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特許7637290端末装置、プログラム、及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】端末装置、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 47/2408 20220101AFI20250219BHJP
   H04W 28/02 20090101ALI20250219BHJP
【FI】
H04L47/2408
H04W28/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024063191
(22)【出願日】2024-04-10
【審査請求日】2024-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】影山 未歩
(72)【発明者】
【氏名】三浦 裕
(72)【発明者】
【氏名】石塚 広樹
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/049143(WO,A1)
【文献】特開2004-140486(JP,A)
【文献】特表2021-517791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 47/2408
H04W 28/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信の品質制御の対象とされたアプリケーションプログラムの起動処理が開始された後において、予め定められた条件が成立した場合、前記品質制御の開始を要求する第1信号を、通信の品質を制御する第1装置へ送信する送信部と、
前記品質制御に関する制御信号を前記第1装置から受信する受信部と、
を備え、
前記条件は、前記受信部が前記第1装置から前記品質制御に関する初期化を完了したことを示す第2信号を受信する第1時点までに、前記受信部が前記アプリケーションプログラムに基づく処理で用いられる第1データを受信していないことである、
端末装置。
【請求項2】
前記条件は、前記端末装置の位置が予め定められたエリア内にあることである、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記条件は、前記端末装置に対する通信品質が予め定められた判定閾値未満であることである、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記条件は、二次元コード決済アプリケーションの決済方法がオンライン決済からオフライン決済に遷移した時点から基準時間経過した後である、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項5】
前記条件は、二次元コード決済アプリケーションの実行時に、決済方法として店舗提示型が選択されたことである、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項6】
前記アプリケーションプログラムは第1アプリケーションプログラムであり、
前記第1アプリケーションプログラムと前記通信の品質制御の対象とされる第2アプリケーションプログラムとを記憶する記憶装置を備え、
前記第1アプリケーションプログラムの起動処理と前記第2アプリケーションプログラムの起動処理とがそれぞれ開始された後において、前記第1アプリケーションプログラムと前記第2アプリケーションプログラムとのそれぞれについて前記条件が成立した場合、
前記送信部は、前記第1アプリケーションプログラムと前記第2アプリケーションプログラムとのそれぞれに対応する前記第1信号を前記第1装置へ送信し、
前記受信部は、前記第1アプリケーションプログラムと前記第2アプリケーションプログラムとのそれぞれに対応する品質制御に関する制御信号を前記第1装置から受信する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項7】
前記品質制御の実行状況を管理する管理部を備え、
前記品質制御に対して実行回数に応じた課金がなされる場合、前記管理部は、前記条件が成立した回数を管理する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項8】
前記品質制御の実行状況を管理する管理部を備え、
前記品質制御に対して実行時間に応じた課金がなされる場合、前記管理部は、前記品質制御が実行されている時間を管理する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項9】
前記品質制御の実行状況を管理する管理部を備え、
前記品質制御に対して通信データ量に応じた課金がなされる場合、前記管理部は、前記品質制御が実行されている間に通信されるデータ量を管理する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項10】
コンピュータに、
通信の品質制御の対象とされたアプリケーションプログラムの起動処理が開始された後において、予め定められた条件が成立した場合、前記品質制御の開始を要求する第1信号を、通信の品質を制御する第1装置へ送信する第1処理と、
前記品質制御に関する制御信号を前記第1装置から受信する第2処理と、
を実行させ、
前記条件は、前記第2処理により前記第1装置から前記品質制御に関する初期化を完了したことを示す第2信号が受信される第1時点までに、前記第2処理により前記アプリケーションプログラムに基づく処理で用いられる第1データが受信されていないことである、
プログラム。
【請求項11】
通信の品質制御の対象とされたアプリケーションプログラムの起動処理が開始された後において、予め定められた条件が成立した場合、前記品質制御の開始を要求する第1信号を、通信の品質を制御する第1装置へ送信し、
前記品質制御に関する制御信号を前記第1装置から受信
前記条件は、前記第1装置から前記品質制御に関する初期化を完了したことを示す第2信号が受信される第1時点までに、前記アプリケーションプログラムに基づく処理で用いられる第1データが受信されていないことである、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークサービスにおいて、通信混雑時に通信品質が低下することがある。例えば、二次元コード決済アプリケーションにおいては、アプリケーションの起動時に二次元コードの表示が遅延することがあり、動画視聴アプリケーションにおいては、ストリーミングされる動画の画質が低下することがある。
【0003】
ネットワークにおける通信の品質を確保する技術として、QoS(Quality of Service)制御が知られている。例えば特許文献1は、ネットワークの混雑などに応じてコンテンツ閲覧状況が悪化した場合、クライアント端末のQoS制御サービス用アプリケーションの操作ボタンによりQoS制御サービスの開始/停止を利用者に指示させる通信制御システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-140486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のシステムでは、アプリケーションを起動した後、利用者の意思により、QoS制御サービスの開始/停止が決定されるため、必要なときに適切にQoS制御が行われない場合があるという課題があった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するために為されたものであり、必要なときに適切にQoS制御を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好適な態様に係る情報処理装置は、通信の品質制御の対象とされたアプリケーションプログラムの起動処理が開始された後において、予め定められた条件が成立した場合、前記品質制御の開始を要求する第1信号を、通信の品質を制御する第1装置へ送信する送信部と、前記品質制御に関する制御信号を前記第1装置から受信する受信部と、を備える。
【0008】
本発明の好適な態様に係るプログラムは、コンピュータに、通信の品質制御の対象とされたアプリケーションプログラムの起動処理が開始された後において、予め定められた条件が成立した場合、前記品質制御の開始を要求する第1信号を、通信の品質を制御する第1装置へ送信する第1処理と、前記品質制御に関する制御信号を前記第1装置から受信する第2処理と、を実行させる。
【0009】
本発明の好適な態様に係る情報処理方法は、通信の品質制御の対象とされたアプリケーションプログラムの起動処理が開始された後において、予め定められた条件が成立した場合、前記品質制御の開始を要求する第1信号を、通信の品質を制御する第1装置へ送信し、前記品質制御に関する制御信号を前記第1装置から受信する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る端末装置、プログラム、及び情報処理方法によれば、必要なときに適切にQoS制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る端末装置を含む情報処理システムの全体構成を示す図である。
図2図1の端末装置の構成例を示すブロック図である。
図3図1の管理サーバの構成例を示すブロック図である。
図4図1の品質制御サーバの構成例を示すブロック図である。
図5】コード決済の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図1の情報処理システムの第1の動作を示すシーケンスチャートである。
図7図1の情報処理システムの第2の動作を示すシーケンスチャートである。
図8】第2実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの全体構成を示す図である。
図9図8の端末装置の構成例を示すブロック図である。
図10図8の配信サーバの構成例を示すブロック図である。
図11図8の情報処理システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図12】変形例3に係る情報処理システムの第1の動作を示すシーケンスチャートである。
図13】変形例3に係る情報処理システムの第2の動作を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.第1実施形態
以下、図1図7を参照することにより、本発明の第1実施形態に係る端末装置の構成について説明する。
【0013】
1.1.第1実施形態の構成
1.1.1.全体構成
図1は、第1実施形態に係る端末装置10を含む情報処理システム1の全体構成を示す図である。情報処理システム1は、端末装置10、管理サーバ20、品質制御サーバ30、及び通信網NETを備えている。
【0014】
端末装置10は、n個の端末装置10[1]、10[2]、…、10[k]、…、10[n]を含んでいる。ここで、nは任意の自然数であり、kはnよりも小さい任意の自然数である。本実施形態において、端末装置10[1]~10[n]の各構成は互いに同一である。なお、端末装置10には、構成が同一でない端末装置が含まれてもよい。
【0015】
端末装置10[1]を利用するユーザはユーザU[1]であり、端末装置10[2]を利用するユーザはユーザU[2]であり、端末装置10[k]を利用するユーザはユーザU[k]であり、端末装置10[n]を利用するユーザはユーザU[n]である。
【0016】
端末装置10は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、スマートウォッチ等を含む。
【0017】
管理サーバ20は、サービス提供事業者により管理されるサーバである。サービス提供事業者には、コード決済事業者、動画配信サービス事業者等が挙げられる。本実施形態では、管理サーバ20がコード決済事業者により管理されるサーバである場合を例に説明する。言い換えると、本実施形態では、管理サーバ20によりコード決済サービスが提供される。
【0018】
管理サーバ20は、コード決済の利用者の本人認証、コード管理、取引管理等を行う。より具体的に述べると、コード決済の利用者の本人認証には、基礎認証及び利用時認証が挙げられる。基礎認証は、利用者が初めてコード決済を利用する際に当該利用者を限定する目的で行われる認証である。基礎認証では、利用者の端末装置10と「コード決済アプリ」との紐付け管理が行われる。
【0019】
利用時認証は、コード決済時に決済を行おうとしている者が、事前に登録されている利用者と一致しているか否かを確認する目的で行われる認証である。例えば、PIN(Personal Identification Number)の入力、指紋認証、顔認証等が挙げられる。また、決済用コードの1つであるQRコード(登録商標)には、認証のためのワンタイムトークンが含まれる。
【0020】
品質制御サーバ30は、通信サービスを提供する通信事業者により管理されるサーバである。品質制御サーバ30は、端末装置10に係る通信の品質を制御する。ここで、端末装置10に係る通信の品質を制御することは、品質制御又はQoS(Quality of Service)制御と称される。
【0021】
イベント会場、ラッシュ時における駅構内等の混雑した施設においては、通信網NETの帯域が不足することがある。通信網NETの帯域が不足すると、各端末装置への通信品質が低下し、通信が遅延することがある。例えば、ユーザU[1]がイベント会場においてコード決済を利用する場合、端末装置10[1]と管理サーバ20との間において通信の遅延が生じ、端末装置10[1]において決済用コードの表示に時間がかかることがある。このような場合において、品質制御サーバ30は、端末装置10[1]と管理サーバ20との間の通信に対してQoS制御を適用することが想定される。QoS制御は、品質制御の一例である。
【0022】
通信網NETは、通信サービスを提供する通信事業者により管理される移動体通信網等の電気通信回線である。通信網NETは、有線通信網及び無線通信網の一方又は両方を含む。例えば、通信網NETは、インターネットを介して他の通信事業者により管理されている不図示の他のネットワークに接続されてもよい。なお、通信網NETの管理には、例えば、通信網NETの運用が含まれてもよい。
【0023】
情報処理システム1において、端末装置10[1]~10[n]、管理サーバ20、及び品質制御サーバ30は、通信網NETを介して互いに通信可能に接続されている。情報処理システム1は、端末装置10を所持している任意のユーザに対して、QoS制御サービスを提供するシステムである。本実施形態では、以下、ユーザU[1]が端末装置10[1]を用いてコード決済を利用する場合を例に説明する。
【0024】
QoS制御は、例えば、帯域制御、低遅延制御、優先制御等を含む。帯域制御では、例えば、通信網NETにおける通信の帯域が制御される。帯域の制御は、帯域の下限値が設定される帯域保証であってもよいし、帯域の上限値が設定される帯域制限であってもよい。同様に、低遅延制御は、例えば、遅延の上限値が設定される遅延保証であってもよいし、遅延の下限値が設定される遅延制限であってもよい。
【0025】
優先制御では、例えば、特定の通信に係るパケットが優先的に転送される。例えば、通信網NET上を流れるパケットに優先度が付けられ、他のパケットの優先度よりも高い優先度が付けられたパケットは、他のパケットよりも優先的に処理される。なお、本実施形態では、QoS制御が端末装置10毎に実行可能である場合が想定される。
【0026】
品質制御サーバ30は、端末装置10からQoS開始要求を受けた場合、QoS開始要求により指定されるQoSレベルのQoS制御を、端末装置10に係る通信に対して実行する。QoS開始要求は、QoS制御の開始を要求する信号であり、第1信号の一例である。
【0027】
QoSレベルとしては、例えば、他の品質モードに比べて大容量のデータが転送可能な大容量モード、他の品質モードに比べてデータの遅延が小さい低遅延モード、ベストエフォートによる制御が行われるベストエフォートモードがある。QoSレベルは、端末装置10から指定されてもよいし、品質制御サーバ30により決定されてもよい。
【0028】
1.1.2.端末装置の構成
図2は、図1の端末装置10[1]の構成例を示すブロック図である。図2に示したように、端末装置10[1]は、処理装置11、記憶装置12、通信装置13、表示装置14、及び入力装置15を備えている。端末装置10[1]が備えている各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。端末装置10[1]は、情報処理装置の一例である。
【0029】
なお、本実施形態の説明では、端末装置10[1]を例示しているが、端末装置10[2]、…、10[k]、…、10[n]も端末装置10[1]と同様の構成であるため、端末装置10[2]、…、10[k]、…、10[n]の説明は省略される。
【0030】
処理装置11は、端末装置10[1]の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置11は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)を用いて構成されている。なお、処理装置11が備えている機能の一部又は全部は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置11は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0031】
記憶装置12は、処理装置11により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置12は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0032】
記憶装置12は、処理装置11が実行するための制御プログラムPR1、アプリケーションプログラムPRA、及び仲介プログラムPRMを含む複数のプログラムを記憶している。また、記憶装置12は、処理装置11のワークエリアとして機能する。
【0033】
制御プログラムPR1は、処理装置11全体を制御するプログラムである。アプリケーションプログラムPRAは、少なくとも1つのアプリケーションプログラムの一例である。アプリケーションプログラムPRAは、端末装置10[1]に係る通信のためのプログラムであり、品質制御サーバ30によるQoS制御の対象とされたプログラムである。アプリケーションプログラムPRAは、例えば、二次元コード決済アプリケーションを実行する「コード決済アプリ」である。
【0034】
二次元コード決済アプリケーションは、QRコード(登録商標)等の二次元コードを用いて商品、サービス等の代金の決済を行うアプリケーションである。本実施形態では、特に、利用者提示型(CPM:Consumer-Presented Mode)が想定される。アプリケーションプログラムPRAは、例えば、コード決済事業者から提供され、ユーザU[1]により端末装置10[1]に予めインストールされる。
【0035】
二次元コード決済アプリケーションに対して行われるQoS制御のQoSレベルとしては、低遅延モードが適している。
【0036】
仲介プログラムPRMは、アプリケーションプログラムPRAと品質制御サーバ30との間を仲介するプログラムである。仲介プログラムPRMは、例えば、通信事業者から提供され、アプリケーションプログラムインタフェースAPI又はソフトウェア開発キットSDKとして機能する。
【0037】
通信装置13は、他の装置と通信を行うための送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置13は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置13は、有線接続用のコネクタを備え、上記コネクタに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置13は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクタ及びインタフェース回路としては、有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては、無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0038】
表示装置14は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。表示装置14は、処理装置11による制御に基づいて各種の画像を表示する。例えば、液晶パネル及び有機EL(Electro Luminescence)パネル等の各種の表示パネルが表示装置14として好適に利用される。
【0039】
入力装置15は、ユーザU[1]からの操作を受け付ける。例えば、入力装置15は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスを含んで構成されている。ここで、入力装置15は、タッチパネルを含んで構成されている場合、表示装置14を兼ねていてもよい。
【0040】
処理装置11は、例えば、記憶装置12から制御プログラムPR1及び仲介プログラムPRMを読み出して実行することによって、受付部111、送信部112、受信部113、判定部114、表示制御部115、及び管理部116として機能する。言い換えると、処理装置11の受付部111、送信部112、受信部113、判定部114、表示制御部115、及び管理部116の各機能は、制御プログラムPR1と仲介プログラムPRMとが連携して動作することにより実現される。
【0041】
受付部111は、入力装置15を介して、アプリケーションプログラムPRAに対するユーザU[1]の各種操作を受け付ける。例えば、ユーザU[1]によるアプリケーションプログラムPRAの起動の操作を受け付ける。
【0042】
送信部112は、ユーザU[1]の操作によりアプリケーションプログラムPRAの起動処理が開始されると、通信装置13を介して、決済用コードの生成を管理サーバ20に要求する。言い換えると、送信部112は、アプリケーションプログラムPRAの起動が開始されると、通信装置13を介して「決済用コード生成要求」を管理サーバ20へ送信する。
【0043】
送信部112は、ユーザU[1]の操作によりアプリケーションプログラムPRAの起動処理が開始されると、通信装置13を介して、QoS制御の初期化を品質制御サーバ30に要求する。言い換えると、送信部は、アプリケーションプログラムPRAの起動が開始されると、通信装置を介して「QoS初期化要求」を品質制御サーバ30へ送信する。
【0044】
送信部112は、アプリケーションプログラムPRAの起動処理が開始された後において特定条件が成立した場合、通信装置13を介してQoS開始要求を品質制御サーバ30へ送信する。特定条件は、予め定められた条件の一例である。QoS開始要求は、QoS制御の開始を要求する信号である。「QoS開始要求」は、第1信号の一例である。特定条件が成立したか否かは、後述するように、判定部114により判定される。
【0045】
受信部113は、通信装置13を介して、QoS制御に関する制御信号を品質制御サーバ30から受信する。
【0046】
判定部114は、特定条件が成立したか否かを判定する。特定条件は、第1時点までに、受信部113がアプリケーションプログラムPRAに基づく処理で用いられるコード生成用データを受信していないことである。コード生成用データは、アプリケーションプログラムPRAが決済用コードを生成するためのデータであり、第1データの一例である。第1時点は、受信部113が品質制御サーバ30からQoS制御に関する初期化を完了したことを示す初期化完了信号を受信する時点である。初期化完了信号は、第2信号の一例である。つまり、第1時点は、送信部112がアプリケーションプログラムPRAの起動処理が開始されたことを契機として、「QoS初期化要求」を品質制御サーバ30へ送信し、受信部113が「QoS初期化要求」に対する応答信号を受信する時点である。
【0047】
表示制御部115は、受信部113により受信された各種情報に基づいて、表示装置14に対して、各種情報を表示させる。
【0048】
管理部116は、QoS制御の実行状況を管理する。例えば、管理部116は、品質制御サーバ30によるQoS制御の実行状況を記録し、記録されたQoS制御の実行状況を、APIコール回数等の観点で分析する。
【0049】
APIコール回数は、一定期間内に、QoS制御の実行のために仲介プログラムPRMを呼び出す回数である。一定期間を1ヶ月とした場合、1コール当たりの課金額を予め設定しておくことにより、APIコール回数と1コール当たりの課金額とに基づいて、1ヶ月の課金額が決定される。つまり、QoS制御に対して実行回数に応じた課金がなされる場合、管理部116は、特定条件が成立した回数を管理する。特定条件が成立するとQoS制御が実行されることになるので、特定条件が成立した回数はAPIコール回数に相当する。管理部116は、APIコール回数を示す情報を不図示の課金サーバへ送信する。管理部116は、APIコール回数を示す情報を一定期間ごとに課金サーバへ送信してもよいし、一定期間とは異なるタイミングで課金サーバへ送信してもよい。
【0050】
本実施形態によれば、必要なときにAPIがコールされるので、ユーザU[1]にとって経済的な課金方法であると言える。また、品質制御サーバ30にとっては、より効率的にリソースを使用することができる。
【0051】
1.1.3.管理サーバの構成
図3は、図1の管理サーバ20の構成例を示すブロック図である。図3に示したように、管理サーバ20は、処理装置21、記憶装置22、及び通信装置23を備えている。管理サーバ20が備えている各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。管理サーバ20は、外部装置の一例である。
【0052】
処理装置21は、管理サーバ20の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置21は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、及びレジスタを含む中央処理装置(CPU)を用いて構成されている。なお、処理装置21が備えている機能の一部又は全部は、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置21は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0053】
記憶装置22は、処理装置21により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置22は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、及びEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。
【0054】
記憶装置22は、処理装置21が実行するための制御プログラムPR2を含む複数のプログラムを記憶している。また、記憶装置22は、処理装置21のワークエリアとして機能する。
【0055】
通信装置23は、他の装置と通信を行うための送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置23は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置23は、有線接続用のコネクタを備え、上記コネクタに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置23は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクタ及びインタフェース回路としては、有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては、無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0056】
処理装置21は、例えば、記憶装置22から制御プログラムPR2を読み出して実行することにより、管理部211、送信部212、受信部213、照合部214、及び決済部215として機能する。
【0057】
管理部211は、決済IDの生成及び決済用コードの発行を管理する。より具体的に述べると、管理部211は、端末装置10[1]からの(決済用)コード生成要求に応答して、決済IDを生成する。管理部211は、決済IDを生成した後、当該決済IDを反映した決済用コードを発行する。
【0058】
また、管理部211は、アプリケーションプログラムPRAにおいて事前に行われる登録処理において、端末装置10[1]と、端末装置10[1]にインストールされたアプリケーションプログラムPRAとを紐付ける紐付け情報を管理している。これにより、第三者によるアプリケーションプログラムPRAのID及びパスワードの不正取得が防止される。
【0059】
送信部212は、端末装置10[1]からの要求に基づいて、管理部211において決済用コードが発行された場合、通信装置23を介して、発行された決済用コードに関するコード情報を端末装置10[1]へ送信する。
【0060】
受信部213は、端末装置10[1]からの要求があった場合、通信装置23を介して、決済用コード生成要求を端末装置10[1]から受信する。受信部213は、ユーザU[1]が端末装置10[1]の表示装置14に表示された決済用コードを店舗に提示し、決済用コードが店舗のPOS(Point of Sales)装置においてスキャンされた場合、通信装置23を介して、当該POS装置から取引依頼電文を受信する。
【0061】
照合部214は、取引依頼電文に基づく決済IDと、決済用コード生成要求に基づいて生成された決済IDとを照合する。照合の結果、取引依頼電文に基づく決済IDと、決済用コード生成要求に基づいて生成された決済IDとが一致している場合、照合部214は、決済可能と判定し、決済処理を許可する。
【0062】
決済部215は、照合部214により決済処理が許可されると、決済処理を実行する。
【0063】
送信部212は、決済部215により決済処理が実行されると、通信装置23を介して、取引結果を示す取引結果電文を店舗のPOS装置へ送信するとともに、取引結果を示す取引情報を端末装置10[1]へ送信する。
【0064】
1.1.4.品質制御サーバの構成
図4は、図1の品質制御サーバ30の構成例を示すブロック図である。図4に示したように、品質制御サーバ30は、処理装置31、記憶装置32、及び通信装置33を備えている。品質制御サーバ30が備えている各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。品質制御サーバ30は、第1装置の一例である。
【0065】
処理装置31は、品質制御サーバ30の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置31は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、及びレジスタを含む中央処理装置(CPU)を用いて構成されている。なお、処理装置31が備えている機能の一部又は全部は、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置31は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0066】
記憶装置32は、処理装置31により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置32は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、及びEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。
【0067】
記憶装置32は、処理装置31が実行するための制御プログラムPR3を含む複数のプログラムを記憶している。また、記憶装置32は、処理装置31のワークエリアとして機能する。
【0068】
通信装置33は、他の装置と通信を行うための送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置33は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置33は、有線接続用のコネクタを備え、上記コネクタに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置33は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクタ及びインタフェース回路としては、有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては、無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0069】
処理装置31は、例えば、記憶装置32から制御プログラムPR3を読み出して実行することにより、送信部311、受信部312、及び品質制御部313として機能する。
【0070】
送信部311は、通信装置33を介してQoS制御に関する各種制御信号を端末装置10[1]へ送信する。例えば、QoS制御に関する制御信号には、端末装置10[1]からのQoS初期化要求に対して、初期化が完了したことを通知する初期化完了信号ACKi、端末装置10[1]からのQoS開始要求に対する承認応答の信号、端末装置10[1]からのQoS終了要求に対する承認応答の信号等が含まれる。
【0071】
受信部312は、通信装置33を介してQoS初期化要求、QoS開始要求等の要求信号を端末装置10[1]から受信する。
【0072】
品質制御部313は、端末装置10[1]に係る通信に対して、要求されるQoSレベルに応じたQoS制御を実行する。
【0073】
なお、品質制御サーバ30は、NaaS(Network as a Service)として提供されてもよい。
【0074】
1.2.第1実施形態に係る端末装置の動作
1.2.1.処理装置11の動作
図5は、コード決済の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図5を参照することにより、コード決済の流れを説明する。
【0075】
ステップS11において、処理装置11は、受付部111として機能することにより、アプリケーションプログラムPRAの起動の操作を受け付けたか否かを判定する。
【0076】
アプリケーションプログラムPRAの起動の操作を受け付けなかった場合、即ち、ステップS11における判定結果が否定であった場合、処理装置11は、本ルーチンを一旦終了する。
【0077】
一方、アプリケーションプログラムPRAの起動の操作を受け付けた場合、即ち、ステップS11における判定結果が肯定であった場合、処理装置11は、送信部112として機能することにより、ステップS12において、決済用コード生成要求を管理サーバ20へ送信する。
【0078】
ステップS13において、処理装置11は、送信部112として機能することにより、QoS初期化要求を品質制御サーバ30へ送信する。
【0079】
ステップS14において、処理装置11は、判定部114として機能することにより、特定条件が成立したか否かを判定する。
【0080】
特定条件が成立した場合、即ち、ステップS14における判定結果が肯定であった場合、処理装置11は、送信部112として機能することにより、ステップS15において、QoS開始要求を品質制御サーバ30へ送信する。
【0081】
ステップS16において、処理装置11は、受信部113として機能することにより、管理サーバ20から決済用コードを示す画像データを受信したか否かを判定する。
【0082】
管理サーバ20から決済用コードを示す画像データを受信していない場合、即ち、ステップS16における判定結果が否定であった場合、処理装置11は、受信部113として機能することにより、ステップS16の処理を再度実行する。
【0083】
管理サーバ20から決済用コードを示す画像データを受信した場合、即ち、ステップS16における判定結果が肯定であった場合、処理装置11は、表示制御部115として機能することにより、ステップS17において、表示装置14に決済用コードを表示して、本ルーチンを一旦終了する。
【0084】
従って、処理装置11は、受信部113が管理サーバ20から決済用コードを示す画像データを受信するまで、ステップS16の処理を繰り返す。
【0085】
一方、特定条件が成立しなかった場合、即ち、ステップS14における判定結果が否定であった場合、処理装置11は、表示制御部115として機能することにより、ステップS17において、表示装置14に決済用コードを表示し、本ルーチンを一旦終了する。
【0086】
このように、特定条件が成立しない場合、すでに処理装置11は管理サーバ20から決済用コードを示す画像データを受信している。よって、処理装置11は、QoS開始要求を品質制御サーバ30へ送信することなく、表示装置14に決済用コードを表示する。
【0087】
1.3.第1実施形態に係る情報処理システムの動作
1.3.1.情報処理システム1の第1の動作
図6は、図1の情報処理システム1の第1の動作を示すシーケンスチャートである。以下、図6を参照することにより、情報処理システム1の第1の動作を説明する。第1の動作は、決済用コードを示す画像データが遅延なく端末装置10[1]に送信される場合における動作である。
【0088】
ユーザU[1]による入力装置15の操作により、端末装置10[1]は、S21において、アプリケーションプログラムPRAを起動する。
【0089】
アプリケーションプログラムPRAの起動処理が開始すると、ステップS22において、アプリケーションプログラムPRAの起動処理が開始したことが制御プログラムPR1及び仲介プログラムPRMに通知される。
【0090】
ステップS23において、端末装置10[1]は、管理サーバ20に対し、決済用コードの発行を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS23において、決済用コード要求REQcを管理サーバ20へ送信する。
【0091】
ステップS24において、端末装置10[1]は、品質制御サーバ30に対し、QoS制御の初期化を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS24において、初期化要求REQiを品質制御サーバ30へ送信する。
【0092】
管理サーバ20が決済用コード要求REQcを受け取り、端末装置10[1]の認証が完了すると、ステップS25において、管理サーバ20は決済用コードを発行し、決済用コードを示す画像データを端末装置10[1]へ送信する。
【0093】
端末装置10[1]が決済用コードを示す画像データを受け取ると、ステップS26において、端末装置10[1]は、決済用コードを示す画像データを、アプリケーションプログラムPRAへ送信し、表示装置14に決済用コードを表示する。
【0094】
その後、ステップS27において、品質制御サーバ30は、初期化要求REQiに応答して、初期化完了信号ACKiを端末装置10[1]へ送信する。
【0095】
端末装置10[1]は、初期化完了信号ACKiを受信した時点において、既に決済用コードを管理サーバ20から受け取っているため、初期化完了信号ACKiを受信しても、QoS開始要求を送信しない。
【0096】
ユーザU[1]による入力装置15の操作により、端末装置10[1]は、ステップS28において、アプリケーションプログラムPRAを終了する。
【0097】
1.3.2.情報処理システム1の第2の動作
図7は、図1の情報処理システム1の第2の動作を示すシーケンスチャートである。以下、図7を参照することにより、情報処理システム1の第2の動作を説明する。第2の動作は、決済用コードを示す画像データが遅延して端末装置10[1]に送信される場合における動作である。
【0098】
ユーザU[1]による入力装置15の操作により、端末装置10[1]は、S21において、アプリケーションプログラムPRAを起動する。
【0099】
アプリケーションプログラムPRAの起動処理が開始すると、ステップS22において、アプリケーションプログラムPRAの起動処理が開始したことが制御プログラムPR1及び仲介プログラムPRMに通知される。
【0100】
ステップS23において、端末装置10[1]は、管理サーバ20に対し、決済用コードの発行を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS23において、決済用コード要求REQcを管理サーバ20へ送信する。
【0101】
ステップS24において、端末装置10[1]は、品質制御サーバ30に対し、QoS制御の初期化を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS24において、初期化要求REQiを品質制御サーバ30ヘ送信する。
【0102】
次いで、ステップS27において、品質制御サーバ30は、初期化要求REQiに応答して、初期化完了信号ACKiを端末装置10[1]へ送信する。
【0103】
第2の動作では、端末装置10[1]が初期化完了信号ACKiを受信した時点において、端末装置10[1]は、未だ決済用コードを管理サーバ20から受け取っていない。言い換えると、第2の動作の例では、特定条件が成立する。そこで、端末装置10[1]は、ステップS31において、品質制御サーバ30に対し、QoS制御の開始を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS31において、QoS開始要求REQsを品質制御サーバ30へ送信する。
【0104】
次いで、ステップS32において、品質制御サーバ30は、QoS開始要求REQsに応答して、承認応答ACKsを端末装置10[1]へ送信する。承認応答ACKsは、品質制御に関する制御信号の一例である。
【0105】
また、ステップS33において、品質制御サーバ30は、端末装置10[1]と管理サーバ20との間における通信品質を向上するためのQoS制御を開始する。
【0106】
管理サーバ20が決済用コード要求REQcを受け取り、端末装置10[1]の認証が完了すると、ステップS25において、管理サーバ20は決済用コードを発行し、決済用コードを示す画像データを端末装置10[1]へ送信する。
【0107】
端末装置10[1]が決済用コードを示す画像データを受け取ると、ステップS26において、端末装置10[1]は、決済用コードを示す画像データを、アプリケーションプログラムPRAへ送信し、表示装置14に決済用コードを表示する。
【0108】
その後、ユーザU[1]による入力装置15の操作により、端末装置10[1]は、ステップS28において、アプリケーションプログラムPRAを終了する。
【0109】
アプリケーションプログラムPRAの終了処理が開始すると、ステップS34において、アプリケーションプログラムPRAの終了処理が開始したことが制御プログラムPR1及び仲介プログラムPRMに通知される。
【0110】
ステップS35において、端末装置10[1]は、品質制御サーバ30に対し、QoS制御の終了を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS35において、QoS終了要求REQeを品質制御サーバ30へ送信する。
【0111】
次いで、ステップS36において、品質制御サーバ30は、QoS終了要求REQeに応答して、承認応答ACKeを端末装置10[1]へ送信する。承認応答ACKeは、品質制御に関する制御信号の一例である。
【0112】
また、ステップS37において、品質制御サーバ30は、端末装置10[1]と管理サーバ20との間における通信品質を向上するためのQoS制御を終了する。
【0113】
1.4.第1実施形態が奏する効果
以上の説明によれば、第1実施形態に係る端末装置10[1]は、送信部112と、受信部113と、を備える。送信部112は、アプリケーションプログラムPRAの起動処理が開始された後において特定条件が成立した場合、QoS開始要求REQsを、品質制御サーバ30へ送信する。アプリケーションプログラムPRAは、通信のQoS制御の対象とされたアプリケーションプログラムである。受信部113は、QoS制御に関する制御信号を品質制御サーバ30から受信する。
【0114】
この態様によれば、特定条件が成立した場合には、QoS開始要求REQsが品質制御サーバ30へ送信されるので通信のQoS制御が実行される。特定条件が成立した場合とは、例えば、アプリケーションプログラムと管理サーバ20との間の通信に遅延が生じている場合である。従って、この態様によれば、必要なときに適切にQoS制御を行うことが可能となる。
【0115】
また、特定条件は、第1時点までに、受信部113がアプリケーションプログラムPRAに対応する管理サーバ20から決済用コードを示す画像データを受信していないことである。第1時点は、受信部113が品質制御サーバ30から初期化完了信号ACKiを受信する時点である。
【0116】
特定条件が成立しないということは、QoS初期化要求に対する初期化完了の通知を受信する前に、決済用コードを示す画像データを受信するということである。この場合、遅滞なく決済用コードが端末装置10[1]に表示されるので、QoS制御を要しない。一方、特定条件が成立するということは、QoS初期化要求に対する初期化完了の通知を受信した時点において未だ決済用コードを示す画像データが受信されないということである。この場合、QoS制御を要すると考えられる。従って、この態様によれば、必要なときに適切にQoS制御を行うことが可能となる。
【0117】
また、第1実施形態に係る端末装置10[1]は、さらに管理部116を備える。管理部116は、QoS制御の実行状況を管理する。QoS制御に対して実行回数に応じた課金がなされる場合、管理部116は、特定条件が成立した回数を管理する。
【0118】
QoS開始要求REQsを品質制御サーバ30へ送信した回数は、APIをコールするAPIコール回数と等しい。従って、この態様によれば、APIコール回数に応じて課金されるため、合理的である。
【0119】
また、第1実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、通信の品質制御の対象とされたアプリケーションプログラムの起動処理が開始された後において、特定条件が成立した場合、第1処理と第2処理とを実行させる。第1処理は、QoS開始要求REQsを、品質制御サーバ30へ送信する処理である。第2処理は、QoS制御に関する制御信号を品質制御サーバ30から受信する処理である。
【0120】
この態様によれば、必要なときに適切にQoS制御を行うことが可能となる。
【0121】
また、第1実施形態に係る情報処理方法は、アプリケーションプログラムPRAの起動処理が開始された後において特定条件が成立した場合、QoS開始要求REQsを、品質制御サーバ30へ送信し、QoS制御に関する制御信号を品質制御サーバ30から受信する。アプリケーションプログラムPRAは、通信のQoS制御の対象とされたアプリケーションプログラムである。
【0122】
この態様によれば、必要なときに適切にQoS制御を行うことが可能となる。
【0123】
2.第2実施形態
以下、図8図11を参照することにより、本発明の第2実施形態に係る情報処理装置の構成について説明する。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、第1実施形態と同一の構成要素に対しては、同一の符号を用いると共に、その機能の説明を省略することがある。また、以下の説明では、説明の簡略化のため、主として、第2実施形態が、第1実施形態に比較して相違する点について説明する。
【0124】
2.1.第2実施形態の構成
2.1.1.全体構成
図8は、第2実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システム1Aの全体構成を示す図である。情報処理システム1Aは、端末装置10A、管理サーバ20、品質制御サーバ30、配信サーバ40、及び通信網NETを備えている。従って、情報処理システム1Aは、第1実施形態に係る情報処理システム1と比較して、端末装置10に代えて端末装置10Aを備えている点及び配信サーバ40をさらに備えている点において相違している。
【0125】
端末装置10Aは、n個の端末装置10[1]A、10[2]A、…、10[k]A、…、10[n]Aを含んでいる。ここで、nは任意の自然数であり、kはnよりも小さい任意の自然数である。を含んでいる。本実施形態において、端末装置10[1]A~10[n]Aの各構成は互いに同一である。なお、端末装置10Aには、構成が同一でない端末装置が含まれてもよい。
【0126】
端末装置10[1]Aを利用するユーザはユーザU[1]であり、端末装置10[2]Aを利用するユーザはユーザU[2]であり、端末装置10[k]Aを利用するユーザはユーザU[k]であり、端末装置10[n]Aを利用するユーザはユーザU[n]である。
【0127】
端末装置10Aは、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、スマートウォッチ等を含む。
【0128】
管理サーバ20、品質制御サーバ30、及び通信網NETは、第1実施形態に係る管理サーバ20、品質制御サーバ30、及び通信網NETと同一の構成であるため、詳細な説明は省略される。
【0129】
配信サーバ40は、サービス提供事業者により管理されるサーバである。本実施形態では、配信サーバ40は、動画配信サービス事業者により管理されるサーバである場合を例に説明する。言い換えると、本実施形態では、配信サーバ40により動画配信サービスが提供される。
【0130】
2.1.2.端末装置の構成
図9は、図8の端末装置10[1]Aの構成例を示すブロック図である。図9に示したように、端末装置10[1]Aは、処理装置11、記憶装置12A、通信装置13、表示装置14、及び入力装置15を備えている。端末装置10[1]Aが備えている各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。端末装置10[1]Aは、第1実施形態に係る端末装置10[1]と比較して、第1アプリケーションプログラムPRA1及び第2アプリケーションプログラムPRA2を有している点において異なっている。端末装置10[1]Aは、情報処理装置の一例である。
【0131】
処理装置11は、端末装置10[1]Aの全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。第2実施形態に係る処理装置11の構成は、第1実施形態に係る処理装置11の構成と同様であるため、詳細な説明は省略される。
【0132】
記憶装置12Aは、処理装置11により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置12Aは、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、及びEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。
【0133】
記憶装置12Aは、処理装置11が実行するための制御プログラムPR1、第1アプリケーションプログラムPRA1、第2アプリケーションプログラムPRA2、及び仲介プログラムPRMを含む複数のプログラムを記憶している。また、記憶装置12Aは、処理装置11のワークエリアとして機能する。
【0134】
制御プログラムPR1は、処理装置11全体を制御するプログラムである。第1アプリケーションプログラムPRA1及び第2アプリケーションプログラムPRA2は、端末装置10[1]Aに係る通信のためのプログラムであり、品質制御サーバ30によるQoS制御の対象とされたプログラムである。第1アプリケーションプログラムPRA1は、例えば、二次元コード決済アプリケーションを実行するプログラムである。第2アプリケーションプログラムPRA2は、例えば、映像作品を視聴可能な動画視聴アプリケーションを実行するプログラムである。
【0135】
動画視聴アプリケーションは、映像作品を配信サーバ40からストリーミングにより、又は予めダウンロードすることによりユーザUに視聴を可能にするアプリケーションである。本実施形態では、特にストリーミング視聴が想定される。第2アプリケーションプログラムPRA2は、例えば、動画配信サービス事業者から提供され、ユーザU[1]により端末装置10[1]Aに予めインストールされる。
【0136】
動画視聴アプリケーションに対して行われるQoS制御のQoSレベルとしては、大容量モードが適している。
【0137】
第1アプリケーションプログラムPRA1に係る特定条件は、第1時点までに、受信部113が第1アプリケーションプログラムPRA1に基づく処理で用いられるコード生成用データを受信していないことである。コード生成用データは、第1アプリケーションプログラムPRA1が決済用コードを生成するためのデータであり、第1データの一例である。
【0138】
第2アプリケーションプログラムPRA2に係る特定条件は、第1時点までに、受信部113が第2アプリケーションプログラムPRA2に基づく処理で用いられる圧縮動画データを受信していないことである。圧縮動画データは、第2アプリケーションプログラムPRA2が視聴用の映像作品を再生するためのデータであり、第1データの一例である。
【0139】
2.1.3.配信サーバの構成
図10は、図8の配信サーバ40の構成例を示すブロック図である。図10に示したように、配信サーバ40は、処理装置41、記憶装置42、及び通信装置43を備えている。配信サーバ40が備えている各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。配信サーバ40は、外部装置の一例である。
【0140】
処理装置41は、配信サーバ40の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置41は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、及びレジスタを含む中央処理装置(CPU)を用いて構成されている。なお、処理装置41が備えている機能の一部又は全部は、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置41は、各種の処理を並列又は逐次的に実行する。
【0141】
記憶装置42は、処理装置41により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置42は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、及びEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。
【0142】
記憶装置42は、処理装置41が実行するための制御プログラムPR4を含む複数のプログラムを記憶している。また、記憶装置42は、処理装置41のワークエリアとして機能する。
【0143】
通信装置43は、第1実施形態の通信装置13と同様の装置であるため、説明は省略される。
【0144】
処理装置41は、記憶装置42から制御プログラムPR4を読み出して実行することにより、送信部411、受信部412、及び管理部413として機能する。
【0145】
送信部411は、通信装置43を介して要求された動画コンテンツを端末装置10[1]へ送信する。端末装置10[1]への送信形式としては、端末装置10[1]からの要求により、ストリーミング及びダウンロードのいずれであってもよい。
【0146】
受信部412は、通信装置43を介して動画配信要求等の要求信号を端末装置10[1]から受信する。
【0147】
管理部413は、動画配信サービスのユーザに関する情報、配信するための動画コンテンツに関する情報を管理する。
【0148】
2.2.第2実施形態に係る情報処理システムの動作
2.2.1.情報処理システム1Aの動作
図11は、図8の情報処理システム1Aの動作の一例を示すシーケンスチャートである。以下、図11を参照することにより、情報処理システム1Aの動作について説明する。本動作は、決済用コードを示す画像データが遅延して端末装置10[1]に送信されるとともに、動画コンテンツを示す画像データが遅延して端末装置10[1]に送信される場合における動作である。
【0149】
ユーザU[1]による入力装置15の操作により、端末装置10[1]は、S21において、第1アプリケーションプログラムPRA1を起動する。
【0150】
第1アプリケーションプログラムPRA1の起動処理が開始すると、ステップS22において、第1アプリケーションプログラムPRA1の起動処理が開始したことが制御プログラムPR1及び仲介プログラムPRMに通知される。
【0151】
ステップS23において、端末装置10[1]は、管理サーバ20に対し、決済用コードの発行を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS23において、決済用コード要求REQcを管理サーバ20へ送信する。
【0152】
ステップS24において、端末装置10[1]は、品質制御サーバ30に対し、QoS制御の初期化を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS24において、初期化要求REQiを品質制御サーバ30へ送信する。
【0153】
次いで、ステップS27において、品質制御サーバ30は、初期化要求REQiに応答して、初期化完了信号ACKiを端末装置10[1]へ送信する。
【0154】
本動作では、端末装置10[1]が初期化完了信号ACKiを受信した時点において、端末装置10[1]は、未だ決済用コードを管理サーバ20から受け取っていない。言い換えると、本動作の例では、特定条件が成立する。そこで、端末装置10[1]は、ステップS31において、品質制御サーバ30に対し、QoS制御の開始を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS31において、第1QoS開始要求REQs1を品質制御サーバ30へ送信する。
【0155】
次いで、ステップS32において、品質制御サーバ30は、第1QoS開始要求REQs1に応答して、第1承認応答ACKs1を端末装置10[1]へ送信する。
【0156】
また、ステップS33において、品質制御サーバ30は、端末装置10[1]と管理サーバ20との間における通信品質を向上するためのQoS制御を開始する。
【0157】
管理サーバ20が決済用コード要求REQcを受け取り、端末装置10[1]の認証が完了すると、ステップS25において、管理サーバ20は決済用コードを発行し、決済用コードを示す画像データを端末装置10[1]へ送信する。
【0158】
端末装置10[1]が決済用コードを示す画像データを受け取ると、ステップS26において、端末装置10[1]は、決済用コードを示す画像データを、第1アプリケーションプログラムPRA1へ送信し、表示装置14に決済用コードを表示する。
【0159】
その後、ユーザU[1]による入力装置15の操作により、端末装置10[1]は、S41において、第2アプリケーションプログラムPRA2を起動する。
【0160】
第2アプリケーションプログラムPRA2の起動処理が開始すると、ステップS42において、第2アプリケーションプログラムPRA2の起動処理が開始したことが制御プログラムPR1及び仲介プログラムPRMに通知される。
【0161】
ステップS43において、端末装置10[1]は、配信サーバ40に対し、動画の配信を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS43において、動画配信要求REQmを配信サーバ40へ送信する。
【0162】
ステップS44において、端末装置10[1]は、品質制御サーバ30に対し、QoS制御の初期化を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS44において、初期化要求REQiを品質制御サーバ30へ送信する。
【0163】
次いで、ステップS45において、品質制御サーバ30は、初期化要求REQiに応答して、初期化完了信号ACKiを端末装置10[1]へ送信する。
【0164】
本動作では、端末装置10[1]が初期化完了信号ACKiを受信した時点において、端末装置10[1]は、未だ動画を配信サーバ40から受け取っていない。言い換えると、本動作の例では、特定条件が成立する。そこで、端末装置10[1]は、ステップS46において、品質制御サーバ30に対し、QoS制御の開始を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS46において、第2QoS開始要求REQs2を品質制御サーバ30へ送信する。
【0165】
次いで、ステップS47において、品質制御サーバ30は、第2QoS開始要求REQs2に応答して、第2承認応答ACKs2を端末装置10[1]へ送信する。
【0166】
また、ステップS48において、品質制御サーバ30は、端末装置10[1]と配信サーバ40との間における通信品質を向上するためのQoS制御を開始する。
【0167】
配信サーバ40が動画配信要求REQmを受け取り、端末装置10[1]の認証が完了すると、ステップS49において、配信サーバ40は動画コンテンツを示す画像データを端末装置10[1]へ配信する。
【0168】
端末装置10[1]が動画コンテンツを示す画像データを受け取ると、ステップS50において、端末装置10[1]は、動画コンテンツを示す画像データを、第2アプリケーションプログラムPRA2へ送信し、表示装置14に動画コンテンツを表示する。
【0169】
2.3.第2実施形態が奏する効果
以上の説明によれば、第2実施形態に係る端末装置10[1]は、記憶装置12Aを備える。記憶装置12Aは、QoS制御の対象とされる第1アプリケーションプログラムPRA1とQoS制御の対象とされる第2アプリケーションプログラムPRA2とを記憶する。QoS制御の対象とされた第1アプリケーションプログラムPRA1の起動処理が開始された後において、第1アプリケーションプログラムPRA1について特定条件が成立した場合、送信部112は第1アプリケーションプログラムPRA1に対応する第1QoS開始要求REQs1を品質制御サーバ30へ送信する。
【0170】
第2実施形態に係る端末装置10[1]は、QoS制御の対象とされた第2アプリケーションプログラムPRA2が開始された後において、第2アプリケーションプログラムPRA2について特定条件が成立した場合、送信部112は第2アプリケーションプログラムPRA2に対応する第2QoS開始要求REQs2を品質制御サーバ30へ送信する。
【0171】
受信部113は、第1アプリケーションプログラムPRA1に対応するQoS制御に関する制御信号を品質制御サーバ30から受信する。受信部113は、第2アプリケーションプログラムPRA2に対応するQoS制御に関する制御信号を品質制御サーバ30から受信する。
【0172】
この態様によれば、送信部112及び受信部113は、端末装置10[1]中の複数のアプリケーションプログラムそれぞれのQoS制御に関する通信を行うことができる。従って、アプリケーションプログラムごとにQoS制御のためのアプリケーションを準備する必要がない。
【0173】
3.変形例
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を組み合わせてもよい。また、上記実施形態の態様及び以下の変形の態様は、相互に矛盾しない限り任意に組み合わせることができる。
【0174】
3.1.変形例1
第1実施形態において、管理部116は、品質制御サーバ30によるQoS制御の実行状況を記録し、記録されたQoS制御の実行状況を、APIコール回数の観点で分析していたが、APIコール回数に代えて実行時間の観点で分析してもよい。
【0175】
実行時間は、一定期間内にQoS制御が実行された時間である。例えば、一定期間を1ヶ月とした場合、単位時間当たりの課金額を予め設定しておくことにより、実行時間と単位時間当たりの課金額とに基づいて、1ヶ月の課金額が決定される。また、QoS制御が実行された時間は、例えば、受信部113が初期化完了信号ACKiを受信してからQoS終了要求に対する承認応答ACKeを受信するまでの時間である。QoS制御が実行された時間は、受信部113がQoS開始要求に対する承認応答ACKsを受信してからQoS終了要求に対する承認応答ACKeを受信するまでの時間であってもよい。
【0176】
つまり、QoS制御に対して実行時間に応じた課金がなされる場合、管理部116は、QoS制御が実行されている時間を管理する。管理部116は、QoS制御が実行されている時間を示す情報を課金サーバへ送信する。管理部116は、QoS制御が実行されている時間を示す情報を一定期間ごとに課金サーバへ送信してもよいし、一定期間とは異なるタイミングで課金サーバへ送信してもよい。
【0177】
このように、第1変形例に係る端末装置10[1]は、管理部116を備える。管理部116は、QoS制御の実行状況を管理する。QoS制御に対して実行時間に応じた課金がなされる場合、管理部116は、QoS制御が実行されている時間を管理する。
【0178】
この態様によれば、必要なときにQoS制御が実行されるので、ユーザU[1]にとって経済的な課金方法であると言える。また、品質制御サーバ30にとっては、より効率的にリソースを使用することができる。
【0179】
3.2.変形例2
第1実施形態において、管理部116は、品質制御サーバ30によるQoS制御の実行状況を記録し、記録されたQoS制御の実行状況を、APIコール回数の観点で分析していたが、APIコール回数に代えてデータ量の観点で分析してもよい。
【0180】
通信データ量は、一定期間内にQoS制御が実行されている間に通信されるデータ量である。例えば、一定期間を1ヶ月とした場合、単位データ量当たりの課金額を予め設定しておくことにより、データ量と単位データ量当たりの課金額とに基づいて、1ヶ月の課金額が決定される。つまり、QoS制御に対して通信データ量に応じた課金がなされる場合、管理部116は、QoS制御が実行されている間に通信されるデータ量を管理する。管理部116は、QoS制御が実行されている間に通信されるデータ量を示す情報を課金サーバへ送信する。管理部116は、QoS制御が実行されている間に通信されるデータ量を示す情報を一定期間ごとに課金サーバへ送信してもよいし、一定期間とは異なるタイミングで課金サーバへ送信してもよい。
【0181】
このように、第2変形例に係る端末装置10[1]は、管理部116を備える。管理部116は、QoS制御の実行状況を管理する。QoS制御に対して実行時間に応じた課金がなされる場合、管理部116は、QoS制御が実行されている間に通信されるデータ量を管理する。
【0182】
この態様によれば、QoS制御により処理されたデータの量に応じて課金されるので、ユーザU[1]によって合理的な課金方法であると言える。
【0183】
なお、管理部116は、品質制御サーバ30によるQoS制御の実行状況をAPIコール回数、データ量、及び実行時間の観点で分析し、APIコール回数、データ量、及び実行時間のいずれかの観点で課金することを例示したが、課金の観点は、APIコール回数、データ量、及び実行時間に限定されない。
【0184】
3.3.変形例3
上記各実施形態において、QoS制御の対象となる端末装置10を、特定の位置に存在する端末装置に限定してもよい。特定の位置は、位置情報テーブルとして品質制御サーバ30が保持している。特定の位置としては、イベント会場、競技場、ショッピングモール等、端末装置10の利用数が多く且つ混雑が生じ易いエリアが想定される。例えば、端末装置10[1]において、アプリケーションプログラムPRAが起動されると、端末装置10[1]は、初期化要求REQiとともに端末装置10[1]の位置情報を品質制御サーバ30へ送信する。
【0185】
端末装置10[1]の位置情報は、例えば、基地局に係る位置情報として取得される。基地局に係る位置情報は、各基地局に対応するセル内に位置する端末装置10の位置情報である。端末装置10[1]の位置情報は、Wi-Fi位置情報であってもよい。Wi-Fi位置情報は、Wi-Fiの各アクセスポイントにアクセス可能な範囲内に位置する端末装置10の位置情報である。なお、端末装置10[1]の位置情報は、端末装置10[1]に備えられた不図示の測位装置により取得されてもよい。
【0186】
測位装置は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機であってもよい。GNSS受信機は、1以上のGNSS衛星から発信される電波信号を受信する。GNSSは、GPS(Global Positioning System)衛星をはじめとする世界各国の測位衛星を用いた測位システムである。GNSS受信機は、受信した1以上の電波信号に基づいて測位を実施し、GNSS受信機の位置情報を処理装置11に出力する。測位装置による位置情報は、例えば、端末装置10[1]の緯度と経度とを示す。
【0187】
品質制御サーバ30は、端末装置10[1]の位置情報を位置情報テーブルと照合し、端末装置10[1]の位置が特定の位置に該当するか否かを判定する。端末装置10[1]の位置が特定の位置に該当する場合、品質制御サーバ30は、初期化完了信号ACKiを端末装置10[1]へ送信する。一方、端末装置10[1]の位置が特定の位置に該当しない場合、品質制御サーバ30は、初期化完了信号ACKiを端末装置10[1]へ送信しない。
【0188】
従って、特定条件は、端末装置10[1]の位置が予め定められたエリア内にあることである。
【0189】
この態様によれば、QoS制御の適用がより効果的なエリアにリソースを割り当てることにより、リソースをより有効的に利用することができる。なお、端末装置10[1]は、初期化要求REQiとともに送信することに代えて、QoS開始要求REQsとともに端末装置10[1]の位置情報を品質制御サーバ30へ送信してもよい。
【0190】
また、本変形例において、端末装置10[1]の位置が特定の位置に該当しない場合、品質制御サーバ30が初期化完了信号ACKiを端末装置10[1]へ送信しない態様が示された。しかし、この態様に代えて、端末装置10[1]の位置が特定の位置に該当しない場合、品質制御サーバ30は、初期化エラー信号を端末装置10[1]へ送信してもよい。
【0191】
また、位置情報テーブルが予め品質制御サーバ30から端末装置10[1]へダウンロードされることにより、端末装置10[1]の位置が特定の位置に該当するか否かを、端末装置10[1]自身が判定してもよい。端末装置10[1]の位置が特定の位置に該当する場合、端末装置10[1]は、QoS開始要求REQsを品質制御サーバ30へ送信する。一方、端末装置10[1]が特定の位置に該当しない場合、端末装置10[1]は、QoS開始要求REQsを品質制御サーバ30へ送信しない。
【0192】
この態様によれば、端末装置10[1]は、品質制御サーバ30と通信することなしにQoS開始要求REQsの送信要否を判定可能である。従って、ネットワーク品質が悪化している環境下においても、確実にQoS開始要求REQsの送信要否を判定できる。
【0193】
3.4.変形例4
上記各実施形態において、QoS制御の対象となる端末装置10を、品質が低下しているネットワークに接続している端末装置に限定してもよい。品質が低下しているとは、例えば、ネットワーク品質の指標であるRSRQ(Reference Signal Received Quality)又はRSRP(Reference Signal Received Power)が低下していることである。
【0194】
例えば、端末装置10[1]において、アプリケーションプログラムPRAが起動されると、端末装置10[1]は、初期化要求REQiとともに端末装置10[1]のRSRQに関する情報を品質制御サーバ30へ送信する。
【0195】
品質制御サーバ30は、端末装置10[1]のRSRQを予め定められた判定閾値と比較する。端末装置10[1]のRSRQが判定閾値未満である場合、即ち、通信品質が悪化している場合、品質制御サーバ30は、初期化完了信号ACKiを端末装置10[1]へ送信する。一方、端末装置10[1]のRSRQが判定閾値以上である場合、即ち、通信品質が悪化していない場合、品質制御サーバ30は、初期化完了信号ACKiを端末装置10[1]へ送信しない。
【0196】
従って、特定条件は、端末装置10[1]に対する通信品質が予め定められた判定閾値未満であることである。
【0197】
この態様によれば、QoS制御の適用がより効果的なネットワークにリソースを割り当てることにより、リソースを有効的に利用することができる。なお、品質制御サーバ30は、QoS制御の適用要否をRSRQに代えてRSRPに基づいて判定してもよいし、RSRQ及びRSRPの双方に基づいて判定してもよい。
【0198】
また、本変形例において、端末装置10[1]のRSRQが判定閾値以上である場合、品質制御サーバ30が初期化完了信号ACKiを端末装置10[1]へ送信しない態様が示された。しかし、この態様に代えて、端末装置10[1]のRSRQが判定閾値以上である場合、品質制御サーバ30は、初期化エラー信号を端末装置10[1]へ送信してもよい。
【0199】
また、判定閾値が予め品質制御サーバ30から端末装置10[1]へダウンロードされることにより、端末装置10[1]のRSRQが判定閾値未満であるか否かを、端末装置10[1]自身が判定してもよい。端末装置10[1]のRSRQが判定閾値未満である場合、端末装置10[1]は、QoS開始要求REQsを品質制御サーバ30へ送信する。一方、端末装置10[1]のRSRQが判定閾値以上である場合、端末装置10[1]は、QoS開始要求REQsを品質制御サーバ30へ送信しない。
【0200】
この態様によれば、端末装置10[1]は、品質制御サーバ30と通信することなしにQoS開始要求REQsの送信要否を判定可能である。従って、ネットワーク品質が悪化している環境下においても、確実にQoS開始要求REQsの送信要否を判定できる。なお、端末装置10[1]は、QoS制御の適用要否をRSRQに代えてRSRPに基づいて判定してもよいし、RSRQ及びRSRPの双方に基づいて判定してもよい。
【0201】
3.5.変形例5
上記各実施形態において、QoS制御が適用されている二次元コード決済アプリケーション又はQoS制御が適用されている動画視聴アプリケーションがバックグラウンドに遷移した場合、QoS制御を終了させてもよい。また、バックグラウンドに遷移した二次元コード決済アプリケーション又はバックグラウンドに遷移した動画視聴アプリケーションがフォアグラウンドに復帰した場合、QoS制御を再び開始させてもよい。
【0202】
より具体的に述べると、例えば、アプリケーションプログラムPRAにQoS制御が適用されている場合において、他のアプリケーションプログラムが起動されると、他のアプリケーションプログラムはフォアグラウンドで動作し、アプリケーションプログラムPRAは、フォアグラウンドからバックグラウンドへ遷移する。この場合、端末装置10[1]は、QoS終了要求REQeを品質制御サーバ30へ送信する。これにより、アプリケーションプログラムPRAに対するQoS制御は終了する。
【0203】
その後、例えば、アプリケーションプログラムPRA以外のすべてのアプリケーションプログラムが終了された場合、アプリケーションプログラムPRAは、バックグラウンドからフォアグラウンドへ遷移する。この場合、端末装置10[1]は、特定条件が成立すると、QoS開始要求REQsを品質制御サーバ30へ送信する。特定条件は、受信部113が品質制御サーバ30から初期化完了信号ACKiを受信する第1時点までに、受信部113がアプリケーションプログラムPRAに基づく処理で用いられるコード生成用データを受信していないことである。
【0204】
この態様によれば、不要なQoS制御の適用を回避することができる。
【0205】
また、アプリケーションプログラムPRAがバックグラウンドからフォアグラウンドに遷移した場合、アプリケーションプログラムPRAがフォアグラウンドからバックグラウンドに遷移した時点から一定時間内に限り、QoS開始要求REQsを品質制御サーバ30へ送信してもよい。一定時間としては、例えば、30分以上の時間が想定される。一定時間経過後には、ユーザU[1]はフォアグラウンドに遷移したアプリケーションプログラムPRAを利用していない可能性が高い。従って、この態様によれば、不要なQoS制御の適用をより回避することができる。
【0206】
3.6.変形例6
上記各実施形態において、二次元コード決済アプリケーションにより実行される決済は、オンライン決済が前提であったが、何らかの原因により、端末装置10[1]と通信網NETとの間の通信が途絶えた場合、オフライン決済が実行されてもよい。
【0207】
オフライン決済は、利用者提示型(CPM)の決済において利用可能である。オフライン決済では、店舗のPOS装置を介して端末装置10[1]の決済情報が管理サーバ20に送信される。
【0208】
端末装置10[1]と通信網NETとの間の通信環境が改善し、オフライン決済からオンライン決済に復帰可能な場合、オンライン決済に対しQoS制御が適用されてもよい。
【0209】
より具体的に述べると、オンライン決済時に何らかの原因により端末装置10[1]と通信網NETとの間の通信が途絶え、オフライン決済に遷移した後、端末装置10[1]は、オフライン決済に遷移してから基準時間経過後、決済用コードの更新、アプリケーションプログラムPRAのバックグラウンドからフォアグラウンドへの遷移等を契機としてオンライン決済への復帰を試行する。基準時間は特に限定されないが、5秒程度が好適である。
【0210】
端末装置10[1]は、オンライン決済への復帰を試行する際に、QoS開始要求REQsを品質制御サーバ30へ送信する。従って、この場合、特定条件は、二次元コード決済アプリケーションの決済方法がオンライン決済からオフライン決済に遷移した時点から基準時間経過した後である。
【0211】
この態様によれば、オンライン決済の復帰処理にQoS制御が適用されることとなり、より早期にオンライン決済への復帰が可能となる。
【0212】
3.7.変形例7
上記各実施形態において、二次元コード決済アプリケーションにより実行される決済の型式は利用者提示型であったが、利用者提示型の決済に代えて店舗提示型(MPM:Merchant-Presented Mode)の決済が実行されてもよい。
【0213】
店舗提示型の決済では、管理サーバ20の受信部213は、店舗に設置された決済用コードが、端末装置10[1]によりスキャンされた場合、通信装置23を介して、端末装置10[1]から決済要求を受信する。決済部215は、決済要求に応じて決済処理を実行する。
【0214】
図12は、変形例3に係る情報処理システム1の第1の動作を示すシーケンスチャートである。以下、図12を参照することにより、情報処理システム1の第1の動作を説明する。第1の動作は、決済結果を示す情報が遅延なく端末装置10[1]に送信される場合における動作である。
【0215】
ユーザU[1]による入力装置15の操作により、端末装置10[1]は、S51において、アプリケーションプログラムPRAを起動する。
【0216】
アプリケーションプログラムPRAの起動処理が開始した後、ステップS52において、ユーザU[1]によって店舗に設置された決済用コードが撮影される。
【0217】
決済用コードが撮影された後、ステップS53において、アプリケーションプログラムPRAにより、ユーザU[1]による取引金額の入力を受け付ける。
【0218】
その後、ステップS54において、取引金額が入力されたことが制御プログラムPR1及び仲介プログラムPRMに通知される。
【0219】
ステップS55において、端末装置10[1]は、決済要求REQpを管理サーバ20へ送信する。
【0220】
ステップS56において、端末装置10[1]は、品質制御サーバ30に対し、QoS制御の初期化を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS56において、初期化要求REQiを品質制御サーバ30へ送信する。
【0221】
管理サーバ20が決済要求REQpを受け取り、端末装置10[1]の認証が完了すると、ステップS57において、管理サーバ20は取引結果を示す取引データを端末装置10[1]へ送信する。
【0222】
端末装置10[1]が取引結果を示す取引データを受け取ると、ステップS58において、端末装置10[1]は、取引結果を示す取引データを、アプリケーションプログラムPRAへ送信し、表示装置14に取引結果を表示する。
【0223】
その後、ステップS59において、品質制御サーバ30は、初期化要求REQiに応答して、初期化完了信号ACKiを端末装置10[1]へ送信する。
【0224】
端末装置10[1]は、初期化完了信号ACKiを受信した時点において、既に取引結果を示す取引データを管理サーバ20から受け取っているため、初期化完了信号ACKiを受信しても、QoS開始要求を送信しない。
【0225】
ユーザU[1]による入力装置15の操作により、端末装置10[1]は、ステップS60において、アプリケーションプログラムPRAを終了する。
【0226】
図13は、変形例3に係る情報処理システム1の第2の動作を示すシーケンスチャートである。以下、図13を参照することにより、情報処理システム1の第2の動作を説明する。第2の動作は、決済結果を示す情報が遅延して端末装置10[1]に送信される場合における動作である。
【0227】
ユーザU[1]による入力装置15の操作により、端末装置10[1]は、S51において、アプリケーションプログラムPRAを起動する。
【0228】
アプリケーションプログラムPRAの起動処理が開始した後、ステップS52において、ユーザU[1]によって店舗に設置された決済用コードが撮影される。
【0229】
決済用コードが撮影された後、ステップS53において、アプリケーションプログラムPRAにより、ユーザU[1]による取引金額の入力を受け付ける。
【0230】
その後、ステップS54において、取引金額が入力されたことが制御プログラムPR1及び仲介プログラムPRMに通知される。
【0231】
ステップS55において、端末装置10[1]は、決済要求REQpを管理サーバ20へ送信する。
【0232】
ステップS56において、端末装置10[1]は、品質制御サーバ30に対し、QoS制御の初期化を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS56において、初期化要求REQiを品質制御サーバ30へ送信する。
【0233】
次いで、ステップS59において、品質制御サーバ30は、初期化要求REQiに応答して、初期化完了信号ACKiを端末装置10[1]へ送信する。
【0234】
第2の動作では、端末装置10[1]が初期化完了信号ACKiを受信した時点において、端末装置10[1]は、未だ取引データを管理サーバ20から受け取っていない。言い換えると、第2の動作の例では、特定条件が成立する。そこで、端末装置10[1]は、ステップS61において、品質制御サーバ30に対し、QoS制御の開始を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS61において、QoS開始要求REQsを品質制御サーバ30へ送信する。
【0235】
次いで、ステップS62において、品質制御サーバ30は、QoS開始要求REQsに応答して、承認応答ACKsを端末装置10[1]へ送信する。
【0236】
また、ステップS63において、品質制御サーバ30は、端末装置10[1]と管理サーバ20との間における通信品質を向上するためのQoS制御を開始する。
【0237】
管理サーバ20が決済要求REQpを受け取り、端末装置10[1]の認証が完了すると、ステップS57において、管理サーバ20は取引結果を示す取引データを端末装置10[1]へ送信する。
【0238】
端末装置10[1]が取引結果を示す取引データを受け取ると、ステップS58において、端末装置10[1]は、取引結果を示す取引データを、アプリケーションプログラムPRAへ送信し、表示装置14に取引結果を表示する。
【0239】
その後、ユーザU[1]による入力装置15の操作により、端末装置10[1]はステップS60において、アプリケーションプログラムPRAを終了する。
【0240】
アプリケーションプログラムPRAの終了処理が開始すると、ステップS64において、アプリケーションプログラムPRAの終了が開始したことが制御プログラムPR1及び仲介プログラムPRMに通知される。
【0241】
ステップS65において、端末装置10[1]は、品質制御サーバ30に対し、QoS制御の終了を要求する。即ち、端末装置10[1]は、ステップS35において、QoS終了要求REQeを品質制御サーバ30へ送信する。
【0242】
次いで、ステップS66において、品質制御サーバ30は、QoS終了要求REQeに応答して、承認応答ACKeを端末装置10[1]へ送信する。
【0243】
また、ステップS67において、品質制御サーバ30は、端末装置10[1]と管理サーバ20との間における通信品質を向上するためのQoS制御を終了する。
【0244】
このように、店舗提示型(MPM)においても、利用者提示型(CPM)と同様のQoS制御を適用可能である。
【0245】
なお、上記の動作例に限らず、端末装置10[1]は、店舗提示型(MPM)がユーザに選択された時点でQoS開始要求REQsを品質制御サーバ30へ送信してもよい。従って、この場合、特定条件は、二次元コード決済アプリケーションの実行時に、決済方法として店舗提示型が選択されたことである。
【0246】
店舗提示型による決済は、利用者提示型による決済では可能なオフライン決済に対応していないため、利用者提示型とくらべて、ネットワーク品質の影響をより受け易い。この態様によれば、店舗提示型による決済には、QoS制御が適用されるため、より効果的な品質制御が可能である。
【0247】
3.8.変形例8
管理部116によるQoS制御の実行状況を管理する機能は、品質制御サーバ30が有していてもよい。QoS制御の実行状況を管理する機能は、少なくとも管理部116及び品質制御サーバ30のいずれかが有していればよい。
【0248】
3.9.変形例9
上記各実施形態において、QoS制御の対象とされるアプリケーションプログラムが1つの場合又は2つの場合について説明したが、QoS制御の対象とされるアプリケーションプログラムは3つ以上であってもよい。この場合、送信部112は、各アプリケーションプログラムにそれぞれ対応する「QoS開始要求」を品質制御サーバ30へ送信し、受信部113は、各アプリケーションプログラムにそれぞれ対応する「承認応答」を品質制御サーバ30から受信する。
【0249】
この態様によれば、送信部112及び受信部113は、端末装置10[1]中の複数のアプリケーションプログラムそれぞれのQoS制御に関する通信を行うことができる。従って、アプリケーションプログラムごとにQoS制御のためのアプリケーションを準備する必要がない。
【0250】
3.10.変形例10
第1実施形態において、端末装置10[1]により、アプリケーションプログラムPRAの起動処理が開始されたことを契機として、決済用コード要求REQcが管理サーバ20へ送信されるとともに、初期化要求REQiが品質制御サーバ30へ送信される。しかし、決済用コード要求REQcの送信タイミング及び初期化要求REQiの送信タイミングはこの限りでなく、アプリケーションプログラムPRAの仕様による。例えば、決済用コード要求REQcの送信及び初期化要求REQiの送信は、ユーザU[1]の操作により、決済用コード表示の命令が実行されたことを契機として実行されてもよい。第2実施形態における第1アプリケーションプログラムPRA1についても同様である。
【0251】
また、第2実施形態において、端末装置10[1]により、第2アプリケーションプログラムPRA2の起動処理が開始されたことを契機として、動画配信要求REQmが配信サーバ40へ送信されるとともに、初期化要求REQiが品質制御サーバ30へ送信される。しかし、動画配信要求REQmの送信タイミング及び初期化要求REQiの送信タイミングはこの限りでなく、第2アプリケーションプログラムPRA2の仕様による。例えば、動画配信要求REQmの送信及び初期化要求REQiの送信は、ユーザU[1]の操作により、動画コンテンツの再生命令が実行されたことを契機として実行されてもよい。
【0252】
4.その他
(1)上述した実施形態では、記憶装置12、記憶装置12A、記憶装置22、記憶装置32、及び記憶装置42は、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網NETから送信されてもよい。
【0253】
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0254】
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0255】
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットを用いて表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0256】
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0257】
(6)図1図13に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0258】
(7)上述した実施形態において例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称を用いて呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0259】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0260】
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0261】
(9)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0262】
(10)上述した実施形態において、管理サーバ20、品質制御サーバ30、及び配信サーバ40は、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0263】
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的な結合又は接続であっても、論理的な結合又は接続であっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」を用いて読み替えられてもよい。本開示において使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0264】
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0265】
(13)本開示において使用される「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0266】
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0267】
(15)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0268】
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0269】
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行う通知に限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0270】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有さない。
【符号の説明】
【0271】
1,1A…情報処理システム、10,10[1],10[1]A,10[2],10[k],10[n]…端末装置、11…処理装置、20…管理サーバ、30…品質制御サーバ、40…配信サーバ,112…送信部、113…受信部、116…管理部、ACKi…初期化完了信号、ACKs…承認応答、ACKs1…第1承認応答、ACKs2…第2承認応答、PRA…アプリケーションプログラム、PRA1…第1アプリケーションプログラム、PRA2…第2アプリケーションプログラム、REQi…初期化要求、REQs…QoS開始要求、REQs1…第1QoS開始要求、REQs2…第2QoS開始要求、U[1],U[2],U[k],U[n]…ユーザ。
【要約】
【課題】必要なときに適切にQoS制御を行うことが可能となる。
【解決手段】処理装置11は、送信部112と、受信部113とを備える。送信部112は、アプリケーションプログラムPRAの起動処理が開始された後において特定条件が成立した場合、QoS開始要求REQsを、品質制御サーバ30へ送信する。受信部113は、QoS制御に関する制御信号を品質制御サーバ30から受信する。特定条件は、第1時点までに、受信部113がアプリケーションプログラムPRAに対応する管理サーバ20から決済用コードに関するデータを受信していないことである。第1時点は、受信部113が品質制御サーバ30から初期化完了信号ACKiを受信する時点である。
【選択図】図7
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