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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】超音波センサ
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/24 20060101AFI20250219BHJP
   H04R 17/00 20060101ALI20250219BHJP
【FI】
G01N29/24
H04R17/00
H04R17/00 330H
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024173409
(22)【出願日】2024-10-02
【審査請求日】2024-10-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】五島 康二
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕子
(72)【発明者】
【氏名】川浪 精一
【審査官】小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-074635(JP,A)
【文献】特開2012-244369(JP,A)
【文献】特表2014-503803(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113252796(CN,A)
【文献】中国実用新案第208721620(CN,U)
【文献】特開昭56-100358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 29/00 - G01N 29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基板と、
該金属基板の表面に設けられた圧電体と、
該圧電体の表面に設けられた上部電極と、
該上部電極に電気的に接続されたケーブルと、
前記圧電体、及び前記上部電極を前記表面側から覆うマイカ箔と、
前記金属基板との間で、前記圧電体、前記上部電極、及び前記マイカ箔を挟持するとともに前記金属基板に固定され、少なくとも500℃の高温環境下での耐熱性、及び絶縁性を有するカバーと、
を備える超音波センサ。
【請求項2】
前記マイカ箔は複数積層され、前記圧電体側の前記マイカ箔になるほど、前記表面側から見た場合の面積が大きい請求項に記載の超音波センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、超音波センサに関する。
【背景技術】
【0002】
各種のプラントでは、多数の配管や容器等が備えられている。このような配管や容器等(以下「配管等」と称する)に、高温(例えば60℃~600℃)の流体が流通し、または貯留される場合には、経年劣化により、配管等に減肉や亀裂が発生することがある。かかる減肉や亀裂は、内部流体の流れに変化が起こる、湾曲管やエルボ管等の曲面部や、配管等の狭隘部等で発生しやすい。そのため、超音波センサを使用した超音波探傷検査が行われている。
【0003】
この種の超音波センサとしては、下記特許文献1に記載されたものが知られている。下記特許文献1に係る装置は、金属基板と、圧電素子と、上部電極と、これらを周囲から一体に包み込むシリコンカバーと、を主に備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6432097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようにシリコンカバーで全体を覆う構成では、シリコンの耐熱温度が比較的に低いことから、配管から放射される高熱に耐えることができないという課題があった。
【0006】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、高温環境下で安定的に使用することが可能な超音波センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る金属基板と、該金属基板の表面に設けられた圧電体と、該圧電体の表面に設けられた上部電極と、該上部電極に電気的に接続されたケーブルと、前記圧電体、及び前記上部電極を前記表面側から覆うマイカ箔と、前記金属基板との間で、前記圧電体、前記上部電極、及び前記マイカ箔を挟持するとともに前記金属基板に固定され、少なくとも500℃の高温環境下での耐熱性、及び絶縁性を有するカバーと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、高温環境下で安定的に使用することが可能な超音波センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の第一実施形態に係る超音波センサの構成を示す分解斜視図である。
図2】本開示の第二実施形態に係る超音波センサの構成を示す分解斜視図である。
図3】本開示の第二実施形態に係る超音波センサの構成を示す平面図である。
図4】本開示の第一/第二実施形態に係る超音波センサの変形例を示す平面図である。
図5】本開示の第三実施形態に係る超音波センサの構成を示す分解斜視図である。
図6】本開示の第四実施形態に係る超音波センサの構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第一実施形態>
(超音波センサ1の構成)
以下、本開示の第一実施形態に係る超音波センサ1について、図1を参照して説明する。この超音波センサ1は、高温の流体が流れる配管の外周側に取り付けられた状態で、当該配管の減肉や割れを検出するために用いられる。
【0012】
図1に示すように、超音波センサ1は、金属基板10と、圧電体20と、上部電極30と、ケーブル40と、複数のマイカ箔70と、マイカカバー80と、を備える。
【0013】
金属基板10、圧電体20、上部電極30、マイカ箔70、及びマイカカバー80は、下方からこの順で積層されている。以下の説明では、金属基板10側から見てマイカカバー80が位置する側を「表面側」と呼び、その反対側を「裏面側」と呼ぶ。
【0014】
(金属基板10)
金属基板10は、薄膜状の金属で形成され、平面視で矩形をなしている。より具体的には、金属基板10は長方形、又は正方形をなしている。金属基板10は、一対の金属電極のうちの一方(下部電極)を構成し、例えば厚さが20μm~50μmのSUS(Stainless Steel:ステンレス鋼)薄板、白金薄板、金薄板、またはインコネル(登録商標)の薄板などによって形成されている。
【0015】
(圧電体20)
圧電体20は、超音波の送受信をする薄膜状の圧電素子であり、圧電セラミックスの粉を含んだ溶液を金属基板10の表面の一部に塗布して熱処理することにより成形されている。圧電体20としては、例えば80μm~100μmのチタン酸ジルコン酸鉛膜(PZT膜)を使用することができる。圧電体20は、平面視で金属基板10よりも外径寸法が小さい円形状をなしている。圧電体20は、金属基板10の中央部を含む領域に設けられている。
【0016】
(上部電極30)
上部電極30は、金属ペースト、蒸着、メッキ、金属箔などにより成形され、例えば、5μm~20μmの銀(Ag)ペーストを用いることができる。上部電極30は、圧電体20の表面の一部に、例えば金属ペーストを塗布した後に焼成することにより形成されている。あるいは、圧電体20の表面の一部に、金等の金属ウールを圧着することにより形成されている。また、上部電極30は、平面視で圧電体20よりも小径をなす円形状をなしている。
【0017】
(ケーブル40)
ケーブル40は、同軸ケーブルであり、その内部導体は上部電極30に電気的に接続されている。外部導体は金属基板10に電気的に接続されている。ケーブル40の他端は、不図示の解析装置及び電源装置等に接続されている。
【0018】
(マイカ箔70)
上部電極30の表面側には、複数のマイカ箔70が積層されている。マイカ箔70は、絶縁性を有する雲母で形成された薄膜状をなしている。マイカ箔70は、上部電極30と後述するマイカカバー80の外側との絶縁性と、周囲の熱に対する耐熱性を補完するために設けられている。いずれのマイカ箔70も、上部電極30、及び圧電体20を表面側から覆うことができるだけの面積を有している。一例として、マイカ箔70は矩形状をなしている。さらに、複数のマイカ箔70のうち、圧電体20側(つまり、裏面側)に位置するマイカ箔70になるほど、表面側から見た面積が大きい。これは、マイカ箔70を積層した際に、その裏面側に位置する上部電極30、及び圧電体20の突出高さが小さくなるようにするためである。
【0019】
(マイカカバー80)
マイカカバー80(カバー)は、上記のマイカ箔70のさらに表面側に積層されている。マイカカバー80は、マイカ箔70と同様に雲母を主成分とする薄膜状をなし、その裏面には接着剤が予め塗布されている。マイカカバー80は、金属基板10と同様に矩形状をなし、その面積も金属基板10と同等である。接着剤によって、マイカカバー80の裏面と金属基板10の表面とが接着固定される。これにより、マイカカバー80と金属基板10との間に、圧電体20、上部電極30、ケーブル40の先端が挟持された状態となっている。
【0020】
以上のように構成された金属基板10、圧電体20、上部電極30、マイカ箔70、及びマイカカバー80により形成される部分は、厚さが1mm程度の薄膜状になっているため、全体が可撓性及び弾性を有している。即ち、この超音波センサ1は、曲面形状を有する配管の外表面等に追従して変形することが可能となっている。なお、超音波センサ1の面積は、一例として400mm程度である。
【0021】
(作用効果)
上記構成によれば、超音波センサ1の裏面側は金属基板10で形成され、表面側はマイカカバー80で形成されている。即ち、露出する部分に樹脂が使用されていない。このため、少なくとも500℃の高温環境下でも、超音波センサ1が損壊することがなく、安定的に使用することができる。したがって、検査対象となる配管中に高温の流体が流れている状態、即ちプラントが運転されている状態でも超音波探傷検査を行うことができる。これにより、プラントの稼働率や運用効率に影響が及ぶ可能性を最小限に抑えることが可能となる。
【0022】
ここで、金属基板10上では、圧電体20、及び上部電極30の面積が相対的に小さいため、これらをそのままマイカカバー80等で覆った場合、表面側で一部が盛り上がった状態となってしまう。しかしながら、上記構成では、複数のマイカ箔70が積層され、圧電体20側のマイカ箔70になるほど面積が大きい。これにより、突出高さを吸収して、周囲との高さの差分を小さく抑えることができる。結果として、超音波センサ1の表面の平面度を高めることができる。したがって、超音波センサ1と検査対象物との密着性をより一層高めることが可能となり、検査の精度や効率をさらに向上させることが可能となる。
【0023】
<第二実施形態>
次に、本開示の第二実施形態に係る超音波センサ101について、図2図3を参照して説明する。なお、上記第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0024】
図2に示すように、本実施形態では、上述したマイカカバー80に代えて、金属カバー180が用いられている。金属カバー180は、SUSやニッケル基合金で形成された薄板状をなしている。金属カバー180の厚さは、一例として5μm以上30μm以下である。より望ましくは、厚さは15μm以上30μm以下である。耐熱性を考慮した場合、最も望ましくは、厚さは30μmである。
【0025】
図3に示すように、金属基板10、及び金属カバー180は、4つの角部にそれぞれ設けられたスポット溶接部181によって結合されている。つまり、これら角部を除く辺部では、金属基板10と金属カバー180とが結合されておらず、フリーの状態となっている。さらに言い換えれば、スポット溶接部181は、金属カバー180の外周側の端縁に沿って間隔をあけて複数個設けられている。
【0026】
(作用効果)
上記構成によれば、超音波センサ1の裏面側は金属基板10で形成され、表面側は金属カバー180で形成されている。即ち、露出する部分に樹脂が使用されていない。このため、少なくとも500℃の高温環境下でも、超音波センサ1が損壊することがなく、安定的に使用することができる。したがって、検査対象となる配管中に高温の流体が流れている状態、即ちプラントが運転されている状態でも超音波探傷検査を行うことができる。これにより、プラントの稼働率や運用効率に影響が及ぶ可能性を最小限に抑えることが可能となる。
【0027】
上記構成によれば、金属カバー180の厚さを、耐熱性が確保できる最小限の厚さとすることで、超音波センサ1全体の厚さを可能な限り薄くすることができる。これにより、曲率半径の小さい配管等の外表面に対しても、超音波センサ1を湾曲・追従させやすくすることができる。したがって、超音波センサ1の使用可能範囲が広がり、検査の効率性を高めるとともに、コストを最小限に圧縮することが可能となる。
【0028】
上記構成によれば、金属カバー180と金属基板10とが、角部にそれぞれ設けられたスポット溶接部181によって結合される。これにより、例えば金属カバー180の外周側の端縁の全体を溶接した場合に比べて、許容される撓み量が大きくなる。したがって、曲率半径の小さな配管等の外表面に対してもさらに柔軟に超音波センサ1全体を湾曲・追従させることができる。よって、検査対象物の範囲を広げることが可能となり、検査の効率化・円滑化を実現することが可能となる。
【0029】
<第一実施形態、及び第二実施形態の変形例>
上述の各実施形態に係る変形例として、図4に示す構成を採ることが可能である。同図の例では、マイカカバー80(金属カバー180)、及び金属基板10が、平面視で円形状をなしている。この構成によっても、上述したものと同様の作用効果を得ることができる。なお、金属カバー180を用いる場合には、第二実施形態で説明したものと同様に、外周側の端縁に沿って間隔をあけて配列されたスポット溶接部181によって、当該金属カバー180と金属基板10とが結合されることが望ましい。
【0030】
<第三実施形態>
次に、本開示の第三実施形態に係る超音波センサ201について、図5を参照して説明する。なお、上述の各実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0031】
図5に示すように、本実施形態では、金属カバー280として、金属繊維で形成されたメッシュ素材が用いられている。このメッシュ素材としては、一例として200メッシュから800メッシュ程度の規格品が好適に用いられる。より望ましくは、この数値は300メッシュから600メッシュである。最も望ましくは、この数値は400メッシュから500メッシュである。なお、同一メッシュ内でも、空間率は低ければ低いほど望ましい。
【0032】
本実施形態においても、金属基板10、及び金属カバー280は、4つの角部にそれぞれ設けられたスポット溶接部181によって結合されている。つまり、これら角部を除く辺部では、金属基板10と金属カバー280とが結合されておらず、フリーの状態となっている。
【0033】
(作用効果)
上記構成によれば、金属カバー280をメッシュ素材で形成することによって、超音波センサ1全体の柔軟性をより一層高くすることができる。これにより、曲率半径の小さい配管等の外表面に対しても、超音波センサ1を湾曲・追従させやすくすることができる。また、全体の重量も削減することが可能となる。したがって、超音波センサ1の使用可能範囲が広がり、検査の効率性を高めるとともに、コストを最小限に圧縮することが可能となる。
【0034】
<第四実施形態>
続いて、本開示の第四実施形態に係る超音波センサ301について、図6を参照して説明する。なお、上述の各実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0035】
図6に示すように、本実施形態では、金属カバー280としてのメッシュ素材と金属基板10との結合手段が上述の第三実施形態とは異なっている。具体的には、金属カバー280とマイカ箔70との間には、接着層390が介在している。この接着層390は、金属基板10と同等の面積を有する。接着層390は、セラミックス接着剤を耐熱繊維に含侵させることによって形成された膜状をなしている。耐熱繊維としては、芳香族ポリアミド(アラミド),ポリイミド,ポリベンズイミダゾール,ノボロイド,難燃加工綿などが好適に用いられる。
【0036】
(作用効果)
上記構成によれば、例えば、金属カバー180をメッシュ素材で形成した際には、接着層390を介在させることによって、当該メッシュ素材と金属基板10との結合強度を、溶接等に比べて格段に高めることができる。したがって、超音波センサ1全体の耐久性を向上させることができる。また、溶接の場合には、溶融池がメッシュの隙間を通じて流出してしまい、加工に難点が伴う。しかしながら、上記構成によれば、このような組立作業上の難点を克服することができる。よって、超音波センサ301をより容易かつ効率的に製造することが可能となる。
【0037】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0038】
例えば、上述の各実施形態では、ケーブル40を支持するために補強板50を用いる例について説明した。しかしながら、ケーブル40の強度等によっては、この補強板50を省略することが可能である。
【0039】
また、超音波センサ1の面積や厚さ等の各寸法は一例であって、設計や仕様に応じて適宜変更することが可能である。
【0040】
さらには、上記の各実施形態では、金属基板10と金属カバー180等の平面形状が矩形、又は円形の場合について説明した。しかしながら、平面形状はこれらに限定されず、例えば六角形や八角形等の多角形状でもよいし、楕円形状であってもよい。いずれの場合であっても、上述したものと同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
また、上記実施形態で説明したマイカカバー80に代えて、その他の種々の材料を採用することが可能である。例えば、ガラス繊維、タルク、又はキサンサイト等、少なくとも500℃雰囲気下での耐熱性、及び絶縁性を有する材料であればいかなるものも用いることが可能である。
【0042】
この他、上述した各実施形態の構成を相互に組み合わせることも可能である。一例として、第四実施形態で説明した接着層390を、第二実施形態で説明した構成に組み合わせることが可能である。
【0043】
<付記>
各実施形態に記載の超音波センサ1は、例えば以下のように把握される。
【0044】
(1)第1の態様に係る超音波センサ1は、金属基板10と、該金属基板10の表面に設けられた圧電体20と、該圧電体20の表面に設けられた上部電極30と、該上部電極30に電気的に接続されたケーブル40と、前記圧電体20、及び前記上部電極30を前記表面側から覆うマイカ箔70と、前記金属基板10との間で、前記圧電体20、前記上部電極30、及び前記マイカ箔70を挟持するとともに前記金属基板10に固定され、少なくとも500℃の高温環境下での耐熱性、及び絶縁性を有するカバー80と、を備える。
【0045】
上記構成によれば、高温環境下でも、超音波センサ1が損壊することがなく、安定的に使用することができる。
【0046】
(2)第2の態様に係る超音波センサ1は、(1)の超音波センサ1であって、金属基板10と、該金属基板10の表面に設けられた圧電体20と、該圧電体20の表面に設けられた上部電極30と、該上部電極30に電気的に接続されたケーブル40と、前記圧電体20、及び前記上部電極30を前記表面側から覆うマイカ箔70と、前記金属基板10との間で、前記圧電体20、前記上部電極30、及び前記マイカ箔70を挟持するとともに前記金属基板10に固定される金属カバー180と、を備え、前記金属カバー180は、前記金属基板10に対して複数個所に設けられたスポット溶接部181によって固定されている。
【0047】
上記構成によれば、高温環境下でも、超音波センサ1が損壊することがなく、安定的に使用することができる。
【0048】
(3)第3の態様に係る超音波センサ1は、(2)の超音波センサ1であって、前記金属カバー180は、5μm以上30μm以下の厚さを有する。
【0049】
上記構成によれば、曲率半径の小さい配管等の外表面に対しても、超音波センサ1を湾曲・追従させやすくすることができる。
【0050】
(4)第4の態様に係る超音波センサ1は、(2)又は(3)の超音波センサ1であって、前記金属カバー180は、金属繊維で形成されたメッシュ素材である。
【0051】
上記構成によれば、曲率半径の小さい配管等の外表面に対しても、超音波センサ1を湾曲・追従させやすくすることができる。また、全体の重量も削減することが可能となる。
【0052】
(5)第5の態様に係る超音波センサ1は、(2)から(4)のいずれか一態様に係る超音波センサ1であって、前記金属カバー180の裏面側に設けられ、前記マイカ箔70、前記圧電体20、及び前記金属基板10を覆うことで前記金属カバー180と前記金属基板10とを固定する耐熱接着剤を含む接着層390をさらに備える。
【0053】
上記構成によれば、超音波センサ1全体の耐久性を向上させることができる。
【0054】
(6)第6の態様に係る超音波センサ1は、(2)から(5)のいずれか一態様に係る超音波センサ1であって、前記金属基板10、及び前記金属カバー180は、前記表面側から見て矩形をなし、前記スポット溶接部181は、該矩形の角部に1つずつ設けられている。
【0055】
上記構成によれば、曲率半径の小さな配管等の外表面に対してもさらに柔軟に超音波センサ1全体を湾曲・追従させることができる。
【0056】
(7)第7の態様に係る超音波センサ1は、(2)から(6)のいずれか一態様に係る超音波センサ1であって、前記金属基板10、及び前記金属カバー180は、前記表面側から見て円形をなし、前記スポット溶接部181は、該円形の外周側の端縁に沿って間隔をあけて4つ設けられている。
【0057】
上記構成によれば、曲率半径の小さな配管等の外表面に対してもさらに柔軟に超音波センサ1全体を湾曲・追従させることができる。
【0058】
(8)第8の態様に係る超音波センサ1は、(1)から(7)のいずれか一態様に係る超音波センサ1であって、前記マイカ箔70は複数積層され、前記圧電体20側の前記マイカ箔70になるほど、前記表面側から見た場合の面積が大きい。
【0059】
上記構成によれば、超音波センサ1と検査対象物との密着性をより一層高めることが可能となり、検査の精度や効率をさらに向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0060】
1…超音波センサ 10…金属基板 20…圧電体 30…上部電極 40…ケーブル 41…芯線 42…被膜 50…補強板 51…補強板本体 52…サドル 60…絶縁テープ 70…マイカ箔 80…マイカカバー 101…超音波センサ 180…金属カバー 181…スポット溶接部 201…超音波センサ 280…金属カバー 301…超音波センサ 390…接着層
【要約】
【課題】高温環境下で安定的に使用することが可能な超音波センサを提供する。
【解決手段】超音波センサは、金属基板と、金属基板の表面に設けられた圧電体と、圧電体の表面に設けられた上部電極と、上部電極に電気的に接続されたケーブルと、圧電体、及び上部電極を表面側から覆うマイカ箔と、金属基板との間で、圧電体、上部電極、及びマイカ箔を挟持するとともに金属基板に固定されるカバーと、を備える。この構成によれば、超音波センサの耐熱性を格段に向上させることができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6