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7636901画像処理装置及び画像処理装置の異音特定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理装置の異音特定方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20250219BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20250219BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20250219BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20250219BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
H04N1/00 127A
H04N1/00 350
G03G21/00 510
G03G21/00 500
B41J29/38 301
B41J29/42 F
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021020520
(22)【出願日】2021-02-12
(65)【公開番号】P2022123296
(43)【公開日】2022-08-24
【審査請求日】2023-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 創
(72)【発明者】
【氏名】奈良橋 正樹
(72)【発明者】
【氏名】小山 悟史
(72)【発明者】
【氏名】疋田 葉留
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-116473(JP,A)
【文献】特開2018-048885(JP,A)
【文献】特開2019-153075(JP,A)
【文献】特開2001-256097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00 - 1/64
G03G 21/00
B41J 29/38
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不具合の発生時に異音がしたことが指示された場合、複数の異音のサンプル音声に対する再生順を示す再生リストと異音のサンプル音声を含む音源ファイルとを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得した再生リストが示す再生順に従って決定される1つの異音のサンプル音声を再生する再生手段と、
前記再生手段により再生する異音のサンプル音声が前記不具合の発生時にユーザが聞いた異音と同じ又は近い場合に指示される選択ボタンと、
前記選択ボタンが指示された場合に前記再生手段が再生した異音のサンプル音声を前記不具合の発生時にユーザが聞いた異音と同じ又は近い音として決定する決定手段と、
を具備する画像処理装置。
【請求項2】
管理サーバと通信する通信インターフェースを有し、
前記取得手段は、前記通信インターフェースを介して前記管理サーバから前記再生リストと前記音源ファイルとを取得する、
請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記管理サーバから取得する再生リストが示す再生順に従って再生すべき異音のサンプル音声を決定するごとに、再生すべき異音のサンプル音声を含む音源ファイルを前記管理サーバから取得する、
請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記選択ボタンが指示された場合に前記再生手段が再生した異音のサンプル音声を含む音源ファイルのファイル名と当該画像処理装置を示す情報とを前記不具合に関するレポートを作成させるための報告として前記管理サーバへ出力する出力手段、をさらに具備する、
請求項2記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像処理装置における異音を特定する異音特定方法であって、
前記画像処理装置が、不具合の発生時に異音がしたことが指示された場合、複数の異音のサンプル音声に対する再生順を示す再生リストと異音のサンプル音声を含む音源ファイルとを取得し、
前記画像処理装置が、前記再生リストが示す再生順に従って決定する1つの異音のサンプル音声を再生し、
前記画像処理装置が、再生した異音のサンプル音声が前記不具合の発生時にユーザが聞いた異音と同じ又はユーザが聞いた異音に近いことを指示する選択ボタンが指示された場合に、前記再生した異音のサンプル音声を前記不具合の発生時にユーザが聞いた異音と同じ又は近い音として決定する、
画像処理装置の異音特定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像処理装置及び画像処理装置の異音特定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(デジタル複合機(multi-functional peripheral))等の画像処理装置に不具合が発生した場合、異音が発生することがある。この不具合発生時の異音は、当該画像処理装置のメンテナンス作業を行う作業者にとって、不具合の原因を解明するための重要な要素である。しかしながら、作業者がユーザにどのような異音がしたかを尋ねても、言葉だけでは異音を特定することは困難である。また、1度しか異音が発生しない場合には、異音を再現することができない。そこで、不具合発生時の異音を効率よく特定できる仕組みが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-179863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、不具合の原因解明に重要な要素である不具合発生時の異音を効率よく特定できる画像処理装置及び画像処理装置の異音特定方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
画像処理装置は、取得手段と、再生手段と、選択ボタンと、変更手段と、決定手段と、を備える。取得手段は、不具合の発生時に異音がしたことが指示された場合、複数の異音のサンプル音声に対する再生順を示す再生リストと異音のサンプル音声を含む音源ファイルとを取得する。再生手段は、前記取得手段によって取得した再生リストが示す再生順に従って決定される1つの異音のサンプル音声を再生する。選択ボタンは、前記再生手段により再生する異音のサンプル音声が前記不具合の発生時にユーザが聞いた異音と同じ又は近い場合に指示される。決定手段は、前記選択ボタンが指示された場合に前記再生手段が再生した異音のサンプル音声を前記不具合の発生時にユーザが聞いた異音と同じ又は近い音として決定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】MFPの要部回路構成を示すブロック図。
図2】管理サーバの要部回路構成を示すブロック図。
図3】再生リストの一例を示す模式図。
図4】音源ファイルに保存される音源レコードのデータ構造の一例を示す模式図。
図5】MFPにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図6】MFPにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図7】管理サーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図8】不具合報告画面の一例を示す模式図。
図9】異音検索画面の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、一実施形態について、図面を用いて説明する。
【0008】
図1は、一実施形態に係るMFP10の概略構成を示すブロック図である。MFP10は、画像処理装置の一例である。MFP10は、スキャナ11、プリンタ12、制御システム13及び操作パネル14を備える。スキャナ11、プリンタ12及び操作パネル14は、制御システム13に接続される。
【0009】
スキャナ11は、制御システム13から動作指示に応じて原稿の画像を光学的に読み取って画像情報に変換する装置である。スキャナ11は、読み取った原稿の画像情報を制御システム13へ出力する。
【0010】
プリンタ12は、制御システム13から指定される様々な印刷条件で、制御システム13から供給される画像情報に基づく画像を用紙にプリントする。プリンタ12としては、様々な画像形成方式のプリンタが適用できる。例えばプリンタ12は、電子写真方式のプリンタであっても良いし、インクジェット方式あるいは熱転写方式等であってもよい。
【0011】
制御システム13は、スキャナ11、プリンタ12及び操作パネル14等の各部の動作を統括的に制御する。また、制御システム13は、画像処理等の各種の処理を実行する。制御システム13は、プロセッサ131、RAM(random-access memory)132、ROM(read-only memory)133、データメモリ134、画像メモリ135、画像処理ユニット136、FAX(ファクシミリ(facsimile))インターフェース(I/F)137及び通信インターフェース(I/F)138を備える。
【0012】
プロセッサ131は、プログラムに従って演算及び制御等の処理を実行する。プロセッサ131は、例えばCPU(central processing unit)である。プロセッサ131は、ROM133又はデータメモリ134が記憶するプログラムを実行することにより種々の処理機能を実現する。RAM132は、ワーキングメモリである。RAM132は、例えば揮発性のメモリである。ROM133は、プログラムメモリである。ROM133は、例えば不揮発性メモリである。
【0013】
データメモリ134は、制御データ、制御プログラム及び設定情報等を記憶する。データメモリ134は、例えば不揮発性のメモリである。画像メモリ135は、ハードディクスドライブ及びページメモリ等により構成を有する。画像メモリ135は、画像情報を記憶する。画像処理ユニット136は、画像情報に対する画像処理を実行する。
【0014】
FAXインターフェース137は、FAX通信を行うためのインターフェースである。通信インターフェース138は、インターネット1等のネットワークを介して、管理サーバ20等の外部装置とデータ通信を行うためのネットワークインターフェースである。
【0015】
操作パネル14は、ユーザインターフェースである。操作パネル14は、タッチパネル141及び入力デバイス142を備える。タッチパネル141は、例えば液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ等のディスプレイとタッチ入力を検知するセンシングデバイスとが積層しているものである。入力デバイス142は、例えばボタン、キーボード、キーパッド又はタッチパッドである。
【0016】
管理サーバ20は、MFP10のメンテナンス作業時に、異音を特定するために必要な、互いに異なる音を示す複数の音データを提供する。管理サーバ20は、インターネット1を介して、MFP10に再生リスト及び音源ファイルを提供する。再生リスト及び音源ファイルは、後述する。
【0017】
図2は、管理サーバ20の要部回路構成を示すブロック図である。管理サーバ20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、通信インターフェース24及びシステム伝送路25を備える。システム伝送路25は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。管理サーバ20は、システム伝送路25に、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23及び通信インターフェース24を接続する。管理サーバ20では、プロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶デバイス23と、これらを接続するシステム伝送路25とによってコンピュータが構成される。
【0018】
プロセッサ21は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、管理サーバ20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
【0019】
メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。上記データは、不揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0020】
補助記憶デバイス23は、例えばEEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)等である。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ21での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス23は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0021】
通信インターフェース24は、インターネット1を介して接続されるMFP10との間で所定の通信プロトコルに従いデータの送受信を行うためのインターフェース回路である。
【0022】
かかる構成の管理サーバ20は、補助記憶デバイス23において再生リスト231(図3を参照)及び複数の音源ファイル232を記憶する。再生リスト231は、複数の音源ファイル232の再生順を示すリストである。音源ファイル232は、音源ファイル名毎に、音源レコード2321(図4を参照)を保存する。
【0023】
図3は、再生リスト231の一例を示す模式図である。図3に示すように再生リスト231は、ポインタN及び音源ファイル名をそれぞれ記憶するための領域を有する。ポインタNは、音源ファイル232を識別するために音源ファイル232毎に割り当てられた固有の値である。ポインタNの値が小さい方から順すなわち再生リスト231の先頭から順に再生される。再生順は、優先順位をつけて優先順位が高い順に再生される。例えばMFP10に係る市場で発生頻度の高い異音の音源ファイル順、音源の危険度が高い音源ファイル順、音に特徴がある音源ファイル順、MFP10の劣化度が高い部品に関係する音源ファイル順等である。本実施形態では、再生順は作業者等により予め設定されているものとする。なお、再生リスト231及び音源ファイル232の記憶先は補助記憶デバイス23に限定されない。メインメモリ22の揮発性メモリ領域において再生リスト231及び音源ファイル232を記憶してもよい。再生リスト231は、上述した項目のデータに限定されるものではない。
【0024】
図4は、音源ファイル232に保存される音源レコード2321のデータ構造の一例を示す模式図である。図4に示すように音源レコード2321は、異音のサンプル音データ、関連部品データ、不具合データ及び音源の危険度を含む。関連部品データは、例えば異音の発生源と予想されるMFP10の構成部品等の情報である。不具合データは、例えば異音の発生とともに印刷時に白スジが発生する等の情報である。音源の危険度は、異音に起因してMFP10の故障となる可能性の度合いである。音源レコード2321は、上述した項目のデータに限定されるものではない。
【0025】
図5及び図6は、MFP10のプロセッサ131が制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。図7は、管理サーバ20のプロセッサ21が制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。以下、これらの図を用いて、MFP10及び管理サーバ20の動作について説明する。なお、以下に説明する動作の手順及びその内容は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順及び内容は限定されるものではない。
【0026】
MFP10のメンテナンス作業時に、作業者は、MFP10の動作モードを通常モードから不具合モードに切り替える。作業者がタッチパネル141に表示される不具合ボタンをタッチすると、不具合モードに切り替わる。
すなわちMFP10のプロセッサ131は、ACT1としてタッチパネル141に表示される不具合ボタンがタッチされるのを待ち受ける。不具合ボタンがタッチされた場合、プロセッサ131は、ACT1においてYESと判定し、ACT2へと進む。プロセッサ131はACT2としてタッチパネル141に不具合モードとして不具合報告画面100(図8を参照)を表示させる。
【0027】
図8は、不具合報告画面100の一例を示す模式図である。図8に示すように、不具合報告画面100には、不具合を選択するためのチェック欄101と、不具合発生時に異音がした場合に入力するためのチェック欄102と、異音のサンプル音を特定するための異音ボタン103とが表示される。不具合は、例えば紙詰まり、白スジ等である。また、不具合報告画面100は、チェック欄101、又は、チェック欄101及びチェック欄102にチェックを入力した後に送信確定を指示するための送信ボタン104が表示される。異音ボタン103は、チェック欄102にチェックを入力した場合に有効化されてもよい。なお、図8に表示されているテキストデータの内容は一例である。
【0028】
図5の説明に戻る。MFP10のプロセッサ131は、ACT3として不具合報告画面100の異音ボタン103がタッチされたか否かを確認する。異音ボタン103がタッチされた場合、プロセッサ131は、ACT3においてYESと判定し、ACT4へと進む。
【0029】
プロセッサ131は、ACT4として管理サーバ20に対して再生リスト231及び再生リスト231の先頭の音源ファイル232を要求するように通信インターフェース138を制御する。この制御により、通信インターフェース138を介してリスト要求コマンドが送信される。
【0030】
管理サーバ20のプロセッサ21は、図7のACT31としてMFP10から通信インターフェース138を介してリスト要求コマンドを受信するのを待ち受けている。
【0031】
リスト要求コマンドを受信した場合、プロセッサ21は、ACT31においてYESと判定し、ACT32へと進む。プロセッサ21は、ACT32としてMFP10に対して再生リスト231及び再生リスト231の先頭の音源ファイル232を送信するように通信インターフェース24を制御する。この制御により、通信インターフェース24を介して再生リスト231及び再生リスト231の先頭の音源ファイル232が送信される。
【0032】
図5の説明に戻る。
ACT4においてリスト要求コマンドの送信を制御したMFP10のプロセッサ131は、ACT5として管理サーバ20からの再生リスト231及び再生リスト231の先頭の音源ファイル232を待ち受ける。管理サーバ20から再生リスト231及び再生リスト231の先頭の音源ファイル232を受信した場合、プロセッサ131は、ACT5においてYESと判定し、ACT6へと進む。
【0033】
プロセッサ131は、ACT6として音源ファイル232をデータメモリ134にて記憶する。プロセッサ131は、ACT7としてタッチパネル141に異音検索画面200(図9を参照)を表示させる。
【0034】
図9は、異音検索画面200の一例を示す模式図である。図9に示すように、異音検索画面200には、音源ファイル名201、音源レコード2321に含まれるデータとともにシークバー202が表示される。シークバー202は、作業者がタップ又はドラッグするとその選択した地点のサンプル音が再生される。また、異音検索画面200には、進むボタン203の画像と、戻るボタン204の画像と、選択ボタン205の画像とが表示される。作業者が進むボタン203をタッチすると、1つ後に再生する予定の音源ファイル232に変更される。そしてその音源ファイル232のサンプル音が再生される。作業者が戻るボタン204をタッチすると、1つ前に再生した音源ファイル232に変更される。そしてその音源ファイル232のサンプル音が再生される。選択ボタン205は、その音源ファイル232のサンプル音が、ユーザが聞いた異音と同じ又は異音に近い場合にタッチされる。なお、図9に表示されているテキストデータの内容及び画像は一例である。
【0035】
図5の説明に戻る。
プロセッサ131は、ACT8として再生リスト231のポインタNを“1”に初期化する。プロセッサ131は、ACT9としてポインタNが“1”である音源ファイル232のサンプル音を再生する。
【0036】
プロセッサ131は、図6のACT10として進むボタン203がタッチされたか否かを確認する。進むボタン203がタッチされた場合、プロセッサ131は、ACT10においてYESと判定し、ACT11へと進む。プロセッサ131は、ACT11として再生リスト231のポインタNを“1”だけ加算する。
【0037】
プロセッサ131は、ACT12としてポインタNの加算値“N+1”に対応する音源ファイル232がデータメモリ134に記憶されているか否かを確認する。音源ファイル232が記憶されている場合、プロセッサ131は、ACT12においてYESと判定し、図5のACT9へ戻る。すなわちプロセッサ131は、ポインタNの加算値“N+1”に対応する音源ファイル232のサンプル音を再生する。
【0038】
音源ファイル232が記憶されていない場合、プロセッサ131は、ACT12においてNOと判定し、ACT13へと進む。プロセッサ131は、ACT13として管理サーバ20に対してポインタNの加算値“N+1”に対応する音源ファイル232を要求するように通信インターフェース138を制御する。この制御により、通信インターフェース138を介してファイル要求コマンドが送信される。ファイル要求コマンドにはポインタNの加算値“N+1”に対応する音源ファイル名が含まれる。
【0039】
管理サーバ20のプロセッサ21は、図7のACT33としてMFP10から通信インターフェース138を介してファイル要求コマンドを受信するのを待ち受けている。
【0040】
ファイル要求コマンドを受信した場合、プロセッサ21は、ACT33においてYESと判定し、ACT34へと進む。プロセッサ21は、ACT34としてMFP10に対してポインタNの加算値“N+1”に対応する音源ファイル232を送信するように通信インターフェース24を制御する。この制御により、通信インターフェース24を介してポインタNの加算値“N+1”に対応する音源ファイル232が送信される。そしてプロセッサ131は、ACT33へ戻る。
【0041】
図6の説明に戻る。
ACT13においてファイル要求コマンドの送信を制御したMFP10のプロセッサ131は、ACT14として管理サーバ20からのはポインタNの加算値“N+1”に対応する音源ファイル232を待ち受ける。管理サーバ20から音源ファイル232を受信した場合、プロセッサ131は、ACT14においてYESと判定し、ACT15へと進む。
【0042】
プロセッサ131は、ACT15としその音源ファイル232をデータメモリ134にて記憶する。そしてプロセッサ131は、図5のACT9へ戻る。すなわちプロセッサ131は、ACT15の処理で記憶した音源ファイル232のサンプル音を再生する。
【0043】
進むボタン203がタッチされない場合、プロセッサ131は、図6のACT10においてNOと判定し、ACT16へと進む。プロセッサ131は、ACT16として戻るボタン204がタッチされたか否かを確認する。
【0044】
戻るボタン204がタッチされた場合、プロセッサ131は、ACT16においてYESと判定し、ACT17へと進む。プロセッサ131は、ACT17としてポインタNが“1”であるか否かを確認する。ポインタNが“1”である場合は、1つ前の音源ファイル232が存在しない。したがって、プロセッサ131は、ACT17においてYESと判定し、ACT10へ戻る。
【0045】
ポインタNが“1”でない場合、プロセッサ131は、ACT17においてYESと判定し、ACT18へと進む。プロセッサ131は、ACT18として再生リスト231のポインタNを“1”だけ減算する。そしてプロセッサ131は、図5のACT9へ戻る。すなわちプロセッサ131は、ポインタNの減算値“N-1”に対応する音源ファイル232のサンプル音を再生する。
【0046】
戻るボタン204がタッチされない場合、プロセッサ131は、図6のACT16においてNOと判定し、ACT19へと進む。プロセッサ131は、ACT19として選択ボタン205がタッチされたか否かを確認する。選択ボタン205がタッチされない場合、プロセッサ131は、ACT19においてNOと判定し、ACT10へ戻る。
【0047】
選択ボタン205がタッチされた場合、プロセッサ131は、ACT19においてYESと判定し、図5のACT2へ戻る。プロセッサ131は、上述したACT2及びACT3の処理を実行する。
【0048】
ここで不具合報告画面100の異音ボタン103がタッチされない場合、プロセッサ131は、ACT3においてNOと判定し、ACT20へと進む。プロセッサ131は、ACT20として送信ボタン104がタッチされたか否かを確認する。
【0049】
送信ボタン104がタッチされた場合、プロセッサ131は、ACT20においてYESと判定し、ACT21へと進む。プロセッサ131は、ACT21として管理サーバ20に対して報告コマンドを送信するように通信インターフェース138を制御する。この制御により、通信インターフェース138を介して報告コマンドが送信される。報告コマンドには、選択ボタン205がタッチされた時の音源ファイル232の音源ファイル名と、不具合が発生したMFP10に係る情報とが含まれる。不具合が発生したMFP10に係る情報は、当該MFP10の名称、型番、不具合が発生した日時等が含まれる。以上で、プロセッサ131は、図5及び図6の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0050】
管理サーバ20のプロセッサ21は、図7のACT35としてMFP10から通信インターフェース138を介して報告コマンドを受信するのを待ち受けている。
【0051】
報告コマンドを受信した場合、プロセッサ21は、ACT35においてYESと判定し、ACT36へと進む。プロセッサ21は、ACT36として報告コマンドに含まれていた音源ファイル名と不具合が発生したMFP10に係る情報とを基に不具合レポートを作成する。不具合レポートには、当該音源ファイル232へのリンクが含まれる。以上で、プロセッサ21は、図7の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0052】
以上の説明から明らかなように、画像処理装置の一例であるMFP10は、図5のACT1乃至ACT6の処理を実行することにより、取得手段を構成する。すなわちMFP10は、互いに異なる音を示す複数の音データを取得する。
【0053】
MFP10のプロセッサ131は、図5のACT9の処理を実行することにより、再生手段を構成する。すなわちMFP10は、音データのなかから1つの音データを再生する。
【0054】
MFP10のプロセッサ131は、図6のACT10乃至ACT18の処理を実行することにより、変更手段を構成する。すなわちMFP10は、1つの音データから他の音データへ変更する。
【0055】
MFP10のプロセッサ131は、図6のACT19の処理を実行することにより、決定手段を構成する。すなわちMFP10は、音データのなかから1つの音データを決定する。
【0056】
このように本実施形態によれば、作業者がMFP10のタッチパネル141に表示される不具合ボタンをタッチすると、不具合モードとして不具合報告画面100が表示される。さらに、不具合報告画面100の異音ボタン103をタッチすると、異音検索画面200が表示され、音源ファイル232のサンプル音が再生される。進むボタン203をタッチすると、1つ後に再生する予定の音源ファイル232に変更され、そのサンプル音が再生される。戻るボタン204をタッチすると、1つ前に再生した音源ファイル232に変更され、そのサンプル音が再生される。音源ファイル232のサンプル音が、ユーザが聞いた異音と同じ又は異音に近い場合には選択ボタン205をタッチする。したがって、作業者は簡単な操作で不具合発生時の異音を特定することができる。
【0057】
MFP10のプロセッサ131は、図5のACT21の処理を実行することにより、出力手段を構成する。すなわちMFP10は、決定手段により決定された1つのデータと、不具合が発生した画像処理装置すなわちMFP10に係る情報とを出力する。したがって、作業者はMFP10の不具合レポートを作成する必要がなく、手間と時間を要さない。
【0058】
また、再生リスト231には音源ファイル232の優先順位がつけられ、優先順位が高い順に音源ファイル232のサンプル音が再生される。したがって、作業者は早い段階で異音と同じ又は近い音源ファイル232を効率よく特定することができる。
【0059】
以上、画像処理装置及び画像処理方法の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0060】
前記実施形態では、画像処理装置はMFP10である場合を例示した。画像処理装置はMFP10に限定されない。例えばコピー機、プリンタ等でもよい。
【0061】
前記実施形態では、再生順は作業者等により予め設定されているものと説明した。また例えばユーザが1つの音源ファイル232を長時間再生した場合、次に再生する音源ファイルはその長時間再生した音に近い音の音源ファイル232としてもよい。すなわち再生リスト231は、作業者の操作に基づいて動的に生成されてもよい。再生リスト231は、全MFP10で共通でもよいし、MFP10毎に異なるものでもよい。
【0062】
前記実施形態では、ユーザが聞いた異音と同じ又は異音に近い音源ファイル232が1つ選択される場合を例示した。例えば作業者は複数の音源ファイル232を選択してもよい。この場合、報告コマンドには、複数の音源ファイル232の音源ファイル名が含まれる。
【0063】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1…インターネット、10…MFP、11…スキャナ、12…プリンタ、13…制御システム、14…操作パネル、20…管理サーバ、21、131…プロセッサ、22…メインメモリ、23…補助記憶デバイス、24、138…通信インターフェース、25…システム伝送路、132…RAM、133…ROM、134…データメモリ、135…画像メモリ、136…画像処理ユニット、137…FAXインターフェース、141…タッチパネル、142…入力デバイス、231…再生リスト、232…音源ファイル。
図1
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