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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】無人貸金庫システム
(51)【国際特許分類】
   E05G 1/06 20060101AFI20250218BHJP
   G06Q 30/0645 20230101ALI20250218BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20250218BHJP
   G07F 17/00 20060101ALI20250218BHJP
【FI】
E05G1/06
G06Q30/0645
E05B49/00 F
G07F17/00 A
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2024037901
(22)【出願日】2024-03-12
【審査請求日】2024-10-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519290150
【氏名又は名称】吉岡 建太郎
(73)【特許権者】
【識別番号】524096060
【氏名又は名称】吉岡美千代
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉岡建太郎
(72)【発明者】
【氏名】吉岡美千代
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-156153(JP,A)
【文献】特開2007-023668(JP,A)
【文献】特開2008-025278(JP,A)
【文献】特公平06-039854(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05G 1/00-1/14
E05B 49/00
E05B 65/00
G07C 1/00-1/32
G07C 7/00
G07F 17/00
G06Q 10/00
G06Q 30/0645
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックヤードと、クーポンブースと、エントランスとからなる貸金庫と、
第一ガードセンターと、
第二ガードセンターと、
とからなる無人貸金庫システムであって、
貸金庫は、
バックヤードが、
保護箱ストック部と
保護箱搬送部と、
後記する監視カメラ映像を送信するためのカメラ映像送信部と、
後記するオートフォンを用いてガードセンターに駐在する外部人員と利用者との直通会話のための通信をするとともに、第一時間帯は後記する第一ガードセンターのオートフォン親機に向けて発呼し、第二時間帯は後記する第二ガードセンターのオートフォン親機に向けて発呼するように構成されたオートフォン通信部と、を含み、
クーポンブースは、
ブース入退室扉と、
保護箱搬送部によって保護箱ストック部から搬送されてくる保護箱の開閉をするための保護箱開閉部と、
利用権限の認証をカードでするためのカード認証部と、
利用権限の認証を暗証番号でするための暗証番号入力部と、
室内を撮影する監視カメラと、
外部人員と直通会話をするためのオートフォン子機と、を含み、
エントランスは、
クーポンブースに隣接し、エントランス入退室扉を有するエントランスと、
を含むように構成され、
第一ガードセンターは、
オートフォン子機からの発呼に応じてオートフォン子機を利用する利用者と会話をするための第一オートフォン親機と、
カメラ映像送信部からの監視カメラ映像を受信する監視カメラ映像受信部と、
受信した監視カメラ映像を表示する監視カメラ映像表示部と、
を有し、
第二ガードセンターは、
オートフォン子機からの発呼に応じてオートフォン子機を利用する利用者と会話をするための第二オートフォン親機を有する、
無人貸金庫システム。
【請求項2】
第一ガードセンターの第一オートフォン親機は、第一顧客群のオートフォン子機とも会話可能にネットワーク構成され、
第二ガードセンターの第二オートフォン親機は、第二顧客群のオートフォン子機とも会話可能にネットワーク構成された請求項1に記載の無人貸金庫システム。
【請求項3】
前記貸金庫のオートフォン子機以外は第一顧客群のオートフォン子機と、第二顧客群のオートフォン子機は重複していない請求項2に記載の無人貸金庫システム。
【請求項4】
前記貸金庫の前記バックヤードの前記オートフォン通信部は、第一時間帯又は/及び第二時間帯の設定をするための時間帯設定手段を有する請求項1に記載の無人貸金庫システム。
【請求項5】
監視カメラと、オートフォン子機とは、エントランス室内と、エントランス室外のエントランス入退室扉近辺にも配置されている請求項1又は請求項2に記載の無人貸金庫システム。
【請求項6】
ガードセンターには後記するアラーム発報部からの発報を受信する発報受信部を有し、
貸金庫のバックヤードには、クーポンブース入室後、所定時間利用者が退出しない場合に第一時間帯と第二時間帯ともに第一ガードセンターにアラームを発報するアラーム発報部を有する請求項1又は請求項2に記載の無人貸金庫システム。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の貸金庫システムの貸金庫。
【請求項8】
第一ガードセンターと第二ガードセンターによって時間帯を分割して緊急時の連絡に対応させる無人貸金庫のクーポンブースに備えられた前記緊急時の連絡用のオートフォン子機の通信機能を担う計算機であるオートフォン通信部の動作方法であって
第一のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第一時間帯を示す情報と、
第二のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第二時間帯を示す情報と、を保持する時間帯保持ステップと、
第一のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、
第二のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、を保持するオートフォン親機識別情報保持ステップと、
クーポンブースのオートフォン子機からの発呼命令があるか判断する発呼命令判断ステップと、
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令時の時刻を取得する時刻取得ステップと、
時刻取得ステップで取得された時刻が保持されている第一時間帯であるか、第二時間帯であるか判断する時間帯判断ステップと、
時間帯判断ステップで判断された時間帯に対応すべきガードセンターのオートフォン親機の識別情報に基づいてそのオートフォン親機に発呼処理する発呼処理ステップと、
を有する計算機であるオートフォン通信部の動作方法。
【請求項9】
さらに、第一時間帯を示す情報と第二時間帯を示す情報を時間帯保持ステップに保持させる時間帯設定ステップを有する請求項8に記載のオートフォン通信部の動作方法。
【請求項10】
無人貸金庫の識別情報である無人貸金庫識別情報を保持する無人貸金庫識別情報保持ステップを有するとともに、
発呼処理ステップが保持されている無人貸金庫識別情報を通信パケットに含む発呼処理を実行する無人貸金庫識別情報処理サブステップを有する請求項8又は請求項9に記載のオートフォン通信部の動作方法。
【請求項11】
第一ガードセンターと第二ガードセンターによって時間帯を分割して緊急時の連絡に対応させる無人貸金庫のクーポンブース、クーポンブースへ至る中間室であるエントランス、外部とエントランスとのエントランス入退室扉近辺に備えられた前記緊急時の連絡用のオートフォン子機の通信機能を担う計算機であるオートフォン通信部の動作方法であって
オートフォンのそれぞれにクーポンブースのオートフォン子機、エントランスのオートフォン子機、エントランス入来室扉のオートフォン子機のいずれであるかを示すオートフォン子機識別情報であるオートフォン子機識別情報が保持されており、
第一のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第一時間帯を示す情報と、
第二のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第二時間帯を示す情報と、を保持する時間帯保持ステップと、
第一のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、
第二のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、を保持するオートフォン親機識別情報保持ステップと、
いずれかのオートフォン子機からの発呼命令があるか判断する発呼命令判断ステップと、
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令時の時刻を取得する時刻取得ステップと、
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令を出力したオートフォン子機のオートフォン子機識別情報を取得するオートフォン子機識別情報取得ステップと、
時刻取得ステップで取得された時刻が保持されている第一時間帯であるか、第二時間帯であるか判断する時間帯判断ステップと、
時間帯判断ステップで判断された時間帯に対応すべきガードセンターのオートフォン親機の識別情報に基づいてそのオートフォン親機にオートフォン子機識別情報を含む通信パケットにて発呼処理する発呼処理ステップと、
を有する計算機であるオートフォン通信部の動作方法。
【請求項12】
無人貸金庫の識別情報である無人貸金庫識別情報を保持する無人貸金庫識別情報保持ステップを有するとともに、
発呼処理ステップが保持されている無人貸金庫識別情報を通信パケットに含む発呼処理を実行する無人貸金庫識別情報処理サブステップを有する請求項11に記載のオートフォン通信部の動作方法。
【請求項13】
第一ガードセンターと第二ガードセンターによって時間帯を分割して緊急時の連絡に対応させる無人貸金庫のクーポンブースに備えられた前記緊急時の連絡用のオートフォン子機の通信機能を担う計算機であるオートフォン通信部の動作プログラムであって
第一のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第一時間帯を示す情報と、
第二のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第二時間帯を示す情報と、を保持する時間帯保持ステップと、
第一のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、
第二のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、を保持するオートフォン親機識別情報保持ステップと、
クーポンブースのオートフォン子機からの発呼命令があるか判断する発呼命令判断ステップと、
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令時の時刻を取得する時刻取得ステップと、
時刻取得ステップで取得された時刻が保持されている第一時間帯であるか、第二時間帯であるか判断する時間帯判断ステップと、
時間帯判断ステップで判断された時間帯に対応すべきガードセンターのオートフォン親機の識別情報に基づいてそのオートフォン親機に発呼処理する発呼処理ステップと、
を有する計算機であるオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラム。
【請求項14】
さらに、第一時間帯を示す情報と第二時間帯を示す情報を時間帯保持ステップに保持させる時間帯設定ステップを有する請求項13に記載のオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラム。
【請求項15】
無人貸金庫の識別情報である無人貸金庫識別情報を保持する無人貸金庫識別情報保持ステップを有するとともに、
発呼処理ステップが保持されている無人貸金庫識別情報を通信パケットに含む発呼処理を実行する無人貸金庫識別情報処理サブステップを有する請求項13又は請求項14に記載のオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラム。
【請求項16】
第一ガードセンターと第二ガードセンターによって時間帯を分割して緊急時の連絡に対応させる無人貸金庫のクーポンブース、クーポンブースへ至る中間室であるエントランス、外部とエントランスとのエントランス入退室扉近辺に備えられた前記緊急時の連絡用のオートフォン子機の通信機能を担う計算機であるオートフォン通信部の動作プログラムであって
オートフォンのそれぞれにクーポンブースのオートフォン子機、エントランスのオートフォン子機、エントランス入来室扉のオートフォン子機のいずれであるかを示すオートフォン子機識別情報であるオートフォン子機識別情報が保持されており、
第一のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第一時間帯を示す情報と、
第二のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第二時間帯を示す情報と、を保持する時間帯保持ステップと、
第一のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、
第二のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、を保持するオートフォン親機識別情報保持ステップと、
いずれかのオートフォン子機からの発呼命令があるか判断する発呼命令判断ステップと、
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令時の時刻を取得する時刻取得ステップと、
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令を出力したオートフォン子機のオートフォン子機識別情報を取得するオートフォン子機識別情報取得ステップと、
時刻取得ステップで取得された時刻が保持されている第一時間帯であるか、第二時間帯であるか判断する時間帯判断ステップと、
時間帯判断ステップで判断された時間帯に対応すべきガードセンターのオートフォン親機の識別情報に基づいてそのオートフォン親機にオートフォン子機識別情報を含む通信パケットにて発呼処理する発呼処理ステップと、
を有する計算機であるオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラム。
【請求項17】
無人貸金庫の識別情報である無人貸金庫識別情報を保持する無人貸金庫識別情報保持ステップを有するとともに、
発呼処理ステップが保持されている無人貸金庫識別情報を通信パケットに含む発呼処理を実行する無人貸金庫識別情報処理サブステップを有する請求項16に記載のオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人で稼働可能な貸金庫システムに関する。無人で稼働させるために遠隔で監視する監視センターに監視させる。この監視センターを本発明ではガードセンターという。
【背景技術】
【0002】
貸金庫は一般に銀行に設けられており、銀行の営業時間外では利用することができない。一方、銀行の営業と切り離して貸金庫を運用することも考えられるが、貸金庫は一般に保護箱(貴重品を収納する箱)の開閉を行う際に閉鎖空間でこれを行うために人が単独で滞在することとなり、不測の事態に対応するために管理者が常駐する必要がある。しかし、銀行の営業時間よりも、より長時間にわたって貸金庫を営業しようとするとその管理者の人件費がかさむことで貸金庫の営業コストが高くなってしまう、という問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特公平6-39854
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、従来より銀行等に設置されている貸金庫は、入退室経路を限定した貸金庫室を設け、その室内に顧客との個別な使用契約に基づく貸金庫マスを多数積層状に配列し、貸金庫マスそれぞれの前面扉に顧客各自が個々に所時する鍵で施解錠できる顧客錠と、銀行側の貸金庫担当者が管理する鍵で施解錠できる銀行錠とが重設されていて、顧客が契約中の金庫を使用する場合は、受付部署でその旨を銀行側の担当者に申し出、銀行側担当者と顧客との双方が貸金庫室へ同行して、まず入退室経路もしくは貸金庫室出入口の扉を銀行側担当者が認証カードもしくは所持鍵で開いて室内に入り、更に当該顧客の貸金庫マスの前まで同行して前記銀行錠を解錠したのち、やつと顧客が顧客錠を解錠するという、きわめてわずらわしい手順と協力作業が必要であつたところ、既設の貸金庫にも低廉かつ簡単な工事で実施でき、銀行錠の管理と貸金庫室への入退室の認証とに省力化および効率化をはかり、しかも防犯効果も万全な貸金庫管理システムを提供することを目的としたもので、貸金庫への入退室は自動化されたものであった。
【0005】
しかしながら個室内での万一の事態の発生や利用者からの不明点の問合せにどのように対応するかは従来の技術を解決した記述は見られず、相変わらず銀行に勤務する銀行員が体操せざるを得ないものであった。したがって、銀行の営業時間外には貸金庫を利用することができない点には変わりはなかった。また最近では銀行の営業時間に縛られずに、無人で営業可能な貸金庫システムの提案もみられるが、24時間体制の営業をするためにはセキュリティ体制、安全対策のための外注可能企業が少なく、あるいは見当たらず、24時間体制の無人での貸金庫の営業は困難であった。そこで本件発明では、無人の貸金庫であって24時間体制で営業でき、かつセキュリティ体制や安全対策のための外部機関への委託が容易な貸金庫システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本件発明は、第一の発明として、バックヤードと、クーポンブースと、エントランスとからなる貸金庫と、第一ガードセンターと、第二ガードセンターと、とからなる無人貸金庫システムであって、貸金庫は、バックヤードが、保護箱ストック部と保護箱搬送部と、後記する監視カメラ映像を送信するためのカメラ映像送信部と、後記するオートフォンを用いてガードセンターに駐在する外部人員と利用者との直通会話のための通信をするとともに、第一時間帯は後記する第一ガードセンターのオートフォン親機に向けて発呼し、第二時間帯は後記する第二ガードセンターのオートフォン親機に向けて発呼するように構成されたオートフォン通信部と、を含み、クーポンブースは、ブース入退室扉と、保護箱搬送部によって保護箱ストック部から搬送されてくる保護箱の開閉をするための保護箱開閉部と、利用権限の認証をカードでするためのカード認証部と、利用権限の認証を暗証番号でするための暗証番号入力部と、室内を撮影する監視カメラと、外部人員と直通会話をするためのオートフォン子機と、を含み、エントランスは、クーポンブースに隣接し、エントランス入退室扉を有するエントランスと、を含むように構成され、第一ガードセンターは、オートフォン子機からの発呼に応じてオートフォン子機を利用する利用者と会話をするための第一オートフォン親機と、カメラ映像送信部からの監視カメラ映像を受信する監視カメラ映像受信部と、受信した監視カメラ映像を表示する監視カメラ映像表示部と、を有し、第二ガードセンターは、オートフォン子機からの発呼に応じてオートフォン子機を利用する利用者と会話をするための第二オートフォン親機を有する、無人貸金庫システム及び、この無人貸金庫システムを構成する貸金庫を提供する。
【0007】
第二の発明として、第一の発明を基礎として、第一ガードセンターの第一オートフォン親機は、第一顧客群のオートフォン子機とも会話可能にネットワーク構成され、第二ガードセンターの第二オートフォン親機は、第二顧客群のオートフォン子機とも会話可能にネットワーク構成された無人貸金庫システムを提供する。
【0008】
第三の発明として、第一又は第二の発明のいずれか一を基礎として、前記貸金庫のオートフォン子機以外は第一顧客群のオートフォン子機と、第二顧客群のオートフォン子機は重複していない無人貸金庫システムを提供する。
【0009】
第四の発明として、第一から第三の発明のいずれか一を基礎として、 前記貸金庫の前記バックヤードの前記オートフォン通信部は、第一時間帯又は/及び第二時間帯の設定をするための時間帯設定手段を有する無人貸金庫システムを提供する。
【0010】
第五の発明として、オートフォン子機は、クーポンブースのみならず、エントランスやエントランス入退室扉近辺にも備えられている第一から第四の発明を提供する。
【0011】
第六の発明として、第一から第五の発明のいずれか一を基礎として、ガードセンターには後記するアラーム発報部からの発報を受信する発報受信部を有し、貸金庫のバックヤードには、クーポンブース入室後、所定時間利用者が退出しない場合に第一時間帯と第二時間帯ともに第一ガードセンターにアラームを発報するアラーム発報部を有す無人貸金庫システムを提供する。
【0012】
さらに、第八の発明として、
【0013】
第一ガードセンターと第二ガードセンターによって時間帯を分割して緊急時の連絡に対応させる無人貸金庫のクーポンブースに備えられた前記緊急時の連絡用のオートフォン子機の通信機能を担う計算機であるオートフォン通信部の動作方法であって
【0014】
第一のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第一時間帯を示す情報と、
【0015】
第二のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第二時間帯を示す情報と、を保持する時間帯保持ステップと、
【0016】
第一のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、
【0017】
第二のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、を保持するオートフォン親機識別情報保持ステップと、
【0018】
クーポンブースのオートフォン子機からの発呼命令があるか判断する発呼命令判断ステップと、
【0019】
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令時の時刻を取得する時刻取得ステップと、
【0020】
時刻取得ステップで取得された時刻が保持されている第一時間帯であるか、第二時間帯であるか判断する時間帯判断ステップと、
【0021】
時間帯判断ステップで判断された時間帯に対応すべきガードセンターのオートフォン親機の識別情報に基づいてそのオートフォン親機に発呼処理する発呼処理ステップと、
【0022】
を有する計算機であるオートフォン通信部の動作方法を提供する。
【0023】
また第九の発明として、さらに、第一時間帯を示す情報と第二時間帯を示す情報を時間帯保持ステップに保持させる時間帯設定ステップを有する第八の発明を基本としたオートフォン通信部の動作方法。
さらに第十の発明として、第八と第九の発明を基礎として無人貸金庫の識別情報である無人貸金庫識別情報を保持する無人貸金庫識別情報保持ステップを有するとともに、
【0024】
発呼処理ステップが保持されている無人貸金庫識別情報を通信パケットに含む発呼処理を実行する無人貸金庫識別情報処理サブステップを有するオートフォン通信部の動作方法を提供する。
【0025】
さらに第十一の発明として、第一ガードセンターと第二ガードセンターによって時間帯を分割して緊急時の連絡に対応させる無人貸金庫のクーポンブース、クーポンブースへ至る中間室であるエントランス、外部とエントランスとのエントランス入退室扉近辺に備えられた前記緊急時の連絡用のオートフォン子機の通信機能を担う計算機であるオートフォン通信部の動作方法であって
【0026】
オートフォンのそれぞれにクーポンブースのオートフォン子機、エントランスのオートフォン子機、エントランス入来室扉のオートフォン子機のいずれであるかを示すオートフォン子機識別情報であるオートフォン子機識別情報が保持されており、
【0027】
第一のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第一時間帯を示す情報と、
【0028】
第二のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第二時間帯を示す情報と、を保持する時間帯保持ステップと、
【0029】
第一のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、
【0030】
第二のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、を保持するオートフォン親機識別情報保持ステップと、
【0031】
いずれかのオートフォン子機からの発呼命令があるか判断する発呼命令判断ステップと、
【0032】
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令時の時刻を取得する時刻取得ステップと、
【0033】
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令を出力したオートフォン子機のオートフォン子機識別情報を取得するオートフォン子機識別情報取得ステップと、
【0034】
時刻取得ステップで取得された時刻が保持されている第一時間帯であるか、第二時間帯であるか判断する時間帯判断ステップと、
【0035】
時間帯判断ステップで判断された時間帯に対応すべきガードセンターのオートフォン親機の識別情報に基づいてそのオートフォン親機にオートフォン子機識別情報を含む通信パケットにて発呼処理する発呼処理ステップと、
【0036】
を有する計算機であるオートフォン通信部の動作方法を提供する。
さらに、第十一の発明を基礎として、無人貸金庫の識別情報である無人貸金庫識別情報を保持する無人貸金庫識別情報保持ステップを有するとともに、
【0037】
発呼処理ステップが保持されている無人貸金庫識別情報を通信パケットに含む発呼処理を実行する無人貸金庫識別情報処理サブステップを有するオートフォン通信部の動作方法を提供する。
次に第十三の発明として、第一ガードセンターと第二ガードセンターによって時間帯を分割して緊急時の連絡に対応させる無人貸金庫のクーポンブースに備えられた前記緊急時の連絡用のオートフォン子機の通信機能を担う計算機であるオートフォン通信部の動作プログラムであって
【0038】
第一のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第一時間帯を示す情報と、第二のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第二時間帯を示す情報と、を保持する時間帯保持ステップと、
【0039】
第一のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、第二のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、を保持するオートフォン親機識別情報保持ステップと、
【0040】
クーポンブースのオートフォン子機からの発呼命令があるか判断する発呼命令判断ステップと、
【0041】
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令時の時刻を取得する時刻取得ステップと、
【0042】
時刻取得ステップで取得された時刻が保持されている第一時間帯であるか、第二時間帯であるか判断する時間帯判断ステップと、
【0043】
時間帯判断ステップで判断された時間帯に対応すべきガードセンターのオートフォン親機の識別情報に基づいてそのオートフォン親機に発呼処理する発呼処理ステップと、
【0044】
を有する計算機であるオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラムを提供する。
さらに第十四の発明として、第十三の発明を基礎として、さらに、第一時間帯を示す情報と第二時間帯を示す情報を時間帯保持ステップに保持させる時間帯設定ステップを有するオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラムを提供する。
また第十五のプログラムとして、第十三と第十四の発明を基礎として、
【0045】
無人貸金庫の識別情報である無人貸金庫識別情報を保持する無人貸金庫識別情報保持ステップを有するとともに、
【0046】
発呼処理ステップが保持されている無人貸金庫識別情報を通信パケットに含む発呼処理を実行する無人貸金庫識別情報処理サブステップを有する請求項13又は請求項14に記載のオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラムを提供する。
さらに第十六の発明として、
【0047】
第一ガードセンターと第二ガードセンターによって時間帯を分割して緊急時の連絡に対応させる無人貸金庫のクーポンブース、クーポンブースへ至る中間室であるエントランス、外部とエントランスとのエントランス入退室扉近辺に備えられた前記緊急時の連絡用のオートフォン子機の通信機能を担う計算機であるオートフォン通信部の動作方法であって
【0048】
オートフォンのそれぞれにクーポンブースのオートフォン子機、エントランスのオートフォン子機、エントランス入来室扉のオートフォン子機のいずれであるかを示すオートフォン子機識別情報であるオートフォン子機識別情報が保持されており、
【0049】
第一のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第一時間帯を示す情報と、
【0050】
第二のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第二時間帯を示す情報と、を保持する時間帯保持ステップと、
【0051】
第一のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、
【0052】
第二のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、を保持するオートフォン親機識別情報保持ステップと、
【0053】
いずれかのオートフォン子機からの発呼命令があるか判断する発呼命令判断ステップと、
【0054】
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令時の時刻を取得する時刻取得ステップと、
【0055】
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令を出力したオートフォン子機のオートフォン子機識別情報を取得するオートフォン子機識別情報取得ステップと、
【0056】
時刻取得ステップで取得された時刻が保持されている第一時間帯であるか、第二時間帯であるか判断する時間帯判断ステップと、
【0057】
時間帯判断ステップで判断された時間帯に対応すべきガードセンターのオートフォン親機の識別情報に基づいてそのオートフォン親機にオートフォン子機識別情報を含む通信パケットにて発呼処理する発呼処理ステップと、
【0058】
を有する計算機であるオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラムを提供する。
さらに第十七の発明として、第十六の発明を基礎として、
無人貸金庫の識別情報である無人貸金庫識別情報を保持する無人貸金庫識別情報保持ステップを有するとともに、
【0059】
発呼処理ステップが保持されている無人貸金庫識別情報を通信パケットに含む発呼処理を実行する無人貸金庫識別情報処理サブステップを有するオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0060】
以上の構成を有する本発明の無人貸金庫システムは、貸金庫の営業の為に貸金庫に駐在者を配置する必要がなく、また万一の事態の為に外部の機関に依頼して駆け付け体制を構築する場合でも、駆け付けのための外部機関を二以上選択することで一機関あたり労働負担を減少させることができる。このことは外注警備費用の削減効果を生むこととなる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本件発明の全体像を示す概念図
図2】本件発明の無人貸金庫の全体構成概念図
図3】実施形態1にかかる発明の貸金庫のバックヤードの概念図とクーポンブースとの位置関係を示す図
図4】本件発明の貸金庫のクーポンブースの概念図とエントランスとの位置関係を示す図
図5】実施形態1の第一ガードセンターの概念図(当直担当者の作業オフィス)
図6】実施形態1の第二ガードセンターの概念図(当直担当者の作業オフィス)
図7】実施形態2及び実施形態3の顧客群の相関関係を示す便図
図8】本件発明で利用される計算機の概念図
図9】実施形態6の第一ガードセンターの概念図(当直担当者の作業オフィス)
図10】実施形態6の貸金庫のバックヤードの概念図
図11】本件発明のガードセンターのイメージ図(当直担当者の作業オフィス)
図12】本件発明の貸金庫のバックヤードとクーポンブースのイメージ図
図13】本件発明の貸金庫のクーポンブースのイメージ図
図14】本件発明のオートフォン通信部の処理の流れ
図15】オートフォン通信部に時間帯の情報を記録するステップを含むオートフォン通信部の処理の流れ
図16】オートフォン通信部が無人貸金庫の識別情報を発呼の通信パケットに含ませて発呼するオートフォン通信部の処理の流れ
図17】オートフォン子機がエントランス内とエントランス入退室扉近辺にも配置された場合にオートフォン子機の識別情報を含んだ通信パケットで発呼するオートフォン通信部の処理の流れ
図18】オートフォン通信部が無人貸金庫の識別情報を発呼の通信パケットに含ませて発呼するオートフォン通信部の処理の流れ(オートフォン子機の識別情報も同じく通信パケットに含まれていてもよい)
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下に発明を実施するための形態を記載する。
【0063】
<全実施形態の説明の前提>
【0064】
<全実施形態における本願発明の自然法則の利用性の充足>
【0065】
本発明は、貸金庫と、貸金庫のガードセンターとから構成される。貸金庫はエントランス、クーポンブース、バックヤードから構成され、バックヤードには保護箱の自動搬送システムや通信関連機器が配置される。またガードセンターも主に通信機器から構成されており、貸金庫に備えられている電子機器や自動搬送装置、通信機器はコンピュータと電子部品と、ソフトウエアと、から構成されている。貸金庫とガードセンターとはネットワークを利用した通信で結ばれている。その他カード読み取り機、暗証番号入力部、保護箱開閉部などもコンピュータを利用し、さらに各種センサやカメラ、カード読み取り機(カードは電子式が好ましい。)なども本件発明に利用される。またアラーム発報部もコンピュータを利用する。
【0066】
コンピュータとソフトウエアを利用する可能性のある本発明の部分は、貸金庫では、バックヤードの、保護箱ストック部と、保護箱搬送部と、監視カメラ映像を送信するためのカメラ映像送信部と、オートフォン通信部であり、クーポンブースのブース入退室扉と、保護箱開閉部と、カード認証部と、暗証番号入力部と、監視カメラと、オートフォン子機であり、エントランスの、エントランス入退室扉などであるがこれに限定されない。また、第一ガードセンターでは第一オートフォン親機と、監視カメラ映像受信部と、監視カメラ映像表示部であるがこれに限定されない。第二ガードセンターでは、第二オートフォン親機であるがこれに限定されない。
【0067】
そして、コンピュータの構成は、例えば図8のように構成されたものを利用することが可能である。マザーボード上などに備えられる、CPU、不揮発性メモリ、メインメモリ、グラフィックカード、さらにI/Oコントローラ、USBやIEEEなどである。LANなどのインターフェースや、BIOS、PCIスロット、リアルタイムクロックなど及び、これらを相互に接続するバス並びにバスを接続するチップセット(ノースブリッジ、サウスブリッジ)から構成される。
【0068】
「チップセット」は、計算機のマザーボードに実装され、CPUの外部バスと、メモリや周辺機器を接続する標準バスとの連絡機能、つまりブリッジ機能を集積した大規模集積回路(LSI)のセットである。2チップセット構成を採用する場合と、1チップセット構成を採用する場合とがある。CPUやメインメモリに近い側をノースブリッジ、遠い側で比較的低速な外部I/Oとのインターフェースの側にサウスブリッジが設けられる。
【0069】
ノースブリッジには、CPUインターフェース、メモリコントローラ、グラフィックインターフェースが含まれる。集積化が進み、従来のノースブリッジの機能のほとんどをCPUに担わせてもよい。ノースブリッジは、メインメモリのメモリスロットとはメモリバスを介して接続し、グラフィックカードのグラフィックカードスロットとは、ハイスピードグラフィックバス(AGP、PCI Express)で接続される。
【0070】
サウスブリッジには、PCIインターフェース(PCIスロット)とはPCIバスを介して接続し、ATA(SATA)インターフェース、USBインターフェース、EthernetインターフェースなどとのI/O機能やサウンド機能を担う。高速な動作が必要でない、あるいは不可能であるようなPS/2ポート、フロッピーディスクドライブ、シリアルポート、パラレルポート、ISAバスをサポートする回路を組み込むことは、チップセット自体の高速化の足かせとなるためサウスブリッジのチップから分離させ、スーパーI/Oチップと呼ばれる別のLSIに担当させることとしてもよい。
【0071】
「バス」は、CPU(MPU)と、周辺機器や各種制御部を繋ぐために備えられる。又、バスは前述のチップセットによって連結される。メインメモリとの接続に利用されるメモリバスは、高速化を図るために、これに代えてチャネル構造を採用してもよい。バスとしてはシリアルバスかパラレルバスを採用できる。パラレルバスは、シリアルバスが1ビットずつデータを転送するのに対して、元データそのものや元データから切り出した複数ビットをひとかたまりにして、同時に複数本の通信路で伝送する。クロック信号の専用線がデータ線と平行して設け、受信側でのデータ復調の同期を行う。CPUのフロントサイドバス(チップセット)と外部デバイスをつなぐバスとしても用いられる。バスの種類としてはGPIB、IDE/(パラレル)ATA、SCSI、PCIなどがある。高速化に限界があるため、PCIの改良版PCI ExpressやパラレルATAの改良版シリアルATAでは、データラインはシリアルバスでもよい。
【0072】
「CPU」(MPU)はメインメモリ上にあるプログラムと呼ばれる命令列を順に読み込んで解釈・実行することで信号からなる情報を同じくメインメモリ上に出力する。CPUは計算機内での演算を行なう中心として機能する。なお、CPUは演算の中心となるCPUコア部分と、その周辺部分とから構成され、CPU内部にレジスタ、キャッシュメモリや、キャッシュメモリとCPUコアとを接続する内部バス、DMAコントローラ、タイマー、ノースブリッジとの接続バスとのインターフェースなどが含まれる。なお、CPUコアは一つのCPU(チップ)に複数備えられていてもよい。
【0073】
「不揮発性メモリ」(HDD)の一例はハードディスクドライブである。基本構造は、磁気ディスク、磁気ヘッド、および磁気ヘッドを搭載するアームから構成される。外部インターフェースは、SATA(過去ではATA)を採用することができる。高機能なコントローラ、例えばSCSIを用いて、ハードディスクドライブ間の通信をサポートする。例えば、ファイルを別のハードディスクドライブにコピーする時、コントローラがセクタを読み取って別のハードディスクドライブに転送して書き込むといったことができる。この時ホストCPUのメモリにはアクセスしない。したがってCPUの負荷を増やさないで済む。
【0074】
なお、不揮発性メモリとしては「(NANDフラッシュ)から構成されるSSDをHDDとともに採用してもよいし、HDDに置き換えて採用してもよい。
【0075】
メインメモリは、揮発性のメモリで構成される。最も代表的なものはDRAMダイナミックラムである。
【0076】
BIOSは、計算機の立ち上げ時にメインメモリにオペレーティングシステムを読み込み、アプリケーションなどを実行可能な状態とするために用いられる。前述のようにサウスブリッジに接続されるがノースブリッジに接続されてもよい。
【0077】
I/Oコントローラは外部機器との接続に利用される。USBコネクタもその一例である。IEEE1394コネクタは最も代表的な通信規格のインターフェースである。PCIスロットは、機能回路を計算機に接続するためのインターフェースである。
【0078】
OS(オペレーティングシステム)は、コンピュータを稼働するための基本ソフトウエアである。ユーザやアプリケーションプログラムに対してインターフェースを提供し、ハードウェアなどの機能部や、各リソースに対して効率的な管理を行う役割を果たす。
【0079】
デバイスドライバはオペレーティングシステムを介して計算機に付属する各種のデバイスをユーザやアプリケーションに利用可能等するためのデバイスのハードウェアを制御するためのプログラムである。なお、上記した本件発明でコンピュータを利用可能な構成は、一部が又は全部が共通にこのコンピュータで構成される制御部として設けられていてもよい。
【0080】
<本願発明において使う用語について>
【0081】
「識別情報」とは、何らかを識別するために用いられる記号、文字、符号などである。ただし、識別情報そのものが識別される情報そのものである場合があってもよい。例えば、文字列記録Aを識別する情報である識別情報が、文字列記録A自身である場合があってよい。従って需要家識別情報は単なる記号、文字、符号である場合とその記号、文字、符号などで識別される需要家の氏名や屋号や企業名や住所又は連絡先などである場合が同時に成立してもよい。
【0082】
「関連付け」とは、二以上の情報が直接的に関連付けられている場合の他、二以上の情報が他の一以上の情報を介して間接的に関連付けられている場合も含む意味で本願明細書においては用いられる。間接的な関連付けは、必ずしも一の装置(筐体が一の筐体である装置)内での関連付けに限定されず、複数の装置にわたって関連付けられている場合も含まれる。
【0083】
<実施形態1 主に請求項1、請求項7から請求項10、請求項13から請求項15に関する>
【0084】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
<実施形態1 概要>
【0085】
本実施形態は、常駐者がいない無人貸金庫を原則的には異なる企業に属する複数のガードセンターで交代しながら、監視可能とするシステムに関するものである。異なる複数の企業に監視業務を委託することが可能に緊急時の通報システムを構成したので、監視業務を一の企業に完全に依存することがなく、比較的柔軟に監視業務の委託先を交代できる。よって、万一いずれか一の委託先企業の契約終了の事態となっても無人貸金庫事業の空白期間が生じるリスクを小さくでき、事業の安定性を確保することができる。
【0086】
<実施形態1 機能的構成>
【0087】
図1は、本実施形態の大枠を示す概念図である。この図に示すように本実施形態の無人貸金庫システムは常駐者がいない無人貸金庫と、この無人貸金庫に不測の事態が生じたときに駆け付けをしたり、利用者が操作等について不明な時の問い合わせに対する案内をするための複数(二以上)のガードセンターからなる。つまり、第一ガードセンターと第二ガードセンターであり、第三ガードセンターや第四ガードセンター、それ以外のガードセンターが存在することを妨げない。そして図にあるように複数のガードセンターはそれぞれの受託作業時間帯が異なるように貸金庫のオートフォン(緊急連絡手段)通信部が構成されている。
【0088】
<実施形態1 貸金庫>
【0089】
図12は、貸金庫のバックヤード(保護箱格納領域)と、クーポンブースのイメージ図である。貸金庫は貴重品を預け、それを安全に保管し、必要なときに貴重品を持ち出したり、必要なときに貴重品を戻したりする機能を有する。本実施形態の貸金庫は常駐者がいない無人の貸金庫であり、原則的に24時間、365日預け入れ、持ち出しが可能な貸金庫である。ただし、これに必ずしも限定するものではない。図2に示すように無人貸金庫は大きく3の部分からなる。バックヤードと、クーポンブースと、エントランスである。以下にこれらの部分の説明を行う。なお、図12ではクーポンブースとバックヤードが壁1枚で隔てられているように示されているが、必ずしもこれに限定されることなく、例えばクーポンブース側にバックヤードの一部が入り込んでいる場合等さまざまな構成が許される。バックヤード、クーポンブース、エントランスの名称は構造上の名称でなく、機能上の名称である。
【0090】
<実施形態1 貸金庫 バックヤード>
【0091】
図3に示すように「バックヤード」は、貴重品を保管するための保護箱をストックするための保護箱ストック部と、利用者が貴重品を出入するためのクーポンブースにストックされた保護箱を自動搬送するための保護箱搬送部と、クーポンブースの様子を撮影する監視カメラの映像をガードセンターに送信するためのカメラ映像送信部と、クーポンブースの利用者がガードセンターの担当者と連絡をとるためのオートフォンの通信を担うオートフォン通信部と、からなる。なお、バックヤードは内部の機器が故障した場合に備えて施錠可能なドアが設けられていることが好ましい。以下にそれぞれについて説明する。
【0092】
<実施形態1 貸金庫 バックヤード 保護箱ストック部>
【0093】
「保護箱ストック部」は、保護箱を出入自在に格納できるラックである。本実施形態の無人貸金庫は保護箱収納スペースが人が保護箱を出し入れするために入退室する保護箱収納室を備えていない。保護箱はラックに格納されており、保護箱搬送部によって利用者が利用するクーポンブースにまで搬送され、利用後はクーポンブースからラックに戻されるように構成されている。このために無人貸金庫は従来の保護箱収納室を備えているものに対して省スペースで構築することができるとともに、駐在員の利用者に対する入室案内も省略できるように構成されている。保護箱ストック部は、例えば、保護箱搬送部の保護箱運搬ロボットがアクセス可能に構成されており、クーポンブースから指定されたラック識別情報に基づいて保護箱運搬ロボットが指定されたラック位置にアクセスし、そこに保管されている保護箱を把持してクーポンブースの保護箱エレベータに保護箱を受け渡すように構成される。保護箱ストック部は、保護箱運搬ロボットがアクセス可能なラック位置に奥に向かって、あるいは下に向かって保護箱を重ねて格納するように構成されていてもよい。つまり保護箱搬送ロボットのアクセス経路の面積を小さくするように構成されていてもよい。この場合にはラックは奥からところてん式に保護箱を押し出すように構成されており、目的の保護箱が保護箱搬送ロボットによって掴まれるまでは、押し出されてきた保護箱を一時退避させる退避ラックを設けるように構成してもよい。
【0094】
<実施形態1 貸金庫 バックヤード 保護箱搬送部>
【0095】
「保護箱搬送部」は、保護箱ストック部に格納されている保護箱をクーポンブースの保護箱開閉部に受け渡すように構成される。前述のように保護箱搬送部は、保護箱運搬ロボットが保護箱ストック部のラックの所定位置にアクセスし、所定の保護箱を把持してバックヤード内を移動し、クーポンブースの保護箱開閉部のエレベータに保護箱を受け渡す。
クーポンブースにて利用者の保護箱の返却がある場合には、エレベータに乗って降りてきた保護箱を把持し、所定のラック位置までバックヤード内を移動し、ラックに保護箱を受け渡す。保護箱搬送部の保護箱搬送ロボットは、レール上を移動するものであってよく、レールは平面方向と上下方向に配置されて任意のラック位置に移動できるように構成されていることが好ましい。保護箱搬送ロボットは、電動式になっており、所定の待機場所では積載された蓄電池に充電できるように構成される。また、所定の待機位置ではクーポンブースのカード読み取り機に読み取られた保護箱ないしはラックの識別情報を受信できる通信機能が備えられている。また、クーポンブースのエレベータへの保護箱の受け渡し位置では保護箱の返却信号を受信できるように通信機能が備えられている。
【0096】
<実施形態1 貸金庫 バックヤード カメラ映像送信部>
【0097】
「カメラ映像送信部」は、少なくともクーポンブースに備えられた監視カメラの映像をガードセンターに送信する機能を有する。監視カメラは24時間稼働していることが好ましく、したがって送信も24時間絶え間なく行われていることが好ましい。映像はストリーム送信がよい。カメラ映像送信部は、カメラ映像を送信する送信先のネットワークアドレスを保持しており、そのネットワークアドレスに向けて映像を送信する。複数のガードセンターのうちで主要なガードセンターに送信するのが好ましい。一般にガードセンターは多数の監視場所から映像が送信されてくるために一つの場所の映像を担当者が視聴し続けることはない。つまり、映像は補助的な役割を果たすものであり、一般的には録画されて保存される。そして、何らかの事故があった際に録画再生をおこない、事故の詳細を分析するために利用される。したがって監視カメラの映像はいずれかのガードセンターに送信されればよい。監視カメラ映像が複数のガードセンターに分割されて記録されている状態だと事故等の検証をする際に記録された映像をつなげる必要がでる可能性があり、煩雑となる。また常時、同時に複数のガードセンターに送信して記録するようにすると、責任の所在が不明確となり好ましくない。そこでカメラ映像の送信は主要なガードセンター、たとえば一のガードセンターに送信するように構成する。
【0098】
<実施形態1 貸金庫 バックヤード オートフォン通信部>
【0099】
「オートフォン通信部」は、クーポンブースを利用している利用者とガードセンターの当直担当者との間で直通で会話するために用いられる。クーポンブースにはオートフォンが設置され、予め定められた第一時間帯は第一ガードセンターのオートフォン親機に向けて発呼し、第二時間帯は第二ガードセンターのオートフォン親機に向けて発呼するように構成されている。簡単な操作で発呼するように構成されており、代表的な例は受話器を手に取るだけで相手方に発呼し、相手方がスイッチ等の操作をしたり、受話器を手に取ることで会話が可能になるというものである。ただし、オートフォンからの発呼手順はこれに限定されるものでなく、ボタンを押下する、タッチパネルを押す、など各種の手順であってよい。なお、会話は音声のみで良いが、これに限定されるものでなくテレビ電話のように映像をともなうものであってもよいし、テキストを伴うものであってもよい。また、ろうあ者のために音声を伴わずテキストのみで会話をすることができるように構成されていてもよい。
【0100】
<実施形態1 貸金庫 クーポンブース>
【0101】
図4に示すように「クーポンブース」はエントランスから利用者に渡されたカード(利用者の識別情報が記録されている。)などを室外のカード読み取り機に読み取らせて入室することができるスペースで貸金庫に預ける際、貸金庫に預けた物品を取り出す際の作業をする部屋である。クーポンブースの特徴的な点は、完全な密室となっているところである。特に密室性はこの貸金庫が無人貸金庫、つまり貸金庫に担当者が常駐していないことから非常事態が発生した場合の救出に危険性を秘めている。図13はクーポンブースのイメージ図である。利用者に個別に付与されるカードを用いて開錠したブース入退室扉から入室することができ、入室してブース入退室扉を閉じると外部から扉を開けることは原則としてできない(例外はクーポンブース内で非常事態が生じた場合に駆け付けた担当者が所持する緊急開錠カードを用いる場合。)。また隣接するエントランスからクーポンブース内の利用者に対してコミュニケーションをとる手段もない。クーポンブースには室内を監視するための監視カメラ、バックヤードから運搬されてきた保護箱を開閉するための保護箱開閉部、保護箱を呼び出すためのカード承認部と暗証番号入力部と、前述したオートフォン子機がある。以下、それぞれについて説明する。
【0102】
<実施形態1 貸金庫 クーポンブース ブース入退室扉>
【0103】
「ブース入退室扉」は図4のとおりエントランスからクーポンブースに入室するために利用される扉である。例えば利用者ごとにユニークな識別情報が記録されたカードをエントランス側に備えられているカード読み取り機に読み取らすことで開錠されて扉を開くことができるように構成される。また、利用者が入室し、クーポンブース側からブース入退室扉を閉めると、エントランス側からブース入退室扉を開けることができなくなるように構成される。これは別の利用者がカード読み取り機に真正なカードを読み取らせた場合も同様である。つまり、ブース入退室扉は、クーポンブース内に複数の利用者が滞在することができない仕組みとなっている。
【0104】
<実施形態1 貸金庫 クーポンブース 監視カメラ>
【0105】
「監視カメラ」(図4)はクーポンブース内のガードセンターの当直担当者による監視のために用いられる。監視カメラはクーポンブース内で利用者が作業をする作業台(保護箱開閉部、暗証番号入力部、オートフォン子機などが配置されている)を中心にブース全体のできるだけ広い範囲を撮影できる場所に設置される。広視野とするために魚眼レンズを用いた監視カメラを採用するのが好ましい。ただし、監視カメラは保護箱開閉部、暗証番号入力部は撮影不可となる。カードセンターで保護箱の中身・暗証番号を見ることができることは好ましくないためである。さらに、保護箱の中身は事業運営者も確認できないようになっている。撮影された映像は、直ちにストリーミング映像として一のガードセンターに送信される。撮影と送信は24時間連続で行われることが好ましい。送信は前述のとおり貸金庫のバックヤードのカメラ映像送信部から送信される(図3)。
【0106】
なお、セキュリティ上重要なので監視カメラに機能不全が発生した場合には、エラーコードを発行してカメラ映像送信部からガードセンターに故障が通知されるように構成されることが好ましい。またクーポンブース内は火気厳禁とされるのが好ましく、この監視カメラで炎を検知できるように構成されることが好ましく、炎を検知した場合には、その旨が同じくカメラ映像送信部からガードセンターに通知されるように構成することが好ましい。またカメラ映像を使用しないで温感センサーや炎センサーを用いる場合でもよい。これらの自動火災警報装置はやはり直接的にガードセンターに報知される。
【0107】
<実施形態1 貸金庫 クーポンブース カード認証部>
【0108】
「カード認証部」(図4)は、利用者に個別に配布されたカードで貸金庫の利用権限とともに利用する保護箱を示す識別情報が記録されたものを読み取らせ、利用すべき保護箱を特定するために利用される。ただし、カードは落としたり、盗まれたりする可能性があるので、カードの認証のみならず、後述する暗証番号の合致が保護箱利用の条件となる。カードに記録された識別情報が読み取られると、識別情報が利用権限者に付与された識別情報であるかを識別情報保持部にて検索し、合致した識別情報があった場合には正しく認証され、合致しない場合にはそれ以降の手順を踏むことができなくなり、不正の可能性があることから権限を認められる識別情報と合致する識別情報でないカードの挿入がされた旨の表示が備え付けのディスプレイに表示されたり、音声アナウンスでその旨が利用者に伝えられる。
【0109】
複数貸金庫を契約されている場合、エントランス入退室扉で利用したカードとカード認証部で使用した識別情報が違う場合は、カード認証部からカード返却が返却される。
カード認証部で正しい識別情報が記録されたカードであると判断された場合には、後述する暗証番号入力部への暗証番号の入力を促す旨の表示がディスプレイにされたり、音声アナウンスが流れるように構成される。なお、暗証番号が正しく入力された場合には、カードから読み取られた識別情報に基づいて特定される保護箱の識別情報が前述したバックヤードの保護箱搬送部に通知され、保護箱ストックからの特定された保護箱の搬送が開始される。
【0110】
<実施形態1 貸金庫 クーポンブース 暗証番号入力部>
【0111】
「暗証番号入力部」(図4)は、カード認証部での認証が行われた場合に保護箱利用のために要求される暗証番号を入力するために利用される。暗証番号の入力を促す画面が作業台に配置されたディスプレイ(図示せず)に表示され、作業台に配置されたキーボード(図示せず)から暗証番号を入力させる。なお、キーボードに代えてタッチパネルディスプレイにキーボードを表示させて入力するように構成してもよい。暗証番号はカードに記録された識別情報と関連付けて保持されており、入力された暗証番号と保持されている暗証番号が合致するか判断される。
【0112】
判断が合致するとの判断結果である場合には関連付けられている識別情報に基づいて保護箱を識別する保護箱識別情報が取得されてバックヤードの保護箱搬送部(図3)に通知される。この処理はカード認証部が行ってもよいし、暗証番号入力部が行ってもよいし、別途設けられた保護箱特定部(図示せず)が行ってもよい。なお、バックヤードの保護箱搬送部では、特定された保護箱が格納されているラック識別情報を取得して保護箱搬送ロボットが保護箱ストック部(図3)のそのラックにアクセスして保護箱の搬送を行う。
【0113】
<実施形態1 貸金庫 クーポンブース 保護箱開閉部>
【0114】
「保護箱開閉部」(図4)は作業台に設けられ、バックヤードの保護箱搬送部が搬送してくる保護箱が開閉自在な状態で現れる。ただし、保護箱の開閉に鍵を利用するように構成されていることを妨げない。例えばクーポンブースの保護箱開閉部は電動スライドシャッターが備えられており、その電動スライドシャッターへ保護箱搬送部が搬送してきた保護箱を上下させるエレベータが備えられており、保護箱が待機しているエレベータに載置されたことを検知するとエレベータが上昇するとともに電動スライドシャッターが開いて保護箱の開閉が可能な状態となる。
なお、保護箱はエレベータの載置台に固定されており、利用者がエレベータから取り上げて別の位置に移動させることができないように構成されていることが好ましい。保護箱の利用の終了手続が煩雑になるからである。保護箱の利用が終了した場合には保護箱開閉部に設置されている終了ボタンや返却ボタンを押下するなどすると、電動シャッターが閉じてエレベータが下降するように構成する。
【0115】
ただし、保護箱が開いた状態の場合には終了ボタンを押下してもエレベータは動作しないように構成することが好ましい。また、保護箱が開いた状態で終了ボタンが押下された場合には保護箱の蓋を閉じるように利用者に自動音声のアナウンスがされるように構成することが好ましい。このように保護箱には蓋の開閉を検知する開閉検知センサーが設けられていることが好ましく、この検知結果は保護箱開閉部のエレベータ機構に対して通知されるように構成されていることが好ましい。
【0116】
<実施形態1 貸金庫 クーポンブース オートフォン子機>
【0117】
「オートフォン子機」(図4)は、前述のようにガードセンターに直通でつながり、当直の担当者と会話できるように構成されている。オートフォン子機は受話器を持ち上げるだけで複数のガードセンターのうち時間帯に応じて定められる所定のガードセンターに発呼するように構成される。オートフォン子機には子機識別情報が保持されており、ガードセンターへの発呼信号には、この子機識別情報が含まれている。子機識別情報によって、どの貸金庫のどのクーポンブースであるか識別可能に構成される。したがって発呼を受けたガードセンターでは当直担当者のディスプレイにどの地域のどの貸金庫のどのクーポンブースからの発呼であるかを示す情報が表示されるように構成する。また、カード認証部から読み取られた識別情報は利用者の属性情報と関連付けられて保持されていることが好ましく、発呼情報に利用者の属性情報を含めることもできる。含めなくてもよい。
【0118】
この場合には前記ディスプレイには利用者の属性情報が表示されるように構成することができる。利用者の属性情報とは、氏名、性別、年齢、身体障害がある場合にはその情報などである。ただしこのような表示はさせなくてもよい。なお前述のとおり、オートフォン子機と、ガードセンターのオートフォン親機との通信はバックヤードのオートフォン通信部(図3)が行う。オートフォン子機には自己診断機能があって、機能不全となった場合には利用者の有無にかかわらずガードセンターのオートフォン親機ないしはガードセンターの故障通知装置に対して機能不全が発生している旨の通知を行うように構成されていることが好ましい。またガードセンターの故障診断装置が通信経路を通じてオートフォン子機の機能診断を定期的に自動的に行うように構成されていてもよい。
【0119】
<実施形態1 貸金庫 エントランス>
【0120】
「エントランス」(図4)は、クーポンブースに通じる中間室でブース入退室扉とエントランス入退室扉を有している。エントランスから入室できるクーポンブースは一つに限らず、複数あってよい。利用者に与えられたカードを読み取らせることでブース入退室扉が開錠し扉の開閉が可能となるが、どのクーポンブースを選ぶかは自由である。またエントランス入退室扉は外部とエントランスとの入退室に利用される扉で、外部に同じく備えられているカード読み取り機にカードを読み取らせ、正しい識別情報が記録されていればエントランス入退室扉は開錠され、外部からエントランスへの入室が可能となる。
【0121】
<実施形態1 ガードセンターに共通の概要>
【0122】
図11はガードセンターの当直担当者の作業ルームのイメージ図である。「ガードセンター」は少なくとも二か所に設けられており、それぞれが異なる企業体において運営されていることを前提としている。企業毎に営業体型が異なっており、したがってガードセンターとして稼働する時間帯も異なっているからである。ガードセンターは、地震などの災害発生時の初動を専門スタッフが支援したり、クーポンブースやエントランスに滞在していた人の安否確認や被災情報を迅速に収集し、貸金庫の事業者と共有したり、災害で貸金庫自体が損壊した場合に復旧要員確保のための効果的・実戦的な非常呼集機能などを提供可能である。また、監視カメラで撮影した映像をクラウド上で管理し、貸金庫の事業運営者がPC・スマホからいつでもどこでも映像を確認することができるサービスなどを提供する。
【0123】
<実施形態1 ガードセンター 第一ガードセンター 概要>
【0124】
「第一ガードセンター」は、図5に示すように、オートフォン子機からの発呼に応じてオートフォン子機を利用する利用者と会話をするための第一オートフォン親機と、 カメラ映像送信部からの監視カメラ映像を受信する監視カメラ映像受信部と、受診した監視カメラ映像を表示する監視カメラ映像表示部と、を有する。
【0125】
<実施形態1 ガードセンター 第一ガードセンター 第一オートフォン親機>
【0126】
「第一オートフォン親機」は、オートフォン子機からの発呼に応じてオートフォン子機を利用する利用者と会話をするためのものである。通常、受話器を持ち上げることで会話可能となるように構成されるが、ガードセンターには複数の当直担当者が当直にあたっているので他の担当者の会話によって音が聞き取りにくくなる可能性があり、担当者はヘッドフォンを常時かけており、発呼に応じて対応するボタンなどを押下することで通話できるように構成してもよい。またボタンは机上のタッチパネル型ディスプレイのタッチ用アイコンであってもよい。
【0127】
この場合には、発呼したオートフォン子機がどの場所にある貸金庫のどのクーポンブースのオートフォン子機からの発呼であるかを示す情報が前記アイコンと一体、又は関連付けられて(例えばアイコンの近傍に表示)表示されるようにすることが好ましい。また第一時間帯になると、机上のディスプレイに所定の貸金庫のオートフォン対応時間帯であることが表示されるように構成してもよい。
【0128】
<実施形態1 ガードセンター 第一ガードセンター 監視カメラ映像受信部>
【0129】
「監視カメラ映像受信部」は、貸金庫の監視カメラから送信されてくる映像を受信する。基本的には第一時間帯と第二時間帯の映像であるが、本件発明は貸金庫の24時間営業に適しているシステムなので、24時間映像を受信する。受信した映像は、貸金庫とクーポンブースの識別情報と、撮影時間と関連付けえて記録装置に記録されるように構成することが好ましい。記録された映像は3か月間程度保存されるようにするのが好ましい。また、オートフォンからの発呼があった場合には映像にオートフォンからの発呼と会話時間帯にマークを入れるのが望ましい。後ほどそのマークをインデックスとして映像を見返すのに便利だからである。また映像にはメモを入れることができるように構成されていてもよい。
【0130】
<実施形態1 ガードセンター 第一ガードセンター 監視カメラ映像表示部>
【0131】
「監視カメラ映像表示部」は、監視カメラ映像受信部で受信した監視カメラ映像を映し出すことができる。ガードセンターの当直担当者が担当する顧客営業所などは同時に数百に上る場合がるために常時貸金庫の監視カメラの映像を監視カメラ映像表示部であるディスプレイ上に表示することはできない。したがって定期的に複数の顧客営業所の監視カメラ映像を巡回させて表示させるか、オートフォンなどの発呼があった場合に表示させるようにする。本件発明の監視カメラ映像表示部も、オートフォンからの発呼があった場合に、その発呼現場の映像を優先して映し出すように構成することが好ましい。
【0132】
また第二ガードセンターに対してオートフォンからの発呼があった場合には、監視カメラ映像受信部が自動的に、又は当直担当者の処理により映像を第二ガードセンターに転送するように構成してもよい。また、監視カメラ映像表示部によって表示される映像は表示倍率と、表示位置を調整できるように構成してもよい。この場合に広角視野の一部にフォーカスを与えたり、監視カメラの撮影方向がモーター駆動で可変の場合には撮影方向を変化させるように調整してもよい。これらの調整は、監視カメラ映像表示部がタッチパネル型ディスプレイである場合には、タッチ操作によって行われるのが好ましい。
【0133】
<実施形態1 ガードセンター 第二ガードセンター 概要>
【0134】
「第二ガードセンター」は、図6に示すように、オートフォン子機からの発呼に応じてオートフォン子機を利用する利用者と会話をするための第二オートフォン親機を備える。また、第一ガードセンターから転送される監視カメラ映像を表示するための第二監視カメラ映像受信部と、第二監視カメラ映像表示部を有していてもよい。
【0135】
<実施形態1 ガードセンター 第二ガードセンター 第二オートフォン親機>
【0136】
第二オートフォン親機の構成は、第一時間帯が第二時間帯に変更される点以外は第一オートフォン親機と同等であるので説明を省略する。
【0137】
<実施形態1 オートフォン通信部の処理の流れ 基本>
【0138】
図14に示すように、オートフォン通信部の処理の流れは以下のようになる。つまり、第一ガードセンターと第二ガードセンターによって時間帯を分割して緊急時の連絡に対応させる無人貸金庫のクーポンブースに備えられた前記緊急時の連絡用のオートフォン子機の通信機能を担う計算機であるオートフォン通信部の動作方法であって、
第一のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第一時間帯を示す情報と、第二のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第二時間帯を示す情報と、を保持する時間帯保持ステップ1401と、
【0139】
第一のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、第二のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、を保持するオートフォン親機識別情報保持ステップと1402、
【0140】
クーポンブースのオートフォン子機からの発呼命令があるか判断する発呼命令判断ステップ1403と、
【0141】
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令時の時刻を取得する時刻取得ステップ1404と、
【0142】
時刻取得ステップで取得された時刻が保持されている第一時間帯であるか、第二時間帯であるか判断する時間帯判断ステップ1405と、
【0143】
時間帯判断ステップで判断された時間帯に対応すべきガードセンターのオートフォン親機の識別情報に基づいてそのオートフォン親機に発呼処理する発呼処理ステップ1406a、1406bと、を有する計算機であるオートフォン通信部の動作方法となる。
【0144】
なお、通話開始後1407a、1407bは、通話終了1409まで通話ができるように通信を維持1408a、1408bし、通話が終了すると再びクーポンブースからの発呼命令があるまで待機1403する。
【0145】
<実施形態位1 オートフォン通信部の処理の流れ 時間帯の記録処理>
【0146】
さらに、図15に示すように、第一時間帯を示す情報と第二時間帯を示す情報を記録する処理1510を有するように上記処理を行ってもよい。
【0147】
<実施形態1 オートフォン通信部の処理の流れ 無人貸金庫識別情報を通知>
【0148】
図16に示すように、どの貸金庫からの発呼であるかをガードセンターで認識するために無人貸金庫の識別情報をオートフォン通信部がガードセンターに通知するようにこうせいすることができる。この場合の処理の流れは、上記の処理の他に、無人貸金庫の識別情報である無人貸金庫識別情報を保持する無人貸金庫識別情報保持ステップ1611を有するとともに、発呼処理ステップが保持されている無人貸金庫識別情報を通信パケットに含む発呼処理を実行する無人貸金庫識別情報処理サブステップ1604bを有するように構成される。
【0149】
<実施形態1 オートフォン通信部の処理のためのプログラム>
【0150】
上記の処理をさせるためのプログラムとしては以下のようなものが考えられる。
【0151】
第一ガードセンターと第二ガードセンターによって時間帯を分割して緊急時の連絡に対応させる無人貸金庫のクーポンブースに備えられた前記緊急時の連絡用のオートフォン子機の通信機能を担う計算機であるオートフォン通信部の動作方法であって
【0152】
第一のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第一時間帯を示す情報と、第二のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第二時間帯を示す情報と、を保持する時間帯保持ステップと、
【0153】
第一のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、第二のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、を保持するオートフォン親機識別情報保持ステップと、
【0154】
クーポンブースのオートフォン子機からの発呼命令があるか判断する発呼命令判断ステップと、
【0155】
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令時の時刻を取得する時刻取得ステップと、
【0156】
時刻取得ステップで取得された時刻が保持されている第一時間帯であるか、第二時間帯であるか判断する時間帯判断ステップと、
【0157】
時間帯判断ステップで判断された時間帯に対応すべきガードセンターのオートフォン親機の識別情報に基づいてそのオートフォン親機に発呼処理する発呼処理ステップと、
【0158】
を有する計算機であるオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラムである。なお、各ステップはそれぞれのステップを実行するためのサブプログラムから構成されコンピュータの不揮発性メモリに蓄積されるとともに、コンピュータ稼働時には主メモリに呼び出されて順に実行されるように構成してもよい。
【0159】
また、さらに、第一時間帯を示す情報と第二時間帯を示す情報を時間帯保持ステップに保持させる時間帯設定ステップを有する上記のオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラムであってもよい。(なお、各ステップはそれぞれのステップを実行するためのサブプログラムから構成されコンピュータの不揮発性メモリに蓄積されるとともに、コンピュータ稼働時には主メモリに呼び出されて順に実行されるように構成してもよい。)
【0160】
さらに、無人貸金庫の識別情報である無人貸金庫識別情報を保持する無人貸金庫識別情報保持ステップを有するとともに、
【0161】
発呼処理ステップが保持されている無人貸金庫識別情報を通信パケットに含む発呼処理を実行する無人貸金庫識別情報処理サブステップを有する上記二つのオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラムであってもよい。(なお、各ステップはそれぞれのステップを実行するためのサブプログラムから構成されコンピュータの不揮発性メモリに蓄積されるとともに、コンピュータ稼働時には主メモリに呼び出されて順に実行されるように構成してもよい。)
【0162】
<実施形態1の効果>
【0163】
実施形態1では以上のような構成を採用することにより利用者からのオートフォンに対応するセキュリティ体制において、セキュリティを担当する外部機関を複数採用することができ、セキュリティ対策を一企業依存でなく、複数企業依存体制とすることができるので、貸金庫の経営の安定性がもたらされるとともに、各セキュリティ企業の営業時間帯に合わせて最適な委託体制をとることができ、さらに一の企業に対する担当者の労働負担を減少させることができる。このことは外注警備費用の削減効果をも生むこととなる。
【0164】
<実施形態2 主に請求項2に関する>
【0165】
<実施形態2 概要>
【0166】
実施形態2は実施形態1を基本として、その特徴は、第一ガードセンターの第一オートフォン親機は、第一顧客群のオートフォン子機とも会話可能にネットワーク構成され、
【0167】
第二ガードセンターの第二オートフォン親機は、第二顧客群のオートフォン子機とも会話可能にネットワーク構成された請求項1に記載の無人貸金庫システムである。また本実施形態は、第一ガードセンターの第一オートフォン親機と、第一ガードセンターのオートフォン子機であって、本件無人貸金庫のオートフォン子機を除くオートフォン子機群と、第二ガードセンターの第二オートフォン親機と、第二ガードセンターのオートフォン子機であって本件無人貸金庫のオートフォン子機を除くオートフォン子機群と、本件無人貸金庫のオートフォン子機からなるシステムを構成する。
【0168】
<実施形態2 効果>
【0169】
このように構成することにより、第一ガードセンターも第二ガードセンターも本件発明の貸金庫のみならず、他の顧客のセキュリティーや安全対策の営業ができることとなり、ガードセンターを運営する企業の営業効率が高くなる。
【0170】
<実施形態3 主に請求項3に関する>
【0171】
<実施形態3 概要>
【0172】
実施形態3は実施形態2を基本としており、図7に示すように、その内容は、第一ガードセンターの第一オートフォン親機は、第一顧客群のオートフォン子機とも会話可能にネットワーク構成され、
【0173】
第二ガードセンターの第二オートフォン親機は、第二顧客群のオートフォン子機とも会話可能にネットワーク構成されており、前記貸金庫のオートフォン子機以外は第一顧客群のオートフォン子機と、第二顧客群のオートフォン子機は重複していない無人貸金庫システムである。また本実施形態は、第一ガードセンターの第一オートフォン親機と、第一ガードセンターのオートフォン子機であって、本件無人貸金庫のオートフォン子機を除くオートフォン子機群と、第二ガードセンターの第二オートフォン親機と、第二ガードセンターのオートフォン子機であって本件無人貸金庫のオートフォン子機を除くオートフォン子機群と、本件無人貸金庫のオートフォン子機からなるシステムを構成し、第一ガードセンターのオートフォン子機であって本件無人貸金庫のオートフォン子機を除外したオートフォン子機と、第二ガードセンターの本件無人貸機金庫のオートフォン子機を除外したオートフォン子機とは重複しないシステムである。
【0174】
<実施形態3 効果>
【0175】
このように、第一ガードセンターと、第二ガードセンターとは、それぞれ異なる企業によって運営されているガードセンターであるので、本件発明の無人貸金庫に関しては両方のガードセンターに共通の顧客であるが、それ以外は両ガードセンターが守備する範囲は異なる。これによって実施形態1の効果でものべたようにセキュリティ対策を一企業依存でなく、複数企業依存体制とすることができるので、貸金庫の経営の安定性がもたらされるとともに、各セキュリティ企業の営業時間帯に合わせて最適な委託体制をとることができる。
【0176】
<実施形態4 主に請求項4に関する>
【0177】
<実施形態4 概要>
【0178】
実施形態4は、実施形態1から実施形態3のいずれか一を基本として、その特徴点は、前記貸金庫の前記バックヤードの前記オートフォン通信部は、第一時間帯又は/及び第二時間帯の設定をするための時間帯設定手段を有する無人貸金庫システムである点にある。
【0179】
<実施形態4 時間帯設定手段>
【0180】
「時間帯設定手段」は、貸金庫のバックヤードのオートフォン通信部に備えられた手段で、複数のガードセンターのオートフォン直通利用可能時間帯を設定できる。その一例としては、第一ガードセンターは、朝の7時から夜の24時までとし、第二ガードセンターは、夜の午前0時から朝の7時までとする、というものである。もちろん、第一時間帯と、第二時間帯の間に他の時間帯があって、この時間帯設定手段が3以上の時間帯を設定するように構成されていてもよい。また時間帯設定手段は、スケジュール機能を有しており、例えば曜日単位、1週間単位、月単位、四半期単位など任意の単位で異なる時間帯に自動的に設定されるように構成されていてもよい。
この場合、時間帯設定手段はオートフォン通信部、カメラ映像送信部などを介してガードセンターから設定されるように構成してもよい。また時間帯設定手段はそのスケジュールがどのように設定されているかを外部に出力するように構成されていてもよい。外部の例としてはガードセンターを挙げることができる。この通信もオートフォン通信部、カメラ映像送信部を介してなされるように構成することができる。もちろん上記の時間帯設定手段における通信は独立した通信部を設けて実行されるように構成してもよい。なお時間帯設定手段はコンピュータのプログラムの書き換えによって行われてもよく、コンピュータの時間帯書き込み部が時間帯設定手段となる。
【0181】
<実施形態4 時間設定処理を含めたオートフォン通信部の処理>
【0182】
時間設定ステップを含めたオートフォン通信部の処理は以下のようになる。
【0183】
第一ガードセンターと第二ガードセンターによって時間帯を分割して緊急時の連絡に対応させる無人貸金庫のクーポンブースに備えられた前記緊急時の連絡用のオートフォン子機の通信機能を担う計算機であるオートフォン通信部の動作方法であって
まず、第一時間帯を示す情報と第二時間帯を示す情報を時間帯保持ステップに保持させる時間帯設定ステップと、
【0184】
第一のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第一時間帯を示す情報と、第二のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第二時間帯を示す情報と、を保持する時間帯保持ステップと、
【0185】
第一のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、第二のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、を保持するオートフォン親機識別情報保持ステップと、
【0186】
クーポンブースのオートフォン子機からの発呼命令があるか判断する発呼命令判断ステップと、
【0187】
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令時の時刻を取得する時刻取得ステップと、
【0188】
時刻取得ステップで取得された時刻が保持されている第一時間帯であるか、第二時間帯であるか判断する時間帯判断ステップと、
【0189】
時間帯判断ステップで判断された時間帯に対応すべきガードセンターのオートフォン親機の識別情報に基づいてそのオートフォン親機に発呼処理する発呼処理ステップと、
【0190】
を有する計算機であるオートフォン通信部の動作方法となる。なお、通話を開始し、終了すると、再びオートフォンからの発呼命令があるまで待機する。
【0191】
<実施形態4 効果>
【0192】
本実施形態により、各ガードセンターに貸金庫の警備等を委託する際に委託時間を柔軟に設定したり、柔軟に変更することができる。
【0193】
<実施形態5 主に請求項5、請求項16、請求項17に関する>
【0194】
<実施形態5 概要>
【0195】
実施形態5は、実施形態1から実施形態4のいずれか一を基本とし、監視カメラと、オートフォン子機とは、エントランス室内と、エントランス室外のエントランス入退室扉近辺にも配置されている無人貸金庫システムである。
<実施形態5 前提>
【0196】
実施形態5の監視カメラと、オートフォン子機に関しては実施形態1で述べたことがそのまま当てはまるのでその説明は省略する。
【0197】
<実施形態5 エントランス室内の監視カメラ、オートフォン>
【0198】
エントランスは複数のクーポンブースへつながる中間に位置する部屋なので、クーポンブースが多数に上る場合にはエントランスの部屋面積が広くなり、一の監視カメラで全体を映し出すことができなくなる。そのような場合にはエントランスに複数のカメラを設置すべきである。設置場所としてはブース入退室扉の近辺上部に配置することが好ましい。またこれに合わせてオートフォンもブース入退室扉のカード読み取り機の近辺に配置することが好ましい。オートフォンの利用は主にカード読み取り機に関するトラブルが想定されるからである。
【0199】
<実施形態5 エントランス入退室扉>
【0200】
エントランス入退室扉付近では、この扉の上部壁面に監視カメラを、またエントランスに入室するためのカード(利用者識別情報が記録されている)のカード読み取り機の近辺にオートフォンを配置するのが好ましい。オートフォンの利用は主にカード読み取り機に関するトラブルが想定されるからである。
【0201】
<実施形態5 オートフォン通信部の処理 オートフォン子機識別情報通知>
【0202】
図17に示すように、オートフォンがクーポンブースのみならず、エントランスやエントランス入退室扉近辺に配置された本実施形態ではオートフォン通信部のガードセンターへの発呼にあたっては、その通信パケットの中にオートフォン子機識別情報を含むように構成することができる。その際の処理の流れは以下のようになる。
【0203】
第一ガードセンターと第二ガードセンターによって時間帯を分割して緊急時の連絡に対応させる無人貸金庫のクーポンブース、クーポンブースへ至る中間室であるエントランス、外部とエントランスとのエントランス入退室扉近辺に備えられた前記緊急時の連絡用のオートフォン子機の通信機能を担う計算機であるオートフォン通信部の動作方法であって
【0204】
オートフォンのそれぞれにクーポンブースのオートフォン子機、エントランスのオートフォン子機、エントランス入来室扉のオートフォン子機のいずれであるかを示すオートフォン子機識別情報であるオートフォン子機識別情報が保持されており、
【0205】
第一のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第一時間帯を示す情報と、第二のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第二時間帯を示す情報と、を保持する時間帯保持ステップ1701と、
【0206】
第一のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、第二のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、を保持するオートフォン親機識別情報保持ステップ1702と、
【0207】
いずれかのオートフォン子機からの発呼命令があるか判断する発呼命令判断ステップ1703と、
【0208】
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令時の時刻を取得する時刻取得ステップ1704と、
【0209】
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令を出力したオートフォン子機のオートフォン子機識別情報を取得するオートフォン子機識別情報取得ステップ1712と、
【0210】
時刻取得ステップで取得された時刻が保持されている第一時間帯であるか、第二時間帯であるか判断する時間帯判断ステップ1705と、
【0211】
時間帯判断ステップで判断された時間帯に対応すべきガードセンターのオートフォン親機の識別情報に基づいてそのオートフォン親機にオートフォン子機識別情報を含む通信パケットにて発呼処理する発呼処理ステップ1706a、1706bと、を有する計算機であるオートフォン通信部の動作方法である。
【0212】
なお、通話が開始1707a、1707bされるとその通信を維持1708a、1708bし、通話が終了1709すると再びクーポンブースからの発呼命令が出るまで待機1703する。
<実施形態5 オートフォン通信部の処理 貸金庫識別情報の通知>
また、貸金庫識別情報単独で、又はオートフォン子機の識別情報とともに通信パケットに含むようにしてオートフォン通信部がガードセンターに発呼するように構成してもよい。図18は、その処理の流れである。ここではオートフォン親機に発呼する際に貸金庫識別情報を含むように記載しているが、もちろんオートフォン子機識別情報を含むように構成してもよい。特徴点は、無人貸金庫の識別情報である無人貸金庫識別情報を保持する無人貸金庫識別情報保持ステップを有するとともに、発呼処理ステップが保持されている無人貸金庫識別情報を通信パケットに含む発呼処理を実行する無人貸金庫識別情報処理サブステップを有するオートフォン通信部の動作方法である点にある。なお、通信はパケット通信でなくてもよく、アナログ通信でも同様の処理を実行する。アナログ通信プロトコルに従って情報解析がされる。

【0213】
<実施形態5 オートフォン通信部の処理プログラム>
【0214】
上記の処理は以下のようなプログラムを珪砂インキであるオートフォン通信部に読み取らせることによって行われてもよい。
【0215】
第一ガードセンターと第二ガードセンターによって時間帯を分割して緊急時の連絡に対応させる無人貸金庫のクーポンブース、クーポンブースへ至る中間室であるエントランス、外部とエントランスとのエントランス入退室扉近辺に備えられた前記緊急時の連絡用のオートフォン子機の通信機能を担う計算機であるオートフォン通信部の動作方法であって
【0216】
オートフォンのそれぞれにクーポンブースのオートフォン子機、エントランスのオートフォン子機、エントランス入来室扉のオートフォン子機のいずれであるかを示すオートフォン子機識別情報であるオートフォン子機識別情報が保持されており、
【0217】
第一のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第一時間帯を示す情報と、第二のガードセンターが緊急時の連絡に対応すべき第二時間帯を示す情報と、を保持する時間帯保持ステップと、
【0218】
第一のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、第二のガードセンターのオートフォン親機の識別情報と、を保持するオートフォン親機識別情報保持ステップと、
【0219】
いずれかのオートフォン子機からの発呼命令があるか判断する発呼命令判断ステップと、
【0220】
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令時の時刻を取得する時刻取得ステップと、
【0221】
発呼命令判断ステップにて発呼命令があったとの判断結果である場合に発呼命令を出力したオートフォン子機のオートフォン子機識別情報を取得するオートフォン子機識別情報取得ステップと、
【0222】
時刻取得ステップで取得された時刻が保持されている第一時間帯であるか、第二時間帯であるか判断する時間帯判断ステップと、
【0223】
時間帯判断ステップで判断された時間帯に対応すべきガードセンターのオートフォン親機の識別情報に基づいてそのオートフォン親機にオートフォン子機識別情報を含む通信パケットにて発呼処理する発呼処理ステップと、
【0224】
を有する計算機であるオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラムである。なお、各ステップはそれぞれのステップを実行するためのサブプログラムから構成されコンピュータの不揮発性メモリに蓄積されるとともに、コンピュータ稼働時には主メモリに呼び出されて順に実行されるように構成してもよい。
【0225】
さらに、上記プログラムに加えてさらに、無人貸金庫の識別情報である無人貸金庫識別情報を保持する無人貸金庫識別情報保持ステップを有するとともに、
【0226】
発呼処理ステップが保持されている無人貸金庫識別情報を通信パケットに含む発呼処理を実行する無人貸金庫識別情報処理サブステップを有するオートフォン通信部に読取り実行可能に記録したプログラムであってもよい。(なお、各ステップはそれぞれのステップを実行するためのサブプログラムから構成されコンピュータの不揮発性メモリに蓄積されるとともに、コンピュータ稼働時には主メモリに呼び出されて順に実行されるように構成してもよい。)
【0227】
<実施形態5 効果>
【0228】
本実施形態では、クーポンブースのみならず、エントランスやエントランス入退室扉の近辺に監視カメラとオートフォンが配置されたので主に利用者が利用するカードの読み取りがうまくいかない場合にオートフォンを利用できる。その他、クーポンブース内での異常事態をエントランスにいる利用者が感じたときなどにもオートフォンを利用して以上を知らせることができる、という効果がある。
【0229】
<実施形態6 主に請求項6に関する>
【0230】
<実施形態6 概要>
【0231】
実施形態6は実施形態1から実施形態5のいずれか一を基本としてガードセンターには後記するアラーム発報部からの発報を受信する発報受信部を有し、貸金庫のバックヤードには、クーポンブース入室後、所定時間利用者が退出しない場合に第一時間帯と第二時間帯ともに第一ガードセンターにアラームを発報するアラーム発報部を有する無人貸金庫システムである。貸金庫と通常の営業所との大きな違いは、クーポンブースが完全な個室であり、かつ、通常はそこには利用者一人が滞在する、という点である。
利用者の中には持病を抱える人もいることが想定され、急な発作などが発生してもクーポンブースの外からはそのことをうかがい知れない。そのために本実施形態が必要となる。所定時間とは30分から40分程度程度が適していると考えられる。なお、本実施形態では発報は第一ガードセンターに対してのみ行われるが、オートフォンの発呼受信のように第二ガードセンターと時間帯を分けて発報するように構成することもできる。
【0232】
<実施形態6 第一ガードセンター 発報受信部>
【0233】
「発報受信部」は、図9にあるように、第一ガードセンターに設けられている。発報受信部が発報を受信した場合には、その発報があったクーポンブースの監視カメラの映像を監視カメラ映像表示部に自動的に表示するとともに、貸金庫の所在地と、クーポンブースの識別情報を監視カメラ映像表示装置に表示するのが好ましい。また第一オートフォン親機は発報の受信と同時に発報のあったクーポンブースのオートフォン子機に直通通話ができる状態にされることが好ましい。
つまり受話器をとったり、ボタンを押下することで直ちに発報があったクーポンブースの利用者に声かけができる状態となる。また、発報があった場合にはガードセンターでは、駆け付け待機者の待機場所に対して、及び、貸金庫の管理者に対して、現場駆け付けのための情報処理を直ちに実行する。これは、急行現場の住所や、管理者の電話番号、監視カメラ映像の転送などの情報処理を行う。また同時に現場駆け付けまでの予想時間を算出し、管理者に対して送信するとともに、発報のあったクーポンブースの自動音声アナウンスで駆け付け予想時刻をアナウンスするように構成することが好ましい。
【0234】
<実施形態6 貸金庫 アラーム発報部>
【0235】
「アラーム発報部」は、図10にあるように、貸金庫のバックヤードに設けられている。アラーム発報部は、クーポンブースに利用者が入室してから所定の時間が経過しても利用者が退出しないときに、アラームを発報するように構成されている。具体的にはタイマーがあり、利用者がブース入退室扉のカード読み取り機にカードを読み取らせた時刻からタイマーによる時間計測を開始し、所定の時間、例えば30分が経過してもブース入退室扉が開かれないときにアラームを発報する。
ただし、タイマーによる時間計測開始は、カード読み取り機にカードを読み取らせた後、ブース入退室扉を開く、又は閉める動作を開始時点としてもよい。あるいは、クーポンブース内の映像の画像分析を行って、クーポンブース内の利用者の存在時間でアラームを発報するように構成してもよい。また、図10にあるように第一ガードセンターの発報受信部でも述べたように、音声アナウンス部を貸金庫のクーポンブースに設けることができる。
【0236】
<実施形態6 効果>
【0237】
完全な密室状態であるクーポンブースでの異常事態の可能性がある場合にガードセンターにアラームが発報されることにより万一の事態に対応することができる。
【要約】
【課題】無人で営業可能な貸金庫システムで24時間体制の営業をするためにはセキュリティ体制、安全対策のための外注可能企業が少なく、あるいは見当たらず、24時間体制の無人での24時間の貸金庫の営業は困難であった。
【課題を解決するための手段】貸金庫の利用者からの緊急のオートフォン発呼に対応する時間帯を24時間を複数の時間帯に分けて、各時間帯ごとに異なるセキュリティ企業に委託できるようにオートフォンの直通先を自動で変更する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18