等である。ステップS250の後、第2実施例に係る処理は終了する。
【0050】
3-3.第3実施例
次に
図4を参照して、メンテナンスの予約機能の第3実施例について説明する。
図4は、第3実施例に係る処理を示すフローチャートである。第3実施例は、車両1が電気自動車であって、ナビゲーションシステム等において設定した目的地まで現在の電池残量のままではたどり着けないような場合が想定される。
【0051】
ステップS300において、ナビゲーションシステム等において目的地の設定が行われる。
【0052】
ステップS300の後、処理はステップS310に進む。
【0053】
ステップS310において、車両管理サーバ10は、目的地にたどり着くまでに必要な電池残量が計算される。これは、車両1において実行されても良いし、車両管理サーバ10において実行されても良い。
【0054】
ステップS310の後、現在の電池残量がステップS310において計算された必要な電池残量よりも多い場合(ステップS320;No)、第3実施例に係る処理は終了する。
【0055】
ステップS310の後、現在の電池残量がステップS310において計算された必要な電池残量よりも少ない場合(ステップS320;Yes)、処理はステップS330に進む。
【0056】
ステップS330において、メンテナンス対象部品が抽出される。これは、車両管理サーバ10において対象部品抽出処理が実行されることにより行われる。以下の説明では、ステップS330において少なくとも1つのメンテナンス対象部品が抽出されているとする。
【0057】
ステップS330の後、処理はステップS340に進む。
【0058】
ステップS340において、車両管理サーバ10は、ステップS330において抽出したメンテナンス対象部品のメンテナンスが可能な事業者2を抽出する。
【0059】
次にステップS350において、車両管理サーバ10は、ステップS340において抽出した事業者2から、さらに給電設備を備える事業者2を抽出する。
【0060】
次にステップS360において、車両管理サーバ10は、ステップS350において抽出した事業者2から、さらにステップS300において設定された目的地までのルート上の地点から所定範囲内の(目的地までのルートの近傍の)事業者2を抽出する。ここで、目的地までのルートは、利用スケジュールにより与えられていても良いし、車両1との通信により取得しても良い。
【0061】
車両管理サーバ10は、ステップS360において抽出した事業者2の案内情報をユーザに通知する。さらに、ステップS360において抽出した事業者2についてユーザの希望を受け付ける。
【0062】
ステップS360の後、ステップS360において抽出した事業者2の中にユーザの希望する事業者2がない場合(ステップS370;No)、第3実施例に係る処理は終了する。
【0063】
ステップS360の後、ステップS360において抽出した事業者2の中にユーザの希望する事業者2がある場合(ステップS370;Yes)、処理はステップS380に進む。
【0064】
ステップS380において、車両管理サーバ10は、希望する事業者2の予約可能時間(複数選択可能であっても良い)をユーザに通知して、予約の承諾を確認する。ここで、さらに事業者2への到着予想時間を強調して通知しても良い。
【0065】
ユーザにより予約が承諾されたことを受けて、選択された予約可能時間においてメンテナンス及び充電の予約を実施する(ステップS390)。これにより、希望する事業者2において、充電中にメンテナンスを享受することができる。延いては、充電時間を有効活用することができる。ステップS390の後、第3実施例に係る処理は終了する。
【0066】
3.効果
以上説明したように、本実施形態によれば、車両1から取得する部品の使用状況の情報に基づいて、メンテナンス対象部品が抽出される。そして、メンテナンス対象部品が抽出されており、かつ、車両1の利用スケジュールにおいて長期駐車の予定があることを受けて、長期駐車の予定における駐車場所及び時間帯に応じて、メンテナンスサービスの予約が実施される。
【0067】
これにより、車両1の長期駐車の予定と車両1の部品のメンテナンスとのマッチングを図ることができる。延いては、メンテナンスの日時や実施店舗の調整、メンテナンスの予約の手続きといったメンテナンスの実施に関するユーザの煩わしさを低減することができる。また、車両1の駐車中にメンテナンスが実施されることとなるため、時間を有効活用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 車両
2 事業者
3 駐車場
10 車両管理サーバ