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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】ルテニウムドープZ型ヘキサフェライト
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/26 20060101AFI20250219BHJP
   C01G 49/00 20060101ALI20250219BHJP
   H01F 1/11 20060101ALI20250219BHJP
   H01F 1/113 20060101ALI20250219BHJP
【FI】
C04B35/26
C01G49/00 C
C01G49/00 D
C01G49/00 E
H01F1/11
H01F1/113
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022506817
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 US2020043845
(87)【国際公開番号】W WO2021025902
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】62/882,681
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521138305
【氏名又は名称】ロジャーズ・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】キファン・リ
(72)【発明者】
【氏名】ヤジエ・チェン
【審査官】安積 高靖
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-030630(JP,A)
【文献】特開2017-071511(JP,A)
【文献】特表2017-528403(JP,A)
【文献】特開昭61-089604(JP,A)
【文献】米国特許第04780232(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0292602(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/26
C01G 49/00
H01F 1/11
H01F 1/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
(Ba3-x)Co(M’Ru)Fe24-2y-z41
(式中、Mは、Sr、Pb又はCaのうちの少なくとも1種であり;M’は、Co、Zn、Mg又はCuのうちの少なくとも1種であり;xは、1~3であり;yは、0超~2であり;zは、-4~4である)
を有するRu-CoZフェライトを含むフェライト組成物。
【請求項2】
yが0.001~2である、請求項1に記載のフェライト組成物。
【請求項3】
M’が、少なくともCoである、請求項1又は2に記載のフェライト組成物。
【請求項4】
フェライト組成物の総質量に対して、0.2~5.0質量パーセントの量のBiを更に含む、請求項1からのいずれか一項に記載のフェライト組成物。
【請求項5】
固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、3.5以上の透磁率を有する、請求項1からのいずれか一項に記載のフェライト組成物。
【請求項6】
固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、6~15の誘電率を有する、請求項1からのいずれか一項に記載のフェライト組成物。
【請求項7】
固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、0.12以下、又は0.08以下の磁気損失正接tanδμを有する、請求項1からのいずれか一項に記載のフェライト組成物。
【請求項8】
固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、0.01以下、又は0.008以下の誘電損失正接tanδεを有する、請求項1からのいずれか一項に記載のフェライト組成物。
【請求項9】
請求項1からのいずれか一項に記載のフェライト組成物及びポリマーを含む複合体。
【請求項10】
請求項1からのいずれか一項に記載のフェライト組成物又は請求項に記載の複合体を含む物品。
【請求項11】
アンテナ、フィルター、インダクタ、サーキュレータ又はフェーズシフターである、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
マイクロ波アンテナである、請求項10又は11に記載の物品。
【請求項13】
0.1ギガヘルツ以上、又は0.3ギガヘルツ以上、又は0.1~4ギガヘルツの周波数で動作可能なアンテナである、請求項10から12のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
請求項1からのいずれか一項に記載のフェライト組成物を作製する方法であって、
Fe、Ba、Co及びRuを含むフェライト前駆体化合物を混合する工程;並びに
フェライト前駆体化合物を酸素雰囲気中で焼結して、Ru-CoZフェライトを形成する工程
を含む、方法。
【請求項15】
フェライト前駆体化合物が、BaCO、MCO、Co、RuO及びFe(式中、Mは、Sr、Pb又はCaのうちの少なくとも1種である)を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
フェライト前駆体化合物が、5~20質量パーセントのBaCO、5~20質量パーセントのMCO、2~15質量パーセントのCo、0.1~10質量パーセントのRuO、及び50~80質量パーセントのFeを含み、すべて混合物の総質量に対するものとする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
焼結する工程は、1,000~1,300℃、又は1,200~1,250℃の焼結温度で、1~20時間、又は5~12時間の焼結時間、行う、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
焼結する工程の前に、空気中でフェライト前駆体化合物をか焼する工程を更に含む、請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
焼結する工程の前に、フェライト前駆体化合物を結合剤と混合する工程を更に含む、請求項14から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
焼結する工程の前に、フェライト前駆体化合物を形成する工程を更に含む、請求項14から19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2019年8月5日に出願された米国仮特許出願第62/882,681号の優先権を主張する。この関連出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
特に種々の商業及び防衛関連産業において目的となる、極超短波(UHF)、Lバンド及びSバンド用途に使用されるデバイスの増加し続ける需要を満たすために改善された性能及び小型化が必要とされている。レーダー及び現代の無線通信システムの重要な構成要素として、小型のアンテナ素子が恒常的に開発されている。しかしながら、大部分のフェライト材料は短波において比較的高い磁気損失を示すため、そのような短波用途における使用のためのフェライト材料を開発することは困難であった。一般に、六方フェライト又はヘキサフェライトは、六方晶構造を有し、磁気特性を示す、ある種類の酸化鉄セラミック化合物である。Z型フェライト、BaMeFe2441及びY-型フェライト、BaMeFe1222(ここで、Meは、Co、Ni又はZn等の小さな2+カチオンでありえ、BaはSrで置換されてもよい)を含む、数種類のヘキサフェライトのファミリーが公知である。他のヘキサフェライトの型としては、M型フェライト((Ba,Sr)Fe1219)、W型フェライト((Ba,Sr)MeFe1627)、X型フェライト((Ba,Sr)MeFe2846)及びU型フェライト((Ba,Sr)MeFe3660)が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コバルト置換バリウムY型(CoY)及びZ型(CoZ)ヘキサフェライト等のいくつかのヘキサフェライトは、スピネルフェライトと比較して、はるかに高い強磁性共鳴周波数及び透磁率を有することができ、そのため、短波用途に向いている。これらの改善にも関わらず、これらの置換により磁気損失も増加するため、短波及びマイクロ波デバイスにおけるそれらの使用は限定的である。Z型フェライトは、高インピーダンス磁気誘電複合体の候補であるものの、高い磁気損失がその使用を制限している。したがって、改善されたZ型フェライトが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書において、ルテニウムドープZ型ヘキサフェライトが開示される。
【0005】
一態様では、フェライト組成物は、式(Ba3-x)Co(M’Ru)Fe24-2y-z41(式中、Mは、Sr、Pb又はCaのうちの少なくとも1種であり;M’は、Co、Zn、Mg又はCuのうちの少なくとも1種であり;xは、1~3であり;yは、0超~2であり;zは、-4~4である)を有するRu-CoZフェライトを含む。
【0006】
別の態様では、物品は、フェライト組成物又はフェライト複合体の少なくとも一方を含む。
【0007】
なお別の態様では、フェライト組成物を作製する方法は、Fe、Ba、Co及びRuを含むフェライト前駆体化合物を混合する工程;並びにフェライト前駆体化合物を酸素雰囲気中で焼結して、Ru-CoZフェライトを形成する工程を含む。
【0008】
上記及び他の特徴は、以下の図、詳細な説明及び特許請求の範囲によって例示される。
【0009】
以下の図は例示的な実施形態であり、これらは、本開示を例示するために提供される。図は実施例の例示であり、これらは、本開示に従って作製されるデバイスを、本明細書で示される材料、条件又はプロセスパラメーターに限定することを意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1、2、4及び6についての周波数による透磁率及び磁気損失正接のグラフ表示である。
図2】実施例3、5及び7についての周波数による透磁率及び磁気損失正接のグラフ表示である。
図3】実施例4、6及び8についての周波数による透磁率及び磁気損失正接のグラフ表示である。
図4】実施例4、6及び8についての周波数による誘電率及び誘電損失正接のグラフ表示である。
図5】実施例9及び10についての周波数による透磁率及び磁気損失正接のグラフ表示である。
図6】実施例9及び10についての周波数による誘電率及び誘電損失正接のグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
Z型ヘキサフェライト中の鉄イオンの少なくとも一部をルテニウムで置換することにより、改善された特性を有するRu-CoZフェライトがもたらされうることを発見した。具体的には、Ru-CoZフェライトは、一般式:
(Ba3-x)Co(M’Ru)Fe24-2y-z41
(式中、Mは、Sr、Pb又はCaのうちの少なくとも1種であり;M’は、Co、Zn、Mg又はCuのうちの少なくとも1種であり;xは、1~3であり;yは、0超~2、又は0.001~2であり;zは、-4~4である)
を有しうる。M’は、Coでありうる。RuのM’に対する比は、0.01~3、又は0.01~1でありうる。変数zは、非化学量論配合物を含むために非ゼロに変更されてもよい。
【0012】
Ru-CoZフェライトは、磁化容易平面(c面)を有しうる。Ru-CoZフェライトは、高い透磁率、高い動作周波数又は低い磁気損失のうちの少なくとも1つを有することにより、S-Lバンド周波数でアンテナ又はインダクタとしての使用に適しうる。Ru-CoZフェライトは、固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツ、又は2~4ギガヘルツの周波数において、3.5以上、又は5以上、又は5~10の透磁率を有しうる。Ru-CoZフェライトは、固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、0.4以下、0.2以下、又は0.1以下、又は0.08以下、又は0.04~0.4の磁気損失正接tanδμを有しうる。Ru-CoZフェライトは、固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、6~15、又は6~12、又は10~14の誘電率を有しうる。Ru-CoZフェライトは、固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、0.15以下、0.009以下、又は0.008以下、又は0.002、又は0.001~0.15の誘電損失正接tanδεを有しうる。Ru-CoZフェライトは、固体セラミックの形態で、0.1~4ギガヘルツ、又は0.5~2ギガヘルツ、又は1~2ギガヘルツの動作周波数を有しうる。
【0013】
Ru-CoZフェライトは、極超短波範囲内で低い誘電損失正接tanδε又は磁気損失正接tanδμの少なくとも一方を有しうる。例えば、Ru-CoZフェライトは、固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、0.01以下、若しくは0.008以下、若しくは0.006~0.01の誘電損失正接tanδε、又は0.12以下、若しくは0.08以下、又は0.05~0.12の磁気損失正接tanδμの少なくとも一方を有しうる。
【0014】
本明細書で使用される場合、磁気及び誘電特性は、Nicholson-Ross-Weir(NRW)方法を使用するベクトルネットワークアナライザー(VNA)によって同軸空中線で測定され、透磁率及び誘電率の値は、それぞれ相対透磁率及び相対誘電率である。
【0015】
Ru-CoZフェライトは、任意の適した方法を使用して調製できる。一般に、Ru-CoZフェライトは、少なくともBa、M、Co、Ru及びFeの酸化物を含む前駆体化合物を含む混合物を最初に形成することによって形成されてもよく、ここでMは、Sr、Pb又はCaのうちの少なくとも1種である。例えば、混合物は、少なくともBaCO、MCO、Co、RuO及びFeを含みうる。混合物は、混合物の総質量に対して、5~20質量パーセントのBaCOを含みうる。混合物は、混合物の総質量に対して、5~50質量パーセントのMCOを含みうる。混合物は、混合物の総質量に対して、2~15質量パーセントのCoを含みうる。混合物は、混合物の総質量に対して、0.1~10質量パーセントのRuOを含みうる。混合物は、混合物の総質量に対して、50~80質量パーセントのFeを含みうる。混合物は、Zn、Mg又はCuのうちの少なくとも1種の酸化物を更に含みうる。混合物の質量パーセンテージは、混合物中の酸化物の総質量に対するものでありうることに留意されたい。
【0016】
混合物は空気中でか焼して、Z型フェライトを含むフェライトを形成できる。か焼は、摂氏800~1,300度(℃)のか焼温度で行うことができる。か焼は、0.5~20時間、1~10時間、又は2~5時間のか焼時間、行うことができる。か焼する工程は任意選択であり、唯一の加熱工程は、焼結してフェライトを形成する工程でありうることに留意されたい。
【0017】
フェライトは粉砕し、任意選択により、篩い分けして粒状物を形成できる。篩い分ける工程は、10~100番のメッシュスクリーンを通して篩い分けることを含みうる。粗粒子は粒子径を低減するために更に摩砕されうる。微粒子は、0.5~50マイクロメートル、又は0.5~10マイクロメートルの中央D50体積粒子径を有しうる。粒子径は、Horiba LA-910レーザー光散乱PSD分析器を使用して、又はASTM D4464-15に従って決定される通りに、決定できる。フェライトは結合剤と混合されうる。結合剤は、ポリ(ビニルアルコール)、メチルセルロース、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(エチレングリコール)又はポリ(アルキレンカルボネート)のうちの少なくとも1種を含みうる。結合剤は、フェライトと結合剤の総量に対して、8~12質量パーセントの量で存在しうる。結合剤は、フェライトの成形を容易にしえ、焼結の間に完全に焼き切ることができる。結合フェライトは、10~300マイクロメートル、又は50~300マイクロメートルの中央D50体積粒子径を有しうる。
【0018】
フェライトは、任意選択により成形し、焼結して、Ru-CoZフェライトを形成できる。成形する方法は限定されず、単軸圧縮、静水圧プレス、キャスティング、プレス等のうちの少なくとも1種を含みうる。プレスは、1平方センチメートル当たり0.5~2メートルトンの圧力で行うことができる。焼結は、1,000~1,300℃、又は1,200~1,250℃の焼結温度で行うことができる。焼結温度からの昇温及び降温は、各々独立して、毎分1~5℃の傾斜率で行うことができる。焼結は、1~20時間、又は5~12時間の焼結時間、行うことができる。焼結は、酸素環境中で実施されて、誘電損失を低減するのを助けうる。酸素は、焼結チャンバーに毎分0.1~10リットルの流量で導入されうる。焼結Ru-CoZフェライトは、用途に応じて任意の所望の方式で、例えば、切断する又は磨くことによって、仕上げることができる。
【0019】
焼結の前に、ある量の酸化ビスマスをフェライトに添加してもよい。酸化ビスマスは、フェライトの総質量に対して、0.2~5質量パーセントの量で添加されうる。Z型フェライト相の粒界に存在しうるBiの添加は、低い磁気及び誘電損失正接を保持しながら、等しい又は実質的に等しい値の透磁率及び誘電率を有する組成物を実現するのを助けうる。
【0020】
Ru-CoZフェライトは、1~100マイクロメートル、又は5~50マイクロメートルの平均粒径を有しうる。粒径は、透過型電子顕微鏡、電界放出走査電子顕微鏡又はX線回折のうちの少なくとも1つを使用して測定できる。
【0021】
Ru-CoZフェライトは、バルクセラミックでありえ、又は例えばRu-CoZフェライト及びポリマーを含む複合体中に存在しうる。ポリマーは、熱可塑性物質又は熱硬化性物質を含みうる。本明細書で使用される場合、「熱可塑性物質」という用語は、可塑性又は変形可能であり、加熱されると液体に溶融し、十分に冷却されると、もろいガラス状態に凍結する材料を指す。使用されうる熱可塑性ポリマーの例としては、環式オレフィンポリマー(ポリノルボルネン及びノルボルネニル単位を含有するコポリマー、例えば、ノルボルネン等の環式ポリマー及びエチレン又はプロピレン等の非環式オレフィンのコポリマーを含む)、フルオロポリマー(例えば、フッ化ポリビニル(PVF)、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、フッ化エチレン-プロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ(エチレン-テトラフルオロエチレン(PETFE)又はパーフルオロアルコキシ(PFA))、ポリアセタール(例えば、ポリオキシエチレン及びポリオキシメチレン)、ポリ(C1~6アルキル)アクリレート、ポリアクリルアミド(非置換及びモノ-N-又はジ-N-(C1~8アルキル)アクリルアミドを含む)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド(例えば、脂肪族ポリアミド、ポリフタルアミド又はポリアラミド)、ポリアミドイミド、ポリ無水物、ポリアリーレンエーテル(例えば、ポリフェニレンエーテル)、ポリアリーレンエーテルケトン(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及びポリエーテルケトンケトン(PEKK))、ポリアリーレンケトン、ポリアリーレンスルフィド(例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS))、ポリアリーレンスルホン(例えば、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルホン(PPS)等)、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポリカーボネート(ホモポリカーボネート又はポリカーボネートコポリマー、例えば、ポリカーボネート-シロキサン、ポリカーボネート-エステル又はポリカーボネート-エステル-シロキサンを含む)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリーレート、又はポリエステル-エーテル等のポリエステルコポリマー)、ポリエーテルイミド(例えば、ポリエーテルイミド-シロキサンコポリマー等のコポリマー)、ポリイミド(例えば、ポリイミド-シロキサンコポリマー等のコポリマー)、ポリ(C1~6アルキル)メタクリレート、ポリアルキルアクリルアミド(例えば、非置換及びモノ-N-又はジ-N-(C1~8アルキル)アクリルアミド)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、及びそれらのハロゲン化誘導体(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)及びそれらのコポリマー、例えば、エチレン-アルファ-オレフィンコポリマー)、ポリオキサジアゾール、ポリオキシメチレン、ポリフタリド、ポリシラザン、ポリシロキサン(シリコーン)、ポリスチレン(例えば、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)又はメチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン(MBS)等のコポリマー)、ポリスルフィド、ポリスルホンアミド、ポリスルホネート、ポリスルホン、ポリチオエステル、ポリトリアジン、ポリウレア、ポリウレタン、ビニルポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステル、ポリビニルエーテル、ハロゲン化ビニル(例えば、塩化ポリビニル)、ポリビニルケトン、ポリビニルニトリル又はポリビニルチオエーテル)、パラフィンワックス等が挙げられる。前述の熱可塑性ポリマーのうちの少なくとも1種を含む組合せが使用されうる。
【0022】
熱硬化性ポリマーは、不可逆的に硬化し、重合又は硬化により不溶性になりうる熱硬化性モノマー又はプレポリマー(樹脂)から誘導され、重合又は硬化は、加熱又は照射(例えば、紫外光、可視光、赤外光又は電子ビーム(eビーム)照射)への曝露によって誘導できる。熱硬化性ポリマーとしては、アルキド、ビスマレイミドポリマー、ビスマレイミドトリアジンポリマー、シアネートエステルポリマー、ベンゾシクロブテンポリマー、ベンゾオキサジンポリマー、ジアリルフタレートポリマー、エポキシド、ヒドロキシメチルフランポリマー、マレイミド-ホルムアルデヒドポリマー、フェノール類(ノボラック及びレゾール等のフェノール-ホルムアルデヒドポリマーを含む)、ベンゾオキサジン、ポリブタジエン等のポリジエン(そのホモポリマー及びコポリマー、例えば、ポリ(ブタジエン-イソプレン)を含む)、ポリイソシアネート、ポリウレア、ポリウレタン、トリアリルシアヌレートポリマー、トリアリルイソシアヌレートポリマー、特定のシリコーン、及び重合性プレポリマー(例えば、不飽和ポリエステル、ポリイミド等のエチレン性不飽和を有するプレポリマー)等が挙げられる。プレポリマーは、例えば、スチレン、アルファ-メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、(C1~6アルキル)アクリレート、(C1~6アルキル)メタクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、酢酸アリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート又はアクリルアミド等の反応性モノマーと重合、共重合又は架橋されうる。
【0023】
複合体を形成する方法は、限定されず、射出成形、反応射出成形、積層、押出、圧縮成形、カレンダー処理、キャスティング等を含みうる。複合体は、ボイド空間を含まない場合がある。
【0024】
物品は、Ru-CoZフェライトを含みうる。物品は、アンテナ又はインダクタコアでありうる。物品は、0.1~4ギガヘルツ範囲、又は0.5~2ギガヘルツ範囲の周波数における使用のためでありうる。物品は、短波又はマイクロ波アンテナ、フィルター、インダクタ、サーキュレータ又はフェーズシフター等の極超短波範囲内で動作可能な種々のデバイスに使用されうる。物品は、0.1GHz以上の周波数、又は0.3GHz以上の周波数で動作可能でありうる。そのような物品は、商業及び軍事用途、気象レーダー、科学通信、無線通信、自律自動車、航空機通信、宇宙通信、衛星通信又はサーベイランスに使用されうる。
【0025】
本明細書で開示される通り、フェライト組成物は、式(Ba3-x)Co(M’Ru)Fe24-2y-z41(式中、Mは、Sr、Pb又はCaのうちの少なくとも1種であり;M’は、Co、Zn、Mg又はCuのうちの少なくとも1種であり;xは、1~3であり;yは、0超~2、又は0.001~2であり;zは、-4~4である)のRu-CoZフェライトを含みうる。M’は、少なくともCoでありうる。RuのM’に対する比は、0.01~3でありうる。フェライト組成物は、フェライト組成物の総質量に対して、0.2~5.0質量パーセントの量のBiを更に含みうる。フェライト組成物は、固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、3.5以上の透磁率を有しうる。フェライト組成物は、固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、6~15の誘電率を有しうる。フェライト組成物は、固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、0.12以下、又は0.08以下の磁気損失正接tanδμを有しうる。フェライト組成物は、固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、0.01以下、又は0.008以下の誘電損失正接tanδεを有しうる。複合体は、フェライト組成物及びポリマーを含みうる。物品は、フェライト組成物又は複合体を含みうる。物品は、アンテナ、フィルター、インダクタ、サーキュレータ又はフェーズシフターでありうる。物品は、マイクロ波アンテナでありうる。アンテナは、0.1ギガヘルツ以上、又は0.3ギガヘルツ以上、又は0.1~4ギガヘルツの周波数で動作可能でありうる。
【0026】
フェライト組成物を作製する方法は、Fe、Ba、Co及びRuを含むフェライト前駆体化合物を混合する工程;並びにフェライト前駆体化合物を酸素雰囲気中で焼結して、Ru-CoZフェライトを形成する工程を含みうる。フェライト前駆体化合物は、BaCO、MCO、Co、RuO及びFe(式中、Mは、Sr、Pb又はCaのうちの少なくとも1種である)を含みうる。フェライト前駆体化合物は、5~20質量パーセントのBaCO、5~20質量パーセントのMCO、2~15質量パーセントのCo、0.1~10質量パーセントのRuO、及び50~80質量パーセントのFeを含んでもよく、すべて混合物の総質量に対するものとする。焼結する工程は、1,000~1,300℃、又は1,200~1,250℃の焼結温度で、1~20時間、又は5~12時間の焼結時間、行うことができる。方法は、焼結する工程の前に、空気中でフェライト前駆体化合物をか焼する工程を更に含みうる。方法は、焼結する工程の前に、フェライト前駆体化合物を結合剤と混合する工程を更に含みうる。方法は、焼結する工程の前に、フェライト前駆体化合物を形成する工程を更に含みうる。
【0027】
以下の実施例は、本開示を例示するために提供される。実施例は単なる例示であり、本開示に従って作製されるデバイスを、実施例で示される材料、条件又はプロセスパラメーターに限定することは意図されない。
【実施例
【0028】
実施例において、得られたフェライトサンプルの透磁率を、Nicholson-Ross-Weir(NRW)方法を使用するベクトルネットワークアナライザー(VNA)によって、同軸空中線で、0.1~10GHzの周波数で測定した。
【0029】
(実施例1~8)
Ru-CoZフェライトサンプルの調製
Ru-CoZフェライトサンプルを、一般式(Ba1.5Sr1.5)Co(CoRu)Fe22.4-2y41中のルテニウムの量、yを変化させて形成して、Table 1(表1)に示される通りのフェライト組成物を形成した。Ru-CoZフェライトを、適切な量のBaCO、SrCO、Co、Fe及びRuOを、湿式遊星ミルで混合して混合物を形成することによって調製した。混合物を、空気中で4時間の浸漬時間、1,200℃のか焼温度にか焼して、フェライトを形成した。フェライトを粉砕し、40メッシュスクリーンを通して篩い分けした。粗粒子を湿式遊星ミルで摩砕して、0.5~10マイクロメートルの中央D50体積粒子径を有する微粒子を形成した。微粒子を、粒子混合物の総量に対して0.5~5質量パーセントのポリ(ビニルアルコール)と混合することによって粒子混合物を形成した。次いで、微粒子混合物を、1平方センチメートル当たり1メートルトンの圧力で圧縮して、7ミリメートルの外径、3ミリメートルの内径及び3~3.5ミリメートルの厚さを有するトロイド粒を形成した。トロイド粒を、毎分3℃の傾斜率及び毎分-3℃の冷却速度を使用し、毎分0.5リットルの速度で酸素ガスを流すことによって、酸素雰囲気中、1,200℃、1,220℃又は1,240℃の焼結温度で10時間焼結した。
【0030】
【表1】
【0031】
Table 2(表2)及びTable 3(表3)に示される焼結温度及びy値で種々のフェライト組成物を調製した。透磁率(実線)及び磁気損失正接(破線)を、周波数の関数として図1図2及び図3に示し、異なる組成物の特性値をTable 2(表2)に示す。図3において、アスタリスク付きのサンプルは、反復サンプルであることに留意されたい。いくつかのサンプルの誘電率(実線)及び誘電損失正接(破線)を、周波数の関数として図4に示し、異なる組成物の特性値をTable 3(表3)に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
結果は、ルテニウムの量を増加させると、1~2ギガヘルツで3以上の透磁率、μ’はなお維持される一方、磁気損失正接が大幅に減少することを示している。結果はまた、単に焼結温度を上昇させることによって、磁気損失正接が更に減少する一方、透磁率が増加しうることも示している。
【0034】
【表3】
【0035】
Table 3(表3)及び図4は、焼結温度を上昇させると、低い誘電正接値は維持される一方、誘電率が増加しうることを示している。
【0036】
(実施例9~10)
1工程焼結プロセスを使用したRu-CoZフェライトサンプルの調製
Ru-CoZフェライトサンプルを、一般式(Ba1.5Sr1.5)Co(CoRu)Fe22.4-2y41中のルテニウムの量、yを変化させて形成して、Table 1(表1)に示される通りのフェライト組成物を形成した。Ru-CoZフェライトを、適切な量のBaCO、SrCO、Co、RuO及びFeを、湿式遊星ミルで混合して混合物を形成することによって調製した。微粒子を混合物の総量に対して0.5~5質量パーセントのポリ(ビニルアルコール)と混合することによって混合物を形成した。次いで、混合物を、1平方センチメートル当たり1メートルトンの圧力で圧縮して、7ミリメートルの外径、3ミリメートルの内径及び3~3.5ミリメートルの厚さを有するトロイド粒を形成した。トロイド粒を、毎分3℃の傾斜率及び毎分-3℃の冷却速度を使用し、毎分0.5リットルの速度で酸素ガスを流すことによって、酸素雰囲気中、1,220℃又は1,240℃の焼結温度で10時間、焼結した。
【0037】
Table 4(表4)及びTable 5(表5)に示される焼結温度及びy値で種々のフェライト組成物を調製した。透磁率(実線)及び磁気損失正接(破線)を、周波数の関数として図5に示し、異なる組成物の特性値をTable 4(表4)に示す。いくつかのサンプルの誘電率(実線)及び誘電損失正接(破線)を、周波数の関数として図6に示し、異なる組成物の特性値をTable 5(表5)に示す。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
結果は、1工程焼結プロセスを使用して、良好な透磁率及び磁気損失正接値が維持されることを示している。
【0041】
(実施例11~14)
フェライト組成物を含む複合体の調製
Ru-CoZフェライトサンプルを、一般式(Ba1.5Sr1.5)Co(CoRu)Fe22.4-2y41中のルテニウムの量、yを変化させて形成して、Table 1(表1)に示される通りのフェライト組成物を形成した。Ru-CoZフェライトを、適切な量のBaCO、SrCO、Co、Fe及びRuOを、湿式遊星ミルで混合して混合物を形成することによって調製した。混合物を、空気中で4時間の浸漬時間、1,200℃のか焼温度にか焼して、フェライトを形成した。フェライトを粉砕し、100メッシュスクリーンを通して篩い分けした。粗粒子を空気中、1,240℃で10時間、焼結し、湿式遊星ミルで摩砕して微粒子を形成し、毎分0.4リットルの速度で流れる酸素中、900℃で2時間、アニールして、フェライト粉末を形成した。フェライト粉末は、3~6マイクロメートルの中央D50粒子径を有した。フェライト粉末をパラフィンワックスと混合して、40体積パーセントのフェライト粉末及び60体積パーセントのパラフィンワックスを含む複合体を形成した。複合体を、7ミリメートルの外径、3ミリメートルの内径及び2.5ミリメートルの厚さを有するトロイドに成形し、磁気及び誘電特性を測定した。
【0042】
磁気特性をTable 6(表6)に示し、誘電特性をTable 7(表7)に示す。
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
結果は、フェライト粒子を含む複合体の良好な透磁率及び磁気損失正接値を示している。
【0046】
以下に、本開示の非限定的な態様を示す。
【0047】
態様1
式:(Ba3-x)Co(M’Ru)Fe24-2y-z41(式中、Mは、Sr、Pb又はCaのうちの少なくとも1種であり;M’は、Co、Zn、Mg又はCuのうちの少なくとも1種であり;xは、1~3であり;yは、0超~2であり;zは、-4~4である)を有するRu-CoZフェライトを含むフェライト組成物。
【0048】
態様2
yが0.001~2である、態様1のフェライト組成物。
【0049】
態様3
M’が、少なくともCoである、先行する態様のいずれか1つ又は複数のフェライト組成物。
【0050】
態様4
RuのM’に対する比が、0.01~3である、先行する態様のいずれか1つ又は複数のフェライト組成物。
【0051】
態様5
フェライト組成物の総質量に対して、0.2~5.0質量パーセントの量のBiを更に含む、先行する態様のいずれか1つ又は複数のフェライト組成物。
【0052】
態様6
固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、3.5以上の透磁率を有する、先行する態様のいずれか1つ又は複数のフェライト組成物。
【0053】
態様7
固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、6~15の誘電率を有する、先行する態様のいずれか1つ又は複数のフェライト組成物。
【0054】
態様8
固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、0.12以下、又は0.08以下の磁気損失正接tanδμを有する、先行する態様のいずれか1つ又は複数のフェライト組成物。
【0055】
態様9
固体セラミックの形態で、1~2ギガヘルツの周波数において、0.01以下、又は0.008以下の誘電損失正接tanδεを有する、先行する態様のいずれか1つ又は複数のフェライト組成物。
【0056】
態様10
先行する態様のいずれか1つ又は複数のフェライト組成物を含む物品。
【0057】
態様11
アンテナ、フィルター、インダクタ、サーキュレータ又はフェーズシフターである、態様10の物品。
【0058】
態様12
マイクロ波アンテナである、態様10~11のいずれか1つ又は複数の物品。
【0059】
態様13
0.1ギガヘルツ以上、又は0.3ギガヘルツ以上、又は0.1~4ギガヘルツの周波数で動作可能なアンテナである、態様10~12のいずれか1つ又は複数の物品。
【0060】
態様14
例えば、先行する態様のいずれか1つ又は複数のフェライト組成物を作製する方法であって、Fe、Ba、Co及びRuを含むフェライト前駆体化合物を混合する工程;並びにフェライト前駆体化合物を酸素雰囲気中で焼結して、Ru-CoZフェライトを形成する工程を含む、方法。
【0061】
態様15
フェライト前駆体化合物が、BaCO、MCO、Co、RuO及びFe(式中、Mは、Sr、Pb又はCaのうちの少なくとも1種である)を含む、態様14の方法。
【0062】
態様16
フェライト前駆体化合物が、5~20質量パーセントのBaCO、5~20質量パーセントのMCO、2~15質量パーセントのCo、0.1~10質量パーセントのRuO、及び50~80質量パーセントのFeを含み、すべて混合物の総質量に対するものとする、態様15の方法。
【0063】
態様17
焼結する工程は、1,000~1,300℃、又は1,200~1,250℃の焼結温度で、1~20時間、又は5~12時間の焼結時間、行う、態様14~16のいずれか1つ又は複数の方法。
【0064】
態様18
焼結する工程の前に、空気中でフェライト前駆体化合物をか焼する工程を更に含む、態様14~16のいずれか1つ又は複数の方法。
【0065】
態様19
焼結する工程の前に、フェライト前駆体化合物を結合剤と混合する工程を更に含む、態様14~18のいずれか1つ又は複数の方法。
【0066】
態様20
焼結する工程の前に、フェライト前駆体化合物を形成する工程を更に含む、態様14~19のいずれか1つ又は複数の方法。
【0067】
態様21
先行する態様のうちのいずれか1つ又は複数のフェライト組成物を含む複合体。
【0068】
組成物、方法及び物品は、本明細書で開示される任意の適切な材料、工程又は構成要素を代替的に含んでもよく、それらからなってもよく、又はそれらから本質的になってもよい。組成物、方法及び物品は、組成物、方法及び物品の機能又は目的を達成するのに別途必ずしも必須ではないいずれの材料(若しくは種)、工程又は構成要素も含まない、又は実質的に含まないように更に又は代替的に考案されてもよい。
【0069】
本明細書で使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」及び「少なくとも1つ」は、量の限定を記述せず、文脈がそうでないことを明らかに示していない限り、単数及び複数の両方を包含することが意図される。例えば、「1つの要素(an element)」は、文脈がそうでないことを明らかに示していない限り、「少なくとも1つの要素」と同じ意味を有する。「組合せ」という用語は、ブレンド、混合物、合金、反応生成物等を包含する。また、「のうちの少なくとも1つ」とは、リストが各要素を個々に、並びにリストの2つ以上の要素の組合せ及びリストの少なくとも1つの要素と列挙されない同様の要素との組合せを包含することを意味する。
【0070】
「又は」という用語は、文脈がそうではないことを明らかに示していない限り、「及び/又は」を意味する。本明細書全体を通して、「一態様」、「別の態様」、「一部の態様」等への参照は、その態様と関連して記載される特定の要素(例えば、特徴、構造、工程又は特性)が、本明細書に記載の少なくとも1つの態様に含まれ、他の態様では存在してもしなくてもよいことを意味する。更に、記載の要素は、任意の適した方法で種々の態様において組み合わせられうることを理解されたい。
【0071】
本明細書で逆のことが特定されていない限り、すべての試験標準は、本出願の出願日、又は優先権が主張される場合、試験標準が現れる最も速い優先権出願の出願日時点で有効な最新の標準である。
【0072】
同じ構成要素又は特性を対象とするすべての範囲の端値は、端値を含み、独立して組み合わせ可能であり、すべての中間点及び範囲を含む。例えば、「最大25体積%、又は5~20体積%」の範囲は、端値及び「5~25体積%」の範囲のすべての中間値、例えば、10~23体積%等を含む。
【0073】
別途定義されない限り、本明細書で使用される技術及び科学用語は、本出願が属する分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。
【0074】
すべての引用される特許、特許出願及び他の参考文献は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、本出願の用語が、組み込まれた参考文献の用語と矛盾する又は相反する場合、本出願からの用語が、組み込まれた参考文献の相反する用語に優先する。
【0075】
特定の実施形態を記載したが、現在予期されていない又は予期されえない代替例、修正例、変更例、改善及び実質的な均等物が、出願人又は他の当業者に想起されうる。したがって、出願され、補正されうる添付の特許請求の範囲は、すべてのそのような代替例、修正例、変更例、改善及び実質的な均等物を包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6