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7636740三次元モデル生成方法および三次元モデル生成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】三次元モデル生成方法および三次元モデル生成システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/55 20170101AFI20250219BHJP
   E01D 22/00 20060101ALI20250219BHJP
   G01C 15/00 20060101ALI20250219BHJP
【FI】
G06T7/55
E01D22/00 Z
G01C15/00 104Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021002114
(22)【出願日】2021-01-08
(65)【公開番号】P2022107269
(43)【公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】505466295
【氏名又は名称】株式会社イクシス
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】山崎 文敬
(72)【発明者】
【氏名】狩野 高志
(72)【発明者】
【氏名】近藤 岳史
(72)【発明者】
【氏名】青木 峻二
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-197949(JP,A)
【文献】特開2020-165778(JP,A)
【文献】特開2018-063162(JP,A)
【文献】特開2017-142185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/55
E01D 22/00
G01C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋梁の三次元モデルを生成する三次元モデル生成方法であって、
複数のターゲットマーカを前記橋梁に配置するマーカ配置工程と、
前記マーカ配置工程において配置された前記複数のターゲットマーカについて、現実空間における座標を測量する測量工程と、
前記橋梁の下面側に取り付けたロボットに搭載したレーザースキャナが、前記橋梁をスキャンするスキャン工程と、
ドローンに搭載したカメラが、前記橋梁を撮影して複数の撮影画像を得る撮影工程と、
コンピュータが、前記撮影工程において撮影された前記複数の撮影画像に基づいて第一の三次元点群データを生成するフォトグラメトリ工程と、
前記コンピュータが、前記フォトグラメトリ工程において生成された前記第一の三次元点群データと、前記スキャン工程におけるスキャンの結果として得られる第二の三次元点群データと、を結合して前記橋梁の三次元モデルを生成するモデル生成工程と、
を備え、
前記マーカ配置工程において前記橋梁に設けられる前記複数のターゲットマーカは、前記スキャン工程において前記レーザースキャナによってスキャンされるスキャン範囲および前記撮影工程において前記カメラによって撮影される撮影範囲のそれぞれに配置されており、
前記モデル生成工程において、前記コンピュータが、前記第一の三次元点群データに含まれる前記ターゲットマーカに対応する点群および前記第二の三次元点群データに含まれる前記ターゲットマーカに対応する点群を、前記測量工程において測量された座標に基づいて仮想空間にマッピングすることによって前記第一の三次元点群データおよび前記第二の三次元点群データを結合する、
ことを特徴とする三次元モデル生成方法。
【請求項2】
前記スキャン工程に用いる前記ロボットは、前記橋梁を構成する複数の主桁のうち第一の主桁と第二の主桁とに跨がって取り付けられるものであり、
前記ロボットに搭載される前記レーザースキャナは、前記第一の主桁と前記第二の主桁とに挟まれる空間をスキャン可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の三次元モデル生成方法。
【請求項3】
前記スキャン工程に用いる前記ロボットは、
前記レーザースキャナを移動させる機構部を有しており、
搭載している前記レーザースキャナが前記第一の主桁および前記第二の主桁の下フランジの下面をスキャン可能な位置まで、前記レーザースキャナを下降可能である、
ことを特徴とする請求項2に記載の三次元モデル生成方法。
【請求項4】
前記スキャン工程に用いる前記ロボットは、前記橋梁の橋軸方向に移動可能な移動式ロボットであり、
前記スキャン工程は、
前記ロボットが所定位置まで移動する工程と、
前記ロボットが前記所定位置で静止し、前記レーザースキャナが前記第一の主桁と前記第二の主桁とに挟まれる空間をスキャンする工程と、
を交互に繰り返す、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の三次元モデル生成方法。
【請求項5】
前記モデル生成工程において生成された三次元モデルを、ユーザが視認可能な形式で出力手段が出力する出力工程を備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の三次元モデル生成方法。
【請求項6】
橋梁の三次元モデルを生成する三次元モデル生成システムであって、
前記橋梁に設けられ、現実空間における座標が測量されている複数のターゲットマーカと、
前記橋梁の下面側に取り付けたロボットと、
前記ロボットに搭載され、前記橋梁をスキャンするレーザースキャナと、
ドローンと、
前記ドローンに搭載され、前記橋梁を撮影して複数の撮影画像を得るカメラと、
前記カメラによって撮影された前記複数の撮影画像に基づいて第一の三次元点群データを生成し、前記第一の三次元点群データと前記レーザースキャナによるスキャンの結果として得られる第二の三次元点群データとを結合して前記橋梁の三次元モデルを生成するコンピュータと、
を備え、
前記複数のターゲットマーカは、前記レーザースキャナによってスキャンされるスキャン範囲および前記カメラによって撮影される撮影範囲のそれぞれに配置されており、
前記コンピュータが、前記第一の三次元点群データに含まれる前記ターゲットマーカに対応する点群および前記第二の三次元点群データに含まれる前記ターゲットマーカに対応する点群を、測量された座標に基づいて仮想空間にマッピングすることによって前記第一の三次元点群データおよび前記第二の三次元点群データを結合する、
ことを特徴とする三次元モデル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元モデル生成および三次元モデル生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
主桁上にコンクリート床版を設置している橋梁において床版が老朽化した場合、同床版を主桁から撤去して新しい床版を設置することが必要になる。このとき、新しい床版とは工場で製作されたプレキャスト床版であり、橋軸方向に複数枚配列することによって新しい道路橋を構築する施工方法がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-264040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に例示するような施工方法を実施する場合、プレキャスト床版を既設の主桁上に乗せて、前後の路面高と調整しながら、主桁の上フランジと床版間にモルタルを詰めて施工する。
既設の床版は、現場でコンクリートを打設したものであるため、設計図面と全く同じ寸法とはなっていない。従って、既設床版の取替工事をする場合、施工前後で路面高を合わせるためには、その床版を外す前に各所の寸法や標高値を計測し、その計測結果に合わせてプレキャスト床版を製作する必要がある。その際に既設橋梁の正確な寸法や標高値を計測する必要があるが、上面は供用中であるため交通規制が必要になること、下面は高所、河川上、および道路上などの橋梁下の地盤上から計測できない場合は足場が必要になることなどの課題がある。
【0005】
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、床版の取替工事をする際に、床版を取り外すことなく橋梁の所望の寸法を計測することができる三次元モデルを生成する三次元モデル生成方法等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、橋梁の三次元モデルを生成する三次元モデル生成方法であって、複数のターゲットマーカを前記橋梁に配置するマーカ配置工程と、前記マーカ配置工程において配置された前記複数のターゲットマーカについて、現実空間における座標を測量する測量工程と、前記橋梁の下面側に取り付けたロボットに搭載したレーザースキャナが、前記橋梁をスキャンするスキャン工程と、ドローンに搭載したカメラが、前記橋梁を撮影して複数の撮影画像を得る撮影工程と、コンピュータが、前記撮影工程において撮影された前記複数の撮影画像に基づいて第一の三次元点群データを生成するフォトグラメトリ工程と、前記コンピュータが、前記フォトグラメトリ工程において生成された前記第一の三次元点群データと、前記スキャン工程におけるスキャンの結果として得られる第二の三次元点群データと、を結合して前記橋梁の三次元モデルを生成するモデル生成工程と、を備え、前記マーカ配置工程において前記橋梁に設けられる前記複数のターゲットマーカは、前記スキャン工程において前記レーザースキャナによってスキャンされるスキャン範囲および前記撮影工程において前記カメラによって撮影される撮影範囲のそれぞれに配置されており、前記モデル生成工程において、前記コンピュータが、前記第一の三次元点群データに含まれる前記ターゲットマーカに対応する点群および前記第二の三次元点群データに含まれる前記ターゲットマーカに対応する点群を、前記測量工程において測量された座標に基づいて仮想空間にマッピングすることによって前記第一の三次元点群データおよび前記第二の三次元点群データを結合する、ことを特徴とする三次元モデル生成方法が提供される。
【0007】
本発明によれば、橋梁の三次元モデルを生成する三次元モデル生成方法であって、複数のターゲットマーカを前記橋梁に配置するマーカ配置工程と、前記橋梁の下面側に取り付けたロボットに搭載したレーザースキャナが、前記橋梁をスキャンするスキャン工程と、ドローンに搭載したカメラが、前記橋梁を撮影して複数の撮影画像を得る撮影工程と、コンピュータが、前記撮影工程において撮影された前記複数の撮影画像に基づいて第一の三次元点群データを生成するフォトグラメトリ工程と、前記コンピュータが、前記フォトグラメトリ工程において生成された前記第一の三次元点群データと、前記スキャン工程におけるスキャンの結果として得られる第二の三次元点群データと、を結合して前記橋梁の三次元モデルを生成するモデル生成工程と、を備え、前記マーカ配置工程において配置される前記複数のターゲットマーカには、前記スキャン工程において前記レーザースキャナによってスキャンされるスキャン範囲および前記撮影工程において前記カメラによって撮影される撮影範囲が重複する位置であって且つ前記橋梁の下面側に配置される共通ターゲットマーカが含まれており、前記モデル生成工程において、前記コンピュータが、前記第一の三次元点群データに含まれる前記共通ターゲットマーカに対応する点群および前記第二の三次元点群データに含まれる前記共通ターゲットマーカに対応する点群を、仮想空間において同じ位置にマッピングすることによって前記第一の三次元点群データおよび前記第二の三次元点群データを結合する、ことを特徴とする三次元モデル生成方法が提供される。
【0008】
本発明によれば、橋梁の三次元モデルを生成する三次元モデル生成システムであって、前記橋梁に設けられ、現実空間における座標が測量されている複数のターゲットマーカと、前記橋梁の下面側に取り付けたロボットと、前記ロボットに搭載され、前記橋梁をスキャンするレーザースキャナと、ドローンと、前記ドローンに搭載され、前記橋梁を撮影して複数の撮影画像を得るカメラと、前記カメラによって撮影された前記複数の撮影画像に基づいて第一の三次元点群データを生成し、前記第一の三次元点群データと前記レーザースキャナによるスキャンの結果として得られる第二の三次元点群データとを結合して前記橋梁の三次元モデルを生成するコンピュータと、を備え、前記複数のターゲットマーカは、前記レーザースキャナによってスキャンされるスキャン範囲および前記カメラによって撮影される撮影範囲のそれぞれに配置されており、前記コンピュータが、前記第一の三次元点群データに含まれる前記ターゲットマーカに対応する点群および前記第二の三次元点群データに含まれる前記ターゲットマーカに対応する点群を、測量された座標に基づいて仮想空間にマッピングすることによって前記第一の三次元点群データおよび前記第二の三次元点群データを結合する、ことを特徴とする三次元モデル生成システムが提供される。
【0009】
本発明によれば、橋梁の三次元モデルを生成する三次元モデル生成システムであって、前記橋梁に設けられる複数のターゲットマーカと、前記橋梁の下面側に取り付けたロボットと、前記ロボットに搭載され、前記橋梁をスキャンするレーザースキャナと、ドローンと、前記ドローンに搭載され、前記橋梁を撮影して複数の撮影画像を得るカメラと、前記カメラによって撮影された前記複数の撮影画像に基づいて第一の三次元点群データを生成し、前記第一の三次元点群データと前記レーザースキャナによるスキャンの結果として得られる第二の三次元点群データとを結合して前記橋梁の三次元モデルを生成するコンピュータと、を備え、前記複数のターゲットマーカには、前記レーザースキャナによってスキャンされるスキャン範囲および前記カメラによって撮影される撮影範囲が重複する位置であって且つ前記橋梁の下面側に配置される共通ターゲットマーカが含まれており、前記コンピュータが、前記第一の三次元点群データに含まれる前記共通ターゲットマーカに対応する点群および前記第二の三次元点群データに含まれる前記共通ターゲットマーカに対応する点群を、仮想空間において同じ位置にマッピングすることによって、前記第一の三次元点群データおよび前記第二の三次元点群データを結合する、ことを特徴とする三次元モデル生成システムが提供される。
【0010】
上記の各種発明は、航空機に搭載したカメラによる撮影画像を用いてフォトグラメトリによって生成された第一の三次元点群データと、橋梁の下面側に取り付けたロボットに搭載したレーザースキャナによる橋梁のスキャン結果である第二の三次元点群データと、を高精度に結合することによって、橋梁の三次元モデルを生成することができる。
従って、橋梁の床版を取り外すことなく、橋梁の各所寸法を計測することができ、既設橋梁の通行止めと足場の設置を必要としない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、既設の床版取替工事をする際に、床版を取り外すことなく橋梁の所望の寸法を計測し、その計測結果に基づいて三次元モデルを生成する三次元モデル生成方法等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】三次元モデル生成システムの構成図である。
図2】計測対象の橋梁の下面側を示す模式図である。
図3】本発明の実施手順に係るフローチャートである。
図4】三次元モデルの表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0014】
<三次元モデル生成システム100の概要>
まず、図1を用いて、三次元モデル生成システム100の概要について説明する。
図1は、三次元モデル生成システム100の構成図である。
【0015】
三次元モデル生成システム100は、計測対象となる橋梁HBの三次元モデルを生成するものである。以下の説明において、橋梁HBは、道路橋であることを前提として説明するが、その種別は道路橋に限られず、他の種別の橋梁に適用してもよい。
橋梁HBは、4つの主桁(主桁MG1、主桁MG2、主桁MG3、主桁MG4)の上に床版FSが取り付けられ、床版FSの上にアスファルト等で敷き固められた舗装面Pと、舗装面P上を走行する自動車などが転落することを防ぐ壁高欄GFと、から構成される。
なお、図1では4つの主桁を図示したが、本発明は少なくとも2つ以上の主桁を有する橋梁に対して適用可能であり、主桁の数は図示した例に限られない。
【0016】
三次元モデル生成システム100は、ロボット110と、ロボット110に搭載されるレーザースキャナ120と、航空機130と、航空機130に搭載されるカメラ140と、橋梁HBの三次元モデルを生成するコンピュータ150と、を備える。
【0017】
ロボット110は橋梁HBの下面側に取り付けられ、ロボット110に搭載されるレーザースキャナ120は橋梁HB(主に橋梁HBの下面側)をスキャンする。
ロボット110は、橋梁HBを構成する複数の主桁MG1~MG4のうち隣接する2つの主桁(図1に図示する例によれば主桁MG1と主桁MG2)に跨がって取り付けられ、橋梁HB(取り付けた主桁)の橋軸方向に移動可能な移動式ロボットである。具体的には、ロボット110は、主桁MG1の下フランジに当接する車輪を有する懸垂台車111と、主桁MG2の下フランジに当接する車輪を有する懸垂台車112と、によって橋梁HBに吊り下がってる。
なお、ロボット110の移動制御は、ユーザによる操作に応じて実現されるものであってもよいし、ロボット110による自律的な演算処理によって実現されるものであってもよいし、これらを組合せた手法によって実現されるものであってもよい。
また、ロボット110は、レーザースキャナ120を移動させる機構部113を有しており、搭載しているレーザースキャナ120が主桁MG1と主桁MG2の下フランジの下面をスキャン可能な位置まで、レーザースキャナ120を下降可能である。なお、図1では、機構部113がレーザースキャナ120を高さ方向(上下方向)に移動可能であることを図示しているが、橋梁HBに対して橋軸直角方向(懸垂台車111と懸垂台車112との間にわたって設けられるレール方向)に移動可能であってもよい。
レーザースキャナ120は、ロボット110の移動位置から橋梁HBの下面側をスキャンすることによって、主桁MG1と主桁MG2に挟まれる空間をスキャン可能である。ここで、レーザースキャナ120は不図示の内蔵カメラを有しており、スキャンした結果として得られる三次元点群データを構成する各点データは、内蔵カメラによる撮影に基づいて与えられる色情報が含まれており、レーザースキャナ120は、橋梁HBの下面側について、カラーの三次元点群データを生成することができる。
【0018】
航空機130は、橋梁HBの周辺(上面側と側面側)を飛行させる飛行体であり、ユーザの操作に応じてリモートコントロールされる無人航空機(いわゆるドローン)であることが好ましい。
カメラ140は、主に橋梁HBの上面側と側面側を撮影して複数の撮影画像を得る。
カメラ140によって撮影される撮影画像は、後述するフォトグラメトリに用いられるものであり、フォトグラメトリによって再現される三次元モデルの精度を高めるという観点から、可能な限り高画素とすることが好ましい。
【0019】
コンピュータ150は、レーザースキャナ120およびカメラ140と直接的にまたは間接的に通信可能に接続されており、レーザースキャナ120によるスキャンの結果と、カメラ140によって撮影された複数の撮影画像と、を入力することができる。
コンピュータ150は、フォトグラメトリを実現可能なアプリケーションソフトがインストールされており、カメラ140によって撮影された複数の撮影画像に基づいて得られる三次元点群データ(以下、第一の三次元点群データと称する)を生成することができる。ここでフォトグラメトリとは、被写体となる物体(本実施形態では橋梁HB)を多方向から撮影して得られる多数の撮影画像を画像解析して、その物体を仮想空間において三次元に表す技術をいう。
コンピュータ150は、上述したフォトグラメトリによって生成される第一の三次元点群データと、レーザースキャナ120によるスキャンの結果として得られる三次元点群データ(以下、第二の三次元点群データと称する)と、を結合して橋梁HBの三次元モデルを生成する。
なお、図1にはコンピュータ150が単独の装置であるように図示しているが、本発明の実施はこの態様に限られず、複数の装置を組み合わせて上記の処理が実現されてもよい。例えば、カメラ140によって撮影された複数の撮影画像を用いたフォトグラメトリによって第一の三次元点群データを生成するコンピュータと、第一の三次元点群データと第二の三次元点群データとを結合するコンピュータと、が別々であってもよい。
【0020】
ここで、コンピュータ150は、橋梁HBに設けた複数のターゲットマーカを基準として第一の三次元点群データと第二の三次元点群データとの結合を行うことを特徴とする。ここで、ターゲットマーカのそれぞれは、現実空間に設けられるものであるため、その位置を正確に測量することができる。
この特徴により、コンピュータ150は、異質な手法(レーザースキャナ120によるスキャンおよびカメラ140による撮影画像のフォトグラメトリ)によって生成された三次元点群データどうしを、高い精度で橋梁HBの形状を三次元モデルとして再現することができ、各部材の位置関係を正確に計測することができる。また、上記の手法はいずれも橋梁HBから床版FSを取り外すことなく実施可能である。
【0021】
<ターゲットマーカについて>
次に、図2を用いて、上述したターゲットマーカについて説明する。
図2は、計測対象の橋梁HBの下面側を示す模式図である。
なお、図2に図示するターゲットマーカの数や配置は一具体例に過ぎず、本発明の目的を達成する範囲において適宜変更可能である。また、本実施形態では、専用のターゲットマーカを設けることを前提として説明するが、橋梁HBを構成する部材のいずれか(特徴的な形状を有するもの)をターゲットマーカとして代用してもよい。
【0022】
橋梁HBの側面のうち一方には、ターゲットマーカTM1およびターゲットマーカTM2が配置される。また、橋梁HBの側面のうち他方には、ターゲットマーカTM6およびターゲットマーカTM7が配置される。
上述したように、本実施形態における航空機130は、橋梁HBの上面側と側面側を飛行するものであるため、この4つのターゲットマーカが、航空機130に搭載されているカメラ140による撮影範囲に配置されているターゲットマーカに該当する。
【0023】
橋梁HBの下面には、ターゲットマーカTM3、ターゲットマーカTM4およびターゲットマーカTM5が配置される。
上述したように、本実施形態におけるロボット110は、橋梁HBの下面側に吊り下がって橋軸に沿って移動するものであるため、この3つのターゲットマーカが、ロボット110に搭載されているレーザースキャナ120によるスキャン範囲に配置されているターゲットマーカに該当する。レーザースキャナ120によって橋梁HBを三次元計測するためには、スキャン範囲に少なくとも3つ以上のターゲットマーカを配置させる必要があり、図2では、最小限の数のターゲットマーカを例示している。
【0024】
上記のターゲットマーカは、それぞれの位置関係が明確となるように、現実空間における位置が正確に測量されていることが望ましい。カメラ140の撮影範囲に配置されているターゲットマーカと、レーザースキャナ120のスキャン範囲に配置されているターゲットマーカと、の相対的な位置関係の測量精度が、第一の三次元点群データと第二の三次元点群データの結合精度に影響するからである。
そして、フォトグラメトリを適用してマッピングする(第一の三次元点群データを生成する)際には、コンピュータ150が、複数の撮影画像の一部に撮影されているターゲットマーカに対して、上記の測量によって予め定められた位置を基準位置として与え、ターゲットマーカが撮影されていない撮影画像に撮影されている被写体を当該基準位置に基づいて仮想空間にマッピングすることが好ましい。フォトグラメトリの欠点である大量の画像結合によって生じる結合データの歪みを解消し、マッピング精度の向上を図ることができるからである。
【0025】
<本発明の実施手順について>
次に、図3を用いて、三次元モデル生成システム100を活用することによって実現される三次元モデル生成方法について説明する。
図3は、本発明の実施手順に係るフローチャートである。
【0026】
ステップS110は、複数のターゲットマーカを橋梁HBに配置する工程であり、本発明に係るマーカ配置工程に相当する。
ステップS110において橋梁HBに設けるターゲットマーカは、上述したように、第一の三次元点群データと第二の三次元点群データとの結合の基準になるものであるため、カメラ140による撮影範囲およびレーザースキャナ120によるスキャン範囲のそれぞれに配置される必要がある。
【0027】
ステップS120は、ステップS110において配置された複数のターゲットマーカについて、現実空間における座標を測量する工程であり、本発明に係る測量工程に相当する。
【0028】
ステップS130は、橋梁HBの下面側に取り付けたロボット110に搭載したレーザースキャナ120が、橋梁HBをスキャンする工程であり、本発明に係るスキャン工程に相当する。
ステップS140は、航空機130に搭載したカメラ140が、橋梁HBを撮影して複数の撮影画像を得る工程であり、本発明に係る撮影工程に相当する。
なお、図3では、ステップS130を行った後にステップS140を行う順序を図示しているが、ステップS140を行った後にステップS130を行う順序によって本発明が実施されてもよいし、ステップS130とステップS140が並行して行われることによって本発明が実施されてもよい。
【0029】
上述したように、ステップS130に用いるロボット110は、橋梁HBを構成する複数の主桁のうち第一の主桁と第二の主桁(例えば主桁MG1と主桁MG2)とに跨がって取り付けられるものである。
これにより、搭載しているレーザースキャナ120が第一の主桁及び第二の主桁(例えば主桁MG1と主桁MG2)に挟まれる空間をスキャン可能である。当該空間は、航空機130が安定的に飛行し難い空間であるため、フォトグラメトリによる三次元モデル化を可能とする程度に撮影画像を得ることが困難である。しかしながら、ロボット110とレーザースキャナ120を活用することによって、レーザースキャナ120によるスキャンによって当該空間内の三次元モデル化を図ることができる。
【0030】
また、上述したように、ステップS130に用いるロボット110は、レーザースキャナ120を移動させる機構部113を有しており、搭載しているレーザースキャナ120が第一の主桁及び第二の主桁の下フランジの下面をスキャン可能な位置まで、レーザースキャナ120を下降可能である。
これにより、レーザースキャナ120は、橋梁HBの下面側を広く(主桁の下フランジの下面を含めて)スキャンすることができる。
【0031】
また、上述したように、ステップS130に用いるロボット110は橋梁HBの橋軸方向に移動可能な移動式ロボットである。そして、図3では簡略的に図示しているが、当該工程は、ロボット110が所定位置まで移動する工程と、ロボット110が所定位置で静止し、レーザースキャナ120が第一の主桁と第二の主桁に挟まれる空間をスキャンする工程と、を計測対象となる全範囲をスキャンするまで、それぞれを交互に繰り返すものである。
レーザースキャナ120は、正確な計測を行うには、スキャン中に安定的に静止させる必要があり、上記のように移動と静止を繰り返すロボット110への搭載が好適である。
【0032】
ステップS150は、コンピュータ150が、ステップS140において撮影された複数の撮影画像に基づいて第一の三次元点群データを生成する工程であり、本発明に係るフォトグラメトリ工程に相当する。
ステップS160は、コンピュータ150が、ステップS110におけるスキャンの結果として得られる第二の三次元点群データと、ステップS120において撮影された複数の撮影画像に基づいて得られる第一の三次元点群データと、を結合して橋梁HBの三次元モデルを生成する工程であり、本発明に係るモデル生成工程に相当する。
【0033】
ステップS160の処理について、より詳細に説明する。
上述したように、カメラ140による撮影画像を用いたフォトグラメトリによって得られる第一の三次元点群データと、レーザースキャナ120によるスキャンの結果として得られる第二の三次元点群データは、本来的には異質なデータであり、指標となる情報がなければ、同一の仮想空間にマッピングすることが困難である。そこで、本実施形態では、それぞれの三次元点群データを仮想空間にマッピングするにあたって、ターゲットマーカの現実空間における座標に基づいて、当該ターゲットマーカに対応する点群をマッピングし、ターゲットマーカ以外を表す点群はターゲットマーカに対応する点群を基準としてマッピングすることによって、全ての点群を正確にマッピングすることができる。
これにより、第一の三次元点群データおよび第二の三次元点群データを、実際の橋梁HBの形状に近い形状となるように結合することができる。
【0034】
ステップS170は、ステップS160において生成された三次元モデルを、ユーザが視認可能な形式で出力手段(例えば、コンピュータ150の表示画面)が出力する工程であり、本発明に係る出力工程に相当する。
なお、上記のステップS170(出力工程)における出力手段は、本実施形態のように表示出力するデバイス(ディスプレイ装置)に限られず、印字出力するディスプレイ(プリンタ装置)であってもよい。
【0035】
図4は、三次元モデルの表示画面を示す図である。
なお、表示画面に表示される三次元モデルは、第一の三次元点群データと第二の三次元点群データの結合データそのもの(テクスチャ無しの三次元モデル)であってもよいし、当該結合データにテクスチャを付したもの(テクスチャ有りの三次元モデル)であってもよい。
また、図4に例示する三次元モデルの表示態様は一具体例であり、当該三次元モデルを回転表示することによって様々な角度から橋梁HBの形状を視認したり、当該三次元モデルを任意の断面(例えば、図4の破線TSで示される断面)で切断した表示態様とすることによってその断面形状を視認したり、することが可能であってもよい。
【0036】
上記のように生成された三次元モデルは、橋梁HBの形状を高精度で再現するものであるため、橋梁HBの床版FSを取り外すことなく、橋梁HBの細部まで寸法を計測することができるようになる。
【0037】
<変形例>
上述の実施形態は、上述の説明に限定されるものではなく、種々の変形、改良等が可能である。
【0038】
本発明に係る三次元モデル生成システムは、図1に図示した構成に限られず、本発明の目的を達成する範囲において構成を省いたり、不図示の構成が追加されたり、してもよい。
【0039】
図3に図示したフローチャートの手順は、本発明の目的を達成する範囲において一部の工程が省かれてもよいし、不図示の工程が追加されてもよい。
【0040】
本発明の実施に用いられるロボット110の形状や移動制御については、上述の実施形態に説明した態様に限られず、本発明の目的を達成する範囲において適宜変更可能である。
【0041】
上述の実施形態において、レーザースキャナ120によるスキャン範囲に配置されているターゲットマーカと、カメラ140による撮影範囲に配置されているターゲットマーカと、が互いに相違する(重複するターゲットマーカが存在しない)状況における本発明の実施例を例示したが、本発明の実施はこれに限られない。すなわち、上記のスキャン範囲と撮影範囲の重複が許容される状況であって、その重複位置に配置されるターゲットマーカ(以下、共通ターゲットマーカと称する)が存在する場合においては、共通ターゲットマーカを基準として第一の三次元点群データと第二の三次元点群データとを結合することが好ましい。このとき、共通ターゲットマーカの現実空間における座標を測量することは、必ずしも必要ではない。なぜならば、第一の三次元点群データに含まれる共通ターゲットマーカに対応する点群および第二の三次元点群データに含まれる共通ターゲットマーカに対応する点群を、仮想空間において同じ位置にマッピングすることによって、或る程度の精度で第一の三次元点群データと第二の三次元点群データとを結合することができるからである。
ただし、この変形例によって本発明を実施する場合であっても、それぞれのターゲットマーカの現実空間における座標を測量し、第一の三次元点群データと第二の三次元点群データとを結合する際に、それぞれの三次元点群データに含まれるターゲットマーカのマッピングに測量した座標を反映させることが好ましく、図3のステップS120に相当する工程(測量工程)が実行されると良い。
【0042】
上記の変形例に係る三次元モデル生成方法は、複数のターゲットマーカを橋梁に配置するマーカ配置工程と、橋梁の下面側に取り付けたロボットに搭載したレーザースキャナが、橋梁をスキャンするスキャン工程と、航空機に搭載したカメラが、橋梁を撮影して複数の撮影画像を得る撮影工程と、コンピュータが、撮影工程において撮影された複数の撮影画像に基づいて第一の三次元点群データを生成するフォトグラメトリ工程と、コンピュータが、フォトグラメトリ工程において生成された第一の三次元点群データと、スキャン工程におけるスキャンの結果として得られる第二の三次元点群データと、を結合して橋梁の三次元モデルを生成するモデル生成工程と、を備え、マーカ配置工程において配置される複数のターゲットマーカには、スキャン工程においてレーザースキャナによってスキャンされるスキャン範囲および撮影工程においてカメラによって撮影される撮影範囲が重複する位置に配置される共通ターゲットマーカが含まれており、モデル生成工程において、コンピュータが、第一の三次元点群データに含まれる共通ターゲットマーカに対応する点群および第二の三次元点群データに含まれる共通ターゲットマーカに対応する点群を、仮想空間において同じ位置にマッピングすることによって第一の三次元点群データおよび第二の三次元点群データを結合する、三次元モデル生成方法であると表現することができる。
また、上記の変形例に係る三次元モデル生成システムは、橋梁に設けられる複数のターゲットマーカと、橋梁の下面側に取り付けたロボットと、ロボットに搭載され、橋梁をスキャンするレーザースキャナと、航空機と、航空機に搭載され、橋梁を撮影して複数の撮影画像を得るカメラと、カメラによって撮影された複数の撮影画像に基づいて第一の三次元点群データを生成し、第一の三次元点群データとレーザースキャナによるスキャンの結果として得られる第二の三次元点群データとを結合して橋梁の三次元モデルを生成するコンピュータと、を備え、複数のターゲットマーカには、レーザースキャナによってスキャンされるスキャン範囲およびカメラによって撮影される撮影範囲が重複する位置に配置される共通ターゲットマーカが含まれており、コンピュータが、第一の三次元点群データに含まれる共通ターゲットマーカに対応する点群および第二の三次元点群データに含まれる共通ターゲットマーカに対応する点群を、仮想空間において同じ位置にマッピングすることによって、第一の三次元点群データおよび第二の三次元点群データを結合する、三次元モデル生成システムであると表現することができる。
【0043】
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)橋梁の三次元モデルを生成する三次元モデル生成方法であって、複数のターゲットマーカを前記橋梁に配置するマーカ配置工程と、前記マーカ配置工程において配置された前記複数のターゲットマーカについて、現実空間における座標を測量する測量工程と、前記橋梁の下面側に取り付けたロボットに搭載したレーザースキャナが、前記橋梁をスキャンするスキャン工程と、航空機に搭載したカメラが、前記橋梁を撮影して複数の撮影画像を得る撮影工程と、コンピュータが、前記撮影工程において撮影された前記複数の撮影画像に基づいて第一の三次元点群データを生成するフォトグラメトリ工程と、前記コンピュータが、前記フォトグラメトリ工程において生成された前記第一の三次元点群データと、前記スキャン工程におけるスキャンの結果として得られる第二の三次元点群データと、を結合して前記橋梁の三次元モデルを生成するモデル生成工程と、を備え、前記マーカ配置工程において前記橋梁に設けられる前記複数のターゲットマーカは、前記スキャン工程において前記レーザースキャナによってスキャンされるスキャン範囲および前記撮影工程において前記カメラによって撮影される撮影範囲のそれぞれに配置されており、前記モデル生成工程において、前記コンピュータが、前記第一の三次元点群データに含まれる前記ターゲットマーカに対応する点群および前記第二の三次元点群データに含まれる前記ターゲットマーカに対応する点群を、前記測量工程において測量された座標に基づいて仮想空間にマッピングすることによって前記第一の三次元点群データおよび前記第二の三次元点群データを結合する、ことを特徴とする三次元モデル生成方法。
(2)橋梁の三次元モデルを生成する三次元モデル生成方法であって、複数のターゲットマーカを前記橋梁に配置するマーカ配置工程と、前記橋梁の下面側に取り付けたロボットに搭載したレーザースキャナが、前記橋梁をスキャンするスキャン工程と、航空機に搭載したカメラが、前記橋梁を撮影して複数の撮影画像を得る撮影工程と、コンピュータが、前記撮影工程において撮影された前記複数の撮影画像に基づいて第一の三次元点群データを生成するフォトグラメトリ工程と、前記コンピュータが、前記フォトグラメトリ工程において生成された前記第一の三次元点群データと、前記スキャン工程におけるスキャンの結果として得られる第二の三次元点群データと、を結合して前記橋梁の三次元モデルを生成するモデル生成工程と、を備え、前記マーカ配置工程において配置される前記複数のターゲットマーカには、前記スキャン工程において前記レーザースキャナによってスキャンされるスキャン範囲および前記撮影工程において前記カメラによって撮影される撮影範囲が重複する位置に配置される共通ターゲットマーカが含まれており、前記モデル生成工程において、前記コンピュータが、前記第一の三次元点群データに含まれる前記共通ターゲットマーカに対応する点群および前記第二の三次元点群データに含まれる前記共通ターゲットマーカに対応する点群を、仮想空間において同じ位置にマッピングすることによって前記第一の三次元点群データおよび前記第二の三次元点群データを結合する、ことを特徴とする三次元モデル生成方法。
(3)前記スキャン工程に用いる前記ロボットは、前記橋梁を構成する複数の主桁のうち第一の主桁と第二の主桁とに跨がって取り付けられるものであり、前記ロボットに搭載される前記レーザースキャナは、前記第一の主桁と前記第二の主桁とに挟まれる空間をスキャン可能である、ことを特徴とする(1)または(2)に記載の三次元モデル生成方法。
(4)前記スキャン工程に用いる前記ロボットは、前記レーザースキャナを移動させる機構部を有しており、搭載している前記レーザースキャナが前記第一の主桁および前記第二の主桁の下フランジの下面をスキャン可能な位置まで、前記レーザースキャナを下降可能である、ことを特徴とする(3)に記載の三次元モデル生成方法。
(5)前記スキャン工程に用いる前記ロボットは、前記橋梁の橋軸方向に移動可能な移動式ロボットであり、前記スキャン工程は、前記ロボットが所定位置まで移動する工程と、前記ロボットが前記所定位置で静止し、前記レーザースキャナが前記第一の主桁と前記第二の主桁とに挟まれる空間をスキャンする工程と、を交互に繰り返す、ことを特徴とする(3)または(4)に記載の三次元モデル生成方法。
(6)前記モデル生成工程において生成された三次元モデルを、ユーザが視認可能な形式で出力手段が出力する出力工程を備える、(1)から(5)のいずれか一つに記載の三次元モデル生成方法。
(7)橋梁の三次元モデルを生成する三次元モデル生成システムであって、前記橋梁に設けられ、現実空間における座標が測量されている複数のターゲットマーカと、前記橋梁の下面側に取り付けたロボットと、前記ロボットに搭載され、前記橋梁をスキャンするレーザースキャナと、航空機と、前記航空機に搭載され、前記橋梁を撮影して複数の撮影画像を得るカメラと、前記カメラによって撮影された前記複数の撮影画像に基づいて第一の三次元点群データを生成し、前記第一の三次元点群データと前記レーザースキャナによるスキャンの結果として得られる第二の三次元点群データとを結合して前記橋梁の三次元モデルを生成するコンピュータと、を備え、前記複数のターゲットマーカは、前記レーザースキャナによってスキャンされるスキャン範囲および前記カメラによって撮影される撮影範囲のそれぞれに配置されており、前記コンピュータが、前記第一の三次元点群データに含まれる前記ターゲットマーカに対応する点群および前記第二の三次元点群データに含まれる前記ターゲットマーカに対応する点群を、測量された座標に基づいて仮想空間にマッピングすることによって前記第一の三次元点群データおよび前記第二の三次元点群データを結合する、ことを特徴とする三次元モデル生成システム。
(8)橋梁の三次元モデルを生成する三次元モデル生成システムであって、前記橋梁に設けられる複数のターゲットマーカと、前記橋梁の下面側に取り付けたロボットと、前記ロボットに搭載され、前記橋梁をスキャンするレーザースキャナと、航空機と、前記航空機に搭載され、前記橋梁を撮影して複数の撮影画像を得るカメラと、前記カメラによって撮影された前記複数の撮影画像に基づいて第一の三次元点群データを生成し、前記第一の三次元点群データと前記レーザースキャナによるスキャンの結果として得られる第二の三次元点群データとを結合して前記橋梁の三次元モデルを生成するコンピュータと、を備え、前記複数のターゲットマーカには、前記レーザースキャナによってスキャンされるスキャン範囲および前記カメラによって撮影される撮影範囲が重複する位置に配置される共通ターゲットマーカが含まれており、前記コンピュータが、前記第一の三次元点群データに含まれる前記共通ターゲットマーカに対応する点群および前記第二の三次元点群データに含まれる前記共通ターゲットマーカに対応する点群を、仮想空間において同じ位置にマッピングすることによって、前記第一の三次元点群データおよび前記第二の三次元点群データを結合する、ことを特徴とする三次元モデル生成システム。
【符号の説明】
【0044】
100 三次元モデル生成システム
110 ロボット
111、112 懸垂台車
113 機構部
120 レーザースキャナ
130 航空機
140 カメラ
150 コンピュータ
HB 橋梁
MG1~MG4 主桁
FS 床版
GF 壁高欄
P 舗装面
TM1~TM7 ターゲットマーカ
図1
図2
図3
図4