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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】電極製造装置及び電極ロール
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/04 20060101AFI20250218BHJP
   H01M 4/139 20100101ALI20250218BHJP
【FI】
H01M4/04 Z
H01M4/139
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023541112
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 KR2022017554
(87)【国際公開番号】W WO2023085773
(87)【国際公開日】2023-05-19
【審査請求日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0153117
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スン・シク・チェ
(72)【発明者】
【氏名】オ・チョル・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ファン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョンウォン・イ
【審査官】川村 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-049906(JP,A)
【文献】特開2008-108742(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0094642(KR,A)
【文献】特開2011-238628(JP,A)
【文献】特許第5390721(JP,B1)
【文献】特開2012-084315(JP,A)
【文献】特開2017-183060(JP,A)
【文献】特開2017-108072(JP,A)
【文献】国際公開第2010/026784(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00 - 4/84
H01M 10/00 -10/39
H01M 6/00 - 6/48
H01G 11/00 -11/86
H01G 13/00 -13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材を供給する供給部、
供給された前記基材の少なくとも一面に前記基材の供給方向の垂直方向に2つ以上の領域が離隔して電極スラリーが塗布された塗布部と前記2つ以上の領域の塗布部の間の非塗布部とに区分された電極層をコーティングするコーティング部、
コーティングされた前記電極層を乾燥して電極フィルムを製造する乾燥部、及び
前記電極フィルムを回収する回収部を含み、
前記回収部は、
前記電極フィルムを巻回するボビン、及び
前記ボビンに嵌められて、前記ボビンの回転軸の長手方向である前記ボビンの長手方向に移動可能であり、前記非塗布部の位置に対応して備えられた可変リングを含む、電極製造装置。
【請求項2】
前記可変リングは弾性バンドである、請求項1に記載の電極製造装置。
【請求項3】
前記可変リングの幅は前記非塗布部の幅の0.1倍以上1倍未満である、請求項1に記載の電極製造装置。
【請求項4】
前記可変リングの厚さは1mm以上5mm以下である、請求項1に記載の電極製造装置。
【請求項5】
前記コーティング部は、供給された前記基材の少なくとも一面に前記基材の供給方向の垂直方向に2つの領域が離隔して電極スラリーが塗布された前記塗布部と前記2つの領域の塗布部の間の前記非塗布部とに区分された電極層をコーティングし、
前記回収部は、前記非塗布部の位置に対応して備えられた一つの可変リングを含む、請求項1に記載の電極製造装置。
【請求項6】
前記コーティング部は、供給された前記基材の少なくとも一面に前記基材の供給方向の垂直方向に3つの領域が離隔して電極スラリーが塗布された前記塗布部と前記3つの領域の塗布部の間にそれぞれ位置する2つの非塗布部とに区分された電極層をコーティングし、
前記回収部は、前記2つの非塗布部の位置にそれぞれ対応して備えられた2つの可変リングを含む、請求項1に記載の電極製造装置。
【請求項7】
基材、及び前記基材の少なくとも一面に電極スラリーが前記基材の長手方向の垂直方向に2つ以上の領域に離隔して備えられた塗布部と前記2つ以上の塗布部の間に備えられた非塗布部とに区分された電極層を含む電極フィルム、
前記電極フィルムを巻回するボビン、及び
前記ボビンに嵌められて、前記ボビンの回転軸の長手方向である前記ボビンの長手方向に移動可能であり、前記非塗布部の位置に対応して備えられた可変リングを含む電極ロール。
【請求項8】
前記可変リングは弾性バンドである、請求項7に記載の電極ロール。
【請求項9】
前記可変リングの幅は前記非塗布部の幅の0.1倍以上1倍未満である、請求項7に記載の電極ロール。
【請求項10】
前記可変リングの厚さは1mm以上5mm以下である、請求項7に記載の電極ロール。
【請求項11】
前記電極層は、前記基材の少なくとも一面に前記基材の長手方向の垂直方向に2つの領域が離隔して備えられた塗布部と前記2つの領域の塗布部の間に備えられた非塗布部とに区分され、
前記可変リングは、前記非塗布部の位置に対応して備えられる、請求項7に記載の電極ロール。
【請求項12】
前記電極層は、前記基材の少なくとも一面に前記基材の長手方向の垂直方向に3つの領域が離隔して備えられた塗布部と前記3つの領域の塗布部の間にそれぞれ備えられた2つの非塗布部とに区分され、
前記可変リングは、前記2つの非塗布部の位置にそれぞれ対応して備えられる、請求項7に記載の電極ロール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月9日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0153117号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては、本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、電極製造装置及び電極ロールに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、化石燃料の枯渇によるエネルギー源の価格上昇、環境汚染への関心が高まっており、環境にやさしい代替エネルギー源に対する要求が増加しつつある。そこで、原子力、太陽光、風力、潮力など多様な電力生産技術に関する研究が続けられており、このように生産されたエネルギーをより効率的に使用するための電力貯蔵装置に関する関心も高い。
【0004】
特に、モバイル機器に対する技術開発と需要が増加するにつれてエネルギー源としての電池の需要が急激に増加している。かかる需要に応えられる電池に関する多くの研究が行われている。
【0005】
代表的に、電池の形状面では、薄くて、携帯電話などのような製品に適用されることができる角形二次電池とパウチ型二次電池に対する需要が高い。材料面では、高いエネルギー密度、放電電圧、出力安定性などの長所を有するリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池などのようなリチウム二次電池に対する需要が高い。
【0006】
一般的に、二次電池は、正極、負極、及び正極と負極との間に位置するセパレータが積層された構造の電極組立体を含む構造である。上記正極及び負極は、集電体上に活物質を含む電極スラリーをコーティングすることで製造される。製造された電極は、電池組み立ての前にボビンに巻回して保管し、必要な時に移動させる。
【0007】
電極コーティング工程の効率を高めるために多数の電極を一つの集電体にコーティングして共にボビンに巻回して保管することができるが、この場合、電極と電極の間にスラリーが塗布されていない集電体でシワが発生し得る。このような保管上の問題を解決できる方法の考案が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願は、電極製造装置及び電極ロールを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の一実施態様は、基材を供給する供給部;上記供給された基材の少なくとも一面に上記基材の供給方向の垂直方向に2つ以上の領域が離隔して電極スラリーが塗布された塗布部と上記2つ以上の領域の塗布部の間の非塗布部とに区分された電極層をコーティングするコーティング部;上記コーティングされた電極層を乾燥して電極フィルムを製造する乾燥部;及び、上記電極フィルムを回収する回収部を含み、上記回収部は、上記電極フィルムを巻回するボビン、及び、上記ボビンに嵌められて上記ボビンの長手方向に移動可能であり、上記非塗布部の位置に対応して備えられた可変リングを含む、電極製造装置を提供する。
【0010】
本願の一実施態様において、上記可変リングは、弾性バンドである。
【0011】
本願の一実施態様において、上記可変リングの幅は、上記非塗布部の幅の0.1倍以上1倍未満である。
【0012】
本願の一実施態様において、上記可変リングの厚さは、1mm以上5mm以下である。
【0013】
本願の一実施態様において、上記コーティング部は、上記供給された基材の少なくとも一面に上記基材の供給方向の垂直方向に2つの領域が離隔して電極スラリーが塗布された塗布部と上記2つの領域の塗布部の間の非塗布部とに区分された電極層をコーティングし、上記回収部は、上記非塗布部の位置に対応して備えられた一つの可変リングを含む。
【0014】
本願の別の実施態様において、上記コーティング部は、上記供給された基材の少なくとも一面に上記基材の供給方向の垂直方向に3つの領域が離隔して電極スラリーが塗布された塗布部と上記3つの領域の塗布部の間にそれぞれ位置する2つの非塗布部とに区分された電極層をコーティングし、上記回収部は、上記2つの非塗布部の位置にそれぞれ対応して備えられた2つの可変リングを含む。
【0015】
本願のまた別の実施態様は、基材、及び上記基材の少なくとも一面に電極スラリーが上記基材の長手方向に2つ以上の領域に離隔して備えられた塗布部と上記2つ以上の塗布部の間に備えられた非塗布部とに区分された電極層を含む電極フィルム、上記電極フィルムを巻回するボビン、及び、上記ボビンに嵌められて上記ボビンの長手方向に移動可能であり、上記非塗布部の位置に対応して備えられた可変リングを含む、電極ロールを提供する。
【0016】
本願のまた別の実施態様において、上記可変リングは、弾性バンドである。
【0017】
本願のまた別の実施態様において、上記可変リングの幅は、上記非塗布部の幅の0.1倍以上1倍未満である。
【0018】
本願のまた別の実施態様において、上記可変リングの厚さは、1mm以上5mm以下である。
【0019】
本願のまた別の実施態様において、上記電極層は、上記基材の少なくとも一面に上記基材の長手方向に2つの領域が離隔して備えられた塗布部と上記2つの領域の塗布部の間に備えられた非塗布部とに区分され、上記可変リングは、上記非塗布部の位置に対応して備えられる。
【0020】
本願の別の実施態様において、上記電極層は、上記基材の少なくとも一面に上記基材の長手方向に3つの領域が離隔して備えられた塗布部と上記3つの領域の塗布部の間にそれぞれ備えられた2つの非塗布部とに区分され、上記可変リングは、上記2つの非塗布部の位置にそれぞれ対応して備えられる。
【発明の効果】
【0021】
本願の一実施態様には、一つの基材にコーティングされた多数の電極間で発生するシワが減少するという長所がある。
【0022】
本願の一実施態様には、電極が塗布された塗布部と非塗布部との厚さの差を減らすという長所がある。
【0023】
本願の一実施態様には、電極が塗布された塗布部と非塗布部との物理的性質の差を減らすという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本願の一実施態様に係る電極製造装置を示すブロック図である。
図2】本願の一実施態様に係る電極製造装置を示す断面図である。
図3図3(a)は、電極フィルムが回収される回収部の回収前の斜視図であり、図3(b)は、電極フィルムの回収が完了した回収部の回収後の斜視図である。
図4図3(a)及び図3(b)で回収された電極フィルムで非塗布部のシワが発生した事例1~事例3をそれぞれ(a)~(c)に示した。
図5図5(a)は、本願の一実施態様によって非塗布部が2つである電極フィルムが回収される回収部の回収前の斜視図であり、図5(b)は、非塗布部が1つである電極フィルムが回収される回収部の回収前の斜視図である。
図6図6(a)は、本願の一実施態様によって可変リングが備えられたボビンの断面図であり、図6(b)は、本願の別の実施態様によって可変リングが備えられたボビンの断面図であり、図6(c)は、本願のまた別の実施態様によって可変リングが備えられたボビンの拡大図である。
図7】本願のまた別の実施態様に係る電極製造装置を示す断面図である。
図8】本願の別の実施態様によって切断部の具備状態を示す斜視図である。
図9】本願の別の実施態様によって切断部の具備状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、図面を参考にして本発明を詳細に説明する。しかしながら、図面は、本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲が図面によって限定されるものではない。
【0026】
図1は、本願の一実施態様に係る電極製造装置500を示すブロック図であり、図2は、本願の一実施態様に係る電極製造装置500を示す断面図である。電極製造装置500は、供給部100、コーティング部200、乾燥部300及び回収部400を含む。
【0027】
上記回収部400は、上記電極フィルム30を巻回するボビン410、及び、上記ボビン410に嵌められて上記ボビン410の長手方向に移動可能であり、電極フィルム中の電極スラリーが塗布された塗布部21の間に備えられた非塗布部22の位置に対応して備えられた可変リングを含む。
【0028】
図3(a)に示すように、可変リングを備えていないボビンに電極スラリーが塗布された塗布部の間に備えられた非塗布部22を有する電極フィルム30を巻回する場合、図3(b)のようにワインディング完了後に表示された部分、すなわち非塗布部で図4の(a)~(c)の事例1~事例3のようなシワが発生する。コーティング電極が乾燥して最終巻取されるとき、主に中間の非塗布部でシワが発生し、これは塗布部と非塗布部との厚さの差によってシワが発生する。このような現象は、基材である箔の厚さが薄く、相対的に電極のコーティング量が多くて塗布部の厚さが厚いほどシワの程度はよりひどくなる。
【0029】
これに対し、図5に示すように、電極フィルム中の電極スラリーが塗布された塗布部21の間に備えられた非塗布部22の位置に対応して備えられた可変リング420を備える場合、電極が塗布された塗布部21と非塗布部22との間の段差を減らして、これにより発生するシワが減少する。
【0030】
上記可変リング420は、弾性材料から形成されたリングであってよく、具体的には弾性バンドであってよい。材料としては、適当なゴム弾性と機械的強度を有し、耐磨耗性に優れ、摩擦係数が小さければ、特に限定しないが、ウレタンゴム、天然ゴム、アクリルゴムなどのゴムを使用することができる。この場合、可変リング420が弾性力があって、回収対象の電極フィルムの非塗布部22の位置に応じて可変リング420を移動させることが容易であり、移動後にボビンの表面と密着して位置するので、指定された位置が工程中に容易に変更されない。また、力によって形態の変化が可能であって、複数枚重ねられた電極フィルムによってボビンの中心方向に加えられる力が増加しても、適切に形態を変化させて適応が可能である。
【0031】
上記可変リング420の幅(W)は、上記非塗布部22の幅の0.1倍以上1倍未満、0.2倍以上1倍未満、0.3倍以上1倍未満、0.4倍以上1倍未満、0.5倍以上1倍未満、0.6倍以上1倍未満、0.7倍以上1倍未満、0.8倍以上1倍未満又は0.9倍以上1倍未満であってよい。上記可変リング420の幅は、非塗布部22の幅とほぼ一致する幅であってよいが、同一以上の場合、塗布部21の縁に当接して変形を招くことがある。上述した範囲を満足する場合、可変リング420の幅は、塗布部21との段差を補完して塗布部21の変形を招かない。
【0032】
上記可変リング420の厚さ(H)は、塗布部21の高さを考慮して選択することができ、具体的には1mm以上10mm以下、又は1mm以上5mm以下であってよい。このとき、可変リングの厚さ(H)は、図6(a)のように一つの可変リングとして具現化するか、図6(b)のように2つ以上の可変リングを積層して、目標の厚さ(H=H1+H2)を、H1の厚さを有する第1の可変リング420’とH2の厚さを有する第2の可変リング420”とを積層して具現化することができる。
【0033】
上記ボビン410は、電極フィルムを巻回して保管及び移動することができる形態であれば、特に限定しないが、円柱状を有することができる。
【0034】
上記ボビン410は、糸巻きのような形態を有することができる。このとき、電極フィルム30が巻かれるボビン410の中央部は直径が一定であり、ボビン410の両端部は中央部の直径よりも大きくて、中央部に巻かれた電極フィルム30が両端部に抜け出さないように防止することができる。
【0035】
上記ボビン410の長さは、電極フィルム30の幅よりも長く、電極フィルム30の保管に問題がなければ、特に限定しない。
【0036】
上記ボビン410の直径は、電極フィルム30の保管時に巻かれた電極フィルム30による物理的な力に耐えられる程度であれば、特に限定しない。
【0037】
図7は、本願のまた別の実施態様に係る電極製造装置を示す断面図である。電極製造装置500は、供給部100、コーティング部200、乾燥部300及び回収部400とともに、切断部600をさらに含む。
【0038】
上記切断部600は、カッターを備え、上記カッターで非塗布部を供給方向に切断して製造された電極を2つ以上に分離することができる。このように分離された2つ以上の電極は、分離された電極の個数に合わせてそれぞれ回収部400を備えることができる。
【0039】
幅が1000mm以上、1100mm以上、又は1200mm以上の広幅で電極を製造する設備は、電極の大量生産に有利であるが、広幅に製造された電極の幅に合わせて一つの回収部400を備える場合、供給方向の垂直方向に非塗布部の個数が増加するしかないので、塗布部と非塗布部との厚さの差による不良が増加するしかない。
【0040】
広幅に製造される設備の末端に回収部400に巻かれる前に切断部600を通じて、広幅に製造された電極を、回収部400に備えられた可変リング420で塗布部と非塗布部との厚さの差による不良を制御できる幅に切断して、切断された電極の個数に合わせて複数の回収部400を備えることができる。
【0041】
図8は、本願の別の実施態様によって切断部600の具備状態を示す斜視図であり、図9は、本願の別の実施態様によって切断部600の具備状態を示す断面図である。
【0042】
上記切断部600は、二つのナイフホイール611、651が回転してその間を通る電極をカッティングすることができ、基材10を基準に基材10の下に備えられた下刃650と基材10の上に備えられた上刃610とを含むことができる。上刃610と下刃650は、それぞれナイフホイール611、651とナイフホイールが挿入されて固定されたハウジング612、652とを含むことができる。
【0043】
二つのナイフホイール611、651のうちいずれか一つは、隣接したガイドロール700、700’の回転方向と同一の方向に回転し、二つのナイフホイール611、651のうち残りは、隣接したガイドロール700、700’の回転方向と逆方向に回転することができる。
【0044】
二つのナイフホイール611、651は、互いに回転方向は異なっているが、回転速度は同一であってよい。より具体的には、二つのナイフホイール611、651の回転速度は、ガイドロール700、700’の回転速度と同一であってよい。
【0045】
供給部100は、基材10を供給するものであって、基材10を供給できるものであれば、基材の供給形態は特に限定しないが、基材10が巻かれたロールから繰り出しながら基材を供給することができる。
【0046】
このとき、基材10は、電極をコーティングできるものであれば、特に限定しないが、上記基材10は、集電体であってよく、具体的には金属箔であってよく、銅、アルミニウム又はこれらが組み合せられた材料の箔であってよい。
【0047】
コーティング部200は、供給された基材10の少なくとも一面に上記基材10の供給方向の垂直方向に2つ以上の領域が離隔して電極スラリーが塗布された塗布部21と上記2つ以上の領域の塗布部の間の非塗布部22とに区分された電極層をコーティングする。
【0048】
上記コーティング部200が電極スラリーを塗布する方法は、特に限定せず、スロットダイ、ブレード、コンマコーティングなど一般的に電極スラリーを塗布する方法を必要に応じて選択し、変更することができる。
【0049】
コーティング部200によって塗布される電極スラリーは、電極活物質、バインダー及び溶媒を含むことができる。
【0050】
上記電極活物質は、電池の正極又は負極に使用される物質であれば、特に限定しないが、コバルト系活物質、三成分系活物質、ニッケル系活物質、マンガン系活物質、リン酸系活物質などであってよい。
【0051】
上記バインダーは、電極活物質を結合させることができれば、特に限定しないが、ポリビニリデンフルオリド(Polyvinylidene fluoride)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などであってよい。
【0052】
上記溶媒は、電極スラリーの流動性を付与できるものであれば、特に限定しないが、水、N‐メチルピロリドン(N‐methyl pyrrolidone)などであってよい。
【0053】
乾燥部300は、上記コーティングされた電極層を乾燥して、塗布された電極スラリー中の溶媒を除去する。
【0054】
乾燥部300の乾燥手段は、特に限定しないが、これは乾燥対象である電極スラリーの特徴に応じて選択することができ、熱風、ヒータ及びUVの照射のうちの少なくとも一つを選択することができる。
【0055】
乾燥部300の乾燥温度及び時間は特に限定しないが、これは乾燥対象である電極スラリーの特徴に応じて調節することができる。例えば、約200℃以下の温度で、20秒~5分間乾燥を行うことができる。
【0056】
一実施態様において、図5(b)のように、上記コーティング部200は、上記供給された基材の少なくとも一面に上記基材の供給方向の垂直方向に2つの領域が離隔して電極スラリーが塗布された塗布部21と上記2つの領域の塗布部の間の非塗布部22とに区分された電極層20をコーティングし、上記回収部400は、上記非塗布部22の位置に対応して備えられた一つの可変リング420を含むことができる。
【0057】
別の実施態様において、図5(a)のように、上記コーティング部200は、上記供給された基材の少なくとも一面に上記基材の供給方向に3つの領域が離隔して電極スラリーが塗布された塗布部21と上記3つの領域の塗布部の間にそれぞれ位置する2つの非塗布部22とに区分された電極層20をコーティングし、上記回収部400は、上記2つの非塗布部の位置にそれぞれ対応して備えられた2つの可変リング420を含むことができる。
本願のまた別の実施態様は、基材、及び、上記基材の少なくとも一面に電極スラリーが上記基材の長手方向(供給方向)に2つ以上の領域に離隔して備えられた塗布部と上記2つ以上の塗布部の間に備えられた非塗布部とに区分された電極層を含む電極フィルム、上記電極フィルムを巻回するボビン、及び、上記ボビンに嵌められて上記ボビンの長手方向に移動可能であり、上記非塗布部の位置に対応して備えられた可変リングを含む電極ロールを提供する。
【0058】
このとき、電極ロールは、上述した電極製造装置の説明を引用することができる。
【0059】
一実施態様において、図5(b)のように、上記電極層20は、上記基材の少なくとも一面に上記基材の長手方向に2つの領域が離隔して備えられた塗布部21と上記2つの領域の塗布部の間に備えられた非塗布部22とに区分され、上記可変リング420は、上記非塗布部22の位置に対応して備えられることができる。
【0060】
別の実施態様において、図5(a)のように、上記電極層20は、上記基材の少なくとも一面に上記基材の長手方向に3つの領域が離隔して備えられた塗布部21と上記3つの領域の塗布部の間にそれぞれ備えられた2つの非塗布部22とに区分され、上記可変リング420は、上記2つの非塗布部22の位置にそれぞれ対応して備えられることができる。
【0061】
本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須的な特徴を変更しなくても他の具体的な形態で実施され得ることを理解するものである。そのため、上述した実施態様は、あらゆる面で例示的なものであって、限定的ではないと理解されたい。本発明の範囲は、上記詳細な説明よりも特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の要旨及び範囲、並びにその均等概念から導出される種々の実施態様が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるものである。
【符号の説明】
【0062】
10:基材
20:電極層
21:塗布部
22:非塗布部
23:縁部
30:電極フィルム
100:供給部
200:コーティング部
300:乾燥部
400、400’:回収部
410:ボビン
420:可変リング
420’:第1の可変リング
420”:第2の可変リング
500:電極製造装置
600:切断部
610:上刃
650:下刃
611、651:ナイフホイール
612、652:ハウジング
図1
図2
図3
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】
図6(c)】
図7
図8
図9