(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】半導体構造
(51)【国際特許分類】
H10B 12/00 20230101AFI20250218BHJP
H10D 86/40 20250101ALI20250218BHJP
H10D 30/67 20250101ALI20250218BHJP
【FI】
H10B12/00 801
H10D86/40 101B
H10D30/67 101V
H10D30/67 103B
(21)【出願番号】P 2022549393
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(86)【国際出願番号】 CN2022097891
(87)【国際公開番号】W WO2023231065
(87)【国際公開日】2023-12-07
【審査請求日】2022-08-16
(31)【優先権主張番号】202210599310.4
(32)【優先日】2022-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【氏名又は名称】三宅 章子
(72)【発明者】
【氏名】肖 剣鋒
(72)【発明者】
【氏名】唐 怡
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2022/0005809(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0048296(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0259296(US,A1)
【文献】特開2019-096866(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0077151(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0411523(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第114121816(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 12/00
H10D 86/40
H10D 30/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造であって、
基板及び前記基板の上部に位置するアクティブピラーを含み、前記アクティブピラーは、第1方向に沿って延在し、前記第1方向は、基板平面に平行であり、
前記アクティブピラーは、前記第1方向に沿って延在したボディ領域及び前記ボディ領域を取り囲む周辺領域を含み、
前記ボディ領域は、前記周辺領域によって取り囲まれていない延在領域を含み、前記周辺領域は、チャネル領域を含み、前記チャネル領域のドーピングイオンタイプ及び前記ボディ領域のドーピングイオンタイプは、同じであり、前記チャネル領域のドーピング濃度は、前記ボディ領域のドーピング濃度より大き
く、
前記半導体構造はさらに、前記延在領域に電気的に接続され、接地されている導電性構造を含む、半導体構造。
【請求項2】
前記ボディ領域は、前記第1方向に沿って延在した内層及び前記内層を取り囲む外層を含み、前記内層のドーピング濃度は、前記外層のドーピング濃度より大きい、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記ボディ領域のドーピング濃度は、前記アクティブピラーの半径方向に沿って中心から周辺に向かって徐々に減少する、
請求項2に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記周辺領域はさらに、第1ドーピング領域及び第2ドーピング領域を含み、前記第1ドーピング領域、前記チャネル領域、及び前記第2ドーピング領域は、前記第1方向に沿って順次配列され
、前記延在領域は、前記第1ドーピング領域に隣接する、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記
導電性構造は、第2方向に沿って延在し
、前記第2方向は、前記第1方向と交差し、前記基板平面に平行である、
請求項4に記載の半導体構造。
【請求項6】
前記
導電性構造は、第3方向に沿って延在し
、前記第3方向は、前記基板平面に垂直な方向である、
請求項4に記載の半導体構造。
【請求項7】
前記アクティブピラーの数は複数であり、複数の前記アクティブピラーは、複数のアクティブピラー行及び複数のアクティブピラー列に配列され、前記アクティブピラー行は、第2方向に沿って延在し、前記第2方向は、前記第1方向と交差し、前記基板平面に平行であり、前記アクティブピラー列は、第3方向に沿って延在し、前記第3方向は、前記基板平面に垂直な方向である、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項8】
前記導電性構造は、板状であり、前記導電性構造は、複数の前記アクティブピラー行の延在領域に電気的に接続される、
請求項7に記載の半導体構造。
【請求項9】
前記半導体構造はさらに、
複数のワードラインであって、各前記ワードラインは、前記第3方向に沿って延在し、複数の前記ワードラインは、前記第2方向に沿って配列され、各前記ワードラインは、1つの前記アクティブピラー列に対応し、各前記ワードラインは、それに対応する前記アクティブピラー列における複数の前記チャネル領域を覆う、複数のワードラインと、
複数のビットラインであって、各前記ビットラインは、前記第2方向に沿って延在し、複数の前記ビットラインは、前記第3方向に沿って配列され、各前記ビットラインは、1つの前記アクティブピラー行に対応し、各前記ビットラインは、それに対応する前記アクティブピラー行における複数の第1ドーピング領域に電気的に接続される、複数のビットラインと、を含む、
請求項7に記載の半導体構造。
【請求項10】
前記半導体構造はさらに、
複数のワードラインであって、各前記ワードラインは、前記第2方向に沿って延在し、複数の前記ワードラインは、前記第3方向に沿って配列され、各前記ワードラインは、1つの前記アクティブピラー行に対応し、各前記ワードラインは、それに対応する前記アクティブピラー行における複数の前記チャネル領域を覆う、複数のワードラインと、
複数のビットラインであって、各前記ビットラインは、前記第3方向に沿って延在し、前記複数のビットラインは、前記第2方向に沿って配列され、各前記ビットラインは、それに対応する前記アクティブピラー列における複数の第1ドーピング領域に電気的に接続される、複数のビットラインと、を含む、
請求項7に記載の半導体構造。
【請求項11】
前記ワードラインは、対応する前記チャネル領域を取り囲む、
請求項
9又は
10に記載の半導体構造。
【請求項12】
前記ワードラインは、相互に対向する第1サブ層と第2サブ層を含み、前記第1サブ層及び前記第2サブ層は、対応する前記チャネル領域の対向する2つの側壁をそれぞれ覆う、
請求項
9又は
10に記載の半導体構造。
【請求項13】
前記ビットラインは、対応する前記第1ドーピング領域を取り囲む、
請求項
9又は
10に記載の半導体構造。
【請求項14】
前記ビットラインは、複数のサブ部分を含み、複数の前記サブ部分は、前記第3方向に沿って、1つの前記アクティブピラー列における前記第1ドーピング領域と交互に積み重ねられる、
請求項
10に記載の半導体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2022年05月30日に中国特許局に提出された、出願番号が202210599310.4であり、発明の名称が「半導体構造」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、半導体の技術分野に関し、特に、半導体構造に関する。
【背景技術】
【0003】
3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)などの半導体構造には、通常、基板上に互いに積み重ねられた複数のトランジスタが含まれる。
【0004】
ただし、トランジスタが基板上に浮遊しているため、トランジスタのチャネル領域に電荷が蓄積されやすく、フローティングボディ効果(Floating body effect)が発生し、ワーピング効果、寄生バイポーラトランジスタ効果、閾値電圧シフトなどが発生し、半導体構造の性能に影響を与える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例は、半導体構造を提供し、前記半導体構造は、
基板及び前記基板の上部に位置するアクティブピラーを含み、前記アクティブピラーは、第1方向に沿って延在し、前記第1方向は、基板平面に平行であり、前記アクティブピラーは、第1方向に沿って延在したボディ領域及び前記ボディ領域を取り囲む周辺領域を含み、前記周辺領域は、チャネル領域を含み、前記チャネル領域のドーピングイオンタイプ及び前記ボディ領域のドーピングイオンタイプは、同じであり、前記チャネル領域のドーピング濃度は、前記ボディ領域のドーピング濃度より大きい。
【0006】
いくつかの実施例では、前記ボディ領域は、第1方向に沿って延在した内層及び前記内層を取り囲む外層を含み、前記内層のドーピング濃度は、前記外層のドーピング濃度より大きい。
【0007】
いくつかの実施例では、前記ボディ領域のドーピング濃度は、前記アクティブピラーの半径方向に沿って中心から周辺に向かって徐々に減少する。
【0008】
いくつかの実施例では、前記周辺領域はさらに、第1ドーピング領域及び第2ドーピング領域を含み、前記第1ドーピング領域、前記チャネル領域、及び前記第2ドーピング領域は、第1方向に沿って順次配列され、前記ボディ領域はさらに、前記周辺領域によって取り囲まれていない延在領域を含み、前記延在領域は、前記第1ドーピング領域に隣接する。
【0009】
いくつかの実施例では、前記半導体構造はさらに、第2方向に沿って延在し、前記延在領域に電気的に接続された導電性構造を含み、前記第2方向は、前記第1方向と交差し、前記基板平面に平行である。
【0010】
いくつかの実施例では、前記半導体構造はさらに、第3方向に沿って延在し、前記延在領域に電気的に接続された導電性構造を含み、前記第3方向は、前記基板平面に垂直な方向である。
【0011】
いくつかの実施例では、前記アクティブピラーの数は複数であり、複数の前記アクティブピラーは、複数のアクティブピラー行及び複数のアクティブピラー列に配列され、前記アクティブピラー行は、第2方向に沿って延在し、前記第2方向は、前記第1方向と交差し、前記基板平面に平行であり、前記アクティブピラー列は、第3方向に沿って延在し、前記第3方向は、前記基板平面に垂直な方向である。
【0012】
いくつかの実施例では、前記半導体構造はさらに、前記基板上に位置する導電性構造を含み、前記導電性構造は、板状であり、前記導電性構造は、複数の前記アクティブピラー行の延在領域に電気的に接続される。
【0013】
いくつかの実施例では、前記導電性構造は、接地されている。
【0014】
いくつかの実施例では、前記半導体構造はさらに、複数のワードラインであって、各前記ワードラインは、第3方向に沿って延在し、複数の前記ワードラインは、第2方向に沿って配列され、各前記ワードラインは、1つの前記アクティブピラー列に対応し、各前記ワードラインは、それに対応する前記アクティブピラー列における複数の前記チャネル領域を覆う、複数のワードラインと、複数のビットラインであって、各前記ビットラインは、前記第2方向に沿って延在し、複数の前記ビットラインは、第3方向に沿って配列され、各前記ビットラインは、1つの前記アクティブピラー行に対応し、各前記ビットラインは、それに対応する前記アクティブピラー行における複数の前記第1ドーピング領域に電気的に接続される、複数のビットラインと、を含む。
【0015】
いくつかの実施例では、前記半導体構造はさらに、複数のワードラインであって、各前記ワードラインは、第2方向に沿って延在し、複数の前記ワードラインは、第3方向に沿って配列され、各前記ワードラインは、1つの前記アクティブピラー行に対応し、各前記ワードラインは、それに対応する前記アクティブピラー行における複数のチャネル領域を覆う、複数のワードラインと、複数のビットラインであって、各前記ビットラインは、前記第3方向に沿って延在し、前記複数のビットラインは、第2方向に沿って配列され、各前記ビットラインは、それに対応する前記アクティブピラー列における複数の第1ドーピング領域に電気的に接続される、複数のビットラインと、を含む。
【0016】
いくつかの実施例では、前記ワードラインは、対応する前記チャネル領域を取り囲む。
【0017】
いくつかの実施例では、前記ワードラインは、対応する前記チャネル領域の1つの側壁を覆う。
【0018】
いくつかの実施例では、前記ワードラインは、相互に対向する第1サブ層と第2サブ層を含み、前記第1サブ層及び前記第2サブ層は、対応する前記チャネル領域の対向する2つの側壁をそれぞれ覆う。
【0019】
いくつかの実施例では、前記ビットラインは、対応する前記第1ドーピング領域を取り囲む。
【0020】
いくつかの実施例では、前記ビットラインは、複数のサブ部分を含み、複数の前記サブ部分は、第3方向に沿って、1つの前記アクティブピラー列における前記第1ドーピング領域と交互に積み重ねられる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施例によって提供される半導体構造は、基板及び前記基板の上部に位置するアクティブピラーを含み、前記アクティブピラーは、第1方向に沿って延在し、前記第1方向は、基板平面に平行であり、前記アクティブピラーは、第1方向に沿って延在したボディ領域及び前記ボディ領域を取り囲む周辺領域を含み、前記周辺領域は、チャネル領域を含み、前記チャネル領域のドーピングイオンタイプ及び前記ボディ領域のドーピングイオンタイプは、同じであり、前記チャネル領域のドーピング濃度は、前記ボディ領域のドーピング濃度より大きい。本発明の実施例によって提供されるアクティブピラーは、ボディ領域及び前記ボディ領域を取り囲む周辺領域を含み、前記ボディ領域のドーピング濃度は、前記チャネル領域のドーピング濃度より小さく、このようにして、ボディ領域における電荷の蓄積を減らし、フローティングボディ効果を軽減することができ、さらに、前記チャネル領域に過剰な電荷がある場合、前記電荷は、前記ボディ領域を経由して放出され、即ち、前記ボディ領域は、過剰な電荷を放出するための経路を提供し、それにより、フローティングボディ効果を軽減又は排除し、半導体構造の性能を改善する。
【0022】
本発明の1つ又は複数の実施例の詳細は、以下の図面及び説明に記載されている。本発明の他の特徴及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲からより明らかになる。
【0023】
本発明の実施例の技術的解決策をより明確に説明するために、以下では、実施例の説明で使用される図面について簡単に紹介する。明らかに、以下に説明される図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な作業なしに、これらの図面に基づいて他の関連図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施例による半導体構造の斜視図である。
【
図2a】本発明の実施例によるアクティブピラーの斜視図である。
【
図2b】
図2aの線A-A’に沿って切り取った断面構造の概略図である。
【
図2c】
図2aの線B-B’に沿って切り取った断面構造の概略図である。
【
図3】本発明の実施例による半導体構造の斜視図の別の例を示す図である。
【
図4】本発明の実施例による半導体構造の斜視図の別の例を示す図である。
【
図5】本発明の実施例による半導体構造の斜視図の別の例を示す図である。
【
図6】本発明の実施例による半導体構造の斜視図の別の例を示す図である。
【
図7】本発明の実施例による半導体構造の斜視図の別の例を示す図である。
【
図8】本発明の実施例による半導体構造の斜視図の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、図面を参照して、本発明によって開示された例示的な実施形態についてより詳細に説明する。本発明の例示的な実施形態が図面に示されているが、本発明は、様々な形態で実装され得、本明細書に記載の特定の実施形態によって限定されるべきではないことを理解されたい。むしろ、これらの実施形態は、本発明がより完全に理解され、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。
【0026】
以下の説明では、本発明のより完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が示されている。ただし、本発明がこれらの1つ又は複数の詳細なしで実施され得ることが当業者には明らかである。別の例では、本発明との混同を回避するために、当技術分野で周知のいくつかの技術的特徴は記載されていなく、即ち、本明細書では、実際の実施形態のすべての特徴を記載せず、周知の機能及び構造を詳細に記載しない。
【0027】
図面において、層、領域、要素のサイズ、及びそれらの相対的なサイズは、明確にするために誇張される場合がある。同じ参照番号は、全体を通して同じ要素を指す。
【0028】
要素又は層が「・・・上にある」、「・・・に隣接する」、他の要素又は層に「接続」又は「結合」していると呼ばれる場合、それは直接他の要素又は層上にあり、他の要素又は層に直接隣接し、他の要素又は層に直接接続又は結合され得、又は介在する要素又は層が存在し得ることを理解されたい。逆に、他の要素又は層に「直接・・・上にある」、「・・・に直接隣接する」、「直接接続」又は「直接結合」と呼ばれる場合、介在する要素又は層は存在しない。第1、第2、第3などの用語は、様々な要素、コンポーネント、領域、層及び/又はセクションを説明するために使用され得るが、これらの要素、コンポーネント、領域、層及び/又はセクションは、これらの用語によって制限されないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素、コンポーネント、領域、層、又はセクションを、別の要素、コンポーネント、領域、層、又はセクションと区別するためにのみ使用される。したがって、以下で論じられる第1の要素、コンポーネント、領域、層又はセクションは、本発明の教示から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、層又はセクションと呼ばれることができる。しかしながら、第2の要素、コンポーネント、領域、層又はセクションの説明は、第1の要素、コンポーネント、領域、層又はセクションが本発明に必ずしも存在することを意味するものではない。
【0029】
本明細書において、「・・・の下」、「・・・の下部」、「下部の」「・・・の下方」、「・・・の上方」、「上部の」などの空間的関係用語は、説明の便宜のために、図示されている1つの要素又は特徴と、他の要素又は特徴との関係を説明するために使用され得る。空間的関係用語は、図示されている向きに加えて、使用中及び動作中のデバイスの異なる向きを包含することを意図していることを理解されたい。例えば、図面中のデバイスをひっくり返し、次に、「他の要素の下」又は「その下方」又は「その下」の要素又は特徴として記述されている要素又は特徴の向きは、他の要素又は特徴の「上」である。したがって、「・・・の下部」及び「・・・の下」という例示的な用語は、上及び下の両方の向きを包含することができる。デバイスは、別の向き(90度又は他の向きに回転)であり得、本明細書で使用される空間記述はそれに応じて解釈される。
【0030】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「一」、「1つ」、及び「前記/当該」は、文脈で明確に別の方式を示さない限り、複数形も含むことを意図している。また、「構成」及び/又は「含む」という用語は、本明細書で使用される場合、前記特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又はコンポーネントの存在を決定するが、1つ又は複数の他の機能、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はグループの存在又は追加は除外されない。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連するリストされたアイテムの任意及びすべての組み合わせを含む。
【0031】
3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM))、特に、多層の水平メモリセル(MHC:Multilayer Horizontal Cell)を含む3D DRAMなどの半導体構造は、通常、基板上に互いに積み重ねられた複数のトランジスタを含み、前記複数のトランジスタは、中間領域に位置するチャネル領域及び両端に位置するソース/ドレインドーピング領域を含み、前記チャネル領域のドーピングイオンタイプとソース/ドレインドーピング領域のドーピングイオンタイプは異なる。
【0032】
ただし、トランジスタは基板上に浮遊しているため、トランジスタのチャネル領域に電荷が蓄積されやすく、チャネル領域のドーピングイオンタイプとソース/ドレインドーピング領域のドーピングイオンタイプが異なるため、チャネル領域に蓄積された電荷は放出できず、それにより、フローティングボディ効果(Floating body effect)が発生し、さらに、ワーピング効果、寄生バイポーラトランジスタ効果、閾値電圧シフトなどが発生し、半導体構造の性能に影響を与える。
【0033】
これに基づいて、本発明の実施例における以下の技術的解決策を提案する。以下では、図面を参照して本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。本発明の実施例を詳細に説明する場合、説明の便宜上、概略図は一般的な縮尺に従って部分的に拡大されておらず、概略図は単なる例であり、本発明の保護範囲を限定するものではない。
【0034】
図1は、本発明の実施例による半導体構造の斜視図であり、
図2aは、本発明の実施例によるアクティブピラーの斜視図であり、
図2bは、
図2aの線A-A’に沿って切り取った断面構造の概略図であり、
図2cは、
図2aの線B-B’に沿って切り取った断面構造の概略図であり、
図3~
図8は、本発明の実施例による半導体構造の斜視図の別の例を示す図である。以下では、
図1~
図8を参照して、本発明の実施例によって提供される半導体構造について更なる説明を行う。
【0035】
図1に示されるように、前記半導体構造は、基板10及び前記基板10の上部に位置するアクティブピラー11を含み、前記アクティブピラー11は、第1方向に沿って延在し、前記第1方向は、基板10の平面に平行であり、
図2a~2bに示されるように、前記アクティブピラー11は、第1方向に沿って延在したボディ領域12及び前記ボディ領域12を取り囲む周辺領域13を含み、前記周辺領域13は、チャネル領域132を含み、前記チャネル領域132のドーピングイオンタイプ及び前記ボディ領域12のドーピングイオンタイプは、同じであり、前記チャネル領域132のドーピング濃度は、前記ボディ領域12のドーピング濃度より大きい。
【0036】
実際の動作において、本発明の実施例によって提供される半導体構造は、3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)であり得るが、ただし、これに限定されるものではなく、前記半導体デバイスはまた、フローティングトランジスタを備えた任意の半導体デバイスであり得る。前記基板は、半導体基板であり得、少なくとも1つの元素半導体材料(シリコン(Si)基板、ゲルマニウム(Ge)基板など)、少なくとも1つのIII-V化合物半導体材料、少なくとも1つのII-VI化合物半導体材料、少なくとも1つの有機半導体材料又は当技術分野で周知の他の半導体材料を含み得る。一特定の実施例では、前記基板は、シリコン基板であり、前記シリコン基板は、ドーピングされている場合とドーピングされていない場合がある。
【0037】
本発明の実施例によって提供されるアクティブピラーは、ボディ領域及び前記ボディ領域を取り囲む周辺領域を含み、前記ボディ領域のドーピング濃度は、前記チャネル領域のドーピング濃度より小さいので、ボディ領域における電荷の蓄積を減らし、フローティングボディ効果を軽減することができ、さらに、前記チャネル領域に過剰な電荷がある場合、前記電荷は、前記ボディ領域を経由して放出され、即ち、前記ボディ領域は、過剰な電荷を放出するための経路を提供し、それにより、フローティングボディ効果を軽減又は排除し、半導体構造の性能を改善する。
【0038】
ここで、チャネル領域132とボディ領域12のドーピング濃度との比が低すぎる場合、ボディ領域12における電荷蓄積は依然として多く、フローティングボディ効果に対する軽減効果は明らかではない。チャネル領域132とボディ領域12のドーピング濃度との比が高すぎる場合、ボディ領域12から過剰な電荷を放出する効果が不十分になる。したがって、いくつかの実施例では、前記チャネル領域132のドーピング濃度と前記ボディ領域12のドーピング濃度との比は、10:1以上であり、具体的には、例えば、13:1、15:1、19:1、22:1などである。さらに、いくつかの別の実施例では、前記チャネル領域132と前記ボディ領域12のドーピング濃度との比は、25:1以下である。
【0039】
図2cに示されるように、一実施例では、前記ボディ領域12は、第1方向に沿って延在した内層12a及び前記内層12aを取り囲む外層12bを含み、前記内層12aのドーピング濃度は、前記外層12bのドーピング濃度より大きい。このようにして、一方では、前記外層12bは、より低いドーピング濃度を有するので、前記チャネル領域132内に蓄積される電荷の量を軽減することができ、それにより、フローティングボディ効果を軽減することができ、もう一方、前記内層12aは、より大きいドーピング濃度を有するので、前記チャネル領域132内に蓄積された電荷の放出効果を効果的に改善することができる。一特定の実施例では、前記内層12aのドーピング濃度と前記外層12bのドーピング濃度との比は、5~10の範囲にあり、具体的には、例えば、6、8、9などである。いくつかの実施例では、前記内層12aにおける半径方向に延在した長さと前記ボディ領域12における半径方向に沿って延在した長さとの比は、0.5未満であり、このようにして、低ドーピング濃度を有する前記外層12bは、十分な厚みを有し、前記チャネル領域132内に蓄積された電荷を適時に放出できることを保証する。
【0040】
別の一実施例では、前記ボディ領域12のドーピング濃度は、前記アクティブピラー11の半径方向に沿って中心から周辺に向かって徐々に減少する。実際の動作において、徐々に減少する方式は、指数関数的に徐々に減少する方式が好ましい。このようにして、一方では、ボディ領域におけるより低い濃度の部分は、ボディ領域12内に蓄積される電荷の量を軽減し、それにより、フローティングボディ効果を軽減することができ、もう一方、ボディ領域12におけるより大きいドーピング濃度を有する領域は、前記チャネル領域132内に蓄積された電荷の放出効果を効果的に改善することができる。
【0041】
別のいくつかの実施形態では、前記ボディ領域12は、前記アクティブピラー11の半径方向に沿って順次に交互に積み重ねられる第1層及び第2層を含み、前記第1層と前記第2層のドーピング濃度は異なる(未図示)。ここでは、少なくとも2つの第1層及び2つの第2層を含み、第1層及び第2層のドーピング濃度は、いずれもチャネル領域132のドーピング濃度より小さいことを理解されたい。いくつかの特定の実施形態では、第1層のドーピング濃度と第2層のドーピング濃度との比は、2~5の範囲にあり、例えば、2.5、3、4.5などである。このようにして、高ドーピング濃度層と低ドーピング濃度層を交互に配置することにより、ボディ領域12に蓄積される電荷の量を軽減し、それにより、フローティングボディ効果をよりよく軽減することができる。
【0042】
一実施例では、
図1及び
図2a~2cに示されるように、前記周辺領域13はさらに、第1ドーピング領域131及び第2ドーピング領域133を含み、前記第1ドーピング領域131、前記チャネル領域132、及び前記第2ドーピング領域133は、第1方向に沿って順次配列され、前記ボディ領域12はさらに、前記周辺領域13によって取り囲まれていない延在領域121を含み、前記延在領域121は、前記第1ドーピング領域131に隣接する。
【0043】
いくつかの実施形態では、ボディ領域12と周辺領域13の材料は同じであり、前記ボディ領域12と周辺領域13の材料は、シリコン、酸化インジウム、酸化スズ、インジウム亜鉛酸化物、スズ亜鉛酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、インジウムアルミニウム亜鉛酸化物、インジウムスズ亜鉛酸化物、スズガリウム亜鉛酸化物化合物、アルミニウムガリウム亜鉛酸化物、スズアルミニウム亜鉛酸化物から選択される1つ又は複数であり得、例えば、シリコンであり得る。別のいくつかの実施形態では、ボディ領域12と周辺領域13の材料は異なる。例えば、ボディ領域12の材料は、シリコン又はゲルマニウムなどから選択される1つ又は複数であり得、周辺領域13の材料は、酸化インジウム、酸化スズ、インジウム亜鉛酸化物、スズ亜鉛酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、インジウムアルミニウム亜鉛酸化物、インジウムスズ亜鉛酸化物、スズガリウム亜鉛酸化物、アルミニウムガリウム亜鉛酸化物、スズアルミニウム亜鉛酸化物から選択される1つ又は複数であり得る。さらに、前記延在領域121の材料と、前記ボディ領域12における前記周辺領域13によって取り囲まれた部分の材料は、同じでも異なってもよい。いくつかの特定の実施形態では、延在領域121のドーピング濃度は、ボディ領域12のドーピング濃度とは異なり、例えば、延在領域121の平均ドーピング濃度は、ボディ領域12の平均ドーピング濃度より大きく、したがって、ボディ領域12に蓄積された電荷の放出効率が向上する。
【0044】
一実施例では、
図2a、
図2bに示されるように、延在領域121の半径方向に沿ったサイズは、アクティブピラー11の半径方向に沿ったサイズより小さく、換言すれば、第1方向に沿った延在領域121の投影は、第1方向に沿ったアクティブピラー11の投影内にあり、延在領域121は、第1ドーピング領域131と接触しない。
【0045】
実際の製造プロセスでは、上記のアクティブピラー11は、以下の方式で形成することができる。まず、前記アクティブピラー11内に第1タイプのドーピングイオンを全体的にドーピングするように、初期アクティブピラー11を気相ドーピング環境に露出させ、次に、アクティブピラー11を包む第1マスク層を形成し、第1マスク層をエッチングして、アクティブピラーの一端部を露出させ、この端部をエッチングして、ラジアルサイズがアクティブピラー11のラジアルサイズより小さい延在領域を形成するようにし、次に、第1マスク層を除去して、アクティブピラー11を包む第2マスク層を形成し、第2マスク層をエッチングして、チャネル領域が形成されるアクティブピラー11上の領域を露出させ、チャネル領域が形成される領域が気相ドーピング環境に露出されるようにし、ドーピングパラメータを制御することによって、より高いドーピング濃度を有するチャネル領域132をアクティブピラー11上に形成し、次に、第2マスク層を除去して、アクティブピラー11を包む第3マスク層を形成し、第3マスク層をエッチングして、第1ドーピング領域131及び第2ドーピング領域133が形成される領域を露出させて気相ドーピング環境に露出されるようにし、ドーピングパラメータを制御することによって、第2ドーピングタイプを有する第1ドーピング領域131及び第2ドーピング領域133を形成する。前記第1タイプのドーピングイオンは、P型ドーピングイオンであり得、前記第2タイプのドーピングイオンは、N型ドーピングイオンであり得、又は、前記第1タイプのドーピングイオンは、N型ドーピングイオンであり得、前記第2タイプのドーピングイオンは、P型ドーピングイオンであり得る。前述の内容で言及された異なるドーピング濃度領域を有するボディ領域は、複数回のドーピングプロセスによって形成され得るが、ここでは再び繰り返して詳細に説明しない。
【0046】
ただし、これに限定されるものではなく、別の一実施例では、延在領域121とアクティブピラー11は、同じラジアルサイズを有し、換言すれば、第1方向に沿った延在領域121は、第1方向に沿ったアクティブピラー11の投影と重なり合う。さらに、延在領域121における前記第1ドーピング領域131に近い一端はまた、第1ドーピング領域131と接触することができる。延在領域121とアクティブピラー11を、同じラジアルサイズを有するように設置し、延在領域121のラジアルサイズがより小さい技術案と比較して、アクティブピラー11を製造するとき、延在領域121をエッチングしないことが許可され、プロセスを簡略化し、コストを削減する。
【0047】
いくつかの実施形態では、アクティブピラー11の数は、1つであり得る。いくつかの別の実施例では、
図1に示されるように、アクティブピラー11の数は、複数であり、且つアレイ状に配置される。具体的には、
図1に示されるように、前記アクティブピラー11の数は複数であり、複数の前記アクティブピラー11は、複数のアクティブピラー行M及び複数のアクティブピラー列Nに配列され、前記アクティブピラー行Mは、第2方向に沿って延在し、前記第2方向は、前記第1方向と交差し、且つ前記基板10の平面に平行であり、前記アクティブピラー列Nは、第3方向に沿って延在し、前記第3方向は、前記基板10の平面に垂直な方向である。いくつかの実施例では、前記第1方向と前記第2方向は、垂直である。ただし、これに限定されるものではなく、前記第1方向はまた、前記第2方向と斜めに交差することもできる。
【0048】
図1に示されるように、いくつかの実施例では、前記半導体構造はさらに、第3方向に沿って延在し、前記延在領域121に電気的に接続された前記導電性構造17を含み、前記第3方向は、前記基板10の平面に垂直な方向である。ここで、導電性構造17は、例えば、線形構造であり得る。いくつかの実施形態では、互いに平行な複数の導電性構造17があり得、複数の導電性構造17は、第2方向に沿って配列され、各導電性構造17は、基板10の平面に垂直な第3方向に沿って前記基板10まで延在し、各前記導電性構造17は、1つのアクティブピラー列Nに対応し、各導電性構造17は、それに対応する1つの前記アクティブピラー列Nにおける複数のアクティブピラー11の延在領域121に電気的に接続される。
【0049】
図3に示されるように、別の一実施例では、前記導電性構造17は、前記第2方向に沿って延在し、前記延在領域121に電気的に接続され、前記第2方向は、前記第1方向と交差し、且つ前記基板10の平面に平行である。ここで、導電性構造17は、例えば、線形構造であり得る。いくつかの実施形態では、前記導電性構造17は、複数であり得、複数の導電性構造17は、第3方向に沿って配列され、各前記導電性構造17は、1つのアクティブピラー行Mに対応し、各導電性構造17は、それに対応する1つの前記アクティブピラー行Mにおける複数のアクティブピラー11の延在領域121に電気的に接続される。
【0050】
ただし、これに限定されるものではなく、
図4に示されるように、別のいくつかの実施例では、前記導電性構造17は板状であり、前記導電性構造17は、複数の前記アクティブピラー行Mの延在領域121に電気的に接続される。具体的には、前記導電性構造17は、前記第3方向に沿って前記基板10まで延在し、各前記アクティブピラー行Mにおける各前記アクティブピラー11の延在領域121に電気的に接続される。
【0051】
ここで、前記導電性構造17は、接地することができ、このようにして、前記チャネル領域132に過剰な電荷がある場合、電荷は、前記ボディ領域12に放出され得、接地されている前記導電性構造17を経由して放出され、それにより、フローティングボディ効果を更に軽減又は排除する。
【0052】
板状の導電性構造17は、すべてのアクティブピラー11に対して全体的な放電を実行でき、構造が簡単で放電効率が高い。板状の導電性構造17と比較して、線形の導電性構造17は、1行のアクティブピラー11又は1列のアクティブピラー11に対して浮遊体電荷の放電を実行し、これにより、各アクティブピラー11の実際の動作状況に応じて、浮遊体電荷放電を必要とするいくつかの行又は列に対して選択的に放電を実行でき、フローティングボディ効果を軽減すると同時に、デバイスの動作に対する放電の追加の影響を最小限に抑えることができる。
【0053】
実際の動作において、前記導電性構造17の材料は、ポリシリコンなどの導電性材料の少なくとも1つを含み、例えば、導電性構造17の材料は、ポリシリコン、タングステン(W)、銅(Cu)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、金属ケイ化物、金属合金のうちの1つ又は複数を含む。前記導電性構造17は、化学気相成長(CVD)、プラズマ強化CVD(PECVD)、物理気相成長(PVD)、原子層堆積(ALD)、メッキ、化学メッキ、スパッタリングなどのプロセスを使用して形成され得る。
【0054】
図5に示されるように、一実施例では、前記半導体構造はさらに、複数のワードライン14であって、各前記ワードライン14は、第3方向に沿って延在し、複数の前記ワードライン14は、第2方向に沿って配列され、各前記ワードライン14は、1つの前記アクティブピラー列Nに対応し、各前記ワードライン14は、それに対応する前記アクティブピラー列Nにおける複数の前記チャネル領域132を覆う、複数のワードライン14と、複数のビットライン16であって、各前記ビットライン16は、前記第2方向に沿って延在し、複数の前記ビットライン16は、第3方向に沿って配列され、各前記ビットライン16は、それに対応する前記アクティブピラー行Mにおける複数の第1ドーピング領域131に電気的に接続される。
【0055】
ただし、これに限定されるものではなく、前記ワードライン14はまた、第2方向に沿って延在でき、前記ビットライン16はまた、第3方向に沿って延在できる。具体的には、前記半導体構造はさらに、複数のワードライン14であって、各前記ワードライン14は、第2方向に沿って延在し、複数の前記ワードライン14は、第3方向に沿って配列され、各前記ワードライン14は、1つの前記アクティブピラー行Mに対応し、各前記ワードライン14は、それに対応する前記アクティブピラー行Mにおける複数のチャネル領域132を覆う、複数のワードライン14と、複数のビットライン16であって、各前記ビットライン16は、前記第3方向に延在し、複数の前記複数のビットライン16は、第2方向に沿って配列され、各前記ビットライン16は、それに対応する前記アクティブピラー列Nにおける複数の第1ドーピング領域131と電気的に接続される。
【0056】
図1又は
図5に示されるように、一実施例では、前記ワードライン14は、対応する前記チャネル領域132を取り囲み、前記ワードライン14は、第2方向又は第3方向に沿って延在し、又は、
図6に示されるように、別のいくつかの実施例では、前記ワードライン14は、対応する前記チャネル領域132の1つの側壁を覆い、前記ワードライン14は、前記第2方向又は前記第3方向に延在し、又は、
図7に示されるように、別のいくつかの実施例では、前記ワードライン14は、対向して配置された第1サブ層141と第2サブ層142を含み、前記第1サブ層141及び前記第2サブ層142は、対応する前記チャネル領域132の対向する2つの側壁をそれぞれ覆い、前記第1サブ層141及び前記第2サブ層142は、前記第2方向又は前記第3方向に沿って延在する。前記第1サブ層141及び前記第2サブ層142は、互いに電気的に接続されることが理解できる。
【0057】
図5又は
図6に示されるように、いくつかの実施例では、前記ビットライン16は、対応する第1ドーピング領域131を取り囲み、前記ビットライン16は、前記第2方向又は前記第3方向に沿って延在する。いくつかの別の実施例では、前記ビットライン16はまた、対応する第1ドーピング領域131の1つの側壁を覆うことができる。ただし、これに限定されるものではなく、
図8に示されるように、別のいくつかの実施例では、前記ビットライン16は、複数のサブ部分161を含み、複数の前記サブ部分161は、第3方向に沿って、1つの前記アクティブピラー列Nにおける前記第1ドーピング領域131と交互に積み重ねられ、又は、前記複数のサブ部分161はまた、第2方向に沿って前記アクティブピラー行Mにおける1つの前記第1ドーピング領域131と交互に配列され得る。
【0058】
前記ワードライン14の材料、前記ビットライン16の材料は、タングステン(W)、銅(Cu)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、金属ケイ化物、金属合金のうちの1つ又は複数を含み得る。前記ワードライン14及び前記ビットライン16は、化学気相成長(CVD)、プラズマ強化CVD(PECVD)、物理気相成長(PVD)、原子層堆積(ALD)、メッキ、化学メッキ、スパッタリングなどのプロセスを使用して形成され得る。
【0059】
一実施例では、前記半導体構造はさらに、ゲート誘電体層15を含み、前記ゲート誘電体層15は、前記ワードライン14と前記チャネル領域132との間に挟まれる。前記ゲート誘電体層15の材料は、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化プラセオジミウム又はチタン酸バリウムストロンチウムなどの高誘電率材料であり得る。前記ゲート誘電体層15は、化学気相成長(CVD)、プラズマ強化CVD(PECVD)、物理気相成長(PVD)、原子層堆積(ALD)などのプロセスを使用して形成され得る。ただし、これに限定されるものではなく、前記アクティブピラー11の材料は、シリコンであり得、前記ゲート誘電体層15の材料は、酸化シリコンであり得、前記ゲート誘電体層15は、熱酸化プロセスによって形成され得る。
【0060】
いくつかの実施例では、前記半導体材料はさらに、情報記憶のための複数のコンデンサ構造18を含み、前記コンデンサ構造18は、前記アクティブピラー11の第2ドーピング領域133に電気的に接続される。具体的には、前記コンデンサ構造18は、前記第1方向に沿って延在し、前記コンデンサ構造18は、それぞれ前記第2方向及び前記第3方向に沿ってアレイ状に配置される。
【0061】
一実施例では、前記コンデンサ構造は、前記第2ドーピング領域に電気的に接続される下部電極、前記下部電極を覆う誘電体層、及び前記誘電体層を覆い且つ複数の前記コンデンサ構造の間に位置する共通の上部電極を含む。いくつかの実施例では、前記下部電極は柱状で、前記第1方向に沿って延在する。ただし、これに限定されるものではなく、別の実施例では、前記下部電極は円筒構造であり、前記円筒構造の開口部は、前記第1方向に向いている。
【0062】
このように、本発明の実施例によって提供される前記アクティブピラー11は、ボディ領域12及び前記ボディ領域12を取り囲む周辺領域13を含み、前記ボディ領域12のドーピング濃度は、前記チャネル領域132のドーピング濃度より小さいので、ボディ領域12のドーピング濃度を、チャネル領域132より低いドーピング濃度に設定することにより、ボディ領域12における電荷の蓄積を低減することができ、フローティングボディ効果を軽減することができる。さらに、前記チャネル領域132に過剰な電荷がある場合、前記電荷は、前記ボディ領域を経由して放出され、即ち、前記ボディ領域は、過剰な電荷を放出するための経路を提供する。さらに、本発明の実施例によって提供される導電性構造17は、接地されており、前記チャネル領域132に過剰な電荷がある場合、電荷は、前記ボディ領域12に放出され得、接地されている前記導電性構造17を経由して放出され、それにより、フローティングボディ効果を軽減又は排除する。
【0063】
上記は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。本発明の精神や原則内で行われるいかなる修正、同等置換、改善なども、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の実施例によって提供されるアクティブピラーは、ボディ領域及び前記ボディ領域を取り囲む周辺領域を含み、前記ボディ領域のドーピング濃度は、前記チャネル領域のドーピング濃度より小さいので、ボディ領域における電荷の蓄積を減らし、フローティングボディ効果を軽減することができ、さらに、前記チャネル領域に過剰な電荷がある場合、前記電荷は、前記ボディ領域を経由して放出され、即ち、前記ボディ領域は、過剰な電荷を放出するための経路を提供し、それにより、フローティングボディ効果を軽減又は排除し、半導体構造の性能を改善する。