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特許7637357血管保護のためのターメリックオイルを含有する組成物、ならびにこのような組成物を含む飲食品および香料
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  • 特許-血管保護のためのターメリックオイルを含有する組成物、ならびにこのような組成物を含む飲食品および香料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-19
(45)【発行日】2025-02-28
(54)【発明の名称】血管保護のためのターメリックオイルを含有する組成物、ならびにこのような組成物を含む飲食品および香料
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/105 20160101AFI20250220BHJP
   A61K 31/121 20060101ALI20250220BHJP
   A61P 9/14 20060101ALI20250220BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20250220BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20250220BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20250220BHJP
   A24B 15/30 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
A23L33/105
A61K31/121
A61P9/14
A23L2/00 F
A61Q13/00 100
C11B9/00 M
A61Q13/00 200
A24B15/30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020164187
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022056264
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000125347
【氏名又は名称】学校法人近畿大学
(73)【特許権者】
【識別番号】390019460
【氏名又は名称】稲畑香料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】財満 信宏
(72)【発明者】
【氏名】松村 晋一
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 百合
(72)【発明者】
【氏名】牧野 祥平
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/115366(WO,A1)
【文献】特表2005-516930(JP,A)
【文献】国際公開第2020/004585(WO,A1)
【文献】特開2016-044169(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105079687(CN,A)
【文献】doTERRA製品情報:ターメリック Curcuma longa 15 mL,2018年,p.1
【文献】HEART NEWS 喫煙と循環器病(禁煙のすすめ),2011年,p.1
【文献】画像診断,vol.25,2015年,pp.983-992
【文献】天然香料(日本香料工業会HOME > 香料講座 > 香料の原料)、日本香料工業学会HP,2020年02月,The Wayback Machine - https://web.archive.org/web/20200206115218/http://www.jffma-jp.org:80/course,[検索日: 2024.04.01]
【文献】Egyp. J. Histol.,2012年,vol.35,pp.805-811
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 33/105
A61K 31/121
A61P 9/14
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Google
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分がターメロン類であり、前記ターメロン類が、AR-ターメロン、α-ターメロン及びβ-ターメロンからなる群から選択される1以上の化合物であるターメリックオイルを含有し、血管損傷を阻害する、血管保護のための組成物。
【請求項2】
血管損傷がニコチンによって引き起こされた血管壁の線維破壊によってモデル化される血管損傷である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
血管損傷が腹部大動脈瘤または胸部大動脈瘤である、請求項1乃至2の何れかに記載の組成物。
【請求項4】
経口投与または経鼻投与によって投与される、請求項1乃至3の何れかに記載の組成物。
【請求項5】
食品、飲料、香料、アロマオイル、におい袋、線香、タバコ、および電子タバコからなる群より選択される少なくとも1種に含めるために使用される、請求項1乃至4の何れかに記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管保護のための、ターメリックオイルを含有する組成物、ならびにこのような組成物を含む飲食品および香料に関する。より詳しくは、AR-ターメロン、α-ターメロン及びβ-ターメロンからなる群から選択される1以上の化合物であるターメロン類を含有し、血管壁の線維破壊、腹部大動脈瘤、または胸部大動脈瘤などの血管損傷を阻害すること、またはこのような血管損傷を修復させるための組成物、ならびにこのような組成物を含む飲食品および香料に関する。
【背景技術】
【0002】
腹部大動脈瘤(AAA)は、横隔膜より下に位置する腹部大動脈に発生する動脈瘤であり、最も頻度の高い大動脈瘤である。腹部大動脈瘤の発生には大動脈壁の脆弱化が大きく関与しているとされ、炎症性疾患や先天性結合組織異常症、粥状硬化等による壁の構造異常や破壊によってもたらされると考えられている。
【0003】
また、一般的には、大動脈瘤の原因の多くは動脈硬化ともいわれる。動脈硬化とは、動脈の壁が厚くなったり、硬くなったりし、柔軟性や弾力性が衰えた状態をいう。動脈硬化における危険因子には、高血圧や、脂質異常症や、喫煙等が指摘されている。このような危険因子の予防策としては、医師から血圧の管理や食事におけるコレステロール摂取を減らすことや、禁煙等が勧められることもある。しかし、大動脈瘤やその原因となる動脈硬化を積極的に防止するために有効である食品成分等についてはほとんど知られていないのが現状である。
【0004】
また、喫煙と動脈硬化の関連性から、近年の腹部大動脈瘤の研究において、タバコの煙の主成分であるニコチンが、腹部大動脈瘤の発生および破裂と密接に関連していることが示唆されている(非特許文献1参照)。ニコチンは、酸化ストレスおよびマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-2発現を増加させ、血管壁の中膜に存在するエラスチンを分解することで血管壁の弱化を誘導する。ニコチンは上記機構により腹部大動脈瘤の発生を促進すると考えられている。
【0005】
このような状況下、ニコチンを用いて腹部大動脈瘤の疾患モデルを作製することが試みられている(非特許文献2、非特許文献3)。この疾患モデルは、ニコチンを用いているものの、ニコチンが直接的な原因ではない他の一般的な腹部大動脈瘤を防止する薬剤のスクリーニング等にも利用できる可能性も示唆されている。腹部大動脈瘤に至るプロセスはニコチンを介するか否かに関わらず共通であると考えられるからである。
【0006】
本発明者らは、ニコチンを用いる腹部大動脈瘤の疾患モデルを用いて、セサミンおよび/またはセサモリンを有効成分として含有する、血管の劣化を防止するための健康食品または医薬組成物をすでにみいだした(特許文献1)。しかし、別の優れた効果を有する様々な化合物をスクリーニングしたり、新規化合物を合成したりして、腹部大動脈瘤の予防に役立てることがさらに求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開公報WO2020/003363
【非特許文献】
【0008】
【文献】Kugo H,Zaima N,Tanaka H,Urano T,Unno N,Moriyama T(2017)The effects of nicotine administration on the pathophysiology of rat aortic wall.Biotech Histochem.92(2):141-148.
【0009】
【文献】Markus U Wagenhaeuserら (2018) Chronic Nicotine Exposure Induces Murine Aortic Remodeling and Stiffness Segmentation-Implications for Abdominal Aortic Aneurysm Susceptibility. Front Physiol. 2018 Oct 31;9:1459. doi: 10.3389/fphys.2018.01459.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
叙上の通り、腹部大動脈瘤の発生を防止するという観点から、血管の劣化の防止方法が求められている。しかしながら、腹部大動脈瘤の発生をもたらす血管の劣化の予防方法、とりわけ、その予防方法において役立つ食品成分については、ほとんど知られていない。
【0011】
本発明者らは、鋭意検討の結果、AR-ターメロン、α-ターメロン及びβ-ターメロンからなる群から選択される1以上の化合物であるターメロン類が、ニコチンによって誘導される血管の劣化を防止する作用を有することを見出した。
その結果、本発明者らは、AR-ターメロン、α-ターメロン及びβ-ターメロンからなる群から選択される1以上の化合物であるターメロン類を有効成分として含有する、血管の劣化を防止するための組成物、ならびにこのような組成物を含む飲食品および香料の創出に至った。
すなわち、本発明者らは、従来技術の問題点を解決した、AR-ターメロン、α-ターメロン及びβ-ターメロンからなる群から選択される1以上の化合物であるターメロン類を有効成分として含有する、血管の劣化を防止するための組成物、ならびにこのような組成物を含む飲食品および香料を初めて開発した。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、ターメリックオイルを含有する、血管保護のための組成物に関する。
【0013】
請求項2に係る発明は、ターメリックオイルの有効成分がターメロン類であり、前記ターメロン類が、AR-ターメロン(化1)、α-ターメロン(化2)及びβ-ターメロン(化3)からなる群から選択される1以上の化合物である、請求項1に記載の組成物に関する。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
請求項3に係る発明は、血管保護が、血管損傷を阻害すること、または血管損傷を修復させることを含む、請求項1または2に記載の組成物に関する。
【0018】
請求項4に係る発明は、血管損傷がニコチンによって引き起こされた血管壁の線維破壊によってモデル化される血管損傷である、請求項1乃至3に記載の組成物に関する。
【0019】
請求項5に係る発明は、血管損傷が腹部大動脈瘤または胸部大動脈瘤である、請求項1乃至4に記載の組成物に関する。
【0020】
請求項6に係る発明は、経口投与または経鼻投与によって投与される、請求項1乃至5に記載の組成物に関する。
【0021】
請求項7に係る発明は、食品、飲料、香料、アロマオイル、におい袋、線香、タバコ、および電子タバコからなる群より選択される少なくとも1種に含めるために使用される、請求項1乃至6に記載の組成物に関する。
【0022】
請求項8に係る発明は、請求項1乃至6に記載の組成物を含有する飲食品に関する。
【0023】
請求項9に係る発明は、請求項1乃至6に記載の組成物を含有する香料に関する。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に係る発明によれば、ターメリックオイルを含有する、血管保護のための組成物であるため、容易かつ効率的に血管劣化に対する血管保護を発揮することができる。
【0025】
請求項2に係る発明によれば、ターメリックオイルの有効成分がターメロン類であり、前記ターメロン類が、AR-ターメロン、α-ターメロン及びβ-ターメロンからなる群から選択される1以上の化合物であるため、容易かつ効率的に血管劣化に対する血管保護を発揮することができる。
【0026】
請求項3に係る発明によれば、血管保護が、血管損傷を阻害すること、または血管損傷を修復させることを含むため、さまざまな血管保護に対して効果を発揮することができる。
【0027】
請求項4に係る発明によれば、血管損傷がニコチンによって引き起こされた血管壁の線維破壊によってモデル化される血管損傷であるため、ニコチンによって引き起こされた血管壁の血管劣化に対して、容易かつ効率的に血管保護を発揮することができる。
【0028】
請求項5に係る発明によれば、血管損傷が腹部大動脈瘤または胸部大動脈瘤である、請求項1乃至4に記載の組成物であるため、腹部大動脈瘤または胸部大動脈瘤に対して有効な予防効果を有することができる。
【0029】
請求項6に係る発明によれば、経口投与または経鼻投与によって投与されるため、被験体に容易に投与することができる。
【0030】
請求項7に係る発明によれば、食品、飲料、香料、アロマオイル、におい袋、線香、タバコ、および電子タバコからなる群より選択される少なくとも1種に含めるために使用されるため、様々な製品に添加して血管劣化に対する血管保護の効果を発揮することができる。
【0031】
請求項8に係る発明によれば、請求項1乃至6に記載の組成物を含有する飲食品であるため、血管劣化に対する血管保護の効果を有する飲食品を得ることができる。
【0032】
請求項9に係る発明によれば、請求項1乃至6に記載の組成物を含有する香料であるため、血管劣化に対する血管保護の効果を有する香料製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】経鼻的または経肺的にターメリックオイルを投与するための実験系を示す図である。三角フラスコのフタの内側にターメリックオイルを含侵させた脱脂綿を装着し、フラスコ内のマウスはターメリックオイルに曝露され、ターメリックオイルを経鼻的または経肺的に吸収する。
図2】マウスの血管損傷に対するターメリックオイル曝露の効果をEVG染色によって示す図である。サンプルの群分けは以下の通りであった。C群:ターメリックオイル曝露0分間+MF食+水道水(ターメリックオイルなし、ニコチン処理なしのコントロール)、T群:ターメリックオイル曝露60分間+MF食+水道水(ターメリックオイルあり、ニコチン処理なし)、CN群:ターメリックオイル曝露0分間+MF食+0.5mg/mL ニコチン溶液(ターメリックオイルなし、ニコチン処理あり)、TN群:ターメリックオイル曝露60分間+MF食+0.5mg/mL ニコチン溶液(ターメリックオイルあり、ニコチン処理あり)。各群のマウスの腹部の弾性線維をElastica van Gieson(EVG)染色して観察した。図は、各群における弾性版破壊率を示す棒グラフである。
図3】マウスの血管損傷に対するターメリックオイル曝露の効果を、細胞外基質分解酵素であるMMP-2の観察によって示す図である。サンプルの群分けは以下の通りであった。C群:ターメリックオイル曝露0分間+MF食+水道水(ターメリックオイルなし、ニコチン処理なしのコントロール)、T群:ターメリックオイル曝露60分間+MF食+水道水(ターメリックオイルあり、ニコチン処理なし)、CN群:ターメリックオイル曝露0分間+MF食+0.5mg/mL ニコチン溶液(ターメリックオイルなし、ニコチン処理あり)、TN群:ターメリックオイル曝露60分間+MF食+0.5mg/mL ニコチン溶液(ターメリックオイルあり、ニコチン処理あり)。各群のマウスの内中膜および外膜において、MMP-2を免疫染色して観察した。図は、各群におけるMMP-陽性面積(%)を示す棒グラフである。
図4】マウスの血管損傷に対するターメリックオイル曝露の効果を、細胞外基質分解酵素であるMMP-9の観察によって示す図である。サンプルの群分けは以下の通りであった。C群:ターメリックオイル曝露0分間+MF食+水道水(ターメリックオイルなし、ニコチン処理なしのコントロール)、T群:ターメリックオイル曝露60分間+MF食+水道水(ターメリックオイルあり、ニコチン処理なし)、CN群:ターメリックオイル曝露0分間+MF食+0.5mg/mL ニコチン溶液(ターメリックオイルなし、ニコチン処理あり)、TN群:ターメリックオイル曝露60分間+MF食+0.5mg/mL ニコチン溶液(ターメリックオイルあり、ニコチン処理あり)。各群のマウスの内中膜および外膜において、MMP-9を免疫染色して観察した。図は、各群におけるMMP-陽性面積(%)を示す棒グラフである。
図5】マウスに対してターメリックオイルをフラスコ内曝露した場合、または経口投与した場合における、血清中に移行したターメロン類(α-ターメロン、β-ターメロン、AR-ターメロン)の濃度の測定結果を示す図である。サンプルの群分けは以下の通りであった。C群:2%CMC+曝露なし、ET群:ターメリックオイル60分間曝露、LT群:ターメリックオイル0.02mg/g(CMCで乳化)を経口投与、HT群:ターメリックオイル0.03mg/g(CMCで乳化)を経口投与。
図6】マウスに対してターメリックオイルをフラスコ内曝露した場合、または経口投与した場合における、腹部血管または胸部血管に移行したターメロン類(α-ターメロン、β-ターメロン、AR-ターメロン)の濃度の測定結果を示す図である。サンプルの群分けは以下の通りであった。C群:2%CMC+曝露なし、ET群:ターメリックオイル60分間曝露、LT群:ターメリックオイル0.02mg/g(CMCで乳化)を経口投与、HT群:ターメリックオイル0.03mg/g(CMCで乳化)を経口投与。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る血管劣化を防止するための組成物の好適な実施形態について説明する。
【0035】
本明細書において、血管の劣化とは、血管損傷と同じ意味で使用され、ニコチンの摂取によりモデル化されるがそれに限定されない血管において、一般的には、血管壁のエラスチンが分解された状態を指す。血管壁のエラスチンが分解されることにより、血管壁は弾力性を失い、腹部大動脈瘤の発生および腹部大動脈瘤の破裂を促進する。しかし、本明細書における血管の劣化とは、必ずしも血管壁のエラスチン分解が明白ではない場合も含み、例えば、血管の劣化にともなって観察される分子マーカーや、特定のタンパク質の定量や検出によって示されるような、検知され得るあらゆる種類の血管損傷を含む。
【0036】
本明細書において、血管保護とは、血管損傷を阻害すること、血管損傷を修復させること、または血管の良好な状態を維持することを含む。また、この血管保護は、血管壁のエラスチンの分解などの血管壁の劣化を防止、阻害、遮断することの一般的な概念を広く含み、その保護の生理学的または化学的なメカニズムは、特定のものに限定されない。
【0037】
本発明の血管の劣化を防止するための組成物、ならびにこのような組成物を含む飲食品および香料は、ターメリックオイルを有効成分として含有する。このターメリックオイルの有効成分がターメロン類であり、前記ターメロン類が、AR-ターメロン、α-ターメロン及びβ-ターメロンからなる群から選択される1以上の化合物である。
【0038】
AR-ターメロンは、CAS番号532-65-0であって、下式(化4)に示す構造を有している。
【0039】
【化4】
【0040】
α-ターメロンは、CAS番号82508-15-4であって、下式(化5)に示す構造を有している。
【0041】
【化5】
【0042】
β-ターメロンは、CAS番号82508-14-3であって、下式(化6)に示す構造を有している。
【0043】
【化6】
【0044】
本発明において、ターメリックオイル、AR-ターメロン、α-ターメロン、及びβ-ターメロンは標準品を用いることができる。
また、カレースパイス等の抽出物から得たものを用いることができ、特にターメリックの抽出物から得たものを用いることができる。
【0045】
ターメリック(英名:Turmeric、学名:Curcuma longa)は、ショウガ科ウコン属の単子葉植物である。インド原産で、発達した根茎を有する多年草であり、根茎はカレー粉の原料や染料として用いられる。
【0046】
本発明の本発明の血管の劣化を防止するための組成物には、ARターメロン、α-ターメロン及びβ-ターメロンを有効成分とするものを用いることができる。
AR-ターメロン、α-ターメロン及びβ-ターメロンはターメリックの根茎から、水蒸気蒸留、ヘキサン抽出、または酢酸エチル抽出によって好適に抽出される。その理由は、ターメリックの根茎を、水蒸気蒸留、ヘキサン抽出、または酢酸エチル抽出によって抽出することにより、AR-ターメロン、α-ターメロン及びβ-ターメロンを多く溶出させることができるからである。
【0047】
本発明の血管損傷を阻害すること、または血管損傷を修復させることのための組成物には、ターメリックオイル、AR-ターメロン、α-ターメロンもしくはβ-ターメロンを有効成分とするもの、またはターメリックオイルを含有する抽出物を有効成分として含有し、この抽出物が、ターメロン類を含んでいるものを用いることができる。
【0048】
ターメリックオイル、AR-ターメロン、α-ターメロンまたはβ-ターメロンは、ターメリックの根茎から、水蒸気蒸留、ヘキサン抽出、または酢酸エチル抽出によって好適に抽出される。その理由は、ターメリックの根茎を、水蒸気蒸留、ヘキサン抽出、または酢酸エチル抽出によって抽出することにより、ターメリックオイル、AR-ターメロン、α-ターメロンまたはβ-ターメロンを多く溶出させることができるからである。
【0049】
ターメリックオイル、AR-ターメロン、α-ターメロンまたはβ-ターメロンは、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ターメリックオイル、AR-ターメロン、α-ターメロンまたはβ-ターメロンを混合して使用する場合、その混合比率は特に限定されず、例えば1:99~99:1の間等、任意の比率で混合して用いることができる。
下記実施例で詳述するように、ターメリックオイル、AR-ターメロン、α-ターメロンまたはβ-ターメロンは血管の劣化(例えば、エラスチンの分解)を防止する作用を有しているので、これらを有効成分として含有する本発明の組成物は、医薬用途を含む、各種用途に使用することができる。
【0050】
例えば、血管の劣化を防止するための医薬組成物を医薬製剤として用いる場合、哺乳動物(特に、ヒト)における血管の劣化の予防薬として用いられる。
また、ニコチン置換療法に使用される医薬製剤に、本発明の血管の劣化を防止するための医薬組成物を含有させ、ニコチン置換療法におけるニコチン摂取の影響による血管の劣化を予防する目的で血管の劣化を防止するための医薬組成物を用いても良い。
【0051】
血管の劣化を防止するための医薬組成物は、慣用されている方法により錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、被覆錠剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、バップ剤、ローション剤等の医薬製剤に製剤化することができる。
【0052】
製剤化に通常使用される賦形剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、および必要により安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤などを使用することができ、一般に医薬製剤の原料として使用される成分および配合量を適宜選択して定法により製剤化される。
【0053】
血管の劣化を防止するための医薬組成物を含む医薬製剤を投与する場合、その形態は特に限定されず、通常使用される方法であればよく、経口投与でも非経口投与でも良い。
医薬製剤の投与量は、症状の程度、年齢、性別、体重、投与形態、疾患の具体的な種類等に応じて、製剤学的な有効量を適宜選択することができる。
投与量の一例を挙げると、経口投与の場合、通常、成人において、有効成分量として3~3000mg/kg程度が適当であり、これを1日1回~数回に分けて投与すれば良い。
【0054】
また、本発明の組成物は、一般的な健康状態に寄与できるという観点から、必ずしも医薬用途ではなくとも、食品、飲料、香料等、経口的または経鼻的もしくは経肺的な摂取に関わる様々な製品に使用することができる。
【0055】
例えば、本発明の血管の劣化を防止するための食品には、例えば清涼飲料水、乳製品(加工乳、ヨーグルト)、菓子類(ゼリー、チョコレート、ビスケット、ガム、錠菓)またはサプリメント等の各種の食品または健康食品が挙げられるが、これらに限定されない。尚、本明細書において、健康食品とは、広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般を指し、機能性表示食品、栄養機能食品、特定保健用食品も包含する概念である。
【0056】
食品中における有効成分としてのターメリックオイル、AR-ターメロン、α-ターメロンまたはβ-ターメロンの添加量については、特に限定されず、食品の種類に応じて適宜決定すれば良い。一例としては、上記した抽出物の乾燥重量として、含有量が0.0005~50重量%程度の範囲となるように添加すれば良い。
【0057】
本発明の血管の劣化を防止するための食品は、他の成分として、賦形剤、呈味剤、着色剤、保存剤、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、酸化防止剤等を含有しても良い。
このうち、賦形剤としては、これらに限定されないが、例えば、微粒子二酸化ケイ素のような粉末類、ショ糖脂肪酸エステル、結晶セルロース・カルボキシメチルセルロースナトリウム、リン酸水素カルシウム、小麦デンプン、米デンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、シクロデキストリン等のでんぷん類、結晶セルロース類、乳糖、ブドウ糖、砂糖、還元麦芽糖、水飴、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、マルトオリゴ糖、乳果オリゴ糖などの糖類、ソルビトール、エリストール、キシリトール、ラクチトール、マンニトール等の糖アルコール類が挙げられる。これらの賦形剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用することができる。
【0058】
呈味剤としては、例えば、果汁エキスであるボンタンエキス、ライチエキス、リンゴ果汁、オレンジ果汁、ゆずエキス、ピーチフレーバー、ウメフレーバー、甘味剤であるアセスルファムK、スクラロース、エリストール、オリゴ糖類、マンノース、キシリトール、異性化糖類、茶成分である緑茶、ウーロン茶、バナバ茶、杜仲茶、鉄観音茶、ハトムギ茶、アマチャヅル茶、マコモ茶、昆布茶、およびヨーグルトフレーバー等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
また、本発明の組成物は、飲料に添加してもよい。飲料としては、オレンジ、リンゴ、グレープ、ピーチ、パッションフルーツ、ウメなどの果汁入りジュース、緑茶、ウーロン茶、バナバ茶、杜仲茶、鉄観音茶、ハトムギ茶、アマチャヅル茶、マコモ茶、昆布茶などの茶類、コーヒー、ココア、乳酸菌飲料、乳飲料、ビール、ウイスキー、チューハイ、各種カクテルなどのアルコール系飲料が挙げられるがこれらに限定されない。
【0060】
さらに、本発明の組成物は、香り成分として直接吸入することにより摂取することもできる。本発明の組成物は、ターメリックオイルの揮発成分としてそのまま吸入してもよいし、他の香り成分(例えば、柑橘系フレーバーなど)と組み合わせて使用してもよい。吸入できるという特徴により、香料、アロマオイル、におい袋、線香、タバコ、および電子タバコからなる群より選択される少なくとも1種に添加することもできる。本発明の組成物は、経鼻的または経肺的に吸収され、血液中に移行する。
【実施例
【0061】
以下、本発明の実施例を説明することにより、本発明の効果をより明確なものとする。
但し、本発明は以下の実施例には限定されない。
【0062】
<水蒸気蒸留物の調製>
ターメリックの根茎1kgを粉砕し、これに常圧の水蒸気を通して、凝集液を20kg回収した。この凝集液を遠心分離し、25gの淡黄色のオイル状液体を得た。
【0063】
<ヘキサン抽出物の調製>
ターメリックの根茎1kgを粉砕し、40℃のヘキサン5000mlで1時間の攪拌抽出を行い、上澄み液4200mlをろ紙でろ過した。
次いで、その残渣に40℃のヘキサン2500mlで0.5時間の攪拌抽出を行い、ろ紙でろ過した。得られた抽出液に含まれる溶媒をエバポレーター(40℃)で留去し、ターメリックのヘキサン抽出物を得た。
【0064】
<酢酸エチル抽出物の調製>
ターメリックのヘキサン抽出後の残渣を乾燥させ、40℃の酢酸エチル5000mlで1時間撹拌抽出し、上澄み液4800mlをろ紙でろ過した。得られた抽出液に含まれる溶媒をエバポレーター(40℃)で留去し、ターメリックの酢酸エチル抽出物を得た。
ヘキサン抽出物及び酢酸エチル抽出物の収率を以下の表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
ヘキサン抽出物を以下の条件でのGCMSを用いて分析した。
・カラム;Intertcap Pure Wax(0.25i.d.×0.25μm×60m)
・注入量;1.0μl
・昇温;50℃で2分保持、2.5℃昇温/分→240℃まで
・気化室温;250℃
・キャリーガス流量;ヘリウム 1.2ml/分
・スプリット比;1/80
GCMS分析の結果から付属のライブラリー検索(wiley7nおよびNIST08)で化合物をAR-ターメロン、α-ターメロン及びβターメロンと推定した。
ヘキサン抽出物はAR-ターメロンを9.9%、α-ターメロンを30.4%、及びβ-ターメロンを11.5%含有していた。
【0067】
ヘキサン抽出物を以下のHPLC条件で分画した。
・カラム;L-column ODS(20i.d.×250mm)
・移動相;water:acetonitrile(20:80,v/v)
・流速:18.9ml/min
・カラム温度;室温
・検出;UV 243nm
・注入量;10μl
ヘキサン抽出物の有効成分としてRT7.5、10.5及び11.0の画分よりそれぞれ淡黄色のオイル状物質を得た。
【0068】
上記淡黄色のオイル状物質について、上記段落[0066]記載のGCMS条件で分析し、その結果から付属のライブラリー検索(wiley7nおよびNIST08)およびNMR解析を用いて化合物がそれぞれAR-ターメロン、α-ターメロン及びβ-ターメロンであることを確認した(Hideji Itokawa,Fusayoshi Hirayama,Kazuko Funakoshi and Koichi Takeya Chem.Pharm.Bull.33(8)3488-3492(1985)及びShin-ichi Uehara,Ichiro Yasuda,Koichi Takeya,Hideji Itokawa Yakugaku zasshi 112(11),817-823の文献値との比較により確認した)。
【0069】
<血管保護に対するターメリックオイルの投与の影響>
次に、ターメリックオイルによる血管劣化の防止作用の有無を確認するために、マウスにターメリックオイルを投与する試験を実施した。
【0070】
以下に試験手順を詳述する。
まず、4週齢雄性Slc/ddYマウス(日本エスエルシー株式会社)を5日間馴化させ、マウスを以下の4つの群に無作為に割り当てた。
C群:ターメリックオイル曝露0分間+MF食+水道水(ターメリックオイルなし、ニコチン処理なしのコントロール)
T群:ターメリックオイル曝露60分間+MF食+水道水(ターメリックオイルあり、ニコチン処理なし)
CN群:ターメリックオイル曝露0分間+MF食+0.5mg/mL ニコチン溶液(ターメリックオイルなし、ニコチン処理あり)、
TN群:ターメリックオイル曝露60分間+MF食+0.5mg/mL ニコチン溶液(ターメリックオイルあり、ニコチン処理あり)
【0071】
本発明において、ターメリックオイル曝露は、気体状のターメリックオイルにマウスを曝露し、経鼻的または経肺的にターメリックオイルを投与する実験系を用いて行った。この系を用いた投与が経口投与と同様に利用できる可能性について検討した。
気体状のターメリックオイルにマウスを曝露する実験系を図1に示す。三角フラスコの中にマウスを配置し、三角フラスコのフタの内側にターメリックオイルを含侵させた脱脂綿を装着し、60分間放置する手順を1サイクルとして、1週間に3サイクルの曝露処理を行って、マウスをターメリックオイルに曝露した。マウスはターメリックオイルを経鼻的または経肺的に吸収することが確認された(後述)。
【0072】
C群(コントロール群)およびT群(ターメリックオイル曝露群)のマウスには蒸留水を2週間供給した。また、本実施例では、ヘキサン抽出物から単離したターメリックオイルを用いた。
一方、CN群(コントロール+ニコチン群)およびTN群(ターメリックオイル曝露+ニコチン群)のマウスには、水道水の代わりに、水道水中にニコチン(富士フイルム和光純薬株式会社製)を0.5mg/mlの濃度で含むニコチン溶液を2週間供給した。
同時に、食餌としてMF食(実験動物用固形粉末飼料、オリエンタル酵母工業株式会社製)を夫々の群のマウスに2週間摂取させた。
C群(コントロール群)およびCN群(コントロール+ニコチン群)は、2週間の実験期間の間、上記のターメリックオイル曝露を行わなかった。
T群(ターメリックオイル曝露群)およびTN群(ターメリックオイル曝露+ニコチン群)は、1週間当たり3回、各60分間のサイクルで上記のターメリックオイル曝露処理を行った。
【0073】
2週間のターメリックオイル曝露および食餌投与後、各群のマウスを屠殺した。
屠殺したマウスから、血液、ならびに胸部大動脈および腹部大動脈を単離した。
収集した血液から血清を単離し、また単離した胸部大動脈および腹部大動脈を4%パラホルムアルデヒド(ナカライテスク株式会社製)で固定化し、10%スクロース溶液に浸し、それからO.C.T.compound(サクラファインテックジャパン株式会社製)に包埋し、これを測定サンプルとした。
測定サンプルは使用するまで-80℃で保管した。
【0074】
次に、クライオスタット(CM1850、Leica Biosystems社製)を用いて厚さ5μmの胸部大動脈および腹部大動脈の断面を調製し、これらをスライドグラスにマウントした。
【0075】
弾性板波状構造の破壊率から、血管壁のエラスチンを含む弾性板波状構造の分解の程度を確認することができる。
それゆえに、弾性板波状構造の欠損率を算出することにより、ニコチンによるエラスチンの分解、ならびにニコチンに起因するエラスチン分解のターメリックオイルによる防止作用の有無を確認することができる。
弾性板波状構造の欠損率は、EVG染色によって弾性線維を染色し、弾性板の平板化もしくは断片化することに起因する波状構造が欠損した領域を確認し、弾性板全体の面積に対する欠損した領域の面積の割合を計算することにより求めた。
【0076】
調製した腹部大動脈の断面を、EVGで染色し、弾性板波状構造の欠損率を測定した。C群およびT群においては、密に積層された弾性板波状構造を示していたが(弾性板破壊率14~19%)、CN群では弾性板波状構造の有意な破壊が認められた(弾性板破壊率26%)。ところがTN群では、破壊された弾性板波状構造の有意な回復が認められた(弾性板破壊率15%)。
この結果より、ターメリックオイルは、胸部大動脈の血管壁におけるニコチン摂取の影響によるエラスチンを含む弾性板波状構造の損傷を防止できることがわかった(図2)。
【0077】
次に、ニコチン処理したマウスの血管損傷に対するターメリックオイル曝露の効果を、細胞外基質分解酵素であるMMP-2、MMP-9の観察によって調べた。これらの酵素の存在の検出は、それぞれ、免疫染色によって行った。
【0078】
図3に示すMMP-2の免疫染色は、ターメリックオイル曝露により、内中膜において、C群と比較してCN群でMMP-2陽性面積が増加すること、およびCN群と比較してTN群でニコチンによるMMP-2陽性面積増加を抑制する傾向を示した。
【0079】
図4に示すMMP-9の免疫染色は、ターメリックオイル曝露により、外膜において、C群と比較してCN群でMMP-9陽性面積が増加すること、およびCN群と比較してTN群でニコチンによるMMP-9陽性面積増加を抑制することを示した。
【0080】
次に、フラスコ内で気体状のターメリックオイルに曝露した場合と、ターメリックオイルを経口投与した場合のそれぞれの血管への移行を調べる実験を行った。
まず、4週齢雄性Slc/ddYマウス(日本エスエルシー株式会社)を5日間馴化させ、マウスを以下の4つの群に無作為に割り当てた。
C群:2%CMC+曝露なし
ET群:ターメリックオイル60分間曝露
LT群:ターメリックオイル0.02mg/g(CMCで乳化)を経口投与
HT群:ターメリックオイル0.03mg/g(CMCで乳化)を経口投与
経口投与の30分後、またはターメリックオイル曝露の60分後に、各々のマウスを屠殺し、採血および解剖して、それぞれにおけるターメリックオイル類(α-ターメロン、β-ターメロン、AR-ターメロン)の濃度を測定した。
【0081】
血清中における測定結果は、全てのターメロン類がC群と比較しET群で有意に増加したこと、およびAR-ターメロンがET群とLT群で移行量が同等であったことを示した(図5)。この結果より、ターメロン類は、気体状態で曝露することによっても、経口投与と同レベルで血液中に移行することが可能であることが示された。
【0082】
腹部血管または胸部血管に移行したターメリック類(α-ターメロン、β-ターメロン、AR-ターメロン)の濃度の測定結果は、腹部血管においては、全てのターメロン類においてC群と比較してET群で有意差はなかったこと、および胸部血管においては、全てのターメロン類がC群と比較してET群で有意に増加したことを示し(図6)、本発明における実験系では、胸部血管において曝露/経口投与に起因するターメロン類が顕著に観察されたことを示す。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明に係る組成物、ならびにこのような組成物を含む飲食品および香料は、ターメリックオイル、AR-ターメロン、α-ターメロンまたはβ-ターメロンを有効成分として含有するため、血管の劣化を防止することができる。それゆえに、本発明は、血管の劣化を防止するための食品、飲料、または香料として好適に使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6