(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】手洗器ユニット、住居
(51)【国際特許分類】
A47K 1/00 20060101AFI20250219BHJP
A47K 1/02 20060101ALI20250219BHJP
A47B 67/02 20060101ALI20250219BHJP
【FI】
A47K1/00 B
A47K1/02 F
A47K1/00 S
A47B67/02 502G
(21)【出願番号】P 2021089958
(22)【出願日】2021-05-28
【審査請求日】2024-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 充嗣
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】実開昭48-028247(JP,U)
【文献】特開2008-264389(JP,A)
【文献】特開2019-103761(JP,A)
【文献】特開2011-130845(JP,A)
【文献】特開2012-057337(JP,A)
【文献】特開2014-210103(JP,A)
【文献】特開2006-255230(JP,A)
【文献】米国特許第06276648(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00
A47K 1/02
A47B 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に沿う方向に延び、前記壁面に固定されたベースプレートと、
前記ベースプレートの下部に対応する位置に設けられた手洗器と、
前記手洗器の上側で前記ベースプレートの上部から前記壁面から遠ざかる方向に突出したシェルフと、
を備え、
前記シェルフは、
平板状のシェルフ本体と、
前記ベースプレートに当接する位置で前記シェルフ本体から前記ベースプレートに沿う方向に延び且つ前記ベースプレートに固定された固定部と、
前記固定部および前記ベースプレートを前記壁面に固定する固定部材と、
前記固定部材の頭部を目隠しする化粧板と、
を
有する手洗器ユニット。
【請求項2】
壁面に沿う方向に延び、前記壁面に固定されたベースプレートと、
前記ベースプレートの下部に対応する位置に設けられた手洗器と、
前記手洗器の上側で前記ベースプレートの上部から前記壁面から遠ざかる方向に突出したシェルフと、
を備え、
前記シェルフは、平板状のシェルフ本体を有し、
前記シェルフ本体は、基端部を有し、
前記基端部は、前記壁面に近づくにつれてその設置高さが高くなるように隆起
している手洗器ユニット。
【請求項3】
壁面に沿う方向に延び、前記壁面に固定されたベースプレートと、
前記ベースプレートの下部に対応する位置に設けられた手洗器と、
前記手洗器の上側で前記ベースプレートの上部から前記壁面から遠ざかる方向に突出したシェルフと、
を備え、
前記シェルフは、平板状のシェルフ本体を有し、
前記シェルフ本体は、先端部を有し、
前記先端部は、前記壁面から遠ざかるにつれてその設置高さが高くなるように隆起
している手洗器ユニット。
【請求項4】
壁面に沿う方向に延び、前記壁面に固定されたベースプレートと、
前記ベースプレートの下部に対応する位置に設けられた手洗器と、
前記手洗器の上側で前記ベースプレートの上部から前記壁面から遠ざかる方向に突出したシェルフと、
を備え、
前記ベースプレートに装着され、前記手洗器を吊り下げ可能なフック部材と、
前記フック部材および前記ベースプレートを前記壁面に固定する固定具と、
を
備える手洗器ユニット。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の手洗器ユニットを有する住居。
【請求項6】
前記壁面から前記シェルフの先端部までの寸法は、前記壁面から手洗器の前側端部までの寸法よりも小さい請求項1~4のいずれか1項に記載の手洗器ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手洗いを行うことができる手洗器ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
玄関の土間に手洗器を設置した玄関が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この玄関は、土間に手洗器を設置することで、清掃時に玄関でバケツ等に水を汲むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、手洗器の下側のスペースを収納として活用する変形例が開示されているが、手洗器の上側のスペースは、実質的にデッドスペースとなっており、有効活用できていない問題がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、手洗器の上側のスペースを有効活用できる手洗器ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明(1)の手洗器ユニットは、壁面に沿う方向に延び、前記壁面に固定されたベースプレートと、
前記ベースプレートの下部に対応する位置に設けられた手洗器と、
前記手洗器の上側で前記ベースプレートの上部から前記壁面から遠ざかる方向に突出したシェルフと、
を備える。
【0007】
また、本発明(2)の手洗器ユニットは、(1)記載の手洗器ユニットであって、
前記壁面から前記シェルフの先端部までの寸法は、前記壁面から手洗器の前側端部までの寸法よりも小さい。
【0008】
また、本発明(3)の手洗器ユニットは、(1)又は(2)記載の手洗器ユニットであって、
前記シェルフは、
平板状のシェルフ本体と、
前記ベースプレートに当接する位置で前記シェルフ本体から前記ベースプレートに沿う方向に延び且つ前記ベースプレートに固定された固定部と、
前記固定部および前記ベースプレートを前記壁面に固定する固定部材と、
前記固定部材の頭部を目隠しする化粧板と、
を有する。
【0009】
また、本発明(4)の手洗器ユニットは、(3)記載の手洗器ユニットであって、
前記シェルフ本体は、基端部を有し、
前記基端部は、前記壁面に近づくにつれてその設置高さが高くなるように隆起している。
【0010】
また、本発明(5)の手洗器ユニットは、(3)又は(4)記載の手洗器ユニットであって、
前記シェルフ本体は、先端部を有し、
前記先端部は、前記壁面から遠ざかるにつれてその設置高さが高くなるように隆起している。
【0011】
また、本発明(6)の手洗器ユニットは、(1)~(5)のいずれか1項に記載の手洗器ユニットであって、
前記ベースプレートに装着され、前記手洗器を吊り下げ可能なフック部材と、
前記フック部材および前記ベースプレートを前記壁面に固定する固定具と、
を備える。
【0012】
また、本発明(7)の手洗器ユニットは、(1)~(6)のいずれか1項に記載の手洗器ユニットであって、
土間と、前記土間から上方に立ち上がった位置から横方向に延びる床面と、を有する玄関の前記床面の上側に設置される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、手洗器の上側のスペースを有効活用できる手洗器ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態の手洗器ユニットを示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す手洗器ユニットにおいてキャビネットの蓋体を開放した状態を示した斜視図である。
【
図3】
図1に示す手洗器ユニットのベースプレートおよびシェルフを取り付ける工程を示した斜視図である。
【
図4】
図1に示す手洗器ユニットの手洗器をキャビネットに取り付ける工程を示した斜視図である。
【
図5】第1実施形態の手洗器ユニットの第1変形使用態様を示す斜視図である。
【
図6】第1実施形態の手洗器ユニットの第2変形使用態様を示す斜視図である。
【
図7】第2実施形態の手洗器ユニットを示す斜視図である。
【
図8】
図7に示す手洗器ユニットにおいて、手洗器をフック部材に係合させる工程を示す斜視図である。
【
図9】第3実施形態の手洗器ユニットを示す斜視図である。
【
図10】
図9に示す手洗器ユニットにおいて、手洗器をフック部材に係合させる工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、手洗器ユニットの実施形態について説明する。実施形態の手洗器ユニットは、例えば、住居の玄関等に設置され、帰宅者がこれで手を洗うことで、住居内に感染症(例えばコロナウイルス感染症)の原因物質(ウィルス等)を持ち込んでしまうことを防止できるものである。
[第1実施形態]
【0016】
図1~
図6を参照して、第1実施形態の手洗器ユニット11について説明する。
図1に示すように、手洗器ユニット11は、住居の玄関12に設置されている。玄関12は、土間13と、土間13から上方に立ち上がった位置から横方向(例えば、水平方向)に延びる床面14(フロア面)と、を有する。本実施形態において、手洗器ユニット11は、玄関12の床面14上に設けられていることが好ましい。
【0017】
手洗器ユニット11は、住居の壁面18に沿う方向に延びたベースプレート15(背板)と、ベースプレート15の下部に対応する位置に設けられた手洗器16と、手洗器16の上側に設けられたシェルフ17と、手洗器16の下側に設けられ手洗器16を支持するキャビネット21と、を備える。
【0018】
図3に示すように、ベースプレート15は、平板状に形成されており、壁面18に沿う方向に延びている。ベースプレート15は、その上部に、シェルフ17を受容するように薄肉になった薄肉部22を有する。ベースプレート15は、ねじ等の固定具53によって壁面18に固定される。ベースプレート15は、例えば、樹脂材料によって形成されているが、樹脂以外にもステンレス鋼等の金属材料によって形成されていてもよい。ベースプレート15は、薄肉部22に対応する位置に第1穴部19を有し、ベースプレート15の下部に対応する位置に第2穴部20を有する。
【0019】
図1、
図2に示すように、手洗器16は、ベースプレート15の下部と重複する位置に設けられている。手洗器16は、手洗器本体23と、手洗器本体23の角部に取り付けられた自動水栓式の蛇口24と、手洗器本体23の下部に設けられた排水部25と、を有する。手洗器本体23は、例えば、陶器等によってボウル状に形成され、側方から見て逆台形の形状を有する。手洗器本体23は、前側端部26と、前側端部26とは反対側の後側端部27と、を有する。
【0020】
シェルフ17は、例えばステンレス鋼等の金属材料によって一体に形成されている。
図2、
図3に示すように、シェルフ17は、ベースプレート15の上部にある薄肉部22に固定される。このため、シェルフ17は、ベースプレート15の上部から、壁面18から遠ざかる方向に向けて突出する。シェルフ17は、平板状のシェルフ本体31と、ベースプレート15に当接する位置でシェルフ本体31からベースプレート15に沿う方向に延びる固定部32と、固定部32に設けられた凹部33と、凹部33に設けられた複数の貫通孔41と、凹部33に対して固定され固定部32およびベースプレート15を壁面18に固定する固定部材34と、固定部材34の頭部を目隠しするように凹部33に接着される化粧板35と、を有する。固定部材34は、例えばねじで構成されている。
【0021】
本実施形態において、固定部32は、シェルフ本体31の延びている方向と交差する方向、すなわち下方向に延びている。したがって、シェルフ17は、「L」字形の断面形状を有する。固定部32は、ベースプレート15の薄肉部22に対して固定されている。シェルフ本体31は、先端部36と、先端部36とは反対側の基端部37と、先端部36と基端部37との間に位置する中間部38と、を有する。先端部36および基端部37は、中間部38に比して上方に隆起するように形成されている。より具体的は、先端部36は、中間部38から遠ざかるにつれて隆起する高さが高くなるように中間部38が延びる方向に対して斜めに形成されている。言い換えると、先端部36は、壁面18から遠ざかるにつれてその設置高さが高くなるように隆起している。同様に、基端部37は、中間部38から遠ざかるにつれて隆起する高さが高くなるように中間部38が延びる方向に対して斜めに形成されている。言い換えると、基端部37は、壁面18に近づくにつれてその設置高さが高くなるように隆起している。
【0022】
図3に示すように、凹部33は、固定部32の延びている方向(横方向)に延びている。凹部33は、複数の固定部材34を通すための複数の貫通孔41を有する。
【0023】
化粧板35は、凹部33と略同じ大きさで形成され、凹部33内にきっちりと嵌るような寸法関係で形成されている。化粧板35は、シェルフ17と同色のシールで構成されていてもよい。或いは、化粧板35は、シェルフ17と同色の薄い平板と、平板の一方の面に設けられた接着面と、を有するものであってもよい。
【0024】
ここで、
図2に示すように、壁面18からシェルフ17の先端部36までの寸法L1は、壁面18から手洗器16の前側端部26までの寸法L2よりも小さくなっている。このため、ユーザが手を洗う際にシェルフ17の張り出しが気にならないような程度に、シェルフ17が前方に突出している。また、壁面18からシェルフ17の先端部36までの寸法L1は、L2の半分の寸法よりも大きくなっている。これによって、シェルフ17上に物品を載置できるスペースを十分に確保することができる。したがって、壁面18からシェルフ17の先端部までの寸法L1および壁面18から手洗器16の前側端部26までの寸法L2の寸法関係は、例えば以下の式1となる。
式1
【0025】
図2に示すように、キャビネット21は、手洗器16の排水部25に接続された排水管42と、手洗器16の蛇口24に接続された自動水栓ユニット43と、を内側に収納している。キャビネット21は、例えば、木製材料によって箱状に形成されている。キャビネット21は、天板44と、ヒンジ45を介して開閉可能な蓋体46を有する。
図3に示すように、天板44は、自動水栓ユニット43を通すための第1貫通口51と、排水管42を通すための第2貫通口52と、を有する。ユーザは、キャビネット21内の収納スペースに対して小物を収納することができる。キャビネット21は、壁面18に対してねじ等の固定具によって固定されている。
【0026】
続いて、
図3、
図4等を参照して、本実施形態の手洗器ユニット11の組立方法について説明する。
【0027】
まず、住居の壁面18に対して、キャビネット21をねじ等の固定具で固定する。キャビネット21は、予め組立てられたものを壁面18に固定してもよいし、現場で組み立てたものを壁面18に固定してもよい。
図3に示すように、キャビネット21の上側にベースプレート15をねじ等の固定具53で固定する。その際、第2穴部20に対して固定具53を通すようにする。固定具53とベースプレート15との間に、必要に応じてワッシャ54等を介在させてもよい。ベースプレート15の薄肉部22に対して、シェルフ17の固定部32を当接させ、固定部材34を用いて固定部32および薄肉部22を壁面18に固定する。その際、固定部32に設けられた貫通孔41および薄肉部22に設けられた第1穴部19に対して固定部材34を通すようにする。さらに、シェルフ17の凹部33に対して化粧板35を接着して、固定部材34の頭部を化粧板35で隠すようにする。
【0028】
続いて、
図4に示すように、手洗器16をキャビネット21の天板44上に載置して、ねじ等の第2固定具55を用いて天板44に対して手洗器16を固定する。天板44と第2固定具55の間に、必要に応じて第2ワッシャ56等を介在させてもよい。さらに、手洗器16の排水部25と住居の排水口57とを接続するように排水管42を接続し、蛇口24と住居の上水道58とを接続するように自動水栓ユニット43を接続する。このキャビネット21に対してヒンジ45を介して蓋体46を取り付けて、手洗器ユニット11の組立(住居に対する組み付け)が完了する。
【0029】
また、本実施形態の手洗器ユニット11は、玄関12の床面14だけでなく、
図5に示すように、住居のトイレ内に手洗器ユニット11を設置してもよい。或いは、
図6に示すように、玄関12の土間13に手洗器ユニット11を設置してもよい。
【0030】
本実施形態によれば、以下のことがいえる。手洗器ユニット11は、壁面18に沿う方向に延び、壁面18に固定されたベースプレート15と、ベースプレート15の下部に対応する位置に設けられた手洗器16と、手洗器16の上側でベースプレート15の上部から壁面18から遠ざかる方向に突出したシェルフ17と、を備える。
【0031】
この構成によれば、手洗器ユニット11にシェルフ17が設けられているために、当該シェルフ17に除菌やウィルス除去のための消毒用アルコールを設置したり、紙タオルを設置したりする等、シェルフ17に対して様々な物品を載置することができる。また、ベースプレート15によって手洗器16からの発生する水滴から壁面18を保護することができる。
【0032】
この場合、壁面18からシェルフ17の先端部36までの寸法は、壁面18から手洗器16の前側端部26までの寸法よりも小さい。
【0033】
この構成によれば、手を洗う際にシェルフ17が邪魔になることがなく、ユーザが手を洗いやすい構造を実現できる。
【0034】
この場合、シェルフ17は、平板状のシェルフ本体31と、ベースプレート15に当接する位置でシェルフ本体31からベースプレート15に沿う方向に延び且つベースプレート15に固定された固定部32と、固定部32およびベースプレート15を壁面18に固定する固定部材34と、固定部材34の頭部を目隠しする化粧板35と、を有する。
【0035】
この構成によれば、固定部材34の頭部を化粧板35で隠すことができる。これによって、シェルフ17周りの体裁を良好にすることができる。
【0036】
この場合、シェルフ本体17は、基端部37を有し、基端部37は、壁面18に近づくにつれてその設置高さが高くなるように隆起している。この構成によれば、シェルフ本体17上に水等の液体がたまってしまった場合でも、当該液体がベースプレート15の裏側、すなわちベースプレート15と壁面18との間に侵入して、壁面18を痛めてしまうことを有効に防止することができる。
【0037】
この場合、シェルフ本体17は、先端部36を有し、先端部36は、壁面18から遠ざかるにつれてその設置高さが高くなるように隆起している。この構成によれば、シェルフ本体17に載置した物が先端部36を乗り越えて手前側に落下してしまうことを有効に防止できる。また、シェルフ本体17上に水等の液体がたまってしまった場合でも、当該液体が手前側(ユーザ側)に液滴として落ちてしまう不具合を生じることを有効に防止できる。
【0038】
この場合、手洗器ユニット11は、土間13と、土間13から上方に立ち上がった位置から横方向に延びる床面14と、を有する玄関12の床面14の上側に設置される。
【0039】
この構成によれば、手洗器ユニット11が床面14上に設置されるため、ユーザは、靴を脱ぎ終わった後に手洗器ユニット11で手洗いをすることができる。このため、感染症(コロナウイルス感染症)が流行している今日において、感染症の原因物質(ウィルス等)が付着している可能性のある靴に触れた直後で、室内に入る直前に、ユーザが手を洗うことができる。これによって、感染症(コロナウイルス感染症)が室内で蔓延してしまうことを有効に防止できる。
【0040】
以下の実施形態では、主として第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と共通する部分については、図示又は説明を省略する。
[第2実施形態]
【0041】
図7、
図8を参照して、第2実施形態の手洗器ユニット11について説明する。本実施形態の手洗器ユニット11は、キャビネット21を有していない。また、住居の排水口57および上水道58は壁面18に設けられている。
【0042】
手洗器ユニット11は、手洗器16を吊り下げて保持するためのフック部材61を有する。フック部材61は、ベースプレート15の下部に取り付けられ且つ例えばクランク形状に折れ曲がった一対の金具62で構成されている。
【0043】
手洗器16は、その背部に、金具62の先端部に対して相補的な形状を有する一対のスロット部63を有する。一対のスロット部63のそれぞれは、下向きに開口している。一対のスロット部63に対して、一対の金具62の先端部を差し込むことができる。手洗器16は、ベースプレート15上の一対の金具62に一対のスロット部63を係合させることで、フック部材61に対して吊り下げられることができる。
【0044】
続いて、
図8を参照して、本実施形態の手洗器ユニット11の組立方法について説明する。まず、ベースプレート15およびフック部材61(一対の金具)を固定具53で壁面18に固定する。その際、第2穴部20に対して固定具53を通すようにする。続いて、ベースプレート15の薄肉部22に対して、シェルフ17の固定部32を当接させ、固定部材34を用いて固定部32および薄肉部22を壁面18に固定する。その際、固定部32に設けられた貫通孔41および薄肉部22に設けられた第1穴部19に対して固定部材34を通すようにする。さらに、シェルフ17の凹部33に対して化粧板35を接着して、固定部材34の頭部を化粧板35で隠すようにする。
【0045】
続いて、
図8に矢印で示すように、手洗器16の一対のスロット部63に対して、一対の金具62(フック部材61)を差し込んで、フック部材61に対して手洗器16を吊り下げる。さらに、
図7に示すように、さらに、手洗器16の排水部25と住居の排水口57とを接続するように排水管42を接続し、蛇口24と住居の上水道58とを接続するように自動水栓ユニット43を接続する。以上により、手洗器ユニット11の組立(住居に対する組み付け)が完了する。
【0046】
本実施形態によれば、以下のことがいえる。手洗器ユニット11は、ベースプレート15に装着され、手洗器16を吊り下げ可能なフック部材61と、フック部材61およびベースプレート15を壁面18に固定する固定具53と、を備える。この構成によれば、キャビネット21を省略した状態で、ベースプレート15に対して直接手洗器16を固定することができる。
[第3実施形態]
【0047】
図9、
図10を参照して、第3実施形態の手洗器ユニット11について説明する。本実施形態において、住居の排水口57および上水道58は床面14に設けられている。それ以外の点は、第2実施形態と同様である。
【0048】
続いて、
図10を参照して、本実施形態の手洗器ユニット11の組立方法について説明する。まず、ベースプレート15およびフック部材61(一対の金具62)を固定具53で壁面18に固定する。その際、第2穴部20に対して固定具53を通すようにする。続いて、ベースプレート15の薄肉部22に対して、シェルフ17の固定部32を当接させ、固定部材34を用いて固定部32および薄肉部22を壁面18に固定する。その際、薄肉部22に設けられた第1穴部19に対して固定部材34を通すようにする。さらに、シェルフ17の凹部33に対して化粧板35を接着して、固定部材34の頭部を化粧板35で隠すようにする。
【0049】
続いて、
図10に矢印で示すように、手洗器16の一対のスロット部63に対して、一対の金具62(フック部材61)を差し込んで、フック部材61に対して手洗器16を吊り下げる。さらに、
図9に示すように、さらに、手洗器16の排水部25と住居の排水口57とを接続するように排水管42を接続し、蛇口24と住居の上水道58とを接続するように自動水栓ユニット43を接続する。以上により、手洗器ユニット11の組立(住居に対する組み付け)が完了する。
【0050】
上記した実施形態は、種々の置き換えや変形を加えて実施できる。また、上記実施形態同士を適宜に組み合わせて発明を実現することも当然にできる。
【符号の説明】
【0051】
11 手洗器ユニット
12 玄関
13 土間
14 床面
15 ベースプレート
16 手洗器
17 シェルフ
18 壁面
26 前側端部
27 後側端部
34 固定部材
35 化粧板
41 貫通孔
53 固定具
61 フック部材