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特許7636417肺静脈絶縁カテーテルおよび関連付けられるデバイス、システム、ならびに方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】肺静脈絶縁カテーテルおよび関連付けられるデバイス、システム、ならびに方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20250218BHJP
【FI】
A61B18/14
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2022536751
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-15
(86)【国際出願番号】 US2020065314
(87)【国際公開番号】W WO2021126980
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-12-15
(31)【優先権主張番号】62/948,736
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518388432
【氏名又は名称】アフェラ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ハーレブ, ドロン
(72)【発明者】
【氏名】ウォレス, アンドリュー マイルズ
(72)【発明者】
【氏名】ハルツ, ポール ブライアン
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-513032(JP,A)
【文献】特開2011-183158(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0168647(US,A1)
【文献】特開2015-073907(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0116505(US,A1)
【文献】特表2007-524439(JP,A)
【文献】特表2019-503773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12-18/14
A61M 25/00-25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、前記カテーテルは、
近位端部分と遠位端部分とを有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端部分に機械的に結合されている先端区分であって、前記先端区分は、拡張可能部分をともに画定する複数のメッシュ電極パネルを含む先端区分と
を備え
前記複数のメッシュ電極パネルのそれぞれは、少なくとも1つの小孔を含み、少なくとも1つの締結具が、対応する小孔を介して前記拡張可能部分の隣接するメッシュ電極パネルをともに保持する、カテーテル。
【請求項2】
前記複数のメッシュ電極パネルのそれぞれは、(i)前記メッシュ電極パネルに沿って軸方向に分布する第1の絶縁部分および第2の絶縁部分と、(ii)前記第1の絶縁部分と前記第2の絶縁部分との間のアクティブ部分とを備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記複数のメッシュ電極パネルのそれぞれは、(i)第1の絶縁部分と、(ii)前記第1の絶縁部分の遠位にあるアクティブ部分とを備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記複数のメッシュ電極パネルのそれぞれは、複数の支柱を備え、前記複数の支柱の第1のサブセットが、複数のセルを画定する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記複数のセルは、前記拡張可能部分の開放エリアを少なくとも部分的に画定し、流体、血液、または、これらの組み合わせが、前記開放エリアを通して流動し得る、請求項4に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記先端区分は、前記先端区分の最遠位部分において前記拡張可能部分に機械的に結合されている展開部材をさらに含み、前記拡張可能部分は、前記シャフトの前記遠位端部分と前記先端区分の前記最遠位部分との間において前記展開部材の少なくとも一部を包む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記展開部材は、伸縮自在である、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記拡張可能部分は、前記シャフトによって画定される軸に沿って、前記展開部材の近位移動および遠位移動を介して、それぞれ、拡張することおよび圧縮することを行うように構成されている、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記展開部材は、ガイドワイヤを受け取るように構成されている管腔を画定する、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記展開部材は、管腔を画定し、前記管腔は、少なくとも前記シャフトの前記近位端部分と前記先端区分の前記最遠位部分との間で流体を輸送するように構成されている、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記展開部材は、管腔を画定し、前記展開部材は、複数の孔を含み、前記複数の孔は前記拡張可能部分内から前記拡張可能部分の内側表面に向かって半径方向に流体を分散させるように構成されている、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項12】
カテーテルであって、前記カテーテルは、
近位端部分と遠位端部分とを有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端部分に機械的に結合されている先端区分であって、前記先端区分は、拡張可能部分をともに画定する複数のメッシュ電極パネルを含む、先端区分と
を備え、
前記先端区分は、前記先端区分の最遠位部分において前記拡張可能部分に機械的に結合されている展開部材をさらに含み、前記拡張可能部分は、前記シャフトの前記遠位端部分と前記先端区分の前記最遠位部分との間において前記展開部材の少なくとも一部を包み、
前記展開部材は、少なくとも1つのリング電極を含み、前記少なくとも1つのリング電極は、前記シャフトの前記遠位端部分と前記先端区分の前記最遠位部分との間の前記展開部材の前記一部上に位置付けられていカテーテル。
【請求項13】
前記拡張可能部分は、洋ナシ形状またはタマネギ形状であり、前記拡張可能部分は、絶縁ネック部分と、前記絶縁ネック部分の遠位にある作動本体部分とを含み、
前記作動本体部分は、モジュール式電極を含み、
前記絶縁ネック部分は、前記シャフトの前記遠位端部分に機械的に結合されてい請求項1に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記拡張可能部分は、前記作動本体部分および前記絶縁ネック部分の遠位にあるノーズ部分をさらに含み、
前記ノーズ部分は、前記先端区分の最遠位部分に機械的に結合されてい請求項13に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記少なくとも1つの締結具は、少なくとも1つのセンサを含み、および/または、前記少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つの電極および/または温度測定デバイスを含む、請求項に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記複数のメッシュ電極パネルのそれぞれの前記少なくとも1つの小孔は、少なくとも1つの支柱に直接的に接続されており、前記少なくとも1つの支柱は、前記隣接するメッシュ電極パネルが前記少なくとも1つの締結具を介してともに保持されると、前記少なくとも1つのセンサが前記拡張可能部分の外部に対して凹みに置かれるような屈曲部を含む、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項17】
電気導線が、前記拡張可能部分の内部内の前記少なくとも1つのセンサから前記シャフトの中に延び、センサが、前記拡張可能部分の内部内の前記電気導線によって形成されている、および/または前記電気導線上に位置付けられている、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項18】
カテーテルであって、前記カテーテルは、
近位端部分と遠位端部分とを有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端部分に機械的に結合されている先端区分であって、前記先端区分は、拡張可能部分をともに画定する複数のメッシュ電極パネルを含む、先端区分と
を備え、
前記カテーテルは、変位測定デバイスをさらに備え、前記変位測定デバイスは、前記拡張可能部分に機械的に結合されている展開部材の変位を測定することにより、前記拡張可能部分の形状を決定するように構成されている、カテーテル。
【請求項19】
カテーテルであって、前記カテーテルは、
近位端部分と遠位端部分とを有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端部分に機械的に結合されている先端区分であって、前記先端区分は、拡張可能部分をともに画定する複数のメッシュ電極パネルを含む、先端区分と
を備え、
前記カテーテルは、前記シャフトの前記遠位端部分に搭載されているシャフト電極をさらに備えるカテーテル。
【請求項20】
前記拡張可能部分の前記複数のメッシュ電極パネルは前記複数のメッシュ電極パネルのうちのいずれか1つのメッシュ電極パネルから、前記複数のメッシュ電極パネルのうちの他のメッシュ電極パネルから独立して、電気エネルギーが送達され得るように相互から電気的に絶縁されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項21】
前記複数のメッシュ電極パネルのそれぞれは、前記メッシュ電極パネルの近位端および/または遠位端においてキー部分を含み、
前記キー部分は、前記シャフトの前記遠位端部分において第1の結合具と接合するように、および/または前記先端区分の最遠位部分において第2の結合具と接合するように構成されており、
前記キー部分と前記第1の結合具および/または前記第2の結合具とは、前記複数のメッシュ電極パネルを前記シャフトの前記遠位端部分に機械的に結合するように、および/または前記先端区分の前記最遠位部分に機械的に結合するように構成されてい請求項1に記載のカテーテル。
【請求項22】
少なくとも1つのメッシュ電極パネルが、
前記先端区分の最遠位部分において展開部材に機械的に結合されている第1の支柱と、
第2の支柱であって、前記第2の支柱の最遠位部分において前記第1の支柱に結合されている第2の支柱と、
第3の支柱であって、前記第3の支柱の最遠位部分において前記第1の支柱に結合されている第3の支柱と
を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項23】
前記複数のメッシュ電極パネルのそれぞれは、前記先端区分の最遠位部分において展開部材に機械的に結合されている少なくとも1つの支柱を含み、
前記複数のメッシュ電極パネルのそれぞれの前記少なくとも1つの支柱は、前記先端区分の前記最遠位部分から遠位に出現する請求項1に記載のカテーテル。
【請求項24】
前記メッシュ電極パネルのうちの少なくとも1つは、
前記シャフトの前記遠位端部分に機械的に結合されている第1の支柱と、
第2の支柱であって、前記第2の支柱の最近位部分において前記第1の支柱に結合されている第2の支柱と、
第3の支柱であって、前記第3の支柱の最近位部分において前記第1の支柱に結合されている第3の支柱と
を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項25】
少なくとも1つのメッシュ電極パネルが、近位部分と、遠位部分と、前記近位部分と前記遠位部分との間の中間部分とを含み、前記中間部分は、前記近位部分および前記遠位部分より広い、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項26】
前記複数のメッシュ電極パネルのそれぞれは、複数の支柱を備え、
前記複数の支柱の第1のサブセットが、前記拡張可能部分の複数のセルを画定し、
前記拡張可能部分は、遠位区分と、近位区分と、前記遠位区分と前記近位区分との間の赤道部とを含み、
前記拡張可能部分は、前記遠位区分のまわりおよび/または前記近位区分のまわりより前記赤道部のまわりに、前記複数のセルのうちの大きい数のセルを含む請求項1に記載のカテーテル。
【請求項27】
前記複数のメッシュ電極パネルのそれぞれは、複数の支柱を備え、
前記複数の支柱の第1のサブセットが、前記拡張可能部分の複数のセルを画定し、
前記複数のセルのうちの少なくとも1つのセルは、(i)前記複数のメッシュ電極パネルのうちの第1のメッシュ電極パネルに属する前記第1のサブセットのうちの第1の支柱と、(ii)複数のメッシュ電極パネルのうちの前記第1のメッシュ電極パネルとは異なる第2のメッシュ電極パネルに属する前記第1のサブセットのうちの第2の支柱とによって形成されてい請求項1に記載のカテーテル。
【請求項28】
前記複数のメッシュ電極パネルのそれぞれは、複数の支柱を備え、
前記複数の支柱の第1のサブセットが、前記拡張可能部分の複数のセルを画定し、
前記複数のセルのうちの最遠位セルは、(i)前記複数のメッシュ電極パネルのうちの第1のメッシュ電極パネルに属する前記第1のサブセットのうちの第1の支柱と、(ii)複数のメッシュ電極パネルのうちの前記第1のメッシュ電極パネルとは異なる第2のメッシュ電極パネルに属する前記第1のサブセットのうちの第2の支柱とによって形成されてい請求項1に記載のカテーテル。
【請求項29】
前記複数のメッシュ電極パネルのそれぞれは、複数の支柱を備え、
前記複数の支柱の第1のサブセットが、前記拡張可能部分の複数のセルを画定し、
前記複数のセルのうちの最近位セルは、(i)前記複数のメッシュ電極パネルのうちの第1のメッシュ電極パネルに属する前記第1のサブセットのうちの第1の支柱と、(ii)複数のメッシュ電極パネルのうちの前記第1のメッシュ電極パネルとは異なる第2のメッシュ電極パネルに属する前記第1のサブセットのうちの第2の支柱とによって形成されてい請求項1に記載のカテーテル。
【請求項30】
前記複数のメッシュ電極パネルのそれぞれは、複数の支柱を備え、
前記複数の支柱は、(i)1つ以上の第1の長さおよび/または1つ以上の第1の幅を有する支柱の第1のサブセットと、(ii)前記1つ以上の第1の長さより短い1つ以上の第2の長さ、および/または、前記1つ以上の第1の幅より狭い1つ以上の第2の幅を有する支柱の第2のサブセットとを含み、
前記支柱の第1のサブセットは、前記複数の支柱の最遠位支柱および/または前記複数の支柱の最近位支柱を含む請求項1に記載のカテーテル。
【請求項31】
カテーテルであって、前記カテーテルは、
近位端部分と遠位端部分とを有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端部分に機械的に結合されている先端区分であって、前記先端区分は、拡張可能部分をともに画定する複数のメッシュ電極パネルを含む、先端区分と
を備え、
前記複数のメッシュ電極パネルのそれぞれは、複数の支柱を備え、
前記複数の支柱は、前記拡張可能部分の複数のセルを画定し、
前記複数のセルのうちの少なくとも1つのセルは、少なくとも4つの支柱によって形成されていカテーテル。
【請求項32】
カテーテルであって、前記カテーテルは、
近位端部分と遠位端部分とを有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端部分に機械的に結合されている先端区分であって、前記先端区分は、拡張可能部分をともに画定する複数のメッシュ電極パネルを含む、先端区分と
を備え、
少なくとも1つのメッシュ電極パネルが、複数の支柱を備え、
前記複数の支柱の最近位支柱は、第1の幅を有する第1の部分と、前記第1の幅より狭い第2の幅を有する第2の部分とを含むカテーテル。
【請求項33】
前記先端区分は、前記先端区分の位置情報および/または前記先端区分の姿勢情報を測定するように構成されている少なくとも1つの位置特定コイルセンサをさらに含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項34】
前記拡張可能部分は、外力がない状態において、前記シャフトの最大直径よりも大きい直径を有する展開状態を呈する、請求項1に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年12月16日に出願された、米国仮特許出願第62/948,736号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
心房細動は、心臓の心房腔の急速または不規則的な拍動によって特徴付けられる、異常な心臓律動である。心房細動の1つの可能性として考えられる原因は、個々の肺から心臓の左心房に酸素化血液を搬送する肺静脈によって誘発される、心臓の余剰発射である。したがって、心房細動のための一般的な処置は、肺静脈の口の周囲にアブレーション可能なエネルギーを送達するように構成されるカテーテルを使用して、1つまたはそれより多くの肺静脈を左心房から電気的に絶縁することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(図面の簡単な説明)
本開示の多くの側面が、以下の図面を参照してより深く理解されることができる。図面内の構成要素は、必ずしも縮尺通りではない。代わりに、本開示の原理を明確に図示することに重点が置かれている。図面は、本開示を描写される具体的な実施形態に限定するものと捉えられるべきではなく、解説および理解のためのものにすぎない。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
カテーテルであって、
近位端部分と遠位端部分とを有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端部分に機械的に結合される先端区分であって、拡張可能部分をともに画定する複数のメッシュ電極パネルを含む先端区分と
を備えるカテーテル。
(項目2)
前記メッシュ電極パネルは各々、(i)前記メッシュ電極パネルに沿って軸方向に分布する第1の絶縁部分および第2の絶縁部分と、(ii)前記第1の絶縁部分と前記第2の絶縁部分との間のアクティブ部分とを備える、項目1に記載のカテーテル。
(項目3)
前記メッシュ電極パネルは各々、(i)第1の絶縁部分と、(ii)前記第1の絶縁部分の遠位にあるアクティブ部分とを備える、項目1に記載のカテーテル。
(項目4)
前記メッシュ電極パネルは各々、複数の支柱を備え、前記複数の支柱の第1のサブセットが、複数のセルを画定する、項目1に記載のカテーテル。
(項目5)
前記複数のセルは、前記拡張可能部分の開放エリアを少なくとも部分的に画定し、流体、血液、またはそれらの組み合わせが、前記開放エリアを通して流動し得る、項目4に記載のカテーテル。
(項目6)
前記先端区分は、前記先端区分の最遠位部分において前記拡張可能部分に機械的に結合される展開部材をさらに含み、前記拡張可能部分は、前記シャフトの前記遠位端部分と前記先端区分の前記最遠位部分との間において前記展開部材の少なくとも一部を包む、項目1に記載のカテーテル。
(項目7)
前記展開部材は、伸縮自在である、項目6に記載のカテーテル。
(項目8)
前記拡張可能部分は、前記シャフトによって画定される軸に沿って、前記展開部材の近位移動を介して拡張し、前記展開部材の遠位移動を介して圧縮するように構成される、項目6に記載のカテーテル。
(項目9)
前記展開部材は、ガイドワイヤを受け取るように構成される管腔を画定する、項目6に記載のカテーテル。
(項目10)
前記展開部材は、管腔を画定し、前記管腔は、少なくとも前記シャフトの前記近位端部分と前記先端区分の前記最遠位部分との間で流体を輸送するように構成される、項目6に記載のカテーテル。
(項目11)
前記展開部材は、管腔を画定し、複数の孔を含み、前記複数の孔は、流体を前記拡張可能部分内から前記拡張可能部分の内側表面に向かって半径方向に分散させるように構成される、項目6に記載のカテーテル。
(項目12)
前記展開部材は、少なくとも1つのリング電極を含み、前記少なくとも1つのリング電極は、前記シャフトの前記遠位端部分と前記先端区分の前記最遠位部分との間の前記展開部材の前記一部上に位置付けられる、項目6に記載のカテーテル。
(項目13)
前記拡張可能部分は、洋ナシ形状またはタマネギ形状であり、絶縁ネック部分と、前記絶縁ネック部分の遠位にある作動本体部分とを含み、
前記作動本体部分は、モジュール式電極を含み、
前記絶縁ネック部分は、前記シャフトの前記遠位端部分に機械的に結合される、
項目1に記載のカテーテル。
(項目14)
前記拡張可能部分は、前記作動本体部分および前記絶縁ネック部分の遠位にあるノーズ部分をさらに含み、
前記ノーズ部分は、前記先端区分の最遠位部分に機械的に結合される、
項目13に記載のカテーテル。
(項目15)
前記メッシュ電極パネルは各々、少なくとも1つの小孔を含み、少なくとも1つの締結具が、対応する小孔を介して前記拡張可能部分の隣接するメッシュ電極パネルをともに保持する、項目1に記載に記載のカテーテル。
(項目16)
前記少なくとも1つの締結具は、少なくとも1つのセンサを含み、かつ/または、前記少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つの電極および/もしくは温度測定デバイスを含む、項目15に記載のカテーテル。
(項目17)
前記メッシュ電極パネルの各々の前記少なくとも1つの小孔は、少なくとも1つの支柱に直接接続され、前記少なくとも1つの支柱は、前記隣接するメッシュ電極パネルが前記少なくとも1つの締結具を介してともに保持されると、前記少なくとも1つのセンサが前記拡張可能部分の外部に対して凹みに置かれるような屈曲部を含む、項目16に記載のカテーテル。
(項目18)
電気導線が、前記拡張可能部分の内部内の前記少なくとも1つのセンサから前記シャフトの中に延び、センサが、前記拡張可能部分の内部内の前記電気導線によって形成され、かつ/または前記電気導線上に位置付けられる、項目16に記載のカテーテル。
(項目19)
前記拡張可能部分に機械的に結合される展開部材の変位を測定し、前記拡張可能部分の形状を決定するように構成される変位測定デバイスをさらに備える、項目1に記載のカテーテル。
(項目20)
前記シャフトの前記遠位端部分に搭載されるシャフト電極をさらに備える、項目1に記載のカテーテル。
(項目21)
前記拡張可能部分の前記メッシュ電極パネルは、電気エネルギーが、前記メッシュ電極パネルのうちのいずれか1つのメッシュ電極パネルから、前記メッシュ電極パネルのうちの他のメッシュ電極パネルから独立して送達され得るように相互から電気的に絶縁される、項目1に記載のカテーテル。
(項目22)
前記メッシュ電極パネルの各々は、前記メッシュ電極パネルの近位端および/または遠位端においてキー部分を含み、
前記キー部分は、前記シャフトの前記遠位端部分において第1の結合具と接合し、かつ/または前記先端区分の最遠位部分において第2の結合具と接合するように構成され、
前記キー部分と前記第1の結合具および/または前記第2の結合具とは、前記メッシュ電極パネルを前記シャフトの前記遠位端部分に機械的に結合し、かつ/または前記先端区分の前記最遠位部分に機械的に結合するように構成される、
項目1に記載のカテーテル。
(項目23)
少なくとも1つのメッシュ電極パネルが、
前記先端区分の最遠位部分において展開部材に機械的に結合される第1の支柱と、
第2の支柱であって、前記第2の支柱の最遠位部分において前記第1の支柱に結合される第2の支柱と、
第3の支柱であって、前記第3の支柱の最遠位部分において前記第1の支柱に結合される第3の支柱と
を含む、項目1に記載のカテーテル。
(項目24)
前記メッシュ電極パネルの各々は、前記先端区分の最遠位部分において展開部材に機械的に結合される少なくとも1つの支柱を含み、
前記メッシュ電極パネルの各々の前記少なくとも1つの支柱は、前記先端区分の前記最遠位部分から遠位に出現する、
項目1に記載のカテーテル。
(項目25)
前記メッシュ電極パネルのうちの少なくとも1つは、
前記シャフトの前記遠位端部分に機械的に結合される第1の支柱と、
第2の支柱であって、前記第2の支柱の最近位部分において前記第1の支柱に結合される第2の支柱と、
第3の支柱であって、前記第3の支柱の最近位部分において前記第1の支柱に結合される第3の支柱と
を含む、項目1に記載のカテーテル。
(項目26)
少なくとも1つのメッシュ電極パネルが、近位部分と、遠位部分と、前記近位部分と前記遠位部分との間の中間部分とを含み、前記中間部分は、前記近位部分および前記遠位部分より広い、項目1に記載のカテーテル。
(項目27)
前記メッシュ電極パネルは各々、複数の支柱を備え、
前記複数の支柱の第1のサブセットが、前記拡張可能部分の複数のセルを画定し、
前記拡張可能部分は、遠位区分と、近位区分と、前記遠位区分と前記近位区分との間の赤道部とを含み、
前記拡張可能部分は、前記遠位区分のまわりおよび/または前記近位区分のまわりより前記赤道部のまわりに、前記複数のセルのうちの大きい数のセルを含む、
項目1に記載のカテーテル。
(項目28)
前記メッシュ電極パネルは各々、複数の支柱を備え、
前記複数の支柱の第1のサブセットが、前記拡張可能部分の複数のセルを画定し、
前記複数のセルのうちの少なくとも1つのセルは、(i)前記メッシュ電極パネルのうちの第1のメッシュ電極パネルに属する前記第1のサブセットのうちの第1の支柱と、(ii)前記第1のメッシュ電極パネルと異なる前記メッシュ電極パネルのうちの第2のメッシュ電極パネルに属する前記第1のサブセットのうちの第2の支柱とによって形成される、
項目1に記載のカテーテル。
(項目29)
前記メッシュ電極パネルは各々、複数の支柱を備え、
前記複数の支柱の第1のサブセットが、前記拡張可能部分の複数のセルを画定し、
前記複数のセルのうちの最遠位セルは、(i)前記メッシュ電極パネルのうちの第1のメッシュ電極パネルに属する前記第1のサブセットのうちの第1の支柱と、(ii)前記第1のメッシュ電極パネルと異なる前記メッシュ電極パネルのうちの第2のメッシュ電極パネルに属する前記第1のサブセットのうちの第2の支柱とによって形成される、
項目1に記載のカテーテル。
(項目30)
前記メッシュ電極パネルは各々、複数の支柱を備え、
前記複数の支柱の第1のサブセットが、前記拡張可能部分の複数のセルを画定し、
前記複数のセルのうちの最近位セルは、(i)前記メッシュ電極パネルのうちの第1のメッシュ電極パネルに属する前記第1のサブセットのうちの第1の支柱と、(ii)前記第1のメッシュ電極パネルと異なる前記メッシュ電極パネルのうちの第2のメッシュ電極パネルに属する前記第1のサブセットのうちの第2の支柱とによって形成される、
項目1に記載のカテーテル。
(項目31)
前記電極パネルは各々、複数の支柱を備え、
前記複数の支柱は、(i)1つもしくはそれより多くの第1の長さおよび/または1つもしくはそれより多くの第1の幅を有する支柱の第1のサブセットと、(ii)前記1つもしくはそれより多くの第1の長さより短い1つもしくはそれより多くの第2の長さ、および/または、前記1つもしくはそれより多くの第1の幅より狭い1つもしくはそれより多くの第2の幅を有する支柱の第2のサブセットとを含み、
前記支柱の第1のサブセットは、前記複数の支柱の最遠位支柱および/または前記複数の支柱の最近位支柱を含む、
項目1に記載のカテーテル。
(項目32)
前記メッシュ電極パネルは各々、複数の支柱を備え、
前記複数の支柱は、前記拡張可能部分の複数のセルを画定し、
前記複数のセルのうちの少なくとも1つのセルは、少なくとも4つの支柱によって形成される、
項目1に記載のカテーテル。
(項目33)
少なくとも1つのメッシュ電極パネルが、複数の支柱を備え、
前記複数の支柱の最近位支柱は、第1の幅を有する第1の部分と、前記第1の幅より狭い第2の幅を有する第2の部分とを含む、
項目1に記載のカテーテル。
(項目34)
前記先端区分は、前記先端区分の位置および/または姿勢情報を測定するように構成される少なくとも1つの位置特定コイルセンサをさらに含む、項目1に記載のカテーテル。
(項目35)
前記拡張可能部分は、外力がない状態において、前記シャフトの最大直径を上回る直径を有する展開状態を呈する、項目1に記載のカテーテル。
(項目36)
カテーテルの先端区分を使用して患者内の処置部位における標的組織を処置する方法であって、
前記カテーテルの前記先端区分の有効表面積を決定することであって、前記先端区分は、複数のメッシュ電極パネルを含み、前記複数のメッシュ電極パネルは、相互から電気的に絶縁され、ともに前記先端区分の拡張可能部分を画定する、ことと、
エネルギーを前記処置部位における前記標的組織に送達することと
を含み、前記エネルギーは、前記決定された有効表面積に少なくとも部分的に基づいて、前記拡張可能部分の少なくとも1つのメッシュ電極パネルを介して送達される、方法。
(項目37)
前記有効表面積を決定することは、前記先端区分の位置および/または向きを決定することを含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記先端区分の位置および/または向きを決定することは、
蛍光透視下で前記先端区分を可視化すること、ならびに/または、
前記先端区分の位置特定コイルセンサから少なくとも1つの信号を受信することであって、前記少なくとも1つの信号は、3次元空間における前記位置特定コイルセンサの位置を示し、かつ/または、前記位置特定コイルセンサのピッチ、ヨー、および/もしくはロールを示す、こと
を含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記エネルギーを前記拡張可能部分の前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達することは、前記患者の解剖学的構造内の前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルの位置に少なくとも部分的に基づいて、前記エネルギーを前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達することを含む、項目36に記載の方法。
(項目40)
前記有効表面積を決定することは、前記拡張可能部分の展開および/または変形の程度を決定することを含む、項目36に記載の方法。
(項目41)
前記拡張可能部分の展開および/または変形の程度を決定することは、
蛍光透視下で前記先端区分を可視化すること、ならびに/または、
前記拡張可能部分上に搭載される2つまたはそれより多くの電極から1つまたはそれより多くの信号を受信することであって、前記1つまたはそれより多くの信号は、前記2つまたはそれより多くの電極間のインピーダンスを示す、こと
を含む、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記有効表面積を決定することは、前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルと組織との接触の程度を決定することを含む、項目36に記載の方法。
(項目43)
前記エネルギーを前記拡張可能部分の前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達することは、規定された量のエネルギーを前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達し、前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルを通して、前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルと接触する組織に送達されるエネルギーの標的電流密度を達成することを含む、項目36に記載の方法。
(項目44)
前記エネルギーを前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達することは、前記エネルギーを前記拡張可能部分の前記メッシュ電極パネルの全てに送達することを含む、項目36に記載の方法。
(項目45)
前記エネルギーを前記拡張可能部分の前記メッシュ電極パネルの全てに送達することは、前記エネルギーを前記拡張可能部分の個々のメッシュ電極パネルに別個かつ順次に送達することを含む、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記エネルギーを前記拡張可能部分の前記メッシュ電極パネルの全てに送達することは、前記エネルギーを前記拡張可能部分の前記メッシュ電極パネルのサブグループに別個かつ順次に送達することを含む、項目44に記載の方法。
(項目47)
前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルは、前記拡張可能部分の前記メッシュ電極パネルのサブセットを含み、前記サブセットは、前記拡張可能部分の前記メッシュ電極パネルのうち全てより少ないメッシュ電極パネルを含み、さらに、前記エネルギーを前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達することは、前記エネルギーを前記サブセットの前記メッシュ電極パネルのみに送達することを含む、項目36に記載の方法。
(項目48)
前記エネルギーを前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達することは、高周波(RF)エネルギーおよび/またはパルス磁場エネルギーを前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達することを含む、項目36に記載の方法。
(項目49)
前記拡張可能部分上に搭載される1つもしくはそれより多くの温度測定デバイスから1つもしくはそれより多くの信号を受信することであって、前記1つもしくはそれより多くの信号は、前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルと接触する組織の温度を示す、こと、
前記受信された1つもしくはそれより多くの温度信号に少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達された前記エネルギーを調節すること、ならびに/または、
前記少なくとも1つのメッシュ電極パネルと接触する前記組織に潅注流体を送達すること
をさらに含む、項目36に記載の方法。
(項目50)
カテーテルの先端区分の拡張可能部分を形成することにおける使用のための電極パネルであって、
前記電極パネルの近位端部分における第1の区分と、
前記電極パネルの遠位端部分における第2の区分と、
前記第1の区分と前記第2の区分との間の作動区分と
を備える電極パネル。
(項目51)
前記第1の区分は、絶縁される、項目50に記載の電極パネル。
(項目52)
前記第2の区分の少なくとも一部は、絶縁される、項目50に記載の電極パネル。
(項目53)
前記作動区分は、複数の支柱を含み、
前記複数の支柱は、複数のセルを画定する、
項目50に記載の電極パネル。
(項目54)
前記複数のセルは、前記電極パネルの開放エリアを少なくとも部分的に画定し、流体、血液、またはそれらの組み合わせが、前記開放エリアを通して流動し得る、項目53に記載の電極パネル。
(項目55)
前記複数のセルのうちの少なくとも1つのセルは、前記複数の支柱のうちの少なくとも4つの支柱によって画定される、項目53に記載の電極パネル。
(項目56)
前記作動区分は、複数の支柱を含み、
前記第1の区分は、少なくとも1つの支柱を含み、
前記第1の区分の少なくとも1つの支柱は、第1の長さおよび/または第1の幅を有し、
前記複数の支柱のうちの支柱は、前記第1の長さより短い第2の長さ、および/または前記第1の幅より狭い第2の幅を有する、
項目50に記載の電極パネル。
(項目57)
前記作動区分は、複数の支柱を含み、
前記第2の区分は、少なくとも1つの支柱を含み、
前記第2の区分の前記少なくとも1つの支柱は、第1の長さおよび/または第1の幅を有し、
前記複数の支柱のうちの支柱は、前記第1の長さより短い第2の長さ、および/または前記第1の幅より狭い第2の幅を有する、
項目50に記載の電極パネル。
(項目58)
前記第1の区分は、少なくとも1つの支柱を含み、
前記少なくとも1つの支柱は、第1の幅を有する第1の部分と、前記第1の幅より狭い第2の幅を有する第2の部分とを含む、
項目50に記載の電極パネル。
(項目59)
前記作動区分は、前記第1の区分より広い、項目50に記載の電極パネル。
(項目60)
前記作動区分は、前記第2の区分より広い、項目50に記載の電極パネル。
(項目61)
前記第1の区分は、単一の支柱を含む、項目50に記載の電極パネル。
(項目62)
前記第1の区分は、単一の支柱を含み、
前記作動区分は、第1の支柱を含み、前記第1の支柱は、前記第1の支柱の最近位部分において前記単一の支柱に直接結合され、
前記作動区分は、第2の支柱をさらに含み、前記第2の支柱は、前記第2の支柱の最近位部分において前記単一の支柱に直接結合される、
項目50に記載の電極パネル。
(項目63)
前記第1の区分は、単一の支柱を含み、
前記作動区分は、第1の支柱を含み、前記第1の支柱は、前記単一の支柱の遠位端において前記単一の支柱に直接結合され、
前記作動区分は、第2の支柱を含み、前記第2の支柱は、前記単一の支柱の遠位端において前記単一の支柱に直接結合される、
項目50に記載の電極パネル。
(項目64)
前記第2の区分は、単一の支柱を含む、項目50に記載の電極パネル。
(項目65)
前記第2の区分は、単一の支柱を含み、
前記作動区分は、第1の支柱を含み、前記第1の支柱は、前記第1の支柱の最遠位部分において前記単一の支柱に直接結合され、
前記作動区分は、第2の支柱をさらに含み、前記第2の支柱は、前記第2の支柱の最遠位部分において前記単一の支柱に直接結合される、
項目50に記載の電極パネル。
(項目66)
前記第2の区分は、単一の支柱を含み、
前記作動区分は、第1の支柱を含み、前記第1の支柱は、前記単一の支柱の近位端において前記単一の支柱に直接結合され、
前記作動区分は、第2の支柱を含み、前記第2の支柱は、前記単一の支柱の近位端において前記単一の支柱に直接結合される、
項目50に記載の電極パネル。
(項目67)
前記第2の区分は、少なくとも1つの支柱を含み、前記少なくとも1つの支柱のうちのある支柱は、カテーテルの先端区分の最遠位部分に機械的に結合されるように構成される、項目50に記載の電極パネル。
(項目68)
前記少なくとも1つの支柱のうちの前記支柱は、前記先端区分の前記最遠位部分に機械的に結合されると、前記先端区分の前記最遠位部分から遠位に出現するように構成される、項目67に記載の電極パネル。
(項目69)
前記電極パネルは、前記電極パネルの遠位端においてキー部分を含み、
前記キー部分は、カテーテルの先端区分の最遠位部分において結合具と接合するように構成され、
前記キー部分および前記結合具は、前記電極パネルを前記先端区分の前記最遠位部分に機械的に結合するように構成される、
項目50に記載の電極パネル。
(項目70)
前記第1の区分は、少なくとも1つの支柱を含み、前記少なくとも1つの支柱のうちのある支柱は、カテーテルシャフトの遠位端部分に機械的に結合されるように構成される、項目50に記載の電極パネル。
(項目71)
前記電極パネルは、前記電極パネルの近位端においてキー部分を含み、
前記キー部分は、カテーテルシャフトの遠位端部分において結合具と接合するように構成され、
前記キー部分および前記結合具は、前記電極パネルを前記カテーテルシャフトの前記遠位端部分に機械的に結合するように構成される、
項目50に記載の電極パネル。
(項目72)
前記電極パネルが別の電極パネルに機械的に結合され得るように、締結具を受け取るように構成される少なくとも1つの小孔をさらに備える、項目50に記載の電極パネル。
(項目73)
前記作動区分は、複数の支柱を含み、
前記少なくとも1つの小孔は、前記複数の支柱のうちの少なくとも1つの支柱に直接接続される、
項目72に記載の電極パネル。
(項目74)
前記少なくとも1つの支柱は、前記小孔が前記複数の支柱のうちの他の支柱と共面でないような屈曲部を含む、項目73に記載の電極パネル。
(項目75)
前記第2の区分は、絶縁されていない、項目50に記載の電極パネル。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、ヒト患者を処置するための、本技術の種々の実施形態に従って構成された、システムの略図である。
【0005】
図2図2は、本技術の種々の実施形態に従って構成された、図1のシステムの医療デバイスの斜視図である。
【0006】
図3A図3Aおよび3Bは、本技術の種々の実施形態に従って構成された、図2の医療デバイスの先端区分の略図である。
図3B図3Aおよび3Bは、本技術の種々の実施形態に従って構成された、図2の医療デバイスの先端区分の略図である。
【0007】
図4図4は、本技術の種々の実施形態に従って構成された、図2の医療デバイスの展開部材の略図である。
【0008】
図5図5は、本技術の種々の実施形態に従って構成された、図2の医療デバイスの先端区分の最遠位部分の上面図である。
【0009】
図6A図6Aおよび6Bは、それぞれ、本技術の種々の実施形態による、圧縮状態ならびに展開状態にある、医療デバイスの先端区分の略図である。
図6B図6Aおよび6Bは、それぞれ、本技術の種々の実施形態による、圧縮状態ならびに展開状態にある、医療デバイスの先端区分の略図である。
【0010】
図7A図7Aおよび7Bは、図2の、本技術の種々の実施形態に従って構成された医療デバイスの先端区分のモジュール式電極のパネルの略図である。
図7B図7Aおよび7Bは、図2の、本技術の種々の実施形態に従って構成された医療デバイスの先端区分のモジュール式電極のパネルの略図である。
【0011】
図8A図8Aは、図2の、本技術の実施形態に従って構成された、医療デバイスのモジュール式電極の複数のパネルを接続するための小孔および対応するリベットの分解図である。
【0012】
図8B図8Bは、本技術の種々の実施形態に従って構成された、図2の医療デバイスの先端区分の電極の複数のパネルを接続するための小孔およびリベットの略図である。
【0013】
図8C図8Cは、本技術の種々の実施形態に従って構成された、図2の医療デバイスの先端区分の電極のパネルの2つの小孔を接続するリベットの断面図である。
【0014】
図8D図8Dは、本技術の種々の実施形態に従って構成された、図2の医療デバイスの組み立てられた先端区分の略図である。
【0015】
図9A図9Aおよび9Bは、それぞれ、図2の、本技術の種々の実施形態に従って構成された医療デバイスの先端区分のノーズ部分の分解図ならびに部分断面図である。
図9B図9Aおよび9Bは、それぞれ、図2の、本技術の種々の実施形態に従って構成された医療デバイスの先端区分のノーズ部分の分解図ならびに部分断面図である。
【0016】
図10A図10Aおよび10Bは、それぞれ、本技術の種々の実施形態に従って構成された、図2の医療デバイスの先端区分の近位部分の分解図ならびに側面図である。
図10B図10Aおよび10Bは、それぞれ、本技術の種々の実施形態に従って構成された、図2の医療デバイスの先端区分の近位部分の分解図ならびに側面図である。
【0017】
図11A図11Aおよび11Bは、展開状態にある、本技術の種々の実施形態に従って構成された医療デバイスの先端区分の略図である。
図11B図11Aおよび11Bは、展開状態にある、本技術の種々の実施形態に従って構成された医療デバイスの先端区分の略図である。
【0018】
図12A図12Aおよび12Bは、それぞれ、図11Aならびに11Bの先端区分の最遠位部分の上面図および上面斜視図である。
図12B図12Aおよび12Bは、それぞれ、図11Aならびに11Bの先端区分の最遠位部分の上面図および上面斜視図である。
【0019】
図13図13は、図11A-12Bの先端区分の側面斜視図である。
【0020】
図14A図14A-14Cは、それぞれ、本技術の種々の実施形態による、メッシュ電極パネルが先端区分124の拡張可能部分を形成するように取り付けられ得る方法を図式的に図示する、図11A-13の先端区分の一部の断面図、側面斜視図、および上面斜視図である。
図14B図14A-14Cは、それぞれ、本技術の種々の実施形態による、メッシュ電極パネルが先端区分124の拡張可能部分を形成するように取り付けられ得る方法を図式的に図示する、図11A-13の先端区分の一部の断面図、側面斜視図、および上面斜視図である。
図14C図14A-14Cは、それぞれ、本技術の種々の実施形態による、メッシュ電極パネルが先端区分124の拡張可能部分を形成するように取り付けられ得る方法を図式的に図示する、図11A-13の先端区分の一部の断面図、側面斜視図、および上面斜視図である。
【0021】
図15図15は、本技術の種々の実施形態に従って構成された、医療デバイスの先端区分の略図である。
【0022】
図16図16は、本技術の種々の実施形態による、患者の解剖学的構造内の肺静脈の口に位置付けられる、本技術の種々の実施形態に従って構成された、医療デバイスの先端区分の略図である。
【0023】
図17図17は、本技術の種々の実施形態に従って構成された医療デバイスの先端区分を、本技術の種々の実施形態による、患者の解剖学的構造内の処置部位に位置付ける方法を図示する、フロー図である。
【0024】
図18図18は、本技術の種々の実施形態による、患者の解剖学的構造内の処置部位における組織を診断および/またはを処置する方法を図示する、フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(詳細な説明)
A.概観
上記に議論されるように、心房細動は、肺静脈によって誘発される、心臓の余剰発射によって引き起こされ得る、異常な心臓律動である。したがって、心房細動のための一般的な処置は、低侵襲性高周波、凍結療法、またはパルス磁場アブレーションカテーテルを使用して、1つまたはそれより多くの肺静脈を心臓の左心房から電気的に絶縁することである。特に、カテーテルが、エネルギーを送達し、肺静脈の口のまわりの心臓の壁上に病変を形成するために使用される。処置部位における心臓組織に印加されたエネルギーは、組織の電気活動を遮断する。ひいては、肺静脈内の異常な電気信号が、遮断された組織を通して心臓の中に伝搬しないように防止され、それによって、心房細動を防止することができる。
【0026】
本発明者らは、肺静脈を心臓の左心房から電気的に絶縁するときに被られる、いくつかの課題を認識している。例えば、(肺静脈の口のまわりの左心房内の心臓の壁のみと対照的に)肺静脈の壁にエネルギーを印加することは、肺静脈内に望ましくない狭窄を引きこし得る、または心房細動に関わる組織の全てを絶縁し損ない得る。したがって、肺静脈の口におけるカテーテル先端の正しい位置付けは、エネルギーを印加することの前に重要となる。加えて、肺静脈は、患者間、ならびに単一の患者の心臓を横断してサイズが変動する。したがって、カテーテル先端は、異なるサイズの肺静脈を考慮するように、拡張可能であるべきである。さらに、カテーテル先端は、展開サイズが変動するため、それを通してエネルギーが送達される先端の有効表面積も、変動する。結果として、カテーテル先端を介して印加される電流密度もまた、変動する。本理由のために、カテーテル先端を通して印加されるエネルギーの量、ならびにエネルギーを印加するために通電された先端の一部(その両方とも、従来の肺静脈絶縁カテーテルがない状態である)のきめ細かい制御が、エネルギー送達を患者の解剖学的構造または他の処置条件に効果的に適合させ、解剖学的構造(例えば、個人の食道)への望ましくない付随的損傷を回避するために要求される。
【0027】
これらの課題に対処するために、本発明者らは、いくつかのメッシュ電極パネルから形成される、拡張可能部分を含む先端区分を有する、肺静脈絶縁カテーテルを開発した。いくつかの実施形態では、拡張可能部分は、絶縁ネック部分、作動モジュール式電極、および/または絶縁されている場合とそうでない場合がある、ノーズ部分を含む。ノーズ部分は、少なくとも部分的に肺静脈内に嵌合し、肺静脈の口のまわりの心臓組織に対するモジュール式電極の適切な位置付けを促進するように構成される。さらに、拡張可能部分は、肺静脈の種々のサイズを考慮するように、(例えば、導入器シースを通した通過を可能にするような)完全圧潰状態と完全展開状態との間の種々の度合いまで拡張されることができる。これらおよび他の実施形態では、拡張可能部分をともに形成するメッシュ電極パネルは、相互から電気的に絶縁され、個々に通電可能である。このように、本技術に従って構成される肺静脈絶縁カテーテルは、組織にエネルギーを送達するために使用されるモジュール式電極の一部のきめ細かい制御、ならびに拡張可能部分のモジュール式電極のまわりの組織の領域に送達されるエネルギーの量のきめ細かい制御を提供することが期待される。
【0028】
本技術のいくつかの実施形態の具体的な詳細が、本明細書では、図1-18を参照して説明される。実施形態の多くのものが、肺静脈絶縁カテーテルおよび関連付けられるデバイス、システム、ならびに方法に関して説明されるが、他の用途および他の実施形態も、本明細書に説明されるものに加えて、本技術の範囲内にある。例えば、別様に規定される、または文脈から明白にされない限り、本技術のデバイス、システム、および方法は、患者の中空解剖学的構造に対して実施される手技、より具体的には、解剖学的構造の中ならびに/もしくは近位の組織を刺激、電気的に絶縁、または別様に処置するための手技等、種々の医療手技のうちのいずれかのために使用されることができる。したがって、例えば、本開示のデバイス、システム、および方法は、ある心臓病状(例えば、不整脈)の診断、処置、または両方と関連付けられる医療的処置の一部として使用されることができる。加えて、または代替として、本開示のデバイス、システム、および方法は、標的組織のアブレーションを伴う他の介入手技(例えば、腎臓ならびに/もしくは頸動脈除神経術)と関連付けられる、1つまたはそれより多くの医療手技において使用されることができる。
【0029】
本明細書に開示されるものに加えて、他の実施形態も、本技術の範囲内であることに留意されたい。さらに、本技術の実施形態は、本明細書に示される、または説明されるものと異なる構成、構成要素、ならびに/もしくは手技を有することができる。また、当業者は、本技術の実施形態が、本明細書に示される、または説明されるものに加えた、構成、構成要素、ならびに/もしくは手技を有し得ること、およびこれらならびに他の実施形態が、本技術から逸脱することなく、本明細書に示される、または説明される構成、構成要素、ならびに/もしくは手技のうちのいくつかを用いずにあり得ることを理解するであろう。
【0030】
本明細書で使用されるように、用語「医師」は、医療手技を実施または補助し得る、任意のタイプの医療関係者を含み、したがって、医師、看護師、医療技師、他の類似要員、およびそれらの任意の組み合わせを含むと理解されることとする。加えて、または代替として、本明細書で使用されるように、用語「医療手技」は、診断、処置、もしくは両方と関連付けられる任意の調製活動を含む、そのような診断、処置、または両方の任意の様式および形態を含むと理解されることとする。したがって、例えば、用語「医療手技」は、解剖学的腔内の医療デバイスの移動または位置付けの任意の様式および形態を含むものと理解されることとする。本明細書で使用されるように、用語「患者」は、医療手技が実施されているヒト患者および/または非ヒト(例えば、動物)患者を含むものと見なされるべきである。
【0031】
B.肺静脈絶縁カテーテルおよび関連付けられるデバイス、システム、ならびに方法の選択された実施形態
1.肺静脈絶縁カテーテルシステム
図1は、本技術の実施形態に従って構成される、患者102を処置するためのシステム100の略図である。図1に示される配列では、システム100が、患者102に対して医療手技(例えば、肺静脈絶縁手技)を実施するために使用されている。システム100は、延長ケーブル106を介してインターフェースユニット108に接続される、医療デバイス104を含むことができる。インターフェースユニット108は、グラフィカルユーザインターフェース109と、処理ユニット110(例えば、1つまたはそれより多くのプロセッサ)と、記憶媒体111とを含むことができる。グラフィカルユーザインターフェース109および記憶媒体111は、処理ユニット110と電気通信(例えば、有線通信、無線通信、または両方)することができる。記憶媒体111は、別様に示される、または文脈から明白にされない限り、その上に、処理ユニット110の1つまたはそれより多くのプロセッサに、本明細書に説明される種々の方法のうちの1つまたはそれより多くの部分を行わせるための、コンピュータ実行可能命令を記憶することができる。加えて、または代替として、記憶媒体111は、その上に、処理ユニット110ならびに/もしくはグラフィカルユーザインターフェース109に、医療デバイス104によって収集される、および/またはそれに関連する種々の情報を表示させるための、コンピュータ実行可能命令を記憶することができる。
【0032】
マッピングシステム112、記録システム113、流体ポンプ114、および発生器115が、インターフェースユニット108に接続されることができる。流体ポンプ114は、流体ライン149を介して医療デバイス104に除去可能かつ流体的に接続されることができる。発生器115はまた、または代わりに、1つまたはそれより多くのワイヤ148を介して医療デバイス104に接続される、ならびに/もしくは1つまたはそれより多くのワイヤ147を介して患者102の皮膚に取り付けられる、1つまたはそれより多くの帰還電極118に接続されることができる。使用時、電気エネルギーが、発生器115から医療デバイス104に送達されることができ、そこでは、下記にさらに詳細に説明されるように、電気エネルギーは、最終的には、処置部位における組織をアブレート、処置、または診断するために、先端区分124(例えば、先端区分124のモジュール式電極(図1に示されず))に送達可能である。マッピングシステム112は、患者の組織をマップし、処置を要求する組織の領域または複数の領域を決定するために、医療手技に先立って、ならびに/もしくはその間に使用されることができる。記録システム113は、医療手技の全体を通して、ならびに処置の前または後に使用されることができる。
【0033】
医療デバイス104は、(例えば、診断、処置、または両方のための)当技術分野において公知である、種々の異なる医療デバイスのうちのいずれかであることができる。図示される実施形態では、医療デバイス104は、取っ手120と、シャフト122と、先端区分124とを有する、カテーテル104である。先端区分124は、概して、処置、診断、または両方の目的のために組織に直接もしくは間接的に係合する、カテーテル104の任意の部分を含み、したがって、当技術分野において公知である、組織との全ての様式およびタイプの接触相互作用ならびに/もしくは非接触相互作用を含むことができる。例えば、先端区分124は、エネルギー相互作用(例えば、電気エネルギー、超音波エネルギー、光エネルギー、およびそれらの任意の組み合わせ)の形態にある、組織との接触相互作用ならびに/もしくは非接触相互作用を含むことができ、さらに、または代わりに、組織から発出する電気信号の測定を含むことができる。したがって、例えば、先端区分124は、処置(例えば、高周波(RF)アブレーション、不可逆電気穿孔法、パルス磁場アブレーション等)、診断(例えば、マッピング)、または両方を含む、任意の数の手技の一部として、解剖学的構造内の組織にエネルギー(例えば、電気エネルギー)を送達することができる。
【0034】
先端区分124およびシャフト122の少なくとも一部は、患者の脚部または腕内の静脈もしくは動脈を介して患者102の解剖学的構造(例えば、心臓)の中に挿入されることができる。特に、先端区分124は、導入器(例えば、Abbott AgilisTM操向可能導入器等の操向可能シース)および/またはガイドワイヤ(図1に示されず)を使用して処置部位(例えば、患者の心臓の左心房内の肺静脈の口)に送達可能であることができる。造影剤の投入および/またはガイドワイヤのさらなる前進が、いくつかの実施形態では、下記により詳細に説明されるように、処置部位における設置を検証するために使用されてもよい。
【0035】
図2は、本技術の種々の実施形態に従って構成された、図1のシステム100のカテーテル104の斜視図である。図2に示されるように、カテーテル104の取っ手120が、シャフト122の近位端部分230に結合されることができ、先端区分124が、近位端部分230の反対のシャフト122の遠位端部分232に結合されることができる。先端区分124は、拡張可能部分250と、展開部材235とを含む。本明細書において使用されるように、用語「拡張可能」および「変形可能」は、別様に規定される、または文脈から明白にされない限り、同義的に使用される。したがって、例えば、拡張可能部分250が、別様に規定されない限り、変形可能であることを理解されたい。展開部材235は、先端区分124の最遠位部分240から少なくともシャフト122の近位端部分230まで延びる。
【0036】
シャフト122は、シャフト122が患者の血管を通して通過されることを可能にするために十分な丈夫さおよび可撓性を伴うシャフト122を提供する、いくつかの異なる生体適合性材料から形成されることができる。それからシャフト122が形成され得る好適な材料の実施例は、ポリエーテルブロックアミド(例えば、Arkema(Colombes, France)から商業的に利用可能なPebax(R))、ナイロン、ポリウレタン、Pellethane(R)(Lubrizol Corporation(Wickliffe, Ohio)から商業的に利用可能である)、およびシリコーンを含む。ある実装では、シャフト122は、その長さに沿って複数の異なる材料を含む。材料は、例えば、近位端と比較すると遠位端において増大された可撓性を伴うシャフト122を提供するように選択されることができる。シャフト122はまた、または代わりに、シャフト122の1つまたはそれより多くの領域にねじり剛性を提供しながら、それへの屈曲可撓性を維持する、管状編組要素を含むことができる。さらに、または代替として、シャフト材料は、蛍光透視的可視化を促進するための、硫酸バリウムもしくはビスマス等の放射線不透過性薬剤を含むことができる。
【0037】
これらおよび他の実施形態では、シャフト122は、流体ポンプ114(図1)と流体連通し得る、管腔を画定することができる。例えば、シャフト122は、いくつかの実施形態では、シャフト122の近位端部分230からシャフト122の遠位端部分232まで延びる、管腔を画定する。管腔は、流体(例えば、生理食塩水、造影剤等)が流体ポンプ114から先端区分124に圧送され得るように、流体ライン149(図1)および取っ手120の流体ラインコネクタ249を介して、流体ポンプ114と流体連通することができる。加えて、または代替として、シャフト122は、シャフト122に沿って延び、先端区分124、取っ手120、ならびに/もしくはインターフェースユニット108間で信号を搬送する、および/または発生器115から先端区分124に電力(例えば、電気エネルギー)を搬送するための電気ワイヤ(図1に示されるワイヤ148のうちのいずれか1つまたはそれより多く等)を含むことができる。
【0038】
取っ手120は、筐体245と、作動部分246とを含むことができる。使用時、作動部分246は、下記により詳細に説明されるように、展開部材235を拡張または後退(例えば、収縮)させ、カテーテル104の先端区分124を展開(例えば、拡張、復元等)もしくは圧縮させるように動作されることができる。これらおよび他の実施形態では、取っ手120は、シャフトの遠位端部分232を偏向させ、処置部位における組織と接触するように先端区分124を位置付けることを促進するように動作され得る、1つまたはそれより多くの作動部分等の1つまたはそれより多くの付加的な作動部分(図示せず)を含むことができる。取っ手120はさらに、または代わりに、それぞれ、先端区分124への/それからの、シャフト122に沿った流体ならびに/もしくは電気信号(例えば、電気エネルギー)の送達のために、流体ラインコネクタ249および/または電気コネクタ248に結合されることができる。
【0039】
図3Aおよび3Bは、先端区分124の略図である。示されるように、先端区分124の拡張可能部分250は、ノーズ部分355と、ネック部分357(図3B)と、作動本体部分352(以降、「モジュール式電極352」と称される)とを有する、略「洋ナシ」形状であることができる。他の実施形態では、拡張可能部分250は、異なる一般的形状(例えば、球状、円錐形、円筒形、砂時計形等)を有することができる。例えば、図11A-15に関して下記により詳細に説明されるように、先端区分124の拡張可能部分250は、いくつかの実施形態では、略「タマネギ」形状であることができる。
【0040】
図9A-10Bに関して下記により詳細に説明されるように、拡張可能部分250のネック部分357が、結合具367を介してシャフト122の遠位端部分232に結合(例えば、機械的に結合)され、拡張可能部分のノーズ部分355が、先端区分124の最遠位部分240における結合具365を介して、展開部材235に結合(例えば、機械的に結合)される。
【0041】
先端区分124のノーズ部分355は、少なくとも部分的に、患者102(図1)の肺静脈内に嵌合し、肺静脈の口のまわりの心臓組織に対するモジュール式電極352の適切な位置付けを促進するように構成される。いくつかの実施形態では、少なくとも完全展開状態(図6Aおよび6Bに関して下記により詳細に説明される)にあるモジュール式電極352は、患者102(図1)の肺静脈の口の最大半径方向寸法より大きい、シャフト122に対する最大半径方向寸法を有し、モジュール式電極352の全てまたは一部が少なくとも完全展開状態にある肺静脈内に挿入されないように防止する。例えば、完全非圧縮状態にある拡張可能部分250は、約20mm超かつ約40mm未満の外径(例えば、28mm~30mm、すなわち、約29mmの直径)を有する。
【0042】
図4は、拡張可能部分250(図3Aおよび3B)を伴わない、先端区分124の略図である。特に、図4は、主として、展開部材235の略図である。図3A-4をともに参照すると、展開部材235は、いくつかの実施形態では、同軸であり、(例えば、ガイドワイヤ397を受け取るための)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)内側裏打を有する、編組ポリイミド管であることができる。本点について、展開部材235は、シャフト122の移動に伴って屈曲しながら、カテーテル104の先端区分124を移動、拡張、または圧縮させるために要求される力に応答する、捩れ、捻転、もしくは他のタイプの変形に耐えるために十分に堅性であるように十分に可撓性である、伸長部材である。いくつかの実施形態では、編組ポリイミド管は、加えて、または代替として、拡張可能部分250の展開および圧縮の間の平滑な運動を可能にするような、複合PTFE外側裏打を有することができる。
【0043】
図4に最良に示されるように、展開部材235は、1つまたはそれより多くのリング電極434を含むことができる。例えば、展開部材235は、シャフト122の遠位端部分232に近接して位置付けられる、第1のリング電極434aおよび/または先端区分124の最遠位部分240に近接して位置付けられる、第2のリング電極434bを含むことができる。いくつかの実施形態では、リング電極434aおよび/または434bは、白金イリジウムから形成される、ならびに/もしくは放射線不透過性であり、先端区分124が患者102内にある間、蛍光透視的可視化を促進し、カテーテル104の先端区分124の場所、形状、および/または向きを決定することを補助することができる。加えて、または代替として、下記により詳細に説明されるように、リング電極434aならびに/もしくは434bは、電気活動を測定するように構成される、受動電極であることができる、および/またはリング電極434aならびに/もしくは434bは、接地回路網および/またはインピーダンス測定回路網の一部である、駆動電極であることができる。
【0044】
図5は、先端区分124の最遠位部分240の上面図である。図3A-5をともに参照すると、展開部材235は、1つまたはそれより多くの管腔を画定することができる。例えば、展開部材235は、カテーテル104の先端区分124がワイヤにわたって処置部位に送達され得るように、ガイドワイヤ397(図3Bおよび4)を受け取り得る、管腔349(図3Aならびに5)を画定することができる。管腔349は、種々のサイズのガイドワイヤ397(例えば、0.032インチ、0.035インチ、および0.038インチを含む、およそ0.030インチ~およそ0.040インチのガイドワイヤ)を受け取るように構成されることができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ397は、取っ手120(図2)の電気コネクタ248(図2)または流体コネクタ249(図2)を介して、カテーテル104の中に導入されることができる。他の実施形態では、カテーテル104および/または展開部材235は、それを通してガイドワイヤ397がカテーテル104および/または展開部材235の中に導入され得る、別個のガイドワイヤポート(図示せず)を含むことができる。
【0045】
これらおよび他の実施形態では、展開部材235によって画定される管腔349ならびに/もしくは別の管腔が、流体ポンプ114(図1)等の流体送達デバイスと流体連通し、流体(例えば、生理食塩水、造影剤等)を少なくともカテーテル104の先端区分124に送達することができる。本点について、展開部材235は、(例えば、モジュール式電極352の潅注(冷却)、先端区分124の種々の構成要素の送流(洗浄)、および/または先端区分124の位置付けのために)シャフト122の長さに沿って、先端区分124を介して処置部位に流体を送達するように構成されることができる。例えば、展開部材235は、流体を先端区分124の最遠位部分240における管腔349の開口部から外に送達することができる。ひいては、患者102(図1)の肺から肺静脈を通して患者の心臓の左心房に向かって流動する血液が、組織と接触するモジュール式電極352の外側部分を横断して、および/またはそれに近接して管腔349の開口部から分散された流体を搬送し、それによって、モジュール式電極352の外側部分から離れるような局所熱伝達を促進することができる。一般に、そのような局所熱伝達が、組織処置の間の血液凝固または焼焦の尤度を低減させ得ることを理解されたい。
【0046】
これらおよび他の実施形態では、展開部材235は、先端区分124における展開部材235に沿って軸方向に、ならびに/もしくはそれのまわりに円周方向に離間された孔(図示せず)を含み、流体を拡張可能部分250内から処置部位に送達することができる。いくつかの実施形態では、孔は、(例えば、レーザを使用して)展開部材235の中に切り込まれる、および/または(例えば、機械的穿孔を使用して)展開部材235の中に形成もしくは成型されることができる。展開部材235内の孔は、展開部材235に沿って、および/またはそれのまわりに均一に分布し、流体をモジュール式電極352の実質的に内側部分全体に向かって指向することを促進する、ならびに/もしくはモジュール式電極352の内側部分に沿った流体の比較的に均一な分散を生産することができる。しかしながら、展開部材235内の孔が、モジュール式電極352の内側部分に向かった流体の多方向分散を促進する任意の構成における、展開部材235に沿って、および/またはそれのまわりに分布し得ることを理解されたい。
【0047】
本明細書で使用されるように、用語「孔」は、最大寸法を有し、それを通して流体が流動し得る、任意のサイズおよび形状の離散オリフィスを含むと理解されるべきであって、したがって、別様に規定される、または文脈から明白にされない限り、任意の様式ならびに形態の実質的幾何学的形状(例えば、略円形形状)、また、もしくは代わりに、略不規則形状を含むと理解されるべきである。展開部材235によって画定される孔のサイズおよび数が、展開部材235の個別の管腔内の流体の圧力が、血液が孔に進入しないように防止するために十分であるように選択される。例えば、流体の圧力の変動のあるマージンを前提として、展開部材235によって画定される孔のサイズおよび数は、展開部材235内の流体の圧力が、患者102の血液圧力を少なくとも約0.5psi上回るように選択されることができる。
【0048】
展開部材235は、孔が、流体を少なくとも、拡張状態(例えば、非圧縮状態または展開状態)にあるモジュール式電極352の内側部分に向かって指向するように、拡張可能部分250の内側部分に対して離間されることができる。例えば、モジュール式電極352の展開状態では、流体は、展開部材235によって画定される孔から退出し、モジュール式電極352の(内側部分の反対の)外側部分が診断の一部として、および/またはアブレーションもしくは他の処置の一部として組織と接触している間、モジュール式電極352の内側部分に向かって指向される。展開部材235内の孔とモジュール式電極352の内側部分との間の間隔は、流体とモジュール式電極352との間の熱伝達を促進することができる。加えて、または代替として、血液は、展開部材235内の孔とモジュール式電極352の内側部分との間の間隔を通して流動することができる。処置部位から離れるような血液の流動が妨げられる構成と比較して、展開部材235内の孔とモジュール式電極352の内側部分との間の間隔を通した血液の流動は、加えて、または代替として、モジュール式電極352の外側部分から離れるような局所熱伝達をさらに改良することができる。一般に、そのような改良された局所熱伝達が、組織処置の間の意図的ではない組織損傷の尤度を低減させ得ることを理解されたい。
【0049】
図4に最良に示されるように、展開部材235は、先端区分124の最遠位部分240がシャフト122の遠位端部分232に対して拡張および/または後退(例えば、収縮)され得るように、伸縮自在である(例えば、展開部材235が、複数の同心管構成要素を含む)。展開部材235の伸縮自在な特徴が、先端区分124の拡張可能部分250の展開および圧縮を促進する。例えば、展開部材235は、先端区分124の最遠位部分240における結合具365を介して拡張可能部分250に機械的に結合されるため、シャフト122に対する展開部材235の軸方向移動が、拡張可能部分250上に圧縮力および/または拡張力を付与することができる。
【0050】
図6Aおよび6Bは、それぞれ、圧縮状態ならびに展開状態にある、拡張可能部分250の略図である。圧縮状態にある拡張可能部分250(図6A)に始まって、展開部材235の近位移動(伸縮自在な特徴の後退/収縮)が、拡張可能部分250が非圧縮状態または展開状態に拡張する(図6B)ように、拡張可能部分250の遠位端をシャフト122に対して近位方向において引動することができる。拡張可能部分250の展開状態は、処置部位における組織の処置、診断、または両方のために使用されることができる。加えて、または代替として、展開部材235の遠位移動(伸縮自在な特徴の拡張)は、拡張可能部分250が展開状態(図6B)から圧縮状態(図6A)まで圧潰するように、拡張可能部分250の遠位端をシャフト122に対して遠位方向において押動することができる。拡張可能部分250の圧縮状態は、処置部位における先端区分124の後退、送達、または両方のために使用されることができる。ある実装では、展開部材235は、展開部材235の移動が取っ手120において制御され得るように、取っ手120の一部(例えば、図2に示される作動部分246)に機械的に結合されることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、拡張可能部分250に沿ったモジュール式電極352の内側部分は、展開部材235の表面の少なくとも一部に対して非圧縮状態より圧縮状態に近接した状態にあることができ、したがって、モジュール式電極352の内側部分は、拡張可能部分250が圧縮状態(図6A)から非圧縮状態(図6B)に拡張されるにつれて、展開部材235の表面の少なくとも一部から離れるように移動することができる。拡張可能部分250の種々の度合いの圧縮および拡張が、それぞれ、展開部材235の種々の度合いの近位移動ならびに遠位移動を介して実現され得ることを理解されたい。例えば、拡張可能部分250は、(i)展開部材235の付加的な遠位移動(拡張)を介して図6Aに図示されるものよりさらに圧縮されることができる、(ii)展開部材235の付加的な近位移動(後退)を介して図6Bに図示されるものよりさらに拡張されることができる、および/または(iii)先端区分124の最遠位部分240を図6Aならびに6Bに図示される先端区分124の最遠位部分240の位置間に位置付ける展開部材235の軸方向移動を介して、図6Aおよび6Bに図示される状態間の1つまたはそれより多くの状態に非圧縮もしくは圧縮されることができる。いくつかの実施形態では、拡張可能部分250は、ノーズ部分355、作動本体部分352の遠位部分、または両方が、展開部材235に対して略法線である、遠位表面を形成するまで拡張されることができ、(例えば、肺静脈の口のまわりの)組織に対して比較的に平坦に位置付けられることができる。
【0052】
拡張可能部分250(図3Aおよび3B)は、複数のメッシュ電極パネルから構成される、不連続構造である。図7Aおよび7Bは、例えば、他のパネル750と組み合わせられ、拡張可能部分250を形成し得る、個々のメッシュ電極パネル750の略図である。例えば、図7Aおよび7Bに示されるように、各メッシュ電極パネル750は、複数の支柱751、755、ならびに757を含む。支柱751の全てまたは一部は、それを通してエネルギーが組織に送達され得る、パネル750のアクティブ部分752を形成する。示されるように、パネルのアクティブ部分752は、支柱757および755によって形成されるパネル750の一部よりはるかに広い。対照的に、各メッシュ電極パネル750の支柱757の全てまたは一部が、電気エネルギーが支柱757の絶縁部分を通して組織に送達され得ないように、絶縁される。図示される実施形態では、各メッシュ電極パネル750の支柱755の全てまたは一部もまた、電気エネルギーが支柱755の絶縁部分を通して組織に送達され得ないように、絶縁される。加えて、または代替として、支柱755の全てもしくは一部は、それを通してエネルギーが組織に送達され得る、パネル750のアクティブ部分752の一部を形成することができる。いくつかの実施形態では、支柱755および/または757は、PTFEスリーブもしくは他のポリマー(例えば、ポリイミドおよび/またはPebax(R))を使用して絶縁されることができる。しかしながら、他の実施形態では、支柱755および/または757は、接着剤もしくは他の好適な材料を使用して絶縁されてもよい。
【0053】
パネル750は、圧縮状態と非圧縮状態との間で再現可能かつ確実に可撓性である、材料のシートまたは管から形成(例えば、レーザ切断、3D印刷、化学的にエッチング等)されることができる。いくつかの実施形態では、材料は、少なくとも(例えば、半または完全)放射線不透過性であり、患者102内にある間、材料の可視化を促進することができる。上記の基準のいずれかもしくは両方を充足する材料の一実施例は、ニチノールである。材料から各メッシュ電極パネル750を形成した後、パネル750の1つまたはそれより多くの表面が、電解研磨されることができる。そのような電解研磨は、例えば、表面を平滑化する、および/または別様に各パネル750を形成するために使用される材料の量の微細な調節を生産するために有用であり得る。加えて、または代替として、各メッシュ電極パネル750を形成するための材料は、金、タンタル、酸化イリジウム、もしくは他の材料のうちの1つまたはそれより多くでコーティングされることができる。したがって、上記の実施例に続いて、メッシュ電極パネル750のアクティブ部分752の全てまたは一部が、随意に、コーティングされ、電気エネルギーを組織に送達することができる。
【0054】
各メッシュ電極パネル750の支柱751は、相互に機械的に結合され、集合的に、複数のセル753を画定することができる。故に、各セル753は、少なくとも3つの支柱751によって、(例えば、少なくとも4つの支柱751によって)境界されることができる。また、または代わりに、各支柱751は、セル753のうちの少なくとも1つの一部を画定することができる。いくつかの実施形態では、セル753は、異なる数の支柱751によって境界されることができ、これは、図8A-8Dに関して下記により詳細に説明されるように、パネル750が相互に機械的に結合されると、拡張可能部分250(図2-3B)に沿った電流密度の標的分布を達成することを促進することができる。
【0055】
また、または代わりに、支柱751のうちの少なくともいくつかが、(a)支柱757に結合され、拡張可能部分250のモジュール式電極352に対応するパネル750の一部と拡張可能部分250のネック部分357に対応するパネル750の一部との間で遷移し、(b)支柱755に結合され、拡張可能部分250のモジュール式電極352に対応するパネル750の一部と拡張可能部分250のノーズ部分355に対応するパネル750の一部との間で遷移することができる。例えば、本技術の種々の実施形態に従って構成された、電極パネル750は、少なくとも1つの支柱757(例えば、単一の支柱757)を含み、拡張可能部分250のネック部分357の少なくとも一部を形成することができる。支柱757の近位端(例えば、最近位)部分が、シャフト122の遠位端部分232に機械的に結合されることができる。第1の支柱751の近位端(例えば、最近位)部分が、支柱757(例えば、支柱757の遠位端部分および/または最遠位部分)に結合されることができ、第2の支柱751の近位端(例えば、最近位)部分が、支柱757(例えば、支柱757の遠位端部分および/または最遠位部分)に結合されることができる。したがって、いくつかの実施形態では、電極パネル750の支柱757および第1ならびに第2の支柱751は、拡張可能部分250のネック部分357に対応するパネル750の一部と拡張可能部分250のモジュール式電極352に対応するパネル750の一部との間の遷移部において、「Y」形状を形成することができる。
【0056】
加えて、または代替として、本技術の種々の実施形態に従って構成された、電極パネル750は、少なくとも1つの支柱755(例えば、単一の支柱755)を含み、拡張可能部分250のノーズ部分355の少なくとも一部(ならびに/もしくは図11A-14Cに関して下記により詳細に議論されるような、モジュール式電極352の少なくとも一部)を形成することができる。支柱755の遠位端(例えば、最遠位)部分が、先端区分124の最遠位部分240に機械的に結合されることができる。第1の支柱751の遠位端(例えば、最遠位)部分が、支柱755(例えば、支柱755の近位端部分および/または最近位部分)に結合されることができ、第2の支柱751の遠位端(例えば、最近位)部分が、支柱755(例えば、支柱755の近位端部分ならびに/もしくは最近位部分)に結合されることができる。したがって、いくつかの実施形態では、電極パネル750の支柱755および第1ならびに第2の支柱751は、拡張可能部分250のノーズ部分355(および/またはモジュール式電極352)に対応するパネル750の一部と拡張可能部分250のモジュール式電極352に対応するパネル750の一部との間の遷移部もしくはその近傍において「人」形状を形成することができる。
【0057】
これらおよび他の実施形態では、パネル750のセル753のうちの少なくともいくつかは、対称的である。そのような対称性は、例えば、モジュール式電極352に沿った電流密度の標的分布を達成することを促進することができる。加えて、または代替として、そのような対称性は、処置部位への送達のための拡張可能部分250の好適な圧縮可能性を達成しながら、また、処置部位における使用のための拡張可能部分250の好適な拡張を達成するために有用であり得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、セル753のうちの少なくともいくつかは、鏡面対称を有することができる。本明細書で使用されるように、鏡面対称形状は、その形状を交差する平面について略対称である、形状を含み、実質的対称性は、その形状を交差する平面の片側または両側における小孔758の存在もしくは不在を可能にする。例えば、セル753のうちの少なくともいくつかは、個別のセル753を通して通過し、シャフト122(図1および2)によって画定され、シャフト122の近位端部分から遠位端部分まで延びる、中心軸を含有する、個別の鏡面対称平面についての鏡面対称を有することができる。加えて、または代替として、先端区分124の拡張可能部分250(図3Aおよび3B)全体が、中心軸を含む1つまたはそれより多くの平面について対称であり得ることを理解されたい。拡張可能部分250の対称性は、例えば、拡張可能部分250のまわりの種々の位置における組織へのエネルギーの対称的な送達を促進することができる。
【0059】
複数のセル753のセルのうちの少なくともいくつかおよび/または全体的な拡張可能部分250の鏡面対称は、例えば、電流密度の標的分布を達成するために有用であり得る。加えて、または代替として、対称性は、予測可能かつ再現可能な様式において(例えば、殆どもしくは全くプラスチック変形を伴うことなく)拡張可能部分250の拡張および収縮を促進することができる。例えば、複数のセル753のセルはそれぞれ、拡張可能部分250の圧縮状態および非圧縮状態において、その個別の対称平面について対称であることができる。
【0060】
複数のセル753のうちの少なくともいくつかは、下記により詳細に説明されるように、拡張可能部分250に沿って複数のセル753によって形成される開放フレームワークが、複数のパネル750がともに機械的に結合されると、同様に可撓性であるように、軸方向および側方向において可撓性であることができる。例えば、複数のセルの少なくともいくつかは、拡張可能部分250の非圧縮状態では、略菱形形状であることができる。本明細書で使用されるように、略菱形形状は、第1の軸に沿って実質的に整合される第1の対の継目と、第1の軸と異なる(例えば、第1の軸に対して直角の)第2の軸に沿って実質的に整合される第2の対の継目とを有する、形状を含む。
【0061】
図7Aおよび7Bに図示される実施形態では、支柱751の長さは、(支柱757の近傍の)パネル750の近位領域から(支柱755の近傍の)パネル750の遠位領域への方向において減少し、これは、複数のパネル750が相互に機械的に結合されるときの拡張可能部分250の一般的な「洋ナシ」形状に寄与する。しかしながら、他の実施形態では、支柱751の長さは、(パネル750の近位領域からパネル750の遠位領域への)同一または類似の方向においてメッシュ電極パネル750を横断して均一である、増加する、もしくは非単調に変動し、例えば、拡張可能部分250の別の一般的形状(例えば、「タマネギ」形状)に寄与することができる。加えて、または代替として、拡張可能部分250のモジュール式電極352に対応する支柱751のサブセットを備える、パネル750の底部区分は、(例えば、複数のパネル750が相互に機械的に結合されるときの拡張可能部分750の一般的形状に寄与するように)拡張可能部分250のモジュール式電極352に対応する支柱751の異なるサブセットを備える、パネル750の上部区分より広くあることができる。
【0062】
これらおよび他の実施形態では、支柱751、755、ならびに/もしくは757の幅は、(例えば、単一の支柱751、755、および/または757を横断して、および/または複数の支柱751、755、ならびに/もしくは757を横断して)変動することができる。支柱751、755、および/または757の異なる幅は、パネル750上の所与の位置に所望の剛性を提供することに役立つことができる。例えば、支柱755および/または757の幅は、支柱751によって形成されるパネル750のアクティブ部分352が、支柱755および/または757より可撓性であるように、支柱751の幅を上回ることができる。本実施例に続いて、複数のパネル750が、(下記により詳細に説明されるように)相互に機械的に結合されるにつれて、パネル750のアクティブ部分352から形成される、拡張可能部分250のモジュール式電極352は、支柱757から形成されるネック部分357および/または支柱755から形成されるノーズ部分355より可撓性(例えば、より共形化可能)であることができる。これらおよび他の実施形態では、支柱755から形成されるノーズ部分355は、支柱757から形成されるネック部分357より可撓性であり、ノーズ部分355が、拡張可能部分250が展開(例えば、拡張)されるにつれて展開部材235に対してネック部分357より多く拡張することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、支柱757の幅は、変動することができる。例えば、支柱757は、第1の幅を有する第1の部分と、第1の幅未満である第2の幅を有する第2の部分とを含み、(例えば、第2の部分に沿った、第1の部分と第2の部分との間の遷移部における、等の)屈曲を助長することができる。加えて、または代替として、支柱755ならびに/もしくは757の長さは、支柱751の長さを上回ることができる。
【0063】
図7Aおよび7Bにも示されるように、材料のシートまたは管から除去された材料は、支柱755ならびに757の端部におけるキー部分794を画定することができる。下記により詳細に議論されるように、支柱755および757のキー部分794は、それぞれ、パネル750を展開部材235ならびにシャフト122の遠位端部分232に接続することを促進する。
【0064】
加えて、または代替として、材料のシートもしくは管から除去された材料は、支柱751のうちの少なくともいくつかの一端に配置される、小孔758を画定することができる。小孔758は、例えば、支柱751のうちの2つまたはそれより多くの交点において画定されることができ、複数のメッシュ電極パネル750を相互に結合(例えば、機械的に結合)するために使用されることができる。図7Aおよび7Bに図示されるパネル750はそれぞれ、4つの小孔758を含み、軸の両側に位置付けられる小孔758のうちの2つは、支柱757から支柱755に延設される。しかしながら、他の実施形態では、パネル750は、支柱757から支柱755に延設される軸の両側に位置付けられる、より少ない(例えば、1つ、2つ、または3つ)またはより多い(例えば、5つまたはそれより多くの)総数の小孔、ならびに/もしくはより少ない(例えば、ゼロまたは1つ)またはより多い(例えば、3つまたはそれより多くの)数の小孔を含むことができる。これらおよび他の実施形態では、パネル750は、図7Aならびに7Bに示される実施形態内に図示されるものとは他の位置において、小孔758を含むことができる。例えば、小孔758のうちの少なくとも1つが、支柱751のうちの1つの両端間に位置付けられることができる。
【0065】
図8A-8Dは、メッシュ電極パネル750が、先端区分124の拡張可能部分250を形成するように取り付けられる方法を図式的に図示する。図8A-8Cに示されるように、隣接するメッシュ電極パネル750の小孔758が、整合(重複)され、締結具870を用いてともに保持される。図示される実施形態では、締結具870は、一次頭部871を有する、リベットである。そのような実装では、隣接するメッシュ電極パネル750の小孔758は、例えば、締結具870の一次頭部871が整合された小孔758を通して通過するように、相互と整合されることができる。一次頭部871は、一次頭部871の底部部分871aが、外向きに広げられ、締結具870を小孔758の中に保持し、締結具870によって対応する小孔758上に及ぼされる力を通してパネル750をともに保持し得るように、(少なくとも部分的に)中空である。他の実施形態では、異なるタイプの締結具870(例えば、双頭リベット、圧着、フランジねじおよびワッシャ、PEM(R)締結具等)が、使用されることができる。いくつかの実施形態では、締結具870は、メッシュ電極パネル750を形成するために使用される材料と異なる材料(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のポリマー)から形成されることができる。下記により詳細に説明されるように、締結具870のうちの少なくともいくつかの一次頭部871は、シャフト122(図1および2) ならびに/もしくは取っ手120(図1および2)の長さに延設される1つまたはそれより多くの電気導線806を介してインターフェースユニット108(図1) ならびに/もしくは発生器115(図1)と電気連通し得る、センサ826を収容する、および/またはそれを含むことができる。
【0066】
電気絶縁材料(例えば、ポリイミド等、種々の異なる生体適合性ポリマーのうちのいずれか)から形成されるポリマーディスク872が、使用され、隣接するメッシュ電極パネル750を相互から、および/または締結具870内に含まれるセンサ826から分離ならびに電気的に絶縁するために使用される。図示される実施形態では、ポリマーディスク872は、別個のディスクとして示される。他の実施形態では、ポリマーディスク872のうちの1つまたはそれより多くは、単一の統合された絶縁片を形成することができる。これらおよび他の実施形態では、電気導線806(例えば、フレキシブルプリント回路)の一部が、隣接するメッシュ電極パネル750を相互から、ならびに/もしくは締結具内に含まれるセンサ826から電気的に絶縁することができる。いくつかの実施形態では、電気導線806の一部は、ポリマーディスク872(例えば、図8Aの締結具870の一次頭部871と上部パネル750の小孔758との間に図示されて示される、上部ポリマーディスク872)を置き換えることができる。
【0067】
加えて、または代替として、鳩目873が、センサ826とパネル750との間の整合された小孔758のオリフィス内に配置されることができる。鳩目873は、例えば、電気絶縁材料(例えば、種々の異なる生体適合性ポリマーのうちのいずれか)から形成されることができる。このように、鳩目873は、センサ826をメッシュ電極パネル750から電気的に絶縁することができる。加えて、または代替として、鳩目873は、柔軟材料から形成され、例えば、オリフィスを通して鳩目873およびセンサ826を締まり嵌めすることを促進することができる。いくつかの実施形態では、鳩目873は、(例えば、鳩目873を定位置に保持する、電気絶縁を提供すること等のために)外向きに広げられ得る底部部分(図示せず)を含むことができる。加えて、または代替として、鳩目873は、底部フランジ部分(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、底部フランジ部分は、ポリマーディスク872(例えば、最底部ポリマーディスク872、図8Aの小孔758間に図示されるポリマーディスク872等)またはポリマーディスク872/絶縁片の一部を差し替えることができる。一般に、鳩目873は、オリフィス内にセンサ826を搭載することが、センサ826の動作に干渉するであろう尤度を低減させることができる。例えば、鳩目873は、センサ826の物理的修正(例えば、穿孔)を要求することなくセンサ826を拡張可能部分250のパネル750に搭載することを促進することができる。
【0068】
カプセル化物質874が、(例えば、組織に接触していないセンサ826の一部を電気的に絶縁するため、パネル750からセンサ826を電気的に絶縁するため、および/または個々のパネル750を相互から電気的に絶縁するために)締結具870ならびに/もしくはセンサ826の背面側にわたって形成されことができる。いくつかの実施形態では、カプセル化物質874は、定位置において硬化される接着剤であることができる。他の実施形態では、カプセル化物質874は、リフロー熱可塑性物質または別の絶縁体であることができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、締結具870のうちの少なくとも1つは、センサ826を収容していない、またはそれを含んでいない。そのような締結具870は、メッシュ電極パネル750を形成するために使用される材料と異なる材料(例えば、PEEK等のポリマー)から形成されることができる。これらの実施形態では、(例えば、隣接する電極パネル750の小孔758間に位置付けられるポリマーディスク872を除いて、かつパネル750を相互から電気的に絶縁するために使用される)ポリマーディスク872のうちの1つまたはそれより多く、鳩目、ならびに/もしくはカプセル化物質874が、センサ826を含まない、締結具870から省略されることができる。
【0070】
図14A-14Cに関して下記により詳細に説明されるように、少なくとも1つのパネル750の支柱751のうちの1つまたはそれより多くは、いくつかの実施形態では、対応する小孔758のうちの1つまたはそれより多くに近接して1つまたはそれより多くの特徴(例えば、1つまたはそれより多くの屈曲部)を含んでもよい。そのような特徴は、対応するパネル750が相互に取り付けられると、拡張可能部分250の外部に対して対応するセンサ826を凹みに置くことを促進することができる。これは、例えば、拡張可能部分250が(例えば、対応するセンサ826がシースの1つまたはそれより多くの開口部における導入器シースの辺縁上で引っ掛かることなく)導入器シースの中に、およびそれから外に平滑に通過することを可能にすることにおいて有利であることができる。
【0071】
パネル750が、図7A-8Dにおいて、パネル750を相互に機械的に結合することを促進する、1つまたはそれより多くの小孔758を有するものとして図示されているが、他の実施形態におけるパネル750ならびに/もしくは拡張可能部分250は、パネル750を相互に機械的に結合するための小孔758に加えて、またはその代わりに、他の取付手段を含むことができる。例えば、パネル750の周界に沿ったセル753ののうちの1つまたはそれより多くの外側継目は、締結具を使用した(例えば、パネル750のそれぞれの周界上のセル753を通して通過する、図8の非伝導性締結具を使用して、パネル750のそれぞれの周界上のセル753のうちの1つまたはそれより多くを通して通過する、支柱755から支柱757への(ならびに/もしくは逆もまた同様)パネル750間を往復して進む非伝導性締結具を使用して、等の)、別のパネル750の周界に沿った、セル753のうちの1つまたはそれより多くの対応する外側継目に機械的に結合されることができる。パネル750を相互に結合する方法から独立して、いくつかの実施形態では、絶縁材料(例えば、鳩目、スリーブ、接着剤、デイップキャスト、熱収縮、リフロー熱可塑性物質、または別の適切な材料)が、支柱751ならびに/もしくは小孔758に適用され、隣接するメッシュ電極パネル750間に付加的な電気的絶縁を提供し得る。
【0072】
ここで図8Dを参照すると、複数(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれより多くの(例えば、7~12個の))のメッシュ電極パネル750が、相互に機械的に結合されるにつれて、パネル750は、集合的に、閉鎖形状を形成し、拡張可能部分250を画定する。図示される実施形態では、6つのメッシュ電極パネル750は、洋ナシ形状の拡張可能部分250を形成する。特に、パネル750の支柱751の全てまたは一部が、拡張可能部分250のモジュール式電極352を形成する。加えて、下記により詳細に説明されるように、パネル750の支柱755は、拡張可能部分250のノーズ部分355を形成し、パネル750の支柱757は、拡張可能部分250のネック部分357を形成する。
【0073】
示されるように、モジュール式電極352に対応する拡張可能部分250の中心区分は、拡張可能部分250のネック部分357に対応する第1の区分、および/または拡張可能部分250のノーズ部分355に対応する第2の区分(ならびに/もしくは図11A-14Cに関して下記により詳細に議論されるような、モジュール式電極352の一部)よりはるかに広い。加えて、または代替として、拡張可能部分250は、第1の区分ならびに/もしくは第2の区分のまわりより拡張可能部分250の赤道部のまわりにより大きい数のセル753を含む。
【0074】
示されるように、拡張可能部分250の複数のセル753が、少なくとも4つの支柱によって(例えば、支柱751、支柱757、および/または支柱755によって)境界される。セル753のうちのいくつかは、それぞれ、異なる(例えば、隣接する)電極パネル750に属する支柱によって(例えば、支柱751、支柱757、および/または支柱755によって)境界される。例えば、ノーズ部分355における拡張可能部分250のセル753が、第1のパネル750の支柱755および少なくとも1つの支柱751によって、かつ第2の(例えば、隣接する)パネル750の支柱755および少なくとも1つの支柱751によって境界される。同様に、ネック部分357における拡張可能部分250のセル753は、第1のパネル750の支柱757および少なくとも1つの支柱751によって、かつ第2の(例えば、隣接する)パネル750の支柱757および少なくとも1つの支柱751によって境界される。さらに別の実施例として、モジュール式電極352における拡張可能部分250のセル753は、第1のパネル750の少なくとも1つの支柱751によって、かつ第2の(例えば、隣接する)パネル750の少なくとも1つの支柱751によって境界される。
【0075】
非圧縮状態では、支柱751、小孔758(図8Dに締結具870で充填された状態で示される)、および支柱751によって形成されるセル753は、拡張可能部分250のモジュール式電極352の少なくとも一部に沿って伝導性表面を有する、開放フレームワークをともに形成する。例えば、支柱751、小孔758、およびセル753によって形成される開放フレームワークは、拡張可能部分250が非圧縮状態にあるとき、モジュール式電極352の外側部分に沿って約50パーセント超の開放エリアを有することができる。本実施例に続いて、非圧縮状態では、セル753の組み合わせられた開放エリアは、モジュール式電極352の外側部分に沿った支柱751および小孔758の組み合わせられたエリアを上回ることができる。さらに、または代わりに、セル753のうちの少なくともいくつかは、拡張可能部分250の圧縮状態にある状態より拡張可能部分250の非圧縮状態にある状態でより大きいエリアを有することができる。
【0076】
上記に議論されるように、拡張可能部分250は、それぞれ、展開部材235の近位移動および軸方向移動を介して拡張(例えば、展開)ならびに圧縮されることができる。圧縮状態から展開状態(逆もまた同様)への拡張可能部分250の移行を促進するために、パネル750のそれぞれの支柱751は、相互に対して可撓性であることができる。例えば、モジュール式電極352の最大半径方向寸法(代替として、本明細書では、側方寸法と称される)は、結合された支柱751が相互に対して移動し、拡張可能部分250を外力のない状態で完全圧縮状態から完全非圧縮状態に遷移させるにつれて、少なくとも2倍増加することができる。加えて、または代替として、支柱751は、非圧縮状態にある拡張可能部分250の最大半径方向寸法が、シャフト122の最大半径方向寸法より少なくとも約20パーセント上回る(例えば、シャフト122の遠位端部分232の最大半径方向寸法を上回る)ように、相互に対して移動可能であることができる。例えば、図8Dに図示される、非圧縮状態にある拡張可能部分250は、約20mm超~約40mm未満の外径(例えば、28mm~30mm、または約29mmの直径)を有する一方、シャフト122は、約1.5mm超~約7mm未満の外径(例えば、2mm~3.5mm、もしくは約2.7mmの直径)を有する。サイズ増加の本比率は、そうでなければ同一サイズの中実形状のために要求されるであろうものより少ない材料を使用する、支柱751によって形成されるセル753の開放フレームワークの使用を通して達成される。
【0077】
いくつかの実施形態では、拡張可能部分250は、外力がない状態においてその拡張(例えば、洋ナシ)形状を呈することができる。例えば、拡張可能部分250が、先端区分124の最遠位部分240、シャフト122の遠位端部分232、および/またはカテーテルの別の部分に機械的に結合されていない(例えば、繋留されていない)とき、ならびに/もしくはいかなる他の圧縮力も、拡張可能部分250に作用していないとき、拡張可能部分250は、その展開形状を呈することができる。いくつかの実施形態では、拡張形状または展開形状は、カテーテルシャフト122の最大径を上回る直径を有することができる。
【0078】
拡張可能部分250の開放エリアが、処置の間に拡張可能部分250を通した流体および血液の流動を促進し得ることを理解されたい。言い換えると、モジュール式電極352の内側部分は、使用時、流体、血液、またはそれらの組み合わせが、複数のセル753を通して移動し、モジュール式電極352およびモジュール式電極352の近傍の組織を冷却するように、複数のセル753を通してモジュール式電極352の外側部分と流体連通することができる。血液の流動を妨げる電極と比較して、拡張可能部分250の開放エリアは、エネルギーが組織に送達される際の処置部位における血液の局所的加熱の尤度を低減させることができる。さらに、血液の流動を妨げる電極と比較して、拡張部分250の開放エリアは、血液凝固または血餅形成の尤度を低減させ、それによって、血栓塞栓症の尤度を低減させることができる。モジュール式電極352の内側部分への流体の送達が、開放エリアを通した血液のみの流動を通して生じる冷却を増加させ得ることも、理解されたい。
【0079】
上記に議論されるように、パネル750の支柱755は、拡張可能部分250のノーズ部分355をともに形成し、パネル750の支柱757は、拡張可能部分250のネック部分357をともに形成する。図9A-10Bは、拡張可能部分250のメッシュ電極パネル750が(図9Aおよび9Bに示される)展開部材235ならびに(図10Aおよび10Bに示される)シャフト122の遠位端部分232に取り付けられる方法を図示する。
【0080】
最初に図9Aおよび9Bを参照すると、先端区分124の最遠位部分240における結合具365は、支柱755を展開部材235に結合する(図9A)。いくつかの実施形態では、結合具367は、PEEK結合具等の機械加工された硬質の絶縁体である。図示される実施形態では、結合具365は、第1の部分965aと、第2の部分965bとを含む。第1の部分965aは、支柱755の対応するキー部分794を受け取るように構成される、凹み部分を含む。結合具365の第1の部分965aの凹み部分は、先端区分124の最遠位部分240に対する支柱755のキー部分794の(機械加工公差内の)軸方向移動を防止する。結合具365の第2の部分965bは、第1の部分965aにわたって嵌合し、支柱755のキー部分794を第1の部分965aの凹み部分内に保定する。
【0081】
他の実施形態では、支柱755は、他のタイプの結合具365を使用して、先端区分124の最遠位部分240に結合されることができる。例えば、支柱755の両端は、結合具365の心合ピンまたはリベットを受け取るように構成される、開口を含むことができる。これらの実施形態における結合具365は、心合ピンまたはリベットを受け取り、保定し、支柱755の両端を第2の部分に整合させ、支柱755の両端を定位置に保定するように構成される、対応する第2の部分を含むことができる。本技術の範囲内の結合具365のなおも他の実施例は、支柱755の両端を定位置に保定するために、熱杭、圧着、超音波溶接、またはリフローを含む。
【0082】
上記に議論されるように、図示される実施形態では、支柱755の全てまたは一部が、絶縁される。図9Aに最良に示されるように、支柱755は、支柱755の大部分を被覆する、絶縁体993(例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)またはPTFEスリーブ)を含む。いくつかの実施形態では、絶縁体993は、支柱755のキー部分794の前で終端する。他の実施形態では、絶縁体993は、キー部分794の全てまたは一部まで延びる、ならびに/もしくはそれをコーティングする。加えて、または代替として、結合具365は、メッシュ電極パネル750間の電気接続を防止するために絶縁材料を含んでもよい。
【0083】
ここで図10Aおよび10B参照すると、結合具367は、メッシュ電極パネル750の支柱757をシャフト122の遠位端部分232に結合する。いくつかの実施形態では、結合具367は、PEEK結合具等の機械加工された硬質の絶縁体である。
【0084】
図示される実施形態では、結合具367は、第1の部分1067a(図10A)と、第2の部分1067b(図10B)とを含む。第1の部分1067aは、支柱757の対応するキー部分794を受け取るように構成される、凹み部分を含む。結合具367の第1の部分1067aの凹み部分は、シャフト122の遠位端部分に対する支柱755のキー部分794の(機械加工公差内の)軸方向移動を防止する。結合具367の第2の部分1067bは、第1の部分1067aにわたって嵌合し、支柱757のキー部分794を第1の部分1067aの凹み部分内に保定する。
【0085】
他の実施形態では、支柱757は、他のタイプの結合具367を使用してシャフト122の遠位端部分232に結合されることができる。例えば、支柱757の両端は、結合具367の心合ピンまたはリベットを受け取るように構成される、開口を含むことができる。これらの実施形態における結合具367は、心合ピンまたはリベットを受け取り、保定し、支柱757の両端を第2の部分に整合させ、支柱757の両端を定位置に保定するように構成される、対応する第2の部分を含むことができる。本技術の範囲内の結合具367のなおも他の実施例は、支柱757の両端を定位置に保定するために、熱杭、圧着、超音波溶接、またはリフローを含む。
【0086】
上記に議論されるように、支柱757の全てまたは一部が、絶縁される。図10Aに最良に示されるように、支柱757は、支柱757の大部分を被覆する、絶縁体1093(例えば、PTFEスリーブ)を含む。いくつかの実施形態では、絶縁体1093は、支柱757のキー部分794の前で終端する。他の実施形態では、絶縁体1093は、キー部分794の全てまたは一部まで延びる、ならびに/もしくはそれをコーティングする。加えて、または代替として、結合具367の少なくとも一部は、メッシュ電極パネル750間の電気接続を防止するために絶縁材料を含んでもよい。
【0087】
結合具367は、発生器115からシャフト122の長さに従って延びる、電気導線またはワイヤ148(図1)ならびに/もしくは他の伝導性経路のうちの1つまたはそれより多くを介して発生器115(図1)に電気的に結合される、電気接点を含むことができる。これらおよび他の実施形態では、支柱757が、結合具367内に固着されると、支柱757はそれぞれ、結合具367の電気接点のうちの1つまたはそれより多くを介して、ならびに/もしくは発生器115からシャフト122の長さに従って延びる電気導線またはワイヤ148ならびに/もしくは他の伝導性経路のうちの1つまたはそれより多くを介して、発生器115(図1)に直接もしくは間接的に電気的に結合されることができる。このように、下記により詳細に説明されるように、発生器115によって提供される電気エネルギーは、パネル750の支柱757を介して拡張可能部分250の個々のメッシュ電極パネル750の支柱751に別個に送達されることができ、電気エネルギーは、モジュール式電極352の対応する区分を介して患者102の組織に送達されることができる。
【0088】
再び図8A-8Dを参照すると、センサ826が、隣接するメッシュ電極パネル750が小孔758および締結具870によって相互に機械的に結合される場所の全てまたはサブセットにおいて拡張可能部分250のモジュール式電極352に沿って搭載されることができる。一般に、センサ826は、モジュール式電極352の内側部分および外側部分の一方または両方に沿って位置付けられることができる。
【0089】
各センサ826は、パネル750から電気的に絶縁され、締結具870の上および/または中に搭載されることができる。例えば、各センサ826は、応柔性接着剤(例えば、エポキシまたは室温加硫(RTV)シリコーン)、センサ826と締結具との間の種々の異なる機械的保定特徴(例えば、タブ)のうちのいずれか、ならびに/もしくは締結具870へのセンサ826の成型またはオーバーモールドを使用して、締結具870に搭載されることができる。加えて、または代替として、センサ826は、締結具870の一部ならびに/もしくはパネル750の小孔758を通して延びることができる。締結具870の一部を通したセンサ826のそのような位置付けが、センサ826と締結具870との間のロバストな機械的接続を形成することを促進することができる。加えて、または代替として、締結具の一部を通したセンサ826の位置付けは、モジュール式電極352の外側部分および内側部分に沿って条件を測定することを促進することができる。
【0090】
電気導線806は、各センサ826から拡張可能部分250の内部内で、またはそれに沿って、シャフト122(図2)の中に延びる。電気導線806は、ワイヤ(例えば、絶縁ワイヤ)またはプリント回路(例えば、フレキシブルプリント回路)もしくはそれらの組み合わせを備えてもよい。電気導線806は、各センサ826が、使用の間、インターフェースユニット108および/または発生器115に電気信号を送信し、それらから電気信号(例えば、電気エネルギー)を受信し得るように、インターフェースユニット108(図1) ならびに/もしくは発生器115(図1)と電気連通する。図13に関して下記により詳細に議論されるように、1つまたはそれより多くの付加的なセンサ(図1-10Bに示されず)は、拡張可能部分250が組織と接触するとき、1つまたはそれより多くの付加的なセンサが拡張可能部分250の内部内に留まり、組織と接触しないように、電気導線806のうちの1つまたはそれより多くによって形成される、ならびに/もしくはその上に位置付けられることができる。
【0091】
センサ826は、拡張可能部分250が非圧縮状態にあるとき、拡張可能部分250のモジュール式電極352に沿って、(例えば、円周方向に、および/または軸方向に)相互から実質的に均一に離間されることができる。センサ826のそのような実質的に均一な分布は、例えば、使用の間にモジュール式電極352の全てまたは一部の形状(例えば、拡張ならびに/もしくは変形の程度)および/または温度プロファイルを決定することを促進することができる。例えば、センサ826は、モジュール式電極352から電気的に絶縁されることができ、センサ826(表面電極として作用する)は、モジュール式電極352からの干渉を伴うことなく、各個別のセンサ826に近接する組織の電気活動を受動的に検出する。センサ826のうちの少なくともいくつかは、拡張可能部分250が、1つまたはそれより多くの内部電極(例えば、電気導線806のうちの1つまたはそれより多くによって形成される、ならびに/もしくはその上に位置付けられる、リング電極434a、リング電極434b、および/または1つまたはそれより多くの付加的なセンサ)と外側部分に沿ったセンサ826の各個別のもののうちの少なくとも一部との間にある状態で、少なくとも部分的に、拡張可能部分250の外側部分に沿って配置されることができる。加えて、または代替として、センサ826のうちの少なくともいくつかは、モジュール式電極352を通して延びることができる。これらの実施形態では、センサ826のうちの1つまたはそれより多くが、拡張可能部分250の内側部分に沿って絶縁される、ならびに/もしくは拡張可能部分250の外側部分に沿って露出されることができる。また、または代わりに、センサ826のうちの少なくともいくつかは、少なくとも部分的に、拡張可能部分250の内側部分に沿って配置ならびに/もしくは露出されることができる。そのような実装では、各センサ826は、モジュール式電極352が組織に触れる際に組織に触れることなく、組織に近接することができる。
【0092】
各センサ826は、センサ826に局所的なエリア内の心臓の電気活動を検出するための電極(例えば、表面電極)として作用することができる。いくつかの実施形態では、センサ826のうちの1つまたはそれより多くが、(例えば、インピーダンスもしくはノイズを低減させるために)白金黒または酸化イリジウムでコーティングされることができる。加えて、または代替として、各センサ826は、温度測定デバイス(例えば、熱電対もしくはサーミスタ)を含むことができる。例えば、センサ826は、フレキシブルプリント回路と、フレキシブルプリント回路の一部の間に固着される、温度測定デバイスと、温度測定デバイスの反対の終端パッドとを備えることができる。本実施例に続いて、センサ826は、サーミスタが拡張可能部分250の外側部分に沿って配置され、終端パッドが拡張可能部分250の内側部分に沿って配置された状態で、締結具870上に搭載されることができる。ある事例では、サーミスタは、外側部分に沿って配置され、組織温度の正確なインジケーションを提供することができる。熱伝導性接着剤または他の伝導性材料が、サーミスタにわたって配置され、サーミスタをフレキシブルプリント回路に固着させることができる。これらおよび他の実施形態では、センサ826のうちの1つまたはそれより多くは、超音波トランスデューサ、光ファイバ、ならびに/もしくは他のタイプの画像センサを含むことができる。別の実施例として、センサ826は、そのうちの1つが拡張可能部分250の外側部分に沿って配置される、2つまたはそれより多くの電極を伴う、フレキシブルプリント回路を含むことができる。さらに別の実施例として、センサ826は、センサ826内(例えば、コンスタンタントレースと、銅トレースとを備える、例えば、フレキシブルプリント回路内)またはセンサ826と電気導線826との間の電気接続において2つの金属の接合部において形成される、熱電対を含むことができる。
【0093】
いくつかの実装では、各センサ826は、放射線不透過性材料から形成され、かつ/またはそれを含むことができる。センサ826の放射線不透過性は、例えば、使用の間にセンサ826の(例えば、蛍光透視法を使用した)可視化を促進することができる。センサ826を形成する、および/またはそれに追加され得る、放射線不透過性材料の実施例は、白金、白金イリジウム、金、放射線不透過性インク、ならびにそれらの組み合わせを含む。放射線不透過性材料は、放射線不透過性材料の可視化を促進し得る、例えば、ドットおよび/またはリング等の任意のパターンにおいて形成ならびに/もしくは追加されることができる。
【0094】
ある実装では、各センサ826は、各センサ826と組織との間の接触を検出するために有用な電極セットの一部を形成することができる。例えば、電気エネルギー(例えば、電流)が、各センサ826および別の電極または複数の他の電極(例えば、本明細書に説明される種々の異なる電極のうちのいずれか1つまたはそれより多く)を通して駆動されることができ、測定された信号(例えば、電圧もしくはインピーダンス)の変化は、組織の存在を示すことができる。先端区分124の位置は、既知であるため、センサ826における個別の測定された信号を通した接触の検出は、医療手技の過程の間、先端区分124が配置される解剖学的構造の形状および/または先端区分124との組織係合/接触を決定するために有用であり得る。加えて、または代替として、センサ826において測定された信号は、例えば、センサがシースによって被覆され、それによって、シースが、少なくとも部分的に、先端区分124を被覆していることを示すと、測定された信号(例えば、電圧もしくはインピーダンス)の増加を検出することによって、先端区分124に対する導入器シースの位置を決定するために有用であり得る。
【0095】
使用時、各センサ826は、さらに、または代わりに、電極として作用し、個別のセンサ826に局所的な心臓のエリア内の電気活動を検出することができ、検出された電気活動は、個別のセンサ826と関連付けられた電気記録図のための基礎を形成し、さらに、または代わりに、病変フィードバックもしくは他のフィードバックを提供することができる。センサ826は、各センサ826によって検出された電気活動が単極電気記録図および/または双極電気記録図の基礎を形成し得るように配列されることができる。例えば、1つまたはそれより多くの付加的なセンサが1つまたはそれより多くの電気導線806によって形成される、ならびに/もしくはその上に位置付けられる実施形態では、センサ826は、付加的なセンサと協働し、1つまたはそれより多くの双極電気記録図を形成することができる。加えて、または代替として、センサ826が、2つまたはそれより多くの電極を備えるフレキシブルプリント回路を含む実施形態では、センサ826の2つまたはそれより多くの電極が、協働し、1つまたはそれより多くの双極電気記録図を形成することができる。加えて、または代替として、センサ826は、下記により詳細に説明されるように、中心電極(例えば、展開部材235上のリング電極434aならびに/もしくは434b(図4))と協働し、近単極電気記録図を提供することができる。例えば、中心電極および(表面電極として作用する)センサ826によって検出される(例えば、受動的に検出される)電気活動が、中心電極ならびにセンサ826の各一意の対と関連付けられる、個別の電気記録図の基礎を形成することができる。より具体的な実施例として、6つのセンサ826が存在する実装では、中心電極は、センサ826を伴う6つの電極対を形成し、これは、ひいては、6つの個別の電気記録図のための基礎を形成することができる。各個別の電極対(例えば、中心電極およびセンサ826の個別のもの)から受信される電気信号によって形成される電気記録図が、種々の異なる方法のうちのいずれかを通して発生されることができる。一般に、個別の電極対と関連付けられる電気記録図は、対における電極からの信号間の差異に基づくことができ、したがって、より具体的には、中心電極から受信される電気信号とセンサ826の個別のものから受信される電気信号との間の差異に基づくことができる。電気記録図は、例えば、ノイズを低減させる、および/または、心臓の電気活動を強調するようにフィルタ処理される、もしくは別様にさらに処理されることができる。センサ826および中心電極が、そのそれぞれが、センサ826と中心電極との間のさらなる、または代替の協働を含み得る、本明細書に説明される接触、形状、力、ならびにインピーダンスを決定する種々の異なる方法のうちのいずれか1つまたはそれより多くに加えて、もしくはその代替として、協働し、近単極電気記録図を提供し得ることを理解されたい。
【0096】
複数のセンサ826は、拡張可能部分250(例えば、モジュール式電極352)の変形を検出するために使用されることができる。例えば、電気信号は、本明細書に説明される方法のうちのいずれかに従って、展開部材235上のリング電極434aおよび/または434bと複数のセンサ826のそれぞれとの間で駆動されることができる。加えて、または代替として、電気信号は、センサ826のうちの1つとセンサ826のうちの別のものとの間、もしくはセンサ826のうちの1つと電気導線806のうちの1つによって形成され、かつ/またはその上に位置付けられる、付加的なセンサとの間で駆動されることができる。加えて、または代替として、電気信号は、センサ826のうちの1つの2つまたはそれより多くの電極間で駆動されることができる。(i)センサ826のうちの少なくとも1つとセンサ826のうちの別のものとの間、(ii)センサ826のうちの少なくとも1つとリング電極434aおよび/または434bとの間、(iii)センサ826のうちの少なくとも1つと、電気導線806によって形成される、ならびに/もしくはその上に位置付けられる少なくとも1つの付加的なセンサとの間、および/または(iv)センサ826のうちの少なくとも1つの2つまたはそれより多くの電極の間で発生された、測定された電気信号が、処理ユニット110(図1)において受信されることができる。
【0097】
少なくとも部分的に、測定された電気信号に基づいて、拡張可能部分250の形状(例えば、拡張および/または変形の程度)が、検出されることができる。例えば、拡張可能部分250が、変形されるにつれて、センサ826のうちの1つまたはそれより多くが、展開部材235と接触されることができる。ある量の力が、少なくとも、拡張可能部分250が完全展開(非圧縮)状態にある間、1つまたはそれより多くのセンサ826を展開部材235と接触させるために十分な量だけ拡張可能部分250を変形させるために要求されることを理解されたい。本明細書で使用されるように、本力は、少なくとも、本閾値を下回る力が、1つまたはそれより多くのセンサ826を展開部材235に近接させるためには不十分であり、したがって、1つまたはそれより多くのセンサ826と展開部材235との間の接触として検出されないという意味において、閾値と見なされることができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、シャフト電極(例えば、シャフト(図示せず)上のリング電極)が、(例えば、結合具367の上の、またはそれに近接している)ネック部分357の近傍のシャフト122の遠位端部分232に搭載されることができる。シャフト電極は、本明細書に説明される種々の方法に従って電気記録図を測定するために使用されることができる。加えて、または代替として、電気エネルギー(例えば、電流)が、シャフト電極および1つまたはそれより多くの他の電極(例えば、本明細書に説明される種々の異なる電極のうちのいずれか1つまたはそれより多く)を通して駆動されることができ、測定された信号(例えば、電圧もしくはインピーダンス)の変化が、シャフト電極を被覆する導入器シースの存在を示すことができる。本実施例に続いて、シャフト電極からの測定された信号が、センサ826からの測定された信号との組み合わせにおいて使用され、先端区分124および/またはシャフト122の遠位端部分232に対する導入器シースの場所を決定することができる。
【0099】
図8D-10Bを参照すると、先端区分124はさらに、1つまたはそれより多くの位置特定コイルセンサ(例えば、磁気コイルセンサ)を含むことができる。例えば、結合具365および/または結合具367は、それぞれ、1つまたはそれより多くの位置特定コイルセンサ931(図8D-9B)と、1つまたはそれより多くの位置特定コイルセンサ1031(図8D、10A、ならびに10B)とを格納および/または保定するための1つまたはそれより多くのスロットもしくは切り欠きを含むことができる。加えて、または代替として、先端区分124は、支柱755ならびに/もしくは757のうちの一方またはそれより多くの上に搭載される、位置特定コイルセンサ1032(図8D、10A、および10B)を含むことができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、位置特定コイルセンサ931、1031、および/または1032は、磁場を放出するように構成される、磁気コイルセンサである一方、(例えば、コイルセンサ931、1031、および/または1032のうちの他のもの等、患者102の外部にある)他のコイルは、結果として生じる磁場を測定するために使用されることができる。加えて、または代替として、患者102の外部にあるコイルは、磁場を放出するように構成されることができる。これらおよび他の実施形態では、位置特定コイルセンサ931、1031、ならびに/もしくは1032は、3~6自由度に関連する情報を示す信号を伝送および/または受信するように構成されることができる。例えば、位置特定コイルセンサ931、1031、および/または1032は、3次元空間におけるコイルセンサ931、1031、ならびに/もしくは1032の位置情報を示す信号(例えば、外部基準フレーム等の定義された原点に対する、および/または位置特定コイルセンサ931、1031、ならびに/もしくは1032のうちの1つまたはそれより多くに対するx、y、およびz位置座標を示す信号)を伝送ならびに/もしくは受信することができる。加えて、または代替として、位置特定コイルセンサ931、1031、ならびに/もしくは1032は、ピッチ、ヨー、および/またはロール情報を示す信号を伝送ならびに/もしくは受信することができる。したがって、位置特定コイルセンサ931、1031、および/または1032は、定義された原点に対する(例えば、患者102内の)先端区分124の場所を分解するために使用されることができる、ならびに/もしくは拡張可能部分250の形状および/または向き(例えば、姿勢)を算出的に決定するために使用されることができる。加えて、または代替として、位置特定コイルセンサ931、1031、ならびに/もしくは1032は、(i)コイルセンサ931とコイルセンサ1031との間の距離を決定する、および/または(ii)コイルセンサ931、1031、ならびに/もしくは1032間の距離および/または角度を決定するために使用されることができる。ひいては、決定された距離および/または角度は、拡張可能部分250の形状(例えば、拡張ならびに/もしくは変形の程度)を決定および/または推定するために使用されることができる。
【0101】
図8Dを参照すると、先端区分124の種々の構成要素が、先端区分124(例えば、拡張可能部分250)の位置、形状(例えば、拡張および/または変形のレベル)、ならびに/もしくは姿勢を決定するために、単独で、または組み合わせにおいて使用されることができる。例えば、上記で議論されるように、場所および/または向き情報が、位置特定コイルセンサ931、1031、ならびに/もしくは1032によって提供されることができる。加えて、または代替として、蛍光透視的可視化(例えば、X線、CT等)が、先端区分124の位置、形状、ならびに/もしくは姿勢を決定するために使用されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、先端区分124の少なくとも一部は、放射線不透過性であり、拡張可能部分250は、蛍光透視法または他の類似の可視化技法の使用を通して観察可能である。いくつかの実施形態では、先端区分124の拡張可能部分250は、蛍光透視法が、拡張可能部分250の変形および/または部分的な変形のインジケーションを提供し、したがって、拡張可能部分250が組織と接触しているかどうかのインジケーションを提供し得るように、放射線不透過性であることができる。加えて、または代替として、シャフト122、展開部材235、結合具367、結合具365、ならびに/もしくはセンサ826のうちの1つまたはそれより多くが、放射線不透過性材料から構成される、ならびに/もしくはそれでコーティングされ、したがって、蛍光透視法または他の可視化技法を使用して可視であることができる。
【0102】
具体的実施例として、先端区分124の拡張可能部分250によって包含される展開部材235の一部は、3つの同心管を含むことができる。同心管はそれぞれ、放射線不透過性リングを含むことができ、3つのリングの全ては、展開部材235が完全に遠位に拡張されると(例えば、拡張可能部分250が完全圧縮状態にあるとき)、蛍光透視下で明確に異なる(例えば、分離される)ことができる。展開部材235が、後退されるにつれて(例えば、先端区分124の最遠位部分240が近位に移動されるにつれて)、展開部材235の遠位同心管が、遠位同心管上の放射線不透過性リングが蛍光透視法の間により近位の同心管内に重ねられた状態になるように、展開部材235のより近位の同心管内で摺動する。したがって、拡張可能部分250の展開の程度が、少なくとも部分的に、展開部材235上の放射線不透過性リングの相対位置に基づいて決定されることができる。先端区分124の拡張可能部分250によって包含される展開部材235の一部は、他の実施形態では、同心管あたり、より大きい数(例えば、4つまたはそれより多くの)またはより少ない数(例えば、2つ)の同心管を含むことができる、および/または異なる数の(例えば、2つまたはそれより多くの)放射線不透過性リングを含むことができる。
【0103】
加えて、または代替として、結合具367は、放射線不透過性リングを含むことができる。いくつかの実施形態では、結合具367上の放射線不透過性リングは、カテーテル104の他の構成要素の放射線不透過性要素と(例えば、展開部材235上の放射線不透過性リングと)(例えば、サイズおよび/またはパターンを介して)明らかに明確に異なり得る。したがって、結合具367上の放射線不透過性リングは、蛍光透視的可視化の間に先端区分124の向き(例えば、姿勢)情報を提供することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、拡張可能部分250の形状(例えば、展開、変形等の程度)が、展開部材235の位置に基づいて予測されることができる。取っ手120内の変位測定デバイス(当技術分野において周知である電位差計、エンコーダ、または他のデバイス)が、展開部材235の変位を測定するために使用されることができる。測定された変位は、処理ユニット110(図1)によって、グラフィカルユーザインターフェース109(図1)上での表示のための拡張可能部分250の形状を決定するために使用されることができる。
【0105】
これらおよびなおも他の実施形態では、センサ826の全てまたはサブセットによって捕捉された電気測定値が、拡張可能部分250の形状を決定するために使用されることができる。例えば、電極対(例えば、センサ826の対、センサ826およびリング電極434a(図4)、センサ826ならびにリング電極434b(図4)等)によって検出されたインピーダンスが、電気信号が電極対を通して駆動されると、(例えば、処理ユニット110(図1)によって受信された信号として)検出されることができる。種々の電極対にわたって検出されたインピーダンスは、相互および決定された各電極対の部材間の相対距離と比較されることができる。例えば、センサ826が、同じである場合、各センサ826は、展開部材235のリング電極434aおよび/またはリング電極434bを含む個別の電極対の一部として駆動されることができる。そのような電極対毎に、電極対間で測定されたインピーダンスは、特定のセンサ826と、個別の電極対を形成するリング電極434aおよび/または434bとの間の相対距離を示すことができる。展開部材235が定常状態である一方、電気信号が電極対を通して駆動される実装では、各センサ826と展開部材235との間の相対距離はさらに、各センサ826と他のセンサ826のそれぞれとの間の相対距離を示すことができる。一般に、より低い測定インピーダンスを伴う駆動電極対は、より高い測定インピーダンスを伴うそれらの駆動電極対より相互に近接している。ある事例では、駆動されていないモジュール式電極352(例えば、センサ826のうちの1つまたはそれより多く)と関連付けられる電極が、測定され、駆動電流対の位置に関する付加的な情報を決定することができる。
【0106】
処理ユニット110によって受信され、単独で、または駆動されていないセンサ826における測定値と組み合わせて、駆動電流対と関連付けられた測定値が、モデルに適合される、ならびに/もしくはルックアップテーブルと比較され、先端区分124の拡張可能部分250の変位を決定することができる。例えば、拡張可能部分250の決定された変位は、軸方向または側(半径方向)方向のうちの少なくとも一方における変位を含むことができる。3次元における電流対の空間分離のため、拡張可能部分250の決定された変位が、1つより多くの方向(例えば、軸方向、側方向、およびそれらの組み合わせ)にあり得ることを理解されたい。加えて、または代替として、拡張可能部分250の決定された変位は、先端区分124の拡張可能部分250の3次元形状に対応することができる。したがって、拡張可能部分250の決定された変位は、例えば、拡張可能部分250の形状を決定するために使用されることができる。さらに、または代わりに、センサ826内に含まれる、ならびに/もしくは展開部材235上に配置される、超音波トランスデューサ、光ファイバ、および/または他のタイプの画像センサによって測定される信号が、拡張可能部分250の変位(したがって、形状)を決定するために使用されることができる。
【0107】
拡張可能部分250の軸方向の力の変位および/または側方の力の変位応答が、所与の展開状態に関して再現可能であり得る、実施形態では、軸方向ならびに/もしくは側方向において先端区分124の拡張可能部分250に印加された力の量は、所与の展開状態にある拡張可能部分250の個別の変位に基づいて確実に決定されることができる。故に、拡張可能部分250の決定された変位は、拡張可能部分250に印加された力の量および方向を決定するために使用されることができる。特に、処理ユニット110は、拡張可能部分250の決定された変位に基づいて、拡張可能部分250に印加された力を決定することができる。例えば、ルックアップテーブル、曲線適合、または他の所定の関係を使用して、処理ユニット110は、本明細書に説明される変位を決定する方法のうちのいずれか1つまたはそれより多くに従って決定されるように、拡張可能部分250の変位の大きさおよび方向に基づいて、拡張可能部分250に印加される力の方向ならびに大きさを決定することができる。したがって、拡張可能部分250に沿った力と変位との間の再現可能な関係が、モジュール式電極352に沿って配置されるセンサ826を使用して変位を決定するための能力と結合され、適切な力の量がアブレーション処置の間に印加されているかどうかを決定することを促進し得、加えて、または代替として、病変形成のための適切なエネルギーおよび冷却用量を決定することを促進し得ることを理解されたい。
【0108】
先端区分124の位置、形状、および/または向きの検出ならびに/もしくは観察は、例えば、拡張可能部分250が組織に係合していること、および/または意図される処置が、事実上、組織に提供されていることをの改良された確実性を提供することができる。組織に対するモジュール式電極352の位置付けの改良された確実性が、エネルギーが患者内の正しい場所における組織に印加される尤度を改良し得る、および/または肺静脈内の狭窄ならびに/もしくは肺静脈の口のまわりの、病変パターンにおける間隙を誘発する尤度を低減させ得ることを理解されたい。
【0109】
いくつかの実施形態では、グラフィカルユーザインターフェース109(図1)が、カテーテル104の先端区分124によって収集された種々の情報を表示するために使用されることができる。例えば、グラフィカルユーザインターフェース109は、(例えば、患者102の解剖学的構造のモデル内の)マッピングシステム上に先端区分124およびシャフト122の場所、向き、ならびに/もしくは形状を表すアイコンを用いて、カテーテル104を表示するために使用されることができる。例えば、先端区分124の拡張可能部分250の決定された変位に基づいて、処理ユニット110(図1)は、拡張可能部分250の形状のインジケーションをグラフィカルユーザインターフェース109に送信することができる。拡張可能部分250の形状のそのようなインジケーションは、例えば、決定された変形に対応する、拡張可能部分250の形状のグラフィック表現を含むことができる。これらおよび他の実施形態では、グラフィカルユーザインターフェース109は、処置場所(例えば、病変場所)を表示するために使用されることができる。加えて、または代替として、グラフィカルユーザインターフェース109は、カテーテル104の先端区分124に対応する他の情報を表示するために使用されることができる。例えば、グラフィカルユーザインターフェース109は、センサ826のうちの1つまたはそれより多くによって捕捉される電圧ならびに/もしくは温度測定値を表示するために使用されることができる。具体的実施例として、グラフィカルユーザインターフェース109は、センサ826のうちの1つまたはそれより多く、中心電極、ならびに/もしくは電気導線806のうちの1つまたはそれより多くによって形成される、ならびに/もしくはその上に位置付けられる1つまたはそれより多くの付加的なセンサによって測定される、電気記録図ならびに/もしくはカテーテル104の先端区分124に対応する他の情報(例えば、電気記録図と関連付けられる電圧マップ)のうちの少なくとも一方の表現を表示するために使用されることができる。別の実施例として、グラフィカルユーザインターフェース109は、少なくとも部分的に、電気記録図および/または先端区分124の決定された形状ならびに/もしくは場所に基づいて、電気解剖学的マップを表示するために使用されることができる。
【0110】
図11A-15は、本技術の種々の他の実施形態に従って構成された、先端区分124を図示する。図11A-15に図示される先端区分124は、図2-10Bに図示される先端区分124に類似する。したがって、類似の参照番号が、図2-15を横断して類似の要素を示すために使用されるが、個々の構成要素は、同じではない場合がある。図11A-15に図示される先端区分124は、個々のメッシュ電極パネル750の支柱751、755、および757が、図2-10Bに図示される先端区分124の拡張可能部分250の一般的な「洋ナシ」形状ではなく、拡張可能部分1150ならびに1550の一般的な「タマネギ」形状および/または一般的な「カボチャ」形状に寄与するように定寸される(支柱755ならびに757が、それぞれ、結合具365および367に取り付けられる)点で、図2-10Bに図示される先端区分124と異なる。
【0111】
図11Aおよび11Bは、展開状態にある、先端区分124の「タマネギ」形状の拡張可能部分1150を図示する。図12Aおよび12Bは、それぞれ、拡張可能部分1150の最遠位部分240の上面図ならびに上面斜視図である。図11Aおよび11Bに最良に示されるように、図示される先端区分124の拡張可能部分1150は、ネック部分1157と、作動本体部分1152(以降、「モジュール式電極1152」と称される)とを含む。着目すべきこととして、拡張可能部分1150は、図2-10Bに図示される拡張可能部分250のノーズ部分355に類似する、強調されたノーズ部分を含まない。代わりに、図11A-12Bをともに参照すると、(少なくとも、拡張可能部分1150が完全展開状態にあるとき)モジュール式電極1152の遠位部分は、展開部材235に略法線であり、(例えば、肺静脈の口のまわりに)組織に対して比較的に平坦に位置付けられ得る、遠位表面を形成することができる。したがって、拡張可能部分1150のメッシュ電極パネルの支柱755は、モジュール式電極1152に寄与することができる。したがって、拡張可能部分1150の支柱755の全てまたは一部が、いくつかの実施形態では、(例えば、肺静脈の口のまわりの)組織に当接する、および/またはエネルギーを組織に送達するために使用されることができる。加えて、または代替として、拡張可能部分1150の支柱755の全てもしくは一部は、支柱755の絶縁部分が組織に当接し得るが、エネルギーを組織に送達するためには使用されることにはならないように絶縁されることができる。
【0112】
図13は、先端区分124の拡張可能部分1150の側面斜視図を図示する。示されるように、センサ826は、拡張可能部分1150のまわりに分布し、図2-10Bに関して上記の議論に一貫する、電気導線806に電気的に結合される。図13に図示される電気導線806のうちの1つまたはそれより多くは、拡張可能部分1150が組織と接触しているとき、付加的なセンサ1326が拡張可能部分1150の内部内に留まり、組織と接触しないような様式において、電気導線806によって形成される、ならびに/もしくはその上に位置付けられる、1つまたはそれより多くの付加的なセンサ1326を含む。上記により詳細に議論されるように、付加的なセンサ1326は、例えば、1つまたはそれより多くの電気記録図を形成するため、ならびに/もしくは電気信号(例えば、電圧またはインピーダンス)を測定し、拡張可能部分1150の形状(例えば、展開、変形等の程度)を決定すること等を行うために使用されることができる。付加的なセンサは、(例えば、電気インピーダンスまたはノイズを低減させる、ならびに/もしくは熱伝導性を増加させるために)白金黒、酸化イリジウム、または金でコーティングされることができる。
【0113】
拡張可能部分1150の展開および圧縮を可能にするために、サービスループ1306が、いくつかの実施形態では、電気導線806のうちの1つまたはそれより多くのために含まれることができる。サービスループ1306は、(i)展開部材235の周囲に電気導線806を巻着または螺旋状に巻き付けること、もしくは(ii)2つまたはそれより多くの電気導線806を、少なくとも部分的に、展開部材235と係合する、「Y」形状において継合することを含む、種々の手段によって、拡張可能部分1150内の定位置に維持されることができる。
【0114】
図14A-14Cは、メッシュ電極パネル750が、取り付けられ、上記の図8A-8Cの議論に一貫する、先端区分124の拡張可能部分1150を形成し得る方法を図示する。例えば、隣接するメッシュ電極パネル750の小孔758が、締結具870を用いて整合(重複)され、ともに保持されることができる。電気絶縁材料から形成されるポリマーディスク872が、隣接するメッシュ電極パネル750を相互から、および/または締結具870内に含まれるセンサ826から分離し、電気的に絶縁するために使用されることができる。加えて、または代替として、鳩目873(図14A)が、(例えば、センサ826をパネル750から電気的に絶縁するために)センサ826とパネル750との間の整合された小孔758のオリフィス内に配置されることができる。
【0115】
カプセル化物質874が、(例えば、組織と接触していないセンサ826の一部を電気的に絶縁するため、センサ826をパネル750から電気的に絶縁するため、および/または個々のパネル750を相互から電気的に絶縁するために)締結具870ならびに/もしくはセンサ826の背面側にわたって形成されることができる。いくつかの実施形態では、カプセル化物質874は、定位置において硬化される、接着剤であることができる。他の実施形態では、カプセル化物質874は、リフロー熱可塑性物質または別の絶縁体であることができる。
【0116】
図14A-14Cに図示されるパネル750の支柱751は、対応する小孔758に近接する、1つまたはそれより多くの特徴もしくは屈曲部1450を含む。これらのパネル750が、相互に取り付けられると、支柱751内の屈曲部1450は、拡張可能部分1150の外部に対して締結具870のセンサ826内に含まれる、センサ826を凹みに置くことを促進することができる。上記に議論されるように、これは、例えば、拡張可能部分1150が(例えば、対応するセンサ826がシースの1つまたはそれより多くの開口部における導入器シースの辺縁上で引っ掛かることなく)導入器シースの中および外に平滑に通過することを可能にすることにおいて、有利であり得る。
【0117】
図15は、展開状態にある先端区分124の拡張可能部分1550を図示する。拡張可能部分1550は、パネル750の支柱755が結合具365の最遠位部分に取り付けられることを除いては、図11A-14Cに図示される拡張可能部分1150に類似する。したがって、支柱755は、結合具365から遠位方向において出現し、反転ノーズ部分1555を形成する。反転ノーズ部分1555は、拡張可能部分1550の最遠位部分1540を含み、拡張可能部分1550が完全(または実質的完全)展開状態にあるとき、結合具365(例えば、先端区分124の最遠位部分240)が組織と接触しないように防止する。これは、例えば、結合具365からの干渉を伴うことなく、拡張可能部分250の遠位面または表面を使用してエネルギーを組織に送達するために有利であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、拡張可能部分1550の支柱755の全てまたは一部は、組織に当接する、ならびに/もしくはエネルギーを組織に送達するために使用されることができる。加えて、または代替として、拡張可能部分1550の支柱755の全てもしくは一部は、支柱755の絶縁部分が組織に当接し得るが、エネルギーを組織に送達するために使用されることがないように絶縁されることができる。
2.関連付けられる方法
【0118】
図16は、本技術の種々の実施形態による、患者の解剖学的構造内の処置部位に(本場合では、患者の心臓1610の左心房内の肺静脈1611の口1613に近接して)位置付けられる、図2-10Bの先端区分124の略図である。明確性および解説のために、図17ならびに18は、図16と併せて下記に議論される。しかしながら、当業者は、図17ならびに18に説明される方法の全てまたは一部が、図11A-15に図示されるモジュール式電極1152を伴う、拡張可能部分1150ならびに/もしくは1550に類似する、モジュール式電極内に拡張可能部分を有する先端区分124等、本技術の種々の他の実施形態に従って構成された、先端区分124を使用して適用され得ることを容易に認識するであろう。加えて、当業者は、図17および18に説明される方法の全てまたは一部が、患者の中空解剖学的構造上で実施される種々の医療手技のうちのいずれか、より具体的には、解剖学的構造内、ならびに/もしくはその近位の組織を診断、刺激、電気的絶縁、または処置するための手技等における、肺静脈絶縁手技以外の状況において適用され得ることを容易に認識するであろう。
【0119】
図17は、本技術の種々の実施形態による、患者の解剖学的構造内の処置部位にカテーテルの先端区分を位置付ける方法1740を図示する、フロー図である。方法1740のステップの全てまたはサブセットが、図1に図示されるシステム100等の医療システムもしくは他の好適なシステムの種々の構成要素またはデバイスによって実行されることができる。例えば、方法1740のステップの全てまたはサブセットは、(i)インターフェースユニット108の構成要素もしくはデバイス、(ii)医療デバイス104の構成要素またはデバイス、ならびに/もしくは(iv)マッピングシステム112、記録システム113、流体ポンプ114、および/または発生器115によって実行されることができる。加えて、または代替として、方法1740のステップの全てもしくはサブセットは、システム100のユーザ(例えば、オペレータ、医師等)によって実行されることができる。さらに、方法1740のステップのうちのいずれか1つまたはそれより多くが、上記の議論に従って実行されることができる。
【0120】
図16および17をともに参照すると、方法1740が、カテーテル104の先端区分124を患者の解剖学的構造内の処置部位に送達することによって、ブロック1741から開始する。例えば、先端区分124は、圧縮状態において患者の中に挿入され、患者の脚部または腕内の静脈を介して患者の心臓1610の中に送達されることができる。いくつかの実施形態では、先端区分124は、導入器シース(例えば、Abbott Agilis等の操向可能導入器シース)および/またはガイドワイヤ397を使用して、患者の心臓内の肺静脈1611(例えば、患者の心臓1610の左心房内の肺静脈1611の口1613)まで通過されることができる。これらおよび他の実施形態では、蛍光透視法ならびに/もしくは他の可視化技法が、先端区分124を処置部位まで通過させるために使用されることができる。これらおよびなおも他の実施形態では、先端区分124の変形可能部分250のまわりに分布した位置特定コイルセンサ931、1031、ならびに/もしくは1032および/またはセンサ826によって提供される、位置付け情報が、先端区分124を処置部位まで通過させるために使用されることができる。
【0121】
ブロック1742において、先端区分124の拡張可能部分250が、処置部位に展開される。例えば、先端区分124の拡張可能部分は、先端区分124の展開部材235をシャフトの遠位端部分232に対して後退させることによって、展開されることができる。いくつかの実施形態では、展開は、カテーテル104の取っ手120(図2)上の作動部分246(図2)を使用して展開部材235を後退させることを含むことができる。
【0122】
先端区分124の拡張可能部分250を展開するために、拡張可能部分250のノーズ部分355が、圧縮状態において肺静脈1611の中に前進され、その後、肺静脈1611のサイズに対応する、展開状態まで拡張されることができる。拡張可能部分250が拡張するにつれて、ノーズ部分355は、肺静脈1611の壁に係合し、ノーズ部分355を肺静脈1611内で心合させることができる。加えて、または代替として、拡張可能部分250の洋ナシ形状が、肺静脈1611の壁が拡張可能部分250のモジュール式電極352の少なくとも一部を、肺静脈1611の口から外に、心臓1610の左心房の中に押し込み、それによって、モジュール式電極352の一部が肺静脈1611内の組織に係合しないように防止することを可能にする。このように、カテーテル104の先端区分124は、肺静脈1611のサイズに対応するサイズまで展開される一方、拡張可能部分250の絶縁部分のみが、肺静脈1611の口を越えること、および拡張可能部分250のアクティブ部分(すなわち、モジュール式電極352)が、(肺静脈1611内の組織に対して対照的に)肺静脈1611の口1613のまわりの、心臓1610の左心房内の組織に対して適切に位置付けられることを確実にすることができる。したがって、処置の結果としての肺静脈1611の狭窄の狭窄が、低減される。
【0123】
他の実施形態では、先端区分124の拡張可能部分250を展開するために、拡張可能部分250は、少なくとも拡張可能部分250のノーズ部分355を肺静脈1611の中に前進させる前に、展開状態まで拡張されることができる。例えば、拡張可能部分250は、完全展開状態または肺静脈1611のおおよそのサイズまで拡張されることができる。拡張可能部分250のノーズ部分355は、次いで、肺静脈1611に向かって、および/またはその中に前進される。ノーズ部分355が、肺静脈1611の中に正常に前進された場合、拡張可能部分250はさらに、いくつかの実施形態では、ノーズ部分355が肺静脈1611の壁に係合し、肺静脈1611内で心合されるまで、拡張されることができる。他方では、ノーズ部分355が、肺静脈1611の中に正常に前進され得ない場合、拡張可能部分250は、ノーズ部分355が肺静脈1611の中に正常に前進されるまで、シャフト122の遠位端部分232に対する展開部材235の遠位移動を介して圧縮されることができる。
【0124】
これらおよびなおも他の実施形態では、先端区分124の拡張可能部分は、モジュール式電極のノーズ部分ならびに/もしくは遠位部分が展開部材235に対して略法線である、遠位表面を形成するまで、展開状態まで拡張されることができる。遠位表面は、次いで、肺静脈1611の口1613のまわりに、組織に対して比較的に平坦に位置付けられる(例えば、結合具365および/または支柱755の少なくとも一部が、肺静脈1611内に位置付けられる)ことができる。
【0125】
ブロック1743において、方法1740は、先端区分124が処置部位に適切に位置付けられることを検証する。特に、方法1740は、モジュール式電極352(例えば、その遠位表面)が、肺静脈1611の口1613のまわりの心臓1610の左心房内の組織に係合することを検証する。加えて、または代替として、方法1740は、先端区分124(例えば、ノーズ部分355)が肺静脈1611内で心合されることを検証する。これらおよび他の実施形態では、方法1740は、結合具365ではなく支柱755が、組織に対して適切に位置付けられることを検証する。
【0126】
いくつかの実施形態では、肺静脈1611内の先端区分124の設置を検証するために、ガイドワイヤ397がさらに、肺静脈1611の中に前進されることができる、および/または造影剤が、(例えば、展開部材235の管腔349の開口部から外に)肺静脈1611の中に注入され、適切な設置を検証することができる。これらおよび他の実施形態では、先端区分124の位置、形状(例えば、変形ならびに/もしくは拡張のレベル)、および/または向きが、本明細書に説明される種々の異なる方法のうちのいずれか1つまたはそれより多く(例えば、蛍光透視的可視化、位置特定コイルセンサ931、1031、ならびに/もしくは1032によって提供される位置および/または向き情報、センサ826ならびに/もしくは展開部材235のリング電極434aおよび/または434bを使用したインピーダンス測定値等)に従って決定され、処置部位における先端区分124の位置付けを検証することができる。これらおよびなおも他の実施形態では、処置部位における先端区分124の適切な位置決めを検証するために、モジュール式電極352の全てまたは一部と処置部位における組織との間の接触の程度が、本明細書に説明される種々の異なる方法のうちのいずれか1つまたはそれより多くに従って決定されることができる。
【0127】
方法1740のステップが、特定の順序において議論され、図示されているが、図17に図示される方法1740は、そのように限定されない。他の実施形態では、方法1740は、異なる順序において実施されることができる。これらおよび他の実施形態では、方法1740のステップのうちのいずれかが、方法1740の他のステップのうちのいずれかの前、間、ならびに/もしくは後に実施されることができる。また、当業者は、図示される方法が、改変され、依然として、本技術のこれらおよび他の実施形態内に留まり得ることを認識するであろう。例えば、図17に図示される方法1740の1つまたはそれより多くのステップは、いくつかの実施形態では、省略される、ならびに/もしくは繰り返されることができる。
【0128】
図18は、本技術の種々の実施形態に従って、患者の解剖学的構造内の処置部位における組織を診断および/または処置する方法1850を図示する、フロー図である。例えば、図18は、肺静脈1611を患者の心臓1610から電気的に絶縁するために肺静脈1611(図16)の口1613(図16)のまわりの患者の心臓1610(図16)の左心房内の組織を診断および/または処置する方法1850を図示する、フロー図である。方法1850のステップの全てまたはサブセットが、図1に図示されるシステム100もしくは他の好適なシステム等の医療システムの種々の構成要素またはデバイスによって実行されることができる。例えば、方法1850のステップの全てまたはサブセットは、(i)インターフェースユニット108の構成要素もしくはデバイス、(ii)医療デバイス104の構成要素またはデバイス、ならびに/もしくは(iv)マッピングシステム112、記録システム113、流体ポンプ114、および/または発生器115によって実行されることができる。加えて、または代替として、方法1850のステップの全てもしくはサブセットは、システム100のユーザ(例えば、オペレータ、医師等)によって実行されることができる。さらに、方法1850のステップのうちのいずれか1つまたはそれより多くが、上記の議論に従って実行されることができる。
【0129】
図16および18をともに参照すると、方法1850が、処置部位におけるカテーテル104の先端区分124の位置、形状、接触、ならびに/もしくは向きを決定することによって、ブロック1851から開始する。例えば、先端区分124の位置、形状、接触、および/または向きは、本明細書に説明される種々の方法のうちのいずれか1つに従って、ならびに/もしくは方法1240(図12)のブロック1243に関して上記に説明される類似の様式において決定されることができる。いくつかの実施形態では、拡張可能部分250の展開(拡張)の電流レベルに対応する、先端区分124の拡張可能部分250のサイズおよび/または有効表面積が、決定されることができる。これらおよび他の実施形態では、現在、肺静脈1611の口1613における組織に接触している、モジュール式電極352の部分(例えば、どのメッシュ電極パネル750(図7Aならびに7B)、個々のパネルのどの部分等)が、決定されることができる。これらおよびなおも他の実施形態では、処置部位のまわりの組織と接触する、モジュール式電極352の(例えば、モジュール式電極352全体の、各個々のパネルの等の)有効表面積が、決定されることができる。
【0130】
ブロック1852において、方法1850は、処置部位における組織を診断および/または処置することができる。いくつかの実施形態では、組織が、本明細書に説明される種々の方法のうちのいずれか1つまたはそれより多くに従って組織の特性を測定することによって、診断される。例えば、組織の電気信号が、モジュール式電極352のまわりに分布したセンサ826のうちの1つまたはそれより多くを使用して、モジュール式電極352自体を使用して、展開部材235のリング電極434aならびに/もしくは434bを使用して、および/または電気導線806のうちの1つまたはそれより多くによって形成される、ならびに/もしくはその上に位置付けられる、付加的なセンサ1326(図13)うちの1つまたはそれより多くを使用して測定されることができる。少なくとも部分的に、測定された電気信号に基づいて、センサ826と接触する、および/またはそれに近接する組織に対応する1つまたはそれより多くの電気記録図ならびに/もしくは電気解剖学的マップ、モジュール式電極352、リング電極434aおよび/または434b、ならびに/もしくは電気導線806のうちの1つまたはそれより多くによって形成される、ならびに/もしくはその上に位置付けられる、付加的なセンサ1326のうちの1つまたはそれより多くが、発生されることができる。このように、方法1850は、(i)(例えば、心房細動に対する)患者102の病状に寄与し得る、異常な電気挙動を呈する組織を識別することができる、および/または(ii)組織が処置される際の組織の電気挙動を追跡することができる。これらおよび他の実施形態では、組織は、(例えば、センサ826のうちの1つまたはそれより多くを使用して)電気の作動を測定することによって、ならびに/もしくは患者102の心臓1610をペーシングすることによって診断されることができる。これらおよびなおも他の実施形態では、組織は、(例えば、組織の解剖学的場所に基づいて、ならびに/もしくはカテーテル104によって捕捉される他の測定値に基づいて)組織の厚さを決定することによって、診断されることができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、エネルギー(例えば、電気エネルギー)が、処置部位における組織を処置するために、モジュール式電極352のパネルを選択するように送達されることができる。ひいては、モジュール式電極352のパネルを選択することは、エネルギーを組織に送達することができる。例えば、高周波(RF)エネルギーが、発生器115(図1)を使用して、モジュール式電極352の1つまたはそれより多くのパネルに送達されることができる。より具体的な実施例として、方法1850は、約4秒(例えば、全体で2秒~9秒、パネルあたり3秒~5秒等)にわたって、各パネルにともに、および/または別個に、およそ500kHz(例えば、400kHzならびに600kHz)において、およそ1アンペア~4アンペア(例えば、約2アンペア~3アンペア、もしくは約2.6アンペア)を送達することができる。いくつかの実施形態では、モジュール式電極352を通して組織に送達されるRFエネルギーのパラメータが、下記により詳細に議論されるように、種々の要因に基づいて調節(例えば、改変)されることができる。
【0132】
別の実施例として、パルス磁場アブレーション(例えば、不可逆電気穿孔法)および/または別の形態のエネルギーが、発生器115を使用して、モジュール式電極のパネルのうちの1つまたはそれより多くに送達され、処置部位における組織を処置することができる。より具体的な実施例として、方法1850は、合計で約3秒(例えば、1.5秒~10秒)にわたっておよそ1ms(例えば、0.5ms~10ms)毎に繰り返される、およそ1マイクロ秒(例えば、0.5マイクロ秒~5マイクロ秒)の二相パルスを用いて、各パネルにともに、および/または別個におよそ18アンペア~60アンペア(例えば、約20アンペア~26アンペア、もしくは約24アンペア)を送達することができる。
【0133】
加えて、または代替として、方法1850は、発生器115を使用して、種々の形態のパルス列のエネルギーをモジュール式電極のパネルのうちの1つまたはそれより多くに送達することができる。例えば、方法1850は、厳密に(例えば、時間的に)離間されたパルスのエネルギーの列を送達し、その間にいかなるエネルギーも送達されない、保留周期が続くことができる。保留周期の終了時に、方法1850は、厳密に離間されたパルスのエネルギーの別の列を送達し、別の保留周期が続くことができる。方法1850は、必要に応じて本サイクルを繰り返すことができる。さらに他の実施形態では、方法1850は、(例えば、パルス列の)異なるパルスの間に送達される電流の量を変動させることができる。いくつかの実施形態では、モジュール式電極352を通して組織に送達されるパルス磁場および/または他のエネルギーのパラメータが、下記により詳細に議論される種々の要因に基づいて調節(例えば、改変)されることができる。
【0134】
これらおよび他の実施形態では、処置部位における組織を処置するために、発生器115(図1)のチャネル、中継器、ならびに/もしくはトランジスタが、拡張可能部分250のメッシュ電極パネルを別個に、および/または並行して駆動するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、モジュール式電極352のパネルの全てまたはサブセットが、(例えば、パネルと患者102(図1)の外部にある1つまたはそれより多くの帰還電極118(図1)との間で)単極電極構成において駆動されることができる。複数の帰還電極118を有する実施形態では、方法1850は、電極118のそれぞれを介して返された電流を平衡させることができる。帰還電極間の電流平衡に関するさらなる情報が、例えば、Affera, Inc.に譲渡された米国特許出願第16/493,288号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に見出されることができる。代替として、パネルは、双極電極構成において駆動されることができる。例えば、方法1850は、隣接するパネルおよび/または分離された(例えば、反対の)パネル間にエネルギーを送達することができる、ならびに/もしくは方法1850は、1つまたはそれより多くのメッシュ電極パネルと中心電極(例えば、展開部材上のリング電極ならびに/もしくは先端区分124の別の電極)との間にエネルギーを送達することができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、方法1850は、メッシュ電極パネルのそれぞれをともに駆動することを含む。これらおよび他の実施形態では、方法1850は、個々のパネルを相互と別個に駆動することを含む。例えば、拡張可能部分250が6つのパネルを含むと仮定して、方法1850は、以下の順序、すなわち、(i)第1のパネル、(ii)第2のパネル、(iii)第3のパネル、(iv)第4のパネル、(v)第5のパネル、および(vi)第6のパネルにおいてパネルを駆動することができる。いくつかの実施形態では、時分割がが、拡張可能部分250のパネルを別個に駆動するために使用される。
【0136】
これらおよびなおも他の実施形態では、方法1850は、種々のサブグループにおけるパネルを同時に駆動することを含むことができる。例えば、拡張可能部分250が6つのパネルを含むと仮定して、方法1850は、以下の順序、すなわち、(i)第1のパネルに隣接する第2のパネルとともに、第1のパネル、(ii)第2のパネルに隣接する第3のパネルとともに、第2のパネル、(iii)第3のパネルに隣接する第4のパネルとともに、第3のパネル、(iv)第4のパネルに隣接する第5のパネルとともに、第4のパネル、(v)第5のパネルに隣接する第6のパネルとともに、第5のパネル、および(vi)第6のパネルに隣接する第1のパネルとともに、第6のパネルにおいて、パネルを駆動することができる。これらおよびなおも他の実施形態では、方法1850は、パネルの他の群(例えば、拡張可能部分250上の相互に反対である、2つのパネルの群、隣接するパネルによって分離される2つのパネルの群、3つまたはそれより多くのパネルの群、あらゆる他のパネルの群等)を駆動することができる。パネルの他の群も、当然ながら、可能性として考えられ、本技術の範囲内である。いくつかの実施形態では、時分割が、パネルの群を別個に駆動するために使用される。
【0137】
拡張可能部分250のパネルを別個に駆動し、組織を処置するとき、方法1850は、パネルあたり1つのみのエネルギー送達のインスタンスを実施してもよい。他の実施形態では、方法1850は、パネルあたり複数の(例えば、より少ない)エネルギー送達のインスタンスを実施してもよい。例えば、方法1850は、方法1850が、個々のパネルに1回目に順次通電した後、個々のパネルに2回目に順次通電することができる。いくつかの実施形態では、パネルあたり複数のエネルギー送達のインスタンスが、パネルが、方法1850がパネルを駆動した後、かつ方法1850が続いて、再びパネルを駆動する前に、冷却することを可能にすることができる。
【0138】
モジュール式電極のパネルを選択的に駆動することは、従来の肺静脈絶縁カテーテルに優るいくつかの利点をもたらす。例えば、大量のエネルギー(例えば、900J)を全て一度に患者102の中に送達する代わりに、方法1850は、パネルあたりより少量のエネルギー(例えば、6つのパネルを備える拡張可能部分250の場合では、パネルあたり150J)を送達することによって、同一の総量のエネルギーを時間とともに患者102の中に送達しながら、また、(パネルのサブセットの実行表面積は、拡張可能部分250全体の実行表面積より小さいため)拡張可能部分250を横断した同一または類似の電流密度を維持することもできる。加えて、または代替として、組織接触の程度、パネル展開/変形の程度、および処置部位における組織の、ならびに/もしくは個々のパネルの他の特性が、拡張可能部分250を横断して変動し得る。したがって、パネルに局所的な組織特性および他の要因に従ってモジュール式電極352のパネルを選択的に駆動することは、下記により詳細に説明されるように、モジュール式電極352の各部分を通して処置部位における組織に送達されるエネルギーのより優れた粒度ならびに制御をもたらす。
【0139】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達が、心室興奮の不応期と同期化されることができる。例えば、方法1850は、モジュール式電極352へのエネルギー送達を、方法1850が電極(例えば、モジュール式電極352、センサ826のうちの1つまたはそれより多く等)を介して心室興奮を検出するとき、ならびに/もしくは心室をペーシングするときに対する所定の時間遅延においてトリガすることができる。
【0140】
これらおよび他の実施形態では、方法1850は、種々の要因に基づいてモジュール式電極352に送達されるエネルギーを調整することができる。いくつかの実施形態では、ブロック1851において決定された先端区分124の位置、形状、接触、および/または向き情報、ならびに/もしくはブロック1852における組織の診断の間に決定された、組織の特性が、モジュール式電極352を介して組織に送達されるエネルギーを調整するために使用されることができる。例えば、エネルギー送達は、組織の解剖学的場所に基づいて調整されることができる。具体的実施例として、方法1850は、第1のパネルが処置部位における組織のより薄い(例えば、後部)区分に接触していること、および第2のパネルが処置部位における組織のより厚い(例えば、前部)区分に接触していることを決定することができる。故に、方法1850は、いくつかの実施形態では、第2のパネルを介して組織のより厚い区分に送達されるエネルギーより少ないエネルギーを、組織のより薄い区分に接触するモジュール式電極352の第1のパネルを介して送達することができる。
【0141】
これらおよび他の実施形態では、モジュール式電極352に沿った所与の点における電流密度が、モジュール式電極352に沿った所与の点における有効表面積の関数であるため、モジュール式電極のパネルに送達されるエネルギーは、拡張可能部分250の形状(例えば、拡張ならびに/もしくは変形のレベル)に基づいて調整され、組織と接触するモジュール式電極352の各パネルを通して組織に送達されるエネルギーの標的電流密度を維持することができる。例えば、より小さい直径を有する肺静脈は、より大きい直径を有する肺静脈より小さい肺静脈の口のまわりの組織を処置するために、全体としてより小さいエネルギーを要求するであろう。本実施例に続いて、拡張可能部分250は、より小さい肺静脈内に適切に位置付けられると、より大きい肺静脈内に適切に位置付けられるときの拡張可能部分250より少なく展開される(したがって、より小さい有効表面積を有する)であろう。したがって、方法1850は、モジュール式電極352がより小さい肺静脈内に位置付けられると、より少ないエネルギーをモジュール式電極352のパネルに送達することができ、モジュール式電極352がより大きい肺静脈内に位置付けられると、より多いエネルギーをモジュール式電極352のパネルに送達することができる。付加的実施例として、モジュール式電極352の第1のパネルが、モジュール式電極352の第2のパネルより(例えば、組織との接触を介して)多く変形される、および/または組織と接触している少ない量の第1のパネルを有することができる。これらのシナリオのいずれかまたは両方において、方法1850は、第1のパネルが第2のパネルより小さい有効表面積を有することを決定することができ、したがって、第2のパネルより少ないエネルギーを第1のパネルに送達し、拡張可能部分250の各パネルを通して組織に送達されるエネルギーの標的電流密度を維持することができる。
【0142】
ブロック1853において、医療デバイスおよび/または組織の種々のパラメータが、組織の診断、処置、もしくは両方の間に監視される。例えば、RFエネルギー送達の間、センサ826のうちの1つまたはそれより多くが、組織ならびに/もしくはモジュール式電極352の一部の温度を測定することができる。これらの実施形態では、処置部位に送達される潅注流体の量および/または温度が、少なくとも部分的に温度測定値に基づいて変動されることができる。例えば、方法1850は、組織の温度および/またはモジュール式電極352の一部の温度が上昇するにつれて、モジュール式電極352ならびに/もしくは処置部位における組織に送達される潅注流体の流率を増加させる、および/または温度を減少させることができる。加えて、または代替として、モジュール式電極352のパネルに送達されるエネルギーは、少なくとも部分的に、パネルに対応する、ならびに/もしくはそれに近接する1つまたはそれより多くのセンサ826によって捕捉される温度測定値に基づいて調節されることができる。例えば、方法1850は、パネルに対応する温度測定値が閾値温度を充足または超過すると、パネルに送達されるエネルギーを減少もしくは終結させることができる。いくつかの実施形態では、方法1850は、パネルに対応する温度測定値が閾値温度を下回るように降下するまで、パネルにエネルギーを送達することを再開することを待機することができる。このように、方法1850は、処置される組織を凝固または焼焦させる尤度を低減させることができる。いくつかの実施形態では、方法1850は、他のパネルに対応する温度測定値が閾値温度または別の温度になる、またはそれを下回ると、モジュール式電極352の他のパネルを介して口のまわりの組織にエネルギーを送達し続けることができる。代替として、方法1850は、その対応する温度測定値が閾値温度を充足または超過するパネルに送達されるエネルギーを減少もしくは終結させることに加えて、モジュール式電極352の他のパネル(例えば、隣接するパネル等の他のパネルの全て、他のパネルのサブセット等)に送達されるエネルギーを減少もしくは終結させることができる。
【0143】
これらおよび他の実施形態では、センサ826のうちの1つまたはそれより多くによって捕捉される温度測定値が、他の目的のために使用されることができる。例えば、RFまたはパルス磁場エネルギー送達の間、センサ826によって捕捉された温度の上昇は、対応するパネルと処置部位における組織との間の接触を示すことができる。したがって、センサ826のうちの1つまたはそれより多くによって捕捉された温度測定値は、組織に接触するモジュール式電極352の部分、また、もしくは代わりに、(例えば、先端区分124が処置部位に対して予期せず移動している場合には)予期せず組織と接触しているモジュール式電極352の部分を決定するために使用されることができる。このように、方法1850は、処置部位における標的組織以外の組織を処置する尤度を低減させることができる。言い換えると、方法1850は、処置部位における標的組織を正確に処置する尤度を増加させることができる。これらおよびなおも他の実施形態では、温度測定値は、病変特性を決定し、それに応じて、エネルギー送達を調節するために使用されることができる。
【0144】
いくつかの実施形態では、処置部位における標的組織の電気活動が、監視されることができる。例えば、インピーダンスが、(i)センサ826の種々の対間、(ii)センサ826の種々のものとリング電極434aおよび/または434bとの間、(iii)1つまたはそれより多くのセンサ826の種々の電極間、ならびに/もしくは(iv)種々のセンサと、電気導線806のうちの1つまたはそれより多くによって形成される、ならびに/もしくはその上に位置付けられる、1つまたはそれより多くの付加的なセンサ1326(図13)との間で監視されることができる。インピーダンス測定値が、(例えば、拡張可能部分250が予期せず変形されていることを決定するために)拡張可能部分250の形状を決定するために、および/または(インピーダンスは、組織が処置されると変化するため)病変特性のフィードバックとして使用されることができる。別の実施例として、処置部位における組織に対応するセンサ826のうちの1つまたはそれより多くによって提供される、電気記録図が、監視されることができる。そのようなフィードバックは、処置が成功したかどうか(例えば、肺静脈1611が患者の心臓1610の左心房から正常に電気的に絶縁されたかどうか)を決定することにおいて有用であり得る。いくつかの実施形態では、方法1850は、種々のパラメータのうちの1つまたはそれより多くを使用し、ブロック1852において送達されたエネルギーを通知ならびに/もしくは調節することができる。
【0145】
ブロック1854において、方法1850は、種々の視覚的な印を選択的に表示することができる。いくつかの実施形態では、方法1850は、解剖学的構造のモデルを表示することができる。これらおよび他の実施形態では、方法1850は、(例えば、解剖学的構造のモデルに沿って、またはその中に)先端区分124ならびに/もしくはシャフト122の位置、形状、および/または向きを表す、アイコンを表示することができる。これらおよびなおも他の実施形態では、方法1850は、センサ826のうちの1つまたはそれより多くによって捕捉された電気記録図ならびに/もしくは温度測定値、(例えば、解剖学的構造のモデル上に、現在駆動されているモジュール式電極352のパネルを示すために先端区分のアイコン上に、モジュール式電極352を用いたエネルギー送達の1つまたはそれより多くの以前の場所を表す、1つまたはそれより多くのアイコン上等に)エネルギー送達の面積を示す注釈、ならびに/もしくは患者102に送達されるエネルギーの電流パラメータ(例えば、アンペア、電圧、パルスパラメータ、周波数、作動時間等)を含む、種々の他の情報を選択的に表示することができる。これらおよび他の実施形態では、方法1850は、以前の(例えば、以前の全ての、最近の、直近の)エネルギー送達と比較した、モジュール式電極352の位置(例えば、相対距離、相対的軸方向並進、相対ロール等)に関する情報を表示することを含むことができる。これは、医師が後続のエネルギー送達を設け、所望の処置エリアを横断した、連続したアブレーション病変を確実にすることを補助することができる。
【0146】
ブロック1855において、先端区分124が、患者102の解剖学的構造内に再度位置付けられる、および/またはそれから除去されることができる。例えば、先端区分124は、標的肺静脈1611に対して(例えば、肺静脈1611に対してより入口側に、または腔内に、もしくは回転された状態で)再度位置付けられることができる。別の実施例として、先端区分124は、(例えば、第1の肺静脈1611の成功した電気絶縁の後に)別の肺静脈に再度位置付けられることができる。さらに別の実施例として、先端区分124は、処置部位における組織の診断および/または処置の完了後、解剖学的構造から除去されることができる。いくつかの実施形態では、先端区分124の拡張可能部分250は、先端区分124が再度位置付けられる、および/または除去される前に圧縮されることができる。これらの実施形態では、拡張可能部分250は、シャフトの遠位端部分232に対する展開部材235の遠位移動を介して圧縮されることができる。拡張可能部分250を圧縮した後に先端区分124を再度位置付ける場合には、拡張可能部分250は、シャフト122の遠位端部分232に対する展開部材235の近位移動を介して再展開されることができる。
【0147】
方法1850のステップは、特定の順序において議論され、図示されているが、図18に図示される方法1850は、そのように限定されない。他の実施形態では、方法1850は、異なる順序において実施されることができる。これらおよび他の実施形態では、方法1850のステップのうちのいずれかが、方法1850の他のステップのうちのいずれかの前、間、および/または後に実施されることができる。また、当業者は、図示される方法が、改変され、依然として、本技術のこれらおよび他の実施形態内に留まり得ることを認識するであろう。例えば、図18に図示される方法1850の1つまたはそれより多くのステップは、いくつかの実施形態では、省略される、ならびに/もしくは繰り返されることができる。
【0148】
C.付加的実施例
本技術のいくつかの側面が、以下の実施例に記載されている。
1.カテーテルであって、
近位端部分と遠位端部分とを有するシャフトと、
シャフトの遠位端部分に機械的に結合される先端区分であって、拡張可能部分をともに画定する複数のメッシュ電極パネルを含む先端区分と
を備えるカテーテル。
2.メッシュ電極パネルは各々、(i)メッシュ電極パネルに沿って軸方向に分布する第1の絶縁部分および第2の絶縁部分と、(ii)第1の絶縁部分と第2の絶縁部分との間のアクティブ部分とを備える、実施例1に記載のカテーテル。
3.メッシュ電極パネルは各々、(i)第1の絶縁部分と、(ii)第1の絶縁部分の遠位にあるアクティブ部分とを備える、実施例1に記載のカテーテル。
4.メッシュ電極パネルは各々、複数の支柱を備え、複数の支柱の第1のサブセットが、複数のセルを画定する、実施例1-3のいずれか1項に記載のカテーテル。
5.複数のセルは、拡張可能部分の開放エリアを少なくとも部分的に画定し、流体、血液、またはそれらの組み合わせが、開放エリアを通して流動し得る、実施例4に記載のカテーテル。
6.先端区分は、先端区分の最遠位部分において拡張可能部分に機械的に結合される展開部材をさらに含み、拡張可能部分は、シャフトの遠位端部分と先端区分の最遠位部分との間において展開部材の少なくとも一部を包む、実施例1-5のいずれか1項に記載のカテーテル。
7.展開部材は、伸縮自在である、実施例6に記載のカテーテル。
8.拡張可能部分は、シャフトによって画定される軸に沿って、展開部材の近位移動を介して拡張し、展開部材の遠位移動を介して圧縮するように構成される、実施例6または実施例7に記載のカテーテル。
9.展開部材は、ガイドワイヤを受け取るように構成される管腔を画定する、実施例6-8のいずれか1項に記載のカテーテル。
10.展開部材は、管腔を画定し、管腔は、少なくともシャフトの近位端部分と先端区分の最遠位部分との間で流体を輸送するように構成される、実施例6-9のいずれか1項に記載のカテーテル。
11.展開部材は、管腔を画定し、流体を拡張可能部分内から拡張可能部分の内側表面に向かって半径方向に分散させるように構成される複数の孔を含み、複数の孔は、、実施例6-10のいずれか1項に記載のカテーテル。
12.展開部材は、少なくとも1つのリング電極を含み、少なくとも1つのリング電極は、シャフトの遠位端部分と先端区分の最遠位部分との間の展開部材の一部上に位置付けられる、実施例6-11のいずれか1項に記載のカテーテル。
13.
拡張可能部分は、洋ナシ形状またはタマネギ形状であり、絶縁ネック部分と、絶縁ネック部分の遠位にある作動本体部分とを含み、
作動本体部分は、モジュール式電極を含み、
絶縁ネック部分は、シャフトの遠位端部分に機械的に結合される、
実施例1-12のいずれか1項に記載のカテーテル。
14.
拡張可能部分は、作動本体部分および絶縁ネック部分の遠位にあるノーズ部分をさらに含み、
ノーズ部分は、先端区分の最遠位部分に機械的に結合される、
実施例13に記載のカテーテル。
15.メッシュ電極パネルは各々、少なくとも1つの小孔を含み、少なくとも1つの締結具が、対応する小孔を介して拡張可能部分の隣接するメッシュ電極パネルをともに保持する、実施例1-14のいずれか1項に記載のカテーテル。
16.少なくとも1つの締結具は、少なくとも1つのセンサを含み、かつ/または、少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つの電極および/もしくは温度測定デバイスを含む、実施例15に記載のカテーテル。
17.メッシュ電極パネルの各々の少なくとも1つの小孔は、少なくとも1つの支柱に直接接続され、少なくとも1つの支柱は、隣接するメッシュ電極パネルが少なくとも1つの締結具を介してともに保持されると、少なくとも1つのセンサが拡張可能部分の外部に対して凹みに置かれるような屈曲部を含む、実施例16に記載のカテーテル。
18.電気導線が、拡張可能部分の内部内の少なくとも1つのセンサからシャフトの中に延び、センサが、拡張可能部分の内部内の電気導線によって形成され、かつ/または電気導線上に位置付けられる、実施例16もしくは実施例17に記載のカテーテル。
19.拡張可能部分に機械的に結合される展開部材の変位を測定し、拡張可能部分の形状を決定するように構成される変位測定デバイスをさらに備える、実施例1-18のいずれか1項に記載のカテーテル。
20.シャフトの遠位端部分に搭載されるシャフト電極をさらに備える、実施例1-19のいずれか1項に記載のカテーテル。
21.拡張可能部分のメッシュ電極パネルは、電気エネルギーが、メッシュ電極パネルのうちの1つのメッシュ電極パネルから、メッシュ電極パネルのうちの他のメッシュ電極パネルから独立して送達され得るように相互から電気的に絶縁される、実施例1-20のいずれか1項に記載のカテーテル。
22.
メッシュ電極パネルの各々は、メッシュ電極パネルの近位端および/または遠位端においてキー部分を含み、
キー部分は、シャフトの遠位端部分において第1の結合具と接合し、かつ/または先端区分の最遠位部分において第2の結合具と接合するように構成され、
キー部分と第1の結合具および/または第2の結合具とは、メッシュ電極パネルをシャフトの遠位端部分に機械的に結合し、かつ/または先端区分の最遠位部分に機械的に結合するように構成される、
実施例1-21のいずれか1項に記載のカテーテル。
23.メッシュ電極パネルのうちの少なくとも1つは、
先端区分の最遠位部分において展開部材に機械的に結合される第1の支柱と、
第2の支柱であって、第2の支柱の最遠位部分において第1の支柱に結合される第2の支柱と、
第3の支柱であって、第3の支柱の最遠位部分において第1の支柱に結合される第3の支柱と
を含む、実施例1-22のいずれか1項に記載のカテーテル。
24.
メッシュ電極パネルの各々は、先端区分の最遠位部分において展開部材に機械的に結合される少なくとも1つの支柱を含み、
メッシュ電極パネルの各々の少なくとも1つの支柱は、先端区分の最遠位部分から遠位に出現する、
実施例1-23のいずれか1項に記載のカテーテル。
25.メッシュ電極パネルのうちの少なくとも1つは、
シャフトの遠位端部分に機械的に結合される第1の支柱と、
第2の支柱であって、第2の支柱の最近位部分において第1の支柱に結合される第2の支柱と、
第3の支柱であって、第3の支柱の最近位部分において第1の支柱に結合される第3の支柱と
を含む、実施例実施例1-24のいずれか1項に記載のカテーテル。
26.少なくとも1つのメッシュ電極パネルが、近位部分と、遠位部分と、近位部分と遠位部分との間の中間部分とを含み、中間部分は、近位部分および遠位部分より広い、実施例1-25のいずれか1項に記載のカテーテル。
27.
メッシュ電極パネルは各々、複数の支柱を備え、
複数の支柱の第1のサブセットは、拡張可能部分の複数のセルを画定し、
拡張可能部分は、遠位区分と、近位区分と、遠位区分と近位区分との間の赤道部とを含み、
拡張可能部分は、遠位区分のあたりおよび/または近位区分のあたりより赤道部のあたりに複数のセルのうちの大きい数のセルを含む、
実施例1-26のいずれか1項に記載のカテーテル。
28.
メッシュ電極パネルは各々、複数の支柱を備え、
複数の支柱の第1のサブセットは、拡張可能部分の複数のセルを画定し、
複数のセルのうちの少なくとも1つのセルは、(i)メッシュ電極パネルのうちの第1のメッシュ電極パネルに属する第1のサブセットのうちの第1の支柱と、(ii)第1のメッシュ電極パネルと異なるメッシュ電極パネルのうちの第2のメッシュ電極パネルに属する第1のサブセットのうちの第2の支柱とによって形成される、
実施例1-27のいずれか1項に記載のカテーテル。
29.
メッシュ電極パネルは各々、複数の支柱を備え、
複数の支柱の第1のサブセットは、拡張可能部分の複数のセルを画定し、
複数のセルのうちの最遠位セルは、(i)メッシュ電極パネルのうちの第1のメッシュ電極パネルに属する第1のサブセットのうちの第1の支柱と、(ii)第1のメッシュ電極パネルと異なるメッシュ電極パネルのうちの第2のメッシュ電極パネルに属する第1のサブセットのうちの第2の支柱とによって形成される、
実施例1-28のいずれか1項に記載のカテーテル。
30.
メッシュ電極パネルは各々、複数の支柱を備え、
複数の支柱の第1のサブセットは、拡張可能部分の複数のセルを画定し、
複数のセルのうちの最近位セルは、(i)メッシュ電極パネルのうちの第1のメッシュ電極パネルに属する第1のサブセットのうちの第1の支柱と、(ii)第1のメッシュ電極パネルと異なるメッシュ電極パネルのうちの第2のメッシュ電極パネルに属する第1のサブセットのうちの第2の支柱とによって形成される、
実施例1-29のいずれか1項に記載のカテーテル。
31.
電極パネルは各々、複数の支柱を備え、
複数の支柱は、(i)1つもしくはそれより多くの第1の長さおよび/または1つもしくはそれより多くの第1の幅を有する支柱の第1のサブセットと、(ii)1つもしくはそれより多くの第1の長さより短い1つもしくはそれより多くの第2の長さ、および/または、1つもしくはそれより多くの第1の幅より狭い1つもしくはそれより多くの第2の幅を有する支柱の第2のサブセットとを含み、
支柱の第1のサブセットは、複数の支柱の最遠位支柱および/または複数の支柱の最近位支柱を含む、
実施例1-30のいずれか1項に記載のカテーテル。
32.
メッシュ電極パネルは各々、複数の支柱を備え、
複数の支柱は、拡張可能部分の複数のセルを画定し、
複数のセルのうちの少なくとも1つのセルは、少なくとも4つの支柱によって形成される、
実施例1-31のいずれか1項に記載のカテーテル。
33.
少なくとも1つのメッシュ電極パネルが、複数の支柱を備え、
複数の支柱の最近位支柱は、第1の幅を有する第1の部分と、第1の幅より狭い第2の幅を有する第2の部分とを含む、
実施例1-32のいずれか1項に記載のカテーテル。
34.先端区分は、先端区分の位置および/または姿勢情報を測定するように構成される少なくとも1つの位置特定コイルセンサをさらに含む、実施例1-33のいずれか1項に記載のカテーテル。
35.拡張可能部分は、外力がない状態において、シャフトの最大直径を上回る直径を有する展開状態を呈する、実施例1-34のいずれか1項に記載のカテーテル。
36.カテーテルの先端区分を使用して患者内の処置部位における標的組織を処置する方法であって、
カテーテルの先端区分の有効表面積を決定することであって、先端区分は、複数のメッシュ電極パネルを含み、複数のメッシュ電極パネルは、相互から電気的に絶縁され、ともに先端区分の拡張可能部分を画定する、ことと、
エネルギーを処置部位における標的組織に送達することと
を含み、エネルギーは、決定された有効表面積に少なくとも部分的に基づいて、拡張可能部分の少なくとも1つのメッシュ電極パネルを介して送達される、方法。
37.有効表面積を決定することは、先端区分の位置および/または向きを決定することを含む、実施例36に記載の方法。
38.先端区分の位置および/または向きを決定することは、
蛍光透視下で先端区分を可視化すること、ならびに/または、
先端区分の位置特定コイルセンサから少なくとも1つの信号を受信することであって、少なくとも1つの信号は、3次元空間における位置特定コイルセンサの位置を示し、かつ/または、位置特定コイルセンサのピッチ、ヨー、および/もしくはロールを示す、こと
を含む、実施例37に記載の方法。
39.エネルギーを拡張可能部分の少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達することは、患者の解剖学的構造内の少なくとも1つのメッシュ電極パネルの位置に少なくとも部分的に基づいて、エネルギーを少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達することを含む、実施例36-37のいずれか1項に記載の方法。
40.有効表面積を決定することは、拡張可能部分の展開および/または変形の程度を決定することを含む、実施例36-39のいずれか1項に記載の方法。
41.拡張可能部分の展開および/または変形の程度を決定することは、
蛍光透視下で先端区分を可視化すること、ならびに/または、
拡張可能部分上に搭載される2つまたはそれより多くの電極から1つまたはそれより多くの信号を受信することであって、1つまたはそれより多くの信号は、2つまたはそれより多くの電極間のインピーダンスを示す、こと
を含む、実施例40に記載の方法。
42.有効表面積を決定することは、少なくとも1つのメッシュ電極パネルと組織との接触の程度を決定することを含む、実施例36-41のいずれか1項に記載の方法。
43.エネルギーを拡張可能部分の少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達することは、規定された量のエネルギーを少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達し、少なくとも1つのメッシュ電極パネルを通して、少なくとも1つのメッシュ電極パネルと接触する組織に送達されるエネルギーの標的電流密度を達成することを含む、実施例36-42のいずれか1項に記載の方法。
44.エネルギーを少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達することは、エネルギーを拡張可能部分のメッシュ電極パネルの全てに送達することを含む、実施例36-43のいずれか1項に記載の方法。
45.エネルギーを拡張可能部分のメッシュ電極パネルの全てに送達することは、エネルギーを拡張可能部分の個々のメッシュ電極パネルに別個かつ順次に送達することを含む、実施例44に記載の方法。
46.エネルギーを拡張可能部分のメッシュ電極パネルの全てに送達することは、エネルギーを拡張可能部分のメッシュ電極パネルのサブグループに別個かつ順次に送達することを含む、実施例44に記載の方法。
47.少なくとも1つのメッシュ電極パネルは、拡張可能部分のメッシュ電極パネルのサブセットを含み、サブセットは、拡張可能部分のメッシュ電極パネルのうち全てより少ないメッシュ電極パネルを含み、さらに、エネルギーを少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達することは、エネルギーをサブセットのメッシュ電極パネルのみに送達することを含む、実施例36-43のいずれか1項に記載の方法。
48.エネルギーを少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達することは、高周波(RF)エネルギーおよび/またはパルス磁場エネルギーを少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達することを含む、実施例36-47のいずれか1項に記載の方法。
49.
拡張可能部分上に搭載される1つもしくはそれより多くの温度測定デバイスから1つもしくはそれより多くの信号を受信することであって、1つもしくはそれより多くの信号は、少なくとも1つのメッシュ電極パネルと接触する組織の温度を示す、こと、
受信された1つもしくはそれより多くの温度信号に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのメッシュ電極パネルに送達されたエネルギーを調節すること、ならびに/または、
少なくとも1つのメッシュ電極パネルと接触する組織に潅注流体を送達すること
をさらに含む、実施例36-48のいずれか1項に記載の方法。
50.カテーテルの先端区分の拡張可能部分を形成することにおける使用のための電極パネルであって、
電極パネルの近位端部分における第1の区分と、
電極パネルの遠位端部分における第2の区分と、
第1の区分と第2の区分との間の作動区分と
を備える電極パネル。
51.第1の区分は、絶縁される、実施例50に記載の電極パネル。
52.第2の区分の少なくとも一部は、絶縁される、実施例50または実施例51に記載の電極パネル。
53.
作動区分は、複数の支柱を含み、
複数の支柱は、複数のセルを画定する、
実施例50-52のいずれか1項に記載の電極パネル。
54.複数のセルは、電極パネルの開放エリアを少なくとも部分的に画定し、流体、血液、またはそれらの組み合わせが、開放エリアを通して流動し得る、実施例53に記載の電極パネル。
55.複数のセルのうちの少なくとも1つのセルは、複数の支柱のうちの少なくとも4つの支柱によって画定される、実施例53または実施例54に記載の電極パネル。
56.
作動区分は、複数の支柱を含み、
第1の区分は、少なくとも1つの支柱を含み、
第1の区分の少なくとも1つの支柱は、第1の長さおよび/または第1の幅を有し、
複数の支柱のうちの支柱は、第1の長さより短い第2の長さ、および/または第1の幅より狭い第2の幅を有する、
実施例50-55のいずれか1項に記載の電極パネル。
57.
作動区分は、複数の支柱を含み、
第2の区分は、少なくとも1つの支柱を含み、
第2の区分の少なくとも1つの支柱は、第1の長さおよび/または第1の幅を有し、
複数の支柱のうちの支柱は、第1の長さより短い第2の長さ、および/または第1の幅より狭い第2の幅を有する、
実施例50-56のいずれか1項に記載の電極パネル。
58.
第1の区分は、少なくとも1つの支柱を含み、
少なくとも1つの支柱は、第1の幅を有する第1の部分と、第1の幅より狭い第2の幅を有する第2の部分とを含む、
実施例50-57のいずれか1項に記載の電極パネル。
59.作動区分は、第1の区分より広い、実施例50-58のいずれか1項に記載の電極パネル。
60.作動区分は、第2の区分より広い、実施例50-59のいずれか1項に記載の電極パネル。
61.第1の区分は、単一の支柱を含む、実施例50-60のいずれか1項に記載の電極パネル。
62.
第1の区分は、単一の支柱を含み、
作動区分は、第1の支柱を含み、第1の支柱は、第1の支柱の最近位部分において単一の支柱に直接結合され、
作動区分は、第2の支柱をさらに含み、第2の支柱は、第2の支柱の最近位部分において単一の支柱に直接結合される、
実施例50-61のいずれか1項に記載の電極パネル。
63.
第1の区分は、単一の支柱を含み、
作動区分は、第1の支柱を含み、第1の支柱は、単一の支柱の遠位端において単一の支柱に直接結合され、
作動区分は、第2の支柱を含み、第2の支柱は、単一の支柱の遠位端において単一の支柱に直接結合される、
実施例50-62のいずれか1項に記載の電極パネル。
64.第2の区分は、単一の支柱を含む、実施例50-63のいずれか1項に記載の電極パネル。
65.
第2の区分は、単一の支柱を含み、
作動区分は、第1の支柱を含み、第1の支柱は、第1の支柱の最遠位部分において単一の支柱に直接結合され、
作動区分は、第2の支柱をさらに含み、第2の支柱は、第2の支柱の最遠位部分において単一の支柱に直接結合される、
実施例50-64のいずれか1項に記載の電極パネル。
66.
第2の区分は、単一の支柱を含み、
作動区分は、第1の支柱を含み、第1の支柱は、単一の支柱の近位端において単一の支柱に直接結合され、
作動区分は、第2の支柱を含み、第2の支柱は、単一の支柱の近位端において単一の支柱に直接結合される、
実施例50-65のいずれか1項に記載の電極パネル。
67.第2の区分は、少なくとも1つの支柱を含み、少なくとも1つの支柱のうちのある支柱は、カテーテルの先端区分の最遠位部分に機械的に結合されるように構成される、実施例50-66のいずれか1項に記載の電極パネル。
68.少なくとも1つの支柱のうちの支柱は、先端区分の最遠位部分に機械的に結合されると、先端区分の最遠位部分から遠位に出現するように構成される、実施例67に記載の電極パネル。
69.
電極パネルは、電極パネルの遠位端においてキー部分を含み、
キー部分は、カテーテルの先端区分の最遠位部分において結合具と接合するように構成され、
キー部分および結合具は、電極パネルを先端区分の最遠位部分に機械的に結合するように構成される、
実施例50-68のいずれか1項に記載の電極パネル。
70.第1の区分は、少なくとも1つの支柱を含み、少なくとも1つの支柱のうちのある支柱は、カテーテルシャフトの遠位端部分に機械的に結合されるように構成される、実施例50-69のいずれか1項に記載の電極パネル。
71.
電極パネルは、電極パネルの近位端においてキー部分を含み、
キー部分は、カテーテルシャフトの遠位端部分において結合具と接合するように構成され、
キー部分および結合具は、電極パネルをカテーテルシャフトの遠位端部分に機械的に結合するように構成される、
実施例50-70のいずれか1項に記載の電極パネル。
72.電極パネルが別の電極パネルに機械的に結合され得るように、締結具を受け取るように構成される少なくとも1つの小孔をさらに備える、実施例50-71のいずれか1項に記載の電極パネル。
73.
作動区分は、複数の支柱を含み、
少なくとも1つの小孔は、複数の支柱のうちの少なくとも1つの支柱に直接接続される、
実施例72に記載の電極パネル。
74.少なくとも1つの支柱は、小孔が複数の支柱のうちの他の支柱と共面でないような屈曲部を含む、実施例73に記載の電極パネル。
75.第2の区分は、絶縁されていない、実施例50-74のいずれか1項に記載の電極パネル。
【0149】
D.結論
本技術の実施形態の上記の詳細な説明は、包括的である、または本技術を上記に開示される精密な形態に限定するようには意図していない。本技術の具体的実施形態、およびそれに関する実施例が、例証的目的のために上記に説明されているが、種々の同等な修正もまた、当業者が認識するであろうように、本技術の範囲内で可能性として考えられる。例えば、ステップは、所与の順序で提示されているが、代替実施形態は、異なる順序でステップを実施することができる。さらに、本明細書に説明される種々の実施形態はまた、さらなる実施形態を提供するために組み合わせられることもできる。
【0150】
本明細書に説明されるシステムおよび方法は、プロセッサまたはコンピュータによる実行のためにその上に記録される命令を有する、(ハードディスクドライブ、ハードウェアメモリ等の)有形かつ非一過性の機械可読媒体もしくは複数の媒体の形態において提供されることができる。命令のセットは、コンピュータまたはプロセッサに、ここに説明される種々の実施形態の方法およびプロセス等の具体的な動作を実施するように命令する、種々のコマンドを含むことができる。命令のセットは、ソフトウェアプログラムまたはアプリケーションの形態にあることができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータ等の情報の記憶のために、揮発性媒体および不揮発性媒体、ならびにリムーマブル媒体および非リムーマブル媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体は、限定ではないが、所望の情報を記憶するために使用され得、本システムの構成要素によってアクセスされ得る、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のソリッドステートメモリ技術、CD-ROM、DVD、もしくは他の光学記憶装置、磁気ディスク記憶装置、または任意の他のハードウェア媒体を含むことができる。本システムの構成要素は、有線通信または無線通信を介して相互と通信することができる。構成要素は、相互と別個であることができる、または構成要素の種々の組み合わせが、モニタもしくはプロセッサにともに統合される、または標準的なコンピュータハードウェア(例えば、プロセッサ、回路網、論理回路、メモリ、および同等物)を伴うワークステーション内に含有されることができる。本システムは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、制御ユニット、記憶媒体、および他のハードウェア等の処理デバイスを含むことができる。
【0151】
前述から、本技術の具体的な実施形態が、例証の目的のために本明細書に説明されているが、周知の構造および機能が、本技術の実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、詳細には示されていない、または説明されていないことを理解されたい。参照することによって本明細書に組み込まれる任意の材料が本開示と矛盾する程度において、本開示が、優先される。文脈が許容する場合、単数形または複数形の用語はまた、それぞれ、複数形もしくは単数形の用語を含むことができる。また、単語「または」が、2つまたはそれより多くの物品のリストを参照して、他の物品から排他的な単一の物品のみを意味するように明示的に限定されていない限り、そのようなリストにおける「または」の使用は、(a)リスト内の任意の単一の物品、(b)リスト内の物品の全て、もしくは(c)リスト内の物品の任意の組み合わせを含むものと解釈されるものとする。本明細書で使用されるように、「Aおよび/またはB」におけるような、語句「および/または」は、「Aを単独で」、「Bを単独で」、ならびに「AおよびBの両方」を指す。加えて用語「~を備える(comprising)」、「~を含む(including)」、「~を有する(having)」、および「~を伴う(with)」は、全体を通して、いかなるより大きい数の同一の特徴ならびに/もしくは付加的なタイプの他の特徴も除外されないように、少なくとも列挙される特徴を含むことを意味するために使用される。さらに、本明細書で使用されるように、用語「実質的に(substantially)」は、作用、特性、性質、状態、構造、物品、または結果の完全もしくはほぼ完全な程度または度合いを指す。例えば、「実質的に」包まれる物体は、物体が完全に包まれているか、またはほぼ完全に包まれているかのいずれかを意味するであろう。絶対的完全性からの逸脱の厳密な許容可能な度合いは、ある場合には、具体的な文脈に依存し得る。しかしながら、一般的に言えば、完全性の接近性は、絶対的かつ完全な完了が取得される場合と同様に、同一の全体的結果を有するようなものとなるであろう。「実質的に」の使用は、作用、特性、性質、状態、構造、物品、または結果の完全もしくはほぼ完全な欠如を指すような否定的意味合いにおいて使用されるときにも等しく適用可能である。
【0152】
前述から、種々の修正が、本技術から逸脱することなく成され得ることも理解されたい。例えば、本技術の種々の構成要素はさらに、サブコンポーネントに分割されることができる、または本技術の種々の構成要素および機能が、組み合わせられる、ならびに/もしくは統合されることができる。さらに、本技術のある実施形態と関連付けられる利点が、それらの実施形態の文脈において説明されているが、他の実施形態もまた、そのような利点を呈し得、全ての実施形態が、必ずしも本技術の範囲内にあるようにそのような利点を呈する必要はない。故に、本開示および関連付けられる技術は、本明細書に明示的に示され、説明されていない他の実施形態も包含し得る。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17
図18