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特許7636600ステータおよびこれを備えたモータユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】ステータおよびこれを備えたモータユニット
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20250218BHJP
【FI】
H02K9/19 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024033419
(22)【出願日】2024-03-05
【審査請求日】2024-04-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523429519
【氏名又は名称】MCF Electric Drive株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【弁理士】
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【弁理士】
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】板坂 直樹
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-284718(JP,A)
【文献】特開2021-141703(JP,A)
【文献】特開2018-088736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 9/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のステータコアと、
前記ステータコアの、軸方向の少なくとも一端側に、当該ステータコアと同軸上に配置されたリング状のガイド部材と、
複数のコイルエンドが前記ガイド部材から軸方向に突出するように、前記ステータコアと前記ガイド部材とに装着されたコイルと、を備えたステータであって、
前記ガイド部材には、
外部から供給される冷媒が導入される導入部と、
前記導入部と連通していて、前記複数のコイルエンドに向けて冷媒を噴出するように構成された複数の噴出部と、が設けられており、
前記複数の噴出部の一部は、前記複数のコイルエンドよりも径方向外側から径方向内向きに冷媒を噴出するように構成されている、ステータ。
【請求項2】
円筒状のステータコアと、
前記ステータコアの、軸方向の少なくとも一端側に、当該ステータコアと同軸上に配置されたリング状のガイド部材と、
複数のコイルエンドが前記ガイド部材から軸方向に突出するように、前記ステータコアと前記ガイド部材とに装着されたコイルと、を備えたステータであって、
前記ガイド部材には、
外部から供給される冷媒が導入される導入部と、
前記導入部と連通していて、前記複数のコイルエンドに向けて冷媒を噴出するように構成された複数の噴出部と、が設けられており、
前記ステータコアには、軸方向に貫通したコア内流路が形成されており、
前記ガイド部材には、前記導入部と連通していて、前記コア内流路の流入口と接続されるコア接続部が設けられている、ステータ。
【請求項3】
請求項2に記載のステータにおいて、
前記ガイド部材は、前記ステータコアの軸方向の両端側に配置されており、
両ガイド部材は、冷媒が前記コア内流路を通って一方のガイド部材から他方のガイド部材に流れるように、前記コア内流路を介して連通しており、
前記他方のガイド部材には、前記一方のガイド部材から流れてきた冷媒を当該他方側の前記コイルエンドに向けて噴出するように構成された複数のサブ噴出部が設けられている、ステータ。
【請求項4】
請求項3に記載のステータにおいて、
前記ステータコアには、軸方向に貫通した複数の第1スロットが形成されており、
前記他方のガイド部材には、前記複数の第1スロットにそれぞれ対応する複数の第2スロットが形成されており、
前記コイルは、前記複数の第1スロットと前記複数の第2スロットとに挿通されており、
各前記サブ噴出部は、前記他方のガイド部材における各前記第2スロットよりも径方向外側に配置されており、
前記サブ噴出部に続く流路には、前記第2スロット側に開放した開放部が設けられている、ステータ。
【請求項5】
円筒状のステータコアと、
前記ステータコアの、軸方向の少なくとも一端側に、当該ステータコアと同軸上に配置されたリング状のガイド部材と、
複数のコイルエンドが前記ガイド部材から軸方向に突出するように、前記ステータコアと前記ガイド部材とに装着されたコイルと、を備えたステータであって、
前記ガイド部材には、
外部から供給される冷媒が導入される導入部と、
前記導入部と連通していて、前記複数のコイルエンドに向けて冷媒を噴出するように構成された複数の噴出部と、が設けられており、
前記ガイド部材には、同心の環状部を含むチャンバが形成されており、
前記噴出部は、前記チャンバを介して前記導入部と連通している、ステータ。
【請求項6】
請求項5に記載のステータにおいて、
前記ガイド部材には、前記環状部を径方向外側から連続的に取り囲む周壁部が設けられている、ステータ。
【請求項7】
請求項5に記載のステータにおいて、
前記チャンバは、前記環状部から径方向内側に分岐した複数の分岐部を含み、当該分岐部の終端で前記噴出部と繋がっている、ステータ。
【請求項8】
円筒状のステータコアと、
前記ステータコアの、軸方向の少なくとも一端側に、当該ステータコアと同軸上に配置されたリング状のガイド部材と、
複数のコイルエンドが前記ガイド部材から軸方向に突出するように、前記ステータコアと前記ガイド部材とに装着されたコイルと、を備えたステータであって、
前記ガイド部材には、
外部から供給される冷媒が導入される導入部と、
前記導入部と連通していて、前記複数のコイルエンドに向けて冷媒を噴出するように構成された複数の噴出部と、が設けられており、
前記ガイド部材よりも軸方向外側に、当該ガイド部材と同軸上に配置された筒状のサブガイド部材を備え、
前記ガイド部材の前記導入部は、径方向外側に開口していて、
前記サブガイド部材の外周部には、前記外部から供給される冷媒を受けるとともに前記導入部に冷媒を案内するためのガイド溝部が設けられている、ステータ。
【請求項9】
ステータを含むモータと、前記ステータを収容するハウジングと、を備えたモータユニットであって、
前記ステータは、
円筒状のステータコアと、
前記ステータコアの、軸方向の少なくとも一端側に、当該ステータコアと同軸上に配置されたリング状のガイド部材と、
複数のコイルエンドが前記ガイド部材から軸方向に突出するように、前記ステータコアと前記ガイド部材とに装着されたコイルと、を備え、
前記ガイド部材には、
外部から供給される冷媒が導入される導入部と、
前記導入部と連通していて、前記複数のコイルエンドに向けて冷媒を噴出するように構成された複数の噴出部と、が設けられており、
前記ハウジングは、前記ステータの前記ガイド部材を、前記ステータコアに対して軸方向に押し付けるように構成されている、モータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータのステータおよびこれを備えたモータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電気自動車の普及に伴い、電気自動車のモータの搭載、車種展開、生産、コスト削減などの観点から、モータの小型化が求められている。モータの出力を下げることなくモータを小型化するには、モータの出力密度を高める必要があり、より具体的には、コイルに流す電流の電流密度を上げる必要がある。しかし、電流密度を上げると、コイルの発熱量が大きくなるため、コイルを冷却する技術(例えば、特許文献1参照)が肝要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許公報第11462958号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の従来技術では、外部から供給される冷媒が、ステータコアの内部を一旦通ってからコイルエンドに向けて噴出されるようになっている。このため、冷媒が、ステータコアから熱を奪って昇温した状態でコイルエンドにかかるようになっている。このような従来技術には、コイルを効率的に冷却するという点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、コイルを効率的に冷却することができるステータおよびこれを備えたモータユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るステータは、以下のように構成される。本発明に係るステータは、円筒状のステータコアと、前記ステータコアの、軸方向の少なくとも一端側に、当該ステータコアと同軸上に配置されたリング状のガイド部材と、複数のコイルエンドが前記ガイド部材から軸方向に突出するように、前記ステータコアと前記ガイド部材とに装着されたコイルと、を備える。前記ガイド部材には、外部から供給される冷媒が導入される導入部と、前記導入部と連通していて、前記複数のコイルエンドに向けて冷媒を噴出するように構成された複数の噴出部と、が設けられている。
【0007】
上記の構成によれば、コイルが、複数のコイルエンドがガイド部材から軸方向に突出するように、ステータコアとガイド部材とに装着されていることにより、ガイド部材がコイルのコイルエンドに近接して配置される。さらに、上記のように配置されたガイド部材に、外部から供給される冷媒が導入される導入部と、導入部と連通していて、コイルエンドに向けて冷媒を噴出するように構成された複数の噴出部と、が設けられていることにより、外部から供給される冷媒が、導入部で導入された後、そのまま噴出部から、近接するコイルエンドに向けて噴出される。このため、外部から供給される冷媒が、ステータの他の部品から熱を奪っていないフレッシュな状態でコイルエンドにかかる。これにより、コイルを効率的に冷却することができるという効果が生じる。
【0008】
また、付随的な効果として、ガイド部材をステータコアとは別体としたことにより、ステータコアの強度や生産性に影響を及ぼすことなく、ガイド部材をステータに設けることができる。
【0009】
上記のステータにおいて、前記複数のコイルエンドの一部は、軸方向外側に行くほど軸方向に交差する方向に斜めに延びた傾斜部を有するように形成されており、前記複数の噴出部の一部は、前記傾斜部における、前記ガイド部材側を向いた内側部分に向けて冷媒を噴出するように構成されていてもよい。この構成によれば、冷媒が、コイルエンドの傾斜部における、ガイド部材側を向いた内側部分、すなわち、ガイド部材に近い部分に向けて噴出される。これにより、冷媒をコイルエンドに確実にかけることができる。
【0010】
上記のステータにおいて、前記複数の噴出部の一部は、前記複数のコイルエンドよりも径方向外側から径方向内向きに冷媒を噴出するように構成されていてもよい。この構成によれば、冷媒が、噴出部よりも径方向内側に存在するコイルエンドに向けて径方向内向きに噴出される。特に、ガイド部材の時計方向の6時側(下側)に配置されたコイルエンド、すなわち、噴出部よりも上側に存在するコイルエンドに向けては、冷媒が重力に抗うように上向きに噴出される。これにより、冷媒を、噴出部よりも径方向内側に存在するコイルエンドに確実にかけることができる。
【0011】
上記のステータにおいて、前記ステータコアには、それぞれ軸方向に貫通していて周方向に並んだ複数の第1スロットが形成されており、前記ガイド部材には、前記複数の第1スロットに対応するようにそれぞれ軸方向に貫通した複数の第2スロットが形成されており、前記コイルエンドは、前記コイルが前記複数の第1スロットと前記複数の第2スロットとに挿通されることで、当該第2スロットから軸方向に突出しており、前記複数の噴出部の一部は、隣り合う前記第2スロット間に配置されていてもよい。この構成によれば、複数の第1スロットと複数の第2スロットとに挿通されたコイルのコイルエンドの径方向位置にかかわらず、噴出部をコイルエンドの近傍に配置するとともに、冷媒をコイルエンドの近くから噴出させることが可能となる。これにより、冷媒をコイルエンドに確実にかけることができる。
【0012】
上記のステータにおいて、前記複数の噴出部は、それぞれ別の前記コイルエンドに向けて冷媒を噴出するように構成されていてもよい。これにより、冷媒をコイルエンドのそれぞれにかけることができ、したがって、コイル全体をより効率的に冷却することができる。
【0013】
上記のステータにおいて、前記ステータコアには、軸方向に貫通したコア内流路が形成されており、前記ガイド部材には、前記導入部と連通していて、前記コア内流路の流入口と接続されるコア接続部が設けられていてもよい。この構成によれば、外部から供給される冷媒の一部が、導入部で導入された後、コア接続部からコア内流路に流れ込む。これにより、ステータコアを冷却することができる。
【0014】
上記のステータにおいて、前記ガイド部材は、前記ステータコアの軸方向の両端側に配置されており、両ガイド部材は、冷媒が前記コア内流路を通って一方のガイド部材から他方のガイド部材に流れるように、前記コア内流路を介して連通しており、前記他方のガイド部材には、前記一方のガイド部材から流れてきた冷媒を当該他方側の前記コイルエンドに向けて噴出するように構成された複数のサブ噴出部が設けられていてもよい。この構成によれば、一方のガイド部材からステータコアにおけるコア内流路を通り抜けた冷媒が、他方のガイド部材におけるサブ噴出部から他方側のコイルエンドに向けて噴出される。これにより、ステータコアの冷却に供した冷媒を無駄なく用いて、他方側のコイルエンドを冷却することができる。
【0015】
上記のステータにおいて、前記ステータコアには、軸方向に貫通した複数の第1スロットが形成されており、前記他方のガイド部材には、前記複数の第1スロットにそれぞれ対応する複数の第2スロットが形成されており、前記コイルは、前記複数の第1スロットと前記複数の第2スロットとに挿通されており、各前記サブ噴出部は、前記他方のガイド部材における各前記第2スロットよりも径方向外側に配置されており、前記サブ噴出部に続く流路には、前記第2スロット側に開放した開放部が設けられていてもよい。この構成によれば、第2スロットに挿通されたコイルが開放部を介して流路に臨むことから、コイルと冷媒との接触面積が増大する。これにより、コイルをより効率的に冷却することができる。
【0016】
上記のステータにおいて、前記ガイド部材には、同心の環状部を含むチャンバが形成されており、前記噴出部は、前記チャンバを介して前記導入部と連通していてもよい。この構成によれば、導入部で導入された冷媒で環状部内を周方向に均等に満たした状態で、チャンバ内の冷媒を噴出部から噴出させることが可能となる。これにより、冷媒を噴出部から周方向に均等に噴出させることができ、したがって、冷媒をコイルエンドのそれぞれに周方向に均等にかけることができる。
【0017】
上記のステータにおいて、前記ガイド部材には、前記環状部を径方向外側から連続的に取り囲む周壁部が設けられていてもよい。この構成によれば、環状部の径方向外側のスペースが周壁部で占められることから、ガイド部材内の流路体積が削減される。これにより、ガイド部材内にエア溜まりが発生するのを抑制することができ、したがって、ガイド部材からの冷媒の噴出圧が低下するのを抑制することができる。
【0018】
上記のステータにおいて、前記チャンバは、前記環状部から径方向内側に分岐した複数の分岐部を含み、当該分岐部の終端で前記噴出部と繋がっていてもよい。この構成によれば、チャンバが分岐部を含む場合に、分岐部内で、噴出部と繋がった部分よりも終端側にスペースが存在しなくなる。これにより、分岐部の終端にエア溜まりが発生するのを抑制することができ、したがって、ガイド部材からの冷媒の噴出圧が低下するのを抑制することができる。
【0019】
上記のステータにおいて、前記ガイド部材は、非磁性材料から形成されていてもよい。これにより、モータに磁気的な影響を及ぼすことなくガイド部材をステータに設けることができる。
【0020】
上記のステータにおいて、前記ガイド部材は、樹脂材料から形成されていてもよい。これにより、ガイド部材の加工自由度を向上させることができ、したがって、コイルエンドの配置に応じて噴出部を自由に配置することができる。
【0021】
上記のステータにおいて、前記ガイド部材よりも軸方向外側に、当該ガイド部材と同軸上に配置された筒状のサブガイド部材を備え、前記ガイド部材の前記導入部は、径方向外側に開口していて、前記サブガイド部材の外周部には、前記外部から供給される冷媒を受けるとともに前記導入部に冷媒を案内するためのガイド溝部が設けられていてもよい。この構成によれば、外部から供給される冷媒が、サブガイド部材の外周部におけるガイド溝部に沿って、ガイド部材における導入部に案内される。これにより、ステータのサイズをガイド部材よりも径方向外側に拡げることなく、外部から供給される冷媒を導入部に案内することができ、したがって、シンプルかつ省スペースな構造で導入部に冷媒を導入することができる。
【0022】
また、本発明に係るモータユニットは、ステータを含むモータと、前記ステータを収容するハウジングと、を備えたモータユニットであって、前記ハウジングは、前記ステータの前記ガイド部材を、前記ステータコアに対して軸方向に押し付けるように構成されている。この構成によれば、ステータコアとガイド部材との間にO(オー)リングなどのシーリング部材を設けなくても、ステータコアとガイド部材との間からの冷媒の漏れが抑制される。これにより、モータユニットの部品点数を削減することができ、したがって、モータユニットのコストを削減することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、コイルを効率的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態1におけるモータユニットの一部を示す概略縦断面図である。
図2】実施形態1におけるステータの斜視図である。
図3図2のステータの分解斜視図である。
図4】コイルエンドを拡大して示す図である。
図5】実施形態1におけるオイルガイドの一部を示す概略正面図である。
図6図5のオイルガイドの一部を軸方向内側から見た概略斜視図である。
図7】第1の流動パターンを説明するための図である。
図8】第1の流動パターンにおけるオイルガイド内のオイルの流れを説明するための図である。
図9】第2の流動パターンを説明するための図である。
図10】第2の流動パターンにおける前側のオイルガイド内のオイルの流れを説明するための図である。
図11】第2の流動パターンにおける後側のオイルガイド内のオイルの流れを説明するための図である。
図12】第3の流動パターンを説明するための図である。
図13】第3の流動パターンにおける前側のオイルガイド内のオイルの流れを説明するための図である。
図14】第3の流動パターンにおける後側のオイルガイド内のオイルの流れを説明するための図である。
図15】噴出部およびサブ噴出部の噴出態様を説明するための図である。
図16】径方向外側の噴出部およびその噴出対象であるコイルエンドを拡大して示す図である。
図17】径方向内側の噴出部およびその噴出対象であるコイルエンドを拡大して示す図である。
図18】サブ噴出部およびその噴出対象であるコイルエンドを拡大して示す図である。
図19】オイルガイドの下側に配置されたコイルエンドおよびその周辺部を示す概略縦断面図である。
図20】実施形態2におけるオイルガイドを示す概略正面図である。
図21図20のオイルガイドの上側を拡大して示す図である。
図22】実施形態2におけるサブ噴出部に続く流路を示す概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
(モータユニットの構成)
図1は、実施形態1におけるモータユニットAの一部を示す概略縦断面図である。なお、図1では、モータユニットAの軸方向一端側を示しているが、軸方向他端側も同様に現れる。まず、本発明の実施形態1におけるモータユニットAの構成について説明する。図1に示すように、モータユニットAは、モータ1と、ハウジング9と、を備える。
【0026】
モータ1は、例えば、永久磁石埋込型モータ(IPMモータ:Interior Permanent Magnet Motor)であって、電気自動車の走行駆動源として用いられる。モータ1は、回転軸であるシャフト10と、中央孔にシャフト10が固定された円筒状のロータ11と、内周面がロータ11の外周面に対向するようにロータ11と径方向に間隔を空けて配置された円筒状のステータ12と、を備える。シャフト10は、ロータ11と一体的に、かつ、ステータ12に対して相対的に回転可能に構成されている。シャフト10、ロータ11およびステータ12は、同心に配置されていて、図では、これらの軸方向を統一して符号δで示している。ステータ12の構成については、後に詳しく説明する。
【0027】
モータ1には、オイルが冷媒として供給される。より具体的には、オイルパン(図示省略)に貯留されたオイルが、熱交換器(図示省略)により冷却された状態で、オイルポンプOPによってモータ1に圧送される。図1における太破線矢印は、オイルの流れを概念的に示すものであり、以下の図における太線矢印および太破線矢印についても同様である。オイルは、モータ1の冷却に供した後、オイルパンに再び貯留される。
【0028】
ハウジング9は、シャフト10の両端部を露出させつつロータ11およびステータ12を収容するものである。ハウジング9の内部には、外部から供給されるオイルをモータ1に流すための流路90が形成されている。図示を省略するが、ハウジング9には、オイル用の他の流路、例えば、オイルを他の部材(ベアリングなど)に流すための流路が形成され得る。ハウジング9の構成については、後に詳しく説明する。
【0029】
(ステータの構成)
図2は、実施形態1におけるステータ12の斜視図である。続いて、本発明の実施形態1におけるステータ12の構成について詳しく説明する。図2に示すように、ステータ12は、ステータコア2と、オイルガイド3A(ガイド部材)と、軸方向端部に複数のコイルエンド40を有するコイル4と、サブオイルガイド5(サブガイド部材)と、を備える。ステータ12は、電源(図示省略)から入力端子Bを介してコイル4に電流が流れるように構成されていて、コイル4がステータ12の主な発熱源となっている。このため、ステータ12は、主としてコイル4を冷却するために、ハウジング9における流路90から流れてきたオイルを、オイルガイド3Aを用いてコイル4のコイルエンド40に向けて噴出するように構成されている。以下、まずはステータ12の各部について簡単に説明した後に、オイルガイド3Aの詳細な構成について、オイルの流動パターンと併せて説明する。
【0030】
<ステータの各部>
図3は、図2のステータ12の分解斜視図である。なお、図3では、図示の都合上、コイル4の図示を省略している。図3に示すように、ステータコア2は、円筒状であって、電磁鋼などの磁性材料から形成されている。ステータコア2には、それぞれ周方向内側に延び、かつ、周方向に並んだ複数の第1ティース21が、ステータコア2の軸方向の全長にわたって形成されている。隣り合う複数の第1ティース21の間の空間は、第1スロット20となっている。これ故、ステータコア2には、それぞれ軸方向に貫通していて周方向に並んだ複数の第1スロット20が形成されている。各第1スロット20は、径方向内側に開口するように、ステータコア2の内周部2sから径方向外側に延びている。
【0031】
図3に示すように、ステータコア2には、上記に加えて、各第1スロット20よりも径方向外側で軸方向に貫通した複数のコア内流路22が形成されている。各コア内流路22の、軸方向に直交する断面は、略矩形状であって、その周方向の幅が各第1スロット20の周方向幅に対応するように設定されている。
【0032】
コア内流路22は、オイルが軸方向の前方に流れるコア内流路22Fと、オイルが軸方向の後方に流れるコア内流路22Rと、を含み、コア内流路22F,22Rは、それぞれ周方向に2つずつ交互に並ぶように配置されている。以下、説明の便宜上、コア内流路22F,22Rに共通する事項については、共通の符号22を用いて説明することがある。コア内流路22を通るオイルの流動パターンについては、オイルガイド3Aを通るオイルの流動パターンと併せて後に説明する。
【0033】
図2および図3に示すように、オイルガイド3Aは、ステータコア2の軸方向の両端側に配置されていて、ステータコア2の軸方向の一端側である前側に配置されたオイルガイド3Fと、ステータコア2の軸方向の他端側である後側に配置されたオイルガイド3Rと、を含む。オイルガイド3F,3Rは、ともに、ステータコア2とほぼ同じ外径および内径を有するリング状であって、ステータコア2と同軸上に配置されている。両オイルガイド3F,3Rは、オイルがステータコア2におけるコア内流路22を通って一方のオイルガイドから他方のオイルガイドに流れるように、コア内流路22を介して連通している。
【0034】
オイルガイド3F,3Rは、互いに反対の向きを向くように配置されていて、同じ形状に形成されている。このため、以下、説明の便宜上、オイルガイド3F,3Rに共通する事項については、共通の符号3Aを用いて説明することがある。
【0035】
オイルガイド3Aは、非磁性材料、より具体的には、樹脂材料(例えば、SPS:シンジオタクチックポリスチレン、PPS:ポリフェニレンサルファイド)から形成されている。図3に示すように、オイルガイド3Aには、ステータコア2における複数の第1ティース21に対応するようにそれぞれ周方向内側に延び、かつ、周方向に並んだ複数の第2ティース31が、オイルガイド3Aの軸方向の全長にわたって形成されている。隣り合う複数の第2ティース31の間の空間は、第2スロット30となっている。これ故、オイルガイド3Aには、複数の第1スロット20に対応するようにそれぞれ軸方向に貫通した複数の第2スロット30が形成されている。各第2スロット30は、径方向内側に開口するように、オイルガイド3Aの内周部3sから径方向外側に延びている。
【0036】
図2に戻り、コイル4は、相互に接続された複数のセグメントコイルからなる、いわゆるSC(セグメントコンダクタ)巻線である。図示を省略するが、コイル4は、異なる位相の電流が流れる複数(本実施形態では、三相分の3つ)のコイル群を構成していて、各コイル4の外表面には、絶縁被膜が施されている。
【0037】
図4は、コイルエンド40を拡大して示す図である。図2に示すように、コイル4は、複数のコイルエンド40がオイルガイド3Aから軸方向に突出するように、ステータコア2とオイルガイド3Aとに装着されている。より詳細には、コイル4は、ステータコア2における複数の第1スロット20とオイルガイド3Aにおける複数の第2スロット30とに挿通されている。これ故、図4に示すように、コイルエンド40は、第2スロット30から軸方向に突出している。このようにコイル4がステータコア2とオイルガイド3Aとに装着されていることにより、オイルガイド3Aがコイル4のコイルエンド40に近接して配置される。
【0038】
各コイルエンド40の配置や形状は、コイル4の指向方向(延在方向)に依拠している。一例として、図4に示す、コイルエンド40の一部(コイルエンド40a,40b,40c)を用いて説明する。なお、図4では上側に配置されたコイルエンド40a,40b,40cを示しているが、これらのコイルエンド40a,40b,40cは、全周にわたって繰り返し配置されている。
【0039】
図4に示すように、コイルエンド40a,40b,40cは、この順で径方向外側から内側に重なるように配置されている。コイルエンド40bおよびその径方向内側に重なったコイルエンド40cは、ともに、コイル4の指向方向に準じて、軸方向外側に行くほど軸方向に交差する方向に斜めに延びた傾斜部41を有するように形成されている。傾斜部41の軸方向の内側部分42は、オイルガイド3A側を向いている。また、コイルエンド40aは、径方向内側に重なったコイルエンド40bとの干渉を避けるべく、径方向外側に一段高くさせる段差部43を有するように形成されている。このように、各コイルエンド40は、コイル4の指向方向に準じつつ互いに干渉しないように様々な配置や形状を有している。
【0040】
図2および図3に戻り、サブオイルガイド5は、オイルガイド3Aよりも軸方向外側に配置されていて、オイルガイド3Fよりも前側に配置されたサブオイルガイド5Fと、オイルガイド3Rよりも後側に配置されたサブオイルガイド5Rと、を含む。サブオイルガイド5F,5Rは、ともに、筒状であって、オイルガイド3F,3Rと同軸上に配置されている。
【0041】
サブオイルガイド5F,5Rは、互いに反対の向きを向くように配置されていて、同じ形状に形成されている。このため、以下、説明の便宜上、サブオイルガイド5F,5Rに共通する事項については、共通の符号5を用いて説明することがある。
【0042】
サブオイルガイド5は、非磁性材料、より具体的には、樹脂材料(例えば、シンジオタクチックポリスチレン:SPS、ポリフェニレンサルファイド:PPS)から形成されている。サブオイルガイド5の外周部5pには、外部から供給されるオイルを受けるとともに、オイルガイド3Aにオイルを案内するためのガイド溝部50と、コイルエンド40の冷却に供したオイルをステータ12から排出するための切欠部51と、が設けられている。
【0043】
図3に示すように、ガイド溝部50は、軸方向内側端部がオイルガイド3Aに向かって径方向内側に一段下がるように形成された円環溝500と、円環溝500の上部から軸方向外側に延びた直線溝501と、を含む。図1のハウジング9における流路90から流れてきたオイルは、直線溝501に垂らされた後、円環溝500からオイルガイド3A(具体的には後に詳しく説明する導入部33A)に流れ込み、コイル4の冷却に供した後、サブオイルガイド5の内周側から切欠部51を通って排出される。
【0044】
<オイルガイドの構成>
図5は、実施形態1におけるオイルガイド3Aの一部を示す概略正面図である。図6は、図5のオイルガイド3Aの一部を軸方向内側から見た概略斜視図である。次に、オイルガイド3Aの詳細な構成について、オイルガイド3Aを通るオイルの流動パターンと併せて説明する。
【0045】
図5および図6に示すように、オイルガイド3Aには、内部空間としてのチャンバ32Aと、外部から供給されるオイルが導入される導入部33Aと、の他、複数の噴出部34と、複数の第1接続部35(コア接続部)と、複数の第2接続部36と、複数のサブ噴出部37と、が設けられている。各噴出部34は、チャンバ32Aを介して導入部33Aと連通していて、コイルエンド40に向けてオイルを噴出するように構成されている。各第1接続部35は、チャンバ32Aを介して導入部33Aと連通していて、ステータコア2におけるコア内流路22の流入口と接続される一方、各第2接続部36は、コア内流路22の流出口と接続される。各サブ噴出部37は、第2接続部36と連通していて、他のオイルガイド3Aから流れてきたオイルをコイルエンド40に向けて噴出するように構成されている。これらの各部が設けられたオイルガイド3Aを通るオイルの流動パターンは、次の3つに分類される。
【0046】
-オイルの流動パターン-
図7は、第1の流動パターンを説明するための図である。なお、図7では、図示の都合上、コイル4の図示を省略している。図8は、第1の流動パターンにおけるオイルガイド3A内のオイルの流れを説明するための図である。図7に示すように、第1の流動パターンは、同一のオイルガイド3A内を流れるパターンであって、図8に示すように、外部から供給されるオイルが、オイルガイド3Aにおける導入部33Aで導入された後、チャンバ32Aを通って、同一のオイルガイド3Aにおける噴出部34から、近接するコイルエンド40に向けて噴出されるパターンである。なお、図7および図8では、前側のオイルガイド3Fにおけるオイルの流れを示しているが、後側のオイルガイド3Rにおけるオイルの流れは、噴出部34から噴出されるオイルの向きが図7に示す向き(紙面手前側)とは反対である点を除いて同様である。
【0047】
このような第1の流動パターンでは、オイルガイド3Aにおける導入部33Aおよび噴出部34によって、外部から供給されるオイルが、導入部33Aで導入された後、そのまま噴出部34から、近接するコイルエンド40に向けて噴出される。このため、外部から供給されるオイルが、ステータ12の他の部品(例えば、ステータコア2)から熱を奪っていないフレッシュな状態でコイルエンド40にかかる。これにより、コイル4を効率的に冷却することができる。
【0048】
図9は、第2の流動パターンを説明するための図である。なお、図9では、図示の都合上、コイル4の図示を省略しており、第1接続部35および第2接続部36は現れない。図10は、第2の流動パターンにおける前側のオイルガイド3F内のオイルの流れを説明するための図である。図11は、第2の流動パターンにおける後側のオイルガイド3R内のオイルの流れを説明するための図である。図9に示すように、第2の流動パターンは、オイルが前側のオイルガイド3Fから後側のオイルガイド3Rに流れるパターンである。より詳しくは、第2の流動パターンでは、外部から供給されるオイルが、図9および図10に示すように前側のオイルガイド3Fにおける導入部33Aで導入された後、図10に示すようにオイルガイド3Fにおけるチャンバ32Aおよび第1接続部35を通って、図9に示すようにステータコア2におけるコア内流路22Rを通り抜けた後、さらに図9および図11に示すように後側のオイルガイド3Rにおける第2接続部36を通って、オイルガイド3Rにおけるサブ噴出部37から後側のコイルエンド40に向けて噴出される。
【0049】
このような第2の流動パターンでは、前側のオイルガイド3Fにおける第1接続部35によって、外部から供給されるオイルの一部が、オイルガイド3Fにおける導入部33Aで導入された後、第1接続部35からステータコア2におけるコア内流路22Rに流れ込む。これにより、ステータコア2を冷却することができる。
【0050】
さらに、第2の流動パターンでは、後側のオイルガイド3Rにおけるサブ噴出部37によって、オイルガイド3Fからステータコア2におけるコア内流路22Rを通り抜けたオイルが、オイルガイド3Rにおけるサブ噴出部37から後側のコイルエンド40に向けて噴出される。これにより、ステータコア2の冷却に供したオイルを無駄なく用いて、後側のコイルエンド40を冷却することができる。
【0051】
図12は、第3の流動パターンを説明するための図である。なお、図12では、図示の都合上、コイル4の図示を省略しており、第1接続部35および第2接続部36は現れない。図13は、第3の流動パターンにおける前側のオイルガイド3F内のオイルの流れを説明するための図である。図14は、第3の流動パターンにおける後側のオイルガイド3R内のオイルの流れを説明するための図である。図12に示すように、第3の流動パターンは、上記の第2の流動パターンとは反対に、オイルが後側のオイルガイド3Rから前側のオイルガイド3Fに流れるパターンである。より詳しくは、第3の流動パターンでは、外部から供給されるオイルが、図12および図14に示すように後側のオイルガイド3Rにおける導入部33Aで導入された後、図14に示すようにオイルガイド3Rにおけるチャンバ32Aおよび第1接続部35を通って、図12に示すようにステータコア2におけるコア内流路22Fを通り抜けた後、さらに図12および図13に示すように前側のオイルガイド3Fにおける第2接続部36を通って、オイルガイド3Fにおけるサブ噴出部37から前側のコイルエンド40に向けて噴出される。
【0052】
このような第3の流動パターンでも、上記の第2の流動パターンと同様に、外部から供給されるオイルの一部がオイルガイド3Rにおける第1接続部35からステータコア2におけるコア内流路22Fに流れ込むことにより、ステータコア2を冷却することができ、さらに、コア内流路22Fを通り抜けたオイルがオイルガイド3Fにおけるサブ噴出部37から前側のコイルエンド40に向けて噴出されることにより、ステータコア2の冷却に供したオイルを無駄なく用いて、前側のコイルエンド40を冷却することができる。
【0053】
上記の流動パターンを実現するオイルガイド3Aの各部は、詳細には、以下のように構成されている。
【0054】
-オイルガイドの各部の詳細-
図5に戻り、チャンバ32Aは、第2スロット30を径方向外側から取り囲むように配置された同心の環状部320と、環状部320から第2ティース31の内部に向かって径方向内側に分岐した複数の分岐部321と、を含む。各分岐部321は、噴出部34と繋がっていて、これ故、チャンバ32Aは、分岐部321で噴出部34と繋がっている。環状部320内には、軸方向に厚みを有する複数のスペーサ322が周方向に互いに間隔を空けて設けられている。これにより、軸方向におけるチャンバ32Aの圧縮、すなわち、軸方向におけるオイルガイド3Aの変形を抑制することができる。
【0055】
また、上記のように、噴出部34が、環状部320を含むチャンバ32Aを介して導入部33Aと連通していることにより、導入部33Aで導入されたオイルで環状部320内を周方向に均等に満たした状態で、チャンバ32A内のオイルを噴出部34から噴出させることが可能となる。これにより、オイルを噴出部34から周方向に均等に噴出させることができ、したがって、オイルをコイルエンド40のそれぞれに周方向に均等にかけることができる。
【0056】
図3に示すように、導入部33Aは、オイルガイド3Aの外周部3pの全周にわたって径方向外側に開口している。これにより、オイルを、オイルガイド3Aの外周部3pの全周からオイルガイド3Aに導入することができる。
【0057】
図4および図5に示すように、噴出部34は、軸方向外側に開口した円孔であって、オイルガイド3Aの軸方向外側部に設けられている。噴出部34は、周方向に互いに間隔を空けて配置されている。図4に示すように、噴出部34は、コイルエンド40の近傍に配置されている。これにより、オイルをコイルエンド40に確実にかけることができる。
【0058】
さらに、図5に示すように、噴出部34は、第2ティース31上、すなわち、隣り合う第2スロット30間に配置されていて、径方向外側に配置された噴出部34aと、径方向内側に配置された噴出部34bと、を含む。噴出部34aおよび噴出部34bは、周方向に2つずつ交互に並ぶように、各第2ティース31上に配置されている。このように噴出部34が、隣り合う第2スロット30間に配置されていることにより、第1スロット20と第2スロット30とに挿通されたコイル4のコイルエンド40の径方向位置にかかわらず、例えば、径方向内側に配置されたコイルエンド40の近傍に噴出部34bを配置するように、噴出部34をコイルエンド40の近傍に配置するとともに、オイルをコイルエンド40の近くから噴出させることが可能となる。これにより、オイルをコイルエンド40に確実にかけることができる。
【0059】
図5および図6に示すように、第1接続部35は、軸方向内側に開口した円孔であって、オイルガイド3Aの軸方向内側部に設けられている。前側のオイルガイド3Fにおける第1接続部35は、コア内流路22Rの流入口と接続され、同様に、後側のオイルガイド3Rにおける第1接続部35は、コア内流路22Fの流入口と接続される。このため、第1接続部35は、コア内流路22の流入口に対応する周方向位置および径方向位置に配置されている。第1接続部35の開口面積は、コア内流路22の流入口の開口面積よりも小さく設定されている。これにより、コア内流路22へのオイルの流入圧を高めることができる。
【0060】
同じく図5および図6に示すように、第2接続部36は、軸方向内側に開口した、周方向の長さがコア内流路22の流出口の周方向幅に対応する長孔であって、オイルガイド3Aの軸方向内側部に設けられている。前側のオイルガイド3Fにおける第2接続部36は、コア内流路22Fの流出口と接続され、同様に、後側のオイルガイド3Rにおける第2接続部36は、コア内流路22Rの流出口と接続される。このため、第2接続部36は、コア内流路22の流出口に対応する周方向位置および径方向位置に配置されている。第2接続部36の開口面積は、コア内流路22の流出口の開口面積とほぼ同じ大きさに設定されている。図6に示すように、第1接続部35および第2接続部36は、コア内流路22F,22Rの並びに対応して、それぞれ周方向に2つずつ交互に並ぶように配置されている。
【0061】
図4および図5に示すように、サブ噴出部37は、軸方向外側に開口した円孔であって、オイルガイド3Aの軸方向外側部に設けられている。サブ噴出部37は、第2接続部36に対応する周方向位置で、第2スロット30よりも径方向外側で周方向に互いに間隔を空けて配置されている。サブ噴出部37は、第2接続部36よりも小さい開口面積を有し、流路370によって第2接続部36と繋がっている。流路370は、その延伸方向(本実施形態では、軸方向)に直交する断面積が第2接続部36からサブ噴出部37に向かうにつれて漸次小さくなるように形成されている。これにより、サブ噴出部37からのオイルの噴出圧を高めることができる。
【0062】
なお、サブ噴出部37に続く流路370と同様に、噴出部34に続く流路(噴出部34とチャンバ32Aとに繋がった流路)が、その延伸方向に直交する断面積がチャンバ32Aから噴出部34に向かうにつれて漸次小さくなるように形成されていてもよい。これにより、上記の場合と同様に噴出部34からのオイルの噴出圧を高めることができる。
【0063】
上記の構成に加えて、図5および図6に示すように、オイルガイド3Aには、コア内流路22の流入口に差し込まれることでオイルガイド3Aをステータコア2に対して位置決めするための複数の差込爪38が設けられている。各差込爪38は、オイルガイド3Aの軸方向内側部から軸方向内側に突出した突起であって、連続して並ぶ2つの第1接続部35のうち1つの第1接続部35の周方向両端側に配置されている。このようにオイルガイド3Aに差込爪38が設けられていることにより、シンプルな構造でオイルガイド3Aをステータコア2に対して位置決めすることができる。
【0064】
上記の噴出部34およびサブ噴出部37は、いずれもオイルをコイルエンド40に向けて噴出するように構成されたものであるが、オイルが個々のコイルエンド40にかかるように構成されている。より詳しくは、噴出部34およびサブ噴出部37は、それぞれ異なるコイルエンド40を噴出対象とするように、すなわち、それぞれ別のコイルエンド40に向けてオイルを噴出するように構成されている。これにより、オイルをコイルエンド40のそれぞれにかけることができ、したがって、コイル4全体をより効率的に冷却することができる。
【0065】
また、上記の噴出部34およびサブ噴出部37は、噴出対象とするコイルエンド40のそれぞれの配置や形状に適した態様でオイルを噴出するように、より詳細には以下のように構成されている。
【0066】
-噴出部およびサブ噴出部の噴出態様-
図15は、噴出部34およびサブ噴出部37の噴出態様を説明するための図である。図16は、径方向外側の噴出部34aおよびその噴出対象であるコイルエンド40bを拡大して示す図である。なお、図16では、図示の都合上、コイルエンド40bの径方向外側に重なったコイルエンド40aの図示を省略している。図17は、径方向内側の噴出部34bおよびその噴出対象であるコイルエンド40cを拡大して示す図である。なお、図17では、図示の都合上、コイルエンド40cの径方向外側に重なったコイルエンド40bならびにコイルエンド40bの径方向外側に重なったコイルエンド40aの図示を省略している。
【0067】
噴出態様の一例として、図15の楕円P1で囲んで示す噴出部34a(径方向外側の噴出部)は、図16に示すコイルエンド40bを噴出対象としていて、コイルエンド40bの傾斜部41における、オイルガイド3A側を向いた内側部分42に向けてオイルを噴出するように構成されている。同様に、図15の楕円P2で囲んで示す噴出部34b(径方向内側の噴出部)は、図17に示す、コイルエンド40bの径方向内側に重なったコイルエンド40cを噴出対象としていて、コイルエンド40cの傾斜部41における、オイルガイド3A側を向いた内側部分42に向けてオイルを噴出するように構成されている。
【0068】
上記のように構成された噴出部34a,34bによって、オイルが、コイルエンド40b,40cの傾斜部41における内側部分42、すなわち、オイルガイド3Aに近い部分に向けて噴出される。これにより、オイルをコイルエンド40b,40cに確実にかけることができる。また、付随的な効果として、オイルをコイルエンド40b,40cの傾斜部41にかけることにより、オイルが傾斜部41を伝って軸方向外側に移動することから、コイルエンド40b,40cをより効率的に冷却することができる。
【0069】
また、図16および図17に示すように、噴出部34a,34bは、特に、コイルエンド40b,40cの径方向外側に向けて噴出するように構成されている。これにより、オイルガイド3Aの時計方向の12時側(上側)に配置されたコイルエンド40b,40c、すなわち、オイルガイド3Aの上側に配置されたコイルエンド40b,40cでは、オイルが自重でコイルエンド40b,40cを伝って下側に移動することから、コイルエンド40b,40cをより効率的に冷却することができる。
【0070】
図18は、サブ噴出部37およびその噴出対象であるコイルエンド40aを拡大して示す図である。図19は、オイルガイド3Aの下側に配置されたコイルエンド40aおよびその周辺部を示す概略縦断面図である。上記の例のほか、図15の楕円P3で囲んで示すサブ噴出部37は、図18に示すコイルエンド40aを噴出対象としていて、コイルエンド40よりも径方向外側から径方向内向きにオイルを噴出するように構成されている。より具体的には、図19に示すように、サブ噴出部37に繋がる流路370が、サブ噴出部37に向かうにつれて径方向内向き(図19では、上向き)に傾いている。
【0071】
上記のように構成されたサブ噴出部37によって、オイルが、サブ噴出部37よりも径方向内側に存在するコイルエンド40aの段差部43に向けて径方向内向きに噴出される。特に、図19に示すように、オイルガイド3Aの時計方向の6時側(下側)に配置されたコイルエンド40a、すなわち、サブ噴出部37よりも上側に存在するコイルエンド40aの段差部43に向けては、オイルが重力に抗うように上向きに噴出される。これにより、オイルを、サブ噴出部37よりも径方向内側に存在するコイルエンド40aに確実にかけることができる。
【0072】
なお、図示を省略するが、噴出部34の一部が、上記のサブ噴出部37と同様にコイルエンド40よりも径方向外側から径方向内向きにオイルを噴出するように構成されていてもよく、この場合であっても、上記の場合と同様にオイルを、噴出部34よりも径方向内側に存在するコイルエンド40に確実にかけることができる。
【0073】
(ハウジングの構成)
図1に戻り、ハウジング9は、円筒状の本体部91と、本体部91の軸方向各端側の開口部分を閉塞するように配置された一対の有底円筒状の蓋部92と、を備える。蓋部92の底部には、シャフト10を貫通させるための孔920が形成されている。蓋部92は、ボルトなどの締結具(図示省略)を用いて本体部91の軸方向各端部に固定される。
【0074】
蓋部92は、本体部91に固定された状態で、ステータ12の軸方向端部に配置されたサブオイルガイド5と底部内面92aで接触するとともにサブオイルガイド5を軸方向内向きに押圧する。この状態で、サブオイルガイド5よりも軸方向内側に配置されたオイルガイド3Aは、蓋部92による押圧によって、サブオイルガイド5を介してステータコア2に対して軸方向に押し付けられる。すなわち、ハウジング9は、ステータ12のオイルガイド3Aを、ステータコア2に対して軸方向に押し付けるように構成されている。このように構成されたハウジング9によって、ステータコア2とオイルガイド3Aとの間にO(オー)リングなどのシーリング部材を設けなくても、ステータコア2とオイルガイド3Aとの間からのオイル漏れが抑制される。これにより、モータユニットAの部品点数を削減することができ、したがって、モータユニットAのコストを削減することができる。
【0075】
以上説明したステータ12によれば、導入部33Aと噴出部34とが設けられたオイルガイド3Aによって、外部から供給されるオイルが、ステータ12の他の部品から熱を奪っていないフレッシュな状態でコイルエンド40にかかり、これにより、コイル4を効率的に冷却することができるという効果が生じる。
【0076】
また、上記の効果のほか、付随的な効果として、オイルガイド3Aをステータコア2とは別体としたことにより、ステータコア2の強度や生産性に影響を及ぼすことなく、オイルガイド3Aをステータ12に設けることができる。
【0077】
また、上記のように、オイルガイド3Aが樹脂材料から形成されていることにより、オイルガイド3Aの加工自由度を向上させることができ、したがって、ステータコア2とオイルガイド3Aとに対するコイル4の装着態様に応じて、より具体的には、噴出対象とするコイルエンド40の配置や形状に適した態様でオイルを噴出するように、噴出部34の配置や形状を自由に設定することができる。
【0078】
また、上記のように、サブオイルガイド5にガイド溝部50が設けられていることにより、外部から供給されるオイルが、サブオイルガイド5の外周部5pにおけるガイド溝部50に沿って、オイルガイド3Aにおける導入部33Aに案内される。これにより、ステータ12のサイズをオイルガイド3Aよりも径方向外側に拡げることなく、外部から供給されるオイルを導入部33Aに案内することができ、したがって、シンプルかつ省スペースな構造で導入部33Aにオイルを導入することができる。
【0079】
なお、冷媒としてオイル以外の液体を用いてもよい。また、上記のオイルガイド3Aは、ステータコア2の、軸方向の少なくとも一端側に設けられていればよい。この場合であっても、上記の場合と同様にコイル4を効率的に冷却することができるという効果が生じる。また、オイルガイド3F,3Rは、互いに異なる形状に形成されていてもよい。
【0080】
なお、オイルガイド3Aは、樹脂材料以外の非磁性材料、例えば、セラミックスから形成されていてもよい。オイルガイド3Aが非磁性材料から形成されていることにより、モータ1に磁気的な影響を及ぼすことなくオイルガイド3Aをステータ12に設けることができる。
【0081】
なお、サブオイルガイド5は、オイルガイド3Aの形状やステータ12を含むモータ1全体のレイアウトに応じて、軸方向の一端側に1つ設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。
【0082】
なお、噴出部34およびサブ噴出部37の配置や形状は、上記に限らず、ステータコア2とオイルガイド3Aとに対するコイル4の装着態様に応じて、より具体的には、噴出対象とするコイルエンド40の配置や形状に適した態様でオイルを噴出するように、適宜設定され得る。例えば、噴出部34の一部をコイルエンド40よりも径方向外側に配置するとともに、噴出部34の他の一部を隣り合う第2スロット30間に配置してもよいし、サブ噴出部37を隣り合う第2スロット30間に配置してもよい。
【0083】
また、噴出部34およびサブ噴出部37は、同一のコイルエンド40を噴出対象とするように、すなわち、同一のコイルエンド40に向けて噴出するように構成されていてもよい。さらに、噴出部34およびサブ噴出部37は、2以上のコイルエンド40を噴出対象とするように、すなわち、オイルを2以上のコイルエンド40に向けて噴出するように構成されていてもよい。
【0084】
なお、サブ噴出部37は、上記の第2の流動パターンおよび第3の流動パターンにおけるように、一方のオイルガイドから流れてきたオイルを当該他方側のコイルエンド40に向けて噴出するように構成されていれば足りるため、他方のオイルガイド(第2の流動パターンでは後側のオイルガイド3R、第3の流動パターンでは前側のオイルガイド3F)に設けられていればよい。
【0085】
なお、ステータコア2とオイルガイド3Aとに対するコイル4の装着態様は、上記に限らず、ステータコア2およびオイルガイド3Aの形状に応じて適宜設定され得る。また、コイル4は、上記に限らず、連続巻線など、SC巻線以外であってもよい。
【0086】
(実施形態2)
図20は、実施形態2におけるオイルガイド3Bを示す概略正面図である。次に、本発明の実施形態2におけるオイルガイド3Bの構成について、上記の実施形態1におけるオイルガイド3Aと異なる点を中心に説明する。
【0087】
図20に示すように、実施形態2におけるオイルガイド3Bには、環状部320を径方向外側から連続的に取り囲む周壁部323が設けられている。ここで、「連続的」とは、必ずしも全周(360度)を意味するものではなく、図20に示すように、30度に満たない程度に一部が途切れている場合も含む概念である。周壁部323の上部は途切れていて、この途切れた部分が実施形態2における導入部33Bとなっている。このような周壁部323によって、環状部320の径方向外側のスペースが周壁部323で占められることから、オイルガイド3B内の流路体積が削減される。これにより、オイルガイド3B内にエア溜まりが発生するのを抑制することができ、したがって、オイルガイド3Bからのオイルの噴出圧が低下するのを抑制することができる。
【0088】
図21は、図20のオイルガイド3Bの上側を拡大して示す図である。図21に示すように、実施形態2における各分岐部324は、噴出部34または第1接続部35と繋がっている。分岐部324の径方向内側端部である終端部325は、丸みを帯びており、噴出部34と繋がった分岐部324における終端部325の端縁は、噴出部34の端縁と正接している。これ故、実施形態2におけるチャンバ32Bは、分岐部324の終端で噴出部34と繋がっている。このように噴出部34と繋がったチャンバ32Bによって、分岐部324内で、噴出部34と繋がった部分よりも終端側にスペースが存在しなくなる。これにより、分岐部324の終端にエア溜まりが発生するのを抑制することができ、したがって、オイルガイド3Bからのオイルの噴出圧が低下するのを抑制することができる。
【0089】
上記の噴出部34との場合と同様に、実施形態2におけるチャンバ32Bは、分岐部324の終端で第1接続部35と繋がっている。これにより、上記の噴出部34の場合と同様に分岐部324の終端にエア溜まりが発生するのを抑制することができ、したがって、コア内流路22へのオイルの流入圧が低下するのを抑制することができる。
【0090】
図22は、実施形態2におけるサブ噴出部39に続く流路371を示す概略縦断面図である。具体的には、図22は、図21のA-A断面を示している。図21に示すように、実施形態2におけるオイルガイド3Bには、実施形態1におけるオイルガイド3Aと同様に第2スロット30よりも径方向外側にサブ噴出部39が設けられているが、実施形態2におけるサブ噴出部39は、矩形穴であるとともに、第2スロット30に隣接して配置されている。図22に示すように、第2接続部36からサブ噴出部39に続く流路371には、第2スロット30側に開放した開放部372が設けられている。このような開放部372によって、第2スロット30に挿通されたコイル4が開放部372を介して流路371に臨むことから、コイル4とオイルとの接触面積が増大する。より具体的には、流路371を流れるオイルの一部が、開放部372から第2スロット30に流れ込むことで、第2スロット30に挿通されたコイル4にかかる。したがって、コイル4をより効率的に冷却することができる。
【0091】
なお、図示を省略するが、噴出部34が第2スロット30よりも径方向外側に配置されていた場合、上記の流路371と同様に、噴出部34に続く流路(噴出部34とチャンバ32Aとに繋がった流路)に開放部が設けられていてもよく、この場合であっても、上記の場合と同様にコイル4をより効率的に冷却することができる。
【0092】
上記の実施形態はあらゆる点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記の実施形態および実施例のみにより解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0093】
A モータユニット
1 モータ
10 シャフト
11 ロータ
12 ステータ
2 ステータコア
20 第1スロット
22,22F,22R コア内流路
3A,3B,3F,3R オイルガイド(ガイド部材)
30 第2スロット
32A,32B チャンバ
320 環状部
321,324 分岐部
323 周壁部
33A,33B 導入部
34,34a,34b 噴出部
35 第1接続部(コア接続部)
37,39 サブ噴出部
370,371 流路(サブ噴出部に続く流路)
372 開放部
4 コイル
40,40a,40b,40c コイルエンド
41 傾斜部
42 内側部分
5,5F,5R サブオイルガイド(サブガイド部材)
5p 外周部
50 ガイド溝部
9 ハウジング

【要約】
【課題】コイルを効率的に冷却することができるステータおよびこれを備えたモータユニットを提供する。
【解決手段】円筒状のステータコア2と、ステータコア2の、軸方向の少なくとも一端側に、ステータコア2と同軸上に配置されたリング状のオイルガイド3A(ガイド部材)と、複数のコイルエンドがオイルガイド3Aから軸方向に突出するように、ステータコア2とオイルガイド3Aとに装着されたコイルと、を備え、オイルガイド3Aには、外部から供給される冷媒が導入される導入部33Aと、導入部33Aと連通していて、複数のコイルエンドに向けて冷媒を噴出するように構成された複数の噴出部34と、が設けられている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図15
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図18
図19
図20
図21
図22