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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-19
(45)【発行日】2025-02-28
(54)【発明の名称】ベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/00 20060101AFI20250220BHJP
   A61G 7/015 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
A47C19/00 B
A61G7/015
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021109434
(22)【出願日】2021-06-30
(65)【公開番号】P2022013893
(43)【公開日】2022-01-18
【審査請求日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】P 2020113406
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】599139442
【氏名又は名称】株式会社プラッツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 剣也
(72)【発明者】
【氏名】清本 太郎
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-088362(JP,U)
【文献】特開2003-235908(JP,A)
【文献】特開平11-276529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 19/00
A61G 7/05,7/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数部品に分解可能であり、かつ、前記複数部品を所定の相互位置に組み合わせて連結することで完成するベッドにおいて、
前記複数部品は、ボトムを支持するフレームを構成する第1部品と第2部品と第3部品とを含み、
前記第1部品と前記第2部品とを離脱しないように連結するための第1結合具が、前記第3部品に設けられ、
前記第1部品と前記第2部品と前記第3部品とを所定の相互位置で組み合わせたとき、前記第1結合具が、自ずと前記第1部品と前記第2部品とが離脱しない状態に連結するよう、前記第1結合具が前記第3部品の特定位置に配置され、
前記第1部品は、前記ベッドを昇降するベースフレームであり、前記第2部品は、前記ベースフレームに支持されるメインフレームを構成する第1のメインフレーム要素であり、前記第3部品は、前記メインフレームを構成する第2のメインフレーム要素である、
ベッド。
【請求項2】
前記第1部品に設けられる第1係合部と、前記第2部品に設けられる第2係合部とを、係合することにより、前記第1部品及び前記第2部品が前記所定の相互位置で組み合わされる、
請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
前記第1のメインフレーム要素は、前記ベースフレームに支持されるセンターフレームであり、前記第2のメインフレーム要素は、前記センターフレームに連結されるヘッドフレーム又はフットフレームである、
請求項1に記載のベッド。
【請求項4】
前記第1部品に設けられる第1係合部と、前記第2部品に設けられる第2係合部とを、係合することにより、前記第1部品及び前記第2部品が前記所定の相互位置で組み合わされる、
請求項3に記載のベッド。
【請求項5】
前記第2係合部は、前記第1係合部を収容可能であり、前記第1係合部を挿入するための開口を備えており、
前記第1結合具は、前記第2係合部の前記開口を塞ぐための手段を有する、
請求項4に記載のベッド。
【請求項6】
前記第1係合部は、前記ベッドを昇降させるために前記センターフレームに当接するよう、前記ベースフレームに設けられた当接部であり、
前記第2係合部は、前記当接部を収容して保持する、前記開口を有する保持部であり、
前記第1結合具は、前記センターフレームと前記ヘッドフレームとを前記所定の相互位置で組み合わせたときに、前記保持部から前記当接部が離脱しないように、前記開口の一部又は全部を塞ぐように、前記ヘッドフレームに設けられる
請求項5に記載のベッド。
【請求項7】
前記保持部は、下方が開口され、
前記第1結合具はピン状部材であり、前記ヘッドフレーム又は前記フットフレームの前記特定位置に、前記ベッドの長手方向に沿って設けられ、
前記所定の相互位置で組み合わせたときに、前記ピン状部材が、前記保持部の下端の前記ベッドの長手方向に貫通する孔に挿通される、
請求項6に記載のベッド。
【請求項8】
前記保持部は、前記ベッドの長手方向の中央又は端部に向けて開口され、
前記第1結合具はピン状部材であり、前記ヘッドフレーム又は前記フットフレームの前記特定位置に下方に向けて設けられ、
前記センターフレームと前記ヘッドフレームとを前記所定の相互位置で組み合わせたときに、前記ピン状部材が、前記保持部に設けられた、上下方向を貫通する孔に挿通される、
請求項6に記載のベッド。
【請求項9】
前記保持部は、前記開口と、前記開口を開閉する開閉部とを有し、
前記第1結合具は、前記開閉部を押圧するための押圧部材を有し、
前記センターフレームと前記ヘッドフレームとを前記所定の相互位置で組み合わせたときに、前記開閉部が前記押圧部材に押圧されることで、前記開口を塞ぐように構成される、
請求項6に記載のベッド。
【請求項10】
前記第3部品又は前記第2部品は、前記第1結合具の位置を、前記第1部品と前記第2部品とを離脱しないように連結した位置に維持するための第2結合具をさらに備える、
請求項1~9のうちのいずれか1項に記載のベッド。
【請求項11】
前記第2結合具は、前記第3部品と前記第2部品を相互に固定するように構成される、
請求項10に記載のベッド。
【請求項12】
前記ベッドは、前記ベースフレームにワンタッチ式で連結及び分離可能な1以上の脚を含む、
請求項1~11のうちのいずれか1項に記載のベッド。
【請求項13】
前記ベッドは、前記ボトムを構成する複数のボトム要素を含み、
前記フレームは、前記複数のボトム要素のうちの第1のボトムを移動させるための第1ボトム駆動機構を有し、
前記フレーム又は前記複数のボトム要素のうちの少なくとも1つのボトム要素は、前記複数のボトム要素のうちの第2のボトムを第1ボトムに連動されるための第2ボトム連動リンクを有し、
前記第1ボトム駆動機構と、前記第2ボトム連動リンクとは、ワンタッチ式で結合及び分離可能に構成される
請求項1~12のうちのいずれか1項に記載のベッド。
【請求項14】
前記ベースフレーム又は前記第1のメインフレーム要素のうちのいずれか一方である第1フレームは、第1電気装置と、前記第1電気装置により駆動される第1可動機構と、を有し、
前記ベースフレーム又は前記第1のメインフレーム要素のうちの他方である第2フレームは、前記第1電気装置と電気的に接続可能であり、前記第1可動機構を駆動させるための第2電気装置を有し、
前記第1電気装置には、第1電線が接続され、
前記第2電気装置には、第2電線が接続され、
前記第1電線は、その少なくとも一カ所が前記第1フレームに固定され、
前記第2電線は、その少なくとも一カ所が前記第2フレームに固定され、
前記第1フレームおよび前記第2フレームを組立てた際に、前記第1電線の端部に設けられた第1コネクタと、前記第2電線の端部に設けられた第2コネクタとが、互いに接続可能な近傍に位置し、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを接続した状態で前記第1可動機構を動かしても、前記第1電線および前記第2電線は断線が発生しないように配置されている、
請求項1~13のうちのいずれか1項に記載のベッド。
【請求項15】
前記第2のメインフレーム要素は、第3電気装置と、前記第3電気装置により駆動される第2可動機構と、を有し、
前記第1のメインフレーム要素は、前記第3電気装置と電気的に接続可能であり、前記第2可動機構を駆動させるための第4電気装置を有し、
前記第3電気装置には、第3電線が接続され、
前記第4電気装置には、第4電線が接続され、
前記第3電線は、その少なくとも一カ所が前記第2のメインフレーム要素に固定され、
前記第3電線は、その少なくとも一カ所が前記第1のメインフレーム要素に固定され、
前記第2のメインフレーム要素と、前記第1のメインフレーム要素とを組立てた際に、前記第3電線の端部に設けられた第3コネクタと、前記第4電線の端部に設けられた第4コネクタとが、互いに接続可能な近傍に位置し、前記第3コネクタと前記第4コネクタとを接続した状態で前記第2可動機構を動かしても、前記第3電線および前記第4電線は断線が発生しないように配置されている、
請求項1~14のうちのいずれか1項に記載のベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ベッドの多くは、搬送や保管や家屋や建物への搬入出の利便のために、分解と組み立てができるように設計される。とりわけ病院や介護現場で使用される介護用のベッドは、通常のベッドに比べ、構造的に複雑で、高価で、かつ、使用期間も短いため、エンドユーザにレンタルされることが多い。介護用ベッドのレンタル業者は、普段、介護用ベッドの分解と組み立てを頻繁に繰り返している。従来の介護用ベッドでは、部品同士を接続し固定するために、それら相互接続される部品とは別に用意された多数の結合具、例えば結合ピン又は締結ボルトなどが使用される。
【0003】
その一例として、非特許文献1に、従来の介護用ベッドのフレームの接続構造が記載されている。同記載によれば、フレームは、被介護者の身体を受けるボトムを支持するものであり、複数部品(サブフレーム)が連結されてなる構成である。具体的には、フレームは、ベースフレーム、センターフレーム、ヘッドフレーム及びフットフレームの、4つのサブフレームが互いに連結固定されるように構成される。
【0004】
ベッドの組み立てる際、ベースフレームとセンターフレームを連結し、センターフレームに、ヘッドフレーム及びフットフレームをそれぞれ連結し、それらを固定する。この際、連結した複数のサブフレームを固定するために、別部品としての、ピンと、ピンの抜け落ちを防止する割りピンが用いられている。
【0005】
また、ベッドには、上に例示したフレーム(被連結部品)の他にも、互いに連結固定されるべき部品(被連結部品)が多くあり、それぞれの箇所で、締結ボルト、結合ピンなどの結合具が使用される。それらの結合具は、各サブフレームのような相互連結される部品から分離された個別部品である。ベッドの組み立て前には、作業者は正しい結合具を正しい個数用意する必要がある。ベッドの分解後は、作業者はそれらの結合具を紛失しないよう保管する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】取扱説明書『低床床介護用ベッドRafio』株式会社プラッツ(2018年4月作成)<URL https://www.platz-ltd.co.jp/support/manual/torisetsu/rafio/rafio_201804_np0120-e.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、フレーム等の被連結部品とは別部品として結合具を用いるとすると、作業者の作業が煩雑になり、ベッドを組み立てるための時間や、ベッド分解するための時間を要することとなる。また、作業の際に、結合具の紛失なども考えられる。また、作業者が、結合具を間違った場所に取り付けてしまったり、ある箇所の結合具の取付けを忘れてしまったり等のリスクもある。このような場合、ベッドにガタツキが発生したり、結合具が被連結部品から抜け落ちたりする可能性もあるため、安全なベッドの組立ができないこととなる。
【0008】
従って、本発明の目的は、ベッドの組み立てや分解を簡易にすることを可能にするベッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態に従うベッドは、複数部品に分解可能であり、かつ、複数部品を所定の相互位置に組み合わせて連結することで完成する。複数部品は、第1部品と第2部品と第3部品とを含む。第1部品と2部品とを離脱しないように連結するための第1結合具が、第3部品に設けられる。第1部品と第2部品と第3部品とを所定の相互位置で組み合わせたとき、第1結合具が、自ずと第1部品と第2部品とが離脱しない状態に連結するよう、第1結合具が第3部品の特定位置に配置される。
【0010】
このベッドでは、第1結合具が第3の部品に設けられているため、第1結合具の紛失を防止できる。また、第1結合具の取付け忘れを防止することができる。
【0011】
作業者は、第1部品と第2部品との離脱を防止するために、別部品としての結合具を用意せずに済む。このため、ベッドの部品点数を低減できる。
【0012】
さらに、このベッドは、第1部品、第2部品及び第3の部品を所定の相互位置に組み合わせるだけで、自ずと第1の結合具により第1及び第2の部品が離脱しないように連結できる。このため、ベッド1の組み立て作業において、工数を少なくすることができる。作業者は、結合具の紛失などのストレスもなく、結合具の取付け忘れも防止でき、工数も減らすことができるため、作業効率が上がる。
【0013】
また、ベッド1の分解の際も、作業工数も低減できるとともに、分解した状態で保管するときも結合具の紛失防止にもなる。
【0014】
一実施形態に従えば、第1部品及び第2部品は、第1部品に設けられる第1係合部と、第2部品に設けられる第2係合部とを係合することにより、第1部品及び第2部品が所定の相互位置で組み合わされる。従って、第3部品の特定位置は、第1係合部が第2係合部から離脱することを防ぐ位置、つまり、両係合部の係合を維持する位置とすればよい。
【0015】
一実施形態に従えば、第2係合部は、第1係合部を収容可能であり、前記第1係合部を挿入するための開口を備えている。第1結合具は、第2係合部の開口を塞ぐための手段を有する。このように、第1結合具は、第2係合部開口を塞ぐのみなので、形状を簡易にできる。
【0016】
複数部品は、ベッドのフレームを構成する複数のサブフレームを含む。介護用のベッドの多くは、組み立てや分解が可能なように、複数のサブフレームが相互連結されてフレームが構成される。特に、上下動や回動を伴う介護ベッドでは、フレームの連結構造が複雑となる。このため、フレームを連結するための結合具も多いのが実情である。従って、結合具を別部材とせずに、フレームに設けることで、組み立て作業が煩雑にならずに済む。
【0017】
一実施形態に従えば、第1部品は、ベッドを昇降するベースフレームであり、第2部品は、ベースフレームに支持されるセンターフレームであり、第3部品は、センターフレームに連結されるヘッドフレーム又はフットフレームのうちの少なくとも一つである。第3部品をヘッドフレーム又はフットフレームとすることで、作業者の作業の順序に応じて、適切な状態で適切な位置に第1の結合具を設けることができる。なお、第3部品はヘッドフレームであってもよい。
【0018】
一実施形態に従えば、第1係合部は、ベッドを昇降させるためにセンターフレームに当接するよう、ベースフレームに設けられた当接部である。第2係合部は、当接部を収容して保持する、開口を有する保持部である。第1結合具は、センターフレームとヘッドフレームとを所定の相互位置で組み合わせたときに、保持部から当接部が離脱しないように、開口の一部又は全部を塞ぐように、ヘッドフレームに設けられる。
【0019】
例えば、軸保持部は、ベッドの長手方向の中央に向けて開口される。また、第1結合具はピン状部材であり、ヘッドフレーム又はフットフレームの特定位置に下方に向けて設けられてもよい。センターフレームとヘッドフレームとを所定の相互位置で組み合わせたときに、ピン状部材が、軸保持部の後端に設けられた孔に挿通されるようにしてもよい。
【0020】
例えば、保持部は、開口と、開口を開閉する開閉部とを有する。第1結合具は、開閉部を押圧するための押圧部材を有してもよい。センターフレームとヘッドフレームとを所定の相互位置で組み合わせたときに、開閉部が押圧部材に押圧されることで、開口を塞ぐように構成されるようにしてもよい。
【0021】
一実施形態に従えば、第3部品又は第2部品は、第1結合具の位置を、第1部品と第2部品とを離脱しないように連結した位置に維持するための第2結合具をさらに備えてもよい。つまり、所定の相互位置において第1~第3の部品の連結状態を維持できる。
【0022】
一実施形態に従えば、第2結合具は、第3部品と第2部品を相互に固定するように構成されてもよい。
【0023】
一実施形態に従えば、複数部品は、ベースフレームと、ベースフレームにワンタッチ式で連結及び分離可能な1以上の脚とを含んでもよい。
【0024】
一実施形態に従えば、複数部品は、複数のボトムと、複数のボトムを支えるフレームとを含んでもよい。また、フレームは、複数のボトムのうちの第1のボトムを移動させるための第1ボトム駆動機構を有し、フレーム又は複数のボトムのうちの少なくとも1つのボトムは、複数のボトムのうちの第2のボトムを第1ボトムに連動されるための第2ボトム連動リンクを有し、第1ボトム駆動機構と、第2ボトム連動リンクとは、ワンタッチ式で結合及び分離可能に構成されてもよい。
【0025】
一実施形態に従えば、複数部品は、第1部品と第2部品とを含み、第1部品は第1係合部を有し、第2部品は、第1係合部に係合可能な第2係合部を有する。第1部品と第2部品とを離脱しないように連結するための結合具が、第2部品に設けられ、第1部品と第2部品とを所定の相互位置で組み合わせたとき、第1係合部と、第2係合部とが係合されるとともに、結合具が、自ずと第1係合部と第2係合部の係合状態を保持する。
【0026】
一実施形態に従えば、複数部品は、ベッドのフレームを構成する複数のサブフレームを含み、第1部品は、複数のサブフレームの内の基礎となるベースフレームであり、第2部品は、ベースフレームに支持されるセンターフレームである。第1係合部は、センターフレームに当接するよう、ベースフレームに設けられた当接部であり、第2係合部は、当接部を収容して保持する、開口を有する保持部であり、結合具は、開口を閉止する状態で、かつ、開口を開閉可能なように、センターフレームに取り付けられており、当接部と保持部とを所定の相互位置で組み合わせたとき、当接部が、自ずと結合具を押圧し、開口の閉止状態が解除されて保持部に挿入し、保持部に当接部が収容されたとき、結合具が前記開口を閉止する。
【0027】
一実施形態に従えば、結合具は、弾性体を有し、結合具は、弾性体により、開口を閉止した状態が維持されており、結合具は、当接部に押圧されたときに、弾性体の弾性力に抗って開口の閉止状態を解除し、保持部に当接部が収容される。
【0028】
一実施形態に従えば、結合具は、自重により、開口を閉止した状態が維持されており、結合具は、当接部に押圧されたときに、開口の閉止状態を解除し、保持部に当接部が収容されたとき、自重により開口が閉止される。
【0029】
一実施形態に従えば、複数部品は、ベッドのフレームを構成する複数のサブフレームを含む。複数のサブフレームのうちの1以上のサブフレームである第1サブフレームは、第1電気装置と、第1電気装置により駆動される可動機構と、を有する。複数のサブフレームのうちの第1サブフレーム以外のサブフレームである第2サブフレームは、第1電気装置と電気的に接続可能であり、可動機構を駆動させるための第2電気装置を有する。第1電気装置には、第1電線が接続され、第2電気装置には、第2電線が接続される。第1電線は、その少なくとも一カ所が第1サブフレームに固定され、第2電線は、その少なくとも一カ所が前記第2サブフレームに固定される。第1サブフレームおよび第2サブフレームを組立てた際に、第1電線の端部に設けられた第1コネクタと、第2電線の端部に設けられた第2コネクタとが、互いに接続可能な近傍に位置し、第1コネクタと第2コネクタとを接続した状態で可動機構を動かしても、第1電線および前記第2電線は断線が発生しないように配置されている、
【発明の効果】
【0030】
本発明は、ベッドの組み立てや分解を簡易にすることを可能にするベッドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】第1実施形態に係るベッドの概略図
図2図1のベッドの分解図
図3】ベースフレームとセンターフレームの組立を説明する図
図4】ベースフレームとセンターフレームの後部の連結状態示す図
図5】ベースフレームとセンターフレームの前部の連結状態を示す図
図6】センターフレームとヘッドフレームの組立を説明する図
図7】フレーム間係合部と第1結合具の取付けを説明する図(1)
図8】フレーム間係合部と第1結合具の取付けを説明する図(2)
図9】フレーム間係合部と第1結合具の取付けを説明する図(3)
図10】第2結合具の取付けを説明する図(1)
図11】第2結合具の取付けを説明する図(2)
図12】フレーム間係合部と第1結合具の第1変形例を示す図
図13】フレーム間係合部と第1結合具の第2変形例を示す図
図14】フレーム間係合部と第1結合具の第3変形例を示す図
図15】脚部を説明する図
図16】リンク機構の取付けを説明する図
図17】第2実施形態に係るベッドのベースフレームとセンターフレームが分解された状態の図
図18】ベースフレームとセンターフレームの組立を説明する図
図19】フレーム間係合部と結合具を示す図(1)
図20】フレーム間係合部と結合具を示す図(2)
図21】フレーム間係合部と結合具を示す図(3)
図22】フレーム間係合部と結合具を説明する図
図23】フレーム間係合部と結合具の変形例を示す図(1)
図24】フレーム間係合部と結合具の変形例を示す図(2)
図25】フレーム間係合部と結合具の変形例を示す図(3)
図26】第3実施形態に係るベッドの概略図
図27図1のベッドの分解図
図28】フレーム部の分解図である。
図29】制御部の説明図であって、(a)はカバーが開いた状態を示し、(b)はカバーが閉じた状態を示す。
図30】電線の斜視図であって、(a)はモータ電線および中継電線が接続されていない状態を示し、(b)はモータ電線および中継電線が接続された状態を示す。
図31】変形例に係る電線の配線経路の説明図である。
図32】変形例に係る第1モータ電線の斜視図であり、(a)はカバー部を開いた状態を示し、(b)はカバー部を閉じた状態を示す。
図33】変形例に係る第2中継電線の説明図である。
図34】変形例に係る第2中継電線の説明図である。
図35】変形例に係る電線の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明の一実施形態(第1実施形態)を、図面を参照しながら説明する。
【0033】
図1及び2に示すように、一実施形態にかかるベッド1は、例えば病院や介護の現場で使用される介護用ベッドである。ベッド1は、横臥者の身体を支えるべく、平面視で縦長の略矩形状に形成されている。なお、この明細書では、ベッド1の長手方向を前後方向とし、ベッド1の頭側を前側(H)とし、足側を後側(F)として説明する。また、ベッド1の前後方向に対向する方向を左右方向とする。
【0034】
ベッド1は、主に、相互に分離及び連結可能なボトム3と、フレームと、ベッド1の前端及び後端に配置されるボード8と、を備える。
【0035】
ボトム3は、横臥者が横たわるベッドマット(図示せず)を下方から支持する。ボトム3は、例えば、背ボトム31、腰ボトム32、膝脚ボトム33などの複数の要素を有する。ボトム3は、これら要素が、前後方向に前から背ボトム31、腰ボトム32、膝脚ボトム33の順に連結される。ボトム3は、腰ボトム32に対して、背ボトム31及び膝脚ボトム33の角度が可変可能である。つまり、ボトム3は屈曲可能である。ボトム3は例えばスティール製又は合成樹脂製であってよい。
【0036】
背ボトム31は、例えば、ハイバックボトム31A、ローバックボトム31B等の複数の要素を有する。例えば、背ボトム31は、これら要素が、前後方向の前からハイバックボトム31A、ローバックボトム31Bの順に相互に連結されており、これら要素31A、31B間を結合する連結部31cを軸中心にして角度が可変可能である。なお、背ボトム31は、角度を可変するべく複数要素に分割されない、一枚板状のものとしてもよい。
【0037】
膝脚ボトム33は、例えば、上側脚ボトム33A、下側脚ボトム33B等の複数の要素を有する。例えば、膝脚ボトム33は、前後方向に、前から上側脚ボトム33A、下側脚ボトム33Bの順に相互に連結されており、これら要素33A、33B間を結合する連結部33cを軸中心にして角度が可変可能である。なお、膝脚ボトム33は、角度を可変するべく複数要素に分割されない、一枚板状のものとしてもよい。
【0038】
なお、ボトム3には、例えば、膝脚ボトム33の後端に、足を載せるための足ボトム(図示なし)を連結させてもよい。
【0039】
フレームは、平面視において、縦長の略矩形状をなし、ボトム3を下方から支える。フレームは、例えば、相互に分離及び連結可能なベースフレーム7と、メインフレーム2とを備える。メインフレーム2は、例えば、相互に分解及び連結可能なヘッドフレーム4とセンターフレーム5とフットフレーム6とを備える。ベッド1は、運搬などのために分解された状態では、ベースフレーム7、ヘッドフレーム4、センターフレーム5、フットフレーム6、背ボトム31、腰ボトム32、及び膝脚ボトム33という複数の主要部品に分解されている。そして、ベッド1の組み立て時には、それらの主要部品7、4、5、6、31、32、33が相互に所定位置で組み合わされ連結されることで、ベッド1が完成する。
【0040】
<ベースフレーム7>
ベースフレーム7は、ベッド1の土台となるフレームである。ベースフレーム7は、平面視において、縦長の略矩形状をなし、メインフレーム2を下方から支える。
【0041】
ベースフレーム7は、床(設置面)に設置される基部71と、昇降機構(可動機構)としてのXリンク機構72を備える。
【0042】
基部71は、前後方向に延びる一対のBF(ベースフレーム)縦部材710と、左右方向に延びる一対のBF横部材716と、を備える。具体的には、基部71は、左右の間隔を開けて配される一対のBF縦部材710の間に、左右方向に一対のBF横部材716を架設され、略枠体として構成される。
【0043】
一対のBF縦部材710の後方には、その各々の内側に、ガイド部材718が設けられる。ガイド部材718は、基部71に対して、Xリンク機構72を前後方向に摺動可能に固定する。例えば、ガイド部材718は、後述する第1リンク721の後端(ガイド端730)を前後方向に摺動可能に収納できる形状となる。
【0044】
一対の縦部材710の前端及び後端には、それぞれ脚部712が延設される。脚部712には、固定脚714が接続されていてよい。
【0045】
Xリンク機構72は、下方が基部71に連結され、上方がメインフレーム2に連結される。Xリンク機構72は、アクチュエータ117を備え、メインフレーム2の上下動を可能にする。なお、ここでの説明では、アクチュエータ117を動力とする各要素の詳細な動きの説明は省略する。
【0046】
Xリンク機構72は、主に、一対の第1リンク721及び第2リンク723と、複数の連結棒727、728と、を備える。第1リンク721及び第2リンク723は、いずれも前後方向に延びていて、前後方向の略中央部同士が、リンク固定部725を介して回動自在に連結される。つまり、各第1リンク721及び第2リンク723の組が、リンク固定部725を軸中心に、側面視でX字状にそれぞれ連結される。第1リンク721及び第2リンク723の組が、それぞれ左右方向に間隔をあけて一対設けられる。
【0047】
連結棒727は、一対の第1リンク721の前端及び後端をそれぞれ連結する。具体的には、一対の第1リンク721の前端が連結棒727Hで連結され、一対の第1リンク721の後端が連結棒727Fで連結される。連結棒728は、一対の第2リンク723の前端及び後端をそれぞれ連結する。具体的には、一対の第2リンク723の前端が連結棒728Hで連結され、一対の第2リンク723の後端が連結棒728Fで連結される。
【0048】
第1リンク721の後端は、BF縦部材710に対して、前後方向に摺動可能かつ回動可能に連結される。連結棒727Fは、一対の第1リンク721の左右方向の外方に向けて延設されており、連結棒727Fの左右両端には、連結棒727Fの同心円上の外側にローラ状のガイド端730が回動可能に取付けられる。ガイド端730は、BF縦部材710のガイド部材718に前後方向に摺動可能に収納される。よって、第1リンク721の後端が、ベースフレーム7に沿って前後方向に移動可能となる。また、第1リンク721が、連結棒727Fを軸中心としてBF縦部材710に対し、回動可能となる。
【0049】
第2リンク723の後端は、CF(センターフレーム)縦部材51に対して、前後方向に摺動可能かつ回動可能に連結される。連結棒728Fは、一対の第2リンク723の左右方向の外方に延設されており、連結棒728Fの左右両端には、連結棒727Fと同心円上の外側にローラ状のガイド端729が回動可能に取付けられる。ガイド端729は、後述するCF縦部材51のガイド部材52に前後方向に摺動可能に収納される。よって、第2リンク723の後端が、センターフレーム5に沿って前後方向に移動可能となる。また、第2リンク723が、連結棒728Fを軸中心としてCF縦部材51に対し、回動可能となる。
【0050】
第2リンク723の前側は、ベースフレーム7の前方に回動可能に連結される。例えば、連結棒728Hは、BF縦部材710に対して回動可能に取り付けられる。図示例では、第2リンク723の前端を連結する連結棒728Hの機能が、ベースフレーム7の前側のBF横部材716(回動なし)で代用されているため、この回動を可能にする接続部材を介して、BF横部材716と第2リンク723の前端が接続されている。
【0051】
第1リンク721の前側は、センターフレーム5の前方に回動可能に連結される。例えば、連結棒727Hは、CF縦部材51対して回動可能に取り付けられる。図示例では、連結棒727Hの左右の外側に、板状の接続部Pがそれぞれ固定され、接続部Pに回動軸部100が回動可能に設けられる。回動軸部100は、例えば円筒形のローラである。なお、回動軸部100は、連結棒727Hを、各第1リンク721の左右方向の外方にそれぞれ延設させることで形成されてもよい。
【0052】
回動軸部100は、第1係合部を構成する。第1係合部は、複数のフレームを係合するフレーム間係合部の一部である。本実施形態では、例えば、フレーム間係合部は、ベースフレーム7とセンターフレーム5を係合する。フレーム間係合部については後述する。
【0053】
Xリンク機構72は、例えば、第1リンク721が上側に向けて回動されると、第2リンク723も連動して上側に向けて回動する。このとき、第1リンク721のガイド端729が、ガイド部材718に案内されながら前方(H側)へ移動し、かつ、第2リンクのガイド端730が、ガイド部材52に案内されながら前方(H側)移動する。これにより、第1リンク及び第2リンクが回動して立ち上がり、ベースフレーム7に対してメインフレームが上昇する。
【0054】
<メインフレーム2>
メインフレーム2は、平面視において縦長の略矩形状をなす。メインフレーム2は、ボトム3を下方から支える。メインフレーム2は、フレームの要素4~6及びボトム3の要素31~33を動かすための動力となるアクチュエータ122を備える。なお、ここでの説明では、アクチュエータ122を動力とする各要素の詳細な動きの説明は省略する。
【0055】
また、メインフレーム2は、ベースフレーム7に連結され、これによりボトム3の上下動が可能となる。
【0056】
メインフレーム2は、例えば、ヘッドフレーム4、センターフレーム5及びフットフレーム6などの複数の要素4~6を有し、各要素4~6が互いに連結される。
【0057】
図示例では、センターフレーム5に対し、ベースフレーム7、ヘッドフレーム4及びフットフレーム6が、それぞれ連結されている。メインフレーム2は例えばスティール製又は合成樹脂製等であってよい。
【0058】
<センターフレーム5>
センターフレーム5は、腰ボトム32を下から支えるフレームである。センターフレーム5は、その前方にヘッドフレーム4が連結され、その後方にフットフレーム6が連結される。センターフレーム5は、ベースフレーム7のXリンク機構72に連結され、上下動可能となる。
【0059】
センターフレーム5は、前後方向に延びる一対のCF(センターフレーム)縦部材51と、左右方向に延びる一対のCF横部材59と、を備える。具体的には、センターフレーム5は、左右の間隔を開けて配される一対のCF縦部材51の間に、左右方向に一対のCF横部材59が架設されて、略枠体として構成される。図示例では、CF横部材59は、一対のCF縦部材51の前後方向の中央及び後方に2本架設されている。
【0060】
左右一対のCF縦部材51の後方には、その内側に、それぞれ、ガイド部材52が設けられる。ガイド部材52は、CF縦部材51に対しXリンク機構72の後部上方を、摺動可能に連結する。例えば、ガイド部材52には、第2リンク723の後端のガイド端729が前後方向に摺動可能に収容される。
【0061】
上述の通り、センターフレーム5の前方には、Xリンク機構72における第1リンク721の前端が取り付けられる。具体的には、左右のCF縦部材51の前方に、各第1リンク721の前端が回動可能に取付けられる。
【0062】
図示例では、CF縦部材51の前方の内側に、それぞれ、第2係合部としての軸保持部53が設けられる。軸保持部53は、下方に向けた開口53aが形成されている。開口53aを介して、回動軸部100が係合される。
【0063】
第2係合部は、フレーム間係合部の一部である。フレーム間係合部は、第1係合部と第2係合部とを有する。本実施例では、第1係合部は、ベースフレーム7の(が有する)回動軸部100であり、第2係合部は、センターフレーム5の(が有する)軸保持部53である。フレームを組み立てる際、センターフレーム5は、ベースフレーム7の上に取付けられる。このとき、軸保持部53の開口部が、ベースフレーム7の回動軸部100を上方から覆うように取り付けられ、第2係合部の内部に第1係合部が挿入される係合状態となる。
【0064】
しかし、第2係合部は下方に開口を有するため、第1係合部の抜けが発生する可能性がある。フレーム間係合部の係合状態を固定するため、従来技術では、これらの係合状態において第2係合部の開口を塞ぐピンと、第2係合部の開口からのピンの離脱を防止するための割りピンが取り付けられていた。ピンは、前後方向に延びた形状で、第2係合部の下方の前後端のそれぞれに形成された挿通穴に挿通され、開口を塞ぐ。ピンは、一端が、挿通穴より大きな径で形成されており、他端を挿通穴の径よりも長い割りピンで止めることにより、開口に固定される。
【0065】
このように、第2係合部に第1係合部を係合した後、ピンを開口に固定することで、フレーム間係合部の係合状態が固定される。
【0066】
しかしながら、上記従来技術では、1つのフレーム間係合部に対して、その係合状態を固定するため、ピンと割りピンという複数の結合部材が必要であった。このため、組み立てが煩雑になってしまっていた。また、部品点数も多くなり、結合具を紛失してしまうなどの問題も多かった。
【0067】
本実施形態では、フレーム間係合部は、後述する第1結合具により、その係合状態が固定される。
【0068】
<フレーム要素の取付けのための部分>
例えば、図3に示すように、センターフレーム5には、メインフレーム2を構成する他のフレーム要素4、6を取り付けるためのいくつかの部分が形成される。
【0069】
センターフレーム5の各CF縦部材51は、その外側面に、外側に向けて突出する複数のCF突起57、56を有する。CF前突起57は、センターフレーム5にヘッドフレーム4を取り付けるための突起である。CF前突起57は、例えば、CF縦部材51の中央よりも前側に設けられる。CF後突起56は、センターフレーム5にフットフレーム6を取り付けるための突起である。CF後突起56は、CF縦部材51の中央よりも後方に設けられる。
【0070】
各CF縦部材51には、左右方向に貫通するCF穴58H、58Fが、前後にそれぞれ形成される。CF穴58Hは、センターフレーム5にヘッドフレーム4を固定するために形成される。CF穴58Hは、例えば、後述するノブボルト90を螺合すべく、雌ネジが形成されている。CF穴58Fは、センターフレーム5にフットフレーム6を固定するために形成される。CF穴58Fには、例えば、後述するノブボルト91を螺合すべく、雌ネジが形成されている。
【0071】
<ヘッドフレーム4>
ヘッドフレーム4は、背ボトム31を下から支えるフレームである。なお、ヘッドフレーム4の前端部には、ヘッドボード8Hが装着される。
【0072】
例えば、図2、6などに示すように、ヘッドフレーム4は、前後方向に延びる一対のHF(ヘッドフレーム)縦部材41と、左右方向に延びる一対のHF横部材49と、を備える。具体的には、ヘッドフレーム4は、左右の間隔を開けて配される一対のHF縦部材41の間に、左右方向に一対のHF横部材49が架設されて、略枠体として構成される。図示例では、HF横部材49は、一対のHF縦部材41の前後方向の前方及び後方に2本架設されている。
【0073】
ヘッドフレーム4の後方が、センターフレーム5に連結される。例えば、この2つのフレーム4、5は、側面視で重なりあうよう、各HF縦部材41と各CF縦部材51とが、左右に重ねあわされて、それぞれ連結固定される。
【0074】
各HF縦部材41は、その後端に、HF係合部42が形成される。HF係合部42は、後方に向けて開口するよう凹状に形成されており、CF縦部材51の外側面のCF前突起57を鋏みこむように係合する。HF係合部42は、CF縦部材51に対するHF縦部材41の前後方向の取付け位置を決めることができる。
【0075】
各HF縦部材41は、位置合せ部材46を備える。例えば、図8に示すように、位置合せ部材46は、HF縦部材41の上面に対して水平な第1壁46aと、略垂直な第2壁46bとを有し、これらにより逆L字状に形成される。
【0076】
位置合せ部材46は、第1壁46aが、HF縦部材41の上面に固着されているとともに、CF縦部材51よりも内方まで延設されており、これにより、HF縦部材41及びCF縦部材51の上側面を同じ高さに設置することができる。
【0077】
また、位置合せ部材46の第2壁46bと、HF縦部材41の内側面との間に、CF縦部材51を挿入固定するのに適当な所定幅の隙間が形成される。
【0078】
各HF縦部材41には、例えば、図10に示すように、左右方向に貫通するHF穴43が形成される。HF穴43は、HF縦部材41とCF縦部材51とを重ねわせたときに、CF穴58Hに連通する位置に形成されている。
【0079】
HF縦部材41には、HF穴43に、ノブボルト90が取り付けられていてよい。ノブボルト90は、例えば、HF縦部材41の外側からHF穴43に挿入されて、HF縦部材41の内側にリング等を設けて仮止めされていてよい。また、例えば、別の仮止め方法として、常温の状態で、予め、ノブボルト90の先端部の径をHF穴43の径よりも微妙に大きく、かつ、HF穴43の内部に配置されるノブボルト90の基端部をHF穴43の径よりも微妙に小さく形成しておき、HF縦部材41及びノブボルト90の熱膨張特性を利用して、一時的にノブボルト90の先端部をHF穴43よりも小くし、ノブボルト90の先端部をHF穴43に通しておくとしてもよい。
【0080】
ノブボルト90は、例えば、雄ネジ状に形成されており、HF穴43とCF穴58Hとを連通した連通穴に挿通され、CF穴58に螺合される。なお、ノブボルト90は、別部品とされてもよい。
【0081】
例えば、図6などに示すように、各HF縦部材41には、第1結合具としてのピン状部材48が設けられる。図示例では、ピン状部材48は、HF縦部材41の内側に形成された固定部44に固着されている状態で設けられる。第1結合具について、詳細は後述する。
【0082】
ヘッドフレーム4には、例えば、各HF縦部材41に、横臥者の落下防止の柵等を取付け可能な、オプション取り付け部47が取り付けられてもよい。
【0083】
<フットフレーム6>
フットフレーム6は、膝脚ボトム33を下から支えるフレームである。なお、フットフレーム6の後端部は、フットボード8Fに取付けられる。
【0084】
例えば、図2等に示すように、フットフレーム6は、前後方向に延びる一対のFF(フットフレーム)縦部材61と、左右方向に延びる一対のCF横部材59と、を備える。具体的には、フットフレーム6は、左右の間隔を開けて配される一対のFF縦部材61の間に、左右方向に一対のFF横部材69が架設されて、略枠体として構成される。図示例では、FF横部材69は、一対のFF縦部材61の前後方向の略中央及び後方に2本架設されている。
【0085】
フットフレーム6の前方が、センターフレーム5に連結される。例えば、この2つのフレーム6、5は、(側面視で重なりあるよう)左右の各FF縦部材61と左右の各CF縦部材51とを左右に重ねあわせて、連結固定される。
【0086】
各FF縦部材61は、その前端に、FF係合部62が形成される。FF係合部62は、前方を開口する凹状の先端が、CF縦部材51の外方に形成されたCF後突起56を鋏みこむように係合する。FF係合部62は、CF縦部材51に対するFF縦部材61の前後方向の取付け位置を決めることができる。
【0087】
各FF縦部材61には、左右方向に貫通するFF穴63が形成される。FF穴63は、FF縦部材61とCF縦部材51とを重ねわせたときに、CF穴58F連通する位置に形成される。
【0088】
FF縦部材61には、FF穴63に、ノブボルト91が取り付けられてよい。ノブボルト91は、例えば、FF縦部材61の外側からFF穴63に挿入されて、FF縦部材61の内側にリング等を設けて仮止めされていてよい。また、例えば、別の仮止め方法として、常温の状態で、予め、ノブボルト91の先端部の径をFF穴63の径よりも微妙に大きく、かつ、FF穴63の内部に配置されるノブボルト91の基端部をFF穴63の径よりも微妙に小さく形成しておき、FF縦部材61及びノブボルト91の熱膨張特性を利用して、一時的にノブボルト91の先端部をFF穴63よりも小くし、ノブボルト91の先端部をFF穴63に通しておくとしてもよい。
【0089】
ノブボルト91は、例えば、雄ネジ状に形成されており、FF穴63とCF穴58Fとを連通した連通穴に挿通され、CF穴58Fに螺着される。なお、ノブボルト91は、別部品とされてもよい。
【0090】
フットフレーム6には、例えば、各FF縦部材61に、横臥者の落下防止の柵等を取付け可能な、オプション取り付け部67が取り付けられてもよい。
【0091】
<複数部品の結合>
以下、図7~9を参照し、分解可能なベッド1の複数部品の結合について説明する。本実施形態では、第一の部品はベースフレーム7、第二の部品はセンターフレーム5、第三の部品はヘッドフレーム4に対応する。フレーム間係合部は、第1結合具により、その係合状態が固定される。
【0092】
前述の通り、本実施形態にかかるフレーム間係合部は、第1係合部と第2係合部により構成される。
【0093】
第1係合部は、ベースフレーム7の前端部の外側に凸状に形成される。具体的には、例えば、第1係合部は、第1リンク721の前端の回動軸部100である。
【0094】
第2係合部は、センターフレーム5の前端部の内側に、下方を開口するように形成される。具体的には、例えば、第2係合部は、センターフレーム5の軸保持部53である。
【0095】
軸保持部53は、半円状の上部54と、上部54の下端から下方に向けてそれぞれ延設される2つの下部55を有する。これにより、軸保持部53の下端には、開口53aが形成される。下部55、55には、ピン状部材48を前後方向に挿通する挿通孔55a,55aが形成されている。挿通孔55a,55aは、ベッド1の長手方向に貫通するように形成されている。
【0096】
フレームを組み立てる際に、センターフレーム5は、ベースフレーム7の上に連結される。このとき、軸保持部53には、その開口53aを介して、回動軸部100が挿入される。回動軸部100は、軸保持部53の内部に(センターフレーム5の自重により、その上部54の内面に当接するように)収容される。これにより、回動軸部100と軸保持部53が係合状態となる。
【0097】
この係合状態においては、ベースフレーム7に対して、センターフレーム5が所定の相互位置に組み込まれている。しかしながら、この状態では、軸保持部53から開口53aを通じて、回動軸部100が離脱する可能性がある。
【0098】
第1結合具は、第2係合部から第1係合部が離脱しないように、リンク間係合部の係合状態を固定する。第1結合具は、ピン状部材48に対応する。
【0099】
ピン状部材48は、ヘッドフレーム4の特定位置に設けられる。例えば、ピン状部材48は、HF縦部材41の特定位置に設けられる。図示例では、ピン状部材48は、HF縦部材41の内側の固定部44に設けられている。ここで特定位置は、ベッド1(少なくとも、ベースフレーム7、センターフレーム5及びヘッドフレーム4の3つのフレーム)が組み立てられた状態において、ピン状部材48が挿通孔55aに挿通され、軸保持部53から回動軸部100が離脱しないように、開口53aを塞ぐ位置である。
【0100】
ピン状部材48は、ベッド1の前後方向に延びる棒状の部材であり、その基部が固定部44の後面44aに固着され、先端48aが後方に向かって延設されている。
【0101】
ピン状部材48は、軸保持部53に回動軸部100が収容された状態(つまり、回動軸部100と軸保持部53の係合状態)で、軸保持部53の前後の挿通孔55aに、ピン状部材48が挿通されることで、開口53aを塞ぐ。
【0102】
フレームを組み立てる際に、ヘッドフレーム4は、前方から後方に向けて、センターフレーム5に連結される。このとき、ヘッドフレーム4のピン状部材48が、軸保持部53の前後の挿通孔55aを貫通する。
【0103】
センターフレーム5に対し、ヘッドフレーム4が所定の相互位置に組み込まれたときには、ピン状部材48が挿通孔55a、55aを貫通する。例えば、図8のように、ピン状部材48の先端48aが、挿通孔55aの後方端から突出された状態で、組み立てが完了する。
【0104】
これにより、軸保持部53から回動軸部100が離脱するのを防止することができる。つまり、センターフレーム5からベースフレーム7が離脱することを防止できる。そして、ベッド1のフレーム要素(ベースフレーム7、センターフレーム5及びヘッドフレーム4の3つのフレーム)が組みあわされた連結状態が維持される。
【0105】
さらに、第2結合具としてのノブボルト90が、HF縦部材41のHF穴43を貫通して、CF縦部材51のCF穴58に螺着される。これにより、HF縦部材41とCF縦部材51が重ねあわされて固定される。
【0106】
従って、この状態においては、ベッド1のフレーム要素(ベースフレーム7、センターフレーム5及びヘッドフレーム4の3つのフレーム)が、組み立て後の相互位置において固定される。
【0107】
<フレームの組み立て方>
次に、本実施例に係るベッド1の組み立て作業を説明する。
【0108】
(1)作業者は、ベースフレーム7にセンターフレーム5を連結する。具体的には、作業者は、各第2リンク723の後端部のガイド端729を、各CF縦部材51のガイド部材52に収容し、各第1リンク721の前端部の回動軸部100を、各CF縦部材51の軸保持部53を係合する。
【0109】
(2)続いて、作業者は、(1)のセンターフレーム5に、ヘッドフレーム4を連結する。具体的には、作業者は、各HF縦部材41のHF係合部42を、各CF縦部材51のCF前突起57に係合し、各位置合せ部材46により、各HF縦部材41と各CF縦部材51を重ね合わせる。作業者は、この状態から、センターフレーム5に対して、ヘッドフレーム4を後方にスライドさせて、各HF縦部材41のピン状部材48を、各CF縦部材51の軸保持部53の挿通孔55aに挿通させる。
【0110】
(3)作業者は、センターフレーム5とヘッドフレーム4の相互位置を所定位置に合わせることで、各HF縦部材41のHF穴43と、各CF縦部材51のCF穴58を連通させて、これらの穴にそれぞれノブボルト90を螺合する。これにより、センターフレーム5にヘッドフレーム4が固定される。これとともに、ピン状部材48が軸保持部53の挿通孔55aから抜けなくなるので、ベースフレーム7とセンターフレーム5とが分離されないよう結合される。
【0111】
(4)次いで、作業者は、(2)のセンターフレーム5に、フットフレーム6を連結する。具体的には、作業者は、作業者は、各FF縦部材61のFF係合部62を、各CF縦部材51のCF後突起56に係合し、各FF縦部材61と各CF縦部材51を重ね合わせる。作業者は、センターフレーム5とフットフレーム6の相互位置を所定位置に合わせることで、各FF縦部材61のHF穴43と、各CF縦部材51のCF穴58Fを連通させて、これらの穴にそれぞれノブボルト91を螺合する。これにより、センターフレーム5にフットフレーム6が固定される。
【0112】
作業者は、組み立てられたフレームに、ボトム3及びボード8を取り付ける。
【0113】
よって、ベッド1は、通常のフレーム要素の組み立て作業を行うだけで、軸保持部53からの回動軸部100の離脱を防止することができる。つまり、作業者は、フレーム要素の組み立てに際し、各要素を連結した後、別部品となる結合具により各部を固定しなければならないという、非常に面倒な作業工程を省略することができる。従って、作業者は、ベッドの組み立て作業を簡易に行うことができる。
【0114】
また、従来は別部材であった、ベッドの要素間の組み立てに必要な結合具が、ベッド1の必須となるフレーム要素(この例では、ヘッドフレーム4)に予め設けられているため、ベッド1の組み立て作業時に、結合具等の部品の紛失を防止することができる。
【0115】
さらに、このベッド1は、第1結合具の取り付け位置が、組み立て作業の作業工程を考えられた位置に配置されている。このため、第1結合具が、作業者の組み立て作業を邪魔しない。
【0116】
また、ベッド1の分解時も、上記と同様に、作業者の作業を簡易に行うことができ、かつ結合具などの部品の紛失を防止できる。
【0117】
さらに、分解状態での保管の際にも、結合具などの部品の紛失を防止できる。
【0118】
<第1変形例>
以下、図12を参照し、分解可能なベッド1の複数部品の結合の変形例について説明する。
【0119】
この変形例では、第2係合部を軸保持部153とし、第1結合具をピン状部材148とする。なお、上述の実施形態と同様の部材については、同様の付番を用いており、基本的には説明を省略する。
【0120】
軸保持部153は、センターフレーム5の前端部の内側に設けられる。軸保持部153は、その内部が、回動軸部100を収容可能に形成され、かつ、ベッドの長手方向の中央に向かう開口153aを有する。図示例では、開口153aは軸保持部153の前後方向の後方に形成されている。例えば、軸保持部153は、前壁154と上壁155及び下壁156により逆コ字状に形成される。上壁155及び下壁156には、ピン状部材148を上下後方向に挿通する挿通孔155aがそれぞれ形成されている。挿通孔155a,155aは、上下方向に貫通するように形成されている。
【0121】
フレームを組み立てる際に、センターフレーム5は、ベースフレーム7の上に連結される。このとき、軸保持部153には、その開口153aを介して、回動軸部100が挿入され、軸保持部153の内部に収容される。これにより、回動軸部100と軸保持部153が係合状態となる。
【0122】
この係合状態においては、ベースフレーム7に対して、センターフレーム5が所定の相互位置に組み込まれている。しかしながら、この状態は、軸保持部153から開口153aを通じて、回動軸部100が離脱する可能性がある。
【0123】
ピン状部材148は、ヘッドフレーム4のHF縦部材41の特定位置に設けられる。図示例では、ピン状部材148は、HF縦部材41の位置合わせ部146に設けられている。ここで特定位置は、ベッド1(少なくとも、ベースフレーム7、センターフレーム5及びヘッドフレーム4の3つのフレーム)が組み立てられた状態において、軸保持部153から回動軸部100が離脱しないように、ピン状部材148が挿通孔155aに挿通され、開口153aを塞ぐ位置である。
【0124】
ピン状部材148は、ベッド1の上下方向に延びる棒状の部材であり、その基部が位置合わせ部146の下面146aに固着され、先端148aが後方に向かうよう延設されている。
【0125】
ピン状部材148は、軸保持部153に回動軸部100が収容された状態(つまり、回動軸部100と軸保持部153の係合状態)で、軸保持部153の上下の挿通孔155aに、ピン状部材148が挿通されることで、開口153aを塞ぐ。
【0126】
フレームを組み立てる際に、ヘッドフレーム4がセンターフレーム5に連結される。このとき、ヘッドフレーム4のピン状部材148が、軸保持部153の上下の挿通孔155aを貫通する。
【0127】
図示例では、センターフレーム5に対し、ヘッドフレーム4が所定の相互位置に組み込まれたときには、ピン状部材148の先端148aが、挿通孔155aの後方端から突出するよう形成されている。
【0128】
これにより、センターフレーム5からベースフレーム7が離脱することを防止する。なお、ピン状部材148の長さは、開口153aから回動軸部100が離脱しない程度の長さでよい。
【0129】
なお、上記と同様に、ノブボルト90により、HF縦部材41及びCF縦部材51が固定されることで、上記係合状態が固定される。
【0130】
第1変形例における作用効果は、基本的には上記実施形態と同様である。
この例では、ピン状部材148が位置合わせ部146の下面146aに設けられていた。ヘッドフレーム4をセンターフレーム5に連結する際には、センターフレーム5のCF前突起57に対して、ヘッドフレーム4のHF係合部42を係合し、ここを支点としてヘッドフレーム4を上方から下方に回転させて、センターフレーム5にヘッドフレーム4を重ね合わせる。この際に位置合わせ部146が両フレーム要素4,5の上面を合わせるとともに、ピン状部材148が開口153aを塞ぐことが可能となる。
【0131】
係合したCF前突起57と係合部42を支点とし、センターフレーム5に対してヘッドフレーム4を上方から下方に回転させるという動作で、ピン状部材148が開口153aを塞ぐため、センターフレーム5に対するヘッドフレーム4の前後方向のスライド動作が不要になる。このため、狭い場所でもベッドの組み立てが可能となる。
【0132】
従って、フレーム要素の連結作業の工程のみで、フレーム間係合部を係合することも可能となり、作業効率がよい。
【0133】
なお、本例では、軸保持部153はベッド1の長手方向の中央に向かう開口153aを有していた(図示例では、軸保持部153は、後方に開口153aを有していた。)が、この例には限られない。軸保持部153は、前方に開口されてよいし、他のどのような方向であってもよい。この場合、ピン状部材148は、開口を塞ぐことが可能な特定位置に形成されるものとする。
【0134】
<第2変形例>
以下、図13を参照し、分解可能なベッド1の複数部品の結合の第2変形例について説明する。
【0135】
この変形例では、第2係合部としての軸保持部553が、開口553aを有し、さらに、開口553aを開閉するための開閉部81が、軸保持部553に付属する。第1結合具は、開閉部81を押圧するための押圧部材348を有する。なお、上述の実施形態と同様の部材については、同様の付番を用いており、基本的には説明を省略する。
【0136】
軸保持部553は、センターフレーム5の前端部の内側に設けられる。軸保持部553は、下方に開口553aを有する略逆U字状形成されており、その内部に回動軸部100を収容する。軸保持部553の前後の端部は、それぞれ開閉部81の第1面81aに着座するよう外はね状に形成されている。
【0137】
フレームを組み立てる際に、センターフレーム5は、ベースフレーム7の上に連結される。このとき、軸保持部553には、その開口553aを介して、回動軸部100が挿入され、軸保持部553内部に収容される。これにより、回動軸部100と軸保持部553が係合状態となる。
【0138】
この係合状態においては、ベースフレーム7に対して、センターフレーム5所定の相互位置に組み込まれている。しかしながら、この状態は、軸保持部553の開口553aより、回動軸部100が離脱する可能性がある。
【0139】
押圧部材348は、ヘッドフレーム4及びセンターフレーム5の特定位置に設けられる。ここで特定位置は、ベッド1(少なくとも、ベースフレーム7、センターフレーム5及びヘッドフレーム4の3つのフレーム)が組み立てられた状態において、軸保持部553から回動軸部100が離脱しないように、押圧部材348が開閉部81を押して開口553aを塞がせる位置である。
【0140】
具体的には、以下の動作が可能な位置にそれぞれ配置される。押圧部材348が、開閉部81を介して開口553aを塞ぐ。開閉部81は、L字状に形成され、第1面81aと第2面81bの間を軸81cとして、CF縦部材51の軸保持部553の後端部555aの下方に回動自在に配置される。開閉部81は、第2面81bが、CF縦部材51に対して略水平、かつ軸保持部553の後端部555aに当接した状態で配置されている。
【0141】
押圧部材348は、ベッド1の上下方向に延びる棒状の部材である。
【0142】
フレームを組み立てる際に、ヘッドフレーム4をセンターフレーム5に連結するとき、押圧部材348の先端348aにより、開閉部81の第2面81bが押圧されて、第1面81aを水平面となるように押し上げ、第1面81aが軸保持部553の開口553aを塞ぐ。
【0143】
そして、センターフレーム5に対し、ヘッドフレーム4が所定の相互位置に組み込まれたときには、押圧部材348が第2面81bに並行に配置されることで、開閉部81が元の状態に戻ることなく、第1面81aが開口553aを塞いだ状態が維持される。
【0144】
このように、ヘッドフレーム4をセンターフレーム5に連結すると、ヘッドフレーム4に設けられた押圧部材348が、開閉部81を介して間接的に、センターフレーム5からベースフレーム7が離脱しないように、両フレーム5,7を連結する。なお、第1面81aの長さは、開口553aから回動軸部100が離脱しない程度の長さでよい。
【0145】
なお、上記と同様に、ノブボルト90により、HF縦部材41及びCF縦部材51が固定されることで、フレーム間係合部の係合状態が固定される。
【0146】
第2変形例における作用効果は、基本的には上記実施形態と同様である。また、本変形例は、第一結合具として、ピン状部材に代えて押圧部材348及び開閉部81を用いた。これにより作業者は、より安全に作業を行うことができる。
【0147】
<第3変形例>
以下、図14を参照し、分解可能なベッド1の複数部品の結合の第3変形例について説明する。
【0148】
この変形例では、第2係合部を軸保持部653とし、第1結合具はピン状部材448とする。なお、上述の実施形態と同様の部材については、同様の付番を用いており、基本的には説明を省略する。
【0149】
軸保持部653は、センターフレーム5の前端部の内側に設けられる。軸保持部653は、ベッド1の長手方向の端部に向けた開口653aを有する。図示例では、軸保持部653は、前方に開口653aを有する略逆コ字状に形成されており、その内部に回動軸部100を収容する。軸保持部653の前側の端部には、ピン状部材448を上下後方向に挿通する挿通孔がそれぞれ形成されている(図示なし)。
【0150】
フレームを組み立てる際に、センターフレーム5は、ベースフレーム7の上に連結される。このとき、軸保持部653には、その開口653aを介して、回動軸部100が挿入され、軸保持部653の内部に収容される。これにより、回動軸部100と軸保持部653が係合状態となる。
【0151】
この係合状態においては、ベースフレーム7に対して、センターフレーム5所定の相互位置に組み込まれている。しかしながら、この状態は、軸保持部653の開口653aより、回動軸部100が離脱する可能性がある。
【0152】
ピン状部材448は、ヘッドフレーム4の特定位置に設けられる。ここで特定位置は、ベッド1(少なくとも、ベースフレーム7、センターフレーム5及びヘッドフレーム4の3つのフレーム)が組み立てられた状態において、軸保持部653から回動軸部100が離脱しないように、ピン状部材448が開口653aを塞ぐ位置である。なお、ピン状部材448は、開口653aを塞いだ状態において、回動軸部100の外周に沿うよう略円弧状に形成されている。
【0153】
フレームを組み立てる際に、ヘッドフレーム4がセンターフレーム5に連結される。このとき、ヘッドフレーム4のピン状部材448が、軸保持部653の上下の挿通孔を貫通する。
【0154】
これにより、センターフレーム5からベースフレーム7が離脱することを防止する。なお、ピン状部材448の長さは、開口653aから回動軸部100が離脱しない程度の長さでよい。
【0155】
なお、上記と同様に、ノブボルト90により、HF縦部材41及びCF縦部材51が固定されることで、フレーム間係合部の係合状態が固定される。
【0156】
第3変形例における作用効果は、基本的には第1変形例等と同様である。
【0157】
加えて、本例では、ピン状部材448が、回動軸部100の外周に沿うよう略円弧状に形成されている。このため、係合した前突起57と係合部42を支点とし、センターフレーム5に対してヘッドフレーム4を上方から下方に回転させて、ピン状部材448が開口653aを塞ぐ動作をスムーズに行うことができる。
【0158】
さらに、センターフレーム5に対するヘッドフレーム4の連結時の回転動作により、挿通孔にピン状部材448を挿通するため、挿通孔は、余分な遊びを持たせて形成する必要がない。従って、センターフレーム5とヘッドフレーム4を連結した際、これらのがたつきを防止することができる。なお、本例では、ピン状部材448が開口653aを塞ぐ手段として、軸保持部653に挿通孔が形成される例を示したが、これに限られない。例えば、ピン状部材448が軸保持部653の後端部に当接するように、開口653aを塞ぐようにしてもよい。
【0159】
なお、本例では、軸保持部653はベッド1の長手方向の端部に向かう開口653aを有していた(図示例では、軸保持部653は、前方に開口653aを有していた。)が、この例には限られない。軸保持部653は、後方に開口されてよいし、他のどのような方向であってもよい。この場合、ピン状部材448は、開口を塞ぐことが可能な特定位置に形成されるものとする。
【0160】
以上説明した実施形態は、説明のための単なる例示であり、本発明の範囲をそれらの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、上記の実施の形態とは違うさまざまな形態で、実施することができる。
【0161】
上記実施形態では、複数の主要部品のうちベースフレーム7とセンターフレーム5とヘッドフレーム4が、所定の相互位置に組み合わせて連結(固定)する例を説明した。しかしながら、ベッド1の複数部品の連結(固定)であれば、上記の例に限られず、どのような部品の組み合わせでもよい。
【0162】
例えば、ベースフレーム7とセンターフレーム5とフットフレーム6を連結する例であってもよい。この場合には、例えば、ベースフレーム7の後端及びセンターフレーム5の後端にフレーム間係合部(第1係合部及び第2係合部)が設けられるものが好適である。この場合には、例えば、Xリンク機構72について、上記のように、センターフレーム5及びベースフレーム7に対して、第1リンク721及び第2リンク723の前端をそれぞれ回動可能に固定し、これら要素の721、723の後端を前後方向に摺動可能に連結するのではなく、センターフレーム5及びベースフレーム7に対して、これら要素の721、723の後端を回動可能に固定し、前端を前後方向に摺動可能に連結してもよい。
【0163】
例えば、上記実施形態では、フレーム間係合部として、ベースフレーム7側の軸(具体的には、回動軸部100)(第1係合部)と、センターフレーム5側の軸保持部(第2係合部)として説明していた。しかしながら、これには限定されない。例えば、センターフレーム5側の軸を、ベースフレーム7の軸保持部で係合するとしてもよい。
【0164】
例えば、上記実施形態では、第1係合部及び第2係合部を、軸と軸保持で説明していたが、当然ながらこれには限定されず、他の係合手段によってもよい。
【0165】
上記実施形態にかかるベッド1においては、上記の態様の他、ベッド1の複数の部品を締結する結合具を削減する工夫が実現されている。
【0166】
具体的には、例えば以下のような態様により実現させている。
例えば、ベッド1は、脚部712に固定脚714を締結する際の結合具の削減を実現する。以下、図15を用いて、ベッド1の脚部712について説明を加える。前述の通り、一対の縦部材710の前端及び後端には、それぞれ脚部712が延設される。各脚部712には、固定脚714が着脱可能に取り付けられていてよい(図1参照)。固定脚714は、床(設置面)に設置されベースフレーム7を下方から支える。
【0167】
固定脚714は、脚部712に対してワンタッチで取り外しが可能に形成されていてよい。つまり、相互に接続(又は分離)される部品セット(例えば、固定脚714と脚部712のセット)からは分離された個別部品としての締結具を使わずに、作業者が手を使うだけでその部品セットを相互に接続(又は分離)できることとしてよい。
【0168】
例えば、固定脚714には、脚部712を挿入するための孔Wが設けられており、側面714aには、孔Wの内方に突出した爪714bが弾性支持されている。一方、脚部712の両側面(片側のみでも可)712aには凹部712b形成されている。これにより、固定脚714の孔Wに脚部712を挿入したとき、爪714b部が凹部712bに嵌着される。また、脚部712から固定脚714取り外すときには、固定脚714に対して、挿入時と反対の方向に脚部712を引くと、凹部712b内に嵌着されていた爪714bが凹部712bから外れて、脚部712が固定脚714から取り外される。
【0169】
また例えば、ベッド1は、背脚連動リンク133と背上げ機構のブラケット123とを連結する際の結合具の削減を実現する。以下、図16を用いて、背脚連動リンク133及びブラケット123について説明を加える。
【0170】
図6等に示すように、前側のHF横部材49の中央部には、背ボトム31を起倒自在にするアクチュエータ122が設けられている。アクチュエータ122は、電動モータにより前後方向に進退自在にされたロッド122bを有する。図16等に示すように、ロッド122bの先端部は、側面視略三角形のブラケット123の前端部にピン124を介して回動自在に取り付けられている。
【0171】
ブラケット123の中央部は、一対のHF縦部材41間に回動自在に取り付けられた回転バー125に固定されている。よって、アクチュエータ122のロッド122bの前後方向の進退動作によりブラケット123が回転バー125を中心に回転され、これに連れて回転バー125も回転する。
【0172】
回転バー125の左右両端部にはそれぞれ背上げアーム126が固定され、この背上げアーム126の先端部は背上げバー127にそれぞれ回動自在に固定されている。そして、背上げバー127の後端部はベッド1の後部に位置する左右バー121に固定されている。これにより、アクチュエータ122のロッド122bの前後方向の進退動作により回転バー125が回動されると、これに連れて背上げアーム126も回動し、結果として背上げバー127が回動される。背上げバー127は背ボトム31(31、31B、31c)を下方から支持しているので、アクチュエータ122により背ボトム31が起倒自在にされる。
【0173】
ブラケット123の後端部には、後述する背脚連動リンク133の連結部135に連結されるバー(被連結部)128が左右方向に延在して取り付けられている。
【0174】
CF縦部材51の間には、CF横部材59が架設されている。CF横部材59には、CF横部材59からベッド1の後方に突出した脚上げバー134が、回動可能に取り付けられている。脚上げバー134の前端は、背脚連動リンク133の後端に回動可能に結合されている。従って、背脚連動リンク133が前後方向に移動することにより、脚上げバー134の後端が上下動して膝脚ボトム33を駆動する。
【0175】
背脚連動リンク133の前端には、ブラケット123のバー128に連結される連結部135が設けられている。この連結部135がバー128に係合、連結されることで、ブラケット123の回動に伴い背脚連動リンク133がリクライニング式ベッドBの前後方向に連動して移動し、この結果、背脚連動リンク133及び脚上げバー134がCF横部材59を中心として回動する。
【0176】
従来のベッドでは、背脚連動リンク133及びブラケット123に連結孔をそれぞれ設け、これらの連結孔をピンで連結していた。しかし、ブラケット123と背脚連動リンク133との連結作業に手間と時間とを要し、さらに、リクライニング式ベッドの分解や背ボトム31及び膝脚ボトム33の連動を解除する際にもピンの抜去作業が必要で、同様に手間と時間と要していた。
【0177】
このベッド1は、背脚連動リンク133の連結部135をブラケット123の被連結部であるバー128に、別部品としてのピンを使わずに着脱自在に連結している。具体的には、連結部135は、バー128を収容してこれと係合する係合孔135Aを有する。係合孔135Aは、連結部135が移動する方向(主として、前後方向である)と異なる方向、例えば、その移動方向とほぼ直交する下方へ延長されており、その延長先の端部(つまり下端部)に、バー128を出し入れするための開口135Bを有する。また、係合孔135Aの開口135Bへ向けての延長方向である下方であるため、連結部135(背脚連動リンク133)の自重により、連結部135の係合孔135Aにバー128を収容して両者を連結するだけで、連結部135が上方へ移動するなどして背上げ機構のバー128から外れてしまうことはない。ゆえに、背上げ機構と背脚連動リンク133との連結及び分離時には、作業者は、連結部135を下ろして係合孔135Aにバー128を挿入する、及び連結部135を上げて係合孔135Aからバー128を出す、という極めて簡素なワンタッチ式の操作を行うだけに過ぎない。このように、ブラケット123と背脚連動リンク133との連結及び解除作業をより簡易に行うことができ、連結及び解除作業をより短時間に行うことができる。
【0178】
上述した背上げ機構と背脚連動リンク133とのワンタッチ式の結合と分離の仕組みの原理は、図示してないが、ハイバックボトム31Aをローバックボトム31Bに対して屈曲するためのハイバック屈曲機構を、背上げ機構に連動させるためのハイバック連動リンクを、背上げ機構に連結する場合にも、適用可能である。なお、ハイバック屈曲機構と、ハイバック連動リンクとは、背ボトム31に設けることができる。
【0179】
<第2実施形態>
以下、図17~25を参照し、分解可能なベッド1の複数部品の結合の第2実施形態を説明する。例えば、ベッド1は、ベースフレーム7とセンターフレーム5とを連結する際の結合具の削減を実現する。本実施形態では、第1実施形態と同様の部材については、同じ符号を用いて説明する場合がある。また、第1実施形態と同様の構成については、説明を省略する場合がある。
【0180】
なお、上述の例では、ベースフレーム7のXリンク機構72の後端が、BF縦部材710及びCF縦部材51に対して、前後方向に摺動可能に可動することで、ボトム3が載置されるメインフレーム2を上下動可能にする構成を例示していたが、本実施形態で例示する図17以降の図においては、Xリンク機構72は、その前端が基部71に対して摺動可能となる構成を開示する。いずれの例においても、Xリンク機構72を含むベッド1の昇降機能に差異はない。つまり、Xリンク機構72において、ベースフレーム7及びセンターフレーム5に、回動可能に固定される端部、摺動される端部は、前後のどちらであってもよい。
【0181】
本実施形態では、第一の部品が有する第1係合部と、第二の部品が有する第2係合部とのフレーム間係合部を、第二の部品が有する結合具により結合する。例えば、第一の部品はベースフレーム7であり、第二の部品はセンターフレーム5としてよい。
【0182】
以下、図17~22は、フレーム間係合部(第1係合部及び第2係合部)と結合具を用いた、ベースフレーム7とセンターフレーム5の組立の例を説明する。例えば、図17等に示すように、第2リンク723には、その前端であって左右方向の外方に、軸中心に回動可能なローラ状のガイド端1730が設けられる。一対のBF縦部材710各々の前方には、その内側に、ガイド端1730を前後方向に摺動可能に収納する、ガイド部材1718が設けられる。よって、第2リンク723の前端が、BF縦部材710に対して、摺動可能かつ回動可能に連結される。
【0183】
また、例えば、第1リンク721には、その前端であって左右方向の外方に、軸中心に回動可能なローラ状のガイド端1729が設けられる。一対のCF縦部材51の前方には、その内側の下方に、ガイド端1729を前後方向に摺動可能に収納する、ガイド部材152が設けられる。よって、第1リンク721の前端が、CF縦部材51に対して、前後方向に摺動可能かつ回動可能に連結される。
【0184】
第1リンク721の後側は、ベースフレーム7の後方に回動可能に連結される。図示例では、ベースフレーム7の後側のBF横部材716に対し、接続部材721Fを介して、第1リンク721の後端が回動可能に接続されている。
【0185】
第2リンク723の後側は、センターフレーム5の後方に回動可能に連結される。例えば、連結棒727Fは、CF縦部材51対して回動可能に取り付けられる。図示例では、連結棒727Fの左右の外側に、回動軸部1100が回動可能に設けられる。回動軸部1100は、例えば円筒形のローラである。なお、回動軸部1100は、連結棒727Fを、各第1リンク721の左右方向の外方にそれぞれ延設させることで形成されてもよい。
【0186】
第1係合部は、ベースフレーム7の一端部に設けられる。例えば、第1係合部は、Xリンク機構72の上方であって、その後端部の外側に設けられた、外方に向かう凸部である。図示例では、凸部は、第1リンク721の後端に設けられた回動軸部1100である。回動軸部1100は、例えば、スティールや合成樹脂材や、その他のいかなる材質であってもよい。
【0187】
第2係合部は、センターフレーム5の一端部に設けられる。例えば、第2係合部は、CF縦部材51の後端部の内側に設けられた、軸保持部1053である。図示例では、軸保持部1053は、CF縦部材51及びこれより下方に延設された取付部材51Fに亘って設けられる。軸保持部1053は、例えば、スティールや合成樹脂材や、その他のいかなる材質であってもよい。
【0188】
例えば、図19に示すように、軸保持部1053は、略逆コ字状に形成され、収容部1054の上側端より前方に向けて延設された上片部1055と、収容部1054の下側端より前後方向に延設された下片部1056と、を有する。軸保持部1053の内方に回動軸部1100を収容する収容部1054が形成される。収容部1054は、ベッド1の前後方向の中央側に向けて開口する。上片部1055と下片部1056により、回動軸部1100を収容部1054内に案内する通路が形成される。なお、軸保持部1053は、上片部1055に比して下片部1056の前後方向の長さが短い。これにより、ベースフレーム7にセンターフレーム5を組立てるときに、軸保持部1053の下方から回動軸部1100を挿入するための隙間が形成される。
【0189】
上片部1055には、上下方向に貫通する第一の孔1055aが形成されている。下片部1056には、上下方向に貫通する第二の孔1056aが形成されている。
【0190】
例えば、図19~21等に示すように、結合具は、センターフレーム5に設けられ、第2係合部と連携する。具体的には、例えば、結合具は、ロック部材1060である。図示例では、ロック部材1060は、CF縦部材51の取付部材51Fの内側に設けられている。ロック部材1060は、例えば、スティールや合成樹脂材や、その他のいかなる材質であってもよい。
【0191】
ロック部材1060は、軸保持部1053の収容部1054内に収容された回動軸部1100を、その状態で保持する。ロック部材1060は、本体1061と、取付軸1062と、取手部1063と、を有する。取付軸1062は、本体1061を、CF縦部材51の内側に回動可能に軸支する。
【0192】
取付軸1062は、軸保持部1053に隣接するように、CF縦部材51に取付けられる。具体的には、例えば、取付軸1062が、収容部1054の開口に対して前後方向の反対側に位置する(図示例では軸保持部1053の後方に位置する)ように、CF縦部材51の取付部材51Fに取付けられている。本体1061は、取付軸1062を中心に回動する。
【0193】
本体1061には、軸保持部1053の一部を囲う空間Cと、収容部1054の開口を塞ぐロック片1064とが形成される。図示例では、ロック片1064は、取付軸1062の前方に位置する。ロック片1064の先端部1064aは、およそ下方に向かうように形成される。本体1061の回動により、ロック片1064は、その先端部1064aが、上方から下方に向かって、第一の孔1055aを介して第二の孔1056aに挿入されるように形成される。
【0194】
取付軸1062には、弾性体としての巻ばねSが設けられる。巻ばねSは、取付軸1062に取り付けられ、一端S1が本体1061に固定され、他端S2がセンターフレーム5(取付部材51F)に固定される。ロック部材1060は、通常位置にあるときは、巻ばねSの付勢力により、例えば、図19に示すようにロック片1064が、収容部1054の開口を塞ぐ位置に設けられる。なお、本明細書でいう「通常位置」にあるときとは、ロック部材1060の本体1061に力を加えていないときの状態をいう。換言すると、回動軸部1100又は作業者の手指等により、ロック部材1060に圧力がかかっていない状態である。例えば、センターフレーム5単体での状態や、ベースフレーム7とセンターフレーム5とが組み立てられた後の状態である。
【0195】
ロック片1064は、通常位置にて、収容部1054に面する後面1064bと、前後方向の中央側(図示例では前方)に面する前面1064cと、を有する。前面1064cは、通常位置において、上方から下方にかけて収容部1054の方に向かって傾斜する傾斜面を有する。図示例においては、傾斜面は、上方から下方にかけて後方に傾斜している。回動軸部1100が、上片部1055と下片部1056との間の通路を、後方(収容部1054側)に向けて移動されると、回動軸部1100がロック片1064の前面1064cを押圧し、巻ばねSの付勢に抗って、本体1061が取付軸1062を中心に回動する。図示例においては、取付軸1062を中心に本体1061が時計まわりに回動する。そして、回動軸部1100が、本体1061の先端部1064aを乗り越えて、収容部1054内に移動される。このとき、巻ばねSの付勢により、本体1061は通常位置に戻る。
【0196】
なお、ロック片1064は、通常位置においては、第一の孔1055aを通って、先端部1064aが第二の孔1056aに挿入された状態となる。これにより、収容部1054がロック片1064の後面1064bにより閉止される。
【0197】
なお、後面1064bは、通常位置において、収容部1054が閉止されるような構成であればよい。例えば、図22に示すように、取付軸1062の中心と、後面1064b及び回動軸部1100の接点と、を結ぶ線(点線で示す)に対する、後面1064bの角度θは、90度以下であるのが望ましい。より好ましくは、角度θは90度未満であるのが望ましい。例えば、図示例では、後面1064bが、上方から下方にかけて後方へ向かい傾斜するのが望ましい。このような角度θとすることで、振動やベッド1への外力(例えば、センターフレーム5にかかる外力)によって、回動軸部1100が前方に移動し、ロック片1064による収容部1054の閉止が解除されてしまうことを防止することができる。
【0198】
取手部1063は、作業者等が手指などで本体1061を回動させるための部材である。巻ばねSの付勢に抗って可動させるため、取手部1063は、取付軸1062に対し、ロック片1064の前後方向の反対側に設けられるのが望ましい。
【0199】
<フレームの組み立て>
本実施形態に係るベースフレーム7とセンターフレーム5の組み立て作業について説明する。
【0200】
(1)作業者は、例えば図17の矢印に示すように、ベースフレーム7にセンターフレーム5を載せる。このとき、例えば図18に示すように、各第1リンク721の前端部のガイド端1729が、各CF縦部材51のガイド部材152の下方の隙間から挿入し、ガイド部材152の上片に当接する。また、各第2リンク723の後端部の回動軸部1100が、各CF縦部材51の軸保持部1053の下方から挿入し、上片部1055に当接する。
【0201】
(2)続いて、作業者は、ベースフレーム7に対し、センターフレーム5を組立方向(図示例では、後方)にスライドさせる。具体的には、例えば、作業者は、図18に例示する(1)の状態からベースフレーム7に対し、センターフレーム5を後方にスライドさせて、ガイド端1729が、ガイド部材152内を後方へスライドするようにし、回動軸部1100が、軸保持部1053内を後方へスライドするようにする。回動軸部1100が後方にスライドするにより、ロック片1064の前面1064cが回動軸部1100に前方から押圧され、本体1061が取付軸1062を中心に回動し(図示例では時計回りに回動する)、ロック片1064が押し上がり、回動軸部1100が収容部1054内に収容される。そして、巻ばねSの付勢力により、本体1061が通常位置に戻る(図示例では、本体1061が取付軸1062を中心に時計と反対周りに回動して通常位置に戻る)ことで、回動軸部1100が収容部1054内に収容された状態で収容部1054がロック片1064により閉止される。これにより、軸保持部1053の収容部1054に回動軸部1100が係合された状態が、保持される。なお、この後、作業者は、センターフレーム5に、ヘッドフレーム4及びフットフレーム6を取付けてフレームを組み立て、ボトム3を載置する等してベッド1を組み立てる。
【0202】
また、作業者は、ベースフレーム7とセンターフレーム5を分解する際には、作業者は、左右の手に左右のCF縦部材51をそれぞれ持ちながら、親指などで左右の取手部1063を圧し(図示例では時計回りに圧する)、本体1061を通常位置から取付軸1062を中心に回動させて(図示例では時計回りに)、収容部の閉止を解除する。そして、作業者は、ベースフレーム7からセンターフレーム5を組立を解除する方向(図示例では、前方)にスライドさせて、収容部1054内から回動軸部1100を取り出す。そして、ベースフレーム7からセンターフレーム5を持ち上げて取り外す。
【0203】
上述した通り、本実施形態に係るベッド1は、ベースフレーム7とセンターフレーム5の組み立て作業を行うだけで、軸保持部153からの回動軸部1100の離脱を防止することができる。つまり、作業者は、ベースフレーム7とセンターフレーム5の組み立てに際し、各要素を連結した後、別部品となる結合具により各部を固定しなければならないという、非常に面倒な作業工程を省略することができる。従って、作業者は、ベースフレーム7とセンターフレーム5の組み立て作業を簡易に行うことができる。
【0204】
また、従来は別部材であった、ベッドの要素間の組み立てに必要な結合具が、ベッド1の必須となるフレーム要素(この例では、センターフレーム5)に予め設けられているため、ベッド1の組み立て作業時に、結合具等の部品の紛失や取付け間違いを防止することができる。
【0205】
さらに、このベッド1は、結合具が、組み立て作業の作業工程を考えられた位置に配置されている。このため、第1結合具が、作業者の組み立て作業を邪魔しない。
【0206】
また、ベッド1の分解時も、上記と同様に、作業者の作業を簡易に行うことができ、かつ結合具などの部品の紛失を防止できる。
【0207】
さらに、分解状態での保管の際にも、結合具などの部品の紛失を防止できる。
【0208】
<変形例>
以下、図23~25を参照し、第2実施形態の結合具の変形例について説明する。
【0209】
本実施形態では、上述の通り、結合具としてのロック部材1060が、弾性体(図示例は、巻ばねS)の付勢により、通常位置において収容部1054の閉止状態を維持していた。この変形例では、結合具は、ロック部材1060に代えて、ロック部材2060とする。ロック部材2060について、ロック部材1060と同様の構成や機能については説明を省略する場合がある。なお、上述の実施形態と同様の部材については、同様の付番を用いており、基本的には説明を省略する。
【0210】
ロック部材2060は、軸保持部1053の収容部1054内に収容された回動軸部1100を、その状態で保持する。ロック部材2060は、本体2061と、取付軸2062と、取手部2063と、を有する。取付軸2062は、本体2061を、CF縦部材51の内側に回動可能に軸支する。
【0211】
取付軸2062は、軸保持部1053に隣接するように、CF縦部材51に取付けられる。具体的には、例えば、取付軸2062が、収容部1054の開口側に対して前後方向の反対側位置する(図示例では軸保持部1053の後方に位置する)ように、CF縦部材51の取付部材51Fに取付けられている。本体2061は、取付軸2062を中心に回動する。
【0212】
本体2061には、軸保持部1053の一部を囲う空間Cと、収容部1054の開口を塞ぐロック片2064とが形成される。図示例では、ロック片2064は、取付軸2062の前方に位置する。ロック片2064の先端部2064aは、およそ下方に向かうように形成される。本体2061の回動により、ロック片2064は、その先端部2064aが、上方から下方に向かって、第一の孔1055aを介して第二の孔1056aに挿入されるように形成される。
【0213】
本変形例のロック部材2060は、本体2061の自重により、ロック片2064が、収容部1054の開口を塞ぐ位置となる(通常位置)。
【0214】
ロック片2064の前面2064cは、通常位置において、上方から下方にかけて収容部1054の方に向かって傾斜する傾斜面を有する。図示例においては、傾斜面は、上方から下方にかけて後方に傾斜している。回動軸部1100が、上片部1055と下片部1056との間の通路を、後方(収容部1054側)に向けて移動されると、回動軸部1100がロック片2064の前面2064cを押圧し、本体2061が取付軸2062を中心に回動する。図示例においては、取付軸2062を中心に本体2061が時計まわりに回動する。そして、回動軸部1100が、本体2061の先端部2064aを乗り越えて、収容部1054内に移動される。このとき、本体2061は、自重により通常位置に戻る。
【0215】
なお、ロック片2064は、通常位置においては、第一の孔1055aを通って、先端部1064aが第二の孔1056aに挿入された状態となる点は、ロック片2064と同様である。また、取付軸2062の中心と、後面2064b及び回動軸部1100の接点と、を結ぶ線(点線で示す)に対する、後面2064bの角度θについては、図22を用いて上記に説明したのと同様である。
【0216】
なお、本変形例では、本体2061は、その自重にて通常位置を維持するため、取付軸2062に対し通常位置ではロック片2064側に重心をとっている。取手部2063は、取付軸1062のおよそ上方に設けられるのが望ましい。
【0217】
以下に、本発明の他の実施形態(第3実施形態)を、図面を参照しながら説明する。本実施形態の説明においては、上述の実施形態(第1及び第2実施形態)とは、図中の参照符号を別のものとして説明する。このため、図1~25と、図26~35との中で、参照符号は重複しない。
【0218】
図26は、本実施形態に係る電動ベッド1の概略図である。図27は、図26の電動ベッド1の分解図である。図28は、フレーム部10の分解図である。
【0219】
図26および図27に示す一実施形態に係る電動ベッド1は、例えば病院や介護の現場で使用される介護用ベッドである。電動ベッド1は、横臥者の身体を支えるべく、平面視で縦長の略矩形状に形成されている。
【0220】
電動ベッド1は、図示せぬ床上に設置されたフレーム部10と、このフレーム部10の上部に設けられたボトム20と、フレーム部10の前後両端部にそれぞれ立設されたヘッドボード30およびフットボード31と、後述の可動機構を操作するための手元スイッチ2と、を有する。なお、以下の説明において、前後方向とは図26において左上~右下方向、すなわち電動ベッド1の長さ方向を指し、図26において左上が前であり、右下が後ろである。また、左右方向とは図26において左下~右上方向、すなわち電動ベッド1の幅方向であり、図26において左下が左であり、右上が右である。さらに、上下方向とは図26において上~下方向、つまり電動ベッド1の上下方向であり、上が上、下が下である。以下、図中に適宜方向を示す軸を図示する。
【0221】
図27および図28に示すように、フレーム部(ベッドフレーム)10は、複数のサブフレームとしての、ベースフレーム11、ベースフレーム11の上部に設けられたヘッドフレーム12、センターフレーム13、およびフットフレーム14と、図示せぬ床上に配置されベースフレーム11の四隅に取り付けられる4本の固定脚15とを有する。固定脚15は、床上に立ってベースフレーム11を下方から支える。ベースフレーム11、ヘッドフレーム12、センターフレーム13、およびフットフレーム14は、スティール製であり、詳細な構成については後述する。
【0222】
図26および図27に示すように、ボトム20は、図示せぬベッドマットを下方から支え、例えば背ボトム21、腰ボトム22、膝ボトム23および脚ボトム24などの複数のボトム要素を有する。ボトム要素21~24は相互間の角度が可変であり、それにより、ボトム20は屈曲可能である。例えば、腰ボトム22に対して、背ボトム21、膝ボトム23および脚ボトム24の角度が可変可能である。ボトム20は例えばスティール製、又は合成樹脂製である。
【0223】
電動ベッド1は、その搬送時や保管時には、ベースフレーム11、ヘッドフレーム12、センターフレーム13、フットフレーム14、背ボトム21、腰ボトム22、膝ボトム23および脚ボトム24、およびその他の部品(説明を省略する)などの複数の主要部品に分解されている。それらの分離された部品を相互に接続すると、図26に示すような完成された電動ベッド1が組み立てられる。
【0224】
次に、ベースフレーム11、ヘッドフレーム12、センターフレーム13、およびフットフレーム14について説明する。
【0225】
図28に示すように、ベースフレーム11は、床(設置面)に設置される第1基部11Aと、昇降機構(可動機構)としてのXリンク機構11Bと、第1アクチュエータ11Cとを備える。
【0226】
第1基部11Aは、前後方向に延び左右方向に所定の間隔を置いて配置された一対の前後バー(BF縦部材)110と、前後バー110の前部および後部に設けられ、これら前後バー110を連結する一対の左右バー(BF横部材)111とを有する。前後バー110の前後端部それぞれには固定脚15(図27)が図26に示すように取り付けられる。一対の前後バー110の後方内側には、ガイド部材112が設けられる。ガイド部材112は、第1基部11Aに対して、Xリンク機構11Bの連結バー115Aを前後方向に摺動可能に支持する。
【0227】
Xリンク機構11Bは、第1基部11A上に設けられている。Xリンク機構11Bは、主に、一対の第1リンク113および第2リンク114と、複数の連結バー115A、115B、115Cと、を備える。各第1リンク113および各第2リンク114は、それぞれ前後方向に延び、前後方向の略中央部同士が、ピン116により回動自在に連結される。つまり、一対の第1リンク113および第2リンク114が、ピン116を軸中心に、側面視でX字状にそれぞれ連結される。第1リンク113および第2リンク114の組が、それぞれ左右方向に間隔をあけて一対設けられる。
【0228】
各第2リンク114の後端は、左右方向に延びる連結バー115Aに連結されている。連結バー115Aは、ガイド部材112に対し前後方向に摺動可能に支持されている。各第2リンク114の前端は、左右方向に延びる連結バー115Bに連結されている。各第1リンク113の後端は、左右方向に延びる連結バー115Cに連結されている。各第1リンク113の前端は、前側の左右バー111に回転自在に連結されている。
【0229】
後側の左右バー111の後側には、支持バー117が、前後バー110に連結されている。支持バー117の中央部には、Xリンク機構11Bを駆動するための第1アクチュエータ11Cが設けられている。第1アクチュエータ11Cは、第1電動モータ118Aと、第1電動モータ118Aにより前後方向に進退自在にされた第1ロッド118Bとを有する。第1ロッド118Bの先端部は、連結バー115Cを介して第1リンク113の後端部に連結されている。このため、第1アクチュエータ11Cの第1ロッド118Bの前後方向の進退動作により連結バー115Cが上下動される。これにより、Xリンク機構が駆動されて各第1リンク113および各第2リンク114の上端の上下方向の位置が連動して変動される。このようにして、各第1リンク113および各第2リンク114が回動して立ち上がり、ベースフレーム11に対してセンターフレーム13が上昇する。
【0230】
第1電動モータ118Aには、第1モータ電線50が接続されている。第1モータ電線50の詳細については後述する。
【0231】
ヘッドフレーム12は、第2基部12Aと、起倒機構(可動機構)としてのアーム機構12Bと、第2アクチュエータ12Cとを備える。
【0232】
第2基部12Aは、前後方向に延び左右方向に所定の間隔を置いて配置された一対の前後バー120(HF縦部材)と、前後バー120の前部および中央部にそれぞれ設けられ、これら前後バー120を連結する一対の左右バー(HF横部材)121とを有する。
【0233】
アーム機構12Bは、後側に位置する左右バー121の中央部に設けられている。アーム機構12Bは、背上げアーム122と、シャフト123と、一対のローラ124とを備える。背上げアーム122は、前後方向に延び、後側の左右バー121の中央部に回転自在に設けられている。シャフト123は、背上げアーム122の先端に設けられている。各ローラ124は、シャフト123の両端に回転自在に設けられている。
【0234】
第2アクチュエータ12Cは、第2電動モータ125と、第2電動モータ125により前後方向に進退自在にされた第2ロッド126とを有する。背上げアーム122の中央部に、ロッド126の先端部が回動自在に取り付けられている。アクチュエータ12Cのロッド126の前後方向の進退動作により背上げアーム122が回動され起倒される。背上げアームは背ボトム21を下方から支持しているので、第2アクチュエータ12Cにより背ボトム21が起倒自在にされる。
【0235】
各前後バー120の後端には、第1係合部127が設けられている。第1係合部127は、後方に向けて開口するよう凹状に形成されており、各前後バー130の外側面の前突起134Aを収容するように係合する。各前後バー120には、左右方向に貫通する貫通孔120aが形成される。
【0236】
第2電動モータ125には、第2モータ電線51が接続されている。第2モータ電線51の詳細については後述する。
【0237】
センターフレーム13は、第3基部13Aと、制御部13Bとを備える。
【0238】
第3基部13Aは、前後方向に延び左右方向に所定の間隔を置いて配置された一対の前後バー(CF縦部材)130と、前後バー130の後部および中央部に設けられ、これら前後バー130を連結する一対の左右バー(CF横部材)131とを有する。
【0239】
各前後バー130の後部には、その内側に、ガイド部材132が設けられる。ガイド部材132には、第1リンク113の後端の被ガイド部113Aが前後方向に摺動可能に係合される。各前後バー130の前端の内側に、軸保持部133が設けられる。軸保持部133は、下方に向けた開口を有する。軸保持部133は、連結バー115Bの両端部を上側から覆うようにして当該両端部に係合する。
【0240】
各前後バー130は、その外側面に、外側に向けて突出する前突起134Aおよび後突起134Bを有する。前突起134Aは、センターフレーム13にヘッドフレーム12を取り付けるための突起である。後突起134Bは、センターフレーム13にフットフレーム14を取り付けるための突起である。
【0241】
各前後バー130には、左右方向に貫通する前貫通孔135Aおよび後貫通孔135Bがそれぞれ形成される。前貫通孔135Aは、センターフレーム13にヘッドフレーム12を固定するための孔である。後貫通孔135Bは、センターフレーム13にフットフレーム14を固定するための孔である。
【0242】
前側の左右バー131には、その中央部に、左右バー131から後方に延びる脚上げバー137が連結されている。脚上げバー137には、前方に延びる背脚連動リンク136が連結されている。
【0243】
背脚連動リンク136の前端は、背上げアーム122に連結可能に構成されている。背脚連動リンク136の前端が背上げアーム122に係合、連結されることで、背上げアーム122の回動に伴い背脚連動リンク136が前後方向に連動して移動し、この結果、背脚連動リンク136および脚上げバー137が回動する。
【0244】
脚上げバー137の先端部(後端部)にはローラ138が回転自在に固定されている。このローラ138は、膝ボトム23および脚ボトム24の連結部近傍の下面に当接しており、従って、脚上げバー137の回動に伴い、ローラ138が膝ボトム23および脚ボトム24を下方から押し上げることで、膝ボトム23および脚ボトム24を起倒させる。
【0245】
センターフレーム13には、ヘッドフレーム12の後側部が連結される。各前後バー120と各前後バー130とが、側面視で重なりあうようにして、各第1係合部127を各前突起134Aに係合させ、ノブボルト40を貫通孔120aに貫通させ前貫通孔135Aに螺合させる。
【0246】
センターフレーム13は、ベースフレーム11に連結される。センターフレーム13のガイド部材132が、第1リンク113の後端の被ガイド部113Aを前後方向に摺動可能に収容し、各前後バー130の軸保持部133が、連結バー115Bの両端部を上側から覆うように係合することにより、センターフレーム13は、ベースフレーム11に連結される。センターフレーム13が上下動する際には、被ガイド部113Aはガイド部材132内を摺動する。
【0247】
図29は、制御部13Bの説明図であって、(a)はカバー139Bが開いた状態を示し、(b)はカバー139Bが閉じた状態を示す。
【0248】
制御部13Bは、前側の左右バー131に装着されている。制御部13Bは、制御ボックス139と、図示せぬ制御基板とを有する。制御ボックス139は、略直方体形状をなし、本体139Aと、カバー139Bとを有する。本体139Aの一部には開口139cが形成され、本体139Aの内部には、図示せぬ制御基板および図示せぬ複数の差し込み口(コネクタ)が設けられている。本体139Aの開口139cの前端部および左右部には、凹凸部139Dが設けられている。図示せぬ差し込み口には、後述のメインコネクタ52B、53Bが差し込まれ、凹凸部139Dの凹部には、後述のコード52A、53Aが差し込まれる。本体139Aの前端部であって、凹凸部139Dの下側には、当該前端部を貫通する2つの被係合孔139eが形成されている。
【0249】
カバー139Bは、本体139Aの開口139cを覆うように構成され、本体139Aに対し、回動可能に装着されている。カバー139Bの端部には、2つの係合爪139Fが設けられている。カバー139Bを、開口139cを覆うように回動させ、各係合爪139Fを各被係合孔139eに係合させることにより、カバー139Bが開口139cを閉じるように構成されている。なお、カバー139Bが開口139cを閉じた状態において、カバー139Bの前端部および左右部には、切り欠き139gが形成されているので、カバー139Bがコード52A、53Aを挟み込むことはない。カバー139Bおよび凹凸部139Dにより、第1中継電線52および第2中継電線53が制御部13Bから抜けるのが防止される。よって、カバー139Bおよび凹凸部139Dは抜け防止機構として機能する。
【0250】
制御部13Bには、第1中継電線52、第2中継電線53、および手元スイッチ電線54(図28)が接続される。これら電線の構成については後述する。
【0251】
図28に示すように、フットフレーム14は、前後方向に延び左右方向に所定の間隔を置いて配置された一対の前後バー(FF縦部材)140と、前後バー140の略中央部に設けられ、これら前後バー140を連結する左右バー(FF横部材)141とを有する。
【0252】
各前後バー140の前端には、第2係合部142が設けられている。第2係合部142は、前方に向けて開口するよう凹状に形成されており、各前後バー130の外側面の後突起134Bを収容するように係合する。各前後バー140には、左右方向に貫通する貫通孔143が形成される。
【0253】
フットフレーム14の前側部は、センターフレーム13に連結される。各前後バー130と各前後バー140とが、側面視で重なりあうようにして、各第2係合部142を各後突起134Bに係合させ、ノブボルト41を貫通孔143に貫通させ後貫通孔135Bに螺合させる。
【0254】
次に、第1モータ電線50、第2モータ電線51、第1中継電線52、第2中継電線53、および手元スイッチ電線54について、図28~35を参照して説明する。
【0255】
図30は、各電線50、51、52、53の斜視図であって、(a)はモータ電線50、51および中継電線52、53が互いに接続されていない状態を示し、(b)はモータ電線50、51および中継電線52、53が互いに接続された状態を示す。
【0256】
図30に示すように、第1モータ電線50は、コード50Aと、メインコネクタ50Bと、雌中継コネクタ50Cとを備える。コード50Aの一端にメインコネクタ50Bが接続され、コード50Aの他端に中継コネクタ50Cが接続されている。メインコネクタ50Bは、第1電動モータ118Aに接続される。雌中継コネクタ50Cは、後述の雄中継コネクタ52Cに接続される。雌中継コネクタ50Cは、本体部50Dと、カバー部50Eとを有する。本体部50Dは、開口50fを有する直方体形状をなしている。カバー部50Eは、本体部50Dに対し回動可能に設けられ、当該回動により図30(b)に示すようにその一部が開口50fの一部を覆う状態と、図30(a)に示すように開口50fから離間して開口50fを覆わない状態とになる。
【0257】
第1中継電線52は、コード52Aと、メインコネクタ52Bと、雄中継コネクタ52Cとを備える。コード52Aの一端にメインコネクタ52Bが接続され、コード52Aの他端に中継コネクタ52Cが接続されている。メインコネクタ52Bは、制御部13Bに接続される(図29参照)。雄中継コネクタ52Cは、雌中継コネクタ50Cの開口50fに挿入され接続される。雄中継コネクタ52Cと雌中継コネクタ50Cとが接続された状態で、カバー部50Eを回動させて、開口50fおよび雄中継コネクタ52Cのメインコネクタ52B側の端面を、カバー部50Eを構成する端壁により覆う状態にする。これにより、カバー部50Eにより、雄中継コネクタ52Cが雌中継コネクタ50Cから抜けるのが防止される。カバー部50Eは、抜け防止機構として機能する。
【0258】
第2モータ電線51は、第1モータ電線50と同様の構成を有する。すなわち、第2モータ電線51は、コード51Aと、メインコネクタ51Bと、雌中継コネクタ51Cとを備える。メインコネクタ51Bは、第2電動モータ125に接続される。雌中継コネクタ51Cは、後述の雄中継コネクタ53Cに接続される。雌中継コネクタ51Cは、本体部51Dと、カバー部51Eとを有する。本体部51Dは、開口51fを有する直方体形状をなしている。
【0259】
第2中継電線53は、第1中継電線52と同様の構成を有する。すなわち、第2中継電線53は、コード53Aと、メインコネクタ53Bと、雄中継コネクタ53Cとを備える。メインコネクタ53Bは、制御部13Bに接続される(図29参照)。雄中継コネクタ53Cは、雌中継コネクタ51Cの開口51fに挿入され接続される。カバー部51Eにより、雄中継コネクタ53Cが雌中継コネクタ51Cから抜けるのが防止される。カバー部51Eは、抜け防止機構として機能する。
【0260】
図28に示すように、第1モータ電線50は、コード50Aの一部に伸縮自在なカールコード50Gを有する。コード50Aは、その少なくとも一カ所がベースフレーム11に固定されている。本実施形態では、コード50Aは、その少なくとも一カ所が図示せぬコードクリップにより、ベースフレーム11の前後バー110の後部に固定されている。
【0261】
第2モータ電線51のコード51Aは、その少なくとも一カ所がヘッドフレーム12に固定されている。本実施形態では、コード51Aは、その少なくとも一カ所が図示せぬコードクリップにより、ヘッドフレーム12の前後バー120の外面(上面、下面、側面)に固定されている。これにより、コード51Aは、第2電動モータ125から前後バー120へ延び、前後バー120に沿って後側へ延びるように配置される。
【0262】
第1中継電線52のコード52Aは、その少なくとも一カ所がセンターフレーム13に固定されている。本実施形態では、コード52Aは、その少なくとも一カ所が図示せぬコードクリップにより、センターフレーム13の前後バー130の外面(上面、下面、側面)に固定されている。これにより、コード52Aは、制御部13Bから前後バー130へ延び、前後バー130に沿って後側へ延びるように配置される。
【0263】
第2中継電線53のコード53Aは、その少なくとも一カ所がセンターフレーム13に固定されている。本実施形態では、コード53Aは、その少なくとも一カ所が図示せぬコードクリップにより、センターフレーム13の前後バー130の外面(上面、下面、側面)に固定されている。これにより、コード53Aは、制御部13Bから前後バー130へ延び、前後バー130に沿って前側へ延びるように配置される。
【0264】
ベースフレーム11、ヘッドフレーム12、センターフレーム13、およびフットフレーム14を組立てた際には、第1モータ電線50の雌中継コネクタ50Cと、第1中継電線52の雄中継コネクタ52Cとが、互いに接続可能な近傍に位置するように構成され、第2モータ電線51の雌中継コネクタ51Cと、第2中継電線53の雄中継コネクタ53Cとが、互いに接続可能な近傍に位置するように構成されている。
【0265】
第1モータ電線50、第2モータ電線51、第1中継電線52、および第2中継電線53は、それらが互いに接続された状態で、可動機構(Xリンク機構11Bおよびアーム機構12B)動かしても、それらが挟み込まれたり強く引っ張られたりして断線が発生しないようにコードクリップにより各フレームに固定されている。
【0266】
手元スイッチ電線54は、コード54Aと、図示せぬメインコネクタと、図示せぬ2つの中継コネクタと、を備える。コード54Aの一端に図示せぬメインコネクタが接続されている。コード54Aは、図示せぬメインコネクタから延びる一本線と、当該一本線から2本に分岐する分岐線とを有する。図示せぬ2つの中継コネクタは、2本の分岐線の端部に接続されている。分岐線の一方は、その少なくとも一カ所が、制御部13Bに対して幅方向の一方の側のセンターフレーム13の前後バー130に固定されている。分岐線の他方は、その少なくとも一カ所が、制御部13Bに対して幅方向の他方の側のセンターフレーム13の前後バー130に固定されている。手元スイッチ電線54の各中継コネクタには、手元スイッチ2を接続可能である。
【0267】
以上のように、電動ベッド1によれば、第1モータ電線50は、その少なくとも一カ所がベースフレーム11の前後バー110の後部に固定され、第1中継電線52は、その少なくとも一カ所がセンターフレーム13の前後バー130の外面に固定され、ベースフレーム11およびセンターフレーム13を組立てた際に、第1モータ電線50の端部に設けられた雌中継コネクタ50Cと、第1中継電線52の端部に設けられた雄中継コネクタ52Cとが、互いに接続可能な近傍に位置し、雌中継コネクタ50Cと雄中継コネクタ52Cとを接続した状態でXリンク機構11B(可動機構)を動かしても、第1モータ電線50および第1中継電線52は断線が発生しないように配置されている。
【0268】
これにより、電動ベッド1を組立てる際に、電線を可動機構による挟み込み等が生じないように、説明書等を確認しながら、コードクリップによりフレームに固定したり、所定の経路に沿って取り回ししたりする必要がない。すなわち、電動ベッド1は、誤配線を防止し、配線作業を軽減させることができるので、電動ベッド1の組立作業の簡易化が図ることができ、作業者の負担を大幅に減少させることができる。
【0269】
なお、第2モータ電線51および第2中継電線53についても、ヘッドフレーム12およびセンターフレーム13を組立てた際に、第2モータ電線51の端部に設けられた雌中継コネクタ51Cと、第2中継電線53の端部に設けられた雄中継コネクタ53Cとが、互いに接続可能な近傍に位置し、雌中継コネクタ51Cと雄中継コネクタ53Cとを接続した状態でアーム機構12B(可動機構)を動かしても、第2モータ電線51および第2中継電線53に断線が発生しないように構成されている。よって、第2モータ電線51および第2中継電線53においても、第1モータ電線50および第1中継電線52と同様の効果を奏する。
【0270】
第1モータ電線50の一部は、カールコード50Gにより構成されている。よって、第1モータ電線50がたるんで床につくのを防止することができ、Xリンク機構11B(可動機構)の駆動により、第1モータ電線50が引っ張られたりしても、カールコード50Gが延びることにより、第1モータ電線50が断線するのを防止することができる。
【0271】
第1モータ電線50のカバー部50Eは、雄中継コネクタ52Cと雌中継コネクタ50Cとが接続された状態で、回動して雄中継コネクタ52Cの端面を覆うように構成されている。これにより、利用者が誤って電線に引っかかって、雄中継コネクタ52Cが雌中継コネクタ50Cから抜けるのを防止することができる。よって、第1モータ電線50と第1中継電線52との接続が外れて電動ベッド1が動かなくなるのを防止することができる。
【0272】
コード54Aは、図示せぬメインコネクタから延びる一本線と、当該一本線から2本に分岐する分岐線とを有する。分岐線の一方は、その少なくとも一カ所が、制御部13Bに対して幅方向の一方の側のセンターフレーム13の前後バー130に固定されている。分岐線の他方は、その少なくとも一カ所が、制御部13Bに対して幅方向の他方の側のセンターフレーム13の前後バー130に固定されている。
【0273】
これにより、手元スイッチ2を利用者が望む側に配置することができる。分岐線は、センターフレーム13に固定されているので、電動ベッド1の組立後に、分岐線の取り回しを行う必要がない。よって、電動ベッド1の組立作業の簡易化が図ることができ、作業者の負担を減少させることができる。
【0274】
なお、上述の実施形態では、第1電動モータ118Aは、第1電気装置に対応し、第2電動モータ125は、第1電気装置に対応し、制御部13Bは、第2電気装置に対応し、第1モータ電線50および第2モータ電線51は、第1電線に対応し、第1中継電線52および第2中継電線53は、第2電線に対応し、雌中継コネクタ50Cおよび雌中継コネクタ51Cは、第1コネクタに対応し、雄中継コネクタ52Cおよび雄中継コネクタ53Cは、第2コネクタに対応し、フレーム部10はベッドフレームに対応するものとしたがこれに限られない。本発明は、上述した実施例に限定されず、当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。
【0275】
例えば、上述の例では、ベースフレーム(BF)11に、Xリンク機構11Bを駆動するための第1アクチュエータ11Cが設けられ、ヘッドフレーム(HF)12に、背ボトム21を駆動するための第2アクチュエータ12Cが設けられている例を示したが、これに限られない。例えば、フットフレーム(FF)14に、膝ボトム23や脚ボトム24を駆動するためのアクチュエータを有してもよいし、センターフレーム(CF)13にXリンク機構11B等を駆動するアクチュエータを有してもよい。BF11、HF12、CF13、FF14等のいずれのフレームにおいても、電動ベッド1に含まれる種々の部品を駆動するためのアクチュエータを備えることができる。各アクチュエータは、上述の例と同様、電動モータと、電動モータにより進退自在にされたロッドを有し、各電動モータには、モータ電線が接続されてよい。なお、電動ベッド1を構成するフレーム以外の部品も、同様のアクチュエータを有するようにされてもよい。
【0276】
また、例えば、上述の例では、CF13に、制御部13Bと、制御部13Bに接続された中継電線52(53)および手元スイッチ電線54が接続されていたが、これに限られない。制御部、中継電線及び手元スイッチ電線は、CF13以外のフレーム(BF11、HF12、FF14)等にも設けられてよい。また、電動ベッド1に含まれるフレーム以外の種々の部品にもうけられてもよい。
【0277】
また、可動機構として、上述の例では、昇降機構(Xリンク機構)、起倒機構(アーム機構)等を例に説明したが、これに限られず、可動する機構であればいずれのものでもよい。
【0278】
図31は、変形例に係る電線50、51、52、および53の配線経路の説明図である。図31では、手元スイッチ電線54の図示を省略している。
【0279】
第1モータ電線50、第2モータ電線51、第1中継電線52、および第2中継電線53の配線経路は、図31に示すような配線経路であってもよい。すなわち、第1モータ電線50のコード50Aは、その少なくとも一カ所が図示せぬコードクリップにより第1ロッド118Bに固定され、第1ロッド118Bに沿って配置されている。第1中継電線52のコード52Aは、制御部13Bから後側へ延び、後側の左右バー131に固定されている。
【0280】
第2中継電線53は、センターフレーム13に設けられた第1ステー61に沿って配置されている。第1ステー61は、制御部13Bを支持する支持部に固定され、前方に延びる部分と、その端部から斜め上へ延びる部分と、その端部から前方に延びる部分とにより構成されている。第2中継電線53のコード53Aは、制御部13Bから延び、当該第1ステー61に沿ってその前端付近まで延びている。第2モータ電線51は、ヘッドフレーム12に設けられた第2ステー60に沿って配置されている。第2ステー60は、後側の左右バー121に固定され、前方に延びる部分と、その端部から斜め下へ延びる部分と、その端部から前方に向かって第2電動モータ125の近傍へ延びる部分とにより構成されている。第2モータ電線51のコード51Aは、第2電動モータ125から延び、第2ステー60沿ってその後端付近まで延びている。
【0281】
上記の実施形態と同様に、ベースフレーム11、ヘッドフレーム12、センターフレーム13、およびフットフレーム14を組立てた際には、第1モータ電線50の雌中継コネクタ50Cと、第1中継電線52の雄中継コネクタ52Cとが、互いに接続可能な近傍に位置し、第2モータ電線51の雌中継コネクタ51Cと、第2中継電線53の雄中継コネクタ53Cとが、互いに接続可能な近傍に位置するように構成されている。そして雌中継コネクタ50Cと雄中継コネクタ52Cとを接続した状態でXリンク機構11B(可動機構)を動かしても、第1モータ電線50および第1中継電線52に断線が発生しないように構成され、雌中継コネクタ51Cと雄中継コネクタ53Cとを接続した状態でアーム機構12B(可動機構)を動かしても、第2モータ電線51および第2中継電線53に断線が発生しないように構成されている。よって、当該変形例においても、上記実施形態の電動ベッド1と同様の効果を奏することができる。
【0282】
また、ベースフレーム11、ヘッドフレーム12、センターフレーム13、およびフットフレーム14を組立てた際に、第1モータ電線50の雌中継コネクタ50Cと、第1中継電線52の雄中継コネクタ52Cとが、組立と同時に互いに接続されるように構成してもよく、第2モータ電線51の雌中継コネクタ51Cと、第2中継電線53の雄中継コネクタ53Cとが、組立と同時に互いに接続されるように構成してもよい。
【0283】
図32は、変形例に係る第1モータ電線50の斜視図であり、(a)はカバー部50Eを開いた状態を示し、(b)はカバー部50Eを閉じた状態を示している。
【0284】
第1モータ電線50のカバー部50Eは、抜け防止機構として機能したが、カバー部50Eは本体部50Dの内部に水が入るのを防ぐ防水機構として機能してもよい。この場合、図32(a)に示すように、カバー部50Eには、長円孔50gが形成され、当該長円孔50gに本体部50Dに設けられた突起50Hが挿入されている。カバー部50Eを回動させ開口50fを覆う状態にし、カバー部50Eをコード50A側へスライドさせることにより、カバー部50Eに設けた封止部材50Jが開口50fを封止するように構成する(図32(b))。これにより、電動ベッド1を分解して洗浄する際に、本体部50D内に水が入るのを防止することができる。なお、本体部50Dの開口50fに矩形環状のパッキンを装着して、雄中継コネクタ52Cが本体部50Dに挿入された状態で、当該パッキンが雄中継コネクタ52Cに密着して本体部50D内に水が入るのを防止する構成にしてもよい。これにより、雌中継コネクタ50Cと雄中継コネクタ52Cとを接続した状態でも本体部50D内に水が入るのを防止することができる。
【0285】
第1モータ電線50のメインコネクタ50Bが、抜け防止機構および防水機構の両方を有するように構成してもよい。第2モータ電線51のメインコネクタ51Bが、抜け防止機構および/または防水機構を有するように構成してもよい。第1中継電線52のメインコネクタ52Bおよび第2中継電線53のメインコネクタ53Bが防水機構を有するように構成してもよい。
【0286】
第1モータ電線50は、コード50Aの一部に伸縮自在なカールコード50Gを有していたが、例えば、図33に示すように、第2中継電線53のコード53Aがカールコード53Dを有してもよい。同様に、第2モータ電線51および第1中継電線52がカールコードを有してもよい。
【0287】
図34に示すように、第2中継電線53のコード53Aは、カールコード53Dに代えて、コード53Aを自動巻取し収容する巻取部53Eを有していてもよい。これにより、第2中継電線53がたるむのを防止することができ、利用者がコード53Aに引っかかるのを防止することができる。さらに、アーム機構12B(可動機構)の駆動により、第2中継電線53が引っ張られたりしても、巻取部53E内のコード53Aが引張り出されることにより、第2中継電線53が損傷したり断線するのを防止することができる。同様に、第1モータ電線50、第2モータ電線51および第1中継電線52が巻取部を有してもよい。
【0288】
図35に示すように、第2モータ電線51および第2中継電線53を、一本の電線151により構成してもよい。電線151は、コードと、コードの両端に接続された2つのメインコネクタとを備える。一方のメインコネクタは、組立前のセンターフレーム13の制御部13Bに接続しておく。電線151のコードは、その少なくとも一カ所がセンターフレーム13の前後バー130に固定されていてもよい。電線151の残りの部分は束ねられている。そして、ヘッドフレーム12とセンターフレーム13とを組立てた際に、他方のメインコネクタが、第2電動モータ125に接続される。
【0289】
当該構成により、作業者が電線151のメインコネクタを差し込むべき制御部13Bの差し込み口を間違えるのを防止することができる。よって、電動ベッド1の組立作業の簡易化が図ることができ、作業者の負担を減少させることができる。
【0290】
当該変形例において、電線151のコードは、その少なくとも一カ所がセンターフレーム13の前後バー130に固定されていたが、前後バー130に固定されていなくてもよい。電線151の一部は、カールコードにより構成されていてもよいし、電線151には、そのコードを自動巻取し収容する巻取部が設けられていてもよい。
【0291】
第1モータ電線50のコード50Aをベースフレーム11の内部を通すようにしてもよく、第2モータ電線51のコード50Aをヘッドフレーム12の内部を通すようにしてもよく、第1中継電線52のコード50Aをセンターフレーム13の内部を通すようにしてもよく、第2中継電線53のコード50Aをセンターフレーム13の内部を通すようにしてもよい。
【0292】
第1、2モータ電線50、51は雌中継コネクタ50C、51Cを有し、第1、2中継電線52、53は雄中継コネクタ52C、53Cを有していたが、第1、2モータ電線50、51が雄中継コネクタ52C、53Cを有し、第1、2中継電線52、53が雌中継コネクタ50C、51Cを有してもよい。防水機構として第1モータ電線50にカバー部50Eを設けたが、第1中継電線52に防水機構を有するカバー部を設けてもよい。また、制御部13Bの本体139Aの複数の差し込み口(コネクタ)には、電動ベッド1を分解して洗浄する際に、キャップを挿入するようにしてもよい。キャップは、カバー139Bに着脱可能に設けられていてもよいし、別部品として設けられていてもよい。これにより、洗浄時に差し込み口の内部に水が入るのを防止することができる。
【0293】
また、上述の通り、本実施形態と同じく本変形例においても、BF11、HF12、CF13、FF14等のいずれのフレームにも、また他の部品に、電動ベッド1に含まれる種々の部品を駆動するためのアクチュエータを備えることができる。また、制御部、中継電線及び手元スイッチ電線は、BF11、HF12、CF13、FF14等のいずれのフレームにも、また他の部品に、設けられてよい。また、可動機構は、昇降機構、起立機構等に限られず、可動する機構であればよい。
【0294】
以上説明した幾つかの実施形態は、説明のための単なる例示であり、本発明の範囲をそれらの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、上記の実施の形態とは違うさまざまな形態で、実施することができる。また、当然に、上述した幾つかの実施の形態、変形例等で説明した複数の構成のうちの1以上の構成を、1のベッドが備えてもよい。
【符号の説明】
【0295】
(第1及び第2実施形態)
1…ベッド 2…メインフレーム 3…ボトム 4…ヘッドフレーム 5…センターフレーム 6…フットフレーム 7…ベースフレーム 8…ボード 31…背ボトム 31A…ハイバックボトム 31B…ローバックボトム 31C…連結軸 32…腰ボトム 33…膝脚ボトム 33A…上側脚ボトム 33B…下側脚ボトム 33C…連結軸 41…HF縦部材 42…HF係合部 43HF穴 44…固定部材 46…位置合せ部材 47…オプション取付部 48…ピン状部分 49…HF横部材 51…CF縦部材 51F…取付部材 52…ガイド部 53…軸保持部 53a…開口 55…端部 55a…孔 56…CF後突起 57…CF前突起 58CF穴 59…CF横部材 61…FF縦部材 62…FF係合部 69…FF横部材 71…基部 72…Xリンク機構 116… 117…アクチュエータ 122…アクチュエータ 122b…ロッド 123…ブラケット 124…ピン 125…回転バー 126…アーム 127…背上げバー 128…バー 133…背脚連動リンク 134…脚上げバー135…連結部 710…BF縦部材 712…脚部 714…固定脚 716…BF横部材 718…ガイド部材 721…第一リンク 723…第二リンク 725… リンク固定部 727…連結棒 728…連結棒 727H…第1リンク前端 727F…第1リンク後端 728H…第2リンク前端 728F…第2リンク後端 1053…軸保持部 1054…収容部 1055…上片部 1055a…第一の孔 1056…下片部 1056a…第二の孔 1060…ロック部材 1061…本体 1062…取付軸 1063…取手部 1064…ロック片 1064a…先端部 1064b…前面 1064c…後面 1718…ガイド部材 1729…ガイド端 1730…ガイド端 2060…ロック部材 2061…本体 2062…取付軸 2063…取手部 2064…ロック片 2064a…先端部 2064b…前面 2064c…後面
(第3実施形態)
1:電動ベッド、2:手元スイッチ、10フレーム部(ベッドフレーム)、11:ベースフレーム、11B:Xリンク機構、12:ヘッドフレーム、12B:アーム機構、13:センターフレーム、13B:制御部、50:第1モータ電線、51:第2モータ電線、50C、51C:雌中継コネクタ、50E、51E:カバー部、52:第1中継電線、53:第2中継電線、52C、53C:雄中継コネクタ(、50G、53D:カールコード、53E:巻取部、54:手元スイッチ電線、118A:第1電動モータ、125:第2電動モータ、139B:カバー、139D:凹凸部、151:電線
図1
図2
図3
図4
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