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特許7635853物体検知装置、物体検知方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】物体検知装置、物体検知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 22/00 20060101AFI20250218BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20250218BHJP
   G01S 7/41 20060101ALI20250218BHJP
   G01S 13/88 20060101ALI20250218BHJP
【FI】
G01N22/00 S
G01N22/00 U
G01N22/00 Y
G01S7/02 216
G01S7/41
G01S13/88
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023555919
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 JP2021039403
(87)【国際公開番号】W WO2023073794
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2024-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】山之内 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】有吉 正行
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-032455(JP,A)
【文献】特開2005-265817(JP,A)
【文献】特開2004-245742(JP,A)
【文献】特開2016-138858(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0079625(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 22/00
G01S 7/02
G01S 7/41
G01S 13/88
G01V 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体に向けて電波を照射する複数の送信アンテナを備えた送信手段と、
前記物体から反射された前記電波を受信する複数の受信アンテナを備え、更に、前記受信アンテナで受信した受信信号から中間周波数信号を生成する受信手段と、
前記中間周波数信号から前記電波の任意の位置における反射強度である任意位置反射強度を検出する任意位置反射強度検出手段と、
前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記物体の位置である対象物位置を検出する対象物位置検出手段と、
前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記対象物位置における反射強度である対象物反射強度を検出する対象物反射強度検出手段と、
前記対象物位置検出手段において検出された前記対象物位置に基づいて反射強度の補正量を計算する強度補正量計算手段と、
前記対象物反射強度検出手段において検出された前記対象物反射強度と、前記強度補正量計算手段において計算された前記補正量に基づいて、補正反射強度を計算する補正反射強度計算手段と、
を備えた事特徴とする物体検知装置。
【請求項2】
前記補正反射強度から前記物体の素材固有の特徴量を計算する特徴量計算手段をさらに備えた事を特徴とする請求項1に記載の物体検知装置。
【請求項3】
前記特徴量を用いて、前記物体を検出ないし識別する対象物検出・識別手段をさらに備えた事を特徴とする請求項2に記載の物体検知装置。
【請求項4】
前記対象物検出・識別手段は、前記補正反射強度ないし前記特徴量ないし前記物体の検出結果ないし識別結果を出力する事を特徴とする請求項3に記載の物体検知装置。
【請求項5】
前記特徴量は、前記補正反射強度、前記補正反射強度から計算される反射率、前記反射率から計算される誘電率、又は前記補正反射強度、前記反射率及び前記誘電率のいずれかから得られる量である事を特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の物体検知装置。
【請求項6】
電波によって物体を検知するための物体検知方法であって、
複数の送信アンテナを備えた送信手段から前記物体に向けて電波を照射するステップと、
複数の受信アンテナを備えた受信手段で前記物体から反射された前記電波を受信し、更に前記受信アンテナで受信した受信信号から中間周波数信号を生成するステップと、
任意位置反射強度検出手段で、前記中間周波数信号から前記電波の任意の位置における反射強度である任意位置反射強度を検出するステップと、
対象物位置検出手段で、前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記物体の位置である対象物位置を検出するステップと、
対象物反射強度検出手段で、前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記対象物位置における反射強度である対象物反射強度を検出するステップと、
強度補正量計算手段で、前記対象物位置検出手段において検出された前記対象物位置に基づいて反射強度の補正量を計算するステップと、
補正反射強度計算手段で、前記対象物反射強度検出手段において検出された前記対象物反射強度と、前記強度補正量計算手段において計算された前記補正量に基づいて、補正反射強度を計算するステップと、
を備えた事特徴とする物体検知方法。
【請求項7】
特徴量計算手段で、前記補正反射強度から前記物体の素材固有の特徴量を計算するステップをさらに備えた事を特徴とする請求項6に記載の物体検知方法。
【請求項8】
対象物検出・識別手段で、前記特徴量を用いて前記物体を検出ないし識別するステップをさらに備えた事を特徴とする請求項7に記載の物体検知方法。
【請求項9】
物体に向けて電波を照射する複数の送信アンテナを備えた送信手段と、
前記物体から反射された前記電波を受信する複数の受信アンテナを備え、更に、前記受信アンテナで受信した受信信号から中間周波数信号を生成する受信手段と、
プロセッサと、を備える物体検知装置において、
任意位置反射強度検出手段で、前記中間周波数信号から前記電波の任意の位置における反射強度である任意位置反射強度を検出するステップと、
対象物位置検出手段で、前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記物体の位置である対象物位置を検出するステップと、
対象物反射強度検出手段で、前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記対象物位置における反射強度である対象物反射強度を検出するステップと、
強度補正量計算手段で、前記対象物位置検出手段において検出された前記対象物位置に基づいて反射強度の補正量を計算するステップと、
補正反射強度計算手段で、前記対象物反射強度検出手段において検出された前記対象物反射強度と、前記強度補正量計算手段において計算された前記補正量に基づいて、補正反射強度を計算するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項10】
前記物体検知装置において、特徴量計算手段で、前記補正反射強度から前記物体の素材固有の特徴量を計算するステップをさらに実行させる請求項9に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波を検知対象物に照射し、対象物から反射された電波により検知対象物の存在を認識ないし識別するための物体検知装置、物体検知方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電波(マイクロ波、ミリ波、テラヘルツ波など)は、光と異なり、物体を透過する能力が優れている。電波の透過能力の活用例として、衣服下や鞄内に隠された物体に対しレーダ装置から衣服や鞄を透過する電波を照射し、前記物体で反射された電波を前記レーダ装置で受信し、受信した電波に基づいて前記物品を検査する装置が提案されている。特に、物体の電波に対する反射率ないし誘電率に代表される物性値を電波で測定する手法は、爆発物や薬物など違法な化学物質の検出ないし同定において有用である。反射率と誘電率は互い関係がある物性値であり、片方の値からもう片方の値を導出できる。
【0003】
非特許文献1および特許文献1において、電波で化学物質を検出ないし同定する手法として、電波で物体の誘電率を遠隔測定する技術が提案されている。
【0004】
非特許文献1では、レーダ装置から電波を物体に照射し、物体から反射された電波をレーダ装置で受信し、受信した電波に基づいて中間周波数信号を生成し、中間周波数信号から物体の誘電率を推定する方法が提案されている。具体的には、測定対象となる物体の誘電率を未知変数とした幾何光学モデル(geo optics modeling)が用いられる。幾何光学モデルは、未知変数である誘電率の値を与えれば中間周波数信号を算出できる。そして、中間周波数信号の測定値を最も良く再現する幾何光学モデルの誘電率の値から、前記物体の誘電率を推定する。ただし非特許文献1では、複数の層が平行に配置された構成の誘電体を前提とした場合のみの幾何光学モデルが導出されているため、任意形状の物体の誘電率を測定できない課題がある。
【0005】
特許文献1では、レーダとカメラを備えた物体検知装置で誘電率を測定する方法が提案されている。具体的にはレーダ装置から物体と背景反射体に電波を照射し、前記物体と背景反射体から反射された電波に基づいて3次元マイクロ波イメージを生成する。前記物体検知装置は、3次元マイクロ波イメージとカメラ画像を用いて、前記物体検知装置から物体及び背景反射体までの距離を測定し、さらに測定で得た距離から誘電率を推定する。特許文献1では、3次元マイクロ波イメージとカメラ画像で所定の距離を測定できる場合において、任意形状の物体の誘電率を測定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5260799号
【非特許文献】
【0007】
【文献】K. Haddadi et al,. "Geometrical Optics-Based Model for Dielectric Constant and Loss Tangent Free-Space Measurement", IEEE Trans. Instrum. Meas., vol. 63, no. 7, pp. 1818-1823, Jul. 2014.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明では、物体検知装置で化学物質を検出ないし同定する手段として物体の誘電率を測定する方法における以下の課題を解決する。
【0009】
非特許文献1の方法は、任意形状の物体の誘電率を測定できない課題がある。
【0010】
特許文献1の方法は、電波が物体を透過する事を前提にしている。そのため、物体の反射率もしくは吸収率が高い場合においては物体における電波の透過量が少なくなり、物体の誘電率を正しく測定できない課題がある。また、特許文献1の方法はレーダに加えてカメラも必要となる。特にレーダとカメラの同期動作が必要となるため、測定対象物が移動する場合、レーダとカメラの同期ずれが誘電率の測定誤差となる課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、電波によって物体を検知するための物体検知装置であって、前記物体に向けて電波を照射する複数の送信アンテナを備えた送信手段と、前記物体から反射された前記電波を受信する複数の受信アンテナを備え、更に、前記受信アンテナで受信した受信信号から中間周波数信号を生成する受信手段と、前記中間周波数信号から前記電波の任意の位置における反射強度(任意位置反射強度)を検出する任意位置反射強度検出手段と、前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記物体の位置(対象物位置)を検出する対象物位置検出手段と、前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記対象物位置における反射強度(対象物反射強度)を検出する対象物反射強度検出手段と、前記対象物位置検出手段において検出された前記対象物位置に基づいて反射強度の補正量を計算する強度補正量計算手段と、前記対象物反射強度検出手段において検出された前記対象物反射強度と前記強度補正量計算手段において計算された前記補正量に基づいて補正反射強度を計算する補正反射強度計算手段と、を備えた事と特徴とする物体検知装置である。
【0012】
また、本発明の一態様は、電波によって物体を検知するための物体検知方法であって、複数の送信アンテナを備えた送信手段から前記物体に向けて電波を照射するステップと、複数の受信アンテナを備えた受信手段で前記物体から反射された前記電波を受信し更に前記受信アンテナで受信した受信信号から中間周波数信号を生成するステップと、任意位置反射強度検出手段で前記中間周波数信号から前記電波の任意の位置における反射強度(任意位置反射強度)を検出するステップと、対象物位置検出手段で前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記物体の位置(対象物位置)を検出するステップと、対象物反射強度検出手段で前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記対象物位置における反射強度(対象物反射強度)を検出するステップと、強度補正量計算手段で前記対象物位置検出手段において検出された前記対象物位置に基づいて反射強度の補正量を計算するステップと、補正反射強度計算手段で前記対象物反射強度検出手段において検出された前記対象物反射強度と前記強度補正量計算手段において計算された前記補正量に基づいて補正反射強度を計算するステップと、を備えた事と特徴とする物体検知方法である。
【0013】
また、本発明の一態様は、前記物体に向けて電波を照射する複数の送信アンテナを備えた送信手段と、前記物体から反射された前記電波を受信する複数の受信アンテナを備え、更に、前記受信アンテナで受信した受信信号から中間周波数信号を生成する受信手段と、プロセッサと、を備える物体検知装置において、任意位置反射強度検出手段で前記中間周波数信号から前記電波の任意の位置における反射強度(任意位置反射強度)を検出するステップと、対象物位置検出手段で前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記物体の位置(対象物位置)を検出するステップと、対象物反射強度検出手段で前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記対象物位置における反射強度(対象物反射強度)を検出するステップと、強度補正量計算手段で前記対象物位置検出手段において検出された前記対象物位置に基づいて反射強度の補正量を計算するステップと、補正反射強度計算手段で前記対象物反射強度検出手段において検出された前記対象物反射強度と前記強度補正量計算手段において計算された前記補正量に基づいて補正反射強度を計算するステップと、を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、化学物質を検出ないし同定する手段として任意形状の物体の誘電率を測定可能にする効果を奏する。また、本発明によれば、対象物表面における反射波を用いて素材固有の特性を算出するため、誘電体(対象物)における電波の透過量が少ない場合においても対象物の素材固有の特性を算出できる効果を奏する。また、本発明によれば、カメラを用いずレーダ装置のみで任意形状の対象物の誘電率を計算できるので、レーダとカメラの同期ずれによる測定誤差の課題を解決する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明による実施の形態における物体検知装置の構成を示した構成図である。
図2図2は、本発明による実施の形態における物体検知装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本発明による実施の形態における物体検知装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、本発明の実施の形態における物体検知方法を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の実施の形態における物体検知装置と対象物の位置関係の一例を説明する図である。
図6図6は、本発明の実施の形態における物体検知装置と対象物の位置関係の一例を説明する図である。
図7図7は、本発明の実施の形態における物体検知装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明による送信装置および送信方法の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以降に示す各図面において、同一または相当部分の部位については、同一符号を付して示すこととし、その説明は繰り返さないことにする。
【0017】
以下、本発明の実施の形態における、物体検知装置、物体検知方法、及びプログラムについて、図1図7を参照しながら説明する。本実施の形態では、レーダ以外の他センサに起因する誤差を無くし、かつ電波の透過が少ない対象物に対しても、任意形状の対象物の素材固有の特性(反射率ないし誘電率)を測定可能にする、物体検知装置、物体検知方法、及びプログラムが開示される。
【0018】
(第一の実施の形態)
[装置構成]
最初に図1を用いて本実施の形態1における物体検知装置の構成について説明する。
【0019】
図1に示す本実施の形態1における物体検知装置1000は、電波によって物体1003を検知するための装置である。図1に示すように、物体検知装置1000は、送信部1101と、受信部1102と、演算装置1211とを備えている。
【0020】
次に、図2に本実施の形態1における送信部1101と受信部1102の内部構成を示す。図2に示すように、本実施の形態1では、送受信装置1001において、送信部1101は、発振器1201と、送信アンテナ1202とを備えている。また、受信部1102は、受信アンテナ1203と、ミキサ1204と、インターフェイス回路1205とを備えている。更に、図1でも示したように、送信部1101と受信部1102とは、端子1208を介して接続されている。送信アンテナ1202と受信アンテナ1203は、複数のアンテナで構成されたアンテナアレイである。
【0021】
次に、図3に本実施の形態1における演算装置1211の内部構成を示す。本実施の形態1における演算装置1211は、図3で示すように、任意位置反射強度検出部1301と、対象物位置検出部1302と、対象物反射強度検出部1303と、強度補正量計算部1304と、補正反射強度計算部1305と、特徴量計算部1306と、対象物検出・識別部1307とを備えている。
【0022】
[装置動作]
図4は、本実施の形態1における物体検知装置1000の動作を示すフロー図である。以下の説明においては、適宜図1図3を参酌する。また、本実施の形態1では、物体検知装置1000を動作させることによって、物体検知方法が実施される。よって、本実施の形態1における物体検知方法の説明は、以下の物体検知装置1000の動作説明に代える。
【0023】
まず、図4のフローの全体の流れを説明する。その後、各ステップを詳細に説明する。
【0024】
-全体の流れ-
図1に示した装置構成において、送信部1101は、検知対象となる物体(以下、「対象物」と表記する)1003に向けて、送信信号となる電波1002を照射する(ステップA1)。
【0025】
図1における受信部1102は、対象物1003で反射された電波1004を受信信号として受信する(ステップA2)。
【0026】
受信部1102は、更に、受信した受信信号に、送信部1101で生成された送信信号をミキシングして、中間周波数信号(以下「IF(Intermediate Frequency)信号」と表記する。)を生成する。また、受信部1102は、生成したIF信号を演算装置1211に出力する(ステップA3)。
【0027】
次に、図3で示した演算装置1211内の任意位置反射強度検出部1301は、IF信号に基づいて任意位置における反射強度(任意位置反射強度)を検出する(ステップA4)。任意位置とは、測定される位置範囲が対象物位置に限定されず任意の位置である事を意味する。なお、測定される位置範囲(任意位置)は通常3次元空間である。
【0028】
次に、図3で示した演算装置1211内の対象物位置検出部1302は、任意位置反射強度検出部1301において検出した任意位置反射強度を用いて、対象物1003の位置である対象物位置z(x,y)を検出する(ステップA5)。
【0029】
更に、図3で示した演算装置1211内の対象物反射強度検出部1303は、任意位置反射強度検出部1301において検出した任意位置反射強度を用いて、対象物位置z(x,y)における対象物反射強度popj(x,y)を検出する(ステップA6)。
【0030】
次に、図3で示した演算装置1211内の強度補正量計算部1304は、対象物位置検出部1302において検出した対象物位置z(x,y)に基づいて、強度補正量を計算する(ステップA7)。強度補正量は、対象物位置z(x,y)に依存する対象物反射強度に相当する。
【0031】
次に、図3で示した演算装置1211内の補正反射強度計算部1305は、強度補正量計算部1304において計算した強度補正量と、対象物反射強度検出部1303において検出した対象物反射強度popj(x,y)に基づいて、補正反射強度を計算する(ステップA8)。補正反射強度は、対象物1003の素材固有の特性(誘電率ないし反射率)に依存する反射強度に相当する。
【0032】
次に、図3で示した演算装置1211内の特徴量計算部1306は、補正反射強度計算部1305において計算した補正反射強度に基づいて、特徴量を計算する(ステップA9)。
【0033】
次に、図3で示した演算装置1211内の対象物検出・識別部1307は、特徴量計算部1306において計算した特徴量に基づいて、対象物1003を検出ないし識別する(ステップA10)。
【0034】
-各ステップの詳細-
続いて、図4に示したステップの内、送受信装置1001によって実施されるステップA1~A3の詳細について説明する。
【0035】
[ステップA1]
図2で内部構成に示した送信部1101において、発振器1201は、RF信号(電波)を生成する。発振器1201で生成されたRF信号(電波)は、送信アンテナ1202から電波1002として対象物1003に照射される。
【0036】
[ステップA2]
図2で内部構成に示した受信部1102において、対象物1003で反射された電波1004は、受信アンテナ1203によって受信される。
【0037】
[ステップA3]
図2で内部構成に示した受信部1102において、ミキサ1204は、発振器1201から端子1208を経由して入力されてきたRF信号と受信アンテナ1203で受信された電波(受信信号)とを、ミキシングする事で、IF信号を生成する。ミキサ1204で生成されたIF信号は、インターフェイス回路1205を経由して、演算装置1211へと送信される。インターフェイス回路1205は、アナログ信号であるIF信号を、演算装置1211で扱えるデジタル信号に変換する機能を持ち、得られたデジタル信号を演算装置1211へと出力する。
【0038】
続いて、図4に示したステップの内、図3で内部構成に示した演算装置1211によって実施されるステップA4~A10の詳細について説明する。
【0039】
[ステップA4]
演算装置1211において、受信部1102から出力されたIF信号は任意位置反射強度検出部1301に入力される。任意位置反射強度検出部1301は、受信部1102から出力されたIF信号に基づいて、任意の位置(x,y,z)で反射された反射波の強度として定義される反射強度を任意位置反射強度parb(x,y,z)として検出する。任意位置反射強度の検出方法としては、例えばビームフォーマ法が挙げられる。なお、位置(x,y,z)の座標軸の取り方は任意で良い。一つの例として、x軸とy軸を送信アンテナ1202と受信アンテナ1203で構成されたアンテナアレイ面と平行に取り、z軸をアンテナアレイ面と垂直に取っても良い。
【0040】
[ステップA5]
対象物位置検出部1302には、任意位置反射強度検出部1301で検出された任意位置反射強度parb(x,y,z)が入力される。対象物位置検出部1302は、2次元位置(x,y)を引数として対象物1003のz軸方向の位置を示す対象物位置z(x,y)を計算する。具体的には、式(1)で示すように2次元位置(x,y)の各点において任意位置反射強度parb(x,y,z)を最大化するz軸方向の位置として計算される。
【0041】
【数1】
【0042】
[ステップA6]
対象物反射強度検出部1303には、任意位置反射強度検出部1301で検出された任意位置反射強度parb(x,y,z)が入力される。対象物反射強度検出部1303は、任意位置反射強度parb(x,y,z)に基づいて、2次元位置(x,y)を引数として対象物位置z(x,y)における対象物1003の対象物反射強度pobj(x,y)を検出する。具体的に対象物反射強度pobj(x,y)は、式(2)で示すように2次元位置(x,y)の各点においてzを変化させた場合における任意位置反射強度parb(x,y,z)の最大値として計算される。
【0043】
【数2】
【0044】
[ステップA7]
次に、強度補正量計算部1304の動作について説明する。
【0045】
ステップA6で検出した対象物反射強度pobj(x,y)は、位置z(x,y)に存在する対象物1003の素材固有の値である反射率に依存する。さらに対象物反射強度pobj(x,y)は対象物1003の反射率だけではなく、対象物1003の対象物位置z(x,y)にも依存する。
【0046】
より具体的には、式(3)で示すように、測定で得られた対象物反射強度pobj(x,y)は、対象物1003の対象物位置z(x,y)における反射率のみで決まる対象物反射強度pmat(x,y)と、対象物1003の反射率とは無関係に対象物1003の対象物位置z(x,y)のみで決まる対象物反射強度ploc(x,y)の積で与えられる。
【0047】
【数3】
【0048】
図5および図6は、対象物反射強度pobj(x,y)が対象物1003の対象物位置z(x,y)にも依存する理由を説明する概念図である。
【0049】
図5および図6において、送信アンテナ1202から照射された電波1002は対象物1003上の反射点1401a又は1401bにおいて電波1004として反射される。電波1004の反射方向は、反射点1401a又は1401bにおける対象物1003の接平面1402に対し、入射角と反射角が同じになるように定まる。
【0050】
図5のように反射点1401aで反射された電波1004の進行方向に受信アンテナ1203が存在する場合、反射点1401aの対象物位置z(x,y)における対象物反射強度pobj(x,y)は増強される。その一方で、図6のように反射点1401bで反射された電波1004の進行方向に受信アンテナ1203が存在しない場合、電波1004を受信できないため、反射点1401bの対象物位置z(x,y)における対象物反射強度pobj(x,y)は低下する。このように、対象物1003の素材で決まる反射率とは無関係に、対象物1003の形状(位置分布)によって電波1004を受信できる反射点1401aと受信できない反射点1401bが存在するため、対象物反射強度pobj(x,y)は対象物1003の反射率だけではなく、対象物1003の形状すなわち対象物位置z(x,y)にも依存する事となる。
【0051】
強度補正量計算部1304は、対象物1003の対象物位置z(x,y)のみに依存する対象物反射強度成分ploc(x,y)を計算し、強度補正量として出力する。
【0052】
具体的には、強度補正量計算部1304は、ステップA5において対象物位置検出部1302が検出した対象物1003の位置分布z(x,y)を入力として、対象物が対象物位置z(x,y)に分布し且つ対象物の反射率が位置依存性を持たない場合の任意位置反射強度を例えばビームフォーマ法によって計算する。さらに計算した任意位置反射強度から、式(1)および(2)と同じ手順を経由して計算した対象物反射強度ploc(x,y)を強度補正量として出力する。
【0053】
[ステップA8]
補正反射強度計算部1305は、対象物反射強度検出部1303から出力された対象物反射強度pobj(x,y)と、強度補正量計算部1304から出力された強度補正量ploc(x,y)を入力として、反射率のみで決まる対象物反射強度pmat(x,y)を以下の式(4)で計算し補正反射強度として出力する。
【0054】
【数4】
【0055】
補正反射強度pmat(x,y)は素材固有の値である反射率のみに依存するので、補正反射強度pmat(x,y)から対象物1003の素材固有の特性を正しく見積もる事ができる。
【0056】
一方、補正前の対象物反射強度pobj(x,y)から反射率など素材固有の特性を直接見積もる場合、対象物1003の位置分布z(x,y)に依存する対象物反射強度成分ploc(x,y)のために素材固有特性の見積もり値に誤差が発生する。式(4)の処理で対象物1003の位置分布z(x,y)に依存する対象物反射強度成分ploc(x,y)を除去する事で、素材固有特性の見積もり値の誤差も除去できる。
【0057】
[ステップA9]
特徴量計算部1306は、補正反射強度計算部1305から出力された補正反射強度pmat(x,y)に基づいて素材固有の特徴量を計算する。特徴量の具体的な例としては、(1)補正反射強度pmat(x,y)自体、(2)対象物1003の反射率、(3)対象物の誘電率、又は(4)補正反射強度、対象物1003の反射率及び対象物の誘電率のいずれかを引数とした関数で算出される量(値)が挙げられる。対象物1003の反射率は補正反射強度計算部1305の出力である補正反射強度pmat(x,y)から計算可能である。また非特許文献1に記載されている反射率と誘電率の関係式を用いて、対象物1003の反射率から誘電率を計算可能である。
【0058】
[ステップA10]
対象物検出・識別部1307は、特徴量計算部1306から出力された特徴量に基づいて対象物1003を検出ないし識別し、対象物1003の検出結果ないし識別結果を出力する。対象物検出・識別部1307は、例えば、補正反射強度ないし特徴量ないし物体の検出結果ないし識別結果を出力する。対象物1003の検出方法の例としては、反射率ないし誘電率など素材固有の特徴量の背景に対する変化から対象物1003を検出しても良い。また、対象物1003の識別の例としては、反射率ないし誘電率など素材固有の特徴量の測定値をデータベースと照合して、素材の種別を同定しても良い。
【0059】
[プログラム]
ここで、本実施の形態1におけるプログラムを実行することによって、物体検知装置1000を実現するコンピュータ(演算装置)について図7を用いて説明する。図7は本実施の形態1における物体検知装置1000を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0060】
図7に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0061】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態1におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態1におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態1におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0062】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。なお、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)を備えていても良い。
【0063】
またディスプレイ装置119は、演算装置1211において検出ないし計算された結果、すなわち任意位置反射強度検出部1301において検出された任意位置反射強度parb(x,y,z)、ないし対象物位置検出部1302において検出された位置分布z(x,y)、ないし対象物反射強度検出部1303において検出された対象物反射強度pobj(x,y)、ないし強度補正量計算部1304において計算された強度補正量ploc(x,y)、ないし補正反射強度計算部1305において計算された補正反射強度pmat(x,y)、ないし特徴量計算部1306において計算された特徴量、ないし対象物検出・識別部1307において得られる対象物1003の検出結果ないし識別結果を出力として表示しても良い。
【0064】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0065】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体が挙げられる。
【0066】
なお、本実施の形態1における物体検知装置は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェアを用いることによっても実現可能である。更に、物体検知装置は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。
【0067】
[効果]
以下において、本実施の形態1の効果を要約する。
【0068】
本実施の形態1による物体検知装置1000および物体検知方法によれば、対象物反射強度検出部1303において対象物1003の対象物反射強度pobj(x,y)を検出する。また、強度補正量計算部1304において対象物1003の対象物位置z(x,y)のみに依存する対象物反射強度成分を強度補正量ploc(x,y)として計算する。補正反射強度計算部1305において対象物反射強度pobj(x,y)を強度補正量ploc(x,y)で補正し補正反射強度pmat(x,y)を計算する。補正反射強度pmat(x,y)は対象物1003の素材固有の値である反射率のみに依存する事から、特徴量計算部1306において補正反射強度pmat(x,y)から任意形状の対象物の素材固有の特性(反射率、誘電率など)を計算できる。
【0069】
本実施の形態1による物体検知装置1000および物体検知方法によれば、対象物表面における反射波を用いて素材固有の特性を算出するため、特許文献1と異なり誘電体(対象物)における電波の透過量が少ない場合においても対象物の素材固有の特性を算出できる効果がある。
【0070】
また、本実施の形態1による物体検知装置1000および物体検知方法によれば、カメラを用いず電波を使用するレーダ装置のみで任意形状の対象物の素材固有の特性を計算できるので、特許文献1におけるレーダとカメラの同期ずれによる測定誤差の課題を解決する効果がある。
【0071】
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、前述の各特許文献等に開示されている内容は、本発明に引用をもって繰り込むことも可能とする。本発明の全開示(特許請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施の形態の変更・調整が可能である。また、本発明の特許請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせあるいは選択も可能である。すなわち、本発明は、特許請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって、当業者であればなし得ることが可能な各種変形、修正を含むことは勿論である。
【0072】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 物体に向けて電波を照射する複数の送信アンテナを備えた送信手段と、
前記物体から反射された前記電波を受信する複数の受信アンテナを備え、更に、前記受信アンテナで受信した受信信号から中間周波数信号を生成する受信手段と、
前記中間周波数信号から前記電波の任意の位置における反射強度である任意位置反射強度を検出する任意位置反射強度検出手段と、
前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記物体の位置である対象物位置を検出する対象物位置検出手段と、
前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記対象物位置における反射強度である対象物反射強度を検出する対象物反射強度検出手段と、
前記対象物位置検出手段において検出された前記対象物位置に基づいて反射強度の補正量を計算する強度補正量計算手段と、
前記対象物反射強度検出手段において検出された前記対象物反射強度と、前記強度補正量計算手段において計算された前記補正量に基づいて、補正反射強度を計算する補正反射強度計算手段と、
を備えた事と特徴とする物体検知装置。
2. 前記補正反射強度から前記物体の素材固有の特徴量を計算する特徴量計算手段をさらに備えた事を特徴とする1に記載の物体検知装置。
3. 前記特徴量を用いて、前記物体を検出ないし識別する対象物検出・識別手段をさらに備えた事を特徴とする2に記載の物体検知装置。
4. 前記対象物検出・識別手段は、前記補正反射強度ないし前記特徴量ないし前記物体の検出結果ないし識別結果を出力する事を特徴とする3に記載の物体検知装置。
5. 前記特徴量は、前記補正反射強度、前記補正反射強度から計算される反射率、前記反射率から計算される誘電率、又は前記補正反射強度、前記反射率及び前記誘電率のいずれかから得られる量である事を特徴とする2ないし4のいずれかに記載の物体検知装置。
6. 電波によって物体を検知するための物体検知方法であって、
複数の送信アンテナを備えた送信手段から前記物体に向けて電波を照射するステップと、
複数の受信アンテナを備えた受信手段で前記物体から反射された前記電波を受信し、更に前記受信アンテナで受信した受信信号から中間周波数信号を生成するステップと、
任意位置反射強度検出手段で、前記中間周波数信号から前記電波の任意の位置における反射強度(任意位置反射強度)を検出するステップと、
対象物位置検出手段で、前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記物体の位置(対象物位置)を検出するステップと、
対象物反射強度検出手段で、前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記対象物位置における反射強度(対象物反射強度)を検出するステップと、
強度補正量計算手段で、前記対象物位置検出手段において検出された前記対象物位置に基づいて反射強度の補正量を計算するステップと、
補正反射強度計算手段で、前記対象物反射強度検出手段において検出された前記対象物反射強度と、前記強度補正量計算手段において計算された前記補正量に基づいて、補正反射強度を計算するステップと、
を備えた事と特徴とする物体検知方法。
7. 特徴量計算手段で、前記補正反射強度から前記物体の素材固有の特徴量を計算するステップをさらに備えた事を特徴とする6に記載の物体検知方法。
8. 対象物検出・識別手段で、前記特徴量を用いて前記物体を検出ないし識別するステップをさらに備えた事を特徴とする7に記載の物体検知方法。
9. 物体に向けて電波を照射する複数の送信アンテナを備えた送信手段と、
前記物体から反射された前記電波を受信する複数の受信アンテナを備え、更に、前記受信アンテナで受信した受信信号から中間周波数信号を生成する受信手段と、
プロセッサと、を備える物体検知装置において、
任意位置反射強度検出手段で、前記中間周波数信号から前記電波の任意の位置における反射強度(任意位置反射強度)を検出するステップと、
対象物位置検出手段で、前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記物体の位置(対象物位置)を検出するステップと、
対象物反射強度検出手段で、前記任意位置反射強度検出手段において検出された前記任意位置反射強度から前記対象物位置における反射強度(対象物反射強度)を検出するステップと、
強度補正量計算手段で、前記対象物位置検出手段において検出された前記対象物位置に基づいて反射強度の補正量を計算するステップと、
補正反射強度計算手段で、前記対象物反射強度検出手段において検出された前記対象物反射強度と、前記強度補正量計算手段において計算された前記補正量に基づいて、補正反射強度を計算するステップと、
を実行させるプログラム。
10. 前記物体検知装置において、特徴量計算手段で、前記補正反射強度から前記物体の素材固有の特徴量を計算するステップをさらに実行させる9に記載のプログラム。
11. 前記物体検知装置において、対象物検出・識別手段で、前記特徴量を用いて前記物体を検出ないし識別するステップをさらに実行させる10に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0073】
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス
1000 物体検知装置
1001 送受信装置
1002 電波(送信信号)
1003 対象物(検知対象となる物体)
1004 電波(受信信号)
1101 送信部
1102 受信部
1201 発振器
1202 送信アンテナ
1203 受信アンテナ
1204 ミキサ
1205 インターフェイス回路
1208 端子
1211 演算装置
1301 任意位置反射強度検出部
1302 対象物位置検出部
1303 対象物反射強度検出部
1304 強度補正量計算部
1305 補正反射強度計算部
1306 特徴量計算部
1307 対象物検出・識別部
1401a 反射点
1401b 反射点
1402 接平面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7