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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】回転テーブル用電動ブラシモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01R 39/38 20060101AFI20250219BHJP
   B23H 11/00 20060101ALN20250219BHJP
【FI】
H01R39/38
B23H11/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023165936
(22)【出願日】2023-09-27
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】596016557
【氏名又は名称】上銀科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】黄立文
(72)【発明者】
【氏名】何志豪
(72)【発明者】
【氏名】呉易霖
(72)【発明者】
【氏名】呉翊民
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-245458(JP,A)
【文献】特開2001-126837(JP,A)
【文献】中国実用新案第201134605(CN,Y)
【文献】実開昭52-170202(JP,U)
【文献】実開昭51-162209(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 39/38
B23H 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1溝壁面と、前記第1溝壁面に対向する第2溝壁面と、前記第1溝壁面と前記第2溝壁面との間に設置されている溝底面と、前記溝底面に対向する溝の開口部と、を有している収容溝を含むハウジングと、
電動ブラシと、電線と、弾性体と、を含み、前記電動ブラシは前記収容溝に設置され、且つ前記第1溝壁面に対向する第1側面と、前記第2溝壁面に対向する第2側面と、前記溝底面に対向する端面と、前記端面の反対側にある接触面と、を有し、前記電線は前記ハウジングに貫設され、前記弾性体は前記電線に覆設されていると共に前記溝底面と前記端面との間に押し当てられ、前記電動ブラシを前記溝の開口部の方向に向けて変位させるための推進力を提供する電動ブラシユニットと、
前記ハウジングに設置され、且つ第1弾性部材及び第1保持部材を含み、前記第1保持部材は前記電動ブラシの前記第1側面に押し当てられ、前記第1溝壁面から前記第2溝壁面の方向に向けて第1押力を提供する第1保持ユニットと、
前記ハウジングに設置され、且つ第2弾性部材及び第2保持部材を含み、前記第2保持部材は前記電動ブラシの前記第2側面に押し当てられ、前記第2溝壁面から前記第1溝壁面の方に向けて第2押力を提供する第2保持ユニットと、を備え、
前記電動ブラシは、前記第1側面と前記第2側面との間に連接されている第3側面と、前記端面から凹設されている組立溝と、前記第3側面を貫通すると共に前記組立溝に連通されている充填穴と、を更に有し、
前記電線は前記電動ブラシに電気的に接続される導電部分を有し、
前記電線の前記導電部分にはブレース端子が被装され、前記電動ブラシの組立溝はねじ溝であり、前記ブレース端子を前記組立溝に螺設することにより、前記電線の前記導電部分は前記組立溝に挿設され、
前記充填穴、前記組立溝、及び前記組立溝に螺設した前記ブレース端子の周囲には導電性材料が充填されていることを特徴とする回転テーブル用電動ブラシモジュール。
【請求項2】
前記電動ブラシの前記第1側面には第1位置制限溝が凹設され、前記第1位置制限溝は前記第1保持部材を押し当てるために用いられ、前記電動ブラシの前記第2側面には第2位置制限溝が凹設され、前記第2位置制限溝は前記第2保持部材を押し当てるために用いられていることを特徴とする請求項1に記載の回転テーブル用電動ブラシモジュール。
【請求項3】
前記第1位置制限溝の断面は円弧状を呈し、前記第1保持部材は球体であり、前記第1位置制限溝の半径は前記第1保持部材の半径より約2%大きく、前記第2位置制限溝の断面は円弧状を呈し、前記第2保持部材は球体であり、前記第2位置制限溝の半径は前記第2保持部材の半径より約2%大きいことを特徴とする請求項2に記載の回転テーブル用電動ブラシモジュール。
【請求項4】
前記第1保持ユニットは、前記ハウジングに固設されている第1本体と、前記第1本体に内設されている前記第1弾性部材と、前記第1本体に内設されていると共に前記第1弾性部材により保持される前記第1保持部材と、を更に有し、前記第1保持部材は部分的に前記第1本体に突出し、前記第2保持ユニットは、前記ハウジングに固設されている第2本体と、前記第2本体に内設されている前記第2弾性部材と、前記第2本体に内設されていると共に前記第2弾性部材により保持される前記第2保持部材と、を更に有し、前記第2保持部材は部分的に前記第2本体に突出していることを特徴とする請求項1に記載の回転テーブル用電動ブラシモジュール。
【請求項5】
前記弾性体のばね定数はK1であり、前記第1弾性部材及び前記第2弾性部材のばね定数はK2であり、前記弾性体の圧縮量はX1であり、前記第1弾性部材及び前記第2弾性部材の圧縮量はX23であり、K2/K1=X1/(20X23)の条件を満たしていることを特徴とする請求項4に記載の回転テーブル用電動ブラシモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電加工用回転テーブルに関し、より詳しくは、回転テーブル用電動ブラシモジュール(A electric brush module for rotary table)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
放電加工形式の回転テーブルは液体中で高速運転し、高レベル放電、線切断、レーザー等の非接触型微細加工設備に適用され、車載用、半導体用、医療用等の精密素子を製造する。
【0003】
前述した回転テーブルは主に、機体にターンテーブル及び電動ブラシモジュールが設置され、前記電動ブラシモジュールは前記ターンテーブルのリング側に電気的に接触し、前記ターンテーブルの回転時にも導電状態が保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】中国実用新案登録第217720205号公報
【文献】中国実用新案登録第215870142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現在、前記電動ブラシモジュールの設計不良により、前記ターンテーブルが高速回転する際に前記電動ブラシモジュールの電動ブラシに大きな振動、揺れ、スリップ、線接触等が発生し、前記ターンテーブルのリング側が損壊し、前記ターンテーブルの導電不良という欠陥を引き起こした。
【0006】
また、電動ブラシモジュール導体との電気的接触の設計について、従来の特許文献では、例えば、特許文献1には、カーボンブラシ組立部材とカーボンブラシ組立部材を備えるモーターが開示されているが、前記特許文献1の弾性ダンパー組立部材は支持ばね及びダンパー部材で構成され、前記弾性ダンパー組立部材はカーボンブラシボックスの片側のみに設置されると共にカーボンブラシの片側に押し当てられている。このようなダンパー方向が単一な設計は、カーボンブラシとカーボンブラシボックスとの間に過度な摩擦が発生しやすく、前記カーボンブラシが損壊したり、カーボンブラシとカーボンブラシボックスとが相互にスタックしたりする。また、例えば、特許文献2には、掃除機モーターカーボンブラシ組立部材が開示されている。前記特許文献2は電極等を囲む玉軸受の設計のために、接触物が高速に動作して電動ブラシが傾くと、軸受スリーブの外周とスリーブとが圧着し、ボールが挟まってロックされるという欠陥があった。
【0007】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0008】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、上述のような問題点を解決することを課題の一例とする。すなわち、本発明は、回転テーブル用電動ブラシモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の回転テーブル用電動ブラシモジュールは、第1溝壁面と、前記第1溝壁面に対向する第2溝壁面と、前記第1溝壁面と前記第2溝壁面との間に設置されている溝底面と、前記溝底面に対向する溝の開口部と、を有している収容溝を含むハウジングと、電動ブラシと、電線と、弾性体と、を含み、前記電動ブラシは前記収容溝に設置され、且つ前記第1溝壁面に対向する第1側面と、前記第2溝壁面に対向する第2側面と、前記溝底面に対向する端面と、前記端面の反対側にある接触面と、を有し、前記電線は前記ハウジングに貫設され、前記弾性体は前記電線に覆設されていると共に前記溝底面と前記端面との間に押し当てられ、前記電動ブラシを前記溝の開口部の方向に向けて変位させるための推進力を提供する電動ブラシユニットと、前記ハウジングに設置され、且つ第1弾性部材及び第1保持部材を含み、前記第1保持部材は前記電動ブラシの前記第1側面に押し当てられ、前記第1溝壁面から前記第2溝壁面の方向に向けて第1押力を提供する第1保持ユニットと、前記ハウジングに設置され、且つ第2弾性部材及び第2保持部材を含み、前記第2保持部材は前記電動ブラシの前記第2側面に押し当てられ、前記第2溝壁面から前記第1溝壁面の方に向けて第2押力を提供する第2保持ユニットと、を備えている。
【0010】
好ましくは、前記回転テーブルは、マシン及び前記マシンに回転可能に設置されていると共にリング側を有しているターンテーブルを含む。前記ハウジングは前記マシンに固設され、前記電動ブラシの前記接触面は前記ターンテーブルの前記リング側に電気的に接触している。
【0011】
好ましくは、前記弾性体は圧縮ばねであり、且つ前記溝底面に押し当てられている第1端部、及び前記端面に押し当てられている第2端部を有している。
【0012】
好ましくは、前記電動ブラシの前記第1側面には第1位置制限溝が凹設され、前記第1位置制限溝は前記第1球体を押し当てるために用いられている。前記電動ブラシの前記第2側面には第2位置制限溝が凹設され、前記第2位置制限溝は前記第2球体を押し当てるために用いられている。
【0013】
好ましくは、前記第1位置制限溝の断面は円弧状を呈し、前記第1保持部材は球体であり、前記第1位置制限溝の半径は前記第1保持部材の半径より約2%大きい。前記第2位置制限溝の断面は円弧状を呈し、前記第2保持部材は球体であり、前記第2位置制限溝の半径は前記第2保持部材の半径より約2%大きい。
【0014】
好ましくは、前記第1保持ユニットは、前記ハウジングに固設されている第1本体と、前記第1本体に内設されている前記第1弾性部材と、前記第1本体に内設されていると共に前記第1弾性部材により保持される前記第1保持部材と、を更に有し、前記第1保持部材は部分的に前記第1本体に突出している。前記第2保持ユニットは、前記ハウジングに固設されている第2本体と、前記第2本体に内設されている前記第2弾性部材と、前記第2本体に内設されていると共に前記第2弾性部材により保持される前記第2保持部材と、を更に有し、前記第2保持部材は部分的に前記第2本体に突出している。
【0015】
好ましくは、前記弾性体のばね定数はK1であり、前記第1弾性部材及び前記第2弾性部材のばね定数はK2であり、前記弾性体の圧縮量はX1であり、前記第1弾性部材及び前記第2弾性部材の圧縮量はX23であり、K2/K1=X1/(20X23)の条件を満たしている。
【0016】
好ましくは、前記電動ブラシは、前記第1側面と前記第2側面との間に連接されている第3側面と、前記端面から凹設されている組立溝と、前記第3側面を貫通すると共に前記組立溝に連通されている充填穴と、を更に有している。前記電線は前記電動ブラシに電気的に接続されている導電部分を有し、前記電線の前記導電部分は前記組立溝に挿設され、前記充填穴、前記組立溝、及び前記導電部分には導電性材料が充填されている。
【0017】
好ましくは、前記電動ブラシの組立溝はねじ溝であり、前記電線の前記導電部分にはブレース端子が被装され、前記ブレース端子は前記組立溝に螺設されている。
【0018】
好ましくは、前記ハウジングは前記第1溝壁面と前記第2溝壁面との間に連接されている第3溝壁面と、前記第3溝壁面に対向する第4溝壁面と、を更に有している。前記電動ブラシは、前記第1側面と前記第2側面との間に連接されていると共に前記第3溝壁面に対向する第3側面と、前記第3側面の反対側にある第4側面と、を更に有している。前記回転テーブルの前記電動ブラシモジュールは、第3保持ユニット及び第4保持ユニットを更に有している。前記第3保持ユニットは前記ハウジングに設置され、且つ前記電動ブラシの前記第3側面に押し当てられていると共に、前記第3溝壁面から前記第4溝壁面の方向に向けて第3押力を提供する第3保持部材を備えている。前記第4保持ユニットは前記ハウジングに設置され、且つ前記電動ブラシの前記第4側面に押し当てられていると共に、前記第4溝壁面から前記第3溝壁面の方向に向けて第4押力を提供する第4保持部材を備えている。
【0019】
好ましくは、前記電動ブラシの前記第3側面には第3位置制限溝が凹設され、前記第3位置制限溝は前記第3球体を押し当てるために用いられている。前記電動ブラシの前記第4側面には第4位置制限溝が凹設され、前記第4位置制限溝は前記第4球体を押し当てるために用いられている。
【0020】
好ましくは、前記第3位置制限溝の断面は円弧状を呈し、前記第3位置制限溝の半径は前記第3保持部材の半径より約2%大きい。前記第4位置制限溝の断面は円弧状を呈し、前記第4位置制限溝の半径は前記第4保持部材の半径より2%大きい。
【0021】
好ましくは、前記第3保持ユニットは、前記ハウジングに固設されている第3本体と、前記第3本体に内設されている第3弾性部材と、前記第3本体に内設されていると共に前記第3弾性部材により保持されている前記第3保持部材と、を更に有し、前記第3保持部材は部分的に前記第3本体に突出している。前記第4保持ユニットは、前記ハウジングに固設されている第4本体と、前記第4本体に内設されている第4弾性部材と、前記第4本体に内設されていると共に前記第4弾性部材により保持されている前記第4保持部材と、を更に有し、前記第4保持部材は部分的に前記第4本体に突出している。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
前記ハウジングに対向するように設置されている第1保持ユニット及び第2保持ユニットが前記電動ブラシに相互に対向する第1押力及び第2押力を提供することで、電動ブラシと回転テーブルのターンテーブルとの間で摩擦により発生する横方向推進力に抵抗し、前記ターンテーブルが高速回転する際に発生する前記電動ブラシの振動、揺れ、スリップ、線接触等を大幅に減らし、前記ターンテーブルのリング側が損壊するのを防ぎ、前記電動ブラシと前記ターンテーブルとの間の良好な電気的接触を保持する。また、本発明は、前記電動ブラシが元の中心位置に自動回帰する機能を有し、電動ブラシが傾いて電動ブラシとターンテーブルとの間で過大な摩擦力が発生し、前記回転テーブルのモーターが焼損する問題を防止している。
【0023】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施例に係る回転テーブルに装設するマシン状態を示す概略組立図である。
図2図1の2-2線に沿う断面図である。
図3】本発明の第1実施例に係る回転テーブル用電動ブラシモジュールを示す傾斜組立図である。
図4】本発明の第1実施例に係る回転テーブル用電動ブラシモジュールを示す概略展開図である。
図5A図3の5A-5A線に沿う断面図である。
図5B図3の5B-5B線に沿う断面図である。
図6A】本発明の第2実施例に係る電動ブラシが導線から分離されている状態を示す概略展開図である。
図6B】本発明の第2実施例に係る電動ブラシと導線の組み合わせ状態を示す概略構成図である。
図7】本発明の第3実施例に係る回転テーブル用電動ブラシモジュールを示す傾斜組立図である。
図8図7の8-8線に沿う断面図である。
図9】本発明の第4実施例に係る回転テーブル用電動ブラシモジュールを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0026】
(第1実施例)
まず、図1図2を参照しながら、本発明に係る回転テーブル用電動ブラシモジュールについて説明する。前記電動ブラシモジュールは2組であり、前記回転テーブル10に装設され、前記回転テーブル10はマシン11及び前記マシン11に回転可能に設置されていると共にリング側121を有しているターンテーブル12を含む。以下、1組の前記電動ブラシモジュールについて説明する。図3図5も併せて参照し、前記電動ブラシモジュールは主に、ハウジング20と、電動ブラシユニットAと、第1保持ユニット61と、第2保持ユニット62と、を含んで構成されている。以下、それぞれについて説明する。
【0027】
<前記ハウジング20>
前記マシン11に固設され、第1ハウジング20A及び第2ハウジング20Bがネジ20Cによりロックされることで形成され、且つ第1溝壁面211と、前記第1溝壁面211に対向する第2溝壁面212と、前記第1溝壁面211と前記第2溝壁面212との間に設置されている溝底面213と、前記溝底面213に対向する溝の開口部214と、を有している収容溝21を含む。本実施例では、前記ハウジング20は、前記第1溝壁面211を貫通する第1側面孔215と、前記第2溝壁面212を貫通する第2側面孔216と、前記溝底面213を貫通する貫通孔217と、を更に有している。
【0028】
<前記電動ブラシユニットA>
電動ブラシ30と、電線40と、弾性体50と、を含んで構成されている。
【0029】
<前記電動ブラシ30>
前記ハウジング20の収容溝21に設置され、且つ前記収容溝21には接触しない。前記電動ブラシ30は、前記第1溝壁面211に対向する第1側面31と、前記第2溝壁面212に対向する第2側面32と、前記溝底面213に対向する端面33と、前記端面33の反対側にあると共に前記ターンテーブル12のリング側121に電気的に接触している接触面34と、を有している。本実施例では、前記第1側面31には長さ方向に沿って延伸されている第1位置制限溝311が凹設され、前記第2側面32には長さ方向に沿って延伸されている第2位置制限溝321が凹設され、前記第1位置制限溝311及び前記第2位置制限溝321の断面は円弧状を呈している。
【0030】
<前記電線40>
前記ハウジング20の貫通孔217に貫設され、且つ前記収容溝21内に位置している絶縁部分41、及び前記絶縁部分41から突出すると共に前記電動ブラシ30に電気的に接続されている導電部分42を有している。
【0031】
<前記弾性体50>
前記絶縁部分41に覆設されていると共に前記溝底面213と前記端面33との間に押し当てられ、前記電動ブラシ30に対し前記溝の開口部214の方向に変位するための推進力を提供することで、前記電動ブラシ30の接触面34が前記ターンテーブル12のリング側121に電気的に接触するように保持される。本実施例では、前記弾性体50は圧縮ばねであり、前記溝底面213に押し当てられる第1端部51、及び前記端面33に押し当てられる第2端部52を有している。
【0032】
<第1保持ユニット61>
前記ハウジング20に設置され、且つ前記ハウジング20の第1側面孔215に固設される第1本体611と、前記第1本体611に内設されている第1弾性部材612と、前記第1本体611に内設されていると共に前記第1弾性部材612により保持される第1保持部材613と、を有している。前記第1保持部材613は部分的に前記第1本体611に突出し、前記電動ブラシ30の第1側面31の第1位置制限溝311に押し当てられる。前記第1保持ユニット61は前記電動ブラシ30に対し、前記第1溝壁面211から前記第2溝壁面212の方向に向けて第1押力を提供する。本実施例の第1弾性部材612はばねであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、弾性回復力を有している他の材料でもよい。
【0033】
<第2保持ユニット62>
前記ハウジング20に設置され、且つ前記ハウジング20の第2側面孔216に固設される第2本体621と、前記第2本体621に内設されている第2弾性部材622と、前記第2本体621に内設されていると共に前記第2弾性部材622により保持される第2保持部材623と、を有している。前記第2保持部材623は部分的に前記第2本体621に突出し、前記電動ブラシ30の第2側面32の第2位置制限溝321に押し当てられる。前記第2保持ユニット62は前記電動ブラシ30に対し、前記第2溝壁面212から前記第1溝壁面211の方向に向けて第2押力を提供する。本実施例の第2弾性部材622はばねであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、弾性回復力を有している他の材料でもよい。
【0034】
以上は本発明の第1実施例に係る各主要部材の形態の説明である。以下、本発明の効果について説明する。
【0035】
<一>前記電動ブラシ30と前記ターンテーブル12との間の良好な電気的接触を保持する。本発明は前記ハウジング20に設置されている前記第1保持ユニット61及び第2保持ユニット62が前記電動ブラシ30の両側にそれぞれ位置することで、前記電動ブラシ30に相互に対向する第1押力及び第2押力を提供し、前記電動ブラシ30と回転テーブル10のターンテーブル12との間で摩擦により発生する横方向推進力に抵抗する。このようにすることで、前記ターンテーブル12が高速回転する際に発生する前記電動ブラシ30の振動、揺れ、スリップ、線接触等を大幅に減らし、前記ターンテーブル12のリング側121が損壊するのを防ぎ、前記電動ブラシ30と前記ターンテーブル12との間の良好な電気的接触を保持している。
【0036】
<二>前記電動ブラシ30は元の中心位置に自動回帰する機能を有している。前記電動ブラシ30の第1側面31及び第2側面32には断面が円弧状を呈している第1位置制限溝311及び第2位置制限溝321がそれぞれ設けられ、前記第1保持ユニット61の第1保持部材613及び前記第2保持ユニット62の第2保持部材623が、円弧状を呈している第1位置制限溝311及び第2位置制限溝321にそれぞれ当接されることで、前記第1保持ユニット61及び前記第2保持ユニット62が前記電動ブラシ30に相互に対向する第1押力及び第2押力を提供する以外、円弧状を呈している第1位置制限溝311及び前記第1保持部材613、並びに前記第2位置制限溝321及び第2保持部材623が相互に制限するように組み合わせられることで、前記電動ブラシ30が元の中心位置に自動回帰する機能を有し、電動ブラシ30が傾くことで電動ブラシ30とターンテーブル12との間に過大な摩擦力が発生し、前記回転テーブル10のモーター(不図示)が焼損する問題を防止している。前記ハウジング20、第1保持ユニット61、第2保持ユニット62、及び電動ブラシ30の間で振動、傾き、スタック等の問題が発生する状況を更に防止し、電動ブラシ30とターンテーブル12との摩擦力を効果的に減少させ、前記回転テーブル10の駆動電流を低下させ、省電力効果を達成している。
【0037】
ちなみに、前記電動ブラシ30の第1位置制限溝311は断面が円弧状に設計される以外、前記第1位置制限溝311の半径は前記第1保持部材613の半径より約2%大きい。前記電動ブラシ30の第2位置制限溝321は断面が円弧状に設計される以外、前記第2位置制限溝321の半径は前記第2保持部材623の半径より約2%大きい。このようにすることで、前記電動ブラシ30が元の中心位置に自動回帰する機能を有している。
【0038】
また、前記弾性体50のばね定数はK1であり、前記第1弾性部材612及び前記第2弾性部材622のばね定数はK2であり、前記弾性体50の圧縮量はX1であり、前記第1弾性部材612及び前記第2弾性部材622の圧縮量はX23であり、K2/K1=X1/(20X23)の条件を満たしている。前述した条件式を満たすことで、前記ターンテーブル12が高速回転する際に発生する前記電動ブラシ30の左右の揺れ幅が制限され、前記電動ブラシ30の揺れ幅が大き過ぎることで前記ハウジング20の収容溝21が衝突する状況を防止している。
【0039】
(第2実施例)
本発明の第2実施例に係る回転テーブル用電動ブラシモジュール(図6A図6B参照)は、本実施例の第1実施例との相違点について、前記電動ブラシ30が、前記第1側面31と前記第2側面32との間に連接されている第3側面35と、前記端面33から凹設されている組立溝36と、前記第3側面35を貫通すると共に前記組立溝36に連通されている充填穴37と、を更に有し、前記電線40の導電部分42が前記組立溝36に挿設され、前記充填穴37、組立溝36、及び導電部分42には錫のような導電性材料100が充填されているが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施例では、前記電動ブラシ30の組立溝36はねじ溝であり、前記電線40の導電部分42にはブレース端子43が被装され、前記ブレース端子43は前記組立溝36に螺設されている。
【0040】
このようにすることで、前記電線40と前記電動ブラシ30とを相互に組み立てる際に、まず、前記ブレース端子43の外側に導電性材料100を溶接した後、前記電動ブラシ30の組立溝36に挿設または螺設する。続いて、前記導電性材料100を加熱して溶融状態にし、前記電動ブラシ30の充填穴37から前記組立溝36内に流し込み、前記電線40のブレース端子43にある導電性材料100と相互に溶融させてから冷却することで一体に結合させ、こうして前記電線40及び前記電動ブラシ30の電気的接続を完成させ、抗張力を高めている。前記電動ブラシ30を交換する場合、加熱ツールにより前記電動ブラシ30の充填穴37内にある導電性材料100を加熱し、前記導電性材料100を溶融状態にした後、前記電線40と前記電動ブラシ30とを相互に回転分離させ、電動ブラシ30を交換する。こうすることにより、前記電線40をリサイクルし、環境保護効果を達成する。
【0041】
(第3実施例)
本発明の第3実施例に係る回転テーブル用電動ブラシモジュール(図7図8参照)は、本実施例の第1実施例との相違点について、前記ハウジング20が、前記第1溝壁面211と前記第2溝壁面212との間に連接されている第3溝壁面218と、前記第3溝壁面218に対向する第4溝壁面219と、を更に有している。
【0042】
前記電動ブラシ30は前記第1側面31と前記第2側面32との間に連接されていると共に前記第3溝壁面218に対向する第3側面35と、前記第3側面35の反対側にある第4側面38と、を更に有している。本実施例では、前記第3側面35には第3位置制限溝351が凹設され、前記第4側面38には第4位置制限溝381が凹設されている。
【0043】
前記回転テーブル10の電動ブラシモジュールは第3保持ユニット63及び第4保持ユニット64を更に有している。
【0044】
前記第3保持ユニット63は前記ハウジング20に設置され、且つ前記ハウジング20に固設されている第3本体631と、前記第3本体631に内設されている第3弾性部材632と、前記第3本体631に内設されていると共に前記第3弾性部材632により保持されている第3保持部材633と、を有している。前記第3保持部材633は部分的に前記第3本体631に突出すると共に前記電動ブラシ30の第3側面35の第3位置制限溝351に押し当てられ、前記第3保持ユニット63は前記電動ブラシ30に対し前記第3溝壁面218から前記第4溝壁面219の方向に向けて第3押力を提供する。本実施例に係る第3弾性部材632はばねであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、弾性回復力を有している他の材料でもよい。
【0045】
前記第4保持ユニット64は前記ハウジング20に設置され、且つ前記ハウジング20に固設されている第4本体641と、前記第4本体641に内設されている第4弾性部材642と、前記第4本体641に内設されていると共に前記第4弾性部材642により保持されている第4保持部材643と、を有している。前記第4保持部材643は部分的に前記第4本体641に突出すると共に前記電動ブラシ30の第4側面38の第4位置制限溝381に押し当てられ、前記第4保持ユニット64は前記電動ブラシ30に対し前記第4溝壁面219から前記第3溝壁面218の方向に向けて第4押力を提供する。本実施例に係る第4弾性部材642はばねであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、弾性回復力を有している他の材料でもよい。
【0046】
これにより、前記第3保持ユニット63及び前記第4保持ユニット64を前記第1保持ユニット61及び前記第2保持ユニット62と組み合わせる設計により、前記電動ブラシ30の前後左右の方向が全て押力を受けて保持され、前記電動ブラシ30の自動的に中心に揃えられる効果が更に高まり、前記ターンテーブル12が高速回転する際に発生する前記電動ブラシ30の振動、揺れ、スリップ、線接触、傾き、スタック等の問題が更に大幅に減少している。
【0047】
(第4実施例)
本発明の第4実施例に係る回転テーブル用電動ブラシモジュール(図9参照)は、本実施例の第1実施例との相違点について、前記第1保持ユニット61の第1保持部材613が、前記第1本体611内に位置していると共に前記第1弾性部材612により保持される第1柱体6131と、前記第1柱体6131に連接されている第1円弧部分6132と、を有し、前記第1円弧部分6132の表面は円弧状を呈していると共に前記電動ブラシ30の第1側面31の第1位置制限溝311に押し当てられている。前記第2保持ユニット62の第2保持部材623は、前記第2本体621内に位置していると共に前記第2弾性部材622により保持される第2柱体6231と、前記第2柱体6231に連接されている第2円弧部分6232と、を有し、前記第2円弧部分6232の表面は円弧状を呈していると共に前記電動ブラシ30の第2側面32の第2位置制限溝321に押し当てられている。こうして他の実施状態が構成されている。
【0048】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0049】
20 ハウジング
20A 第1ハウジング
20B 第2ハウジング
20C ネジ
21 収容溝
211 第1溝壁面
212 第2溝壁面
213 溝底面
214 溝の開口部
215 第1側面孔
216 第2側面孔
217 貫通孔
218 第3溝壁面
219 第4溝壁面
A 電動ブラシユニット
30 電動ブラシ
31 第1側面
311 第1位置制限溝
32 第2側面
321 第2位置制限溝
33 端面
34 接触面
35 第3側面
351 第3位置制限溝
36 組立溝
37 充填穴
38 第4側面
381 第4位置制限溝
40 電線
41 絶縁部分
42 導電部分
43 ブレース端子
50 弾性体
51 第1端部
52 第2端部
61 第1保持ユニット
611 第1本体
612 第1弾性部材
613 第1保持部材
6131 第1柱体
6132 第1円弧部分
62 第2保持ユニット
621 第2本体
622 第2弾性部材
623 第2保持部材
6231 第2柱体
6232 第2円弧部分
63 第3保持ユニット
631 第3本体
632 第3弾性部材
633 第3保持部材
64 第4保持ユニット
641 第4本体
642 第4弾性部材
643 第4保持部材
100 導電性材料
【要約】
【課題】回転テーブル用電動ブラシモジュールを提供する。
【解決手段】ハウジングと、電動ブラシユニットと、第1保持ユニットと、第2保持ユニットと、を含んで構成されている。前記電動ブラシユニットは、前記ハウジングに内設されている電動ブラシと、前記電動ブラシに電気的に接続されている電線と、前記電動ブラシが前記ハウジングの溝の開口部の方向に変位するために提供される推進力と、を備えている。前記ハウジングに対向するように設置されている第1保持ユニット及び第2保持ユニットは、前記電動ブラシに相互に対向する第1押力及び第2押力を提供することで、電動ブラシと回転テーブルのターンテーブルとの間で摩擦により発生する横方向推進力に抵抗し、前記ターンテーブルが高速回転する際に発生する前記電動ブラシの振動、揺れ、スリップ、線接触等を大幅に減らし、前記ターンテーブルのリング側が損壊するのを防ぎ、前記電動ブラシと前記ターンテーブルとの間の良好な電気的接触を保持する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9