(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/317 20210101AFI20250218BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20250218BHJP
H01M 50/178 20210101ALI20250218BHJP
H01M 50/193 20210101ALI20250218BHJP
H01M 50/325 20210101ALI20250218BHJP
【FI】
H01M50/317 101
H01M50/105
H01M50/178
H01M50/193
H01M50/325
(21)【出願番号】P 2023501531
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 KR2021012297
(87)【国際公開番号】W WO2022060009
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0119829
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0117966
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】テ・ホン・ノ
【審査官】村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-008119(JP,A)
【文献】国際公開第2017/094957(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0147634(US,A1)
【文献】特開平11-086823(JP,A)
【文献】特開平07-040491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/30-50/392
H01M 50/10-50/198
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体と、
前記電極組立体が収容され、ガス排出部が設けられたパウチと、
前記ガス排出部を接着力で密封し、前記パウチの内部の圧力が設定圧力以上に上昇すると、接着力が破壊されて、前記ガス排出部を開放する第1接着物と、
開放されたガス排出部を接着力で再密封する自己回復接着部材とを含み、
前記パウチは、電極組立体の一端を収容する第1収容面、第1収容面の縁部の一部に備えられる第1未シーリング面、第1収容面の縁部のその他に備えられる第1シーリング面からなる第1ケースと、電極組立体の他端を収容する第2収容面、第2収容面の縁部の一部に備えられる第2未シーリング面、第2収容面の縁部のその他に備えられる第2シーリング面からなる第2ケースとを含み、
前記ガス排出部は、互いに対応する前記第1未シーリング面と前記第2未シーリング面との間に形成され、
前記第1接着物は、第1未シーリング面と第2未シーリング面との間に備えられ、第1未シーリング面と第2未シーリング面を接着して前記ガス排出部を密封し、前記パウチの内部の圧力が設定圧力以上に上昇すると、第1未シーリング面と第2未シーリング面との接着力が破壊されて前記ガス排出部を開放し、
前記自己回復接着部材は、第2接着物と、第2接着物が内蔵されたカプセルからなり、前記第1接着物によって第1未シーリング面と第2未シーリング面との間に接着され、
前記自己回復接着部材は、前記ガス排出部から排出されるガスによって第1未シーリング面と第2未シーリング面とが離隔すると、前記カプセルが割れるかまたは破壊されて外に流出する第2接着物によって第1未シーリング面と第2未シーリング面とを再接着する、二次電池。
【請求項2】
電極組立体と、
前記電極組立体が収容され、ガス排出部が設けられたパウチと、
前記ガス排出部を接着力で密封し、前記パウチの内部の圧力が設定圧力以上に上昇すると、接着力が破壊されて、前記ガス排出部を開放する第1接着物と、
開放されたガス排出部を接着力で再密封する自己回復接着部材とを含み、
前記パウチは、電極組立体の一端を収容する第1収容面、第1収容面の縁部に備えられる第1シーリング面からなる第1ケースと、電極組立体の他端を収容する第2収容面、第2収容面の縁部に備えられる第2シーリング面からなる第2ケースとを含み、
前記ガス排出部は、第1収容面または第2収容面に形成される排出口と、一端が第1収容面または第2収容面に連結された状態で前記排出口を塞ぐ開閉面からなり、
前記第1接着物は、前記排出口の内周面と開閉面の外周面を接着して前記ガス排出部を密封し、前記パウチの内部圧力が上昇すると、排出口の内周面と開閉面の外周面との接着力が破壊されて前記ガス排出部を開放し、
前記自己回復接着部材は、第2接着物と第2接着物が内蔵されたカプセルからなり、前記第1接着物によって前記排出口の内周面と開閉面の外周面との間に接着され、
前記自己回復接着部材は、前記ガス排出部から排出されるガスによって排出口の内周面と開閉面の外周面とが離隔すると、前記カプセルが割れるかまたは破壊されて外に流出する第2接着物によって前記排出口の内周面と開閉面の外周面とを再接着して前記ガス排出部を再密封する、二次電池。
【請求項3】
前記自己回復接着部材は、複数個が設けられ、
複数個の自己回復接着部材は、第1接着物全体に分散して設けられている、請求項
1または請求項
2に記載の二次電池。
【請求項4】
複数個の自己回復接着部材の間の空間は、第1接着物によって接着および密封されている、請求項
3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記第1接着物は、エポキシ樹脂接着剤からなる、請求項
1から
4のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記第2接着物は、前記第1接着物と同じ素材からなる、請求項
5に記載の二次電池。
【請求項7】
前記第1接着物の接着強度は、前記第1シーリング面と前記第2シーリング面との接着強度より弱い接着強度を有する、請求項
1から
6のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記ガス排出部は、前記電極組立体に備えられた電極タブが位置するパウチ上に形成される、請求項1から
7のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記排出口が形成された収容部の内面には、前記排出口より小さい大きさの貫通孔が形成され、前記開閉面を支持する絶縁体が付着されている、請求項
2に記載の二次電池。
【請求項10】
前記パウチには、前記第1未シーリング面と前記第2未シーリング面が密着した状態を維持するように弾性力を提供する弾性部材が設けられている、請求項
1に記載の二次電池。
【請求項11】
前記パウチには、前記開閉面が前記排出口を塞ぐ状態を維持するように弾性力を提供する弾性部材が設けられている、請求項
2に記載の二次電池。
【請求項12】
前記カプセルは、熱可塑性樹脂素材からなり、3~5μmの直径を有する、請求項
1または請求項
2に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年9月17日付けの韓国特許出願第10-2020-0119829号および2021年9月3日付けの韓国特許出願第10-2021-0117966号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、二次電池に関し、特に、ガスが排出されたガス排出部を再密封してパウチの内部の電解液とガスが排出され続けることを防止することができる二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、二次電池(secondary battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電および放電が可能な電池を意味し、このような二次電池は、スマートフォン、ノート型パソコンおよびカムコーダなどの先端電子機器の分野において広く使用されている。
【0004】
上記の二次電池は、電極組立体が缶に内蔵される缶型二次電池と、電極組立体がパウチに内蔵されるパウチ型二次電池とに分けられる。また、前記パウチ型二次電池は、電極組立体と、前記電極組立体の電極タブに結合する電極リードと、前記電極リードの先端が外部に引き出された状態で前記電極組立体を収容するパウチとを含む。また、前記パウチは、電極組立体を収容する収容部と、収容部を密封するシーリング部とを含む。
【0005】
しかし、上記の二次電池は、内部の副反応および反応副生成物として放出されるガスと電極が劣化するのに伴い厚さが厚くなった電極とによりパウチの内部の圧力が上昇する場合、パウチのシーリング部のうち密封力が弱いシーリング部が開放されて電解液とガスが排出される問題があった。
【0006】
上記のような問題点を解決するために、パウチには、パウチの内部のガス圧力が上昇すると、シーリング部よりも先に開放されてガスを排出させるガス排出部が備えらている。
【0007】
しかし、上記ガス排出部は、パウチの内部のガスが除去されても開放された状態を維持しており、そのため、パウチの内部の残りの電解液とガスが排出され続けて2次汚染および事故が発生する問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のような問題点を解決するための本発明の二次電池は、パウチに備えられたガス排出部を再密封する自己回復接着手段を含むことで、パウチの内部の残りの電解液とガスが排出され続けることを防止することができ、結果、2次汚染および事故を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような目的を達成するための本発明の二次電池は、電極組立体と、前記電極組立体が収容され、ガス排出部が設けられたパウチと、前記ガス排出部を接着力で密封し、前記パウチの内部の圧力が設定圧力以上に上昇すると、接着力が破壊されて、前記ガス排出部を開放する第1接着物と、開放されたガス排出部を接着力で再密封して前記ガス排出部からのガスの排出を防止する自己回復接着部材とを含むことができる。
【0010】
一方、前記パウチは、電極組立体の一端を収容する第1収容面、第1収容面の縁部の一部に備えられる第1未シーリング面、第1収容面の縁部のその他に備えられる第1シーリング面からなる第1ケースと、電極組立体の他端を収容する第2収容面、第2収容面の縁部の一部に備えられる第2未シーリング面、第2収容面の縁部のその他に備えられる第2シーリング面からなる第2ケースとを含み、前記ガス排出部は、互いに対応する前記第1未シーリング面と前記第2未シーリング面との間に形成され、前記第1接着物は、第1未シーリング面と第2未シーリング面との間に備えられ、第1未シーリング面と第2未シーリング面を接着して前記ガス排出部を密封し、前記パウチの内部の圧力が設定圧力以上に上昇すると、第1未シーリング面と第2未シーリング面との接着力が破壊されて前記ガス排出部を開放し、前記自己回復接着部材は、第2接着物と、第2接着物が内蔵されたカプセルからなり、前記第1接着物によって第1未シーリング面と第2未シーリング面との間に接着され、前記ガス排出部から排出されるガスによって第1未シーリング面と第2未シーリング面とが離隔すると、前記カプセルが割れるかまたは破壊されて外に流出する第2接着物によって第1未シーリング面と第2未シーリング面とを再接着して前記ガス排出部を再密封することができる。
【0011】
一方、前記パウチは、電極組立体の一端を収容する第1収容面、第1収容面の縁部に備えられる第1シーリング面からなる第1ケースと、電極組立体の他端を収容する第2収容面、第2収容面の縁部に備えられる第2シーリング面からなる第2ケースとを含み、前記ガス排出部は、第1収容面または第2収容面に形成される排出口と、一端が第1収容面または第2収容面に連結された状態で前記排出口を塞ぐ開閉面からなり、前記第1接着物は、前記排出口の内周面と開閉面の外周面を接着して前記ガス排出部を密封し、前記パウチの内部圧力が上昇すると、排出口の内周面と開閉面の外周面との接着力が破壊されて前記ガス排出部を開放し、前記自己回復接着部材は、第2接着物と第2接着物が内蔵されたカプセルからなり、前記第1接着物によって前記排出口の内周面と開閉面の外周面との間に接着され、前記自己回復接着部材は、前記ガス排出部から排出されるガスによって排出口の内周面と開閉面の外周面とが離隔すると、前記カプセルが割れるかまたは破壊されて外に流出する第2接着物によって前記排出口の内周面と開閉面の外周面とを再接着して前記ガス排出部を再密封することができる。
【0012】
前記自己回復接着部材は、複数個が設けられ、複数個の自己回復接着部材は、第1接着物全体に分散して設けられることができる。
【0013】
複数個の自己回復接着部材の間の空間は、第1接着物によって接着および密封されることができる。
【0014】
前記第1接着物は、エポキシ樹脂接着剤からなることができる。
【0015】
前記第2接着物は、前記第1接着物と同じ素材からなることができる。
【0016】
前記第1接着物の接着強度は、前記第1シーリング面と前記第2シーリング面との接着強度より弱い接着強度を有することができる。
【0017】
前記ガス排出部は、前記電極組立体に備えられた電極タブが位置するパウチ上に形成されることができる。
【0018】
前記排出口が形成された収容部の内面には前記排出口より小さな大きさの貫通孔が形成されて前記開閉面を支持する絶縁体を付着させることができる。
【0019】
前記パウチには、前記第1未シーリング面と前記第2未シーリング面が密着した状態を維持するように弾性力を提供する弾性部材を設けることができる。
【0020】
前記パウチには、前記開閉面が前記排出口を塞ぐ状態を維持するように弾性力を提供する弾性部材を設けることができる。
【0021】
前記カプセルは、熱可塑性樹脂素材からなり、3~5μmの直径を有することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の二次電池は、第1接着物と自己回復接着部材からなる自己回復接着手段を含むことで、パウチのガス排出部を介してガスが排出された後、前記ガス排出部を再密封することができ、これにより、パウチ内の残りの電解液およびガスが排出され続けることを防止することができ、結果として、2次汚染および事故の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1実施形態による二次電池を図示した斜視図である。
【
図3】
図1に表示されているA-A線断面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態による二次電池の自己回復接着部材を図示した断面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態による二次電池のガス排出部が開放される状態を図示した断面図である。
【
図6】
図5に表示されているB部分の拡大図である。
【
図7】本発明の第1実施形態による二次電池の弾性部材を図示した正面図である。
【
図8】本発明の第1実施形態による二次電池のガス排出部が再密封された状態を図示した断面図である。
【
図9】本発明の第2実施形態による二次電池を図示した斜視図である。
【
図10】本発明の第2実施形態による二次電池を図示した断面図である。
【
図11】本発明の第2実施形態による二次電池を図示した平面図である。
【
図13】本発明の第2実施形態による二次電池のガス排出部が開放される状態を図示した断面図である。
【
図14】本発明の第2実施形態による二次電池の弾性部材を図示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施するように本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な相違する形態に実現されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されない。また、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書の全体にわたり類似する部分に対しては類似する図面符号を付けた。
【0025】
[本発明の第1実施形態による二次電池]
本発明の第1実施形態による二次電池100は、
図1~
図8に図示されているように、電極組立体110と、前記電極組立体110を収容するパウチ120と、前記パウチ120のガス排出部120cを密封し、この際、パウチ120の内部圧力が設定圧力以上に上昇すると、ガス排出部120cを開放し、パウチ120の内部圧力が設定圧力以下に下降すると、開放されたガス排出部120cを再密封する自己回復接着手段200とを含む。
【0026】
また、前記自己回復接着手段200は、前記パウチ120のガス排出部120cを接着力で密封し、且つ、前記パウチ120の内部の圧力が上昇すると、接着力が破壊されて前記ガス排出部120cを開放する第1接着物130と、前記パウチ120の内部の圧力が下降すると、開放されたガス排出部120cを接着力で再密封して前記ガス排出部120cからのガスの排出を防止する自己回復接着部材140とを含む。
【0027】
電極組立体
電極組立体110は、電極とセパレータが交互に積層される構造を有する。また、電極には電極タブ111が備えられ、前記電極タブ111には電極リード112が結合する。
【0028】
一方、前記電極は、正極および負極を含み、前記電極タブ111は、正極タブと負極タブを含み、前記電極リード112は、正極リードおよび負極リードを含む。
【0029】
一方、前記電極タブ111と前記電極リード112は、一部が重なるように配置した後、前記電極タブ111と前記電極リード112の重なった面を超音波により溶接して結合する。
【0030】
パウチ
パウチ120は、電極組立体110を収容するためのものであり、電極組立体110を収容する収容部120aと、収容部120aをシールするシーリング部120bと、収容部120aに発生したガスを排出するためのガス排出部120cとを含む。
【0031】
前記パウチ120は、互いに対応する形態を有する第1ケース121および第2ケース122が結合して形成される
【0032】
すなわち、前記第1ケース121は、電極組立体の一端を収容する第1収容面121a、第1収容面121aの縁部の一部に備えられる第1未シーリング面121b、第1収容面121aの縁部のその他に備えられる第1シーリング面121cからなる。
【0033】
前記第2ケース122は、電極組立体110の他端を収容する第2収容面122a、第2収容面122aの縁部の一部に備えられる第2未シーリング面122b、第2収容面122aの縁部のその他に備えられる第2シーリング面122cからなる。
【0034】
このような構造を有する第1および第2ケース121、122は、第1収容面121aと第2収容面122aが連結されて、電極組立体110を収容する収容部120aを形成し、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとの間にガスを排出するためのガス排出部120cが形成され、第1シーリング面121cと第2シーリング面122cがシールされてシーリング部120bを形成する。
【0035】
一方、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとの間に形成されたガス排出部120cには自己回復接着手段200が備えられる。すなわち、自己回復接着手段200は、ガス排出部120cを密封し、この際、パウチ120の内部圧力が設定圧力以上に上昇すると、ガス排出部120cを開放し、設定圧力以下に下降すると、ガス排出部120cを再密封する構造を有する。
【0036】
一例として、自己回復接着手段200は、第1接着物130と、自己回復接着部材140とを含む。
【0037】
第1接着物
第1接着物130は、パウチ120の内部の圧力が設定圧力以上に上昇すると、ガス排出部120cを開放させるためのものである。すなわち、第1接着物130は、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとの間に備えられ、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとを接着して前記ガス排出部120cを密封する。すなわち、第1接着物130は、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとの間に塗布されて、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとを接着力で密封する。
【0038】
ここで、設定圧力は、30kgf/cm2~50kgf/cm2であることができる。すなわち、第1接着物は、パウチの内部の圧力が、設定圧力、すなわち、基準値に達した場合、接着力が破壊されてガス排出部が開放される。換言すれば、第1接着物は、基準値で破壊される接着力を有する。
【0039】
一方、前記パウチ120の内部圧力が前記第1接着物130の接着強度より大きく上昇すると、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bを接着した第1接着物130が破壊されて第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bが次第に離隔し、これによって前記ガス排出部120cが開放されて、パウチ120の内部のガスを外部に排出する。
【0040】
このような第1接着物130は、パウチ120のガス排出部120cを接着力で密封して、パウチ120の内部圧力が第1接着物130の接着力より大きく上昇すると、ガス排出部120cを密封した接着力が破壊されて、前記ガス排出部120cを開放する。
【0041】
一方、第1接着物130は、エポキシ樹脂接着剤(epoxy resin adhesive)であることができる。
【0042】
一方、前記第1接着物130の接着強度は、前記第1シーリング面121cと前記第2シーリング面122cとの間の接着強度より弱い接着強度を有する。これにより、パウチ120の内部圧力が上昇すると、前記第1シーリング面121cと前記第2シーリング面122cとの間のシーリング部120bよりも第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとの間のガス排出部120cを先に開放させることができる。
【0043】
自己回復接着部材
自己回復接着部材140は、パウチの内部の圧力が設定圧力以下に下降すると、開放されたガス排出部120cを接着力で再密封して、パウチ120の内部のガスまたは電解液が排出され続けることを防止し、これによって2次汚染および事故の発生を防止することができる。
【0044】
すなわち、自己回復接着部材140は、第2接着物141と第2接着物141が内蔵されたカプセル142を含む。
【0045】
このような構造を有する自己回復接着部材140は、複数個が設けられ、複数個の自己回復接着部材140は、第1接着物130の接着力によって第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとの間に付着される。
【0046】
このように、前記自己回復接着部材140は、前記ガス排出部120cから排出されるガスによって第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとが離隔すると、前記カプセル142が割れるかまたは破損(すなわち、破壊および亀裂)して、第2接着物141が外部に流出し、外に流出した第2接着物141の接着力によって第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとを再接着して、前記ガス排出部120cを再密封することができる。
【0047】
すなわち、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bが離隔するときに、離隔する面に位置したカプセル142を互いに引っ張り、これによってカプセル142が割れるかまたは破壊されて第2接着物141が外に流出する。
【0048】
以降、パウチ120の内部のガス圧力が設定圧力以下に下降すると、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bが元の位置に戻るが、この際、第2接着物141により第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとが再接着されて、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとの間に形成されるガス排出部120cを再密封することができる。
【0049】
一方、前記第2接着物141は、前記第1接着物130と同一の素材からなることができる。また、カプセル142は、割れるかまたは破壊が可能な材料からなることができる。例として、カプセル142は、熱可塑性樹脂(thermoplastic resin)からなることができ、ポリエチレン、ナイロン、ポリアセタール樹脂のいずれか一つであることができる。また、カプセル142の直径は、3~5μm、好ましくは4μmである。一方、第2接着物は、カプセルの内部に液体状態で貯蔵され、カプセルの外に流出した場合、次第に凝固して、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとを接着する。
【0050】
一方、他の実施形態として、前記第2接着物141は、前記第1接着物130より強い接着力を有する素材からなることができる。すなわち、前記第1接着物130は、ガス排出の前に、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとを接着することから、精密に密封することができるが、第2接着物141は、ガス排出の後、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bを自己接着するため、第1接着物130ほどに精密に密封することができない。そのため、第2接着物141は、第1接着物130より接着強度が高い材料を使用することで、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bをより正確に接着することができ、結果として、パウチ120のガス排出部120cを安定的に再密封させることができる。
【0051】
一方、第2接着物141は、第1および第2シーリング面122cの接着強度と同一であるかそれより強い接着力を有することができる。
【0052】
一方、前記ガス排出部120cは、密封力が最も弱い電極リード112が位置するパウチ120上に形成される。これにより、パウチ120の内部のガス圧力が上昇する場合、電極リード112とシーリング部120bとの間が開放される前に、前記ガス排出部120cを先に開放するように誘導することができ、結果、パウチ120の内部のガスを安定的に排出させることができる。
【0053】
一方、前記第1接着物130と複数個の自己回復接着部材140は、所定の重量%で混合され、前記自己回復接着部材140が前記第1接着物130よりも多い重量%を有する。また、複数個の自己回復接着部材140は、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bの再接着のために、第1接着物130の全体に均一に分散して設けられる。また、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとの間に接着された複数個の自己回復接着部材140の間の空間は、第1接着物130により密封される。
【0054】
一方、本発明の第1実施形態による二次電池100は、パウチ120の内部の圧力がガス設定圧力以下に下降すると、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bを迅速に元の位置に戻すための弾性部材160をさらに含む。
【0055】
弾性部材
弾性部材160は、弾性復元力、絶縁性、および耐熱性を有する素材からなり、前記第1未シーリング面121bと前記第2未シーリング面122bの外側面にそれぞれ備えられる。すなわち、弾性部材160は、
図7に図示されているように、ガスの排出によって前記第1未シーリング面121bと前記第2未シーリング面122bが離隔した状態でガスの排出が完了すると、
図8に図示されているように、前記第1未シーリング面121bと前記第2未シーリング面122bを水平に伸ばすことで、前記第1未シーリング面121bと前記第2未シーリング面122bを密着して配置させることができ、これにより、第2接着物141によって前記第1未シーリング面121bと前記第2未シーリング面122bとを安定的に再接着することができる。
【0056】
したがって、本発明の第1実施形態による二次電池100は、第1接着物130と自己回復接着部材140を含むことで、パウチ120の内部の圧力が上昇すると、パウチ120のガス排出部120cを介してガスを効果的に排出させることができ、パウチ120の内部の圧力が下降すると、パウチ120のガス排出部120cを再密封して、2次汚染および事故の発生を防止することができる。
【0057】
以下、本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法について説明する。
【0058】
[本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法]
本発明の第1実施形態による二次電池の製造方法は、パウチ120を作製するための第1および第2ケース121、122を準備する。ここで第1および第2ケースは、互いに対応する大きさと形態を有する。
【0059】
すなわち、前記第1ケース121は、電極組立体の一端を収容する第1収容面121a、第1収容面121aの縁部の一部に備えられる第1未シーリング面121b、第1収容面121aの縁部のその他に備えられる第1シーリング面121cからなる。
【0060】
前記第2ケース122は、電極組立体110の他端を収容する第2収容面122a、第2収容面122aの縁部の一部に備えられる第2未シーリング面122b、第2収容面122aの縁部のその他に備えられる第2シーリング面122cからなる。
【0061】
次に、第1ケース121の第1収容面121aと第2ケース122の第2収容面122aとの間に電極組立体110を配置した後、第1シーリング面121cと第2シーリング面122cをシールしてパウチ120を製造する。ここで、電解液をパウチの内部に注入することができる。
【0062】
このように、パウチ120は、第1収容面121aと第2収容面122aが連結されて電極組立体110を収容する収容部120aが形成され、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bが連結されてガス排出部120cを形成し、第1シーリング面121cと第2シーリング面122cがシールされてシーリング部120bを形成する。
【0063】
次に、複数の自己回復接着部材140を準備した後、第1接着物130と所定の割合で混合して自己回復接着手段200を製造する。この際、複数の自己回復接着部材140は、第1接着物130の全体に均一に分散するように混合する。
【0064】
一方、複数の自己回復接着部材140を一つの塊にした後、外周面に第1接着物130を塗布して自己回復接着手段200を製造することもできる。
【0065】
次に、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとの間であるガス排出部120cに自己回復接着手段200を挿入する。これにより、第1接着物130により第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bが接着されて前記ガス排出部120cを密封することができる。この際、複数の自己回復接着部材140は、第1接着物130とともに第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bに付着される。
【0066】
このような過程が完了すると、完成品の二次電池100を製造することができる。
【0067】
以降、完成品の二次電池100は、パウチ120の内部にガス圧力が上昇してパウチ120が徐々に膨張する。この際、パウチ120のシーリング部120bより接着力が弱い第1接着物130が破壊されて第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bが次第に離隔し、これによって前記ガス排出部120cが開放されて、パウチ120の内部のガスを外部に排出させることができる。
【0068】
ここで、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bが次第に離隔する時に、第1接着物130と混合された自己回復接着部材140のカプセル142は、割れるかまたは破壊され、これに伴いカプセル142内に収容された第2接着物141が外に流出し、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bの離隔した表面に塗布される。
【0069】
以降、パウチ120の内部圧力が減少すると、離隔した第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bが弾性部材160により元の位置に戻り、第1未シーリング面121bと第2未シーリング面122bとの間は、自己回復接着部材140の第2接着物141によって再接着されて前記ガス排出部120cを再密封することができる。特に、ガス排出部120cが再密封されて2次汚染の発生を防止することができる。
【0070】
以下、本発明の他の実施形態を説明するにあたり、上述の実施形態と同じ機能を有する構成に対しては同じ参照符号を使用し、重複する説明は省略する。
【0071】
[本発明の第2実施形態による二次電池]
本発明の第2実施形態による二次電池100は、
図9~
図14に図示されているように、電極組立体110と、前記電極組立体110を収容するパウチ120と、前記パウチ120のガス排出部120cを密封し、この際、パウチ120の内部圧力が設定圧力以上に上昇すると、ガス排出部120cを開放し、パウチ120の内部圧力が設定圧力以下に下降すると、開放されたガス排出部120cを再密封する自己回復接着手段200とを含む。
【0072】
また、前記自己回復接着手段200は、前記パウチ120のガス排出部120cを接着力で密封する一方、前記パウチ120の内部の圧力が上昇すると、接着力が破壊されて前記ガス排出部120cを開放する第1接着物130と、前記パウチ120の内部の圧力が下降すると、開放されたガス排出部120cを接着力で再密封して前記ガス排出部120cからのガスの排出を防止する自己回復接着部材140とを含む。
【0073】
一方、電極組立体110は、第1実施形態で説明した電極組立体と同じ構成を有し、そのため、重複する説明は省略する。
【0074】
パウチ
パウチ120は、電極組立体110を収容するためのものであり、電極組立体110を収容する収容部120aと、収容部120aをシールするシーリング部120bと、収容部120aで発生したガスを排出するためのガス排出部120cとを含む。
【0075】
前記パウチ120は、互いに対応する形態を有する第1ケース121および第2ケース122が結合して形成される。
【0076】
すなわち、前記第1ケース121は、電極組立体110の一端を収容する第1収容面121a、第1収容面121aの縁部に備えられる第1シーリング面121cからなり、前記第2ケース122は、電極組立体110の他端を収容する第2収容面122a、第2収容面122aの縁部に備えられる第2シーリング面122cからなる。
【0077】
このような構造を有する第1および第2ケース121、122は、第1収容面121aと第2収容面122aが連結されて電極組立体110を収容する収容部120aを形成し、第1シーリング面121cと第2シーリング面122cがシールされてシーリング部120bを形成する。
【0078】
また、前記ガス排出部120cは、第1収容面121aまたは第2収容面122aに形成される排出口120c-1と、一端は第1収容面121aまたは第2収容面122aに連結された状態で前記排出口120c-1を塞ぐ開閉面120c-2とを含む。
【0079】
ここで、前記開閉面120c-2は、収容部120aの表面にボックス状に区切られた4面のうち1面以外の3面を切開することによって形成される。すなわち、切開されていない開閉面120c-2の一端は、収容部120aに一体に連結されるように形成される。これにより、開閉面120c-2は、パウチ120の内部のガスの排出時に切開されていない一端を基準に撓むことで弾性復元力を有するようになり、パウチ120の内部のガス排出が完了すると、開閉部は、一端に貯蔵された弾性復元力によって元の位置に戻り、ガス排出口120c-1をまた締め切る。
【0080】
一方、前記ガス排出部120cは、密封力が最も弱い電極リード112とシーリング部120bが位置した収容部120a側に形成される。これにより、パウチ120の内部のガス圧力が上昇する場合、電極リード112とシーリング部120bとの間が開放される前に前記排出口120c-1を先に開放させることができる。
【0081】
第1接着物
第1接着物130は、ガス排出部120cを接着力で密封する一方、前記パウチ120の内部の圧力が上昇すると、接着力が破壊されて前記ガス排出部120cを開放する。
【0082】
すなわち、第1接着物130は、前記排出口120c-1の内周面と開閉面120c-2の外周面との間に塗布され、接着力で前記排出口120c-1の内周面と開閉面120c-2の外周面を接着して、前記ガス排出部120cを密封する。次に、前記パウチ120の内部圧力が上昇すると、排出口120c-1の内周面と開閉面120c-2の外周面の接着力が破壊されて、前記ガス排出部120cを開放する。
【0083】
一方、前記第1接着物130の接着力は、前記第1シーリング面121cと前記第2シーリング面122cとの接着力より弱い接着力を有する。これにより、パウチ120の内部のガス圧力が上昇する場合、電極リード112とシーリング部120bとの間が開放される前に排出口120c-1を先に開放することができる。
【0084】
一方、第1接着物130は、第1実施形態で説明した第1接着物130と同じ素材からなる。
【0085】
自己回復接着部材
自己回復接着部材140は、第2接着物141と第2接着物141が内蔵されたカプセル142からなり、前記第1接着物によって前記排出口120c-1の内周面と開閉面120c-2の外周面との間に付着される。
【0086】
すなわち、自己回復接着部材140は、前記ガス排出部120cから排出されるガスによって排出口120c-1の内周面と開閉面120c-2の外周面との間が離隔すると、前記カプセル142が割れるかまたは破壊されて第2接着物141が流出し、流出した第2接着物141によって前記排出口120c-1の内周面と開閉面120c-2の外周面とが再接着されて、前記ガス排出部120cを再密封する。このように、前記自己回復接着部材140は、パウチ120の内部に残っている電解液およびガスが排出され続けることを防止することができ、結果として、2次汚染および事故の発生を防止することができる。
【0087】
一方、前記カプセル142は、所定の温度によって溶解するかまたは外力によって割れるか破壊されて除去される材料で形成されることもできる。
【0088】
このような構造を有する自己回復接着部材140は、前記排出口120c-1から排出されるガスによって開閉面120c-2が排出口120c-1から離隔する時に、カプセル142が割れるかまたは破壊されて第2接着物141が流出し、前記第2接着物141が排出口120c-1と開閉面120c-2に塗布される。その後、パウチ120の内部の圧力が下がると、開閉面120c-2が排出口120c-1を覆うようになり、この際、第2接着物141によって前記排出口120c-1の内周面と開閉面120c-2の外周面とが再接着されて、ガス排出部120cを再密封する。
【0089】
一方、本発明の第2実施形態による二次電池100は、開閉面120c-2が排出口120c-1の内部に入り込むことを防止するための絶縁体150を含む。
【0090】
絶縁体
前記絶縁体150は、前記排出口120c-1が形成された収容部120aの内面に備えられ、前記ガス排出口120c-1より小さい大きさの貫通孔151が形成され、前記排出口120c-1に位置する前記開閉面120c-2がパウチ120の内部に入り込まないように支持する。これにより、開閉面120c-2と排出口120c-1とを効果的に接着して密封することができる。
【0091】
特に、絶縁体150と開閉面120c-2との間に自己回復接着手段200をさらに含むことで、開閉面120c-2と排出口120c-1との密封力を大きく高めることができる。
【0092】
一方、前記パウチ120には、前記開閉面120c-2が前記排出口120c-1を塞ぐ状態を維持するように弾性力を提供する弾性部材160をさらに含む。
【0093】
弾性部材
前記弾性部材160は、中央点が前記開閉面120c-2の一端に付着され、両端部が開閉面120c-2の端部と収容部120aの設定地点まで延びて付着される。
【0094】
これにより、パウチ120の内部のガスが排出口120c-1を介して排出されると、ガス圧力によって前記開閉面120c-2がパウチ120の外に撓み、この際、開閉面120c-2とともに弾性部材160もともに撓み弾性復元力を貯蔵する。以降、パウチ120の内部のガスが一定量排出されると、弾性部材160の弾性力によって開閉面120c-2が迅速に元の位置に戻ってガス排出口120c-1を閉じる。
【0095】
したがって、本発明の第2実施形態による二次電池100は、開閉部と排出口120c-1を介してパウチ120の内部で発生するガスを外部に迅速に排出させることができ、ガスの排出がある程度行われると、自己回復接着部材140を介して開閉部と排出口120c-1を再密封して、パウチ120の内部の電解液およびガスが排出され続けることを防止することができる。結果として、安全性を向上させることができ、2次汚染および事故の発生を防止することができる。
【0096】
以下、本発明の第2実施形態による二次電池の製造方法について説明する。
【0097】
[本発明の第2実施形態による二次電池の製造方法]
本発明の第2実施形態による二次電池の製造方法は、第2接着物141を準備した後、第2接着物141をカプセル142に注入して自己回復接着部材140を製造する。
【0098】
次に、複数個の自己回復接着部材140と第1接着物130を所定の重量%で混合して自己回復接着手段200を製造する。
【0099】
次に、パウチ120を製造するための第1ケース121と第2ケース122を準備し、前記1ケースの第1収容面121aまたは第2ケース122の第2収容面122aの表面をボックス状に区切られた4面のうち3面を切開して、排出口120c-1とそれを開閉する開閉面120c-2を形成する。
【0100】
以下、開閉面120c-2が形成された第1収容面121aまたは第2収容面122aは、収容部120aとしてまとめて説明する。
【0101】
ここで、開閉面120c-2は、電極組立体110に連結された電極タブ111が位置するパウチ120の収容部120a側に形成される。
【0102】
一方、前記排出口120c-1が形成された収容部120aの内面に、前記排出口120c-1より小さい大きさの貫通孔151が形成された絶縁体150を付着させる。すなわち、収容部120aの内面に絶縁体150を付着することにより、開閉面120c-2がパウチ120の内部に入り込むことを防止し、開閉面120c-2と絶縁体150の支持力により排出口120c-1を効果的に閉じることができる。
【0103】
次に、前記開閉面120c-2と前記収容部120aの排出口120c-1との間に自己回復接着手段を挿入して、前記開閉面120c-2の外周面と排出口120c-1の内周面を接着し、これにより、ガス排出部120cを密封することができる。
【0104】
次に、第1ケース121の第1収容面121aと第2ケース122の第2収容面122aとの間に電極組立体110と電解液を収容した後、第1ケース121の第1シーリング面121cと第2ケース122の第2シーリング面122cをシールする。これにより、完成品の二次電池100を製造することができる。
【0105】
次に、完成品の二次電池100は、パウチ120の内部のガス圧力が次第に上昇するが、この際、パウチ120の内部のガス圧力が前記第1接着物130の接着力より上昇すると、第1接着物130が次第に破壊されて開閉面120c-2が収容部の外に撓むように変形し、これによって排出口120c-1が開放されてパウチ120の内部のガスを外部に排出させることができる。
【0106】
ここで、排出口120c-1の内周面と開閉面120c-2の外周面とが離隔すると、自己回復接着部材140のカプセル142が割れるかまたは破壊されて第2接着物141が外に流出し、流出した第2接着物141は、排出口120c-1の内周面と開閉面120c-2の外周面に塗布される。
【0107】
次に、パウチ120の内部のガス圧力が設定圧力以下に下がると、開閉面120c-2は、弾性部材160によって元の位置に戻って前記排出口120c-1を閉じる。この際、開閉面120c-2は、パウチ120の内面に付着された絶縁体150に支持されることで、前記開閉面120c-2がパウチ120の内部に入り込むことを防止することができる。そして、第2接着物141によって排出口120c-1の内周面と開閉面120c-2の外周面が再接着されてガス排出部120cを再密封することができる。
【0108】
本発明の範囲は、上記詳細な説明よりも後述する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味および範囲、およびその均等概念から導き出される様々な実施形態が可能である。
【符号の説明】
【0109】
100 二次電池
110 電極組立体
111 電極タブ
112 電極リード
120 パウチ
120a 収容部
120b シーリング部
120c 排出部
120c-1 排出口
120c-2 開閉面
121 第1ケース
121a 第1収容面
121b 第1未シーリング面
121c 第1シーリング面
122 第2ケース
122a 第2収容面
122b 第2未シーリング面
122c 第2シーリング面
130 第1接着物
140 自己回復接着部材
141 第2接着物
142 カプセル
150 絶縁体
151 貫通孔
160 弾性部材