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特許7635980情報処理装置、検査システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、検査システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/50 20240101AFI20250218BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20250218BHJP
   A61B 6/46 20240101ALI20250218BHJP
【FI】
A61B6/50 511G
A61B6/03 577
A61B6/46 506Z
A61B6/50 500B
A61B6/50 511E
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021097122
(22)【出願日】2021-06-10
(65)【公開番号】P2022188868
(43)【公開日】2022-12-22
【審査請求日】2024-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】391039313
【氏名又は名称】株式会社根本杏林堂
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(72)【発明者】
【氏名】根本 茂
(72)【発明者】
【氏名】増田 和正
(72)【発明者】
【氏名】吹越 由美子
(72)【発明者】
【氏名】金高 利雄
(72)【発明者】
【氏名】高木 広幸
(72)【発明者】
【氏名】田野 敦久
【審査官】清水 裕勝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/168216(WO,A1)
【文献】特開2016-168120(JP,A)
【文献】特開2019-55004(JP,A)
【文献】特開2007-275360(JP,A)
【文献】国際公開第2015/111401(WO,A1)
【文献】特開2012-217631(JP,A)
【文献】国際公開第2011/125987(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/116892(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/105577(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
A61M 5/00-5/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液の注入に関する注入情報、撮像が予定された撮像予定時間、及び撮像に関する撮像情報を取得する取得部と、
前記撮像情報に基づいて造影の成否の判断を行う判断部と、
前記注入情報、前記撮像予定時間、前記撮像情報、及び前記判断の結果を示す画面を生成する生成部と、
を備え、
前記注入情報は、薬液の情報、及び注入プロトコルを含み、
前記撮像情報は、撮像が実行された撮像実行時間、及び撮像された撮像画像を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記注入情報は、注入タイミングを更に含み、
前記生成部は、前記画面として、前記注入タイミング、前記撮像予定時間、及び前記撮像実行時間を同じ時間軸に沿って示す画面を生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判断部は、前記撮像予定時間及び前記撮像実行時間と、前記撮像画像との少なくとも一方に基づいて前記判断を行う、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判断部は、前記撮像情報に含まれる3次元の撮像画像を用いて生成された2次元画像の画素値に基づいて前記判断を行う、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記2次元画像は、前記3次元の撮像画像を所定の範囲で投影して生成した2次元画像である、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記2次元画像は、前記画面において前記撮像画像として示される、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記撮像情報は前記撮像に関する指標及び撮像部位の情報の少なくとも一方を更に含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記画面は、前記薬液の漏れの有無を示す情報及び前記薬液の副作用を示す情報の少なくとも一方を更に示す、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記注入情報は、前記薬液の名称を更に含み、
前記注入プロトコルは、前記薬液の注入速度及び注入量を含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記薬液は、造影剤及び生理食塩水を含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記撮像予定時間は、前記注入情報に基づいて算出される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記撮像予定時間は、前記注入情報に基づいて、造影剤シミュレータ、テストインジェクション、又はボーラストラッキング法を用いて算出される、請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記画面は、被検者の身長、体重、及び心拍数を含む生体情報を更に示す、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記画面を表示部に表示させる表示制御部を更に備える、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記画面を記憶装置に出力する出力部を更に備える、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記出力部は、前記画面から被検者の個人情報を削除した画面を前記記憶装置に出力する、請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記薬液を被検者に注入する注入装置と、
前記撮像を行う撮像装置と、
を備える、検査システム。
【請求項18】
放射線科情報システム、画像保存通信システム、及び病院情報システムの少なくとも一つを更に備え、
前記情報処理装置は、前記画面を前記少なくとも一つのシステムに出力する、請求項17に記載の検査システム。
【請求項19】
薬液の注入に関する注入情報、撮像が予定された撮像予定時間、及び撮像に関する撮像情報を取得することと、
前記撮像情報に基づいて造影の成否の判断を行うことと、
前記注入情報、前記撮像予定時間、前記撮像情報、及び前記判断の結果を示す画面を生成することと、
を含み、
前記注入情報は、薬液の情報、及び注入プロトコルを含み、
前記撮像情報は、撮像が実行された撮像実行時間、及び撮像された撮像画像を含む、情報処理方法。
【請求項20】
コンピュータによって実行されると、該コンピュータに請求項19に記載の情報処理方法の各工程を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、検査システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、医療用の画像診断装置として、例えば、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、超音波診断装置、及び血管造影撮像装置等が知られている。このような装置を用いた撮像では、例えば、患者の生体情報や撮像手技等を考慮して所定の撮像プランが決定され、その撮像プランに基づいて透視撮像が実施される。
【0003】
また、このような装置を使用する際、患者に造影剤や生理食塩水等(以下、薬液という)を注入することがある。近年では、撮像プランに応じた薬液の精密な注入を行うため、インジェクタと呼ばれる自動注入装置が用いられている。
【0004】
画像診断装置を用いた検査では、ワークステーション等を通じて操作者が透視画像の閲覧(読影)を行う際に効率的に検査に関する情報を把握できるように、撮像に関する情報や薬液の注入に関する情報等を一括して提示することが望まれる。例えば、特許文献1には、患者の画像データと、注入時間を含む実施された薬液の注入履歴データと、曝射時間のデータとを一画面上で提示することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許6522495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、検査件数の増加や勤務時間の短縮等のため、検査の更なる効率化が求められている。そこで、本発明の一実施態様では、薬液の注入及び撮像に関する情報と、撮像画像と、造影の成否の判断結果とを一括して示す画面を生成できる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様に係る情報処理装置は、薬液の注入に関する注入情報、撮像が予定された撮像予定時間、及び撮像に関する撮像情報を取得する取得部と、前記撮像情報に基づいて造影の成否の判断を行う判断部と、前記注入情報、前記撮像予定時間、前記撮像情報、及び前記判断の結果を示す画面を生成する生成部とを備え、前記注入情報は、薬液の情報、及び注入プロトコルを含み、前記撮像情報は、撮像が実行された撮像実行時間、及び撮像された撮像画像を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施態様によれば、薬液の注入及び撮像に関する情報と、撮像画像と、造影の成否の判断結果とを一括して示す画面を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例1に係る検査システムの概略的な構成を示す。
図2】本発明の実施例1に係る一連の処理のフローチャートを示す。
図3】本発明の実施例1に係る結果表示画面の一例を示す。
図4】本発明の変形例1に係る結果表示画面の一例を示す。
図5】本発明の実施例2に係る結果表示画面の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための例示的な実施例を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施例で説明する寸法、材料、形状、及び構成要素の相対的な位置等は任意であり、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、図面において、同一であるか又は機能的に類似している要素を示すために図面間で同じ参照符号を用いる。
【0011】
なお、本明細書において、薬液には、例えば造影剤、生理食塩水、及びこれらの混合物等が含まれてよい。また、放射線には、α線、β線、γ線、X線、及び中性子線等が含まれてよい。さらに、以下において、撮像は、撮像手技等に応じて撮影に適宜読み替えてもよい。
【0012】
(実施例1)
以下、図1乃至図3を参照して、本実施例に係る医療用の画像診断装置を含む検査システムの一例である検査システム10及び該検査システム10における情報処理方法について説明する。図1は、本実施例に係る検査システム10の概略的な構成を示す。
【0013】
検査システム10には、被検者に薬液を注入する注入装置100、被検者の撮像を行う撮像装置200、及び検査結果画面を生成する情報処理装置300が設けられている。また、検査システム10には、RIS(放射線科情報システム:Radiology Information System)11、PACS(画像保存通信システム:Picture Archiving and Communication System)12が設けられている。さらに、検査システム10には、HIS(病院情報システム:Hospital Information System)13が設けられている。注入装置100、撮像装置200、情報処理装置300、RIS11、PACS12、及びHIS13はそれぞれが通信可能に接続されている。なお、これらは有線で接続されてもよいし、無線で接続されていてもよい。また、これらの一部は互いに接続されていなくてもよく、例えば、注入装置100は撮像装置200やPACS12に接続されていなくてもよい。
【0014】
注入装置100は、検査を行う際に薬液を被検者に注入するために用いられる、いわゆるインジェクタである。注入装置100には、制御部110、注入部120、入力部130、表示部140、記憶部150、及び漏れ検出部160が設けられている。
【0015】
制御部110は、入力部130等からの信号に応じて、注入部120や表示部140等を制御する。また、制御部110は、薬液の注入に関する注入情報を、撮像装置200や、情報処理装置300、RIS11、PACS12、HIS13等に送ることができる。ここで、注入情報には、例えば、注入された薬液の情報(例えば、薬液の名称及び濃度等)、注入プロトコル(例えば、薬液の注入速度及び注入量等)、注入タイミング、薬液の漏れの有無を示す情報、及び薬液の副作用の情報等が含まれてよい。なお、注入情報は、検査について予め設定された注入情報であってもよいし、実際に行われた検査に係る注入情報であってもよいし、これら両方の情報を含んでもよい。また、制御部110は、撮像装置200や情報処理装置300との時間の同期を行うために同期信号等を撮像装置200や情報処理装置300とやり取りしてもよい。なお、本明細書では、注入プロトコルと注入タイミングを分けて記載するが、注入タイミングは注入プロトコルに含まれてもよい。
【0016】
注入部120には、例えば、薬液が充填されたシリンジ、シリンジのピストンを駆動させるピストン駆動部、注入針、及びシリンジと注入針を接続するチューブ等が設けられる。ピストン駆動部は、モータ等の任意のアクチュエータを含む。制御部110は、ピストン駆動部を制御してアクチュエータを駆動させることで、シリンジのピストンを前進又は後退させて、薬液の注入や吸引を行うことができる。
【0017】
なお、シリンジは予め薬液が充填されたものであってもよいし、空のシリンジに薬液を吸引して用いるものであってもよい。また、シリンジは、検査に使用する薬液に応じて複数設けられてもよい。さらに、シリンジには、シリンジに関する情報(例えば、識別情報、耐圧情報、内径及びストローク長等)や薬液の情報(例えば、製品名、濃度、成分情報、消費期限及び薬液容量等)等が記憶されたデータキャリアが設けられていてもよい。データキャリアとしては、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)のRFタグ等のICタグ、又はバーコード等が用いられてよい。この場合、注入装置100にデータキャリアを検知するセンサが設けられ、制御部110が当該センサからデータキャリアに含まれる情報を取得してもよい。
【0018】
入力部130は、例えば、ボタンやマウス、キーボード、タッチパネル等の任意の入力装置を用いて構成されることができる。操作者は、入力部130を用いることで、注入装置100に対し、上述の注入情報等の指示を入力することができる。
【0019】
表示部140は、任意のモニタを用いて構成されてよく、制御部110による制御に従い、薬液の情報や注入プロトコル、患者情報、警告等を表示することができる。なお、表示部140をタッチパネル式ディスプレイとして構成し、入力部130及び表示部140を一体的に構成してもよい。
【0020】
記憶部150は、注入装置100における各種機能を実現するためのプログラムや、各種注入情報、注入部120に取り付けたシリンジ及び薬液の情報、患者情報等を記憶することができる。記憶部150は、任意のメモリや光学ディスク、記憶媒体を用いて構成されてよい。
【0021】
漏れ検出部160は、注入された薬液の漏れを検出するセンサを含む。漏れ検出部160は、センサによって薬液の漏れが検出された場合、漏れを示す情報を制御部110や記憶部150に送ることができる。なお、漏れ検出部160は、カメラ等を用いて取得した画像に基づいて注入された薬液の漏れを検出してもよい。
【0022】
なお、制御部110は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサとメモリを含む任意のコンピュータを用いて構成されてよい。なお、プロセッサは、GPU(Graphic Processing Unit)であってもよい。さらに、制御部110の各種機能はプロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールとして実現されてよい。また、制御部110の各種機能は、FPGA(Field Programable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の回路を用いて実現されてもよい。
【0023】
撮像装置200は、検査を行う際に被検者を撮像する撮像装置であり、例えば、放射線撮像装置、CT装置、MRI装置、PET装置、超音波診断装置、又は血管造影撮像装置等であってよい。本実施例では、撮像装置200としてX線撮像装置を用いる構成について説明する。ただし、撮像装置200は、所望の構成に応じて上記のような任意の撮像装置を用いて構成してもよい。
【0024】
撮像装置200には、制御部210、撮像部220、入力部230、表示部240、及び記憶部250が設けられている。制御部210は、入力部230等からの信号に応じて、撮像部220や表示部240等を制御する。また、制御部210は、撮像部220によって出力された撮像データに基づいて撮像画像を生成(再構成)したり、所定の画像処理を行ったりすることができる。制御部210は、撮像に関する撮像情報や撮像予定時間等を、情報処理装置300やRIS11、PACS12、HIS13等に送ることができる。ここで、撮像情報には、例えば、撮像を行った時間を示す撮像実行時間、撮像した撮像画像、例えば放射線量や発生源に加えた電圧量等を示す撮像に関する指標、及び撮像部位を示す情報等が含まれてよい。なお、撮像情報に含まれる、撮像に関する指標や撮像部位の情報は、検査について予め設定された情報であってもよいし、実際に行った検査に係る情報であってもよい。また、制御部210は、注入装置100や情報処理装置300との時間の同期を行うために同期信号等を注入装置100や情報処理装置300とやり取りしてもよい。
【0025】
また、制御部210は、注入装置100から取得した注入情報や撮像部位、患者の生体情報等に基づいて撮像予定時間を算出する。例えば、制御部210は、撮像部位におけるCT値が、造影画像に必要な400HU前後、例えば350HUから450HUの間の値となる注入開始からの撮像予定時間を算出する。制御部210は、公知の任意の造影剤シミュレータを用いて撮像予定時間を算出してもよいし、注入プロトコルに基づいて行われたテストインジェクション等の結果を用いて撮像予定時間を算出してもよい。さらに、制御部210は、ボーラストラッキング法等を用いて撮像予定時間を算出してもよい。なお、撮像予定時間を算出する際の目標となる画素値(CT値)等は所望の構成に応じて適宜変更されてよい。
【0026】
撮像部220は、撮像装置200の種類に応じた、被検者を撮像する部材を用いて構成されてよい。撮像部220は、例えば、被検者の撮像に用いられる放射線や、磁気、超音波等を発生させる発生器、及び放射線や核磁気共鳴信号、超音波等を検出する検出器を用いて構成されてよい。なお、PET装置等では、撮像部220は発生器を用いずに構成されてよい。また、超音波診断装置では、発生器及び検出器として振動子を用いてよい。本実施例では、放射線発生器及び放射線検出器を用いて撮像部220を構成する。撮像部220は、制御部210による制御に従い、被検者の撮像を行い、検出した放射線や超音波等に応じた撮像データを制御部210や記憶部250に出力することができる。ここで、撮像部220は、撮像条件に応じて、撮像データとして被検者の3次元のデータ又は2次元のデータを得ることができる。
【0027】
入力部230は、例えば、ボタンやマウス、キーボード、タッチパネル等の任意の入力装置を用いて構成されることができる。操作者は、入力部230を用いることで、撮像装置200に対し、検査のための撮像のタイミングや放射線量等について指示を入力することができる。
【0028】
表示部240は、任意のモニタを用いて構成されてよく、制御部210による制御に従い、生成された画像や、撮像に関する撮像情報、患者情報、警告等を表示することができる。なお、表示部240をタッチパネル式ディスプレイとして構成し、入力部230及び表示部240を一体的に構成してもよい。
【0029】
記憶部250は、撮像装置200における各種機能を実現するためのプログラム、撮像を実行した時間を示す撮像実行時間、例えば放射線量や発生器に加えた電圧量等の撮像に関する指標、及び患者情報等を記憶することができる。記憶部250は、任意のメモリや光学ディスク、記憶媒体を用いて構成されてよい。
【0030】
なお、制御部210は、CPUやMPU、GPU等のプロセッサとメモリを含む任意のコンピュータを用いて構成されてよい。さらに、制御部210の各種機能はプロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールとして実現されてよい。また、制御部210の各種機能は、FPGAやASIC等の回路を用いて実現されてもよい。
【0031】
情報処理装置300は、撮像情報に基づいて造影の成否の判断を行い、注入情報、撮像予定時間、撮像情報、及び造影の成否判断の結果を示す検査結果画面を生成する。特に、本実施例では、情報処理装置300は、撮像情報に含まれる撮像画像に基づいて造影の成否の判断を行う。情報処理装置300には、制御部310、入力部320、表示部330、及び記憶部340が設けられている。
【0032】
制御部310は、入力部320からの信号や、注入情報、撮像予定時間、撮像情報等に応じて、造影の成否判断の結果を示す検査結果画像を生成する。また、制御部310は、注入装置100や撮像装置200との時間の同期を行うために同期信号等を注入装置100や撮像装置200とやり取りしてもよい。制御部310には、取得部311、判断部312、生成部313、及び出力部314が設けられている。
【0033】
取得部311は、注入した薬剤の情報や実行した注入プロトコル等を含む注入情報を注入装置100から取得する。また、取得部311は、撮像した撮像画像及び撮像実行時間等の実行した撮像に関する撮像情報及び撮像予定時間を撮像装置200から取得する。なお、本実施例では、取得部311が注入情報及び撮像情報等を注入装置100及び撮像装置200から取得する構成について説明するが、取得部311はこれらの情報をRIS11、PACS12、HIS13、又はその他の情報処理装置等から取得してもよい。
【0034】
また、取得部311は、操作者による入力部320の操作に応じて、注入プロトコル等の注入情報や、撮像実行時間等の撮像情報、撮像予定時間を取得してもよい。さらに、取得部311は、不図示のマイクやカメラ等を用いて注入装置100や撮像装置200の動作音や画像等のこれら装置の動作情報を取得し、取得した動作情報に基づいて、注入タイミングや撮像実行時間についての情報を取得してもよい。この場合、マイクやカメラ等は情報処理装置300から離れて配置されてもよく、例えば、動作情報が取得される装置と同じ部屋に配置されてよい。
【0035】
なお、取得される薬液や注入プロトコル等の注入情報及び撮像に関する指標等の撮像情報は、検査について予め設定された情報であってもよいし、実際に行った検査に係る情報であってもよい。また、取得部311は、検査について予め設定された情報及び実際に行った検査に係る情報の両方を取得してもよい。
【0036】
判断部312は、取得部311によって取得された撮像情報に含まれる撮像画像に基づいて造影の成否を判断する。より具体的には、本実施例では、判断部312は、被検者の撮像画像に基づく代表的な2次元画像について、操作者の指示に応じた画素位置における画素値が所定の範囲内の値であるか否かを判断する。判断部312は、当該画素値が所定の範囲内の値である場合には造影が成功したと判断し、当該画素値が所定の範囲内の値でない場合には造影が失敗したと判断する。
【0037】
ただし、造影の成否の判断方法はこれに限られない。例えば、判断部312は、3次元の撮像画像に含まれる任意の2次元画像に基づいて判断を行ってもよいし、撮像された2次元の撮像画像に基づいて判断を行ってもよい。
【0038】
また、判断に用いる画素値の画素位置は、所定の画素位置であってもよいし、複数の画素位置であってもよい。複数の画素位置の画素値を用いる場合には、判断部312は、それぞれの画素値が所定の範囲内の値であるか否かを判断してもよいし、複数の画素位置の画素値の中央値や平均値等が所定の範囲内の値であるか否かを判断してもよい。
【0039】
生成部313は、3次元の撮像画像を所定の範囲で投影して、上記代表的な2次元画像を生成する。代表的な2次元画像の生成方法としては、例えば、最大値投影法や平均値投影法が用いられてもよいし、所定の範囲におけるデータの中央値を代表値とする投影法を用いてもよい。また、代表的な2次元画像は、3次元の撮像画像を所定の範囲で積算して生成されてもよい。
【0040】
また、生成部313は、注入情報と、撮像予定時間と、撮像画像を含む撮像情報と、判断部312による判断の結果とを示す検査結果画面を生成する。検査結果画面の詳細については後述する。
【0041】
出力部314は、生成部313によって生成された検査結果画面を出力する。例えば、出力部314は、検査結果画面を表示部330に表示させる。この場合、出力部314は、表示部330の表示を制御する表示制御部の一例として機能する。また、出力部314は、検査結果画面をRIS11やPACS12、HIS13、注入装置100、撮像装置200等の他の装置に出力してもよいし、サーバ等の任意の記憶装置に出力してもよい。また、出力部314は、検査結果画面を記憶部340に出力してもよい。
【0042】
入力部320は、例えば、ボタンやマウス、キーボード、タッチパネル等の任意の入力装置を用いて構成されることができる。操作者は、入力部320を用いることで、情報処理装置300へ指示を入力することができる。
【0043】
表示部330は、任意のモニタを用いて構成されてよく、制御部310による制御に従い、生成された検査結果画面や、撮像に関する撮像情報、患者情報、警告等を表示することができる。なお、表示部330をタッチパネル式ディスプレイとして構成し、入力部320及び表示部330を一体的に構成してもよい。
【0044】
記憶部340は、情報処理装置300における各種機能を実現するためのプログラム、生成した検査結果画像や代表的な2次元画像、判断部312による判断結果等を記憶することができる。記憶部340は、任意のメモリや光学ディスク、記憶媒体を用いて構成されてよい。
【0045】
なお、制御部310は、CPUやMPU、GPU等のプロセッサとメモリを含む任意のコンピュータを用いて構成されてよい。さらに、制御部310の各種機能はプロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールとして実現されてよい。また、制御部310の各種機能は、FPGAやASIC等の回路を用いて実現されてもよい。情報処理装置300は、例えば、注入情報等に基づいて検査結果画面を生成するサーバとして構成されてもよいし、ワークステーション等として構成されてもよい。
【0046】
次に、図2を参照して、本実施例に係る一連の処理について説明する。図2は、本実施例に係る一連の処理のフローチャートである。本実施例に係る一連の処理が開始されると、処理はステップS210に移行する。
【0047】
ステップS210では、取得部311が、注入装置100から注入情報を取得し、撮像装置200から撮像情報及び撮像予定時間を取得する。ただし、取得部311は、これらをRIS11、PACS12、又はHIS13等から取得してもよい。
【0048】
ステップS220では、判断部312が、取得部311によって得られた撮像情報に含まれる撮像画像に基づいて、造影の成否の判断を行う。本実施例では、生成部313が、3次元の撮像画像を所定の範囲で投影して代表的な2次元画像を生成する。判断部312は、生成された2次元画像に関し、操作者の指示に応じた画素位置における画素値が所定の範囲内の値であるか否かを判断する。
【0049】
より具体的には、本実施例では、判断部312は、当該画素値(CT値)が400HU前後、例えば350HUから450HUの間の値であるか否かを判断する。ただし、当該範囲は、所望の構成や撮像手技に応じて任意に設定されてよい。また、当該範囲は、例えば、撮像部位や被検者毎に設定されてもよい。判断部312は、当該画素値が所定の範囲内の値である場合には造影が成功したと判断し、当該画素値が所定の範囲内の値でない場合には造影が失敗したと判断する。
【0050】
なお、造影の成否の判断は、撮像画像に含まれる撮像部位や撮像部位の構造毎に行われてもよい。例えば、被検者の心臓を撮像部位として検査する場合には、撮像画像に含まれる、右心房、左心房、及び大動脈弁等についてそれぞれ造影の成否の判断が行われてもよい。この場合、判断に用いる撮像画像は、撮像部位や撮像部位の構造毎に抽出した画像であってもよい。
【0051】
ステップS230では、生成部313が、注入情報、撮像予定時間、撮像画像を含む撮像情報、及び判断部312による判断の結果を示す検査結果画面400Aを生成する。図3は、本実施例に係る検査結果画面400Aの一例を示している。
【0052】
図3に示すように、検査結果画面400Aには、患者や検査に関する検査情報410と、薬液の注入に関する注入情報420と、撮像に関する撮像情報430と、注入情報に基づく撮像予定時間440が示されている。また、検査結果画面400Aには、撮像画像や判断部312による判断結果を含む検査結果450が示されている。
【0053】
検査情報410には、患者名と、患者の性別、年齢、身長及び体重等の生体情報と、患者識別情報(ID)と、検査日等が含まれる。なお、上記検査情報は一例であり、例えば、他の生体情報や、検査識別情報、施設名、検査室名、使用デバイス識別情報、検査担当者の識別番号等を含んでもよい。また、検査情報は、HIS13等から取得されたものであってもよいし、検査時に操作者又は検査情報に対応する測定装置等によって注入装置100、撮像装置200、又は情報処理装置300等に入力されたものであってもよい。
【0054】
注入情報420には、薬剤の名称や濃度等の薬液の情報、薬液の注入速度や注入量等の注入プロトコル等が含まれる。本実施例では、注入情報420には、造影剤の情報421、生理食塩水の情報422、及びヨード量423が含まれている。また、注入情報420には、注入時の生体情報が含まれてもよく、本実施例では心拍数424が含まれている。さらに、注入情報420には、例えば、造影剤の名称(製品名)や濃度等を含む薬液の情報425、薬液の漏れの有無を示す情報426、及び薬液についての副作用の情報427等が含まれてよい。副作用の情報427は、薬液毎に知られた副作用の情報を示してもよいし、検査において患者に生じた副作用の情報を示してもよい。
【0055】
なお、上記注入情報は一例であり、例えば、造影剤や生理食塩水の識別情報、使用デバイスの識別情報、及び他の生体情報等を含んでもよい。また、これらの情報は、取得部311によって、例えば、RIS11やHIS13等から取得されてもよい。さらに、薬液の漏れの有無を示す情報426は、取得部311によって、注入装置100やRIS11、HIS13等から取得されてよい。また、取得部311は、これらの情報を、操作者の操作に応じて入力部320から取得してもよい。
【0056】
造影剤の情報421には、造影剤の注入速度及び注入量が含まれている。なお、造影剤の情報421には、例えば、薬液の情報425に含まれる造影剤の名称や濃度、ヨード量423、及び造影剤の識別情報等の造影剤に関する他の情報等が含まれてもよい。ここで、ヨード量423は、被検者に注入されるヨード量又は薬液のヨード量を示してよい。被検者に注入されるヨード量は、例えば、被検者の体重及び時間あたりのヨード量(mgI/kg/sec)、又は被検者の体重あたりのヨード量(mgI/kg)等として示されてよい。また、生理食塩水の情報422には、生理食塩水の注入速度及び注入量が含まれている。
【0057】
撮像情報430には、実効線量431、管球電圧(kVp)432、及び撮像部位を示す部位画像(撮像部位の情報)433等が含まれる。また、撮像情報430には、撮像実行開始時刻に対応する曝射開始時刻434、撮像実行終了時刻に対応する曝射終了時刻435、及び撮像実行時間436等が含まれる。
【0058】
実効線量431は、検査に用いられた新規の実効線量(被曝量)、及び当該検査までに行われた過去の検査での実効線量を含む累計の実効線量を示す。ここで、実効線量431は、検査に用いられた新規の実効線量のみを示してもよい。また、実効線量431は、患者に対する被曝結果を示してもよく、新規及び累計の被曝結果の少なくとも一方を示してもよい。なお、実効線量を示す指標としては、所望の構成に応じて公知の任意の指標を用いてよい。例えば、線量を示す指標は、DLP(Dose Length Product)や、CTDI(Computed Tomography Dose Index)、CTDIvol(volume CTDI)、CTDIw(weighted CTDI)等であってよい。また、線量を示す指標は、SSDE(Size-Specific Dose Estimates)や、DAP(Dose Area Product)、透視時間、基準点線量、入射皮膚ピーク線量、EI(Exposure Index)、平均乳線量等であってもよい。
【0059】
ここで、実効線量431及び管球電圧432は、撮像に関する指標の例である。検査結果画面400Aに表示される当該指標は、実効線量431及び管球電圧432に限られず、検査に用いる撮像手法に応じたものであればよい。当該指標は、例えば、電流時間積(mAs)や、体重あたりの線量分布、部位毎の被曝線量、DRL(Diagnostic Reference Level)等の基準との比較結果等であってもよい。同様に、曝射開始時刻434及び曝射終了時刻435は、実行された撮像の開始時刻及び終了時刻の例であり、それぞれ、検査に用いる撮像手法に応じた開始時刻及び終了時刻であればよい。
【0060】
なお、部位画像433は、撮像部位を模式的に示す画像であってもよいし、実際に取得された撮像画像等であってよい。また、部位画像433は、撮像実行時間436に沿って各時刻で撮像された箇所を示してもよいし、単純に撮像が行われた部位を示してもよい。なお、上記撮像情報は一例であり、例えば、使用デバイスの識別情報等を含んでもよい。
【0061】
本実施例では、撮像実行時間436はバーで示され、曝射開始時刻434及び曝射終了時刻435は当該バーの始端及び終端で示されている。ただし、撮像実行時間436、曝射開始時刻434、及び曝射終了時刻435の表示態様はこれに限られず、所望の構成に応じて任意に変更されてよい。例えば、曝射開始時刻434及び曝射終了時刻435は、下記撮像予定時間の開始時刻441や終了時刻442と同様に、数字等で表示されてもよい。
【0062】
撮像予定時間440は、例えば、注入プロトコル等の注入情報に基づいて設定された撮像予定時間を撮像実行時間436のバーに沿って示す。本実施例では、撮像予定時間440には、撮像予定時間の開始時刻441、撮像予定時間の終了時刻442、及び撮像部位におけるCT値(画素値)がピークに達するピーク予定時刻443が含まれる。撮像予定時間は、上記のように、公知の任意の造影剤シミュレータを用いて算出されてもよいし、注入プロトコルに基づいて行われたテストインジェクション等の結果やボーラストラッキング法等を用いて算出されてもよい。
【0063】
なお、撮像予定時間440は、撮像予定時間を撮像実行時間436のバーに沿う態様に限られず、撮像実行時間436と対比し易い他の態様で示されてもよい。また、本実施例では、撮像予定時間の開始時刻441、撮像予定時間の終了時刻442、及びピーク予定時刻443は、注入開始時刻を基準時刻(0秒)とした場合の各時刻を示しているが、各時刻の基準は所望の構成に応じて任意に変更されてよい。
【0064】
検査結果450には、撮像画像として代表的な画像である2次元画像451、及びステップS220における判断結果452が含まれている。2次元画像451は、ステップS220で生成された2次元画像であってよい。判断結果452としては、ステップS220での判断結果に応じて、造影が成功したと判断された場合にはGOOD等、造影が失敗したと判断された場合にはBAD等が表示されてよい。また、検査結果450には、ステップS220における判断に用いられた画素値453が示されてもよい。この場合には、操作者は、2次元画像451及び画素値453に基づいて、判断結果452が適当か否かを判断することができる。言い換えると、2次元画像451及び画素値453は、判断結果452が適当か否かに関する操作者の判断を支援できる。なお、上記検査結果は一例であり、例えば、2次元画像の投影方法や判断に用いた画素の位置等を含んでもよい。
【0065】
また、検査結果450に示される画像は、判断部312による判断に用いられた2次元画像でなくてもよい。例えば、当該画像は、複数のスライス画像を含む被検者の3次元の撮像画像に対して所定のレンダリング処理を行った画像であってもよいし、3次元の撮像画像に含まれる任意のスライス画像であってもよい。また、当該画像は、例えば、判断部312による判断に用いられた2次元画像とは別に、3次元の撮像画像から生成された2次元画像等であってもよい。さらに、当該画像は、例えば、被検者の3次元の撮像画像から血管等の注目領域を抽出して描画した画像であってもよい。
【0066】
ステップS240では、出力部314が、ステップS230で生成された検査結果画面400Aを出力する。例えば、出力部314は、検査結果画面400Aを表示部330に表示させる。また、出力部314は、検査結果画面400AをRIS11やPACS12、HIS13、注入装置100、撮像装置200等の他の装置に出力してもよいし、サーバ等の任意の記憶装置に出力してもよい。また、出力部314は、検査結果画面を記憶部340に出力してもよい。
【0067】
上記のように、本実施例に係る検査システム10は、情報処理装置300と、薬液を被検者に注入する注入装置100と、被検者の撮像を行う撮像装置200とを備える。情報処理装置300は、取得部311と、判断部312と、生成部313とを備える。取得部311は、薬液の注入に関する注入情報、撮像が予定された撮像予定時間、及び撮像に関する撮像情報を取得する。判断部312は、撮像情報に基づいて造影の成否の判断を行う。生成部313は、注入情報、撮像予定時間、撮像情報、及び判断部312による判断の結果を示す検査結果画面400Aを生成する。
【0068】
また、本実施例では、注入情報は、薬液の情報、及び注入プロトコルを含み、撮像情報は、撮像が実行された撮像実行時間、及び撮像された撮像画像を含む。判断部312は、撮像情報に含まれる3次元の撮像画像を用いて生成された2次元画像の画素値に基づいて造影の成否の判断を行う。ここで、生成される2次元画像は、3次元の撮像画像を所定の範囲で投影して生成した2次元画像とすることができる。また、生成される画面に示される撮像画像は、当該2次元画像とすることができる。
【0069】
さらに、情報処理装置300は、生成した画面を他の装置に出力する出力部314を更に備える。ここで、出力部314は、生成した画面を表示部330に表示させる表示制御部として機能することができる。さらに、検査システム10は、放射線科情報システム(RIS)11、画像保存通信システム(PACS)12、及び病院情報システム(HIS)13の少なくとも一つを更に備える。情報処理装置300の出力部314は、生成した画面をRIS11、PACS12、及びHIS13の少なくとも一つに出力することができる。
【0070】
このような構成を有することから、本実施例に係る検査システムは、薬液の注入及び撮像に関する情報と、撮像画像と、造影の成否の判断結果とを一括して示す検査結果画面400Aを生成できる。これにより、検査システム10は、造影の成否及び実行された撮像に関する情報を効率的に提示することができる。このため、本実施例に係る検査システムを用いることで、造影の成否の判断及び失敗した場合の原因の特定を効率的に行うことができる。
【0071】
また、出力部314によって、生成された検査結果画面400Aを記憶装置等に出力することで、実行された検査についての情報及び検査結果を効率的に蓄積することができる。ここで、一般的に造影に失敗した検査の情報や検査結果は不要なものと見なされ、削除されることが多い。しかしながら、将来的な検査における造影の成功率の向上等の観点から、造影に失敗した検査の情報や検査結果は、注入や撮像のプロトコルの検証等に有用である。そのため、出力部314によって、生成された検査結果画面400Aを記憶装置等に自動的に出力することで、注入や撮像のプロトコルの検証等に有用な情報を効率的に蓄積することができる。ここで、記憶装置は、例えば、情報処理装置300の記憶部340等に含まれる記憶装置や、注入装置100、撮像装置200、RIS11、PACS12、HIS13、及びクラウドサーバ等の任意のサーバに含まれる記憶装置であってよい。
【0072】
さらに、本実施例では、判断部312による判断は、生成部313によって生成された代表的な2次元画像に基づいて行われたが、当該判断に用いる情報はこれに限られない。判断部312は、例えば、被検者の3次元の撮像画像に基づいて当該判断を行ってもよい。なお、判断部312が複数のデータ(例えば、複数の画素位置の画素値)に基づいて当該判断を行う場合は、複数のデータのそれぞれと閾値となる所定の値を比較してもよいし、複数のデータの平均値や中央値と所定の値を比較してもよい。
【0073】
また、判断部312は、これら判断に加えて又は替えて、例えば、撮像予定時間440と撮像実行時間436を比較して、造影の成否の判断を行ってもよい。例えば、判断部312は、撮像予定時間440と撮像実行時間436のずれが、所定の閾値以下であれば造影が成功したと判断し、所定の閾値よりも大きければ造影が失敗したと判断してよい。この場合、判断結果452は、当該撮像のタイミングに基づく判断結果を示してよい。なお、判断部312が、上述した画素値(撮像画像)に基づく判断と当該撮像のタイミングに基づく判断の両方を行う場合には、判断結果452は、例えば、いずれかの判断で失敗と判断された場合には失敗を示してよい。また、上述した画素値(撮像画像)に基づく判断と当該撮像のタイミングに基づく判断の両方を行う場合には、判断結果452は、例えば、それぞれの判断についての判断結果を示してもよい。
【0074】
なお、検査結果画面400Aは、操作者によって修正可能なように構成されてもよい。例えば、操作者は、検査結果450に含まれる画素値453に基づいて、判断部312による判断結果452を修正してもよいし、2次元画像451を見た医療従事者等の操作者が経験や直感に基づいて判断結果452を修正してもよい。この場合、出力部314は、修正前の検査結果画面に切り替えて修正後の検査結果画面を表示部330に表示させてよい。また、出力部314は、修正前の検査結果画面に加えて修正後の検査結果画面をRIS11等に出力してもよい。
【0075】
また、検査システム10は、操作者によって検査結果画面400Aにおける各種情報が選択された場合に、検査結果画面400Aを当該選択された情報の詳細を示す画面に切り替えるように構成されてもよい。例えば、検査システム10は、操作者によって2次元画像451が選択されると、検査結果画面400Aを、2次元画像451の拡大画像や2次元画像451に関する3次元の撮像画像、及び判断に用いた画素の位置等を示す画面に切り替えるように構成されてよい。また、検査結果画面400Aは、自動的に表示部330に表示されてもよいし、操作者の指示に応じて表示されてもよい。例えば、出力部314は、検査結果450や判断結果452が示されていない画面を表示部330に表示させ、クリック等の操作者の指示に応じて検査結果画面400Aを表示部330に表示させてもよい。また、出力部314は、検査結果画面400Aを表示させる際に、不図示のスピーカ等から音声を出力して操作者が検査結果画面400Aの表示に気づき易くしてもよい。
【0076】
さらに、本実施例では、検査結果画面400Aに示される注入情報420及び撮像情報430は、実際に行われた検査に係る情報とした。これに対して、検査について予め設定された注入情報420や撮像情報430を検査結果画面400Aに示してもよい。例えば、注入情報に関して、実際に行われた検査での薬液の注入速度や注入量は、周辺環境や機器の状況等から、設定された注入速度や注入量と異なる場合がある。このため、検査結果画面400Aに示す注入情報420及び撮像情報430として、予め設定された情報か実際に行われた検査に係る情報かを区別して示してもよい。この場合、任意のボタン等により、検査結果画面400Aに示される情報を、検査について予め設定された情報と、実際に行われた検査に係る情報とで切り替えられるように、情報処理装置300を構成してもよい。
【0077】
なお、本実施例では、情報処理装置300は、造影の成否を示す検査結果画面400Aを生成する装置としたが、情報処理装置300による処理はこれに限られない。例えば、情報処理装置300は、注入装置100や撮像装置200の動作を制御してもよい。この場合、情報処理装置300は、例えば、入力部320を介して入力された注入情報や撮像情報を注入装置100や撮像装置200に入力し、これら装置の動作を制御してもよい。
【0078】
また、本実施例では、撮像予定時間を撮像装置200の制御部210により算出し、取得部311が撮像装置200から撮像予定時間を取得した。これに対して、情報処理装置300の制御部310が注入情報や目標とする画素値(CT値)、患者の生体情報等に基づいて撮像予定時間を算出し、取得してもよい。この場合、制御部310は、撮像予定時間を、公知の任意の造影剤シミュレータを用いて算出してもよいし、注入プロトコルに基づいて行われたテストインジェクション等の結果を用いて算出してもよい。さらに、制御部310は、ボーラストラッキング法等を用いて撮像予定時間を算出してもよい。この場合、算出された撮像予定時間は、検査の際に撮像装置200に送られてもよい。
【0079】
なお、撮像予定時間は、注入装置100の制御部110や他の情報処理装置によって、上述のような手法で算出され、撮像装置200や情報処理装置300等に送られてもよい。また、撮像予定時間の算出に用いる患者の生体情報は、HIS13等から取得されることができる。また、より患者の状況に即した撮像予定時間を算出するために、操作者又は生体情報に対応する測定装置等によって撮像装置200等に入力された検査時の患者の生体情報を取得することもできる。
【0080】
また、本実施例では、薬液の情報、注入プロトコル、注入タイミング、及び薬液の副作用の情報等の注入情報は操作者によって入力部320を介して注入装置100に入力されてよい。ただし、撮像装置200の制御部210により、薬液の情報や患者の情報に基づいて注入速度及び注入量を含む注入プロトコル等の注入条件を算出し、注入装置100に送ってもよい。制御部210は、例えば、撮像部位におけるCT値が、造影画像に必要な400HU前後、例えば350HUから450HUの間の値となり、そのCT値の持続時間が所定の時間となるような注入条件を公知の任意の造影剤シミュレータを用いて算出してよい。
【0081】
なお、同様の手法を用いて、注入装置100の制御部110が、注入速度及び注入量を含む注入プロトコル等の注入条件を算出してもよい。また、同様の手法を用いて、情報処理装置300の制御部310やその他の情報処理装置等が、注入速度及び注入量を含む注入プロトコル等の注入条件を算出して注入装置100に送ってもよい。なお、注入条件の算出に用いる患者の生体情報は、HIS13等から取得されることができる。また、より患者の状況に即した注入条件を算出するために、操作者又は生体情報に対応する測定装置等によって注入装置100等に入力された検査時の患者の生体情報を取得することもできる。
【0082】
また、本実施例では、情報処理装置300を、注入装置100や撮像装置200とは別個の装置として構成した。しかしながら、情報処理装置300は、注入装置100や撮像装置200によって構成されてもよい。具体的には、情報処理装置300の制御部310を注入装置100の制御部110や撮像装置200の制御部210により構成することで、上述した情報処理装置300の各種機能を注入装置100や撮像装置200により実行することができる。
【0083】
(変形例1)
図3に示す検査結果画面400Aにおける各種情報の配置は一例であり、実施例1に係る検査結果画面400Aにおける各種情報の配置は、所望の構成に応じて任意に変更されてよい。また、所望の構成に応じて、検査結果画面400Aに配置された各種情報の一部を省略したり、他の情報を追加したりしてもよい。
【0084】
ここで、図4を用いて本発明の変形例1に係る検査結果画面400Bについて説明する。図4は、本変形例に係る検査結果画面400Bの一例を示す。なお、本変形例に係る検査システムの構成は実施例1に係る検査システムの構成と同様の構成であるため、同じ参照符号を用いて説明を省略する。また、本変形例に係る一連の処理も、実施例1に係る一連の処理と同様であるため、説明を省略する。さらに、本変形例において、実施例1に係る検査結果画面400Aにおける各種情報と同様の情報については同じ参照符号を用いて説明を省略する。以下、本変形例に係る検査結果画面400Bについて、実施例1に係る検査結果画面400Aとの違いを中心に説明する。
【0085】
本変形例に係る検査結果画面400Bでは、撮像情報430及び撮像予定時間440が注入情報420の下側に配置され、検査結果450が注入情報420、撮像情報430、及び撮像予定時間440の右側に配置されている。また、検査結果画面400Bでは、実施例1に係る検査結果画面400Aにおいて薬液の情報425として記載されていた造影剤名及び濃度の情報が造影剤の情報421に含まれている。さらに、検査結果画面400Bでは、注入情報420、撮像情報430、撮像予定時間440及び検査結果450に加えて、備考情報460が示されている。
【0086】
備考情報460には、例えば、薬液の漏れの有無を示す情報461、及び薬液についての副作用の情報462等が含まれる。副作用の情報462は、実施例1に係る副作用の情報427と同様に、薬液毎に知られた副作用の情報を示してもよいし、検査において患者に生じた副作用の情報を示してもよい。薬液についての副作用の情報462は、取得部311によって、例えば、RIS11やHIS13等から取得されてよい。また、薬液の漏れの有無を示す情報461は、取得部311によって、注入装置100やRIS11、HIS13等から取得されてよい。また、取得部311は、これらの情報を、操作者の操作に応じて入力部320から取得してもよい。なお、上記備考情報は一例であり、例えば、患者の疾病や疾病の進行具合等を含んでもよい。
【0087】
本変形例では、検査結果画面400Aとは各種情報の配置が異なる検査結果画面400Bについて説明した。このような検査結果画面400Bを用いた場合であっても、薬液の注入及び撮像に関する情報と、撮像画像と、造影の成否の判断結果とを一括して示すことができる。このため、本変形例に係る検査システムを用いることでも、造影の成否の判断及び失敗した場合の原因の特定を効率的に行うことができる。なお、実施例1において説明した各種構成の変更は、本変形例についても適宜適用されることができる。
【0088】
(実施例2)
本発明の実施例2に係る検査システムでは、薬液の注入及び撮像に関する情報と、撮像予定時間と、撮像画像と、造影の成否の判断結果とを一括して示すとともに、注入タイミング、撮像予定時間及び撮像実行時間を同じ時間軸に沿って示す検査結果画面を生成する。以下、図5を用いて、本実施例に係る検査結果画面500について説明する。図5は、本実施例に係る検査結果画面500の一例を示す。
【0089】
なお、本実施例に係る検査システムの構成は実施例1及び変形例1に係る検査システムの構成と同様の構成であるため、同じ参照符号を用いて説明を省略する。また、本実施例に係る一連の処理も、実施例1及び変形例1に係る一連の処理と同様であるため、説明を省略する。さらに、本実施例において、変形例1に係る検査結果画面400Bにおける各種情報と同様の情報については同じ参照符号を用いて説明を省略する。以下、本実施例に係る検査結果画面500について、変形例1に係る検査結果画面400Bとの違いを中心に説明する。
【0090】
本実施例に係る注入情報には、上述した注入された薬液の情報等に加えて、注入タイミングが含まれ、取得部311は注入装置100から注入タイミングを含む注入情報を取得する。本明細書では、注入プロトコルと注入タイミングを分けて記載するが、注入タイミングは注入プロトコルに含まれてもよい。なお、本実施例に係る注入情報も、検査について予め設定された注入情報であってもよいし、実際に行われた検査に係る注入情報であってもよいし、これら両方の情報を含んでもよい。
【0091】
また、本実施例に係る生成部313は、注入情報と、撮像予定時間と、撮像画像を含む撮像情報と、判断部312による判断の結果とを示す検査結果画面を生成する。特に、本実施例に係る生成部313は、注入タイミング、撮像予定時間、及び撮像実行時間を同じ時間軸に沿って示す検査結果画面500を生成する。図5に示すように、検査結果画面500には、検査情報410、注入情報520、撮像情報530、撮像予定時間540、検査結果450、及び備考情報460が示されている。
【0092】
注入情報520には、薬剤の名称や濃度等の薬液の情報、薬液の注入速度や注入量等の注入プロトコルに加えて、注入タイミングが含まれる。本実施例に係る注入情報520には、造影剤の情報521、生理食塩水の情報522、ヨード量423、心拍数424が含まれている。また、本実施例に係る注入情報520には、造影剤の注入開始時刻525、造影剤の注入終了時刻及び生理食塩水の注入開始時刻526、並びに生理食塩水の注入終了時刻527が更に含まれている。なお、上記注入情報は一例であり、例えば、造影剤や生理食塩水の識別情報、使用デバイスの識別情報、及び他の生体情報等を含んでもよい。
【0093】
本実施例においては、視覚的に理解しやすいように、造影剤の情報521及び生理食塩水の情報522は、縦軸が注入速度を示し横軸が時間を示すグラフにおいて、矩形の領域として示されている。このため、造影剤の情報521及び生理食塩水の情報522は薬液の注入タイミングを横軸(時間軸)に沿って示すことができる。なお、当該表示形態は一例であり、例えば、面グラフやその他のグラフ等を用いて造影剤の情報521及び生理食塩水の情報522を示してよい。また、造影剤の注入開始時刻525、造影剤の注入終了時刻及び生理食塩水の注入開始時刻526、並びに生理食塩水の注入終了時刻527は、時間軸上の各時刻を示す。ここで、本実施例では、造影剤の注入開始時刻525を基準時刻(0sec)としているが、他の任意の時刻を基準時刻としてもよい。
【0094】
撮像情報530では、撮像実行時間536を示すバーの始端及び終端により曝射開始時刻534及び曝射終了時刻535が示されている。本実施例では、撮像実行時間536は、実際に撮像が行われた時間を、注入タイミングが示された時間軸に沿って示し、曝射開始時刻534及び曝射終了時刻535は、注入タイミングが示された時間軸に沿った各時刻を示す。なお、本実施例では、実効線量531として、検査に用いられた新規の実効線量531のみ示している。しかしながら、実効線量531の記載はこれに限られず、図3及び図4に示すように、新規の実効線量及び当該検査までに行われた過去の検査での実効線量を含む累計の実効線量を示してもよい。
【0095】
撮像予定時間540は、例えば注入プロトコル等の注入情報に基づいて設定された撮像予定時間を、注入タイミング及び撮像実行時間が示された時間軸に沿って示す。本実施例では、撮像予定時間540には、撮像予定時間の開始時刻541、撮像予定時間の終了時刻542、及び撮像部位におけるCT値(画素値)がピークに達するピーク予定時刻543が含まれる。撮像予定時間は、上記のように、公知の任意の造影剤シミュレータを用いて算出されてもよいし、注入プロトコルに基づいて行われたテストインジェクション等の結果やボーラストラッキング法等を用いて算出されてもよい。
【0096】
上記のように、本実施例に係る検査システム10では、注入情報は注入タイミングを更に含む。さらに、生成部313は、検査結果画面500として、注入タイミング、撮像予定時間、及び撮像実行時間を同じ時間軸に沿って示す画面を生成する。
【0097】
このような構成を有するため、本実施例に係る検査システム10は、造影の成否及び実行された撮像に関する情報を効率的に提示することができる。特に、本実施例に係る検査結果画面500では、注入タイミング、撮像予定時間、及び撮像実行時間が同じ時間軸に沿って示されるため、薬液の注入に対して撮像が適切に実行されたか否かを視覚的に把握し易くすることができる。
【0098】
また、本実施例に係る検査結果画面500でも、薬液の注入及び撮像に関する情報と、撮像画像と、造影の成否の判断結果とを一括して示すことができる。このため、本実施例に係る検査システムを用いる場合にも、造影の成否の判断及び失敗した場合の原因の特定を効率的に行うことができる。なお、実施例1において説明した各種構成の変更は、本実施例についても適宜適用されることができる。
【0099】
なお、本実施例では、生理食塩水の注入時間内に撮像が行われる例を示したが、撮像が行われるべきタイミングは、撮像する部位や範囲、注入プロトコル、患者の状態等によって異なる。このため、造影剤や生理食塩水の注入タイミングから撮像予定時間までの時間が空くことがある。この場合には、生成部313が、造影剤や生理食塩水の注入タイミングの後から撮像予定時間の前までの時間等を中略して表示してもよい。また、時間軸の長さは、造影剤や生理食塩水の注入タイミング及び撮像予定時間等に応じて適宜変更されてもよい。
【0100】
(変形例2)
上記実施例及び変形例では、出力部314は、生成した画面を注入装置100や撮像装置200等の任意の装置に出力した。これに対して、本発明の変形例2では、出力部は、生成した画面から被検者の個人情報を削除した画面を記憶装置に出力する。
【0101】
なお、本変形例に係る検査システムの構成は、実施例1及び2並びに変形例1に係る検査システムの構成と同様の構成であるため、同じ参照符号を用いて説明を省略する。また、本実施例に係る一連の処理も、実施例1及び2並びに変形例1に係る一連の処理と同様であるため、説明を省略する。以下、本変形例に係る検査システムについて、実施例1に係る検査システムとの違いを中心に説明する。
【0102】
上述のように、撮像装置を含む医療用の検査システムでは、将来的な検査における造影の成功率の向上等の観点から、造影に失敗した検査の情報や検査結果は注入や撮像のプロトコルの検証等に有用である。しかしながら、個人情報の保護の観点からは、蓄積されるデータに個人情報が含まれることは好ましくない。そこで、本変形例では、検査結果画面400A,400B,500から被検者の個人情報を削除した画面を記憶装置に出力し、蓄積させる。ここで、記憶装置は、例えば、情報処理装置300の記憶部340等に含まれる記憶装置や、注入装置100、撮像装置200、RIS11、PACS12、HIS13、及びクラウドサーバ等の任意のサーバに含まれる記憶装置であってよい。
【0103】
本変形例によれば、個人情報の保護を考慮しつつ、注入や撮像のプロトコルの検証等に有用な情報を効率的に蓄積することができる。なお、検査結果画面400A,400B,500に検査担当者の識別情報等が含まれる場合には、当該情報も削除した画像を記憶装置に出力してもよい。なお、実施例1において説明した各種構成の変更は、本変形例についても適宜適用されることができる。
【0104】
なお、上記実施例及び変形例で述べた各種機能は、CPUやMPU等のプロセッサ及び任意のメモリを含むコンピュータによって実行されるソフトウェアモジュールのためのプログラムや回路等によって実現されてもよい。なお、プログラムは記憶部340内に記憶されていてもよいし、任意のネットワークを介して情報処理装置300等に提供されてもよい。
【0105】
以上、実施例を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施例及び変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、上記実施例及び変形例は、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0106】
10:検査システム、100:注入装置、200:撮像装置、300:情報処理装置、311:取得部、312:判断部、313:生成部、314:出力部
図1
図2
図3
図4
図5