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7636692周波数オフセット推定装置、受信装置、周波数オフセット推定方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】周波数オフセット推定装置、受信装置、周波数オフセット推定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/61 20130101AFI20250219BHJP
【FI】
H04B10/61
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023508281
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(86)【国際出願番号】 JP2021012369
(87)【国際公開番号】W WO2022201387
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-08-23
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、総務省、「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発」委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀越 建吾
(72)【発明者】
【氏名】山崎 悦史
(72)【発明者】
【氏名】岡本 聖司
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/134321(WO,A1)
【文献】特開2010-283509(JP,A)
【文献】特開2017-011501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信信号のパワースペクトル又は前記パワースペクトルに基づく振幅スペクトルを示す受信信号スペクトルと、スペクトルエッジ及びスペクトルギャップのみに特異的に反応する波形パターンである検出用パターンと、に基づいて、前記受信信号スペクトルと前記検出用パターンとの相関を示す波形パターンである相関パターンを得る相関処理部と、
前記相関処理部によって得られた前記相関パターンのピーク位置に基づいて周波数オフセット量を推定する推定部と、
を備える周波数オフセット推定装置。
【請求項2】
受信信号のパワースペクトル又は前記パワースペクトルに基づく振幅スペクトルを示す受信信号スペクトルと、所定の波形パターンである検出用パターンと、に基づいて、前記受信信号スペクトルと前記検出用パターンとの相関を示す波形パターンである相関パターンを得る相関処理部と、
前記相関処理部によって得られた前記相関パターンのピーク位置に基づいて周波数オフセット量を推定する推定部と、
を備え、
前記検出用パターンは、
前記受信信号がシングルキャリア信号の場合には前記受信信号のスペクトルエッジを検出するための波形パターンであり、
前記受信信号がマルチキャリア信号の場合には前記受信信号のスペクトルエッジ及び前記受信信号のサブキャリア間のスペクトルギャップのうち少なくとも一方を検出するための波形パターンであ
波数オフセット推定装置。
【請求項3】
前記検出用パターンは、前記受信信号スペクトルの期待値の二階微分を用いて生成された波形パターン、又は前記波形パターンに近似する矩形形状のパターンである
請求項1又は請求項2に記載の周波数オフセット推定装置。
【請求項4】
前記スペクトルエッジを検出するための前記検出用パターンは、ガウス関数の1次導関数に基づくエルミートウェーブレットに基づいて生成された波形パターンであり、
前記スペクトルギャップを検出するための前記検出用パターンは、ガウス関数の2次導関数に基づくエルミートウェーブレットに基づいて生成された波形パターンである
請求項2に記載の周波数オフセット推定装置。
【請求項5】
前記検出用パターンは、前記エルミートウェーブレットに基づいて生成された波形パターンに近似する矩形形状の波形パターンである
請求項4に記載の周波数オフセット推定装置。
【請求項6】
コヒーレント光通信システムの受信装置であって、
受信信号のパワースペクトル又は前記パワースペクトルに基づく振幅スペクトルを示す受信信号スペクトルと、スペクトルエッジ及びスペクトルギャップのみに特異的に反応する波形パターンである検出用パターンと、に基づいて、前記受信信号スペクトルと前記検出用パターンとの相関を示す相関パターンを得る相関処理部と、
前記相関処理部によって得られた前記相関パターンのピーク位置に基づいて周波数オフセット量を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された前記周波数オフセット量に基づいて周波数オフセットを補償する補償部と、
を備える受信装置。
【請求項7】
コンピュータが、受信信号のパワースペクトル又は前記パワースペクトルに基づく振幅スペクトルを示す受信信号スペクトルと、スペクトルエッジ及びスペクトルギャップのみに特異的に反応する波形パターンである検出用パターンと、に基づいて、前記受信信号スペクトルと前記検出用パターンとの相関を示す相関パターンを得る相関処理ステップと、
コンピュータが、前記相関処理ステップによって得られた前記相関パターンのピーク位置に基づいて周波数オフセット量を推定する推定ステップと、
を有する周波数オフセット推定方法。
【請求項8】
請求項1から5のうちいずれか一項の周波数オフセット推定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数オフセット推定装置、受信装置、周波数オフセット推定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コヒーレント光通信システムは、用いる光の偏波・振幅・位相の自由度を利用して情報を伝達することができる。これにより、コヒーレント光通信システムは、光の強度変化のみを利用して情報を伝達する強度変調方式の光通信システムと比べて、光通信のさらなる大容量化を実現することができる。また、コヒーレント光通信システムは、光ファイバを用いた光信号伝送においては避けることができない波長分散及び偏波モード分散等の信号歪による影響を、デジタル信号処理によって比較的容易に補償することができる。そのため、コヒーレント光通信システムは、長距離伝送においても有利な光通信システムであり、主として幹線向けの光通信システムとして広く用いられている。
【0003】
コヒーレント光通信システムでは、送受信機にそれぞれ用いられるレーザに対して高い波長安定性が求められる。コヒーレント光通信システムでは、送信機に送信用レーザ、受信機に局部発振レーザが備えられている。送信用レーザ及び局部発振レーザは、それぞれ変調及びコヒーレント検波に用いられるため、送信用レーザの波長と局部発振レーザの波長とが一致していることが望ましい。しかしながら実際には、例えばレーザの製造上の公差及び温度変化等が生じることによって、送信用レーザの波長と局部発振レーザの波長とを正確に一致させることは難しい。また、それぞれのレーザには、1.8[GHz]ないし2.5[GHz]程度の周波数誤差が許されている。そのため、送信レーザの周波数誤差の方向と局部発振レーザの周波数誤差の方向とが互いに逆方向であった場合には、最大で3.6[GHz]ないし5[GHz]の周波数オフセットが生じる。
【0004】
このような周波数オフセットは、受信機内での信号処理に悪影響を及ぼす。そのため、周波数オフセット量の推定がなされた上で、推定結果に基づいて周波数オフセットの補償がなされる必要がある。周波数オフセットは、送信側では推定が不可能であるため、受信側で推定がなされる必要がある。従来、周波数オフセットを推定する技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2011/129389号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の推定方法は、高い精度で周波数オフセット量を推定することができるものの、周波数オフセット量の推定に先立って、波長分散補償、偏波モード分散補償、及び偏波チャネル分離のためのMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)処理等の信号処理を済ませることを前提としている。これらの信号処理は、周波数オフセットによって悪影響を受けることがある。特に、近年利用が進む16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)以上の多値変調を用いた変調方式では、周波数オフセットがある場合には、これらの信号処理を行うことが不可能であることがある。また、波長分散補償を行うためには、まず波長分散量の推定がなされる必要があるが、その推定の方式によっては、周波数オフセットが補償された状態で推定がなされる必要がある。そのため、この場合には、周波数オフセットの補償が波長分散補償に先立って行われる必要がある。以上のことから、光ファイバ伝送によってもたらされる波長分散及び偏波モード分散等の信号歪を補償する信号処理に先立って、周波数オフセットの推定及び補償を行うことができる技術が求められている。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、信号歪が補償されていない受信信号を用いて周波数オフセットを補償することができる周波数オフセット推定装置、受信装置、周波数オフセット推定方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、受信信号のパワースペクトル又は前記パワースペクトルに基づく振幅スペクトルを示す受信信号スペクトルと、所定の波形パターンである検出用パターンと、に基づいて、前記受信信号スペクトルと前記検出用パターンとの相関を示す波形パターンである相関パターンを得る相関処理部と、前記相関処理部によって得られた前記相関パターンのピーク位置に基づいて周波数オフセット量を推定する推定部と、を備える周波数オフセット推定装置である。
【0009】
本発明の一態様は、コヒーレント光通信システムの受信装置であって、受信信号のパワースペクトル又は前記パワースペクトルに基づく振幅スペクトルを示す受信信号スペクトルと、所定の波形パターンである検出用パターンと、に基づいて、前記受信信号スペクトルと前記検出用パターンとの相関を示す相関パターンを得る相関処理部と、前記相関処理部によって得られた前記相関パターンのピーク位置に基づいて周波数オフセット量を推定する推定部と、前記推定部によって推定された前記周波数オフセット量に基づいて周波数オフセットを補償する補償部と、を備える受信装置である。
【0010】
本発明の一態様は、コンピュータが、受信信号のパワースペクトル又は前記パワースペクトルに基づく振幅スペクトルを示す受信信号スペクトルと、所定の波形パターンである検出用パターンと、に基づいて、前記受信信号スペクトルと前記検出用パターンとの相関を示す相関パターンを得る相関処理ステップと、コンピュータが、前記相関処理ステップによって得られた前記相関パターンのピーク位置に基づいて周波数オフセット量を推定する推定ステップと、を有する周波数オフセット推定方法である。
【0011】
本発明の一態様は、上記の周波数オフセット推定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により信号歪が補償されていない受信信号を用いて周波数オフセットを補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】周波数オフセットがない受信信号のパワースペクトルの一例を示す図である。
図2】周波数オフセットがある受信信号のパワースペクトルの一例を示す図である。
図3】ナイキスト成型されたシングルキャリア信号のスペクトルの一例を示す図である。
図4】ナイキスト成型されたマルチキャリア信号のスペクトルの一例を示す図である。
図5】シングルキャリア信号の場合における受信信号スペクトルと検出用パターンとの相関計算の一例を示す図である。
図6】マルチキャリア信号の場合における受信信号スペクトルと検出用パターンとの相関計算の一例を示す図である。
図7】1次のエルミートウェーブレットをプロットした図である。
図8】2次のエルミートウェーブレットをプロットした図である。
図9】矩形形状で構成された検出用パターンの一例を示す図である。
図10】本発明の実施形態における受信装置1の機能構成を示すブロック図である。
図11】本発明の実施形態の変形例における受信装置1aの機能構成を示すブロック図である。
図12】本発明の実施形態における受信装置1の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
本実施形態における受信装置は、光ファイバ伝送によってもたらされる波長分散及び偏波モード分散等の信号歪が補償されていない受信信号を用いて、周波数オフセットを補償する。なぜならば、これらの信号歪の推定及び補償を行うためには、周波数オフセットがまず補償されていることが必要な場合があるためである。
【0016】
そのため、本実施形態における受信装置は、光ファイバ伝送による信号歪に影響されない特徴量を用いて、周波数オフセットの推定及び補償を行う。具体的には、例えば信号のパワースペクトルは、光ファイバ伝送によって変化することがない。本実施形態における受信装置は、受信信号のパワースペクトル又は当該パワースペクトルの平方根である振幅スペクトルを用いて、周波数オフセットの推定及び補償を行う。
【0017】
本実施形態における受信装置は、主信号をFFT(Fast Fourier Transform)により周波数領域に変換した上で絶対値処理を行うことにより、パワースペクトルを生成する。または、受信装置は、主信号をFFTにより周波数領域に変換した上で絶対値二乗処理を行うことにより、振幅スペクトルを生成する。なお、受信装置は、さらに平均化処理を行うようにしてもよい。受信装置は、受信信号のパワースペクトル又は振幅スペクトルと検出用パターンとの相関を計算し、当該相関のピーク位置を求めることによって周波数オフセット量を推定する。
【0018】
[周波数オフセット量の推定方法]
周波数オフセット量を推定する方法の一つとして、受信信号のパワースペクトルの重心位置に基づいて推定する方法が考えられる。パワースペクトルが左右対称であるならば、当該パワースペクトルの重心位置のずれは周波数オフセット量に一致する。
【0019】
図1及び図2は、パワースペクトルの重心位置に基づく周波数オフセット量の推定を説明するための図である。図1及び図2には、受信装置においてコヒーレント検波により光信号からベースバンド信号に変換された受信信号のパワースペクトルが示されている。
【0020】
図1は、周波数オフセットがない受信信号のパワースペクトルを示す。図示されるように、周波数オフセットがない受信信号のパワースペクトルの重心位置はDC(Direct Current)位置と一致する。一方、図2は、周波数オフセットがある受信信号のパワースペクトルを示す。周波数オフセットがある受信信号の位置は、周波数オフセット量の分だけシフトされる。これに伴い、図2に示されるように、受信信号のパワースペクトルの重心位置も、周波数オフセット量の分だけDC位置からずれることになる。これにより、周波数オフセット量の推定が可能である場合がある。
【0021】
しかしながら、上記のパワースペクトルの重心位置のずれに基づく周波数オフセット量の推定方法は、伝送路損失スペクトルが非対称である場合には誤差が生じる。例えば、光ファイバ伝送では伝送路中に光バンドパスフィルタが使われている場合があるが、光バンドパスフィルタの中心波長と信号の中心波長とが相対的にずれている場合には、光バンドパスフィルタによって信号スペクトルは左右非対称となる。この場合、パワースペクトルの重心位置のずれと周波数オフセット量とが一致しなくなる。したがって、伝送路条件に左右されることなく周波数オフセット量を推定するためには、パワースペクトルの重心位置とは異なる、その他の特徴量を用いる必要がある。
【0022】
周波数オフセット量を推定するその他の方法として、パターンマッチングに基づいて推定する方法が考えられる。例えば、パワースペクトルの期待値と受信信号のパワースペクトルとの畳み込みの計算を行い、その最大値を周波数オフセット量とすることが考えられる。しかしながら、この推定方法であっても、伝送路損失スペクトルが非対称である場合には誤差が生じる点については、前述の方法と変わりがない。
【0023】
そこで、周波数オフセット量を推定するさらに別の方法として、受信信号のスペクトルエッジの位置に基づいて推定する方法が考えられる。近年のコヒーレント光伝送技術では、ロールオフ係数が小さいナイキスト成型信号が用いられることが多い。ナイキスト成型信号のスペクトルは、信号帯域の両端が急峻に切り落とされた波形になっている。この急峻なエッジの位置は、伝送路における損失スペクトルによって変化することがない。そのため、受信信号のスペクトルエッジを検出することで、周波数オフセット量をより精度高く推定することが可能になる。
【0024】
また近年では、消費電力の削減、及び光ファイバの非線形光学効果による波形歪の抑制を目的として、信号帯域を複数のサブキャリアに分割するサブキャリア変調方式が用いられることがある。サブキャリア変調では、例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)のような他のマルチキャリア変調方式とは異なり、サブキャリア間にスペクトルギャップが生じる。このスペクトルギャップの位置を検出することで、周波数オフセットをより精度高く推定することが可能になる。
【0025】
図3は、ナイキスト成型されたシングルキャリア信号のスペクトルの一例を示す図である。シングルキャリアの場合は、受信信号の両端のロールオフ(スペクトルエッジ)の位置に基づいて周波数オフセット量を推定することができる。また、図4は、ナイキスト成型されたマルチキャリア信号のスペクトルの一例を示す図である。マルチキャリアの場合は、サブキャリア間のディップ(スペクトルギャップ)及び受信信号の両端のロールオフ(スペクトルエッジ)の位置のうち少なくとも一方に基づいて周波数オフセット量を推定することができる。
【0026】
[受信信号スペクトルと検出用パターンとの相関計算]
本実施形態における受信装置は、スペクトルエッジ又はスペクトルギャップを検出するため、受信信号スペクトルと検出用パターンとの相関計算を行う。検出用パターンとして、スペクトルエッジ及びスペクトルギャップのみに特異的に反応するパターンが予め用意されている必要がある。
【0027】
スペクトルエッジを検出する検出用パターンとしては、例えば受信信号スペクトルの期待値の二階微分に基づくパターンを用いることができる。ここで、受信信号スペクトルをIsig(f)、及び検出用パターンをR(f)とする。受信信号スペクトルIsig(f)の二階微分によって検出用パターンを構成する場合、検出用パターンR(f)は、以下の(1)式のように表すことができる。
【0028】
【数1】
【0029】
受信装置は、受信信号スペクトルIsig(f)と検出用パターンR(f)との相関を計算することで、以下の(2)式によって表される相関パターンK(δ)を得ることができる。
【0030】
【数2】
【0031】
相関パターンK(δ)は、周波数オフセットの位置に鋭いピークを持つため、受信装置は、相関パターンK(δ)の最大値を与えるδが周波数オフセット量の値であると推定することができる。
【0032】
なお、受信装置は、検出用パターンR(f)として、受信信号スペクトルの期待値そのものを用いてもよい。しかしながら、受信信号スペクトルの期待値そのものよりも二階微分の値が用いられたほうが、より急峻なスペクトルエッジを得ることができるため、より誤差の発生が抑制される。
【0033】
図5は、シングルキャリア信号の場合における受信信号スペクトルと検出用パターンとの相関計算の一例を示す図である。図5において、(a)は受信信号スペクトルIsig(f)、(b)は検出用パターンR(f)、及び、(c)は受信信号スペクトルと検出用パターンとの相関計算の結果である相関パターンK(δ)をそれぞれ示している。
【0034】
図5の(c)に示されるように、相関パターンK(δ)では、受信信号の中心に相当する位置に急峻なピークを持つため、受信装置は、当該ピーク位置を検出することで周波数オフセット量を推定することができる。
【0035】
図6は、マルチキャリア信号の場合における受信信号スペクトルと検出用パターンとの相関計算の一例を示す図である。図6において、(a)は受信信号スペクトルIsig(f)、(b)は検出用パターンR(f)、及び、(c)は受信信号スペクトルと検出用パターンとの相関計算の結果である相関パターンK(δ)をそれぞれ示している。
【0036】
図6の(c)に示されるように、相関パターンK(δ)では、受信信号の中心に相当する位置に急峻なピークを持つため、受信装置は、当該ピーク位置を検出することで周波数オフセット量を推定することができる。なお、図6の(c)には、原点付近の相関パターンK(δ)のみが描画されている。
【0037】
なお、受信装置は、検出用パターンR(f)として、受信信号スペクトルの期待値の導関数を用いる代わりに、エルミートウェーブレットを用いてもよい。エルミートウェーブレットは、ガウス関数のN次導関数をL2ノルムで規格化した上で、符号反転したものである。ガウス関数の1次の導関数に基づくものを1次のエルミートウェーブレットといい、ここではψと表す。また、ガウス関数の2次の導関数に基づくものを2次のエルミートウェーブレットといい、ここではψと表す。
【0038】
1次のエルミートウェーブレットψは、スペクトルエッジの検出用パターンR(f)として用いることができる。1次のエルミートウェーブレットψは、以下の(3)式のように表される。
【0039】
【数3】
【0040】
図7は、(3)式によって表されるエルミートウェーブレットψ(x)をプロットした図である。
【0041】
2次のエルミートウェーブレットψは、符号反転することで、スペクトルギャップの検出用パターンR(f)として用いることができる。2次のエルミートウェーブレットψは、以下の(4)式のように表される。
【0042】
【数4】
【0043】
図8は、(4)式によって表されるエルミートウェーブレットψ(x)をプロットした図である。
【0044】
また、受信装置は、受信信号スペクトルの形状に合わせて、複数のウェーブレットを組み合わせて用いることによって、検出用パターンR(f)を構成するようにしてもよい。
【0045】
[計算量の削減]
なお、受信装置は、計算量の削減を目的として、検出用パターンR(f)をより簡易なパターンに置き換えて相関計算を行うようにしてもよい。デジタル回路による演算では、2のべき乗倍の計算及び2のべき乗分の1の計算はビットシフトのみで構成することができるため、任意の係数による積算に比べて計算量が削減される。受信装置は、エルミートウェーブレットを用いる代わりに、例えば図9に示されるような矩形形状で構成された簡易なパターンを検出用パターンR(f)として置き換えて用いるようにしてもよい。図9は、計算量削減を目的として矩形形状で構成された、4-サブキャリア構成のマルチキャリア信号用の検出用パターンの一例を示す図である。
【0046】
[受信装置の機能構成]
以下、受信装置1の機能構成について説明する。図10は、本発明の実施形態における受信装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。図10に示されるように、受信装置1は、LOレーザ10と、コヒーレントOE(Optical to Electrical)変換部20と、ADC30-1~30-4と、周波数オフセット推定部50と、を含んで構成される。
【0047】
LOレーザ10は、局部発振レーザであり、受信光信号の周波数と位相が一致する局部発振光を出力する。コヒーレントOE変換部20は、LOレーザ10から出力される局部発振光を用いて、受信光信号に対しコヒーレント検波を行って、受信光信号を4レーンのベースバンドの電気信号に変換する。
【0048】
4個のADC(Analog to Digital Converter)30-1~30-4の各々は、コヒーレントOE変換部20から出力される4レーンの電気信号を取り込み、デジタル信号に変換する。4レーンのデジタル信号は、受信光信号の水平偏波の同相及び直交成分、並びに、垂直偏波の同相及び直交成分である。直交成分を出力するADC30-2及びADC30-4には、虚数単位乗算部j1及び虚数単位乗算部j2がそれぞれ接続されている。
【0049】
虚数単位乗算部j1は、ADC30-2が出力する直交成分の位相を、複素平面上で90度進めて出力する。ADC30-1の出力と、虚数単位乗算部j1の出力が合成されて、ADC30-1が出力する同相成分を実数成分とし、虚数単位乗算部j1が出力する直交成分を虚数成分とする水平偏波の受信信号が生成される。また、虚数単位乗算部j2は、ADC30-4が出力する直交成分の位相を、複素平面上で90度進めて出力する。ADC30-3の出力と、虚数単位乗算部j2の出力が合成されて、ADC30-3が出力する同相成分を実数成分とし、虚数単位乗算部j2が出力する直交成分を虚数成分とする垂直偏波の受信信号が生成される。
【0050】
上記デジタル信号に変換された、複素数で表される水平偏波の受信信号及び垂直偏波の受信信号は、受信装置1内の後段の主信号の復調処理ブロック(不図示)へ出力される。その後、デジタル化された受信信号に対して復調処理がなされることにより当該受信信号から情報ビットが抽出される。
【0051】
また、上記デジタル信号に変換された、複素数で表される水平偏波の受信信号及び垂直偏波の受信信号は、分岐されて、周波数オフセット推定部50にも入力される。図10に示されるように、周波数オフセット推定部50は、FFT演算部51-1~51-2と、絶対値演算部52-1~52-2と、フレーム積算部53と、相関処理部54と、検出用パターン記憶部55と、ピーク検出部56と、を含んで構成される。
【0052】
FFT演算部51-1~51-2は、分岐されて入力された偏波ごとの受信信号を取得する。FFT演算部51-1~51-2は、偏波ごとの受信信号をFFTにより周波数領域に変換する。FFT演算部51-1は周波数領域に変換された受信信号を絶対値演算部52-1へ出力し、FFT演算部51-2は周波数領域に変換された受信信号を絶対値演算部52-2へ出力する。
【0053】
絶対値演算部52-1は、FFT演算部51-1から出力された、周波数領域に変換された受信信号を取得する。また、絶対値演算部52-2は、FFT演算部51-2から出力された、周波数領域に変換された受信信号を取得する。絶対値演算部52-1~52-2は、周波数領域に変換された受信信号に対して絶対値の二乗をとり、パワースペクトルを生成する。
【0054】
なお、絶対値演算部52-1~52-2は、周波数領域に変換された受信信号に対して絶対値をとるのみとして、振幅スペクトルを生成するようにしてもよい。絶対値演算部52-1~52-2は、生成されたパワースペクトル(又は振幅スペクトル)をフレーム積算部53へ出力する。
【0055】
フレーム積算部53は、絶対値演算部52-1~52-2からそれぞれ出力されたパワースペクトル(又は振幅スペクトル)を取得する。フレーム積算部53は、複数のFFTフレームにわたってパワースペクトル(又は振幅スペクトル)を積算することにより、平均化を行う。これは、受信信号のパワースペクトル(又は振幅スペクトル)の瞬時的な変動が、周波数オフセット量の推定精度に影響することを避けるためである。フレーム積算部53は、積算されたパワースペクトル(又は絶対値スペクトル)を相関処理部54へ出力する。
【0056】
相関処理部54は、フレーム積算部53から出力された、積算されたパワースペクトル(又は絶対値スペクトル)を取得する。また、相関処理部54は、検出用パターン記憶部55に記憶された検出用パターンを取得する。相関処理部54は、積算されたパワースペクトル(又は絶対値スペクトル)と検出用パターンとの相関計算を行い、相関パターンを得る。相関処理部54は、相関パターンをピーク検出部56へ出力する。
【0057】
検出用パターン記憶部55は、検出用パターンを予め記憶する。検出用パターンとは、前述の通り、受信信号スペクトルのスペクトルエッジ又はスペクトルギャップを検出するための予め定められた波形パターンである。
【0058】
検出用パターン記憶部55は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体、又はこれらの記憶媒体の組み合わせによって構成される。なお、例えば検出用パターン記憶部55が、受信装置1に備えられているのではなく、外部装置に備えられており、受信装置1が当該外部装置から検出用パターンを取得する構成であってもよい。
【0059】
ピーク検出部56は、相関処理部54から出力された相関パターンを取得する。ピーク検出部56は、相関パターンのピーク位置を検出する。ピーク検出部56は、検出されたピーク位置がパワースペクトルの中心の位置であるものとし、当該ピーク位置とDC位置とのずれを周波数オフセット量として推定する。ピーク検出部56は、推定された周波数オフセット量を示す情報を、受信装置1内の後段の、周波数オフセットの補償を行う補償部(不図示)へ出力する。補償部(不図示)は、取得された情報に基づいて、周波数オフセットの補償を行う。
【0060】
(変形例)
なお、本実施形態における受信装置の機能構成は、例えば図11に示される受信装置1aのような機能構成であってもよい。受信装置1aは、LOレーザ10と、コヒーレントOE変換部20と、ADC30-1~30-4と、FFT演算部40-1~40-2と、周波数オフセット推定部50aと、を含んで構成される。また、周波数オフセット推定部50aは、絶対値演算部52-1~52-2と、フレーム積算部53と、相関処理部54と、検出用パターン記憶部55と、ピーク検出部56と、を含んで構成される。
【0061】
図示されるように、本変形例における受信装置1aの機能構成が、前述の受信装置1の機能構成と異っている点は、周波数オフセット推定部50aがFFT演算部を備えておらず、代わりに受信装置1aの受信信号処理機能が有するFFT演算部40-1~40-2が用いられる点である。
【0062】
一般的に、コヒーレント光通信システムの受信装置は、波長分散補償器を備えていることが多い。また、一般的に、波長分散補償器は、周波数領域で信号処理を行う。そのため、コヒーレント光通信システムの受信装置は、FFT演算部を予め備えていることが多い。本変形例の受信装置1aは、周波数オフセット推定部50a内にFFT演算部を備えるのではなく、主信号の信号処理において用いられるために受信装置1aに予め備えられているFFT演算部40-1~40-2を、周波数オフセットの推定処理においても共用する構成である。
【0063】
(受信装置の動作)
以下、本実施形態における受信装置1の動作の一例について説明する。図12は、本発明の実施形態における受信装置1の動作を示すフローチャートである。
【0064】
LOレーザ10は、受信光信号の周波数と位相が一致する局部発振光を出力する(ステップS001)。コヒーレントOE変換部20は、LOレーザ10から出力される局部発振光を用いて、受信光信号に対してコヒーレント検波を行って、受信光信号を4レーンのベースバンドの電気信号に変換する(ステップS002)。
【0065】
4個のADC30-1~30-4の各々は、コヒーレントOE変換部20から出力される4レーンの電気信号を取り込み、デジタル信号に変換する(ステップS003)。虚数単位乗算部j1は、ADC30-2が出力する直交成分の位相を複素平面上で90度進めて出力する。また、虚数単位乗算部j2は、ADC30-4が出力する直交成分の位相を複素平面上で90度進めて出力する。
【0066】
FFT演算部51-1~51-2は、入力された偏波ごとの受信信号をFFTによって周波数領域に変換する(ステップS004)。絶対値演算部52-1~52-2は、周波数領域に変換された受信信号に対して絶対値の二乗をとり、パワースペクトルを生成する(ステップS006)。
【0067】
フレーム積算部53は、複数のFFTフレームにわたってパワースペクトルを積算することにより、平均化を行う(ステップS005)。相関処理部54は、積算されたパワースペクトルと検出用パターンとの相関計算を行い、相関パターンを得る(ステップS007)。ピーク検出部56は、相関パターンのピーク位置を、パワースペクトルの中心の位置であるものとし、当該ピーク位置とDC位置とのずれを周波数オフセット量として推定する(ステップS008)。
【0068】
以上で、図12のフローチャートが示す受信装置1の動作が終了する。なお、状の変形例における受信装置1aの動作も基本的に同様である。
【0069】
以上説明したように、本発明の実施形態における受信装置1、及び本発明の実施形態の変形例における受信装置1aは、受信信号のパワースペクトル又は振幅スペクトルと検出用パターンとの相関を計算することによって得られる相関パターンのピーク位置を検出することにより、周波数オフセット量を推定する。受信装置1及び受信装置1aは、シングルキャリア変調の場合には、パワースペクトル又は振幅スペクトルのロールオフ(スペクトルエッジ)を検出することを意図した波形パターンを検出用パターンとして用いる。また、受信装置1及び受信装置1aは、マルチキャリア変調の場合には、サブキャリア間のディップ(スペクトルギャップ)及び受信信号の両端のロールオフ(スペクトルエッジ)のうち少なくとも一方を検出することを意図した波形パターンを検出用パターンとして用いる。例えば、受信装置1及び受信装置1aは、パワースペクトル又は振幅スペクトルの包絡線波形が二階微分されて符号反転された波形、又は当該波形に近似した関数を、検出用パターンとして用いる。
【0070】
このような構成を備えることにより、本発明の実施形態における受信装置1、及び本発明の実施形態の変形例における受信装置1aは、光ファイバ伝送によって変化することがないパワースペクトルの形状を利用して、周波数オフセット量の推定を行う。これにより、受信装置1及び受信装置1aは、光ファイバ伝送によってもたらされる波長分散及び偏波モード分散等の信号歪が補償されていない受信信号を用いても周波数オフセットの推定及び補償を行うことができる。よって、受信装置1及び受信装置1aは、信号歪を補償する信号処理に先立って周波数オフセットの推定及び補償を行うことができる。
【0071】
上述した実施形態によれば、周波数オフセット推定装置は、相関処理部と、推定部とを備える。例えば、周波数オフセット推定装置は、実施形態における周波数オフセット推定部50及び周波数オフセット推定部50aであり、相関処理部は、実施形態における相関処理部54であり、推定部は、実施形態におけるピーク検出部56である。相関処理部は、受信信号のパワースペクトル又は当該パワースペクトルに基づく振幅スペクトルを示す受信信号スペクトルと、所定の波形パターンである検出用パターンと、に基づいて、受信信号スペクトルと検出用パターンとの相関を示す波形パターンである相関パターンを得る。推定部は、相関処理部によって得られた相関パターンのピーク位置に基づいて周波数オフセット量を推定する。
【0072】
上記の検出用パターンは、受信信号がシングルキャリア信号の場合には受信信号のスペクトルエッジを検出するための波形パターンである。また、受信信号がマルチキャリア信号の場合には受信信号のスペクトルエッジ及び受信信号のサブキャリア間のスペクトルギャップのうち少なくとも一方を検出するための波形パターンである。
【0073】
なお、上記の検出用パターンは、受信信号スペクトルの期待値の二階微分を用いて生成された波形パターン、又は前記波形パターンに近似する矩形形状のパターンであってもよい。
【0074】
なお、上記のスペクトルエッジを検出するための検出用パターンは、ガウス関数の1次導関数に基づくエルミートウェーブレットに基づいて生成された波形パターンであってもよい。また、上記のスペクトルギャップを検出するための前記検出用パターンは、ガウス関数の2次導関数に基づくエルミートウェーブレットに基づいて生成された波形パターンであってもよい。
【0075】
なお、上記の検出用パターンは、エルミートウェーブレットに基づいて生成された波形パターンに近似する矩形形状の波形パターンであってもよい。
【0076】
上述した各実施形態における受信装置1及び受信装置1aの一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0077】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1,1a…受信装置,10…LOレーザ,20…コヒーレントOE変換部,40-1,40-2…FFT演算部,50,50a…周波数オフセット推定部,51-1,51-2…FFT演算部,52-1,52-2…絶対値演算部,53…フレーム積算部,54…相関処理部,55…検出用パターン記憶部,56…ピーク検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12