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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】組電池の製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/516 20210101AFI20250218BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20250218BHJP
   H01M 50/51 20210101ALI20250218BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20250218BHJP
【FI】
H01M50/516
H01M50/55 101
H01M50/51
H01M50/505
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022119576
(22)【出願日】2022-07-27
(65)【公開番号】P2024017131
(43)【公開日】2024-02-08
【審査請求日】2024-05-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮田 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】柴田 義範
(72)【発明者】
【氏名】深見 智
(72)【発明者】
【氏名】木藤 広樹
【審査官】山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-033905(JP,A)
【文献】特開2021-034302(JP,A)
【文献】特開2022-181020(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0074577(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0125387(KR,A)
【文献】中国実用新案第210451444(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組電池の製造装置であり、
前記組電池は、第1方向に積層されている複数の電池セルを備えており、各電池セルは、前記第1方向に交差する第2方向を向いている面に端子を備えているとともに前記端子にバスバが溶接されており、
前記製造装置は、
前記第1方向に沿って並んでおり、前記第2方向の先端が前記バスバを挟んでそれぞれの前記端子に対向している複数の加圧片と、
前記第1方向に沿って延びておりアクチュエータで回転するロータであって、複数の前記加圧片と係合しており、軸芯回りに回転すると複数の前記加圧片を前記バスバに向けて押すロータと、
前記バスバと前記端子を溶接する溶接器と、
を備えており、
前記ロータが前記バスバを前記端子に押し付けつつ前記溶接器が前記バスバを前記端子に溶接する、
製造装置。
【請求項2】
前記ロータは、前記アクチュエータで回転するシャフトと、前記シャフトに係合している複数の当接片を有しており、
複数の前記当接片のそれぞれが、対応する前記加圧片に当接している、
請求項1に記載の製造装置。
【請求項3】
複数の前記当接片と前記シャフトの係合箇所が前記第1方向からみて前記シャフトのまわりに分散している、請求項2に記載の製造装置。
【請求項4】
前記シャフトと夫々の前記当接片の間に、前記シャフトの周方向に弾性を有するバネが介在している、請求項2に記載の製造装置。
【請求項5】
前記当接片はピニオンギアであり、前記加圧片は前記ピニオンギアに係合するラックギアを備えている、請求項2から4のいずれか1項に記載の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、組電池の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
組電池は、第1方向に積層されている複数の電池セルを備えている。各電池セルは、第1方向に交差する第2方向を向いている面に端子を備えているとともに端子にバスバが溶接されている。上記した組電池とその製造装置が特許文献1に開示されている。電池セルの端子にバスバが溶接される。特許文献1に開示されている製造装置は、治具でバスバを端子に押し付けた状態でバスバを端子に溶接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/130705号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のバスバを速やかに溶接するには、複数の端子のそれぞれにバスバを同時に押し付けておいて各バスバを各端子に溶接するとよい。製造装置は、バスバを挟んで複数の端子のそれぞれに対向する複数の加圧片を有する。複数の加圧片を同時に複数のバスバに押し付けるには大きな力が必要となる。仮に、両端を支持された梁を並進させて複数の加圧片に押し付けると加圧片から受ける反力で梁が大きく撓んでしまう。本明細書は、複数の加圧片を同時に複数のバスバに押し付けるのに好適な製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する製造装置を説明するのに際して、まず組電池を説明する。組電池は、第1方向に積層されている複数の電池セルを備えている。各電池セルは、第1方向に交差する第2方向を向いている面に端子を備えているとともに端子にバスバが溶接されている。本明細書が開示する製造装置は、第1方向に沿って並んでおり第2方向の先端がバスバを挟んでそれぞれの端子に対向している複数の加圧片と、第1方向に沿って延びておりアクチュエータで回転するロータであって複数の加圧片と係合しており軸芯回りに回転すると複数の加圧片をバスバに向けて押すロータと、バスバと端子を溶接する溶接器を備える。ロータがバスバを端子に押し付けつつ溶接器がバスバを端子に溶接する。
【0006】
ロータが回転すると複数の加圧片を押す力の反力は、ロータを押す並進力とロータを捩じるモーメントに分散する。複数の加圧片を押す力の反力をロータの撓み剛性と捩じり剛性で受けるので、並進する梁で複数の加圧片を押し付ける場合と比較してロータの撓みは小さくなる。本明細書が開示する製造装置は、複数の加圧片を同時に複数のバスバに押し付けるのに好適である。
【0007】
ロータの一例は、アクチュエータで回転するシャフトと、シャフトに係合している複数の当接片を有している。複数の当接片のそれぞれが、対応する加圧片に当接する。複数の当接片とシャフトの係合箇所が第1方向からみてシャフトのまわりに分散しているとよい。複数の当接片からシャフトに加わるモーメントがシャフトの周囲に均等に加わる。
【0008】
シャフトと夫々の当接片の間にバネが介在していてもよい。バネは、シャフトの周方向に弾性を有している。第2方向におけるバスバの位置誤差があっても各バスバに均等に荷重が加わる。
【0009】
当接片の一例はピニオンギアである。その場合、加圧片はピニオンギアに係合するラックギアを備えているとよい。
【0010】
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】組電池の斜視図である。
図2】2個の電池セルとセパレータとバスバの斜視図である。
図3】組電池の製造装置の正面図である。
図4】製造装置の平面図である。
図5】ロータに加わる力の説明図である。
図6】4個のピニオンギアのそれぞれがシャフトに加える力を説明する図である。
図7】変形例の製造装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施例の製造装置を説明するのに先立って組電池2を説明する。図1に組電池2の斜視図を示す。組電池2は、複数の電池セル10と複数のセパレータ20が1個ずつ交互に積層された構造を有している。図1では、いくつかの電池セルといくつかのセパレータには符号を省略した。また、図1では組電池2の中央部分は図示を省略した。さらに、図1の右側の3個の電池セル10を個別に表す場合には符号10a、10b、10cを用いる。図1の座標系のX方向が、複数の電池セル10の積層方向に相当する。以降の図でも、図中の座標系のX方向が積層方向に相当する。
【0013】
電池セル10とセパレータ20の積層体の両端にはエンドプレート40が取り付けられている。電池セル10とセパレータ20とエンドプレート40の積層体はバンドまたはフレームで結束されてケースに収容されている。バンドまたはフレームと、ケースの図示は省略した。
【0014】
電池セル10の一面(図中の座標系で+Z方向を向く面)には正極端子11pと負極端子11nが設けられている。複数の電池セル10は、積層方向(X方向)で正極端子11pと負極端子11nが交互に並ぶように配置されている。図1の右端の電池セル10aの正極端子11pとその隣の電池セル10bの負極端子11nがバスバ30(30a)で接続されている。電池セル10bの正極端子11pとその隣の電池セル10cの負極端子11nがバスバ30(30b)で接続されている。このように、隣り合う電池セル10の正極端子11pと負極端子11nが接続されることで、全ての電池セル10が直列に接続される。図示は省略しているが、エンドプレート40には、複数の電池セル10の直列接続の終端の正極端子と負極端子が設けられている。
【0015】
以下では、正極端子11pと負極端子11nを区別なく表す場合は端子11と称する。X方向で隣り合う端子11がバスバ30で接続される。
【0016】
図2に、電池セル10、セパレータ20、バスバ30のそれぞれの斜視図を示す。セパレータ20は樹脂で作られている。セパレータ20は、隣り合う電池セル10(10a、10b)の間に挟まれる仕切板21を備えている。仕切板21は矩形であり、上辺21aを除く三辺に沿って延びている枠22を備えている。枠22は、仕切板21の両面に設けられている。枠22に電池セル10が嵌合する。仕切板21の両面の枠22の一方は、電池セル10が圧入するように作られており、他方には電池セル10が遊嵌するように一方の枠22よりも大きめ(広め)に作られている。
【0017】
仕切板21には、枠22に嵌合した電池セル10の底面に当接するリップ25が設けられている。リップ25は上下方向に撓む弾性突起である。リップ25は、枠22に嵌合した電池セル10を下側から支える。
【0018】
仕切板21の上辺21aから上方にリブ23が延びている。図中のX方向(積層方向)からみて、リブ23の左右の夫々の端と、仕切板21の上辺21aの間にはスリット24が設けられている。X方向からみて、スリット24は、上下と、左右方向のセパレータ20の中央側が閉じているU字形状をなしている。
【0019】
バスバ30は、全体がU字形状をなしており、2本の腕部31a、31bと、腕部31a、31bを連結する底部32を備える。バスバ30は金属板で作られている。電池セル10の端子11も金属で作られており、バスバ30と端子11は溶接にて接合される。
【0020】
バスバ30はスリット24に挟み込まれて支持される。より詳しくは、バスバ30の板状の底部32がスリット24に水平方向(図中の座標系のY方向)から差し込まれる。
【0021】
なお、1個のセパレータ20には1個のバスバ30が取り付けられる。図2では、セパレータ20の右側のスリット24にバスバ30(30a)が取り付けられるので、左側のスリット24にはバスバ30(30b)は取り付けられない(図2では、現実には取り付けられないバスバ30(30b)を仮想線で描いてある)。別のセパレータ20では、左側のスリット24にバスバ30(30b)が取り付けられ、右側のスリット24にはバスバ30(30a)は取り付けられない。
【0022】
組電池2の製造装置100を説明する。図3に、製造装置100の正面図を示し、図4に製造装置100の平面図を示す。製造装置100には複数の電池セル10と複数のセパレータ20の積層体がセットされている。図4では積層体の図示は省略した。図3図4でも、座標系のX方向が、複数の電池セル10と複数のセパレータ20の積層方向に相当する。それぞれのセパレータ20は、バスバ30を保持している。
【0023】
製造装置100は、バスバ30を電池セル10の端子11に溶接する装置である。製造装置100は、X方向に並んでいる複数の加圧片110、加圧片110をバスバ30に向けて押すロータ120、溶接器130を備えている。加圧片110は、図中の座標系のZ方向に移動可能に筐体101に備えられているが、加圧片110の支持構造は図示を省略した。図3では筐体101も図示を省略した。溶接器130も筐体101に支持されているが、その支持構造も図示を省略した。
【0024】
複数の加圧片110は、X方向に沿って並んでいる。それぞれの加圧片110の先端(下端)は、バスバ30を挟んで端子11に対向している。別言すれば、端子11は電池セル10のZ方向を向く面に備えられており、加圧片110は先端が端子11に対向し、Z方向に移動可能に筐体101(図3では不図示)に支持されている。加圧片110にはラックギア112が備えられている。
【0025】
ロータ120は両端を筐体101に回転支持されたシャフト121と、シャフト121に係合している複数のピニオンギア122を備えている。シャフト121は軸受123を介して筐体101に回転支持されている。シャフト121はモータ124によって、軸線CLの回りに回転する。
【0026】
複数のピニオンギア122のそれぞれは、対応する加圧片110のラックギア112に係合している。別言すれば、複数のピニオンギア122(当接片)のそれぞれは、対応する加圧片110のラックギア112に係合している。図3に示すように、シャフト121が矢印線Aの方向に回転すると、加圧片110が矢印線Bの方向に押され、加圧片110がバスバ30を端子11に押し付ける。
【0027】
製造装置100は、バスバ30を端子11に押し付けた状態で、溶接器130がバスバ30に向けて溶接レーザLBを照射する。溶接レーザLBによって、バスバ30が端子11に溶接される。
【0028】
図4に示すように、複数の加圧片110がX方向に並んでおり、それぞれの加圧片110が図4では不図示のバスバ30を端子11に押し付ける。溶接器130は複数のバスバ30を順次端子11に溶接する。
【0029】
図1に示されているように、電池セル10の端子11は、2列に並んでいる。一方の列の複数の端子11にバスバ30を溶接したら、電池セル10とセパレータ20の積層体を垂直軸回りに180度回転させる。そうして、複数の加圧片110によって他方の列の複数の端子11に別のバスバ30を押し付けつつ、溶接器130が別のバスバ30を端子11に溶接する。
【0030】
製造装置100の利点を説明する。図5に、ロータ120に加わる力の説明図を示す。加圧片110をバスバ30に押し付けるロータ120は、加圧片110から加圧反力Frを受ける。ロータ120は、加圧反力Frを力F1と力F2で受ける。力F1はロータ120のシャフト121のZ方向の撓み剛性Kzに起因する力であり、力F2は、シャフト121の捩じり剛性Kyに起因する力である。シャフト121のZ方向の撓みを記号dZで表し、シャフト121の捩じれ角を記号dYで表すと、力F1、F2は、図5に示す式で表される。結果、ロータ120が加圧片110から受ける力(加圧反力Fr)は、Fr=F1+F2=Kz×dZ+Ky×dY×Rとの式で表される(ただし、記号Rは、シャフト121の軸線CLから加圧反力Frの作用点までの距離)。
【0031】
加圧反力Frの一部をシャフト121の捩じり剛性Kyが受けるので、シャフト121のZ方向の撓みdZが小さくなる。その利点は、別言すれば以下の通りである。製造装置100は、両端を支持されたシャフト121が複数の加圧片110を介して複数のバスバ30を端子11に押し付ける。シャフト121は、バスバ30を押し付ける力の反力(加圧反力Fr)を受ける。加圧反力Frは、シャフト121の撓み剛性Kzに起因する力F1とねじれ剛性Kyに起因する力F2に分散する。加圧反力Frの一部がシャフト121の捩じれ角dYに変換されるので、シャフト121のZ方向の撓みdZが小さくなる。
【0032】
製造装置100のそのほかの特徴を説明する。複数のピニオンギア122(当接片)とシャフト121の係合箇所がX方向からみてシャフト121のまわりに分散している。このことを、図4図6を参照して説明する。図4に示すように、図の下から4個のピニオンギア122をそれぞれ符号122a、122b、122c、122dで表す。
【0033】
図6(1)~(4)は、それぞれ、ピニオンギア122a、122b、122c、122dとシャフト121の係合状態を表している。シャフト121とピニオンギア122aは、キー129aを介して係合している。同様に、シャフト121とピニオンギア122b(122c、122d)は、キー129b(129c、129d)を介して係合している。図6では理解を助けるために、キー129a~129dにはハッチングを施した。キー129a~129dが、ピニオンギア122a~122dのそれぞれとシャフト121の係合箇所に相当する。
【0034】
ピニオンギア122aとシャフト121の係合箇所(キー129a)は、シャフト121の真上に位置する。このとき、加圧反力Frのうち、捩じり剛性Kyに起因する力Faは、図6(1)に示すように、図中の左方向を向く。ピニオンギア122bとシャフト121の係合箇所(キー129b)は、シャフト121の左側に位置する(図6(2))。このとき、加圧反力Frのうち、捩じり剛性Kyに起因する力Fbは、図6(2)に示すように、図中の下方を向く。ピニオンギア122cとシャフト121の係合箇所(キー129c)は、シャフト121の下側に位置する(図6(3))。このとき、加圧反力Frのうち、捩じり剛性Kyに起因する力Fcは、図6(3)に示すように、図中の右方向を向く。ピニオンギア122dとシャフト121の係合箇所(キー129d)は、シャフト121の右側に位置する(図6(4))。このとき、加圧反力Frのうち、捩じり剛性Kyに起因する力Fdは、図6(4)に示すように、図中の上方を向く。
【0035】
このように、複数のピニオンギア122(当接片)とシャフト121の係合箇所(キー129a~129d)がX方向(積層方向)からみてシャフト121のまわりに分散していると、シャフト121に作用するモーメント(捩じり剛性Kyに起因する力)がシャフト121の周りに均等に加わる。シャフト121に均等に力(モーメント)が加わるので、シャフト121の捩じれが偏ることがない。
【0036】
ピニオンギア122a~122d以外のピニオンギア122とシャフト121との係合箇所もX方向からみてシャフト122の周に沿って分散している。複数のピニオンギア122とシャフト121の係合箇所が、X方向からみてシャフト121の周に沿って分散していればよい。
【0037】
(変形例)図7に、変形例の製造装置200の側面図を示す。実施例の製造装置100は、加圧片110がラックギア112を備えており、ロータ120はピニオンギア122を備えていた。図7の変形例では、ロータ220は一つの突起224を有する当接片222を備える。また、加圧片210は、ラックギアを備えない単純な棒である。
【0038】
当接片222はシャフト221に係合しており、縁に突起224を備えている。突起224は加圧片210の上端に接している。図7に示すように、シャフト221が矢印線Cの方向に回転すると加圧片210が矢印線Dの方向に押され、加圧片210がバスバ30を端子11に押し付ける。
【0039】
また、シャフト221と当接片222は捩じりバネ223を介して係合している。図7では理解を助けるために捩じりバネ223にハッチングを施した。捩じりバネ223は、シャフト221の周方向(シャフト221の回転方向)に弾性を有する。ロータ220は、組電池の複数の電池セル10に対応した複数の当接片222を備えている。複数の電池セル10のそれぞれの端子11に対応するバスバ30の高さがばらついている場合がある。複数のバスバ30の高さがばらついていても、捩じりバネ223がばらつきを吸収し、複数のバスバ30をほぼ同じ力で押す。
【0040】
実施例のロータ120のシャフト121とそれぞれの当接片(ピニオンギア122)が捩じりバネを介して係合していてもよい。
【0041】
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。製造装置100にセットされた積層体(複数の電池セル10と複数のセパレータ20の積層体)は、図中の座標系のX方向に並んでいる。製造装置100は、X方向に並んだ複数の加圧片110を備える。それぞれの加圧片110は、Z方向に揺動可能に装置の筐体101に支持されている。
【0042】
製造装置100は、ロータ120を備える。ロータ120は、X方向に沿って延びておりモータ124で軸線CLの回りに回転する。ロータ120はシャフト121と複数のピニオンギア122を備えている。ロータ120が軸線CLの回りに回転すると、ロータ120は、複数の加圧片110のそれぞれを、対応するバスバ30に向けて移動させる。移動した加圧片110は、対向するバスバ30を押圧し、バスバ30を対応する端子11に押し付ける。
【0043】
図中のX方向が第1方向に対応し、Z方向が第2方向に対応する。「組電池」は「電池パック」と表現してもよい。
【0044】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0045】
2:組電池 10、10a~10c:電池セル11:端子 11n:負極端子 11p:正極端子 20:セパレータ 21:仕切板 21a:上辺 22:枠 23:リブ 24:スリット 25:リップ 30:バスバ 31a、31b:腕部 32:底部 40:エンドプレート 100、200:製造装置101:筐体 110、210:加圧片 112:ラックギア 120、220:ロータ 121、221:シャフト 122、122a~122d:ピニオンギア(当接片) 123:軸受 124:モータ 129a~129d:キー 130:溶接器 210:加圧片 222:当接片 223:捩じりバネ 224:突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7