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特許7637081融資管理装置、融資管理プログラム、および融資管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】融資管理装置、融資管理プログラム、および融資管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/03 20230101AFI20250219BHJP
【FI】
G06Q40/03
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022008192
(22)【出願日】2022-01-21
(65)【公開番号】P2023107086
(43)【公開日】2023-08-02
【審査請求日】2024-03-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸田 雅仁
(72)【発明者】
【氏名】國島 正稔
(72)【発明者】
【氏名】大谷 琢哉
(72)【発明者】
【氏名】清水 健一
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-99591(JP,A)
【文献】特開2002-41780(JP,A)
【文献】特開2004-240623(JP,A)
【文献】特開2002-352076(JP,A)
【文献】特開2020-166320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える融資管理装置であって、
顧客名、貸付金額、貸付残高等を含む住宅ローン債権情報を記憶する口座取引データ、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記口座取引データの合計貸付残高が一定額に達した後、前記口座取引データから抽出した住宅ローン債権情報に基づき、証券化を行う信託銀行又は住宅金融支援機構から指定されたファンドNoを付した証券化対象データを出力する証券化対象データ出力手段と、
前記証券化対象データが確定後、連続して前記証券化対象データに含まれる住宅ローン債権の回収状況報告データをファンドNo毎に出力する回収状況報告生成手段と、
前記証券化対象データおよび前記回収状況報告データの出力後、証券化が新たに確定した前記証券化対象データ、ならびに証券化済のファンドおよび新たに証券化するファンドのファンド別の前記回収状況報告データを同時に信託銀行にメール送信する証券化データ送信手段と、
を備えることを特徴とする融資管理装置。
【請求項2】
前記証券化対象データは、債務者データ、債権契約データ、債権実績データを含む請求項1に記載の融資管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記証券化データ送信手段による信託銀行へのメール送信後、前記証券化対象データの債務情報ファイル、回収情報ファイル、MBS償還情報ファイルを含む機構報告データを出力し、住宅金融支援機構にメール送信する機構報告データ出力手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の融資管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記証券化対象データに含まれる住宅ローン債権毎に登記情報を出力する登記情報出力手段を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の融資管理装置。
【請求項5】
制御部を備える融資管理装置で実行される融資管理プログラムであって、
前記融資管理装置は、
顧客名、貸付金額、貸付残高等を含む住宅ローン債権情報を記憶する口座取引データ、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記口座取引データの合計貸付残高が一定額に達した後、前記口座取引データから抽出した住宅ローン債権情報に基づき、証券化を行う信託銀行又は住宅金融支援機構から指定されたファンドNoを付した証券化対象データを出力する証券化対象データ出力ステップと、
前記証券化対象データ出力ステップにおいて証券化対象データが確定された後、連続して前記証券化対象データに含まれる住宅ローン債権の回収状況報告データをファンドNo毎に出力する回収状況報告生成ステップと、
前記証券化対象データ出力ステップおよび前記回収状況報告生成ステップ後、証券化が新たに確定した前記証券化対象データ、ならびに証券化済のファンドおよび新たに証券化するファンドのファンド別の前記回収状況報告データを同時に信託銀行にメール送信する証券化データ送信ステップと、
をコンピュータで実行することを特徴とする融資管理プログラム。
【請求項6】
制御部を備える融資管理装置で実行される融資管理方法であって、
前記融資管理装置は、
顧客名、貸付金額、貸付残高等を含む住宅ローン債権情報を記憶する口座取引データ、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記口座取引データの合計貸付残高が一定額に達した後、前記口座取引データから抽出した住宅ローン債権情報に基づき、証券化を行う信託銀行又は住宅金融支援機構から指定されたファンドNoを付した証券化対象データを出力する証券化対象データ出力ステップと、
前記証券化対象データ出力ステップにおいて証券化対象データが確定された後、連続して前記証券化対象データに含まれる住宅ローン債権の回収状況報告データをファンドNo毎に出力する回収状況報告生成ステップと、
前記証券化対象データ出力ステップおよび前記回収状況報告生成ステップ後、証券化が新たに確定した前記証券化対象データ、ならびに証券化済のファンドおよび新たに証券化するファンドのファンド別の前記回収状況報告データを同時に信託銀行にメール送信する証券化データ送信ステップと、
を含むこと、
を特徴とする融資管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、融資管理装置、融資管理プログラム、および融資管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅金融支援機構が取り扱う最長35年の全期間固定型の住宅ローンであるフラット35の保証型商品は、各金融機関がプロパーローンと同様に自ら商品性の決定と販売を行うことができる商品である。保証型商品は、住宅金融支援機構が住宅ローン債権を買い取る買取型と異なり、貸出金を自ら調達する必要があるため、資金に余裕がない場合は住宅ローンの証券化が必要となる。また、フラット35保証型は、住宅ローン商品について住宅金融支援機構の認可を得る必要があるとともに、回収状況を報告する必要がある。
【0003】
住宅ローンに関する契約システムとして、不動産業者において住宅ローンの申し込み、および審査をネット上で行うとともに、ローン契約を作成し、ローン証券化に関する債権譲渡情報を生成して金融機関に報告する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-223559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のシステムでは、住宅ローンの証券化のための情報を作成し、金融機関に送信することで、住宅ローンの証券化を可能とするが、証券化を行う信託銀行への証券化情報および回収状況の報告や、フラット35保証型で必要となる住宅金融支援機構への報告は別途行う必要がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、住宅ローン契約後、証券化対象データを出力し、信託銀行に送信する際、回収状況の報告も同時に行い得る融資管理装置、融資管理プログラム、および融資管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る融資管理装置は、制御部を備える融資管理装置であって、顧客名、貸付金額、貸付残高等を含む住宅ローン債権を記憶する口座取引データ、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記口座取引データの合計貸付残高が一定額に達した後、前記口座取引データから抽出した住宅ローン債権情報に基づきファンドNoを付した証券化対象データを出力する証券化対象データ出力手段と、前記証券化対象データに含まれる住宅ローン債権の回収状況報告データをファンドNo毎に出力する回収状況報告生成手段と、前記証券化対象データおよび前記回収状況報告データを信託銀行に送信する証券化データ送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る融資管理装置は、前記証券化対象データは、債務者データ、債権契約データ、債権実績データ、LBLデータを含む。
【0009】
また、本発明に係る融資管理装置は、前記制御部は、前記証券化対象データの債務情報ファイル、回収情報ファイル、MBS償還情報ファイルを含む機構報告データを出力し、住宅金融支援機構に送信する機構報告データ出力手段を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る融資管理装置は、前記制御部は、前記証券化対象データに含まれる住宅ローン債権毎に登記情報を出力する登記情報出力手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る融資管理プログラムは、制御部を備える融資管理装置で実行される融資管理プログラムであって、前記融資管理装置は、顧客名、貸付金額、貸付残高等を含む住宅ローン債権情報を記憶する口座取引データ、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記口座取引データの合計貸付残高が一定額に達した後、前記口座取引データから抽出した住宅ローン債権情報に基づきファンドNoを付した証券化対象データを出力する証券化対象データ出力ステップと、前記証券化対象データに含まれる住宅ローン債権情報の回収状況報告データをファンドNo毎に出力する回収状況報告生成ステップと、前記証券化対象データおよび前記回収状況報告データを信託銀行に送信する証券化データ送信ステップと、をコンピュータで実行することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る融資管理方法は、制御部を備える融資管理装置で実行される融資管理方法であって、前記融資管理装置は、顧客名、貸付金額、貸付残高等を含む住宅ローン債権情報を記憶する口座取引データ、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記口座取引データの合計貸付残高が一定額に達した後、前記口座取引データから抽出した住宅ローン債権情報に基づきファンドNoを付した証券化対象データを出力する証券化対象データ出力ステップと、前記証券化対象データに含まれる住宅ローン債権情報の回収状況報告データをファンドNo毎に出力する回収状況報告生成ステップと、前記証券化対象データおよび前記回収状況報告データを信託銀行に送信する証券化データ送信ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、住宅ローン契約後、証券化対象データを出力し、信託銀行に送信する際、回収状況の報告も同時に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施の形態に係る融資管理装置100の構成の一例を示す図である。
図2図2は、口座取引データ106aの一例を示す図である。
図3図3は、証券化対象データ生成画面MAの一例を示す図である。
図4図4は、証券化除外画面MBの一例を示す図である。
図5図5は、証券化対象データ生成画面MAの一例を示す図である。
図6図6は、証券化対象データ106bの一例を示す図である。
図7図7は、回収状況報告生成画面MCの一例を示す図である。
図8図8は、回収状況報告データの一例を示す図である。
図9図9は、信託銀行への連携フローを説明する図である。
図10図10は、保証型報告生成画面MEの一例を示す図である。
図11図11は、住宅金融支援機構への報告フローを説明する図である。
図12図12は、登記情報データ出力画面MDの一例を示す図である。
図13図13は、登記情報データの一例を示す図である。
図14図14は、司法書士への連携フローを説明する図である。
図15図15は、口座取引データ106aの一例を示す図である。
図16図16は、証券化対象データ106bの一例を示す図である。
図17図17は、口座取引データ106aの一例を示す図である。
図18図18は、口座取引データ106aの一例を示す図である。
図19図19は、証券化対象データ106bの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る融資管理装置、融資管理プログラム、および融資管理方法の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0016】
[1.構成]
本実施形態に係る融資管理装置の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る融資管理装置100の構成の一例を示す図である。
【0017】
融資管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、融資管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0018】
融資管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。融資管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0019】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、融資管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、融資管理装置100とサーバ装置200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ装置200に格納されてもよい。
【0020】
入出力インターフェース部108には、入力装置400および出力装置500が接続されている。出力装置500には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置400には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置500をモニタ500とし、入力装置400をキーボード400またはマウス400として記載する場合がある。
【0021】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0022】
記憶部106は、例えば、口座取引データ106aと、証券化対象データ106bと、回収状況報告データ106cと、機構報告データ106dと、登記情報データ106e等が格納されている。
【0023】
口座取引データ106aには、債権番号、顧客名、貸付日、貸付金額、貸付利率、貸付残高等を含む住宅ローン債権情報が格納されている。口座取引データ106aには、例えば、図2に示すように、債権番号、顧客名、貸付日、貸付金額、貸付利率、貸付残高に加え、入金日および入金額も格納され、入金ごとに貸付残高が更新される。
【0024】
証券化対象データ106bは、口座取引データ106aの中で証券化対象とする住宅ローン債権に関するデータである。証券化対象データ106bは、口座取引データ106aの合計貸付金額が一定金額に達したのち出力される。証券化対象データ106bは、例えば、図6に示すように、証券化の対象となった年月、ファンドNo.、債権番号、貸付日、流動化金額、貸付利率、貸付残高等からなる。住宅ローン債権は、ファンドNo.により紐づけされる。また、証券化対象データ106bは、債務者データ、債権契約データ、債権実績データ、LBLデータなどの個別データを含む。
【0025】
回収状況報告データ106cは、証券化対象データ106bに含まれる住宅ローン債権の回収状況に関する報告書を格納する。回収状況報告データ106cは、ファンドNo.毎に毎月出力され、月次のデータがファンドNo.ごとに格納されている。回収状況報告データ106cは、例えば、図8に示すように、出力基準年月、ファンドNo.、回収金額引渡額、回収金の明細等からなる。
【0026】
機構報告データ106dは、住宅金融支援機構向けの報告データであり、債権データ、回収データ、MBS償還データからなる。
【0027】
登記情報データ106eは、住宅ローン債権の証券化に伴う登記変更のためのデータであり、住宅ローン債権毎に登記情報が格納される。登記情報データ106eは、例えば、図13に示すように、債務者氏名、住所、住宅ローンの契約日、住宅ローンの始期および終期、貸付残高、機構顧客番号等からなる。
【0028】
制御部102は、融資管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0029】
制御部102は、機能概念的に、証券化対象データ出力部102a、回収状況報告生成部102b、証券化データ送信部102c、機構報告データ出力部102d、登記情報出力部102eなどを備える。
【0030】
証券化対象データ出力部102aは、口座取引データ106aから抽出した住宅ローン債権情報に基づきファンドNo.を付した証券化対象データ106bを出力する。証券化対象データ出力部102aは、口座取引データ106aの合計貸付残高が一定額に達した後、証券化対象データ106bの出力を行う。
【0031】
回収状況報告生成部102bは、証券化対象データ106bに含まれる住宅ローン債権の回収状況報告データ106cをファンドNo.毎に出力する。
【0032】
証券化データ送信部102cは、証券化対象データ106bおよび回収状況報告データ106cを住宅ローン債権の証券化を行う信託銀行に送信する。信託銀行は、受領した証券化対象データ106bに基づき証券化を行い、証券の購入者である投資家に対し、回収状況報告データ106cに基づき報告を行う。
【0033】
機構報告データ出力部102dは、証券化対象データの債務情報ファイル、回収情報ファイル、MBS償還情報ファイルを含む機構報告データを出力し、住宅金融支援機構に送信する。
【0034】
登記情報出力部102eは、証券化対象データ106bに含まれる住宅ローン債権毎に登記情報データ106eを出力する。出力された登記情報データ106は、郵送等により司法書士に送付され、住宅ローン債権の登記の変更が行われる。
【0035】
[2.処理]
ここでは、融資管理装置100で実行される処理の具体例について、図2~19を参照して説明する。
【0036】
本説明は、融資管理装置100が、住宅ローン債権を流動化するための信託銀行へのデータ送信、および住宅金融支援機構への報告に関する処理について説明する。
【0037】
金融機関が、フラット35保証型商品の住宅ローン契約を顧客と行うと、住宅ローン契約情報が融資管理装置100に取り込まれ、図2に示すような口座取引データ106a(6月度)が作成される。
【0038】
口座取引データ106aの合計貸付残高が一定額に達した後、証券化対象データ出力部102aは、口座取引データ106aから抽出した住宅ローン債権情報に基づきファンドNoを付した証券化対象データ106bを出力する。合計貸付金額は任意に設定することができる。図2では、合計貸付金額が5000万に達した段階、すなわち債権番号001-0~004-0で貸付金額が5000万に達しているので、004-0の契約後、アラーム等が出力される。
【0039】
合計貸付残高が一定額に達すると、証券化対象データ生成画面MAにより、証券化対象データ生成処理を行う。図3は、証券化対象データ生成画面MAの一例を示す図である。証券化対象データ生成画面MAの証券化予約データ更新欄にオペレータが信託設定年月、ファンドNo.、MBSクーポン、融資日の抽出条件を入力すると証券化対象となる住宅ローン債権が抽出される。ファンドNo.、MBSクーポンは住宅金融支援機構・信託銀行から指定されたものである。抽出された住宅ローン債権のうち、証券化対象から除外したいものがある場合、図4に示す証券化除外画面MBにより、除外したい住宅ローン債権を入力することができる。証券化対象データ生成画面MAおよび証券化除外画面MBの入力により、証券化対象データ出力部102aが図6に示すような証券化対象データ106b(7月次)を出力する。証券化対象データ106bにおいて、住宅ローン債権の抽出と除外が確認できた後、図5に示す証券化対象データ生成画面MAの証券化確定データ更新&報告ファイル出力の欄に入力することにより、証券化対象データ106bが確定し、回収報告作成画面MCが表示される。
【0040】
証券化対象データ出力部102aは、口座取引データ106aの合計貸付残高が一定額に達するたびに、証券化対象データ生成画面MAの入力に基づき新たなファンドNo.を付して証券化対象データ106bを出力するが、合計貸付残高が一定額に達しない場合は、従前のデータを保持しつつ新た月次のデータを格納し更新する。図15は、口座取引データ106a(7月次)の一例を示す図である。口座取引データ106a(7月次)では、新たに7月次の入金がなされ、貸付残高が入金分6月次より減少している。証券化対象データ出力部102aは、口座取引データ106a(7月次)に基づき、図16の網掛け部分で示す8月次の証券化対象データを格納して証券化対象データ106b(8月次)を更新する。
【0041】
8月次に、図17の口座取引データ106aに示すように新たに入金がなされ、また、新たな住宅ローン契約が図18に示すようになされたとする(債権番号006-0、007-0)。新たな住宅ローン契約により、口座取引データ106aのうちファンドを組んでいない住宅ローン債権の合計貸付残高が一定額に達したため(債権番号006-0~007-0、合計貸付金額5000万円以上)、証券化対象データ生成画面MAへの入力により、証券化対象データ出力部102aは、新たなファンドNo.を付して証券化対象データ106bを出力する。図19は、証券化対象データ106b(9月次)の一例を示す図である。証券化対象データ106b(9月次)では、網掛け部分で示すファンドNo.0001の証券化対象データと、新たにファンドNo.0002が付された証券化対象データが格納され、証券化対象データ106b(9月次)として更新される。ファンドNO.0002の証券化対象データについては、証券化のために信託銀行に送信される。また、更新されたファンドNo.0001の証券化対象データ等に基づき、後述する回収状況報告データ106cが作成される。
【0042】
図7は、回収状況報告生成画面MCの一例を示す図である。回収状況報告書生成画面MCに、出力基準年月等を入力することにより、回収状況報告生成部102bがファンドNo.ごとに基準年月の回収状況報告データ106cを作成する。回収状況報告データ106cは、証券化対象データ106bに基づいて作成される。図8は、回収状況報告データ106cの一例を示す図である。回収状況報告データ106cは、回収金当引渡額、回収金の明細等からなる。
【0043】
証券化対象データ106bおよび回収状況報告データ106cが生成された後、証券化データ送信部102cが信託銀行に証券化対象データ106bおよび回収状況報告データ106cを送信する。図9は、信託銀行への連携フロー(証券化対象データ106bおよび回収状況報告データ106cの送信)を説明する図である。住宅ローン債権の新たな証券化のたびに証券化対象データが信託銀行に送信され、回収状況報告データは毎月信託銀行に送信される。
【0044】
信託銀行に証券化対象データ106b等を送付後、図10の保証型報告生成画面MEへの入力により、機構報告データ出力部102dは、機構報告データ106dを作成、出力する。機構報告データ106dは、債務情報ファイル、回収情報ファイル、MBS償還情報ファイルを含み、機構報告データ出力部102dは、住宅金融支援機構に機構報告データ106dを送信する。図11は、住宅金融支援機構への報告フローを説明する図である。
【0045】
また、住宅ローン債権の証券化により登記情報の変更が必要になるため、図12に示す登記情報データ出力画面MDへの入力により、登記情報出力部102eは、証券化対象データ106bに含まれる住宅ローン債権の登記情報データ106eを出力する。図13は、出力される登記情報データ106eの一例を示す図である。出力された登記情報データ106eは、図14に示すように、郵送等により司法書士に送付され、住宅ローン債権の登記の変更が行われる。
【0046】
以上、本実施の形態によれば、住宅ローン契約後、証券化対象データを出力し、信託銀行に送信する際、従前に証券化されたファンドの回収状況の報告も同時に行うことができるとともに、住宅金融支援機構への報告や、司法書士への登記情報も出力可能であるため、業務の効率化が可能となる。また、登録されている口座取引データに基づき、証券化対象データ、回収状況報告データ、機構報告データ、登記情報データを作成するため、作成する際の事務過誤を防止でき、管理制度を向上することができる。
【0047】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0050】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0051】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0052】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0053】
また、融資管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0054】
例えば、融資管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて融資管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0055】
また、このコンピュータプログラムは、融資管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0056】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0057】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0058】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0059】
また、融資管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、融資管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0060】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、特に、フラット35保証型の住宅ローンを取り扱う金融機関などにおいて有用である。
【符号の説明】
【0062】
100 融資管理装置
102 制御部
102a 証券化対象データ出力部
102b 回収状況報告生成部
102c 証券化データ送信部
102d 機構報告データ出力部
102e 登記情報出力部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 口座取引データ
106b 証券化対象データ
106c 回収状況報告データ
106d 機構報告データ
106e 登記情報データ
108 入出力インターフェース部
200 サーバ
300 ネットワーク
400 入力装置
500 出力装置
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