(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】スノーバイクの無人走行制御システムおよびスノーバイクの無人走行制御システムの無人走行制御方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/222 20240101AFI20250219BHJP
B62M 27/02 20060101ALI20250219BHJP
【FI】
G05D1/222
B62M27/02 A
B62M27/02 H
(21)【出願番号】P 2024195979
(22)【出願日】2024-11-08
【審査請求日】2024-11-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503250218
【氏名又は名称】株式会社一冨士本店
(74)【代理人】
【識別番号】110002882
【氏名又は名称】弁理士法人白浜国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 政宣
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第115871807(CN,A)
【文献】国際公開第2024/047280(WO,A1)
【文献】特開2005-193788(JP,A)
【文献】特開2006-196006(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0168332(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/222
B62M 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信媒体を介して、FPVカメラを装備したスノーバイクと、前記FPVカメラから送信される動画データを受信する制御装置に接続されるディスプレイ上で視認しながら、前記スノーバイクに対して前記スノーバイクの走行機能を遠隔制御する雪上走行制御信号を送信して前記スノーバイクを無人で雪上走行させる
スノーバイクの無人走行制御システムであって、
前記スノーバイクは、
前記制御装置から送信される前記雪上走行制御信号を受信するとともに、前記FPVカメラが撮像する動画を前記制御装置に送信する送受信アンテナと、
雪上走行制御情報を解析して方向制御そり部を回転させる回転機構の回転方向並びに回転量を制御して走行方向を制御する第1の制御手段と、
前記雪上走行制御情報を解析して前記スノーバイクの本体車体部のフレーム部の下部に設けるトラックベルトの循環駆動用のクローラの回転始動、回転停止、回転速度を制御する第2の制御手段と、
前記雪上走行制御情報を解析してクローラを駆動するエンジンの始動、停止を制御する第3の制御手段と、
前記スノーバイクの本体の周囲から発生される肉声を集音するマイクと、前記制御装置から送信された音声を拡声して出力するスピーカとを制御する音声処理手段と、を備え、
前記音声処理手段は、前記送受信アンテナを介して前記マイクが集音した音声情報を前記制御装置に送信させる制御と、前記送受信アンテナを介して前記制御装置から受信する音声情報を前記スピーカから拡声させる制御とを同時に行うことを特徴とするスノーバイクの無人走行制御システム。
【請求項2】
前記スノーバイクは、
本体車体部と、雪上を夜間走行する前方を照明する照明手段
と、を備え、
前記制御装置は、
前記スノーバイクの夜間走行時に、雪上遭難者の救護活動を支援する救護活動モードを設定し、前記照明手段の点灯または消灯を制御し、かつ、GPS信号を取得しながら、あらかじめ記憶された地形情報で特定される捜索ルート上における前記スノーバイクの雪上無人走行を制御することを特徴とする請求項1に記載のスノーバイクの無人走行制御システム。
【請求項3】
前記本体車体部は、所定の救助資材を格納する第1の収容部を備えることを特徴とする請求項
2に記載のスノーバイクの無人走行制御システム。
【請求項4】
所定の救助資材は、防寒シート、折り畳み担架、人体骨の骨折箇所を固定する骨固定具、頸椎または腰椎を固定するための関節固定具を含むことを特徴とする請求項
2に記載のスノーバイクの無人走行制御システム。
【請求項5】
前記本体車体部は、救助位置を特定するための位置情報を発信するGPS発信部を備えることを特徴とする請求項
2に記載のスノーバイクの無人走行制御システム。
【請求項6】
前記本体車体部は、投光器と、非常用無線通信機器と、バッテリと、照明弾を収容する第2の収容部を備えることを特徴とする請求項
2に記載のスノーバイクの無人走行制御システム。
【請求項7】
前記本体車体部は、照明弾、暖炉材を収容する第3の収容部を備えることを特徴とする請求項
2に記載のスノーバイクの無人走行制御システム。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記送受信アンテナから送信される前記FPVカメラが撮像した動画を受信する動画受信部と、
前記動画受信部が受信した前記動画を前記ディスプレイに出力する動画出力手段と、
を備えることを特徴とする請求項
1に記載のスノーバイクの無人走行制御システム。
【請求項9】
前記本体車体部は、救助者を搬送する折り畳み担架をけん引するウインチを備えることを特徴とする請求項
2に記載のスノーバイクの無人走行制御システム。
【請求項10】
前記本体車体部は、救助者の患部を温める所定温度の温水を貯蔵する温水タンクを備えることを特徴とする請求項
2に記載のスノーバイクの無人走行制御システム。
【請求項11】
前記折り畳み担架の内側には、患者の体温を所定温度に維持させるための所定の熱源が配置されていることを特徴とする請求項
9に記載のスノーバイクの無人走行制御システム。
【請求項12】
前記折り畳み担架は、所定の熱源から前記折り畳み担架に設定される頭部側と、上半身側と、下半身側と、つま先側に供給する温度を個別に設定可能に構成したことを特徴とする請求項
9に記載のスノーバイクの無人走行制御システム。
【請求項13】
所定の通信媒体を介して、FPVカメラを装備したスノーバイクと、前記FPVカメラから送信される動画データを
受信する制御装置に接続されるディスプレイ上
で視認しながら、
前記スノーバイクに対して前記スノーバイクの走行機能を遠隔制御する
雪上走行制御信号を送信して前記スノーバイクを無人で雪上走行させるスノーバイクの無人走行制御システムの無人走行制御方法あって、
前記スノーバイクは、
前記制御装置から送信される前記雪上走行制御信号を受信するとともに、前記FPVカメラが撮像する動画を前記制御装置に送信する送受信アンテナを備え、
雪上走行制御情報を解析して方向制御そり部を回転させる回転機構の回転方向並びに回転量を制御して走行方向を制御する第1の制御ステップと、
前記雪上走行制御情報を解析して前記スノーバイクの本体車体部のフレーム部の下部に設けるトラックベルトの循環駆動用のクローラの回転始動、回転停止、回転速度を制御する第2の制御ステップと、
前記雪上走行制御情報を解析してクローラを駆動するエンジンの始動、停止を制御する第3の制御ステップと、
前記スノーバイクの本体の周囲から発生される肉声を集音するマイクと、前記制御装置から送信された音声を拡声して出力するスピーカとを制御する音声処理ステップと、を備え、
前記音声処理ステップは、前記送受信アンテナを介して前記マイクが集音した音声情報を前記制御装置に送信させる制御と、前記送受信アンテナを介して前記制御装置から受信する音声情報を前記スピーカから拡声させる制御とを同時に行うことを特徴とするスノーバイクの無人走行制御システムの無人走行制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雪道を走行するスノーバイクを無線操縦して、雪上における救難救護活動を支援するスノーバイクの無人走行制御システムおよびスノーバイクの無人走行制御システムの無人走行制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、雪上を走行するモバイルビークルとして、スノーバイクが実用化されている。
【0003】
ここで、スノーバイクを運転するには、公道を走行することを予定していないため、特別な運転免許を取得する必要はない。
【0004】
また、雪上でスノーバイクを運転する場合、運転者がエンジンを始動して、アクセルとブレーキを操作して前進走行を行い、ブレーキ操作をしてスノーバイクを停止させるという基本操作を行うことで、限定された雪上域で移動手段として雪国において活用されている。
【0005】
一方、冬登山を行う登山者は、気象の急激な変化に対応し、かつ、十分な位置情報を確認しながら登山しないと、登山ルートから外れて雪山遭難する事象も発生する。
【0006】
一般的な、ガソリンエンジンで走行するスノーバイクの一例として下記特許文献が公開されている。
【0007】
なお、スノーバイクを無人操縦可能とするためには、GPSとIMU(慣性計測装置)とを組み合わせてスノーモービルの位置と姿勢を常に把握する技術が公開されている。ここで、無人化したスノーバイクは、視覚センサーやレーザースキャンなどを使用して、周囲の障害物を検出し回避する手段を備える。
また、通信システムとして、リモート操作やデータ送信のために、無線通信システムを備える。
【0008】
さらに、遠隔地からでもスノーモービルを操作する際、自動操縦アルゴリズムやGPSデータやセンサー情報を基に、スノーモービルが自動的に運転するコントローラが必要となる。さらに、長時間の運転をサポートするために、効率的なバッテリ管理システムも必要となる。
【0009】
なお、下記特許文献1には、スノーモービルの運転背制御に係る技術として、「改良されたステアリング制御を有するスノーモービルを提供するため、改良されたステアリング制御を有するスノーモービルは、ユーザ操作ステアリング要素を有するステアリングシステムに結合された電気作動装置であって、装置はステアリングシステムにトルクを加える、電気作動装置と、スロットルと、トルクセンサ並びに地形データ及び運転データを生成するための少なくとも1つの追加センサを含む複数のセンサと、装置及びセンサに結合された少なくとも1つのコントローラとを含む運転制御システムを有する。少なくとも1つのコントローラは、生成された地形条件及び生成された運転データを用いて地形条件モードを選択し、ユーザ操作ステアリング要素の回転の角度及び速度に応答して加えるトルクを決定し、電気作動装置を作動させて、トルクをステアリングシステムに加え、トルクは電気作動装置によってのみ加えられる。」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで、遭難者の遭難位置、ビバーク位置を迅速に把握して、救助物資を搬送するためには、通常、警察隊員や山岳救助隊によるチーム編成を行った後、複数のルートに分かれて人力による雪上移動を行う必要があり、特に、夜間は二次遭難を防止するため、夜間の救助作業は行われていないため、低体温症による体温低下により生命維持ができなくなり、死亡する事象も発生している。
【0012】
そこで、夜間においても、スノーバイクを無人走行させて可能な限りに遭難者を迅速に救護活動するシステムの開発が切望されている。
【0013】
特に、従来のスノーバイクを無人走行させる技術では、カメラ技術との連携がなされておらず、特に、FPVカメラを装備したスノーバイクを無人走行させるシステについては、利用目的に合わせてシステム設計する必要があり、救護者へのケアを想定した装備を備える必要があり、無人走行面とともに、救護活動面も考慮した柔軟なシステム設計が要求されている。
【0014】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、スノーバイクにFPVカメラを搭載してドローン化し、遠隔地の操縦者が制御装置を操作してスノーバイクの電源供給の始動、停止、走行方向、走行速度、走行停止、前照灯の点灯、消灯を制御することで、冬季の雪深い地域の夜間において、登山者や、自然災害により孤立している住民に必要な物資を搬送したり、救護者を担架に乗せて搬送したり、機動的、かつ、迅速に雪上災害地において救護活動を総合的に支援できるスノーバイクの無人走行制御システムおよびスノーバイクの無人走行制御システムの無人走行制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成する本発明のスノーバイクの無人走行制御システムは以下に示す構成を備える。
【0016】
本発明に係るスノーバイクの無人走行制御システムは所定の通信媒体を介して、FPVカメラを装備したスノーバイクと、前記FPVカメラから送信される動画データを受信する制御装置に接続されるディスプレイ上で視認しながら、前記スノーバイクに対して前記スノーバイクの走行機能を遠隔制御する雪上走行制御信号を送信して前記スノーバイクを無人で雪上走行させるスノーバイクの無人走行制御システムであって、前記スノーバイクは、前記制御装置から送信される前記雪上走行制御信号を受信するとともに、前記FPVカメラが撮像する動画を前記制御装置に送信する送受信アンテナと、雪上走行制御情報を解析して方向制御そり部を回転させる回転機構の回転方向並びに回転量を制御して走行方向を制御する第1の制御手段と、前記雪上走行制御情報を解析して前記スノーバイクの本体車体部のフレーム部の下部に設けるトラックベルトの循環駆動用のクローラの回転始動、回転停止、回転速度を制御する第2の制御手段と、前記雪上走行制御情報を解析してクローラを駆動するエンジンの始動、停止を制御する第3の制御手段と、前記スノーバイクの本体の周囲から発生される肉声を集音するマイクと、前記制御装置から送信された音声を拡声して出力するスピーカとを制御する音声処理手段と、を備え、前記音声処理手段は、前記送受信アンテナを介して前記マイクが集音した音声情報を前記制御装置に送信させる制御と、前記送受信アンテナを介して前記制御装置から受信する音声情報を前記スピーカから拡声させる制御とを同時に行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、冬季の雪深い地域の夜間においても、救護を待つ登山者を捜索したり、自然災害により孤立している住民に必要な物資を搬送したり、救護者を担架に乗せて搬送したりすることで、機動的、かつ、迅速に雪上災害地において救護活動を総合的に支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【
図1】本実施形態を示すスノーバイクの外観を示す斜視図。
【
図2】本実施形態を示すスノーバイクの無人走行制御システムの構成を説明するブロック図。
【
図3】(a)は、
図1に示したセンターサーバに接続する第1~第4の制御装置の構成を説明するブロック図、(b)は、(a)に示したRAMに記憶されるプログラムの構成を説明する図。
【
図4】
図1に示した第1~第4の制御装置により遠隔制御される無人のスノーバイクドローンの構成を説明するブロック図。
【
図5】
図1に示したセンターサーバの構成を説明するブロック図。
【
図6】本実施形態を示すスノーバイクの無人走行制御システムの遠隔操縦処理方法を説明するフローチャート。
【
図7】本実施形態を示すスノーバイクの無人走行制御システムの遠隔操縦処理方法を説明するフローチャート。
【
図8】本実施形態を示すスノーバイクの無人走行制御システムの遠隔操縦処理方法を説明するフローチャート。
【
図9】本実施形態を示すスノーバイクの無人走行制御システムの遠隔操縦処理方法を説明するフローチャート。
【
図10】本実施形態を示すスノーバイクの無人走行制御システムの遠隔操縦処理方法を説明するフローチャート。
【
図11】
図2に示した第1~第4の制御装置のタッチパネルや3Dゴーグルに表示される走行ガイドアイコンの一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本発明を適用するスノーバイクの外観を示す斜視図である。なお、本実施形態では、雪上を走行するための走行ベルトは、ガソリンエンジンで駆動される回転ギアを介して回転力が伝達される構成としているが、電動モータもしくは電動モータとガソリンエンジンのハイブリットによるもので構成してもよい。
また、エンジンの燃料は、水素を燃料としたり、植物から抽出した油を燃料としたりするものであってもよい。
【0021】
図1において、101はエアフィルタで、エンジンに供給する空気を清浄化する。102はバッテリで、24Vもしくは12VのDC電力を供給する。図示しないヒューズボックスで、スノーバイク本体の電気回路に突入する過電流を検知して電流供給を遮断する。
【0022】
なお、図示しないVベルトで、エンジン駆動歯車に回動してスノーバイクを前進させる駆動力を伝達する。108はハンドルレバーで、左回りまたは右回りに所定角度の範囲で移動することで、前方下部に設けられるスキー部が連動して移動する。109は収納部で、本体車体後部側に前方側収納庫と後方側収納庫に分けて設けられている。
【0023】
また、後方側収納庫には、所定の救助資材として、防寒シート、折り畳み担架、人体骨の骨折箇所を固定する骨固定具、頸椎または腰椎を固定するための関節固定具等を収納可能に構成されている。
さらに、前方側収納庫には、救助位置を特定するための位置情報を発信するGPS発信部を備える。
また、前方側収納庫には、投光器と、非常用無線通信機器と、バッテリとを収容する前方収容部を備える。
さらに、前方側収納庫は、照明弾、暖炉材を収容する前方収容部を備える。
【0024】
112はリアキャリアで、装備品を固定することができるように構成されている。114はテールランプで、後方を走行するスノーバイクに対して制動中であることを注意喚起する。115はサスペンションで、本体の上下動に伴う振動を吸収する。
【0025】
なお、本体前部には、前照灯が設けられ、サブ照明として投光器を着脱する係合部材が設けられている。これにより、前照灯のみでは、確認できない救護者を500~600m手前側で視認することが可能となる。
さらに、本体車体後部または前記本体車体前部には、救助者を搬送する折り畳み担架をけん引するウインチを備える。
【0026】
また、収納部109には、救助者の患部を温める所定温度(40~42度)の温水を貯蔵する温水タンクや心肺蘇生キット(AED(Automated External Defibrillator))を備える。これにより、凍傷患者のケアを迅速に行うことができる。
さらに、折り畳み担架の内側には、患者の体温を所定温度に維持させるための所定の熱源(リチウム電池により電力が供給される)が配置されている。
【0027】
また、折り畳み担架は、所定の熱源から前記担架に設定される頭部側と、上半身側と、下半身側と、つま先側に供給する温度を個別に設定可能とする温度コントローラを備えている。
【0028】
120はアンテナで、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nとの双方向通信を所定の通信プロトコルで行う。
【0029】
CAMはFPVカメラで、アンテナ120を介して、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nに撮像した動画データを送信する。
【0030】
ここで、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nを操作する操縦者および監視員は、モニタに表示されるスノーバイクドローンSD1~SD4の動画データを見ながら、スノーバイクドローンSD1~SD4の走行方向、走行速度、走行停止、前照灯の点灯、消灯等を遠隔的に制御する。
【0031】
図2は、本実施形態を示すスノーバイクの無人走行制御システムの構成を説明するブロック図である。
【0032】
図2において、1はセンターサーバで、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nとの通信を統括し、ネットワーク21を介して捜索隊を構成する第1のスノーバイクドローンSD1、第2のスノーバイクドローンSD2、第3のスノーバイクドローンSD3、第4のスノーバイクドローンSD4との情報を集約して探索活動情報を共有するためのデータ処理を総括的に制御する。
【0033】
ここで、第1の制御装置3-1~3-Nは、FPVカメラCAM1を装備する第1のスノーバイクドローンSD1とネットワーク21を介して双方向にデータ通信を行う。
【0034】
同様に、第2の制御装置4-1~4-Nは、FPVカメラCAM2を装備する第2のスノーバイクドローンSD2とネットワーク21を介して双方向にデータ通信を行う。
【0035】
同様に、第3の制御装置5-1~5-NはFPVカメラCAM3を装備する第3のスノーバイクドローンSD3とネットワーク21を介して双方向にデータ通信を行う。
【0036】
同様に、第4の制御装置2-1~2-Nは、FPVカメラCAM4を装備する第4のスノーバイクドローンSD4とネットワーク21を介して双方向にデータ通信を行う。
【0037】
なお、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nには、スノーバイク本体に装備されるFPVカメラCAMが撮像する動画データを表示する画面を備えるデータ端末もしくは3D画像を表示するゴーグルシステムが接続可能に構成されている。なお、探索スポットエリアについては後述する。
【0038】
D1~D4はドローンで、FPVカメラCAMを搭載し、かつ、GPS信号を受信して設定される雪道捜索地域を飛行しつつ、撮像した動画データをセンターサーバ1に送信可能に構成されている。SP1~SP4は探索スポットエリアで、捜索隊本部に備えるセンターサーバ1により設定される。
【0039】
図3は、
図1に示したセンターサーバ1に接続する第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nの構成を説明するブロック図である。
【0040】
なお、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nには、パッド装置、PC装置、スマートフォンなどを想定している。
【0041】
図3の(a)において、301はCPUで、ROM302に記憶されたOS、制御プログラムをRAM303にロードして実行することにより、各種アプリケーションを実行する。304は通信部で、ネットワーク21に接続されるセンターサーバ1に接続するための通信を制御する。
【0042】
なお、ディスプレイおよびキーボードは、タッチパネルディスプレイ311Aとして一体として構成されていてもよい。
【0043】
図3の(b)に示すRAM303において、ログイン部303-1は端末操作を行うユーザからのIDやパスワードを認証する処理を実行する。
【0044】
303-3はブラウザ機能処理を実行するUI制御部で、
図1に示したセンターサーバ1が提供するプラットフォーム1Aから第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nが備えるタッチパネルディスプレイ311Aに表示する制御を実行する。
【0045】
また、UI制御部303-3は、センターサーバ1で編集された空撮動画ファイルを受信して、図示しない不揮発性メモリ、もしくは不揮発性メモリ領域に保存し、ダウンロード部303-2がアプリサイトからダウンロードする動画アプリを起動することで動画を再生することができる。
【0046】
303-4はルート選択部で、センターサーバ1から提供されるサービス画面に表示される探索ルート一覧から所望の探索ルートを選択する処理を実行する。
【0047】
なお、飛行ルートは、ドローンD1~D4が空撮した空撮動画データをAI解析して、季節、気象条件、太陽の位置など複数の飛行条件に基づいて、最適な探索ルートを追加できるように構成されているものとする。
【0048】
303-5は受信部で、対応する第1のスノーバイクドローンSD1、第2のスノーバイクドローンSD2、第3のスノーバイクドローンSD3、第4のスノーバイクドローンSD4のいずれかから送信されて雪上動画データに対してAI編集された雪上動画データを受信する。
【0049】
これにより、より鮮明に画像処理されて視覚化された捜索域の動画データを第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nを操作する操縦者および捜索を補佐する監視員に提供することができる。具体的には、捜索を補佐する監視員が操作する図示しないデータ端末に中継送信することで、捜索現場で救護活動を行う最前線で視覚的に有用な捜索情報を得ることができる。
【0050】
これにより、迅速な救助活動計画を策定して、救護者の収容から病院搬送を含む広域にわたる活動を機動的に支援することができる。
【0051】
走行指令部303-6は、第1のスノーバイクドローンSD1、第2のスノーバイクドローンSD2、第3のスノーバイクドローンSD3、第4のスノーバイクドローンSD4の夜間走行時に、雪上遭難者の救護活動を支援する救護活動モードを設定し、照明手段の点灯または消灯を制御し、かつ、GPS信号を取得しながら、センターサーバ1の探索動画データベース14Bにあらかじめ記憶された地形情報で特定される捜索ルート上における第1のスノーバイクドローンSD1、第2のスノーバイクドローンSD2、第3のスノーバイクドローンSD3、第4のスノーバイクドローンSD4の雪上無人走行を制御する。
【0052】
また、第1の制御装置3-1~3-Nは、アンテナAT1を介して第1のスノーバイクドローンSD1の送受信アンテナATから送信されるFPVカメラCAMが撮像した動画を受信する処理を制御する。なお、アンテナAT1は、走行指令部303-6から発出される走行制御信号を第1のスノーバイクドローンSD1に対して送信する。
【0053】
また、動画出力部303-7は、第1のスノーバイクドローンSD1の送受信アンテナATから送信されるFPVカメラCAMが撮像した動画データは、タッチパネルディスプレイ311Aまたは3Dゴーグル311Bのモニタ画面に表示される。
【0054】
第2の制御装置4-1~4-Nは、アンテナAT2を介して第2のスノーバイクドローンSD2の送受信アンテナATから送信されるFPVカメラCAMが撮像した動画を受信する処理を制御する。なお、アンテナAT2は、走行指令部303-6から発出される走行制御信号を第2のスノーバイクドローンSD2に対して送信する。また、動画出力部303-7は、第2のスノーバイクドローンSD2の送受信アンテナATから送信されるFPVカメラCAMが撮像した動画データは、タッチパネルディスプレイ311Aまたは3Dゴーグル311Bのモニタ画面に表示される。
【0055】
第3の制御装置5-1~5-Nは、アンテナAT3を介して第3のスノーバイクドローンSD3の送受信アンテナATから送信されるFPVカメラCAMが撮像した動画を受信する処理を制御する。なお、アンテナAT3は、走行指令部303-6から発出される走行制御信号を第3のスノーバイクドローンSD3に対して送信する。また、動画出力部303-7は、第3のスノーバイクドローンSD3の送受信アンテナATから送信されるFPVカメラCAMが撮像した動画データは、タッチパネルディスプレイ311Aまたは3Dゴーグル311Bのモニタ画面に表示される。
【0056】
第4の制御装置2-1~2-Nは、アンテナAT4を介して第4のスノーバイクドローンSD4の送受信アンテナATから送信されるFPVカメラCAMが撮像した動画を受信する処理を制御する。なお、アンテナAT4は、走行指令部303-6から発出される走行制御信号を第4のスノーバイクドローンSD4に対して送信する。また、動画出力部303-7は、第4のスノーバイクドローンSD4の送受信アンテナATから送信されるFPVカメラCAMが撮像した動画データは、タッチパネルディスプレイ311Aまたは3Dゴーグル311Bのモニタ画面に表示される。
【0057】
図4は、
図1に示した第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nにより遠隔制御される無人の第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の構成を説明するブロック図である。
【0058】
図4において、SD1~SD4はスノーバイクドローンで、通信部DR1、FPVカメラ部DR2、GPS部DR3、走行制御部DR4、これらを総括的に制御する本体制御部DR5、撮像メモリ部DR6、電源ユニットDR7、受付部DR8、無人スノーバイクドローン制御データ記憶部DR9、照明制御部DR10、第1の収容部DR11、第2の収容部DR12、第3の収容部DR13、第4の収容部DR14、音声処理部DR15を備え、ネットワーク21を介してセンターサーバ1からの走行指示を通信部DR1が受信すると、走行制御部DR4にあらかじめ記憶された探索ルート情報を読み出すことで、スノーバイクドローン本体のエンジン始動、エンジン停止を制御する。
【0059】
本体制御部DR5は、撮像方向を360度調整可能なFPVカメラ部DR2の撮影開始、空撮データの第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nへの送信を制御する。
【0060】
なお、走行制御部DR4は、GPS部DR3が受信する位置情報を取得して、あらかじめ記憶された探索ルートを走行しているかどうかを判断する機能を備える。
【0061】
また、受付部DR8は、無人スノーバイクドローン制御データ記憶部DR9に記憶する探査コースのうちの1の探索コースをセンターサーバ1から受付ける処理を実行する。
【0062】
撮像メモリ部DR6は、FPVカメラ部DR2が空撮した撮像データを一時的に記憶し、通信部DR1と同期させながら、1秒当たり所定のフレーム数で構成される撮像データを4Gまたは5Gの通信プロトコルに従い第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nに送信する。
【0063】
電源ユニットDR7は、前照灯、エンジン点火プラグ、ヒータ部を駆動する電源の供給をメインとし、さらに各部に必要な電源を供給する。
【0064】
ATは送受信アンテナで、無線プロトコルで図示しないアクセスポイントを経由して、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nに撮影した動画データ(雪道走行動画データ)を送信したり、センターサーバ1からの走行制御情報(待機指示、ルート走行指示、帰還指示)を受信したりすることができるように構成されている。
【0065】
ただし、登録された雪道探索ルートに基づく走行制御指示は、あらかじめ制御プログラムとして記憶する構成としてもよい。
【0066】
また、走行制御部DR4は、通常記憶された雪道探索ルートを周回するが、センターサーバ1との通信により、第1~第4の探索スポットエリアSP1~SP4における現地の気象条件のうち、走行可能積雪量と気象サイトから取得する雪道走行ルート上の風速予測値とを比較してしきい値を超えているとセンターサーバ1が判断した場合、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nに雪道探索走行中止を第1のアラートから通知される。
【0067】
そこで、本体制御部DR5は、センターサーバ1から第1のアラートを受信した場合、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nに探索中止原因を通知する。
【0068】
第1のスノーバイクドローンSD1、第2のスノーバイクドローンSD2、第3のスノーバイクドローンSD3、第4のスノーバイクドローンSD4は、対応する第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nから送信される雪上走行制御信号を受信するとともに、FPVカメラCAMが撮像する動画を第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nに送信する送受信アンテナATを備える。
【0069】
走行制御部DR4は、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nから受信する雪上走行制御情報を解析して方向制御そり部を回転させる回転機構の回転方向並びに回転量を制御して走行方向を制御する第1の制御手段と、雪上走行制御情報を解析して前記スノーバイクの本体車体後部のフレーム後部の下部に設けるトラックベルトの循環駆動用のクローラの回転始動、回転停止、回転速度を制御する第2の制御手段と、雪上走行制御情報を解析してクローラを駆動するエンジンの始動、停止を制御する第3の制御手段と、を備える。
【0070】
さらに、音声処理部DR15は、スノーバイクの本体の周囲から発声される救護者の肉声を集音するマイクMと、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nから送信された音声を拡声して出力するスピーカSPとを備える音声処理と、送受信アンテナATを介してマイクMが集音した音声情報を第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nに送信する制御と、送受信アンテナATを介して第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nから受信する音声情報をスピーカSPから拡声させる制御を同時に行う。
【0071】
また、本体車体部は、所定の救助資材を格納する第1の収容部DR11を備える。ここで、所定の救助資材は、防寒シート、折り畳み担架、人体骨の骨折箇所を固定する骨固定具、頸椎または腰椎を固定するための関節固定具を含むものとする。
【0072】
さらに、本体車体部は、救助位置を特定するための位置情報を発信するGPS発信部を備える構成としてもよい。本体車体部は、投光器と、非常用無線通信機器と、バッテリと、照明弾を収容する第2の収容部DR12を備える。
【0073】
また、本体車体部は、照明弾、暖炉材を収容する第3の収容部DR13を備える。さらに、本体車体部は、救助者を搬送する折り畳み担架をけん引するウインチDR16を収容する第4の収容部DR14を備える。
【0074】
図5は、
図1に示したセンターサーバ1の構成を説明するブロック図である。
図5において、11は通信部で、通信媒体としてのネットワーク21に接続された第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nと接続する通信処理を制御する。
【0075】
13はCPUで、内部バス12に接続される外部メモリ18に記憶されたオペレーティングシステム(OS)を起動し、APIを通じてインストールされた各種アプリケーションを起動する。また、RAM16上で展開される各種プログラムの処理を実行する。
【0076】
14Aは点群データベースで、ネットワーク21を介して第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4から探索撮影走行ルート上を走行する際に、FPVカメラCAM1~CAM4が撮像した探索走行動画データに対してAI支援部19により生成される画像編集アプリケーションおよびその手順を蓄積している。
【0077】
14Bは探索動画データベースで、ネットワーク21を介して第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4のいずれかから送信される雪上探索エリアに隣接して設定される探索走行ルート上を走行した際に、FPVカメラCAM1~CAM4が撮像した探索動画データを一時的に蓄積する。
【0078】
具体的には、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4のいずれかが第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nにより選択される探索走行ルート上を撮影した際に受信する撮影動画データを学習して外部メモリとして機能する探索動画データベース14Bに蓄積する。
【0079】
16は容量を拡張可能なRAMで、外部メモリ18にインストールされたプラットフォーム1Aの基本プログラムを展開して記憶する。
【0080】
ここで、RAM16には、AI編集部16-1、送信部16-2、第1のアラート部16-3、第2のアラート部16-4、提案部16-5が展開され、CPU13が後述するフローチャートに従って適宜実行されることで、各種の雪上 探索動画編集処理が実現される。
【0081】
具体的には、AI編集部16-1は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4のいずれかから受信した雪上探索動画データを受信してAI編集する処理を実行する。
【0082】
第1のアラート部16-3は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4のいずれかに設定される気象条件のうち、走行可能風速値と気象サイトから取得する飛行ルート上の風速予測値とを比較してしきい値を超えていると判断した場合、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nに雪上走行中止するための第1のアラートを発出する処理を実行する。
【0083】
また、第2のアラート部16-4は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4が走行する探索走行ルートと、記憶された探索走行ルートとを比較してその差異がしきい値を超えたと判断した場合、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nに探索ルートのコースを修正する旨の第2のアラートを発出する処理を実行する。
【0084】
提案部16-5は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4のいずれかが飛行する飛行ルートと、探索スポットエリアSP1~SP4の積雪量とを照合して積雪が2mを超える雪道を走行すると判断した場合、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nに探索ルート変更を提案する処理を実行する。
【0085】
17はタッチパネルディスプレイで、プログラムの起動状態を各種の図示しないUI画面を介して表示する。
【0086】
なお、
図5に示した点群データベース14Aに蓄積される点群測定データの収集作業例を以下説明する。
点群測定を利用した地形情報収集は、以下のような手順で進める。
【0087】
具合的には、データ収集工程において、レーザースキャンやLiDAR(Light Detection and Ranging)などの技術を使用して、地表面の点群データを収集する。これにより、地形の高さや形状を詳細を
図5に示した点群データベース14Aに蓄積する。次に、データ処理工程において、CPU13は、収集した点群データを解析し、地形の特徴を抽出する。この段階では、ノイズ除去やデータの補間を行う。
【0088】
次に、地形モデリング工程において、CPU13は、処理されたデータを基に、地形の3Dモデルを作成する。このモデルは、地形の起伏や特徴を視覚的に表現している。
【0089】
次に、解析と利用工程において、CPU13は、作成した地形モデルを用いて、地形の分析や地理情報システム(GIS)と連携して、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4を夜間においても、安全に雪上走行させる走行ルートを決定することが可能となる。
【0090】
なお、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4に搭載される複数台のカメラおよびFPVカメラCAMで、雪の凸凹を目視およびAI支援部19と連携してAI画像処理を行うことで、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nに接続される表示デバイス上で、より立体化して見やすく加工することができる。
【0091】
これにより、プロポ等の機能プログラムを実行可能な第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nを操縦する操縦者は、FPV画像をモニタで確認しながら、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の雪上走行を遠隔制御することができる。
【0092】
なお、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nと通信可能なゴーグルシステムは、操縦者が顔前に画面表示がなされるようにゴーグルを装着することで、上記モニタに代えて3D動画画像として視認できるように構成してもよい。
【0093】
また、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4に高度計を取り付けることで、以下の効果も期待できる。
【0094】
第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nは、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4に設ける高度計から取得する情報をCPU13がリアルタイム処理することで、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4がどの高さで走行しているかを常に把握することができる。これにより、急な斜面や障害物に気付くことができ、事故を防ぐことができる。
【0095】
また、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nは、高度計から取得する高度情報を基に、スノーモービルの位置を正確に把握し、より正確なナビゲーションが可能になる。
【0096】
さらに、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nは、高度計から取得することで、地形の起伏をより詳しく把握でき、より効率的なルート選定が可能になる。
【0097】
図6~
図8は、本実施形態を示すスノーバイクの無人走行制御システムの遠隔操縦処理方法を説明するフローチャートである。本例は、
図2に示した第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-N側の遠隔操縦処理例に対応する。なお、(1)~(20)は各ステップを示し、各ステップは、CPU301が記憶されるセプログラムを実行することにより実現される。
【0098】
まず、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-N側のCPU301は、対応する第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4との間で走行前チェック(エンジン始動、ハンドル操作、ブレーキ操作、前照灯点灯、消灯確認を含む)を行う(1)。
【0099】
次に、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-N側のCPU301は、対応する第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4との通信応答が正常であるかどうかを判断し(2)、通信に異常があると判断した場合、走行異常による危険を回避するため、本処理を終了する。
【0100】
一方、ステップ(2)で、CPU301は、通信に異常がないと判断した場合、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-N側のCPU301は、対応する第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4に走行ルートと、救護活動モードとを設定する(3)。
【0101】
次に、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4に対して各操縦者から縦方向移動指示がなされているかどうかを判断し(4)、縦方向移動指示がなされていると判断した場合、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4に対して各操縦者から横方向移動指示がなされているかどうかを判断し(5)、横方向移動指示がなされていると判断した場合、CPU301は、対応する第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4に対して雪上走行制御情報を送信する(6)。
【0102】
次に、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4に搭載される各FPVカメラCAMが撮影した走行動画を受信しているかどうかを判断する(7)。CPU301は、各FPVカメラCAMが撮影した走行動画を受信していると判断した場合、ステップ(4)へ戻り、処理を繰り返す。
【0103】
一方、ステップ(4)で、CPU301は、縦方向移動指示がなされていないと判断した場合、CPU301は、操縦者から走行停止指示がなされているかどうかを判断して(8)、CPU301は、走行停止指示であると判断した場合、ステップ(10)へ進み、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4が停止した位置で受信するGPS信号により、停止位置を確定する。次に、CPU301は、センターサーバ1へ停止位置に対応するGPS情報を通報する(11)。
【0104】
ここで、センターサーバ1は、走行中の第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4が上記停止位置に集結する指示を行う。
【0105】
次に、CPU301は、すべての、スノーバイクドローンSD1~SD4が停止位置に集結したことを確認したら(12)、CPU301は、共同して救護するための役割を第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nのそれぞれに分担指示する(13)。
【0106】
次に、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nが装備するマイクM、スピーカSPを起動した状態で周囲に声掛けを行った際、救護を待つ登山者等から救護を求める音声を検出することで救護を待つ救護者から応答が有るか否かを判断する(14)。
【0107】
ここで、CPU301は、救護者応答が有ると判断した場合、ステップ(17)へ進む。
【0108】
一方、ステップ(14)で、CPU301は、救護者応答がないと判断した場合、CPU301は、操縦者から捜索エリアを変更する指示を出して(15)、センターサーバ1への捜索エリア変更を通報する(16)。
【0109】
一方、CPU301は、救護者応答が有ると判断した場合、ステップ(17)において、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4に搭載されるいずれかのFPVカメラCAMで救助隊員が到着したことを映像で確認し、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4に搭載されるいずれかのFPVカメラCAMの映像を確認して、遭難者、負傷者を救助したと判断したら(18)、CPU301は、図示しない麓のベースキャンプ帰還を指示する(19)。
【0110】
そして、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4がすべてベースキャンプに帰還完了したことをいずれかのFPVカメラCAMで確認したら(20)、本処理を終了する。
【0111】
なお、救護した負傷者等は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4が装備する医療機器セットによるケアや、寒さ防止対策によるケアを受けて、展開される担架に固定された状態で、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4でけん引することも想定される。
【0112】
また、ベースキャンプに帰還する際、隊員が第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の走行モードを切り替えて、自ら雪上を走行して帰還することも可能である。
【0113】
一方、ステップ(8)で、CPU301は、走行停止指示を受けていないと判断した場合、続いて、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の走行させた探索を継続させるかどうかを判断し(9)、CPU301は、探索を継続すると判断した場合、ステップ(4)へ戻り、CPU301は、探索を継続しないと判断した場合、ステップ(10)へ進む。
【0114】
なお、上述しているとおり、通常のドローンD1~D4と連携して、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の走行状態を円滑制御することも可能である。
【0115】
図9、
図10は、本実施形態を示すスノーバイクの無人走行制御システムの遠隔操縦処理方法を説明するフローチャートである。本例は、
図2に示した第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nによる、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の走行アシストを可能とするために、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4をあらかじめ設定された山岳地帯を走行させて危険回避を催促するための、走行エリア登録処理に対応する。
【0116】
なお、(21)~(39)は各ステップを示し、走行制御部DR4が記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0117】
まず、
図2に示した第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nを操作する操縦者は、夏場において、あらかじめ設定された捜索エリア(遭難場所から把握される捜索エリアを想定する)上で、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4を所定距離の継続走行と停止を繰り返す(21)。
【0118】
次に、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4が停止するごとに、現在の停止位置と高度の情報をセンターサーバ1から取得する(22)。次に、CPU301は、停止直前の前停止位置の高度情報と、現在の停止位置の高度情報とから差分を求めて確定する(23)。
【0119】
これにより、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4が進んだ方向の勾配を決定することができる。
【0120】
具体的には、CPU301は、差分が+/-のいずれかであるかを判断し(24)、CPU301は、勾配が-であると判断した場合、進行方向が下り勾配(下り坂)であると判断して(26)、ステップ(27)へ進む。
【0121】
一方、ステップ(24)で、CPU301は、勾配が+であると判断した場合、進行方向が上り勾配(上り坂)であると判断する(25)。なお、この勾配情報は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の走行に伴い順次センターサーバ1に送信されて、夜間雪上捜索時に、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nのタッチパネルディスプレイ311Aには白色世界しか視認できない状況に遭遇しても、後述する走行勾配アイコンをタッチパネルディスプレイ311Aに表示することで、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nの操縦者のホワイトアウトによる操縦ミスを回避することが可能となる。
【0122】
次に、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4が進行する方向が記憶されている地形情報に基づいて崖方向かどうかを判断する(27)。ここで、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4が進行する方向が記憶されている地形情報に基づいて崖方向でないと判断した場合、ステップ(30)へ進む。
【0123】
一方、ステップ(27)で、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4が進行する方向が記憶されている地形情報に基づいて崖方向であると判断した場合、走行ルートを補足する情報を生成する(28)。
【0124】
次に、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4が進行する方向が記憶されている地形情報に基づいて滑落方向(滑落危険地域は、山岳事故情報をデータベースから取得するものとする)であるかどうかを判断する(29)。ここで、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4が進行する方向が滑落方向であると判断した場合、ステップ(28)へ戻る。
【0125】
一方、ステップ(29)で、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4が進行する方向が滑落方向でないと判断した場合、走行ルートを補足する情報を生成せずに(30)、ステップ(31)へ進む。次に、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の現在位置が捜索想定エリアの北端であるかどうかを判断し(31)、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の現在位置が捜索想定エリアの北端であると判断した場合、CPU301は、操作エリア北側を確定して(35)、ステップ(39)へ進む。
【0126】
一方、ステップ(31)で、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の現在位置が捜索想定エリアの北端でないと判断した場合、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の現在位置が捜索想定エリアの南端であるかどうかを判断し(32)、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の現在位置が捜索想定エリアの南端であると判断した場合、CPU301は、捜索エリア南側を確定して(37)、ステップ(39)へ進む。
【0127】
一方、ステップ(32)で、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の現在位置が捜索想定エリアは南端でないと判断した場合、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の現在位置が西端であるかどうかを判断し(33)、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の現在位置が捜索想定エリアの西端であると判断した場合、CPU301は、捜索エリア西側を確定して(36)、ステップ(39)へ進む。
【0128】
一方、ステップ(33)で、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の現在位置が捜索想定エリアの西端でないと判断し場合、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の現在位置が捜索想定エリアの東端であるかどうかを判断し(34)、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の現在位置が捜索想定エリアの東端であると判断した場合、捜索作エリア東側を確定して(38)、ステップ(39)へ進む。
【0129】
一方、CPU301は、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の現在位置が捜索想定エリアの東端でないと判断した場合、雪山の夜間捜索時に、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4を安全走行可能な安全走行エリアをセンターサーバ1の探索動画データベース14Bに登録して(39)、本処理を終了する。
【0130】
これにより、第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4の操縦者は、雪上でホワイトアウトが発生しても進行方向が崖方向であるかいなかを判断できない状況でも、誤操作指示を回避することができる。
【0131】
また、点群データベース14Aに蓄積された安全走行可能な安全走行エリアを広く関係者に自由に利用可能に管理し、山岳事故が頻発する地域での捜索活動に有益な情報を提供することができる。
【0132】
図11は、
図2に示した第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nのタッチパネルディスプレイ311Aや3Dゴーグル311Bに表示される走行ガイドアイコンの一例を示す模式図である。
【0133】
図11において、サークルアイコンは方位を表し、方位0を北方向とし、方位90を東方向とし、方位180を南方向とし、方位270を西方向としている。図中の矢印は、勾配を示し、それ以外のオブジェクトは、丘陵地における崖アイコンや下り傾斜やのぼり傾斜を視覚的に表記している。
【0134】
これにより、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nを操作する操縦者は、冬山の雪上を移動する第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4を走行させる際に、ホワイトアウト上の映像を視認しても、前に進むとどのような傾斜地に入るか、または崖に接近しているかを視認して、安全な走行ルートを決定するための補助情報として活用することができる。
【0135】
〔第1実施形態の効果〕
本実施形態によれば、スノーバイクにFPVカメラCAMを搭載してドローン化し、遠隔地の操縦者が制御装置を操作してスノーバイクの電源供給の始動、停止、走行方向、走行速度、走行停止、前照灯の点灯、消灯を制御することで、冬季の雪深い地域の夜間において、登山者や、自然災害により孤立化している住民に必要な物資を搬送したり、救護者を担架に乗せて搬送したり、機動的、かつ、迅速に雪上災害地において救護活動を総合的に支援できる。
【0136】
〔第2実施形態〕
上記実施形態では、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nを操作する操縦者は、冬山の雪上を移動する第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4を走行させる例を詳述したが、日中捜索を行うことを想定した場合、いわゆる通常のドローンD1~D4による捜索モードを優先させて、負傷者位置を迅速に確定した上で、第1の制御装置3-1~3-N、第2の制御装置4-1~4-N、第3の制御装置5-1~5-N、第4の制御装置2-1~2-Nを操作する操縦者が冬山の雪上を移動する第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4を急行させるように制御してもよい。
【0137】
〔第2実施形態の効果〕
本実施形態によれば、日没前に第1~第4のスノーバイクドローンSD1~SD4により負傷者を救護して、早急に下山することで、捜索すべき時間を短縮しつつ、延命効果の高い捜索活動を支援することができる。
【0138】
以上の記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0139】
(1)所定の通信媒体を介して、FPVカメラを装備したスノーバイクと、前記FPVカメラから送信される動画データを受信する制御装置に接続されるディスプレイ上で視認しながら、前記スノーバイクに対して前記スノーバイクの走行機能を遠隔制御する雪上走行制御信号を送信して前記スノーバイクを無人で雪上走行させるスノーバイクの無人走行制御システムであって、前記スノーバイクは、前記制御装置から送信される前記雪上走行制御信号を受信するとともに、前記FPVカメラが撮像する動画を前記制御装置に送信する送受信アンテナと、雪上走行制御情報を解析して方向制御そり部を回転させる回転機構の回転方向並びに回転量を制御して走行方向を制御する第1の制御手段と、前記雪上走行制御情報を解析して前記スノーバイクの本体車体部のフレーム部の下部に設けるトラックベルトの循環駆動用のクローラの回転始動、回転停止、回転速度を制御する第2の制御手段と、前記雪上走行制御情報を解析してクローラを駆動するエンジンの始動、停止を制御する第3の制御手段と、前記スノーバイクの本体の周囲から発生される肉声を集音するマイクと、前記制御装置から送信された音声を拡声して出力するスピーカとを制御する音声処理手段と、を備え、前記音声処理手段は、前記送受信アンテナを介して前記マイクが集音した音声情報を前記制御装置に送信させる制御と、前記送受信アンテナを介して前記制御装置から受信する音声情報を前記スピーカから拡声させる制御とを同時に行うことを特徴とする。
【0140】
(2)前記スノーバイクは、本体車体部と、雪上を夜間走行する前方を照明する照明手段と、を備え、前記制御装置は、前記スノーバイクの夜間走行時に、雪上遭難者の救護活動を支援する救護活動モードを設定し、前記照明手段の点灯または消灯を制御し、かつ、GPS信号を取得しながら、あらかじめ記憶された地形情報で特定される捜索ルート上における前記スノーバイクの雪上無人走行を制御することを特徴とする。
【0142】
(3)前記本体車体部は、所定の救助資材を格納する第1の収容部を備えることを特徴とする。
【0143】
(4)所定の救助資材は、防寒シート、折り畳み担架、人体骨の骨折箇所を固定する骨固定具、頸椎または腰椎を固定するための関節固定具を含むことを特徴とする。
【0144】
(5)前記本体車体部は、救助位置を特定するための位置情報を発信するGPS発信部を備えることを特徴とする。
【0145】
(6)前記本体車体部は、投光器と、非常用無線通信機器と、バッテリと、照明弾を収容する第2の収容部を備えることを特徴とする。
【0146】
(7)前記本体車体部は、照明弾、暖炉材を収容する第3の収容部を備えることを特徴とする。
【0148】
(8)前記制御装置は、前記送受信アンテナから送信される前記FPVカメラが撮像した動画を受信する動画受信部と、前記動画受信部が受信した前記動画を前記ディスプレイに出力する動画出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0149】
(9)前記本体車体部は、救助者を搬送する折り畳み担架をけん引するウインチを備えることを特徴とする。
【0150】
(10)前記本体車体部は、救助者の患部を温める所定温度の温水を貯蔵する温水タンクを備えることを特徴とする。
【0151】
(11)前記折り畳み担架の内側には、患者の体温を所定温度に維持させるための所定の熱源が配置されていることを特徴とする。
【0152】
(12)前記折り畳み担架は、所定の熱源から前記折り畳み担架に設定される頭部側と、上半身側と、下半身側と、つま先側に供給する温度を個別に設定可能に構成したことを特徴とする。
【0153】
(13)所定の通信媒体を介して、FPVカメラを装備したスノーバイクと、前記FPVカメラから送信される動画データを受信する制御装置に接続されるディスプレイ上で視認しながら、前記スノーバイクに対して前記スノーバイクの走行機能を遠隔制御する雪上走行制御信号を送信して前記スノーバイクを無人で雪上走行させるスノーバイクの無人走行制御システムの無人走行制御方法であって、前記スノーバイクは、前記制御装置から送信される前記雪上走行制御信号を受信するとともに、前記FPVカメラが撮像する動画を前記制御装置に送信する送受信アンテナを備え、雪上走行制御情報を解析して方向制御そり部を回転させる回転機構の回転方向並びに回転量を制御して走行方向を制御する第1の制御ステップと、前記雪上走行制御情報を解析して前記スノーバイクの本体車体部のフレーム部の下部に設けるトラックベルトの循環駆動用のクローラの回転始動、回転停止、回転速度を制御する第2の制御ステップと、前記雪上走行制御情報を解析してクローラを駆動するエンジンの始動、停止を制御する第3の制御ステップと、前記スノーバイクの本体の周囲から発生される肉声を集音するマイクと、前記制御装置から送信された音声を拡声して出力するスピーカとを制御する音声処理ステップと、を備え、前記音声処理ステップは、前記送受信アンテナを介して前記マイクが集音した音声情報を前記制御装置に送信させる制御と、前記送受信アンテナを介して前記制御装置から受信する音声情報を前記スピーカから拡声させる制御とを同時に行うことを特徴とする。
【産業上の利用可能性】
【0154】
上記実施形態では、夜間における雪上捜索において、複数のスノーバイクドローンを広域的に活用して機動的に捜索活動を支援するシステムについて説明したが、日中においても、同様に捜索活動を支援することができる。
【符号の説明】
【0155】
1 センターサーバ
1A プラットフォーム
3-1~3-N 第1の制御装置
4-1~4-N 第2の制御装置
5-1~5-N 第3の制御装置
2-1~2-N 第4の制御装置
【要約】
【課題】冬季の雪深い地域の夜間においても、救護を待つ登山者を捜索したり、自然災害により孤立している住民に必要な物資を搬送したり、救護者を担架に乗せて搬送したりすることで、機動的、かつ、迅速に雪上災害地において救護活動を総合的に支援すること。
【解決手段】所定の通信媒体を介して、FPVカメラを装備したスノーバイクと、前記FPVカメラから送信される動画データを受信する制御装置に接続されるディスプレイ上で視認しながら、前記スノーバイクに対して前記スノーバイクの走行機能を遠隔制御する雪上走行制御信号を送信して前記スノーバイクを無人で雪上走行させることを特徴とする。
【選択図】
図1