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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】車両のルーフシステム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 9/048 20060101AFI20250219BHJP
   B60J 7/02 20060101ALI20250219BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20250219BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20250219BHJP
   B64D 9/00 20060101ALI20250219BHJP
   B64F 1/36 20240101ALI20250219BHJP
【FI】
B60R9/048
B60J7/02 Z
B64C27/08
B64C39/02
B64D9/00
B64F1/36
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020160478
(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公開番号】P2021195112
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】10-2020-0069758
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】車 東 垠
(72)【発明者】
【氏名】黄 珍 皓
(72)【発明者】
【氏名】李 尚 憲
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-139355(JP,U)
【文献】特開2018-165205(JP,A)
【文献】特開2015-163496(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0185466(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0175276(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0183528(US,A1)
【文献】米国特許第09387928(US,B1)
【文献】独国特許発明第102018205880(DE,B3)
【文献】米国特許出願公開第2018/0229858(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109661296(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0119103(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0380016(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0017582(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 9/048
B60J 7/02
B64C 27/08
B64C 39/02
B64D 9/00
B64F 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のルーフに設けられ、一側または他側にスライドされてルーフを開放または閉鎖する開閉モジュールと、
前記開閉モジュールの上方に設けられ、車両の室内空間とは前記開閉モジュールを中心に分離された積載空間を有する積載モジュールと、
前記積載モジュールの内部に設けられて、ロック時に積載物の荷重を支持し、アンロック時に前記積載物の荷重支持を解除するロック機構と、
前記積載物の前記積載モジュール内の位置を把握して、前記積載物が位置した地点のロック機構をアンロックして前記積載物を前記積載モジュールから車両の内部空間へ伝達するように制御する制御部と、を含むことを特徴とする車両のルーフシステム。
【請求項2】
前記制御部は、前記開閉モジュールと前記ロック機構を制御することにより、積載物を前記積載モジュールに保管するか、または車両の室内空間へ伝達させることを特徴と
する請求項1に記載の車両のルーフシステム。
【請求項3】
前記開閉モジュールは、車両のサンルーフであり、
前記積載モジュールは、車両のルーフに取り付けられたルーフキャリアであることを特徴とする請求項1に記載の車両のルーフシステム。
【請求項4】
前記開閉モジュールは、複数のパネルから構成され、開放の際に一側のパネルが他側のパネルに向かってスライドされて重畳することにより、前記一側のパネルが位置していた地点が開放されることを特徴とする請求項1に記載の車両のルーフシステム。
【請求項5】
前記積載モジュールは、下部にドアが設けられ、前記開閉モジュールの開放の際に前記ドアが開放されて、前記積載モジュールの内部空間の積載物が、開放された前記ドアと前記開閉モジュールを介して車両の内部空間に伝達されることを特徴とする請求項1に記載の車両のルーフシステム。
【請求項6】
前記積載モジュールは内部に支持パネルが設けられ、前記支持パネルは前記積載モジュールの内部でスライドされ、前記積載物は前記積載モジュールの内部で前記支持パネル上に支持されることを特徴とする請求項1に記載の車両のルーフシステム。
【請求項7】
前記開閉モジュールの開放の際に前記支持パネルがスライドされることにより、前記積載物が前記車両の室内空間に向かって露出され、前記ロック機構のアンロックの際に前記積載物が前記車両の室内空間へ伝達されることを特徴とする請求項6に記載の車両のルーフシステム。
【請求項8】
前記積載モジュールは、上部にカバーが設けられ、前記カバーの開放の際に前記積載モジュールの内部空間が上方に露出されることを特徴とする請求項1に記載の車両のルーフシステム。
【請求項9】
前記制御部は、ドローンから配送要求を受け付けた場合に前記カバーを開放することにより、前記ドローンが積載物を前記積載モジュールの内部空間に伝達することができるようにすることを特徴とする請求項8に記載の車両のルーフシステム。
【請求項10】
前記制御部は、前記ドローンの配送が完了した場合に前記カバーを閉鎖し、積載物の車両内への伝達が必要な場合に前記開閉モジュールを開放し、前記ロック機構をアンロックすることにより、前記ドローンから伝達された積載物を車両の内部空間へ伝達することを特徴とする請求項9に記載の車両のルーフシステム。
【請求項11】
車両のルーフに設けられ、一側または他側にスライドされてルーフを開放または閉鎖する開閉モジュールと、
前記開閉モジュールの上方に設けられ、車両の室内空間とは前記開閉モジュールを中心に分離された積載空間を有する積載モジュールと、
前記積載モジュールの内部に設けられて、ロック時に積載物の荷重を支持し、アンロック時に前記積載物の荷重支持を解除するロック機構と、を含む車両のルーフシステムを制御する方法であって、
開閉モジュールをスライドさせて開放するステップと、
ロック機構をアンロックして積載物を積載モジュールから車両の内部空間へ伝達するステップと、を含み、
積載物の積載モジュール内の位置を把握するステップをさらに含み、
前記開閉モジュールをスライドさせて開放するステップでは、前記積載物が位置した地点が開放されるようにすることを特徴とする車両のルーフシステムの制御方法。
【請求項12】
前記ロック機構をアンロックして積載物を積載モジュールから車両の内部空間へ伝達するステップでは、前記積載物が位置した地点をアンロックすることを特徴とする請求項11に記載の車両のルーフシステムの制御方法。
【請求項13】
前記積載物の積載モジュール内の位置を把握するステップでは、前記積載モジュールの内部重量変化から前記積載物の位置を把握することを特徴とする請求項11に記載の車両のルーフシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のルーフキャリアなどを介してドローンなどの外部伝達手段との間で積載物を交換し、これをさらに車両の内部空間と交換するようにすることにより、車両の搭乗者が乗車した状態ないし走行する状態でも楽に外部とモノをやり取りすることができるようにする、車両のルーフシステム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の車両の場合、自律走行車が開発されており、自律走行車の場合は、移動の利便性が増大し、車両が単純な移動空間から脱皮して生活空間としても機能できるようにする。
【0003】
また、最近、ドローンの活用度が多様化するにつれて、ドローンを利用した無人配送システムが開発され、試験的に運営されている。
【0004】
しかし、このようなドローンを利用して車両に無人で配送するシステムについては未だ提案されておらず、これらを互いに統合して電力を交換する概念についても提案されていない。
【0005】
自律走行車が一般化されると、車両は、移動手段だけでなく、生活空間としても活用されるため、車両の内部で外部とのモノの交換に対するニーズが多くなると予想される。このような技術を介して車両の搭乗者が、外部と物理的にも接続される拡張を経験し、様々な関連サービスが発展し得る。
【0006】
したがって、車両の停車時と走行中に車両の内部で外部から容易にモノを受け取ったり外部へモノを伝達したりすることができるようにするインターフェースが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0017582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、車両のルーフキャリアなどを介してドローンなどの外部伝達手段との間で積載物を交換し、これをさらに車両の内部空間と交換するようにすることにより、車両の搭乗者が乗車した状態ないし走行する状態でも楽に外部とモノをやり取りすることができるようにする、車両のルーフシステム及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による車両のルーフシステムは、車両のルーフに設けられ、一側または他側にスライドされてルーフを開放または閉鎖する開閉モジュールと、前記開閉モジュールの上方に設けられ、車両の室内空間とは前記開閉モジュールを中心に分離された積載空間を有する積載モジュールと、前記積載モジュールの内部に設けられて、ロック時に積載物の荷重を支持し、アンロック時に前記積載物の荷重支持を解除するロック機構と、を含むことを特徴とする。
【0010】
前記開閉モジュールと前記ロック機構を制御することにより、積載物を前記積載モジュールに保管するか、または車両の室内空間へ伝達する制御部をさらに含み得る。
前記開閉モジュールは、車両のサンルーフであり、前記積載モジュールは、車両のルーフに取り付けられたルーフキャリアであり得る。
前記開閉モジュールは、複数のパネルから構成され、開放の際に一側のパネルが他側のパネルに向かってスライドされて重畳することにより、前記一側のパネルが位置していた地点が開放され得る。
前記積載モジュールは、下部にドアが設けられ、前記開閉モジュールの開放の際に前記ドアが開放されて、前記積載モジュールの内部空間の積載物が、開放された前記ドアと前記開閉モジュールを介して車両の内部空間に伝達され得る。
前記積載モジュールは内部に支持パネルが設けられ、前記支持パネルは前記積載モジュールの内部でスライドされ、前記積載物は前記積載モジュールの内部で前記支持パネル上に支持され得る。
前記開閉モジュールの開放の際に前記支持パネルがスライドされることにより、前記積載物が前記車両の室内空間に向かって露出され、前記ロック機構のアンロックの際に前記積載物が前記車両の室内空間に伝達され得る。
前記積載モジュールは、上部にカバーが設けられ、前記カバーの開放の際に前記積載モジュールの内部空間が上方に露出できる。
制御部は、ドローンから配送要を受け付けた場合にカバーを開放することにより、前記ドローンが積載物を前記積載モジュールの内部空間に伝達し得る。
前記制御部は、前記ドローンの配送が完了した場合に前記カバーを閉鎖し、積載物の車両内への伝達が必要な場合に前記開閉モジュールを開放し、前記ロック機構をアンロックすることにより、前記ドローンから伝達された前記積載物を車両の内部空間へ伝達し得る。
【0011】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による車両のルーフシステムの制御方法は、開閉モジュールをスライドさせて開放するステップと、ロック機構をアンロックして積載物を積載モジュールから車両の内部空間へ伝達するステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
積載物の積載モジュール内の位置を把握するステップをさらに含み、前記開閉モジュールをスライドさせて開放するステップでは、前記積載物が位置した地点が開放されるようにすることが好ましい。
前記ロック機構をアンロックして積載物を積載モジュールから車両の内部空間へ伝達するステップでは、前記積載物が位置した地点をアンロックすることが好ましい。
前記積載物の積載モジュール内の位置を把握するステップでは、前記積載モジュールの内部重量変化から前記積載物の位置を把握することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車両のルーフシステム及びその制御方法によれば、車両のルーフキャリアなどを介してドローンなどの外部伝達手段との間で積載物を交換し、これを再び車両の内部空間と交換するようにすることにより、車両の搭乗者が乗車した状態ないし走行する状態でも楽に外部とモノをやり取りすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による車両のルーフシステムの積載物伝達過程を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による車両のルーフシステムの積載物伝達過程を示す図である。
図3】本発明の一実施形態による車両のルーフシステムを示す断面図である。
図4】本発明の一実施形態による車両のルーフシステムの制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1及び図2は、本発明の一実施形態による車両のルーフシステムの積載物伝達過程を示す図であり、図3は、本発明の一実施形態による車両のルーフシステムを示す断面図であり、図4は、本発明の一実施形態による車両のルーフシステムの制御方法を示すフローチャートである。
【0016】
図1図2及び図3に示すように、本発明の一実施形態による車両のルーフシステムは、車両のルーフに設けられ、一側または他側にスライドされてルーフを開放または閉鎖する開閉モジュール100、開閉モジュール100の上方に設けられ、車両の室内空間10とは開閉モジュール100を介して分離された積載空間30を有する積載モジュール300、及び積載モジュール300の内部に設けられて、ロック時に積載物50の荷重を支持し、アンロック時に積載物50の荷重支持を解除するロック機構500を含んでなる。
【0017】
本発明は、車両の内部で、外部からモノを受け取ったり外部にモノを伝達したりするためのものであって、車両のルーフに積載物を保管する空間を必要とする。また、積載物が、車両のルーフを介して車両の室内空間に伝達されるようにすることにより、空間効率性を向上させることができる。特に、ドローンを介して車両にモノを伝達するためには、車両のルーフが最適の伝達地点であると見られる。
【0018】
具体的には、本発明による車両のルーフシステムは、開閉モジュール100を含む。開閉モジュール100は、車両のルーフに設けられ、一側または他側にスライドされてルーフを開放または閉鎖するようにする。例えば、車両のサンルーフを開閉モジュール100として活用することが可能である。サンルーフの場合、複数のパネルから構成され、閉鎖時には車両のルーフを構成し、開放時には積載物50が交換できるルーフの開口部を構成する。
【0019】
また、積載モジュール300は、開閉モジュール100の上方に設けられ、車両の室内空間10とは開閉モジュール100を中心にして(また、中間に挟んで)分離された積載空間30を有する。積載モジュール300は、車両のルーフの上方に別途設けられたルーフキャリアであってもよく、車両のルーフに一体に設けられたルーフキャリアであってもよい。積載モジュール300がルーフに別途設けられる場合には、車両の開閉モジュール100としてサンルーフが備えられ、積載モジュール300の下端に別のドア360が必要であり、積載モジュール300が車両のルーフに一体に設けられる場合には、ルーフの開閉モジュール100のみが必要であり、別のドアは必要ない。つまり、この場合には、開閉モジュール100のみを開放することにより、車両の室内空間10と積載モジュールの積載空間30とが直ちに接続される。
【0020】
また、ロック機構500は、積載モジュール300の内部に設けられ、ロック時に積載物50の荷重を支持し、アンロック時に積載物50の荷重支持を解除するようにする。つまり、ロック機構500のロック時には、積載モジュール300の積載空間30に積載物50がうまく維持されるように積載物50を支持し、ロック機構500のアンロック時には、開放された下部を介して積載物50が落下するように積載物50の荷重支持を解除することにより、積載物50が車両の内部空間に伝達されるようにする。
【0021】
制御部Cは、開閉モジュール100とロック機構500を制御することにより、積載物50を積載モジュール300に保管するか、または車両の室内空間10に伝達するように制御する。制御部Cは、開閉モジュール100とロック機構500を駆動するアクチュエータMを制御し、さらに必要な他のセンサから情報の伝達を受けて様々なアクチュエータを制御することにより、積載物の伝達と交換において全般的な制御を担当する。アクチュエータMは、ワイヤーなどを介して駆動力を伝達する方式が適用される。
【0022】
本発明の一実施形態による制御部は、車両の様々な構成要素の動作を制御するように構成されたアルゴリズム、または当該アルゴリズムを再生するソフトウェア命令に関するデータを格納するように構成された不揮発性メモリ(図示せず)、及び当該メモリに格納されたデータを用いて後述の動作を行うように構成されたプロセッサ(図示せず)によって具現される。ここで、メモリ及びプロセッサは個別チップで具現される。代替的には、メモリおよびプロセッサは、互いに統合された単一チップで具現されてもよく、プロセッサは、一つ以上のプロセッサで具現されてもよい。
【0023】
一方、開閉モジュール100は、車両のサンルーフであり、積載モジュール300は、車両のルーフに取り付けられたルーフキャリアであり得る。開閉モジュール100は、複数のパネル(120、140)から構成され、開放の際に、一側のパネル120が他側のパネル140に向かってスライドされて重畳することにより、一側のパネル120が位置していた地点(領域)が開口部として開放される。また、積載モジュール300は、下部にドア360が設けられ、開閉モジュール100の開放時にドア360が開放され、積載モジュールの内部空間の積載物が、開放されたドア360と開閉モジュール100を介して車両の内部空間に伝達される。これにより、積載モジュール300が適用されていない車両は、開閉モジュール100が一般的なサンルーフとしての役割を果たし、積載モジュール300が取り付けられた車両の場合には、サンルーフである開閉モジュール100がモノを伝達する通路として機能する。
【0024】
一方、積載モジュール300は内部に支持パネル340が設けられ、支持パネル340は積載モジュール300の内部でスライドされ、積載物50は積載モジュール300の内部で支持パネル340上に支持される。支持パネル340を介して、積載物50は、平常時に安定的に積載モジュール300の内部に保管され、また、ドローンから積載物50を安定的に受け取ったり伝達したりするようにする。
【0025】
そして、開閉モジュール100の開放の際に、支持パネル340がスライドされることにより、積載物50が車両の室内空間10に向かって露出され、ロック機構500がアンロックされると、積載物50が車両の室内空間10に伝達される。つまり、積載物50は、基本的に支持パネル340によって支持されるが、別のロック機構500を介しても支持される。したがって、支持パネル340がスライドされても、最終的にロック機構500が積載物50を支持しているため、支持パネル340のスライドによって直ちに積載物50が車両の内部空間に落下する問題を防止する。
【0026】
積載モジュール300は、上部にカバー320が設けられ、カバー320の開放時に積載モジュール300の積載空間30が上方に露出される。これにより、制御部Cが、ドローン(図示せず)から配送要求を受け付けた場合にカバー320を開放することにより、ドローンは積載物50を積載モジュール300の積載空間30に伝達することができる。また、制御部Cは、ドローンの配送が完了するとカバー320を閉鎖し、積載物50の車両内への伝達が必要な場合に開閉モジュール100を開放して、ロック機構500をアンロックすることにより、ドローンから伝達された積載物50を車両の室内空間10へ伝達する。
【0027】
図示してはいないが、ドローンは、積載物を積載した状態で車両に接近して、車両の制御部Cまたは外部サーバと通信して積載物50を車両に伝達するという信号を送信する。車両の制御部Cはこの信号に基づいてカバー320を開放し、ドローンは積載物50を積載モジュール300内の支持パネル340に載置させる。ロック機構500は積載物50のロックを行い、カバー320は再び閉まる。この状態で、積載物50は積載モジュール300の内部に保管される。図1はこのような状態を示す。この場合、制御部Cは、支持パネル340の重量を検知することにより積載物50の積載位置を把握する。
【0028】
このような積載物50を車両の室内空間10に伝達しなければならない場合、制御部Cは、まず開閉モジュール100を開放する。制御部Cは、積載物50が積載モジュール300の他側ではなく、一側にあると既に検知しているので、開閉モジュール100の一側120が他側140に向かってスライドされて開放が行われ、同様に、ドア360も一側362が他側364に向かってスライドされるように制御する。支持パネル340も、他側に向かってスライドされるようにする。それにより、積載物50は、ロック機構500によってロックされて支持されるとともに、下方の車両室内空間10に向かって露出される。
【0029】
この状態で、図3のように制御部Cがロック機構500を回転させて積載物50をアンロックすると、積載物50は、もはや支持されないため、下方へ落下する。もちろん、車両の室内空間10には、落下する積載物50をうまく受け取って下方に伝達する別の伝達機構を設けることで、搭乗客の安全事故を防止し、利便性を増大させることができる。
【0030】
図4は、本発明の一実施形態による車両のルーフシステムの制御方法を示すフローチャートである。本発明による車両のルーフシステムの制御方法は、開閉モジュールをスライドさせて開放するように制御するステップ(S240)と、ロック機構をアンロックして積載物を積載モジュールから車両の内部空間へ伝達するステップ(S300、S320)とを含む。
【0031】
まず、制御部Cは、支持パネルの重量増加を検知する(S100)。そして、重量を測定することにより、積載物の積載モジュール内の位置を把握する。制御部Cは、ルーフ開放信号を受け付けると積載位置を把握して、当該位置(地点)の開閉モジュールのパネルをスライドさせて開放する各ステップを行う(S200、S220)。この場合、積載物が位置した地点の開閉モジュールのパネルが開放されるように制御する(S240)。そして、対応する積載モジュールのドアを開放する(S260)。その後、支持パネルをスライドさせて積載物が下方の車両の室内空間に露出されるようにする(S280)。
【0032】
そして、積載物を積載モジュールから車両の内部空間へ伝達するためにロック機構をアンロックするステップ(S300)では、積載物が位置した地点(場所)をアンロックすることにより、必要な積載物のみが下方の車室内空間へ伝達されるようにする(S320)。積載物の伝達が完了すると、再びルーフを閉鎖する制御を行う(S340)。
【0033】
本発明の車両のルーフシステム及びその制御方法によれば、車両のルーフキャリアなどを介してドローンなどの外部伝達手段との間で積載物を交換し、これをさらに車両の内部空間と交換するようにすることにより、車両の搭乗者が乗車した状態ないし走行する状態でも楽に外部とモノをやり取りすることができる。
【0034】
本明細書では、特定の実施形態について図示および説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想から逸脱しない範囲内で、多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0035】
10 室内空間
30 積載空間
50 積載物
100 開閉モジュール
120、140 パネル
300 積載モジュール
320 カバー
340 支持パネル
360(362、364) ドア
500 ロック機構
C 制御部
M アクチュエータ

図1
図2
図3
図4