(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置、エアロゾル生成装置のためのコントローラ、エアロゾル生成装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20250218BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20250218BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20250218BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20250218BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/46
A24F40/20
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2022529300
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(86)【国際出願番号】 EP2020083661
(87)【国際公開番号】W WO2021105379
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2023-09-05
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】リーベル,トニー
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0093027(KR,A)
【文献】欧州特許出願公開第03571940(EP,A1)
【文献】中国実用新案第207236100(CN,U)
【文献】特開2018-174784(JP,A)
【文献】特開2019-165751(JP,A)
【文献】特表2014-533513(JP,A)
【文献】国際公開第2018/134564(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/57
A24F 40/46
A24F 40/20
A24F 40/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い消耗品からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成装置であって、前記装置は、
側壁、端壁、及び前記端壁の反対側の開口部を備える加熱チャンバであって、前記開口部は前記細長い消耗品を受け取って前記加熱チャンバ内へと入れるように構成されている、加熱チャンバと、
前記側壁から前記加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されているサイドヒータと、
前記端壁から前記加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されているエンドヒータと、
前記サイドヒータ及び前記エンドヒータを制御するように構成されているコントローラであって、第1の期間中に前記サイドヒータ及び前記エンドヒータを起動させ、第2の期間中に前記サイドヒータ及び前記エンドヒータのうちの一方だけを起動させるように構成され、前記第1の期間は、前記細長い消耗品が第1の温度から少なくとも前記第1の温度よりも高いエアロゾル生成温度に又はそれに向かって加熱される時間であり、前記第2の期間は、前記細長い消耗品が前記エアロゾル生成温度に維持される時間又はそれを超えて昇温される時間である、コントローラと、を備え
、
前記コントローラが、前記第2の期間中に起動されていない、前記サイドヒータ及び前記エンドヒータのうちの一方の抵抗を測定することにより、前記第2の期間中の前記加熱チャンバの温度を測定するように構成される、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記サイドヒータ又は前記エンドヒータが、前記加熱チャンバの内面に配置されている、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記サイドヒータ及び前記エンドヒータが、前記加熱チャンバの外面に配置されている、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記サイドヒータ又は前記エンドヒータが、抵抗性トラックを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記サイドヒータが、断熱材であるスペーシング要素により前記エンドヒータから分離されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記スペーシング要素が、前記側壁又は前記端壁の一部である、請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記消耗品を前記加熱チャンバ内に挿入すること及び前記加熱チャンバから除去することを可能にするように構成されている管状部分を備えるキャップを更に備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
空気が前記加熱チャンバ内の前記消耗品を通って流れることを可能にするように構成されている空気流チャネルを更に備え、前記空気流チャネルは、
前記端壁を通るアパーチャ又は、
前記側壁からの1つ以上の内向き突出部を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記加熱チャンバ内へと取り外し可能に挿入されるように適合され前記消耗品を収容するように適合された内側チャンバを更に備え、前記内側チャンバは第2の側壁及び第2の端壁を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
空気が前記加熱チャンバ内の前記消耗品を通って流れることを可能にするように構成されている空気流チャネルを更に備え、前記空気流チャネルは、
前記端壁と前記第2の端壁とを通るアパーチャ、又は
前記第2の側壁からの1つ以上の内向き突出部、を備える、請求項9に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
請求項1~
10のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置と、前記加熱チャンバ内に配置された細長い消耗品と、を含むシステム。
【請求項12】
エアロゾル生成装置のためのコントローラであって、前記エアロゾル生成装置は、側壁、端壁、及び前記端壁の反対側の開口部を備える加熱チャンバであって、前記開口部
は細長い消耗品を受け取って前記加熱チャンバ内へと入れるように構成されている、加熱チャンバと、前記側壁から前記加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されているサイドヒータと、前記端壁から前記加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されているエンドヒータと、を備え、
前記コントローラ
が、第1の期間中に前記サイドヒータ及び前記エンドヒータを起動させ、第2の期間中に前記サイドヒータ及び前記エンドヒータのうちの一方だけを起動させるように構成され、前記第1の期間は、前記細長い消耗品が第1の温度から、少なくとも前記第1の温度よりも高いエアロゾル生成温度に又はそれに向かって加熱される時間であり、前記第2の期間は、前記細長い消耗品が前記エアロゾル生成温度に維持される時間又はそれを超えて昇温される時間であ
り、
前記コントローラが、前記第2の期間中に起動されていない、前記サイドヒータ及び前記エンドヒータのうちの一方の抵抗を測定することにより、前記第2の期間中の前記加熱チャンバの温度を測定するように構成される、コントローラ。
【請求項13】
エアロゾル生成装置を制御する方法であって、前記エアロゾル生成装置は、側壁、端壁、及び前記端壁の反対側の開口部を備える加熱チャンバであって、前記開口部
は細長い消耗品を受け取って前記加熱チャンバ内へと入れるように構成されている、加熱チャンバと、前記側壁から前記加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されているサイドヒータと、前記端壁から前記加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されているエンドヒータと、を備え、前記方法は、
第1の期間中に前記サイドヒータ及び前記エンドヒータを起動させ、第2の期間中に前記サイドヒータ及び前記エンドヒータのうちの一方だけを起動させることを含み、前記第1の期間は、前記細長い消耗品が第1の温度から、少なくとも前記第1の温度よりも高いエアロゾル生成温度に又はそれに向かって加熱される時間であり、前記第2の期間は、前記細長い消耗品が前記エアロゾル生成温度に維持される時間又はそれを超えて昇温される時間であ
り、
前記第2の期間中に起動されていない、前記サイドヒータ及び前記エンドヒータのうちの一方の抵抗を測定することにより、前記第2の期間中の前記加熱チャンバの温度が測定される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、消耗品を加熱して、ユーザが吸入するためのエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成装置に関する。消耗品は、タバコ又は他の適切なエアロゾル基質材料を含み得る。
【背景技術】
【0002】
リスク低減装置又はリスク修正装置(気化器としても知られる)の人気と使用は、紙巻きタバコ、葉巻、シガリロ、及び巻きタバコなどの従来のタバコ製品の喫煙を止めようと望む常習的喫煙者を支援するための手助けとして、ここ数年で急速に成長してきた。従来のタバコ製品においてタバコを燃焼させるのとは対照的に、エアロゾル化可能物質を加熱又は加温する様々な装置及びシステムが利用可能である。
【0003】
一般に利用可能なリスク低減装置又はリスク修正装置は、加熱式基材エアロゾル生成装置又は加熱非燃焼式(heat-not-burn)装置である。このタイプの装置は、湿った葉タバコ又は他の好適なエアロゾル化可能材料を典型的に含むエアロゾル基質を、典型的には150℃~350℃の範囲の温度に加熱することによってエアロゾル又は蒸気を発生させる。エアロゾル基質を燃焼させる又は燃やすのではなく加熱することにより、ユーザが求める成分は含むが、燃焼及び燃やすことによる毒性及び発癌性のある副生成物は含まないエアロゾルが放出される。更に、タバコ又は他のエアロゾル化可能材料を加熱することにより生成されるエアロゾルは、ユーザにとって不快となり得る、燃焼及び燃やすことに起因する焦げた味又は苦味を典型的には含まない。したがって、基材は、煙及び/又は蒸気をユーザにとってより口当たりの良いものにするためにそのような材料に典型的に添加される糖及び他の添加物を必要としない。
【0004】
このタイプの装置では、消費電力を削減するために、消耗品にできるだけ効率的に熱を供給することが望ましく、また、消耗品にできるだけ迅速に熱を供給して、ユーザがエアロゾルを入手するまでの待ち時間を短縮することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本開示は、細長い消耗品からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成装置を提供し、この装置は、側壁、端壁、及び端壁の反対側の開口部を備える加熱チャンバであって、開口部は細長い消耗品を受け取って加熱チャンバ内へと入れるように構成されている、加熱チャンバと、側壁から加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されているサイドヒータと、端壁から加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されているエンドヒータと、サイドヒータ及びエンドヒータを制御するように構成されているコントローラであって、第1の期間中にサイドヒータ及びエンドヒータを起動させ、第2の期間中にサイドヒータ及びエンドヒータのうちの一方だけを起動させるように構成され、第1の期間は、細長い消耗品が第1の温度から少なくとも第1の温度よりも高いエアロゾル生成温度に又はそれに向かって加熱される時間であり、第2の期間は、細長い消耗品がエアロゾル生成温度に維持される時間又はそれを超えて昇温される時間である、コントローラと、を備える。
【0006】
任意選択で、サイドヒータ又はエンドヒータは、加熱チャンバの内面に配置されている。
【0007】
任意選択で、サイドヒータ及びエンドヒータは、加熱チャンバの外面に配置されている。
【0008】
任意選択で、サイドヒータ又はエンドヒータは抵抗性トラックを備える。
【0009】
任意選択で、サイドヒータは、断熱材であるスペーシング要素によりエンドヒータから分離されている。
【0010】
任意選択で、スペーシング要素は側壁又は端壁の一部である。
【0011】
任意選択で、エアロゾル生成装置は、消耗品を加熱チャンバ内に挿入すること及び加熱チャンバから除去することを可能にするように構成されている管状部分を備えるキャップを更に備える。
【0012】
任意選択で、エアロゾル生成装置は、空気が加熱チャンバ内の消耗品を通って流れることを可能にするように構成されている空気流チャネルを更に備え、空気流チャネルは、端壁を通るアパーチャ、又は、側壁からの1つ以上の内向き突出部、を含む。
【0013】
任意選択で、エアロゾル生成装置は、加熱チャンバ内へと取り外し可能に挿入されるように適合され、消耗品を収容するように適合された内側チャンバを更に備え、内側チャンバは、第2の側壁及び第2の端壁を備える。
【0014】
任意選択で、内側チャンバを有するエアロゾル生成装置は、空気が加熱チャンバ内の消耗品を通って流れることを可能にするように構成されている空気流チャネルを更に備え、空気流チャネルは、端壁と第2の端壁とを通るアパーチャ、又は第2の側壁からの1つ以上の内向き突出部、を備える。
【0015】
任意選択で、コントローラは、第2の期間中に起動されていない、サイドヒータ及びエンドヒータのうちの一方の抵抗を測定することにより、第2の期間中の加熱チャンバの温度を測定するように構成されている。
【0016】
第2の態様によれば、本開示は、上述したようなエアロゾル生成装置と、加熱チャンバ内に配置された細長い消耗品とを備える、システムを提供する。
【0017】
第3の態様によれば、本開示は、エアロゾル生成装置用のコントローラを提供し、エアロゾル生成装置は、側壁、端壁、及び端壁の反対側の開口部を備える加熱チャンバであって、開口部は細長い消耗品を受け取って加熱チャンバ内へと入れるように構成されている、加熱チャンバと、側壁から加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されているサイドヒータと、端壁から加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されているエンドヒータと、を備え、コントローラは、第1の期間中にサイドヒータ及びエンドヒータを起動させ、第2の期間中にサイドヒータ及びエンドヒータのうちの一方だけを起動させるように構成され、第1の期間は、細長い消耗品が第1の温度から、少なくとも第1の温度よりも高いエアロゾル生成温度に又はそれに向かって加熱される時間であり、第2の期間は、細長い消耗品がエアロゾル生成温度に維持される時間又はそれを超えて昇温される時間である。
【0018】
第4の態様によれば、本開示は、エアロゾル生成装置を制御する方法を提供し、エアロゾル生成装置は、側壁、端壁、及び端壁の反対側の開口部を備える加熱チャンバであって、開口部は細長い消耗品を受け取って加熱チャンバ内へと入れるように構成されている、加熱チャンバと、側壁から加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されているサイドヒータと、端壁から加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されているエンドヒータと、を備え、方法は、第1の期間中にサイドヒータ及びエンドヒータを起動させ、第2の期間中にサイドヒータ及びエンドヒータのうちの一方だけを起動させることを含み、第1の期間は、細長い消耗品が第1の温度から、少なくとも第1の温度よりも高いエアロゾル生成温度に又はそれに向かって加熱される時間であり、第2の期間は、細長い消耗品がエアロゾル生成温度に維持される時間又はそれを超えて昇温される時間である。
【0019】
第5の態様によれば、本開示は、細長い消耗品からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成装置を提供し、この装置は、
側壁、端壁、及び端壁の反対側の開口部を備える加熱チャンバであって、開口部は細長い消耗品を受け取って加熱チャンバ内へと入れるように構成されている、加熱チャンバと、側壁から加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されているサイドヒータと、端壁から加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されているエンドヒータと、サイドヒータ及びエンドヒータを制御するように構成されているコントローラであって、サイドヒータ及びエンドヒータのうちの最初の一方の抵抗を測定するように構成されている、コントローラと、備える。
【0020】
任意選択で、コントローラは、サイドヒータ及びエンドヒータのうちの第1のヒータの、両端の電圧測定を行い、その測定値から、測定された抵抗値を決定するように構成されている。
【0021】
任意選択で、コントローラは、測定された抵抗値を、記憶された抵抗値と比較するように構成されている。
【0022】
任意選択で、コントローラは、測定された抵抗値から、サイドヒータ及びエンドヒータのうちの最初の一方の温度を決定するように構成されている。
【0023】
任意選択で、コントローラは、決定された温度を、記憶された温度と比較するように構成されている。
【0024】
任意選択で、コントローラは、測定された抵抗値から、消耗品からエアロゾルが引き出されたイベントを検出するように構成されている。
【0025】
任意選択で、コントローラは、エアロゾルが消耗品から引き出された回数を計数するように構成されている。
【0026】
任意選択で、コントローラは、測定された抵抗値の関数として、加熱チャンバ内へと熱を供給するためのエンドヒータ及びサイドヒータのうちの第2のヒータに供給される電力を制御するように構成され、第2のヒータは第1のヒータとは異なる。
【0027】
任意選択で、コントローラは、加熱チャンバ内へと熱を供給するためのサイドヒータ及びエンドヒータのそれぞれに供給される電力を制御するように構成され、第1の期間中に、サイドヒータ及び/又はエンドヒータに電力が供給され、第2の期間中に、サイドヒータ及びエンドヒータのうちの一方にのみ電力が供給され、第1の期間は、抵抗が測定されない所定の時間であり、第2の期間は、加熱のための給電がされていない、サイドヒータ及びエンドヒータのうちの一方を使用して抵抗が測定される時間である。
【0028】
任意選択で、サイドヒータ又はエンドヒータは、加熱チャンバの内面に配置されている。
【0029】
任意選択で、サイドヒータ及びエンドヒータは、加熱チャンバの外面に配置されている。
【0030】
任意選択で、サイドヒータ又はエンドヒータは、加熱チャンバの表面に形成された抵抗性トラックを備える。
【0031】
任意選択で、サイドヒータは、断熱材であるスペーシング要素によりエンドヒータから分離されている。
【0032】
任意選択で、スペーシング要素は側壁又は端壁の一部である。
【0033】
任意選択で、エアロゾル生成装置は、空気が加熱チャンバ内の消耗品を通って流れることを可能にするように構成されている空気流チャネルを更に備え、空気流チャネルは、端壁を通るアパーチャ、又は側壁からの1つ以上の内向き突出部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1A及び
図1Bは、一実施形態によるエアロゾル生成装置の断面を概略的に示す。
【
図2】
図2は、エアロゾル生成装置の温度プロファイルの例を概略的に示す。
【
図3】
図3は、エアロゾル生成装置の温度プロファイルの例を概略的に示す。
【
図4】
図4A~
図4Dエアロゾル生成装置におけるヒータの代替的構成を概略的に示す。
【
図5】
図5は、エアロゾル生成装置の更なる任意選択の特徴を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1A及び
図1Bは、一実施形態によるエアロゾル生成装置の断面を概略的に示す。
【0036】
エアロゾル生成装置100は加熱チャンバ110を備え、加熱チャンバ自体が、側壁111、端壁112、及び端壁の反対側の開口部113を備える。側壁111は、細長い消耗品2を取り囲むように適合されており、例えば、円形又は多角形の断面を有してもよい。開口部113は、消耗品2を加熱チャンバ110内に収容するように構成され、消耗品2を加熱チャンバ110に追加又は加熱チャンバ110から除去することを可能にしている。
【0037】
サイドヒータ120は、側壁111から加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成され、エンドヒータ130は、端壁112から加熱チャンバ内へと熱を供給するように構成されている。ヒータの具体的な配置及び設計は、
図4A~
図4Dを参照して以下に説明される。
【0038】
図1Bに示すように、消耗品2が加熱チャンバ内に存在する場合、消耗品は、サイドヒータ120及びエンドヒータ130のいずれか又は両方により加熱され得る。コントローラ140は、サイドヒータ120及びエンドヒータ130を制御するように構成されている。サイドヒータ120及びエンドヒータ130は、コントローラ140から直接、電力を受け取ってもよい、又はサイドヒータ120及びエンドヒータ130は、装置100の電源への接続を介して電力を受け取ってもよく、コントローラ140は、例えばトランジスタを制御することにより、ヒータを駆動するための電力の使用を制御してもよい。そのような配置では、比較的低電力のコントローラ140を、比較的高電力のヒータと共に使用することができる。
【0039】
加えて、コントローラ140は、サイドヒータ120及びエンドヒータ130のいずれか又は両方の抵抗を測定するように構成され得る。コントローラ140は、以下で更に説明するように、抵抗測定値に基づいてサイドヒータ120及び/又はエンドヒータ130を制御してもよい。
【0040】
図1Bに追加的に示すように、装置100はキャップ150を備えてもよい。このキャップは、装置100のユーザが(高温の可能性がある)加熱チャンバ110に直接接触することを防止する。
【0041】
加えて、キャップ150は、
図1Bに示すように、消耗品が加熱チャンバ内へと挿入され、加熱チャンバから除去されることを可能にするように構成されている管状部分151を備えてもよい。この構成により、管状部分151は、加熱チャンバ110の延長部として機能して、装置100が、例えばエアロゾル基質21に加えてフィルタ部分を備える、より長い消耗品2を支持することが可能になる。
【0042】
具体的には、この実施形態では、キャップ150は、
図1Bに示すように、外側管状部分及び内側管状部分を備える。キャップ150は、非使用時に加熱チャンバを清浄に維持するために、任意選択で、端の開口部を閉じるための蓋(図示せず)を更に備えてもよい。
【0043】
キャップ150の外側管状部分は、エアロゾル生成装置100の本体の少なくとも一部の上(又は周囲)に嵌まるように構成されている。外側管状部分は、キャップ150が本体と係合するための表面を提供し、キャップ150が偶発的に外れることをより困難にすることにより、エアロゾル生成装置の機械的安全性を高めている。
【0044】
他の実施形態では、キャップ150は、
図1Bに示すように、消耗品2を取り囲むように構成されてもよく、消耗品を突出させる代わりに、マウスピースを備えてもよい。そのような実施形態では、キャップ150は、エアロゾルがユーザにより吸入される前にエアロゾルを濾過するためのフィルタを備えてもよい。
【0045】
ここで
図2及び
図3を参照すると、コントローラ140は、第1の期間T1の間にサイドヒータ120及びエンドヒータ130を起動させ、第2の期間T2の間にサイドヒータ120及びエンドヒータ130のうちの一方のみを起動させるように構成されてもよい。
【0046】
図2及び
図3のそれぞれは、消耗品が初期的に、エアロゾルが生成され得る温度に加熱される、例示的な温度プロファイルを概略的に示す。消耗品が十分に熱い場合、ユーザは消耗品からエアロゾルを引き込む。この引き込み動作又は「パフ」は、周囲空気を加熱チャンバ内へと引き込み、ユーザにより吸入された、加熱されたエアロゾルに富む空気を置換することにより、加熱チャンバ内の温度を低下させる。その結果、初期的な加熱後の温度プロファイルは、緩やかな温度上昇に、ユーザがエアロゾルのパフを吸入した際の低下を割り込ませたプロファイルを含む。
【0047】
第1の期間T1は、細長い消耗品2(より具体的には、消耗品2のエアロゾル基質21)が第1の温度から、第1の温度よりも高いエアロゾル生成温度θに向かって加熱される時間であり得る。エアロゾル生成装置を最初に使用する場合、第1の温度は周囲温度である。一方、エアロゾル生成装置が最近使用されている場合、第1の温度は周囲温度よりも高い場合がある。エアロゾル生成温度θは典型的には150℃~350℃の範囲にあり、消耗品2からエアロゾルが生成される温度である。
【0048】
第1の期間T1は、消耗品をエアロゾルが生成され得る温度にするための比較的速い加熱の時間であり得る。
【0049】
単純な制御構成では、第1の期間T1は、コントローラ140にて構成された固定期間を有してもよい。
【0050】
代わりに、
図2に示すように、エアロゾル生成温度に到達したときに第1の期間T1が終了してもよい。
【0051】
代わりに、
図3に示すように、第1の期間T1は、最小エアロゾル生成温度θを超えて延びてもよい。例えば、第1の期間T1から第2の期間T2への遷移は、装置100が、パフイベントに関連付けられた温度低下を検出したときにトリガされてもよい。
【0052】
更なる代替形態として、エアロゾル生成温度に実際に到達する前に、第1の期間T1が終了してもよい。この代替形態では、エアロゾル生成温度θに向けての消耗品の初期的加熱を支援する勢いを与えるために、第1の期間T1の二重加熱が使用され、この初期的な支援が完了すると、第2の期間T2において、消耗品2からの最初のパフの前に必要な残りの加熱のために、単一のヒータが使用されてもよい。
【0053】
第2の期間T2は、消耗品2が、エアロゾル生成温度θに又はそれを超える温度に維持される時間であってもよい。
【0054】
前述したように、エアロゾルのパフがユーザにより吸入される毎に、加熱チャンバ110内の温度が低下する。したがって、消耗品2の温度を維持するために、第2の期間T2で使用されるサイドヒータ及びエンドヒータのうちの一方を制御して、加熱チャンバ110に熱を供給し続けてもよい。
【0055】
単純な制御構成では、第2の期間T2の間に加熱チャンバ110に連続的に熱を供給するために、1つのヒータが制御されてもよい。
【0056】
代わりに、第2の期間T2で使用される1つのヒータは、加熱チャンバ110の最高温度に応じて制御されてもよく、そして最高温度に到達したとき又はそれを超えたときに起動停止されてもよい。これは、例えば、エアロゾル基質21が燃焼し始め得る温度に加熱チャンバ110が到達することを防止するであろう。
【0057】
加えて、より複雑な加熱制御構成が使用されてもよい。例えば、コントローラ140は、加熱チャンバ内への熱を、パフが発生した後はより速く供給し、加熱チャンバが最高温度により近づいたときはより遅く供給するように、1つのヒータを制御するように構成され得る。
【0058】
エアロゾル生成装置100は、加えて、1つ以上のユーザ入力(例えば、ボタン又はスライダ)を備えてもよい。コントローラ140は、1つ以上のユーザ入力に応じてサイドヒータ及びエンドヒータを制御するように構成されてもよい。例えば、ユーザ入力を使用して、第1の期間の時間の長さ、第1の期間の最高温度、第1の期間の加熱電力、第2の期間の時間の長さ、第2の期間の最高温度、及び第2の期間の加熱電力のいずれかを設定してもよい。加えて、ユーザ入力は、装置を完全に起動停止するためのオン/オフ制御を含んでもよい。オン/オフ制御は、安全のために電源に接続されたハードスイッチとして提供されてもよい。
【0059】
上述したように、単純な構成では、コントローラ140は、純粋にタイミング(及び任意選択で1つ以上のユーザ入力)に基づいて、サイドヒータ120及びエンドヒータ130を制御してもよい。しかしながら、他の実施形態では、エアロゾル生成装置100は、加熱チャンバ110内又はその近くに配置された温度センサを備えてもよく、コントローラ140は、加熱チャンバ110の温度を測定するように構成されてもよい。
【0060】
一例では、サイドヒータ120又はエンドヒータ130が温度センサとして使用されてもよい。より具体的には、コントローラ140は、サイドヒータ又はエンドヒータの抵抗を測定してもよく、所定の温度依存抵抗特性を使用して、抵抗から温度を決定してもよい。
【0061】
ヒータ120又は130の抵抗を測定するために、コントローラ140は、ヒータの両端の電圧測定を行い、そこからの抵抗を決定するように構成されてもよい。例えば、コントローラ140は、ヒータを通るように固定電流を供給し、固定電流を流しながらヒータの両端の電圧を測定してもよい。同様に、コントローラ140は、ヒータの両端に固定電圧が印加されているときに、ヒータを通って流れる電流を測定するように構成されてもよい。
【0062】
所定の温度依存抵抗特性は、1つ以上の記憶された抵抗閾値を含んでもよく、抵抗閾値のそれぞれがヒータ120又は130の温度に対応する。コントローラ140は、1つ以上のヒータ120、130を制御することの一部として、測定されたヒータの抵抗を、1つ以上の記憶された抵抗閾値と比較するように構成されてもよい。例えば、コントローラ140は、測定された抵抗値を記憶された目標抵抗値と比較するように構成されてもよい。
【0063】
そのような実施形態では、コントローラ140は、実際の温度対応データを記憶する必要はなく、単に記憶された抵抗値を使用して、抵抗測定値と比較してもよい。代わりに、コントローラは、ヒータ(サイドヒータ120又はエンドヒータ130)の温度を、測定された抵抗から実際に決定するように構成されてもよい。これは、上述したように、例えば、測定された温度をユーザに表示し、ユーザが、1つ以上のユーザ入力を介してエアロゾル生成装置100をユーザの好みに応じて制御することを支援するのに有用であり得る。コントローラ140がヒータの温度を決定する場合、上述したような記憶された抵抗閾値又は記憶された目標抵抗値は、記憶された温度閾値又は記憶された目標温度で置換されてもよい。
【0064】
上述したように、ユーザが消耗品2からエアロゾルのパフを引き込むと、加熱チャンバ110内の温度は低下する。第1のヒータの抵抗(上述したように、加熱チャンバ110の温度に対応する)を測定することにより、コントローラ140は、ユーザが消耗品からエアロゾルを引き込むパフイベントを検出するように構成され得る。例えば、コントローラ140は、エアロゾル生成セッション中に、消耗品2から引き込まれたエアロゾルのパフの総数を計数してもよい。
【0065】
加えて又は代わりに、コントローラ140は、パフイベントの大きさを決定するように構成されてもよい。パフに関連付けられた温度低下の大きさは、加熱チャンバ110内へと引き込まれて、吸入されたエアロゾルに富む空気を置換する周囲空気の量に依存する。したがって、パフイベントの大きさはまた、ヒータの抵抗の変化にも対応する。
【0066】
消耗品2は、典型的には、有限量のエアロゾル基質21を含有し、所定量のエアロゾルだけを生成することが可能である。したがって、パフの数又はパフの大きさを計数することにより、コントローラ140は、消耗品2をいつ取り替えるべきかを決定するように構成され得る。エアロゾル生成装置100は、消耗品2をいつ取り替えるべきかをユーザに示すためのインジケータを備えてもよく、コントローラ140は、パフの計数が閾値を超えたときにインジケータをオンにしてもよい。
【0067】
温度測定の具体的な例として、第2の期間では、加熱チャンバ110に熱を供給するために、サイドヒータ120及びエンドヒータ130のうちの一方のみが起動される。サイドヒータ120及びエンドヒータ130の他方は、その時点では熱源として機能していないので、他方のヒータは、消耗品2が位置する加熱チャンバ110の内部における平均温度を示す温度を有するはずである。したがって、コントローラ140は、第2の期間中に起動されていない、サイドヒータ120及びエンドヒータ130のうちの一方の抵抗を測定することにより、第2の期間中の加熱チャンバ110の温度を測定するように構成されてもよい。
【0068】
加えて又は代わりに、コントローラ140は、サイドヒータ120及びエンドヒータ130のうちの起動中の1つのヒータの抵抗を、その起動中のヒータが加熱チャンバ110に熱を供給しているときに測定することにより、加熱チャンバ110の温度を測定するように構成されてもよい。この場合、起動中のヒータは、加熱チャンバ110の平均温度よりも高温になる可能性が高い。しかしながら、起動中のヒータの抵抗、ヒータの所定の温度依存抵抗特性、及び加熱チャンバ110の所定の温度分布モデルに基づいて、加熱チャンバ110の温度測定値が決定されてもよい。
【0069】
代わりに、コントローラ140は、ヒータ120、130のいずれか又は両方が加熱チャンバ110に熱を供給している場合、第1の期間T1の間に温度を測定しないように構成されてもよい。
【0070】
一方、他の時間、例えば第2の期間T2では、コントローラ140は、サイドヒータ120及びエンドヒータ130のうちの一方にのみ電力を供給し、サイドヒータ120及びエンドヒータ130の他方から得られた測定された抵抗の関数として、供給電力を制御してもよい。その時点では1つのヒータは熱源として機能していないので、そのヒータは、消耗品2が位置する加熱チャンバ110の内部における平均温度を示す温度を有することが予想され得る。したがって、コントローラ140は、起動されていないヒータの抵抗を測定することにより加熱チャンバ110の温度を測定し、これに基づいて、起動されている他のヒータに供給される電力を制御するように構成されてもよい。
【0071】
より一般的には、上述したように温度がいったん感知されると、コントローラ140は、サイドヒータ120及びエンドヒータ130を制御する場合に、温度測定値を使用してもよい。例えば、コントローラ140は、ヒータに供給される電力を温度測定値の関数として制御するように構成されてもよい。
【0072】
例えば、第2の期間では、加熱チャンバ110に熱を供給するためにサイドヒータ120及びエンドヒータ130のうちの一方のみが使用されている場合、サイドヒータ120及びエンドヒータ130の他方を使用して、測定された抵抗値から温度を導出してもよい。次いで、コントローラ140は、加熱チャンバ110を加熱するためにサイドヒータ120及びエンドヒータ130のうちの一方に供給される電力を、温度の関数として制御してもよい。具体的には、温度が加熱チャンバ110の目標温度を超えた場合、供給電力は減少されてもよく、温度が目標温度を下回った場合、供給電力は増加されてもよい。コントローラ140は、例えば、加熱チャンバ110内における温度を安定して制御するために、温度測定値に基づいて供給電力のPID制御を実施してもよい。供給電力は、加熱チャンバ110内へと熱を供給しているヒータの両端の電圧又はそのヒータを流れる電流を変化させることにより制御されてもよい。代わりに、ヒータはスイッチングサイクルで制御されてもよく、電力制御はパルス幅変調(PWM)を使用して実施されてもよい。
【0073】
コントローラ140による制御の第1の全体的な例として、サイドヒータ120又はエンドヒータ130を制御するためのプロセスは以下を含んでもよい:
1.サイドヒータ120及びエンドヒータ130のうちの一方である第1のヒータに対して目標温度を設定する。目標温度は、例えば、エアロゾル生成温度θである又はそれを超える温度であり得る。コントローラ140は、目標温度を内部メモリに記憶してもよい。目標温度は所定の値であってもよい。
2.第1のヒータの両端の電圧を測定する。
3.電圧測定値に基づいて第1のヒータの抵抗値を計算する。
4.計算された抵抗測定値に基づいて、第1のヒータに対応する温度値を計算する。これは、例えば、抵抗閾値に対応する温度であってもよい、又は抵抗測定値と連続的な所定の温度依存抵抗特性とを使用することにより計算されてもよい。
5.第1のヒータの計算された温度値を目標温度と比較する。
6.電源信号のPWMデューティサイクルを制御するPIDアルゴリズムを使用して、第1のヒータの計算された温度値と目標温度との間の差を減少させるために、第2のヒータ(サイドヒータ120及びエンドヒータ130のうちの他方)に供給される電力信号を調整する。
【0074】
コントローラ140による制御の第2の全体的な例として、サイドヒータ120又はエンドヒータ130を制御するためのプロセスは以下を含んでもよい:
1.サイドヒータ120及びエンドヒータ130のうちの一方である第1のヒータに対して目標温度を設定する。目標温度は、例えば、エアロゾル生成温度θであってもよい、又はそれを超える温度であってもよい。目標温度は所定の値であってもよい。
2.目標温度に対応する第1のヒータの目標抵抗値を計算する。これは、例えば、温度閾値に対応する抵抗であってもよい、又は目標温度と連続的な所定の温度依存抵抗特性とを使用することにより計算されてもよい。コントローラ140は、目標抵抗値を内部メモリに記憶してもよい。
3.第1のヒータの両端の電圧を測定する。
4.電圧測定値に基づいて第1のヒータの抵抗値を計算する。
5.第1のヒータの計算された抵抗値を目標抵抗値と比較する。
6.電源信号のPWMデューティサイクルを制御するPIDアルゴリズムを使用して、第1のヒータの計算された抵抗値と目標抵抗値との間の差を減少させるために、第2のヒータ(サイドヒータ120及びエンドヒータ130のうちの他方)に供給される電力信号を調整する。
【0075】
図4A~
図4Dは、エアロゾル生成装置におけるヒータの代替的構成を概略的に示す。
【0076】
図4A及び
図4Bは、第1のヒータ構成の異なる図面を提供する。
図4Aでは、側壁111及び開口部113を示す側面図が提供される。
図4Bでは、側壁111及び端壁112の外面を示す閉じた端部の図面が提供される。
【0077】
図4Aに示すように、サイドヒータ120は、加熱チャンバ110の側壁111の外面に設けられてもよい。この構成では、熱は、サイドヒータ120から側壁111を通って加熱チャンバ内へと供給される。
【0078】
加えて、
図4Bに示すように、加熱チャンバ110の端壁112の外面にエンドヒータ130が設けられてもよい。この構成では、熱は、エンドヒータ130から端壁112を通って加熱チャンバ内へと供給される。
【0079】
例えば、サイドヒータ120及びエンドヒータ130のそれぞれは、抵抗性ヒータトラックを備えるフィルムヒータであってもよく、フィルムヒータは、側壁111及び端壁112のそれぞれの外面に取り付けられている又は包まれている。代わりに、各ヒータは、対応する壁111、112の外面に直接形成された抵抗性ヒータトラックであってもよい。更なる代替形態として、各ヒータは自立式の金属シートであってもよい。
【0080】
図4A及び
図4Bに示すように、加熱チャンバ110の外面にヒータが設けられている場合、熱がヒータから加熱チャンバ内へと通過することを可能にするために、側壁111及び端壁112は熱伝導性を有するべきである。例えば、側壁111及び端壁112は、銅などの金属を含んでもよい、又は炭素を、例えばグラファイト形態で含んでもよい。
【0081】
サイドヒータ120及びエンドヒータ130が加熱チャンバの外面に配置されていることにより、各ヒータに電源を接続することが簡単である。
【0082】
図4C及び
図4Dは、第2のヒータ構成の異なる図面を提供する。
図4Cでは、側壁111及び開口部113を示す側面図が提供される。
図4Dでは、側壁111及び端壁112の内面を示す開いた端部の図面が提供される。
【0083】
図4Cに示すように、サイドヒータ120は、加熱チャンバ110の側壁111の内面に設けられてもよい。この構成では、熱はサイドヒータ120から直接、加熱チャンバ内へと供給される。
【0084】
加えて、
図4Dに示すように、加熱チャンバ110の端壁112の内面にエンドヒータ130が設けられてもよい。この構成では、熱はエンドヒータ130から直接、加熱チャンバ内へと供給される。
【0085】
図4A及び
図4Bと同様に、サイドヒータ120及びエンドヒータ130のそれぞれは、抵抗性ヒータトラックを備えるフィルムヒータであってもよく、フィルムヒータは、側壁111及び端壁112のそれぞれの内面に取り付けられている又は包まれている。代わりに、各ヒータは、対応する壁111、112の内面に直接形成された抵抗性ヒータトラックであってもよい。更なる代替形態として、各ヒータは自立式の金属シートであってもよい。
【0086】
図4C及び
図4Dに示すように、加熱チャンバ110の内面にヒータが設けられている場合、加熱チャンバ内に熱を保持するために、側壁111及び端壁112は、好ましくは熱伝導性を有しない。例えば、側壁111及び端壁112は、セラミックなどの絶縁材料を含んでもよい。
【0087】
加熱チャンバの内面にサイドヒータ120及びエンドヒータ130が配置されていることにより、加熱チャンバ内への熱供給効率が改善され得る。しかしながら、そのような構成では、開口部113、又は側壁111及び/若しくは端壁112、のいずれかを通して電力接続を提供する必要がある。
【0088】
第1の構成と第2の構成との組み合わせが可能である。例えば、サイドヒータ120は、加熱チャンバの外面に配置されてもよい一方で、エンドヒータ130は、加熱チャンバの内面に配置されてもよく、又はその逆であってもよい。
【0089】
更に、サイドヒータ120及び/又はエンドヒータ130は、加熱チャンバのそれぞれの側壁及び端壁内に一体化されてもよい。例えば、ヒータは、それぞれの壁内に作り込まれていてもよく、又は加熱チャンバは、内壁及び外壁を備えて、それらの間にヒータが位置していてもよい。この構成により、外壁は、熱を保持するための断熱を提供するように適合されてもよい一方で、内壁は、それぞれのヒータから加熱チャンバの内部に熱を伝導するように適合されている。
【0090】
図5に戻ると、サイドヒータ120は、断熱材であるスペーシング要素によりエンドヒータ130から分離されてもよい。
【0091】
例えば、加熱チャンバ110及びヒータ120、130は、セラミックなどの絶縁材料115の形態のスペーシング要素により取り囲まれてもよい。絶縁材料115は加えて、加熱チャンバからの熱漏洩を低減させ、加熱チャンバの効率を改善する。加えて、装置100が熱に敏感な構成要素を備える場合、絶縁材料115は、エアロゾル生成のために必要な加熱チャンバ内の温度を実現しながら、これら構成要素を保護するのに役立つ。
【0092】
加えて、スペーシング要素は、側壁又は端壁の一部であってもよい。例えば、
図5に示すように、スペーシング要素116は、側壁111と端壁112との間の接合部に位置している。これは、例えばセラミックなどの絶縁材料の環状リングであってもよく、側壁111を端壁112に接続している。
【0093】
サイドヒータをエンドヒータから絶縁することにより、加熱チャンバ110の内部に、側壁111及び端壁112から独立して熱を供給することが可能になる。これにより、加熱チャンバ110内で加熱されている消耗品2の熱プロファイルに対して可能な制御のレベルが増加する。
【0094】
ここで
図6A及び
図6Bを参照すると、ユーザが消耗品2からエアロゾルのパフを引き込むために、空気が消耗品2の中に流入するか、又は消耗品2を通って流れることが可能でなければならない。これは、単に高多孔質の消耗品を提供することにより実現できる。しかしながら、これは好ましくは、エアロゾル生成装置内に空気流チャネル117を提供することにより実現される。
【0095】
図6Aに示すように、空気流チャネルの第1の例は、端壁112を通るアパーチャを備える。
図6Aに更に示すように、空気流チャネル117は、エアロゾル生成装置100の本体を介して吸気点に接続してもよい。この構成では、ユーザが消耗品の一方の端からエアロゾルのパフを引き込むと、エアロゾルに富む空気が消耗品2の端から流れると同時に、周囲空気が空気流チャネルを通って流れる。空気流チャネルは、加えて又は代わりに、側壁111を通るアパーチャを備え得る。
【0096】
図6Bに示すように、空気流チャネル117の第2の例は、消耗品2と側壁111との間に空間を含む。この空間は、側壁111の内面を変更して、端壁112と開口部113との間に延びるリブなどの1つ以上の内向き突出部を含むようにすることにより確保することができる。消耗品2は、加熱チャンバ110内の突出部に沿って収容されてもよく、空気は、突出部、側壁111と消耗品2との間の空間を含む空気流チャネル117内を流れることができる。更に、消耗品2が圧縮可能である場合、消耗品2は、以下に記載される
図8Bと同様に、突出部に沿って圧縮されてもよい。
【0097】
図7A及び
図7Bを参照すると、エアロゾル生成装置100は、加熱チャンバ110内へと取り外し可能に挿入されるように適合され、消耗品2を収容するように適合されている、内側チャンバ300を備えてもよい。
【0098】
内側チャンバ300は、第2の側壁301及び第2の端壁302を備える。第2の側壁及び第2の端壁は、側壁111及び端壁112に接して又はそれらに隣接して挿入されるように適合されている。このような構成では、消耗品が加熱チャンバ内で加熱されると、熱は、サイドヒータ120及び/又はエンドヒータ130から、加熱チャンバ110のそれぞれの側壁111及び/又は端壁112を通って、並びに内側チャンバ300のそれぞれの第2の側壁301及び/又は第2の端壁302を通って供給される。第2の側壁301及び第2の端壁302は、熱伝導性材料、例えば銅又はアルミニウムなどの金属材料で作製されていてもよい。
【0099】
内側チャンバ300は、エアロゾル生成装置100をクリーニングするのに有用であるため好ましい特徴である。消耗品2は、消耗品が除去されるとき、エアロゾル生成装置内に残骸を残す場合がある。例えば、エアロゾル基質21は、ラッパー内に堅く又は緩く保持された乾燥された又は粉末化された材料を含む場合がある。この乾燥された又は粉末化された材料は、消耗品2の端部から漏れる場合がある。消耗品により残された残骸は全て除去されなければならない。そうしない場合は、キャップ及び/又は加熱チャンバは、詰まった残骸で次第に埋まり、エアロゾル生成装置の加熱効率が低下し、及び/又は装置が消耗品から生成できるエアロゾルの量が減る場合がある。消耗品を加熱する表面は、例えば消耗品2からの残骸に対する硬化効果に起因して、典型的にはクリーニングが最も困難である。更に、入念なクリーニングを行っても、詰まった残骸の一部は最終的に蓄積し、エアロゾル生成装置の寿命を制限することになる。これらの問題を考慮すると、内側チャンバ300は、加熱チャンバ110又はキャップ150とは独立してクリーニング及び取り替えることができるという点で有利である。
【0100】
加えて、
図7A及び
図7Bに示す実施形態では、内側チャンバ300は、加熱チャンバ110の外側に留まるように適合されたフランジ303を備える。この実施形態では、フランジ303が加熱チャンバ内に嵌まらないように、フランジ303は加熱チャンバよりも広い外径を有する。フランジ303は、加熱チャンバを把持し、内側チャンバ300から除去することを容易にするという利点を有する。
【0101】
更に、この実施形態では、フランジ303は、第2の側壁301及び第2の端壁302よりも実質的に低い熱伝導率を有する。例えば、第2の側壁301及び第2の端壁302が金属材料を含む実施形態では、フランジ303は、例えば、ゴム、耐熱プラスチック、又はコルクを含んでもよい。このより低い熱伝導率は、装置が最近、消耗品を加熱するために使用された場合であっても、装置から内側チャンバ300を除去するときにユーザが手に火傷することを防ぐことにより安全性を改善する。加えて、低い熱伝導率を有するフランジ303を使用することは、加熱チャンバ110との直接接触に関連付けられた高温に耐性を有する必要なく、キャップ150用の材料をより自由に選択できることを意味する。代わりに、製造を簡略化するために、内側チャンバ300全体を単一の材料から構築してもよい。
【0102】
ここで、
図8A及び
図8Bを参照すると、内側チャンバ300は、加熱チャンバ110について前述したものと同様の空気流チャネル317を備えてもよく、空気流チャネル317は、空気が加熱チャンバ110内の消耗品を通って流れることを可能にするように構成されている。
【0103】
より具体的には、
図8Bに示すように、空気流チャネル317は、消耗品2と第2の側壁301との間の空間を含んでもよい。この空間は、
図8Aに示すように、側壁301の内面を変更して、第2の端壁301と開口部113との間に延びるリブなどの1つ以上の内向き突出部を含むようにすることにより確保することができる。消耗品2は、内側チャンバ300内の突出部に沿って収容されてもよく、空気は、突出部318、第2の側壁301と消耗品2との間の空間を含む空気流チャネル317内を流れることができる。更に、消耗品2が圧縮可能である場合、消耗品2は、
図8Bに示すように、突出部に沿って圧縮されてもよい。
【0104】
代わりに、
図6Aに示す概念の拡張として、空気流チャネル117は、端壁112及び第2の端壁302を通るアパーチャを備えてもよい。
図6Aに更に示すように、空気流チャネル117は、エアロゾル生成装置100の本体を介して吸気点に接続してもよい。この構成では、ユーザが消耗品の一方の端からエアロゾルのパフを引き込むと、エアロゾルに富む空気が消耗品2の端から流れると同時に、周囲空気が空気流チャネルを通って流れる。空気流チャネルは、加えて又は代わりに、側壁111及び第2の側壁301を通るアパーチャを備え得る。
【0105】
エアロゾル生成装置の本体(すなわち、加熱チャンバ110を備える部分)、キャップ150、及び内側チャンバ300のうちの2つ以上は、互いに取り付けられるように適合されてもよい。これは、消耗品からエアロゾルを生成させるためにユーザが装置を使用するときに、装置100を固定するという利点を有する。
【0106】
例えば、本体又は内側チャンバ300は、内側チャンバを本体に取り外し可能に取り付けるための取り付け部分を備えてもよい。取り付け部分は、例えば、摩擦嵌合面、ねじ込み嵌合面、解放可能な弾力性クリップ、又は手動で係合する留め具の形態をとってもよい。更に、側壁111は、内側チャンバ300の第2の側壁301上の相補的特徴と係合する突出部又は凹部を備えてもよい。
【0107】
キャップ150又は内側チャンバ300は、内側チャンバをキャップに取り外し可能に取り付けるための取り付け部分を備えてもよい。これは、同様に、摩擦嵌合、ねじ込み嵌合、取り外し可能な弾力性アタッチメント、又は手動で係合する締結具により実現され得る。内側チャンバをキャップに取り外し可能に取り付けることにより、キャップ150を、内側チャンバ300を取り外すためのハンドルとして使用することが可能になる。消耗品が使用され残骸又は残留物が残った後に、キャップ150及び内側チャンバ300が加熱チャンバ110からいったん分離されると、簡略的なクリーニングのために、又は内側チャンバ300を新しく清浄な内側チャンバと置換するために、内側チャンバ300がキャップ150から分離されてもよい。
【0108】
加えて、内側チャンバ300を加熱チャンバ110内に保持するために、キャップ150及び本体は、互いに取り外し可能に取り付けられるように適合されてもよく、例えば、キャップ150及び本体は、互いに回転して噛み合うような補完的な特徴を有してもよい。より具体的には、キャップ150及び本体は、ねじ込み嵌合を形成するように適合されてもよい。
【0109】
他の実施形態では、加熱チャンバ110、内側チャンバ300、及びキャップ150は互いに取り付けられていなくてもよく、組み立てられた状態にするために、装置100は重力に依存して正しい向きで保持されてもよい。
【0110】
本発明の更なる実施形態ではシステムが提供されてもよく、システムは、上述したようなエアロゾル生成装置を備え、加熱チャンバ内に細長い消耗品が配置されている。この形態では、消耗品を別個に提供する必要なく、ユーザがシステムを直接使用して、吸入可能なエアロゾルを生成できる。
【0111】
上述したような、エアロゾル生成装置100用のコントローラ140が、エアロゾル生成装置100に追加される前に、単一の構成要素として製造されてもよい。そのような場合、コントローラ140は、特定の加熱プロファイルを提供するように既に構成されていてもよい。例えば、コントローラは、第1の期間中にサイドヒータ120及びエンドヒータ130を起動させ、第2の期間中にサイドヒータ120及びエンドヒータ130のうちの一方のみを起動させるように構成されてもよい。上述した実施形態と同様に、第1の期間は、細長い消耗品2が、第1の温度から、少なくとも、第1の温度よりも高いエアロゾル生成温度θに又はそれに向かって加熱される時間である。第2の期間は、細長い消耗品2が、エアロゾル生成温度θに維持される時間又はそれを超えて昇温される時間である。
【0112】
更に、いくつかの実施形態では、コントローラ140は省略されてもよく、サイドヒータ120及びエンドヒータ130は外部から制御されてもよい。そのような実施形態では、エアロゾル生成装置は、それ以外の点では上述した通りであってもよい。エアロゾル生成装置は、第1の期間中にサイドヒータ120及びエンドヒータ130を起動させ、第2の期間中にサイドヒータ120及びエンドヒータ130のうちの一方のみを起動させることを含む方法に従って制御されてもよい。第1の期間は、細長い消耗品2が、第1の温度から、少なくとも、第1の温度よりも高いエアロゾル生成温度に又はそれに向かって加熱される時間である。第2の期間は、細長い消耗品が、エアロゾル生成温度θに維持される時間又はそれを超える温度に昇温される時間である。
【0113】
上述した説明から、説明した実施形態の多くの特徴が、独立した利点を伴って独立して機能することが理解されるであろう。したがって、特許請求の範囲で定義される本発明の実施形態からのこれらの独立した特徴のそれぞれを含むこと又は省略することは、独立して選択することができる。
【0114】
キャップ150及び内側チャンバ300は、エアロゾル生成装置の部品として上述されているが、これらの部品は(上述したように)分離可能であり、キャップ150及び内側チャンバ300のそれぞれは個別に発生してもよい。例えば、上述したような内側チャンバ300は、エアロゾル生成装置100用の予備部品として、それ自体が流通されてもよい。内側チャンバ300だけの置換を可能にすることにより、装置内に残っている残骸に起因する劣化のリスクが最も高い最小限の部品のみを交換しながら、エアロゾル生成装置の寿命を延ばすことができる。
【0115】
上述した実施形態では、キャップ150は、(例えば、
図1Bに示すように)消耗品2が突出し得る開口部を備える。しかしながら、他の実施形態では、そのような開口部はない。例えば、キャップ150は、マウスピース及びフィルタを備えてもよく、キャップ150は、消耗品2を装置100内に完全に包囲するように適合されてもよい。そのような実施形態では、ユーザが消耗品2を加熱チャンバ110から取り外すことを期待するのではなく、装置は、消耗品2を加熱チャンバ内へと挿入するための及び/又は消耗品を加熱チャンバから除去するためのアクチュエータを備えてもよい。
【0116】
用語「ヒータ」は、エアロゾル基質からエアロゾルを形成するのに十分な熱エネルギーを出力するための任意の装置を意味すると理解されるべきである。エアロゾル基質への熱エネルギーの伝達は、伝導性、対流性、放射性、又はこれらの手段の任意の組み合わせであり得る。
【0117】
ヒータは、電気的に駆動されるか、燃焼によって駆動されるか、又は任意の他の好適な手段によって駆動され得る。電気駆動ヒータは、抵抗性トラック要素(任意選択で絶縁パッケージングを含む)、誘導加熱システム(例えば、電磁石及び高周波発振器を含む)などを含んでもよい。
【0118】
エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置をトリガしてオンにするための単一のユーザ操作可能ボタンを有する制御回路を有してもよい。これにより、制御が単純に保たれ、ユーザがエアロゾル生成装置を誤用する可能性又はエアロゾル生成装置を正しく制御することに失敗することになる可能性が低減される。しかしながら、場合により、ユーザが利用可能な入力制御は、例えば、温度を、例えば事前に設定された制限内で制御して、蒸気の風味バランスを変化させるか、又は例えば省電力モードと急速加熱モードとを切り替えるためにこれよりも複雑であり得る。
【0119】
エアロゾル基質は、タバコを、例えば乾燥又はキュアリングした形態で含み、場合により、風味のための又はより滑らかな若しくはより満足を与える経験をもたらす追加の成分を有する。いくつかの例では、タバコなどのエアロゾル基質は、気化剤で処理され得る。気化剤は、エアロゾル基質からの蒸気の生成を改善し得る。気化剤は、例えば、グリセロールなどのポリオール、又はプロピレングリコールなどのグリコールを含んでもよい。場合によっては、エアロゾル基質はタバコ又はニコチンさえも含まなくてもよいが、代わりに、風味付け、揮発性、滑らかさの改善、及び/又は他の満足を与える効果を提供するための天然の又は人工由来の成分を含有してもよい。エアロゾル基質は、細断された、ペレット状の、粉末状の、粒状の、ストリップ又はシート形態、任意選択でこれらの組み合わせの固体又はペーストタイプの材料として提供されてもよい。いくつかの例では、固体部分と液体/ゲル部分との両方が含まれてもよい。
【0120】
エアロゾル生成装置を、「加熱式タバコ装置」、「加熱非燃焼式タバコ装置」、「タバコ製品気化用装置」などと等しく呼ぶことができ、これらの効果を実現するのに適切な装置として解釈される。本明細書に開示される特徴は、任意のエアロゾル基質を気化させるように設計された装置に等しく適用可能である。
【0121】
消耗品は、予めパッケージ化された基質担体であってもよい。基質担体は、好適な形態で構成されているエアロゾル基質を有する管状領域を有する紙巻きタバコに概ね類似していてもよい。一部の設計には、フィルタ、蒸気収集領域、冷却領域、及びその他の構造も含まれる場合がある。例えば、エアロゾル基質を所定位置に保持するための紙の外層又は他の箔など可撓性の平坦な材料も提供して、紙巻きタバコなどとの類似性を更に高めてもよい。基質担体は、加熱チャンバ内に収まってもよい、又は加熱チャンバより長くてもよい。そのような実施形態では、エアロゾルは、エアロゾル生成装置用のマウスピースとして機能する基質担体から直接提供され得る。
【0122】
本明細書で使用する場合、「揮発性」という用語は、固体又は液体状態から気体状態に容易に変化することが可能な物質を意味する。非限定的な例として、揮発性物質は、周囲圧力において室温に近い沸騰温度又は昇華温度を有するものであり得る。したがって、「揮発する(volatilize)」又は「揮発する(volatilise)」は、(材料を)揮発させること、及び/又は蒸気中に蒸発又は分散させることを意味すると解釈されるものとする。
【0123】
本明細書で使用する場合、「蒸気(vapour)」(又は「蒸気(vapor)」)という用語は、以下を意味する:(i)液体が、十分な程度の熱の作用によって自然に変換される形態、又は(ii)大気中に浮遊し、湯気/煙の雲として見える液体/湿気の粒子、又は(iii)気体のように空間を満たすが、臨界温度を下回っている時は圧力だけで液化できる流体。
【0124】
この定義と整合して、「気化させる(vaporise)」(又は「気化させる(vaporize)」)という用語は、以下を意味する:(i)蒸気へと変化させる、又は蒸気への変化を生じさせる、及び(ii)粒子が物理状態を変化させる場合(すなわち、液体又は固体から気体状態へと)。
【0125】
本明細書で使用する場合、「噴霧する(atomise)」(又は「噴霧する(atomize)」)という用語は、以下を意味するものとする:(i)(物質、特に液体を)非常に小さい粒子又は液滴に変えること、及び(ii)粒子が噴霧前と同じ物理状態(液体又は固体)のままである場合。
【0126】
本明細書で使用する場合、「エアロゾル」という用語は、ミスト、霧又は煙など、空気又はガス中に分散された粒子系を意味するものとする。それに応じて、「エアロゾル化する(aerosolise)」(又は「エアロゾル化する(aerosolize)」)という用語は、エアロゾルにすること及び/又はエアロゾルとして分散させることを意味する。エアロゾル/エアロゾル化する、の意味は、上記で定義した揮発、噴霧及び気化させることの各々と整合することに留意されたい。疑義を回避するために、エアロゾルは、噴霧、揮発又は気化された粒子を含むミスト又は液滴を一貫して説明するために使用される。エアロゾルは、噴霧、揮発又は気化された粒子の任意の組み合わせを含むミスト又は液滴も含む。