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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】頭部冷却具
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/04 20060101AFI20250219BHJP
【FI】
A42B3/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024201939
(22)【出願日】2024-11-19
【審査請求日】2025-01-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521132820
【氏名又は名称】株式会社TAT
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100221512
【弁理士】
【氏名又は名称】山中 誠司
(72)【発明者】
【氏名】孫光伍
(72)【発明者】
【氏名】孫想烈
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-172973(JP,A)
【文献】特開2024-107706(JP,A)
【文献】特開2021-88784(JP,A)
【文献】特開2024-132758(JP,A)
【文献】特開2007-313706(JP,A)
【文献】登録実用新案第3046072(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B3/00-7/00
A42C5/00-5/04
A61F7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帽体と前記帽体の内側に取り付けられた着装体とを有する保護帽の内側に設置される頭部冷却具であって、
前記帽体と前記着装体の間に配置される板状の第1冷却具本体と、
前記第1冷却具本体と共に前記着装体を挟むように前記第1冷却具本体に重ねられる板状の第2冷却具本体と、
前記第1冷却具本体に対して前記第2冷却具本体を着脱可能に連結させる連結具とを備える頭部冷却具。
【請求項2】
請求項1に記載の頭部冷却具において、
前記連結具は、前記第1冷却具本体と前記第2冷却具本体との間に配置されている頭部冷却具。
【請求項3】
請求項2に記載の頭部冷却具において、
前記連結具は、前記第1冷却具本体に設けられた第1連結部と、前記第2冷却具本体に設けられ且つ前記第1連結部に着脱可能に連結する第2連結部とを含む頭部冷却具。
【請求項4】
請求項3に記載の頭部冷却具において、
前記第1連結部及び前記第2連結部は、磁石である頭部冷却具。
【請求項5】
請求項3に記載の頭部冷却具において、
前記第1冷却具本体は、保冷剤と、前記保冷剤を収容する外装パックとを有し、
前記外装パックは、人体の頭頂部に対応する第1部分と、人体の前頭部、後頭部及び側頭部に対応する第2部分とを含み、
前記第2部分は、周方向に分割された複数の分割体を含み、
前記第1連結部は、前記複数の分割体のそれぞれに配置されている頭部冷却具。
【請求項6】
請求項3に記載の頭部冷却具において、
前記第2冷却具本体は、保冷剤と、前記保冷剤を収容する外装パックとを有し、
前記外装パックは、人体の頭頂部に対応する第1部分と、人体の前頭部、後頭部及び側頭部に対応する第2部分とを含み、
前記第2部分は、周方向に分割された複数の分割体を含み、
前記第2連結部は、前記複数の分割体のそれぞれに配置されている頭部冷却具。
【請求項7】
請求項4に記載の頭部冷却具において、
前記第2連結部は前記第2冷却具本体の中央から放射状に並んで配置され、放射方向に隣り合う前記第2連結部の磁極は異なる頭部冷却具。
【請求項8】
請求項1に記載の頭部冷却具において、
前記第1冷却具本体及び前記第2冷却具本体は、それぞれ、保冷剤と、前記保冷剤を個別に収容する複数の収容部を含む外装パックとを有し、
前記第2冷却具本体の前記収容部の厚みは、前記第1冷却具本体の前記収容部の厚みよりも小さい頭部冷却具。
【請求項9】
請求項1に記載の頭部冷却具において、
前記第1冷却具本体及び前記第2冷却具本体は、それぞれ、保冷剤と、前記保冷剤を収容する外装パックとを有し、
前記第1冷却具本体の前記保冷剤の融点は、前記第2冷却具本体の前記保冷剤の融点と異なる頭部冷却具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、頭部冷却具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人体の頭部を冷却する頭部冷却具が開示されている。頭部冷却具は、頭部に沿って湾曲した半球面状に形成されている。具体的には、頭部冷却具は、頭部を収容可能な凹部が形成された外側壁部と、外側壁部に隙間を介して対向する内側壁部と、隙間に充填された保冷剤とによって形成されている。頭部冷却具は、凹部に頭部が収容されるように頭部に被せられる。このように頭部に被せられた頭部冷却具の保冷剤によって、頭部が冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述のような頭部冷却具を保護帽の内側に設置して使用する場合、頭部冷却具は保護帽の内側に安定して設置され難い虞がある。
【0005】
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、保護帽の内側に安定して設置することができる頭部冷却具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示された頭部冷却具は、帽体と前記帽体の内側に取り付けられた着装体とを有する保護帽の内側に設置される頭部冷却具であって、前記帽体と前記着装体の間に配置される板状の第1冷却具本体と、前記第1冷却具本体と共に前記着装体を挟むように前記第1冷却具本体に重ねられる板状の第2冷却具本体と、前記第1冷却具本体に対して前記第2冷却具本体を着脱可能に連結させる連結具とを備える。
【発明の効果】
【0007】
前記頭部冷却具によれば、保護帽の内側に安定して設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、非使用状態の頭部冷却具の平面図である。
図2図2は、非使用状態の頭部冷却具の底面図である。
図3図3は、図1のIII-III線における頭部冷却具の断面図である。
図4図4は、使用状態の頭部冷却具を示した概略図である。
図5図5は、第1冷却具本体の第2冷却具本体に対向する対向面を示す第1冷却具本体の底面図である。
図6図6は、第2冷却具本体の第1冷却具本体に対向する対向面を示す第2冷却具本体の平面図である。
図7図7は、保護帽の一部断面を示す保護帽の側面図である。
図8図8は、頭部冷却具が設置された保護帽の断面図である。
図9図9は、第1冷却具本体が設置された保護帽の底面図である。
図10図10は、第1冷却具本体及び第2冷却具本体が設置された保護帽の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、非使用状態の頭部冷却具100の平面図である。図2は、非使用状態の頭部冷却具100の底面図である。図3は、図1のIII-III線における頭部冷却具100の断面図である。図4は、使用状態の頭部冷却具100を示した概略図である。
【0011】
頭部冷却具100は、人体の頭部8を冷却するために用いられる。頭部冷却具100は、人体の頭部8に装着される保護帽90の内側に設置される。具体的には、頭部冷却具100は、人体の前頭部81、後頭部82、頭頂部83及び側頭部84を冷却する。保護帽90は、例えば、作業用ヘルメット、オートバイ用ヘルメット、自転車用ヘルメット又は登山用ヘルメット等である。
【0012】
頭部冷却具100は、頭部8を冷却する第1冷却具本体1a及び第2冷却具本体1bと、第1冷却具本体1aに対して第2冷却具本体1bを着脱可能に連結させる連結具7とを備える。頭部冷却具100の使用状態において、第1冷却具本体1aは上方に位置し、第2冷却具本体1bは下方に位置する。第1冷却具本体1aは、第2冷却具本体1bの上方に重ねられる。つまり、第2冷却具本体1bは頭部8側に位置し、第1冷却具本体1aは頭部8と反対側に位置する。これにより、第2冷却具本体1bは頭部8に接触し、第1冷却具本体1aは頭部8に接触しない。
【0013】
以下、頭部冷却具100における各方向を、頭部冷却具100の使用状態における各方向として説明する。例えば、頭部冷却具100における上方向は、頭部冷却具100の使用状態における上方向に一致する。
【0014】
第1冷却具本体1aは、柔軟性を有している。第1冷却具本体1aは、板状に形成されている。この例では、第1冷却具本体1aの形状は、後述する複数の切り込み6aが形成された円形状である。第1冷却具本体1aは、板状の第1状態と湾曲形状の第2状態とに変形可能である。第2状態の湾曲形状は、カップ状、椀状、釣鐘状又は球冠状であり得る。第1状態は頭部冷却具100の非使用時の状態であり、第2状態は頭部冷却具100の使用時の状態である。以下の説明では、特に断りのない限り、第1状態の第1冷却具本体1aについて説明する。この例では、第1冷却具本体1aは、全体的に円形状に形成されている。第1冷却具本体1aは、外周縁19aを有している。第1冷却具本体1aは、保冷剤2aと、保冷剤2aを収容する外装パック3aとを有している。
【0015】
保冷剤2aは、熱を吸収して固相から液相に変化するPCM(Phase Change Material)である。保冷剤2aは、例えば、脂肪族炭化水素を含む。脂肪族炭化水素は、例えば、パラフィン又は脂肪族飽和炭化水素である。保冷剤2aは、脂肪族炭化水素として、テトラデカン(C1430)、ヘキサデカン(C1634)及びオクタデカン(C1838)のうち少なくとも1つを含んでもよい。保冷剤2aは、テトラデカン、ヘキサデカン及びオクタデカンのうち1つだけ若しくは2つだけ含んでもよいし、全てを含んでもよい。保冷剤2aは、脂肪族炭化水素に加えて、高吸水性樹脂(SAP:Super Absorbent Polymer)、水、アロマ、グラファイト(Graphite)、有機物又はミネラル等をさらに含み得る。保冷剤2aの融点は、例えば、常温である。保冷剤2aの融点は、5℃以上35℃以下であることが好ましく、15℃以上35℃以下であることがさらに好ましい。保冷剤2aは、固相及び液相のとき、人体の熱を顕熱として吸収する。保冷剤2aは、固相から液相へ変化するとき、人体の熱を潜熱、詳しくは融解熱として吸収する。
【0016】
外装パック3aは、可撓性を有している。外装パック3aは、例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU:Thermoplastic Polyurethane)、ナイロン(Nylon)、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinylchloride)、ポリエチレン(PE:Polyethylene)及びポリプロピレン(PP:Polypropylene)等の樹脂のうち1つ又は複数の混合体から形成される。
【0017】
外装パック3aは、保冷剤2aを個別に収容する複数の収容部32aを含む。外装パック3aは、第1冷却具本体1aの外周縁19aを形成する周縁部31aと、内部空間を複数の収容部32aに仕切る仕切部33aとをさらに含む。尚、図1では、説明の便宜上、複数の収容部32aにドットが付されている。後述する図2についても同様である。
【0018】
複数の収容部32aのそれぞれは、密閉されている。すなわち、保冷剤2aは、収容部32a毎に個別に収容されている。この例では、複数の収容部32aのそれぞれは、略台形又は略半円形の平面形状を有する。第1冷却具本体1aの略中央において、2つの略半円形の収容部32aが、略円形となるように配置されている。2つの略半円形の収容部32aの周囲に放射状に複数の略台形の収容部32aが配置されている。詳しくは、3つの略台形の収容部32aが径方向に並んで1組の略台形の収容部32aの群を構成し、6組の略台形の収容部32aの群が略半円形の収容部32aの周囲に放射状に配置されている。
【0019】
複数の収容部32aは、頭部冷却具100の使用時において、人体の前頭部81、後頭部82、頭頂部83及び側頭部84に対応して配置される。詳しくは、略半円形の収容部32aは、頭部冷却具100の使用時において、人体の頭頂部83に対応して配置される。略台形の収容部32aは、頭部冷却具100の使用時において、人体の前頭部81、後頭部82及び側頭部84に対応して配置される。
【0020】
外装パック3aは、外周縁19aに形成された複数の切り込み6aを有する。切り込み6aは、外周縁19aから第1冷却具本体1aの径方向内側に延びている。切り込み6aは、切り込み6aの延びる方向において第1冷却具本体1aの内側から外周縁19aに向かうほど大きくなる幅を有している。切り込み6aは、概ねくさび状に形成されている。複数の切り込み6aは、外周縁19aに沿う方向に等間隔に6つ形成されている。
【0021】
外装パック3aは、人体の頭頂部83に対応する第1部分35aと、人体の前頭部81、後頭部82及び側頭部84に対応する第2部分36aとを含む。第2部分36aは、周方向に分割された複数の分割体37aを含む。
【0022】
具体的には、第1部分35aは、円形状に形成されている。第2部分36aは、第1部分35aを囲む略円環状に形成されている。第1部分35aの外周縁と第2部分36aの内周縁とは一致している。第1部分35aと第2部分36aとは連続している。
【0023】
切り込み6aは、第2部分36aに形成されている。切り込み6aは、外周縁19aから、外周縁19aと第1部分35aの外周縁との間の所定位置まで延びている。この例では、切り込み6aは、外周縁19aから第1部分35aの外周縁まで延びている。第2部分36aは、切り込み6aによって周方向に6つに分割されて6つの分割体37aを形成する。6つの分割体37aは、放射状に延びている。
【0024】
第1部分35aには、略半円形の収容部32aが配置され、分割体37aには、略台形の収容部32aが配置されている。詳しくは、径方向に並んだ3つの略台形の収容部32aのうちの内側の収容部32aは、第1部分35aと分割体37aとに跨って配置されている。
【0025】
外装パック3aは、2枚のシートを重ね合わせて互いに接合することによって形成されている。具体的には、外装パック3aは、厚さ方向において対向する第1シート41a及び第2シート42aが互いに接合されることによって形成されている。第1シート41aは上方に配置され、第2シート42aは下方に配置されている。
【0026】
第1シート41aには、第2シート42aとは反対の方へ凹んだ複数の凹部411aが形成されている。第2シート42aは平坦である。凹部411aは、第2シート42aによって閉塞されている。第1シート41aと第2シート42aとは、凹部411aが第2シート42aによって密閉されるように互いに接合されている。
【0027】
具体的には、第1シート41aのうち凹部411aを除く部分、即ち、第1シート41aの外周縁及び隣り合う凹部411aの間の部分は、第2シート42aに接合されている。第1シート41aと第2シート42aとの接合は、例えば、熱溶着によって実現される。尚、図3では、外装パック3aにおいて接合された部分の境界が実線で示されているが、実際には接合された部分の境界は明確に現れなくてもよい。
【0028】
周縁部31aは、第1シート41aの周縁部と第2シート42aの周縁部とが接合されて形成されている。収容部32aは、凹部411aと第2シート42aとによって形成されている。仕切部33aは、第1シート41aのうち隣り合う凹部411aの間の部分と第2シート42aとが接合されて形成されている。
【0029】
第2冷却具本体1bは、保冷剤2bと、保冷剤2bを収容する外装パック3bとを有している。尚、第2冷却具本体1bにおいて符号「b」を付した構成要素は、第1冷却具本体1aにおいて符号「a」を付した構成要素と対応しており、以下、特に説明しない限り、第2冷却具本体1bの構成要素は、第1冷却具本体1aの構成要素と同様とする。
【0030】
第2冷却具本体1bは、平面視、第1冷却具本体1aと同一形状である。第2冷却具本体1bは、板状に形成されている。第2冷却具本体1bは、柔軟性を有している。第2冷却具本体1bは、板状の第1状態と湾曲形状の第2状態とに変形可能である。第1状態は頭部冷却具100の非使用時の状態であり、第2状態は頭部冷却具100の使用時の状態である。
【0031】
保冷剤2bは、熱を吸収して固相から液相に変化するPCM(Phase Change Material)である。保冷剤2bは、例えば、脂肪族炭化水素を含む。保冷剤2bの融点は、例えば、常温である。保冷剤2bの融点は、5℃以上35℃以下であることが好ましく、15℃以上35℃以下であることがさらに好ましい。保冷剤2bは、固相及び液相のとき、人体の熱を顕熱として吸収する。保冷剤2bは、固相から液相へ変化するとき、人体の熱を潜熱、詳しくは融解熱として吸収する。
【0032】
第2冷却具本体1bの保冷剤2b(以下、「第2保冷剤2b」とも称する。)の融点は、第1冷却具本体1aの保冷剤2a(以下、「第1保冷剤2a」とも称する。)の融点と異なる。詳しくは、第2保冷剤2bの融点は、第1保冷剤2aの融点よりも低い。例えば、第2保冷剤2bの融点は18℃であり、第1保冷剤2aの融点は28℃である。第2保冷剤2bの融点を第1保冷剤2aの融点よりも低くするには、例えば、第2保冷剤2bの脂肪族炭化水素として、第1保冷剤2aの脂肪族炭化水素の融点よりも低い融点を有する脂肪族炭化水素を用いればよい。尚、第2保冷剤2bの融点を第1保冷剤2aの融点よりも低くする手段は、限定されない。例えば、融点が同じ脂肪族炭化水素を用いる場合でも、第1保冷剤2aが有する脂肪族炭化水素の割合と、第2保冷剤2bが有する脂肪族炭化水素の割合とを異ならせることにより、第2保冷剤2bの融点を第1保冷剤2aの融点よりも低くすることができる。
【0033】
外装パック3bは、可撓性を有している。外装パック3bは、例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU:Thermoplastic Polyurethane)、ナイロン(Nylon)、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinylchloride)、ポリエチレン(PE:Polyethylene)及びポリプロピレン(PP:Polypropylene)等の樹脂のうち1つ又は複数の混合体から形成される。
【0034】
外装パック3bは、保冷剤2bを個別に収容する複数の収容部32bを含む。外装パック3bは、第2冷却具本体1bの外周縁19bを形成する周縁部31bと、内部空間を複数の収容部32bに仕切る仕切部33bとをさらに含む。
【0035】
複数の収容部32bのそれぞれは、密閉されている。すなわち、保冷剤2bは、収容部32b毎に個別に収容されている。この例では、複数の収容部32bのそれぞれは、略台形又は略半円形の平面形状を有する。
【0036】
複数の収容部32bは、頭部冷却具100の使用時において、人体の前頭部81、後頭部82、頭頂部83及び側頭部84に接触し、頭部8を冷却する。詳しくは、略半円形の収容部32bは、頭部冷却具100の使用時において、人体の頭頂部83に対応して配置される。略台形の収容部32bは、頭部冷却具100の使用時において、人体の前頭部81、後頭部82及び側頭部84に対応して配置される。
【0037】
第2冷却具本体1bの収容部32bの厚みt2は、第1冷却具本体1aの収容部32aの厚みt1よりも小さい。収容部32bの厚みt2は、収容部32bの最大厚みをいう。収容部32aの厚みt1は、収容部32aの最大厚みをいう。
【0038】
外装パック3bは、外周縁19bに形成された複数の切り込み6bを有する。切り込み6bは、外周縁19bから第2冷却具本体1bの径方向内側に延びている。切り込み6bは、切り込み6bの延びる方向において第2冷却具本体1bの内側から外周縁19bに向かうほど大きくなる幅を有している。
【0039】
外装パック3bは、人体の頭頂部83に対応する第1部分35bと、人体の前頭部81、後頭部82及び側頭部84に対応する第2部分36bとを含む。第2部分36bは、周方向に分割された複数の分割体37bを含む。
【0040】
具体的には、第1部分35bは、人体の頭頂部83を冷却する。第1部分35bは、円形状に形成されている。第2部分36bは、人体の前頭部81、後頭部82及び側頭部84を冷却する。第2部分36bは、第1部分35bを囲む略円環状に形成されている。
【0041】
切り込み6bは、第2部分36bに形成されている。第2部分36bは、切り込み6bによって周方向に6つに分割されて6つの分割体37bを形成する。6つの分割体37bは、放射状に延びている。
【0042】
第1部分35bには、略半円形の収容部32bが配置され、分割体37bには、略台形の収容部32bが配置されている。詳しくは、径方向に並んだ3つの略台形の収容部32bのうちの内側の収容部32bは、第1部分35bと分割体37bとに跨って配置されている。
【0043】
第2冷却具本体1bの第1部分35bは、第1冷却具本体1aの第1部分35aに重なる。第2冷却具本体1bの第2部分36bは、第1冷却具本体1aの第2部分36aに重なる。具体的には、第2冷却具本体1bの各分割体37bは、第1冷却具本体1aの各分割体37aに重なる。
【0044】
外装パック3bは、2枚のシートを重ね合わせて互いに接合することによって形成されている。具体的には、外装パック3bは、厚さ方向において対向する第1シート41b及び第2シート42bが互いに接合されることによって形成されている。第1シート41bは上方に配置され、第2シート42bは下方に配置されている。
【0045】
第1シート41bには、第2シート42bとは反対の方へ凹んだ複数の凹部411bが形成されている。第2シート42bには、第1シート41bとは反対の方へ凹んだ複数の凹部421bが形成されている。凹部411bと凹部421bは対向している。凹部411bと凹部421bは互いに閉塞されている。第1シート41bと第2シート42bとは、凹部411b及び凹部421bが密閉されるように互いに接合されている。
【0046】
具体的には、第1シート41bのうち凹部411bを除く部分、即ち、第1シート41bの外周縁及び隣り合う凹部411bの間の部分は、第2シート42bのうち凹部421bを除く部分、即ち、第2シート42bの外周縁及び隣り合う凹部421bの間の部分に接合されている。詳しくは、第1シート41bの外周縁と第2シート42bの外周縁とは接合され、第1シート41bのうち隣り合う凹部411bの間の部分と第2シート42bのうち隣り合う凹部421bの間の部分とは接合されている。第1シート41bと第2シート42bとの接合は、例えば、熱溶着によって実現される。
【0047】
周縁部31bは、第1シート41bの周縁部と第2シート42bの周縁部とが接合されて形成されている。収容部32bは、凹部411bと凹部421bとによって形成されている。仕切部33bは、第1シート41bのうち隣り合う凹部411bの間の部分と第2シート42bのうち隣り合う凹部421bの間の部分とが接合されて形成されている。
【0048】
連結具7は、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとの間に配置されている。具体的には、連結具7は、第1冷却具本体1aの第2冷却具本体1bに対向する対向面と、第2冷却具本体1bの第1冷却具本体1aに対向する対向面との間に配置されている。
【0049】
連結具7は、第1連結部71と第2連結部72とを含む。第1連結部71は、第1冷却具本体1aに設けられている。第2連結部72は、第2冷却具本体1bに設けられている。第2連結部72は第1連結部71に着脱可能に連結する。尚、図3では、第1連結部71及び第2連結部72を判別し易くするため他の部材と比較して実際よりも厚くして描いている。
【0050】
第1連結部71及び第2連結部72は、磁石である。磁石は、例えば、フェライト磁石、ネオジウム磁石等である。第1連結部71及び第2連結部72は、丸形であるが、多角形であってもよく、第1連結部71及び第2連結部72の形状は限定されない。
【0051】
第1連結部71は、第1冷却具本体1aの第2冷却具本体1bに対向する対向面に設けられる。具体的には、第1連結部71は、カバーシート43aに覆われ、第1冷却具本体1aの第2シート42aとカバーシート43aとの間に挟まれている。カバーシート43aは、第2シート42aに接合されている。カバーシート43aと第2シート42aとの接合は、例えば、熱溶着によって実現される。
【0052】
第2連結部72は、第2冷却具本体1bの第1冷却具本体1aに対向する対向面に設けられる。具体的には、第2連結部72は、カバーシート43bに覆われ、第2冷却具本体1bの第1シート41bとカバーシート43bとの間に挟まれている。カバーシート43bは、第1シート41bに接合されている。カバーシート43bと第1シート41bとの接合は、例えば、熱溶着によって実現される。
【0053】
図5は、第1冷却具本体1aの第2冷却具本体1bに対向する対向面を示す第1冷却具本体1aの底面図である。第1連結部71は、複数の分割体37aのそれぞれに配置されている。具体的には、第1連結部71は、分割体37aに配置された複数の収容部32aのそれぞれに対応して配置される。
【0054】
複数の第1連結部71は、第1冷却具本体1aの中央から放射状に配置されている。詳しくは、3つの第1連結部71が径方向に並んで1組の第1連結部71の群を構成し、6組の第1連結部71の群が第1冷却具本体1aの中央から放射状に配置されている。
【0055】
詳しくは、複数の第1連結部71は、第1冷却具本体1aの中央から放射状に並んで配置されている。放射方向(径方向)に隣り合う第1連結部71の磁極は、異なる。つまり、第1冷却具本体1aの底面から見て、N極の第1連結部71とS極の第1連結部71とが、径方向に交互に並んで配置されている。尚、第1連結部71の表裏の磁極は異なる。
【0056】
また、複数の第1連結部71は、第1冷却具本体1aの周方向に並んで配置されている。周方向に隣り合う第1連結部71の磁極は、異なる。つまり、第1冷却具本体1aの底面から見て、N極の第1連結部71とS極の第1連結部71とが、周方向に交互に並んで配置されている。
【0057】
図6は、第2冷却具本体1bの第1冷却具本体1aに対向する対向面を示す第2冷却具本体1bの平面図である。第2連結部72は、複数の分割体37bのそれぞれに配置されている。具体的には、第2連結部72は、分割体37bに配置された複数の収容部32bのそれぞれに対応して配置される。
【0058】
複数の第2連結部72は、第2冷却具本体1bの中央から放射状に配置されている。詳しくは、3つの第2連結部72が径方向に並んで1組の第2連結部72の群を構成し、6組の第2連結部72の群が第2冷却具本体1bの中央から放射状に配置されている。
【0059】
詳しくは、複数の第2連結部72は、第2冷却具本体1bの中央から放射状に並んで配置されている。放射方向(径方向)に隣り合う第2連結部72の磁極は、異なる。つまり、第2冷却具本体1bの平面から見て、N極の第2連結部72とS極の第2連結部72とが、径方向に交互に並んで配置されている。尚、第2連結部72の表裏の磁極は異なる。
【0060】
また、複数の第2連結部72は、第2冷却具本体1bの周方向に並んで配置されている。周方向に隣り合う第2連結部72の磁極は、異なる。つまり、第2冷却具本体1bの底面から見て、N極の第2連結部72とS極の第2連結部72とが、周方向に交互に並んで配置されている。
【0061】
互いに連結する第1連結部72及び第2連結部72において、第1連結部71の磁極と第2連結部72の磁極は、異なる。つまり、N極の第1連結部71は、S極の第2連結部72に対応し、S極の第1連結部71は、N極の第2連結部72に対応する。
【0062】
図7は、保護帽90の一部断面を示す保護帽90の側面図である。保護帽90は、帽体91と帽体91の内側に取り付けられた着装体92とを有する。保護帽90は、衝撃吸収部材93とあごひも94とをさらに有する。尚、衝撃吸収部材93及びあごひも94は省略されてもよい。
【0063】
帽体91は、保護帽90の外殻である。帽体91は、頭部8を覆い外部の衝撃に耐え得る。帽体91の材料は、例えば、ABS、PC、PE、FRP等の樹脂である。
【0064】
衝撃吸収部材93は、帽体91の内面に固定されている。衝撃吸収部材93は、外部の衝撃を吸収する。衝撃吸収部材93の材料は、例えば、発泡スチロールである。
【0065】
着装体92は、帽体91の内面に固定されている。着装体92は、保護帽90を頭部8に保持し、頭部8への保護帽90の当たりを良くして衝撃を緩和する。着装体92の材料は、例えば、樹脂又は繊維である。
【0066】
着装体92は、ヘッドバンド92aと環ひも92bとハンモック92cとを含む。ヘッドバンド92aは、頭部8の周囲に巻き付けられる。ヘッドバンド92aは、頭部8の大きさに適合するように調節することができる。環ひも92bは、頭頂部83に対向して配置される。ハンモック92cは、ヘッドバンド92aと環ひも92bとに架け渡される。ハンモック92cは、上下方向に延びている。着装体92は、複数のハンモック92cを含む。複数のハンモック92cは、頭部8の周囲に間隔をあけて配置される。
【0067】
あごひも94は、着装体92のヘッドバンド92aに取り付けられている。あごひも94は、保護帽90が頭部8から脱落することを防止する。あごひも94の材料は、例えば、樹脂又は繊維である。
【0068】
保護帽90は、帽体91と着装体92との間に隙間を有する。具体的には、隙間は、衝撃吸収部材93と着装体92との間に存在する。詳しくは、隙間は、衝撃吸収部材93と着装体92の環ひも92b及びハンモック92cとの間に存在する。
【0069】
図8は、頭部冷却具100が設置された保護帽90の断面図である。第1冷却具本体1aは、帽体91と着装体92の間に配置される。具体的には、第1冷却具本体1aは、帽体91と着装体92の間の隙間に挿入される。詳しくは、第1冷却具本体1aは、衝撃吸収部材93と着装体92の環ひも92b及びハンモック92cとの間の隙間に挿入される。
【0070】
第2冷却具本体1bは、第1冷却具本体1aと共に着装体92を挟むように第1冷却具本体1aに重ねられた状態で、連結具7によって第1冷却具本体1aに連結される。
【0071】
具体的には、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとは、環ひも92b及びハンモック92cのうちの少なくとも環ひも92bを挟持している。詳しくは、第1冷却具本体1aの第1部分35aと第2冷却具本体1bの第1部分35bとは、環ひも92bを挟持している。第1冷却具本体1aの各分割体37aと第2冷却具本体1bの各分割体37bとは、後述するように、ハンモック92cを挟持している。
【0072】
また、第1冷却具本体1aの各分割体37aと第2冷却具本体1bの各分割体37bとは、頭部8の周囲において隣り合うハンモック92cの間の空間において、連結具7によって連結されている。詳しくは、第1冷却具本体1aの分割体37aの各収容部32aと第2冷却具本体1bの分割体37bの各収容部32bとは、連結具7によって互いに連結されている。
【0073】
次に、頭部冷却具100を保護帽90に設置する方法について説明する。図9は、第1冷却具本体1aが設置された保護帽90の底面図である。図10は、第1冷却具本体1a及び第2冷却具本体1bが設置された保護帽90の底面図である。
【0074】
図9に示すように、第1冷却具本体1aを折り畳んで、周方向に隣り合うハンモック92cの間の空間から第1冷却具本体1aを帽体91(この例では、衝撃吸収部材93)と着装体92の間の隙間に挿入して、第1冷却具本体1aを帽体91と着装体92の間の隙間に配置する。
【0075】
このとき、保護帽90の底面から見て、第1冷却具本体1aの第1部分35aは、環ひも92bに重なるように配置される。また、第1冷却具本体1aの切り込み6aは、ハンモック92cに重なるように配置され、第1冷却具本体1aの分割体37aの周方向の側縁部は、ハンモック92cに重なるように配置される。また、第1連結部71は、周方向に隣り合うハンモック92cの間の空間に重なるように配置される。
【0076】
その後、図10に示すように、第2連結部72を第1連結部71に向けて、第1冷却具本体1a及び第2冷却具本体1bによって着装体92を挟むように第2冷却具本体1bを第1冷却具本体1aに重ね、第2連結部72を第1連結部71に連結して、第2冷却具本体1bを第1冷却具本体1aに連結させる。
【0077】
このとき、保護帽90の底面から見て、第2冷却具本体1bの第1部分35bは、環ひも92bに重なるように配置される。また、第2冷却具本体1bの切り込み6bは、ハンモック92cに重なるように配置され、第2冷却具本体1bの分割体37bの周方向の側縁部は、ハンモック92cに重なるように配置される。第2連結部72は、周方向に隣り合うハンモック92cの間の空間に重なるように配置される。
【0078】
言い換えると、保護帽90の底面から見て、第2冷却具本体1bの第1部分35bは、第1冷却具本体1aの第1部分35aに重なる。また、第2冷却具本体1bの各分割体37bは、第1冷却具本体1aの各分割体37aに重なる。また、第2連結部72は、第1連結部71に重なる。
【0079】
これにより、第1冷却具本体1aの第1部分35aと第2冷却具本体1bの第1部分35bとは、環ひも92bを挟持し、1冷却具本体1aの各分割体37aと第2冷却具本体1bの各分割体37bとは、ハンモック92cを挟持する。第2連結部72は、第1連結部71に連結する。従って、頭部冷却具100を着装体92に取り付けることができる。
【0080】
前述の頭部冷却具100によれば、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとは着装体92を挟むように重ねられ、連結具7は第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとを連結させる。これにより、頭部冷却具100は着装体92を挟持した状態で着装体92に取り付けられる。従って、頭部冷却具100を保護帽90の内側に安定して設置することができる。
【0081】
また、第1冷却具本体1aは帽体91と着装体92の間に配置されるので、第1冷却具本体1aは帽体91と着装体92の間の隙間に存在する空気を冷却することができる。これにより、第1冷却具本体1aは頭部8を間接的に冷却することができる。
【0082】
また、第2冷却具本体1bは着装体92に対して第1冷却具本体1aと反対側に配置されるので、第2冷却具本体1bは頭部8に接触することができる。これにより、第2冷却具本体1bは頭部8を直接に冷却することができる。
【0083】
また、第1冷却具本体1aは帽体91と着装体92の間に配置されるので、第1冷却具本体1aを帽体91と着装体92の間のデッドスペースに配置でき、頭部冷却具100を保護帽90に設置した際に実質的に頭部冷却具100の厚みを増加しないで冷却効果を向上できる。
【0084】
また、連結具7は第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとの間に配置されているので、連結具7は外部に露出し難い。これにより、頭部冷却具100を保護帽90に設置して使用する際、髪の毛は連結具7に絡み難い。
【0085】
また、連結具7は、第1冷却具本体1aに設けられた第1連結部71と第2冷却具本体1bに設けられた第2連結部72とを含むので、連結具7を第1冷却具本体1a及び第2冷却具本体1bに一体に保持させることができる。これにより、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとを互いに分離する際、連結具7は第1冷却具本体1a及び第2冷却具本体1bから分離しないので、管理が容易となる。
【0086】
また、第1連結部71及び第2連結部72は磁石であるので、第1連結部71及び第2連結部72は磁力により互いに吸着され、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとの着脱が容易となる。
【0087】
具体的には、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとをそれぞれ向かい合う方向に押圧しなくても、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとを連結させることができる。詳しくは、第1冷却具本体1aは帽体91と着装体92の間に配置されているため、第1冷却具本体1aを第2冷却具本体1bに向かって押圧することは困難であるが、第1連結部71及び第2連結部72は磁石であるため、第1冷却具本体1aを第2冷却具本体1bに向かって押圧しなくても、第2冷却具本体1bを第1冷却具本体1aに接近させるだけで、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとを連結させることができる。
【0088】
また、第1連結部71及び第2連結部72は磁石であるので、頭部冷却具100を保護帽90に設置して使用する際、第1連結部71及び第2連結部72が面ファスナである場合と比べて、髪の毛は第1連結部71及び第2連結部72に絡み難い。
【0089】
また、第1連結部71及び第2連結部72は磁石であるので、頭部冷却具100を保護帽90に設置して使用する際、磁石の磁界によって頭部8の血流が促進される。具体的には、磁石の磁界が、頭部8の細胞、神経系、血流系などに作用して、生体磁場、生体電流を整えることができる。
【0090】
また、第1連結部71は、第1冷却具本体1aの第2部分36aの複数の分割体37aのそれぞれに配置されているので、第1冷却具本体1aの第2部分36aの全ての分割体37aを第2冷却具本体1bに連結させることができ、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとを強固に連結させることができる。従って、頭部冷却具100を保護帽90の内側に安定して設置することができる。
【0091】
また、第1連結部71は、分割体37aに配置された複数の収容部32aのそれぞれに対応して配置されるので、第1冷却具本体1aの分割体37aの全ての収容部32aを第2冷却具本体1bに連結させることができ、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとを強固に連結させることができる。従って、頭部冷却具100を保護帽90の内側に安定して設置することができる。
【0092】
また、第2連結部72は、第2冷却具本体1bの第2部分36bの複数の分割体37bのそれぞれに配置されているので、第2冷却具本体1bの第2部分36bの全ての分割体37bを第1冷却具本体1aに連結させることができ、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとを強固に連結させることができる。従って、頭部冷却具100を保護帽90の内側に安定して設置することができる。
【0093】
また、第2連結部72は、分割体37bに配置された複数の収容部32bのそれぞれに対応して配置されるので、第2冷却具本体1bの分割体37bの全ての収容部32bを第1冷却具本体1aに連結させることができ、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとを強固に連結させることができる。従って、頭部冷却具100を保護帽90の内側に安定して設置することができる。
【0094】
また、第2冷却具本体1bの放射方向(径方向)に隣り合う第2連結部72の磁極は異なる。これにより、径方向に隣り合う第2連結部72の磁力が互いに引き合って、広範囲に磁力を及ぼすことができる。つまり、第2冷却具本体1bは頭部8に接触するため、第2連結部72の磁力が広範囲に及ぶことで、頭部8の血流がより一層促進される。詳しくは、第2連結部72の磁力が第2冷却具本体1bの頭部8側から出ることで、頭部8に磁力を及ぼすことができる。例えば、1つの磁石の強さは2000ガウスであり、これにより、頭部8の血流はより一層促進される。
【0095】
また、第2冷却具本体1bの周方向に隣り合う第2連結部72の磁極は異なる。これにより、周方向に隣り合う第2連結部72の磁力が互いに引き合って、広範囲に磁力を及ぼすことができる。つまり、第2冷却具本体1bは頭部8に接触するため、第2連結部72の磁力が広範囲に及ぶことで、頭部8の血流がより一層促進される。
【0096】
また、第2冷却具本体1bの収容部32bの厚みt2は、第1冷却具本体1aの収容部32aの厚みt1よりも小さい。これにより、第2冷却具本体1bの収容部32bの厚みt2を小さくして、頭部冷却具100を保護帽90に設置した際に実質的に頭部冷却具100の厚みを薄くできる。一方、第1冷却具本体1aの収容部32aの厚みt1を大きくし、第1冷却具本体1aの収容部32aの容積を大きくして、収容部32aに収容される保冷剤2aの体積を大きくすることができる。従って、帽体91と着装体92の間の隙間に存在する空気の冷却効果を向上できる。このとき、第1冷却具本体1aは帽体91と着装体92の間のデッドスペースに配置されるため、第1冷却具本体1aの収容部32aの厚みt1を大きくしても、頭部冷却具100を保護帽90に設置した際の頭部冷却具100の実質的な厚みを増加しない。このように、頭部冷却具100の使用時の実質的な厚みを薄くしつつ、頭部冷却具100の冷却性能を向上できる。
【0097】
また、第1冷却具本体1aの保冷剤2aの融点は第2冷却具本体1bの保冷剤2bの融点と異なるので、第1冷却具本体1a及び第2冷却具本体1bを所望の使用用途に対応させることができる。
【0098】
詳しくは、第2冷却具本体1bの保冷剤2bの融点は、第1冷却具本体1aの保冷剤2aの融点より低いので、固相の第1冷却具本体1aの保冷剤2aと液相の第2冷却具本体1bの保冷剤2bとが併存した状態で冷却具を使用できる。
【0099】
この場合、保冷剤2bが液相であることにより、第2冷却具本体1bのクッション性が高くなる。つまり、第2冷却具本体1bは頭部8に接触するため、クッション性の高い液相の保冷剤2bによって使用時における頭部冷却具100の快適性が向上する。
【0100】
一方、保冷剤2bが液相であるときに保冷剤2aが固相であると、第1冷却具本体1aは帽体91と着装体92の間に配置されるため、熱伝導率の高い固相の保冷剤2aを用いて帽体91と着装体92の間の隙間に存在する空気を速やかに冷却できる。
【0101】
このように、冷却性能の高い固相の保冷剤2aとクッション性に優れた液相の保冷剤2bとが併存することにより、冷却性能とクッション性とを両立できる。
【0102】
或いは、第2冷却具本体1bの保冷剤2bの融点は、第1冷却具本体1aの保冷剤2aの融点より高くてもよい。つまり、液相の第1冷却具本体1aの保冷剤2aと固相の第2冷却具本体1bの保冷剤2bとが併存した状態で冷却具を使用できる。
【0103】
この場合、保冷剤2aが液相であることにより、第1冷却具本体1aの柔軟性が向上して、第1冷却具本体1aを折り畳んで帽体91と着装体92の間に挿入し易くなる。
【0104】
一方、保冷剤2aが液相であるときに保冷剤2bが固相であると、熱伝導率の高い固相の保冷剤2bを用いて頭部8を速やかに冷却できる。つまり、第2冷却具本体1bは頭部8に接触するため、熱伝導率の高い固相の保冷剤2bによって頭部8の熱を速やかに吸収することができる。
【0105】
このように、柔軟性に優れた液相の保冷剤2aと冷却性能の高い固相の保冷剤2bとが併存することにより、柔軟性と冷却性能とを両立できる。
【0106】
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0107】
連結具7は、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとの間に配置されているが、連結具7は、第1冷却具本体1a及び第2冷却具本体1bのそれぞれの対向面以外の面に配置されてもよい。例えば、連結具7がバンドである場合、連結具7は、第1冷却具本体1a及び第2冷却具本体1bのそれぞれの対向面以外の外周面に巻き付けられて、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとを連結させる。
【0108】
連結具7は、第1連結部71と第2連結部72とを含むが、一体の部材であってもよい。例えば、連結具7は、第1冷却具本体1a及び第2冷却具本体1bを束ねるバンドであってもよく、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとを互いに分離する際、連結具7を第1冷却具本体1a及び第2冷却具本体1bから分離してもよい。
【0109】
第1連結部71及び第2連結部72は、磁石であるが、スナップボタンであってもよく、或いは、面ファスナであってもよい。
【0110】
第1連結部71は、複数の分割体37aのそれぞれに配置されているが、少なくとも1つの分割体37aに配置されていてもよい。
【0111】
第1連結部71は、分割体37aに配置された複数の収容部32aのそれぞれに対応して配置されているが、分割体37aに配置された少なくとも1つの収容部32aに対応して配置されていてもよい。
【0112】
第2連結部72は、複数の分割体37bのそれぞれに配置されているが、少なくとも1つの分割体37bに配置されていてもよい。
【0113】
第2連結部72は、各分割体37bに配置された複数の収容部32bのそれぞれに対応して配置されているが、各分割体37bに配置された少なくとも1つの収容部32bに対応して配置されていてもよい。
【0114】
第2冷却具本体1bの収容部32bの厚みt2は、第1冷却具本体1aの収容部32aの厚みt1よりも小さいが、厚みt2は厚みt1よりも大きくてもよく、或いは、厚みt2は厚みt1と同じであってもよい。
【0115】
第1冷却具本体1aの放射方向(径方向)に隣り合う第1連結部71の磁極は異なり、第2冷却具本体1bの放射方向(径方向)に隣り合う第2連結部72の磁極は異なるが、第1冷却具本体1aの径方向に隣り合う第1連結部71の磁極は同じであり、第2冷却具本体1bの径方向に隣り合う第2連結部72の磁極は同じであってもよい。
【0116】
第1冷却具本体1aの周方向に隣り合う第1連結部71の磁極は異なり、第2冷却具本体1bの周方向に隣り合う第2連結部72の磁極は異なるが、第1冷却具本体1aの周方向に隣り合う第1連結部71の磁極は同じであり、第2冷却具本体1bの周方向に隣り合う第2連結部72の磁極は同じであってもよい。
【0117】
第1冷却具本体1aの保冷剤2aの融点は、第2冷却具本体1bの保冷剤2bの融点と異なるが、同じであってもよい。
【0118】
第1冷却具本体1aにおいて、第2シート42aは、平坦でなくてもよく、第1シート41aとは反対の方へ凹んだ複数の凹部が形成されていてもよい。この場合、仕切部33aは、第1シート41aのうち隣り合う凹部411aの間の部分と第2シート42aのうち隣り合う凹部の間の部分とが接合されて形成されてもよい。
【0119】
第2冷却具本体1bにおいて、第1シート41b及び第2シート42bは、それぞれ、凹部411b,421bを有するが、第1シート41b及び第2シート42bの何れか一方は、平坦であってもよい。
【0120】
第1冷却具本体1a及び第2冷却具本体1bの形状は、限定されない。第1冷却具本体1a及び第2冷却具本体1bの形状は、矩形などの多角形であってもよい。収容部32a,32bのそれぞれの形状、個数及び配置は、限定されない。
【0121】
切り込み6の形状、個数及び配置は、限定されない。切り込み6の形状は、多角形や曲線形状であってもよい。切り込み6は、線状であってもよい。切り込み6の個数は、1つでもよいし、2つ以上であってもよい。切り込み6は、第1冷却具本体1aの外周縁19の任意の位置に配置され得る。
【0122】
[態様]
上述した実施形態は、以下の態様の具体例である。
【0123】
(態様1)
頭部冷却具100は、帽体91と前記帽体91の内側に取り付けられた着装体92とを有する保護帽90の内側に設置される頭部冷却具100であって、前記帽体91と前記着装体92の間に配置される板状の第1冷却具本体1aと、前記第1冷却具本体1aと共に前記着装体92を挟むように前記第1冷却具本体1aに重ねられる板状の第2冷却具本体1bと、前記第1冷却具本体1aに対して前記第2冷却具本体1bを着脱可能に連結させる連結具7とを備える。
【0124】
この構成によれば、頭部冷却具100を保護帽90の内側に安定して設置することができる。また、第1冷却具本体1aにより頭部8を間接的に冷却することができる。また、第2冷却具本体1bにより頭部8を直接に冷却することができる。また、頭部冷却具100を保護帽90に設置した際に実質的に頭部冷却具100の厚みを増加しないで冷却効果を向上できる。
【0125】
(態様2)
態様1に記載の頭部冷却具100において、
前記連結具7は、前記第1冷却具本体1aと前記第2冷却具本体1bとの間に配置されている。
【0126】
この構成によれば、頭部冷却具100を保護帽90に設置して使用する際、髪の毛は連結具7に絡み難い。
【0127】
(態様3)
態様1又は態様2に記載の頭部冷却具100において、
前記連結具7は、前記第1冷却具本体1aに設けられた第1連結部71と、前記第2冷却具本体1bに設けられ且つ前記第1連結部71に着脱可能に連結する第2連結部72とを含む。
【0128】
この構成によれば、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとを互いに分離する際、連結具7は第1冷却具本体1a及び第2冷却具本体1bから分離しないので、管理が容易となる。
【0129】
(態様4)
態様1乃至態様3の何れか1つに記載の頭部冷却具100において、
前記第1連結部71及び前記第2連結部72は、磁石である。
【0130】
この構成によれば、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとの着脱が容易となる。また、頭部冷却具100を保護帽90に設置して使用する際、面ファスナと比べて、髪の毛は第1連結部71及び第2連結部72に絡み難い。
【0131】
(態様5)
態様1乃至態様4の何れか1つに記載の頭部冷却具100において、
前記第1冷却具本体1aは、保冷剤2aと、前記保冷剤2aを収容する外装パック3aとを有し、
前記外装パック3aは、人体の頭頂部83に対応する第1部分35aと、人体の前頭部81、後頭部82及び側頭部84に対応する第2部分36aとを含み、
前記第2部分36aは、周方向に分割された複数の分割体37aを含み、
前記第1連結部71は、前記複数の分割体37aのそれぞれに配置されている。
【0132】
この構成によれば、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとを強固に連結させることができて、頭部冷却具100を保護帽90の内側に安定して設置することができる。
【0133】
(態様6)
態様1乃至態様5の何れか1つに記載の頭部冷却具100において、
前記第2冷却具本体1bは、保冷剤2bと、前記保冷剤2bを収容する外装パック3bとを有し、
前記外装パック3bは、人体の頭頂部83に対応する第1部分35bと、人体の前頭部81、後頭部82及び側頭部84に対応する第2部分36bとを含み、
前記第2部分36bは、周方向に分割された複数の分割体37bを含み、
前記第2連結部72は、前記複数の分割体37bのそれぞれに配置されている。
【0134】
この構成によれば、第1冷却具本体1aと第2冷却具本体1bとを強固に連結させることができて、頭部冷却具100を保護帽90の内側に安定して設置することができる。
【0135】
(態様7)
態様1乃至態様6の何れか1つに記載の頭部冷却具100において、
前記第2連結部72は前記第2冷却具本体1bの中央から放射状に並んで配置され、放射方向に隣り合う前記第2連結部72の磁極は異なる。
【0136】
この構成によれば、第2連結部72の磁極の交互配列により、第2連結部72の磁力が広範囲に及ぶことで、頭部8の血流がより一層促進される。
【0137】
(態様8)
態様1乃至態様7の何れか1つに記載の頭部冷却具100において、
前記第1冷却具本体1a及び前記第2冷却具本体1bは、それぞれ、保冷剤2a,2bと、前記保冷剤2a,2bを個別に収容する複数の収容部32a,32bを含む外装パック3a,3bとを有し、
前記第2冷却具本体1bの前記収容部32bの厚みt2は、前記第1冷却具本体1aの前記収容部32aの厚みt1よりも小さい。
【0138】
この構成によれば、頭部冷却具100の使用時の実質的な厚みを薄くしつつ、頭部冷却具100の冷却性能を向上できる。
【0139】
(態様9)
態様1乃至態様8の何れか1つに記載の頭部冷却具100において、
前記第1冷却具本体1a及び前記第2冷却具本体1bは、それぞれ、保冷剤2a,2bと、前記保冷剤2a,2bを収容する外装パック3a,3bとを有し、
前記第1冷却具本体1aの前記保冷剤2aの融点は、前記第2冷却具本体1bの前記保冷剤2bの融点と異なる。
【0140】
この構成によれば、第1冷却具本体1a及び第2冷却具本体1bを所望の使用用途に対応させることができる。
【符号の説明】
【0141】
1a,1b 第1、第2冷却具本体
2a,2b 保冷剤
3a,3b 外装パック
6a,6b 切り込み
7 連結具
32a,32b 収容部
35a,35b 第1部分
36a,36b 第2部分
37a,37b 分割体
71 第1連結部
72 第2連結部
81 前頭部
82 後頭部
83 頭頂部
84 側頭部
90 保護帽
91 帽体
92 着装体
100 頭部冷却具
t1 第1冷却具本体の収容部の厚み
t2 第2冷却具本体の収容部の厚み

【要約】
【課題】保護帽の内側に安定して設置することができる。
【解決手段】頭部冷却具100は、帽体91と帽体91の内側に取り付けられた着装体92とを有する保護帽90の内側に設置され、帽体91と着装体92の間に配置される板状の第1冷却具本体1aと、第1冷却具本体1aと共に着装体92を挟むように第1冷却具本体1aに重ねられる板状の第2冷却具本体1bと、第1冷却具本体1aに対して第2冷却具本体1bを着脱可能に連結させる連結具7とを備える。
【選択図】図3

図1
図2
図3
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図10