(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】UE-ネットワーク間リレーシナリオにおけるリレー再選択およびデータ送信処理手順のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 76/19 20180101AFI20250218BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20250218BHJP
【FI】
H04W76/19
H04W88/04
(21)【出願番号】P 2023519933
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 CN2020119354
(87)【国際公開番号】W WO2022067651
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】523107950
【氏名又は名称】レノボ・(ベイジン)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】リアンハイ・ウー
(72)【発明者】
【氏名】ミンゼン・ダイ
(72)【発明者】
【氏名】コンチ・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ラン・ユエ
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0282243(US,A1)
【文献】特開2018-056813(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0229007(US,A1)
【文献】Apple,Discussion on Control Plane mechanisms for Layer 2 Relay[online],3GPP TSG RAN WG2 #111-e R2-2007101,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_111-e/Docs/R2-2007101.zip>,2020年08月07日
【文献】Lenovo, Motorola Mobility,Relayed connection management[online],3GPP TSG RAN WG2 #111-e R2-2007461,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_111-e/Docs/R2-2007461.zip>,2024年08月07日
【文献】LG Electronics Inc.,Relaying mechanism for NR sidelink[online],3GPP TSG RAN WG2 #111-e R2-2008019,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_111-e/Docs/R2-2008019.zip>,2020年08月07日
【文献】Lenovo, Motorola Mobility,Considerations on discovery procedure for sidelink relay[online],3GPP TSG RAN WG2 #111-e R2-2007476,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_111-e/Docs/R2-2007476.zip>,2020年08月07日
【文献】vivo,Summary of NR V2X SDAP related contribution[online],3GPP TSG RAN WG2 #110-e R2-2005677,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_110-e/Docs/R2-2005677.zip>,2020年05月28日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 76/19
H04W 88/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサとを備える装置であって、前記プロセッサは、
前記装置と基地局(BS)との間のリンクのUu無線リソース制御(RRC)接続を確立することと、
第1の
ユーザ機器 (user equipment: UE
) と前
記装置との間のリンクのPC5 RRC接続を確立することと、
前記第1のUEに通知を送信することであって、前記通知が、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンクの無線リンク障害(RLF)、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンクのRLF回復失敗、または、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンクのRLF回復成功の
うちの少なくと
も前
記装置と前記BSとの間の前記リンクの
前記RLFと関連付けられることと
を前記装置に行わせるように構成さ
れ、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンクの
前記RLFと関連付けられた前記通知を送信することは、少なくとも前記BSに宛てられるデータ無線ベアラ(DRB)を前記第1のUEに対して中断させるための送信である
装置。
【請求項2】
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサとを備える装置であって、前記プロセッサは、
前記装置と基地局(BS)との間のリンクのUu無線リソース制御(RRC)接続を確立することと、
第1のユーザ機器 (user equipment: UE) と前記装置との間のリンクのPC5 RRC接続を確立することと、
前記第1のUEに通知を送信することであって、前記通知が、
前記装置と前記BSとの間の前記リンクの無線リンク障害(RLF)、
前記装置と前記BSとの間の前記リンクのRLF回復失敗、または、
前記装置と前記BSとの間の前記リンクのRLF回復成功のうちの少なくとも前記装置と前記BSとの間の前記リンクの前記RLFと関連付けられることと
を前記装置に行わせるように構成され、
少なくとも前記装置と前記BSとの間の前記リンクの前記RLFと関連付けられた前記通知を送信することは、リレー発見手順を開始することを前記第1のUEに対して行わせるための送信である
装置。
【請求項3】
前記通知がRLF通知を含み、前記RLF通知が、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンクにRLFを検出したこと、
前
記装置が前
記装置と前記BSとの間の前記リンクに高速マスタセルグループ(MCG)リンク回復手順を行ったこと、または、
前
記装置が前
記装置と前記BSとの間の前記リンクにRRC再確立手順を行ったことの少なくとも1つに応答して前
記装置から送信される、請求項1
又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記通知が回復成功通知を含み、前記回復成功通知が、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンクに高速マスタセルグループ(MCG)リンク回復手順を正常に完了させたこと、または、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンクにRRC再確立手順を正常に完了させたことの少なくとも一方に応答して前
記装置から送信される、請求項1
又は2に記載の装置。
【請求項5】
前記通知が回復失敗通知を含み、前記回復失敗通知が、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンクにRRC再確立手順を完了させることの失敗と、または、
RRC再確立要求メッセージの送信のためのタイマの満了の少なくとも一方に応答して前
記装置から送信される、請求項1
又は2に記載の装置。
【請求項6】
前記通知が、
媒体アクセス制御制御要素(MAC CE)、
RRCシグナリング、または、
前
記装置のアダプテーション層における制御パケットデータユニット(PDU)の少なくとも1つによって送信される、請求項1
又は2に記載の装置。
【請求項7】
前記装置と前記BSとの間の前記リンクの前記RLFに関連付けられた前記通知を送信することは、
前記装置において終端されるデータを前記装置に送信することを継続することと、
前記装置からデータを受信することを継続することと
を前記第1のUEに行わせるための送信である
請求項1又は2に記載の装置。
【請求項8】
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサとを備える装置であって、前記プロセッサは、
前記装置とリレー
ユーザ機器 (user equipment: UE) との間のリンクのPC5無線リソース制御(RRC)接続を確立することであって、前記リレーUEと基地局(BS)との間のリンクのUu RRC接続が確立されている、ことと、
前記BSまたは前記リレーUEの一方から通知を受信することと
を前記装置に行わせるように構成され、
前記BSから受信される前記通知が、リレー再選択手順を行うようにとの要求を含み、
前記リレーUEから受信される前記通知が、
前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクの無線リンク障害(RLF)、
前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクのRLF回復失敗、または、
前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクのRLF回復成
功のうちの少なくと
も前
記装置と前記BSとの間の前記リンクの
前記RLFと関連付けら
れ、
前記RLFと関連付けられた前記通知を受信したことに応答して、前記プロセッサは、少なくとも前記BSに宛てられるデータ無線ベアラ(DRB)を前記装置に対して中断させるように構成される
装置。
【請求項9】
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサとを備える装置であって、前記プロセッサは、
前記装置とリレーUEとの間のリンクのPC5無線リソース制御(RRC)接続を確立することであって、前記リレーUEと基地局(BS)との間のリンクのUu RRC接続が確立されている、ことと、
前記BSまたは前記リレーUEの一方から通知を受信することと
を前記装置に行わせるように構成され、
前記BSから受信される前記通知が、リレー再選択手順を行うようにとの要求を含み、
前記リレーUEから受信される前記通知が、
前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクの無線リンク障害(RLF)、
前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクのRLF回復失敗、または、
前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクのRLF回復成功のうちの少なくとも前記RLFと関連付けられ、
前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクの前記RLFと関連付けられた前記通知を受信したことに応答して、前記プロセッサは、リレー発見手順を開始することを前記装置に対して行わせるように構成される
装置。
【請求項10】
前記通知が、前記リレーUEから送信されるRLF通知を含み、前記RLF通知が、
前記リレーUEが前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクにRLFを検出したこと、
前記リレーUEが前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクに高速マスタセルグループ(MCG)リンク回復手順を行ったこと、または、
前記リレーUEが前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクにRRC再確立手順を行ったことの少なくとも1つに応答して前記リレーUEから送信される、請求
項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記通知が回復成功通知を含み、前記回復成功通知が、
前記リレーUEが前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクに高速MCGリンク回復手順を正常に完了させたこと、または、
前記リレーUEが前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクにRRC再確立手順を正常に完了させたことの少なくとも一方に応答して前記リレーUEから送信される、請求
項8又は9に記載の装置。
【請求項12】
前記通知が回復失敗通知を含み、前記回復失敗通知が、
前記リレーUEが前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクにRRC再確立手順を完了させることに失敗したこと、または、
RRC再確立要求メッセージの送信のためのタイマの満了の少なくとも一方に応答して前記リレーUEから送信される、請求
項8又は9に記載の装置。
【請求項13】
前記通知が、
媒体アクセス制御制御要素(MAC CE)、
RRCシグナリング、または、
前記リレーUEのアダプテーション層における制御パケットデータユニット(PDU)の少なくとも1つによって送信される、請求
項8又は9に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、リレー再選択手順を、
前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクの無線リンク障害(RLF)、または、
前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクのRLF回復失敗の少なくとも一方と関連付けられた通知を受信した後に、
前記装置に行わせるように構成される、請求
項8又は9に記載の装置。
【請求項15】
前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクの前記RLFと関連付けられた前記通知を受信したことに応答して、前記プロセッサが
、
前記BSに宛てられるデータの送信、または、
前記BSに宛てられるシグナリングの送信
の少なくとも1つを前記装置に対して中断させるように構成される、請求
項8又は9に記載の装置。
【請求項16】
前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクの前記RLFまたは前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクの前記RLF回復失敗
のうちの少なくとも前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクの前記RLFと関連付けられた前記通知を受信したことに応答して、前記プロセッサが
、
リレー再選択手順を開始するこ
とを前記装置に行わせるように構成される、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、
前
記装置のアクセスストラタム(AS)層によって、前
記装置のPC5-S層に指示を送信することであって、前記指示が前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクにおける障害の発生を示すことと、
前
記装置の前記PC5-S層によって、前
記装置の前記AS層に発見メッセージを送信することと
を前記装置に行わせるように構成される、請求
項8又は9に記載の装置。
【請求項18】
前記リレーUEと前記BSとの間の前記リンクの前記RLFに関連付けられた前記通知を受信することに応答して、前記プロセッサは、
前記リレーUEにおいて終端されるデータを前記リレーUEに送信することを継続することと、
前記リレーUEからデータを受信することを継続することと
を前記装置に行わせるように構成される、請求
項8又は9に記載の装置。
【請求項19】
装置によって実行される方法であって、
前記装置と基地局(BS)との間のリンクのUu無線リソース制御(RRC)接続を確立するステップと、
第1のユーザ機器(
user equipment: UE)と前
記装置との間のリンクのPC5 無線リソース制御(RRC)接続を確立するステップと、
前記第1のUEに対する通知を送信するステップであって、前記通知が、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンクの無線リンク障害(RLF)、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンクのRLF回復失敗、または、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンクのRLF回復成功
の
うちの少なくと
も前記RLFと関連付けられる、ステップとを含み、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンクの
前記RLFと関連付けられた前記通知を送信するステップは、少なくとも前記BSに宛てられるデータ無線ベアラ(DRB)を前記第1のUEに対して中断させるためのステップである
方法。
【請求項20】
装置によって実行される方法であって、
前記装置と基地局(BS)との間のリンクのUu無線リソース制御(RRC)接続を確立するステップと、
第1のユーザ機器(user equipment: UE)と前記前記装置との間のリンクのPC5 無線リソース制御(RRC)接続を確立するステップと、
前記第1のUEに対する通知を送信するステップであって、前記通知が、
前記装置と前記BSとの間の前記リンクの無線リンク障害(RLF)、
前記装置と前記BSとの間の前記リンクのRLF回復失敗、または、
前記装置と前記BSとの間の前記リンクのRLF回復成功
のうちの少なくとも前記RLFと関連付けられる、ステップとを含み、
前記装置と前記BSとの間の前記リンクの前記RLFと関連付けられた前記通知を送信するステップは、リレー発見手順を開始することを前記第1のUEに対して行わせるためのステップである
方法。
【請求項21】
前記通知が、RLF通知を含み、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンクにRLFを検出したこと、
前
記装置が前
記装置と前記BSとの間の前記リンクに高速マスタセルグループ(MCG)リンク回復手順を行ったこと、または、
前
記装置が前
記装置と前記BSとの間の前記リンクにRRC再確立手順を行ったこと
の少なくとも1つに応答して前記RLF通知が前
記装置から送信される、請求
項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記通知が回復成功通知を含み、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンク上で高速マスタセルグループ(MCG)リンク回復手順を正常に完了させたことと、または、
前
記装置と前記BSとの間の前記リンク上でRRC再確立手順を正常に完了させたこと
の少なくとも1つに応答して前記回復成功通知が前
記装置から送信される、請求
項19又は20に記載の方法。
【請求項23】
前記通知が回復失敗通知を含み、
前
記装置が前
記装置と前記BSとの間の前記リンクにRRC再確立手順を完了させることの失敗、または
RRC再確立要求メッセージの送信のためのタイマの満了
の少なくとも1つに応答して前記回復失敗通知が前記
装置から送信される、請求
項19又は20に記載の方法。
【請求項24】
前記通知が、
媒体アクセス制御制御要素(MAC CE)、
RRCシグナリング、または、
前
記装置のアダプテーション層における制御パケットデータユニット(PDU)
の少なくとも1つによって送信される、請求
項19又は20に記載の方法。
【請求項25】
前記装置と前記BSとの間の前記リンクの前記RLFに関連付けられた前記通知を送信するステップは、
前記装置において終端されるデータを前記装置に送信することを継続するステップと、
前記装置からデータを受信することを継続するステップと
を前記第1のUEに行わせるための送信である
請求項19又は20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施形態は、概してワイヤレス通信技術に関し、特にユーザ機器(UE)-ネットワーク間リレーシナリオにおけるリレー再選択およびデータ送信処理手順のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
5Gワイヤレス通信技術へビークルツーエブリシング(V2X:Vehicle to Everything)が導入された。V2X通信のチャネル構造の観点から、2つのユーザ機器(UE)間の直接リンクはサイドリンクと呼ばれる。サイドリンクは、3GPP(登録商標)リリース12において導入されたロングタームエボリューション(LTE)の特徴であり、近接UE間の直接通信を可能にし、そしてデータは、基地局(BS)またはコアネットワークを経由する必要がない。
【0003】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)では、ワイヤレス通信システムにおけるリレーノード(RN)の配備が促進される。RNを配備する1つの目的は、カバレッジ内に位置するまたは、比較的低信号品質に至ることがある、BSから離れているUEのスループットを改善することによってBSのカバレッジエリアを強化することである。RNは、一部の場合にはリレーUEとも名付けられてよい。リレーUEを含む3GPP 5Gサイドリンクシステムは、サイドリンクリレーシステムと名付けられてよい。
【0004】
現在、3GPP 5Gニューラジオ(NR:New Radio)システム等では、UE-ネットワーク間リレーシナリオにおけるリレー再選択およびデータ送信処理手順を設計する仕方に関する詳細は、まだ具体的に議論されていない。UE-ネットワーク間リレーシナリオは、「U2Nリレーシナリオ」、「U2Nリレー」等とも名付けられてよい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】3GPP TS 36.300
【文献】3GPP TS 23.303
【文献】3GPP TS 38.311
【文献】3GPP TS 36.311
【文献】TS 38.331
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の一部の実施形態は、ワイヤレス通信のための方法を提供する。本方法は、リレーUEによって行われてよい。本方法は、リレーUEと基地局(BS)との間のリンクのUu RRC接続を確立するステップと、UEとリレーUEとの間のリンクのPC5無線リソース制御(RRC)接続を確立するステップと、UEに通知を送信するステップであって、通知が、リレーUEとBSとの間のリンクの無線リンク障害(RLF)と、リレーUEとBSとの間のリンクのRLF回復失敗と、リレーUEとBSとの間のリンクのRLF回復成功との少なくとも1つと関連付けられる、ステップとを含む。
【0007】
本出願の一部の実施形態は、ワイヤレス通信のための方法を提供する。本方法は、リレーUEによって行われてよい。本方法は、UEとリレーUEとの間のリンクのPC5 RRC接続を確立するステップと、リレーUEとBSとの間のリンクのUu RRC接続を確立するステップと、UEとリレーUEとの間のリンクにおけるPC5シグナリング(PC5-S)リンク障害を検出したことに応答して、BSに障害情報を送信するステップとを含む。
【0008】
本出願の一部の実施形態は、ワイヤレス通信のための装置も提供する。本装置は、コンピュータ実行可能命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体と、受信回路網と、送信回路網と、非一時的コンピュータ可読媒体、受信回路網および送信回路網に結合されるプロセッサとを含み、コンピュータ実行可能命令は、プロセッサに、リレーUEによって行われる上述の方法のいずれかを実装させる。
【0009】
本出願の一部の実施形態は、ワイヤレス通信のための更なる方法を提供する。本方法は、UEによって行われてよい。本方法は、UEとリレーUEとの間のリンクのPC5 RRC接続を確立するステップであって、リレーUEとBSとの間のリンクのUu RRC接続が確立されている、ステップと、リレーUEおよびBSの一方から通知を受信するステップであって、BSから受信される通知が、リレー再選択手順を行うようにとの要求であり、リレーUEから受信される通知が、リレーUEとBSとの間のリンクのRLFと、リレーUEとBSとの間のリンクのRLF回復失敗と、リレーUEとBSとの間のリンクのRLF回復成功との少なくとも1つと関連付けられる、ステップとを含む。
【0010】
本出願の一部の実施形態は、ワイヤレス通信のための方法を提供する。本方法は、UEによって行われてよい。本方法は、UEとリレーUEとの間のリンクのPC5 RRC接続を確立するステップであって、リレーUEとBSとの間のリンクのUu RRC接続が確立されている、ステップと、UEとBSとの間のリンクのRRCリレー接続を確立するステップと、UEとBSとの間のリンクのRRCリレー接続再構成のためのタイマの満了に応答しておよびBSからリレー再選択指示を受信したことに応答してリレー再選択手順を行うステップとを含む。
【0011】
本出願の一部の実施形態は、ワイヤレス通信のための装置も提供する。本装置は、コンピュータ実行可能命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体と、受信回路網と、送信回路網と、非一時的コンピュータ可読媒体、受信回路網および送信回路網に結合されるプロセッサとを含み、コンピュータ実行可能命令は、プロセッサに、UEによって行われる上述の方法のいずれかを実装させる。
【0012】
1つまたは複数の例の詳細が添付の図面および以下の説明に明らかにされる。他の特徴、目的および利点は、同説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
【0013】
本出願の利点および特徴を得ることができる方式を記載するために、本出願の説明は、添付の図面に例示される、その具体的な実施形態を参照することによってなされている。これらの図面は、本出願の実施形態例だけを描いており、そのため、その範囲を限定するとみなされるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本出願の一部の実施形態に従うワイヤレス通信システムの概要図である。
【
図2】本出願の一部の実施形態に従う例証的なV2X通信システムである。
【
図3】本出願の一部の実施形態に従うサイドリンクRRC再構成手順の例証的なフローチャートである。
【
図4】本出願の一部の実施形態に従うサイドリンクUE情報手順の例証的なフローチャートである。
【
図5】本出願の一部の実施形態に従うレイヤ2リンク維持手順の例証的なフローチャートである。
【
図6】本出願の一部の実施形態に従うUEに通知を送信するための方法のフローチャートである。
【
図7】本出願の一部の実施形態に従うBSおよびリレーUEの一方から通知を受信するための方法のフローチャートである。
【
図8】本出願の一部の実施形態に従うリレー再選択手順を行うための方法のフローチャートである。
【
図9】本出願の一部の実施形態に従うBSに障害情報を送信するための方法のフローチャートである。
【
図10】本出願の一部の実施形態に従う障害処理手順のための装置の簡略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付の図面の詳細な説明は、本出願の好適な実施形態の説明として意図されており、本出願が実施され得る唯一の形態を表すとは意図されない。本出願の趣旨および範囲内に包含されると意図される種々の実施形態によって同じまたは同等の機能が達成され得ることが理解されるべきである。
【0016】
ここで本出願の一部の実施形態が詳細に参照されることになり、その例が添付の図面に例示される。理解を容易にするために、実施形態は、3GPP 5G、3GPP LTEリリース8等などの、特定のネットワークアーキテクチャおよび新たなサービスシナリオの下で提供される。ネットワークアーキテクチャおよび新たなサービスシナリオの発展とともに、本出願における全ての実施形態が同様の技術的問題にも適用可能であることが企図され、その上、本出願に列挙される技術用語は変化し得るが、本出願の原理に影響すべきものではない。
【0017】
図1は、本出願の一部の実施形態に従うワイヤレス通信システムの概要図を例示する。
【0018】
図1に図示されるように、ワイヤレス通信システム100は、例示目的でUE101、BS102、およびリレーUE103を含む。UE101は、「リモートUE」等とも名付けられてよい。特定の数のUE、リレーUEおよびBSが
図1に描かれるが、任意の数のUE、リレーUEおよびBSがワイヤレス通信システム100に含まれてよいことが企図される。
【0019】
UE101とBS102との間の遠距離のために、これらUE101とBS102とは、リレーUE103を介して互いと通信する。UE101は、ネットワークインタフェース、例えば3GPP規格文書に規定されるようなPC5インタフェースを介してリレーUE103に接続されてよい。リレーUE103は、ネットワークインタフェース、例えば3GPP規格文書に規定されるようなUuインタフェースを介してBS102に接続されてよい。
図1を参照すると、UE101は、PC5リンクを介してリレーUE103に接続され、そしてリレーUE103は、Uuリンクを介してBS102に接続される。
【0020】
本出願の一部の実施形態において、UE101またはリレーUE103は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピュータ、スマートテレビ(例えば、インターネットに接続されるテレビ)、セットトップボックス、ゲームコンソール、セキュリティシステム(セキュリティカメラを含む)、車両搭載コンピュータ、ネットワークデバイス(例えば、ルータ、スイッチおよびモデム)等などの、コンピューティングデバイスを含んでよい。
【0021】
本出願の一部の更なる実施形態において、UE101またはリレーUE103は、ポータブルワイヤレス通信デバイス、スマートフォン、セルラ電話、折りたたみ式電話、加入者識別モジュールを有するデバイス、パーソナルコンピュータ、選択呼出受信回路網、またはワイヤレスネットワーク上で通信信号を送信および受信することが可能である任意の他のデバイスを含んでよい。
【0022】
本出願の一部の他の実施形態において、UE101またはリレーUE103は、スマートウォッチ、フィットネスバンド、光学ヘッドマウントディスプレイ等などの、ウェアラブルデバイスを含んでよい。その上、UE101またはリレーUE103は、加入者ユニット、モバイル、移動局、ユーザ、端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、固定端末、加入者局、ユーザ端末もしくはデバイスと称され、または当該技術で使用される他の技術用語を使用して記載されてよい。
【0023】
BS102は、地理的領域にわたって分散されてよい。本出願の或る実施形態において、BS102の各々は、アクセスポイント、アクセス端末、ベース、ベースユニット、マクロセル、ノードB、発展型ノードB(eNB)、gNB、ホームノードB、リレーノードもしくはデバイスと称され、または当該技術で使用される他の技術用語を使用して記載されてもよい。BS102は、一般に、1つまたは複数の対応するBS102に通信可能に結合される1つまたは複数のコントローラを含んでよい無線アクセスネットワークの一部である。
【0024】
ワイヤレス通信システム100は、ワイヤレス通信信号を送信および受信することが可能である任意の種類のネットワークと互換性があってよい。例えば、ワイヤレス通信システム100は、ワイヤレス通信ネットワーク、セルラ電話ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ベースのネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ベースのネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ベースのネットワーク、LTEネットワーク、3GPPベースのネットワーク、3GPP 5Gネットワーク、衛星通信ネットワーク、高高度プラットフォームネットワーク、および/または他の通信ネットワークと互換性がある。
【0025】
本出願の一部の実施形態において、ワイヤレス通信システム100は、3GPPプロトコルの5G NRと互換性があり、BS102は、ダウンリンク(DL)上でOFDM変調方式を使用してデータを送信し、そしてUE101(例えば、UE101または他の同様のUE)は、離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重(DFT-S-OFDM)またはサイクリックプレフィックスOFDM(CP-OFDM)方式を使用してアップリンク(UL)上でデータを送信する。しかしながら、より一般的には、ワイヤレス通信システム100は、他のプロトコルの中で、一部の他のオープンまたは独自通信プロトコル、例えばWiMAXを実装してよい。
【0026】
本出願の一部の実施形態において、BS102は、IEEE802.11ファミリのワイヤレス通信プロトコルなどの、他の通信プロトコルを使用して通信してよい。更に、本出願の一部の実施形態において、BS102は、ライセンススペクトルを通じて通信してよい一方、他の実施形態において、BS102は、アンライセンススペクトルを通じて通信してよい。本出願は、いかなる特定のワイヤレス通信システムアーキテクチャまたはプロトコルの実装にも限定されることは意図されない。本出願の更に一部の実施形態において、BS102は、3GPP 5Gプロトコルを使用してUE101と通信してよい。
【0027】
UE101は、BS102にアクセスして、ダウンリンクチャネルを介してBS102からデータパケットを受信しかつ/またはアップリンクチャネルを介してBS102にデータパケットを送信してよい。通常動作では、UE101は、BS102がいつUE101にデータパケットを送信するかを知らないので、UE101は、絶えず起動していて、BS102からデータパケットを受信する準備をするためにダウンリンクチャネル(例えば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH))を監視しなければならない。しかしながら、BS102とUE101との間にトラフィックがないときでもUE101が絶えずダウンリンクチャネルを監視し続ければ、それは著しい電力浪費に至るであろうし、電力が限られたUEまたは電力に敏感なUEにとって問題である。
【0028】
一般に、サイドリンク通信は、2つの送信モードを使用してUE-UE間直接通信をサポートする。2つのサイドリンクリソース割付モードがサポートされる、すなわちモード1およびモード2。モード1では、サイドリンクリソースは、BSによってスケジュールされる。モード2では、UEが、測定結果および感知結果に基づいてリソースプールにおけるサイドリンク送信リソースおよびタイミングを決定する。サイドリンク通信は、NRサイドリンク通信およびV2Xサイドリンク通信を含む。
図2は、以下にNRサイドリンク通信を示す。V2Xサイドリンク通信は、3GPP TS 36.300に規定されている。
【0029】
図2は、本出願の一部の実施形態に従う例証的なV2X通信システムを例示する。
【0030】
図2に図示されるように、V2X通信システムは、1つのgNB202、1つのng-eNB203、ならびに幾つかのV2X UE、すなわちUE201-A、UE201-BおよびUE201-Cを含む。これらのUEの各々は、
図1に図示および例示されるようにUE101a、UE101bまたはリレーUE103を指してよい。
【0031】
特に、UE201-AはgNB202のカバレッジ内にあり、UE201-Bはng-eNB203のカバレッジ内にあり、そしてUE201-CはgNB202およびng-eNB203のカバレッジ外にある。PC5インタフェースを介したV2Xサービスのサポートは、NRサイドリンク通信および/またはV2Xサイドリンク通信によって提供できる。NRサイドリンク通信は、一対の送信元レイヤ2識別情報(ID)および宛先レイヤ2 IDに対して3種類の送信モードの1つをサポートできる:ユニキャスト送信、グループキャスト送信およびブロードキャスト送信。PC5インタフェースを通じたサイドリンク送信および受信は、UEがNG-RANカバレッジの内側にあるときもNG-RANカバレッジの外側にあるときもサポートされる。
【0032】
UE201-Aは、gNB202のカバレッジ内にあり、PC5インタフェースを通じてサイドリンクユニキャスト送信、サイドリンクグループキャスト送信またはサイドリンクブロードキャスト送信を行い得る。UE201-Cは、カバレッジ外にあるが、同じくPC5インタフェースを通じてサイドリンク送信および受信を行うことができる。
【0033】
本出願の一部の他の実施形態に従って、V2X通信システムが、より多くのまたはより少ないBSおよびより多くのまたはより少ないV2X UEを含み得ることが企図される。その上、
図2に例示および図示されるようなV2X UEの名称(Tx UE、Rx UE等を表す)が異なって、例えばUE201c、UE204f、およびUE208g等であり得ることが企図される。
【0034】
加えて、
図2に図示されるような各V2X UEが携帯電話の形状に例示されるが、V2X通信システムが本出願の一部の他の実施形態に従って任意の種類のUE(例えば、道路地図デバイス、携帯電話、コンピュータ、ラップトップ、IoT(モノのインターネット)デバイスまたは他の種類のデバイス)を含み得ることが企図される。
【0035】
図2の一部の実施形態によれば、UE201-AはTx UEとして機能し、そしてUE201-BおよびUE201-CはRx UEとして機能する。UE201-Aは、サイドリンク、例えば3GPP TS 23.303に定められるようなPC5インタフェースを通じてUE201-BまたはUE201-CとV2Xメッセージを交換してよい。UE201-Aは、サイドリンクユニキャスト、サイドリンクグループキャストまたはサイドリンクブロードキャストを通じて、V2X通信システム内の他のUEに情報またはデータを送信してよい。サイドリンク通信は、NRサイドリンク通信およびV2Xサイドリンク通信を含む。例えば、UE201-Aは、NRサイドリンクユニキャストセッションでUE201-Cにデータを送信してよく、そしてUE201-Bは、V2XサイドリンクユニキャストセッションでUE201-Cにデータを送信してよい。UE201-Aは、サイドリンクグループキャスト送信セッションによってグループキャストグループのUE201-BおよびUE201-Cにデータを送信してよい。
【0036】
サイドリンク通信は、NRサイドリンク通信およびV2Xサイドリンク通信を含む。
図2は、3GPP TS 38.311に規定されるNRサイドリンク通信を示す。V2Xサイドリンク通信は、3GPP TS 36.311に規定されている。
【0037】
図3は、本出願の一部の実施形態に従うサイドリンクRRC再構成手順の例証的なフローチャートを例示する。
【0038】
図3に図示されるように、動作301で、UE310(例えば、
図1に例示および図示されるようなUE101a)がUE320(例えば、
図1に例示および図示されるようなリレーUE103)にRRCReconfigurationSidelinkメッセージを送信することによってUE320に対するサイドリンクRRC再構成手順を開始する。
【0039】
サイドリンクRRC再構成手順が正常に完了されれば、動作302で、UE320がUE310に「RRC再構成完了サイドリンクメッセージ」、例えば3GPP規格文書に規定されるようなRRCReconfigurationCompleteSidelinkメッセージを送信してよい。代替的に、サイドリンクRRC再構成手順が正常に完了されなければ、動作302で、UE320は、UE310に「RRC再構成障害サイドリンクメッセージ」、例えば3GPP規格文書に規定されるようなRRCReconfigurationFailureSidelinkメッセージを送信してよい。
【0040】
サイドリンクRRC再構成手順の目的は、PC5 RRC接続を変更すること、例えばサイドリンクデータ無線ベアラ(DRB)を確立、変更または解放すること、NRサイドリンク測定および報告を構成すること、ならびにサイドリンクチャネル状態情報(CSI)基準信号リソースを構成することである。
【0041】
UE(例えば、
図3に例示および図示されるようなUE310)がサイドリンクRRC再構成手順を開始し、次の場合に対応するPC5 RRC接続に動作を行ってよい:
- ピアUE(例えば、
図3に例示および図示されるようなUE320)と関連付けられたサイドリンクDRBの解放、
- ピアUEと関連付けられたサイドリンクDRBの確立、
- ピアUEと関連付けられたサイドリンクDRBのサイドリンク無線ベアラ(SLRB)-Configに含まれるパラメータに対する変更、
- NRサイドリンク測定および報告を行うためのピアUEの構成情報、ならびに
- サイドリンクCSI基準信号リソースの構成情報。
【0042】
NRサイドリンク通信が可能なUEは、サイドリンク無線リンク障害(RLF)(例えば、タイマT400の満了)またはサイドリンクRRC再構成障害が宣言されたことをネットワークまたはBSに報告するために、NRのためのサイドリンクUE情報の手順を開始してよい。
【0043】
以下の表は、3GPP規格文書に規定されるような幾つかのタイマの導入を示し、これらのタイマの各々のための開始条件、停止条件、満了時の動作および取り得る一般名を含む。
【0044】
【0045】
図4は、本出願の一部の実施形態に従うサイドリンクUE情報手順の例証的なフローチャートを例示する。
【0046】
図4に図示されるように、動作401で、UE410(例えば、
図1に例示および図示されるようなUE101aまたは
図3に例示および図示されるようなUE310)がBS420(例えば、
図1に例示および図示されるようなBS102)に「サイドリンクUE情報メッセージ」、例えば3GPP規格文書に規定されるようなSidelinkUEinformationNRメッセージを送信する。具体的には、sidelinkUEinformationNRメッセージは、サイドリンク障害情報を含んでよい。サイドリンク障害情報は、サイドリンク先情報IDおよびサイドリンク障害原因を含んでよい。
【0047】
3GPP規格文書によれば、PC5-S層におけるキープアライブ手順において、PC5-Sプロトコルは、特定のPC5ユニキャストリンクがまだ有効であるかどうかを検出するために使用されるキープアライブ機能性をサポートするものとする。UEは、キープアライブシグナリングを最小化する、例えば、データがPC5ユニキャストリンクを通じて正常に受信されれば手順を取り消すものとする。
【0048】
図5は、本出願の一部の実施形態に従うレイヤ2リンク維持手順の例証的なフローチャートを例示する。
【0049】
図5に図示されるように、ステップ0で、UE-1(例えば、
図1~
図4に例示および図示されるようなUE101a、UE201-C、UE310またはUE410)ならびにUE-2(例えば、
図1~
図3に例示および図示されるようなリレーUE103、UE201-AまたはUE320)がユニキャストリンクを確立させている。ステップ1で、UE-1(例えば、
図1に例示および図示されるようなUE101a)は、トリガ条件に基づいてPC5ユニキャストリンクの状態を判定するためにUE-2(例えば、
図1に例示および図示されるようなリレーUE103)にキープアライブメッセージを送信する。ステップ2で、キープアライブメッセージを受信したことに応じて、UE-2は、UE-1にキープアライブAckメッセージで応答する。UE-1がUE-2から応答を受信すると、UE-1は、「キープアライブ手順のためのタイマ」を停止する。さもなければ、「キープアライブ手順のためのタイマ」は満了する。
【0050】
3GPP規格文書によれば、レイヤ2(すなわち、L2)UE-ネットワーク間リレーシナリオのためにPC5リンク(すなわち、リレーUEとリモートUEとの間のPC5リンク)にわたってアダプテーション層がサポートされる。L2 UE-ネットワーク間リレーシナリオのために、アダプテーション層は、PC5リンクにわたって制御プレーン(CP)およびユーザプレーン(UP)の両方に対してRLCサブレイヤの上に置かれる。サイドリンクサービスデータアダプテーションプロトコル(SDAP)またはサイドリンクパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)およびRRCは2つのリモートUE間で終端される一方、RLC、MACおよびPHYは各PC5リンクにおいて終端される。
【0051】
レイヤ3(すなわち、L3)UE-ネットワーク間リレーシナリオに関して、リレーUEは、完全なプロトコルスタックを有する。すなわち、L3リレーUEのユーザプレーン(UP)プロトコルスタックは、PHY、MAC、RLC、PDCPおよびSDAP層を含む。L3リレーUEの制御プレーン(CP)プロトコルスタックは、PHY、MAC、RLC、PDCPおよびRRC層を含む。
【0052】
現在、3GPP 5G NRネットワーク下のサイドリンクリレーシステムでは、以下の問題点が解決される必要がある:リモートUEがUE-ネットワーク間リレーシナリオにおけるリレー再選択を行うトリガ条件が何であるか、通知を受信したことに応じたリモートUEの挙動が何であるか、およびリレーUEがUE-ネットワーク間リレーシナリオにおけるキープアライブ手順を完了することに失敗したときにリレーUEがBSに報告する必要があるかどうか。UE-ネットワーク間リレーシナリオにおけるリレー再選択手順および接続処理手順を設計する仕方に関する詳細は、まだ具体的に議論されていない。本出願の実施形態は、上記の問題点を解決するために3GPP 5G NRシステム等におけるUE-ネットワーク間リレーシナリオにおけるリレー再選択および接続処理手順を提供する。更なる詳細が、添付の図面と組み合わせた以下の本文に例示されることになる。
【0053】
図6は、本出願の一部の実施形態に従うUEに通知を送信するための方法のフローチャートを例示する。
【0054】
本方法は、リレーUE(例えば、
図1に例示および図示されるリレーUE103、
図2に例示および図示されるようなUE201-AもしくはUE201-B、または
図3に例示および図示されるようなUE320)によって行われてよい。リレーUEに関して記載されるが、他のデバイスが
図6の方法と同様の方法を行うように構成され得ることが理解されるべきである。
【0055】
図6に図示されるような例証的な方法600において、動作601で、リレーUE(例えば、
図1に例示および図示されるリレーUE103)とBS(例えば、
図1に例示および図示されるBS102)との間のリンクのUu RRC接続が確立される。動作602で、UE(例えば、
図1に例示および図示されるUE101a)とリレーUEとの間のリンクのPC5 RRC接続が確立される。
【0056】
動作603で、リレーUEは、UEに通知を送信する。例えば、リレーUEから送信される障害通知は、リレーUEとBSとの間のリンクのRLF、リレーUEとBSとの間のリンクのRLF回復失敗、およびリレーUEとBSとの間のリンクのRLF回復成功の少なくとも1つと関連付けられてよい。
【0057】
一部の実施形態において、リレーUEによって送信される通知は、RLF通知である。RLF通知は、
(1)リレーUEがリレーUEとBSとの間のリンクにRLFを検出する、
(2)リレーUEがリレーUEとBSとの間のリンクに高速マスタセルグループ(MCG)リンク回復手順を行う、および
(3)リレーUEがリレーUEとBSとの間のリンクにRRC再確立手順を行う、の1つに応答してリレーUEから送信されてよい。ある程度までは、RRC再確立手順は、回復する手段である。
【0058】
一部の他の実施形態において、通知は、回復成功通知である。1つの例では、リレーUEとBSとの間のリンクに高速MCGリンク回復手順を正常に完了させたことに応答して、リレーUEは、回復成功通知を送信する。別の例では、リレーUEとBSとの間のリンクにRRC再確立手順を正常に完了させたことに応答して、リレーUEは、回復成功通知を送信する。
【0059】
一部の更なる実施形態において、通知は、回復失敗通知である。例えば、リレーUEとBSとの間のリンクにRRC再確立手順を完了させることに失敗したことに応答して、リレーUEは、回復失敗通知を送信する。代替的に、RRC再確立要求メッセージの送信のためのタイマの満了に応答して、リレーUEは、回復失敗通知を送信する。例えば、タイマT301が満了すれば、リレーUEは、回復失敗通知を送信する。
【0060】
一部の実施形態において、通知は、
(1)リレーUEの媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)と、
(2)リレーUEのRRCシグナリングと、
(3)リレーUEのアダプテーション層における制御パケットデータユニット(PDU)との少なくとも1つによって送信される。
【0061】
本出願の他の全ての実施形態に記載される詳細(例えば、リレーUEから送信される通知に関する詳細)が、
図6の実施形態に対して適用可能である。その上、
図6の実施形態に記載される詳細は、
図1~
図5および
図7~
図10の全ての実施形態に対して適用可能である。
【0062】
図7は、本出願の一部の実施形態に従うBSおよびリレーUEの一方から通知を受信するための方法のフローチャートを例示する。
【0063】
本方法は、UE(例えば、
図1に例示および図示されるようなUE101a、
図2に例示および図示されるようなUE201-C、
図3に例示および図示されるようなUE310、または
図4に例示および図示されるようなUE410)によって行われてよい。UEに関して記載されるが、他のデバイスが
図7の方法と同様の方法を行うように構成され得ることが理解されるべきである。
【0064】
図7に図示されるような例証的な方法700において、動作701で、UE(例えば、
図1に例示および図示されるUE101a)とリレーUE(例えば、
図1に例示および図示されるようなリレーUE103)との間のリンクのPC5 RRC接続が確立される。
図7の実施形態は、リレーUEとBS(例えば、
図1に例示および図示されるBS102)との間のリンクのUu RRC接続が確立されていることを前提とする。
【0065】
動作702で、UEは、BSおよびリレーUEの一方から通知を受信する。BSから受信される通知は、リレー再選択手順を行うようにとの要求である。リレーUEから受信される通知は、
(1)リレーUEとBSとの間のリンクの無線リンク障害(RLF)と、
(2)リレーUEとBSとの間のリンクのRLF回復失敗と、
(3)リレーUEとBSとの間のリンクのRLF回復成功との少なくとも1つと関連付けられる。
【0066】
一部の実施形態において、通知は、リレーUEから送信されるRLF通知である。リレーUEは、リレーUEがリレーUEとBSとの間のリンクにRLFを検出した後、RLF通知を送信してよい。リレーUEは、リレーUEがリレーUEとBSとの間のリンクに高速MCGリンク回復手順を行った後、RLF通知を送信してよい。代替的に、リレーUEは、リレーUEがリレーUEとBSとの間のリンクにRRC再確立手順を行った後、RLF通知を送信してよい。
【0067】
一部の他の実施形態において、通知は、回復成功通知である。1つの例では、リレーUEがリレーUEとBSとの間のリンクに高速MCGリンク回復手順を正常に完了させれば、リレーUEは、回復成功通知を送信する。別の例では、リレーUEがリレーUEとBSとの間のリンクにRRC再確立手順を正常に完了させれば、リレーUEは、回復成功通知を送信する。
【0068】
一部の更なる実施形態において、通知は、回復失敗通知である。例えば、リレーUEがリレーUEとBSとの間のリンクにRRC再確立手順を完了させることに失敗すれば、リレーUEは、回復失敗通知を送信する。代替的に、RRC再確立要求メッセージの送信のためのタイマの満了に応じて、リレーUEは、回復失敗通知を送信する。例えば、タイマT301が満了すれば、リレーUEは、回復失敗通知を送信する。
【0069】
一部の実施形態において、通知は、リレーUEのMAC CEと、リレーUEのRRCシグナリングと、リレーUEのアダプテーション層における制御PDUの少なくとも1つによって送信される。
【0070】
一部の実施形態において、例証的な方法700において、UEは、「リレーUEとBSとの間のリンクのRLF」と「リレーUEとBSとの間のリンクのRLF回復失敗」との少なくとも一方と関連付けられた通知を受信した後、リレー再選択手順を更に行う。
【0071】
一実施形態において、UEがリレーUEとBSとの間のリンクのRLFと関連付けられた通知を受信すれば、UEは、
- BSに宛てられるデータ無線ベアラ(DRB)と、
- BSに宛てられるデータの送信と、
- BSに宛てられるシグナリングの送信との少なくとも1つを中断してよい。
【0072】
一部の他の実施形態において、UEがリレーUEとBSとの間のリンクのRLFと関連付けられた通知を受信すれば、UEは、リレーUEに、リレーUEに宛てられるデータを送信し続けかつリレーUEからデータを受信し続けてよい。
【0073】
一部の実施形態において、UEがリレーUEからエンドマーク指示を受信すれば、UEは、リレーUEからデータを受信するのを止める。一部の更なる実施形態において、UEがRRCメッセージを受信し、かつRRCメッセージが、UEに宛てられるデータの送信を完了したことの指示を含めば、UEは、リレーUEからデータを受信するのを止める。
【0074】
一実施形態において、UEのAS層が、UEがリレーUEからデータを受信するのを止めたことを示すために、UEのPC5-S層に指示を送信してよい。
【0075】
更なる実施形態において、UEのAS層が、リレーUEとBSとの間のリンクにおける障害の発生を示すために、UEのPC5-S層に指示を送信してよい。次いで、UEのPC5-S層は、UEのAS層に発見メッセージを送信する。
【0076】
一部の実施形態において、UEがリレーUEとBSとの間のリンクのRLFと関連付けられた通知を受信すれば、UEは、リレー発見手順を開始するまたはリレー再選択手順を開始する。一部の他の実施形態において、UEがリレーUEとBSとの間のリンクのRLF回復失敗と関連付けられた通知を受信すれば、UEは、リレー発見手順を開始するまたはリレー再選択手順を開始する。
【0077】
一部の実施形態において、UEは、リレーUEから回復成功通知を受信してよく、そしてUEは、BSに宛てられるDRBと、BSに宛てられるデータの送信と、BSに宛てられるシグナリングの送信との少なくとも1つを再開する。
【0078】
本出願の他の全ての実施形態に記載される詳細(例えば、BSまたはリレーUEから受信される通知に関する詳細)が、
図7の実施形態に対して適用可能である。その上、
図7の実施形態に記載される詳細は、
図1~
図6および
図8~
図10の全ての実施形態に対して適用可能である。
【0079】
図8は、本出願の一部の実施形態に従うリレー再選択手順を行うための方法のフローチャートを例示する。
【0080】
本方法は、UE(例えば、
図1に例示および図示されるようなUE101a、
図2に例示および図示されるようなUE201-C、
図3に例示および図示されるようなUE310、または
図4に例示および図示されるようなUE410)によって行われてよい。UEに関して記載されるが、他のデバイスが
図8の方法と同様の方法を行うように構成され得ることが理解されるべきである。
【0081】
図8に図示されるような例証的な方法800において、動作801で、UE(例えば、
図1に例示および図示されるUE101a)とリレーUE(例えば、
図1に例示および図示されるようなリレーUE103)との間のリンクのPC5 RRC接続が確立される。
図8の実施形態は、リレーUEとBS(例えば、
図1に例示および図示されるBS102)との間のリンクのUu RRC接続が確立されていることを前提とする。
【0082】
動作802で、UEとBSとの間のリンクのRRCリレー接続が確立される。動作803で、UEは、「UEとBSとの間のリンクのRRCリレー接続再構成のためのタイマの満了」または「BSからリレー再選択指示を受信したこと」に応答してリレー再選択手順を行う。
【0083】
UEとBSとの間のリンクのRRCリレー接続は、「リレーリンクのエンドツーエンドRRC接続」、「エンドツーエンドRRC接続」、「エンドツーエンドリレー接続」、「リレーRRC接続」等とも名付けられてよい。
【0084】
一部の実施形態において、UEは、BSにRRCメッセージを更に送信してよい。RRCメッセージは、リレーUEによってBSにリレーされてよい。RRCメッセージを送信したことに応じて、UEは、RRCリレー接続再構成のためのタイマを開始してよい。
【0085】
一部の実施形態において、UEは、BSから、候補リレーUEの識別情報を含む測定構成情報を受信する。次いで、UEは、候補リレーUEに測定を行い、そして測定の測定結果をBSに送信する。例えば、UEとリレーUEとの間のリンクのチャネル品質が閾値以下であるという条件に基づいて、UEは、候補リレーUEおよびUEのサービングセル(もしあれば)の他にUEの近傍セルに測定を行ってよい。UEがBSのカバレッジ内にあれば、UEは、サービングセルを有しており、サービングセルに測定を行ってよい。さもなければ、UEは、サービングセルを見つけることができず、候補リレーUEおよびUEの近傍セルに測定を行うだけでよい。次いで、UEは、行った測定の測定結果をBSに送信する。受信した測定結果に基づいて、BSは、UEにリレー再選択指示を送信してよい。リレー再選択指示を受信したことに応じて、UEは、リレー再選択手順を行ってよい。
【0086】
一部の実施形態において、UEは、BSからRRCメッセージを受信する。RRCメッセージは、リレー再選択指示を含む。一実施形態において、リレー再選択指示は、UEによって行われる測定の測定結果と関連付けられる。例えば、測定は、候補リレーUE、UEのサービングセル(もしあれば)およびUEの近傍セルに行われる。
【0087】
本出願の他の全ての実施形態に記載される詳細(例えば、リレー再選択手順を行うトリガ条件に関する詳細)が、
図8の実施形態に対して適用可能である。その上、
図8の実施形態に記載される詳細は、
図1~
図7、
図9および
図10の全ての実施形態に対して適用可能である。
【0088】
以下の本文は、
図6~
図8のいずれかに図示および例示されるような方法の具体的な実施形態1~4を記載する。
【0089】
実施形態1
実施形態1は、L3 UE-ネットワーク間リレーシナリオに対するものである。実施形態1においてリモートUEとBSとの間のエンドツーエンドRRC接続はない。実施形態1によれば、UE1(例えば、
図1に図示および例示されるようなUE101であり、リモートUEとして機能する)、リレーUE(例えば、
図1に例示および図示されるリレーUE103)、ならびにBS(例えば、
図1に例示および図示されるようなBS102)が以下のステップを行う:
(1)ステップ1:UE1とリレーUEとの間のPC5 RRC接続が確立されている。リレーUEとBSとの間のUu RRC接続が確立されている。
(2)ステップ2:リレーUEが以下の条件の少なくとも一方に基づいてUE1に通知を送信する。
●リレーUEとBSとの間のUuインタフェース上のRLFが起こると、リレーUEは、UE1にRLFと関連付けられた通知を送信する。
- 例えば、RLFと関連付けられた通知はRLF通知である。リレーUEは、RLFを検出したことに応じてRLF通知を送信してよい。RLF通知は、リレーUEのMAC CEを介してMCGリンク上で搬送されてよい。RLF通知は、リレーUEのRRCメッセージ上で搬送されてよい。代替的に、RLF通知は、リレーUEのアダプテーション層制御PDU上で搬送されてよい。
●リレーUEとBSとの間のUuインタフェース上でRLF回復手順が失敗すると、リレーUEは、UE1に、RLF回復失敗と関連付けられた通知を送信する。
(3)ステップ3:リレーUEから通知を受信した後、UE1がリレー再選択手順を行う。
【0090】
実施形態2
実施形態2は、L2 UE-ネットワーク間リレーシナリオに対するものである。実施形態2においてリモートUEとBSとの間のエンドツーエンドRRC接続がある。実施形態2によれば、UE1(例えば、
図1に図示および例示されるようなUE101であり、リモートUEとして機能する)、リレーUE(例えば、
図1に例示および図示されるリレーUE103)、ならびにBS(例えば、
図1に例示および図示されるようなBS102)が以下のステップを行う:
(1)ステップ1:UE1とリレーUEとの間のPC5 RRC接続が確立されている。リレーUEとBSとの間のUu RRC接続が確立されている。
(2)ステップ2:UE1とBSとの間のエンドツーエンドRRC接続が確立される。
●UE1はリレーUEを介してBSにRRC設定要求を送信する。
●BSはリレーUEを介してUE1にRRC設定メッセージを送信する。RRC設定メッセージはUE1に対する応答を含む。
(3)ステップ3:リレーUEが以下の条件の少なくとも1つに基づいてUE1に通知を送信する。
●エンドツーエンドRRCメッセージのためのタイマが満了する
- UE1はBSにRRCメッセージを送信し、これはリレーUEによってBSにリレーされる。RRC手順を制御するために1つのタイマが使用される。このタイマは「エンドツーエンドRRCメッセージのためのタイマ」等とも名付けられてよい。UE1がRRCメッセージを送信すると、UE1はこのタイマを開始する。UEがBSから応答またはフィードバックを受信すれば、UEはこのタイマを停止する。さもなければ、一旦このタイマが満了すると、UE1は、リレー再選択手順を行うようにトリガされる。
●UE1がBSからRRCメッセージを受信し、かつRRCメッセージがリレー再選択指示を含む。
- BSから受信されるRRCメッセージは候補リレーUEの識別情報を更に含んでよい。BSは、候補リレーUE、UE1のサービングセルおよびUE1の近傍セルに対する測定を行うようにUEを構成してよい。UE1は、BSに、その測定の測定結果を、例えば測定レポートで報告してよい。
●UE1からの測定レポートに基づいて、BSが、リレー再選択手順を行うようにUE1を構成してよい。
(4)ステップ4:UE1がリレー再選択手順を行う。
【0091】
実施形態3
実施形態3によれば、UE1(例えば、
図1に図示および例示されるようなUE101であり、リモートUEとして機能する)、リレーUE(例えば、
図1に例示および図示されるリレーUE103)、ならびにBS(例えば、
図1に例示および図示されるようなBS102)が以下のステップを行う:
(1)ステップ1:UE1とリレーUEとの間のPC5 RRC接続が確立されている。リレーUEとBSとの間のUu RRC接続が確立されている。
(2)ステップ2(任意選択):UE-ネットワーク間リレーがL2リレーシナリオであれば、UE1とBSとの間のエンドツーエンドRRC接続が確立される。
●UE1はリレーUEを介してBSにRRC設定要求を送信する。
●BSはリレーUEを介してUE1にRRC設定メッセージを送信する。RRC設定メッセージはUE1に対する応答を含む。
(3)ステップ3:リレーUEが以下の条件の少なくとも1つに基づいてUE1に通知を送信する。
●リレーUEは、
- リレーUEとBSとの間のRLFが起こった、または
- リレーUEが、高速MCGリンク回復手順を行うようにトリガされた、または
- リレーUEが、RRC再確立手順を行うようにトリガされた場合に、UE1にRLF通知を送信する。
●RLF通知は、リレーUEのMAC CE、リレーUEのRRCシグナリング、またはリレーUEのアダプテーション層における制御PDUによって送信できる。
ステップ4:UE1がリレーUEからRLF通知を受信する。
- UE1がリレーUEからRLF通知を受信した後、UE1は、BSに宛てられるDRBまたはデータおよびシグナリング送信を中断する。
- UE1は、リレーUEに、リレーUEに宛てられるデータ送信を送信し続けてよい。
- UE1はリレーUEからデータを受信し続けてよい。リレーUEのバッファ内のデータはBSから送信された可能性がある。
●リレーUEがデータ送信を完了した後、リレーUEはUE1にエンドマーク情報を送信してよい。任意選択で、リレーUEは、データ送信の完了を示すために、UE1にRRCメッセージを送信してよい。次いで、UE1はリレー再選択手順を行うことになる。
- UE1は、発見手順またはリレー再選択手順を開始するようにトリガされる。
- UE1のAS層が、Uuインタフェースに障害が起こったことをUE1の上位層(例えば、V2X層またはPC5-S層)に通知する。次いで、UE1の上位層は、送信目的でUE1のAS層に発見メッセージを供給する。
- ステップ5:リレーUEが、「高速MCGリンク回復手順成功」または「再確立回復手順成功」に応じて、回復成功通知を送信する。
- リレーUEから回復成功通知を受信した後、UE1はBSとのデータ送信を再開してよい。
- 回復成功通知は、リレーUEのMAC CE、リレーUEのRRCシグナリング、またはリレーUEのアダプテーション層における制御PDUによって送信できる。
【0092】
実施形態4
実施形態4によれば、UE1(例えば、
図1に図示および例示されるようなUE101であり、リモートUEとして機能する)、リレーUE(例えば、
図1に例示および図示されるリレーUE103)、ならびにBS(例えば、
図1に例示および図示されるようなBS102)が以下のステップを行う:
(1)UE1とリレーUEとの間のPC5 RRC接続が確立されている。リレーUEとBSとの間のUu RRC接続が確立されている。
(2)ステップ2(任意選択):UE-ネットワーク間リレーがL2リレーシナリオであれば、UE1とBSとの間のエンドツーエンドRRC接続が確立される。
●UE1はリレーUEを介してBSにRRC設定要求を送信する。
●BSはリレーUEを介してUE1にRRC設定メッセージを送信する。RRC設定メッセージはUE1に対する応答を含む。
(3)ステップ3:リレーUEが以下の条件の少なくとも一方に基づいてUE1に回復失敗通知を送信する。
●リレーUEは、タイマT304の満了またはタイマT301の満了などの、回復失敗に応じてUE1に回復失敗通知を送信する。
- UE1が回復失敗通知を受信すると、UE1は、リレー再選択手順を行うようにトリガされる。
●回復失敗通知は、リレーUEのMAC CE、リレーUEのRRCシグナリング、またはリレーUEのアダプテーション層における制御PDUによって送信できる。
【0093】
図9は、本出願の一部の実施形態に従うBSに障害情報を送信するための方法のフローチャートを例示する。
【0094】
本方法は、リレーUE(例えば、
図1に例示および図示されるリレーUE103、
図2に例示および図示されるようなUE201-AもしくはUE201-B、または
図3に例示および図示されるようなUE320)によって行われてよい。リレーUEに関して記載されるが、他のデバイスが
図9の方法と同様の方法を行うように構成され得ることが理解されるべきである。
【0095】
図9に図示されるような例証的な方法900において、動作901で、UE(例えば、
図1に例示および図示されるUE101a)とリレーUE(例えば、
図1に例示および図示されるリレーUE103)との間のリンクのPC5 RRC接続が確立される。動作902で、リレーUEとBS(例えば、
図1に例示および図示されるようなBS102)との間のリンクのUu RRC接続が確立される。
【0096】
動作903で、UEとリレーUEとの間のリンクにPC5-Sリンク障害を検出したことに応答して、リレーUEはUEに障害情報を送信する。
【0097】
一部の実施形態において、リレーUEは、
- キープアライブ手順のためのタイマの満了であり、キープアライブ手順のためのタイマがUEとリレーUEとの間のリンクと関連付けられる、
- リレーUEのAS層が、リレーUEのPC5-S層から、PC5-Sリンク障害の指示を受信する、および
- リレーUEが、PC5-Sリンク障害を検出したことに応じてサイドリンクRLFを宣言する、の少なくとも1つに応答して障害情報を送信する。
【0098】
一部の実施形態において、障害情報は、サイドリンク障害通知であり、そしてサイドリンク障害通知は、原因を含む。原因は、
1)キープアライブ手順のためのタイマの満了であり、キープアライブ手順のためのタイマがUEとリレーUEとの間のリンクと関連付けられる、および
2)PC5-Sリンク障害の発生、の少なくとも一方でよい。
【0099】
本出願の他の全ての実施形態に記載される詳細(例えば、BSに送信される障害情報に関する詳細)が、
図9の実施形態に対して適用可能である。その上、
図9の実施形態に記載される詳細は、
図1~
図8および
図10の全ての実施形態に対して適用可能である。
【0100】
以下の本文は、
図9に図示および例示されるような方法の具体的な実施形態5を記載する。
【0101】
実施形態5
実施形態5によれば、UE1(例えば、
図1に図示および例示されるようなUE101であり、リモートUEとして機能する)、リレーUE(例えば、
図1に例示および図示されるリレーUE103)、ならびにBS(例えば、
図1に例示および図示されるようなBS102)が以下のステップを行う:
(1)UE1とリレーUEとの間のPC5 RRC接続が確立されている。リレーUEとBSとの間のUu RRC接続が確立されている。
(2)ステップ2(任意選択):UE-ネットワーク間リレーがL2リレーシナリオであれば、UE1とBSとの間のエンドツーエンドRRC接続が確立される。
●UE1はリレーUEを介してBSにRRC設定要求を送信する。
●BSはリレーUEを介してUE1にRRC設定メッセージを送信する。RRC設定メッセージはUE1に対する応答を含む。
(3)ステップ3:リレーUEが、トリガ条件に基づいて、PC5ユニキャストリンクの状態を判定するために、UE1にキープアライブメッセージを送信する。
●リレーUEはキープアライブ手順のための1つのタイマを開始する。
(4)ステップ4:キープアライブ手順のためのタイマが満了する。リレーUEは、例えばSidelinkUEInformationメッセージを介して、BSに指示を報告するようにトリガされる。
●キープアライブ手順のためのタイマが満了する。リレーUEは、キープアライブ手順のためのタイマが満了した後にBSに障害情報を報告するようにトリガされてよい。次いで、BSはUE1に対するデータ送信を停止してよい。
- リレーUEは、以下の条件の1つに基づいてBSに障害情報を報告するようにトリガされてよい:
1.キープアライブ手順のためのタイマの満了、
2.リレーUEのAS層がリレーUEのPC5-S層からPC5-Sリンク障害を受信する、および
3.リレーUEが、PC5-Sリンク障害を検出したためにサイドリンクRLFを宣言する。
- 報告される障害情報はサイドリンク障害通知であり得る。サイドリンク障害通知は、原因、例えば「PC5リンク障害」または「キープアライブ手順のためのタイマの満了」を含んでよい。
【0102】
図10は、本出願の一部の実施形態に従う障害処理手順のための装置の簡略ブロック図を例示する。
【0103】
本出願の一部の実施形態において、装置1000はUE(例えば、
図1に例示および図示されるようなUE101、
図2に例示および図示されるようなUE201-C、
図3に例示および図示されるようなUE310、または
図4に例示および図示されるようなUE410)でよく、
図7または
図8に例示される方法を少なくとも行うことができる。
【0104】
本出願の一部の他の実施形態において、装置1000はリレーUE(例えば、
図1に例示および図示されるようなリレーUE103、
図2に例示および図示されるようなUE201-AもしくはUE201-B、または
図3に例示および図示されるようなUE320)でよく、
図6または
図9に例示される方法を少なくとも行うことができる。本出願の一部の追加の実施形態において、装置1000はBS(例えば、
図1に例示および図示されるようなBS102または
図4に例示および図示されるようなBS420)でよい。
【0105】
図10に図示されるように、装置1000は、少なくとも1つの受信機1002、少なくとも1つの送信機1004、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体1006、ならびに少なくとも1つの受信機1002、少なくとも1つの送信機1004および少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体1006に結合される少なくとも1つのプロセッサ1008を含んでよい。
【0106】
図10において、少なくとも1つの受信機1002、少なくとも1つの送信機1004、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体1006および少なくとも1つのプロセッサ1008などの要素が単数で記載されるが、単数への限定が明記されない限り複数が企図される。本出願の一部の実施形態において、少なくとも1つの受信機1002および少なくとも1つの送信機1004は、送受信機などの、単一のデバイスへ結合される。本出願の一部の実施形態において、装置1000は、入力デバイス、メモリおよび/または他の部品を更に含んでよい。
【0107】
本出願の一部の実施形態において、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体1006は、少なくとも1つの受信機1002、少なくとも1つの送信機1004および少なくとも1つのプロセッサ1008により、例えば
図6~
図9のいずれか1つに鑑みて記載されるような方法の動作を実装するようにプログラムされるコンピュータ実行可能命令を記憶していてよい。
【0108】
当業者であれば、本明細書に開示される態様に関連して記載される方法の動作が、ハードウェアで直接、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはその2つの組合せで具現化され得ることを理解するであろう。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または任意の他の形態の公知の記憶媒体に常駐してよい。追加的に、一部の態様では、方法の動作は、非一時的コンピュータ可読媒体上に1つのまたは任意の組合せもしくは集合のコードおよび/または命令として常駐してよく、コンピュータプログラム製品へ組み込まれてよい。
【0109】
本開示がその具体的な実施形態とともに記載されたが、多くの代替、変更および変形が当業者に明らかであり得ることが明白である。例えば、実施形態の様々な構成要素が、その他の実施形態において交換、追加または置換され得る。また、各図の要素の全てが、開示した実施形態の動作のために必要であるわけではない。例えば、当業者であれば、単に独立請求項の要素を利用することによって本開示の教示を製作および使用することを可能にされるであろう。したがって、本明細書に記載される本開示の実施形態は、限定的でなく例示的であると意図される。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な変更がなされ得る。
【0110】
本文書において、用語「含む」、「含んでいる」またはその任意の他の変形は、非排他的な包含を網羅すると意図されており、そのため一連の要素を含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの要素だけを含むのではなく、明記されないまたはそのようなプロセス、方法、物品もしくは装置に固有でない他の要素を含み得る。「a(或る1つの)」「an」等によって先行される要素は、更なる制約なしには、その要素を含むプロセス、方法、物品または装置における追加の同一要素の存在を排除しない。また、用語「別の」は、少なくとも第2以降のものとして定義される。用語「有している」等は、本明細書で使用される場合、「含んでいる」として定義される。
【符号の説明】
【0111】
100 ワイヤレス通信システム
101 UE
101a UE
101b UE
102 BS
103 リレーUE
201-A UE
201-B UE
201-C UE
202 gNB
203 ng-eNB
310 UE
320 UE
410 UE
420 BS
1000 装置
1002 受信機
1004 送信機
1006 非一時的コンピュータ可読媒体
1008 プロセッサ
T301 タイマ
T304 タイマ
T316 タイマ
T400 タイマ