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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】セル選択方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/30 20090101AFI20250218BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20250218BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20250218BHJP
   H04W 72/231 20230101ALI20250218BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20250218BHJP
【FI】
H04W36/30
H04W24/10
H04W36/08
H04W72/231
H04W84/06
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2022581479
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 CN2021101659
(87)【国際公開番号】W WO2022001764
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】202010631577.8
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】チアオ,ユンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シアオリュ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ルゥオン
【審査官】松▲崎▼ 祐季
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0024677(US,A1)
【文献】Huawei, HiSilicon,Discussion on physical layer control procedures for NTN[online],3GPP TSG RAN WG1 #99 R1-1911859,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_99/Docs/R1-1911859.zip>,2019年11月09日
【文献】InterDigital Inc., Nomor Research, Thales, MediaTek,Mobility Challenges in Non-Terrestrial Networks (NTN)[online],3GPP TSG RAN WG2 #106 R2-1908244,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_106/Docs/R2-1908244.zip>,2019年05月18日
【文献】CATT,Measurement Issues for NTN System[online],3GPP TSG RAN WG2 #107bis R2-1912157,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_107bis/Docs/R2-1912157.zip>,2019年10月03日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に適用される通信方法であって、
ンドオーバーコマンドを受信するステップであって、前記ハンドオーバーコマンドは、前記端末がアクセスするべきターゲットセルの偏波方向を示す指示情報を含む、ステップと、
記ハンドオーバーコマンドに基づいて、セルハンドオーバーを実行するステップと、を含み、
前記ハンドオーバーコマンドは、前記端末によって報告されたセル測定の結果に応じてネットワークデバイスによって発せられ、前記セル測定は、前記ネットワークデバイスから受信した測定制御メッセージに含まれている偏波優先度情報に基づき前記端末によって実行される
方法。
【請求項2】
前記指示情報は、無線リソース制御(RRC)メッセージの中で搬送される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記偏波優先度情報は、優先度のより高い偏波方向を示す、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記偏波優先度情報は、左円偏波(LHCP)に対応する識別子又は右円偏波(RHCP)に対応する識別子を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記測定制御メッセージは、UE固有のメッセージである、請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記測定制御メッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージの中で搬送される、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ネットワークデバイスに適用される通信方法であって、
ハンドオーバーコマンドを生成するステップであって、前記ハンドオーバーコマンドは、端末がアクセスするべきターゲットセルの偏波方向を示す指示情報を含む、ステップと、
前記端末に前記ハンドオーバーコマンドを送信するステップと、を含み、
前記ハンドオーバーコマンドは、前記端末によって報告されたセル測定の結果に応じて生成され、前記セル測定は、前記ネットワークデバイスによって前記端末へ送信された測定制御メッセージに含まれている偏波優先度情報に基づき前記端末によって実行される
方法。
【請求項8】
前記指示情報は、無線リソース制御(RRC)メッセージの中で搬送される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記偏波優先度情報は、優先度のより高い偏波方向を示す、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記偏波優先度情報は、左円偏波(LHCP)に対応する識別子又は右円偏波(RHCP)に対応する識別子を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記測定制御メッセージは、UE固有のメッセージである、請求項7乃至10のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記測定制御メッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージの中で搬送される、請求項7乃至11のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
通信装置であって、
ハンドオーバーコマンドを受信するように構成されるトランシーバーユニットであって、前記ハンドオーバーコマンドは、前記通信装置がアクセスするべきターゲットセルの偏波方向を示す指示情報を含む、トランシーバーユニットと、
前記ハンドオーバーコマンドに基づいて、セルハンドオーバーを実行するように構成される処理ユニットと、を含み、
前記ハンドオーバーコマンドは、前記通信装置によって報告されたセル測定の結果に応じてネットワークデバイスによって発せられ、前記処理ユニットは、前記トランシーバーユニットを介して前記ネットワークデバイスから受信した測定制御メッセージに含まれている偏波優先度情報に基づき、前記セル測定を実行するよう更に構成される
通信装置。
【請求項14】
前記指示情報は、無線リソース制御(RRC)メッセージの中で搬送される、請求項13に記載の通信装置。
【請求項15】
前記偏波優先度情報は、優先度のより高い偏波方向を示す、請求項13又は14に記載の通信装置。
【請求項16】
前記偏波優先度情報は、左円偏波(LHCP)に対応する識別子又は右円偏波(RHCP)に対応する識別子を含む、請求項15に記載の通信装置。
【請求項17】
前記測定制御メッセージは、UE固有のメッセージである、請求項13乃至16のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項18】
前記測定制御メッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージの中で搬送される、請求項13乃至17のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項19】
通信装置であって、
ハンドオーバーコマンドを生成するように構成される処理ユニットであって、前記ハンドオーバーコマンドは、端末がアクセスするべきターゲットセルの偏波方向を示す指示情報を含む、処理ユニットと、
前記ハンドオーバーコマンドを送信するように構成されるトランシーバーユニットと、を含み、
前記ハンドオーバーコマンドは、前記端末によって報告されたセル測定の結果に応じて生成され、前記トランシーバーユニットは、前記端末による前記セル測定のために使用される偏波優先度情報を含む測定制御メッセージを送信するよう更に構成される
通信装置。
【請求項20】
前記指示情報は、無線リソース制御(RRC)メッセージの中で搬送される、請求項19に記載の通信装置。
【請求項21】
前記偏波優先度情報は、優先度のより高い偏波方向を示す、請求項19又は20に記載の通信装置。
【請求項22】
前記偏波優先度情報は、左円偏波(LHCP)に対応する識別子又は右円偏波(RHCP)に対応する識別子を含む、請求項21に記載の通信装置。
【請求項23】
前記測定制御メッセージは、UE固有のメッセージである、請求項19乃至22のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項24】
前記測定制御メッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージの中で搬送される、請求項19乃至23のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項25】
プロセッサを含む通信装置であって、前記プロセッサは、コンピュータプログラムを実行するように構成され、前記コンピュータプログラムが実行されるときに、当該通信装置が、
請求項1乃至6のうちのいずれか1項にしたがった方法を実行することを可能とするか、又は、
請求項7乃至12のうちのいずれか1項にしたがった方法を実行することを可能とする、
通信装置。
【請求項26】
前記コンピュータプログラムを格納するように構成されるメモリをさらに含む、請求項25に記載の通信装置。
【請求項27】
コンピュータプログラムを含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがコンピュータによって実行されるときに、
請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の方法が実行されるか、又は、
請求項7乃至12のうちのいずれか1項に記載の方法が実行される、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項28】
入力/出力インターフェイス及び論理回路を含む通信装置であって、
前記入力/出力インターフェイスは、測定制御メッセージ及びハンドオーバーコマンドを取得するように構成され、
前記論理回路は、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の方法を使用することによって、前記測定制御メッセージに基づきセル測定を実行し、前記ハンドオーバーコマンドに基づきセルハンドオーバーを実行するように構成される、通信装置。
【請求項29】
入力/出力インターフェイス及び論理回路を含む通信装置であって、
前記論理回路は、請求項7乃至12のうちいずれか1項に記載の方法を使用することによって、測定制御メッセージ及びハンドオーバーコマンドを生成するように構成され、
前記入力/出力インターフェイスは、前記測定制御メッセージ及び前記ハンドオーバーコマンドを出力するように構成される、
通信装置。
【請求項30】
請求項13乃至18のうちのいずれか1項に記載の通信装置又は請求項19乃至24のうちのいずれか1項に記載の通信装置を含む通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2020年7月3日付で中国国家知的所有権管理局に出願された"セル選択方法及び装置"と題する中国特許出願第202010631577.8号に基づく優先権を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
この出願は、通信技術の分野に関し、特に、セル選択方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
衛星通信ネットワーク等の非地上系ネットワーク(non-terrestrial network, NTN)は、全地球的なカバレッジ、長距離伝送、柔軟なネットワーク構成、便利な展開、及び、地理的条件の制約を受けない等の明らかな利点を有し、固定端末及びさまざまな携帯端末の双方にサービスを提供することが可能である。従来の地上系ネットワークは、特に、基地局を展開することが不可能である海上、砂漠、又は空中等の場所において、シームレスなカバレッジを提供することは不可能である。非地上系ネットワークは、第5世代移動体通信(fifth generation, 5G)システム等の通信ネットワークに導入される。その非地上系ネットワークは、高高度プラットフォーム又は衛星によって基地局又は基地局機能の一部を展開することによって、端末デバイスにシームレスなカバレッジを提供することが可能である。加えて、自然災害が高高度プラットフォーム又は衛星に与える影響はわずかである。このことは、5Gシステムの信頼性を改善する。
【0004】
衛星に基づいて展開される非地上系ネットワークの場合には、その衛星は、複数の異なるビームを使用して地表を覆うことによって、複数の衛星セルを形成する。端末デバイスは、同じ時点において複数の衛星セルによって取り扱われる場合がある。この場合には、その端末デバイスは、セル選択又はセル再選択によってセルにキャンプオンする必要がある。
【0005】
ところが、数多くの試験及び実用化の際に、(従来の衛星間のセル再選択メカニズムは、基本的には、5Gネットワークにおけるセル選択又はセル再選択メカニズムと同じであるが)従来の衛星セル選択又は再選択メカニズムに基づく場合には、端末デバイスがほとんどの場合において適切なセルにキャンプオンすることが困難であるということが判明している。
【発明の概要】
【0006】
この出願の複数の実施形態は、端末デバイスがキャンプオンするべきより適切なセルを決定することを保証し、負荷分散を実装し、そして、より良好な通信効果を保証するためのセル選択方法及び装置を提供する。
【0007】
第1の態様によれば、この出願は、セル選択方法を提供する。その方法は、通信装置が、1つ又は複数のセルの偏波優先度情報を取得するステップと、セル測定条件を満たすときに、前記偏波優先度情報に基づいて、前記1つ又は複数のセルに対してセル測定を実行するステップと、前記1つ又は複数のセルの測定結果に基づいて、キャンプオンするべきセルを決定するステップと、を含む。
【0008】
この出願の第1の態様によって提供されるセル選択方法において、通信装置は、1つ又は複数のセルの取得されている偏波優先度情報に基づいて、セル測定を実行して、キャンプオンするべきセルを決定する。言い換えると、セル選択又はセル再選択の決定を行うときに偏波優先度を考慮し、偏波方向の次元を追加する。このことは、既存のセル選択ポリシーを最適化するとともに、通信デバイスがキャンプオンするべきより適切なセルを決定するということを保証することが可能である。
【0009】
ある1つの可能な実装において、前記セル測定条件は、前記通信装置が初期アクセス状態又は接続状態にあるということ、セル優先度が前記通信装置のサービングセルのセル優先度よりもより高い隣接セルが存在するということ、又は、前記通信装置のサービングセルがセル測定有効化しきい値を満たしているということ、のうちの1つ又は複数を含む。
【0010】
初期アクセス状態は、通信装置がちょうど電源オンとなり、セルにキャンプオンしていない状態である。通信装置がアイドル状態又は非アクティブ状態にあるときに、セル測定条件は、隣接セルのセル優先度及び現在のサービングセルにおける信号品質に関連する。その通信装置が接続状態にあるときに、端末は、測定を継続的に実行する。
【0011】
ある1つの可能な実装において、前記偏波優先度情報に基づいて、前記セル測定を実行する前記ステップは、前記偏波優先度情報が、セルに対応する2つの偏波方向の優先度を示し、前記通信装置が、セル測定のために、前記偏波優先度情報に基づいて、優先度のより高い偏波方向を選択するということを含む。
【0012】
偏波優先度情報を取得した後に、通信装置は、優先度のより高い偏波方向においてセル測定を実行して、測定結果を取得する。セルの偏波優先度情報は、そのセルの複数の異なる偏波方向における負荷及び電力消費等によって決定されるということに留意するべきである。優先度のより高い選択した偏波方向に基づいて測定を実行し、キャンプオンするべきセルを選択することによって、複数の異なる偏波方向での負荷分散を実装することが可能である。
【0013】
ある1つの可能な実装において、前記1つ又は複数のセルの測定結果に基づいて、キャンプオンするべきセルを決定する前記ステップは、前記通信装置が、前記1つ又は複数のセルのセル測定パラメータセットを取得するステップと、前記1つ又は複数のセルの前記測定結果及び前記1つ又は複数のセルの前記セル測定パラメータセットに基づいて、キャンプオンするべき前記セルを決定するステップと、を含む。
【0014】
セル測定パラメータセットは、基準R計算パラメータ、高セル優先度しきい値、及び低セル優先度しきい値等のパラメータを含む。セル測定パラメータセットは、セル負荷、消費量、及びスループット等にしたがってセルによって決定される。セルの測定結果は、偏波優先度に関連し、そのセルの複数の異なる偏波方向における負荷及び消費量等に基づいて偏波優先度を決定する。キャンプオンするべきセルは、セルの測定結果及びセルの測定パラメータセットを参照して決定され、それによって、複数の異なる隣接セルから、キャンプオンするべきより適切なセル及び偏波方向を選択することが可能である。このことは、負荷分散を実装する。
【0015】
ある1つの可能な実装において、前記1つ又は複数のセルの前記測定結果及び前記1つ又は複数のセルの前記セル測定パラメータセットに基づいて、キャンプオンするべき前記セルを決定する前記ステップは、前記セルの測定結果及び前記セルに対応するセル測定パラメータセットに基づいて、前記1つ又は複数のセルの各々のR値を取得するステップと、前記1つ又は複数のセルの前記R値に基づいて、キャンプオンするべき前記セルを決定するステップと、を含む。
【0016】
セル優先度が同じセルの場合には、基準Rは、キャンプオンするべきセルを決定するのに使用される。R値が大きいほど、セルの信号品質が高いことを示す。上記の基準にしたがって、キャンプオンするべきセルとして、通信品質が現在のサービングセルの通信品質よりもより良好である隣接セルを選択してもよい。
【0017】
ある1つの可能な実装において、キャンプオンするべき前記セルのR値は、前記サービングセルのR値以上である。
【0018】
R値が大きいほど、セルの信号品質が高いことを示す。キャンプオンするべきセルのR値がサービングセルのR値以上となり、それによって、端末は、信号受信電力がより高く及び/又は信号品質がより良好であるセルにキャンプオンすることが可能であるということを保証する。このことは、通信品質を提供する。
【0019】
ある1つの可能な実装において、前記1つ又は複数のセルの前記R値に基づいて、キャンプオンするべき前記セルを選択する前記ステップは、キャンプオンするべき前記セルとしてR値が最大のセルを選択するステップを含む。
【0020】
セル測定の際に偏波方向の優先順位を考慮した後に、キャンプオンするべきセルとして、R値が最大のセルを選択する。このように、端末は、より適切なセルにキャンプオンすることが可能であるとともに、複数の異なる偏波方向での負荷分散を保証することが可能である。
【0021】
ある1つの可能な実装において、前記通信装置は、ブロードキャストメッセージから前記1つ又は複数のセルの前記偏波優先度情報を取得するか、又は、前記通信装置は、ユニキャストメッセージから前記1つ又は複数のセルの前記偏波優先度情報を取得する。具体的には、通信装置がアイドル状態又は非アクティブ状態にあるときに、その通信装置は、ブロードキャストメッセージから偏波優先度情報を取得し、又は、通信装置が接続状態にあるときに、その通信装置は、ユニキャストメッセージ、すなわち、ユーザ固有の(UE固有の)メッセージから偏波優先度情報を取得する。
【0022】
ある1つの可能な実装において、前記偏波優先度情報は、システム情報ブロックSIBの中で搬送される。
【0023】
既存のプロトコルにおいては、セル優先度情報及びセル測定パラメータセット等のパラメータのすべては、SIBの中で搬送され、ブロードキャストによって通信装置に配信される。したがって、既存のシグナリングを単純に修正して、SIBの中に偏波優先度情報を含めることのみによって、既存のプロトコルとの間で互換性を持たせることが容易となる。
【0024】
ある1つの可能な実装において、前記偏波優先度情報は、優先度のより高い偏波方向を示す。具体的には、前記偏波優先度情報は、左偏波に対応する識別子又は右偏波に対応する識別子を含む。
【0025】
例えば、RHCPに対応する優先度がより高い場合に、システムメッセージは、cellReselectionRHCPPriority又はRHCPに対応する他の識別子を搬送する。例えば、ネットワークデバイス及び通信装置が、前もって、RHCPを表すのに"1"を使用するということを合意している場合には、そのシステムメッセージの中の対応するフィールドの値は、1となる。上記の方法によれば、偏波優先度は、1ビットのみによって表されてもよい。このことは、ビットオーバーヘッドを減少させる。
【0026】
第2の態様によれば、この出願は、セル選択方法を提供する。その方法は、ネットワークデバイスが、通信装置に第1のメッセージを送信するステップを含む。前記第1のメッセージは、前記偏波優先度情報を含む。前記偏波優先度情報は、セル測定条件を満たすときにセル測定を実行して、セル測定結果を取得するための情報である。前記セル測定結果は、前記通信装置がキャンプオンするべきセルを選択するための測定結果である。
【0027】
この出願の第2の態様によって提供されるセル選択方法において、ネットワークデバイスは、通信装置に、偏波優先度情報を搬送するブロードキャストメッセージを送信する。このように、通信装置は、偏波優先度情報に基づいて、セル測定を実行して、キャンプオンするべきセルを決定する。言い換えると、セル選択ポリシー又はセル再選択ポリシーに偏波方向の次元を追加する。このことは、既存のセル選択ポリシーを最適化するとともに、通信デバイスがキャンプオンするべきより適切なセルを決定するということを保証することが可能である。
【0028】
ある1つの可能な実装において、前記偏波優先度情報が、セル測定を実行して、セル測定結果を取得するための情報であることは、特に、前記偏波優先度情報が、セルに対応する2つの偏波方向の優先度を示すということと、優先度のより高い偏波方向が、セル測定のための偏波方向であるということと、を含む。
【0029】
セルの偏波優先度情報は、そのセルの複数の異なる偏波方向における負荷及び電力消費等によって決定されるということに留意するべきである。優先度のより高い偏波方向の選択に基づいて、測定を実行し、キャンプオンするべきセルを選択することによって、複数の異なる偏波方向での負荷分散を実装することが可能である。
【0030】
ある1つの可能な実装において、前記第1のメッセージは、セル測定パラメータセットをさらに含み、前記セル測定パラメータセットは、前記セル測定結果とともに、前記端末デバイスがキャンプオンするべき前記セルを決定するためのパラメータセットとなる。
【0031】
セル測定パラメータセットは、基準R計算パラメータ、高セル優先度しきい値、及び低セル優先度しきい値等のパラメータを含む。セル測定パラメータセットは、セル負荷、消費量、及びスループットレート等にしたがってセルによって決定される。セルの測定結果は、偏波優先度に関連し、そのセルの複数の異なる偏波方向における負荷及び消費量等に基づいて偏波優先度を決定する。セルの測定結果及びセルの測定パラメータセットを参照して、キャンプオンするべきセルを選択することによって、複数の異なる隣接セルから、キャンプオンするべきより適切なセル及び偏波方向を選択することを可能とする。このことは、負荷分散を実装する。
【0032】
ある1つの可能な実装において、前記セル測定パラメータセットが、前記セル測定結果とともに、前記端末デバイスがキャンプオンするべき前記セルを決定するためのパラメータセットとなるということは、前記セル測定パラメータセット及び前記セル測定結果が、具体的には、R値を取得するためのパラメータセット及び測定結果であり、前記R値は、前記通信装置がキャンプオンするべき前記セルを選択するための値であるということを含む。
【0033】
セル優先度が同じセルの場合には、基準Rは、キャンプオンするべきセルを決定するのに使用される。R値が大きいほど、セルの信号品質が高いことを示す。R値を取得し、セル測定パラメータセットの中に含まれる基準R計算パラメータ及びセル測定結果に基づいて、キャンプオンするべきセルを検索し、そして、キャンプオンするべきセルとして、通信品質が現在のサービングセルの通信品質よりもより良好である隣接セルを選択してもよい。
【0034】
ある1つの可能な実装において、前記第1のメッセージは、ブロードキャストメッセージであるか、又は、前記第1のメッセージは、ユニキャストメッセージである。端末がアイドル状態又は非アクティブ状態にあるときに、ネットワークデバイスが送信する第1のメッセージは、ブロードキャストメッセージである。端末が接続状態にあるときに、ネットワークデバイスが送信する第1のメッセージは、ユニキャストメッセージ、すなわち、ユーザー固有の(UE固有の)メッセージである。
【0035】
ある1つの可能な実装において、前記偏波優先度情報は、システム情報ブロックSIBの中で搬送される。
【0036】
既存のプロトコルにおいては、セル優先度情報及びセル測定パラメータセット等のパラメータのすべては、SIBの中で搬送され、ブロードキャストによって通信装置に配信される。したがって、既存のシグナリングを単純に修正して、SIBに偏波優先度情報を追加することのみによって、既存のプロトコルとの間で互換性を持たせることが容易となる。
【0037】
ある1つの可能な実装において、前記偏波優先度情報は、優先度のより高い偏波方向を示す。具体的には、前記偏波優先度情報は、左偏波に対応する識別子又は右偏波に対応する識別子を含む。
【0038】
例えば、LHCPに対応する優先度がより高い場合に、システムメッセージは、cellReselectionLHCPPriority又はLHCPに対応する他の識別子を搬送する。例えば、ネットワークデバイス及び通信装置が、前もって、LHCPを表すのに"0"を使用するということを合意している場合には、そのシステムメッセージの中の対応するフィールドの値は、0となる。上記の方法によれば、偏波優先度は、1ビットのみによって表されてもよい。このことは、ビットオーバーヘッドを減少させる。
【0039】
第3の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、さらに、通信装置を提供する。その通信装置は、第1の態様にしたがった通信装置として使用されてもよい。その通信装置は、端末デバイス、端末デバイスの中の(例えば、チップ、チップシステム、又は回路等の)装置、或いは、端末デバイスと共に使用されてもよい装置であってもよい。ある1つの可能な実装において、通信装置は、第1の態様の中で説明されている方法/操作/ステップ/動作に1対1で対応するモジュール又はユニットを含んでもよい。モジュール又はユニットは、ハードウェア回路又はソフトウェアであってもよく、或いは、ソフトウェアと組み合わせられているハードウェア回路によって実装されてもよい。ある1つの可能な実装において、通信装置は、処理ユニット及びトランシーバーユニットを含んでもよい。処理ユニットは、トランシーバーユニットを呼び出して、送信機能/受信機能を実行するように構成されてもよい。複数の例は以下のようになる。
【0040】
前記トランシーバーユニットは、1つ又は複数のセルの偏波優先度情報を取得するように構成される。前記処理ユニットは、セル測定条件を満たすときに、前記偏波優先度情報に基づいて、前記1つ又は複数のセルに対してセル測定を実行し、そして、前記1つ又は複数のセルの測定結果に基づいて、キャンプオンするべきセルを決定する、ように構成される。
【0041】
ある1つの可能な実装において、前記セル測定条件は、前記通信装置が初期アクセス状態又は接続状態にあるということ、セル優先度が前記通信装置のサービングセルのセル優先度よりもより高い隣接セルが存在するということ、又は、前記通信装置のサービングセルがセル測定有効化しきい値を満たしているということ、のうちの1つ又は複数を含む。
【0042】
ある1つの可能な実装において、処理ユニットが、前記偏波優先度情報に基づいて、セル測定を実行するように構成されることは、前記偏波優先度情報が、セルに対応する2つの偏波方向の優先度を示すということと、前記処理ユニットが、特に、セル測定のために、前記偏波優先度情報に基づいて、優先度のより高い偏波方向を選択するように構成されることと、を含む。
【0043】
ある1つの可能な実装において、処理ユニットが、前記1つ又は複数のセルの測定結果に基づいて、キャンプオンするべきセルを決定するように構成されることは、前記処理ユニットが、さらに、前記1つ又は複数のセルのセル測定パラメータセットを取得し、そして、前記1つ又は複数のセルの前記測定結果及び前記1つ又は複数のセルの前記セル測定パラメータセットに基づいて、キャンプオンするべき前記セルを決定する、ように構成されることを含む。
【0044】
ある1つの可能な実装において、前記処理ユニットが、前記1つ又は複数のセルの前記測定結果及び前記1つ又は複数のセルの前記セル測定パラメータセットに基づいて、キャンプオンするべき前記セルを決定する、ように構成されることは、前記処理ユニットが、特に、前記セルの測定結果及び前記セルに対応するセル測定パラメータセットに基づいて、前記1つ又は複数のセルの各々のR値を取得し、そして、前記1つ又は複数のセルの前記R値に基づいて、キャンプオンするべき前記セルを決定する、ように構成されることを含む。
【0045】
ある1つの可能な実装において、キャンプオンするべき前記セルのR値は、前記サービングセルのR値以上である。
【0046】
ある1つの可能な実装において、前記処理ユニットが、前記1つ又は複数のセルの前記R値に基づいて、キャンプオンするべき前記セルを選択するように構成されることは、前記処理ユニットが、特に、キャンプオンするべき前記セルとしてR値が最大のセルを選択するように構成されることを含む。
【0047】
ある1つの可能な実装において、前記処理ユニットは、ブロードキャストメッセージから前記1つ又は複数のセルの前記偏波優先度情報を取得するか、又は、前記処理ユニットは、ユニキャストメッセージから前記1つ又は複数のセルの前記偏波優先度情報を取得する。
【0048】
ある1つの可能な実装において、前記偏波優先度情報は、システム情報ブロックSIBの中で搬送される。
【0049】
ある1つの可能な実装において、前記偏波優先度情報は、優先度のより高い偏波方向を示す。具体的には、前記偏波優先度情報は、左偏波に対応する識別子又は右偏波に対応する識別子を含む。
【0050】
この出願の複数の実施形態の第3の態様によって提供される通信装置の複数の実装の有利な効果については、第1の態様にしたがったセル選択方法の有利な効果を参照するべきであるということに留意するべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0051】
第4の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、さらに、通信装置を提供する。その通信装置は、第2の態様にしたがったネットワークデバイスとして使用されてもよい。その通信装置は、ネットワークデバイス、ネットワークデバイスの中の(例えば、チップ、チップシステム、又は回路等の)装置、或いは、ネットワークデバイスと共に使用されてもよい装置であってもよい。ある1つの可能な実装において、通信装置は、第2の態様の中で説明されている方法/操作/ステップ/動作に1対1で対応するモジュール又はユニットを含んでもよい。モジュール又はユニットは、ハードウェア回路又はソフトウェアであってもよく、或いは、ソフトウェアと組み合わせられているハードウェア回路によって実装されてもよい。ある1つの可能な実装において、通信装置は、処理ユニット及びトランシーバーユニットを含んでもよい。処理ユニットは、トランシーバーユニットを呼び出して、受信機能/送信機能を実行するように構成される。複数の例は以下のようになる。
【0052】
前記処理ユニットは、偏波優先度情報を決定するように構成される。前記トランシーバーユニットは、他の通信装置に第1のメッセージを送信するように構成される。前記第1のメッセージは、前記偏波優先度情報を含む。前記偏波優先度情報は、セル測定条件を満たすときにセル測定を実行して、セル測定結果を取得するための情報である。前記セル測定結果は、当該通信装置がキャンプオンするべきセルを選択するための測定結果である。
【0053】
ある1つの可能な実装において、前記偏波優先度情報が、セル測定を実行して、セル測定結果を取得するための情報であることは、特に、前記偏波優先度情報が、セルに対応する2つの偏波方向の優先度を示すということと、優先度のより高い偏波方向が、セル測定のための偏波方向であるということと、を含む。
【0054】
ある1つの可能な実装において、前記第1のメッセージは、セル測定パラメータセットをさらに含み、前記セル測定パラメータセットは、前記セル測定結果とともに、前記端末デバイスがキャンプオンするべき前記セルを決定するためのパラメータセットとなる。
【0055】
ある1つの可能な実装において、前記セル測定パラメータセットが、前記セル測定結果とともに、前記端末デバイスがキャンプオンするべき前記セルを決定するためのパラメータセットとなることは、前記セル測定パラメータセット及び前記セル測定結果が、具体的には、R値を取得するためのパラメータセット及び測定結果であり、前記R値が、前記端末デバイスがキャンプオンするべき前記セルを選択するための値であるということを含む。
【0056】
ある1つの可能な実装において、前記第1のメッセージは、ブロードキャストメッセージであるか、又は、前記第1のメッセージは、ユニキャストメッセージである。
【0057】
ある1つの可能な実装において、前記偏波優先度情報は、システム情報ブロックSIBの中で搬送される。
【0058】
ある1つの可能な実装において、前記偏波優先度情報は、優先度のより高い偏波方向を示す。具体的には、前記偏波優先度情報は、左偏波に対応する識別子又は右偏波に対応する識別子を含む。
【0059】
この出願の複数の実施形態の第4の態様によって提供される通信装置の複数の実装の有利な効果については、第2の態様にしたがったセル選択方法の有利な効果を参照するべきであるということに留意するべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0060】
第5の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、さらに、通信装置を提供し、その通信装置は、メモリの中に格納されているコンピュータプログラム又は実行可能な命令を実行するように構成されるプロセッサを含む。コンピュータプログラム又は実行可能な命令が実行されるときに、当該装置が、第1の態様及び第1の態様の可能な実装のうちのいずれか1つにおける方法を実行することを可能とする。
【0061】
ある1つの可能な実装において、前記プロセッサ及び前記メモリは、一体化される。
【0062】
他の可能な実装において、前記メモリは、当該通信装置の外側に位置している。
【0063】
通信装置は、通信インターフェイスをさらに含む。その通信インターフェイスは、例えば、データ及び/又は信号の送信又は受信等の通信装置と他のデバイスとの間の通信のためのインターフェイスである。例えば、通信インターフェイスは、トランシーバー、回路、バス、モジュール、又は他のタイプの通信インターフェイスであってもよい。
【0064】
第6の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、さらに、プロセッサを含む通信装置を提供し、そのプロセッサは、メモリの中に格納されているコンピュータプログラム又は実行可能な命令を実行するように構成される。コンピュータプログラム又は実行可能な命令が実行されるときに、当該装置が、第2の態様及び第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにおける方法を実行することを可能とする。
【0065】
ある1つの可能な実装において、前記プロセッサ及び前記メモリは、一体化される。
【0066】
他の可能な実装において、前記メモリは、当該通信装置の外側に位置している。
【0067】
通信装置は、通信インターフェイスをさらに含む。その通信インターフェイスは、例えば、データ及び/又は信号の送信又は受信等の通信装置と他のデバイスとの間の通信のためのインターフェイスである。例えば、通信インターフェイスは、トランシーバー、回路、バス、モジュール、又は他のタイプの通信インターフェイスであってもよい。
【0068】
第7の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、さらに、入力/出力インターフェイス及び論理回路を含む通信装置を提供する。前記入力/出力インターフェイスは、信号又はデータを入力し又は出力するように構成される。前記入力/出力インターフェイスは、具体的には、1つ又は複数のセルの偏波優先度情報を取得するように構成され、前記入力/出力インターフェイスは、さらに、前記1つ又は複数のセルの測定結果を出力するように構成される。前記論理回路は、第1の態様及び第1の態様のいずれかの可能な実装における方法を実行して、キャンプオンするべきセルを決定するように構成される。
【0069】
第8の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、さらに、入力/出力インターフェイス及び論理回路を含む通信装置を提供する。前記論理回路は、第2の態様及び第2の態様のいずれかの可能な実装における方法を実行して、第1のメッセージを決定するように構成される。前記第1のメッセージは、偏波優先度情報を搬送する。前記入力/出力インターフェイスは、前記第1のメッセージを出力するように構成される。前記第1のメッセージは、前記偏波優先度情報を含む。前記入力/出力インターフェイスは、さらに、セルの測定結果を取得するように構成される。
【0070】
第9の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、さらに、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体を提供する。当該コンピュータが読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムを格納する。コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、第1の態様及び第1の態様のいずれかの可能な実装のうちのいずれか1つ又は第2の態様及び第2の態様のいずれかの可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法の複数のステップの一部又はすべてを実行する。
【0071】
第10の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、さらに、実行可能な命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。そのコンピュータプログラム製品がユーザ機器によって実行されるときに、第1の態様及び第1の態様のいずれかの可能な実装のうちのいずれか1つ又は第2の態様及び第2の態様のいずれかの可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法の複数のステップの一部又はすべてを実行する。
【0072】
第11の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、さらに、チップシステムを提供する。そのチップシステムは、プロセッサを含み、メモリをさらに含んでもよく、第1の態様及び第1の態様のいずれかの可能な実装のうちのいずれか1つ又は第2の態様及び第2の態様のいずれかの可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法を実装するように構成される。そのチップシステムは、チップを含んでもよく、又は、チップ及び他の個別の構成要素を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
以下の記載は、この出願の複数の実施形態における複数の添付の図面のうちのいくつかを説明する。
【0074】
図1】この出願のある1つの実施形態にしたがった通信システムの概略的な図である。
図2】この出願のある1つの実施形態にしたがった適用シナリオである。
図3】この出願のある1つの実施形態にしたがったセル選択方法の概略的なフローチャートである。
図4A】システムメッセージSIB2が偏波優先度を含むこの出願のある1つの実施形態にしたがったシグナリングの概略的な図である。
図4B】システムメッセージSIB3が偏波優先度を含むこの出願のある1つの実施形態にしたがったシグナリングの概略的な図である。
図4C】システムメッセージSIB4が偏波優先度を含むこの出願のある1つの実施形態にしたがったシグナリングの概略的な図である。
図5】この出願のある1つの実施形態にしたがったセル選択方法における対話の概略的な図である。
図6】この出願のある1つの実施形態にしたがったセルハンドオーバー方法における対話の概略的な図である。
図7】この出願のある1つの実施形態にしたがった通信装置の構成の概略的な図である。
図8】この出願のある1つの実施形態にしたがった他の通信装置の構成の概略的な図である。
図9】この出願のある1つの実施形態にしたがった、さらに別の通信装置の構成の概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
この出願の複数の実施形態は、既存のセル選択ポリシー/セル再選択ポリシーを最適化し、キャンプオンするべきより適切なセルを決定するためのセル選択方法及び装置を提供する。その方法及び装置は、同じ適用概念に基づいている。その方法の問題解決の原理は、装置の原理と同様であるので、装置の実装と方法の実装との間で相互に参照されてもよい。繰り返しては説明されない。
【0076】
以下の記載は、この出願の複数の実施形態における複数の添付の図面を参照して、この出願の複数の実施形態を説明する。
【0077】
この明細書の中の"及び/又は"の語は、複数の関連する対象を説明するための関連性関係のみを説明し、3つの関係が存在する場合があるということを表す。例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在する場合、A及びBの双方が存在する場合、及びBのみが存在する場合、の3つの場合を表してもよい。この出願の複数の実施形態における明細書及び特許請求の範囲において、"第1の"及び"第2の"等の語は、複数の異なる対象を判別することを意図しているが、それらの複数の対象のある特定の順序を示すものではない。例えば、第1のネットワークデバイス及び第2のネットワークデバイス等は、複数の異なるネットワークデバイスを判別するのに使用されるが、複数のターゲット対象の特定の順序を説明するのには使用されない。この出願の複数の実施形態において、"例"又は"例えば"の語は、例、図示、又は説明を与えることを表すのに使用される。この出願の複数の実施形態の中で、ある1つの"例"又は"例えば"として説明されるいずれかの実施形態又は設計スキームは、他の実施形態又は設計スキームよりもより望ましい又はより多くの利点を有するとして説明されるべきではない。正確には、"例"又は"例えば"の語の使用は、ある特定の方式によって関連する概念を提示することを意図している。この出願の複数の実施形態の説明においては、特に明記しない限り、"複数の"は、2つ又は2つよりも多くのを意味する。例えば、複数の処理ユニットは、2つ又はより多くの処理ユニットである。複数のシステムは、2つ又はより多くのシステムである。
【0078】
この出願の技術的解決方法は、衛星通信システム又は高高度プラットフォーム(high altitude platform station, HAPS)通信システム等の非地上系ネットワーク(non-terrestrial network, NTN)システムに適用されてもよい。衛星通信システムは、従来のモバイル通信システムと統合されてもよい。例えば、モバイル通信システムは、例えば、ロングタームエボリューション(long term evolution, LTE)システム又はマイクロ波アクセスのための世界的な相互運用性(worldwide interoperability for microwave access, WiMAX)通信システム等の第4世代(4th generation, 4G)通信システム、或いは、例えば、新たな無線(new radio, NR)システム又は将来的なモバイル通信システム等の第5世代(5th generation, 5G)通信システム等であってもよい。
【0079】
図1は、この出願のある1つの実施形態に適用可能である通信システムのある1つの例を示している。図1に示されているように、アクセスポイントは、複数のビームを使用してサービスエリアを覆う。複数の異なるビームにより、時分割、周波数分割、空間分割のうちの1つ又は複数を使用することによって、通信を実行してもよい。アクセスポイントは、衛星基地局又は地上系基地局には限定されない。アクセスポイントは、高高度プラットフォーム又は衛星に配置されてもよい。衛星は、非静止系地球軌道(non-geostationary earth orbit, NGEO)衛星であってもよく又は静止系地球軌道(geostationary earth orbit, GEO)衛星であってもよい。この出願の複数の実施形態の中で言及されている衛星は、代替的に、衛星基地局であってもよく又は衛星に配置されるネットワーク側デバイスであってもよい。
【0080】
アクセスポイントは、LTEにおける進化型のNodeB(evolved NodeB, eNB, 又はeNodeB)、或いは、5Gネットワーク又は将来的な進化型の公衆陸上モバイルネットワーク(public land mobile network, PLMN)における基地局、ブロードバンドネットワークゲートウェイ(broadband network gateway, BNG)、集約型スイッチ、或いは、非第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd generation partnership project, 3GPP)アクセスデバイス等であってもよい。このことは、この出願の複数の実施形態においては特に限定されない。選択的に、この出願の複数の実施形態における基地局は、例えば、マクロ基地局、(また、スモールセル称される)マイクロ基地局、中継局、アクセスポイント、次世代基地局(gNodeB, gNB)、送信受信ポイント(transmitting and receiving point, TRP)、送信ポイント(transmitting point, TP)、モバイルスイッチングセンター、デバイス間(Device-to-Device, D2D)通信、車両対あらゆる対象物(vehicle-to-everything, V2X)通信、及びマシン間(machine-to-machine, M2M)通信において基地局機能を提供するデバイス等のさまざまな形態の基地局を含んでもよい。このことは、この出願の複数の実施形態においては特に限定されない。
【0081】
アクセスポイントは、コアネットワークデバイスとの間で通信し及び対話して、端末デバイスに通信サービスを提供してもよい。例えば、コアネットワークデバイスは、5Gコアネットワーク(core network, CN)の中のデバイスである。ベアラネットワークとして、コアネットワークは、データネットワークへのインターフェイスを提供し、ユーザ機器(UE)に通信接続、認証、管理、及びポリシー制御を提供し、及び、データサービスを担う。CNは、アクセス及びモビリティ管理機能(Access and Mobility Management Function, AMF)、セッション管理機能(Session Management Function, SMF)、認証サーバ機能(Authentication Server Function, AUSF)、ポリシー制御機能(Policy Control Function, PCF)、及びユーザプレーン機能(User Plane Function, UPF)等のネットワーク要素をさらに含んでもよい。
【0082】
この出願の複数の実施形態において言及されている通信装置は、無線通信機能を有するさまざまなハンドヘルドデバイス、車載型デバイス、ウェアラブルデバイス、又はコンピューティングデバイスを含む端末デバイスであってもよく、無線モデムに接続される他の処理デバイスであってもよく、具体的には、ユーザ機器(user equipment, UE)、アクセス端末、加入者ユニット(subscriber unit)、加入者局、モバイルコンソール、移動局(mobile station)、遠隔局、遠隔端末、モバイルデバイス、ユーザ端末(terminal equipment)、端末、無線通信デバイス、ユーザエージェント、又はユーザ装置であってもよい。代替的に、端末デバイスは、衛星電話、セルラー電話、スマートフォン、無線データカード、無線モデム、マシンタイプの通信デバイス、コードレス電話、セッション開始プロトコル(session initiation protocol, SIP)電話、無線ローカルループ(wireless local loop, WLL)局、或いは、パーソナルディジタルアシスタント(personal digital assistant, PDA)局、無線通信機能を有するハンドヘルドデバイス又はコンピューティングデバイス、無線モデムに接続される他の処理デバイス、車載型デバイス、ウェアラブルデバイス、仮想現実感(virtual reality, VR)端末デバイス、拡張現実感(augmented reality, AR)端末デバイス、産業制御(industrial control)における無線端末、自動運転(self driving)における無線端末、遠隔医療(remote medical)における無線端末、スマートグリッド(smart grid)における無線端末、輸送安全性(transportation safety)における無線端末、スマートシティ(smart city)における無線端末、スマートホーム(smart home)における無線端末、或いは、5Gネットワーク又は将来的な通信ネットワークにおける端末デバイス等であってもよい。このことは、この出願においては限定されない。
【0083】
図2は、この出願のある1つの実施形態に適用可能である適用シナリオを示している。具体的には、図2は、関連する3GPP規格に基づいて衛星通信及び5G技術を融合するネットワークアプリケーションアーキテクチャを示している。そのアプリケーションアーキテクチャは、この出願に対する限定を構成するものではないということに留意するべきである。この出願の複数の実施形態によって提供される通信方法は、さらに、地上系通信システム及び衛星通信を融合する他のシナリオに適用されてもよい。地上系モバイル端末は、5G新たな無線を通じてネットワークにアクセスする。衛星は、5G基地局として機能し、無線リンクによって地上系コアネットワークに接続される。加えて、複数の衛星の間に無線リンクが存在して、複数の基地局の間のシグナリング交換及びユーザデータ伝送を実装する。以下で、図2における複数のネットワーク要素の間のそれらのネットワーク要素及びインターフェイスを説明する。
【0084】
端末デバイスは、5G新たな無線をサポートするモバイルデバイスである。端末デバイスは、無線インターフェイスによって衛星ネットワークにアクセスして、呼を開始し、そして、インターネットにアクセスする等をすることが可能である。例えば、端末デバイスは、上記で説明されているいずれかの端末デバイスであってもよい。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0085】
5G基地局は、主として、無線アクセスサービスを提供し、アクセス端末のための無線リソースをスケジューリングし、信頼できる無線伝送プロトコル及びデータ暗号化プロトコル等を提供する。
【0086】
5Gコアネットワークは、ユーザアクセス制御、モビリティ管理、セッション管理、ユーザセキュリティ認証、及び課金等のサービスを提供する。5Gコアネットワークは、複数の機能ユニットを含み、制御プレーン機能エンティティ及びデータプレーン機能エンティティに分割されてもよい。アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)は、ユーザアクセス管理、セキュリティ認証、及びモビリティ管理の役割を担う。ユーザプレーン機能(UPF)は、ユーザプレーンデータ伝送及びトラフィック統計収集を管理する。
【0087】
地上局は、衛星基地局と5Gコアネットワークとの間でシグナリング及びサービスデータを転送する役割を担う。
【0088】
5G新たな無線は、端末と複数の基地局との間の無線リンクを提供する。
【0089】
Xnインターフェイスは、5G基地局と基地局との間のインターフェイスであり、主として、ハンドオーバー等のシグナリング交換のためのインターフェイスである。
【0090】
NGインターフェイスは、5G基地局と5Gコアネットワークとの間のインターフェイスであり、主として、コアネットワークの非アクセス階層(non-access stratum, NAS)シグナリング及びユーザのサービスデータ等のシグナリングの交換のためのインターフェイスである。
【0091】
この出願の複数の実施形態の理解を容易にするために、最初に、従来の地上系ネットワークのセル選択及びセル再選択のメカニズムを説明する。
【0092】
(1) セル選択(cell selection)
【0093】
端末デバイスが電源オンにされた後に、その端末デバイスは、最初に、適切なPLMNを選択し、そして、そのPLMNにおいてセル選択を実行する。セル選択は、初期セル選択及び格納されているセル情報に基づく選択に分類される。セル選択は、周波数スキャン、セルサーチ、システムメッセージの復号化、及びキャンプオンの4つのステップを含む。
【0094】
初期セル選択の際に、セルサーチの前に周波数スキャンを実行する。すなわち、端末は、その端末がサポートするNR周波数帯域に基づいて、無線周波数チャネルのすべてをスキャンし、そして、各々の周波数において最も強いセルを検索する。格納されているセル情報に基づく選択は、格納されている周波数情報に基づいて直接的にセルサーチを実行することである。端末デバイスは、セルサーチによって、カバレッジが最も良好であるセルを発見し、そして、そのセルと同期して、物理セル識別子を取得する。セルサーチを完了した後に、端末デバイスは、そのセルのシステムメッセージを読み取り、そのセルの中の信号強度及び信号品質を測定し、そして、そのセルがキャンプオン条件を満たしているか否かを決定する。
【0095】
セルキャンプオン条件は、基準Sに基づいて決定される。セル選択のS値Srxlev及びSqualの双方が0よりも大きいときに、セルキャンプオンを許可する。
【0096】
Srxlev=Qrxlevmeas-(Qrxlevmin+Qrxlevminoffset)-Pcompensation-Qoffsettemp
【0097】
Squal=Qqualmeas-(Qqualmin+Qqualminoffset)-Qoffsettemp
【0098】
Qrxlevmeasは、測定されているセルの参照信号受信電力(reference signal received power, RSRP)値である。
【0099】
Qrxlevminは、そのセルにおける最小のRSRP受信強度要件であり、ブロードキャストメッセージから取得される。
【0100】
Qrxlevminoffsetは、最小アクセスレベルのオフセット値であり、ピンポン再選択を防止するためのオフセット値である。
【0101】
Pcompensationは、補償値であり、MAX(Pemax-Pumax,0)に等しい、すなわち、構成されている値と端末の実際のアップリンク送信電力との間の差及び0のうちでより大きな値に等しい。
【0102】
Qqualmin=q-QualMin(SIB2)であり、q-QualMin(SIB2)は、システム情報ブロック(system information block, SIB)2の中で搬送される。SIB3がq-QualMinOffsetCellを使用して構成される場合には、Qqualmin=q-QualMin(SIB2)+q-QualMinOffsetCell(SIB3)である。
【0103】
Qoffsettempは、一時的なオフセット値であり、その値は、システムブロードキャストの際に通知される。
【0104】
(2) セルの再選択(cell reselection)
【0105】
端末デバイスは、アイドル(idle)状態又は非アクティブ(inactive)状態においてセル再選択を実行して、より良好なネットワークサービスを取得する。セル再選択は、(1) 測定有効化条件に基づいて、現在のサービングセル及び隣接セルを測定するステップ、(2) 隣接セルが再選択基準を満たしているか否かを決定するステップ、及び、(3) その基準を満たしている場合に、再選択を有効化し、新たなセルからシステムメッセージを受信し、そして、アクセス制限が存在しない場合には、新たなセルにキャンプオンするか、又は、基準を満たしていない場合には、現在のサービングセルにキャンプオンする、ステップ、のステップを含む。
【0106】
セル測定有効化条件は、現在のサービングセルにおけるセル優先度及び信号品質に関連する。表1に示されているように、セル再選択シナリオは、周波数内セル再選択及び周波数間/RAT間セル再選択に分類される。
【表1】
【0107】
周波数内セル再選択の場合には、サービングセルのS値が、指定されたしきい値S_intrasearch(周波数内測定しきい値)以下であるときに、周波数内測定を有効化する必要がある。それ以外の場合には、UEは、測定を無効化することを選択してもよい。実際のネットワークにおいては、UEは、通常、S>S_intrasearchであるときに測定を無効化して、エネルギー消費を減少させる。測定結果を取得した後に、端末は、基準Rに基づいて、候補セルをソートし、そして、キャンプオンするのに最適なセルを選択する。
【0108】
基準Rは、それらのセルの中の信号品質に基づいて、隣接セル及び現在のサービングセルの各々についてR(Rank)値を計算し、そして、その次に、そのR値に基づいて、隣接セル及び現在のサービングセルをソートする。隣接セルのR値が、現在のサービングセルのR値よりもより大きい場合には、セル再選択基準を満たしている。複数のセルのR値が、現在のサービングセルのR値よりもより大きい場合には、R値が最も高いセルを選択する。基準Rが、TreselectionRATよりもより長い期間の間、継続的に満足され、且つ、端末が、1秒よりも長い期間の間、現在のサービングセルにキャンプオンしている場合には、そのセル再選択を有効化する。TreselectionRATは、セル再選択間隔を示す。
【0109】
現在のサービングセルのR値は、式
Rs=Qmeas,s+Qhyst-Qoffsettemp
を使用することによって計算されてもよい。
【0110】
隣接セルのR値は、式
Rn=Qmeas,n-Qoffset-Qoffsettemp
を使用することによって計算されてもよい。
【0111】
Qmeas,sは、現在のサービングセルの信号品質であり、セルの測定によって取得され、具体的には、サービングセルのRSRP値であってもよい。Qmeas,nは、隣接セルの信号品質であり、セルの測定によって取得され、具体的には、隣接セルのRSRP値であってもよい。Qhystは、現在のサービングセルの再選択ヒステリシス値であり、システムから取得される。Qhystの値が大きくなるほど、サービングセルの境界は、大きくなり、再選択によって隣接セルを発見する確率が低くなる。Qoffsetは、基準R計算パラメータであり、システムメッセージの中で取得される。周波数内セル再選択の場合には、Qoffsetの値は、Qoffsetcellと等しくなる。周波数間セル再選択の場合には、Qoffsetの値は、QoffsetCell+QoffsetFreqと等しくなる。Qoffsettempは、また、基準R計算パラメータであり、システムメッセージから取得される。Qhyst、Qoffset、及びQoffsettemp等の基準R計算パラメータの値のすべては、0以上となる。
【0112】
優先度によって、周波数間セル再選択/RAT間セル再選択を判別する。優先度のより高いセルについては、端末は、継続的に測定を実行する必要があり、優先度のより高いそのセルのS値が、対応するしきい値よりも大きいときに、再選択によって優先度のより高いそのセルを発見する。優先度が同じセル又は優先度のより低いセルについては、サービングセルのS値が、指定されているしきい値S_nonintrasearch(周波数間測定しきい値/RAT間測定しきい値)よりも大きいときに、周波数内測定を有効化する必要がある。それ以外の場合には、UEは、測定を無効化することを選択してもよい。測定結果を取得した後に、端末は、複数の異なる優先度関係に対応するセル再選択基準に基づいて、キャンプオンするのに最適なセルを選択する。優先度のより高いセルについては、優先度のより高いセルのS値が、TreselectionRATの中で(ThreshX,HighQ又はThreshX,HighP等の)あらかじめ設定されているしきい値よりもより大きく、且つ、端末が、1秒よりも長い期間の間、現在のサービングセルにキャンプオンしている場合には、優先度のより高いセルのための再選択を有効化する。優先度のより低いセルについては、サービングセルのS値が、TreselectionRATの中で(ThreshServing,LowQ又はThreshServing,LowP等の)あらかじめ設定されているしきい値よりもより小さく、優先度のより低いそのセルのS値が、(ThreshX,LowQ又はThreshX,LowP等の)あらかじめ設定されているしきい値よりもより大きく、端末が、1秒よりも長い期間の間、その現在のサービングセルにキャンプオンしている場合には、そのセルのための再選択を有効化する。
【0113】
地上系通信システムとは異なり、衛星通信は、通常、左円偏波(Left Hand Circularly Polarized, LHCP)又は右円偏波(Right Hand Circularly Polarized, RHCP)、水平偏波又は垂直偏波、或いは、他の直交偏波等の偏波多重化を使用する。複数の異なる衛星セルは、信号伝送のために複数の異なる偏波モードを使用する。このことは、スペクトル効率を改善する。同じ衛星の複数の異なる偏波方向における負荷は、異なっていてもよい。
【0114】
衛星通信が、従来の地上系ネットワークの上記のセル選択メカニズム又はセル再選択メカニズムと同じメカニズムを使用する場合には、多くの場合に、端末がより適切なセルにキャンプオンすることは困難である場合がある。上記の問題を解決するために、この出願においては、NTNの中のセルのために偏波多重化を導入する。セル選択のための物理的次元を追加し、偏波方向を示すことによって、最適化されているセル選択ポリシーを実装する。あるセルにおけるセル優先度及び信号品質のほかに、この出願の複数の実施形態によって提供されるセル選択ポリシー及びセル再選択ポリシーにおいては、さらに、偏波方向の次元を考慮し、それによって、キャンプオンするべきより適切なセルを包括的に決定することが可能であり、複数の異なる偏波方向での負荷分散を保証することが可能である。
【0115】
図3は、この出願のある1つの実施形態にしたがったセル選択ポリシー及びセル再選択ポリシーの概略的なフローチャートである。この実施形態において、ネットワークデバイスは、偏波優先度情報をブロードキャストし、それによって、ユーザは、セル選択の決定又はセル再選択の決定を行うときに、偏波方向を参照して、キャンプオンするべきより適切なセルを包括的に決定することが可能である。
【0116】
最初に、この出願において説明されている通信装置は、さまざまなタイプの上記の端末であってもよく、以下の記載は、説明のために、ある1つの例として端末を使用するということに留意するべきである。
【0117】
S301: 偏波優先度情報を取得する。
【0118】
端末は、偏波優先度情報を取得する。偏波優先度情報は、セルに対応する2つ又はより多くの偏波方向の優先度を示す。
【0119】
ネットワークデバイスは、端末に第1のメッセージを送信する。第1のメッセージは、偏波優先度情報を搬送する。それに対応して、端末は、ネットワークデバイスが送信する第1のメッセージを受信する。
【0120】
場合により、第1のメッセージは、ブロードキャストメッセージであり、又は、第1のメッセージは、ユニキャストメッセージである。具体的には、端末がアイドル(idle)状態にあるとき又は非アクティブ(inactive)状態にあるときに、第1のメッセージは、ブロードキャストメッセージであってもよく、或いは、端末が接続(connected)状態にあるときに、第1のメッセージは、ユニキャストメッセージであってもよい。
【0121】
ある1つの可能な実装において、ネットワークデバイスは、第1のメッセージを使用することによって、1つ又は複数のセルの偏波優先度情報を配信する。端末は、ネットワークデバイスが送信する第1のメッセージを受信し、その第1のメッセージから偏波優先度情報を取得する。
【0122】
ネットワークデバイスが配信する1つ又は複数のセルの偏波優先度情報は、現在のセルの偏波優先度情報を含んでもよく、また、隣接セルの偏波優先度情報を含んでもよい。場合により、偏波優先度情報は、セル識別子にバインドされる。
【0123】
場合により、システム情報ブロックSIBの中で偏波優先度情報を搬送してもよい。既存のプロトコルとの互換性を考慮して、既存のシグナリングを単純に修正してもよい。ある1つの例として、NRにおけるシステムメッセージSIB2、SIB3、及びSIB4を使用する。SIB2は、サービングセルに関連するセル再選択情報を含む。SIB3は、セル再選択に関連するサービング周波数及び周波数内隣接セルについての情報を含む。SIB4は、セル再選択に関連する他のNR周波数及び周波数間隣接セルについての情報を含む。
【0124】
図4Aに示されているように、SIB2の中のセル再選択サービング周波数情報cellReselectionServingFreqInfoの細項目は、さらに、2つの偏波方向の優先度を搬送してもよい。左円偏波及び右円偏波に対応する優先度は、それぞれ、(図の中の破線のボックスによって印を付されている)cellReselectionLHCPPriorityフィールド及びcellReselectionRHCPPriorityフィールドによって示される。
【0125】
図4Bに示されているように、SIB3の中の周波数内セル再選択情報IntraFreqCellReselectionInfoの細項目は、2つの偏波方向の優先度を搬送してもよい。左円偏波及び右円偏波に対応する優先度は、それぞれ、(図の中の破線のボックスによって印を付されている)cellReselectionLHCPPriorityフィールド及びcellReselectionRHCPPriorityフィールドによって示される。
【0126】
図4Cに示されているように、SIB4の中の周波数間キャリア周波数情報InterFreqCarrierFreqInfoの細項目は、2つの偏波方向の優先度を搬送してもよい。左円偏波及び右円偏波に対応する優先度は、それぞれ、(図の中の破線のボックスによって印を付されている)cellReselectionLHCPPriorityフィールド及びcellReselectionRHCPPriorityフィールドによって示される。
【0127】
ある1つの可能な実装において、システムメッセージは、LHCPに対応する偏波優先度情報及びRHCPに対応する偏波優先度情報の双方を搬送し、値のより大きい偏波方向は、優先度のより高い偏波方向となる。例えば、cellReselectionLHCPPriority=0であり、且つ、cellReselectionRHCPPriority=1である場合に、上記の2つのフィールドは、RHCPが優先度のより高い偏波方向であるということを示す。
【0128】
他の可能な実装において、偏波優先度情報は、優先度のより高い偏波方向を示す。具体的には、偏波優先度情報は、左偏波に対応する識別子又は右偏波に対応する識別子を含む。例えば、RHCPに対応する優先度がより高い場合には、システムメッセージは、cellReselectionRHCPPriority又はRHCPに対応する他の識別子を搬送し、他の偏波方向に対応する識別子は搬送しない。他の例では、ネットワークデバイス及び端末は、前もって、RHCPを表すのに"1"を使用し、且つ、LHCPを表すのに"0"を使用するということを合意してもよい。RHCPに対応する優先度がより高い場合には、偏波優先度に対応するビットの値は"1"となる。LHCPに対応する優先度がより高い場合には、偏波優先度に対応するビットの値は、0となる。又は、LHCPを表すのに"1"を使用し、LHCPを表すのに"0"を使用してもよい。このことは、この出願においては限定されない。この可能な実装において、偏波優先度は、1ビットのみを使用して表されてもよい。このことは、ビットオーバーヘッドを減少させることを可能とする。
【0129】
セルの偏波優先度情報は、そのセルの複数の異なる偏波方向における負荷及び電力消費によって決定されるということに留意するべきである。複数の異なるベンダーは、複数の異なるアルゴリズムを使用して、セル優先度を決定する場合がある。例えば、セルのLHCP方向における負荷がより大きく、そのセルのRHCP方向における負荷がより小さい場合には、優先度のより高い偏波方向として、負荷のより小さいRHCPを使用して、負荷分散を達成する。
【0130】
S302: セル測定条件を満たすときに、偏波優先度情報に基づいて、セル測定を実行する。
【0131】
具体的には、セル測定条件を満たすときに、端末は、第1のメッセージから得られる偏波優先度情報に基づいて、より偏波優先度のより高い偏波方向を選択して、測定ポートを介してセル測定を実行する。
【0132】
ある1つの可能な実装において、端末は、第1のメッセージから得られる1つ又は複数のセルの偏波優先度情報に基づいて、それらの1つ又は複数のセルの各々の偏波優先度のより高い偏波方向を選択して、セル測定を実行し、それにより、それらの1つ又は複数のセルのセル測定結果を取得する。
【0133】
セル測定条件は、端末が初期アクセス状態又は接続状態にあること、セル優先度が、端末の現在のサービングセルのセル優先度よりもより高い隣接セルが存在すること、又は、端末のサービングセルがセル測定有効化しきい値を満たすこと、のうちの1つ又は複数を含む。初期アクセス状態は、端末が、ちょうど電源オンにされ、まだセルにキャンプオンしていない状態であるということに留意するべきである。この場合には、端末は、周波数スキャンによって又は格納されているセル情報に基づいて、セルサーチを実行して、カバレッジが最も良好であるセルを発見し、そのセルと同期して、物理セル識別子を取得する。セルサーチを完了した後に、端末デバイスは、そのセルのシステムメッセージを復号化して、そのセルの偏波優先度情報及びセル選択に関連する他のパラメータを取得し、その偏波優先度情報に基づいて、セル測定を実行する。
【0134】
端末が接続状態にあるときには、その端末は、セル測定を継続的に実行し、そして、ネットワークデバイスに測定結果を周期的に報告するか、又は、イベントトリガ条件の下で、ネットワークデバイスに測定結果を報告する。
【0135】
端末がアイドル状態又は非アクティブ状態にあるときに、セル優先度が現在のサービングセルのセル優先度よりもより高い隣接セルが存在する場合には、測定を無条件に有効化する。現在のサービングセルが配信するシステムメッセージSIBから、セル優先度情報を取得してもよい。例えば、セル優先度情報は、SIBメッセージの中で搬送されるcellReselectionPriorityによって示されてもよく、cellReselectionPriorityの値は、0乃至7までの範囲にある整数である。パラメータの値がより大きくなるほど、セル優先度がより高くなることを示す。セルの負荷及び電力消費等によって、セル優先度を決定さしてもよい。複数の異なるベンダーは、複数の異なるアルゴリズムを使用して、セル優先度を決定してもよい。このことは、この出願においては限定されない。
【0136】
端末がアイドル状態にあり、且つ、隣接セルのセル優先度が現在のサービングセルのセル優先度以下であるときに、現在のサービングセルが、セル測定有効化しきい値を満たす場合には、セル測定を実行する。例えば、周波数内セルの場合には、現在のサービングセルのS値が、周波数内測定しきい値(S_IntraSearch)以下であるときに、端末は、偏波優先度情報に基づいて、セル測定を実行する。周波数間セル又はRAT間セルの場合には、現在のサービングセルのS値が、周波数間測定しきい値(S_nonIntraSearch)以下であるときに、端末は、偏波優先度情報に基づいてセル測定を実行する。具体的には、隣接セルが、優先度が同じ周波数内セルであり、且つ、現在のサービングセルにおいてSrxlev≦SIntraSearchP及びSqual≦SIntraSearchQであるときに、端末は、偏波優先度情報に基づいて、セル測定を実行する。隣接セルが、優先度が同じ周波数間隣接セル/RAT間隣接セルであるか又は優先度のより低い周波数間隣接セル/RAT間隣接セルであり、且つ、現在のサービングセルにおいてSrxlev≦SnonIntraSearchP及びSqual≦SnonIntraSearchQであるときに、端末は、偏波優先度情報に基づいて、測定を実行する。
【0137】
ある1つの可能な実装において、周波数内セルの場合には、現在のサービングセルのS値が、周波数内測定しきい値(S_IntraSearch)よりも小さいときに、端末は、偏波優先度情報に基づいて、セル測定を実行する。現在のサービングセルのS値が、S_IntraSearchと等しいときに、端末は、セル測定を実行しない。周波数間セル又はRAT間セルの場合には、現在のサービングセルのS値が、周波数間測定しきい値(S_nonIntraSearch)よりも小さいときに、端末は、偏波優先度情報に基づいて、セル測定を実行する。現在のサービングセルのS値が、S_nonIntraSearchと等しいときに、端末は、セル測定を実行しない。
【0138】
この出願のこの実施形態における(例えば、S値が測定しきい値と等しい場合等の)エッジケースのすべては、上記の方式によって処理されてもよいということに留意するべきである。例えば、S値がエッジケースにあるときに、セル測定を実行してもよく又は実行しなくてもよい。S値の計算方式については、上記の説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0139】
S303: 測定結果に基づいて、キャンプオンするべきセルを決定する。
【0140】
ネットワークデバイスが送信する第1のメッセージは、さらに、セル測定パラメータセットを搬送する。セル測定パラメータセットは、基準R計算パラメータ、優先度のより高いセルのあらかじめ設定されているS値しきい値、及び優先度のより低いセルのあらかじめ設定されているS値しきい値等のパラメータを含んでもよい。基準R計算パラメータは、現在のサービングセルの再選択ヒステリシス値QHyst、オフセット値Qoffset、及び一時オフセット値Qoffsettemp等を含む。優先度のより高いセルのあらかじめ設定されているS値しきい値は、ThreshX,HighQ及び/又はThreshX,HighPを含む。優先度のより低いセルのあらかじめ設定されているS値しきい値は、ThreshX,LowQ及び/又はThreshX,LowPを含む。
【0141】
端末は、測定結果及びセル測定パラメータセットに基づいて、キャンプオンするべきセルを決定する。
【0142】
ある1つの可能な実装において、端末は、1つ又は複数のセルのセル測定パラメータセットを取得し、1つ又は複数のセルのセル測定結果及びセル測定パラメータセットに基づいて、キャンプオンするべきセルを決定する。
【0143】
隣接セルが、優先度が同じ周波数内セル又は周波数間セルであるときに、端末は、セルの測定結果及びセルに対応するセル測定パラメータセットに基づいて、1つ又は複数のセルの各々のR値を取得し、1つ又は複数のセルのR値に基づいて、キャンプオンするべきセルを決定する。
【0144】
例えば、セル測定によって得られる現在のサービングセルの信号品質Qmeas,s、セル測定パラメータセットの中に含まれる現在のサービングセルの再選択ヒステリシス値Qhyst及び基準R計算パラメータQoffsettempに基づいて、現在のサービングセルのR値を取得してもよい。セル測定によって得られる隣接セルの信号品質Qmeas,n、及び、セル測定パラメータセットの中に含まれる基準R計算パラメータQoffset及びQoffsettempに基づいて、隣接セルのR値を取得してもよい。詳細については、上記の説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0145】
端末が、1つ又は複数のセルのR値に基づいて、キャンプオンするべきセルを決定することであって、キャンプオンするべきセルのR値が、現在のサービングセルのR値以上である、ことは、具体的には、端末が、キャンプオンするべきセルとして、R値が現在のサービングセルのR値以上である第1の隣接セルを選択すること、端末が、キャンプオンするべきセルとして、R値が最大のセルを選択すること、又は、端末が、キャンプオンするべきセルとして、R値が現在のサービングセルのR値よりも大きい隣接セルから、RSRPが最大のセルを選択すること、を含む。
【0146】
ある1つの可能な実装において、隣接セルのR値が、現在のサービングセルのR値と等しいときに、キャンプオンするべきセルとして、その隣接セルを決定する。この可能な実装において、端末は、前もって隣接セルにキャンプオンして、衛星の運動が引き起こす以降のセルハンドオーバーを減少させてもよい。
【0147】
他の可能な実装において、隣接セルのR値が、現在のサービングセルのR値と等しいときに、端末は、継続して現在のサービングセルにキャンプオンする。この可能な実装において、端末は、キャンプオンするべき現在のセルを変更しない。このことは、キャンプオンするべきセルの間のハンドオーバの回数を減少させ、頻繁なセル再選択を回避する。
【0148】
隣接セルが優先度のより高いセルであるときに、端末は、1つ又は複数のセルの測定結果及びセルに対応するセル測定パラメータセットに基づいて、各々のセルのS値を取得し、そして、セル測定パラメータセットの中に含まれる優先度のより高いセルのあらかじめ設定されているしきい値と、そのS値とを比較して、キャンプオンするべきセルを決定する。キャンプオンするべきセルのS値は、あらかじめ設定されているしきい値よりもより大きい必要がある。具体的には、S値があらかじめ設定されているしきい値よりもより大きい複数のセルが複数存在するときに、キャンプオンするべきセルとして、S値が最大のセルを選択する。キャンプオンするべきセルのS値は、優先度のより高いセルのあらかじめ設定されているしきい値と等しくてもよい。
【0149】
例えば、S値は、Srxlev及び/又はSqualであってもよい。Srxlev及びSqualの具体的な計算方式については、上記の説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。セル測定パラメータの中の優先度のより高いセルのあらかじめ設定されているしきい値とS値とを比較するステップは、具体的には、セル測定パラメータセットの中に含まれるしきい値ThreshX,HighQとSrxlevとを比較するステップ及び/又はセル測定パラメータセットの中に含まれるしきい値ThreshX,HighPとSqualとを比較するステップを含む。
【0150】
隣接セルが、優先度のより低いセルであるときに、端末は、1つ又は複数のセルの測定結果及びセルに対応するセル測定パラメータセットに基づいて、各々のセルのS値を取得し、そして、セル測定パラメータセットの中に含まれる優先度のより低いセルのあらかじめ設定されているしきい値とそのS値とを比較して、キャンプオンするべきセルを決定する。具体的には、サービングセルのS値が、あらかじめ設定されているしきい値よりも小さく、且つ、隣接セルのS値が、優先度のより低いセルのあらかじめ設定されているしきい値よりもより大きいときに、キャンプオンするべきセルとして、その隣接セルを使用する。S値があらかじめ設定されているしきい値よりもより大きい複数のセルが存在するときに、キャンプオンするべきセルとして、S値が最大のセルを選択する。キャンプオンするべきセルのS値は、優先度のより低いセルのあらかじめ設定されているしきい値と等しくてもよい。
【0151】
例えば、S値は、Srxlev及び/又はSqualであってもよい。Srxlev及びSqualの具体的な計算方式については、上記の説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。セル測定パラメータの中の優先度のより低いセルのあらかじめ設定されているしきい値とS値とを比較するステップは、具体的には、セル測定パラメータセットの中に含まれるしきい値ThreshX,LowQとSrxlevとを比較するステップ及び/又はセル測定パラメータセットの中に含まれるしきい値ThreshX,LowPとSqualとを比較するステップを含む。
【0152】
図3に示されているセル選択ポリシーにおいては、端末は、ネットワークデバイスが配信する偏波優先度情報を取得し、そして、セル測定のために、その偏波優先度情報に基づいて、優先度のより高い偏波方向を選択して、キャンプオンするべきセルを決定する。ネットワークデバイスは、偏波方向の優先度を示して、端末が、複数の異なる偏波方向を考慮して、キャンプオンするべきより適切なセルを選択するということを保証する。このように、複数の異なる偏波方向での負荷分散を実装する。
【0153】
図5は、この出願のある1つの実施形態にしたがったセル選択ポリシー及びセル再選択ポリシーの対話の概略的な図である。この実施形態において、ネットワークデバイスは、同じセルの複数の異なる偏波方向のための複数の異なるセル測定パラメータセットを配信する。端末は、それらの偏波方向の各々に対応するセル測定パラメータセットに基づいて、対応するしきい値を計算し、セル測定結果を参照して、キャンプオンするべきより適切なセル及びキャンプオンするべきそのセルの偏波方向を包括的に決定する。
【0154】
S501: ネットワークデバイスは、システムメッセージをブロードキャストし、それに対応して、端末は、ネットワークデバイスがブロードキャストするシステムメッセージを受信する。そのシステムメッセージは、複数の異なる偏波方向に対応する複数のセル測定パラメータセットを含む。
【0155】
複数の異なる偏波方向に対応するセル測定パラメータセットは、それらの偏波方向に対応する基準R計算パラメータ、優先度のより高いセルのあらかじめ設定されているS値しきい値、及び優先度のより低いセルのあらかじめ設定されているS値しきい値等のパラメータを含む。複数の異なる偏波方向に対応するセル測定パラメータセットは、他のパラメータをさらに含んでもよい。このことは、この出願においては限定されない。
【0156】
基準Rは、キャンプオンするべきセルを決定するのに使用される。具体的な内容については、上記の説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0157】
例えば、S値は、Srxlev及び/又はSqualであってもよい。Srxlev及びSqualの具体的な計算方式については、上記の説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は説明されない。
【0158】
基準R計算パラメータは、現在のサービングセルの再選択ヒステリシス値QHyst、オフセット値Qoffset、及び一時オフセット値Qoffsettemp等を含む。例えば、LHCPに対応する基準R計算パラメータは、QHyst_LHCP、Qoffset_LHCP、及びQoffsettemp_LHCP等を含んでもよい。RHCPに対応する基準R計算パラメータは、QHyst_RHCP、Qoffset_RHCP、及びQoffsettemp_RHCP等を含んでもよい。
【0159】
優先度のより高いセルのあらかじめ設定されているS値しきい値は、ThreshX,HighQ及び/又はThreshX,HighPを含む。例えば、LHCPに対応する優先度のより高いセルのあらかじめ設定されているS値しきい値は、ThreshX_LHCP,HighQ及び/又はThreshX_LHCP,HighPを含んでもよい。RHCPに対応する優先度のより高いセルのあらかじめ設定されているS値しきい値は、ThreshX_RHCP,HighQ及び/又はThreshX_RHCP,HighPを含んでもよい。
【0160】
優先度のより低いセルのあらかじめ設定されているS値しきい値は、ThreshX,LowQ及び/又はThreshX,LowPを含む。例えば、LHCPに対応する優先度のより低いセルのあらかじめ設定されているS値しきい値は、ThreshX_LHCP,LowQ及び/又はThreshX_LHCP,LowPを含んでもよい。RHCPに対応する優先度のより低いセルのあらかじめ設定されているS値しきい値は、ThreshX_RHCP,LowQ及び/又はThreshX_RHCP,LowPを含んでもよい。複数の異なる偏波方向に対応するパラメータは、代替的に、他の方式によって表されてもよいということに留意するべきである。このことは、この出願においては限定されない。
【0161】
現在のサービングセルが配信するシステムメッセージSIBからセル優先度情報を取得してもよいということに留意するべきである。例えば、セル優先度情報は、SIBメッセージの中で搬送されるcellReselectionPriorityによって示されてもよく、cellReselectionPriorityの値は、0から7までの範囲にある整数である。パラメータの値がより大きくなると、セル優先度がより高くなる。セル優先度は、セルの負荷及び電力消費等によって決定されてもよい。複数の異なるベンダーは、複数の異なるアルゴリズムを使用して、セル優先度を決定してもよい。このことは、この出願においては限定されない。
【0162】
ある1つの可能な実装において、ネットワークデバイスは、1つ又は複数のセルの各々の複数の異なる偏波方向に対応する複数の測定パラメータセットをブロードキャストする。それに対応して、端末は、ネットワークデバイスがブロードキャストする1つ又は複数のセルの各々の複数の異なる偏波方向に対応する複数の測定パラメータセットを受信する。
【0163】
あるセルの複数の異なる偏波方向に対応する複数のセル測定パラメータは、そのセルのそれらの複数の異なる偏波方向における負荷及び電力消費によって決定されるということに留意するべきである。複数の異なるベンダーは、複数の異なるアルゴリズムを使用して、偏波優先度を決定してもよい。例えば、あるセルのLHCP方向における負荷がより大きく、且つ、RHCP方向における負荷がより小さい場合に、複数の異なる偏波方向での負荷分散を達成するために、例えば、Qoffset_LHCP及びQoffsettemp_LHCP等のLHCP方向に対応するオフセット値を増加させてもよく、例えば、Qoffset_RHCP及びQoffsettemp_RHCP等のRHCP方向に対応するオフセット値を減少させてもよい。
【0164】
S502: セル測定条件を満たすときに、セル測定を実行する。
【0165】
セル測定条件は、端末が初期アクセス状態又は接続状態にあること、セル優先度が、端末の現在のサービングセルのセル優先度よりもより高い隣接セルが存在すること、又は、端末のサービングセルがセル測定有効化しきい値を満たすこと、のうちの1つ又は複数を含む。詳細については、S302における内容を参照するべきである。本明細書においては、詳細は説明されない。
【0166】
セル測定条件を満たすときに、端末は、セル測定を実行し、そして、セル測定結果を取得する。
【0167】
ある1つの可能な実装において、端末は、1つ又は複数のセルを測定し、そして、それらの1つ又は複数のセルに対応する測定結果を取得する。
【0168】
S503: セル測定結果及びセル測定パラメータセットに基づいて、キャンプオンするべきセルを決定する。
【0169】
セル測定結果を取得した後に、端末は、複数の異なる偏波方向に対応するとともに、ブロードキャストメッセージから得られるセル測定パラメータセット及び測定結果に基づいて、キャンプオンするべきセルを決定する。具体的には、端末は、セル測定結果及び各々の偏波方向に対応するセル測定パラメータセットに基づいて、複数の異なる偏波方向に対応する複数のしきい値を計算し、そして、それらのしきい値に基づいて、キャンプオンするべきセル及び偏波方向を決定する。
【0170】
ある1つの可能な実装において、端末は、1つ又は複数のセルの各々の複数の異なる偏波方向に対応する複数の測定パラメータセットを取得し、1つ又は複数のセルの各々の複数の異なる偏波方向に対応するそれらの複数の測定パラメータセット及び1つ又は複数のセルの各々の測定結果に基づいて、キャンプオンするべきセル及び偏波方向を決定する。
【0171】
隣接セルが、優先度が同じ周波数内セル又は周波数間セルであるときに、端末は、セルの測定結果及びセルの複数の異なる偏波方向に対応する複数のセル測定パラメータセットに基づいて、1つ又は複数のセルの各々のR値を取得し、そして、1つ又は複数のセルの複数の異なる偏波方向におけるR値に基づいて、キャンプオンするべきセル及びキャンプオンするべきそのセルの偏波方向を決定する。
【0172】
例えば、各々のセルについてそれぞれLHCP及びRHCPに対応する2つのR値を取得する。基準Rが、キャンプオンするべきセルを決定するのに使用されるときに、隣接セルの複数の偏波方向のうちのより大きなR値とサービングセルのR値とを比較して、キャンプオンするべきセルを決定する。
【0173】
セル測定によって得られる現在のサービングセルの信号品質Qmeas,s、セル測定パラメータセットの中に含まれる現在のサービングセルのLHCP方向に対応する再選択ヒステリシス値QHyst_LHCP、及び、基準R計算パラメータQoffsettemp_LHCPに基づいて、現在のサービングセルのLHCP方向におけるR値を取得してもよい。セル測定によって得られる現在のサービングセルの信号品質Qmeas,s、現在のサービングセルのRHCP方向に対応する再選択ヒステリシス値QHyst_RHCP、及び、セル測定パラメータセットの中に含まれる基準R計算パラメータQoffsettemp_RHCPに基づいて、現在のサービングセルのRHCP方向におけるR値を取得してもよい。セル測定によって得られる隣接セルの信号品質Qmeas,n、及び、セル測定パラメータセットの中に含まれる基準R計算パラメータQoffset_LHCP及びQoffsettemp_LHCPに基づいて、隣接セルのLHCP方向におけるR値を取得してもよい。セル測定によって得られる隣接セルの信号品質Qmeas,n、及び、セル測定パラメータセットの中に含まれる基準R計算パラメータQoffset_RHCP及びQoffsettemp_RHCPに基づいて、隣接セルのRHCP方向におけるR値を取得してもよい。具体的な計算方式については、上記の説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0174】
キャンプオンするべきセルのR値は、現在のサービングセルのR値以上である必要がある。具体的には、端末は、キャンプオンするべきセルとしてR値が最大のセルを選択し、そして、キャンプオンするべきセルの偏波方向として、R値を取得するときに使用するセル測定パラメータに対応する偏波方向を使用し、端末は、キャンプオンするべきセルとして、R値が現在のサービングセルのR値以上である複数の隣接セルのうちでRSRPが最大のセルを選択し、そして、キャンプオンするべきセルの偏波方向として、R値を取得するときに使用されるセル測定パラメータに対応する偏波方向を使用し、又は、端末は、キャンプオンするべきセルとして、R値が現在のサービングセルのR値よりもより大きい第1の隣接セルを選択し、そして、キャンプオンするべきセルの偏波方向として、R値を取得するときに使用されるセル測定パラメータに対応する偏波方向を使用する。R値が現在のサービングセルのR値よりもより大きい第1の隣接セルに対応する2つのR値の双方が、サービングセルのR値よりもより大きい場合には、キャンプオンするべきセルの偏波方向として、より大きなR値に対応する偏波方向を使用する。
【0175】
ある1つの可能な実装において、隣接セルのR値が現在のサービングセルのR値と等しいときに、キャンプオンするべきセルとしてその隣接セルを決定し、そして、キャンプオンするべきセルの偏波方向として、その隣接セルのR値に対応する偏波方向を使用する。他の可能な実装において、隣接セルのR値が現在のサービングセルのR値と等しいときに、端末は、継続して現在のサービングセルにキャンプオンする。隣接セルが優先度のより高いセルであるときに、端末は、そのセルの測定結果及びそのセルの複数の異なる偏波方向に対応する複数のセル測定パラメータセットに基づいて、1つ又は複数のセルの各々の複数の異なる偏波方向に対応する複数のS値を取得し、そして、セル測定パラメータセットの中に含まれる優先度のより高いセルの複数の異なる偏波方向に対応するあらかじめ設定されているしきい値とそれらの複数のS値とを比較して、キャンプオンするべきセルを決定する。キャンプオンするべきセルのS値は、あらかじめ設定されているしきい値より大きい必要がある。具体的には、S値があらかじめ設定されているしきい値よりもより大きい複数のセルが存在するときに、キャンプオンするべきセルとしてS値が最大のセルを選択する。キャンプオンするべきセルのS値は、あらかじめ設定されているしきい値と等しくてもよい。
【0176】
例えば、各々のセルについて、LHCP及びRHCPに対応する2つのS値を取得し、複数の異なる偏波方向に対応する優先度のより高いセルのあらかじめ設定されているしきい値とそれらの2つのS値とを比較して、キャンプオンするべきセルを決定する。例えば、S値は、Srxlev及び/又はSqualであってもよい。Srxlev及びSqualの具体的な計算方式については、上記の説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。セル測定パラメータセットの中に含まれる優先度のより高いセルのあらかじめ設定されているしきい値とそれらのS値とを比較するステップは、具体的には、セル測定パラメータセットの中に含まれるLHCPに対応するしきい値ThreshX_LHCP,HighQとLHCPに対応するSrxlevとを比較するステップ及び/又はセル測定パラメータセットの中に含まれるしきい値ThreshX_LHCP,HighPとSqualとを比較するステップ、及び、セル測定パラメータセットの中に含まれるRHCPに対応するしきい値ThreshX_RHCP,HighQとRHCPに対応するSrxlevとを比較するステップ及び/又はセル測定パラメータセットの中に含まれるしきい値ThreshX_RHCP,HighPとSqualとを比較するステップを含む。
【0177】
隣接セルが優先度のより低いセルであるときに、端末は、セルの測定結果及びそのセルの複数の異なる偏波方向に対応する複数のセル測定パラメータセットに基づいて、1つ又は複数のセルの各々の複数の異なる偏波方向に対応する複数のS値を取得し、そして、セル測定パラメータセットの中に含まれる複数の異なる偏波方向に対応するあらかじめ設定されているしきい値とそれらのS値とを比較して、キャンプオンするべきセルを決定する。具体的には、サービングセルのS値が、あらかじめ設定されているしきい値よりもより小さく、且つ、隣接セルのS値が、優先度のより低いセルのあらかじめ設定されているしきい値よりもより大きいときに、キャンプオンするべきセルとしてその隣接セルを使用する。S値があらかじめ設定されているしきい値よりもより大きい複数のセルが存在するときに、キャンプオンするべきセルとしてS値が最大のセルを選択する。隣接セルのS値が、優先度のより低いセルのあらかじめ設定されているしきい値と等しいときに、キャンプオンするべきセルとしてその隣接セルを使用してもよく、又は、端末は、継続して現在のサービングセルにキャンプオンする。
【0178】
例えば、サービングセルのLHCP及びRHCPに対応する2つのS値を取得し、あらかじめ設定されているしきい値とそれらの2つのS値とを比較する。2つの偏波方向に対応するそれらのS値の双方が、あらかじめ設定されているしきい値よりもより小さいときに、隣接セルのLHCP及びRHCPに対応するS値を取得し、複数の異なる偏波方向に対応する優先度のより低いセルのあらかじめ設定されているしきい値とそれらのS値とを比較して、キャンプオンするべきセルを決定する。S値は、Srxlev及び/又はSqualであってもよい。Srxlev及びSqualの具体的な計算方式については、上記の説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。セル測定パラメータセットの中に含まれる優先度のより低いセルのあらかじめ設定されているしきい値とそれらのS値とを比較するステップは、具体的には、セル測定パラメータセットの中に含まれるしきい値ThreshX_LHCP,LowQとLHCPに対応するSrxlevとを比較するステップ及び/又はセル測定パラメータセットの中に含まれる優先度のより低いセルのしきい値ThreshX_LHCP,LowPとLHCPに対応するSqualとを比較するステップ、及び、セル測定パラメータセットの中に含まれるしきい値ThreshX_RHCP,LowQとRHCPに対応するSrxlevとを比較するステップ及び/又はセル測定パラメータセットの中に含まれる優先度のより低いセルのしきい値ThreshX_RHCP,LowPとRHCPに対応するSqualとを比較するステップを含む。
【0179】
図5に示されているセル選択ポリシーにおいては、ネットワークデバイスは、複数の異なる偏波方向のための複数の異なるセル測定パラメータ値を配信する。このように、端末は、セル選択又はセル再選択を実行するときに、キャンプオンするべきより適切なセル及び偏波方向を決定することが可能であり、そして、複数の異なる偏波方向での負荷分散を実装する。
【0180】
図6は、この出願のある1つの実施形態にしたがったセルハンドオーバー方法における対話の概略的な図である。この実施形態において、ハンドオーバがトリガされるときに、ソースネットワークデバイスは、端末に、ターゲットセルの偏波方向指示情報を送信し、それによって、その端末は、その指示に基づいて、指定されている偏波方向においてターゲットセルにアクセスしてキャンプオンすることを決定する。このことは、複数の異なる偏波方向での負荷分散を実装する。
【0181】
S601: 測定制御及び報告。
【0182】
端末が接続状態にあるときに、(例えば、図6の中のソースgNB等の)第1のネットワークデバイスは、端末に測定制御情報を送信する。それに対応して、端末は、第1のネットワークデバイスが送信する測定制御情報を受信する。測定制御情報は、測定制御に関する構成を示す。
【0183】
測定制御情報は、ユニキャストメッセージ、すなわち、ユーザ固有の(UE固有の)メッセージである。
【0184】
ある1つの可能な実装において、測定制御情報は、偏波優先度情報を含む。
【0185】
ある1つの可能な実施態様において、偏波優先度情報は、LHCP及びRHCPに対応する偏波優先度情報を含み、複数の異なる偏波方向は、優先度情報の複数の異なる値に対応する。値がより大きくなると、優先度がより高くなってもよく、又は、値がより小さくなると、優先度がより低くなってもよい。
【0186】
他の可能な実装において、偏波優先度情報は、優先度のより高い偏波方向を示す。具体的には、偏波優先度情報は、LHCPに対応する識別子又はRHCPに対応する識別子を含む。代替的に、ネットワークデバイス及び端末は、前もって、RHCPを表すのに"1"を使用し、LHCPを表すのに"0"を使用するということを合意してもよい。RHCPに対応する優先度がより高い場合には、偏波優先度に対応するビットの値は、1となる。LHCPに対応する優先度がより高い場合には、偏波優先度に対応するビットの値は、0となる。代替的に、"1"は、LHCPを表すのに使用されてもよく、"0"は、LHCPを表すのに使用されてもよい。このことは、この出願においては限定されない。
【0187】
ある1つの可能な実装において、ネットワークデバイスは、RRCシグナリング使用することによって、測定制御情報を配信する。例えば、ネットワークデバイスは、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージを使用することによって、測定制御情報を配信する。
【0188】
測定制御情報を取得した後に、端末は、その測定制御情報が示す関連する構成に基づいて、セル測定を実行する。具体的には、端末は、偏波優先度のより高い偏波方向においてセル測定を実行する。
【0189】
端末が、セル測定を実行することは、具体的には、端末が、現在のセル及び隣接セルのRSRP、参照信号受信品質(reference signal received quality, RSRQ)、又は信号対干渉雑音比(signal to interference plus noise ratio, SINR)を測定することを含む。
【0190】
測定報告条件を満たすときに、端末は、イベントを使用することによって、第1のネットワークデバイスに測定結果を報告する。それに対応して、第1のネットワークデバイスは、その測定結果を受信する。測定報告条件は、従来技術における測定報告条件と同じである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0191】
S602: ハンドオーバー決定。
【0192】
第1のネットワークデバイスは、端末が報告する測定結果に基づいて、評価を実行し、ハンドオーバーをトリガするか否かを決定する。
【0193】
S603: ハンドオーバー要求。
【0194】
ハンドオーバー決定の結果が、セルハンドオーバーを実行することである場合には、第1のネットワークデバイスは、(例えば、図6の中のターゲットgNB等の)第2のネットワークデバイスに、ハンドオーバー要求を送信する。それに対応して、第2のネットワークデバイスは、第1のネットワークデバイスが送信するハンドオーバー要求を受信する。
【0195】
S604: アドミッション制御。
【0196】
ハンドオーバー要求を受信した後に、第2のネットワークデバイスは、アドミッション制御及び無線リソース構成を実行する。
【0197】
S605: ハンドオーバー要求確認応答。
【0198】
アドミッション及び無線リソース構成を完了した後に、第2のネットワークデバイスは、第1のネットワークデバイスに、ハンドオーバー要求確認応答メッセージをフィードバックする。それに対応して、第1のネットワークデバイスは、第2のネットワークデバイスが送信するハンドオーバー要求確認応答メッセージを受信する。
【0199】
S606: ハンドオーバーのトリガ。
【0200】
第2のネットワークデバイスが送信するハンドオーバー要求確認応答メッセージを受信した後に、第1のネットワークデバイスは、ハンドオーバーをトリガする。
【0201】
ハンドオーバーのトリガプロセスにおいて、第1のネットワークデバイスは、端末にハンドオーバーコマンドを送信する。それに対応して、端末は、第1のネットワークデバイスが送信するハンドオーバーコマンドを受信する。ハンドオーバーコマンドは、端末の第2のネットワークデバイスへのアクセスに関連する情報を含む。
【0202】
ある1つの可能な実装において、偏波多重化シナリオの場合に、ハンドオーバーコマンドは、端末がアクセスするべきターゲットセルの偏波方向を示す指示情報を含む。端末は、その指示情報に基づいて、その端末が、指定された偏波方向において、ターゲットセルにアクセスしてキャンプオンする必要があるということを決定する。例えば、指示情報がLHCPを示す場合には、端末は、左円偏波方向において、ターゲットセルにアクセスしてキャンプオンする。指示情報がRHCPを示す場合には、端末は、右円偏波方向において、ターゲットセルにアクセスしてキャンプオンする。
【0203】
ハンドオーバーコマンドの中で示される偏波方向は、ターゲットセルの複数の異なる偏波方向における負荷及び電力消費等によって決定されるということに留意するべきである。
【0204】
ある1つの可能な実装において、指示情報は、RRCメッセージの中で搬送される。指示情報は、代替的に、他のユーザ固有の(UE固有の)メッセージの中で搬送されてもよい。このことは、この出願においては限定されない。
【0205】
ハンドオーバーコマンドは、ターゲットセルの識別子、端末のセル無線ネットワーク一時識別子(Cell Access Radio Network Temporary Identifier, C-RNTI)及びランダムアクセスリソース等をさらに含む。ハンドオーバーコマンドは、他の情報をさらに含んでもよい。このことは、この出願においては限定されない。
【0206】
S607: セルハンドオーバーを実行する。
【0207】
セルハンドオーバーをトリガした後に、第1のネットワークデバイスは、セルハンドオーバーを実行する。具体的な手順は、既存のセルハンドオーバープロセスと同様である。例えば、端末は、ソースセルからディタッチし、そして、ターゲットセルとの間の同期を確立し、第1のネットワークデバイスは、第2のネットワークデバイスにユーザデータを配信し、そのユーザデータは、バッファリングされているユーザデータ及び伝送されつつあるユーザデータの双方を含み、第2のネットワークデバイスは、ユーザデータをバッファリングし、端末は、ターゲットセルとの間の同期を確立し、そして、ハンドオーバー手順を完了する。
【0208】
上記の実施形態において、ネットワークデバイスが配信する測定制御情報は、偏波優先度情報を搬送し、及び/又は、セルハンドオーバープロセスにおいて、端末にターゲットセルの偏波方向を示す。このことは、複数の異なる偏波方向での負荷分散を達成する。
【0209】
上記の記載は、この出願によって提供される複数の方法の実施形態を説明している。この出願の複数の実施形態においては、セル選択ポリシーに偏波方向の次元を追加する。このように、セル選択のための物理的な次元を追加し、既存のセル選択ポリシー/セル再選択ポリシーを最適化し、端末がキャンプオンするべきより適切なセルを決定するということを保証することが可能である。
【0210】
この出願の複数の実施形態によって提供される上記の方法における複数の機能を実装するために、端末デバイス及びネットワークデバイスは、ハードウェア構成及び/又はソフトウェアモジュールを含んでもよく、それらの端末デバイス及びネットワークデバイスは、ハードウェア構成、ソフトウェアモジュール、又はハードウェア構成及びソフトウェアモジュールの組み合わせの形態で上記の複数の機能を実装する。上記の複数の機能のうちのある特定の機能が、ハードウェア構成によって実行されるか、ソフトウェアモジュールによって実行されるか、又はハードウェア構成及びソフトウェアモジュールの組み合わせによって実行されるかは、複数の技術的解決方法の特定の用途及び設計上の制約によって決まる。
【0211】
図7に示されているように、同じ技術的概念に基づいて、この出願のある1つの実施形態は、さらに、通信装置700を提供する。その通信装置700は、端末デバイス又はネットワークデバイス、端末デバイス又はネットワークデバイスの中の装置、端末デバイス及びネットワークデバイスとともに使用することが可能である装置であってもよい。ある1つの可能な実装において、通信装置700は、上記の複数の方法の実施形態において端末が実行する方法/操作/ステップ/動作に1対1で対応するモジュール又はユニットを含んでもよい。それらのユニットは、ハードウェア回路又はソフトウェアであってもよく、或いは、ソフトウェアに関連するハードウェア回路によって実装されてもよい。ある1つの可能な実装において、通信装置700は、処理ユニット710及びトランシーバーユニット720を含んでもよい。処理ユニット710は、トランシーバーユニット720を呼び出して、受信機能及び/又は送信機能を実行するように構成されてもよい。
【0212】
通信装置700が、端末が実行する操作を実行するように構成されるときに、トランシーバーユニット720は、1つ又は複数のセルの偏波優先度情報を取得するように構成される。処理ユニット710は、セル測定条件を満たすときに、偏波優先度情報に基づいて、1つ又は複数のセルに対してセル測定を実行し、そして、1つ又は複数のセルの測定結果に基づいて、キャンプオンするべきセルを決定する、ように構成される。
【0213】
通信装置700がネットワークデバイスが実行する操作を実行するように構成されるときに、処理ユニット710は、偏波優先度情報を決定するように構成される。トランシーバーユニット720は、端末に第1のメッセージを送信するように構成される。第1のメッセージは、偏波優先度情報を含む。偏波優先度情報は、セル測定条件を満たすときにセル測定を実行して、セル測定結果を取得するための情報である。セル測定結果は、当該通信装置がキャンプオンするべきセルを選択するための測定結果である。
【0214】
トランシーバーユニット720は、さらに、上記の複数の方法の実施形態において端末及びネットワークデバイスが実行する他の受信又は送信のステップ又は操作を実行するように構成される。処理ユニット710は、さらに、上記の複数の方法の実施形態において端末及びネットワークデバイスが実行する受信又は送信以外の対応するステップ又は操作を実行するように構成されてもよい。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0215】
この出願の複数の実施形態における複数のモジュールへの分割は、ある1つの例であり、論理的な機能の分割であるにすぎず、実際の実装の際には、他の分割であってもよい。加えて、この出願の複数の実施形態における複数の機能モジュール又はユニットを一体化して、1つのプロセッサとしてもよく、それらの複数のモジュール又はユニットの各々は、物理的に単独で存在してもよく、それらの複数のモジュール又はユニットのうちの2つ又はより多くを一体化して、1つのモジュールとしてもよい。一体化されているモジュール又はユニットは、ハードウェアの形態で実装されてもよく、又は、ソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。
【0216】
図8に示されているように、この出願のある1つの実施形態は、上記の複数の方法において端末デバイス及びネットワークデバイスの複数の機能を実装するように構成される通信装置800を提供する。その通信装置は、端末デバイス又はネットワークデバイス、端末デバイス又はネットワークデバイスの中の装置、或いは、端末デバイス及びネットワークデバイスとともに使用することが可能である装置であってもよい。通信装置800は、チップシステムであってもよい。この出願のこの実施形態において、チップシステムは、チップを含んでもよく、又は、チップ及び他の個別の構成要素を含んでもよい。通信装置800は、この出願の複数の実施形態によって提供される複数の方法において端末デバイス及びネットワークデバイスの複数の機能を実装するように構成される少なくとも1つのプロセッサ810を含む。通信装置800は、通信インターフェイス820をさらに含んでもよい。この出願の複数の実施形態において、通信インターフェイスは、トランシーバー、回路、バス、モジュール、又は他のタイプの通信インターフェイスであってもよく、伝送媒体を介して他のデバイスとの間で通信するように構成される。例えば、通信インターフェイス820は、通信装置800の中の装置と他のデバイスとの間の通信のためのインターフェイスである。
【0217】
プロセッサ810は、通信装置700の中の処理ユニット710が実行する複数の機能を実行してもよい。通信インターフェイス820は、通信装置700の中のトランシーバーユニット720が実行する複数の機能を実行するように構成されてもよい。
【0218】
通信装置800が、端末が実行する操作を実行するように構成されるときに、通信インターフェイス820は、1つ又は複数のセルの偏波優先度情報を取得するように構成される。プロセッサ810は、セル測定条件を満たすときに、偏波優先度情報に基づいて、1つ又は複数のセルに対してセル測定を実行し、そして、1つ又は複数のセルの測定結果に基づいて、キャンプオンするべきセルを決定する、ように構成される。
【0219】
通信装置800が、ネットワークデバイスが実行する操作を実行するように構成されるときに、プロセッサ810は、偏波優先度情報を決定するように構成される。通信インターフェイス820は、端末に第1のメッセージを送信するように構成される。第1のメッセージは、前記偏波優先度情報を含む。偏波優先度情報は、セル測定条件を満たすときにセル測定を実行して、セル測定結果を取得するための情報である。セル測定結果は、当該通信装置がキャンプオンするべきセルを選択するための測定結果である。
【0220】
通信インターフェイス820は、さらに、上記の複数の方法の実施形態において端末及びネットワークデバイスが実行する他の受信又は送信のステップ又は操作を実行するように構成される。プロセッサ810は、さらに、上記の複数の方法の実施形態において端末及びネットワークデバイスが実行する受信及び送信以外の対応するステップ又は操作を実行するように構成されてもよい。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0221】
通信デバイス800は、プログラム命令及び/又はデータを格納するように構成される少なくとも1つのメモリ830をさらに含んでもよい。メモリ830は、プロセッサ810に結合される。この出願のこの実施形態における結合は、複数の装置、複数のユニット、又は複数のモジュールの間の非直接的な結合又は通信接続であり、電気的な結合、機械的な結合、又は他の形態の結合であってもよく、それらの複数の装置、それらの複数のユニット、又はそれらの複数のモジュールの間の情報交換のために使用される。プロセッサ810は、メモリ830と共同して動作してもよい。プロセッサ810は、メモリ830の中に格納されているプログラム命令を実行してもよい。ある1つの可能な実装において、それらの少なくとも1つのメモリのうちの少なくとも1つは、プロセッサと一体化されてもよい。他の可能な実装において、メモリ830は、通信装置800の外側に位置する。
【0222】
この出願のこの実施形態において、通信インターフェイス820、プロセッサ810、及びメモリ830の間の特定の接続媒体は、限定されない。この出願のこの実施形態において、メモリ830、プロセッサ810、及び通信インターフェイス820は、図8の中のバス840によって接続され、そのバスは、図8の中で、太い線によって表される。複数の他の構成要素の間の接続モードは、概略的に説明されているにすぎず、それらの接続モードには限定されない。バスは、アドレスバス、データバス、及び制御バス等に分類されてもよい。表現を容易にするために、図8においては、そのバスを表すのに太い線を1つのみ使用しているが、このことは、1つのみのバスが存在するということ、又は、1つのタイプのバスのみが存在するということを意味するものではない。
【0223】
この出願のこの実施形態において、プロセッサ810は、1つ又は複数の中央処理ユニット(Central Processing Unit, CPU)であってもよい。プロセッサ810が、1つのCPUであるときに、そのCPUは、シングルコアCPUであってもよく又はマルチコアCPUであってもよい。プロセッサ810は、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又は他のプログラム可能な論理デバイス、個別のゲート又はトランジスタ論理デバイス、或いは、個別のハードウェア構成要素であってもよく、この出願の複数の実施形態において開示されている複数の方法、複数のステップ、及び複数の論理ブロック図を実装し又は実行してもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ又はいずれかの従来のプロセッサ等であってもよい。この出願の複数の実施形態に関して開示されている方法の複数のステップは、ハードウェアプロセッサによって直接的に実装されてもよく、そのプロセッサの中のハードウェア及びソフトウェアモジュールの組み合わせを使用することによって実行されてもよい。
【0224】
この出願のこの実施形態において、メモリ830は、これらには限定されないが、ハードディスクドライブ(hard disk drive, HDD)又はソリッドステートドライブ(solid-state drive, SSD)等の不揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory, RAM)、消去可能且つプログラム可能な読み取り専用メモリ(Erasable Programmable ROM, EPROM)、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory, ROM)、或いは、コンパクト読み取り専用メモリ(Compact Disc Read-Only Memory, CD-ROM)等を含んでもよい。メモリは、いずれかの他の媒体であり、そのいずれかの他の媒体は、これらには限定されないが、命令構造又はデータ構造の形態で、予想されるプログラムコードを搬送し又は格納する可能であるとともに、コンピュータがアクセスすることが可能である。この出願の複数の実施形態におけるメモリは、代替的に、記憶機能を実装することが可能である回路又はいずれかの他の装置であってもよく、プログラム命令及び/又はデータを格納するように構成される。メモリ830は、関連する命令及びデータを格納するように構成される。
【0225】
図9に示されているように、この出願のある1つの実施形態は、さらに、装置900を提供し、その装置900は、上記の複数の方法における端末デバイス及びネットワークデバイスの複数の機能を実装するように構成される。その装置900は、通信装置であってもよく又は通信装置の中のチップであってもよい。その通信装置は、
少なくとも1つの入力/出力インターフェイス910及び論理回路920を含む。入力/出力インターフェイス910は、入力/出力回路であってもよい。論理回路920は、信号プロセッサ、チップ、又はこの出願における複数の方法を実装することが可能である他の集積回路であってもよい。
【0226】
少なくとも1つの入力/出力インターフェイス910は、信号又はデータを入力し又は出力するように構成される。例えば、装置が端末であるか又は端末の中で使用されるときに、入力/出力インターフェイス910は、第1のメッセージを取得するように構成される。第1のメッセージは、偏波優先度情報及び/又はセル測定パラメータセットを搬送する。ある1つの例として図6に示されている方法をさらに使用して、入力/出力インターフェイス910は、さらに、セル測定結果を出力して、第1のネットワークデバイスに測定結果を報告するように構成されてもよい。例えば、装置がネットワークデバイスであるか又はネットワークデバイスの中で使用されるときに、入力/出力インターフェイス910は、端末に第1のメッセージを送信するように構成される。そのメッセージは、偏波優先度情報及び/又はセル測定パラメータセットを搬送する。ある1つの例として図6に示されている方法をさらに使用して、入力/出力インターフェイス910は、さらに、端末が報告するセル測定結果を取得するように構成されてもよい。
【0227】
論理回路920は、この出願の複数の実施形態によって提供される複数の方法のうちのいずれか1つのステップの一部又はすべてを実行するように構成される。論理回路は、装置700の中の処理ユニット710及び装置800の中のプロセッサ810が実装する複数の機能を実装してもよい。
【0228】
通信装置が端末デバイスの中で使用されるチップであるときに、端末デバイスの中のそのチップは、上記の複数の方法の実施形態における端末デバイスの複数の機能を実装する。端末デバイスの中のそのチップは、端末デバイスの中の(例えば、無線周波数モジュール又はアンテナ等の)他のモジュールから情報を受信し、その情報は、ネットワークデバイスによって端末デバイスに送信される。代替的に、端末デバイスの中のそのチップは、端末デバイスの中の(例えば、無線周波数モジュール又はアンテナ等の)他のモジュールに情報を送信し、その情報は、端末デバイスによってネットワークデバイスに送信される。
【0229】
通信装置がネットワークデバイスの中で使用されるチップであるときに、ネットワークデバイスの中のそのチップは、上記の複数の方法の実施形態におけるネットワークデバイスの複数の機能を実装する。ネットワークデバイスの中のそのチップは、ネットワークデバイスの中の(例えば、無線周波数モジュール又はアンテナ等の)他のモジュールから情報を受信し、その情報は、端末デバイスによってネットワークデバイスに送信される。代替的に、ネットワークデバイスの中のそのチップは、ネットワークデバイスの中の(例えば、無線周波数モジュール又はアンテナ等の)他のモジュールに情報を送信し、その情報は、ネットワークデバイスによって端末デバイスに送信される。
【0230】
上記の複数の方法の実施形態と同じ概念に基づいて、この出願のある1つの実施形態は、さらに、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体を提供する。そのコンピュータが読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムを格納する。そのコンピュータプログラムは、(例えば、プロセッサ等の)ハードウェアによって実行されて、この出願の複数の実施形態においていずれかの装置が実行する複数の方法のうちのいずれか1つにおける複数のステップのうちの一部又はすべてを実装する。
【0231】
上記の複数の方法の実施形態と同じ概念に基づいて、この出願のある1つの実施形態は、さらに、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。そのコンピュータプログラム製品がコンピュータによって実行されるときに、そのコンピュータが、上記の複数の態様における複数の方法のうちのいずれか1つにおける複数のステップのうちの一部又はすべてを実行することを可能とする。
【0232】
上記の複数の方法の実施形態の概念と同じ概念に基づいて、この出願は、さらに、チップ又はチップシステムを提供する。そのチップは、プロセッサを含んでもよい。そのチップは、メモリ(又は、記憶モジュール)及び/又はトランシーバー(又は、通信モジュール)をさらに含んでもよく、或いは、そのチップは、メモリ(又は、記憶モジュール)及び/又はトランシーバー(又は、通信モジュール)に結合される。そのトランシーバー(又は、通信モジュール)は、有線通信及び/又は無線通信の際にチップを支援するように構成されてもよく、そのメモリ(又は、記憶モジュール)は、プログラムを格納するように構成されてもよい。そのプロセッサは、プログラムを呼び出して、上記の複数の方法の実施形態又はそれらの複数の方法の実施形態の複数の可能な実装のうちのいずれか1つおいて端末又はネットワークデバイスが実行する操作を実装する。チップシステムは、チップを含んでもよく、或いは、メモリ(又は、記憶モジュール)及び/又はトランシーバー(又は、通信モジュール)等の他の個別の構成要素及びチップを含んでもよい。
【0233】
上記の複数の方法の実施形態と同じ概念に基づいて、この出願は、さらに、通信システムを提供する。その通信システムは、上記の端末及び/又は上記のネットワークデバイスを含んでもよい。その通信システムは、上記の複数の方法の実施形態又はそれらの複数の方法の実施形態の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにおいて端末又はネットワークデバイスが実行する操作を実装するように構成されてもよい。例えば、通信システムは、図1又は図2に示されている構成を有していてもよい。
【0234】
ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらのいずれかの組み合わせを使用することによって、上記の複数の実施形態の一部又はすべてを実装してもよい。ソフトウェアがそれらの複数の実施形態を実装するのに使用されるときに、コンピュータプログラム製品の形態で、それらの複数の実施形態の一部又はすべてを実装してもよい。コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令をコンピュータにロードしそしてコンピュータによって実行するときに、この出願の複数の実施形態にしたがった手順又は機能のうちのすべて又は一部を生成する。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の中に格納されてもよく、或いは、あるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に伝送されてもよい。例えば、(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、又はディジタル加入者線等の)有線方式によって又は(例えば、赤外線、無線、又はマイクロ波等の)無線方式によって、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターから他方のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターへと、それらの複数のコンピュータ命令を伝送してもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能であるいずれかの使用可能な媒体、或いは、1つ又は複数の使用可能な媒体を一体化しているサーバ又はデータセンター等のデータ記憶デバイスであってもよい。使用可能な媒体は、(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、又は磁気テープ等の)磁気媒体、(例えば、光ディスク等の)光媒体、或いは、(例えば、ソリッドステートドライブ等の)半導体媒体等であってもよい。上記の複数の実施形態において、それらの複数の実施形態の複数の説明は、それぞれの焦点を有する。ある実施形態において詳細には説明されていない部分については、他の実施形態における関連する説明を参照するべきである。
【0235】
上記の複数の実施形態において、それらの複数の実施形態の複数の説明は、それぞれの焦点を有する。ある実施形態において詳細には説明されていない部分については、他の実施形態における関連する説明を参照するべきである。
【0236】
この出願によって提供される複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、他の方式によって、開示されている装置を実装してもよいということを理解するべきである。例えば、説明されている装置の実施形態は例であるにすぎない。例えば、複数のユニットへの分割は、論理的な機能の分割であるにすぎず、実際の実装においては、他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又は構成要素を組み合わせ又は一体化して、他のシステムとしてもよく、或いは、複数の特徴のうちのいくつかを無視し又は実行しなくてもよい。加えて、複数のインターフェイスのうちのいくつかによって、示され又は説明されている相互の結合又は直接的な結合又は通信接続を実装してもよい。電気的な形態によって又は他の形態によって、複数の装置又は複数のユニットの間の非直接的な結合又は通信接続を実装してもよい。
【0237】
複数の個別の部分として説明される複数のユニットは、物理的に分離していてもよく又は物理的に分離していなくてもよく、また、複数のユニットとして示される複数の部分は、複数の物理的なユニットとなっていてもよく又は複数の物理的なユニットとなっていなくてもよく、1つの場所に位置していてもよく、又は、複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。実際の要件に基づいて、それらの複数のユニットのうちの一部又はすべてを選択して、複数の実施形態の複数の技術的解決方法の目的を達成してもよい。
【0238】
一体化されているユニットが、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、且つ、独立している製品として販売され又は使用されるときに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の中にその一体化されているユニットを格納してもよい。そのような理解に基づいて、この出願の複数の技術的解決方法は、本質的に、或いは、従来技術に寄与する部分又はそれらの複数の技術的解決方法のうちのすべて又は一部は、ソフトウェア製品の形態で実装されてもよい。ソフトウェア製品は、記憶媒体の中に格納され、いくつかの命令を含み、それらのいくつかの命令は、この出願の複数の実施形態の中で説明されている複数の方法の複数のステップのうちのすべて又は一部を実行するように(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイス等であってもよい)コンピュータデバイスに指示する。
【0239】
上記の説明は、この出願の複数の具体的な実装のうちのいくつかであるにすぎず、この出願の保護の範囲を限定することを意図してはいない。当業者は、この出願の中で開示されている技術的範囲の中で、それらの複数の実施形態を変更し及び修正することが可能である。したがって、以下の特許請求の範囲は、上記の複数の実施形態を包摂し、また、この出願の範囲に属する変更及び修正を示すと解釈されることを意図している。したがって、この出願の保護の範囲は、請求項に記載されている発明の保護範囲にしたがうものとする。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9