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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】音響装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20250219BHJP
   H04R 17/00 20060101ALI20250219BHJP
   H04R 7/04 20060101ALI20250219BHJP
【FI】
H04R1/02 101F
H04R17/00
H04R7/04
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022208859
(22)【出願日】2022-12-26
(65)【公開番号】P2023099507
(43)【公開日】2023-07-13
【審査請求日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194781
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, テホ
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ヨンラク
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ミンギュ
(72)【発明者】
【氏名】チョン, スンゴ
(72)【発明者】
【氏名】キム, カンホ
(72)【発明者】
【氏名】リ, チョンボム
(72)【発明者】
【氏名】キム, テヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク, グァンホ
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-236352(JP,A)
【文献】特開2007-027923(JP,A)
【文献】国際公開第2015/064112(WO,A1)
【文献】特開2021-141584(JP,A)
【文献】特開2021-180486(JP,A)
【文献】特開2014-082572(JP,A)
【文献】国際公開第2012/157691(WO,A1)
【文献】特開2015-115629(JP,A)
【文献】特開2015-149368(JP,A)
【文献】特開2013-229908(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0136582(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00- 1/02
H04R 17/00
H04R 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面、および前記第1面と反対側の第2面を有する、振動部材、
前記振動部材の前記第2面の側に、囲まれた収容空間を形成するように配置されたハウジング、
前記振動部材および前記ハウジングの間に配置される連結部材、および
前記振動部材の前記第2面に取り付けられ、前記振動部材を振動させるように構成された振動装置
を含む、音響装置であって、
前記振動部材は、第1溝部を含み、
前記第1溝部は、前記振動部材の前記第1面に形成され、前記第1溝部が形成された個所における前記振動部材の厚さは、前記振動部材の他の部分の厚さよりも薄く、
前記振動装置は、少なくとも一部が前記第1溝部と重畳し、かつ前記第1溝部と中心が一致するように配置されている、音響装置。
【請求項2】
前記振動部材は、非平面構造を有する、請求項1に記載の音響装置。
【請求項3】
前記振動部材は、突出部を含み、
前記突出部は、前記振動部材の前記第2面から突出され、前記振動部材と一体で構成されている、請求項2に記載の音響装置。
【請求項4】
前記ハウジングは、
底部、
前記底部の縁部分に連結され、前記振動部材に向かって突出された側部、および
前記側部の内側面に形成された第2溝部を含む、請求項1に記載の音響装置。
【請求項5】
前記振動部材の縁部分は、前記ハウジングの前記第2溝部に収容されている、請求項4に記載の音響装置。
【請求項6】
前記振動部材は、突出部を含み、
前記突出部は、前記振動部材の前記第2面から突出され、
前記突出部は、前記第2溝部に収容されている、請求項4に記載の音響装置。
【請求項7】
前記連結部材は、
前記ハウジングの前記第2溝部の上側に配置された第1連結部材、および
前記ハウジングの前記第2溝部の下側に配置された第2連結部材を含む、請求項5に記載の音響装置。
【請求項8】
前記収容空間内に配置され、前記振動装置を取り囲むインナーハウジングをさらに含み、
前記インナーハウジングは、
底部、
前記底部の縁部分に連結され、前記振動部材に向かって突出された側部、および
前記底部の中央部に形成され、前記振動装置と接触するように突出された第1補強部材を含む、請求項1に記載の音響装置。
【請求項9】
前記インナーハウジングは、前記第1補強部材の周辺部に形成された第2補強部材であって、前記底部から前記振動装置に向かって突出された第2補強部材をさらに含み、
前記第2補強部材は、前記第1補強部材より小さい高さを有する、請求項8に記載の音響装置。
【請求項10】
前記インナーハウジングは、前記底部の第1面および前記第1面とは異なる前記底部の第2面を貫通するように形成された開口部をさらに含み、
前記開口部は、ホール形状またはスリット形状のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の音響装置。
【請求項11】
前記インナーハウジングおよび前記振動部材の間の補助振動部材、
前記インナーハウジングおよび前記補助振動部材の間の第3連結部材、および
前記補助振動部材および前記振動部材の間の第4連結部材をさらに含む、請求項8に記載の音響装置。
【請求項12】
前記インナーハウジングの前記底部に実装された音響処理回路をさらに含み、
前記音響処理回路は、信号ケーブルを介して前記振動装置と連結されている、請求項8に記載の音響装置。
【請求項13】
前記振動装置は、前記振動部材の第1方向または第2方向への一側エッジおよび他側エッジの間で前記振動部材と重畳するように位置し、
前記振動装置の水平面上の中央部は、前記振動部材の水平面上の中央部と重畳する、請求項1に記載の音響装置。
【請求項14】
前記振動装置の前記水平面上の前記中央部は、前記振動部材の前記水平面上の前記中央部から、前記振動部材の有効振動板の大きさを基準に、前記第1方向または前記第2方向に0~15%の範囲に位置する、請求項13に記載の音響装置。
【請求項15】
第1面、および前記第1面と反対側の第2面を有する、振動部材、
前記振動部材の前記第2面の側に、囲まれた収容空間を形成するように配置されたハウジング、
前記振動部材および前記ハウジングの間に配置される連結部材、および
前記振動部材を振動させるように構成された振動装置
を含む、音響装置であって、
前記ハウジングは、
底部、
前記底部の縁部分に連結され、前記振動部材に向かって突出された側部、および
前記側部の内側面に形成された第2溝部
を含み、
前記振動部材は、該振動部材と同種の物質で、該振動部材と一体で構成された突出部を含み、
前記突出部は、前記振動部材の前記第2面から垂直に突出され、
前記突出部は、前記第2溝部に収容されている、音響装置。
【請求項16】
前記振動装置は、振動素子を含み、
前記振動素子は、
振動部、
前記振動部の第1面にある第1電極部、および
前記振動部の前記第1面とは異なる第2面にある第2電極部を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項17】
前記第1電極部にある第1カバー部材、および
前記第2電極部にある第2カバー部材をさらに含む、請求項16に記載の音響装置。
【請求項18】
前記振動装置は、
前記第1カバー部材と前記第1電極部との間にある第1接着層、および
前記第2カバー部材と前記第2電極部との間にある第2接着層をさらに含む、請求項17に記載の音響装置。
【請求項19】
前記振動部は、圧電特性を有する無機物質部を含む、請求項16に記載の音響装置。
【請求項20】
前記振動部は、
圧電特性を有する複数の無機物質部、および
前記複数の無機物質部の間にある有機物質部を含む、請求項16に記載の音響装置。
【請求項21】
前記振動部材は、金属材質を含むか、または木材、ゴム、プラスチック、ガラス、繊維、布、紙、鏡、カーボン、および皮革のうちの1つ以上の単一非金属または複合非金属材質を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項22】
前記振動部材は、映像を表示する画素を有する表示パネル、発光ダイオード照明パネル、有機発光照明パネル、無機発光照明パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段のガラス窓、運送手段の外装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、繊維、布、紙、皮革、カーボン、および鏡のうちの1つ以上を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の音響装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、装置、とりわけ音響装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
装置は、音響を提供するために別途のスピーカーまたは音響装置を含む。装置にスピーカーを配置する場合、スピーカーが占める空間のために装置のデザインおよび空間配置に制約が伴うという問題が生じる。
【0003】
装置に適用されるスピーカーは、例えば、マグネットとコイルを含むアクチュエータであり得る。しかしながら、アクチュエータを装置に適用すると、厚さが厚いという欠点がある。そのため、薄い厚さを実現できる圧電素子が注目されている。
【0004】
圧電素子は、脆性特性を有するので、外部衝撃により破損が発生しやすく、音響再生の信頼性が低いという問題がある。そして、フレキシブル装置に圧電素子などのスピーカーを適用した場合、脆性特性により破損が発生するという問題がある。
【発明の概要】
【0005】
そこで、本願発明の発明者らは、上記の問題を認識し、音響の音質を向上させることができ、音圧特性を向上させることができる振動装置を実現するためのいくつかの実験を行った。様々な実験を通じて音響の音質を向上させることができ、音圧特性を向上させることができる新しい音響装置(または振動装置)を含む装置を発明した。
【0006】
したがって、本願発明の1つの目的は、背景技術の制限および欠点による1つまたは複数の問題を実質的に取り除く装置およびそれを含む音響装置を提供することである。
【0007】
本願発明の実施例に係る解決課題は、振動部材を振動させて振動または音響を発生させることができ、音響特性および/または音圧特性を向上させることができる装置(または音響装置)を提供することである。
【0008】
本願発明の実施例に係る解決しようとする課題は、上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題らは、下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【0009】
本願発明の追加的な特徴、利点、および実施例は、以下の説明で部分的に説明され、部分的には本明細書から明確になり、あるいはそれから提供される発明の概念の実施例によって学習されることができる。発明の概念の他の特徴、利点、および実施例は、本明細書に提供されるか、それから導出され得る説明、請求範囲だけでなく、添付された図面によって実現され、達成され得る。
【0010】
本願発明の一実施例に係る音響装置は、振動部材の背面に配置されたハウジングと、振動部材および前記ハウジングの間に配置される連結部材と、振動部材を振動させるように構成された振動装置を含む。
【0011】
本願発明の一実施例に係る装置(または音響装置)は、表示パネルまたは振動部材を振動させる振動装置を構成することで、装置で発生される音の進行方向が表示パネルまたは振動部材の前面になるように音響を発生させることができる。
【0012】
他のシステム、方法、特徴、および利点は、次の図面および詳細な説明を検討すると、当業者に明らかまたは明白になるだろう。これらすべての追加システム、方法、特徴、および利点は、この説明に含まれ、本開示内容の範囲内にあり、次の請求範囲によって保護されることを意図している。本明細書のどのような内容も、これらの主張に対する制限と見なされてはならない。追加の態様および利点は、本開示の態様とともに以下で議論される。
【0013】
本明細書の前述の説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的で説明的であり、特許請求の範囲に記載された開示のさらなる説明を提供するために理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の追加理解を提供するために含まれ、本出願に統合され、その一部を構成する添付図面は、本発明の態様および実施態様を例示し、説明と共に本発明の原理を説明する役割をすることができる。
【0015】
図1】本願発明の一実施例に係る音響装置を示す斜視図である。
図2図1に示す線A-A’についての断面図である。
図3図1に示す線A-A’についての他の断面図である。
図4】本願発明の一実施例に係る振動素子を示す図である。
図5図4に示す線B-B’についての断面図である。
図6図5に示す圧電振動部を示す斜視図である。
図7A】本願発明の一実施例に係る振動素子における圧電振動部を示す斜視図である。
図7B】本願発明の一実施例に係る振動素子における圧電振動部を示す斜視図である。
図7C】本願発明の一実施例に係る振動素子における圧電振動部を示す斜視図である。
図7D】本願発明の一実施例に係る振動素子における圧電振動部を示す斜視図である。
図8】本願発明の他の実施例に係る振動素子を示す図である。
図9図8に示す線C-C’についての断面図である。
図10】本願発明の他の実施例に係る振動素子を示す図である。
図11図1に示す線A-A’についての他の断面図である。
図12図1に示す線A-A’についての他の断面図である。
図13図1に示す線A-A’についての他の断面図である。
図14図1に示す線A-A’についての他の断面図である。
図15図1に示す線A-A’についての他の断面図である。
図16図1に示す線A-A’についての他の断面図である。
図17図1に示す線A-A’についての他の断面図である。
図18A】本願発明の一実施例に係るインナーハウジングを示す斜視図である。
図18B】本願発明の一実施例に係るインナーハウジングを示す斜視図である。
図19A】本願発明の一実施例に係るインナーハウジングを示す平面図である。
図19B】本願発明の一実施例に係るインナーハウジングを示す平面図である。
図19C】本願発明の一実施例に係るインナーハウジングを示す平面図である。
図20】本願発明の他の実施例に係る音響装置の斜視図である。
図21図20に示す線D-D’についての断面図である。
図22】本願発明の一実施例に係る振動部材の背面にある振動装置の配列構造を示す図である。
図23】突出部がある図2の音響装置および突出部がない図2の音響装置の音響出力特性を示す図である。
図24】第1溝部がある図11の音響装置および第1溝部がない図12の音響装置の周波数による音圧を示す図である。
図25A】本願発明の一実施例に係る第1溝部が変更されて製造された図12の音響装置の周波数による音圧を示す図である。
図25B】本願発明の一実施例に係る第1溝部が変更されて製造された図12の音響装置の周波数による音圧を示す図である。
図25C】本願発明の一実施例に係る第1溝部が変更されて製造された図12の音響装置の周波数による音圧を示す図である。
図25D】本願発明の一実施例に係る第1溝部が変更されて製造された図12の音響装置の周波数による音圧を示す図である。
図25E】本願発明の一実施例に係る第1溝部が変更されて製造された図12の音響装置の周波数による音圧を示す図である。
図25F】本願発明の一実施例に係る第1溝部が変更されて製造された図12の音響装置の周波数による音圧を示す図である。
図26A】本願発明の一実施例に係る第1溝部に対応する振動部材の厚さが変更されて製造された図12の音響装置の周波数による音圧を示す図である。
図26B】本願発明の一実施例に係る第1溝部に対応する振動部材の厚さが変更されて製造された図12の音響装置の周波数による音圧を示す図である。
図26C】本願発明の一実施例に係る第1溝部に対応する振動部材の厚さが変更されて製造された図12の音響装置の周波数による音圧を示す図である。
図26D】本願発明の一実施例に係る第1溝部に対応する振動部材の厚さが変更されて製造された図12の音響装置の周波数による音圧を示す図である。
図26E】本願発明の一実施例に係る第1溝部に対応する振動部材の厚さが変更されて製造された図12の音響装置の周波数による音圧を示す図である。
図27図18A図18B図19A図19Bおよび図19Cのインナーハウジングの構造が適用された音響装置の周波数による音圧を示す図である。
図28図15、および図16の音響装置および図12の音響装置において第1溝部が形成されていない構造の周波数による音圧を示す図である。
図29図22の音響装置の周波数による音圧を示す図である。
【0016】
図面および詳細な説明全体にわたって特別な説明がない限り、同一の図面符号は同一の構成要素、特徴および構造について指すものと理解されなければならない。これらの要素の相対的なサイズと描写は、明確性、説明、および利便性のために誇張され得る。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願発明の実施例を詳細に参照し、その例は添付図面に例示できる。以下の説明で、よく知られた機能または構成の具体的な説明が本明細書の要旨を不必要に曇せる場合、その具体的な説明は、簡潔さのために省略することができる。説明された段階および/または動作の進行は、一例示的なものだが、段階および/または動作の順序は、本明細書に記載されたものに限定されず、特定の順序で必ず発生する段階および/または動作を除いて変更され得る。同一の参照符号は、これらが異なる図面に図示されていても、全体的に類似の構成要素を指すことができる。1つ以上の実施例で、異なる図面で同一の構成要素(または同一の名前を有する構成要素)は、特に明記しない限り、同一または実質的に同一の機能および特性を有することができる。以下の説明で使用される構成要素のそれぞれの名称は、便宜上選択されたもので、実際の製品とは異なり得る。
【0018】
本願発明の利点と特徴、そしてそれらを達成する方法は添付の図と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本願発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形状で実現されるものであり、実施例は単に、本明細書の開示を完全にし、本願発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を十分に知らせるために提供されるものであり、本願発明は、特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0019】
本願発明の実施例を説明するため、図に示した形状、大きさ、比率、角度、個数などは、例示的なものであって、本願発明が図に示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指す。また、本願発明を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略され得る。本願発明で言及した「含む」、「有する」、「からなる」などが使用されている場合、「だけ」が使用されていない限り、他の部分を追加することができる。構成要素を単数で表現した場合に特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0020】
構成要素を解釈するに当たり、誤差範囲についての別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0021】
位置関係についての説明である場合、例えば、「上に」、「上部に」、「下部に」、「横に」などで2つの部分の位置関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、2つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0022】
時間の関係についての説明である場合、「後に」、「に続いて」、「次に」、「前に」などで時間的前後関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない以上、連続的でない場合も含むことができる。
【0023】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、単に1つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であることもあり得る。
【0024】
本願発明の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのもので、その用語によって、その構成要素の本質、順序、順番または個数などが限定されない。ある構成要素または層が他の構成要素または層に「連結」「結合」または「接続」すると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素または層に直接連結されるか、または接続されることができるが、特に明示的な記載事項がない場合、間接的に連結、または連結することができる各構成要素または層の間に、他の構成要素または層が「介在」されることもできると理解されなければならない。
【0025】
「少なくとも1つ」の用語は、連関した構成要素の1つ以上のすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1、第2、および第3構成要素のうちの少なくとも1つ」の意味は、第1、第2、または第3構成要素だけではなく、第1、第2、および第3構成要素のうちの2つ以上のすべての組み合わせを含むとすることができる。
【0026】
第1構成要素、第2構成要素「および/または」第3構成要素の表現は、第1、第2および第3の構成要素のうちの1つまたは第1、第2および第3の構成要素の任意の組み合わせまたはすべての組み合わせと理解されなければならない。例えば、A、Bおよび/またはCは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A、BおよびCの任意または何らかの組み合わせ、またはA、BおよびCのすべてと見なすことができる。さらに、「構成要素A/構成要素B」の表現は、構成要素Aおよび/または構成要素Bと理解されなければならない。
【0027】
本願発明のいくつかの実施例のそれぞれの特徴が部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立的に実施することもでき、連関の関係で一緒に実施することもできる。
【0028】
以下、添付の図および実施例を介して本願発明の実施例を詳しく見ると、次の通りである。図に示した構成要素のスケールは、説明の便宜上、実際と異なるスケールを有し得るので、図に示したスケールに限定されない。
【0029】
図1は、本願発明の一実施例に係る装置(または音響装置)を示す斜視図であり、図2は、図1に示した線A-A'の断面図である。
【0030】
図1および図2を参照すると、本願発明の一実施例に係る装置(または音響装置)10は、振動部材110および振動装置130を含むことができる。
【0031】
振動部材110は、振動装置130の振動によって音響を出力することができる。例えば、振動部材110は、振動対象物、振動板、表示パネル、音響板、音響出力部材、または音響出力パネルなどの用語で表現され得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0032】
振動部材110は、透明、半透明、および不透明に構成され得る。本願発明の一実施例に係る振動部材110は、振動によって音響を出力するのに適した材料特性を有する金属材質を含むか、または非金属材質(または複合非金属材質)を含むことができる。本願発明の一実施例に係る振動部材110の金属材質は、ステンレススチール、アルミニウム(Al)、アルミニウム(Al)合金、マグネシウム(Mg)、マグネシウム(Mg)合金、およびマグネシウムリチウム(Mg-Li)合金のうちのいずれか1つ以上の材質を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。振動部材110の非金属材質(または複合非金属材質)は、ガラス、プラスチック、繊維、皮革、木材、布、ゴム、カーボン、鏡、および紙のうちの1つ以上を含むことができ、本願発明の実施例はこれらに限定されるものではない。
【0033】
本願発明の一実施例に係る振動部材110は、広告用看板、ポスター、案内板などのアナログサイネージなどのようなサイネージパネルを実現することができる。例えば、振動部材110がサイネージパネルを実現するとき、アナログサイネージは、文章、絵、記号などのサイネージコンテンツを含むことができる。サイネージコンテンツは、視認可能なように振動部材110に配置され得る。例えば、サイネージコンテンツは、振動部材110の第1面(または前面)および第1面と異なる(または反対の)第2面(または背面)のうちの1つ以上に直接付着され得る。例えば、サイネージコンテンツは、紙などの媒体に印刷され得、サイネージコンテンツが印刷された媒体は、振動部材110の第1面と第2面のうちの1つ以上に直接に付着され得る。例えば、サイネージコンテンツが振動部材110の第2面に付着されるとき、振動部材110は、透明な材料で構成され得る。
【0034】
本願発明の他の実施例に係る振動部材110は、映像を表示する画素を有する表示パネル、発光ダイオード照明パネル、有機発光照明パネル、および無機発光照明パネルのうちの1つ以上を含むことができる。
【0035】
本願発明の他の実施例に係る振動部材110は、映像を表示する画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段のガラス窓、運送手段の外装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、繊維、布、紙、皮革、カーボン、および鏡のうちの1つ以上を含むことができる。
【0036】
本願発明の一実施例に係る振動部材110は、四角形状を有する板状構造を含むことができる。振動部材110は、第1方向(X)と平行な横の長さ、および第1方向(X)と交差する第2方向(Y)と平行な縦の長さを含むことができる。例えば、振動部材600は、横の長さが縦の長さよりも相対的長い長方形の形状を含むことができる。しかし、これに限らず、振動部材600は、横の長さと縦の長さが同じ正方形の形状を含むこともできる。
【0037】
本願発明の一実施例に係る振動部材110は、振動部材110の第2面上に振動部材110の縁部を取り囲むように形成された突出部111を含むことができる。図2で、突出部111は、振動部材110の背面から突出された構成を示すものであり得る。例えば、突出部111と振動部材110は、単一の胴体に一体化され得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0038】
突出部111は、振動部材110と同種の物質を含むことができ、振動部材110の第2面から突出するように形成され得る。例えば、突出部111は、振動部材突出部、または振動部材110の突出部、側部、凸部、または側壁であり得る。
【0039】
本願発明の一実施例に係る振動部材110は、複数の固有振動数(または固有周波数)を有するように構成され得る。振動部材110は、非平面構造を含むことで、複数の固有振動数を有することができる。振動部材110は、領域ごとに互いに異なる複数の固有振動数を有することができる。例えば、振動部材110は、領域ごとの厚さによって互いに異なる複数の固有振動数を有することができる。
【0040】
振動装置130は、印加される電気信号(またはボイス信号)によって自ら振動(または変位)するように構成されるか、または振動部材(または振動板、または振動対象物)を振動(または変位)させるように構成され得る。例えば、振動装置130は、振動構造物、振動器、振動発生素子、振動発生器、音響器、音響素子、音響発生素子、または音響発生器などの用語で表現され得、これらに限定されるものではない
【0041】
本願発明の一実施例に係る振動装置130は、圧電特性を有する圧電物質(または電気活性材料)を含むことができる。振動装置130は、圧電物質に印加される電気信号(またはボイス信号)による圧電物質の振動(または変位)によって、振動部材110を振動(または変位)させることができる。例えば、振動装置130は、圧電効果(piezoelectric effect)(または圧電特性)によって、収縮と膨張を交互に繰り返すことによって振動(または変位)することができる。例えば、振動装置130は、逆圧電効果により収縮と膨張を交互に繰り返すことによって、垂直方向(または厚み方向)(Z)に振動(または変位)することができる。
【0042】
本願発明の一実施例に係る振動装置130は、圧電方式を有する1つ以上の振動素子131を含むことができる。
【0043】
本願発明の一実施例に係る1つ以上の振動素子131は、柔軟性を有するように構成され得る。例えば、1つ以上の振動素子131は、曲面を含む非平面の形状に曲がるように構成され得る。したがって、本願発明の一実施例に係る1つ以上の振動素子131は、フレキシブル振動構造物、フレキシブル振動器、フレキシブル振動発生素子、フレキシブル振動発生器、フレキシブル音響器、フレキシブル音響素子、フレキシブル音響発生素子、フレキシブル音響発生器、フレキシブルアクチュエータ、フレキシブルエキサイター、またはフレキシブルトランスデューサなどの用語で表現され得、これらに限定されるものではない。
【0044】
本願発明の一実施例に係る1つ以上の振動素子131は、第1方向(X)と平行な第1長さ、および第1方向(X)と交差する第2方向(Y)と平行な第2長さを有する四角形状を含むことができる。例えば、1つ以上の振動素子131は、第1長さと第2長さが同じ正方形の形状を含むことができる。しかし、これに限定されず、1つ以上の振動素子131は、第1長さおよび第2長さのうちのいずれか1つが、さらに大きい長方形の形状、非四角形の形状、円形状、または楕円形状を含むことができる。
【0045】
本願発明の一実施例に係る振動装置130は、接着部材120を介して振動部材110の第2面に連結されるか、または結合され得る。
【0046】
接着部材120は、振動部材110と振動装置130との間に配置され得る。例えば、接着部材120は、振動部材110と1つ以上の振動素子131の間に配置され得る。例えば、接着部材120は、1つ以上の振動素子131を振動部材110の第2面に連結させ、または結合させることができる。
【0047】
本願発明の一実施例に係る接着部材120は、密着力または接着力に優れた接着層(または粘着層)を含むことができる。例えば、接着部材120は、両面接着テープ、両面接着フォームパッド、または粘着シートを含むことができる。例えば、接着部材120が粘着シート(または粘着層)を含むとき、接着部材120は、プラスチック材料などのベース部材なしで接着層または粘着層のみを含むことができる。
【0048】
本願発明の一実施例に係る接着部材120の接着層(または粘着層)は、エポキシ(epoxy)、アクリル(acrylic)、シリコーン(silicone)、またはウレタン(urethane)を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0049】
本願発明の他の実施例に係る接着部材120の接着層(または粘着層)は、PSA(pressure sensitive adhesive)、OCA(optically clear adhesive)、またはOCR(optically clear Resin)を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0050】
本願発明の一実施例に係る装置(または音響装置)10は、ハウジング150および連結部材140をさらに含むことができる。
【0051】
ハウジング150は、振動部材110の第2面と1つ以上の振動素子131を覆うように振動部材110の背面に配置され得る。ハウジング150は、振動装置130を収容するための収容空間150sを有し、一側が開口された箱形状を含むことができる。そして、収容空間150sの一側の開口は、振動部材110によって覆われ、収容空間150sと振動部材110との間には所定のエアギャップ(air gap)が形成され得る。
【0052】
本願発明の一実施例に係るハウジング150は、金属材質または非金属材質(または複合非金属材質)のうちの1つ以上の材質を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、ハウジング150は、金属材質、プラスチック、および木材のうちの1つ以上の材質を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、ハウジング150は、ケース、外側ケース、ケース部材、ハウジング部材、キャビネット、エンクロージャ、密閉部材、密閉キャップ、密閉ボックス、またはサウンドボックスなどの用語で表現することができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、ハウジング150の収容空間150sは、ギャップ空間、エアギャップ、振動空間、音響空間、響箱、または密閉空間などの用語で表され得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0053】
本願発明の一実施例に係るハウジング150は、振動部材110の振動時に、振動部材110に作用する空気(air)によるインピーダンス成分を一定に維持させることができる。例えば、振動部材110の周囲の空気(air)は、振動部材110の振動に対して抵抗することになり、周波数によって異なる抵抗とリアクタンス成分を有するインピーダンス成分として作用するようになる。これにより、ハウジング150は、振動装置130を取り囲む密閉空間を構成することによって、空気(air)によって振動部材110に作用するインピーダンス成分(またはエアインピーダンスまたは弾性インピーダンス)を一定に維持させ、これを通じて振動部材110の振動によって発生される低音域帯の音響特性および/または音圧特性を向上させ、高音域帯の音響の音質を向上させることができる。
【0054】
本願発明の一実施例に係るハウジング150は、底部151および側部152を含むことができる。
【0055】
底部151は、振動部材110の第2面と振動装置130を覆うように振動部材110の背面に配置され得る。例えば、底部151は、振動部材110の第2面と振動装置130から離隔されるように配置され得る。例えば、底部151は、床部、ハウジングプレート、ハウジング床部、またはハウジング底部などの用語で表現され得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0056】
側部152は、底部151の縁部分に連結され得る。例えば、側部152は、底部151の縁部分から振動部材110の厚さ方向と平行な第3方向(Z)に沿って曲げられ得る。例えば、側部152は、第1~第4側部を含むことができる。例えば、側部152は、ハウジング側面またはハウジング側壁などの用語で表現され得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0057】
側部152は、底部151に一体化され得る。例えば、底部151と側部152は、一つの胴体に一体化され得、これにより、底部151上には、側部152によって取り囲まれる収容空間150sが設けられ得る。したがって、底部151と側部152は、一側が開口された箱形状を有することができる。
【0058】
側部152は、連結部材140を介して、振動部材110の第2面に連結されるか、または結合され得る。例えば、側部152は、連結部材140を介して、振動部材110の第2面の縁部分と連結されるか、または結合され得る。
【0059】
本願発明の一実施例によれば、ハウジング150が側部152を含むとき、連結部材140は、ハウジング150の側部152と振動部材110の突出部111との間に配置され得る。例えば、連結部材140は、ハウジング150の側部152の一端と突出部111の一端を連結させ、または連結させことができる。
【0060】
本願発明の一実施例によれば、ハウジング150と振動部材110との間に配置された連結部材140は、振動部材110の振動がハウジング150に伝達されることを最小限に抑えるか、または防止するように構成され得る。連結部材140は、振動の遮断に適合した材料特性を含むことができる。例えば、連結部材140は、振動吸収(または衝撃吸収)のために弾性を有する材質を含むことができる。本願発明の一実施例に係る連結部材140は、ポリウレタン、ポリオレフィン材質で構成され得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。本願発明の一実施例に係る連結部材140は、両面ポリウレタンテープ、両面ポリウレタンフォームテープ、および両面クッション(sponge)テープのうちの1つ以上を含むことができる。
【0061】
本願発明の一実施例に係る連結部材140は、振動部材110の振動が、ハウジング150に伝達されるのを最小化するか、または防止することができる厚さを有することができる。連結部材140は、厚さと弾性によって振動部材110の振動を吸収することによって、振動部材110の振動が、ハウジング150に伝達されるのを最小限に抑えるか、または防止することができる。連結部材140は、振動部材110とハウジング150との間の物理的接触(または摩擦)を防止し、それによって振動部材110とハウジング150との間の物理的接触(または摩擦)による騒音(またはノイズ)の発生を防止することができる。例えば、連結部材140は、緩衝部材、弾性部材、ダンピング部材、振動吸収部材、または振動遮断部材などの用語で表現され得る、これらに限定されるものではない。
【0062】
本願発明の一実施例に係る1つ以上の振動素子131は、音響処理回路から提供される振動駆動信号(または音響信号)によって振動して、振動部材110を振動させて音響を発生させ、または出力することができる。振動部材110の振動によって発生される音響は、振動部材110の様々な固有振動数を有する振動によって音圧特性が増加され、再生音域帯域が拡大され得る。
【0063】
本願発明の一実施例に係る装置(または音響装置)10の振動部材110は、突出部111をさらに含むことで、装置(または音響装置)10の音響出力特性が改善され得、具体的にはディップ(dip)現象を改善することができ、音響特性を向上させることができる。ディップ現象は、特定の周波数の発生が抑制されることで、低音圧が発生する現象である。ディップ現象によって装置(または音響装置)10の音響出力特性が低下し得る。
【0064】
図3は、図1に示す線A-A’についての他の断面図である。図3は、本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)を示す図であり、これは図2のハウジングの構造を変更したものである。したがって、以下では、ハウジングとそれに関連された構成を除いて、残りの構成に対する重複する説明は省略することができる。
【0065】
図3を参照すると、ハウジング150は、側部152の内側に形成された第2溝部153をさらに含むことができ、ハウジング150の第2溝部153は、振動部材110の突出部111を収容して固定させることができる。そして、本願発明の一実施例によれば、連結部材140は、振動部材110の第1面とハウジング150の第2溝部153との間の第1連結部材141と、および突出部111とハウジング150の第2溝部153との間の第2連結部材143を含むことができる。本願発明の一実施例によれば、第1および第2連結部材141、143は、連結部材140と同じ物質を含むことができる。例えば、第2溝部153は、溝部、第1溝部、凹部または第1凹部などの用語で表現され得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0066】
本願発明の一例によれば、振動部材110は、第2溝部153によって固定されるか、または第2溝部153に挿入され得る。例えば、振動部材110の両端が第2溝部153によって固定されるので、振動部材110の両端で反射波を相殺することができ、それによって定在波による音響特性のピーク(peak)現象やディップ(dip)現象を低減することができ、低音域帯の音響特性が向上され得る。ピーク現象は、特定の周波数で音圧が飛ぶ現象であり、ディップ現象は、特定の周波数の発生が抑制されて低音圧が発生する現象である。ピーク現象またはディップ現象によって音響装置の音響出力特性が低下し得る。具体的には、本願発明の他の実施例に係る音響装置は、低音域帯の音響特性が向上され得、中音域帯のディップ現象および高音域帯のピーク現象が改善され得る。ここで、低音域帯は、500Hz以下の周波数範囲であり得、中音域帯は、500~2000Hzの周波数範囲であり得、高音域帯は、2000Hz~20000Hzの周波数範囲であり得る。ただ、本願発明の実施例に係る中音域帯、中高音域帯の周波数範囲がこれに限定されるものではない。
【0067】
図4は、本願発明の一実施例に係る振動素子を示す図であり、図5は、図4に示した線B-B’の断面図であり、図6は、図5に示した圧電振動部を示す斜視図である。図4図6は、図1および図3のうちの1つ以上に図示された振動素子の他の実施例を示す図面である。
【0068】
図4図6を参照すると、本願発明の一実施例に係る振動素子131は、フレキシブル振動構造物、フレキシブル振動器、フレキシブル振動発生素子、フレキシブル振動発生器、フレキシブル音響器、フレキシブル音響素子、フレキシブル音響発生素子、フレキシブル音響発生器、フレキシブルアクチュエータ、フレキシブルスピーカー、フレキシブル圧電スピーカー、フィルムアクチュエータ、フィルム型圧電複合体アクチュエータ、フィルムスピーカー、フィルム型圧電スピーカー、またはフィルム型圧電複合体スピーカーなどで表現され得、これらに限定されるものではない。
【0069】
本願発明の一実施例に係る振動素子131は、圧電振動部131a、第1電極部131b、および第2電極部131cを有する振動発生部を含むことができる。
【0070】
圧電振動部131aは、圧電効果を含む圧電物質(または電気活性物質)を含むことができる。例えば、圧電物質は、外力によって結晶構造に圧力またはねじれ現象が作用しながら陽(+)イオンと陰(-)イオンの相対的な位置の変化による誘電分極によって電位差が発生され、逆に印加される電圧による電界によって振動が発生される特性を有することができる。例えば、圧電振動部131aは、振動層、圧電層、圧電物質層、電気活性層、圧電振動部、圧電物質部、電気活性部、圧電構造物、圧電複合層、圧電複合体、または圧電セラミック複合体などの他の用語で表現され得、これらに限定されるものではない。圧電振動部131aは、透明、半透明、または不透明な圧電物質からなり得るので、透明、半透明、または不透明になることがある。
【0071】
本願発明の一実施例に係る圧電振動部131aは、複数の第1部分131a1および複数の第2部分131a2を含むことができる。例えば、複数の第1部分131a1および複数の第2部分131a2は、第1方向(X)(または第2方向(Y))に沿って交互に繰り返して配置され得る。例えば、第1方向(X)は、圧電振動部131aの横方向であり、第2方向(Y)は、第1方向(X)と交差する圧電振動部131aの縦方向であり得、本願発明の実施例はこれに限定されず、第1方向(X)は、圧電振動部131aの縦方向であり得、第2方向(Y)は、圧電振動部131aの横方向であり得る。
【0072】
複数の第1部分131a1のそれぞれは、無機物質部で構成され得る。無機物質部は、圧電効果を含む圧電物質、複合圧電物質、または電気活性物質を含むことができる。
【0073】
複数の第1部分131a1のそれぞれは、相対的に高い振動の実現が可能なセラミック系の物質で構成するか、またはペロブスカイト(perovskite)結晶構造を有する圧電セラミックで構成され得る。ペロブスカイト結晶構造は、圧電および逆圧電効果を有し、配向性を有する板状の構造であり得る。ペロブスカイト結晶構造は、ABOの化学式で表現され、Aサイトは、2価の金属元素からなり、Bサイトは、4価の金属元素からなることができる。本願発明の一実施例として、ABOの化学式で、AサイトおよびBサイトは、カチオンであり得、Oは,アニオンであり得る。例えば、複数の第1部分131a1のそれぞれは、PbTiO、PbZrO、PbZrTiO、BaTiO、およびSrTiOのうちの少なくとも1つ以上を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0074】
本願発明の一実施例に係る圧電振動部131aの第1部分131a1は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、およびチタン(Ti)を含むPZT(lead zirconate titanate)系物質、または鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むPZNN(lead zirconate nickel niobate)系物質を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。または、圧電振動部131aの第1部分131a1は、鉛(Pb)を含まないCaTiO、BaTiO、およびSrTiOのうちの少なくとも1つ以上を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0075】
本願発明の一実施例に係る複数の第1部分131a1のそれぞれは、複数の第2部分131a2の間に配置され、第1方向(X)(または第2方向(Y))と平行な第1幅(W1)を有しながら、第2方向(Y)(または第1方向(X))と平行な長さを有することができる。複数の第2部分131a2のそれぞれは、第1方向(X)(または第2方向(Y))と平行な第2幅(W2)を有しながら、第2方向(Y)(または第1方向(X))と平行な長さを有することができる。第1幅(W1)は、第2幅(W2)と同一または異なり得る。例えば、第1幅(W1)は、第2幅(W2)よりも大きいことがあり得る。例えば、第1部分131a1と第2部分131a2は、互いに同一または異なる大きさを有するライン形状またはストライプ形状を含むことができる。したがって、圧電振動部131aは、2-2振動モードの圧電特性を有する2-2複合体(composite)構造を有することにより、20kHz以下の共振周波数を有することができ、本願発明の実施例はこれに限定されない。例えば、圧電振動部131aの共振周波数は、形状、長さ、および厚さなど少なくとも1つ以上に応じて変更され得る。
【0076】
圧電振動部131aで、複数の第1部分131a1と複数の第2部分131a2のそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに並んで配置(または配列)され得る。複数の第2部分131a2のそれぞれは、隣接する2つの第1部分131a1の間のギャップを埋めるように構成されることによって、隣接する第1部分131a1と連結されるか、または接着され得る。これにより、圧電振動部131aは、第1部分131a1と第2部分131a2の側面結合(または連結)によって所望の大きさまたは長さに拡張され得る。
【0077】
圧電振動部131aで、複数の第2部分131a2のそれぞれの幅(W2)は、圧電振動部131aまたは振動素子131の中間部分から両縁部分(または両先端)の方にいくほど段々に減少することができる。
【0078】
本願発明の一実施例によれば、複数の第2部分131a2のうちで、最も大きな幅(W2)を有する第2部分131a2は、圧電振動部131aまたは振動素子131が上下方向(Z)(または厚さ方向)に振動するとき、最も大きな応力が集中する部分に位置することができる。複数の第2部分131a2のうちで、最も小さい幅(W2)を有する第2部分131a2は、圧電振動部131aまたは振動素子131が上下方向(Z)に振動するとき、相対的に最も小さな応力が発生する部分に位置することができる。例えば、複数の第2部分131a2のうちで、最も大きな幅(W2)を有する第2部分131a2は、圧電振動部131aの中間部分に配置され、複数の第2部分131a2のうちで、最も小さい幅(W2)を有する第2部分131a2は、圧電振動部131aの両縁部分に配置され得る。これにより、圧電振動部131aまたは振動素子131が上下方向(Z)に振動するとき、最も大きな応力が集中する部分で発生される音波の干渉または共振周波数の重畳が最小限に抑えられ得、これにより、低音域帯で発生され音圧の低下(dipping)現象が改善され得、低音域帯で音響特性の平坦度が改善され得る。
【0079】
圧電振動部131aで、複数の第1部分131a1のそれぞれは、互いに異なる大きさ(または幅)を有することができる。例えば、複数の第1部分131a1のそれぞれの大きさ(または幅)は、圧電振動部131aまたは振動素子131の中間部分から両縁部分(または両先端)の方にいくほど段々に減少するか、または増加することができる。これにより、圧電振動部131aは、互いに異なる大きさを有する複数の第1部分131a1のそれぞれの振動による様々な固有振動周波数によって音響の音圧特性が向上され得、音響の再生帯域が拡大され得る。
【0080】
複数の第2部分131a2のそれぞれは、複数の第1部分131a1の間に配置され得る。これにより、圧電振動部131aまたは振動素子131は、第2部分131a2によって第1部分131a1の単位格子内のリンクによる振動エネルギーが増加されることができるので、振動特性が増加することができ、圧電特性と柔軟性が確保され得る。例えば、第2部分131a2は、エポキシ系ポリマー、アクリル系ポリマー、およびシリコーン系ポリマーのうちの1つ以上であり得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0081】
本願発明の一実施例に係る複数の第2部分131a2のそれぞれは、有機物質部で構成され得る。例えば、有機物質部は、無機物質部の間に配置されることによって、無機物質部(または第1部分)に印加される衝撃を吸収することができ、無機物質部に集中されストレスをリリーシング(releasing)して、圧電振動部131aまたは振動素子131の耐久性を向上させることができ、また、圧電振動部131aまたは振動素子131に柔軟性を提供することができる。
【0082】
本願発明の一実施例に係る第2部分131a2は、第1部分131a1と比較して、低いモジュラス(modulus)(またはヤング率)と粘弾性を有することができ、これにより、第1部分131a1の脆性特性により衝撃に弱い第1部分131a1の信頼性を向上させることができる。例えば、第2部分131a2は、0.01~1の損失係数と0.1~10[GPa]のモジュラスを有する物質で構成され得る。
【0083】
第2部分131a2に構成される有機物質部は、第1部分131a1である無機物質部と比較して、柔軟な特性を有する有機物質、有機ポリマー、有機圧電物質、または有機非圧電物質を含むことができる。例えば、第2部分131a2は、柔軟性を有する接着部、伸縮部、曲げ部、ダンピング部、または軟性部などで表現され得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0084】
本願発明の実施例に係る圧電振動部131aは、複数の第1部分131a1と第2部分131a2が同一平面上に配置(または連結)されることによって、単一の薄いフィルムの形状を有することができる。例えば、圧電振動部131aは、複数の第1部分131a1が一側に連結された構造を有することができる。例えば、複数の第1部分131a1は、圧電振動部131aの全体で連結された構造を有することができる。例えば、圧電振動部131aは、振動特性を有する第1部分131a1によって上下方向に振動することができ、柔軟性を有する第2部分131a2によって曲面形状に曲がることができる。そして、本願発明の実施例に係る圧電振動部131aにおいて、第1部分131a1の大きさおよび第2部分131a2の大きさは、圧電振動部131aまたは振動素子131に要求される圧電特性および柔軟性によって設定され得る。本願発明の一実施例として、柔軟性より圧電特性を要求する圧電振動部131aの場合、第1部分131a1の大きさは、第2部分131a2の大きさよりも大きく構成され得る。本願発明の他の実施例として、圧電特性よりも柔軟性を要求する圧電振動部131aの場合、第2部分131a2の大きさは、第1部分131a1の大きさよりも大きく構成され得る。したがって、圧電振動部131aの大きさが要求される特性によって調節され得るので、圧電振動部131aの設計が容易であるという長所がある。
【0085】
第1電極部131bは、圧電振動部131aの第1面(または上面)に配置され得る。第1電極部131bは、複数の第1部分131a1のそれぞれの第1面と複数の第2部分131a2のそれぞれの第1面に共通して配置されるか、または結合され得、複数の第1部分131a1のそれぞれの第1面と電気的に連結され得る。例えば、第1電極部131bは、圧電振動部131aの第1面の全体に配置された単一電極の形状を有することができる。例えば、第1電極部131bは、圧電振動部131aと実質的に同一の形状を有することができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0086】
本願発明の一実施例に係る第1電極部131bは、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、透明または半透明の導電性物質は、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。不透明導電性物質は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、またはマグネシウム(Mg)などを含むか、またはこれらの合金からなり得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0087】
第2電極部131cは、圧電振動部131aの第1面とは異なる(または反対の)第2面(または背面)上に配置され得る。第2電極部131cは、複数の第1部分131a1のそれぞれの第2面と、複数の第2部分131a2のそれぞれの第2面に共通して配置されるか、または結合され得、複数の第1部分131a1のそれぞれの第2面と電気的に連結され得る。例えば、第2電極部131cは、圧電振動部131aの第2面全体に配置された単一電極の形状を有することができる。例えば、第2電極部131cは、圧電振動部131aと同一の形状を有することができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。本願発明の一実施例に係る第2電極部131cは、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、第2電極部131cは、第1電極部131bと同一の物質からなり得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。 本願発明の他の実施例として、第2電極部131cは、第1電極部131bと異なる物質で構成され得る。
【0088】
圧電振動部131aは、一定の温度雰囲気または高温から常温に変化される温度雰囲気で、第1電極部131bと第2電極部131cに印加される一定の電圧によって分極化(poling)され得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、圧電振動部131aは、外部から第1電極部131bと第2電極部131cに印加される音響信号(またはボイス信号)による逆圧電効果により収縮および/または膨張を交互に繰り返すことにより、振動することができる。例えば、圧電振動部131aは、第1電極部131bと第2電極部131cに印加される音響信号によって垂直方向の振動および平面方向の振動により振動することができる。圧電振動部131aは、平面方向の収縮および膨張によって振動部材(または振動板、または振動対象物)の変位を増加させることができ、これにより振動部材の振動をさらに向上させることができる。
【0089】
本願発明の一実施例に係る振動素子131は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eをさらに含むことができる。
【0090】
第1カバー部材131dは、振動素子131の第1面に配置され得る。例えば、第1カバー部材131dは、第1電極部131bを覆うように構成され得る。したがって、第1カバー部材131dは、第1電極部131bを保護することができる。
【0091】
第2カバー部材131eは、振動素子131の第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材131eは、第2電極部131cを覆うように構成され得る。したがって、第2カバー部材131eは、第2電極部131cを保護することができる。
【0092】
本願発明の一実施例に係る第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、プラスチック、繊維、および木材のうちの1つ以上の材質を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、同一または異なる材質を含むことができる。例えば、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、ポリイミドフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルムであり得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0093】
本願発明の一実施例に係る第1カバー部材131dは、第1接着層131fを介して、第1電極部131bに連結されるか、または結合され得る。例えば、第1カバー部材131dは、第1接着層131fを媒介とするフィルムラミネート工程により、第1電極部131bに連結されるか、または結合され得る。
【0094】
本願発明の一実施例に係る第2カバー部材131eは、第2接着層131gを介して、第2電極部131cに連結されるか、または結合され得る。例えば、第2カバー部材131eは、第2接着層131gを媒介とするフィルムラミネート工程により、第2電極部131cに連結されるか、または結合され得る。
【0095】
第1接着層131fは、第1電極部131bと第1カバー部材131dとの間に配置され得る。第2接着層131gは、第2電極部131cと第2カバー部材131eとの間に配置され得る。例えば、第1接着層131fと第2接着層131gは、圧電振動部131aと第1電極部131bおよび第2電極部131cを完全に取り囲むように、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eとの間に構成され得る。例えば、圧電振動部131aと第1電極部131bおよび第2電極部131cは、第1接着層131fと第2接着層131gとの間に埋め込まれるか、または内蔵され得る。
【0096】
本願発明の実施例に係る第1接着層131fと第2接着層131gのそれぞれは、接着性を有しながら圧縮と復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、第1接着層131fと第2接着層131gのそれぞれは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、またはウレタン樹脂を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0097】
本願発明の一実施例によれば、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかは、接着部材を介して振動部材(または振動板、または振動対象物)に付着されるか、または結合され得る。例えば、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかは、図1図3を参照して説明したように、接着部材120を介して振動部材110に付着されるか、または結合され得る。
【0098】
本願発明の一実施例に係る振動素子131は、第1カバー部材131dに配置された第1電源供給ライン(PL1)、第2カバー部材131eに配置された第2電源ライン(PL2)、および第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)に電気的に連結されたパッド部131pをさらに含むことができる。
【0099】
第1電源供給ライン(PL1)は、第1電極部131bと第1カバー部材131dとの間に配置され、第1電極部131bと電気的に連結され得る。第1電源供給ライン(PL1)は、第2方向(Y)に沿って長く延長され、第1電極部131bの中央部分と電気的に連結され得る。一実施例として、第1電源供給ライン(PL1)は、異方性導電フィルムを媒介として、第1電極部131bと電気的に連結され得る。他の実施例として、第1電源供給ライン(PL1)は、第1接着層131fに含有された導電性物質(または粒子)を介して第1電極部131bと電気的に連結され得る。
【0100】
第2電源供給ライン(PL2)は、第2電極部131cと第2カバー部材131eとの間に配置され、第2電極部131cと電気的に連結され得る。第2電源供給ライン(PL2)は、第2方向(Y)に沿って長く延長され、第2電極部131cの中央部分と電気的に連結され得る。一実施例として、第2電源供給ライン(PL2)は、異方性導電フィルムを媒介として、第2電極部131cと電気的に連結され得る。他の実施例として、第2電源供給ライン(PL2)は、第2接着層131gに含有された導電性物質(または粒子)を介して第2電極部131cと電気的に連結され得る。
【0101】
パッド部131pは、第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)のそれぞれの一側(または一端)と電気的に連結されるように、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかの一側の縁部分に構成され得る。
【0102】
本願発明の一実施例に係るパッド部131pは、第1電源供給ライン(PL1)の一端と電気的に連結された第1パッド電極、および第2電源供給ライン(PL2)の一端と電気的に連結された第2パッド電極を含むことができる。
【0103】
第1パッド電極は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかの一側の縁部分に配置され、第1電源供給ライン(PL1)の一端に連結され得る。例えば、第1パッド電極は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかを貫通して第1電源供給ライン(PL1)の一端と電気的に連結され得る。
【0104】
第2パッド電極は、第1パッド電極と並んで配置され、第2電源供給ライン(PL2)の一端に連結され得る。例えば、第2パッド電極は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかを貫通して第2電源供給ライン(PL2)の一端と電気的に連結され得る。
【0105】
本願発明の一実施例によれば、第1電源供給ライン(PL1)、第2電源供給ライン(PL2)、およびパッド部131pのそれぞれは、透明、半透明、または不透明になるように構成され得る。
【0106】
本願発明の一実施例に係るパッド部131pは、信号ケーブル132と電気的に連結され得る。
【0107】
信号ケーブル132は、振動素子131に配置されたパッド部131pと電気的に連結され、音響処理回路から提供される振動駆動信号(または音響信号)を振動素子131に供給することができる。本願発明の一実施例に係る信号ケーブル132は、パッド部131pの第1パッド電極と電気的に連結された第1端子、およびパッド部131pの第2パッド電極と電気的に連結された第2端子を含むことができる。例えば、信号ケーブル132は、フレキシブルプリント回路ケーブル、フレキシブルフラットケーブル、片面フレキシブルプリント回路、片面フレキシブルプリント回路ボード、フレキシブル多層プリント回路、またはフレキシブル多層プリント回路ボードで構成され得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0108】
音響処理回路は、外部の音響データ生成回路部から供給される音響データに基づいて、第1振動駆動信号および第2振動駆動信号を含む交流形の振動駆動信号を生成することができる。第1振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号のうちのいずれかであり、第2振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号のうちのいずれかであり得る。例えば、第1振動駆動信号は、信号ケーブル132の第1端子とパッド部131pの第1パッド電極および第1電源供給ライン(PL1)を介して、第1電極部131bに供給され得る。第2振動駆動信号は、信号ケーブル132の第2端子とパッド部131pの第2パッド電極および第2電源供給ライン(PL2)を介して、第2電極部131cに供給され得る。
【0109】
本願発明の一実施例に係ると、信号ケーブル132は、透明、半透明、または不透明になるように構成され得る。
【0110】
このような、本願発明の一実施例に係る振動素子131は、圧電特性を有する第1部分131a1と柔軟性を有する第2部分131a2が交互に繰り返し連結されることにより、薄いフィルム形状に実現され得る。これにより、振動部材または振動対象物の形状に対応される形状に曲げることができる。例えば、振動素子131が接着部材を介して、様々な曲面部を含む振動部材に連結されるか、または結合されるとき、振動素子131は、振動部材110の曲面部の形状に沿って曲面形状に曲げられ得、曲面形状に曲げられても損傷または破損等の信頼性が低下しない。
【0111】
図7A図7Dは、本願発明の一実施例に係る振動素子において、他の実施例に係る振動部を示す斜視図である。
【0112】
図7Aを参照すると、本願発明の他の実施例に係る圧電振動部131aは、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔された複数の第1部分131a1、および複数の第1部分131a1の間に配置された第2部分131a2を含むことができる。
【0113】
複数の第1部分131a1のそれぞれは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って互いに離隔されるように配置され得る。例えば、複数の第1部分131a1それぞれは、互いに同じ大きさを有する六面体の形状を有しながら格子の形状に配置され得る。複数の第1部分131a1のそれぞれは、図4図6を参照して説明した第1部分131a1と実質的に同一の圧電物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0114】
第2部分131a2は、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って複数の第1部分131a1間に配置され得る。第2部分131a2は、隣接した2つの第1部分131a1間のギャップを埋めるか、複数の第1部分131a1のそれぞれを取り囲むように構成されることによって、隣接した第1部分131a1と連結されるか、または接着され得る。本願発明の一実施例に係ると、第1方向(X)に沿って隣接した2つの第1部分131a1間に配置された第2部分131a2の幅は、第1部分131a1の幅と同じか、または異なっていて、第2方向(Y)に沿って隣接する2つの第1部分131a1間に配置された第2部分131a2の幅は、第1部分131a1の幅と同じか、または異なることができる。第2部分131a2は、図4図6を参照して説明した第2部分131a2と実質的に同一の有機物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0115】
このような、本願発明の他の実施例に係る圧電振動部131aは、1-3振動モードの圧電特性を有する1-3複合体の構造を含むことにより、30MHz以下の共振周波数を有することができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、圧電振動部131aの共振周波数は、形状、長さ、および厚さなど少なくとも1つ以上に応じて変更され得る。
【0116】
図7Bを参照すると、本願発明の他の実施例に係る圧電振動部131aは、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔された複数の第1部分131a1、および複数の第1部分131a1の間に配置された第2部分131a2を含むことができる。
【0117】
複数の第1部分131a1のそれぞれは、円の形状の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分131a1のそれぞれは、円板の形状を有することができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、複数の第1部分131a1のそれぞれは、楕円形状、多角形状、またはドーナツ形状などを含む点形状を有することができる。複数の第1部分131a1のそれぞれは、図4図6を参照して説明した第1部分131a1と実質的に同一の圧電物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0118】
第2部分131a2は、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って複数の第1部分131a1間に配置され得る。第2部分131a2は、複数の第1部分131a1のそれぞれを取り囲むように構成されることによって、複数の第1部分131a1のそれぞれの側面と連結されるか、または接着され得る。複数の第1部分131a1と第2部分131a2のそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに並んで配置(または配列)され得る。例えば、第2部分131a2は、図4図6を参照して説明した第2部分131a2と実質的に同一の有機物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0119】
図7Cを参照すると、本願発明の他の実施例に係る振動素子131で、圧電振動部131aは、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔された複数の第1部分131a1、および複数の第1部分131a1の間に配置された第2部分131a2を含むことができる。
【0120】
複数の第1部分131a1のそれぞれは、三角形の形状の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分131a1のそれぞれは、三角板の形状を有することができる。複数の第1部分131a1のそれぞれは、図4図6を参照して説明した第1部分131a1と実質的に同一の圧電物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0121】
本願発明の一実施例によれば、複数の第1部分131a1のうちの隣接した4つの第1部分131a1は、四角形の形状(または正方形の形状)をなすように隣接して配置され得る。四角形の形状をなす隣接した4つの第1部分131a1のそれぞれの頂点は、四角形の形状(または正方形の形状)の中央部に隣接して配置され得る。
【0122】
第2部分131a2は、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って複数の第1部分131a1間に配置され得る。第2部分131a2は、複数の第1部分131a1のそれぞれを取り囲むように構成されることによって、複数の第1部分131a1のそれぞれの側面と連結されるか、または接着され得る。複数の第1部分131a1と第2部分131a2のそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに並んで配置(または配列)され得る。例えば、第2部分131a2は、図4図6を参照して説明した第2部分131a2と実質的に同一の有機物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0123】
図7Dを参照すると、本願発明の他の実施例に係る振動素子131で、圧電振動部131aは、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔された複数の第1部分131a1、および複数の第1部分131a1の間に配置された第2部分131a2を含むことができる。
【0124】
複数の第1部分131a1のそれぞれは、三角形の形状の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分131a1のそれぞれは、三角板の形状を有することができる。複数の第1部分131a1のそれぞれは、図4図6を参照して説明した第1部分131a1と実質的に同一の圧電物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0125】
本願発明の一実施例によれば、複数の第1部分131a1のうちの隣接した6つの第1部分131a1は、六角形の形状(または正六角形の形状)をなすように隣接して配置され得る。六角形の形状をなす隣接した6つの第1部分131a1のそれぞれの頂点は、六角形の形状(または正六角形の形状)の中央部に隣接して配置され得る。
【0126】
第2部分131a2は、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って複数の第1部分131a1間に配置され得る。第2部分131a2は、複数の第1部分131a1のそれぞれを取り囲むように構成されることによって、複数の第1部分131a1のそれぞれの側面と連結されるか、または接着され得る。複数の第1部分131a1と第2部分131a2のそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに並んで配置(または配列)され得る。例えば、第2部分131a2は、図4図6を参照して説明した第2部分131a2と実質的に有機物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0127】
図8は、本願発明の他の実施例に係る振動素子を示す図であり、図9は、図8に示した線C-C’の断面図である。図8および図9は、図1図3のうちの1つ以上に図示された振動素子の他の実施例を示す図面である。
【0128】
図8および図9を参照すると、本願発明の他の実施例に係る振動素子131は、第1および第2振動発生部131-1、131-2を含むことができる。
【0129】
第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、第1方向(X)に沿って互いに離隔しながら電気的に分離配置され得る。第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、圧電効果によって収縮と膨張を交互にまたは繰り返すことにより、振動することができる。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2は、第1方向(X)に沿って一定の間隔(SD1)で配置されるか、またはタイリングされ得る。これにより、第1および第2振動発生部131-1、131-2がタイリングされた振動素子131は、振動アレイ、振動アレイ部、振動モジュールアレイ部、振動アレイ構造物、タイリング振動アレイ、タイリング振動アレイモジュール、またはタイリング振動フィルムであり得る。
【0130】
本願発明の実施例に係る第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、四角形の形状を有することができる。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、5cm以上の幅を有する四角形の形状を有することができる。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、5cm×5cm以上の大きさを有する正方形の形状を有することができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0131】
第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、同一平面上に配置されるか、またはタイリングされることにより、振動素子131は、相対的小さい大きさを有する第1および第2振動発生部131-1、131-2のタイリングによって大面積化され得る。
【0132】
第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、一定の間隔で配置されるか、またはタイリングされることによって、独立して駆動せず、完全な1つの単一体の形態で駆動される1つの振動装置(または単一振動装置)として実現され得る。一実施例に係ると、第1方向(X)を基準に、第1および第2振動発生部131-1、131-2の間の第1離隔距離(または第1距離、または第1間隔)(SD1)は、0.1mm以上3cm未満であり得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0133】
本願発明の一実施例によれば、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、0.1mm以上3cm未満の離隔距離(または間隔)(SD1)を有するように配置されるか、またはタイリングされることにより、1つの振動装置として駆動され得、第1および第2振動発生部131-1、131-2の単一体振動に連動されて発生される音響の再生帯域および音響の音圧特性のそれぞれが増加され得る。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2の単一体振動に連動されて発生される音響の再生帯域を増加させ、低音域帯音響、例えば、500Hz以下での音圧特性を増加させるために、第1および第2振動発生部131-1、131-2は、0.1mm以上5mm未満の間隔(SD1)で配置され得る。
【0134】
本願発明の一実施例によれば、第1および第2振動発生部131-1、131-2が0.1mm未満の間隔(SD1)、または間隔(SD1)なしに配置されるとき、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの振動時、互いの間の物理的な接触によるクラックの発生または破損によって、第1および第2振動発生部131-1、131-2または振動素子131の信頼性が低下され得る。
【0135】
本願発明の一実施例によれば、第1および第2振動発生部131-1、131-2が3cm以上の間隔(SD1)で配置されるとき、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの独立した振動によって、第1および第2振動発生部131-1、131-2が1つの振動装置として駆動されないことがあり得る。これにより、第1および第2振動発生部131-1、131-2の振動によって発生される音響の再生帯域および音響の音圧特性が低下され得る。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2が3cm以上の間隔(SD1)で配置されるとき、低音域帯、例えば、500Hz以下での音響特性と音圧特性のそれぞれが低下され得る。
【0136】
本願発明の一実施例によれば、第1および第2振動発生部131-1、131-2が5mmの間隔(SD1)で配置されるとき、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれが1つの振動装置として駆動されないため、低音域帯、例えば、200Hz以下で音響特性と音圧特性のそれぞれが低下され得る。
【0137】
本願発明の他の実施例に係ると、第1および第2振動発生部131-1、131-2が1mmの間隔(SD1)で配置されるとき、第1および第2振動発生部131-1、131-2が1つの振動装置として振動されることにより、音響の再生帯域が増加して低音域帯の音響、例えば、500Hz以下での音圧特性が増加され得る。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2が1mmの間隔(SD1)で配置されるとき、振動素子131は、第1および第2振動発生部131-1、131-2間の離隔距離が最適化されることによる大面積化された振動体で実現され得る。これにより、第1および第2振動発生部131-1、131-2の単一体振動による大面積の振動体として駆動することができ、これにより、振動素子131の大面積の振動に連動されて発生される音響の再生帯域と低音域帯の音響特性および音圧特性のそれぞれが増加されるが、または向上され得る。
【0138】
したがって、第1および第2振動発生部131-1、131-2の単一体振動(または1つの振動装置)を実現するために、第1および第2振動発生部131-1、131-2間の離隔距離(SD1)は、0.1mm以上3cm未満に設定され得る。また、第1および第2振動発生部131-1、131-2の単一体振動(または1つの振動装置)を実現して、低音域帯の音響の音圧特性を増加させるために、第1および第2振動発生部131-1、131-2間の第1離隔距離(SD1)は、0.1mm以上5mm未満に設定され得る。
【0139】
本願発明の一実施例に係る第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、圧電振動部131a、第1電極部131b、および第2電極部131cを含むことができる。
【0140】
第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの圧電振動部131aは、圧電効果を含む圧電物質(または電気活性物質)を含むことができる。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの圧電振動部131aは、図6、および図7A図7Dを参照して説明した圧電振動部131aのうちのいずれかと実質的に同様に構成されるので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0141】
本願発明の一実施例によれば、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、図6、および図7A図7Dを参照して説明した圧電振動部131aのうちのいずれかの圧電振動部131aを含むか、または互いに異なる圧電振動部131aを含むことができる。
【0142】
第1電極部131bは、圧電振動部131aの第1面に配置され、圧電振動部131aの第1面と電気的に連結され得る。第1電極部131bは、図5を参照して説明した第1電極部131bと実質的に同一であるので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0143】
第2電極部131cは、圧電振動部131aの第2面に配置され、圧電振動部131aの第2面と電気的に連結され得る。第2電極部131cは、図5を参照して説明した第2電極部131cと実質的に同一であるので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0144】
本願発明の他の実施例に係る振動素子131は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eをさらに含むことができる。
【0145】
第1カバー部材131dは、振動素子131の第1面に配置され得る。例えば、第1カバー部材131dは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面に配置された第1電極部131bを覆うことにより、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面に共通して連結されるか、または第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面を共通に支持することができる。これにより、第1カバー部材131dは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面または第1電極部131bを保護することができる。
【0146】
第2カバー部材131eは、振動素子131の第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材131eは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面に配置された第2電極部131cを覆うことにより、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面に共通して連結されるか、または第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面を共通に支持することができる。これにより、第2カバー部材131eは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面または第2電極部131cを保護することができる。
【0147】
本願発明の一実施例に係る第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、プラスチック、繊維、および木材のうちの1つ以上を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、互いに同一または異なる材質を含むことができる。例えば、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、ポリイミドフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルムであり得、これに限定されるものではない。
【0148】
本願発明の一実施例に係る第1カバー部材131dは、第1接着層131fを介して、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面に配置され得る。例えば、第1カバー部材131dは、第1接着層131fを媒介とするフィルムラミネート工程により、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面に直接に配置され得る。したがって、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、一定の間隔(SD1)を有するように、第1カバー部材131dに一体化(または配置)されるか、またはタイリングされ得る。
【0149】
本願発明の一実施例に係る第2カバー部材131eは、第2接着層131gを介して、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材131eは、第2接着層131gを媒介とするフィルムラミネート工程により、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面に直接に配置され得る。したがって、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、一定の間隔(SD1)を有するように、第2カバー部材131eに一体化(または配置)されるか、またはタイリングされ得る。
【0150】
第1接着層131fは、第1および第2振動発生部131-1、131-2の間と、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面に配置され得る。例えば、第1接着層131fは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面と向き合う第1カバー部材131dの背面(または内部面)に形成されて、第1および第2振動発生部131-1、131-2の間に充填され、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面と第1カバー部材131dとの間に配置され得る。
【0151】
第2接着層131gは、第1および第2振動発生部131-1、131-2の間と、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面に配置され得る。例えば、第2接着層131gは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面と向き合う第2カバー部材131eの前面(または内部面)に形成されて、第1および第2振動発生部131-1、131-2の間に充填され、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面と第2カバー部材131eとの間に配置され得る。
【0152】
第1および第2接着層131f、131gは、第1および第2振動発生部131-1、131-2の間で互いに連結されるか、または結合され得る。これにより、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、第1および第2接着層131f、131gによって取り囲まれ得る。例えば、第1および第2接着層131f、131gは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれを完全に取り囲むように、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eとの間に構成され得る。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、第1接着層131fと第2接着層131gとの間に埋め込まれるか、または内蔵され得る。
【0153】
本願発明の一実施例に係る第1および第2接着層131f、131gのそれぞれは、接着性を有しながら、圧縮と復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、第1および第2接着層131f、131gのそれぞれは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、またはウレタン樹脂を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、第1および第2接着層131f、131gのそれぞれは、透明、半透明、または不透明になるように構成され得る。
【0154】
本願発明の他の実施例に係る振動素子131は、第1カバー部材131dに配置された第1電源供給ライン(PL1)、第2カバー部材131eに配置された第2電源ライン(PL2)、および第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)に電気的に連結されたパッド部131pをさらに含むことができる。
【0155】
第1電源供給ライン(PL1)は、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面と向き合う第1カバー部材131dの背面に配置され得る。第1電源供給ライン(PL1)は、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1電極部131bと電気的に連結され得る。例えば、第1電源供給ライン(PL1)は、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1電極部131bと直接に配置され得る。一実施例として、第1電源供給ライン(PL1)は、異方性導電フィルムを媒介として、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1電極部131bと電気的に連結され得る。他の実施例として、第1電源供給ライン(PL1)は、第1接着層131fに含有された導電性物質(または粒子)を介して第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1電極部131bと電気的に連結され得る。
【0156】
本願発明の一実施例に係る第1電源供給ライン(PL1)は、第2方向(Y)に沿って配置された第1および第2上部電源ライン(PL11、PL12)を含むことができる。例えば、第1上部電源ライン(PL11)は、第1振動発生部131-1の第1電極部131bと連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。第2上部電源ライン(PL12)は、第2振動発生部131-2の第1電極部131bと連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。
【0157】
第2電源供給ライン(PL2)は、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面と向き合う第2カバー部材131eの前面に配置され得る。第2電源供給ライン(PL2)は、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2電極部131cと電気的に連結され得る。例えば、第2電源供給ライン(PL2)は、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2電極部131cと直接に配置され得る。一実施例として、第2電源供給ライン(PL2)は、異方性導電フィルムを媒介として、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2電極部131cと電気的に連結され得る。他の実施例として、第2電源供給ライン(PL2)は、第2接着層131gに含有された導電性物質(または粒子)を介して第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2電極部131cと電気的に連結され得る。
【0158】
本願発明の一実施例に係る第2電源供給ライン(PL2)は、第2方向(Y)に沿って配置された第1および第2下部電源ライン(PL21、PL22)を含むことができる。第1下部電源ライン(PL21)は、第1振動発生部131-1の第2電極部131cと連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。例えば、第1下部電源ライン(PL21)は、第1上部電源ライン(PL11)と重畳され得る。例えば、第1下部電源供給ライン(PL21)は、第1上部電源供給ライン(PL11)と重畳されないことがあり得る。第2下部電源ライン(PL22)は、第2振動発生部131-2の第2電極部131cと連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。例えば、第2下部電源ライン(PL22)は、第2上部電源ライン(PL12)と重畳され得る。例えば、第2下部電源供給ライン(PL22)は、第2上部電源供給ライン(PL12)と重畳されないことがあり得る。
【0159】
パッド部131pは、第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)のそれぞれの一側(または一端)と電気的に連結されるように、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかの一側の縁部分に構成され得る。
【0160】
本願発明の一実施例に係るパッド部131pは、第1電源供給ライン(PL1)の一端と電気的に連結された第1パッド電極、および第2電源供給ライン(PL2)の一端と電気的に連結された第2パッド電極を含むことができる。
【0161】
第1パッド電極は、第1電源供給ライン(PL1)の第1および第2上部電源ライン(PL11、PL12)のそれぞれの一端に共通して連結され得る。例えば、第1および第2上部電源ライン(PL11、PL12)のそれぞれの一端は、第1パッド電極から分岐され得る。第2パッド電極は、第2電源供給ライン(PL2)の第1および第2下部電源ライン(PL21、PL22)のそれぞれの一端に共通して連結され得る。例えば、第1および第2下部電源ライン(PL21、PL22)のそれぞれの一端は、第2パッド電極から分岐され得る。
【0162】
本願発明の他の実施例に係る振動素子131は、信号ケーブル132をさらに含むことができる。
【0163】
信号ケーブル132は、振動素子131に配置されたパッド部131pと電気的に連結され、音響処理回路から提供される振動駆動信号(または音響信号またはボイス信号)を振動素子131に供給することができる。本願発明の一実施例に係る信号ケーブル132は、パッド部131pの第1パッド電極と電気的に連結された第1端子、およびパッド部131pの第2パッド電極と電気的に連結された第2端子を含むことができる。例えば、信号ケーブル132は、フレキシブルプリント回路ケーブル、フレキシブルフラットケーブル、片面フレキシブルプリント回路、片面フレキシブルプリント回路ボード、フレキシブル多層プリント回路、またはフレキシブル多層プリント回路ボードで構成され得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0164】
音響処理回路は、音響データに基づいて、第1振動駆動信号および第2振動駆動信号を含む交流形(AC)の振動駆動信号を生成することができる。第1振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号のうちのいずれかであり、第2振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号のうちのいずれかであり得る。例えば、第1振動駆動信号は、信号ケーブル132の第1端子とパッド部131pの第1パッド電極および第1電源供給ライン(PL1)を介して、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1電極部131bに供給され得る。第2振動駆動信号は、信号ケーブル132の第2端子とパッド部131pの第2パッド電極および第2電源供給ライン(PL2)を介して、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2電極部131cに供給され得る。
【0165】
図10は、本願発明の他の実施例に係る振動素子を示す図である。図10は、図8および図9に示した振動素子に4つの振動発生部を構成したものである。したがって、以下では、4つの振動発生部とそれに関連された構成を除いて、残りの同じ構成についての同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略または簡略にすることができる。図10に示した線C-C’の断面は、図9に示す。
【0166】
図10図9と結び付けると、本願発明の他の実施例に係る振動素子131は、複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4を含むことができる。
【0167】
複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、第1方向(X)および第2方向(Y)それぞれに沿って、互いに離隔しながら電気的に分離配置され得る。例えば、複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれが、同一平面上にi×jの形態で配置されるか、またはタイリングされることにより、振動素子131は、相対的に小さい大きさを有する複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のタイリングにより、大面積化され得る。例えば、iは、第1方向(X)に沿って配置された振動発生部の数で、2以上の自然数であり、jは、第2方向(Y)に沿って配置された振動発生部の数で、iと同じか、または異なる2以上の自然数であり得る。例えば、複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、2×2の形態で配置されるか、またはタイリングすることができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。以下の説明では、振動素子131が、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4を含むものと仮定して説明する。
【0168】
本願発明の一実施例によれば、第1および第2振動発生部131-1、131-2は、第1方向(X)に沿って互いに離隔され得る。第3および第4振動発生部131-3、131-4は、第1方向(X)に沿って互いに離隔しながら第2方向(Y)に沿って、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれから離隔され得る。第1および第3振動発生部131-1、131-3は、互いに向かい合って第2方向(Y)に沿って互いに離隔され得る。第2および第4振動発生部131-2、131-4は、互いに向かい合って第2方向(Y)に沿って互いに離隔され得る。
【0169】
第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4は、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eとの間に配置され得る。例えば、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4を連結するか、または共通して支持することにより、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4を1つの振動装置(または単一の振動装置)として駆動させる役割をすることができる。例えば、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4は、カバー部材131d、131eの間に一定の間隔でタイリングすることによって、1つの振動装置(または単一の振動装置)として駆動され得る。
【0170】
本願発明の一実施例によれば、図8図9を参照して説明したように、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4は、完全な単一体振動または大面積の振動のために、第1方向(X)および第2方向(Y)のそれぞれに沿って0.1mm以上3cm未満の間隔で配置(またはタイリング)され得、より望ましくは0.1mm以上5mm未満の間隔で配置(またはタイリング)され得る。
【0171】
第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、圧電振動部131a、第1電極部131b、および第2電極部131cを含むことができる。
【0172】
第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれの圧電振動部131aは、圧電効果を含む圧電物質(または電気活性物質)を含むことができる。第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれの圧電振動部131aは、図6、および図7A図7Dを参照して説明した圧電振動部131aのうちのいずれかと実質的に同様に構成されるので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0173】
本願発明の一実施例によれば、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、図6、および図7A図7Dを参照して説明した圧電振動部131aのうちのいずれかの圧電振動部131aを含むか、または互いに異なる圧電振動部131aを含むことができる。
【0174】
本願発明の他の実施例によれば、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のうちの1つ以上は、図6、および図7A図7Dを参照して説明した圧電振動部131aのうちの異なる圧電振動部131aを含むことができる。
【0175】
第1電極部131bは、該当する圧電振動部131aの第1面に配置され、圧電振動部131aの第1面と電気的に連結され得る。第1電極部131bは、図5を参照して説明した第1電極部131bと実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0176】
第2電極部131cは、該当する圧電振動部131aの第2面に配置され、圧電振動部131aの第2面と電気的に連結され得る。第2電極部131cは、図5を参照して説明した第2電極部131cと実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0177】
本願発明の一実施例によれば、第1および第2接着層131f、131gは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4の間で互いに連結されるか、または結合され得る。これにより、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、第1および第2接着層131f、131gによって取り囲まれ得る。例えば、第1および第2接着層131f、131gは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれを完全に取り囲むように、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eとの間に構成され得る。例えば、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、第1接着層131fと第2接着層131gとの間に埋め込まれるか、または内蔵され得る。
【0178】
本願発明の他の実施例に係る振動素子131は、第1電源供給ラインPL1、第2電源供給ラインPL2、およびパッド部131pをさらに含むことができる。
【0179】
第1電源供給ラインPL1と第2電源供給ラインPL2のそれぞれは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4との電気的な連結構造を除いては、図8および図9を参照して説明した第1電源供給ラインPL1および第2電源供給ラインPL2のそれぞれと実質的に同じであるため、以下の説明では、第1電源供給ラインPL1と第2電源供給ラインPL2のそれぞれと第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4との電気的な連結構造についてのみ簡単に説明する。
【0180】
本願発明の一実施例に係る第1電源供給ラインPL1は、第2方向(Y)に沿って配置された第1および第2上部電源供給ラインPL11、PL12を含むことができる。例えば、第1上部電源供給ラインPL11は、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のうち、第2方向(Y)と平行な第1列に配置された第1および第3振動発生部131-1、131-3(または第1グループ、または第1振動発生グループ)のそれぞれの第1電極部131bと電気的に連結され得る。第2上部電源供給ラインPL12は、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のうち、第2方向(Y)と平行な第2列に配置された第2および第4振動発生部131-2、131-4(または第2グループ、または第2振動発生グループ)のそれぞれの第1電極部131bと電気的に連結され得る。
【0181】
本願発明の一実施例に係る第2電源供給ラインPL2は、第2方向(Y)に沿って配置された第1および第2下部電源供給ラインPL21、PL22を含むことができる。例えば、第1下部電源供給ラインPL21は、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のうち、第2方向(Y)と平行な第1列に配置された第1および第3振動発生部131-1、131-3(または第1グループ、または第1振動発生グループ)のそれぞれの第2電極部131cと電気的に連結され得る。第2下部電源供給ラインPL22は、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のうち、第2方向(Y)と平行な第2列に配置された第2および第4振動発生部131-2、131-4(または第2グループ、または第2振動発生グループ)のそれぞれの第2電極部131cと電気的に連結され得る。
【0182】
パッド部131pは、第1電源供給ラインPL1と第2電源供給ラインPL2のそれぞれの一側(または一端)と電気的に連結されるように、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかの一側の縁部分に構成され得る。パッド部131pは、図8および図9を参照して説明したパッド部131pと実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0183】
このような、本願発明の他の実施例に係る振動素子131は、図4図9を参照して説明した振動素子131と同様の効果を有するので、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0184】
図11図14は、図1に示す線A-A’についての他の断面図である。図11は、本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)を示す図であり、これは図3の振動部材の構造を変更したものである。図12は、本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)を示す図であり、これは図2の振動部材の構造を変更したものである。図13は、本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)を示す図であり、これは図11の振動部材およびハウジングの構造を変更したものである。図14は、本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)を示す図であり、これは図2の振動部材およびハウジングの構造を変更したものである。したがって、以下の説明では、振動部材およびハウジングに係わる構成を除いて残った構成に対する重複する説明は省略することができる。
【0185】
図1および図11を参照すると、振動部材110は、ハウジング150の第2溝部153に挿入されるか、または収容される形状で構成され得る。本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)10の振動部材110は、振動部材110の第1面および第2面の両端が第2溝部153に固定される形状で構成され得る。具体的には、振動部材110の第1面は、ハウジング150の第2溝部153および第1連結部材141を介して連結され、振動部材110の第2面は、ハウジング150の第2溝部153および第2連結部材143を介して連結され得る。本願発明の実施例によれば、振動部材110の両端が第2溝部153によって固定されるので、振動部材110の両端で反射波を相殺することができ、それによって定在波による音響特性のピーク(peak)現象やディップ(dip)現象を低減することができる。ピーク現象は、特定の周波数で音圧が飛ぶ現象であり、ディップ現象は、特定の周波数の発生が抑制されて低音圧が発生する現象である。ピーク現象またはディップ現象によって装置(または音響装置)の音響出力特性が低下し得る。
【0186】
本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)10は、振動部材110の両端が第2溝部153によって固定されるので、振動部材110の両端で反射波を相殺することができ、それによって定在波による音響特性のピーク(peak)現象やディップ(dip)現象を低減することができ、低音域帯の音響特性が向上することができ、ピーク現象またはディップ現象が発生する場合、音響装置の音響出力特性が低下し得る。具体的には、本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)10は、低音域帯の音響特性が向上され得、中音域帯のディップ現象および高音域帯のピーク現象が改善され得る。ここで、低音域帯は、500Hz以下の周波数範囲であり得、中音域帯は、500~2000Hzの周波数範囲であり得、高音域帯は、2000Hz~20000Hzの周波数範囲であり得る。ただ、本願発明の実施例に係る中音域帯、中高音域帯の周波数範囲がこれに限定されるものではない。
【0187】
図1および図12を参照すると、振動部材110は、第1溝部110aをさらに含むことができる。図12で、第1溝部110aは、説明のために、振動部材110がない空間を示すが、第1溝部110aは、振動部材110の少なくとも一部分の厚さ(t1)が他の部分より小さく形成される部分を示すことができる。第1溝部110aの少なくとも一部は、振動装置130と重畳することができる。本願発明の一実施例によれば、第1溝部110aと重畳する振動部材110の厚さは、第1溝部110aと重畳しない振動部材110と比較して小さい厚さを有することができる。例えば、第1溝部110aと重畳する振動部材110の厚さは、第1溝部110aが形成されていない場合の振動部材110の厚さの10~90%の厚さに設定され得る。例えば、 第1溝部110aは、溝部、第2溝部、振動部材の溝部、振動部材溝部、凹部または第2凹部などの用語で表現され得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0188】
振動装置130は、第1方向(X)に第1長さ(D1)を有するように設定され得、第2方向(Y)に第2長さを有するように設定され得る。第1溝部110aは、第1方向(X)に第1長さ(L1)を有するように設定され得、第2方向(Y)に第2長さを有するように設定され得る。
【0189】
本願発明の一実施例によれば、振動装置130の第1長さ(D1)は、第1溝部110aの第1長さ(L1)と同じか、または異なることができ、振動装置130の第2長さは、第1溝部110aの第2長さと同じか、または異なることができる。本願発明の一実施例によれば、振動装置130の第1長さ(D1)は、第1溝部110aの第1長さ(L1)と同じかそれより大きくてもよく、振動装置130の第2長さは、第1溝部110aの第2長さと同じかそれより大きくてもよい。
【0190】
本願発明の一実施例によれば、第1溝部110aの第1方向(X)および第2方向(Y)に設定された寸法は、振動装置130の第1方向(X)および第2方向(Y)に設定された寸法のそれぞれの2倍に設定された値を有することができる。このように設定される場合、音圧出力特性の平坦度が向上され得る。
【0191】
第1溝部110aは、振動部材110の他の部分より小さい厚さを有することで、第1溝部110aに対応する位置の振動部材110の背面に配置された振動装置130の曲げ剛性(bending stiffness)が低下することができ、振動装置130の駆動力または電圧の印加による振動変位が増加することで、低音域帯の音響再生特性が向上することができ、中音域帯のディップ現象および高音域帯のピーク現象が減少することができる。
【0192】
本願発明の一実施例によれば、振動装置130の曲げ剛性は、次の式(1)によって計算することができる。
【0193】
[式(1)]
曲げ剛性(Bending Stiffness)=Eh/12
【0194】
ここで、Eは、ヤング率であり、hは、第1溝部110aが形成された位置の振動部材の厚さである。したがって、式(1)を参照すると、曲げ剛性は、振動部材110の厚さの三乗に比例することが分かる。
【0195】
本願発明の一実施例によれば、曲げ剛性は、0.20Nm以上でなければならない。例えば、ABS(acrylonitrile-butadiene-styrene)を含む物質から構成された振動部材110が、1mmの厚さを有する場合、約0.19Nmの曲げ剛性値を有するものに計算された。曲げ剛性は、0.20Nm未満の場合、100Hz付近で75dB以上の音圧を確保することができないことがある。したがって、ABS(acrylonitrile-butadiene-styrene)を含む物質から構成された振動部材110の厚さが1mm未満に設定される場合、要求する低音特性を果たすことができないことがある。
【0196】
図1および図13を参照すると、振動部材110は、ハウジング150の第2溝部153に挿入されるか、または収容される形状で構成され得る。本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)10の振動部材110は、振動部材110の第1面および第2面の両端が第2溝部153に固定される形状で構成され得る。具体的には、振動部材110の第1面は、ハウジング150の第2溝部153および第1連結部材141を介して連結され、振動部材110の第2面は、ハウジング150の第2溝部153および第2連結部材143を介して連結され得る。本願発明の一実施例によれば、振動部材110の両端が第2溝部153によって固定されるので、振動部材110の両端で反射波を相殺することができ、それによって定在波による音響特性のピーク(peak)現象やディップ(dip)現象を低減することができる。そして、振動部材110は、第1溝部110aをさらに含むように構成され得る。
【0197】
図1および図14を参照すると、振動部材110は、突出部111をさらに含むように構成され得る。突出部111は、振動部材110の縁部に連結され得る。例えば、突出部111は、振動部材110の縁部から振動部材110の厚さ方向と並んだ第3方向(Z)に沿って曲げられ得る。例えば、突出部111は、第1~第4側部を含むことができる。突出部111は、連結部材140を介してハウジング150の側部152に連結されるか、または連結され得る。突出部111は、振動部材110の剛性を増加させるように構成され得る。突出部111を含む振動部材110は、第1溝部110aをさらに含むように構成され得る。
【0198】
図15図17は、図1に示す線A-A’についての他の断面図である。図15図17は、本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)を示す図であり、ハウジングの内部にインナーハウジングの構造が付け加わり、インナーハウジングが補助振動部材(または副振動部材)と結合されるように装置(または音響装置)の構造を変更したものである。したがって、以下の説明では、インナーハウジングおよびそれに関連された構成を除いて、残りの構成に対する重複する説明は省略することができる。
【0199】
図1および図15を参照すると、本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)10は、ハウジング150の内側に配置されたインナーハウジング170をさらに含むことができる。ハウジング150は、インナーハウジング170を取り囲むように配置され得、インナーハウジング170は、振動装置130を収容するための収容空間170sを有し、一側が開口された箱形状を含むことができる。そして、収容空間170sの一側の開口は、振動部材110によって覆われ、収容空間170sおよび振動部材110との間には所定のエアギャップ(air gap)が形成され得る。
【0200】
本願発明の一実施例に係るインナーハウジング170は、金属材質または非金属材質(または複合非金属材質)のうちの1つ以上の材質を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、インナーハウジング170は、金属材質、プラスチック、および木材のうちの1つ以上の材質を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、インナーハウジング170は、内部ケース、内部ケース部材、ハウジング部材、内部キャビネット、内部エンクロージャ、内部密閉部材、内部密閉キャップ、内部密閉ボックス、または内部サウンドボックスなどの用語で表現することができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、インナーハウジング170の収容空間170sは、ギャップ空間、エアギャップ、振動空間、音響空間、響箱、または密閉空間などの用語で表され得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0201】
本願発明の一実施例に係るインナーハウジング170は、底部171および側部172を含むことができる。底部171は、振動部材110の第2面と振動装置130を覆うように振動部材110の背面に配置され得る。例えば、底部171は、振動部材110の第2面と振動装置130から離隔されるように配置され得る。
【0202】
側部172は、底部171の縁部分に連結され得る。例えば、側部172は、底部171の縁部分から振動部材110の厚さ方向と平行な第3方向(Z)に沿って曲げられ得る。例えば、側部172は、第1~第4側部を含むことができる。例えば、側部172は、底部171に一体化され得る。例えば、底部171と側部172は、一つの胴体に一体化され得、これにより、底部171上には、側部172によって取り囲まれる収容空間170sが設けられ得る。したがって、底部171と側部172は、一側が開口された箱形状を有することができる。
【0203】
インナーハウジング170は、底部171から振動装置130に向かって突出されるように形成された第1補強部材173をさらに含むことができる。
【0204】
第1補強部材173は、底部171の中央部から振動装置130に向かって突出されるように形成され得、振動装置130と接触するように構成され得る。第1補強部材173は、振動装置130と接触する部分で所定の幅を有するか、または丸い形状に構成され得、振動装置130と接触することができる高さを有することができる。
【0205】
第1補強部材173は、外部、例えば底部171の背面から衝撃が印加された場合、点接触の衝撃を線接触の衝撃として分散することで、振動装置130の特定の部位が破損されることを防止することができる。
【0206】
インナーハウジング170は、連結部材(または第3連結部材)117を介して振動部材110と結合され得る。連結部材(または第3連結部材)117は、インナーハウジング170と振動部材110と結合させことができる。
【0207】
本願発明の一実施例に係る連結部材117は、密着力または接着力に優れた接着層(または粘着層)を含むことができる。例えば、連結部材117は、両面接着テープ、両面接着フォームパッド、または粘着シートを含むことができる。例えば、連結部材117が粘着シート(または粘着層)を含むとき、連結部材117は、プラスチック材料などのベース部材なしで接着層または粘着層のみを含むことができる。
【0208】
本願発明の一実施例に係る連結部材117の接着層(または粘着層)は、エポキシ、アクリル、シリコーン、またはウレタンを含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0209】
本願発明の他の実施例に係る連結部材117の接着層(または粘着層)は、PSA(pressure sensitive adhesive)、OCA(optically clear adhesive)、またはOCR(optically clear Resin)を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0210】
図1および図16を参照すると、本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)10は、振動装置130と振動部材110との間の補助振動部材115をさらに含むことができ、補助振動部材115と振動部材110との間の連結部材(または第4連結部材)119をさらに含むことができる。
【0211】
補助振動部材115は、振動によって音響を出力するのに適した材料特性を有する金属材質を含むか、または非金属材質(または複合非金属材質)を含むことができる。本願発明の一実施例に係る補助振動部材115の金属材質は、ステンレススチール、アルミニウム(Al)、アルミニウム(Al)合金、マグネシウム(Mg)、マグネシウム(Mg)合金、およびマグネシウムリチウム(Mg-Li)合金のうちのいずれか1つ以上の材質を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。補助振動部材115の非金属材質(または複合非金属材質)は、ガラス、プラスチック、繊維、皮革、木材、布、ゴム、カーボン、および紙のうちの1つ以上を含むことができ、本願発明の実施例はこれらに限定されるものではない。
【0212】
本願発明の一実施例に係る連結部材(または第4連結部材)119は、密着力または接着力に優れた接着層(または粘着層)を含むことができる。例えば、連結部材119は、両面接着テープ、両面接着フォームパッド、または粘着シートを含むことができる。例えば、連結部材119が粘着シート(または粘着層)を含むとき、連結部材119は、プラスチック材料などのベース部材なしで接着層または粘着層のみを含むことができる。
【0213】
本願発明の一実施例に係る連結部材119の接着層(または粘着層)は、エポキシ、アクリル、シリコーン、またはウレタンを含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0214】
本願発明の他の実施例に係る連結部材119の接着層(または粘着層)は、PSA(pressure sensitive adhesive)、OCA(optically clear adhesive)、またはOCR(optically clear Resin)を含むことができ、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0215】
そして、本願発明の一実施例によれば、補助振動部材115、補助振動部材115の背面の振動装置130、および補助振動部材115と結合されたインナーハウジング170は、一種のモジュールの形態として提供され得る。したがって、補助振動部材115、振動装置130、およびインナーハウジング170を含む振動装置モジュールは、予め設定された構成に組み立てられた後、必要に応じて振動部材110の背面に連結部材119を介して連結されるか、または結合され得る。
【0216】
図1および図17を参照すると、本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)10は、インナーハウジング170の底部171に実装された音響処理回路190をさらに含むことができ、音響処理回路190は、信号ケーブル132を介して振動装置130と連結され得る。
【0217】
音響処理回路190は、信号ケーブル132と連結されるか、または信号ケーブル132に実装され得る。
【0218】
本願発明の一実施例に係る音響処理回路190は、外部の音響データ生成回路部から供給される音響データを受信するデコーディング部、デコーディング部から供給される音響データに基づいて第1および第2振動駆動信号を生成して出力するオーディオアンプ回路、オーディオアンプ回路の設定値を保存するメモリ回路、デコーディング部とオーディオアンプ回路およびメモリ回路のそれぞれの動作を制御する制御回路、および抵抗などの受動素子などを含むことができる。
【0219】
音響処理回路190は、音響データに基づいて第1および第2振動駆動信号を生成し、生成された第1および第2振動駆動信号のそれぞれを該当コンタクトパッドおよび該当駆動信号供給ラインのそれぞれを介して第1および第2端子のそれぞれに出力することができる。したがって、振動素子131(または振動装置130)は、音響処理回路190および音響処理回路190と連結された信号ケーブル132から、信号ケーブル132の信号ライン、第1および第2端子、パッド部、第1および第2電源供給ラインのそれぞれを介して供給される第1および第2振動駆動信号に応じて振動することができる。
【0220】
図18Aおよび図18Bは、本願発明の一実施例に係るインナーハウジングの斜視図であり、図19A図19B、および図19Cは、本願発明の一実施例に係るインナーハウジングの平面図である。
【0221】
図18Aを参照すると、インナーハウジング170は、底部171から振動装置130に向かって突出されるように形成された第1補強部材173をさらに含むことができる。
【0222】
第1補強部材173は、底部171の中央部から振動装置130に向かって突出されるように形成され得、振動装置130と接触するように構成され得る。第1補強部材173は、振動装置130と接触する部分で所定の幅を有するか、丸い形状に構成され得、振動装置130と接触することができる高さを有することができる。
【0223】
第1補強部材173は、外部、例えば底部171の背面から衝撃が印加された場合、点接触の衝撃を線接触の衝撃として分散することで、振動装置130の特定の部位が破損されることを防止することができる。
【0224】
図18Bを参照すると、インナーハウジング170は、底部171の振動装置130に向かって突出されるように形成された第2補強部材175をさらに含むことができる。
【0225】
第2補強部材175は、第1補強部材173が形成された領域を除いた底部171の全領域で網状にまたはメッシュ状に振動装置130に向かって突出されるように形成され得、振動装置130と接触しないように構成され得る。第2補強部材175の上端は、所定の幅を有するか、丸い形状に構成され得、第1補強部材173より小さい高さを有することができる。例えば、第1補強部材173および第2補強部材175は、同じ幅を有することができる。
【0226】
第1補強部材173は、外部、例えば底部171の背面から衝撃が印加された場合、点接触の衝撃を線接触の衝撃として分散することで、振動装置130の特定の部位が破損されることを防止することができる。
【0227】
第2補強部材175は、外部、例えば底部171の背面から衝撃が印加された場合、点接触の衝撃を網状構造によって面接触のように衝撃を分散することで、振動装置130の特定の部位が破損されることを防止することができる。
【0228】
図19A図19Cを参照すると、インナーハウジング170は、底部191の第1面(または上面)および第2面(または下面)を連通させる開口部177をさらに含むことができる。開口部177は、第2方向(Y)に平行な形状に形成されるスリット形状または一定の規格を有する円筒ホールのように形成され得る。ただ、本願発明の実施例で、開口部177がスリット形状に構成される場合、スリット形状の開口部177の長辺が第2方向(Y)に平行に形成されるものに限定されるものではない。そして、図19Bの円筒ホール形状の開口部177は、その形状に限定されず、円筒ホール形状の開口部だけでなく多様な形状に形成され得る。
【0229】
図19A図19Cで、平面を基準に、複数の開口部の断面積は、多様に設定され得る。例えば、図19Aで、複数のスリット形状の開口部177の断面積の和は、700mm~1000mmの面積に設定され得、図19Bで、複数の円筒ホール形状の開口部177の断面積の和は、50mm~200mmの面積に設定され得、図19Cで、複数のスリット形状の開口部177の断面積の和は、500mm~700mmの面積に設定され得る。
【0230】
本願発明の一例によれば、振動装置130の背面に空気が連通されることができる複数の開口部177が形成される場合、振動装置130を取り囲む密閉空間がインナーハウジング170の背面と連通されるように構成され得、このような場合、振動部材110に作用するインピーダンス成分(またはエアインピーダンスまたは弾性インピーダンス)が変化し得る。例えば、インナーハウジング170に複数の開口部を形成する場合、高音域帯の音響特性が向上され得る。
【0231】
図20は、本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)の斜視図であり、図21は、図20に示す線D-D’についての断面図であり、図22は、本願発明の実施例に係る振動部材の背面にある振動装置の配列構造を示す図である。図20の装置(または音響装置)20は、図1の装置(または音響装置)10の第1方向(X)および第2方向(Y)への寸法が同一になるように構造を変更したものである。よって、以下の説明では、振動部材110および振動装置130の配列構造を除いて残った構成に対する重複する説明は省略することができる。
【0232】
図20および図21を参照すると、本願発明の他の実施例に係る装置(または音響装置)20は、第1方向(X)および第2方向(Y)への寸法が同一になるように構成され得る。そして、図21の音響装置20で、振動部材110およびハウジング150の構造は、図2図3、および図11図17を参照して説明した装置(または音響装置)10の振動部材110およびハウジング150の構造を同様に適用することができる。
【0233】
図22を参照すると、振動部材110は、第1方向(X)にXtに対応する長さを有することができ、第2方向(Y)にYtに対応する長さを有することができる。本発明の他の実施例によれば、振動部材110は、第1方向(X)へのXtは、第2方向(Y)へのYtと同じ長さに設定され得、したがって、振動部材110は、正方形状に形成され得る。振動装置130は、振動部材110の第2面(または背面)に配置され得る。
【0234】
第1方向(X)に平行な方向を基準に、振動部材110の一側から振動装置130の中央部までの長さは、第1長さ(X1)を有することができ、振動装置130の中央部から振動部材110の他側までの長さは、第2長さ(X2)を有することができる。第1長さ(X1)および第2長さ(X2)を合わせた長さは、振動部材の第1方向(X)の長さ(Xt)と同一であってもよい。
【0235】
第2方向(Y)に平行な方向を基準に、振動部材110の一側から振動装置130の中央部までの長さは、第1長さ(Y1)を有することができ、振動装置130の中央部から振動部材110の他側までの長さは、第2長さ(Y2)を有することができる。第1長さ(Y1)および第2長さ(Y2)を合わせた長さは、振動部材の第2方向(Y)の長さ(Yt)と同一であってもよい。
【0236】
本願発明の他の実施例によれば、振動部材110の背面に対する振動装置130の最適の配置によって装置(または音響装置)20の音響特性が向上され得る。例えば、振動装置130は、振動部材110の真中に配置されるものではなく、振動部材110の真中から第1方向(X)または第2方向(Y)に偏った位置に配置されることで、音響特性が向上され得る。
【0237】
図23は、突出部がある図2の音響装置および突出部がない図2の音響装置の音響出力特性を示す図である。
【0238】
音響出力特性は、音響分析装備によって測定することができる。音響出力特性は、B&Kオーディオ測定装置で測定したものである。音響分析装備は、制御用PC(Control PC)、音を送受信するサウンドカード、サウンドカードから発生した音を振動装置に増幅して伝達するアンプ(amplifier)、および表示パネルで振動装置を介して発生する音響を収集するマイクから構成され得る。例えば、マイクは、振動装置の中心に配置され、表示パネルとマイクとの間の距離は、50cmであり得る。振動装置に対してマイクを垂直にして音響を測定することができる。マイクで収集された音響は、サウンドカードを介して制御用PCに入力され、これを制御用プログラムで確認して振動装置の音響を分析するようになる。例えば、パルスプログラムを用いて100Hz~20kHzの周波数範囲の周波数応答特性を測定することができる。
【0239】
図23において、横軸は、周波数(Hz)であり、縦軸は、音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を表す。図23で、実線は、図2の装置の音響出力特性を示し、点線は、図2の装置構造において突出部111が形成されていない装置構造の音響出力特性を示す。
【0240】
図23を参照すると、実線は、点線と比較して、2000~4000Hzおよび6kHz~10kHzの周波数範囲で音響出力特性が向上されることが分かる。例えば、実線は、点線と比較して、中音域帯および高音域帯の音圧が向上され得る。例えば、実線は、点線と比較して、2000~4000Hzで平均的に約10dB以上向上されることが分かり、6kHz~10kHzの周波数範囲で約5dB以上向上されることが分かる。
【0241】
図24は、第1溝部がある図11の音響装置および第1溝部がない図12の音響装置の周波数による音圧を示す図である。
【0242】
音響出力特性の測定法は、図23で説明した内容と同様であるので、ここでは説明を省略することができる。
【0243】
図24において、横軸は、周波数(Hz)であり、縦軸は、音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を表す。図24で、実線は、図11の装置の音響出力特性を示し、点線は、図12の装置構造において第1溝部110aが形成されていない装置構造の音響出力特性を示す。
【0244】
図24を参照すると、実線は、点線と比較して、100Hz以下、500~1000Hzおよび2000Hz以上の周波数範囲で音響出力特性が向上されることが分かる。例えば、実線は、点線と比較して、低音域帯、中音域帯および高音域帯の音圧が向上され得る。例えば、実線は、点線と比較して、100Hz以下で平均的に約5dB向上されることが分かり、500~1000Hzの周波数範囲でディップ現象が改善されることが分かり、2000Hz以上で高音域帯のピーク現象が改善されることが分かる。
【0245】
図25A図25Fは,本願発明の実施例に係る第1溝部が多様な条件に変更されて形成された図12の装置の周波数による音圧を示すのである。
【0246】
音響出力特性の測定法は、図23で説明した内容と同様であるので、ここでは説明を省略することができる。
【0247】
図25A図25Fにおいて、横軸は、周波数(Hz)であり、縦軸は、音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を表す。図25A図25Eで、実線は、振動部材の厚さが1mmに設定された図12の装置の音響出力特性を示し、点線は、図12の装置構造において第1溝部110aが形成されず、振動部材の厚さが1mmに設定された装置構造の音響出力特性を示す。図25Fで、実線は、図12の装置構造において第1溝部110aが形成されず、振動部材厚さが3mmに設定された装置構造の音響出力特性を示す。
【0248】
図25A図25Fで、振動部材110は、ABS(acrylonitrile-butadiene-styrene)を含む物質からなる。
【0249】
図25A図25Eで、第1溝部110aに対応する振動部材の厚さは、1mmに設定され、第1溝部110aの第1方向(X)および第2方向(Y)の長さが同一である正方形状に形成され、一側エッジの長さは、60mm、120mm、140mm、180mm、240mmに変更して実験し、振動装置130の第1方向(X)および第2方向(Y)の長さは、共に120mmにして正方形状に形成した。
【0250】
図25Aを参照すると、実線で示す第1溝部110aの第1方向(X)および第2方向(Y)の長さが60mmに設定された場合、最低周波数で観察される低音ピークは、約190Hzで約90dBの値として測定されることが分かる。
【0251】
実線は、点線と比較して、中音域帯のディップ現象が改善さえ、高音域帯の音圧特性が向上されることが分かる。例えば、中音域帯は、500~1000Hzの周波数範囲であり得、高音域帯は、10kHzを超える周波数範囲であり得る。
【0252】
図25Bを参照すると、実線で示す第1溝部110aの第1方向(X)および第2方向(Y)の長さが120mmに設定された場合、最低周波数で観察される低音ピークは、約180Hzで約85dBの値として測定されることが分かる。
【0253】
実線は、点線と比較して、高音域帯の音圧特性が向上されることが分かる。例えば、高音域帯は、10kHzを超える周波数範囲であり得る。
【0254】
図25Cを参照すると、実線で示す第1溝部110aの第1方向(X)および第2方向(Y)の長さが140mmに設定された場合、最低周波数で観察される低音ピークは、約170Hzで約85dBの値として測定されることが分かる。
【0255】
実線は、点線と比較して、高音域帯の音圧特性が向上されることが分かる。例えば、高音域帯は、10kHzを超える周波数範囲であり得る。
【0256】
図25Dを参照すると、実線で示す第1溝部110aの第1方向(X)および第2方向(Y)の長さが180mmに設定された場合、最低周波数で観察される低音ピークは、約150Hzで約82dBの値として測定されることが分かる。
【0257】
実線は、点線と比較して、低音域帯の音圧特性が向上され、高音域帯の音圧特性が向上されることが分かる。例えば、低音域帯は、200Hz以下の周波数範囲であり得、高音域帯は、10kHzを超える周波数範囲であり得る。
【0258】
図25Eを参照すると、実線で示す第1溝部110aの第1方向(X)および第2方向(Y)の長さが240mmに設定された場合、最低周波数で観察される低音ピークは、約130Hzで約80dBの値として測定されることが分かる。
【0259】
実線は、点線と比較して、低音域帯の音圧特性が向上され、中音域帯の音圧特性が向上され、高音域帯の音圧特性が向上されることが分かる。そして、実線は、点線と比較して、200Hz以上の周波数範囲で全体的な音圧の平坦度が改善されることが分かる。例えば、低音域帯は、200Hz以下の周波数範囲であり得、中音域帯は、500~2000Hzの周波数範囲であり得、高音域帯は、10kHzを超える周波数範囲であり得る。
【0260】
図25Fを参照すると、振動部材110の厚さが3mmに設定された場合、最低周波数で観察される低音ピークは、約100Hzで約72dBの値として測定されたことが分かる。実線は、点線と比較して、低音域帯の音圧特性が向上されることが分かる。
【0261】
図25A図25Eの結果を一緒に参照すると、第1溝部110aの振動装置130に対する相対的な第1方向(X)および第2方向(Y)への長さが増加するほど、低周波数で観察される低音ピークがより低い方向に移動することを確認した。これから、第1溝部110aの大きさが振動装置130に比べて大きくなるほど、低音域帯の音響特性が増加することが分かる。
【0262】
図26A図26Eは、第1溝部に対応する振動部材の厚さを多様な条件に変更して製造した図12の装置の周波数による音圧を示す図である。
【0263】
音響出力特性の測定法は、図23で説明した内容と同様であるので、ここでは説明を省略することができる。
【0264】
図26A図26Eにおいて、横軸は、周波数(Hz)であり、縦軸は、音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を表す。図26A図26Eで、実線は、第1溝部110aに対応する振動部材110の厚さが0.5mm~2.5mmに設定された図12の装置の音響出力特性を示し、点線は、図12の装置構造において第1溝部110aが形成されず、振動部材の厚さが3mmに設定された装置構造の音響出力特性を示す。そして、図26A図26Eで、第1溝部110aの第1方向(X)および第2方向(Y)への長さは240mmに設定し、図26A図26Eで、振動部材110はABS(acrylonitrile-butadiene-styrene)を含む物質から構成した。
【0265】
図26Aを参照すると、点線において、最低周波数で観察される低音ピークは、約180Hzで約90dBの値として測定されたことが分かる。実線において、第1溝部110aに対応する振動部材110の厚さが0.5mmに設定された場合、最低周波数で観察される低音ピークは、約70Hzで約62dBの値として測定された。これによって、振動部材110の厚さが1.0mm以下に設定された場合、振動装置130の適切な駆動のための振動部材110の曲げ剛性を満たすことができなくて低音域帯の音響特性効率が低下し得る。例えば、低音域帯は、200Hz未満の周波数範囲であり得る。
【0266】
図26Bを参照すると、点線において、最低周波数で観察される低音ピークは、約180Hzで約90dBの値として測定されたことが分かる。実線において、第1溝部110aに対応する振動部材110の厚さが1.5mmに設定された場合、最低周波数で観察される低音ピークは、約130Hzで約80dBの値として測定された。
【0267】
実線は、点線と比較して、低音域帯の音響特性および高音域帯の音圧特性が向上され、中高音域帯のピーク現象が改善されることが分かる。例えば、低音域帯は、200Hz以下の周波数範囲であり得、中音域帯は、2000~5000Hzの周波数範囲であり得る。高音域帯は、10kHzを超える周波数範囲であり得る。
【0268】
図26Cを参照すると、点線において、最低周波数で観察される低音ピークは、約180Hzで約90dBの値として測定されたことが分かる。実線において、第1溝部110aに対応する振動部材110の厚さが1.5mmに設定された場合、最低周波数で観察される低音ピークは、約150Hzで約90dBの値として測定された。
【0269】
実線は、点線と比較して、低音域帯の音響特性が向上され、中高音域帯のピーク現象が改善され、200Hz以上の全周波数範囲で音圧の平坦度が改善されることが分かる。例えば、低音域帯は、200Hz以下の周波数範囲であり得、中音域帯は、2000~5000Hzの周波数範囲であり得る。
【0270】
図26Dを参照すると、点線において、最低周波数で観察される低音ピークは、約180Hzで約90dBの値として測定されたことが分かる。実線において、第1溝部110aに対応する振動部材110の厚さが2.0mmに設定された場合、最低周波数で観察される低音ピークは、約170Hzで約90dBの値として測定された。実線は、点線と比較して、低音域帯の音響特性が向上され、200Hz以上の全周波数範囲で音圧の平坦度が改善され、中音域帯のディップ現象が改善されることが分かる。例えば、低音域帯は、200Hz以下の周波数範囲であり得、中音域帯は、2000~5000Hzの周波数範囲であり得る。
【0271】
図26Eを参照すると、点線において、最低周波数で観察される低音ピークは、約180Hzで約90dBの値として測定されたことが分かる。実線において、第1溝部110aに対応する振動部材110の厚さが2.5mmに設定された場合、最低周波数で観察される低音ピークは、約180Hzで約92dBの値として測定された。実線は、点線と比較して、低音域帯の音響特性が向上され、200Hz以上の全周波数範囲で音圧の平坦度が改善される。例えば、低音域帯は、200Hz以下の周波数範囲であり得る。
【0272】
図26A図26Eの結果をまとめると、第1溝部110aに対応する振動部材110の厚さは、振動装置130による曲げ剛性を確保するために、最低厚さ以上の厚さを有するように設定され得る。例えば、振動部材110がABSを含む物質から構成される場合、最低厚さは1mmに設定され得、例えば振動部材110の曲げ剛性は、0.20Nm以上であり得る。そして、第1溝部110aを含みながら振動部材110の要求厚さを満たす場合、低音域帯の音響特性が向上され、全周波数範囲で音圧の平坦度が改善され、中音域帯のディップ現象および高音域帯のピーク現象が減少する効果がある。
【0273】
図27は、図18A図18B図19A図19Bおよび図19Cのインナーハウジングの構造が適用された装置の周波数による音圧を示す図である。
【0274】
音響出力特性の測定法は、図23で説明した内容と同様であるので、ここでは説明を省略することができる。
【0275】
図27において、横軸は、周波数(Hz)であり、縦軸は、音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を表す。
【0276】
図27で、太実線は、図18Aのインナーハウジング150の構造が適用された装置の音響出力特性を示し、細実線は、図18Bのインナーハウジング150の構造が適用された装置の音響出力特性を示し、太点線は、図19Aのインナーハウジング150の構造が適用された装置の音響出力特性を示し、細点線は、図19Bのインナーハウジング150の構造が適用された装置の音響出力特性を示し、一点鎖線は、図19Cのインナーハウジング150の構造が適用された装置の音響出力特性を示す。
【0277】
図27を参照すると、太実線、細実線、太点線、細点線および一点鎖線で示す装置(または音響装置)10は、中高音域帯以下の周波数範囲では互いに音響出力特性の差がほとんどないことが分かる。太点線は、太実線、細実線、細点線および一点鎖線と比較して、高音域帯の周波数範囲で音圧特性が向上されることが分かる。例えば、高音域帯は8000~10000Hzの周波数範囲であり得る。
【0278】
図28は、図15図16の装置および図12の装置において第1溝部が形成されていない構造の周波数による音圧を示す図である。
【0279】
音響出力特性の測定法は、図23で説明した内容と同様であるので、ここでは説明を省略することができる。
【0280】
図28において、横軸は、周波数(Hz)であり、縦軸は、音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を表す。
【0281】
図28で、点線は、図15のインナーハウジングが適用された装置の音響出力特性を示し、実線は、図16のインナーハウジングが適用された装置の音響出力特性を示し、一点鎖線は、図12の装置10において第1溝部が形成されていない構造に対する音響出力特性を示す。
【0282】
図28を参照すると、点線および実線は、一点鎖線と比較して、中低音域帯の範囲で音圧特性が向上されることが分かる。例えば、中低音域帯は、300~500Hzの周波数範囲であり得る。そして、点線および実線は、一点鎖線と中低音域帯の範囲を除き、全音域帯で互いに音響出力特性の差がほとんどないことが分かる。
【0283】
図29は、図22の装置(または音響装置)の周波数による音圧を示す図である。
【0284】
音響出力特性の測定法は、図23で説明した内容と同様であるので、ここでは説明を省略することができる。
【0285】
図29において、横軸は、周波数(Hz)であり、縦軸は、音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を表す。
【0286】
図29で、振動部材110の第1方向(X)への長さおよび第2方向(Y)への長さは、150mmに設定され、振動部材110の一側および他側の連結部材140によって振動部材110の有効振動板の長さが減少することができる。図29で、連結部材140の第1方向への長さは、10mmに設定された。したがって、振動部材110の有効振動板の長さは、130mmである。振動装置130は、振動部材110の真中に配置された後、振動部材110の第1方向(X)の一側に5mmずつ移動しながら音圧出力特性を測定した。
【0287】
点線は、図22で、振動部材110の第1方向(X)への第1長さ(X1)および第2長さ(X2)は、共に65mmであり、第2方向(Y)への第1長さ(Y1)および第2長さ(Y2)は、共に65mmである条件で測定した値である。
【0288】
実線は、図22で、振動部材110の第1方向(X)への第1長さ(X1)および第2長さ(X2)は、共に65mmであり、第2方向(Y)への第1長さ(Y1)は、60mmであり、第2長さ(Y2)は、70mmである条件で測定した値である。
【0289】
一点鎖線は、図22で、振動部材110の第1方向(X)への第1長さ(X1)および第2長さ(X2)は、共に65mmであり、第2方向(Y)への第1長さ(Y1)は、55mmであり、第2長さ(Y2)は、75mmである条件で測定した値である。
【0290】
太点線は、図22で、振動部材110の第1方向(X)への第1長さ(X1)および第2長さ(X2)は、共に65mmであり、第2方向(Y)への第1長さ(Y1)は、50mmであり、第2長さ(Y2)は、80mmである条件で測定した値である。
【0291】
太実線は、図22で、振動部材110の第1方向(X)への第1長さ(X1)および第2長さ(X2)は、共に65mmであり、第2方向(Y)への第1長さ(Y1)は、45mmであり、第2長さ(Y2)は、85mmである条件で測定した値である。
【0292】
実線、一点鎖線、および太点線は、点線と比較して、振動装置130の1次共振点帯域または低音域帯の音圧が上昇することができる。例えば、1次共振点帯域または低音域帯では、約400Hzの音圧が上昇することができ、したがって、実線、一点鎖線、および太点線は、点線と比較して、低音域帯の音圧特性に利点があることができる。
【0293】
4次共振点である2kHzを含む所定の周波数範囲では、振動部材110の中央部から遠ざかるほど音圧が減少し得る。例えば、太点線は、点線と比較して、約6dB減少し得る。
【0294】
したがって、振動部材110の第1方向(X)の一側エッジの位置を0%の数値と定義し、第1方向(X)の他側エッジの位置を100%の数値と定義すれば、例えば振動装置130は、振動部材110の第1方向(X)の35~65%の範囲に位置することができ、または38.5%~61.5%の範囲に位置することができる。
【0295】
したがって、振動部材110の第2方向(Y)の一側エッジの位置を0%の数値と定義し、第2方向(Y)の他側エッジの位置を100%の数値と定義すれば、例えば振動装置130は振動部材110の第2方向(Y)の35~65%の範囲に位置することができ、または38.5%~61.5%の範囲に位置することができる。
【0296】
本願発明の実施例に係る装置(または音響装置)は、以下のように説明することができる。
【0297】
本願発明の実施例に係る音響装置は、振動部材、振動部材の背面に配置されたハウジング、振動部材およびハウジングの間に配置される連結部材、および振動部材を振動させるように構成された振動装置を含むことができる。
【0298】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動部材は、非平面構造を有することができる。
【0299】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動部材は、突出部を含み、突出部は、振動部材の背面から突出され、振動部材と一体で構成され得る。
【0300】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動部材は、第1溝部を含み、第1溝部は、振動部材の第1面に形成され、振動部材の他の部分より小さい厚さを有し、振動装置は、少なくとも一部が第1溝部と重畳することができる。
【0301】
本願発明のいくつかの実施例によれば、ハウジングは、底部、底部の縁部分に連結され、振動部材に向かって突出された側部、および側部の内側面に形成された第2溝部を含むことができる。
【0302】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動部材の縁部分は、ハウジングの第2溝部に挿入されるか、または収容され得る。
【0303】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動部材は、突出部を含み、突出部は、振動部材の第2面から突出され、突出部は、第2溝部に挿入されるか、または収容され得る。
【0304】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動部材は、第1溝部を含み、第1溝部は、振動部材の第1面に形成され、振動部材の他の部分より小さい厚さを有し、振動装置は、少なくとも一部が第1溝部と重畳し、振動部材の縁部分は、ハウジングの第2溝部に挿入されるか、または収容され得る。
【0305】
本願発明のいくつかの実施例によれば、連結部材は、ハウジングの第2溝部の上側(または上端)に配置された第1連結部材、およびハウジングの第2溝部の下側(または上端)に配置された第2連結部材を含むことができる。
【0306】
本願発明のいくつかの実施例によれば、ハウジングの内側に配置され、振動装置を取り囲むインナーハウジングをさらに含み、インナーハウジングは、底部、底部の縁部分に連結され、振動部材に向かって突出された側部、および底部の中央部に形成され、振動装置と接触するように突出された第1補強部材を含むことができる。
【0307】
本願発明のいくつかの実施例によれば、インナーハウジングは、第1補強部材の周辺部に形成され、底部から振動装置に向かって突出された第2補強部材をさらに含み、第2補強部材は、第1補強部材より小さい高さを有することができる。
【0308】
本願発明のいくつかの実施例によれば、インナーハウジングは、底部の第1面および第1面とは異なる第2面を貫通するように形成された開口部をさらに含み、開口部は、ホール形状またはスリット形状のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0309】
本願発明のいくつかの実施例によれば、インナーハウジングおよび振動部材の間の補助振動部材、インナーハウジングおよび補助振動部材の間の第3連結部材、および補助振動部材および振動部材の間の第4連結部材をさらに含むことができる。
【0310】
本願発明のいくつかの実施例によれば、インナーハウジングの底部に実装された音響処理回路をさらに含み、音響処理回路は、信号ケーブルを介して振動装置と連結され得る。
【0311】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動装置は、振動部材の第1方向または第2方向への一側エッジおよび他側エッジの間で振動部材と重畳するように位置し、振動装置の水平面上の中央部は、振動部材の水平面上の中央部と重畳するか、または第1方向または第2方向に偏っていることができる。
【0312】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動装置の水平面上の中央部は、振動部材の水平面上の中央部から、振動部材の有効振動板の大きさを基準に、第1方向または第2方向に0~15%の範囲に位置することができる。
【0313】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動装置は、振動素子を含み、振動素子は、振動部、振動部の第1面にある第1電極部、および第1面とは異なる第2面にある第2電極部を含むことができる。
【0314】
本願発明のいくつかの実施例によれば、第1電極部にある第1カバー部材、および第2電極部にある第2カバー部材をさらに含むことができる。
【0315】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動装置は、第1カバー部材と第1電極部との間にある第1接着層、および第2カバー部材と第2電極部との間にある第2接着層をさらに含むことができる。
【0316】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動部は、圧電特性を有する無機物質部を含むことができる。
【0317】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動部は、圧電特性を有する複数の無機物質部、および複数の無機物質部の間にある有機物質部を含むことができる。
【0318】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動部材は、金属材質を含むか、または木材、ゴム、プラスチック、ガラス、繊維、布、紙、鏡、カーボン、および皮革のうちの1つ以上の単一非金属または複合非金属材質を含むことができる。
【0319】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動部材は、映像を表示する画素を有する表示パネル、発光ダイオード照明パネル、有機発光照明パネル、および無機発光照明パネルのうちの1つ以上を含むことができる。
【0320】
本願発明のいくつかの実施例によれば、振動部材は、映像を表示する画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段のガラス窓、運送手段の外装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、繊維、布、紙、皮革、カーボン、および鏡のうちの1つ以上を含むことができる。
【0321】
本願発明の実施例に係る装置(または音響装置)は、全ての電子機器に有線または無線で連結されて電子機器の装置(または音響装置)として用いることができる。例えば、本願発明に係る音響装置と連結可能な装置は、モバイルデバイス、ビデオ電話、スマートウォッチ、ウォッチフォン、ウェアラブル機器、フォルダブル機器(foldable apparatus)、ローラブル機器(rollable apparatus)、ベンダブル機器(bendable apparatus)、フレキシブル機器(flexible apparatus)、カーブド機器(curved apparatus)、スライド機器(sliding apparatus)、可変型機器(variable apparatus)、電子ノート、電子書籍、PMP(portable multimedia player)、PDA(personal digital assistant)、MP3プレーヤー、モバイル医療機器、デスクトップPC、ラップトップPC、ネットブックコンピュータ、ワークステーション、ナビゲーション、車両用ナビゲーション、車両用表示装置、車両用装置、劇場用装置、劇場用表示装置、テレビ、ウオールペーパー(wallpaper)、サイネージ(signage)機器、ゲーム機器、ノートパソコン、モニター、カメラ、ビデオカメラ、および家電機器などに適用され得る。そして、本願発明の装置(または音響装置)は、有機発光照明装置または無機発光照明装置に適用することができる。装置(または音響装置)が照明装置に適用される場合、照明装置は、照明およびスピーカーの役割を果たすことができる。そして、本願発明の装置(または音響装置)がモバイルデバイスなどに適用される場合、装置(または音響装置)、スピーカー、レシーバ、ハプティックのうちの1つ以上であり得、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0322】
以上で説明した本願発明は、前述した実施例および添付された図に限定されるものではなく、本願発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、多様に置換、変形および変更が可能であることが本願発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかであろう。したがって、本願発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が、本願発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0323】
10、20 音響装置
110 振動部材
120 接着部材
130 振動装置
140 連結部材
150 ハウジング
170 インナーハウジング
190 音響処理回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19A
図19B
図19C
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図25C
図25D
図25E
図25F
図26A
図26B
図26C
図26D
図26E
図27
図28
図29