(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】癌細胞成長抑制効果を示す新規なヘテロ環置換ピリミジン誘導体及びそれを含む薬剤学的組成物
(51)【国際特許分類】
C07D 403/12 20060101AFI20250219BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20250219BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20250219BHJP
A61K 31/541 20060101ALI20250219BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20250219BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250219BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250219BHJP
C07D 487/10 20060101ALI20250219BHJP
C07D 491/10 20060101ALI20250219BHJP
【FI】
C07D403/12 CSP
A61K31/506
A61K31/5377
A61K31/541
A61P11/00
A61P35/00
A61P43/00 111
C07D487/10
C07D491/10
(21)【出願番号】P 2021562875
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(86)【国際出願番号】 KR2020013779
(87)【国際公開番号】W WO2021085888
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-08-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0137489
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520200126
【氏名又は名称】オンコビクス・カンパニー・リミテッド
【住所又は居所原語表記】B121,UTOWER,120,Heungdeokjungang-ro,Giheung-gu,Yongin-si,Gyeonggi-do 16950,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】スン-ウン・キム
(72)【発明者】
【氏名】スンホ・イ
(72)【発明者】
【氏名】レンガサミー・ラジェシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ヒュブ・イ
(72)【発明者】
【氏名】スン・タク・ホン
【審査官】安藤 倫世
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-502260(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03392245(EP,A1)
【文献】特表2016-525509(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108047204(CN,A)
【文献】国際公開第2019/190259(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0226065(US,A1)
【文献】特表2011-526299(JP,A)
【文献】国際公開第2018/155947(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0067699(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物またはこの塩:
【化1】
Xは酸
素で、
R1はC1ないしC4のアルキル
基で、
R2はHまたはC1ないしC4のアルキル基で、
R3は水素またはハロゲン基で、
R4は水素
またはハロゲン
基で、
R5は水
素で、
R6
はC1ないしC4のアルキル基で、
R7は
C1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたピラゾリル基、C1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたイミダゾリル基、またはC1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたトリアゾリル基で、
R8は
C1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたモルホリニル基、C1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたチオモルホリニル基、C1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたピペラジニル、C1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたC5ないしC10のジアゾスピロヘプタニル、C1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたC5ないしC10のオキソアザスピロヘプタニル、またはC1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたC5ないしC10のチオアザスピロヘプタニルであり、
上記
で、XはSと二重結合を形成してSはNと単一結合を形
成する。
【請求項2】
上記R7は下
記の中で選択され、
【化2】
上記R8は下
記の中で選択されることを特徴とする請求項1に記載の化学式1で表される化合物またはこの塩。
【化3】
【請求項3】
Xは酸素で、
R1はC1ないしC4のアルキル基で、
R2はHまたはC1ないしC4のアルキル基で、
R3は水素またはハロゲン基で、
R4は水素またはハロゲン基で、
R5は水
素で、
R6はC1ないしC4のアルキル基で、
R7は下
記の中で選択され、
【化4】
R8は下
記の中で選択されることを特徴とする請求項1に記載の化学式1で表される化合物またはこの塩。
【化5】
【請求項4】
上記化学式1で表される化合物は下記化合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の化学式1で表される化合物またはこの塩 :
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐モルフォリノフェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メチルメタンスルホンアミド(化学式1)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐モルフォリノフェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化学式2)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐チオモルフォリノフェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐
メチルメタンスルホンアミド(化学式3)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐
メチルメタンスルホンアミド(化学式4)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(2‐オキサ‐6‐アザスピロ[3.3]ヘプタン‐6‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メチルメタンスルホンアミド(化学式5)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(6‐メチル‐2,6‐ジアザスピロ[3.3]ヘプタン‐2‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メチルメタンスルホンアミド(化学式6)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐チオモルフォリノフェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化学式7)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化学式8)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(2‐オキサ‐6‐アザスピロ[3.3]ヘプタン‐6‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化学式9)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(6‐メチル‐2,6‐ジアザスピロ[3.3]ヘプタン‐2‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化学式10)。
【請求項5】
上記塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ベンゾ酸、ヒドロキシベンゾ酸、フェニル酢酸、けい皮酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びトルエンスルホン
酸からなる群から選択される1種以上の酸によって誘導された塩の形態であることを特徴とする請求項1に記載の化合物またはこの塩。
【請求項6】
有効成分として請求項1ないし請求項
5のいずれか一項に記載の化合物またはこの薬学的に許容可能な塩及び薬剤学的に許容可能な担体を含む肺癌治療用薬剤学的組成物。
【請求項7】
上記肺癌はALK変異及び上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor、EGFR)発現肺癌であることを特徴とする請求項
6に記載の肺癌治療用薬剤学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年10月31日付韓国特許出願第10‐2019‐0137489号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は本明細書の一部として含む。
【0002】
本発明は、癌細胞成長を効果的に抑制する新規ヘテロ環置換ピリミジン誘導体及びそれを含む薬剤学的組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
非小細胞肺癌(Non‐Small Cell Lung Cancer、NSCLC)は最近世界的に癌関連疾患の有病率と死亡率が非常に高い疾病である。非小細胞肺癌は主にチロシンキナーゼ(Tyrosine kinase)酵素の変異、過発現などによって発生するが、これらを治療するための抗癌剤は、この酵素の活性抑制を標的にして開発されている。韓国を含む東アジアで主に発生する非小細胞肺癌は、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異を持つ場合が多く、相対的に毒性が少なくて治療効果がよい薬物が開発されている。
【0004】
この他、上記非小細胞肺癌は、様々な腫瘍遺伝子の発現、再配列などによって発生し、ALK(anaplastic lymphoma kinase)、KRAS、ROS1などがこれに当たる(Lancet Oncol 2011;12(2):175‐80.)。
【0005】
非小細胞肺癌患者の一部でALK遺伝子異常(EML4‐ALK transfusionなど)が観察されるが、多様なチロシンキナーゼ阻害剤(Tyrosine kinase inhibitors、TKIs)などがこのような癌を治療するために臨床的に使われている。ALK‐陽性非小細胞肺癌は、ALK、EML4遺伝子の融合(ALK‐EML4 fusion)によって発生し、2つの遺伝子の融合によって普段潜在されていたALK遺伝子が細胞の成長速度を急速化させ、この信号を受けた細胞が速く癌細胞に転移される。上記突然変異を持つ患者に対する代表的な治療薬物としてクリゾチニブ(Crizotinib)は2011年米国FDAで多標的(Multi‐Targeted)坑癌治療剤として承認された。この薬物は、MET、ALK、ROS1などに活性抑制によって転移性、ALK陽性非小細胞肺癌などの治療に使われている。クリゾチニブの臨床研究結果を見ると、主に腺癌組職形態の肺癌患者が参加し、46%がアジアンだった。腫瘍反応率約65%、無進行生存基間7.7ヶ月(坑癌化学療法群3ヶ月)などとても優れる効能を示し、最もよく報告された異常反応は、視野異常、下痢、嘔吐、浮腫、吐き気などだった(J Thorac Oncol 2012;7(7):1086‐90.)。
【0006】
クリゾチニブを使えば必然的に耐性が生じるようになるが、主にALKキナーゼドメインでの2次変異発生(約30%)とALK融合変異遺伝子増幅及び迂回信号伝達過程の活性化などが報告されている。とても様々な変異が存在するが、この中でL1196M、G1269Aを含む2次変異と最も頻繁なゲートキーパー(Gate‐Keeper)残基に位置してクリゾチニブとALKの結合の邪魔を誘導するL1196Mなどがある(J Clin Oncol2013;31(8):1105‐11。)。
【0007】
上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor;EGFR)のキナーゼ領域で活性変異(activating mutation)(del119、L858R)は一部の非小細胞性肺癌患者から発癌遺伝子で発見されていて、これを治療するための低分子上皮成長因子受容体(EGFR)キナーゼ阻害剤としてゲフィチニブ(Gefitnib)、エルロチニブ(Erlotinib)などが治療剤として使われている(Science 2004、304:1497‐500;及びNew England Journal of Medicine 2004、350:2129‐39)。
【0008】
EGFR活性変異が確認された非小細胞性肺癌患者に上記ゲフィチニブ(Gefitnib)、エルロチニブ(Erlotinib)を治療剤で使えば、大概の患者から1年以内に薬物に対する耐性が発現される(Clinical Cancer Research2013;19:2240‐7)。このような耐性機序の中で上皮成長因子受容体のT790M変異の割合が最大60%程度で観察される。したがって、肺癌でT790M変異上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor;EGFR)を標的とする3世代EGFR阻害剤(3rd Generation EGFR inhibitor)が開発された。代表的な薬物としてオシメルチニブ(Osimertinib)、レイザチニブ(Lasertinib)などがあるが、T790M変異を標的にし、相対的に低い毒性を示していて、このような非小細胞肺癌の治療に臨床的に使われている(J Thorac Dis.2018 Jul;10(7):3909‐3921)。
【0009】
しかし、上記3世代EGFR阻害剤の薬物耐性が必然的に報告されていて、主な耐性機序として、C797S変異(mutation)、MET増幅(amplification)などが報告された(J Hematol Oncol.2016、Jul 22;9(1):59;及びNature Medicine 2015、21、560‐562;及びLung Cancer 2018、118、105‐110;及びASCO2017 abstract2572、9020)。C797S変異及びMET増幅は別途発見されることもあるが、同時に発見される場合もあると報告された。
【0010】
ALK変異或いはEGFR変異(または同時)によって誘発される非小細胞肺癌は、いずれもキナーゼ‐薬物の結合力を阻害する2次変異が主な耐性機序であって、このような変異は細胞内の下位信号伝達に影響を及ぼすと報告されている(Eur Med Chem.2017 Aug 18;136:497‐510。)。様々なALKとEGFR阻害剤の開発が持続的に進行されているにもかかわらず、2種のキナーゼを一緒に阻害する阻害剤の開発は非常に遅く進行されている状況である。したがって、上記主な薬物耐性機序であるALK変異またはEGFR変異癌細胞の成長を効果的に抑制する薬物の開発が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】PCT特許公開公報WO/2009/143389A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明者らは、ALK変異癌、EGFR変異癌を効果的に抑制する新規化合物を開発するために努力してきた。その結果、癌治療に効果がある新規なヘテロ環置換ピリミジン誘導体を見つけた。特に、上記新規なヘテロ環置換ピリミジン誘導体は、肺癌治療に優れる効果を発現することを確認した。
【0013】
よって、本発明は、癌治療に効果がある新規なヘテロ環置換ピリミジン誘導体を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、上記ヘテロ環置換ピリミジン誘導体を含む肺癌治療用薬剤学的組成物を提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、肺癌の中でもALK変異またはEGFR変異発現肺癌治療用薬剤学的組成物を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、肺癌の中でもALK変異及びEGFR変異発現肺癌治療用薬剤学的組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明は、
下記化学式1で表される化合物またはこの塩:
【0018】
【0019】
Xは酸素、C1ないしC4のアルキル基で置換または非置換されたアミン基またはC1ないしC4のアルキル基で、
R1はC1ないしC4のアルキル基、C3ないしC6のシクロアルキル基、CF3、またはジメチルアミン基で、
R2はHまたはC1ないしC4のアルキル基で、
R3は水素またはハロゲン基で、
R4は水素、ハロゲン基、CN、CF3、C1ないしC4のアルキル基またはアミノカルボニル基で、
R5は水素またはC1ないしC4のアルキル基で、
R6は水素またはC1ないしC4のアルキル基で、
R7はC1ないしC4のアルキル基で置換または非置換された、一つ以上の窒素原子と2ないし10個の炭素原子からなるヘテロ環化合物で、
R8はC1ないしC4のアルキル基で置換または非置換された、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子の中で選択される一つ以上のヘテロ原子と、2ないし10個の炭素原子からなる脂肪族ヘテロ環化合物;またはN1,N1,N2‐トリ(C1ないしC4アルキル)エチレンジアミン基であり、
上記でXが酸素である場合、XはSと二重結合を形成してSはNと単一結合を形成し、XがC1ないしC4のアルキル基で置換または非置換されたアミン基またはC1ないしC4のアルキル基である場合、XはSと単一結合を形成してSはNと二重結合を形成する。
【0020】
また、本発明は、
肺癌治療用で使われる上記化学式1で表される化合物またはこの塩を提供する。
【0021】
また、本発明は、
有効成分として上記化学式1で表される化合物またはこの薬学的に許容可能な塩及び薬剤学的に許容可能な担体を含む肺癌治療用薬剤学的組成物を提供する。
【0022】
また、本発明は、
上記化学式1で表される化合物を有効量で動物に投与することを含む肺癌を持つ動物の治療方法を提供する。
【0023】
また、本発明は、
上記化学式1で表される化合物の肺癌治療用途を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の新規なヘテロ環置換ピリミジン誘導体化合物は癌治療に優れる効果を提供する。
【0025】
また、上記ヘテロ環置換ピリミジン誘導体化合物を含む本発明の肺癌治療用薬剤学的組成物は肺癌の治療に優れる活性を提供し、特に、ALK変異癌細胞、EGFR変異癌細胞の成長を効果的に抑制する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明について具現例を挙げて詳細に説明する。ただし、これは例示として提示するものであって、これによって本発明が制限されず、本発明は後述する請求項の範疇によって定義されるだけである。また、本発明を実施するために必要な構成だとしても、通常の技術者が公知技術から容易に実施できる構成については具体的な説明を省略する。
【0027】
以下、別途説明がない限り、用語「本発明の化合物」または「化学式1の化合物」は、化合物自体及びこの塩をいずれも含む概念で使われる。
【0028】
本明細書において、用語「アルキル基」は明示された数の炭素原子を持つ直鎖及び分岐型炭化水素基を意味する。上記アルキル基は、例えば、メチル、エチル、n‐プロピル、i‐プロピル、n‐ブチル、s‐ブチル、i‐ブチル、t‐ブチルなどであってもよい。
【0029】
本明細書において、用語「アルキルスルホニル」はアルキル‐S(O2)‐を意味する。ここで、アルキルは上記定義されている。
【0030】
本発明は、下記化学式1で表される化合物またはこの塩に関する:
下記化学式1で表される化合物またはこの塩:
【0031】
【0032】
Xは酸素、C1ないしC4のアルキル基で置換または非置換されたアミン基またはC1ないしC4のアルキル基で、
R1はC1ないしC4のアルキル基、C3ないしC6のシクロアルキル基、CF3、またはジメチルアミン基で、
R2はHまたはC1ないしC4のアルキル基で、
R3は水素またはハロゲン基で、
R4は水素、ハロゲン基、CN、CF3、C1ないしC4のアルキル基またはアミノカルボニル基で、
R5は水素またはC1ないしC4のアルキル基で、
R6は水素またはC1ないしC4のアルキル基で、
R7はC1ないしC4のアルキル基で置換または非置換された、一つ以上の窒素原子と2ないし10個の炭素原子からなるヘテロ環化合物で、
R8はC1ないしC4のアルキル基で置換または非置換された、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子の中で選択される一つ以上のヘテロ原子と、2ないし10個の炭素原子からなる脂肪族ヘテロ環化合物;またはN1,N1,N2‐トリ(C1ないしC4アルキル)エチレンジアミン基であり、
上記でXが酸素である場合、XはSと二重結合を形成してSはNと単一結合を形成し、XがC1ないしC4のアルキル基で置換または非置換されたアミン基またはC1ないしC4のアルキル基である場合、XはSと単一結合を形成してSはNと二重結合を形成する。
【0033】
また、R7及びR8について、
上記R7はC1ないしC4のアルキル基で置換または非置換された、一つ以上の窒素原子と2ないし10個の炭素原子からなる芳香族ヘテロ環化合物で、
上記R8はC1ないしC4のアルキル基で置換または非置換された、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子の中で選択される2個以上のヘテロ原子と2ないし10個の炭素原子からなる脂肪族ヘテロ環化合物;またはN1,N1,N2‐トリ(C1ないしC4アルキル)エチレンジアミン基であってもよい。
【0034】
また、R7及びR8について、
上記R7はC1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたピラゾリル基、C1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたイミダゾリル基、またはC1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたトリアゾリル基で、
上記R8はC1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたモルホリニル基、C1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたチオモルホリニル基、C1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたピペラジニル、C1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたC5ないしC10のジアゾスピロ化合物、C1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたC5ないしC10のオキソアザスピロ化合物、C1ないしC4アルキル基で置換または非置換されたC5ないしC10のチオアザスピロ化合物、またはN1,N1,N2‐トリ(C1ないしC4アルキル)エチレンジアミン基であってもよい。
【0035】
上記R7は下記化合物の中で選択され、
【0036】
【0037】
上記R8は下記化合物の中で選択されることができる:
【0038】
【0039】
上記本発明の化学式1で表される化合物またはこの塩において、
Xは酸素で、
R1はC1ないしC4のアルキル基で、
R2はHまたはC1ないしC4のアルキル基で、
R3は水素またはハロゲン基で、
R4は水素またはハロゲン基で、
R5は水素またはC1ないしC4のアルキル基で、
R6はC1ないしC4のアルキル基で、
R7は下記化合物の中で選択され、
【0040】
【0041】
R8は下記化合物の中で選択されることができる。
【0042】
【0043】
具体的に、上記化学式1で表される化合物は下記化合物から選択されてもよい:
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐モルフォリノフェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メチルメタンスルホンアミド(化学式1)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐モルフォリノフェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化学式2)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐チオモルフォリノフェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メトキシメタンスルホンアミド(化学式3)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メトキシメタンスルホンアミド(化学式4)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(2‐オキサ‐6‐アザスピロ[3.3]ヘプタン‐6‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メチルメタンスルホンアミド(化学式5)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(6‐メチル‐2,6‐ジアザスピロ[3.3]ヘプタン‐2‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メチルメタンスルホンアミド(化学式6)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐チオモルフォリノフェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化学式7)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化学式8)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(2‐オキサ‐6‐アザスピロ[3.3]ヘプタン‐6‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化学式9)、
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(6‐メチル‐2,6‐ジアザスピロ[3.3]ヘプタン‐2‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化学式10)。
【0044】
本発明において、上記塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ベンゾ酸、ヒドロキシベンゾ酸、フェニル酢酸、けい皮酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びトルエンスルホン酸などからなる群から選択される1種以上の酸によって誘導された塩の形態であってもよい。
【0045】
また、本発明は、
有効成分として上記化学式1で表される化合物またはこの薬学的に許容可能な塩及び薬剤学的に許容可能な担体を含む肺癌治療用薬剤学的組成物に関する。
【0046】
上記肺癌は、ALK変異または上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor、EGFR)変異発現肺癌であってもよい。
【0047】
上記肺癌は非小細胞性肺癌であってもよい。
【0048】
本発明の薬剤学的組成物は、特に、肺癌治療に有用に使われることができるし、肺癌の中でもALK変異またはEGFR変異癌細胞を持つ肺癌治療に効果的に使われることができる。
【0049】
本発明の薬剤学的組成物は、ALK(L1196MまたはEML4‐ALK増幅突然変異)及びEGFR(C797S)に対して阻害活性を同時に持つ効果を有する。
【0050】
本発明において、上記化学式1で表される化合物は、無機酸または有機酸に誘導された塩の形態で使われることができるし、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ベンゾ酸、ヒドロキシベンゾ酸、フェニル酢酸、けい皮酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びトルエンスルホン酸などからなる群から選択される1種以上の酸によって誘導された塩の形態で使われることができる。
【0051】
また、本発明は、
肺癌治療用で使われる上記化学式1で表される化合物またはこの塩に関する。
【0052】
また、上記化学式1で表される化合物を有効量で動物に投与することを含む、肺癌を持つ動物の治療方法に関する。
【0053】
また、上記化学式1で表される化合物の肺癌、特に、非小細胞性肺癌治療用途に関する。
【0054】
上記動物は人であってもよく、上記肺癌はALK変異またはEGFR変異癌細胞を持つ肺癌であってもよい。
【0055】
上記ALK変異は、L1196M、EML4‐ALK融合突然変異であってもよく、EGFR変異はL858R、T790M、del19、C797Sの中で選択される一つ以上の突然変異であってもよい。
【0056】
本発明の薬剤学的組成物は通常の方法によって製剤化されるし、錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、シロップ、エマルジョン、マイクロエマルジョンなどの様々な経口投与形態で、または静脈内注入、皮下注入、筋肉注入、腹腔注入、経皮注入、組職に直接注入する方法のような非経口投与形態で製造されることができる。
【0057】
本発明の薬剤学的組成物が経口剤形の形態で製造される場合、薬剤学的に許容可能な担体(carrier)は有効成分の活性発現に邪魔にならない限り、この分野で公知された成分が制限されずに使われてもよい。
【0058】
上記担体では、例えば、賦形剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、乳化剤、懸濁剤、希釈剤などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0059】
本発明の薬剤学的組成物が注射剤の形態で製造される場合、薬剤学的に許容可能な担体(carrier)では、有効成分の活性発現に邪魔にならない限り、この分野で公知された成分が制限されずに使われてもよい。
【0060】
具体的に、例えば、水、食塩水、ブドウ糖水溶液、類似糖水溶液、アルコール、グリコール、エーテル(例:ポリエチレングリコール400)、オイル、脂肪酸、脂肪酸エステル、グリセリド、界面活性剤、懸濁剤、乳化剤などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0061】
本発明の薬剤学的組成物の投与量は、患者の年齢、性別、状態、体内での活性成分吸収度、不活性率及び併用される薬物を考慮して決めた方がよく、化学式1の化合物を基準にした時、1回当り0.0001mg/kg(体重)ないし100mg/kg(体重)で注入することができる。上記投与回数は一日1回から3回ぐらいが適当である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下、実施例を通じて本発明をより詳しく説明する。これらお実施例は本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の要旨によって本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されないということは当業界で通常の知識を有する者にとって自明である。
【0063】
<化学式1で表される化合物の合成方法>
本発明による下記化学式1で表される化合物は、例えば、下記反応式1で表す方法を参考にして容易に製造されることができる:
【0064】
【0065】
合成例1:N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐モルフォリノフェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メチルメタンスルホンアミドの合成
【0066】
Step A‐1:N‐メチル‐N‐(2‐ニトロフェニル)メタンスルホンアミドの合成
1‐フルオロ‐2‐ニトロベンゼン(1.0当量)をアセトニトリルに溶かして炭酸カリウム(2.0当量)とN‐メチルメタンスルホンアミド(1.4当量)を室温で添加する。そして、80℃で一晩中撹拌する。反応終決後、室温に温度を下げてろ過する。ろ液を減圧蒸発して化合物を得る。分離過程を経ずに次の反応に使用する。
【0067】
Step A‐2:N‐(2‐アミノフェニル)‐N‐メチルメタンスルホンアミドの合成
N‐メチル‐N‐(2‐ニトロフェニル)メタンスルホンアミド(1.0当量)をメタノール、エチルアセテート(1:1)に溶解して10%のパラジウム/チャコール(0.2当量)を添加する。水素下で2時間撹拌する。反応終決後、シーライトを使ってろ過する。ろ液を減圧蒸発させる。エチルエーテルとペンタンを使って固体化させる。ろ過して目標化合物を得る。分離過程を経ずに次の反応に使用する。
【0068】
Step A‐3:N‐(2‐((2,5‐ジクロロピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メチルメタンスルホンアミドの合成
N‐(2‐アミノフェニル)‐N‐メチルメタンスルホンアミド(1.0当量)をイソプロピルアルコールに溶解して2,4,5‐トリクロロピリミジン(1.1当量)とN,N‐ジイソプロピルエチルアミン(2.5当量)を室温で添加する。80℃で一晩中撹拌する。反応終決後、減圧蒸発して水とジクロロメタンを使って抽出する。有機層を2Nの塩酸を使って洗う。有機層を減圧蒸発させて目標化合物を得る。分離過程を経ずに次の反応に使用する。
【0069】
Step B‐1:4‐ブロモ‐5‐フルオロ‐2‐ニトロフェノールの合成
4‐ブロモ‐3‐フルオロフェノールをジクロロメタンに溶解する。0℃で濃い硫酸と硝酸を添加する。同じ温度で2時間撹拌する。反応終決後、水に飽和された重炭酸ナトリウムを使って中和する。そして、ジクロロメタンで抽出する。有機層を集めて減圧蒸発して目標化合物を得る。別途分離過程を経ずに次の反応に使用する。
【0070】
Step B‐2:1‐ブロモ‐2‐フルオロ‐4‐メトキシ‐5‐ニトロベンゼンの合成
4‐ブロモ‐5‐フルオロ‐2‐ニトロフェノール(1.0当量)をN,N‐ジメチルホルムアミドに溶解して炭酸カリウム(2.0当量)とメチルヨージド(1.5当量)を室温で添加する。45℃で2時間撹拌する。反応終決後、水とエチルアセテートで抽出して有機層を集める。有機層を減圧蒸発してカラムクロマトグラフィーを使って目標化合物を得る(ヘキサン:エチルアセテート=10:1)。
【0071】
Step B‐3:4‐(2‐フルオロ‐4‐メトキシ‐5‐ニトロフェニル)‐1‐メチル‐1H‐ピラゾールの合成
1‐ブロモ‐2‐フルオロ‐4‐メトキシ‐5‐ニトロベンゼン(1.0当量)を1,4‐ジオキサンと水に溶解して1‐メチルピラゾール‐4‐ボロン酸ピナコールエステル(1.2当量)、炭酸ナトリウム(2.0当量)、パラジウム触媒(0.1当量)を室温で添加する。還流して一晩中撹拌する。反応終決後、水とエチルアセテートで抽出して有機層を集める。有機層を減圧蒸発してカラムクロマトグラフィーを使って目標化合物を得る(ヘキサン:エチルアセテート=5:1から3:1)。
【0072】
Step B‐4:4‐(5‐メトキシ‐2‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐ニトロフェニル)モルホリンの合成
4‐(2‐フルオロ‐4‐メトキシ‐5‐ニトロフェニル)‐1‐メチル‐1H‐ピラゾール(1.0当量)をN,N‐ジメチルホルムアミドに溶解して炭酸カリウム(1.2当量)とモルホリン(1.2当量)を室温で添加する。130℃で一晩中撹拌する。反応終決後、水とエチルアセテートで抽出して有機層を集める。有機層を減圧蒸発してカラムクロマトグラフィーを使って目標化合物を得る(ヘキサン:エチルアセテート=1:1から1:2)。
【0073】
Step B‐5:2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐モルフォリノアニリンの合成
4‐(5‐メトキシ‐2‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐ニトロフェニル)モルホリン(1.0当量)をメチルアルコール、エチルアセテート(1:1)に溶解して10%のパラジウム/チャコール(0.2当量)を添加する。水素下で2時間撹拌する。反応終決後、シーライトを使ってろ過する。ろ液を減圧蒸発させる。ヘキサンを使って固体化して作られた固体を分離過程を経ずに次の反応に使用する。
【0074】
Step C‐1:最終化合物の合成
ピリミジン誘導体(1.0当量)をイソプロピルアルコールに溶解してアニリン誘導体(1.0当量)とメタンスルホニル酸(1.3当量)を室温で添加する。80℃で一晩中撹拌する。反応終決後、減圧蒸発させて溶媒を取り除いて、水と10%のメタノール/ジクロロメタン混合液を使って抽出する。有機層を減圧蒸発させてカラムクロマトグラフィーを使って目標化合物を得る(10%のメチルアルコール/ジクロロメタン)。
【0075】
実施例1:N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐モルフォリノフェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メチルメタンスルホンアミド(化合物1)
【0076】
【0077】
最終化合物は上記方法で製造した。
【0078】
Yield:69.5%、White solid、
1H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ 8.25(d,J=2.4 Hz,2H)、8.16(d,J=8.6 Hz,1H)、8.10(s,1H)、8.00(s,1H)、7.79(d,J=0.8 Hz,1H)、7.56(s,1H)、7.52(dd,J=8.0、1.5 Hz,1H)、7.02(t,J=7.6 Hz,1H)、6.83(bs,1H)、6.76(s,1H)、3.80(s,3H)、3.76(s,3H)、3.70(m,4H)、3.14(s,3H)、3.05(s,3H)、2.80(m,4H)。MS:ESI m/z 599.04[M+H]+
【0079】
実施例2:N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐モルフォリノフェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物2))
【0080】
【0081】
Step A‐1でメタンスルホンアミドを使って合成した。
【0082】
Yield:62.6%、White solid、
1H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ 9.26(s,1H)、8.42(s,1H)、8.08(d,J=1.8 Hz,2H)、7.98 ‐7.87(m,2H)、7.77(d,J=0.8 Hz,1H)、7.56(s,1H)、7.26(dd,J=8.0、1.5 Hz,1H)、6.99(t,J=7.6 Hz,1H)、6.80(s,1H)、6.73(s,1H)、3.80(s,3H)、3.75(s,3H)、3.68(m,4H)、2.92(s,3H)、2.83 ‐2.72(m,4H)。MS:ESI m/z 585.05[M+H]+
【0083】
実施例3:N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐チオモルフォリノフェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メトキシメタンスルホンアミド(化合物3)
【0084】
【0085】
Step B‐4でチオモルホリンを使って合成した。
【0086】
Yield:58.9%、White solid、
1H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ 8.26(d,J=2.4 Hz,2H)、8.14(d,J=8.6 Hz,1H)、8.09(s,1H)、8.01(s,1H)、7.79(d,J=0.8 Hz,1H)、7.56(s,1H)、7.52(dd,J=8.0、1.5 Hz,1H)、7.02(t,J=7.6 Hz,1H)、6.83(bs,1H)、6.76(s,1H)、3.94(s,3H)、3.86(s,3H)、3.72(m,4H)、3.33(d,J=12.0Hz、5H)、2.95(m,4H)。MS:ESI m/z 615.04[M+H]+
【0087】
実施例4:N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メトキシメタンスルホンアミド(化合物4)
【0088】
【0089】
Step B‐4でN‐メチルピペラジンを使って合成した。
【0090】
Yield:61.5%、Off‐white solid、
1H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ 8.24(d,J=2.4 Hz,2H)、8.13(d,J=8.6 Hz,1H)、8.11(s,1H)、7.98(s,1H)、7.77(d,J=0.8 Hz,1H)、7.53(s,1H)、7.51(dd,J=8.0、1.5 Hz,1H)、7.02(t,J=7.6 Hz,1H)、6.83(bs,1H)、6.76(s,1H)、3.94(s,3H)、3.87(s,3H)、3.42‐3.25(m,11H)、3.19 ‐3.07(m,2H)、2.96(m,2H)、2.26(s,3H)。MS:ESI m/z 612.02[M+H]+
【0091】
実施例5:N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(2‐オキサ‐6‐アザスピロ[3.3]ヘプタン‐6‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メチルメタンスルホンアミド(化合物5)
【0092】
【0093】
Step B‐4で2‐オキサ‐6‐アザスピロ[3.3]ヘプタンを使って合成した。
【0094】
Yield:45.3%、White solid、
1H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ 8.28(d,J=2.4 Hz,2H)、8.14(d,J=8.6 Hz,1H)、8.12(s,1H)、8.02(s,1H)、7.81(bs,1H)、7.57(s,1H)、7.54(m,1H)、7.02(t,J=7.6 Hz,1H)、6.83(bs,1H)、6.76(s,1H)、4.61(s,4H)、3.94(s,3H)、3.87(s,3H)、3.59(s,4H)、3.32(s,3H)、3.31(s,3H)。MS:ESI m/z 611.09[M+H]+
【0095】
実施例6:N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(6‐メチル‐2,6‐ジアザスピロ[3.3]ヘプタン‐2‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐メチルメタンスルホンアミド(化合物6)
【0096】
【0097】
Step B‐4で2‐メチル‐2,6‐ジアザスピロ[3.3]ヘプタンを使って合成した。
【0098】
Yield:40.1%、Off‐white solid、
1H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ 8.28(d,J=2.4 Hz,2H)、8.17(d,J=8.6 Hz,1H)、8.13(s,1H)、8.02(s,1H)、7.81(d,J=0.8 Hz,1H)、7.55(s,1H)、7.52(dd,J=8.0、1.5 Hz,1H)、7.02(t,J=7.6 Hz,1H)、6.83(bs,1H)、6.76(s,1H)、3.94(s,3H)、3.87(s,3H)、3.59(s,4H)、3.35(s,3H)、3.33(s,3H)、3.22(s,4H)、2.12(s,3H)。MS:ESI m/z 624.08[M+H]+
【0099】
実施例7:N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐チオモルフォリノフェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物7))
【0100】
【0101】
Step B‐4でN‐メタンスルホンアミドをStep B‐4でチオモルホリンを使って合成した。
【0102】
Yield:53.6%、Off‐white solid、1H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ 9.25(s,1H)、8.40(s,1H)、8.06(d,J=1.8 Hz,2H)、7.96 ‐7.85(m,2H)、7.73(d,J=0.8 Hz,1H)、7.55(s,1H)、7.22(dd,J=8.0、1.5 Hz,1H)、6.96(t,J=7.6 Hz,1H)、6.78(s,1H)、6.71(s,1H)、3.94(s,3H)、3.87(s,3H)、3.72(m,4H)、3.10(m,4H)、2.90(s,3H)。MS:ESI m/z 601.02[M+H]+
【0103】
実施例8:N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物8)
【0104】
【0105】
Step B‐4でN‐メタンスルホンアミドをStep B‐4でN‐メチルピペラジンを使って合成した。
【0106】
Yield:63.4%、White solid、
【0107】
1H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ 9.29(s,1H)、8.49(s,1H)、8.02‐7.87(m,4H)、7.77(d,J=0.8 Hz,1H)、7.56(s,1H)、7.26(dd,J=8.0、1.5 Hz,1H)、7.00(t,J=7.6 Hz,1H)、6.83(s,1H)、6.73(s,1H)、3.94(s,3H)、3.87(s,3H)、3.42‐3.25(m,5H)、3.19 ‐3.07(m,2H)、2.96(m,2H)、2.90(s,3H)、2.16(s,3H)。MS:ESI m/z 598.01[M+H]+
【0108】
実施例9:N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(2‐オキサ‐6‐アザスピロ[3.3]ヘプタン‐6‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物9)
【0109】
【0110】
Step B‐4でN‐メタンスルホンアミドをStep B‐4で2‐オキサ‐6‐アザスピロ[3.3]ヘプタンを使って合成した。
【0111】
Yield:40.1%、White solid、
1H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ 9.25(s,1H)、8.40(s,1H)、8.07(d,J=1.8 Hz,2H)、7.97 ‐7.89(m,2H)、7.75(d,J=0.8 Hz,1H)、7.54(s,1H)、7.23(dd,J=8.0、1.5 Hz,1H)、6.98(t,J=7.6 Hz,1H)、6.81(s,1H)、6.71(s,1H)、4.61(s,4H)、3.94(s,3H)、3.87(s,3H)、3.59(s,4H)、2.90(s,3H)。MS:ESI m/z 597.03[M+H]+
【0112】
実施例10:N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐5‐(1‐メチル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐4‐(6‐メチル‐2,6‐ジアザスピロ[3.3]ヘプタン‐2‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物10)
【0113】
【0114】
Step B‐4でN‐メタンスルホンアミドをStep B‐4で2‐メチル‐2,6‐ジアザスピロ[3.3]ヘプタンを使って合成した。
【0115】
Yield:37.2%、Off‐white solid、
1H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ 9.46(s,1H)、8.82(s,1H)、8.28(m,2H)、7.94 ‐7.82(m,2H)、7.70(d,J=0.8 Hz,1H)、7.53(s,1H)、7.22(dd,J=8.0、1.5 Hz,1H)、6.94(t,J=7.6 Hz,1H)、6.81(s,1H)、6.70(s,1H)、3.94(s,3H)、3.87(s,3H)、3.59(s,4H)、3.22(s,4H)、2.92(s,3H)、2.15(s,3H)。MS:ESI m/z 610.08[M+H]+
【0116】
実験例1:キナーゼ阻害活性測定
上記実施例1の化合物に対してALK変異、EGFR変異が含まれたキナーゼ阻害活性を測定し、その結果を下記表1に一緒に示す。キナーゼ阻害活性測定は次のような方法で実施した。各化合物がキナーゼ阻害活性を抑制した濃度でIC50値を算出し、その結果を下記表1にA、B、C及びDで示す。ここで、AはIC50≦50nM、BはIC50 50~100nM、CはIC50>100nMを意味する。対照薬物では、クリゾチニブ(Crizotinib)、アレクチニブ(Alectinib)、オシメルチニブ(Osimertinib)をそれぞれ使用した。
【0117】
1.各キナーゼを8mM MOPS、pH7.0、0.2mM EDTA、250μM KKKGQEEEYVFIE、1mM sodium orthovanadate、5mM sodium‐6‐glycerophosphate、10mM Magnesium acetate、[η‐33P]‐ATP下で培養した。
【0118】
2.評価化合物(DMSO溶液)及びMg/ATPを添加して反応させた。
【0119】
3.室温で約40分後リン酸(Phosphoric acid)0.5% 10uLを添加して反応を終決させた。
【0120】
4.0.5%10uLで反応液を分けてP30 filtermatにspottingした。
【0121】
5.約4分間0.425%のリン酸(phosphoric acid)で4回洗浄した。メタノール(Methanol)で1回洗浄した後、乾燥してシンチレーション計数法(scintillation counting)で分析してIC50値を測定した。
【0122】
【0123】
上記表1の実験結果に示すように、本発明の実施例によって製造された化合物はALK、EGFRキナーゼ阻害活性がクリゾチニブ、アレクチニブ及びオシメルチニブに比べてとても優れることが確認された。
【0124】
すなわち、従来のALK及びEGFRそれぞれを単独で標的化するクリゾチニブ、アレクチニブ、オシメルチニブとは違って、本発明の化合物はALK及びEGFRを同時に標的化することができる標的治療剤であるだけでなく、オシメルチニブに抵抗性を示すC797S EGFR突然変異タンパク質も阻害することができるので、とても優れる効果を有することが確認された。
【0125】
実験例2:癌細胞成長抑制効果測定
上記実施例で得られた化合物に対してALK変異癌細胞、EGFR変異Ba/F3癌細胞株の成長抑制効果を測定した。H3122(EML4‐ALK v1)、H2228(EML4‐ALK v3)などALK変異sell lineとEGFR変異Ba/F3 stable cell lineを利用した坑癌効能(efficacy)活性測定は、次のような方法によって実施された。
【0126】
Gene construction:wild type及びmutant EGFRはAddgeneで購入した(wild type、#11011;L858R、#11012;L858R+T790M、#32073;del19、#32062;del19+T790M、#32072)。全てのコンストラクション(construction)はレトロウイルスベクター(retroviral vector)であって、最終的に感染(infection)のためにウイルス粒子(viral particle)を完成した。
【0127】
Ba/F3 stable cell line構築:Murine lymphoid cellはIL‐3 dependent growthをする。このような細胞株にそれぞれのmutant EGFR constructionを感染(infection)すれば、mutant EGFRの発現によって癌遺伝子依存性(oncogenic addiction)になるため、IL‐3なくても細胞が生きていくようになる。このような原理を利用してピューロマイシンセレクション(puromycin selection)なくても安定細胞株(stable cell line)を構築した。簡単に説明すれば、Ba/F3にそれぞれのconstructionをinfectionさせ、48時間後にメディアエクスチェンジ(media exchange)しながらIL‐3を取り除いて細胞を培養した。ただし、wild type EGFRの場合はピューロマイシンセレクション(puromycin selection)施行した。
【0128】
<Ba/F3 stable cell line確認>
全ての安定細胞株(stable cell lines)はウエスタン・ブロッティング(western blotting)を施行して各constructionの発現及びEGFR活性を確認した(EGFR wild typeとL858Rは漏れている)。
【0129】
<Cellular kinase activity変化確認(Western blotting)>
それぞれの安定細胞株(stable cell line)にdrugsを濃度依存的に処理して5時間後セルを収得した。EBC lysis buffer(50mM Tris‐HCl[pH8.0]、120mM NaCl、1% Triton X‐100、1mM EDTA、1mM EGTA、0.3mM フッ化フェニルメチルスルホニル(phenylmethylsulfonylfluoride)、0.2mM sodium orthovanadate、0.5% NP‐40、及び5U/mL aprotinin)を利用して細胞溶解液(cell lysates)を作った。EGFR‐related signaling moleculesの抗体[p‐EGFR(Tyr1173)、EGFR、Akt、p‐Erk、Erk、actin、from SantaCruz;p‐Akt、from Cell signaling]を利用して活性度(activity)を測定した。
【0130】
<MTT assayを通じる坑癌効果検証>
2×105 cellsを96‐ウェルプレートにseedingした。24時間後、それぞれの薬物を投与量依存的に処理した後、72時間インキュベーション(incubation)して15uL MTT試薬を4時間反応させた後、100uL 10%のSDSを添加し、24時間インキュベーション(incubation)した。最終ODの変化は595nmでreadingした。MTT結果分析は、プリズムソフトウェア(prism software)を通じてIC50値を測定した。
【0131】
各化合物が細胞成長を50%抑制した濃度でIC50値を算出し、その結果を下記表2に示す。対照薬物では、クリゾチニブ(Crizotinib)、アレクチニブ(Alectinib)、オシメルチニブ(Osimertinib)をそれぞれ使用した。その結果を下記表2にA、B、C及びDで示す。ここで、AはIC50≦100nM、BはIC50 100~500nM、CはIC50> 500nMを意味する。
【0132】
【0133】
上記表2の実験結果に示すように、本発明の実施例によって製造された化合物は、変異発現癌細胞株に対してクリゾチニブ、アレクチニブ及びオシメルチニブに比べて著しく抑制活性を示すことが確認された。
【0134】
実験例1のin vitro kinase assay結果と同様、本発明の化合物はALK及びEGFRを同時に標的化することができる標的治療剤であるだけでなく、オシメルチニブに抵抗性を示すC797S EGFR突然変異タンパク質を発現する癌細胞の死滅を誘導することができるので、とても優れる効果を有することが確認された。