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特許7636502情報処理装置、システム及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、システム及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20250218BHJP
【FI】
G06Q30/0601 308
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023187856
(22)【出願日】2023-11-01
【審査請求日】2023-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 彬子
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-124855(JP,A)
【文献】特開2000-137872(JP,A)
【文献】特開2022-006897(JP,A)
【文献】国際公開第2021/157023(WO,A1)
【文献】特開2018-170046(JP,A)
【文献】特開2022-007708(JP,A)
【文献】特開2012-089024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
顧客の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
商品を特定する情報を取得する情報取得手段と、
外部のサーバと通信する通信手段と、
処理手段と、
を備え、
前記通信手段は、前記生体情報取得手段が取得した第1の顧客の第1の生体情報をサーバに送信し、
前記通信手段は、前記サーバが保持する生体情報から前記第1の生体情報を用いて検索された第2の生体情報に基づいて特定された前記第1の顧客の第1の顧客情報を、前記サーバから受信し、
前記情報取得手段は、前記第1の顧客が購入を希望する商品を特定するための商品特定情報を取得し、
前記処理手段は、前記商品特定情報により特定される商品が所定の商品である場合に、前記所定の商品についての購入予定数と、前記第1の顧客情報に基づく前記第1の顧客の過去の購入数とに基づく累計購入数が、予め定められた上限数を超えるか否かを判定し、
通信手段は、前記処理手段の判定結果に基づく前記第1の顧客の購入商品に関する購入情報を前記サーバに送信
前記サーバから受信した前記第1の顧客情報と、前記処理手段による前記判定結果に基づき、前記第1の顧客が購入予定の商品に関する第1の画面を表示する表示手段と、
操作を受け付ける操作受付手段と
を更に備え、
前記処理手段は、前記累計購入数が前記上限数を超えると判定した場合に拒否判定とし、前記累計購入数が前記上限数を超えないと判定した場合に承認判定とし、
前記第1の画面は、前記購入予定数のうち、前記上限数を超える数を拒否判定数として表示し、前記上限数を超えない数を承認判定数として表示し、
前記サーバへの前記購入情報の送信は、前記操作受付手段に対する操作に応じて行われ、
前記拒否判定となった商品が前記第1の画面に含まれている場合は、前記操作受付手段による前記購入情報の送信指示の受付は停止され、
前記拒否判定となった商品が前記第1の画面に含まれなくなった場合に、前記操作受付手段による前記購入情報の送信指示の受付が許可される、情報処理装置。
【請求項2】
前記サーバは、顧客の生体情報と、該顧客が購入した商品に関する購入履歴を含む顧客情報とを対応付けて管理し、
前記第2の生体情報は、前記第1の生体情報との関連度が最も高い生体情報であって、
前記通信手段は前記第2の生体情報と対応付けて管理されている顧客情報を前記第1の顧客情報として受信する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2の生体情報は、前記第1の生体情報との類似度が所定の閾値以上の生体情報である、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報取得手段は、顧客に割り当てられた識別情報を取得可能に更に構成され、
前記通信手段は、前記情報取得手段が取得した前記第1の顧客に割り当てられた第1の識別情報を前記第1の生体情報と共に前記サーバに送信し、
前記顧客情報には、対応する顧客を識別するための識別情報が含まれ、
前記第2の生体情報は、前記第1の識別情報と一致する識別情報を含む顧客情報と対応付けられた生体情報である、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報取得手段は、バーコードリーダが読み取ったバーコード情報を取得可能に構成され、
前記識別情報は、前記顧客の保持する会員証のバーコードから前記バーコードリーダが読み取った会員番号の情報であり、
前記商品特定情報は、商品に付されたバーコードから前記バーコードリーダが読み取った当該商品に関する情報である、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の画面は、
前記拒否判定がなされた場合に、対応する商品と関連付けて表示される拒否判定標識を含み、
前記承認判定がなされた場合に、対応する商品と関連付けて表示される承認判定標識を含む、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記操作受付手段は、前記累計購入数が前記上限数を超える場合に、前記累計購入数を前記上限数と一致させるための操作を受け付ける、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定の商品は前記累計購入数に上限数が設定されている商品であり、前記上限数は商品ごとに設定されている、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1の画面には、前記所定の商品に該当しない商品に関する情報を含まない、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第1の画面は、前記顧客が購入を希望する商品の全てが前記所定の商品に該当しない場合に、当該商品が対象外の商品であることを示す表示を含む、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第1の生体情報は、前記第1の顧客を撮影した顔画像情報、前記第1の顧客の指紋の情報、前記第1の顧客の手のひらの静脈パターンの情報、前記第1の顧客の虹彩の情報、前記第1の顧客の声紋の情報のうちの少なくともいずれかである、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記顔画像情報に複数の被写体が含まれる場合、いずれか1つの選択された被写体の顔画像情報を前記第1の生体情報とする、請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の情報処理装置と、前記情報処理装置と通信するサーバとを含むシステム。
【請求項14】
前記サーバは、
顧客の生体情報を、前記顧客が購入した商品に関する購入履歴を含む顧客情報と関連付けて登録する記憶手段と、
前記情報処理装置から、第1の顧客について取得された第1の生体情報を受信した場合に、前記第1の生体情報と関連付けられる第2の生体情報を前記記憶手段において検索し、前記記憶手段において前記第2の生体情報と関連付けられた第1の顧客情報を特定する処理手段と、
前記処理手段が特定した前記第1の顧客情報を前記情報処理装置に送信する通信手段と、
を備え、
前記通信手段が前記第1の顧客の購入商品に関する購入情報を受信すると、前記記憶手段の前記顧客情報が、受信した前記購入情報に基づいて更新され
前記顧客情報の前記購入履歴は、累計の購入数に上限数が設定されている商品の購入履歴が含まれる、請求項13に記載のシステム
【請求項15】
前記第2の生体情報は、前記第1の生体情報との類似度が所定の閾値以上の生体情報である、請求項14に記載のシステム
【請求項16】
前記第1の生体情報とに前記第1の顧客を識別する第1の識別情報を受信した場合に、前記処理手段は、前記第2の生体情報を、関連付けられた顧客情報に前記第1の識別情報と一致する識別情報を含む生体情報とする、請求項14に記載のシステム
【請求項17】
コンピュータを、請求項1から12のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、システム及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、限定数製造された商品を限られた購入希望者に販売する形態が存在するが、近年では、このような限定商品が特定の顧客により大量に購入されてしまう事案が発生している。
【0003】
これに対し、登録制として事前に登録を受けた顧客にのみ店舗販売を行うといった形態(特許文献1を参照)をとることで、特定の顧客による大量購入を防止することも可能である。しかし、この場合、事前に登録ができない海外からの旅行客等の善意の来場者が店舗に立ち寄っても購入ができないという問題がある。また、特定の同一顧客が不正に複数の事前登録を行う等により、特定の顧客による大量購入の問題が依然として生じる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-187596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、特定の顧客による商品の大量購入を防止するための、より有効な仕組みの提供が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、情報処理装置であって、顧客の生体情報を取得する生体情報取得手段と、商品を特定する情報を取得する情報取得手段と、外部のサーバと通信する通信手段と、処理手段とを備え、前記通信手段は、前記生体情報取得手段が取得した第1の顧客の第1の生体情報をサーバに送信し、前記通信手段は、前記サーバが保持する生体情報から前記第1の生体情報を用いて検索された第2の生体情報に基づいて特定された前記第1の顧客の第1の顧客情報を、前記サーバから受信し、前記情報取得手段は、前記第1の顧客が購入を希望する商品を特定するための商品特定情報を取得し、前記処理手段は、前記商品特定情報により特定される商品が所定の商品である場合に、前記所定の商品についての購入予定数と、前記第1の顧客情報に基づく前記第1の顧客の過去の購入数とに基づく累計購入数が、予め定められた上限数を超えるか否かを判定し、通信手段は、前記処理手段の判定結果に基づく前記第1の顧客の購入商品に関する購入情報を前記サーバに送信する。
更に本発明は、例えば、情報処理装置であって、
顧客の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
商品を特定する情報を取得する情報取得手段と、
外部のサーバと通信する通信手段と、
処理手段と、
を備え、
前記通信手段は、前記生体情報取得手段が取得した第1の顧客の第1の生体情報をサーバに送信し、
前記通信手段は、前記サーバが保持する生体情報から前記第1の生体情報を用いて検索された第2の生体情報に基づいて特定された前記第1の顧客の第1の顧客情報を、前記サーバから受信し、
前記情報取得手段は、前記第1の顧客が購入を希望する商品を特定するための商品特定情報を取得し、
前記処理手段は、前記商品特定情報により特定される商品が所定の商品である場合に、前記所定の商品についての購入予定数と、前記第1の顧客情報に基づく前記第1の顧客の過去の購入数とに基づく累計購入数が、予め定められた上限数を超えるか否かを判定し、
通信手段は、前記処理手段の判定結果に基づく前記第1の顧客の購入商品に関する購入情報を前記サーバに送信し、
前記サーバから受信した前記第1の顧客情報と、前記処理手段による前記判定結果に基づき、前記第1の顧客が購入予定の商品に関する第1の画面を表示する表示手段と、
を更に備え、
前記処理手段は、前記累計購入数が前記上限数を超えると判定した場合に拒否判定とし、前記累計購入数が前記上限数を超えないと判定した場合に承認判定とし、
前記第1の画面は、前記購入予定数のうち、前記上限数を超える数を拒否判定数として表示し、前記上限数を超えない数を承認判定数として表示し、
前記サーバへの前記購入情報の送信は、前記操作受付手段に対する操作に応じて行われ、
前記拒否判定となった商品が前記第1の画面に含まれている場合は、前記操作受付手段による前記購入情報の送信指示の受付は停止され、
前記拒否判定となった商品が前記第1の画面に含まれなくなった場合に、前記操作受付手段による前記購入情報の送信指示の受付が許可される。
【0007】
本発明は、例えば、上記の情報処理装置と通信するサーバであって、顧客の生体情報を、前記顧客が購入した商品に関する購入履歴を含む顧客情報と関連付けて登録する記憶手段と、前記情報処理装置から、第1の顧客について取得された第1の生体情報を受信した場合に、前記第1の生体情報と関連付けられる第2の生体情報を前記記憶手段において検索し、前記記憶手段において前記第2の生体情報と関連付けられた第1の顧客情報を特定する処理手段と、前記処理手段が特定した前記第1の顧客情報を前記情報処理装置に送信する通信手段とを備え、前記通信手段が前記第1の顧客の購入商品に関する購入情報を受信すると、前記記憶手段の前記顧客情報が、受信した前記購入情報に基づいて更新される。
更に、本発明は、例えば、上記の情報処理装置と、前記情報処理装置と通信するサーバとを含むシステムである。更に、当該サーバは、
顧客の生体情報を、前記顧客が購入した商品に関する購入履歴を含む顧客情報と関連付けて登録する記憶手段と、
前記情報処理装置から、第1の顧客について取得された第1の生体情報を受信した場合に、前記第1の生体情報と関連付けられる第2の生体情報を前記記憶手段において検索し、前記記憶手段において前記第2の生体情報と関連付けられた第1の顧客情報を特定する処理手段と、
前記処理手段が特定した前記第1の顧客情報を前記情報処理装置に送信する通信手段と、
を備え、
前記通信手段が前記第1の顧客の購入商品に関する購入情報を受信すると、前記記憶手段の前記顧客情報が、受信した前記購入情報に基づいて更新され、
前記顧客情報の前記購入履歴は、累計の購入数に上限数が設定されている商品の購入履歴が含まれる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特定の顧客による商品の大量購入を防止するための、より有効な仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】システム100の全体構成の一例を示すブロック図。
図2】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
図3】各装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】データベース326に保持される各データテーブルのデータ構成の一例を示す図。
図5A】システム100において実施される例示的処理の一例を示すフローチャート。
図5B】購入画面更新処理の一例を示すフローチャート。
図6】生体情報取得画面の一例を示す図。
図7A】購入画面の一例を示す図。
図7B】購入画面の他の一例を示す図。
図7C】購入画面の更に他の一例を示す図。
図8】履歴表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<システム構成>
図1は、本実施形態に対応するシステム100の全体構成を示すブロック図である。本システム100は、認証端末110、バーコードリーダ120、レジ端末130、サーバ140が、ネットワーク150を介して相互接続されることにより構成されている。
【0012】
本実施形態において、認証端末110、バーコードリーダ120及びレジ端末は商品を販売する店舗内に配置され、ネットワークを介して外部に設置されたサーバ140と接続される。店舗内において、認証端末110、バーコードリーダ120及びレジ端末130はレジカウンター(レジ)付近に設置されている。また、店舗内には顧客が購入することの可能な複数の商品がおかれている。商品には少なくとも2種類があり、1つは顧客が無制限に購入可能な商品である。もう1つが1顧客について購入数に上限が設定されている商品(以下、このような商品を「特定商品」という。)である。本実施形態では、このような購入数に上限が設定されている特定商品の販売の承認/拒否を可能とするシステムについて説明する。
【0013】
以下では、システム100における処理の流れを簡単に説明する。店舗に来店した顧客は、商品棚から商品を選びレジに並ぶ。その際に、顧客があらかじめ会員登録を行っており、会員証を携帯している場合には、会員証の会員番号がバーコードリーダ120により読み取られ、認証端末110により生体情報が取得される。一方、事前に会員登録を行っておらず会員証を持っていない顧客の場合には、生体情報のみを取得する。生体情報が取得されると、認証端末110はサーバ140にこれを送信し、サーバ140側では登録済みの生体情報の中から、一致度の最も高い生体情報を特定し、当該生体情報と関連付けられている顧客情報を認証端末110に送信する。認証端末は、顧客情報に従い、当該顧客の過去の購入履歴を確認し、今回顧客が購入を希望する特定商品の販売を承認するかどうかを判断することができる。以下、システム100の構成要素について具体的に説明する。
【0014】
認証端末110は、商品の購入を希望する顧客の生体情報を取得し、サーバ140との通信により、当該商品の購入を承認するかどうかの情報を提供する情報処理装置である。認証端末110は、例えば、スマートフォンやタブレット端末として構成することができる。また、認証端末110はカメラを内蔵しており、これにより顧客の顔画像を撮影することができる。本実施形態では、生体情報として認証端末110により顔画像を撮影する場合を説明するが、生体情報はこれに限らず、他の方法により取得してもよい。その場合、認証端末110は、顔画像以外の生体情報を取得するための取得装置を含むように構成されていてもよいし、外付けされてもよい。
【0015】
バーコードリーダ120は、購入希望者である顧客が保持する会員証のバーコードを読み取って会員番号の情報を取得し、認証端末110に送信する。また、商品のバーコードを読み取って商品情報を認証端末110に送信する。当該情報は、バーコードリーダ120からレジ端末130にも送信されてもよいし、あるいは、認証端末110からレジ端末130に送信されてもよい。バーコードリーダ120は、認証端末110及びレジ端末130と近距離無線通信(例えば、Bluetooth接続)により通信してもよいし、有線接続されてもよい。本実施形態では、店員等のオペレータがバーコードリーダ120により会員証の会員番号を読み取る場合を一例として説明するが、設置型のバーコードリーダに顧客が自身の会員証をかざして会員番号の読み取りを行ってもよい。
【0016】
また、本実施形態では、バーコードリーダ120を利用する場合を説明するが、これ以外にも、顧客や商品を特定するための情報を取得する装置であれば任意の装置を使用することができる。
【0017】
レジ端末130は、商品の購入処理を行うための端末装置である。認証端末110とネットワーク150、あるいは、近距離無線通信を介して接続されてもよい。また、認証端末110とレジ端末130とが有線接続により通信を行ってもよい。
【0018】
サーバ140は、認証端末110が取得した顧客の情報を管理する情報処理装置である。ネットワーク150は、上述の認証端末110、レジ端末130、サーバ140の各ノードを相互に接続するための通信網であり、インターネットの他、イントラネット、LAN、WAN、移動体通信網(携帯電話通信網)等を含むことができる。
【0019】
図1では、認証端末110とレジ端末130とを別体として説明したが、一体的に構成してもよい。
【0020】
<情報処理装置の構成>
次に、本実施形態に対応するシステムを構成する情報処理装置のハードウェア構成の一例を説明する。図2に示す構成は、情報処理装置として記載した、システム100を構成する認証端末110やサーバ140の各装置の代表的なハードウェア構成を示したものであり、装置の種類によっては一部のハードウェア構成が必須でない場合がある。なお、バーコードリーダ120やレジ端末130も同様に構成してもよい。
【0021】
図2において、CPU201は、後述するROM203や内部記憶装置204に格納されているアプリケーションプログラム、オペレーティングシステム(OS)や制御プログラム等を実行し、RAM202にプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に格納する制御を行う。なお、後述する処理もCPU201が対応する処理プログラムを実行することにより制御部や処理部として機能することにより実現される。
【0022】
RAM202は各種データを一時記憶し、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ROM203は、内部に基本I/Oプログラム等の各種プログラム、処理の際に使用するフォントデータ、テンプレート用データ等の各種データを記憶する。内部記憶装置204は、大容量メモリとして機能するHD(ハードディスク)を用いている。内部記憶装置204には、アプリケーションプログラム、OS、制御プログラム、関連プログラム、各種制御データ等が格納される。なお、ハードディスクの代わりに、フラッシュ(登録商標)メモリ等の不揮発性記憶装置を用いても良い。
【0023】
入力部205は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、タッチパネル等がこれに相当する。入力部205を用いて、ユーザは情報処理装置に対して、装置を制御するコマンド等を入力指示することができる。出力部206は、映像出力を行うディスプレイ、音声出力を行うスピーカー、レジ端末130であればレシートを印刷出力する印字部等を含んで構成される。
【0024】
通信インタフェース(I/F)207は、各種通信プロトコルに従いネットワーク150を介して外部装置とのデータ通信を行う。認証端末110やレジ端末130は、バーコードリーダ120との通信を当該通信インタフェース207を介して実行し、バーコードリーダ120からバーコード情報を受信する。外部記憶装置208は、データベースとして構成され、情報処理装置において実行する処理に必要なデータテーブルを保持する。
【0025】
情報取得部209は、認証端末110においては、購入希望者の顔画像を撮影するための撮影装置(カメラ)とすることができる。あるいは、顔画像以外の購入希望者の任意の生体情報を取得するための取得装置(カメラ等の撮像装置、マイク、センサ等)としてもよい。取得可能な生体情報には、例えば、指紋、手のひらの静脈パターン、虹彩、音声あるいは声紋の情報等がある。情報取得部209は、情報処理装置に内蔵されていてもよいし、外付けであってもよい。また、バーコードリーダ120においては、バーコードを読み取るためのラインセンサを情報取得部209として有することができる。
【0026】
更に、レジ端末130においては、情報取得部209は、例えばクレジットカードの情報を取得するためのカードリーダとして機能することができる。情報取得部209は、近距離無線通信によりクレジットカードのICチップからクレジットカード情報を取得するように構成されていてもよいし、或いは、クレジットカードの磁気ストライプからクレジットカード情報を取得するように構成されていてもよい。
【0027】
<認証端末110及びレジ端末130の構成>
次に図3(A)を参照して、認証端末110及びレジ端末130の機能構成の一例を説明する。認証端末110及びレジ端末130は、例えば制御部301、通信部302、処理部303、操作部304、表示部305を備えるように構成することができる。
【0028】
制御部301は、各端末の全体の動作を制御する。図2のCPU201は、内部記憶装置204等に記憶されたプログラムを実行することにより、制御部301として機能することができる。通信部302は、ネットワーク150を介して各装置と通信を行う。CPU201が通信インタフェース207を制御することにより通信部302として機能することができる。通信部302には、ネットワーク150を介して通信を行うためのネットワーク通信部と、バーコードリーダ120と通信を行うための近距離無線通信部とが含まれる。
【0029】
処理部303は、各端末において実施される所定の処理等を実行する機能を担う。例えば、認証端末110においては、後述する購入画面更新処理を実行する。図2のCPU201は、内部記憶装置204等に記憶されたプログラムを実行することにより、処理部303として機能することができる。
【0030】
操作部304は、端末のユーザ(例えば、認証端末110やレジ端末130のオペレータ)が、端末に対して操作入力を行うための操作部であり、キーボード、マウス、タッチパネル等を含む。認証端末110がタブレット端末として構成される場合、タッチパネルが操作部となる。図2の入力部205は、操作部304として機能することができる。表示部305は、端末装置において扱われる所定のデータを表示するディスプレイである。図2の出力部206が表示部305として機能する。
【0031】
<バーコードリーダ120の構成>
次に図3(B)を参照して、バーコードリーダ120の機能構成の一例を説明する。バーコードリーダ120は、例えば制御部311、通信部312、操作部313、センサ314を備えるように構成することができる。
【0032】
制御部311は、バーコードリーダ120の全体の動作を制御する。図2のCPU201は、内部記憶装置204等に記憶されたプログラムを実行することにより、制御部311として機能することができる。あるいは、制御用の専用プロセッサによりバーコードリーダ120の動作を制御してもよい。通信部312は、Bluetoothなどの近距離無線通信方式に従い、認証端末110やレジ端末130と通信を行う。図2の例では、CPU201、あるいは、不図示の上述の専用プロセッサが通信インタフェース207を制御することにより通信部312として機能することができる。
【0033】
操作部313は、バーコードリーダ120のユーザ(例えば、認証端末110やレジ端末130のオペレータ)が、バーコードの読み取りを行うための操作部であり、ボタンやスイッチ等を含む。なお、操作部313の構成を省略してもよい。図2の入力部205は、操作部313として機能することができる。
【0034】
センサ314は、例えばバーコードを読み取るためのセンサ(例えば、ラインセンサ、エリアセンサ)であって、図2の情報取得部209が対応する。なお、読み取り対象バーコードは2次元バーコードであっても3次元バーコードであってもよい。
【0035】
<サーバ140の機能構成>
次に図3(C)を参照して、サーバ140の機能構成の一例を説明する。サーバ140は、例えば制御部321、通信部322、処理部323、操作部324、表示部325、データベース326を備えるように構成することができる。
【0036】
制御部321は、サーバ140の全体の動作を制御する。図2のCPU201は、内部記憶装置204等に記憶されたプログラムを実行することにより、制御部321として機能することができる。通信部322は、ネットワーク150を介して認証端末110やレジ端末130と通信を行う。CPU201が通信インタフェース207を制御することにより通信部322として機能することができる。
【0037】
処理部323は、サーバ140において実施される所定の判定処理等を実行する機能を担う。図2のCPU201は、内部記憶装置204等に記憶されたプログラムを実行することにより、処理部323として機能することができる。
【0038】
操作部324は、サーバ140のユーザ(例えば、サーバ140のオペレータ)が、サーバ140に対して操作入力を行うための操作部であり、キーボード、マウス、タッチパネル等を含む。図2の入力部205は、操作部324として機能することができる。表示部325は、サーバ140において扱われる所定のデータを表示するディスプレイである。図2の出力部206が表示部325として機能する。データベース326は、処理部323で使用する各種データや、購入希望者の生体情報等を記憶・管理するデータベースであって、図2の外部記憶装置208がデータベース326として機能する。
【0039】
<データテーブルについて>
次に、サーバ140のデータベース326に登録されているデータテーブルの構成について説明する。
【0040】
図4(A)に示すデータテーブル400は、顧客情報を管理するための顧客データテーブルである。顧客データテーブル400には、顧客情報として、例えば顧客番号401、利用回数402、前回利用日時、購入履歴404、生体情報405が登録されている。
【0041】
顧客番号401には、顧客が所有する会員証から読み取った会員番号、あるいは、仮の会員番号が登録されている。仮の会員番号とは、会員登録をしていない顧客、例えば、日本人の来店客、来日外国人観光客などについて割り当てられた、当該顧客を識別するための情報である。仮の会員番号は正規の会員番号とは重複せず、かつ、正規の会員番号とは識別可能な形態とすることが望ましい。例えば、下二桁あるいは上二桁等を特定のコードや値とする、あるいは桁数を会員番号とは異ならせるなどすることができる。
【0042】
また、利用回数402には、当該顧客が商品購入に当該店舗を利用した回数が登録されている。換言すると、当該店舗で商品購入を行った回数が登録されている。前回利用日時403には、当該店舗で前回商品購入を行った日時が登録される。購入履歴には、当該顧客の特定商品に関する過去の購入の履歴情報が登録されており、詳細は図4(B)に示す。生体情報405には、当該顧客について取得した生体情報が登録されている。生体情報405には、顧客が当該店舗を訪問する際に取得された生体情報がすべて登録される。生体情報405には、例えば認証端末110で撮影された顔画像そのものが登録されていてもよいが、当該顔画像から抽出した特徴量が登録されてもよいし、両方が登録されていてもよい。
【0043】
図4(A)では、5つの項目を1つのデータテーブルとして登録する形態を記載しているが、実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば、顧客データテーブル400とは別に生体情報データテーブルを用意し、生体情報データテーブルに、個々の生体情報と顧客番号とを関連付けて登録してもよい。
【0044】
図4(B)には、顧客ごとの商品購入履歴の情報を管理した購入履歴データテーブル410の一例を示す。購入履歴データテーブル410には、購入履歴情報として、例えば顧客番号411、商品412、購入数413の情報が登録されている。購入履歴情報には、その他に、購入日時の情報を含めてもよい。
【0045】
顧客番号411は、顧客データテーブル400の顧客番号401に対応する顧客番号の情報が登録される。商品412には、購入上限が設定されている特定商品の商品情報が登録される。ここでは、商品1、商品2などの商品名が登録されている。各商品の購入上限については、図4(C)に示す。購入数413には、当該顧客が過去に購入した商品数の累計が商品ごとに登録されている。
【0046】
図4(C)には、購入上限が設定されている特定商品の情報を管理する特定商品データテーブル420の一例を示す。特定商品データテーブル420には、例えば、商品421と、購入上限数422とが登録されている。
【0047】
商品421には、購入数の上限が設定されている特定商品の商品情報が登録される。また購入上限するには、対応する特定商品の一人当たりの購入上限数が登録される。ここでは、商品1については1個しか購入が認められないが、商品4では3個までの購入が認められている。
【0048】
<システム100における処理の流れ>
次に、図5を参照して、本システムにおける処理の流れを説明する。図5のフローチャートは、認証端末110、バーコードリーダ120、サーバ140の各制御部が、各ブロックの動作を制御することにより実現される。
【0049】
まず、S501において、認証端末110のオペレータがバーコードリーダ120を用いて、商品の購入希望者である顧客の会員証を確認し、会員証のバーコードを読み取る。本実施形態では、会員である顧客については会員証の提示を要求し、会員証に付されているバーコードから会員情報を特定する。S502において、バーコードリーダ120は読み取ったバーコード情報を、通信部312を介して認証端末110に送信する。
【0050】
認証端末110は、通信部302を介してバーコード情報をバーコードリーダ120から受信すると、制御部301は、図6(A)に示すような生体情報取得画面を端末110の表示部305に表示し、顧客の生体情報の取得を行う。本実施形態では、認証端末110をスマートフォンやタブレット端末のようなオペレータが持ち運び可能な端末とし、オペレータが顧客の顔画像の撮影を行ってもよい。
【0051】
図6(A)では、生体情報として顔画像を取得する場合の画面の一例を示している。このとき、生体情報取得画面600には、被写体である顧客の顔の位置を示すマーカー601、顧客が会員登録済みである場合には、バーコードリーダ120により取得した会員番号を表示する会員番号表示領域602を含む。図3では、マーカー601で指定された範囲内に、撮影対象の顧客603の顔が位置している。また、生体情報取得画面600には撮影ボタン604と送信ボタン605とが表示され、撮影ボタン604をオペレータが操作することで、顔画像の撮影を行うことができる。S504において、顔画像の撮影により生体情報が取得できた場合には、続くS505において認証端末110は、送信ボタン605の操作の受け付けに応じて撮影した顔画像と会員番号とを関連付けて、通信部302を介してサーバ140に送信する。
【0052】
ここで、図6(B)に示すように、複数の被写体611と被写体612とが写ってしまう場合も想定される。この場合、撮影後に登録対象とすべき顧客の選択を受け付けることができる。例えば、それぞれの被写体の上に、番号などを表示していずれかの番号のタップを受け付けることにより登録対象の顧客を選択できるようにしてもよい。図6(B)では、被写体611に番号「1」が表示され、被写体612に番号「2」が表示されている。オペレータはいずれかの数字をタップして登録する被写体を選択することができる。被写体が選択されると、選択された被写体のみを切り出して生体情報として用いることができる。
【0053】
サーバ140は認証端末110から生体情報を受信すると、S506において処理部323がデータベース326に登録されている生体情報との比較を行い、一致度が最も高い生体情報を特定する。なお、生体情報の比較は、画像や音声等の受信した生体情報そのものを利用するだけでなく、そこから抽出した特徴量の比較により行ってもよい。特徴量とは、例えば、座標情報、ベクトル情報、エッジ情報、周波数情報等であり、生体情報に関する公知の技術を利用することができる。また、生体情報を特定は、送信された会員番号に関連付けられた生体情報を検索することにより行ってもよいが、会員番号に限定されず、生体情報の類似度のみに基づいて行ってもよい。本実施形態では、会員登録を前提としないシステム設計であるため、会員番号を持っていない顧客についても、生体情報の類似度に基づき当該顧客の購入履歴を抽出することができる。
【0054】
S506において一致度の最も高い生体情報が特定できたなら、続くS507では、処理部323は当該生体情報と関連付けられた顧客情報をデータベース326に登録された顧客データテーブル400から取得する。続くS508では、処理部323は、顧客情報に会員番号が含まれている場合に、S505で送信された生体情報に含まれる会員番号と、顧客情報に含まれる顧客番号401とが一致するかどうかを判定する。もし、両者が一致した場合には、S509において、サーバ140は、通信部322を介して認証端末110に対して当該顧客情報を送信する。一方、S508において、S505で送信された生体情報に含まれる会員番号と、顧客情報に含まれる顧客番号401とが一致しない場合には、処理部323はS506に戻って一致度が次に高い生体情報を特定し、上述の処理を繰り返す。
【0055】
なお、S508の処理はオプションとしてもよく、一致度が最も高いと判定された生体情報が特定できた場合には、当該生体情報に対応する顧客情報を送信するようにしてもよい。また、S505で送信された生体情報に会員番号が含まれない場合には、S508の処理をスキップしてよい。さらに、S506において、一致度が最も高い生体情報であっても、算出された一致度が所定の閾値を下回る場合には生体情報を特定しなくてもよい。この場合、新規の顧客である可能性が高く、その場合には顧客情報はデータベース326に登録されていないので、S509では、一致する顧客情報が存在しない旨を通知する。
【0056】
S509において顧客情報を送信する際、当該顧客情報には、顧客番号401、利用回数402、前回利用日時403、購入履歴404の情報を含めることができる。また、認証端末110には、あらかじめ特定商品データテーブル420が送信されているものとする。また、このとき、制御部321は、生体情報405にS505で送信された生体情報を追加することにより、顧客データテーブル400を更新する。
【0057】
S509において顧客情報が送信されると、認証端末110の制御部301はS510において受信した顧客情報に基づいて、顧客が購入予定の商品に関する購入画面を表示部305に表示する。図7Aから図7Cに、購入画面の一例を示す。このうち図7Aは、購入画面の初期表示状態を示す。
【0058】
図7Aの画面700には、顧客の情報として例えば来店回数701、前回来店日702、会員番号703が含まれる。その他に、顧客氏名等の情報が含まれてもよい。画面700の下側には、購入希望商品のうちNG品が何品あって、OK品が何品あるかを示す領域704と、会計に進む際に選択する会計ボタン705、購入を取りやめる際のキャンセルボタン706が含まれている。来店回数701、前回来店日702、会員番号703には、顧客情報として受信した顧客番号401、利用回数402、前回利用日時403の情報を表示することができる。このとき、顧客番号401については、非会員の場合には番号を表示せず、非会員であることを示してもよい。また、画面700の上側には、履歴ボタン707が表示されており、このボタンが操作されると、顧客の過去の購入履歴を画面に表示することができる。
【0059】
図8は履歴表示画面の一例を示す。履歴画面には、会員番号で示される顧客について過去に取得された生体情報801、購入商品に関する詳細情報802が表示され、戻るボタン803を操作すると、図7A等の購入画面に復帰することができる。
【0060】
購入画面700が表示されると、S511において、オペレータは顧客が購入を希望する商品のバーコードをバーコードリーダ120により順次読み取る。バーコードリーダ120で読み取られたバーコード情報(商品特定情報)はS512において通信部312を介して認証端末110へ順次送信され、認証端末110ではS513において制御部301が購入画面700を更新する処理を行う。S511からS513までの処理は購入希望商品の数だけ実行され、その都度、購入画面700の更新が行われる。
【0061】
S513において購入画面の更新処理を行われると、S514において認証端末110では操作部304を介してオペレータからの操作を受け付け、S515において受け付けた操作に応じて購入情報を、通信部302を介してサーバ140に送信する。サーバ140側では、S516において制御部321が、受信した購入情報によりデータベース326を更新する。具体的には、顧客データテーブル400及び購入履歴データテーブル410を更新する。
【0062】
S515における購入情報の送信は、レジ端末130に対しても行うことができる。もし認証端末110とレジ端末130とが共通端末である場合には、そのまま会計処理に移行することができる。
【0063】
次に、購入画面の更新処理の流れを図5Bを参照して説明する。図5Bでは、まず、S531において、処理部303がバーコード情報に基づいて購入希望商品を特定する。認証端末110は、バーコード情報と対応付けられた商品情報のテーブルを内部記憶装置204内に保持しており、処理部303はこれを参照することにより商品を特定することができる。
【0064】
続くS532において処理部303は、当該購入希望商品が、特定商品データテーブル420に登録されている特定商品であるか否かを判定する。もし、特定商品でない場合には、S535に進む。当該商品は購入数に制限がないので、処理部303はS535において購入希望数に関係なくOK判定とする。なお、特定商品でない場合には、対象外と判定してもよい。
【0065】
一方、購入希望商品が特定商品データテーブル420に登録されている特定商品である場合、S533において処理部303は、顧客情報として受信した購入履歴404の情報に基づき、当該商品をこれまでに購入した数(過去の購入数)と今回の購入予定数とを足して、累計購入数を算出する。今回の購入予定数は、S512におけるバーコード情報の受信に合わせて随時更新してもよい。また、オペレータの操作に応じて購入予定数に変更がなされた場合にも更新を行う。累計購入数が算出されるとS534において処理部303は、累計購入数が当該商品の上限数を超えるかどうかを判定する。累計購入数が上限数を超える場合には、S536に進み、NG判定とする。一方、累計購入数が上限数を超えない場合には、S535に進みOK判定とする。その後、S537に進み、他の情報を含めて購入画面の更新を行う。
【0066】
図7Bは、購入画面700の更新後の一例を示す図であり、購入画面710では、商品1と商品2についての情報が追加されている。
【0067】
領域711には、商品1の商品についての情報が追加されており、初回購入において購入希望数が1個であり、上限購入数に対して今回の購入を含めた購入数の比率は1対1であるので、購入可能である。購入画面更新処理の結果として、OK判定を示すOKマーク(承認判定標識)712が表示されている。
【0068】
領域713には、商品2の商品についての情報が追加されており、初回購入において購入希望数が2個であり、上限購入数に対して今回の購入を含めた購入数の比率は2対1であり、購入数が上限を上回っているので購入は不可能である。購入画面更新処理の結果として、NG判定を示すNGマーク(拒否判定標識)714が表示されている。ここでは、商品キャンセルマーク715がさらに表示される。この商品キャンセルマーク715は、例えば、上限を上回っている個数分だけ表示してもよく、商品キャンセルマーク715を1つタップすることにより、1個分の商品購入をキャンセルすることができる。その場合には、比率が1対1となるので、OK判定となり、NGマーク714がOKマーク712と置き換えられる。
【0069】
また、購入希望個数の値をオペレータが直接に変更することを可能としてもよく、その場合には、2個の購入希望個数を1個に変更することで、比率が1対1となるので、OK判定となる。この場合、商品キャンセルマーク715は、商品の購入自体のキャンセルを受け付ける場合に操作することができる。よって商品キャンセルマーク715が操作されると2個の購入希望個数がすべてキャンセルになり、領域713は購入画面710から消去される。
【0070】
購入画面710の領域704には、商品2の上限数を上回る1個分がNGとしてカウントされ、1品と表示されている。また、商品1の1個と、商品2の上限数に一致する1個とを合わせて2個がOKとしてカウントされ、2品と表示されている。
【0071】
図7Cは、購入画面700の更新後の他の一例を示す図であり、購入画面720では、商品Aと商品3についての情報が追加されている。
【0072】
領域721には、商品Aの商品についての情報が追加されており、初回購入において購入希望数が5個であるが、商品Aは購入上限数の設定がない商品であるので「対象外」と表示されており、購入可能である。購入画面更新処理の結果として、OK判定を示すOKマーク712が表示されている。
【0073】
ここで、購入上限数の設定がない商品については商品の詳細を示さず単に「対象外」と表示するか、あるいは、表示自体を省略してしまってもよい。また、「対象外」の商品のみを購入希望の場合にのみ「対象外」を表示し、特定商品が1つでも含まれる場合には「対象外」の表示を含めて表示を全て省略するようにしてもよい。
【0074】
領域723には、商品3の商品についての情報が追加されており、2回目購入において購入希望数が1個であり、上限購入数に対して今回の購入を含めた購入数の比率は2対2であり、購入数が上限数に一致するので購入は可能である。購入画面更新処理の結果として、OK判定を示すOKマーク712が表示されている。購入画面720の領域704には、NGの商品は0品であり、OKの商品が2品と表示されている。
【0075】
本実施形態においては、NGを0品としてから会計ボタン705を操作するのが望ましい。その場合、例えば、NGを0品とするまで会計ボタン705をグレーアウトして操作の受付を停止しておき、NGが0品となると会計ボタン705のグレーアウトを解除して操作の受付を許可することができる。その一方で、NG品を0品としないままで会計ボタン705を操作可能としてもよい。その場合は、レジ端末130においてオペレータが上限数以内の商品についてのみ会計を行うように処理することになる。S516におけるデータベースの更新では、当該特定商品の購入上限の範囲内で購入履歴の更新が行われる。
【0076】
本実施形態では、顧客の会員番号や商品情報をバーコードから読み取って利用する場合について説明したが、実施形態はこれに限られるものではなく、その他の方法により取得してもよい。例えば、RFIDタグやICチップが埋め込まれている場合には、それらから情報を取得するようにしてもよい。
【0077】
以上の実施形態によれば、顧客の生体情報と当該顧客の購入履歴とを関連付けてあらかじめ管理しておくので、特定商品の購入を希望する顧客の生体情報に基づいて過去の購入履歴を参酌することが可能となり、店舗において上限数を超える特定商品の購入を直ちに検知することが可能となる。また、本実施形態では、顧客が事前に会員登録しているかどうかを問わずに、購入履歴を管理することができるので、未登録の顧客であっても購入を断る必要がなくなる。
【0078】
上述の実施形態では、認証端末110とレジ端末130とを分離して記載したが、これらを統合することにより、レジでの会計時に購入履歴を参照して会計することが可能となるので、店舗スタッフや顧客の負担が軽減される。
【0079】
以上の処理(例えば上記図5A及び図5Bに従った処理等)を、対応するコンピュータプログラムを所定の記憶媒体に記憶させ、この記憶媒体に記憶されているプログラムをコンピュータに読み込ませる(インストール、もしくはコピーさせる)ことで、コンピュータに実行させることができる。このようなコンピュータプログラム及び記憶媒体も、当然に発明の範疇に含まれるものである。
【0080】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の情報処理装置、及び、コンピュータプログラムを少なくとも開示する。
【0081】
(1) 情報処理装置であって、
顧客の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
商品を特定する情報を取得する情報取得手段と、
外部のサーバと通信する通信手段と、
処理手段と、
を備え、
前記通信手段は、前記生体情報取得手段が取得した第1の顧客の第1の生体情報をサーバに送信し、
前記通信手段は、前記サーバが保持する生体情報から前記第1の生体情報を用いて検索された第2の生体情報に基づいて特定された前記第1の顧客の第1の顧客情報を、前記サーバから受信し、
前記情報取得手段は、前記第1の顧客が購入を希望する商品を特定するための商品特定情報を取得し、
前記処理手段は、前記商品特定情報により特定される商品が所定の商品である場合に、前記所定の商品についての購入予定数と、前記第1の顧客情報に基づく前記第1の顧客の過去の購入数とに基づく累計購入数が、予め定められた上限数を超えるか否かを判定し、
通信手段は、前記処理手段の判定結果に基づく前記第1の顧客の購入商品に関する購入情報を前記サーバに送信する、情報処理装置。
(2) 前記サーバは、顧客の生体情報と、該顧客が購入した商品に関する購入履歴を含む顧客情報とを対応付けて管理し、
前記第2の生体情報は、前記第1の生体情報との関連度が最も高い生体情報であって、
前記通信手段は前記第2の生体情報と対応付けて管理されている顧客情報を前記第1の顧客情報として受信する、(1)に記載の情報処理装置。
(3) 前記第2の生体情報は、前記第1の生体情報との類似度が所定の閾値以上の生体情報である、(2)に記載の情報処理装置。
(4) 前記情報取得手段は、顧客に割り当てられた識別情報を取得可能に更に構成され、
前記通信手段は、前記情報取得手段が取得した前記第1の顧客に割り当てられた第1の識別情報を前記第1の生体情報と共に前記サーバに送信し、
前記顧客情報には、対応する顧客を識別するための識別情報が含まれ、
前記第2の生体情報は、前記第1の識別情報と一致する識別情報を含む顧客情報と対応付けられた生体情報である、(2)又は(3)に記載の情報処理装置。
(5) 前記情報取得手段は、バーコードリーダが読み取ったバーコード情報を取得可能に構成され、
前記識別情報は、前記顧客の保持する会員証のバーコードから前記バーコードリーダが読み取った会員番号の情報であり、
前記商品特定情報は、商品に付されたバーコードから前記バーコードリーダが読み取った当該商品に関する情報である、(4)に記載の情報処理装置。
(6) 前記サーバから受信した前記第1の顧客情報と、前記処理手段による前記判定結果に基づき、前記第1の顧客が購入予定の商品に関する第1の画面を表示する表示手段を更に備え、
前記処理手段は、前記累計購入数が前記上限数を超えると判定した場合に拒否判定とし、前記累計購入数が前記上限数を超えないと判定した場合に承認判定とし、
前記第1の画面は、前記購入予定数のうち、前記上限数を超える数を拒否判定数として表示し、前記上限数を超えない数を承認判定数として表示する、(1)から(5)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(7) 前記第1の画面は、
前記拒否判定がなされた場合に、対応する商品と関連付けて表示される拒否判定標識を含み、
前記承認判定がなされた場合に、対応する商品と関連付けて表示される承認判定標識を含む、(6)に記載の情報処理装置。
(8) 操作を受け付ける操作受付手段を更に含み、
前記操作受付手段は、前記累計購入数が前記上限数を超える場合に、前記累計購入数を前記上限数と一致させるための操作を受け付ける、(6)又は(7)に記載の情報処理装置。
(9) 前記サーバへの前記購入情報の送信は、前記操作受付手段に対する操作に応じて行われ、
前記拒否判定となった商品が前記第1の画面に含まれている場合は、前記操作受付手段による前記購入情報の送信指示の受付は停止され、
前記拒否判定となった商品が前記第1の画面に含まれなくなった場合に、前記操作受付手段による前記購入情報の送信指示の受付が許可される、(8)に記載の情報処理装置。
(10) 前記所定の商品は前記累計購入数に上限数が設定されている商品であり、前記上限数は商品ごとに設定されている、(6)から(9)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(11) 前記第1の画面には、前記所定の商品に該当しない商品に関する情報を含まない、(6)から(10)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(12) 前記第1の画面は、前記顧客が購入を希望する商品の全てが前記所定の商品に該当しない場合に、当該商品が対象外の商品であることを示す表示を含む、(6)から(10)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(13) 前記第1の生体情報は、前記第1の顧客を撮影した顔画像情報、前記第1の顧客の指紋の情報、前記第1の顧客の手のひらの静脈パターンの情報、前記第1の顧客の虹彩の情報、前記第1の顧客の声紋の情報のうちの少なくともいずれかである、(1)から(12)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(14) 前記顔画像情報に複数の被写体が含まれる場合、いずれか1つの選択された被写体の顔画像情報を前記第1の生体情報とする、(13)に記載の情報処理装置。
(15) (1)から(14)のいずれか1つに記載の情報処理装置と通信するサーバであって、
顧客の生体情報を、前記顧客が購入した商品に関する購入履歴を含む顧客情報と関連付けて登録する記憶手段と、
前記情報処理装置から、第1の顧客について取得された第1の生体情報を受信した場合に、前記第1の生体情報と関連付けられる第2の生体情報を前記記憶手段において検索し、前記記憶手段において前記第2の生体情報と関連付けられた第1の顧客情報を特定する処理手段と、
前記処理手段が特定した前記第1の顧客情報を前記情報処理装置に送信する通信手段と、
を備え、
前記通信手段が前記第1の顧客の購入商品に関する購入情報を受信すると、前記記憶手段の前記顧客情報が、受信した前記購入情報に基づいて更新される、サーバ。
(16) 前記顧客情報の前記購入履歴は、累計の購入数に上限数が設定されている商品の購入履歴が含まれる、(15)に記載のサーバ。
(17) 前記第2の生体情報は、前記第1の生体情報との類似度が所定の閾値以上の生体情報である、(15)又は(16)に記載のサーバ。
(18) 前記第1の生体情報ともに前記第1の顧客を識別する第1の識別情報を受信した場合に、前記処理手段は、前記第2の生体情報を、関連付けられた顧客情報に前記第1の識別情報と一致する識別情報を含む生体情報とする、(15)から(17)のいずれか1つに記載のサーバ。
(19) コンピュータを、(1)から(14)のいずれか1つに記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのコンピュータプログラム。
(20) コンピュータを、(15)から(18)のいずれか1つに記載のサーバの各手段として機能させるためのコンピュータプログラム。
【0082】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【要約】
【課題】特定の顧客による商品の大量購入を防止するための、より有効な仕組みの提供が求められている。
【解決手段】情報処理装置であって、第1の顧客の第1の生体情報をサーバに送信し、サーバが保持する生体情報から第1の生体情報を用いて検索された第2の生体情報に基づいて特定された第1の顧客の第1の顧客情報をサーバから受信し、第1の顧客が購入を希望する商品を特定するための商品特定情報を取得し、商品特定情報により特定される商品が所定の商品である場合に、所定の商品についての購入予定数と、第1の顧客情報に基づく第1の顧客の過去の購入数とに基づく累計購入数が、予め定められた上限数を超えるか否かを判定し、上記判定結果に基づく第1の顧客の購入商品に関する購入情報をサーバに送信する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8