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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20250219BHJP
【FI】
G06Q30/0201
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024159199
(22)【出願日】2024-09-13
【審査請求日】2024-09-17
(31)【優先権主張番号】P 2024112750
(32)【優先日】2024-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506392090
【氏名又は名称】株式会社テクロス
(74)【代理人】
【識別番号】100181434
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 正明
(74)【代理人】
【識別番号】100180035
【弁理士】
【氏名又は名称】生塩 智邦
(72)【発明者】
【氏名】橋本 悟
(72)【発明者】
【氏名】許沢 佳弘
【審査官】山崎 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特許第7429327(JP,B1)
【文献】国際公開第2021/192198(WO,A1)
【文献】特開2020-204956(JP,A)
【文献】特開2020-087023(JP,A)
【文献】特開2018-077636(JP,A)
【文献】特開2024-089678(JP,A)
【文献】国際公開第2022/074759(WO,A1)
【文献】特開2022-180185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客に対する所定の商品の営業回数を含む営業情報と、前記顧客の属性に関する属性情報と、前記顧客の所属組織を識別可能な組織識別情報と、前記所属組織に対する前記商品の売上実績である組織売上実績または前記組織売上実績を算出可能な情報を含む組織売上実績情報とを、前記顧客を識別可能な顧客識別情報に対応付けて記憶する記憶手段と、
前記顧客に対する前記商品の売上実績である顧客売上実績を、前記組織売上実績から前記営業回数に応じて、前記組織識別情報毎に予測して前記記憶手段に記憶する顧客売上実績予測手段と、
前記属性情報の入力を受けて、前記顧客売上実績が所定値以上である予測確率を出力する学習済みモデルを用いて、前記予測確率を前記属性情報に基づいて予測する使用確率予測手段と、を備え
前記学習済みモデルは、前記記憶手段に記憶される前記属性情報と、前記顧客売上実績を前記所定値を境に二値化したものとの関係を機械学習させることによって生成される予測モデルである
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶される前記顧客のうち、前記顧客売上実績予測手段によって前記顧客売上実績が有ると予測された顧客同士の類似度を、前記属性情報に基づいて判定する類似度判定手段、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
情報処理装置を用いた情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、
顧客に対する所定の商品の営業回数を含む営業情報と、前記顧客の属性に関する属性情報と、前記顧客の所属組織を識別可能な組織識別情報と、前記所属組織に対する前記商品の売上実績である組織売上実績または前記組織売上実績を算出可能な情報を含む組織売上実績情報とを、前記顧客を識別可能な顧客識別情報に対応付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記顧客に対する前記商品の売上実績である顧客売上実績を、前記組織売上実績から前記営業回数に応じて、前記組織識別情報毎に予測して前記記憶手段に記憶する顧客売上実績予測ステップと、
前記属性情報の入力を受けて、前記顧客売上実績が所定値以上である予測確率を出力する学習済みモデルを用いて、前記予測確率を前記属性情報に基づいて予測する使用確率予測ステップと、を実行し、
前記学習済みモデルは、前記記憶手段に記憶される前記属性情報と、前記顧客売上実績を前記所定値を境に二値化したものとの関係を機械学習させることによって生成される予測モデルである
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、営業支援システムが開示されている。この営業支援システムの予測システムは、予測モデル生成装置と、予測装置を備えている。予測モデル生成装置は、過去に営業対象となった、すなわち、営業実績のあった複数の顧客それぞれの属性と、既存顧客それぞれに対する営業活動の活動履歴と、営業対象としていた商品の属性から、受注の可能性が高い顧客および商品を予測する際に用いる予測モデルを生成する装置である。予測モデル生成装置の取得部は、予測モデルの生成に用いるデータとして、過去において営業活動の対象となった、つまり過去に営業実績のある複数の顧客それぞれの識別情報、顧客それぞれの属性データ、営業対象の商品の属性データおよび受注成否のデータを取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2021/192198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2015年9月に国際連合(国連)が策定した「持続可能な開発目標(SDGs)」は、持続可能で平等な世界の実現を目指すものであり、その中の目標3.8では「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の達成が掲げられている。
【0005】
これには、財政リスクからの保護や質の高い医療サービス、安全で効果的な必須医薬品へのアクセスが含まれる。
【0006】
しかし、製薬会社や医療機器企業による価格高騰が、医療費の財政を圧迫し、多くの人々が適切な医療を受けられない現状が問題視されている。さらに、製薬業界では、多額のマーケティング費用が費やされ、そのうち最大30%が非効率的な活動によって浪費されている。この原因は、ターゲット顧客が明確に判別されていないためである。
【0007】
本発明は、医薬品や医療機器のマーケティング活動の効率化を図り、ターゲット顧客を正確に判別することで無駄を削減し、医薬品価格の抑制に寄与する。これにより、SDGsの目標であるUHCの達成に貢献し、より多くの人々が質の高い医療にアクセスできるようにすることを目的としている。
【0008】
ところで、営業の対象となる顧客が会社等の組織に所属している場合があり、この場合、営業自体は顧客に対して行うものの、顧客からの商品の受注は組織を介して行われ、複数の顧客分を組織がまとめて発注することが多い。このため、各顧客の受注成否のデータを得ることが難しいので、特許文献1に記載の営業支援システムでは、営業を支援することが難しい。
【0009】
そこで、本開示は、組織に所属している顧客への営業を支援することが可能な情報処理装置及び情報処理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様の情報処理装置は、顧客に対する営業に関する営業情報と、前記顧客の属性に関する属性情報と、前記顧客の所属組織を識別可能な組織識別情報と、前記所属組織に対する所定の商品の売上実績に関する組織売上実績情報とを、前記顧客を識別可能な顧客識別情報に対応付けて記憶する記憶手段と、前記顧客に対する前記所定の商品の売上実績である顧客売上実績を、少なくとも前記営業情報と前記組織売上実績情報とに基づいて、前記組織識別情報毎に予測する顧客売上実績予測手段と、前記顧客売上実績が所定値以上である確率を前記商品の使用確率として前記属性情報に基づいて予測する使用確率予測手段と、を備える。
【0011】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の情報処理装置であって、前記記憶手段に記憶される前記顧客のうち、前記顧客売上実績予測手段によって前記顧客売上実績が有ると予測された顧客同士の類似度を、前記属性情報に基づいて判定する類似度判定手段、を備える。
【0012】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の情報処理装置であって、前記使用確率予測手段は、前記属性情報の入力を受けて前記顧客売上実績が所定値以上である確率を出力する学習済みモデルを用いて、前記使用確率を予測する。
【0013】
本発明の第4の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の情報処理装置であって、前記営業情報は、前記顧客に対する営業回数を含む。
【0014】
本発明の第5の態様は、情報処理装置を用いた情報処理方法であって、前記情報処理装置が、顧客に対する営業に関する営業情報と、前記顧客の属性に関する属性情報と、前記顧客の所属組織を識別可能な組織識別情報と、前記所属組織に対する所定の商品の売上実績に関する組織売上実績情報とを、前記顧客を識別可能な顧客識別情報に対応付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、前記顧客に対する前記所定の商品の売上実績である顧客売上実績を、少なくとも前記営業情報と前記組織売上実績情報とに基づいて、前記組織識別情報毎に予測する顧客売上実績予測ステップと、前記属性情報に基づいて、前記顧客売上実績が所定値以上である確率を前記商品の使用確率として予測する使用確率予測ステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、組織に所属している顧客への営業を支援することが可能な情報処理装置及び情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ユーザによる営業の一例を示す説明図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの概要図である。
図3】ハードウエア構成の一例を示す説明図である。
図4】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のブロック図である。
図5】データベースに記憶される組織情報及び組織売上実績情報の一例を示す説明図である。
図6】データベースに記憶される顧客の属性情報のうち顧客の専門分野の一例を示す説明図である。
図7】データベースに記憶される顧客の属性情報のうち顧客の会員情報の一例を示す説明図である。
図8】データベースに記憶される顧客の属性情報のうち顧客の参加学会の一例を示す説明図である。
図9】顧客売上実績の予測結果の一例を示す説明図である。
図10】顧客同士の類似度の一例を示す説明図である。
図11】顧客が商品を使用する使用確率の予測結果の一例を示す説明図である。
図12】情報処理装置が実行する処理の一例のフローチャートである。
図13】スクリーニング結果の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0018】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置10は、組織に所属している顧客への営業を支援することが可能な情報処理装置10である。以下の説明では、病院(所属組織)20に所属している医師(顧客)20aに対する、製薬会社や医療機器メーカー等の会社(ユーザ)30からの営業を支援することが可能な情報処理装置10として説明する。なお、組織、顧客、及びユーザは、病院、医師、及び製薬会社や医療機器メーカーに限定されるものではない。すなわち、本開示に係る情報処理装置及び情報処理方法は、医療分野以外の様々な分野における営業を支援することができる。
【0019】
(営業)
図1は、ユーザによる営業の一例を示す説明図である。図1では、会社30の取引相手として、3つの病院20を図示している。
【0020】
図1に示すように、会社30からの営業の対象となる医師20aは、病院20に所属している。会社30は、取引相手として複数(図1では3つ)の病院20を有している。会社30は、所定の商品(本実施形態では、所定の医薬品や所定の医療機器など)について、病院20に対して営業を行うこともあるが、病院20に所属する医師20aに対して直接的に営業X1を行うこともある。医師20aに対して直接的に営業X1を行った場合でも、医師20aからの商品の受注は、病院20を介して行われる。このとき、病院20に複数の医師20aが所属している場合には、病院20は、会社30に対して、複数の医師20a分の発注X2をまとめて行う。会社30は、病院20からの発注X2を受けた後、病院20に対して商品の納品X3を行う。
【0021】
(システム)
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含むシステムの概要図である。図2に示すように、情報処理装置10は、情報処理システム100の一部を構成してもよい。この情報処理システム100では、情報処理装置10と、情報処理装置10に対して通信ネットワークNWを介して接続される会社30のユーザ端末30aとが含まれる。ユーザ端末30aは、特に限定されるものではなく、例えば、デスクトップ型・ラップトップ型のパーソナルコンピュータであってもよいし、タブレット端末であってもよい。通信ネットワークNWは、有線・無線を問わない。なお、情報処理装置10は、情報処理システム100の一部を構成しなくてもよく、例えば、会社30、又は営業の支援を行うサービス提供会社等が、情報処理装置10を直接的に操作して使用することもできる。
【0022】
(ハードウエア構成)
図3は、ハードウエア構成の一例を示す説明図である。図3に示すように、情報処理装置10は、コンピュータ等の演算を行う装置であって、CPU(Central Processing Unit)210、ROM(Read-Only Memory)220、RAM(Random Access Memory)230、補助記憶装置240、通信I/F250、入力装置260、表示装置270、記憶媒体I/F280等を有する。なお、会社30のユーザ端末30aも同様の構成であってよい。
【0023】
CPU210は、ROM220に記憶されたプログラムを実行する装置であり、RAM230に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、情報処理装置10全体を制御する。ROM220は、CPU210が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM230は、ROM220に記憶されたプログラムをCPU210で実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0024】
補助記憶装置240は、基本ソフトウエアであるOS(Operating System)や本実施形態に係るアプリケーションプログラムなどを、関連するデータとともに記憶する装置である。補助記憶装置240は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどである。
【0025】
通信I/F250は、有線・無線LAN(Local Area Network)、インターネットなどの通信ネットワークNWに接続し、通信機能を提供する他装置とデータの授受を行うためのインターフェースである。
【0026】
入力装置260は、キーボードなど情報処理装置10にデータ入力を行うための装置である。表示装置270は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される装置であり、情報処理装置10が有する機能を利用する際や各種設定を行う際のユーザーインターフェースとして機能する装置である。記憶媒体I/F280は、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリなどの記憶媒体とデータの送受信を行うためのインターフェースである。なお、表示装置270は、タッチパネル式である場合には、表示機能に加えて、各種のデータ入力を行う入力装置として機能してもよい。
【0027】
CPU210がROM220又は補助記憶装置240に記憶されたプログラムなどのソフトウェアと協働して情報処理を実行することによって、情報処理装置10は、記憶手段、顧客売上実績予測手段、類似度判定手段、及び使用確率予測手段として機能する。なお、情報処理装置10のCPU210の機能の一部を抽出して、抽出した機能を他の情報処理装置に設け、互いに接続される複数の情報処理装置を用いて処理を実行してもよい。
【0028】
(情報処理装置)
図4は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置のブロック図である。図4に示すように、本実施形態の情報処理装置10は、データベース(記憶手段)11と、顧客売上実績予測部(顧客売上実績予測手段)12と、使用確率予測部(使用確率予測手段)14とを備える。また、本実施形態の情報処理装置10は、類似度判定部(類似度判定手段)13を更に備える。
【0029】
(データベース)
図5は、データベースに記憶される組織情報及び組織売上実績情報の一例を示す説明図である。図6は、データベースに記憶される顧客の属性情報のうち顧客の専門分野の一例を示す説明図である。図7は、データベースに記憶される顧客の属性情報のうち顧客の会員情報の一例を示す説明図である。図8は、データベースに記憶される顧客の属性情報のうち顧客の参加学会の一例を示す説明図である。なお、図6図8に示すように、質的データは、量的データに変換されて(例えば、「該当する:1」、「該当しない:0」等)データベースに記憶される。
【0030】
図5図8に示すように、データベース11は、営業情報600と、属性情報700と、組織情報400と、組織売上実績情報500とを、顧客識別情報300に対応付けて記憶する。
【0031】
(識別情報)
図5図8に示すように、顧客識別情報300は、データベース11に記憶される複数の医師20aの中から所定の医師20aを識別(特定)可能な情報である。新規の医師20aの情報をデータベース11に登録する際には、固有の顧客識別情報300が付されて記憶される。図5図8に示すように、本実施形態では、顧客識別情報300として、医師20aに対応付けられているID番号(顧客識別情報300)を付している。例えば、図5には、ID番号「2585」~「2604」の20名の医師20aの情報が図示されている。なお、データベース11には、ID番号(顧客識別情報300)に対応付けて、医師20aの氏名(図示省略)も登録されている。
【0032】
(組織情報)
図5に示すように、医師20aが所属する病院20に関する組織情報400は、少なくとも病院20を識別可能な組織識別情報401(本実施形態では「施設コード」)を含む。すなわち、データベース11は、顧客の所属組織を識別可能な組織識別情報を記憶する。新規の病院20の情報をデータベース11に登録する際には、固有の組織識別情報401が付されて記憶される。本実施形態では、組織情報400は、組織識別情報401に加えて、病院20の所在地情報402、及び病院20の規模情報403を含む。図5では、所在地情報402は、都道府県毎に対応付けられた「都道府県コード」であり、規模情報403は、病院20の病床数に応じた規模(「小病院」、「中病院」、及び「大病院」)毎に対応付けられた「病院種類(コード)」である。このような組織情報400は、データベース11に医師20aを登録する際に入手して登録してもよいし、データベース11に医師20aを登録した後に入手して登録してもよい。
【0033】
例えば、図5に示す施設コード「110015」の病院20には、3名の医師20a(ID番号「2585」~「2587」)が所属しており、当該病院20の「都道府県コード」は「1(例えば北海道)」であり、「病院種類」は「1(例えば大病院)」である。なお、データベース11には、施設コード(組織識別情報401)に対応付けて、病院20の名称(図示省略)も登録されている。また、組織情報400は、上記に限定されるものではなく、例えば、「職員数」や「診療科数」等を含んでもよい。
【0034】
(組織売上実績情報)
組織売上実績情報500は、医師20aが所属する病院20に対する会社30の所定の商品(以下、「商品Z」という。)の売上実績に関する情報である。組織売上実績情報500は、組織売上実績(所属組織に対する商品Zの売上実績)自体であってもよいし、或いは組織売上実績を算出可能な情報(例えば商品Zの単価及び受注数)であってもよい。また、組織売上実績情報500は、所定の期間における組織売上実績に関する情報であってもよい。組織売上実績情報500は、正確な値の方が好ましいが、大まかな値であってもよい。組織売上実績情報500は、組織売上実績が発生した際に、組織情報400及び当該病院20に所属する医師20aとともにデータベース11に登録されてもよい。或いは、組織売上実績情報500は、組織売上実績が発生した際に、既にデータベース11に登録されている病院20に対応付けて追加的にデータベース11に登録してもよい。
【0035】
例えば、図5には、組織売上実績情報500として、組織売上実績(円)が図示されている。具体的には、図5に示す「施設コード:110015」の病院に対する会社30の商品Zの「組織売上実績」は、「1,791,360(円)」である。
【0036】
(営業情報)
営業情報600は、各医師20aに対する商品Zの営業に関する少なくとも1つの情報であって、例えば、商品Zに関する営業回数、営業態様、サンプルの提供の有無等が挙げられる。営業情報600は、当該医師20aに対して営業を未だに行っていないという情報も含む。営業情報600は、過去に行った商品Zの営業に関する全ての情報であってもよいし、或いは上記所定の期間(組織売上実績を算出しているの期間)における商品Zの営業の情報であってもよい。営業回数は、医師20aへ行った営業の回数(0回も含む。)である。営業態様は、医師20aへ行った営業の内容であって、例えば、訪問(対面)営業、電話による営業、ウェブミーティング等における営業、メール等(ダイレクトメールやメールマガジンを含む)による営業、講演会による営業などがある。サンプルの提供の有無は、商品のサンプルを医師20aに対して提供したか否かの情報である。これらの中でも、後述する顧客売上実績800を予測する際の正確性の向上の観点から、営業情報600は、営業回数を含むことが好ましい。この「営業回数」は、上記営業態様毎の回数であってもよいし、全ての営業態様を含めた総営業回数であってもよい。本実施形態では、図5に示すように、データベース11は、営業情報600として、営業回数及び営業態様を含む営業訪問回数601を記憶している。「営業訪問回数」は、商品Zに関して訪問営業を行った回数である。このような営業情報600は、医師20aに対して営業を行った後、既にデータベース11に登録されている医師20aのID番号(顧客識別情報300)に対応付けて追加的にデータベース11に登録してもよい。なお、営業情報600は、営業回数、営業態様、サンプルの提供の有無に限定されるものではなく、営業に関する様々な情報(例えば営業担当者等)を含むことができる。
【0037】
例えば、図5に示す「施設コード:110015」の病院に所属している「ID番号:2585」の医師に対しては、会社30は、商品Zに関する訪問営業を1回(営業訪問回数:1)行っている。
【0038】
(顧客の属性情報)
属性情報700は、各医師20aの属性に関する複数の情報(不明である場合を含む。)であって、その入手方法は特に限定されない。属性情報700は、医師20aの属性に関する情報であれば特に限定されるものではないが、例えば図6図8に示す情報(項目)が挙げられる。なお、属性に関する具体的な情報が入手できていない場合であっても、「不明:0」という属性情報700が記憶される。すなわち、データベース11に登録されている医師20aには、属性情報700が必ず対応付けられて記憶される。
【0039】
(専門分野に関する情報)
図6に示すように、属性情報700は、医師20aの専門分野に関する情報701を含んでもよい。本実施形態では、医師20aの専門分野に関する情報701として、「循環器専門医」、「不整脈専門医」、「高血圧専門医」、「動脈硬化専門医」、「CVIT(Cardiovascular Intervention and Therapeutics)認定医」、「CVIT専門医」、「DM(糖尿病)専門医」、及び「消化器内科専門医」の項目が挙げられている。例えば、図6に示す「ID番号:2585」の医師は、「循環器専門医」及び「不整脈専門医」の項目に「1」の値が入っているので、「循環器専門医」であり、かつ「不整脈専門医」である。なお、「0」の値が入っている項目は、「該当しない」又は「不明」の項目である。このような医師20aの専門分野に関する情報701は、データベース11に医師20aを登録する際に入手して登録してもよいし、データベース11に医師20aを登録した後に入手して追加的に登録してもよい。
【0040】
(所定のWEBサイトに関する情報)
また、図7に示すように、属性情報700は、所定の情報提供WEBサイト(以下、「所定の医療情報サイト」という。)に関する医師20aの情報702を含んでもよい。
【0041】
本実施形態では、所定の医療情報サイトに関する医師20aの情報702として、「会員」、「F0」~「F5」、「有料」、及び「メルマガ」の項目が挙げられている。「会員」の項目は、所定の医療情報サイトの会員であるか否かを示す情報である。「F1」~「F5」の項目は、例えば、後述する5つの医師特性であって、所定の医療情報サイトの記事(動画記事、文章記事どちらでもよい)の視聴・閲覧履歴に基づいて判定される。所定の医療情報サイトの記事の視聴・閲覧が無い(或いは非常に少ない)場合には、「F1」~「F5」のいずれにも該当しない「F0」の項目に振り分けられる。「有料」の項目は、所定の医療情報サイトの有料会員であるか否かを示す情報であって、無料会員である場合には「0」が、通常の有料会員の場合には「1」が、プレミアム有料会員である場合に「2」が入力される。「メルマガ」の項目は、所定の医療情報サイトが発信するメールマガジンに登録しているか否かを示す情報である。
【0042】
所定の医療情報サイトに関する医師20aの情報702に含まれる医師特性「F1」~「F5」は、例えば、「心臓のカテーテル治療に関心を持つ循環器内科医(専門領域):F1」、「虚血性心疾患の治療全般に関心を持つ循環器内科医:F2」、「構造的心疾患の治療全般に関心を持つ循環器内科医:F3」、「循環器総合的に関心を持つ循環器内科医(カテーテルより、薬物療法などに関心を持つ):F4」、「末梢血管内治療に関心を持つ循環器内科医:F5」などの内容であってよい。医師特性の数や内容は、これに限定されるものではない。なお、所定の医療情報サイトの記事に対する視聴・閲覧履歴に基づいて医師特性を判定する方法は、例えば、特許7418877号公報に開示された技術が挙げられる。
【0043】
例えば、図7に示す「ID番号:2585」の医師は、所定の医療情報サイトの会員ではないので、「F0:1」に分類される。また、図7に示す「ID番号:2587」の医師は、所定の医療情報サイトの会員であるが(「会員:1」)、所定の医療情報サイトの記事に対する視聴・閲覧履歴が無い(或いは非常に少ない)ので、「F0:1」に分類される。また、図7に示す「ID番号:2592」の医師は、所定の医療情報サイトの会員であり(「会員:1」)、所定の医療情報サイトの記事に対する視聴・閲覧履歴に基づいた医師特性が「F5:1」である。なお、「0」の値が入っている項目は、「該当しない」又は「不明」の項目である。
【0044】
このような所定の医療情報サイトに関する医師20aの情報702は、データベース11に医師20aを登録する際に入手して登録してもよいし、データベース11に医師20aを登録した後に入手して追加的に登録してもよい。また、所定の医療情報サイトに関する医師20aの情報702の入手方法は、特に限定されるものではないが、例えば所定の医療情報サイトを運営する運営会社と業務提携したり、或いは所定の医療情報サイトを運営したりすることによって入手してもよい。
【0045】
(参加学会に関する情報)
また、図8に示すように、属性情報700は、医師20aの参加学会に関する情報703を含んでもよい。本実施形態では、参加学会に関する情報703として、「A学会」、「B学会」、「C学会」、「D学会」、「E学会」への参加に関する項目が挙げられている。例えば、図8に示す「ID番号:2585」の医師は、「A学会」、「B学会」、「C学会」、「D学会」、及び「E学会」のいずれの学会にも参加していない。一方、図8に示す「ID番号:2587」の医師は、「B学会」に参加している。なお、「0」の値が入っている項目は、「参加していない」又は「不明」の項目である。
【0046】
このような医師20aの参加学会に関する情報703は、データベース11に医師20aを登録する際に入手して登録してもよいし、データベース11に医師20aを登録した後に入手して追加的に登録してもよい。また、医師20aの参加学会に関する情報703の入手方法は、特に限定されるものではないが、例えば医師20aからの情報提供を受けてもよいし、学会を開催する会社と業務提携したり、或いは学会を開催したりすることによって入手してもよい。
【0047】
(その他の属性情報)
なお、属性情報700は、図6図8に示す情報(項目)に限定されるものではなく、他の情報を含んでもよい。例えば、属性情報700は、医師20aの属性として、医師20aが所属する病院20に関する情報(組織情報400と同様の情報)を含んでもよい。また、属性情報700は、医師20aによる商品Zの使用に関する情報(使用確認情報)、医師20aの年齢、性別、診療科、出身校、イベントへの参加状況、所定の医療情報サイトの記事(コンテンツ)の視聴・状況等を含んでもよい。
【0048】
データベース11に記憶されるこれらの情報(医師20aの氏名、組織情報400、組織売上実績情報500、及び変数情報。以下、まとめて「登録情報」という場合がある。)は、情報処理装置10を直接的に操作可能である場合には、情報処理装置10の入力装置260から入力してデータベース11に記憶してもよい。また、情報処理装置10を図2に示す情報処理システム100として使用する場合には、上記登録情報の一部または全部を、会社30のユーザ端末30aから通信ネットワークNWを介して取得してデータベース11に記憶してもよいし、会社30のユーザ端末30aとは異なる外部の情報処理装置から通信ネットワークNWを介して取得してデータベース11に記憶してもよい。
【0049】
(顧客売上実績予測部)
図9は、顧客売上実績の予測結果の一例を示す説明図である。図9に示すように、顧客売上実績予測部12は、医師20aに対する商品Zの売上実績である顧客売上実績800を、少なくとも営業情報600と組織売上実績情報500とに基づいて、組織識別情報401毎(すなわち、病院20毎)に予測する。顧客売上実績予測部12は、予測した顧客売上実績800を顧客識別情報300に対応付けてデータベース11に記憶する。なお、本実施形態では、顧客売上実績予測部12は、営業情報600と組織売上実績情報500とに基づいて顧客売上実績800を予測したが、これに限定されるものではなく、属性情報700と営業情報600と組織売上実績情報500とに基づいて顧客売上実績800を予測してもよい。
【0050】
顧客売上実績800は、商品Zの組織売上実績のうち、各医師20aに対する商品Zの売上実績(医師20a毎の発注額又は使用額)であって、病院20の外部(例えば会社30)からは正確な値を知ることは難しい。このため、本開示に係る情報処理装置10では、顧客売上実績予測部12が、少なくとも営業情報600と組織売上実績情報500とに基づいて、顧客売上実績800を組織識別情報401毎に予測する。従属変数である顧客売上実績800を求めるための独立変数は、多ければ多いほどよい。すなわち、顧客売上実績予測部12は、属性情報700及び営業情報600の双方の情報と組織売上実績情報500とに基づいて、顧客売上実績800を組織識別情報401毎に予測することが好ましい。
【0051】
例えば、顧客売上実績予測部12は、病院20に3人の医師20aが所属している場合には、これらの3人の医師20aのそれぞれの営業情報600に基づいて、当該病院20の組織売上実績から、病院20内における3人の医師20aのそれぞれの顧客売上実績800を予測する。なお、この場合の各医師20aの顧客売上実績800は、それぞれの属性情報700に基づいて予測される予測値であるので、3人の医師20aの顧客売上実績800の総和は、病院20の組織売上実績に一致しなくてもよい(図9の「施設コード:110015」の病院20参照)。
【0052】
顧客売上実績800を予測する場合、顧客売上実績予測部12は、データベース11に記憶される複数の医師20aの少なくとも営業情報600と組織売上実績情報500とに基づいて、営業情報600に含まれる項目と、組織売上実績との相関性の解析処理を実行する。これにより、顧客売上実績予測部12は、営業情報600のうち組織売上実績の向上に最も寄与するの項目(相関係数が最も高い項目)を検出し、顧客売上実績800の予測に使用する。次に、顧客売上実績予測部12は、病院20の組織売上実績と、当該病院20に所属する医師20aの上記項目(営業情報600のうち組織売上実績の向上に最も寄与するの項目)とに基づいて、顧客売上実績800を病院20毎に予測する。例えば、組織売上実績の向上に最も寄与するの項目が営業回数であれば、顧客売上実績予測部12は、組織売上実績から営業回数に応じて、顧客売上実績予測値を算出する。
【0053】
(類似度判定部)
図10は、顧客同士の類似度の一例を示す説明図である。図10では、横の列の医師20aと縦の列の医師20aとの交叉する部分の枠に、当該医師20a同士の類似度が示されている。
【0054】
図10に示すように、類似度判定部13は、データベース11に記憶される複数の医師20aのうち、顧客売上実績予測部12によって顧客売上実績800が有る(ゼロではない)と予測された医師20a同士の類似度を、属性情報700に基づいて判定する。なお、類似度判定部13は、顧客売上実績800が有り、かつ顧客売上実績800が所定値以上と予測された医師20a同士の類似度を判定してもよい。
【0055】
医師20a同士の類似度は、似た興味または関心を持っていると推察できる医師20aを抽出する際の指標となる値であって、属性情報700に基づいて判定される。類似度判定部13は、各医師20aの属性情報700に基づいて相関分析及び類似度分析を行い、各医師20a同士の類似度を判定する。例えば、類似度判定部13は、各医師20aの属性情報700をベクトル化し、これらのベクトル間のコサイン類似度を計算する。具体的には、類似度判定部13は、以下の手順で類似度を判定することができる。類似度判定部13は、各医師20aの属性情報700を、N次元のベクトルとして定義する。例えば、属性情報700が38個の属性値で構成されている場合、各医師20aのベクトルは38次元のベクトルとなる。次に、類似度判定部13は、各ベクトルの長さを1に正規化する。これにより、ベクトルの大きさの影響を除去し、ベクトル間の方向の類似度を測定できるようにする。そして、類似度判定部13は、計算されたコサイン類似度に基づいて、各医師20a同士の類似度を判定する。例えば、コサイン類似度がある閾値を超える場合、これらの医師20aは似た興味または関心を持っていると判定される。
【0056】
図10では、「ア医師会病院」の「A先生」と類似度が高い先生は、「イ共済病院」の「D先生」であり、その類似度は「95.6%」であることが分かる。一方、「A先生」と類似度が低い先生は、「エ療養病院」の「F先生」であり、その類似度は「23.9%」であることが分かる。類似度を表示装置270等に出力(表示)する際には、図10に示す「%」単位で示してもよいし、単なる数値で示してもよいし、或いは「高」「中」「低」等の基準で示してもよい。なお、図10では、「施設コード」、「ID番号」等を、「施設名称(病院20の名称)」、「医師名」等にそれぞれ変換して表示している。図10に示す「A~G」は、それぞれ医師20aの「氏名」であるものとする。
【0057】
(使用確率予測部)
図11は、顧客が商品を使用する使用確率の予測結果の一例を示す説明図である。図11に示すように、使用確率予測部14は、医師20aが商品Zを使用する使用確率900(以下、単に「使用確率900」という場合がある。)を、属性情報700に基づいて予測する。使用確率900は、顧客売上実績800が所定値以上である確率とする。なお、図11では、「施設コード」、「ID番号」等を、「施設名称(病院20の名称)」、「医師名」等にそれぞれ変換して表示している。図11に示す「A~N」は、それぞれ医師20aの「氏名」であるものとする。
【0058】
使用確率900を予測する場合、例えば、使用確率予測部14は、データベース11に記憶される複数の医師20aの顧客売上実績800が所定値よりも低い場合を「0」とし、上記所定値よりも高い場合を「1」と定義してクラス分けする。そして、使用確率予測部14は、データベース11に記憶される複数の医師20aの属性情報700を独立変数とし、顧客売上実績800のクラスが「1」となる確率(使用確率900)を従属変数として多変量解析(例えば、ロジスティック回帰分析等)を行う。上記所定値としては、例えば、データベース11に記憶される複数の医師20aの顧客売上実績800の中央値、又は複数の医師20aの顧客売上実績800の平均値等が挙げられる。本実施形態では、上記所定値として、データベース11に記憶される複数の医師20aの顧客売上実績800の中央値を適用し、中央値よりも低い場合を「0」とし、中央値よりも高い場合を「1」と定義してクラス分けする。
【0059】
例えば、図2に示すように、情報処理装置10は、予測モデル生成部15と、予測モデル記憶部16とを備えてもよい。予測モデル生成部15は、医師20aの属性情報700を入力すると、使用確率900を出力する予測モデル(学習済みモデル)を生成する。当該予測モデルは、データベース11に記憶される複数の医師20aの属性情報700と顧客売上実績800のクラス(「0」or「1」)との関係を機械学習させることによって生成される。予測モデル生成部15によって生成された予測モデルは、予測モデル記憶部16に記憶される。使用確率予測部14は、予測モデル記憶部16に記憶される予測モデルに、属性情報700を入力し、医師20aによる商品Zの使用確率900を予測してもよい。
【0060】
なお、使用確率予測部14による使用確率900の予測は、予めデータベース11に記憶される複数の医師20aの使用確率900の予測に限定されるものではない。例えば、使用確率予測部14は、データベース11に登録されていない医師20aの属性情報700の入力に対して、商品Zの使用確率900を出力(予測)することもできる。
【0061】
(情報処理方法)
次に、本開示の一実施形態に係る情報処理方法について、図12に基づいて説明する。図12は、情報処理装置が実行する処理の一例のフローチャートである。
【0062】
図12に示すように、本処理では、先ず、医師20aが所属する病院20に関する組織情報400と、病院20に対する商品Zの組織売上実績情報500と、医師20aの属性情報700と、医師20aに対する営業情報600とを取得し、顧客識別情報300に対応付けてデータベース11に記憶する(記憶ステップ(ステップS1))。なお、これらの情報は、同時に取得しなくてもよく、各情報の取得するごとに、顧客識別情報300に対応付けてデータベース11に記憶してもよい。
【0063】
次に、顧客売上実績予測部12は、少なくとも営業情報600と組織売上実績情報500とに基づいて顧客売上実績800を、組織識別情報401(病院20)毎に予測する(顧客売上実績予測ステップ(ステップS2))。
【0064】
次に、類似度判定部13は、ステップS1においてデータベース11に記憶される複数の医師20aのうち、ステップS2において顧客売上実績800が有ると予測された医師20a同士の類似度を、属性情報700に基づいて判定する(類似度判定ステップ(ステップS3))。
【0065】
次に、使用確率予測部14は、属性情報700に基づいて使用確率900を予測する(ステップS4)。そして、情報処理装置10は、本処理を終了する。
【0066】
なお、ステップS3の処理とステップS4の処理とは、順番が逆であってもよい。また、本実施形態では、ステップS3の処理を実行しているが、ステップS3の処理を実行しなくてもよく、ステップS2の終了後にステップS4へ移行してもよい。また、ステップS2、ステップS3、及びステップS4の処理は、ステップS1における情報の入力後に自動的に実行されてもよいし、外部からの命令を受けてから実行されてもよい。
【0067】
(情報処理装置の使用例)
次に、本実施形態に係る情報処理装置10の使用例について、図13に基づいて説明する。図13は、スクリーニング結果の一例を示す説明図である。
【0068】
例えば、会社30は、所定の病院20から商品Zの発注を受けた場合、組織売上実績情報500を、情報処理装置10に入力して、組織識別情報401に対応付けてデータベース11に記憶する。このとき、組織売上実績情報500に加えて、当該病院20の組織情報400と、当該病院20への営業情報600と、当該病院20に所属する医師20aの情報(属性情報700を含む。)も、情報処理装置10に入力して、データベース11に記憶してもよい。或いは、組織情報400、営業情報600、当該病院20に所属する医師20aの情報は、予めデータベース11に記憶されていてもよい。
【0069】
情報処理装置10の利用者は、データベース11に記憶される医師20aの中から、商品Zについての営業回数が少ない(ゼロを含む。以下同じ。)医師20aをスクリーニングして表示装置270に出力し、出力された医師20aの商品Zの使用確率900を確認する。或いは、商品Zについての営業回数が少なく、かつ商品Zの使用確率900が高い(上位10名等)医師20aをスクリーニングして表示装置270に出力する。これにより、商品Zの使用確率900が潜在的に高く、かつ営業回数が少ない医師20aを抽出することができるので、抽出された医師20aを次の営業対象にすることができ、効率的に営業を行うことができる。なお、この「営業対象」とは、訪問営業の対象に限定されるものではなく、営業のためのセミナーや研究会を開催する際の参加候補者対象であってもよい。
【0070】
また、データベース11に登録されていない未登録の医師20aの属性情報700が得られる場合には、この未登録の医師20aの属性情報700を入力することによって、当該医師20aの商品Zの使用確率900を予測し、表示装置270に出力することができる。これにより、商品Zの使用確率900が高い医師20aを次の営業対象にすることができ、効率的に営業を行うことができる。
【0071】
また、情報処理装置10の利用者は、データベース11に記憶される医師20aの中から、商品Zを発注したであろう医師20a(上記所定の病院20に所属する医師20a)と類似度が高い(所定値以上)の医師20aを抽出し、表示装置270に出力する。これにより、顧客売上実績800が有ると予測され、かつ商品Zを発注したであろう医師20aと類似度が高い医師20aを抽出することができるので、商品Zの受注の可能性が高い医師20aを次の営業対象にすることができ、効率的に営業を行うことができる。
【0072】
また、商品Zを発注したであろう医師20aとの類似度が高く、かつ商品Zの使用確率900が高い医師20aを抽出してもよい。これにより、商品Zの受注の可能性が更に高い医師20aを次の営業対象にすることができるので、更に効率的に営業を行うことができる。
【0073】
また、データベース11に記憶される他の情報を利用して、更にスクリーニングしてもよい。例えば、図13に示すように、病院20の所在地(エリア)や診療科等の条件に基づいて、医師20aを抽出してもよい。これにより、商品Zの受注の可能性が高く、かつ所望の条件に合った医師20aを抽出することができるので、更に効率的に営業を行うことができる。抽出した情報を表示装置270に出力する際には、認識し易くするために、図13に示すように、「都道府県コード」、「施設コード」、「ID番号」等を、「エリア(都道府県名)」、「施設名(病院20の名称)」、「医師名」にそれぞれ変換して出力することが好ましい。なお、図13に示す「O~T」は、それぞれ医師20aの「氏名」であるものとする。
【0074】
また、情報処理装置10の他の使用例としては、上記所定の病院20から商品Zの発注を受けた後、医師20aによる商品Zの使用が確認された場合(使用確認情報が得られた場合)、商品Zを使用した当該医師20aと類似度が高い(所定値以上)の医師20aを抽出し、表示装置270に出力する。これにより、顧客売上実績800が有ると予測され、かつ実際に商品Zの使用が確認された医師20aと類似度が高い医師20aを抽出することができるので、商品Zの受注の可能性が更に高い医師20aを次の営業対象にすることができる。また、医師20aによる商品Zの使用確認情報を属性情報700の1つとしてデータベース11に記憶している場合には、使用確認情報が得られていない医師20a又は商品Zについて未だ営業に行っていない医師20aの中から、使用確認情報が得られた医師20aと類似度が高い医師20aを抽出してもよい。これにより、更に効率的に営業を行うことができる。
【0075】
また、情報処理装置10の他の使用例としては、商品Zを発注したであろう医師20a(又は使用確認情報が得られた医師20a)と類似度が高い医師20aを抽出することができるので、医師20a間のコミュニティ作りのターゲッティングにも利用することができる。
【0076】
このように、本実施形態によれば、組織に所属している顧客への営業を支援することが可能な情報処理装置10及び情報処理方法を提供することができる。
【0077】
なお、本実施形態では、1つの商品Zについて説明したが、複数の商品であっても、商品毎にデータを記憶することによって、それぞれの商品における営業の支援を行うことができる。
【0078】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0079】
10:情報処理装置
11:データベース(記憶手段)
12:顧客売上実績予測部(顧客売上実績予測手段)
13:類似度判定部(類似度判定手段)
14:使用確率予測部(使用確率予測手段)
300:顧客識別情報
400:組織情報
401:組織識別情報
500:組織売上実績情報
600:営業情報
700:属性情報
800:顧客売上実績
900:使用確率
【要約】
【課題】組織に所属している顧客への営業を支援することが可能な情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】本開示に係る情報処理装置10は、顧客に対する営業に関する営業情報と、顧客の属性に関する属性情報と、顧客の所属組織を識別可能な組織識別情報と、所属組織に対する所定の商品の売上実績に関する組織売上実績情報とを、顧客を識別可能な顧客識別情報に対応付けて記憶するデータベース11と、顧客に対する商品の売上実績である顧客売上実績を、少なくとも営業情報と組織売上実績情報とに基づいて、組織識別情報毎に予測する顧客売上実績予測部12と、顧客売上実績が所定値以上である確率を商品の使用確率として属性情報に基づいて予測する使用確率予測部14と、を備える。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13