(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/04 20060101AFI20250218BHJP
【FI】
B65H1/04 320A
(21)【出願番号】P 2023536242
(86)(22)【出願日】2021-07-19
(86)【国際出願番号】 JP2021027023
(87)【国際公開番号】W WO2023002541
(87)【国際公開日】2023-01-26
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】下坂 喜一郎
(72)【発明者】
【氏名】森川 修一
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-187028(JP,A)
【文献】特開2017-105577(JP,A)
【文献】特開2002-284362(JP,A)
【文献】特開2018-100174(JP,A)
【文献】特開2012-030960(JP,A)
【文献】特開平11-334889(JP,A)
【文献】特開2017-048023(JP,A)
【文献】特開2000-062964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を載置する載置面を有する載置台と、
前記載置面上に設けられ、且つ、媒体の幅方向を規制する規制面を有するサイドガイドと、
前記サイドガイドの、媒体搬送方向の上流側又は下流側の端部に形成された凹部と、を有し、
前記凹部は、上面と、前記規制面に対する角度が第1の角度である第1部分及び前記規制面に対する角度が前記第1の角度と異なる第2の角度である第2部分を含む側面と、を有
し、
媒体搬送方向と直交する方向において、前記上面は、前記規制面より前記載置台の中央側に突出しない、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記サイドガイドは、前記載置台に載置される媒体の下面と接触する接触面をさらに有し、
前記接触面は、媒体搬送方向と直交する方向から見て前記凹部と重なる領域の高さが、前記凹部と重ならない領域の高さより低くなるように形成される、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記凹部の媒体搬送方向の端部は、媒体搬送方向と直交する方向に対して傾斜するように形成される、請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記凹部は、前記サイドガイドの媒体の幅方向を規制する規制面側に開口するように形成される、請求項1~3の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記凹部の上面は、搬送された媒体の媒体搬送方向と直交する方向の端部が進入した場合に当該媒体の端部が当接するように形成される、請求項1~4の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記凹部の上面は、前記載置面の上方に配置される、請求項1~5の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、媒体搬送装置に関し、特に、載置台上に媒体の幅方向を規制するサイドガイドが設けられた媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、媒体を搬送して撮像するスキャナ等の媒体搬送装置では、載置台上に媒体の幅方向を規制するサイドガイドが設けられ、媒体が傾いて搬送されるスキューの発生を抑制している。しかしながら、サイドガイドにより媒体の幅方向を規制した場合でも、媒体を搬送するローラと媒体との間のスリップの発生等により、媒体のスキューが発生する可能性がある。媒体のスキューが発生した場合、傾いた媒体がサイドガイドを乗り越えてしまい、媒体のジャムが発生する可能性がある。
【0003】
葉類束の幅方向側面に接して紙葉類束の幅方向位置を規制するサイドガイドを備えた給紙装置が開示されている(特許文献1を参照)。このサイドガイドの内壁面には、紙葉類の幅方向端縁よりも外側に位置する凹形状の規制部が設けられ、規制部は紙葉類が給紙方向に延在する方向と平行に延在している。
【0004】
媒体載置部に設けられ、媒体の給送方向と交差する幅方向の側縁をガイドするガイド面を備える一対のエッジガイドを備える媒体給送装置が開示されている(特許文献2を参照)。この媒体給送装置は、載置面に対して間隔を空けて設けられるとともに、一対のエッジガイドのガイド面から、ガイド面と交差する方向に延設されて、媒体載置部に載置される媒体の枚数を規制する規制面を備える枚数規制部をさらに備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-231028号公報
【文献】特開2018-100174号公報
【発明の概要】
【0006】
媒体搬送装置では、利用者による載置台への媒体の載置を容易にしつつ、媒体のジャムの発生を抑制することが求められている。
【0007】
媒体搬送装置の目的は、利用者による載置台への媒体の載置を容易にしつつ、媒体のジャムの発生を抑制することを可能とすることにある。
【0008】
実施形態の一側面に係る媒体搬送装置は、媒体を載置する載置面を有する載置台と、載置面上に設けられ、且つ、媒体の幅方向を規制する規制面を有するサイドガイドと、サイドガイドの、媒体搬送方向の上流側又は下流側の端部に形成された凹部と、を有し、凹部は、上面と、規制面に対する角度が第1の角度である第1部分及び規制面に対する角度が第1の角度と異なる第2の角度である第2部分を含む側面と、を有し、媒体搬送方向と直交する方向において、上面は、規制面より載置台の中央側に突出しない。
【0009】
本実施形態によれば、媒体搬送装置は、利用者による載置台への媒体の載置を容易にしつつ、媒体のジャムの発生を抑制することが可能となる。
【0010】
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるだろう。前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。
【
図2】サイドガイド104の周辺を上方から見た模式図である。
【
図5】サイドガイド104の上流側の端部を上方から見た模式図である。
【
図6】傾いて搬送される媒体Mについて説明するための模式図である。
【
図7】傾いて搬送される媒体Mについて説明するための模式図である。
【
図8】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【
図9】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【
図10】記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【
図11】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図12】他のサイドガイド204について説明するための模式図である。
【
図13】さらに他のサイドガイド304について説明するための模式図である。
【
図14】さらに他のサイドガイド404について説明するための模式図である。
【
図15】さらに他のサイドガイド504について説明するための模式図である。
【
図16】さらに他のサイドガイド604について説明するための模式図である。
【
図17】他の処理回路750の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の一側面に係る媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0013】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、薄紙、厚紙、カード又は冊子等である。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
図2において矢印A1は媒体搬送方向を示し、矢印A2は媒体搬送方向と直交する幅方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0014】
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、サイドガイド104、排出台105及び表示操作装置106等を備える。
【0015】
上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
【0016】
載置台103は、下側筐体101に回転可能に係合している。載置台103は、媒体搬送装置100が使用されないときには上側筐体102及び下側筐体101を覆う位置に配置され、外装カバーとして機能する。一方、載置台103は、媒体を載置する載置面103aを有し、媒体搬送装置100が使用されるときには搬送される媒体を載置する。
図1において、矢印A3は、載置面103aと直交する高さ方向を示す。
【0017】
サイドガイド104は、載置台103の載置面103a上に、媒体搬送方向と直交する幅方向A2に移動可能に設けられる。サイドガイド104は、載置台103に載置された媒体の幅に合わせて位置決めされ、媒体の幅方向を規制する。
図1に示す例では、二つのサイドガイド104が、幅方向A2に間隔を空けて配置されている。サイドガイド104の数は一つでもよい。
【0018】
排出台105は、下側筐体101内部に引き出し可能に収納され、引き出された状態において、排出された媒体を保持する。なお、排出台105は、上側筐体102に係合してもよい。
【0019】
表示操作装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等から構成されるディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。また、表示操作装置106は、タッチパネル式の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路をさらに有し、利用者による操作を受け付け、利用者の入力に応じた操作信号を出力する。なお、表示装置と操作装置は、別個に設けられてもよい。
【0020】
図2は、サイドガイド104の周辺を上方から見た模式図である。
【0021】
図2に示すように、各サイドガイド104は、規制部104a及び支持部104bを有する。規制部104aは、載置台103に載置される媒体の幅方向の端部に当接して、媒体の幅方向を規制する。支持部104bは、規制部104aに対して幅方向A2の内側に設けられ、載置台103に載置される媒体の下面を支持して、媒体の幅方向の端部を規制部104aに案内する。支持部104bは、規制部104aと載置台103の間に媒体が進入することを防止する。規制部104a及び支持部104bは、一体の部材で形成される。なお、規制部104a及び支持部104bは、別個の部材で形成されてもよい。
【0022】
図3及び
図4は、載置台103から取り外されたサイドガイド104の斜視図である。
図3は、サイドガイド104を幅方向A2の内側から見た斜視図である。
図4は、サイドガイド104の上流側の端部を上流側から見た斜視図である。なお、媒体の左端を規制するサイドガイド104及び媒体の右端を規制するサイドガイド104の形状は線対称であり、各サイドガイド104の機能は同様であるため、以下では代表して媒体の左端を規制するサイドガイド104について説明する。
【0023】
図3及び
図4に示すように、規制部104aは、媒体の幅方向を規制する規制面104cを有する。サイドガイド104の、媒体搬送方向A1の上流側の端部には、凹部104dが形成される。凹部104dは、媒体搬送方向A1において上流側に開口し、且つ、幅方向A2においてサイドガイド104の規制面104c側に開口するように形成される。一方、凹部104dは、高さ方向A3において、規制部104aの上面には開口しないように形成される。
【0024】
媒体搬送方向A1において、凹部104dの長さは、例えば規制面104cの全体の長さの1/2以下に設定される。なお、媒体搬送方向A1において、凹部104dの長さは、規制面104cの全体の長さの1/4以下に設定されることが好ましい。媒体搬送方向A1において、凹部104dの長さは、例えば50mm以下に設定される。なお、媒体搬送方向A1において、凹部104dの長さは、20mm以下に設定されることが好ましい。
【0025】
幅方向A2において、凹部104dの長さは、例えば規制部104aの全体の長さの3/4以下に設定される。なお、幅方向A2において、凹部104dの長さは、規制部104aの全体の長さの1/2以下に設定されることが好ましい。幅方向A2において、凹部104dの長さは、例えば1mm以下に設定される。なお、幅方向A2において、凹部104dの長さは、0.5mm以下に設定されることが好ましい。
【0026】
高さ方向A3において、凹部104dの長さは、例えば規制面104cの全体の長さの3/4以下に設定される。なお、高さ方向A3において、凹部104dの長さは、規制面104cの全体の長さの1/2以下に設定されることが好ましい。高さ方向A3において、凹部104dの長さは、例えば10mm以下に設定される。なお、高さ方向A3において、凹部104dの長さは、5mm以下に設定されることが好ましい。
【0027】
支持部104bは、載置台103に載置される媒体の下面と接触する接触面104eを有する。接触面104eは、媒体搬送方向A1の上流側の端部周辺において、端部に近付くほど高さが低くなるように(支持部104bの厚さが薄くなるように)形成される。特に、接触面104eは、媒体搬送方向と直交する幅方向A2から見て凹部104dと重なる領域104fの高さH1が、凹部104dと重ならない領域104gの高さH2より低くなるように形成される。即ち、接触面104eは、媒体搬送方向A1において凹部104dと重なる領域104fの高さH1が、凹部104dと重ならない領域104gの高さH2より低くなるように形成される。
【0028】
図5は、載置台103から取り外されたサイドガイド104の上流側の端部を上方から見た模式図である。
【0029】
図5に示すように、凹部104dの媒体搬送方向A1の下流側の端部104hは、媒体搬送方向A1及び媒体搬送方向と直交する幅方向A2に対して傾斜するように形成される。
【0030】
図6及び
図7は、傾いて搬送される媒体Mについて説明するための模式図である。
図6は、サイドガイド104の周辺を上方から見た模式図である。
図7は、
図6のA-A’線断面図である。
【0031】
図6及び
図7は、載置台103に載置された媒体Mが傾いて搬送されている状態を示している。
図7に示すように、サイドガイド104の凹部104dは、規制面104c側に開口するように形成されており、内部に側面104i及び上面104jを有する。
図6に示すように、媒体Mは、傾いて搬送された場合、後端部(下流側の端部)が幅方向A2の外側に向かうように回転する。サイドガイド104の規制面104cにおいて、媒体搬送方向A1の上流側の端部に凹部104dが形成されていることにより、傾いて搬送された媒体Mのサイドガイド104側の端部は凹部104dに進入する。凹部104dに進入した媒体Mの端部は、凹部104d内に形成された側面104iに突き当たり、側面104iに沿って上昇する。媒体Mの端部は、凹部104d内に形成された上面104jに当接し、上面104jにより、媒体Mの端部のさらなる上昇が阻止される。
【0032】
このように、上面104jは、搬送された媒体の媒体搬送方向と直交する幅方向A2の端部が進入した場合に、その媒体の端部が当接するように形成される。これにより、凹部104dは、載置台103に載置された媒体が傾いて搬送された場合に、その媒体の媒体搬送方向と直交する幅方向A2の端部が進入して媒体の浮き上がりを規制するように、ひさしとして機能する。これにより、媒体搬送装置100は、傾いて搬送された媒体Mがサイドガイド104を乗り越えて浮き上がることを抑制でき、浮き上がった媒体が媒体搬送路に進入して媒体のジャムが発生することを抑制できる。
【0033】
特に、傾いて搬送された媒体は、後端側(上流側)が幅方向A2の外側に向かうように回転するため、凹部104dが上流側に設けられることにより、傾いた媒体は早期に凹部104dに進入する。したがって、媒体搬送装置100は、媒体が傾き始めた直後から媒体の傾きの増大を抑制することが可能となり、媒体のスキューの発生を抑制することが可能となる。
【0034】
また、傾いて搬送された媒体Mの端部が凹部104d内に形成された上面104jに当接することにより、その媒体Mの傾きがさらに増大することが抑制され、媒体のスキューの発生が抑制される。媒体Mの端部がより早期に上面104jに当接するように、高さ方向A3において、凹部104dの長さは十分に小さい値に設定されることが望ましい。これにより、媒体搬送装置100は、傾いて搬送された媒体Mの端部を早期に上面104jに当接させて、媒体の傾きを最小限に抑えることができる。
【0035】
一方、上記したように、支持部104bの接触面104eは、凹部104dと重なる領域104fの高さが低くなるように形成されている。そのため、端部が上方にカールした媒体が搬送される場合でも、媒体の端部が凹部104dに進入しやすくなり、媒体のカールした部分がサイドガイド104を乗り越えてしまうことが抑制される。また、薄紙のようにコシの弱い媒体が搬送される場合、媒体は接触面104eに沿って延伸するため、媒体の端部が凹部104dに進入しやすくなり、媒体の端部がサイドガイド104を乗り越えてしまうことが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、特に、端部が上方にカールした媒体又は薄紙のようにコシの弱い媒体等が搬送される場合に、媒体のスキュー及び媒体のジャムの発生を抑制できる。なお、接触面104eは、凹部104dと重なる領域104fの高さが、凹部104dと重ならない領域104gの高さと同一になるように形成されてもよい。
【0036】
また、凹部104dは、媒体搬送方向A1の上流側の端部に形成されており、規制面104cの凹部104dより下流側の領域はフラットな面を有する。媒体搬送方向A1において規制面104cのフラットな面は凹部104dより長く、媒体は、載置台103に載置される際、規制面104cのフラットな面に沿ってセットされる。これにより、媒体搬送装置100は、媒体が載置台103に傾いて載置されることを抑制できる。
【0037】
仮に、凹部が、媒体搬送方向A1において、端部だけでなく、規制面の全領域にわたって形成されている場合、媒体は、載置台に載置される際、凹部に沿ってセットされる。その場合、利用者は、セットガイドを一旦外側に広げてから、媒体をセットし、その後セットガイドを内側に狭めて、媒体を凹部に進入させる等の手間を要する。一方、媒体搬送装置100では、利用者は、規制面104cのフラットな面に沿って媒体をセットするため、媒体を容易に載置することができる。したがって、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0038】
また、上記したように、凹部104dの下流側の端部104hは傾斜するように形成されている。そのため、媒体搬送装置100は、凹部104dに進入した媒体が端部104hに突き当たって、媒体の損傷が発生することを抑制できる。なお、凹部104dの下流側の端部104hは傾斜しないように形成されてもよい。
【0039】
図8は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0040】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、媒体センサ111、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第1従動ローラ115、撮像装置116、第2搬送ローラ117及び第2従動ローラ118等を有している。
【0041】
なお、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第1従動ローラ115、第2搬送ローラ117及び/又は第2従動ローラ118のそれぞれの数は一つに限定されず、複数でもよい。その場合、複数の給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第1従動ローラ115、第2搬送ローラ117及び/又は第2従動ローラ118は、それぞれ媒体搬送方向A1と直交する幅方向に間隔を空けて並べて配置される。
【0042】
下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド101aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド102aを形成する。
【0043】
媒体センサ111は、給送ローラ112及び分離ローラ113より上流側に配置される。媒体センサ111は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。媒体センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する媒体信号を生成して出力する。なお、媒体センサ111は接触検知センサに限定されず、媒体センサ111として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0044】
給送ローラ112は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に分離して給送する。分離ローラ113は、いわゆるブレーキローラ又はリタードローラであり、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112と対向して配置され、媒体給送方向の反対方向に回転する。なお、給送ローラ112が上側筐体102に、分離ローラ113が下側筐体101に設けられ、給送ローラ112は、載置台103に載置された媒体を上側から順に給送してもよい。
【0045】
撮像装置116は、第1搬送ローラ114より下流側に配置され、第1搬送ローラ114によって搬送された媒体を撮像する。撮像装置116は、媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置された第1撮像装置116a及び第2撮像装置116bを含む。第1撮像装置116aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置116aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置116aは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送される媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0046】
同様に、第2撮像装置116bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置116bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置116bは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送される媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0047】
なお、媒体搬送装置100は、第1撮像装置116a及び第2撮像装置116bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0048】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ112が
図2の矢印A4の方向、即ち媒体給送方向に回転することによって、下側ガイド101aと上側ガイド102aの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。分離ローラ113は、媒体給送時、矢印A5の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転する。給送ローラ112及び分離ローラ113の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ112と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。
【0049】
媒体は、下側ガイド101aと上側ガイド102aによりガイドされながら、第1搬送ローラ114と第1従動ローラ115の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ114が矢印A6の方向に回転することによって、第1撮像装置116aと第2撮像装置116bの間に送り込まれる。撮像装置116により読み取られた媒体は、第2搬送ローラ117が矢印A7の方向に回転することによって排出台105上に排出される。
【0050】
図9は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0051】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、モータ131、インタフェース装置132、記憶装置140及び処理回路150等をさらに有する。
【0052】
モータ131は、一又は複数のモータを有し、処理回路150からの制御信号によって、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ117を回転させて媒体を搬送させる。なお、第1従動ローラ115及び/又は第2従動ローラ118は、モータ131によって駆動されてもよい。その場合、第1搬送ローラ114及び/又は第2搬送ローラ117は、第1従動ローラ115又は第2従動ローラ118に従動回転するように設けられてもよい。
【0053】
インタフェース装置132は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置132の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース装置とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。通信部は、有線LAN等の通信プロトコルに従って、有線通信回線を通じて信号の送受信を行うための有線通信インタフェース装置を有してもよい。
【0054】
記憶装置140は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置140には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置140にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0055】
処理回路150は、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路150として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0056】
処理回路150は、表示操作装置106、媒体センサ111、撮像装置116、モータ131、インタフェース装置132及び記憶装置140等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路150は、媒体センサ111から受信した媒体信号に基づいて、モータ131の駆動制御、撮像装置116の撮像制御等を行い、撮像装置116から入力画像を取得し、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信する。
【0057】
図10は、記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【0058】
図10に示すように、記憶装置140には、制御プログラム141及び画像取得プログラム142等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路150は、記憶装置140に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、処理回路150は、制御部151及び画像取得部152として機能する。
【0059】
図11は、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0060】
以下、
図11に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路150により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
【0061】
最初に、制御部151は、利用者により表示操作装置106又は情報処理装置を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を表示操作装置106又はインタフェース装置132から受信するまで待機する(ステップS101)。
【0062】
次に、制御部151は、媒体センサ111から媒体信号を取得し、取得した媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部151は、一連のステップを終了する。
【0063】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、制御部151は、モータ131を駆動して、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ117を回転させて、媒体を搬送させる(ステップS103)。
【0064】
次に、制御部151は、撮像装置116に媒体を撮像させて、撮像装置116から入力画像を取得し、取得した入力画像を、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信することにより出力する(ステップS104)。
【0065】
次に、制御部151は、媒体センサ111から受信する媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS105)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部151は、処理をステップS104へ戻し、ステップS104~S105の処理を繰り返す。
【0066】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部151は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ117を停止させるように、モータ131を制御し(ステップS106)、一連のステップを終了する。
【0067】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、サイドガイド104の上流側の端部に凹部104dを形成し、スキュー発生時の媒体の浮き上がりを抑える。これにより、媒体搬送装置100は、利用者による載置台103への媒体の載置を容易にしつつ、媒体のジャムの発生を抑制することが可能となった。
【0068】
特に、媒体搬送装置100は、薄紙、厚紙、シワ又は破れを有する用紙等、様々な媒体のジャムの発生を抑制し、媒体の損傷の発生を抑制することが可能となった。また、媒体搬送装置100は、特別な部品を用いることなく媒体のスキュー及びジャムの発生を抑制することが可能となり、装置コストの増大を抑制することが可能となった。
【0069】
図12は、他のサイドガイド204について説明するための模式図である。
図12は、載置台103から取り外されたサイドガイド204を幅方向A2の内側から見た斜視図である。
【0070】
サイドガイド204は、サイドガイド104と同様の構造及び機能を有し、サイドガイド104の代わりに使用される。
図12に示すように、サイドガイド204は、規制部104a及び支持部104bと同様の規制部204a及び支持部204bを有する。規制部204aは、規制面104cと同様の規制面204cを有する。サイドガイド204の、媒体搬送方向A1の上流側の端部には、凹部104dと同様の凹部204dが形成される。また、サイドガイド204の、媒体搬送方向A1の下流側の端部には、凹部204dと同様の第2凹部204kが形成される。第2凹部204kは、媒体搬送方向A1において下流側に開口し、且つ、幅方向A2においてサイドガイド204の規制面204c側に開口するように形成される。一方、第2凹部204kは、高さ方向A3において、規制部204aの上面には開口しないように形成される。第2凹部204kのサイズは、凹部204dのサイズと同様のサイズに設定される。
【0071】
また、凹部204dは、内部に、側面104i及び上面104jと同様の側面204i及び上面204jを有する。同様に、第2凹部204kは、内部に、側面204n及び上面204oを有する。上記したように、媒体は、傾いて搬送された場合、後端部が幅方向A2の外側に向かうように回転する。そのため、わずかに傾いてサイドガイド204によって規制されていた媒体は、後端がサイドガイド204を通過した時に、後端部が幅方向A2の外側に向かうように大きく回転する。サイドガイド204の規制面204cの下流側の端部に第2凹部204kが形成されていることにより、わずかに傾いていた媒体の後端は、第2凹部204kに対向する位置まで搬送された時に、第2凹部204kに進入する。第2凹部204kに進入した媒体の端部は、第2凹部204k内に形成された側面204nに突き当たり、側面204nに沿って上昇する。媒体の端部は、第2凹部204k内に形成された上面204oに当接し、上面204oにより、媒体の端部のさらなる上昇が阻止される。
【0072】
このように、上面204oは、搬送された媒体の媒体搬送方向と直交する幅方向A2の端部が進入した場合に、その媒体の端部が当接するように形成される。媒体が傾いて搬送される場合、媒体の搬送に伴って傾きが大きくなっていき、特に媒体の後端(上流側の端部)がサイドガイド204の下流側の端部を通過する時に、媒体がサイドガイド204を乗り越えて浮き上がる可能性が高い。媒体搬送方向A1の下流側の端部に第2凹部204kが設けられることにより、媒体搬送装置は、傾いて搬送された媒体の後端がサイドガイド204の下流側の端部を通過する時に、媒体がサイドガイド204を乗り越えて浮き上がってしまうことを抑制できる。したがって、媒体搬送装置は、浮き上がった媒体が媒体搬送路に進入してしまい、媒体のジャムが発生することを抑制できる。
【0073】
また、第2凹部204kは、媒体搬送方向A1の下流側の端部に形成されており、規制面204cの中央部はフラットな面を有する。利用者は、規制面204cのフラットな面に沿って媒体をセットすることができ、媒体を容易に載置することができるため、媒体搬送装置は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0074】
また、支持部204bは、接触面104eと同様の接触面204eを有する。接触面204eは、媒体搬送方向A1の上流側の端部周辺において、端部に近付くほど高さが低くなるように(支持部204bの厚さが薄くなるように)形成される。同様に、接触面204eは、媒体搬送方向A1の下流側の端部周辺において、端部に近付くほど高さが低くなるように(支持部204bの厚さが薄くなるように)形成される。特に、接触面204eは、媒体搬送方向と直交する幅方向A2から見て凹部204dと重なる領域204f及び第2凹部204kと重なる領域204lの高さが、凹部204d及び第2凹部204kと重ならない領域204gの高さより低くなるように形成される。
【0075】
これにより、媒体搬送装置は、特に、端部が上方にカールした媒体又は薄紙のようにコシの弱い媒体等が搬送される場合に、媒体のスキュー及び媒体のジャムの発生を抑制できる。なお、接触面204eは、凹部204dと重なる領域204f及び/又は第2凹部204kと重なる領域204lの高さが、凹部204d及び第2凹部204kと重ならない領域204gの高さと同一になるように形成されてもよい。
【0076】
また、凹部204dの媒体搬送方向A1の下流側の端部204hは、凹部104dの媒体搬送方向A1の下流側の端部104hと同様に、媒体搬送方向A1及び媒体搬送方向と直交する幅方向A2に対して傾斜するように形成される。同様に、第2凹部204kの媒体搬送方向A1の上流側の端部204mは、媒体搬送方向A1及び媒体搬送方向と直交する幅方向A2に対して傾斜するように形成される。
【0077】
これにより、媒体搬送装置は、第2凹部204kに進入した媒体が端部204mに突き当たって、媒体の損傷が発生することを抑制できる。なお、凹部204dの下流側の端部204h及び/又は第2凹部204kの上流側の端部204mは傾斜しないように形成されてもよい。
【0078】
なお、サイドガイド204において、凹部204dが省略され、第2凹部204kのみが形成されてもよい。
【0079】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、サイドガイド204の下流側の端部に第2凹部204kを形成する場合も、利用者による載置台103への媒体の載置を容易にしつつ、媒体のジャムの発生を抑制することが可能となった。
【0080】
図13は、さらに他のサイドガイド304について説明するための模式図である。
図13は、載置台103から取り外されたサイドガイド304を幅方向A2の内側から見た斜視図である。
【0081】
サイドガイド304は、サイドガイド204と同様の構造及び機能を有し、サイドガイド204の代わりに使用される。
図13に示すように、サイドガイド304は、規制部204a及び支持部204bと同様の規制部304a及び支持部304bを有する。規制部304aは、規制面204cと同様の規制面304cを有する。サイドガイド304の、媒体搬送方向A1の上流側及び下流側の端部には、凹部204d及び第2凹部204kと同様の凹部304d及び第2凹部304kが形成される。凹部304dは、媒体搬送方向A1において上流側に開口し、且つ、サイドガイド304の媒体搬送方向と直交する幅方向A2の両端にわたるように形成される。同様に、第2凹部304kは、媒体搬送方向A1において下流側に開口し、且つ、サイドガイド304の媒体搬送方向と直交する幅方向A2の両端にわたるように形成される。凹部304d及び第2凹部304kは、高さ方向A3において、規制部304aの上面には開口しないように形成される。
【0082】
凹部304d及び第2凹部304kは、内部に、上面204j及び上面204oと同様の上面304j及び上面304oを有する。上面304j及び上面304oは、搬送された媒体の媒体搬送方向と直交する幅方向A2の端部が進入した場合に、その媒体の端部が当接するように形成される。媒体が傾いて搬送された場合、媒体のサイドガイド304側の端部は凹部304d又は第2凹部304kに進入し、凹部304d又は第2凹部304kに進入した媒体の端部の浮き上がりは、上面304j又は上面304oにより阻止される。したがって、媒体搬送装置は、浮き上がった媒体が媒体搬送路に進入してしまい、媒体のジャムが発生することを抑制できる。
【0083】
また、凹部304d及び第2凹部304kは、媒体搬送方向A1の端部に形成されており、規制面304cの中央部はフラットな面を有する。利用者は、規制面304cのフラットな面に沿って媒体をセットすることができ、媒体を容易に載置することができるため、媒体搬送装置は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0084】
また、支持部304bは、接触面204eと同様の接触面304eを有する。接触面304eは、媒体搬送方向と直交する幅方向A2から見て凹部304dと重なる領域304f及び第2凹部304kと重なる領域304lの高さが、凹部304d及び第2凹部304kと重ならない領域304gの高さより低くなるように形成される。これにより、媒体搬送装置は、特に、端部が上方にカールした媒体又は薄紙のようにコシの弱い媒体等が搬送される場合に、媒体のスキュー及び媒体のジャムの発生を抑制できる。なお、接触面304eは、凹部304dと重なる領域304f及び/又は第2凹部304kと重なる領域304lの高さが、凹部304d及び第2凹部304kと重ならない領域304gの高さと同一になるように形成されてもよい。
【0085】
また、凹部304dの下流側の端部304h、及び、第2凹部304kの上流側の端部304mは、端部204h及び端部204mと同様に、媒体搬送方向A1及び媒体搬送方向と直交する幅方向A2に対して傾斜するように形成される。これにより、媒体搬送装置は、凹部304d又は第2凹部304kに進入した媒体が端部304h又は端部304mに突き当たって、媒体の損傷が発生することを抑制できる。なお、凹部304dの下流側の端部304h及び/又は第2凹部304kの上流側の端部304mは傾斜しないように形成されてもよい。
【0086】
なお、サイドガイド304において、凹部304d又は第2凹部304kのうちの何れか一方が省略され、凹部304d又は第2凹部304kのうちの他方のみが形成されてもよい。
【0087】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、凹部304d又は第2凹部304kがサイドガイド304の幅方向A2の両端にわたるように形成される場合も、利用者による載置台103への媒体の載置を容易にしつつ、媒体のジャムの発生を抑制することが可能となった。
【0088】
図14は、さらに他のサイドガイド404について説明するための模式図である。
図14は、載置台103から取り外されたサイドガイド404を幅方向A2の内側から見た斜視図である。
【0089】
サイドガイド404は、サイドガイド104と同様の構造及び機能を有し、サイドガイド104の代わりに使用される。
図14に示すように、サイドガイド404は、規制部104a及び支持部104bと同様の規制部404a及び支持部404bを有する。但し、支持部404bの上流側の端部は、規制部404aの上流側の端部より下流側に配置される。支持部404bは、下側筐体101に対向し、載置台103には対向しないように配置されなくてもよい。
【0090】
規制部404aは、規制面104cと同様の規制面404cを有する。サイドガイド404の、媒体搬送方向A1の上流側の端部には、凹部104dと同様の凹部404dが形成される。凹部404dは、内部に、側面104i及び上面104jと同様の側面404i及び上面404jを有する。凹部404dの下流側の端部404hは、端部104hと同様に、媒体搬送方向A1及び媒体搬送方向と直交する幅方向A2に対して傾斜するように形成される。
【0091】
支持部404bは、接触面104eと同様の接触面404eを有する。接触面404eは、媒体搬送方向と直交する幅方向A2から見て凹部404dと重なる領域404fの高さが、凹部404dと重ならない領域404gの高さより低くなるように形成される。
【0092】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、支持部404bの上流側の端部が規制部404aの上流側の端部より下流側に配置される場合も、利用者による載置台103への媒体の載置を容易にしつつ、媒体のジャムの発生を抑制することが可能となった。
【0093】
図15は、さらに他のサイドガイド504について説明するための模式図である。
図15は、載置台103から取り外されたサイドガイド504を幅方向A2の内側から見た斜視図である。
【0094】
サイドガイド504は、サイドガイド204と同様の構造及び機能を有し、サイドガイド204の代わりに使用される。
図15に示すように、サイドガイド504は、規制部204a及び支持部204bと同様の規制部504a及び支持部504bを有する。但し、支持部504bの上流側の端部は、規制部504aの上流側の端部より下流側に配置され、支持部504bの下流側の端部は、規制部504aの下流側の端部より上流側に配置される。支持部504bは、下側筐体101に対向し、載置台103には対向しないように配置されなくてもよい。
【0095】
規制部504aは、規制面204cと同様の規制面504cを有する。サイドガイド504の、媒体搬送方向A1の端部には、凹部204d及び第2凹部204kと同様の凹部504d及び第2凹部504kが形成される。凹部504dは、内部に、側面204i及び上面204jと同様の側面504i及び上面504jを有し、第2凹部504kは、内部に、側面204n及び上面204oと同様の側面504n及び上面504oを有する。凹部504dの下流側の端部504h、及び、第2凹部504kの上流側の端部504mは、端部204h及び端部204mと同様に、媒体搬送方向A1及び媒体搬送方向と直交する幅方向A2に対して傾斜するように形成される。
【0096】
支持部504bは、接触面204eと同様の接触面504eを有する。接触面504eは、媒体搬送方向と直交する幅方向A2から見て凹部504dと重なる領域504f及び第2凹部504kと重なる領域504lの高さが、凹部504d及び第2凹部504kと重ならない領域504gの高さより低くなるように形成される。
【0097】
なお、サイドガイド504において、凹部504dが省略され、第2凹部504kのみが形成されてもよい。
【0098】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、支持部504bの端部が規制部504aの端部より中央側に配置される場合も、利用者による載置台103への媒体の載置を容易にしつつ、媒体のジャムの発生を抑制することが可能となった。
【0099】
図16は、さらに他のサイドガイド604について説明するための模式図である。
図16は、載置台103から取り外されたサイドガイド604を幅方向A2の内側から見た斜視図である。
【0100】
サイドガイド604は、サイドガイド304と同様の構造及び機能を有し、サイドガイド304の代わりに使用される。
図16に示すように、サイドガイド604は、規制部304a及び支持部304bと同様の規制部604a及び支持部604bを有する。但し、支持部604bの上流側の端部は、規制部604aの上流側の端部より下流側に配置され、支持部604bの下流側の端部は、規制部604aの下流側の端部より上流側に配置される。支持部604bは、下側筐体101に対向し、載置台103には対向しないように配置されなくてもよい。
【0101】
規制部604aは、規制面304cと同様の規制面604cを有する。サイドガイド604の、媒体搬送方向A1の端部には、凹部304d及び第2凹部304kと同様の凹部604d及び第2凹部604kが形成される。凹部604dは、内部に、上面304jと同様の上面604jを有し、第2凹部604kは、内部に、上面304oと同様の上面604oを有する。凹部604dの下流側の端部604h、及び、第2凹部604kの上流側の端部604mは、端部304h及び端部304mと同様に、媒体搬送方向A1及び媒体搬送方向と直交する幅方向A2に対して傾斜するように形成される。
【0102】
支持部604bは、接触面304eと同様の接触面604eを有する。接触面604eは、媒体搬送方向と直交する幅方向A2から見て凹部604dと重なる領域604f及び第2凹部604kと重なる領域604lの高さが、凹部604d及び第2凹部604kと重ならない領域604gの高さより低くなるように形成される。
【0103】
なお、サイドガイド604において、凹部604d又は第2凹部604kのうちの何れか一方が省略され、凹部604d又は第2凹部604kのうちの他方のみが形成されてもよい。
【0104】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、支持部604bの端部が規制部604aの端部より中央側に配置される場合も、利用者による載置台103への媒体の載置を容易にしつつ、媒体のジャムの発生を抑制することが可能となった。
【0105】
図17は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における処理回路750の概略構成を示す図である。処理回路750は、媒体搬送装置100の処理回路150の代わりに使用され、処理回路150の代わりに、媒体読取処理等を実行する。処理回路750は、制御回路751及び画像取得回路752等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0106】
制御回路751は、制御部の一例であり、制御部151と同様の機能を有する。制御回路751は、表示操作装置106又はインタフェース装置132から操作信号を、媒体センサ111から媒体信号を受信する。制御回路751は、受信した各情報に基づいてモータ131を制御する。
【0107】
画像取得回路752は、画像取得部の一例であり、画像取得部152と同様の機能を有する。画像取得回路752は、撮像装置116から入力画像を取得し、インタフェース装置132に出力する。
【0108】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、処理回路750を用いる場合においても、利用者による載置台103への媒体の載置を容易にしつつ、媒体のジャムの発生を抑制することが可能となった。
【符号の説明】
【0109】
100 媒体搬送装置
103 載置台
104、204、304、404、504、604 サイドガイド
104d、204d、304d、404d、504d、604d 凹部
104e、204e、304e、404e、504e、604e 接触面
104h、204h、304h、404h、504h、604h 端部
104j、204j、304j、404j、504j、604j 上面
204k、304k、504k、604k 第2凹部
204m、304m、504m、604m 端部
204o、304o、504o、604o 上面