(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】搬送装置、パウチ製造装置およびパウチ製造方法
(51)【国際特許分類】
B65B 43/46 20060101AFI20250219BHJP
【FI】
B65B43/46 A
(21)【出願番号】P 2023559895
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 JP2022041896
(87)【国際公開番号】W WO2023085360
(87)【国際公開日】2023-05-19
【審査請求日】2024-04-25
(31)【優先権主張番号】P 2021185932
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(73)【特許権者】
【識別番号】396000020
【氏名又は名称】株式会社横浜自働機
(73)【特許権者】
【識別番号】591038657
【氏名又は名称】城南自動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】登尾 英浩
(72)【発明者】
【氏名】神長 政弘
(72)【発明者】
【氏名】輿水 博
(72)【発明者】
【氏名】古城 美将
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-206079(JP,A)
【文献】特開2014-076844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路において袋体を搬送する搬送装置であって、
前記袋体を前記搬送経路の各所で保持する第1保持部材と、
前記第1保持部材によって保持された前記袋体を、前記搬送経路の各所で前記第1保持部材から受け取って、当該袋体を保持しながら移動先の前記第1保持部材まで移動し、当該袋体を当該第1保持部材に渡
して、移動した方向と逆方向に移動して前記袋体を受け取った位置まで戻る第2保持部材と、を備えていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記第1保持部材および前記第2保持部材は、前記袋体の両面で挟持するように保持することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第1保持部材および前記第2保持部材は、前記袋体を保持する保持位置と
前記袋体を開放する開放位置との間で移動するピンであることを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の搬送装置と、
原反から前記袋体を作製する製袋装置と、
前記袋体の閉じた開口部を開く開口装置と、
開いた前記開口部から前記袋体に内容物を充填する充填装置と、
前記開口部にスパウトを装着する装着装置と、
前記スパウトが装着された前記開口部を封止する封止装置と、を備え、
前記搬送装置は、少なくとも、前記製袋装置と前記開口装置との間、前記開口装置と前記充填装置との間、前記充填装置と前記装着装置との間、および前記装着装置と前記封止装置との間において、前記第1保持部材および前記第2保持部材による前記袋体の搬送を行うことを特徴とするパウチ製造装置。
【請求項5】
前記開口装置は、前記袋体の両面を吸引することにより前記開口部を開く吸引機構を有し、
前記搬送装置は、前記開口部が開いた状態の前記袋体を前記第2保持部材によって前記充填装置に搬送することを特徴とする請求項4に記載のパウチ製造装置。
【請求項6】
搬送経路において袋体を搬送する搬送装置であって、
前記袋体を前記搬送経路の各所で保持する第1保持部材と、
前記第1保持部材によって保持された前記袋体を、前記搬送経路の各所で前記第1保持部材から受け取って、当該袋体を保持しながら移動先の前記第1保持部材まで移動し、当該袋体を当該第1保持部材に渡す第2保持部材と、を備えている搬送装置と、
原反から前記袋体を作製する製袋装置と、
前記袋体の閉じた開口部を開く開口装置と、
開いた前記開口部から前記袋体に内容物を充填する充填装置と、
前記開口部にスパウトを装着する装着装置と、
前記スパウトが装着された前記開口部を封止する封止装置と、を備え、
前記搬送装置は、少なくとも、前記製袋装置と前記開口装置との間、前記開口装置と前記充填装置との間、前記充填装置と前記装着装置との間、および前記装着装置と前記封止装置との間において、前記第1保持部材および前記第2保持部材による前記袋体の搬送を行い、
前記開口装置は、前記袋体の両面を吸引することにより前記開口部を開く吸引機構を有し、
前記搬送装置は、前記開口部が開いた状態の前記袋体を前記第2保持部材によって前記充填装置に搬送し、
前記搬送装置は、前記充填装置において、前記開口装置から搬送されてきた前記袋体を前記第1保持部材によって前記開口部が開いた状態で保持し、前記内容物が充填された前記袋体を前記開口部が開いた状態で前記第2保持部材によって前記装着装置に搬送することを特徴とす
るパウチ製造装置。
【請求項7】
原反から袋体を作製する製袋工程と、
前記袋体の閉じた開口部を開く開口工程と、
開いた前記開口部から前記袋体に内容物を充填する充填工程と、
前記開口部にスパウトを装着する装着工程と、
前記スパウトが装着された前記開口部を封止する封止工程と、を含み、
前記製袋工程から前記封止工程に至る搬送経路において、第1保持部材によって、前記袋体を前記搬送経路の各所で保持し、前記第1保持部材によって保持された前記袋体を、第2保持部材によって、前記搬送経路の各所で前記第1保持部材から受け取って、当該袋体を保持しながら移動先の前記第1保持部材まで移動し、当該袋体を当該第1保持部材に渡
して、前記第2保持部材を、前記袋体を受け取った位置まで戻るように、移動した方向と逆方向に移動させる、ことを特徴とするパウチ製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋体を搬送する搬送装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スパウト付きパウチを搬送する搬送装置には、スパウトを上側にしてパウチを吊り下げた状態で搬送するものがある。例えば、特許文献1には、スパウトに設けられたフランジを支持レールに引っ掛けることにより、パウチを吊り下げて搬送する搬送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の搬送装置では、スパウトが装着されていない状態の袋体を搬送することができないという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、スパウトによらない袋体の搬送を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る搬送装置は、搬送経路において袋体を搬送する搬送装置であって、前記袋体を前記搬送経路の各所で保持する第1保持部材と、前記第1保持部材によって保持された前記袋体を、前記搬送経路の各所で前記第1保持部材から受け取って、当該袋体を保持しながら移動先の前記第1保持部材まで移動し、当該袋体を当該第1保持部材に渡す第2保持部材と、を備えている。
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るパウチ製造装置は、上記の搬送装置と、原反から前記袋体を作製する製袋装置と、前記袋体の閉じた開口部を開く開口装置と、開いた前記開口部から前記袋体に内容物を充填する充填装置と、前記開口部にスパウトを装着する装着装置と、前記スパウトが装着された前記開口部を封止する封止装置と、を備え、前記搬送装置は、少なくとも、前記製袋装置と前記開口装置との間、前記開口装置と前記充填装置との間、前記充填装置と前記装着装置との間、および前記装着装置と前記封止装置との間において、前記第1保持部材および前記第2保持部材による前記袋体の搬送を行う。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るパウチ製造方法は、原反から袋体を作製する製袋工程と、前記袋体の閉じた開口部を開く開口工程と、開いた前記開口部から前記袋体に内容物を充填する充填工程と、前記開口部にスパウトを装着する装着工程と、前記スパウトが装着された前記開口部を封止する封止工程と、を含み、前記製袋工程から前記封止工程に至る搬送経路において、第1保持部材によって、前記袋体を前記搬送経路の各所で保持し、前記第1保持部材によって保持された前記袋体を、第2保持部材によって、前記搬送経路の各所で前記第1保持部材から受け取って、当該袋体を保持しながら移動先の前記第1保持部材まで移動し、当該袋体を当該第1保持部材に渡す。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、スパウトによらない袋体の搬送を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態1に係る搬送装置の構成を示す正面図である。
【
図2】袋体を搬送している状態の上記搬送装置を示す側面図である。
【
図3】袋体を保持している状態の上記搬送装置を示す側面図である。
【
図4】本発明の実施形態2に係るパウチ製造装置で製造されるパウチの構成を示す正面図である。
【
図5】上記パウチ製造装置の構成を示す正面図である。
【
図6】上記パウチ製造装置において袋体を開口する開口ユニットが袋体の開口部を開いた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図3を参照して詳細に説明する。
【0012】
[搬送装置の構成]
図1は、本発明の実施形態1に係る搬送装置1の構成を示す正面図である。
図2は、袋体201を搬送している状態の搬送装置1を示す側面図である。
図3は、袋体201を保持している状態の搬送装置1を示す側面図である。
【0013】
図1に示すように、搬送装置1は、後述するパウチ製造装置100の製袋部10(
図5参照)によって作成された袋体201を搬送経路Rにおいて吊り下げて一定の搬送方向に搬送する装置である。搬送装置1は、基台2と、保持機構3と、搬送機構4とを備えている。
【0014】
基台2は、フレーム21と、複数の支持脚22と、背面板23とを有している。フレーム21は、搬送装置1を含む後述するパウチ製造装置100の全体を支持するために設けられ、支持脚22によって支持されている。背面板23は、長尺の板状の部材であり、フレーム21の後端で搬送装置1の設置面から立ち上がるように配置されている。搬送装置1の主な可動部分は背面板23の前面に配置されており、当該可動部分を駆動する搬送装置1の駆動系の部分(図示せず)は背面板23の背面側に配置されている。
【0015】
保持機構3は、袋体201を搬送経路Rの各所で保持する機構である。保持機構3は、初期保持部5と、主保持部6とを有している。初期保持部5は、製袋部10(製袋装置)における後述する切断ユニット14(
図5参照)によって、連続した状態から切り分けられた袋体201を保持する。切断ユニット14は、
図1に破線にて示す2箇所の切断位置C1,C2で袋体201が連続した連続体92をシールされた部分で切断する。主保持部6は、初期保持部5に続いて、袋体201を、所定の間隔をおいて保持する。初期保持部5については、後に説明する。
【0016】
主保持部6は、第1開閉機構61と、一対の支持板62と、複数の支持部材63と、複数の第1ピン64(第1保持部材)と、間隔付与機構65とを有している。
【0017】
第1開閉機構61は、一対の対向する第1ピン64を開いたり閉じたりするように移動させる機構である。第1ピン64については、後に詳しく説明する。
図2に示すように、第1開閉機構61は、エアシリンダ611,612と、支持アーム613と、固定部材614と、移動部材615と、アングル部材616とを有している。
【0018】
エアシリンダ611はロッド611aを有している。エアシリンダ611は、ロッド611aを空気圧によりX1方向およびX2方向、すなわち搬送装置1の前後方向に移動させる。エアシリンダ611のシリンダ部分は、背面板23の前面に固定されている。
【0019】
エアシリンダ612はロッド612aを有している。エアシリンダ612は、ロッド612aを空気圧によりX1方向およびX2方向に移動させる。エアシリンダ612のシリンダ部分は、図示はしないが背面板23の背面に固定されている。
【0020】
エアシリンダ611,612は、ロッド611a,612aを互いに逆の方向に移動させる。具体的には、
図2に示すように、第1開閉機構61が閉動作をする場合、エアシリンダ611は、ロッド611aをX2方向に移動させ、エアシリンダ612は、ロッド612aをX1方向に移動させる。一方、
図3に示すように、第1開閉機構61が開動作をする場合、エアシリンダ611は、ロッド611aをX1方向に移動させ、エアシリンダ612は、ロッド612aをX2方向に移動させる。
【0021】
支持アーム613は、ロッド611aを移動可能に支持する。支持アーム613は、水平部613aと、垂下部613bとを有している。水平部613aは、背面板23の前面に取り付けられており、当該前面に対してX1方向に伸びるように配置されている。垂下部613bは、水平部613aの先端における下面から垂下するように設けられている。垂下部613bには、ロッド611aが通される貫通孔が形成されている。垂下部613bは、貫通孔に通されたロッド611aを摺動可能に支持している。
【0022】
固定部材614は、垂下部613bの付近でロッド611aの外周を覆うようにロッド611aに固定されている。これにより、固定部材614はロッド611aとともに移動する。
【0023】
移動部材615は、エアシリンダ611のシリンダ部分の付近に配置されている。移動部材615は、ロッド611aが通される貫通孔が形成されている。移動部材615は、ロッド612aを貫通孔に通すことにより、ロッド612aに摺動可能に支持されている。移動部材615の上端面には、アングル部材616が固定されている。また、アングル部材616の垂直に立ち上がる部分には、ロッド612aの端部が固定されている。これにより、移動部材615は、ロッド612aによりロッド611aに沿って移動させられる。
【0024】
支持板62は、搬送経路Rよりもやや短い長さを有する長尺の板状の部材である。一方の支持板62の上端面には、固定部材614が固定されている。他方の支持板62の上端面には、移動部材615が固定されている。
【0025】
支持部材63は、支持板62の下端面に固定されている。支持部材63は、2つを1組として一定の間隔(概ね袋体201の両方の側端部の間隔)をおいて配置され、各組も一定の間隔をおいて配置されている。また、一対の支持板62上の支持部材63は、それぞれ対向するように配置されている。支持部材63は、上記のように対向する側に対向面63aを有している。
【0026】
第1ピン64は、支持部材63の対向面63aに1つずつ固定されている。このため、第1ピン64は、支持部材63と同じく、2つを1組として一定の間隔をおいて配置され、各組も一定の間隔をおいて配置されている。また、第1ピン64は、支持部材63と同じく、一対の支持板62について対向するように配置されている。
図2に示すように、第1ピン64は、第1開閉機構61が閉動作をする場合、後退位置から先端が合致する保持位置まで移動することにより、袋体201の側端部201bを袋体201の両面で挟持するように保持する。上記のように構成される第1ピン64は、搬送経路Rのほぼ全体にわたって配置されることにより、搬送経路Rの各所で袋体201を保持する。また、
図3に示すように、第1ピン64は、第1開閉機構61が開動作をする場合、保持位置から先端が開く後退位置まで後退することにより、袋体201を開放する。
【0027】
第1ピン64は、支持部材63に固定される端部からほぼ中間部分にかけて円柱状に形成されており、円柱状の端部から先端にかけて細くなるテーパ状に形成されている。第1ピン64の先端は、円形の端面を有するように形成されている。第1ピン64は、このような構造により、袋体201における小さい部位に押圧力を作用させて袋体201を保持することができる。これにより、狭い箇所で袋体201を保持するとともに、保持の安定性を高めることができる。
【0028】
なお、第1ピン64の形状は、上記の形状に限らず、例えば、全体的に円柱状に形成されていてもよい。また、第1ピン64の軸方向に直交する方向の断面形状は、円形に限定されず、多角形などであってもよい。また、第1ピン64の先端には、袋体201を保護するための保護部材として、シリコーン系のゴムなどが装着されていてもよい。
【0029】
初期保持部5は、一対の延長板51と、第1開閉機構61と、複数の支持部材63と、複数の第1ピン64とを有している。
【0030】
延長板51は、一対の支持板62のそれぞれにおける搬送方向の下流側の端部に接続されている。延長板51は、上述した切断ユニット14の上方に配置されている。支持部材63は、主保持部6における支持部材63と同じようにして、一対の延長板51上に配置されている。第1ピン64は、主保持部6における第1ピン64と同じようにして、支持部材63に固定されている。第1開閉機構61は、上述した主保持部6における第1開閉機構61と同じようにして、一対の延長板51において対向する第1ピン64を開いたり閉じたりする。
【0031】
間隔付与機構65は、切断ユニット14によって切り出された、隣接する袋体201に所定の間隔を付与する機構である。切断ユニット14によって切り出された直後では、隣接する袋体201の間に間隔がなく詰まっている。間隔付与機構65は、このような状態から、間隔付与機構65の後段における袋体201の搬送において設定されている、隣接する袋体201に間隔を設ける。
【0032】
間隔付与機構65は、支持板62上に固定されている。間隔付与機構65は、少なくとも2対の支持部材65aと、複数の第1ピン64とを有している。支持部材65aは、一対の支持板62の双方の側に対向するように配置されている。支持部材65aのそれぞれの対向面(図示せず)には、上述した2つを1組とする第1ピン64が、支持部材63に固定されるのと同じ間隔で配置されている。間隔付与機構65は、隣接する支持部材65aの間隔を、例えば、回転運動を互いに逆方向となる2つの方向の直線運動に変換する機構によって広げたり狭めたりする。
【0033】
搬送機構4は、初期搬送部7と、主搬送部8とを有している。初期搬送部7は、切断ユニット14によって、連続した状態から切り分けられ、初期保持部5によって保持された袋体201を保持しながら、間隔付与機構65まで搬送する。主搬送部8は、搬送方向とその逆方向との往復移動を繰り返すことにより、間隔付与機構65によって間隔が付与された袋体201を保持しながら順次送り出す。初期搬送部7については、後に説明する。
【0034】
主搬送部8は、複数の第2開閉機構81と、一対の支持板82と、一対のスライド機構83と、複数の支持部材84と、複数の第2ピン85(第2保持部材)と、移動機構86とを有している。
【0035】
第2開閉機構81は、一対の対向する第2ピン85を開いたり閉じたりするように移動させる機構である。第2ピン85については、後に詳しく説明する。
図2に示すように、第2開閉機構81は、リンク機構であって、一対の揺動リンク811と、支持構造812と、一対のジョイント813と、一対の駆動リンク814と、回動板815と、駆動軸816と、一対の回動ジョイント817とを有している。
【0036】
揺動リンク811は、支持構造812に回動可能に支持されることにより揺動するように設けられている。支持構造812は、背面板23の前面に固定されており、X1方向に張り出すように設けられている。支持構造812は、水平方向に間隔をおいて配置された2つの支持軸812aを有している。支持構造812は、支持軸812aによって揺動リンク811を回動可能に支持している。
【0037】
ジョイント813は、揺動リンク811と駆動リンク814とを互いに回動可能に連結する連結部材である。
【0038】
駆動リンク814は、回動板815の回動に伴って一対のジョイント813の間隔を広げたり狭めたりするように運動する。駆動リンク814の一部は、背面板23の孔23aを介して背面板23の背面側に突出している。
【0039】
回動板815は、駆動軸816によってA方向およびB方向に回動するように駆動される。回動ジョイント817は、回動板815上で駆動リンク814の一端を回動可能に支持する部材である。一対の回動ジョイント817は、それぞれ回動板815の両面に1つずつ配置されている。駆動軸816は、搬送方向に伸びるように配置されており、複数の第2開閉機構81について1つのみ設けられている。駆動軸816は、図示しないモータによって駆動される。回動板815、駆動軸816および回動ジョイント817は、背面板23の背面側に配置されている。
【0040】
図2に示すように、第2開閉機構81が開動作を行う場合、回動板815がA方向に回動することにより、一対のジョイント813の間隔が狭まるように駆動リンク814が変位する。これにより、一対の揺動リンク811は、それぞれの上端の間隔が広がるように回動する。一方、
図3に示すように、第2開閉機構81が閉動作を行う場合、回動板815がB方向に回動することにより、一対のジョイント813の間隔が広がるように駆動リンク814が変位する。これにより、一対の揺動リンク811は、それぞれの上端の間隔が狭まるように回動する。
【0041】
支持板82は、搬送経路Rよりもやや短い長さを有する長尺の板状の部材である。支持板82は、揺動リンク811の上端に固定されている。
【0042】
スライド機構83は、支持部材84および第2ピン85を搬送方向にスライド移動させる機構であり、支持板82上に設けられている。スライド機構83は、4つのレール部材83aと、一対の移動板83bと、複数の摺動部材83cと、を有している。
【0043】
レール部材83aは、主搬送部8が袋体201を移動させる距離に応じた長さを有している。レール部材83aは、支持板82上の両端に1つずつ固定されている。レール部材83aは、両側端縁の付近に2本の溝が形成されている。
【0044】
移動板83bは、レール部材83aの上方に配置されている。移動板83bの下端面には、4つの摺動部材83cが下方に向けて突出するように固定されている。摺動部材83cは、レール部材83aの溝内に摺動可能となるように挿入されている。
【0045】
支持部材84は、移動板83bの上端面に固定されている。支持部材84は、2つを1組として一定の間隔(概ね袋体201の両方の側端部の間隔)をおいて配置され、各組も一定の間隔をおいて配置されている。また、一対の移動板83b上の支持部材84は、それぞれ対向するように配置されている。支持部材84は、上記のように対向する側に対向面84aを有している。
【0046】
第2ピン85は、支持部材84の対向面84aに1つずつ固定されている。このため、第2ピン85は、支持部材84と同じく、2つを1組として一定の間隔をおいて配置され、各組も一定の間隔をおいて配置されている。また、第2ピン85は、支持部材84と同じく、一対の移動板83bについて対向するように配置されている。
図3に示すように、第2ピン85は、第2開閉機構81が閉動作をする場合、後退位置から先端が合致する保持位置まで移動することにより、袋体201の側端部201bを袋体201の両面で挟持するように保持する。上記のように構成される第2ピン85は、搬送経路Rのほぼ全体にわたって配置されることにより、搬送経路Rの各所で袋体201を移動させる。また、
図2に示すように、第2ピン85は、第2開閉機構81が開動作をする場合、後退位置から先端が開く後退位置まで後退することにより、袋体201を開放する。
【0047】
第2ピン85は、第1ピン64と同じ大きさかつ同じ形状に形成されている。ただし、第2ピン85は、第1ピン64と大きさおよび形状の少なくともいずれか一方が異なっていてもよい。
【0048】
初期搬送部7は、一対の延長板71と、複数の支持部材84と、複数の第2ピン85とを有している。
【0049】
延長板71は、一対の移動板83bのそれぞれにおける搬送方向の下流側の端部に接続されている。延長板71は、上述した切断ユニット14の上方に配置されている。支持部材84は、主搬送部8における支持部材84と同じようにして、一対の延長板71上に配置されている。第2ピン85は、主搬送部8における第2ピン85と同じようにして、支持部材84に固定されている。
【0050】
移動機構86は、移動板83bをスライド機構83においてスライド移動させる駆動機構であり、例えばクランク機構によって構成されている。移動機構86は、回転円盤861と、一対の回動アーム862と、ブラケット863と、連接棒864と、取付部材865と、駆動棒866を有している。
【0051】
回転円盤861は、背面板23に回転可能に取り付けられており、背面板23の背後に配置されたモータ(図示せず)によって回転駆動される。一対の回動アーム862は、一対の移動板83bにそれぞれ対応するように設けられており、ブラケット863上に固定されている。ブラケット863は、背面板23の前面に固定されている。
【0052】
連接棒864は、回転円盤861の外周付近の部位と、回動アーム862の内側面における中間部位とを、回転円盤861および回動アーム862の運動が自由となるように接続する。
【0053】
取付部材865は、移動板83bの両側面に垂下するように固定されている。駆動棒866は、回動アーム862の先端と、取付部材865とを、回動アーム862および取付部材865の運動が自由となるように接続する。
【0054】
上記のように構成される移動機構86において、回転円盤861の回転運動が連接棒864を介して回動アーム862に伝えられることにより、回動アーム862が回動運動をする。この回動運動が回動アーム862の先端から駆動棒866を介して取付部材865に伝えられると、移動板83bが、スライド機構83において往復移動する。
【0055】
[搬送装置の動作]
以上のように構成される搬送装置1の動作について説明する。
【0056】
まず、初期保持部5は、連続体92の保持動作を行う。初期保持部5の第1開閉機構61は、閉動作をすることによって、第1ピン64を閉じさせる。これにより、第1ピン64が袋体201を両面で保持する。
【0057】
連続体92の先端部分が初期保持部5において第1ピン64によって保持されている状態で、当該先端部分が切断ユニット14により切断位置C1,C2で接続されると2つの袋体201が切り出される。
【0058】
この状態から、搬送機構4の主搬送部8は、スライド機構83および移動機構86によって、移動板83bを搬送方向とは逆方向に移動させることにより、初期搬送部7を初期保持部5の下方に移動させる。すると、初期搬送部7は、主搬送部8に設けられた第2開閉機構81が閉動作をすることによって、一対の移動板83bで対向する第2ピン85を閉じさせる。これにより、第2ピン85が2つの袋体201を両面で保持する。
【0059】
主搬送部8は、スライド機構83および移動機構86によって、第2ピン85が2つの袋体201を保持した状態で、移動板83bを搬送方向に移動させる。これにより、2つの袋体201は、主保持部6において搬送方向の下流側の端部に設けられた間隔付与機構65に搬送される。この状態では、2つの袋体201の間に間隔はない。
【0060】
間隔付与機構65は、2つの袋体201が初期搬送部7によって搬送されてくる前に、2対の支持部材の間隔を狭めておく。主保持部6は、2つの袋体201が初期搬送部7によって搬送されてくると、一対の支持板62の間隔を狭める。これにより、間隔付与機構65の第1ピン64が閉じて袋体201を保持する。この状態で、間隔付与機構65は、支持部材65aの間隔を、主保持部6によって袋体201を保持する規定の間隔にまで広げる。
【0061】
初期搬送部7が初期保持部5に保持された次の2つの袋体201を受け取りに搬送方向の逆方向に移動した状態で、主搬送部8は、第2開閉機構81の閉動作により、間隔付与機構65に保持された2つの袋体201を第2ピン85で保持する。主保持部6は、保持していた2つの袋体201が第2ピン85によって保持されると、第1開閉機構61の開動作により第1ピン64による保持を解除する。
【0062】
すると、主搬送部8は、スライド機構83および移動機構86によって、第2ピン85が2つの袋体201を保持した状態で、移動板83bを搬送方向に移動させる。これにより、2つの袋体201は、主保持部6において搬送方向の下流側へと搬送される。
【0063】
主保持部6は、2つの袋体201が主搬送部8によって搬送されてくると、一対の支持板62の間隔を狭める。これにより、間隔付与機構65の第1ピン64が閉じて袋体201を保持する。
【0064】
このように、搬送装置1は、袋体201を搬送経路Rの各所で第1ピン64によって保持する。また、搬送装置1は、主保持部6の第1ピン64によって保持された袋体201を、第2ピン85によって、搬送経路Rの各所で第1ピン64から受け取って、その袋体201を保持しながら移動先の第1ピン64まで移動し、その袋体201を第1ピン64に渡す。
【0065】
これにより、第2ピン85が、第1ピン64から受け取った袋体201を移動先の第1ピン64に渡すので、搬送経路Rにおいて袋体201が順次送られていく。また、袋体201が第1ピン64および第2ピン85によって保持されるので、後述するように、スパウトが装着されていない状態の袋体201の搬送も可能となる。
【0066】
また、第1ピン64および第2ピン85は、袋体201の両面で挟持するように保持する。これにより、第1ピン64および第2ピン85が安定して袋体201を保持することができる。
【0067】
なお、上記の実施形態では、第1ピン64および第2ピン85によって袋体201を保持する構成について説明したが、袋体201の保持機構は上記の例に限定されない。例えば、クリップのように開閉する機構で袋体201を両面から挟み込むように保持してもよい。
【0068】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0069】
図4は、本発明の実施形態2に係るパウチ製造装置100で製造されるパウチ200の構成を示す正面図である。
図5は、パウチ製造装置100の構成を示す正面図である。
図6は、パウチ製造装置100において袋体201を開口する開口ユニットが袋体の開口部を開いた状態を示す平面図である。
【0070】
[パウチの構造]
図4に示すようにパウチ200は、袋体201と、スパウト202とを有している。ここでは、スパウト202が装着された側を上と称し、反対側を下と称する。
【0071】
袋体201は、可撓性を有するフィルムによって形成されており、長方形を成している。袋体201は、充填部201aと、側端部201bと、上端部201cとを有している。
【0072】
側端部201bは、一定の幅を有しており、袋体201の側端に上下方向の全体に伸びるように形成されている。側端部201bは、後述するように熱シールによって封止された部分である。
【0073】
上端部201cは、一定の幅を有しており、袋体201の上端に水平方向の全体に伸びるように形成されている。上端部201cは、側端部201bと同じく熱シールによって封止された部分である。
【0074】
側端部201bおよび上端部201cが重なる領域には、第1ピン64によって保持される保持領域201dが含まれる。また、側端部201bには、第2ピン85によって保持される保持領域201eが含まれる。保持領域201eは、保持領域201dのやや下方に位置している。
【0075】
充填部201aは、側端部201bおよび上端部201cの内側の部分であり、内容物が充填される部分である。
【0076】
スパウト202は、本体部202aと、キャップ部202bとを有している。
【0077】
本体部202aは、キャップ部202bがねじ込まれる上部と、管の部分の下部とを有している。下部は、袋体201の上端部201cを介して充填部201a内にまで達するように挿入されている。
【0078】
[パウチ製造装置の構成]
図5に示すように、パウチ製造装置100は、少なくとも、搬送装置1と、製袋部10と、開口ユニット20(開口装置)と、充填ユニット30(充填装置)と、装着ユニット40(装着装置)と、封止ユニット50(封止装置)とを備えている。
【0079】
製袋部10は、長尺のフィルム原反から単包化された袋体201を作成する。製袋部10は、フィルム繰出部11と、シール部12と、送りローラユニット13と、切断ユニット14とを有している。
【0080】
フィルム繰出部11は、原反ロールユニット11a(原反)と、複数の搬送ローラ11bと、折り込みガイドユニット11cと、送りローラユニット11dとを有している。
【0081】
原反ロールユニット11aは、ロール状に巻回された長尺のフィルム原反を回転可能に支持している。原反ロールユニット11aは、一定速度でフィルム原反を繰り出すように、一定速度で回転する。
【0082】
搬送ローラ11bは、フィルム原反を搬送するローラである。搬送ローラ11bは、フィルム原反を適度な張力を与えながら送る。折り込みガイドユニット11cは、搬送ローラ11bによって搬送されてくるフィルム原反を中央から折り合わせ折合体91を形成する。送りローラユニット11dは、折り込みガイドユニット11cによって折り合わされた状態の折合体91を押圧しながら搬送する。
【0083】
シール部12は、2つの熱シールユニット12a,12bと、1つの冷却シールユニット12cとを有している。熱シールユニット12a,12bは、上記の折合体91を一定の間隔をおいて上下方向に2箇所で熱シールする。冷却シールユニット12cは、熱シールユニット12a,12bによって加熱されたフィルム原反を冷却する。シール部12は、フィルム原反を熱シールすることにより袋体201の原形となる袋状の部分の連続体92を形成する。
【0084】
送りローラユニット13は、シール部12によってシールされたフィルム原反を押圧しながら搬送する。送りローラユニット13は、送りローラユニット11dと同等に構成されている。
【0085】
切断ユニット14は、送りローラユニット13によって送られてきた連続体92をシールされた部分で切断する。切断ユニット14は、例えば、大形の鋏による切断機構として構成される。切断ユニット14は、連続体92から2つの袋体201を切り出すように、袋体201の幅間隔をおいて配置された2つの鋏を有している。
【0086】
搬送装置1は、切断ユニット14の後段以降に配置されている。搬送装置1は、連続体92から切断された袋体201を上述したように、搬送方向に搬送していく。
【0087】
開口ユニット20は、切断ユニット14から搬送されてきた袋体201の閉じた状態の上端の開口部を開く。
図6に示すように、開口ユニット20は、可動板20aと、駆動ユニット20bと、吸引ユニット20c(吸引機構)とを有している。
【0088】
可動板20aは、一対の移動板83bのやや内側の移動板83bより高い位置に、互いに対向するように配置されている。
【0089】
駆動ユニット20bは、可動板20aをX1方向およびX2方向に駆動する。具体的には、駆動ユニット20bは、一対の可動板20aを近づけたり遠ざけたりするように駆動する。駆動ユニット20bは、上述した第1開閉機構61と同等な構成で可動板20aを駆動する。
【0090】
吸引ユニット20cは、可動板20aの下方に配置されており、可動板20aとともに移動する。吸引ユニット20cは、図示しない吸引ポンプに接続されており、先端に設けられた吸引口から袋体201の両面を吸引して、袋体201を先端に付着させる。
【0091】
上記のように構成される開口ユニット20は、第2ピン85によって保持されながら搬送されてきた袋体201に対して、間隔を狭めるように可動板20aを移動させて吸引ユニット20cを袋体201に近づける。この状態では、第2ピン85による保持が解除されるが、吸引ユニット20cが吸引を開始すると、袋体201が吸引ユニット20cに吸引されて保持されるので、袋体201が落下することはない。
【0092】
この状態で、可動板20aが間隔を広げるように移動すると、袋体201は、吸引ユニット20cに吸引されながら、開口部が広げられる。
図6に示すように、袋体201の開口部が十分広げられると、第2ピン85による保持が再開される。このように、袋体201の開口部を開く間に第2ピン85による保持が解除されるので、第2ピン85によって袋体201が保持されたために開口部が広げにくくなるという不都合を回避できる。
【0093】
充填ユニット30は、開口ユニット20から搬送されてきた1つ以上の袋体201に内容物を充填する充填ノズル30aを有している。
【0094】
装着ユニット40は、充填ユニット30から搬送されてきた袋体201にスパウト202を装着する。装着ユニット40は、袋体201の広げられた開口部にスパウト202挟み込み、スパウト202を袋体201の上端で熱シールする。装着ユニット40には、エアによってスパウト202が順次供給される。
【0095】
封止ユニット50は、装着ユニット40から搬送されてきた袋体201の上端を熱シールすることによって封止する。
【0096】
[パウチ製造装置によるパウチの製造]
(1)製袋工程
まず、製袋部10において、搬送ローラ11bが、原反ロールユニット11aから繰り出されたフィルム原反90を折り込みガイドユニット11cまで搬送する。折り込みガイドユニット11cは、フィルム原反90を折り合わせることにより、折合体91を形成する。送りローラユニット11dは、折合体91をシール部12に送り出す。
【0097】
シール部12において、熱シールユニット12a,12bが折合体91の所定箇所を熱シールし、冷却シールユニット12cがその後に冷却することにより、連続体92を形成する。送りローラユニット13は、連続体92を切断ユニット14に送り込む。切断ユニット14は、連続体92をシールされた少なくとも1箇所で切断することにより、1つ以上の袋体201を切り出す。これにより、単包化された袋体201が作製される。搬送装置1は、このように作製された1つ以上の袋体201を搬送方向に送っていく。
【0098】
(2)開口工程
製袋部10によって作製された袋体201は、開口部を閉じている。開口ユニット20は、搬送装置1によって搬送されてきた袋体201の開口を吸引ユニット20cによって開かせる。搬送装置1は、開口部が開いた状態の袋体201を第2ピン85によって充填ユニット30に搬送する。
【0099】
(3)充填工程
充填ユニット30においては、充填ノズル30aによって、1つ以上の袋体201に開いた開口部から内容物を充填する。充填ユニット30は、袋体201へ一度に内容物を充填してもよいし、袋体201へ複数回に分けて内容物を充填してもよい。
【0100】
搬送装置1は、充填ユニット30において、開口ユニット20から搬送されてきた袋体201を第1ピン64によって開口部が開いた状態で保持する。また、搬送装置1は、内容物が充填された袋体201を開口部が開いた状態で第2ピン85によって装着ユニット40に搬送する。
【0101】
これにより、充填ユニット30において、開口部が開いた状態で搬送されてきた袋体201に、そのままの状態で内容物を充填した後、開口部が開いた状態の袋体201を装着ユニット40に搬送することができる。したがって、開口部が開いた状態で、内容物の充填とスパウト202の装着とを連続的に行うことができる。
【0102】
(4)装着工程
装着ユニット40は、内容物が充填される2つの袋体201の開口部にスパウト202を同時に装着する。装着ユニット40は、スパウト202の装着時に、袋体201の上端を挟み込むので、搬送装置1における第1ピン64を省略することができる。
【0103】
(5)封止工程
封止ユニット50は、スパウト202が装着された袋体201の上端を熱シールすることで、上端部201cを形成する。封止ユニット50は、袋体201のシール時に、袋体201の上端を挟み込むので、装着ユニット40と同じく、搬送装置1における第1ピン64を省略することができる。
【0104】
(6)排出工程
このようにしてパウチ200が作製され、パウチ製造装置100の最終工程として必要に応じて検査等が行われた後、パウチ200が排出される。
【0105】
[パウチ製造装置による効果]
上記のように構成されるパウチ製造装置100においては、製袋部10による製袋工程から封止ユニットによる封止工程に至る搬送経路Rにおいて、第1ピン64によって、袋体201を前記搬送経路の各所で保持する。パウチ製造装置100においては、前記第1保持部材によって保持された袋体201を、第2ピン85によって、搬送経路Rの各所で第1ピン64から受け取って、袋体201を保持しながら移動先の第1ピン64まで移動し、袋体201を第1ピン64に渡す。また、パウチ製造装置100において、搬送装置1は、少なくとも、下記の(A)~(D)の箇所において、第1ピン64および第2ピン85による袋体201の搬送を行う。
(A)製袋部10と開口ユニット20との間
(B)開口ユニット20と充填ユニット30との間
(C)充填ユニット30と装着ユニット40との間
(D)装着ユニット40と封止ユニット50との間
【0106】
上記の構成によれば、第2ピン85が、第1ピン64から受け取った袋体201を移動先の第1ピン64に渡すので、搬送経路Rにおいて袋体201が順次送られていく。また、袋体201が第1ピン64および第2ピン85によって保持されるので、スパウト202が装着されていない状態の袋体201の搬送も可能となる。しかも、各ユニットの間で、スパウトの有無に関わらず、搬送装置1による袋体201の搬送を一貫して行うことができる。
【0107】
また、パウチ200を搬送するために、スパウトがフランジを有する必要なくなるので、スパウトを小形に形成することができる。これにより、スパウトを作製するための材料を減量することができる。それゆえ、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できる。
【0108】
<まとめ>
本発明の一態様に係る搬送装置1は、搬送経路Rにおいて袋体201を搬送する搬送装置1であって、袋体201を搬送経路Rの各所で保持する第1保持部材64と、第1保持部材64によって保持された袋体201を、搬送経路Rの各所で第1保持部材64から受け取って、袋体201を保持しながら移動先の第1保持部材64まで移動し、袋体201を第1保持部材64に渡す第2保持部材85と、を備えている。
【0109】
上記の構成によれば、第2保持部材85が、第1保持部材64から受け取った袋体201を移動先の第1保持部材64に渡すので、搬送経路Rにおいて袋体201が順次送られていく。また、袋体201が第1保持部材64および第2保持部材85によって保持されるので、スパウトが装着されていない状態の袋体の搬送も可能となる。
【0110】
本発明の一態様に係る搬送装置1において、第1保持部材64および第2保持部材85は、袋体201の両面で挟持するように保持してもよい。
【0111】
上記の構成によれば、第1保持部材64および第2保持部材85が安定して袋体を保持することができる。
【0112】
本発明の一態様に係る搬送装置1において、第1保持部材64および第2保持部材85は、袋体201を保持する保持位置と保持位置から後退した後退位置との間で移動するピン(64、85)であってもよい。
【0113】
上記の構成によれば、ピン(64、85)により袋体201における小さい部位に押圧力を作用させて袋体201を保持することができる。したがって、狭い箇所で袋体201を保持するとともに、保持の安定性を高めることができる。
【0114】
本発明の一態様に係るパウチ製造装置100は、上記のいずれかの搬送装置1と、原反から袋体201を作製する製袋装置10と、袋体201の閉じた開口部を開く開口装置20と、開いた開口部から袋体201に内容物を充填する充填装置30と、開口部にスパウト202を装着する装着装置40と、スパウト202が装着された開口部を封止する封止装置50と、を備え、搬送装置1は、少なくとも、製袋装置10と開口装置20との間、開口装置20と充填装置30との間、充填装置30と装着装置40との間、および装着装置40と封止装置50との間において、第1保持部材64および第2保持部材85による袋体201の搬送を行う。
【0115】
上記の構成によれば、各装置の間で、スパウト202の有無に関わらず、搬送装置1による袋体201の搬送を一貫して行うことができる。
【0116】
パウチ製造装置100において、開口装置20は、袋体201の両面を吸引することにより開口部を開く吸引機構20cを有し、搬送装置1は、開口部が開いた状態の袋体201を第2保持部材85によって充填装置30に搬送してもよい。
【0117】
上記の構成によれば、吸引機構20cが袋体201を吸引することで袋体201を保持することができる。これにより、開口装置20において搬送装置1の第1保持部材64を省略することができる。
【0118】
パウチ製造装置100において、搬送装置1は、充填装置30において、開口装置20から搬送されてきた袋体201を第1保持部材64によって開口部が開いた状態で保持し、内容物が充填された袋体201を開口部が開いた状態で第2保持部材85によって装着装置40に搬送してもよい。
【0119】
上記の構成によれば、充填装置30において、開口部が開いた状態で搬送されてきた袋体201に、そのままの状態で内容物を充填した後、開口部が開いた状態の袋体201を装着装置40に搬送することができる。これにより、開口部が開いた状態で、内容物の充填とスパウト202の装着とを連続的に行うことができる。
【0120】
本発明の一態様に係るパウチ製造方法は、原反から袋体201を作製する製袋工程と、袋体201の閉じた開口部を開く開口工程と、開いた開口部から袋体201に内容物を充填する充填工程と、開口部にスパウト202を装着する装着工程と、スパウト202が装着された開口部を封止する封止工程と、を含み、製袋工程から封止工程に至る搬送経路Rにおいて、第1保持部材64によって、袋体201を搬送経路Rの各所で保持し、第1保持部材64によって保持された袋体201を、第2保持部材85によって、搬送経路Rの各所で第1保持部材64から受け取って、袋体201を保持しながら移動先の第1保持部材64まで移動し、袋体201を第1保持部材64に渡す。
【0121】
上記の構成によれば、第2保持部材85が、第1保持部材64から受け取った袋体201を移動先の第1保持部材64に渡すので、搬送経路Rにおいて袋体201が順次送られていく。また、袋体201が第1保持部材64および第2保持部材85によって保持されるので、スパウト202が装着されていない状態の袋体201の搬送も可能となる。
【0122】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0123】
1 搬送装置
10 製袋部(製袋装置)
11a 原反ロールユニット(原反)
20 開口ユニット(開口装置)
20c 吸引ユニット(吸引機構)
30 充填ユニット(充填装置)
40 装着ユニット(装着装置)
50 封止ユニット(封止装置)
64 第1ピン(第1保持部材)
85 第2ピン(第2保持部材)
100 パウチ製造装置
200 パウチ
201 袋体
R 搬送経路