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特許7636626無人機によるメンテナンス支援のための制御方法、装置、電子デバイス、及びコンピュータ可読記憶媒体
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  • 特許-無人機によるメンテナンス支援のための制御方法、装置、電子デバイス、及びコンピュータ可読記憶媒体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】無人機によるメンテナンス支援のための制御方法、装置、電子デバイス、及びコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250218BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024192925
(22)【出願日】2024-11-01
【審査請求日】2024-11-01
(31)【優先権主張番号】202311639063.7
(32)【優先日】2023-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523443995
【氏名又は名称】チョーチアン ヘンイー ペトロケミカル カンパニー,リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】524332810
【氏名又は名称】ハンチョウ イートン ニュー マテリアル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャンタオ ポン
(72)【発明者】
【氏名】ポン ワン
(72)【発明者】
【氏名】イーポー チウ
(72)【発明者】
【氏名】チュンリャン チン
(72)【発明者】
【氏名】シュアン ウー
(72)【発明者】
【氏名】チアオポー ガオ
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-091842(JP,A)
【文献】国際公開第2019/098017(WO,A1)
【文献】特表2017-532237(JP,A)
【文献】特表2021-533425(JP,A)
【文献】特表2023-530991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人機によるメンテナンス支援の制御方法であって、
工事位置にある第1端末によって取得された協力メッセージに応じて、目標ワークピース及びその保管位置を決定することであって、前記協力メッセージは、メンテナンス作業のために不足している目標ワークピースを示すためのものであり、前記工事位置は工場エリアに位置している、ことと、
前記工事位置に基づいて、無人機飛行のための環境情報であって、環境の複雑度または無人機飛行の難易度を示す環境情報を決定することと、
前記環境情報に基づいて、タスクタイプを決定することと、
前記タスクタイプが複雑タイプである場合、メンテナンス担当者が前記第1端末を持って前記工事位置に進入したときの履歴経路を取得することであって、前記タスクタイプが複雑タイプである場合には、前記工事位置が設備の密集しているエリアにあると前記環境情報に示される場合を含み、前記第1端末はメンテナンス担当者を追従する追従無人機を含み、前記第1端末の履歴経路は前記追従無人機の履歴飛行経路を含む、ことと、
前記工事位置と前記保管位置とに基づいて、第2経路を計画して生成することと、
前記工事位置に基づいて、複雑なエリアを決定することと、
前記第2経路における、前記複雑なエリアに進入する第1軌跡点を決定することと、
前記履歴経路における、前記第1軌跡点に最も近い第2軌跡点を決定することと、
前記第2経路における、前記第1軌跡点の後に位置する部分の経路と、前記履歴経路における、第2軌跡点の後に位置する部分の経路と、を融合して、融合経路を得ることと、
前記第2経路における、前記第1軌跡点の前に位置する部分の経路を、前記融合経路とつなぎ合わせて、搬送タスクの飛行経路を得ることと、
前記飛行経路に基づいて、前記目標ワークピースを前記工事位置に搬送するよう無人機を制御することと、を含む、
無人機によるメンテナンス支援の制御方法。
【請求項2】
工事位置にある第1端末によって取得された協力メッセージに応じて、目標ワークピース及びその保管位置を決定することは、
工事位置にある第1端末によって取得された協力メッセージに応じて、前記協力メッセージに含まれるセマンティック情報に基づいて、メンテナンス作業のために不足している工具または部品のワークピース情報を決定することと、
前記ワークピース情報に基づいて、在庫から目標ワークピース及びその保管位置を決定することと、を含む、
請求項1に記載の無人機によるメンテナンス支援の制御方法。
【請求項3】
記搬送タスクの飛行経路を得ることは、
前記タスクタイプが非複雑タイプである場合、予め設定された地図における開放エリア及び/または通路エリアを利用して、前記工事位置と前記保管位置とを結ぶ複数の第1経路を計画することと、
前記複数の第1経路の所要時間及び安全性を評価することと、
評価結果及び適時性要件に基づいて、前記複数の第1経路における1つの経路を選択して、搬送タスクの飛行経路を得ることと、を含む、
請求項1に記載の無人機によるメンテナンス支援の制御方法。
【請求項4】
前記制御方法は、
複数の積載無人機の現在の状態に基づいて、前記複数の積載無人機による搬送タスクの完了状況を推定することと、
前記完了状況に基づいて、前記搬送タスクを完了することができ、且つ最短所要時間を要する積載無人機を決定することと、をさらに含む、
請求項1に記載の無人機によるメンテナンス支援の制御方法。
【請求項5】
前記工事位置と前記保管位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画することは、
前記積載無人機の現在位置と前記保管位置とに基づいて、ワークピース取り出しタスクを生成することと、
前記ワークピース取り出しタスクが完了した場合、前記保管位置と前記工事位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画することと、を含む、
請求項4に記載の無人機によるメンテナンス支援の制御方法。
【請求項6】
無人機によるメンテナンス支援の装置であって、
工事位置にある第1端末によって取得された協力メッセージに応じて、目標ワークピース及びその保管位置を決定するためのワークピース照会モジュールであって、前記協力メッセージは、メンテナンス作業のために不足している目標ワークピースを示すためのものであり、前記工事位置は工場エリアに位置している、ワークピース照会モジュールと、
経路計画モジュールであって、
前記工事位置に基づいて、無人機飛行のための環境情報であって、環境の複雑度または無人機飛行の難易度を示す環境情報を決定するための情報決定サブモジュールと、
前記環境情報に基づいて、タスクタイプを決定するためのタイプ決定サブモジュールと、
計画サブモジュールであって、
前記タスクタイプが複雑タイプである場合、メンテナンス担当者が前記第1端末を持って前記工事位置に進入したときの履歴経路を取得することであって、前記タスクタイプが複雑タイプである場合には、前記工事位置が設備の密集しているエリアにあると前記環境情報に示される場合を含み、前記第1端末はメンテナンス担当者を追従する追従無人機を含み、前記第1端末の履歴経路は前記追従無人機の履歴飛行経路を含む、ことと、
前記工事位置と前記保管位置とに基づいて、第2経路を計画して生成することと、
前記工事位置に基づいて、複雑なエリアを決定することと、
前記第2経路における、前記複雑なエリアに進入する第1軌跡点を決定することと、
前記履歴経路における、前記第1軌跡点に最も近い第2軌跡点を決定することと、
前記第2経路における、前記第1軌跡点の後に位置する部分の経路と、前記履歴経路における、第2軌跡点の後に位置する部分の経路と、を融合して、融合経路を得ることと、
前記第2経路における、前記第1軌跡点の前に位置する部分の経路を、前記融合経路とつなぎ合わせて、搬送タスクの飛行経路を得ることと、
に用いられる、計画サブモジュールと、を含む、経路計画モジュールと、
前記飛行経路に基づいて、前記目標ワークピースを前記工事位置に搬送するよう無人機を制御するための制御モジュールと、を備える、
無人機によるメンテナンス支援の装置。
【請求項7】
ワークピース照会モジュールは、
工事位置にある第1端末によって取得された協力メッセージに応じて、前記協力メッセージに含まれるセマンティック情報に基づいて、メンテナンス作業のために不足している工具または部品のワークピース情報を決定することと、
前記ワークピース情報に基づいて、在庫から目標ワークピース及びその保管位置を決定することと、に用いられる、
請求項6に記載の無人機によるメンテナンス支援の装置。
【請求項8】
計画サブモジュールは、
前記タスクタイプが非複雑タイプである場合、予め設定された地図における開放エリア及び/または通路エリアを利用して、前記工事位置と前記保管位置とを結ぶ複数の第1経路を計画することと、
前記複数の第1経路の所要時間及び安全性を評価することと、
評価結果及び適時性要件に基づいて、前記複数の第1経路における1つの経路を選択して、搬送タスクの飛行経路を得ることと、に用いられる、
請求項6に記載の無人機によるメンテナンス支援の装置。
【請求項9】
前記装置は、
複数の積載無人機の現在の状態に基づいて、前記複数の積載無人機による搬送タスクの完了状況を推定することと、
前記完了状況に基づいて、前記搬送タスクを完了することができ、且つ最短所要時間を要する積載無人機を決定することと、に用いられる選択モジュールをさらに備える、
請求項6に記載の無人機によるメンテナンス支援の装置。
【請求項10】
経路計画モジュールは、
前記積載無人機の現在位置と前記保管位置とに基づいて、ワークピース取り出しタスクを生成することと、
前記ワークピース取り出しタスクが完了した場合、前記保管位置と前記工事位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画することと、にさらに用いられる、
請求項9に記載の無人機によるメンテナンス支援の装置。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリと、を備え、
前記メモリに、前記少なくとも1つのプロセッサで実行可能な命令が記憶され、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法を実行させる、
電子デバイス。
【請求項12】
コンピュータに請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を記憶するための非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は無人機技術分野に関し、特に無人機の制御、経路計画、デバイスメンテナンスの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のメンテナンス作業では、メンテナンス担当者がメンテナンス作業実施中に突然必要な工具や部品が不足していることに気づいた場合、通常、現在の工事プロセスを中断し、倉庫やその他の保管エリアに戻って必要な物品を入手する必要があり、その結果、メンテナンス効率が大幅に低下する。 特に、狭いスペース、複雑な環境、現場へのアクセスが困難な場合、メンテナンスの進捗状況や関連する生産業務に大きな影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、従来技術における1つまたは複数の技術的問題を解決または緩和するために、無人機によるメンテナンス支援のための制御方法、装置、電子デバイス、記憶媒体及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1態様では、本開示は無人機によるメンテナンス支援のための制御方法を提供し、該方法は、
工事位置にある第1端末によって取得された協力メッセージに応じて、目標ワークピース及びその保管位置を決定することであって、前記協力メッセージは、メンテナンス作業のために不足している目標ワークピースを示すためのものである、ことと、
前記工事位置と前記保管位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画することと、
前記飛行経路に基づいて、前記目標ワークピースを前記工事位置に搬送するよう無人機を制御することと、を含む。
【0005】
第2態様では、本開示は無人機によるメンテナンス支援の装置を提供し、該装置は、
工事位置にある第1端末によって取得された協力メッセージに応じて、目標ワークピース及びその保管位置を決定するためのワークピース照会モジュールであって、前記協力メッセージは、メンテナンス作業のために不足している目標ワークピースを示すためのものである、ワークピース照会モジュールと、
前記工事位置と前記保管位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画するための経路計画モジュールと、
前記飛行経路に基づいて、前記目標ワークピースを前記工事位置に搬送するよう無人機を制御するための制御モジュールと、を備える。
【0006】
第3態様では、本開示は電子デバイスを提供し、当該デバイスは、
少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリと、を備え、
該メモリに、該少なくとも1つのプロセッサで実行可能な命令が記憶され、該命令は、該少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、本開示の実施例におけるいずれか1つの方法を実行させる。
【0007】
第4態様では、本開示の実施例におけるいずれか1つの方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0008】
第5様態では、プログラムを提供し、該プログラムは、プロセッサにより実行されると、本開示の実施例におけるいずれか1つの方法を実現する。
【0009】
本開示が提供する解決策の有益な効果は、少なくとも以下を含む。
【0010】
メンテナンス作業を行うために必要なワークピースが不足している場合、速やかに無人機によって搬送することができ、それによってメンテナンス作業を支援し、メンテナンス作業の所要時間を短縮することができる。
【0011】
ここに記載された内容は、本開示の実施例のキーポイントまたは重要な特徴を記述することを意図せず、また、本開示の範囲を制限することにも用いられないことを理解すべきである。本開示の他の特徴については、下記の明細書を通して理解を促す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面において、別段の定めがない限り、複数の添付図面を通じて同一の図面符号は、同一または類似の構成部品または要素を示す。これらの添付図面は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。これらの図面は、本開示により提供されるいくつかの実施例のみを示し、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解すべきである。
図1】本開示の一実施例に係る、無人機によるメンテナンス支援の制御方法のフローチャートである。
図2】本開示の一実施例に係る、無人機によるメンテナンス支援の装置の構成を示す概略図である。
図3】本開示の実施例は係る、無人機によるメンテナンス支援の制御方法を実現するための電子デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本開示についてさらに詳細に説明する。添付図面において、同一の図面符号は、同一または類似の要素を表す。また、添付図面において、実施例の様々な態様が示されているが、別段説明がない限り、これらの添付図面は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【0014】
さらに、本開示をよりよく説明するために、以下の具体的な実施形態にて多くの具体的な詳細を記載している。当業者は、いくつかの詳細がなくても本開示は同様に実施され得ることを理解すべきである。いくつかの実施例では、本開示の主旨が明瞭となるように、当業者によく知られている方法、手段、構成要素、及び回路などは詳細に説明していない。
【0015】
図1は本開示の一実施形態により提供される無人機によるメンテナンス支援の制御方法のフローチャートである。図1に示すように、当該方法は少なくとも以下のステップを含む。
【0016】
S101において、工事位置にある第1端末によって取得された協力メッセージに応じて、目標ワークピース及びその保管位置を決定することであって、前記協力メッセージは、メンテナンス作業のために不足している目標ワークピースを示すためのものである。
【0017】
本開示の実施形態に係る無人機によるメンテナンス支援の制御方法は、データ処理装置に適用することができ、これにより、この方法を実行する実行システムを得ることができる。例えば、当該装置は、第1サーバまたは他の処理装置にデプロイされて実行される場合に、無人機による支援メンテナンスの制御方法を実現することができる。
【0018】
第1サーバは、独立したサーバであってもよく、あるいはサーバクラスタまたは分散システム、あるいはクラウドサービス、クラウドデータベース、クラウドコンピューティング、クラウド関数、クラウドストレージ、ネットワークピースサービス、クラウド通信、ミドルウェアサービス、およびビッグデータおよび人工知能プラットフォームなどの基盤となるクラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドサーバであってもよい。
【0019】
本開示の実施例において、第1端末は、メンテナンス担当者によってメンテナンス施工場所に搬入される電子デバイスであり、第1端末は、無線ネットを介して第1サーバと通信することができる。選択的に、第1端末は、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、スマートウォッチ、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)などの端末装置であってもよく、メンテナンスプロセスを支援し記録するためのスマート眼鏡、追従無人機、ビデオ収集装置などの装置であってもよいが、これらに限定されるものではない。第1端末では、無人機によるのメンテナンス支援に対応可能なアプリケーションがインストールされて実行されている。
【0020】
メンテナンス担当者は、第1端末を介して協力メッセージを生成して実行システムに送信することができる。協力メッセージは、現在進行中のメンテナンス作業のために不足している物品を示し、その物品の取得に協力が必要であることを示す。協力メッセージは、メンテナンス担当者が口述した音声メッセージを含むことができ、システムは音声認識とセマンティック解析によって不足しているワークピース情報を決定できる。また、協力メッセージは、メンテナンス担当者が手動で入力したテキストメッセージに基づいて、システムがセマンティック分析によって決定された不足しているワークピース情報であってもよい。さらに、協力メッセージは、メンテナンス担当者が第1端末で実行されているプリセットプログラムの対話インターフェース上で、クリックして選択する操作等によって直接選択した、不足しているワークピース情報であってもよい。
【0021】
なお、いくつかの複雑な施工環境では、例えば、交錯する配管間、反応釜、攪拌器などのデバイスの内部では、空間が非常に限られており、メンテナンス担当者の操作が不便である場合、音声の形でより便利に協力メッセージを生成することができる。
【0022】
システムは、不足しているワークピースを決定した後、自身が記憶している在庫情報を通じて該ワークピースの保管位置を照会することができ、また、在庫管理システムを実行する第2サーバに目標ワークピースの情報を送信し、当該第2サーバを介して目標ワークピースの保管位置を照会することもできる。
【0023】
S102において、工事位置と保管位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画する。
【0024】
第1端末は、システムに協力メッセージを送信する際に、同時に自身の位置、即ち工事位置を協力メッセージの一部としてシステムに送信することができる。システムは工事位置と保管位置とに基づいて、予め設定された地図を利用して飛行経路を計画する。
【0025】
経路計画には、目標ワークピースの保管位置から工事位置までの間の地形、障害物、飛行制限などの要素を考慮する必要があり、地図データの標高情報、建物分布などを利用して実現することができる。
【0026】
S103において、飛行経路に基づいて、目標ワークピースを工事位置に搬送するよう無人機を制御する。
【0027】
システムは計画された飛行経路を生成して、搬送タスクを実行する無人機にナビゲーションコマンドとして送信することにより、計画された飛行経路に沿って飛行するよう無人機を制御する。該飛行経路は、目標ワークピースの保管位置まで効率的に到達すると共に、衝突や他の潜在的な危険を回避するために飛行の安全性を確保するように設計されなければならない。
【0028】
無人機が目標ワークピースを積載した後、飛行制御システムはコマンドに基づいて搬送タスクを実行し始め、無人機が計画された経路で飛行することを制御することができる。飛行中において、無人機は周囲の環境や自分の状態をリアルタイムで感知することができる。この感知は、カメラ、レーザレーダなどのセンサを搭載することによって実現されることができる。飛行中に新たな障害物やその他のリスクが発見された場合、飛行制御システムは、経路の変更や障害回避措置など、既存の関連する障害回避技術に基づいて飛行経路を調整することができる。
【0029】
無人機が工事位置に到着した後、メンテナンス担当者が安全に目標ワークピースをピックアップすることを確保するように、目標ワークピースの積載方法、工事位置の環境及び目標ワークピースの寸法などの条件に基づいて、ホバリング、着陸、投擲、吊りビン下降などの動作の少なくとも1つを実行する必要がある。その後、具体的なニーズに応じて、無人機は空中で再び離陸したり、先に計画された経路に従って無人機の停止位置に戻ったり、他のタスクを実行したりする可能性がある。
【0030】
本開示の実施例の解決策によれば、必要なワークピースが不足しているためメンテナンス作業が継続できない場合、無人機によって直ちに搬送することができ、それによってメンテナンス作業を支援し、メンテナンス作業の所要時間を短縮することができる。メンテナンスのために多くの重要な設備を停止することは、生産工程全体の作業停止につながり、極めて大きな経済的損失をもたらす可能性があるため、タイムリー且つ迅速にメンテナンスを完了させることで損失をできるだけ減らすことができる。
【0031】
可能な実施例では、S101における、工事位置にある第1端末によって取得された協力メッセージに応じて、目標ワークピース及びその保管位置を決定することは以下のステップを含む。
【0032】
S1011において、工事位置にある第1端末によって取得された協力メッセージに応じて、協力メッセージに含まれるセマンティック情報に基づいて、メンテナンス作業のために不足している工具または部品のワークピース情報を決定する。
【0033】
S1012において、ワークピース情報に基づいて、在庫から目標ワークピース及びその保管位置を決定する。
【0034】
本開示の実施例では、システムは、工事位置にある第1端末によって送信された協力メッセージを受信した後、協力メッセージにおける音声メッセージまたは手動で入力されたテキストメッセージをセマンティック解析処理して、メンテナンス作業のために不足している工具または部品であるワークピース情報を識別する。例えば、音声認識技術を用いて音声情報をテキストに変換し、自然言語処理(NLP)技術を用いて重要な情報を抽出する。
【0035】
ワークピース情報を取得した後、システムはローカルのワークピース情報データベースを照会するか、または在庫管理システムを実行する第2サーバと通信することにより、目標ワークピース及びその在庫の保管位置を決定する。選択的に、ワークピース情報にはワークピースの番号、名称、仕様などの情報が含まれており、目標ワークピースを正確に見つけることができる。
【0036】
本開示の実施例の解決策によれば、処理全体がセマンティック解析と情報照会によって、システムはメンテナンス担当者のニーズを理解することができ、必要な工具または部品の在庫中の正確的な位置を特定することができる。メンテナンス作業の効率化に役立ち、欠落しているワークピースを無人機が迅速に取得して搬送することを確認することができる。
【0037】
1つの可能な実施形態では、S102における工事位置と保管位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画することは以下のステップを含む。
【0038】
S1021において、工事位置に基づいて、無人機飛行のための環境情報を決定する。
【0039】
本開示の実施例では、環境情報は環境の複雑度を示す情報と理解することができ、通常、開放エリアでは環境の複雑度は室内エリアよりも低く、室内エリアでは通路エリアの環境複雑度は生産設備を有する工場エリアよりも低い。環境が複雑になればなるほど、無人機の飛行は難しくなる。無人機飛行のための環境情報は、無人機飛行の難易度情報と理解することができる。工事位置に基づいて、予め設定された地図から工事位置が所在する工場区の地理情報、各建物、設備の分布位置などを決定する。建築物の高さ、設備の位置及び高さなどを含む、工事位置の所在する工場エリアの空間レイアウトを分析する。各建物や設備に対して例えば、どのエリアが飛行可能で開放であり、どのエリアが飛行制限であるかを示す環境規則を予めに設定することができる。さらに、各種設備が位置するエリアに対して、例えば、開放エリア及び設備の上方3メートル以上のエリアに関する飛行難易度は1級であり、A類設備が位置するエリアに関する飛行難易度は2級であり、B類設備が位置するエリアの飛行難易度は3級であり、複雑なパイプラインネットワークの間を飛行する場合の難易度は4級であり、パイプラインの内部や設備の内部での飛行難易度は5級であるなど、飛行難易度を設定することができ。
【0040】
S1022において、環境情報に基づいて、タスクタイプを決定する。
【0041】
環境情報に基づいて、現在のタスクの飛行難易度を判断し、タスクタイプを決定することができる。例示的には、工事位置は屋外開放エリアまたは空間が広い室内エリアにある場合、無人機は直線飛行ができるので、タスクタイプは簡易なタイプである可能性がある一方、工事位置は設備が密集しており各種パイプラインネットが交錯するエリアにある場合、タスクタイプは複雑タイプであり、障害回避などの複雑な操作に関連する可能性がある。タスクタイプは、飛行難易度のレベルが予めに設定されたしきい値(たとえばレベル4)より大きいかどうかに応じて分別されることができる。
【0042】
複数の異なる積載方法を有する無人機の場合、環境情報に基づいて、タスクタイプを決定する際に、無人機タイプまたは積載方法を限定することもできる。例えば、搬送タスクが複雑タイプであり、無人機の降下条件を備えていない場合には、体積が小さく、適応性が高い無人機を優先的に選択することができ、積載方法は優先的に投擲、ホバリングなどの方法を選択することができる。
【0043】
S1023において、タスクタイプと、工事位置と、保管位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画する。
【0044】
異なるタスクタイプの場合は、適切な飛行戦略を選択する必要がある。そして、工事位置と保管位置とに基づいて、予め設定された地図において飛行経路を計画する。例えば、飛行難易度が低いエリアには高速直行の飛行戦略を採用することができ、飛行難易度が高いエリアには低速または飛行高度を高める飛行戦略を採用することができる。
【0045】
本開示の実施例の解決策によれば、異なる環境において、地図情報と環境規則に基づいて最適な飛行経路を動的に計画し、無人機が様々なシナリオにおいて安全かつ効率的に目標ワークピースを搬送することを確保することができる。
【0046】
1つの可能な実装形態では、S1023におけるタスクタイプと、工事位置と、保管位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画することはさらに、
タスクタイプが非複雑タイプである場合、予め設定された地図における開放エリア及び/または通路エリアを利用して、工事位置と保管位置とを結ぶ複数の第1経路を計画することと、
複数の第1経路の所要時間及び安全性を評価することと、
評価結果及び適時性要件に基づいて、複数の第1経路における1つの経路を選択して、搬送タスクの飛行経路を得ることと、を含む。
【0047】
本開示の実施例では、まず、予め設定された地図情報を利用して、工事位置と保管位置とを結ぶ複数の経路を決定し、開放エリアまたは通路エリアであってもよい。開放エリアは工場内部の各種設備の上方の開放エリアを含み、通路エリアは工場内部の歩行者通路、設備通路を含む。
【0048】
次に経路の所要時間を評価し、結ばれた経路ごとにシステムは飛行所要時間を推定する。この処理では、飛行距離、飛行速度、想定されるリスクエリアなどを考慮することができる。各結ばれた経路について、飛行エリアが制限されているかどうか、現れる可能性のある移動式設備、作業員などの障害物を含む安全性を評価する必要がある。所要時間及び安全性などを総合的に考慮し、結ばれた経路ごとに総合スコアを生成し、評価結果を得ることができる。
【0049】
適時性要件とは、搬送タスクの最大許容飛行所要時間のことである。適時性要件として、協力メッセージにおけるメンテナンス担当者によって示されたものであってもよく、例えば、音声メッセージにおける「できるだけ早く」、「早く」などの用語である。評価結果及び時効性要件に基づいて経路選択を行い、合理的な飛行所要時間及び高い安全性スコアを持つ経路における最終飛行経路として選択する。
【0050】
本開示の実施例の解決策によれば、システムは、タスクが非複雑である場合に、地図情報と予め設定された規則とに基づいて、所要時間及び安全性などの要素を総合的に考慮して、最適な飛行経路を選択し、無人機が限られた所要時間内に安全な方法で目標ワークピースの搬送タスクを完了することを確保することができる。
【0051】
1つの可能な実装形態では、S1023におけるタスクタイプと、工事位置と、保管位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画することはさらに、
タスクタイプが複雑タイプである場合、第1端末の履歴経路を取得することと、
工事位置と保管位置とに基づいて、第2経路を計画して生成することと、
履歴経路の少なくとも一部を用いて、第2経路を調整し最適化して、搬送タスクの飛行経路を得ることと、を含む。
【0052】
本開示の実施例では、複雑タイプのタスク、即ち環境が複雑なエリアである場合、通常、予め設定された地図情報にこれらのエリアに関する具体的なデータが含まれていないため、計画された飛行経路はそのエリアの入口から工事位置までの直線経路のみであり、設備間の隙間を自由に行き来することが困難である可能性がある。搬送タスクを実行する無人機はこのエリアにおいて、工事位置に到達しようとするために何度も障害回避を行う必要がある可能性がある。環境が複雑すぎると、搬送タスクを実行する無人機は所要時間がかかりすぎるか、または工事場所に到着しにくい可能性がある。これにより、システムは、メンテナンス担当者が第1端末を持って工事位置に進入したときの履歴経路を取得し、履歴経路の補助の下で、搬送タスクの飛行経路を生成することができる。履歴経路は、第1端末装置の記録または他の位置追跡技術によって得ることができる。
【0053】
工事位置と保管位置とに基づいて、システムは初期の第2経路を計画して生成することは、予め設定された地図、開放通路などの情報に基づいて基本経路を計画することであってもよい。
【0054】
履歴経路の少なくとも一部を使用して、システムは初期の第2経路を調整し最適化して、具体的には、軌跡マッチング、動的調整、障害回避処理を含むことができる。
【0055】
軌跡のマッチングにおいて、履歴経路を第2経路とマッチングさせ、近接または類似する部分を見つける。
【0056】
動的調整において、履歴経路内の実際の進行状況に応じて、実際の状況に適応するように第2経路を動的に調整する。
【0057】
障害回避処理において、履歴経路において障害回避の軌跡が存在する場合、この情報を利用して障害物を回避するように第2経路を調整する。
【0058】
本開示の実施例の解決策によれば、履歴経路情報を利用し、計画された第2経路と合わせて、マッチング及び調整により、最終的な飛行経路を生成することで、複雑な施工環境によりよく適応し、無人機のナビゲーションの正確性と効率を高めることができる。
【0059】
1つの可能な実施形態では、第1端末は追従無人機を含み、第1端末の履歴経路は追従無人機の履歴飛行経路を含む。
【0060】
本開示の実施例では、追従無人機がメンテナンス担当者を追従して複雑な施工環境に進入し工事位置に到達する過程で形成された履歴飛行経路は、目標ワークピースを搬送する無人機の飛行経路の参考にすることができる。この履歴飛行経路を参照して搬送タスクの飛行経路を計画することで、追従無人機のこの空間における走行軌跡を学習するよう、搬送タスクを実行する無人機を誘導し、よりよく搬送無人機がこの複雑な空間で分岐経路に入ったり、衝突したりすることをよりよく回避し、ひいては目標ワークピースを迅速に配送することを保証する。
【0061】
なお、追従無人機は既存の関連追従技術を用いてメンテナンス担当者を追従することができ、メンテナンス担当者による、工程記録や遠隔通話、設備履歴情報照会などの操作に役立つ。追従無人機は追従する際、通常、人間の歩行速度に達すれば良く、飛行速度は比較的に低いため、飛行中に障害物に遭遇しても障害物を回避するための十分な時間があり、それによって得られた履歴飛行経路は、搬送タスクを実行する無人機による障害回避動作の削減に役立ち、ひいてはより速い速度で工事位置に到着し、メンテナンス作業の効率を高めることができる。
【0062】
追従無人機はメンテナンス作業を実行する工程で自身の飛行軌跡を記録し、履歴飛行経路を形成する必要がある。追従無人機の飛行軌跡は、リアルタイムでシステムに送信することもでき、また、協力メッセージを送信すると共にシステムに送信することもできる。
【0063】
1つの可能な実施形態では、履歴経路の少なくとも一部を用いて、第2経路を調整し最適化して、搬送タスクの飛行経路を得ることは、具体的には、
工事位置に基づいて、複雑なエリアを決定することと、
第2経路における、複雑なエリアに進入する第1軌跡点を決定することと、
履歴経路における、第1軌跡点に最も近い第2軌跡点を決定することと、
第2経路における、第1軌跡点の後に位置する部分の経路と、履歴経路における、第2軌跡点の後に位置する部分の経路と、を融合して、融合経路を得ることと、
第2経路における、第1軌跡点の前に位置する部分の経路を、融合経路とつなぎ合わせて、搬送タスクの飛行経路を得ることと、を含む。
【0064】
本開示の実施例では、工事位置に基づいて、複雑なエリアを決定することは、工事位置と環境情報とに基づいて、狭い通路や高い障害物などを含む、上空を飛行する必要がある複雑なエリアを決定することを含む。
【0065】
その後、第2経路において、複雑なエリアに進入する第1軌跡点、すなわち複雑なエリアの上空を飛行するための進入点を決定する。次に、履歴経路における、第1軌跡点に最も近い第2軌跡点を見つける。つまり、履歴経路の中で第2経路とドッキング可能な軌跡点を見つけることができる。
【0066】
第2経路における、第1軌跡点の後に位置する部分の経路と、履歴経路の中で最も近い第2軌跡点の後に位置する部分の経路とを融合させ、融合経路を形成する。このステップの目的は、履歴経路内の経験情報を利用して、融合された経路の合理性と安全性を確保することである。
【0067】
第2経路における、第1軌跡点の前に位置する部分の経路と融合経路とをつなぎ合わせ、最終的な飛行経路を得る。このステップでは、元の経路の連続性を維持しながら、誘導経路を用いて、複雑なエリアに対して効率的にナビゲートすることを保証する。
【0068】
飛行経路計画では、履歴経路と第2経路とを融合するには、次のいずれかの融合方法を採用することができる。
【0069】
第一に、加重融合である。即ち、2つの経路に対して加重を割り当てて融合することができる。重みは、履歴経路の信頼性、正確性などの要素に基づいて割り当てることができる。例えば、履歴経路が追従無人機の履歴飛行経路であれば、より高い参考価値があるので、より高い重みを付けることができる。携帯電話、PDAなどの機器の履歴経路であれば、より低い重みを付けることができる。
【0070】
第二に、経路補間である。即ち、履歴経路のキーポイントと第二経路のキーポイントを補間し、新たな経路を生成する。この方法は、履歴経路と新たな経路とはいくつかの類似部分があり、これらの類似部分でスムーズに融合することができる。具体的な手順は次のとおりである。
【0071】
1.履歴経路を解析する。まず、履歴経路を解析し、その中のカーブや旋回の部分を識別し、この処理は経路の曲率と方向の変化を検出することによって完成することができる。曲率がしきい値より大きい部分は一般的にカーブに対応し、方向が大きく変化する部分は旋回を表す可能性がある。
【0072】
2.キーポイントを設定する。カーブと旋回の位置においてキーポイントを設定し、キーポイントは経路の最高曲率点、経路の旋回点、またはその他のシナリオ固有の位置に設定されることができる。キーポイントは後続の補間に使用される。
【0073】
3.補間アルゴリズムを選択する。設定されたキーポイント間の滑らかな曲線を生成するために、適切な補間アルゴリズムを選択する。一般的な補間方法には、線形補間、スプライン補間、ベジェ(Bezier)曲線などがある。経路の特性と滑らかさの要件に応じて、補間アルゴリズムを選択する。
【0074】
4.補間処理を行う。選択された補間アルゴリズムを用いて、キーポイントの対ごとに補間経路を生成し、新たな経路を作成する。当該経路はキーポイント間の平滑性を維持しながら、履歴経路のカーブや旋回にできるだけ適合するように作成される。
【0075】
5.新たな経路を統合する。補間によって生成された新たな経路を元の経路の他の部分と統合して、完全な計画経路を形成する。
【0076】
第三に、経路誘導である。即ち、履歴経路を誘導経路と見なし、新たな経路を生成する際に誘導経路に基づいて調整することができる。例えばA*アルゴリズムなどの経路計画アルゴリズムを使用して、誘導経路に基づき検索を行い、新たな経路を取得することができる。
【0077】
1つの可能な実施形態では、該方法は、
複数の積載無人機の現在の状態に基づいて、複数の積載無人機による搬送タスクの完了状況を推定することと、
完了状況に基づいて、搬送タスクを完了することができ、且つ最短所要時間を要する積載無人機を決定することと、をさらに含む。
【0078】
本開示の実施例では、積載無人機とは、搭載能力を有する無人機であり、物品や荷重を携帯、搬送することができる。このような無人機には通常、さまざまなタイプのタスクを達成するために、さまざまな荷重と接続できる特殊な荷重プラットフォームが搭載されている。例えば、無人機には吸盤、グリッパなどの治具が備えられてもよく、吸着やグリップによって物品を持ち運ぶことができる。また、無人機には特別な貨物室が設けられてもよく、例えば、無人機の底部に貨物室を設置したり、二重電池型モデルの場合に貨物を搬送するために、1つの電池倉庫を貨物室の設置に使用したりすることができる。また、無人機の底部または他の位置にはフックが設計られてもよく、ケーブルを用いて昇降可能なキャビンなど様々な機器や物品を吊り下げることができる。
【0079】
電力量、負荷状況、現在位置などの情報を含む、複数の積載無人機の現在の状態を取得する。各無人機の推定結果に基づいて、タスクを完了することができ、且つ最短所要時間を要する無人機を選別する。選別によって、最も早くタスクを完了し、タスクを成功させることを保証できる積載無人機を選択する。その後、選択された無人機に搬送タスクを割り当て、タスクを実行するよう通知する必要がある。
【0080】
本開示の実施例の解決策によれば、所要時間や電力量などを考慮して、全体の搬送効率を最大限に高めるように、複数の積載無人機の中から、タスクを完成するための最適なものを選択することを確保することができる。
【0081】
1つの可能な実施形態では、S102における工事位置と保管位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画することは、
積載無人機の現在位置と保管位置とに基づいて、ワークピース取り出しタスクを生成することと、
ワークピース取り出しタスクが完了した場合、保管位置と工事位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画することと、を含む。
【0082】
本開示の実施例では、無人機を制御して搬送タスクを実行する前に、無人機と目標ワークピースの保管位置とは通常同じ場所ではないため、搭載無人機の現在位置と目標ワークピースの保管位置とに基づいて、ワークピース取り出しタスクを生成する必要がある。
【0083】
無人機が目標位置に到達した後、具体的なワークピース取り出し操作を実行する。これについて、ロボットアームやチャックなどのツールを使用して部品を取り出すことが含まれている可能性があり、具体的なワークピース取り出し方法は目標ワークピースの性質に依存する。
【0084】
ワークピース取り出しタスクが成功すると、無人機はステータスを更新し、タスクが完了したことをシステムに通知する。
【0085】
図2は本開示の一実施例によって提供される無人機によるメンテナンス支援装置の構成を示す概略図である。図2に示すように、この装置は、
工事位置にある第1端末によって取得された協力メッセージに応じて、目標ワークピース及びその保管位置を決定するためのワークピース照会モジュール201であって、協力メッセージは、メンテナンス作業のために不足している目標ワークピースを示すためのものである、ワークピース照会モジュール201と、
工事位置と保管位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画するための経路計画モジュール202と、
飛行経路に基づいて、目標ワークピースを工事位置に搬送するよう無人機を制御するための制御モジュール203と、を備える。
【0086】
1つの可能な実施形態では、ワークピース照会モジュール201は、
工事位置にある第1端末によって取得された協力メッセージに応じて、協力メッセージに含まれるセマンティック情報に基づいて、メンテナンス作業のために不足している工具または部品のワークピース情報を決定することと、
ワークピース情報に基づいて、在庫から目標ワークピース及びその保管位置を決定することと、に用いられる。
【0087】
1つの可能な実施形態では、経路計画モジュール202は、
工事位置に基づいて、無人機飛行のための環境情報を決定するための情報決定サブモジュールと、
環境情報に基づいて、タスクタイプを決定するためのタイプ決定サブモジュールと、
タスクタイプと、工事位置と、保管位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画するための計画サブモジュールと、を備える。
【0088】
1つの可能な実施形態では、計画サブモジュールは、
タスクタイプが非複雑タイプである場合、予め設定された地図における開放エリア及び/または通路エリアを利用して、工事位置と保管位置とを結ぶ複数の第1経路を計画することと、
複数の第1経路の所要時間及び安全性を評価することと、
評価結果及び適時性要件に基づいて、複数の第1経路における1つの経路を選択して、搬送タスクの飛行経路を得ることと、に用いられる。
【0089】
1つの可能な実施形態では、計画サブモジュールは、
タスクタイプが複雑タイプである場合、第1端末の履歴経路を取得することと、
工事位置と保管位置とに基づいて、第2経路を計画して生成することと、
履歴経路の少なくとも一部を用いて、第2経路を調整し最適化して、搬送タスクの飛行経路を得ることと、に用いられる。
【0090】
1つの可能な実施形態では、第1端末は追従無人機を含み、第1端末の履歴経路は追従無人機の履歴飛行経路を含む。
【0091】
1つの可能な実施形態では、計画サブモジュールは、
工事位置に基づいて、複雑なエリアを決定することと、
第2経路における、複雑なエリアに進入する第1軌跡点を決定することと、
履歴経路における、第1軌跡点に最も近い第2軌跡点を決定することと、
第2経路における、第1軌跡点の後に位置する部分の経路と、履歴経路における、第2軌跡点の後に位置する部分の経路と、を融合して、融合経路を得ることと、
第2経路における、第1軌跡点の前に位置する部分の経路を、融合経路とつなぎ合わせて、搬送タスクの飛行経路を得ることと、にさらに用いられる。
【0092】
1つの可能な実施形態では、該装置は、
複数の積載無人機の現在の状態に基づいて、複数の積載無人機による搬送タスクの完了状況を推定することと、
完了状況に基づいて、搬送タスクを完了することができ、且つ最短所要時間を要する積載無人機を決定することと、に用いられるための選択モジュールをさらに備える。
【0093】
1つの可能な実施形態では、経路計画モジュール202は、
積載無人機の現在位置と保管位置とに基づいて、ワークピース取り出しタスクを生成することと、
ワークピース取り出しタスクが完了した場合、保管位置と工事位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画することと、にさらに用いられる。
【0094】
本開示の実施例による装置の各モジュール、サブモジュールの具体的な機能および例示的な説明は、上記した方法の実施例における対応するステップの関連する説明を参照することができ、ここでは繰り返し述べない。
【0095】
図3は本開示の一実施例による電子デバイスの構造ブロック図である。図3に示すように、該電子デバイスはメモリ310とプロセッサ320とを含み、メモリ310にプロセッサ320で実行可能なコンピュータプログラムが記憶される。メモリ310及びプロセッサ320の数は、1つ又は複数であり得る。メモリ310は、1つ又は複数のコンピュータプログラムを記憶することができ、該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、該電子デバイスによって実行されると、該電子デバイスに上記の方法の実施例により提供される方法を実行させる。該電子デバイスはさらに以下を含むことができる。通信インターフェース330は、外部デバイスと通信し、データのインタラクション・伝送を行うことに用いられる。
【0096】
メモリ310、プロセッサ320、及び通信インターフェース330が独立して実装される場合、メモリ310、プロセッサ320、及び通信インターフェース330は、バスを介して互いに接続され、相互間の通信を行うことができる。該バスは、ISA(Industry Standard Architecture)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、又はEISA(Extended Industry Standard Architecture)バスなどであり得る。該バスは、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分類することができる。説明を容易にするために、図3に一本の太線のみで示すが、一本のバス又は一タイプのバスのみを示すものではない。
【0097】
任意選択で、具体的な実装形態では、メモリ310、プロセッサ320、及び通信インターフェース330が1つのチップ上に集積される場合、メモリ310、プロセッサ320、及び通信インターフェース330は、内部インターフェースを介して相互間の通信を行うことができる。
【0098】
上記プロセッサは中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)であってもよく、さらに他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processing,DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアアセンブリ等であってもよいことを理解されたい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ又は任意の従来のプロセッサなどであり得る。なお、プロセッサは、Advanced RISC Machines(ARM)アーキテクチャをサポートするプロセッサであり得る。
【0099】
さらに、選択的に、上記メモリは読み出し専用メモリ及びランダムアクセスメモリを含んでもよく、さらに不揮発性ランダムアクセスメモリを含んでもよい。該メモリは、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのいずれかであり得るか、あるいは揮発性メモリと不揮発性メモリの両方を含み得る。ここで、不揮発性メモリは、ROM(Read-Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、又はフラッシュメモリを含むことができる。揮発性メモリは、外部キャッシュとして機能するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)を含むことができる。限定ではなく例として、多くの形態のRAMが利用可能である。例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(Static RAM,SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory,DRAM)、シナリオクロナスDRAM(Synchronous DRAM,SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(Double Data Rate SDRAM,DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(Enhanced SDRAM,ESDRAM)、シナリオクリンクDRAM(Synchlink DRAM,SLDRAM)及びダイレクトRAMBUSRAM(Direct RAMBUS RAM,DR RAM)である。
【0100】
上述の実施例では、全体的又は部分的に、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合に、全体又は一部はコンピュータプログラム製品の形態で実装され得る。コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータ命令がロードされ、コンピュータ上で実行されると、本開示の実施例によるプロセス又は機能が全体的又は部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、又は1つのコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信されてもよく、例えば、コンピュータ命令は、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(Digital Subscriber Line,DSL))又は無線(例えば、赤外線、Bluetooth(登録商標)、マイクロ波等)を介して、1つのウェブサイトサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタから別のウェブサイトサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタに送信されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体、又は1つもしくは複数の利用可能な媒体と統合されたサーバ、データセンタなどを含むデータ記憶デバイスであり得る。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光媒体(例えば、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disc,DVD))、又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(Solid State Disk,SSD))などであり得る。なお、本開示で言及されるコンピュータ可読記憶媒体は、不揮発性記憶媒体、言い換えれば、非一時的記憶媒体であり得る。
【0101】
当業者は上記実施例を実現する全部又は一部のステップがハードウェアによって実装されてもよく、プログラムによって関連するハードウェアに命令して実装されてもよく、前記プログラムはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、上記記憶媒体は読み出し専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスク等であってもよいことを理解することができる。
【0102】
本開示の実施例の説明において、参照用語「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」等の説明は該実施例又は例に関連して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。且つ、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴はいずれか1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。さらに、当業者は、本開示に記載された異なる実施形態又は例及び異なる実施形態又は例の特徴を、互いに矛盾しない範囲で結びつけてもよい。
【0103】
本開示の実施例の説明において、「/」は、別段の説明がない限り、又はという意味を表し、例えば、A/Bは、A又はBのいずれかを表し得る。本開示における「及び/又は」は関連オブジェクトの関連関係を説明することに過ぎず、三タイプの関係が存在してもよいことを示し、例えば、A及び/又はBは、以下を示すことができる。Aが単独で存在し、A及びBが同時に存在し、Bが単独で存在するという三タイプの状況である。
【0104】
本開示の実施例の説明では、「第1」及び「第2」という用語は、説明の目的のみのために使用され、相対的な重要性を示す又は暗示するものと解釈されるべきではなく、示される技術的特徴の数を暗示するものと解釈されるべきではない。したがって、「第1」及び「第2」として定義される特徴は、明示的又は暗黙的に、そのような特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。本開示の実施例の説明において、「複数」とは、別段の説明がない限り、2つ以上を意味する。
【0105】
以上は本開示の例示的な実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、本開示の精神及び原則の範囲内で、行われた任意の修正、同等置換、改良等は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
【要約】
【課題】無人機によるメンテナンス支援のための制御方法、装置、電子デバイス、記憶媒体及びプログラムを提供する。
【解決手段】該方法は、工事位置にある第1端末によって取得された協力メッセージに応じて、目標ワークピース及びその保管位置を決定することであって、前記協力メッセージは、メンテナンス作業のために不足している目標ワークピースを示すためのものである、ことと、前記工事位置と前記保管位置とに基づいて、搬送タスクの飛行経路を計画することと、前記飛行経路に基づいて、前記目標ワークピースを前記工事位置に搬送するよう無人機を制御することと、を含む。本開示の解決策によれば、メンテナンス作業を行うために必要なワークピースが不足している場合、速やかに無人機によって搬送することができ、それによってメンテナンス作業を支援し、メンテナンス作業の所要時間を短縮することができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3