(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】バッテリー圧力測定センサー及びこれを含むバッテリー圧力測定装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/48 20060101AFI20250218BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20250218BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20250218BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20250218BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20250218BHJP
G01R 31/00 20060101ALI20250218BHJP
【FI】
H01M10/48 301
H02J7/00 Q
H01M50/204 401D
H01M50/289 101
H01M50/284
G01R31/00
(21)【出願番号】P 2023551782
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 KR2022018131
(87)【国際公開番号】W WO2023106675
(87)【国際公開日】2023-06-15
【審査請求日】2023-08-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0173277
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、キ-ヨン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ドン-ワン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ド-ユル
(72)【発明者】
【氏名】ベ、ヒェ-ユン
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-034219(JP,A)
【文献】特開2014-017141(JP,A)
【文献】特開2019-184509(JP,A)
【文献】国際公開第2021/187777(WO,A1)
【文献】特開2020-034536(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0117829(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/48
H02J 7/00
H01M 50/204
H01M 50/289
H01M 50/284
G01R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板において、バッテリーのスウェリング特性を考慮した複数の位置に配備されており、それぞれに加えられる圧力に応じて抵抗値が対応する抵抗範囲内で変更される複数の可変抵抗部と、
前記複数の可変抵抗部のそれぞれに接続される複数のセンシングラインと、
を含
み、
前記複数の可変抵抗部は、
前記基板において、前記バッテリーのスウェリング発生時の所定の危険度が相対的に低いと設定された第1位置と、
前記所定の危険度が相対的に高いと設定された第2位置とに配備され、
前記第1位置に配備された可変抵抗部の前記圧力による抵抗値の抵抗範囲は、第1抵抗範囲であり、前記第2位置に配備された可変抵抗部の前記圧力による抵抗値の抵抗範囲は、第2抵抗範囲であり、
前記第1抵抗範囲の下限値は、前記第2抵抗範囲の上限値以上に設定される、バッテリー圧力測定センサー。
【請求項2】
前記第1位置は、前記基板の全部分のうち所定の中央部に対応し、
前記第2位置は、前記基板の全部分のうち前記中央部を除いた周辺部に対応する、請求項
1に記載のバッテリー圧力測定センサー。
【請求項3】
前記複数の可変抵抗部は、
前記圧力が加えられていない場合、前記抵抗値が基準抵抗値として設定さ
れる、請求項
1に記載のバッテリー圧力測定センサー。
【請求項4】
前記第1抵抗範囲の上限値は、前記バッテリーの状態が所定のスウェリング発生状態であると判断できる抵抗値であり、
前記第1抵抗範囲の下限値及び前記第2抵抗範囲の上限値は、前記バッテリーの状態が所定のスウェリング警告状態であると判断できる抵抗値であり、
前記第2抵抗範囲の下限値は、前記バッテリーの状態が所定のスウェリング危険状態であると判断できる抵抗値である、請求項
3に記載のバッテリー圧力測定センサー。
【請求項5】
前記複数のセンシングラインは、
前記第1位置に配備された可変抵抗部に接続されたセンシングラインの配線長が、前記第2位置に配備された可変抵抗部に接続されたセンシングラインの配線長よりも長い、請求項
3に記載のバッテリー圧力測定センサー。
【請求項6】
前記複数の可変抵抗部は、
前記第1位置に配備された可変抵抗部の大きさが、前記第2位置に配備された可変抵抗部の大きさよりも大きい、請求項
3に記載のバッテリー圧力測定センサー。
【請求項7】
前記複数の可変抵抗部は、
前記第1位置に配備された可変抵抗部の数が、前記第2位置に配備された可変抵抗部の数よりも少ない、請求項
3に記載のバッテリー圧力測定センサー。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか一項に記載のバッテリー圧力測定センサーと、
前記バッテリーが介在できるように構成された上板及び下板と、
前記上板及び前記下板を固定するように構成された固定部と、
を含み、
前記バッテリー圧力測定センサーは、前記バッテリーの上面及び下面のうちの少なくとも一方に位置する、バッテリー圧力測定装置。
【請求項9】
前記複数のセンシングラインと接続されて前記複数の可変抵抗部のそれぞれの抵抗値を測定し、測定された複数の抵抗値に基づいて前記バッテリーのスウェリング状態を判断する制御部をさらに含む、請求項
8に記載のバッテリー圧力測定装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記測定された複数の抵抗値に基づいて、前記バッテリーにおいてスウェリングが発生した位置を検出する、請求項
9に記載のバッテリー圧力測定装置。
【請求項11】
前記バッテリーを充電及び放電できるように構成された充放電部をさらに含み、
前記制御部は、前記バッテリーの充放電過程で前記バッテリーの前記スウェリング状態を判断する、請求項
9に記載のバッテリー圧力測定装置。
【請求項12】
前記バッテリー圧力測定センサーと前記バッテリーとの間に配備され、前記固定部により前記上板及び前記下板と共に固定される保護プレートをさらに含む、請求項
8に記載のバッテリー圧力測定装置。
【請求項13】
請求項1から
7のいずれか一項に記載のバッテリー圧力測定センサーを含む、バッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月06日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0173277号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリー圧力測定センサー及びこれを含むバッテリー圧力測定装置に関し、より詳しくは、バッテリーの圧力を測定できるセンサー及びこれを含むバッテリー圧力測定装置に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などの携帯用電子製品の需要が急激に伸び、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれて、繰り返して充放電可能な高性能バッテリーについての研究が活発に行われている。
【0004】
現在、商用化されているバッテリーとしてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどが挙げられるが、これらのうち、リチウムバッテリーは、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリ効果が殆ど起きないため充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
一般に、複数のバッテリーセルを直列及び/または並列に接続してバッテリーモジュールを構成し、1つ以上のバッテリーモジュールとその他の構成要素を追加してバッテリーパックを構成する方法が一般的である。このようなバッテリーパックは、主に電気自動車のエネルギー源として用いることができる。
【0006】
例えば、バッテリーモジュールは、一定の圧力で圧着されたバッテリーセルを含み得る。この場合、バッテリーセルの充放電を繰り返すと、バッテリーセルがスウェリング(Swelling)される可能性がある。ここで、スウェリングとは、充放電によってバッテリーセルが膨らむことを意味する。バッテリーセルのスウェリングが深刻になると、バッテリーセルがベント(Venting)されたり、バッテリーセルがモジュールフレーム及び/またはバッテリーパックケースを押し出したりしてモジュールフレーム及び/またはバッテリーパックケースが損傷するおそれがある。
【0007】
したがって、バッテリーセルのスウェリングが深刻になる前にバッテリーセルの圧力を測定し、スウェリング状態に対応する適切な措置を取ることにより、バッテリーセル、バッテリーモジュール及びバッテリーパックの安定性を確保できる技術を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリーセルのスウェリング状態を精密に判断できるバッテリー圧力測定センサー及びこれを含むバッテリー圧力測定装置を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示された手段及びその組み合わせによって実現できることが容易に分かるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によるバッテリー圧力測定センサーは、基板と、前記基板において、バッテリーのスウェリング特性を考慮した複数の位置に配備されており、それぞれに加えられる圧力に応じて抵抗値が対応する抵抗範囲内で変更されるように構成された複数の可変抵抗部と、前記複数の可変抵抗部のそれぞれに接続されるように構成された複数のセンシングラインと、を含み得る。
【0011】
前記複数の可変抵抗部は、前記基板において、前記バッテリーのスウェリング発生時の所定の危険度が相対的に低いと設定された第1位置と、前記所定の危険度が相対的に高いと設定された第2位置と、に配備されるように構成され得る。
【0012】
前記第1位置は、前記基板の全部分のうち所定の中央部に対応する位置として構成され得る。
【0013】
前記第2位置は、前記基板の全部分のうち前記中央部を除いた周辺部に対応する位置として構成され得る。
【0014】
前記複数の可変抵抗部は、前記圧力が加えられていない場合、前記抵抗値が基準抵抗値として設定され、前記第1位置に配備される可変抵抗部の前記圧力による抵抗値の抵抗範囲は第1抵抗範囲であり、前記第2位置に配備される可変抵抗部の前記圧力による抵抗値の抵抗範囲は第2抵抗範囲であり得る。
【0015】
前記第1抵抗範囲の下限値は、前記第2抵抗範囲の上限値以上に設定されるように構成され得る。
【0016】
前記第1抵抗範囲の上限値は、前記バッテリーの状態が所定のスウェリング発生状態であると判断できる抵抗値であり得る。
【0017】
前記第1抵抗範囲の下限値及び前記第2抵抗範囲の上限値は、前記バッテリーの状態が所定のスウェリング警告状態であると判断できる抵抗値であり得る。
【0018】
前記第2抵抗範囲の下限値は、前記バッテリーの状態が所定のスウェリング危険状態であると判断できる抵抗値であり得る。
【0019】
前記複数のセンシングラインは、前記第1位置に配備された可変抵抗部に接続されたセンシングラインの配線長が、前記第2位置に配備された可変抵抗部に接続されたセンシングラインの配線長よりも長く構成され得る。
【0020】
前記複数の可変抵抗部は、前記第1位置に配備された可変抵抗部の大きさが、前記第2位置に配備された可変抵抗部の大きさよりも大きく構成され得る。
【0021】
前記複数の可変抵抗部は、前記第1位置に配備された可変抵抗部の数が、前記第2位置に配備された可変抵抗部の数よりも少なく構成され得る。
【0022】
本発明の他の側面によるバッテリー圧力測定装置は、本発明の一側面によるバッテリー圧力測定センサーと、前記バッテリーが介在できるように構成された上板及び下板と、前記上板及び前記下板を固定するように構成された固定部と、を含み得る。
【0023】
前記バッテリー圧力測定センサーは、前記バッテリーの上面及び下面のうちの少なくとも一方に位置するように構成され得る。
【0024】
本発明のさらに他の側面によるバッテリー圧力測定装置は、前記複数のセンシングラインと接続されて前記複数の可変抵抗部のそれぞれの抵抗値を測定し、測定された複数の抵抗値に基づいて前記バッテリーのスウェリング状態を判断するように構成された制御部をさらに含み得る。
【0025】
前記制御部は、前記測定された複数の抵抗値に基づいて、前記バッテリーにおいて前記スウェリングが発生した位置を検出するように構成され得る。
【0026】
本発明のさらに他の側面によるバッテリー圧力測定装置は、前記バッテリーを充電及び放電できるように構成された充放電部をさらに含み得る。
【0027】
前記制御部は、前記バッテリーの充放電過程で前記バッテリーの前記スウェリング状態を判断するように構成され得る。
【0028】
本発明のさらに他の側面によるバッテリー圧力測定装置は、前記バッテリー圧力測定センサーと前記バッテリーとの間に配備され、前記固定部により前記上板及び前記下板と共に固定されるように構成された保護プレートをさらに含み得る。
【0029】
本発明のさらに他の側面によるバッテリーパックは、本発明の一側面によるバッテリー圧力測定センサーを含み得る。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一側面によれば、複数の可変抵抗部の抵抗値をそれぞれ測定することで、バッテリーのスウェリング状態を精密に判断することができる。
【0031】
また、本発明の一側面によれば、当該バッテリーにおいてスウェリングが発生した箇所を具体的に検出できるという利点がある。
【0032】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していない他の効果は、以下の特許請求範囲の記載から当業者にとって明確に理解されるであろう。
【0033】
本明細書に添付される図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の内容と共に本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割のためのものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサーを概略的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサーに含まれる基板を概略的に示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサーに含まれる可変抵抗部及びセンシングラインを概略的に示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサーの第1実施形態を概略的に示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサーの第2実施形態を概略的に示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサーの第3実施形態を概略的に示す図である。
【
図7】本発明の他の実施形態によるバッテリー圧力測定装置を概略的に示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサーがバッテリーに取り付けられた実施形態を概略的に示す図である。
【
図9】本発明の他の実施形態によるバッテリー圧力測定装置に含まれる上板、下板及び固定部を概略的に示す図である。
【
図10】本発明の他の実施形態によるバッテリー圧力測定装置の第1実施形態を概略的に示す図である。
【
図11】本発明の他の実施形態によるバッテリー圧力測定装置の第1実施形態を概略的に示す図である。
【
図12】本発明の他の実施形態によるバッテリー圧力測定装置の第2実施形態を概略的に示す図である。
【
図13】本発明の他の実施形態によるバッテリー圧力測定装置の例示的な構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されるものである。
【0036】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0037】
また、本発明を説明するにあたり、関連する公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすることがあると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0038】
第1、第2などの序数を含む用語は、様々な構成要素のうちのいずれか一つをその他の構成要素と区別するために使われたものであり、これら用語によって構成要素が限定されることはない。
【0039】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは、特に断りのない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0040】
さらに、明細書の全体において、ある部分が他の部分と「接続(連結)」されているというとき、これは「直接的に接続(連結)」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「間接的に接続(連結)」されている場合も含む。
【0041】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0042】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサー100を概略的に示す図である。
【0043】
図1を参照すると、バッテリー圧力測定センサー100は、基板110、可変抵抗部120及びセンシングライン130を含み得る。
【0044】
基板110は、複数の可変抵抗部120及び複数のセンシングライン130が取り付けられ得る板状の絶縁基板であり得る。例えば、基板110は、回路基板(Printed circuit)であり得る。好ましくは、基板110は、フレキシブルプリント回路(FPC:Flexible printed circuit)であり得る。
【0045】
図2は、本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサー100に含まれる基板110を概略的に示す図である。
【0046】
例えば、
図2を参照すると、基板110は、バッテリーの形状に対応する四角形状に構成され得る。また、基板110は、バッテリーのスウェリング特性を考慮して、中央部と周辺部とに予め区分され得、複数の可変抵抗部120は、基板110の中央部または周辺部に配備され得る。
【0047】
ここで、バッテリーは、負極端子及び正極端子を備え、物理的に分離可能な1つの独立したセルを意味する。一例として、リチウムイオン電池またはリチウムポリマー電池がバッテリーとみなされ得る。また、バッテリーは、円筒型、パウチ型または角型であり得る。好ましくは、バッテリーはパウチ型であり得る。
【0048】
複数の可変抵抗部120は、基板110において、バッテリーのスウェリング特性を考慮した複数の位置に配備されるように構成され得る。
【0049】
具体的には、可変抵抗部120は複数であり、複数の可変抵抗部120は基板110の複数の位置に配備され得る。
【0050】
より具体的には、複数の可変抵抗部120は、基板110において、バッテリーのスウェリング発生時の所定の危険度が相対的に低いと設定された第1位置110aと、所定の危険度が相対的に高いと設定された第2位置110bとに配備されるように構成され得る。ここで、第1位置110aは、基板110の全部分のうち所定の中央部に対応する位置として構成され得る。また、第2位置110bは、基板110の全部分のうち中央部を除いた周辺部に対応する位置として構成され得る。すなわち、基板110とバッテリーとが接触する場合、基板110の第1位置110aは、バッテリーの中央部に対応し得る。そして、基板110とバッテリーとが接触する場合、基板110の第2位置110bは、バッテリーの電極リードが含まれる周辺部に対応し得る。
【0051】
例えば、
図2の実施形態において、基板110の中央部に該当する第1位置110aに複数の可変抵抗部120のうちの一部が取り付けられ得る。また、基板110の周辺部に該当する第2位置110bに複数の可変抵抗部120のうちの残りが取り付けられ得る。
【0052】
複数の可変抵抗部120は、それぞれに加えられる圧力に応じて、対応する抵抗範囲内で抵抗値が変更されるように構成され得る。複数のセンシングライン130は、複数の可変抵抗部120のそれぞれに接続されるように構成され得る。
【0053】
図3は、本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサー100に含まれる可変抵抗部120及びセンシングライン130を概略的に示す図である。
【0054】
図3を参照すると、可変抵抗部120の一方の端と他方の端にはセンシングライン130が接続され得る。また、可変抵抗部120及びセンシングライン130に流れる電流により、可変抵抗部120の抵抗値が、可変抵抗部120に対応する抵抗範囲内で変更され得る。
【0055】
具体的には、
図3の実施形態において、可変抵抗部120の一方の端に接続されたセンシングライン130から印加された電流は、可変抵抗部120を通過し、可変抵抗部120の他方の端に接続されたセンシングライン130に出力され得る。また、電流が可変抵抗部120を通過するとき、可変抵抗部120に加えられる圧力に応じて、可変抵抗部120の抵抗値が、対応する抵抗範囲内で変更され得る。
【0056】
本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサー100は、基板110の複数の位置に取り付けられた可変抵抗部120及びセンシングライン130により、基板110に加えられる圧力を測定することができる。例えば、バッテリーのスウェリングによって、バッテリーに取り付けられた基板110に圧力が加えられた場合、圧力が加えられた位置に配備された可変抵抗部120の抵抗値が変更され得る。したがって、バッテリー圧力測定センサー100は、バッテリーのスウェリングの有無を判断するのに用いられ得るだけでなく、バッテリーのスウェリングが発生した位置を検出するのにも有用に用いられ得るという長所がある。
【0057】
複数の可変抵抗部120は、圧力が加えられていない場合、抵抗値が基準抵抗値として設定されるように構成され得る。
【0058】
具体的には、複数の可変抵抗部120が取り付けられた基板110の位置に圧力が加えられていない場合、複数の可変抵抗部120の抵抗値は、基板110での位置に関係なく基準抵抗値であり得る。
【0059】
例えば、複数の可変抵抗部120は、外部圧力が加えられていない場合には、抵抗値が0Ωに近い基準抵抗値に設定され得る。好ましくは、複数の可変抵抗部120は、外部圧力が加えられていない場合、抵抗値が0Ωであり得る。この場合、基準抵抗値は0Ωに予め設定され得る。
【0060】
また、基板110の第1位置110aに配備された可変抵抗部120の圧力による抵抗値の抵抗範囲は、第1抵抗範囲であり、基板110の第2位置110bに配備された可変抵抗部120の圧力による抵抗値の抵抗範囲は、第2抵抗範囲であり得る。
【0061】
また、第1抵抗範囲の下限値は、第2抵抗範囲の上限値以上に設定されるように構成され得る。すなわち、第1抵抗範囲に属する全ての抵抗値は、第2抵抗範囲に属する全ての抵抗値以上であり得る。
【0062】
例えば、第1抵抗範囲は、50000Ω以下10000Ω以上であり得る。そして、第2抵抗範囲は、10000Ω以下1000Ω以上であり得る。この場合、第1抵抗範囲の下限値(10000Ω)と第2抵抗範囲の上限値(10000Ω)とは同一であり得る。したがって、第1抵抗範囲に属する全ての抵抗値は、第2抵抗範囲に属する全ての抵抗値以上であり得る。
【0063】
ここで、基板110及び可変抵抗部120に加えられる圧力が大きいほど可変抵抗部120の抵抗値は減少し得る。すなわち、加えられる圧力の強さと可変抵抗部120の抵抗値とは互いに反比例し得る。
【0064】
図2を参照すると、バッテリーのスウェリングにより基板110に圧力が加えられた場合、第1位置110aに含まれる可変抵抗部120の抵抗値は、第2位置110bに含まれる可変抵抗部120の抵抗値よりも大きい可能性がある。
【0065】
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサー100は、可変抵抗部120の抵抗値を、基板110に取り付けられた位置に応じて異なるように設定することにより、基板110と接触したバッテリーのスウェリング位置をより正確に検出できるという利点がある。また、バッテリーのスウェリングによる圧力が基板110に加えられた場合、複数の可変抵抗部120のそれぞれの抵抗値が変更され得るため、バッテリーのスウェリング発生有無をより正確に判断することができる。
【0066】
一般に、バッテリーにスウェリングが発生する場合、バッテリーの中央部が先に膨らみ、バッテリーの電極が含まれる周辺部は中央部よりも後に膨らむ可能性がある。このような現象は、バッテリーの中央部にバッテリーの周辺部よりも多くの正極活物質と負極活物質が密集しており、電気化学反応がさらに活発に起こるためである。また、バッテリーの周辺部でバッテリーの上部ケースと下部ケースとがシールされ、且つ、バッテリーの周辺部に電極リードが接続され得る。したがって、バッテリーのスウェリングが発生した場合、バッテリーの中央部はバッテリーの周辺部よりも先に膨らむ可能性がある。
【0067】
このような理由で、バッテリーの中央部に対応する基板110の第1位置110aに配備された可変抵抗部120の抵抗値が第1抵抗範囲内にある場合、バッテリーにスウェリングが発生したと判断できる。
【0068】
具体的には、第1抵抗範囲の上限値は、バッテリーの状態が、予め設定されたスウェリング発生状態であると判断できる抵抗値である。すなわち、可変抵抗部120の抵抗値が第1抵抗範囲の上限値と等しい場合、バッテリーの状態は、スウェリングが発生したが、所定の危険度は低い状態であり得る。これは、上述したように、可変抵抗部120に加えられる圧力と可変抵抗部120の抵抗値は互いに反比例するためである。すなわち、基板110の第1位置110aに配備された複数の可変抵抗部120の少なくとも1つの抵抗値が第1抵抗範囲の上限値と等しい場合、バッテリーの状態を危険度の相対的に低いスウェリング発生状態と判断できる。
【0069】
次に、バッテリーの中央部がさらに膨らんだりバッテリーの周辺部が膨らんだりすると、シールされていた上下部ケースがベントされて電解液などがバッテリーの外に漏れ出ることがある。この場合、バッテリーに火災や爆発が発生する可能性があるため、危険度はスウェリング発生状態よりも高くなる可能性がある。
【0070】
具体的には、第1抵抗範囲の下限値及び第2抵抗範囲の上限値は、バッテリーの状態が所定のスウェリング警告状態であると判断され得る抵抗値である。すなわち、基板110の第1位置110aに配備された複数の可変抵抗部120のうちの少なくとも1つの抵抗値が第1抵抗範囲の下限値と等しいか、第2位置110bに配備された複数の可変抵抗部120の少なくとも1つの抵抗値が第2抵抗範囲の上限値と等しい場合、バッテリーの状態はスウェリングが発生しており、所定の危険度は中間状態であり得る。すなわち、バッテリーの状態は、危険度がスウェリング発生状態の危険度よりも高いスウェリング警告状態であると判断できる。
【0071】
最後に、第2抵抗範囲の下限値は、バッテリーの状態が所定のスウェリング危険状態にあると判断され得る抵抗値である。すなわち、基板110の第2位置110bに配備された複数の可変抵抗部120の少なくとも1つの抵抗値が第2抵抗範囲の下限値と等しい場合、バッテリーの状態は危険度が最も高い状態であって、火災や爆発の可能性が非常に高い状態であり得る。したがって、バッテリーの状態は危険度が最も高いスウェリング危険状態であると判断できる。
【0072】
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサー100は、基板110に取り付けられる位置に応じて可変抵抗部120の抵抗値が属し得る抵抗範囲を異なるように設定することにより、バッテリーの状態をスウェリング発生時の危険度に応じて細分化して判断できるという長所がある。但し、以上の実施形態では、バッテリーの状態をスウェリング発生状態、スウェリング警告状態及びスウェリング危険状態に分類したが、バッテリーの状態は、さらに細分化された危険度によってより細かく分類することも可能であることに留意されたい。
【0073】
以下、
図4~
図6を参照して、バッテリー圧力測定センサー100の様々な実施形態について説明する。
【0074】
図4は、本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサー100の第1実施形態を概略的に示す図である。
【0075】
複数のセンシングライン130は、第1位置110aに配備された可変抵抗部120に接続されたセンシングライン130の配線長が、第2位置110bに配備された可変抵抗部120に接続されたセンシングライン130の配線長よりも長く構成され得る。
【0076】
図3を参照して説明したように、可変抵抗部120の一方の端に接続されたセンシングライン130を介して可変抵抗部120に電流が印加され、可変抵抗部120を通過した電流は、可変抵抗部120の他方の端に接続されたセンシングライン130を介して出力され得る。したがって、センシングライン130の合計長さが増加するほど、圧力が加えられた場合の可変抵抗部120の抵抗値が増加する可能性がある。
【0077】
基板110の第1位置110aに配備された可変抵抗部120に接続されたセンシングライン130の配線長は、基板110の第2位置110bに配備された可変抵抗部120に接続されたセンシングライン130の配線長よりも長く構成され得る。具体的には、基板110の第1位置110aに配備された可変抵抗部120は、第2位置110bに配備された可変抵抗部120よりも加えられる圧力に対して敏感に反応し得る。すなわち、第1位置110aに配備された可変抵抗部120に小さな圧力が加えられても高い抵抗値を有することができる。
【0078】
図4を参照すると、基板110には、複数の可変抵抗部120a~120hと複数のセンシングライン130a~130hが配備され得る。具体的には、第1位置110aには、第3可変抵抗部120c、第4可変抵抗部120d、第5可変抵抗部120e及び第6可変抵抗部120fが含まれ得る。また、第2位置110bには、第1可変抵抗部120a、第2可変抵抗部120b、第7可変抵抗部120g及び第8可変抵抗部120hが含まれ得る。
【0079】
図4の実施形態において、第1位置110aに含まれる複数の可変抵抗部120c、120d、120e及び120fに接続されたセンシングライン130c、130d、130e及び130fの長さは、有意差がないほど類似していると仮定する。同様に、第2位置110bに含まれる複数の可変抵抗部120a、120b、120g及び120hに接続されたセンシングライン130a、130b、130g及び130hの長さは、有意差がないほど類似していると仮定する。したがって、第1位置110aに含まれる複数の可変抵抗部120c、120d、120e及び120fの抵抗値は、第1抵抗範囲(例えば、50000Ω以下10000Ω以上)に属し得、第2位置110bに含まれる複数の可変抵抗部120a、120b、120g及び120hの抵抗値は、第2抵抗範囲(例えば、10000Ω以下1000Ω以上)に属し得る。
【0080】
例えば、複数の可変抵抗部120a~120hのうちの少なくとも1つの抵抗値が第1抵抗範囲の上限値(例えば、50000Ω)と等しい場合、基板110に接触したバッテリーの状態がスウェリング発生状態であると判断できる。
【0081】
他の例として、複数の可変抵抗部120a~120hのうちの少なくとも1つの抵抗値が第1抵抗範囲の下限値(例えば、10000Ω)または第2抵抗範囲の上限値(例えば、10000Ω)と等しい場合、基板110に接触したバッテリーの状態がスウェリング警告状態であると判断できる。
【0082】
さらに他の例として、複数の可変抵抗部120a~120hのうちの少なくとも1つの抵抗値が第2抵抗範囲の下限値(例えば、1000Ω)と等しい場合、基板110に接触したバッテリーの状態がスウェリング危険状態であると判断できる。
【0083】
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサー100は、基板110に取り付けられた可変抵抗部120の位置に応じて、可変抵抗部120に接続されるセンシングライン130の配線長さを異なるように構成することによって、バッテリーのスウェリング発生の有無を敏感に検出し、バッテリーのスウェリング発生位置を具体的に検出できるという長所がある。
【0084】
図5は、本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサー100の第2実施形態を概略的に示す図である。
【0085】
複数の可変抵抗部120は、第1位置110aに配備された可変抵抗部120の大きさが、第2位置110bに配備された可変抵抗部120の大きさよりも大きく構成され得る。
【0086】
具体的には、可変抵抗部120の大きさが大きくなるほど、圧力が加えられた場合の可変抵抗部120の抵抗値が増加する可能性がある。これは、可変抵抗部120は、大きさが大きくなるほど、加えられた圧力に対してさらに敏感に反応できるためである。したがって、基板110の第1位置110aに含まれる可変抵抗部120の大きさは、基板110の第2位置110bに含まれる可変抵抗部120の大きさよりも大きくてもよい。
【0087】
例えば、
図5の実施形態において、第1位置110aに含まれる複数の可変抵抗部120c、120d、120e及び120fの大きさは、第2位置110bに含まれる複数の可変抵抗部120a、120b、120g及び120hの大きさよりも大きくてもよい。したがって、第1位置110aに含まれる複数の可変抵抗部120c、120d、120e及び120fの抵抗値は、第1抵抗範囲(例えば、50000Ω以下10000Ω以上)に属し得、第2位置110bに含まれる複数の可変抵抗部120a、120b、120g及び120hの抵抗値は、第2抵抗範囲(例えば、10000Ω以下1000Ω以上)に属し得る。
【0088】
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサー100は、基板110に取り付けられた可変抵抗部120の位置に応じて可変抵抗部120の大きさを異なるように構成することにより、バッテリーのスウェリング発生の有無を敏感に検出し、バッテリーのスウェリング発生位置を具体的に検出できるという長所がある。
【0089】
図6は、本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサー100の第3実施形態を概略的に示す図である。
【0090】
複数の可変抵抗部120は、第1位置110aに配備された可変抵抗部120の数が、第2位置110bに配備された可変抵抗部120の数よりも少なく構成され得る。
【0091】
具体的には、基板110の第2位置110bは、バッテリーの周辺部に対応し得る。上述したように、バッテリーの電極リードを含み得るバッテリーの周辺部がスウェリングによって膨らむと、バッテリーがベントされて火災や爆発の危険がある。したがって、バッテリーの中央部よりもバッテリーの周辺部でスウェリングが発生したかどうかを精密に判断することが事故予防のために重要である。
【0092】
例えば、
図6の実施形態において、基板110の第1の位置110aには、複数の可変抵抗部120c、120d、120e及び120fが含まれ得、基板110の第2の位置110bには、複数の可変抵抗部120a、120b、120g、120h、120i、120j、120k及び120lが含まれ得る。
【0093】
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサー100は、基板110の位置に応じて可変抵抗部120の数を異なるように構成することにより、バッテリーの周辺部で発生するスウェリングをより精密に検出できるという長所がある。
【0094】
以上、可変抵抗部120に接続されるセンシングライン130の配線長が互いに異なる第1実施形態、可変抵抗部120の大きさが互いに異なる第2実施形態、及び可変抵抗部120の数が互いに異なる第3実施形態についてそれぞれ説明した。但し、第1~第3実施形態は、相互に補完的に組み合わせられてもよいことに留意されたい。
【0095】
図7は、本発明の他の実施形態によるバッテリー圧力測定装置200を概略的に示す図である。
【0096】
図7を参照すると、バッテリー圧力測定装置200は、バッテリー圧力測定センサー100、上板210、下板220及び固定部230を含み得る。ここで、バッテリー圧力測定センサー100については前述したので、これについての詳しい説明は省略する。
【0097】
バッテリー圧力測定センサー100は、バッテリーの上面及び下面のうちの少なくとも一方に位置するように構成され得る。
【0098】
図8は、本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定センサー100がバッテリーBに取り付けられた実施形態を概略的に示す図である。
【0099】
例えば、
図8の実施形態を参照すると、バッテリーBは、正極端子PEと負極端子NEとを含むパウチ型のバッテリーセルであり得る。
図8の実施形態では、正極端子PE及び負極端子NEがバッテリーBの一方の端に一緒に配備されているが、他の実施形態では、正極端子PE及び負極端子NEがバッテリーBの一方の端及び他方の端にそれぞれ配備され得る。
【0100】
バッテリー圧力測定センサー100は、バッテリーBの上面に取り付けられ得る。具体的には、基板110の上面に複数の可変抵抗部120及び複数のセンシングライン130が取り付けられ得る。そして、バッテリーBの上面に基板110の下面が取り付けられ得る。
【0101】
上板210及び下板220は、それらの間にバッテリーBが介在するように構成され得る。
【0102】
例えば、上板210の下面と下板220の上面とは、互いに対向するように位置し得る。そして、上板210と下板220との間にバッテリーBが介在し得る。すなわち、上板210はバッテリーBの上面側に位置し、下板220はバッテリーBの下面側に位置し得る。
【0103】
固定部230は、上板210及び下板220を固定するように構成され得る。具体的には、固定部230は、上板210及び下板220を貫通するように構成されて上板210及び下板220を固定することができる。また、好ましくは、固定部230に沿って上板210及び/または下板220が移動し、上板210と下板220との間の間隔を調整することができる。
【0104】
図9は、本発明の他の実施形態によるバッテリー圧力測定装置200に含まれる上板210、下板220及び固定部230を概略的に示す図である。
【0105】
例えば、
図9の実施形態において、固定部230は、複数で配備され得る。そして、固定部230は、上板210及び下板220を貫通して上板210及び下板220を固定することができる。好ましくは、上板210及び下板220の揺れを最小化するために、固定部230は上板210及び下板220の角部を貫通するように構成され得る。
【0106】
図10及び
図11は、本発明の他の実施形態によるバッテリー圧力測定装置200の第1実施形態を概略的に示す図である。
【0107】
図10及び
図11を参照すると、バッテリーBの上面にバッテリー圧力測定センサー100が取り付けられ得る。そして、バッテリーBの下部に下板220が位置し、バッテリーBの上部に上板210が位置し得る。すなわち、上板210と下板220との間にバッテリーB及びバッテリー圧力測定センサー100が介在しており、上板210と下板220とは、固定部230によって固定され得る。したがって、バッテリーBのスウェリングが発生すると、基板110側へ圧力が加えられるため、基板110に取り付けられた可変抵抗部120の抵抗値が、対応する抵抗範囲内で変更され得る。
【0108】
図12は、本発明の他の実施形態によるバッテリー圧力測定装置200の第2実施形態を概略的に示す図である。
【0109】
図12を参照すると、バッテリー圧力測定装置200は、保護プレート240をさらに含み得る。
【0110】
保護プレート240は、バッテリー圧力測定センサー100とバッテリーBとの間に配備され、固定部230により上板210及び下板220と共に固定されるように構成され得る。
【0111】
バッテリー圧力測定センサーのみでバッテリーBの面圧を測定した場合、バッテリー圧力測定センサー100の形状によってバッテリーBの本体に跡がつくことがある。このような跡があると、バッテリーB内部の電解液が不均衡に広がり、バッテリーBの性能が低下するおそれがある。
【0112】
したがって、バッテリー圧力測定装置200は、バッテリーBとバッテリー圧力測定センサー100との間に介在する保護プレート240をさらに含み得る。
【0113】
例えば、
図12の実施形態において、バッテリーBの上面には保護プレート240が位置し得る。または、保護プレート240の上面にはバッテリー圧力測定センサー100が位置し得る。バッテリーB、保護プレート240及びバッテリー圧力測定センサー100は、上板210と下板220との間に介在して固定され得る。
【0114】
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定装置200は、保護プレート240をさらに含むことにより、バッテリー圧力測定過程におけるバッテリーBへの損傷を防止することができるという長所がある。
【0115】
図13は、本発明の他の実施形態によるバッテリー圧力測定装置200の例示的な構成を概略的に示す図である。
【0116】
バッテリー圧力測定装置200は、制御部250及び充放電部260をさらに含み得る。
【0117】
充放電部260は、バッテリーBを充電及び放電できるように構成され得る。
【0118】
例えば、
図13の実施形態において、充放電部260は、バッテリーBの正極端子PE及び負極端子NEと電気的に接続され得る。また、充放電部260は、制御部250から受信した充放電信号に基づいてバッテリーBを充放電することができる。
【0119】
制御部250は、バッテリーBの充放電過程でバッテリーBのスウェリング状態を判断するように構成され得る。
【0120】
具体的には、制御部250は、複数のセンシングライン130と接続されて複数の可変抵抗部120のそれぞれの抵抗値を測定し、測定された複数の抵抗値に基づいてバッテリーBのスウェリング状態を判断するように構成され得る。例えば、
図4及び
図5の実施形態において、制御部250は、複数のセンシングライン130a~130hと接続され、複数の可変抵抗部120a~120hのそれぞれの抵抗値を測定することができる。そして、
図6の実施形態において、制御部250は、複数のセンシングライン130a~130lと接続され、複数の可変抵抗部120a~120lのそれぞれの抵抗値を測定することができる。
【0121】
例えば、
図13の実施形態において、制御部250は、バッテリー圧力測定センサー100と接続され得る。好ましくは、制御部250は、バッテリー圧力測定センサー100に含まれるそれぞれのセンシングライン130と接続され得る。また、制御部250は、それぞれのセンシングライン130を用いてバッテリーBのスウェリング状態を判断することができる。
【0122】
具体的には、制御部250は、可変抵抗部120の一方の端に接続されたセンシングライン130に所定の電流を出力し、可変抵抗部120の他方の端に接続されたセンシングライン130から電流の印加を受けることができる。また、制御部250は、センシングライン130への出力電流とセンシングライン130からの入力電流とを用いて、可変抵抗部120の抵抗値を算出することができる。制御部250は、算出した複数の抵抗値に基づいてバッテリーBのスウェリング状態を判断することができる。
【0123】
すなわち、
図11及び
図12の実施形態において、バッテリーBの正極端子PE及び負極端子NEに充放電部260が接続され得る。また、バッテリーBに取り付けられたバッテリー圧力測定センサー100と制御部250とが接続され得る。好ましくは、バッテリー圧力測定センサー100に含まれる複数のセンシングライン130と制御部250とが接続され得る。
【0124】
例えば、
図13の実施形態において、バッテリー圧力測定センサー100に含まれる複数の可変抵抗部120のうちの少なくとも1つの抵抗値が第1抵抗範囲の上限値(例えば、50000Ω)と等しい場合、制御部250は、バッテリーBの状態がスウェリング発生状態であると判断できる。
【0125】
他の例として、
図13の実施形態において、バッテリー圧力測定センサー100に含まれる複数の可変抵抗部120のうちの少なくとも1つの抵抗値が第1抵抗範囲の下限値(例えば、10000Ω)または第2抵抗範囲の上限値(例えば、10000Ω)と等しい場合、制御部250は、バッテリーBの状態がスウェリング警告状態であると判断できる。
【0126】
さらに他の例として、
図13の実施形態において、バッテリー圧力測定センサー100に含まれる複数の可変抵抗部120のうちの少なくとも1つの抵抗値が第2抵抗範囲の下限値(例えば、1000Ω)と等しい場合、制御部250は、バッテリーBの状態がスウェリング危険状態であると判断できる。
【0127】
本発明の一実施形態によるバッテリー圧力測定装置200は、基板110上の複数の位置に配備された可変抵抗部120の抵抗値に基づいてバッテリーBのスウェリング状態を具体的に判断できるという長所がある。
【0128】
また、制御部250は、測定された複数の抵抗値に基づいてバッテリーBにおけるスウェリング発生位置を検出するように構成され得る。
【0129】
具体的には、制御部250は、基板110に配備された複数の可変抵抗部120のそれぞれの抵抗値を測定することができる。したがって、制御部250は、バッテリーBのスウェリング状態だけでなく、バッテリーBのスウェリング発生位置を検出することもできる。
【0130】
例えば、
図5の実施形態において、第4可変抵抗部120d及び第6可変抵抗部120fの抵抗値が第1抵抗範囲の上限値(例えば、50000Ω)と等しい場合、制御部250は、バッテリーBの状態をスウェリング発生状態と判断し、スウェリング発生位置を第4可変抵抗部120d及び第6可変抵抗部120fに対応する位置として決定し得る。
【0131】
一方、バッテリー圧力測定装置200に配備された制御部250は、本発明で行われる多様な制御ロジックを実行するために、当業界において知られているプロセッサー、特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路、レジスター、通信モデム、データ処理装置などを選択的に含み得る。また、前記制御ロジックがソフトウェアにより実現されるとき、前記制御部250は、プログラムモジュールの集合により実現され得る。このとき、プログラムモジュールはメモリに記憶され、制御部250により実行され得る。前記メモリは、制御部250の内部または外部に存在し得、よく知られている様々な手段により制御部250と接続され得る。
【0132】
また、本発明によるバッテリー圧力測定センサー100は、バッテリーパックに配備され得る。すなわち、本発明によるバッテリーパックは、上述したバッテリー圧力測定センサー100、1つ以上のバッテリーセル及びバッテリー管理システム(BMS:Battery management system)を含み得る。また、バッテリーパックは、電装品(リレー、ヒューズなど)及びケースなどをさらに含み得る。
【0133】
例えば、バッテリー圧力測定センサー100は、各バッテリーセルに取り付けられ得る。また、バッテリー圧力測定センサー100が取り付けられた複数のバッテリーセルがバッテリーパックに含まれ得る。
【0134】
BMSは、複数のバッテリー圧力測定センサーのそれぞれと接続され、複数のバッテリーセルのそれぞれのスウェリング状態及びスウェリング発生位置を検出することができる。
【0135】
したがって、バッテリーパックに含まれるバッテリーセルのそれぞれの状態をより精密に診断することにより、バッテリーパックの火事や爆発などの様々な事故を未然に防止することができる。
【0136】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0137】
また、以上で説明した本発明は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の置換、変形及び変更が可能であるため、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるのではなく、様々な変形のため各実施形態の全部または一部が選択的に組み合わせられて構成され得る。
【符号の説明】
【0138】
100 バッテリー圧力測定センサー
110 基板
110a 第1位置
110b 第2位置
120 可変抵抗部
130 センシングライン
200 バッテリー圧力測定装置
210 上板
220 下板
230 固定部
240 保護プレート
250 制御部
260 充放電部