(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】分割収益計上装置、分割収益計上方法、および、分割収益計上プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20250219BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20250219BHJP
【FI】
G06Q40/12
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2022044110
(22)【出願日】2022-03-18
【審査請求日】2024-06-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牛山 翔太
(72)【発明者】
【氏名】水野 克哉
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-046868(JP,A)
【文献】特開2004-272304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた分割収益計上装置であって、
前記記憶部は、
顧客手数料総額および/もしくは加盟店負担手数料総額、初回返済年月、ならびに、最終返済年月を紐付けて設定した月末口座貸付データを記憶する口座貸付記憶手段と、
取引順序、完済区分、ならびに、顧客手数料残高もしくは加盟店負担手数料残高を紐付けて設定した月末取引履歴データを記憶する取引履歴記憶手段と、
手数料区分、前記完済区分、貸方の勘定科目、借方の勘定科目、および、金額種別を紐付けて設定した仕訳パターンマスタと、
前記完済区分に応じて、月末繰延利益データに設定された前記各金額種別の金額および当月繰延利益残高の更新設定データを記憶する更新設定記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記月末口座貸付データ、および、前記月末取引履歴データに基づいて、月末に、
前記月末取引履歴データに設定された前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高に応じて前記手数料区分を特定し、前記更新設定データに従い、前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高の前記初回返済年月から前記最終返済年月迄の期間に応じた均分額を前記金額種別の金額として設定し、当月の前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高に応じて当月繰延利益残高を設定し、前記手数料区分、前記金額種別の金額、
前記当月繰延利益残高、および、前記完済区分を紐付けて設定した
前記当月の月末繰延利益データを取得する繰延手段と、
前記仕訳パターンマスタ、および、前記月末繰延利益データに基づいて、月締仕訳データを作成する仕訳作成手段と、
を備えたことを特徴とする分割収益計上装置。
【請求項2】
前記仕訳作成手段は、
前記仕訳パターンマスタ、および、前記月末繰延利益データに基づいて、前記月末繰延利益データに設定された前記金額種別の金額が0円ではない場合、前記月締仕訳データを作成することを特徴とする請求項1に記載の分割収益計上装置。
【請求項3】
前記繰延手段は、
前記月末口座貸付データ、および、前記月末取引履歴データに基づいて、前記月末に、前記完済区分が取引中または通常完済である場合、
前記月末取引履歴データに設定された前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高に応じて前記手数料区分を特定し、前記更新設定データに従い、前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高の前記初回返済年月から前記最終返済年月迄の期間に応じた前記均分額を前記金額種別の金額として設定し、前記当月の前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高に応じて前記当月繰延利益残高を設定し、前記手数料区分、前記金額種別の金額である当月計上金額、前記当月繰延利益残高、および、前記完済区分を紐付けて設定した前記
当月の月末繰延利益データを取得することを特徴とする請求項1に記載の分割収益計上装置。
【請求項4】
前記仕訳作成手段は、
前記仕訳パターンマスタに設定された前記当月計上金額の前記金額種別に紐づけられた前記貸方および前記借方の前記勘定科目、ならびに、前記月末繰延利益データに設定された前記当月計上金額を設定した前記月締仕訳データを作成することを特徴とする請求項3に記載の分割収益計上装置。
【請求項5】
前記繰延手段は、
更に、前記月末口座貸付データ、および、早期完済戻し手数料が更に設定された前記月末取引履歴データに基づいて、前記月末に、前記完済区分が早期完済である場合、
前記月末取引履歴データに設定された前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高に応じて前記手数料区分を特定し、前記更新設定データに従い、前記早期完済戻し手数料から前記金額種別の金額を設定し、前記当月の前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高に応じて前記当月繰延利益残高を設定し、前記手数料区分、前記金額種別の金額である当月計上金額および前記早期完済戻し手数料である当月戻し手数料の金額、前記当月繰延利益残高、ならびに、前記完済区分を紐付けて設定した前記
当月の月末繰延利益データを取得することを特徴とする請求項1に記載の分割収益計上装置。
【請求項6】
前記仕訳作成手段は、
前記仕訳パターンマスタに設定された前記当月計上金額の前記金額種別に紐づけられた前記貸方および前記借方の前記勘定科目、ならびに、前記月末繰延利益データに設定された前記当月計上金額を設定した前記月締仕訳データと、前記仕訳パターンマスタに設定された前記当月戻し手数料の前記金額種別に紐づけられた前記貸方および前記借方の前記勘定科目、ならびに、前記月末繰延利益データに設定された前記当月戻し手数料の金額を設定した前記月締仕訳データと、を作成することを特徴とする請求項5に記載の分割収益計上装置。
【請求項7】
前記当月計上金額は、
前月の前記月末取引履歴データに設定された前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高から、前記当月戻し手数料の金額を差し引いた金額であることを特徴とする請求項5または6に記載の分割収益計上装置。
【請求項8】
前記繰延手段は、
更に、前記月末口座貸付データ、および、前記月末取引履歴データに基づいて、前記月末に、前記完済区分がキャンセル、貸倒または和解である場合、
前記月末取引履歴データに設定された前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高に応じて前記手数料区分を特定し、前記更新設定データに従い、前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高から前記金額種別の金額を設定し、前記当月の前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高に応じて前記当月繰延利益残高を設定し、前記手数料区分、前記金額種別の金額である既計上取消の金額、前記当月繰延利益残高、および、前記完済区分を紐付けて設定した前記
当月の月末繰延利益データを取得することを特徴とする請求項1に記載の分割収益計上装置。
【請求項9】
前記仕訳作成手段は、
前記仕訳パターンマスタに設定された前記既計上取消の前記金額種別に紐づけられた前記貸方および前記借方の前記勘定科目、ならびに、前記月末繰延利益データに設定された前記既計上取消の金額を設定した前記月締仕訳データを作成することを特徴とする請求項8に記載の分割収益計上装置。
【請求項10】
前記既計上取消の金額は、
前月の前記月末取引履歴データに設定された前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高から、前記当月繰延利益残高を差し引いた金額であることを特徴とする請求項8または9に記載の分割収益計上装置。
【請求項11】
記憶部と制御部とを備えた分割収益計上装置に実行させるための分割収益計上方法であって、
前記記憶部は、
顧客手数料総額および/もしくは加盟店負担手数料総額、初回返済年月、ならびに、最終返済年月を紐付けて設定した月末口座貸付データを記憶する口座貸付記憶手段と、
取引順序、完済区分、ならびに、顧客手数料残高もしくは加盟店負担手数料残高を紐付けて設定した月末取引履歴データを記憶する取引履歴記憶手段と、
手数料区分、前記完済区分、貸方の勘定科目、借方の勘定科目、および、金額種別を紐付けて設定した仕訳パターンマスタと、
前記完済区分に応じて、月末繰延利益データに設定された前記各金額種別の金額および当月繰延利益残高の更新設定データを記憶する更新設定記憶手段と、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記月末口座貸付データ、および、前記月末取引履歴データに基づいて、月末に、
前記月末取引履歴データに設定された前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高に応じて前記手数料区分を特定し、前記更新設定データに従い、前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高の前記初回返済年月から前記最終返済年月迄の期間に応じた均分額を前記金額種別の金額として設定し、当月の前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高に応じて当月繰延利益残高を設定し、前記手数料区分、前記金額種別の金額、当月繰延利益残高、および、前記完済区分を紐付けて設定した
前記当月の月末繰延利益データを取得する繰延ステップと、
前記仕訳パターンマスタ、および、前記月末繰延利益データに基づいて、月締仕訳データを作成する仕訳作成ステップと、
を含むことを特徴とする分割収益計上方法。
【請求項12】
記憶部と制御部とを備えた分割収益計上装置に実行させるための分割収益計上プログラムであって、
前記記憶部は、
顧客手数料総額および/もしくは加盟店負担手数料総額、初回返済年月、ならびに、最終返済年月を紐付けて設定した月末口座貸付データを記憶する口座貸付記憶手段と、
取引順序、完済区分、ならびに、顧客手数料残高もしくは加盟店負担手数料残高を紐付けて設定した月末取引履歴データを記憶する取引履歴記憶手段と、
手数料区分、前記完済区分、貸方の勘定科目、借方の勘定科目、および、金額種別を紐付けて設定した仕訳パターンマスタと、
前記完済区分に応じて、月末繰延利益データに設定された前記各金額種別の金額および当月繰延利益残高の更新設定データを記憶する更新設定記憶手段と、
を備え、
前記制御部において、
前記月末口座貸付データ、および、前記月末取引履歴データに基づいて、月末に、
前記月末取引履歴データに設定された前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高に応じて前記手数料区分を特定し、前記更新設定データに従い、前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高の前記初回返済年月から前記最終返済年月迄の期間に応じた均分額を前記金額種別の金額として設定し、当月の前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高に応じて当月繰延利益残高を設定し、前記手数料区分、前記金額種別の金額、当月繰延利益残高、および、前記完済区分を紐付けて設定した
前記当月の月末繰延利益データを取得する繰延ステップと、
前記仕訳パターンマスタ、および、前記月末繰延利益データに基づいて、月締仕訳データを作成する仕訳作成ステップと、
を実行させるための分割収益計上プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分割収益計上装置、分割収益計上方法、および、分割収益計上プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、割賦支払の債権の予定収益額を設定した返済予定データに基づいて、返済予定日における予定収益額を繰延収益額として含む期末計上収益データを作成し、返済予定日が到来した場合、期末計上収益データに基づいて、収益計上仕訳データを作成する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、割賦事業・クレジット事業において、アドオン手数料以外の、加盟店または顧客からの各種手数料の各月収益計上を割賦事業特有の取引を加味して捉えることができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、割賦事業における加盟店からの手数料または顧客からの手数料の収益について、各契約の契約期間に応じて均分した金額で毎月収益計上することができる分割収益計上装置、分割収益計上方法、および、分割収益計上プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る分割収益計上装置は、記憶部と制御部とを備えた分割収益計上装置であって、前記記憶部は、顧客手数料総額および/もしくは加盟店負担手数料総額、初回返済年月、ならびに、最終返済年月を紐付けて設定した月末口座貸付データを記憶する口座貸付記憶手段と、取引順序、完済区分、ならびに、顧客手数料残高もしくは加盟店負担手数料残高を紐付けて設定した月末取引履歴データを記憶する取引履歴記憶手段と、手数料区分、前記完済区分、貸方の勘定科目、借方の勘定科目、および、金額種別を紐付けて設定した仕訳パターンマスタと、を備え、前記制御部は、前記月末口座貸付データ、および、前記月末取引履歴データに基づいて、月末に、前記手数料区分、前記金額種別の金額、当月繰延利益残高、および、前記完済区分を紐付けて設定した月末繰延利益データを取得する繰延手段と、前記仕訳パターンマスタ、および、前記月末繰延利益データに基づいて、月締仕訳データを作成する仕訳作成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る分割収益計上装置において、前記仕訳作成手段は、前記仕訳パターンマスタ、および、前記月末繰延利益データに基づいて、前記月末繰延利益データに設定された前記金額種別の金額が0円ではない場合、前記月締仕訳データを作成することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る分割収益計上装置において、前記繰延手段は、前記月末口座貸付データ、および、前記月末取引履歴データに基づいて、前記月末に、前記完済区分が取引中または通常完済である場合、前記手数料区分、前記金額種別の金額である当月計上金額、前記当月繰延利益残高、および、前記完済区分を紐付けて設定した前記月末繰延利益データを取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る分割収益計上装置において、前記仕訳作成手段は、前記仕訳パターンマスタに設定された前記当月計上金額の前記金額種別に紐づけられた前記貸方および前記借方の前記勘定科目、ならびに、前記月末繰延利益データに設定された前記当月計上金額を設定した前記月締仕訳データを作成することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る分割収益計上装置において、前記繰延手段は、前記月末口座貸付データ、および、早期完済戻し手数料が更に設定された前記月末取引履歴データに基づいて、前記月末に、前記完済区分が早期完済である場合、前記手数料区分、前記金額種別の金額である当月計上金額および前記早期完済戻し手数料である当月戻し手数料の金額、前記当月繰延利益残高、ならびに、前記完済区分を紐付けて設定した前記月末繰延利益データを取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る分割収益計上装置において、前記仕訳作成手段は、前記仕訳パターンマスタに設定された前記当月計上金額の前記金額種別に紐づけられた前記貸方および前記借方の前記勘定科目、ならびに、前記月末繰延利益データに設定された前記当月計上金額を設定した前記月締仕訳データと、前記仕訳パターンマスタに設定された前記当月戻し手数料の前記金額種別に紐づけられた前記貸方および前記借方の前記勘定科目、ならびに、前記月末繰延利益データに設定された前記当月戻し手数料の金額を設定した前記月締仕訳データと、を作成することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る分割収益計上装置において、前記当月計上金額は、前月の前記月末取引履歴データに設定された前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高から、前記当月戻し手数料の金額を差し引いた金額であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る分割収益計上装置において、前記繰延手段は、前記月末口座貸付データ、および、前記月末取引履歴データに基づいて、前記月末に、前記完済区分がキャンセル、貸倒または和解である場合、前記手数料区分、前記金額種別の金額である既計上取消の金額、前記当月繰延利益残高、および、前記完済区分を紐付けて設定した前記月末繰延利益データを取得することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る分割収益計上装置において、前記仕訳作成手段は、前記仕訳パターンマスタに設定された前記既計上取消の前記金額種別に紐づけられた前記貸方および前記借方の前記勘定科目、ならびに、前記月末繰延利益データに設定された前記既計上取消の金額を設定した前記月締仕訳データを作成することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る分割収益計上装置において、前記既計上取消の金額は、前月の前記月末取引履歴データに設定された前記顧客手数料残高もしくは前記加盟店負担手数料残高から、前記当月繰延利益残高を差し引いた金額であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る分割収益計上方法は、記憶部と制御部とを備えた分割収益計上装置に実行させるための分割収益計上方法であって、前記記憶部は、顧客手数料総額および/もしくは加盟店負担手数料総額、初回返済年月、ならびに、最終返済年月を紐付けて設定した月末口座貸付データを記憶する口座貸付記憶手段と、取引順序、完済区分、ならびに、顧客手数料残高もしくは加盟店負担手数料残高を紐付けて設定した月末取引履歴データを記憶する取引履歴記憶手段と、手数料区分、前記完済区分、貸方の勘定科目、借方の勘定科目、および、金額種別を紐付けて設定した仕訳パターンマスタと、を備え、前記制御部で実行させる、前記月末口座貸付データ、および、前記月末取引履歴データに基づいて、月末に、前記手数料区分、前記金額種別の金額、当月繰延利益残高、および、前記完済区分を紐付けて設定した月末繰延利益データを取得する繰延ステップと、前記仕訳パターンマスタ、および、前記月末繰延利益データに基づいて、月締仕訳データを作成する仕訳作成ステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る分割収益計上プログラムは、記憶部と制御部とを備えた分割収益計上装置に実行させるための分割収益計上プログラムであって、前記記憶部は、顧客手数料総額および/もしくは加盟店負担手数料総額、初回返済年月、ならびに、最終返済年月を紐付けて設定した月末口座貸付データを記憶する口座貸付記憶手段と、取引順序、完済区分、ならびに、顧客手数料残高もしくは加盟店負担手数料残高を紐付けて設定した月末取引履歴データを記憶する取引履歴記憶手段と、手数料区分、前記完済区分、貸方の勘定科目、借方の勘定科目、および、金額種別を紐付けて設定した仕訳パターンマスタと、を備え、前記制御部において、前記月末口座貸付データ、および、前記月末取引履歴データに基づいて、月末に、前記手数料区分、前記金額種別の金額、当月繰延利益残高、および、前記完済区分を紐付けて設定した月末繰延利益データを取得する繰延ステップと、前記仕訳パターンマスタ、および、前記月末繰延利益データに基づいて、月締仕訳データを作成する仕訳作成ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、割賦管理ソリューションにおいて契約単位で全取引状態を管理する取引履歴データが存在するため、その取引状態を参照することで、どのような取引状態の債権においても自動で収益残高の計算を可能とするという効果を奏する。また、本発明によれば、複数の手数料の収益計上情報を1つのテーブルに管理することにより、そのテーブルから自動仕訳を出力する共通ロジックを開発することにより、複数手数料を管理しても全て仕訳パターンの設定のみで自動仕訳出力を可能とするという効果を奏する。また、本発明によれば、役務期間中の月次決算の精度向上につなげることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、割賦事業・クレジット事業の各種取引に対応した手数料収益の契約単位での管理をすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、契約の状態等に従った月末締処理による月末繰延利益データの生成を軸に、会計連携処理をすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本実施形態における計算概要の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における計算概要の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における分割収益計上処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における仕訳データの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における仕訳データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における分割収益計上装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における仕訳パターンマスタの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における月末繰延利益データの更新内容の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態における分割収益計上装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、本実施形態における分割収益計上処理の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態における分割収益計上処理の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施形態における分割収益計上処理の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本実施形態における分割収益計上処理の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本実施形態における分割収益計上処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0021】
[1.概要]
まず、
図1から
図5を参照して、本発明の概要を説明する。
図1および
図2は、本実施形態における計算概要の一例を示す図である。
図3は、本実施形態における分割収益計上処理の一例を示す図である。
図4および
図5は、本実施形態における仕訳データの一例を示す図である。
【0022】
従来、割賦事業においては、グロス金額でシステム外にて手仕訳しているケースが多く、契約別の月別収益計上額、および、繰延利益残高の管理が困難であり、キャンセルまたは貸倒等の収益計上を取り消す必要があるような取引が存在し、収益計上金額算出に時間・人手を要しており、収益計上、繰延利益残高計上またはキャンセル等による収益取消、ならびに、様々な貸借科目での仕訳を実施する必要があるが、手動での仕訳起票により締処理に時間を要しており、手動によるミスが生じていた。
【0023】
そこで、本実施形態においては、事前設定として、計算結果より、事前に設定した仕訳パターンにより、仕訳データを自動作成するための参照用マスタである仕訳パターンマスタを用意し、月末締処理への計算機能アドオン実装として、手数料計上額および繰延利益残高等を計算し、月末繰延利益データを計算する機能をアドオン実装し、会計連携データ作成処理への自動仕訳機能アドオン実装として、仕訳パターンマスタを参照し、月末繰延利益データより自動仕訳を作成する機能をアドオン実装した。ここで、
図1に示すように、本実施形態における月末締処理にて実装される顧客手数料の計算処理においては、顧客手数料について、立替実行時に全額繰延顧客手数料として計上され、毎月、これらの計算式により算出された金額が利益計上される。また、
図2に示すように、本実施形態における月末締処理にて実装される加盟店負担手数料の計算処理においては、加盟店負担手数料について、立替実行時に繰延加盟店負担手数料として計上され、毎月、これらの計算式により算出された金額が利益計上される。
【0024】
それにより、本実施形態においては、契約別の収益計上・繰延利益残高を管理することを可能とし、割賦事業特有のキャンセル、早期完済、和解または貸倒処理のような取引においても、自動処理が可能とし、計算結果から事前に設定した仕訳パターンにより、仕訳データの自動作成可能とした。
【0025】
例えば、
図3に示すように、本実施形態においては、各月中の取引処理として、取引履歴データおよび口座貸付データの更新が実行され、月末締処理として、締年月内の取引履歴データおよび口座貸付データが取引日から判断され、月末時点での退避データ(月末取引履歴データおよび月末口座貸付データ)が更新され、月末退避された月末取引履歴データおよび月末口座貸付データが参照され、月末時点の月末繰延利益データが更新され、会計連携データ作成処理として、仕訳データが自動作成される。
【0026】
ここで、
図4に示すように、本実施形態においては、顧客手数料の収益計上が1契約ずつ処理され、仕訳データが自動作成される。また、
図5に示すように、本実施形態においては、加盟店手数料の収益計上が1契約ずつ処理され、仕訳データが自動作成される。なお、加盟店手数料の場合は、実行時に加盟店より手数料をもらうため、立替実行月より収益計上される。
【0027】
[2.構成]
本実施形態に係る分割収益計上装置100の構成の一例について、
図6から
図8を参照して説明する。
図6は、本実施形態における分割収益計上装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
図6に示すように、分割収益計上装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、分割収益計上装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0029】
分割収益計上装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。分割収益計上装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0030】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、分割収益計上装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、分割収益計上装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0031】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0032】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、口座貸付データベース106aと取引履歴データベース106bと仕訳パターンマスタ106cとを備えている。
【0033】
口座貸付データベース106aは、顧客手数料および/もしくは加盟店負担手数料に係る口座貸付データを記憶する。ここで、口座貸付データベース106aは、顧客手数料総額および/もしくは加盟店負担手数料総額、初回返済年月、ならびに、最終返済年月を紐付けて設定した月末口座貸付データを記憶していてもよい。
【0034】
取引履歴データベース106bは、顧客手数料および/もしくは加盟店負担手数料の取引履歴データを記憶する。ここで、取引履歴データベース106bは、取引順序、完済区分、ならびに、顧客手数料残高もしくは加盟店負担手数料残高を紐付けて設定した月末取引履歴データを記憶していてもよい。
【0035】
仕訳パターンマスタ106cは、貸方の勘定科目、および、借方の勘定科目を紐付けて設定したマスタである。ここで、仕訳パターンマスタ106cは、手数料区分、完済区分、貸方の勘定科目、借方の勘定科目、および、金額種別が紐付けて設定されていてもよい。
【0036】
ここで、
図7を参照して、本実施形態における仕訳パターンマスタ106cの一例について説明する。
図7は、本実施形態における仕訳パターンマスタ106cの一例を示す図である。
【0037】
図7に示すように、本実施形態においては、仕訳パターンマスタ106cが事前設定され、本機能の仕訳設定となる。
【0038】
図6に戻り、制御部102は、分割収益計上装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、繰延部102aと仕訳作成部102bとを備えている。
【0039】
繰延部102aは、月末に、手数料区分、金額種別の金額、当月繰延利益残高、および、完済区分を紐付けて設定した月末繰延利益データを取得する。ここで、繰延部102aは、月末口座貸付データ、および、月末取引履歴データに基づいて、月末に、対象年月、債権種別、手数料区分、金額種別の金額、当月繰延利益残高、および、完済区分を紐付けて設定した月末繰延利益データを取得してもよい。また、繰延部102aは、月末口座貸付データ、および、月末取引履歴データに基づいて、月末に、完済区分が取引中または通常完済である場合、対象年月、債権種別、手数料区分、金額種別の金額である当月計上金額、当月繰延利益残高、および、完済区分を紐付けて設定した月末繰延利益データを取得してもよい。また、繰延部102aは、月末口座貸付データ、および、早期完済戻し手数料が更に設定された月末取引履歴データに基づいて、月末に、完済区分が早期完済である場合、対象年月、債権種別、手数料区分、金額種別の金額である当月計上金額および早期完済戻し手数料である当月戻し手数料の金額、当月繰延利益残高、ならびに、完済区分を紐付けて設定した月末繰延利益データを取得してもよい。また、繰延部102aは、月末口座貸付データ、および、月末取引履歴データに基づいて、月末に、完済区分がキャンセル、貸倒または和解である場合、対象年月、債権種別、手数料区分、金額種別の金額である既計上取消の金額、当月繰延利益残高、および、完済区分を紐付けて設定した月末繰延利益データを取得してもよい。
【0040】
ここで、
図8を参照して、本実施形態における月末繰延利益データの更新内容の一例について説明する。
図8は、本実施形態における月末繰延利益データの更新内容の一例を示す図である。
【0041】
図8に示すように、本実施形態においては、完済区分に応じて、金額種別および/または当月繰延利益残高が更新される。なお、本実施形態において、立替実行初月は、当月繰延利益残高のみセットされる。
【0042】
図6に戻り、仕訳作成部102bは、仕訳データを作成する。ここで、仕訳作成部102bは、仕訳パターンマスタ106c、および、月末繰延利益データに基づいて、月締仕訳データを作成してもよい。また、仕訳作成部102bは、仕訳パターンマスタ106c、および、月末繰延利益データに基づいて、月末繰延利益データに設定された金額種別の金額が0円ではない場合、月締仕訳データを作成してもよい。また、仕訳作成部102bは、仕訳パターンマスタ106cに設定された当月計上金額の金額種別に紐づけられた貸方および借方の勘定科目、ならびに、月末繰延利益データに設定された当月計上金額を設定した月締仕訳データを作成してもよい。また、仕訳作成部102bは、仕訳パターンマスタ106cに設定された当月計上金額の金額種別に紐づけられた貸方および借方の勘定科目、ならびに、月末繰延利益データに設定された当月計上金額を設定した月締仕訳データと、仕訳パターンマスタ106cに設定された当月戻し手数料の金額種別に紐づけられた貸方および借方の勘定科目、ならびに、月末繰延利益データに設定された当月戻し手数料の金額を設定した月締仕訳データと、を作成してもよい。ここで、当月計上金額は、前月の月末取引履歴データに設定された顧客手数料残高もしくは加盟店負担手数料残高から、当月戻し手数料の金額を差し引いた金額であってもよい。また、仕訳作成部102bは、仕訳パターンマスタ106cに設定された既計上取消の金額種別に紐づけられた貸方および借方の勘定科目、ならびに、月末繰延利益データに設定された既計上取消の金額を設定した月締仕訳データを作成してもよい。ここで、既計上取消の金額は、前月の月末取引履歴データに設定された顧客手数料残高もしくは加盟店負担手数料残高から、当月繰延利益残高を差し引いた金額であってもよい。
【0043】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図9から
図14を参照して説明する。
【0044】
[分割収益計上処理]
ここで、
図9を参照して、本実施形態における分割収益計上処理の一例について説明する。
図9は、本実施形態における分割収益計上装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0045】
図9に示すように、繰延部102aは、月末に到達したか否かを判定する(ステップSA-1)。
【0046】
そして、繰延部102aは、月末に到達していないと判定した場合(ステップSA-1:No)、所定時間待機後、処理をステップSA-1に移行させる。
【0047】
一方、繰延部102aは、月末に到達したと判定した場合(ステップSA-1:Yes)、処理をステップSA-2に移行させる。
【0048】
そして、繰延部102aは、口座貸付データベース106aに記憶された月末口座貸付データ、および、取引履歴データベース106bに記憶された月末取引履歴データに基づいて、対象年月、債権種別、手数料区分、金額種別の金額、当月繰延利益残高、および、完済区分を紐付けて設定した月末繰延利益データを取得する(ステップSA-2)。
【0049】
そして、仕訳作成部102bは、月末繰延利益データに設定された金額種別の金額が0円であるか否かを判定する(ステップSA-3)。
【0050】
そして、仕訳作成部102bは、月末繰延利益データに設定された金額種別の金額が0円であると判定した場合(ステップSA-3:Yes)、処理をステップSA-1に移行させる。
【0051】
一方、仕訳作成部102bは、月末繰延利益データに設定された金額種別の金額が0円ではないと判定した場合(ステップSA-3:No)、処理をステップSA-4に移行させる。
【0052】
そして、仕訳作成部102bは、仕訳パターンマスタ106c、および、月末繰延利益データに基づいて、月締仕訳データを作成する(ステップSA-4)。
【0053】
そして、繰延部102aは、月末繰延利益データに設定された当月繰延利益残高が有るか否かを判定する(ステップSA-5)。
【0054】
そして、繰延部102aは、月末繰延利益データに設定された当月繰延利益残高が有ると判定した場合(ステップSA-5:Yes)、処理をステップSA-1に移行させる。
【0055】
一方、繰延部102aは、月末繰延利益データに設定された当月繰延利益残高が無いと判定した場合(ステップSA-5:No)、処理を終了する。
【0056】
ここで、
図10から
図14を参照して、本実施形態における分割収益計上処理の一例について説明する。
図10から
図14は、本実施形態における分割収益計上処理の一例を示す図である。
【0057】
図10に示すように、本実施形態における顧客手数料の立替実行月の月末においては、月末締処理として、初回返済年月がまだ到来していないため、当月計上額が無く(なお、加盟店手数料の場合、立替実行月から計算される)、完済区分が「100:取引中」であるため、取引中債権として処理される。そして、
図10に示すように、本実施形態における顧客手数料の立替実行月の月末においては、会計連携データ作成処理として、仕訳パターンマスタ106cの金額カラムIDに設定がある項目において、全て0円であるため、発生仕訳は無い。
【0058】
そして、
図11に示すように、本実施形態における顧客手数料の初回返済月以降の月末においては、月末締処理として、当月計上額が算出され(計算式として、
図1に示す本実施形態における計算概要が参照される)、完済区分が「100:取引中」であるため、取引中債権として処理される。そして、
図11に示すように、本実施形態における顧客手数料の初回返済月以降の月末においては、会計連携データ作成処理として、債権種別が一致し、手数料区分が一致し、完済区分が完済区分開始~完済区分終了の間である仕訳パターンで、金額が0円でない場合、自動仕訳作成される。
【0059】
そして、
図12に示すように、本実施形態における顧客手数料の最終回の月末においては、月末締処理として、前月繰延残高が全額計上され、完済区分が「101:通常完済」であるため、完済債権として処理される。そして、
図12に示すように、本実施形態における顧客手数料の最終回の月末においては、会計連携データ作成処理として、自動仕訳作成される。
【0060】
なお、
図13に示すように、本実施形態における顧客手数料の早期完済(
図13においては、8月早期完済)の月末においては、月末締処理として、月末取引履歴データより戻し手数料が取得され、戻し手数料が加味されて計算(当月計上金額=前月繰延利益残高-当月戻し手数料)が実施される。そして、
図13に示すように、本実施形態における顧客手数料の早期完済の月末においては、会計連携データ作成処理として、自動仕訳作成される。
【0061】
また、
図14に示すように、本実施形態における顧客手数料のキャンセル、貸倒または和解(
図14においては、8月キャンセル)の月末においては、月末締処理として、収益計上金額が実際に顧客から回収された手数料金額より過剰であった場合、既計上収益の取消金額が算出される。すなわち、
図14に示すように、本実施形態においては、2021/7に、実際は2,400円しか顧客から受領されていないが、4,000円が利益として計上され過ぎてしまっているため、計上されていない分が取り消され、4,000-2,400=1,600円が取消金額とされる。そして、
図14に示すように、本実施形態における8月キャンセルの月末においては、会計連携データ作成処理として、自動仕訳作成される。
【0062】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0064】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0065】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0066】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0067】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0068】
また、分割収益計上装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0069】
例えば、分割収益計上装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて分割収益計上装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0070】
また、このコンピュータプログラムは、分割収益計上装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0071】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0072】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0073】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0074】
また、分割収益計上装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、分割収益計上装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0075】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、割賦事業、および、クレジット事業等の金融業界において有用である。
【符号の説明】
【0077】
100 分割収益計上装置
102 制御部
102a 繰延部
102b 仕訳作成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 口座貸付データベース
106b 取引履歴データベース
106c 仕訳パターンマスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク