(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】表示制御方法、及び、車両
(51)【国際特許分類】
B60K 35/235 20240101AFI20250218BHJP
B60K 35/215 20240101ALI20250218BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20250218BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20250218BHJP
【FI】
B60K35/235
B60K35/215
G09G5/00 510A
G09G5/00 520V
G09G5/00 550C
G09G5/00 530D
G09G5/37 110
(21)【出願番号】P 2023032954
(22)【出願日】2023-03-03
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138771
【氏名又は名称】吉田 将明
(72)【発明者】
【氏名】宮道 敏広
(72)【発明者】
【氏名】古宮 幸昌
(72)【発明者】
【氏名】西尾 剛
【審査官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-249567(JP,A)
【文献】特開2022-142614(JP,A)
【文献】特開2020-117103(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03040809(EP,A1)
【文献】特開2017-149354(JP,A)
【文献】特開2015-077876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00 - 37/20
B60R 16/00 - 17/02
G01C 21/00 - 21/36
G08G 1/00 - 99/00
G09G 5/00 - 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が備える第1表示装置及び第2表示装置の表示を制御する表示制御方法であって、
前記第1表示装置は、運転者がフロントガラス越しに車外を視認可能な位置に透過性を有する画面を表示し、
前記第2表示装置の画面は、前記第1表示装置の画面と異なる位置に存在し、
前記車両が備える視線検出装置によって検出された運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面の位置と適合しない場合、前記第2表示装置の画面の表示を前記第1表示装置の画面の表示よりも抑制する表示制御方法であって、
前記車両が第3表示装置をさらに備え、
前記第3表示装置の画面は、前記運転者の座席を基準として、前記第2表示装置の画面よりも遠い位置に存在し、
前記視線検出装置によって検出された前記運転者の視線の位置が、前記第2表示装置の画面の位置及び前記第3表示装置の画面の位置のいずれにも適合しない場合、前記第2表示装置の画面の表示及び前記第3表示装置の画面の表示をいずれも前記第1表示装置の画面の表示よりも抑制
し、
前記車両が停止中である場合、前記視線検出装置によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面の位置と適合するか否かに関わらず、前記第2表示装置の画面を表示する、
表示制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の表示制御方法であって、
前記第2表示装置の画面は、前記第1表示装置の画面よりも下方に位置する、
表示制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載の表示制御方法であって、
前記第2表示装置の画面の表示を前記第1表示装置の画面の表示よりも抑制するとは、前記第2表示装置の画面を表示せず、前記第1表示装置の画面を表示することを意味する、
表示制御方法。
【請求項4】
請求項1に記載の表示制御方法であって、
前記第2表示装置の画面の表示を前記第1表示装置の画面の表示よりも抑制するとは、前記第2表示装置の画面に情報を表示せず、前記第1表示装置の画面に情報を表示することを意味する、
表示制御方法。
【請求項5】
請求項1に記載の表示制御方法であって、
前記視線検出装置によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面の位置と適合する場合、前記第2表示装置の画面を表示する、
表示制御方法。
【請求項6】
請求項1に記載の表示制御方法であって、
前記第1表示装置の画面に、前記車両の速度情報を表示し、
前記第2表示装置の画面に、前記速度情報を表示しない、
表示制御方法。
【請求項7】
請求項1に記載の表示制御方法であって、
前記視線検出装置によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第3表示装置の画面の位置に適合する場合、前記第2表示装置の画面の表示を前記第3表示装置の画面の表示よりも抑制し、
前記視線検出装置によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面の位置に適合する場合、前記第3表示装置の画面の表示を前記第2表示装置の画面の表示よりも抑制する、
表示制御方法。
【請求項8】
請求項1に記載の表示制御方法であって、
前記第1表示装置の画面に、運転の危険回避のための情報を表示し、
前記第2表示装置の画面に、前記車両の安全な走行に関わる情報を表示し、
前記第3表示装置の画面に、前記車両の走行を支援するための情報を表示する、
表示制御方法。
【請求項9】
第1車輪と第2車輪と第3車輪と第4車輪とを備え、所定の向きに走行可能な車両であって、
第1表示装置と、第2表示装置と、前記車両の運転者の視線を検出する視線検出装置と、前記第1表示装置及び前記第2表示装置の表示を制御する表示制御装置とを備え、
前記第1表示装置は、運転者がフロントガラス越しに車外を視認可能な位置に透過性を有する画面を表示し、
前記第2表示装置の画面は、前記第1表示装置の画面と異なる位置に存在し、
前記表示制御装置は、前記視線検出装置によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面の位置と適合しない場合、前記第2表示装置の画面の表示を前記第1表示装置の画面の表示よりも抑制する車両であって、
第3表示装置をさらに備え、
前記第3表示装置の画面は、前記運転者の座席を基準として、前記第2表示装置の画面よりも遠い位置に存在し、
前記表示制御装置は、
前記視線検出装置によって検出された前記運転者の視線の位置が、前記第2表示装置の画面の位置及び前記第3表示装置の画面の位置のいずれにも適合しない場合、前記第2表示装置の画面の表示及び前記第3表示装置の画面の表示をいずれも前記第1表示装置の画面の表示よりも抑制
し、
前記車両が停止中である場合、前記視線検出装置によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面の位置と適合するか否かに関わらず、前記第2表示装置の画面を表示する、
車両。
【請求項10】
請求項
9に記載の車両であって、
前記第2表示装置の画面は、前記第1表示装置の画面よりも下方に位置する、
車両。
【請求項11】
請求項
9に記載の車両であって、
前記第2表示装置の画面の表示を前記第1表示装置の画面の表示よりも抑制するとは、前記第2表示装置の画面を表示せず、前記第1表示装置の画面を表示することを意味する、
車両。
【請求項12】
請求項
9に記載の車両であって、
前記第2表示装置の画面の表示を前記第1表示装置の画面の表示よりも抑制するとは、前記第2表示装置の画面に情報を表示せず、前記第1表示装置の画面に情報を表示することを意味する、
車両。
【請求項13】
請求項
9に記載の車両であって、
前記表示制御装置は、
前記視線検出装置によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面の位置と適合する場合、前記第2表示装置の画面を表示する、
車両。
【請求項14】
請求項
9に記載の車両であって、
前記表示制御装置は、
前記第1表示装置の画面に、前記車両の速度情報を表示し、
前記第2表示装置の画面に、前記速度情報を表示しない、
車両。
【請求項15】
請求項
9に記載の車両であって、
前記表示制御装置は、
前記視線検出装置によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第3表示装置の画面の位置に適合する場合、前記第2表示装置の画面の表示を前記第3表示装置の画面の表示よりも抑制し、
前記視線検出装置によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面の位置に適合する場合、前記第3表示装置の画面の表示を前記第2表示装置の画面の表示よりも抑制する、
車両。
【請求項16】
請求項
9に記載の車両であって、
前記表示制御装置は、
前記第1表示装置の画面に、運転の危険回避のための情報を表示し、
前記第2表示装置の画面に、前記車両の安全な走行に関わる情報を表示し、
前記第3表示装置の画面に、前記車両の走行を支援するための情報を表示する、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示制御方法、及び、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両のフロントガラスにおいて、運転者の前方にある運転視界領域より上方に表示領域を設定し、この表示領域に道路情報を表示させるヘッドアップディスプレイと、車両に設置され、車両より所定方向にある道路を監視するカメラと、このカメラが検出した映像を道路情報としてヘッドアップディスプレイに出力し、フロントガラスの表示領域に表示させる制御手段とを備える車両用表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-324745号公報
【文献】特開2009-248812号公報
【文献】特開2013-256245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両には、ヘッドアップディスプレイの他に、IC(Instrument Cluster)及び/又はCID(Center Information Display)など、様々な表示装置が搭載されている。運転者は、車両の走行中は運転に集中すべきところ、表示装置の画面に不意に視線を移動させてしまう可能性がある。運転の安全性を高めるためには、運転者の不意な視線移動を低減することが求められる。
【0005】
本開示の目的は、運転者による不意の視線移動を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示制御方法は、車両が備える第1表示装置及び第2表示装置の表示を制御する表示制御方法であって、前記第1表示装置は、運転者がフロントガラス越しに車外を視認可能な位置に透過性を有する画面を表示し、前記第2表示装置の画面は、前記第1表示装置の画面と異なる位置に存在し、前記車両が備える視線検出装置によって検出された運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面の位置と適合しない場合、前記第2表示装置の画面の表示を前記第1表示装置の画面の表示よりも抑制する。
【0007】
本開示の一態様に係る車両は、第1車輪と第2車輪と第3車輪と第4車輪とを備え、所定の向きに走行可能な車両であって、第1表示装置と、第2表示装置と、前記車両の運転者の視線を検出する視線検出装置と、前記第1表示装置及び前記第2表示装置の表示を制御する表示制御装置とを備え、前記第1表示装置は、運転者がフロントガラス越しに車外を視認可能な位置に透過性を有する画面を表示し、前記第2表示装置の画面は、前記第1表示装置の画面と異なる位置に存在し、前記表示制御装置は、前記視線検出装置によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面の位置と適合しない場合、前記第2表示装置の画面の表示を前記第1表示装置の画面の表示よりも抑制する。
【0008】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、運転者の不意な視線移動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る車両及び表示制御システムの構成例を示すブロック図
【
図2】実施の形態1に係る車両の車内の構成例を示す図
【
図3】実施の形態1に係る各表示装置が画面に表示する情報の一例を示す図
【
図4】実施の形態1に係る表示制御装置の処理の一例を示すフローチャート
【
図5】実施の形態1に係る第1表示装置の状態遷移を示す図
【
図6】実施の形態1に係る第2表示装置の状態遷移を示す図
【
図7】実施の形態1に係る第3表示装置の状態遷移を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0012】
(実施の形態1)
<表示制御システムの構成>
図1は、実施の形態1に係る車両1及び表示制御システム10の構成例を示すブロック図である。
図2は、実施の形態1に係る車両1の車内の構成例を示す図である。
図3は、実施の形態1に係る各表示装置が画面に表示する情報の一例を示す図である。
【0013】
図1に示すように、車両1は、第1車輪2A、第2車輪2B、第3車輪2C、及び、第4車輪2Dを少なくとも備え、第1車輪2A、第2車輪2B、第3車輪2C、及び、第4車輪2Dを使って、所定の向きに走行可能である。
【0014】
図1に示すように、車両1は、表示制御システム10を備える。表示制御システム10は、第1表示装置11、第2表示装置12、第3表示装置13、視線検出装置14、及び、表示制御装置15を含む。これらの装置は、車載ネットワーク16に接続されており、互いに情報を送受信できる。車載ネットワーク16の例として、CAN(Controller Area Network)、LIN、FlexRay等が挙げられる。
【0015】
第1表示装置11は、運転者がフロントガラス3越しに車外の風景を視認可能な位置に、透過性を有する画面を表示する。ユーザは、第1表示装置の画面21を透視して車外を視認可能である。
【0016】
第1表示装置11は、例えばフロントガラス投影型HUD(Head-Up Display)であり、フロントガラス3に画面を投影する。運転者は、フロントガラス3に投影された半透明な画面と、フロントガラス3越しに見える車外の風景とを一度に見ることができる。
【0017】
第1表示装置11は、例えばコンバイナー投影型HUDであり、フロントガラス3の手前に設置された透明なコンバイナーに画面を投影する。運転者は、コンバイナーに投影された半透明な画面と、コンバイナー及びフロントガラス3越しに見える車外の風景とを一度に見ることができる。
【0018】
このように、運転者は、前方から視線を移動させることなく、第1表示装置11が表示する画面を見ることができる。
【0019】
図2に示すように、第1表示装置の画面21には、車両1の速度情報が表示される。これにより、運転者は、前方から視線を移動させることなく、車両1の速度を確認できる。よって、運転者はより安全に運転することができる。
【0020】
さらに、第1表示装置の画面21には、運転の危険回避のための情報である第1の情報が表示される。
図3に示すように、第1の情報の例として、以下が挙げられる。
・車両1の前方に他の車両又は障害物を検出したことを示す警報情報
・車間距離が短いことを示す警報情報
・運転者の死角に二輪車又は歩行者が存在することを示す警報情報
・運転者の居眠り又は疲労を検出したことを示す警報情報
・車両1の後側方に他の車両が存在することを示す警報情報
・横断歩道上に歩行者が存在することを示す警報情報
【0021】
第2表示装置12は、例えばIC(Instrument Cluster)であり、例えば第1表示装置11の下方におけるハンドル4の奥方のダッシュボード5に設置される。第2表示装置の画面22は、第1表示装置の画面21と異なる位置に存在し、例えば、第1表示装置の画面21よりも下方に位置する。
【0022】
第2表示装置の画面22には、車両1の安全な走行に関わる情報である第2の情報が表示される。
図3に示すように、第2の情報の例として、以下が挙げられる。
・緊急車両が接近中であることを示す通知情報
・車両1のタイヤの空気圧が低下していることを示す通知情報
・車両1のドアが開放されていることを示す通知情報
・運転者又は搭乗者がシートベルトを着用していないことを示す通知情報
・燃料(又は蓄電量)が不足していることを示す通知情報
【0023】
なお、車両1の速度情報は、第1表示装置の画面21に表示されるので、第2表示装置の画面22に表示されなくてもよい。これにより、運転者が、車両1の速度を確認するために第2表示装置の画面22に視線を移動することがなくなり、運転者の脇見運転を抑制できる。
【0024】
第3表示装置13は、例えばCID(Center Information Display)であり、例えば運転席6と助手席7の間のダッシュボード5に設置される。第3表示装置の画面23は、第1表示装置の画面21及び第2表示装置の画面22と異なる位置存在する。例えば、第3表示装置の画面23は、運転席6を基準として、第2表示装置の画面22よりも遠い位置に存在する。
【0025】
第3表示装置の画面23には、車両1の走行を支援するための情報である第3の情報が表示される。
図3に示すように、第3の情報の例として、以下が挙げられる。
・ナビゲーション情報
・渋滞情報
・高速道路の料金情報
・オーディオに関する情報
・エアコンに関する情報
・天気情報
【0026】
視線検出装置14は、運転者の視線位置を検出する。例えば、視線検出装置14はカメラを含み、次のステップS11~ステップS13の処理により運転者の視線位置を検出する。
(S11)視線検出装置14は、カメラで運転者の顔を撮影し、顔画像を生成する。
(S12)視線検出装置14は、顔画像を分析し(例えば顔の向き及び眼球の向き等を分析し)、運転者の視線位置を検出する。
(S13)視線検出装置14は、検出した運転者の視線位置を含む視線位置情報を他の装置に提供する。視線位置は、例えば、運転者に対向する仮想的な平面における2次元座標として表現される。
【0027】
第1表示装置の画面21は、運転者が前方から視線を移動させることなく見ることができるため、運転者が運転に集中することを妨げない。一方、第2表示装置の画面22又は第3表示装置の画面23は、運転者が前方から視線を移動させることなく見ることができないため、運転者が運転に集中することを妨げ得る。
【0028】
そこで、表示制御装置15は、視線検出装置14から受信した視線位置情報に基づいて、第1表示装置11、第2表示装置12、及び、第3表示装置13のうちの少なくとも1つの画面の表示を制御する。なお、表示制御装置15は、ECU(Electronic Control Unit)、プロセッサ、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又は、FPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてよい。
【0029】
例えば、表示制御装置15は、視線位置情報に含まれる視線位置が第2表示装置の画面22の位置と適合しない場合、第2表示装置の画面22の表示を第1表示装置の画面21の表示よりも抑制する。第2表示装置の画面22の表示を第1表示装置の画面21の表示よりも抑制するとは、第2表示装置の画面22を表示せずに、第1表示装置の画面21を表示することを意味してもよいし、第2表示装置の画面22に情報を表示せず、第1表示装置の画面21に情報を表示することを意味してもよい。これにより、運転者が前方を見て運転に集中している場合に、第2表示装置の画面22の表示に気を取られて、不意に視線を第2表示装置の画面22に移動させてしまうことを低減できる。
【0030】
例えば、表示制御装置15は、視線位置情報に含まれる視線位置が第2表示装置の画面22の位置と適合する場合、第2表示装置の画面22を表示する。これにより、運転者は、第2表示装置12が出力する第2の情報を見たい場合、視線を第2表示装置の画面22に移動させるだけで、第2の情報を見ることができる。
【0031】
例えば、視線位置情報に含まれる視線位置が第2表示装置の画面22の位置及び第3表示装置の画面23の位置のいずれにも適合しない場合、第2表示装置の画面22の表示及び第3表示装置の画面23の表示をいずれも第1表示装置の画面21の表示よりも抑制する。第2表示装置の画面22の表示及び第3表示装置の画面23をいずれも第1表示装置の画面21の表示よりも抑制するとは、第2表示装置の画面22及び第3表示装置の画面23を表示せずに、第1表示装置の画面21を表示することを意味してもよいし、第2表示装置の画面22及び第3表示装置の画面23に情報を表示せず、第1表示装置の画面21に情報を表示することを意味してもよい。これにより、運転者が前方を見て運転に集中している場合に、第2表示装置の画面22の表示又は第3表示装置の画面23の表示に気を取られて、不意に視線を第2表示装置の画面22又は第3表示装置の画面23に移動させてしまうことを低減できる。
【0032】
例えば、表示制御装置15は、視線位置情報に含まれる視線位置が第3表示装置の画面23の位置に適合する場合、第2表示装置の画面22の表示を第3表示装置の画面23の表示よりも抑制する。第2表示装置の画面22の表示を第3表示装置の画面23の表示よりも抑制するとは、第2表示装置の画面22を表示せずに、第3表示装置の画面23を表示することを意味してもよいし、第2表示装置の画面22に情報を表示せず、第3表示装置の画面23に情報を表示することを意味してもよい。これにより、運転者は、第3表示装置13が出力する第3の情報を見たい場合、視線を第3表示装置の画面23に移動させることで、第3の情報を見ることができる。また、運転者が第2表示装置の画面22の表示に気を取られて、不意に視線を第2表示装置の画面22に移動させてしまうことを低減できる。
【0033】
例えば、表示制御装置15は、視線位置情報に含まれる視線位置が第2表示装置の画面22の位置に適合する場合、第3表示装置の画面23の表示を第2表示装置の画面22の表示よりも抑制する。第3表示装置の画面23の表示を第2表示装置の画面22の表示よりも抑制するとは、第3表示装置の画面23を表示せずに、第2表示装置の画面22を表示することを意味してもよいし、第2表示装置の画面22に情報を表示せず、第3表示装置の画面23に情報を表示することを意味してもよい。これにより、運転者は、第2表示装置12が出力する第2の情報を見たい場合、視線を第2表示装置の画面22に移動させることで、第2の情報を見ることができる。また、運転者が第3表示装置の画面23の表示に気を取られて、不意に視線を第3表示装置の画面23に移動させてしまうことを低減できる。
【0034】
このように、本実施の形態に係る表示制御システム10によれば、運転者が運転に集中することを妨げることなく(つまり運転者の脇見を抑制しつつ)、運転者が求める情報を適切に提示することができる。以下、詳細に説明する。
【0035】
<表示制御装置の処理>
図4は、実施の形態1に係る表示制御装置15の処理の一例を示すフローチャートである。次に、
図4を参照して、表示制御装置15の処理について詳細に説明する。
【0036】
表示制御装置15は、車両1の電源ON(又はエンジンON)を検出した場合、
図4に示す処理を開始する。
【0037】
表示制御装置15は、第1表示装置11に画面を表示させる(S101)。すなわち、表示制御装置15は、第1表示装置の画面21に、第1の情報を表示させる。
【0038】
表示制御装置15は、例えば速度情報に基づいて、車両1が停止中であるか否かを判定する(S102)。なお、表示制御装置15は、車両1が停止中であるか否かの判定に代えて、車両1が走行中であるか否かを判定してもよい。
【0039】
表示制御装置15は、車両1が停止中である場合(又は車両1が走行中でない場合)(S102:YES)、第2表示装置の画面22及び第3表示装置の画面23を表示する(S103)。すなわち、表示制御装置15は、第2表示装置の画面22に第2の情報を表示し、第3表示装置の画面23に第3の情報を表示する。これにより、運転者は、車両1の停止中に、第2表示装置の画面22又は第3表示装置の画面23をすぐに見ることができる。そして、表示制御装置15は、処理をステップS109に進める。
【0040】
表示制御装置15は、車両1が停止中でない場合(又は車両1が走行中である場合)(S102:NO)、運転者の視線位置が第2表示装置の画面22の位置に適合するか否かを判定する(S104)。
【0041】
運転者の視線位置が第2表示装置の画面22の位置に適合する場合(S104:YES)、表示制御装置15は、第2表示装置の画面22を表示し、第3表示装置の画面23を表示しない(S105)。なお、第3表示装置の画面23を表示しないとは、第3表示装置の画面23に第3の情報を表示しないことであってもよいし、第3表示装置の画面23を通常よりも暗くすることであってもよい。これにより、運転者は、第2表示装置の画面22に視線を移動させることで、第2の情報を得ることができる。加えて、運転者が第3表示装置の画面23に気を取られることを低減できる。そして、表示制御装置15は、処理をステップS109に進める。
【0042】
運転者の視線位置が第2表示装置の画面22の位置に適合しない場合(S104:NO)、表示制御装置15は、運転者の視線位置が第3表示装置の画面23の位置に適合する否かを判定する(S106)。
【0043】
運転者の視線位置が第3表示装置の画面23の位置に適合する場合(S106:YES)、表示制御装置15は、第3表示装置の画面23を表示し、第2表示装置の画面22を表示しない(S107)。なお、第2表示装置の画面22を表示しないとは、第2表示装置の画面22に第2の情報を表示しないことであってもよいし、第2表示装置の画面22を通常よりも暗くすることであってもよい。これにより、運転者は、第3表示装置の画面23に視線を移動させることで、第3の情報を得ることができる。加えて、運転者が第2表示装置の画面22に気を取られることを低減できる。そして、表示制御装置15は、処理をステップS109に進める。
【0044】
運転者の視線位置が第2表示装置の画面22の位置及び第3表示装置の画面23の位置のいずれにも適合しない場合(S106:NO)、表示制御装置15は、第2表示装置の画面22及び第3表示装置の画面23を表示しない(S108)。なお、第2表示装置の画面22及び第3表示装置の画面23を表示しないとは、第2表示装置の画面22及び第3表示装置の画面23にそれぞれ第2の情報及び第3の情報を表示しないことであってもよいし、第2表示装置の画面22及び第3表示装置の画面23を通常よりも暗くすることであってもよい。これにより、運転者が前方を見て運転に集中しているときに、第2表示装置の画面22の表示又は第3表示装置の画面23の表示に気を取られて、不意に視線を第2表示装置の画面22又は第3表示装置の画面23に移動させてしまうことを低減できる。そして、表示制御装置15は、処理をステップS109に進める。
【0045】
表示制御装置15は、車両1の電源OFF(又はエンジンOFF)が検出されたか否かを判定する(S109)。表示制御装置15は、電源OFF(又はエンジンOFF)が検出されない場合(S109:NO)、処理をステップS101に戻し、電源OFF(又はエンジンOFF)が検出された場合(S109:YES)、本処理を終了する。
【0046】
<第1表示装置の状態遷移>
図5は、実施の形態1に係る第1表示装置11の状態遷移を示す図である。表示制御装置15は、当該
図5に示すように、第1表示装置11の状態を遷移させてよい。
【0047】
表示制御装置15は、第1表示装置11がOFF状態31のときに、車両1の電源ON(又はエンジンON)を検出した場合、第1表示装置11をON状態32に遷移させる(D101)。第1表示装置11がON状態32である場合、表示制御装置15は、第1表示装置の画面21を表示する。例えば、表示制御装置15は、第1表示装置11に第1の情報を送信する、又は、第1表示装置の画面21を明るくする。
【0048】
表示制御装置15は、第1表示装置11がON状態32のときに、車両1の電源OFF(又はエンジンOFF)を検出した場合、第1表示装置11をOFF状態31に遷移させる(D102)。第1表示装置11がOFF状態31である場合、表示制御装置15は、第1表示装置の画面21を表示しない。例えば、表示制御装置15は、第1表示装置11に第1の情報を送信しない、又は、第1表示装置の画面21を暗くする。
【0049】
<第2表示装置の状態遷移>
図6は、実施の形態1に係る第2表示装置12の状態遷移を示す図である。表示制御装置15は、当該
図6に示すように、第2表示装置12の状態を遷移させてよい。
【0050】
表示制御装置15は、第2表示装置12がOFF状態41のときに、車両1の電源ON(又はエンジンON)を検出した場合、第2表示装置12を停止中状態42に遷移させる(D201)。第2表示装置12が停止中状態42である場合、表示制御装置15は、第2表示装置の画面22を表示する。例えば、表示制御装置15は、第2表示装置12に第2の情報を送信する、又は、第2表示装置の画面22を明るくする。
【0051】
表示制御装置15は、第2表示装置12が停止中状態42のときに、車両1の走行開始を検出し、かつ、運転者の視線位置が第2表示装置の画面22の位置に適合することを検出した場合、第2表示装置12を走行中視線有り状態43に遷移させる(D202)。第2表示装置12が走行中視線有り状態43である場合、表示制御装置15は、第2表示装置の画面22を表示する。例えば、表示制御装置15は、第2表示装置12に第2の情報を送信する、又は、第2表示装置の画面22を明るくする。
【0052】
表示制御装置15は、第2表示装置12が停止中状態42のときに、車両1の走行開始を検出し、かつ、運転者の視線位置が第2表示装置の画面22の位置に適合しないことを検出した場合、第2表示装置12を走行中視線無し状態44に遷移させる(D203)。第2表示装置12が走行中視線無し状態44である場合、表示制御装置15は、第2表示装置の画面22を表示しない。例えば、表示制御装置15は、第2表示装置12に第2の情報を送信しない、又は、第2表示装置の画面22を暗くする。
【0053】
表示制御装置15は、第2表示装置12が走行中視線有り状態43のときに、運転者の視線位置が第2表示装置の画面22の位置に適合しなくなったこと(つまり運転者が視線を逸らしたこと)を検出した場合、第2表示装置12を走行中視線無し状態44に遷移させる(D204)。
【0054】
表示制御装置15は、第2表示装置12が走行中視線無し状態44のときに、運転者の視線位置が第2表示装置の画面22の位置に適合するようになったこと(つまり運転者が視線を向けたこと)を検出した場合、第2表示装置12を走行中視線有り状態43に遷移させる(D205)。
【0055】
表示制御装置15は、第2表示装置12が走行中視線有り状態43のときに、車両1の停止を検出した場合、第2表示装置12を停止中状態42に遷移させる(D206)。
【0056】
表示制御装置15は、第2表示装置12が走行中視線無し状態44のときに、車両1の停止を検出した場合、第2表示装置12を停止中状態42に遷移させる(D207)。
【0057】
表示制御装置15は、第2表示装置12が停止中状態42のときに、車両1の電源OFF(又はエンジンOFF)を検出した場合、第2表示装置12をOFF状態41に遷移させる(D208)。第2表示装置12がOFF状態41である場合、表示制御装置15は、第2表示装置の画面22を表示しない。例えば、表示制御装置15は、第2表示装置12に第2の情報を送信しない、又は、第2表示装置の画面22を暗くする。
【0058】
<第3表示装置の状態遷移>
図7は、実施の形態1に係る第3表示装置13の状態遷移を示す図である。表示制御装置15は、当該
図7に示すように、第3表示装置13の状態を遷移させてよい。
【0059】
表示制御装置15は、第3表示装置13がOFF状態51のときに、車両1の電源ON(又はエンジンON)を検出した場合、第3表示装置13を停止中状態52に遷移させる(D301)。第3表示装置13が停止中状態52である場合、表示制御装置15は、第3表示装置の画面23を表示する。例えば、表示制御装置15は、第3表示装置13に第3の情報を送信する、又は、第3表示装置の画面23を明るくする。
【0060】
表示制御装置15は、第3表示装置13が停止中状態52のときに、車両1の走行開始を検出し、かつ、運転者の視線位置が第3表示装置の画面23の位置に適合することを検出した場合、第3表示装置13を走行中視線有り状態53に遷移させる(D302)。第3表示装置13が走行中視線有り状態53である場合、表示制御装置15は、第3表示装置の画面23を表示する。例えば、表示制御装置15は、第3表示装置13に第3の情報を送信する、又は、第3表示装置の画面23を明るくする。
【0061】
表示制御装置15は、第3表示装置13が停止中状態52のときに、車両1の走行開始を検出し、かつ、運転者の視線位置が第3表示装置の画面23の位置に適合しないことを検出した場合、第3表示装置13を走行中視線無し状態54に遷移させる(D303)。第3表示装置13が走行中検出無し状態54である場合、表示制御装置15は、第3表示装置の画面23を表示しない。例えば、表示制御装置15は、第3表示装置13に第3の情報を送信しない、又は、第3表示装置の画面23を暗くする。
【0062】
表示制御装置15は、第3表示装置13が走行中視線有り状態53のときに、運転者の視線位置が第3表示装置の画面23の位置に適合しなくなったこと(つまり運転者が視線を逸らしたこと)を検出した場合、第3表示装置13を走行中視線無し状態54に遷移させる(D304)。
【0063】
表示制御装置15は、第3表示装置13が走行中視線無し状態54のときに、運転者の視線位置が第3表示装置の画面23の位置に適合するようになったこと(つまり運転者が視線を向けたこと)を検出した場合、第3表示装置13を走行中視線有り状態53に遷移させる(D305)。
【0064】
表示制御装置15は、第3表示装置13が走行中視線有り状態53のときに、車両1の停止を検出した場合、第3表示装置13を停止中状態52に遷移させる(D306)。
【0065】
表示制御装置15は、第3表示装置13が走行中視線無し状態54のときに、車両1の停止を検出した場合、第3表示装置13を停止中状態52に遷移させる(D307)。
【0066】
表示制御装置15は、第3表示装置13が停止中状態52のときに、車両1の電源OFF(又はエンジンOFF)を検出した場合、第3表示装置13をOFF状態51に遷移させる(D308)。第3表示装置13がOFF状態51である場合、表示制御装置15は、第3表示装置の画面23を表示しない。例えば、表示制御装置15は、第3表示装置13に第3の情報を送信しない、又は、第3表示装置の画面23を暗くする。
【0067】
(本開示のまとめ)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0068】
<技術1>
車両1が備える第1表示装置11及び第2表示装置12の表示を制御する表示制御方法において、前記第1表示装置11は、運転者がフロントガラス3越しに車外を視認可能な位置に透過性を有する画面(例えば第1表示装置の画面21)を表示し、前記第2表示装置の画面22は、前記第1表示装置の画面21と異なる位置に存在し、前記車両1が備える視線検出装置14によって検出された運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面22の位置と適合しない場合、前記第2表示装置の画面22の表示を前記第1表示装置の画面21の表示よりも抑制する。
これにより、運転者の視線の位置が第2表示装置の画面22の位置と適合しない場合、第2表示装置の画面22の表示は第1表示装置の画面21の表示よりも抑制されるので、運転者が不意に視線を第2表示装置の画面22に移動させてしまうことを低減できる。
【0069】
<技術2>
技術1に記載の表示制御方法において、前記第2表示装置の画面22は、前記第1表示装置の画面21よりも下方に位置する。
これにより、運転者が不意に視線を、第1表示装置の画面21よりも下方に位置する第2表示装置の画面22に移動させてしまうことを低減できる。
【0070】
<技術3>
技術1又は2に記載の表示制御方法において、前記第2表示装置の画面22の表示を前記第1表示装置の画面21の表示よりも抑制するとは、前記第2表示装置の画面22を表示せず、前記第1表示装置の画面21を表示することを意味する。
これにより、運転者の視線の位置が第2表示装置の画面22の位置と適合しない場合、第2表示装置の画面22は表示されないので、運転者が不意に視線を第2表示装置の画面22に移動させてしまうことを低減できる。すなわち、運転者が脇見運転してしまうことを低減できる。
【0071】
<技術4>
技術1又は2に記載の表示制御方法において、前記第2表示装置の画面22の表示を前記第1表示装置の画面21の表示よりも抑制するとは、前記第2表示装置の画面22に情報を表示せず、前記第1表示装置の画面21に情報を表示することを意味する。
これにより、運転者の視線の位置が第2表示装置の画面22の位置と適合しない場合、第2表示装置の画面22に情報は表示されないので、運転者が不意に視線を第2表示装置の画面22に移動させてしまうことを低減できる。すなわち、運転者が脇見運転してしまうことを低減できる。
【0072】
<技術5>
技術1から4のいずれか1項に記載の表示制御方法において、前記視線検出装置14によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面22の位置と適合する場合、前記第2表示装置の画面22を表示する。
これにより、運転者は第2表示装置の画面22に視線を移動させることで、第2表示装置が提供する情報を得ることができる。
【0073】
<技術6>
技術1から5のいずれか1項に記載の表示制御方法において、前記車両1が停止中である場合、前記視線検出装置14によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面22の位置と適合するか否かに関わらず、前記第2表示装置の画面22を表示する。
これにより、運転者は、車両1の停止中に、第2表示装置12が提供する情報を得ることができる。
【0074】
<技術7>
技術1から6のいずれか1項に記載の表示制御方法において、前記第1表示装置の画面21に、前記車両1の速度情報を表示し、前記第2表示装置の画面22に、前記速度情報を表示しない。
これにより、運転者は、車両1の速度を確認する際に、第2表示装置の画面22ではなく、第1表示装置の画面21を見るので、前方から視線を逸らすことなく(つまり脇見運転をすることなく)、集中して運転することができる。
【0075】
<技術8>
技術1から7のいずれか1項に記載の表示制御方法において、前記車両1が第3表示装置13をさらに備え、前記第3表示装置の画面23は、前記運転者の座席(例えば運転席6)を基準として、前記第2表示装置の画面22よりも遠い位置に存在し、前記視線検出装置14によって検出された前記運転者の視線の位置が、前記第2表示装置の画面22の位置及び前記第3表示装置の画面23の位置のいずれにも適合しない場合、前記第2表示装置の画面22の表示及び前記第3表示装置の画面23の表示をいずれも前記第1表示装置の画面21の表示よりも抑制する。
これにより、運転者の視線の位置が第2表示装置の画面22の位置及び第3表示装置の画面23の位置のいずれにも適合しない場合、第2表示装置の画面22の表示及び第3表示装置の画面23の表示はいずれも第1表示装置の画面21の表示よりも抑制されるので、運転者が不意に視線を第2表示装置の画面22又は第3表示装置の画面23に移動させてしまうことを低減できる。すなわち、運転者が脇見運転してしまうことを低減できる。
【0076】
<技術9>
技術8に記載の表示制御方法において、前記視線検出装置14によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第3表示装置の画面23の位置に適合する場合、前記第2表示装置の画面22の表示を前記第3表示装置の画面23の表示よりも抑制し、前記視線検出装置14によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面22の位置に適合する場合、前記第3表示装置の画面23の表示を前記第2表示装置の画面22の表示よりも抑制する。
これにより、運転者は、第3表示装置の画面23に視線を移動させることで、第3表示装置13が提供する情報を得ることができ、第2表示装置の画面22に視線を移動させることで、第2表示装置12が提供する情報を得ることができる。
【0077】
<技術10>
技術8又は9に記載の表示制御方法において、前記第1表示装置の画面21に、運転の危険回避のための情報を表示し、前記第2表示装置の画面22に、前記車両の安全な走行に関わる情報を表示し、前記第3表示装置の画面23に、前記車両1の走行を支援するための情報を表示する。
これにより、運転者は、第1表示装置の画面21から、運転の危険回避のための情報を得ることができ、第2表示装置の画面22から、車両の安全な走行に関わる情報を得ることができ、第3表示装置の画面23から、車両1の走行を支援するための情報を得ることができる。
【0078】
<技術11>
第1車輪2Aと第2車輪2Bと第3車輪2Cと第4車輪2Dとを備え、所定の向きに走行可能な車両1は、第1表示装置11と、第2表示装置12と、前記車両1の運転者の視線を検出する視線検出装置14と、前記第1表示装置11及び前記第2表示装置12の表示を制御する表示制御装置15とを備え、前記第1表示装置11は、運転者がフロントガラス3越しに車外を視認可能な位置に透過性を有する画面(例えば第1表示装置の画面21)を表示し、前記第2表示装置の画面22は、前記第1表示装置の画面21と異なる位置に存在し、前記表示制御装置15は、前記視線検出装置14によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面22の位置と適合しない場合、前記第2表示装置の画面22の表示を前記第1表示装置の画面21の表示よりも抑制する。
これにより、運転者の視線の位置が第2表示装置の画面22の位置と適合しない場合、第2表示装置の画面22の表示は第1表示装置の画面21の表示よりも抑制されるので、運転者が不意に視線を第2表示装置の画面22に移動させてしまうことを低減できる。
【0079】
<技術12>
技術11に記載の車両1において、前記第2表示装置の画面22は、前記第1表示装置の画面21よりも下方に位置する。
これにより、運転者が不意に視線を、第1表示装置の画面21よりも下方に位置する第2表示装置の画面22に移動させてしまうことを低減できる。
【0080】
<技術13>
技術11又は12に記載の車両1において、前記第2表示装置の画面22の表示を前記第1表示装置の画面21の表示よりも抑制するとは、前記第2表示装置の画面22を表示せず、前記第1表示装置の画面21を表示することを意味する。
これにより、運転者の視線の位置が第2表示装置の画面22の位置と適合しない場合、第2表示装置の画面22は表示されないので、運転者が不意に視線を第2表示装置の画面22に移動させてしまうことを低減できる。すなわち、運転者が脇見運転してしまうことを低減できる。
【0081】
<技術14>
技術11又は12に記載の車両1において、前記第2表示装置の画面22の表示を前記第1表示装置の画面21の表示よりも抑制するとは、前記第2表示装置の画面22に情報を表示せず、前記第1表示装置の画面21に情報を表示することを意味する。
これにより、運転者の視線の位置が第2表示装置の画面22の位置と適合しない場合、第2表示装置の画面22に情報は表示されないので、運転者が不意に視線を第2表示装置の画面22に移動させてしまうことを低減できる。すなわち、運転者が脇見運転してしまうことを低減できる。
【0082】
<技術15>
技術11から14のいずれか1項に記載の車両1において、前記表示制御装置15は、前記視線検出装置14によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面22の位置と適合する場合、前記第2表示装置の画面22を表示する。
これにより、運転者は第2表示装置の画面22に視線を移動させることで、第2表示装置が提供する情報を得ることができる。
【0083】
<技術16>
技術11から15のいずれか1項に記載の車両1において、前記表示制御装置15は、
前記車両1が停止中である場合、前記視線検出装置14によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面22の位置と適合するか否かに関わらず、前記第2表示装置の画面22を表示する。
これにより、運転者は、車両1の停止中に、第2表示装置12が提供する情報を得ることができる。
【0084】
<技術17>
技術11から16に記載の車両1において、前記表示制御装置15は、前記第1表示装置の画面21に、前記車両1の速度情報を表示し、前記第2表示装置の画面22に、前記速度情報を表示しない。
これにより、運転者は、車両1の速度を確認する際に、第2表示装置の画面22ではなく、第1表示装置の画面21を見るので、前方から視線を逸らすことなく(つまり脇見運転をすることなく)、集中して運転することができる。
【0085】
<技術18>
技術11から17のいずれか1項に記載の車両1において、第3表示装置13をさらに備え、前記第3表示装置の画面23は、前記運転者の座席(例えば運転席6)を基準として、前記第2表示装置の画面22よりも遠い位置に存在し、前記表示制御装置15は、前記視線検出装置14によって検出された前記運転者の視線の位置が、前記第2表示装置の画面22の位置及び前記第3表示装置の画面23の位置のいずれにも適合しない場合、前記第2表示装置の画面22の表示及び前記第3表示装置の画面23の表示をいずれも前記第1表示装置の画面21の表示よりも抑制する。
これにより、運転者の視線の位置が第2表示装置の画面22の位置及び第3表示装置の画面23の位置のいずれにも適合しない場合、第2表示装置の画面22の表示及び第3表示装置の画面23の表示はいずれも第1表示装置の画面21の表示よりも抑制されるので、運転者が不意に視線を第2表示装置の画面22又は第3表示装置の画面23に移動させてしまうことを低減できる。すなわち、運転者が脇見運転してしまうことを低減できる。
【0086】
<技術19>
技術18に記載の車両1において、前記表示制御装置15は、前記視線検出装置14によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第3表示装置の画面23の位置に適合する場合、前記第2表示装置の画面22の表示を前記第3表示装置の画面23の表示よりも抑制し、前記視線検出装置14によって検出された前記運転者の視線の位置が前記第2表示装置の画面22の位置に適合する場合、前記第3表示装置の画面23の表示を前記第2表示装置の画面22の表示よりも抑制する。
これにより、運転者は、第3表示装置の画面23に視線を移動させることで、第3表示装置13が提供する情報を得ることができ、第2表示装置の画面22に視線を移動させることで、第2表示装置12が提供する情報を得ることができる。
【0087】
<技術20>
技術18又は19に記載の車両1において、前記表示制御装置15は、前記第1表示装置の画面21に、運転の危険回避のための情報を表示し、前記第2表示装置の画面22に、前記車両の安全な走行に関わる情報を表示し、前記第3表示装置の画面23に、前記車両の走行を支援するための情報を表示する。
これにより、運転者は、第1表示装置の画面21から、運転の危険回避のための情報を得ることができ、第2表示装置の画面22から、車両の安全な走行に関わる情報を得ることができ、第3表示装置の画面23から、車両1の走行を支援するための情報を得ることができる。
【0088】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本開示の技術は、車内に複数の表示装置を備える車両に有用である。
【符号の説明】
【0090】
1 車両
2A 第1車輪
2B 第2車輪
2C 第3車輪
2D 第4車輪
3 フロントガラス
4 ハンドル
5 ダッシュボード
6 運転席
7 助手席
10 表示制御システム
11 第1表示装置
12 第2表示装置
13 第3表示装置
14 視線検出装置
15 表示制御装置
16 車載ネットワーク
21 第1表示装置の画面
22 第2表示装置の画面
23 第3表示装置の画面
31 OFF状態
32 ON状態
41 OFF状態
42 停止中状態
43 走行中視線有り状態
44 走行中視線無し状態
51 OFF状態
52 停止中状態
53 走行中視線有り状態
54 走行中視線無し状態