(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-19
(45)【発行日】2025-02-28
(54)【発明の名称】清掃シート
(51)【国際特許分類】
A47L 13/16 20060101AFI20250220BHJP
【FI】
A47L13/16 C
(21)【出願番号】P 2020513425
(86)(22)【出願日】2019-04-10
(86)【国際出願番号】 JP2019015604
(87)【国際公開番号】W WO2019198750
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-02-17
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-27
(32)【優先日】2018-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595007552
【氏名又は名称】山田 菊夫
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 菊夫
【合議体】
【審判長】北村 英隆
【審判官】長馬 望
【審判官】米倉 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-24254(JP,A)
【文献】国際公開第2016/108290(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被清掃物を清掃するための清掃シートであって、
基材シートと、
前記基材シートの一方の面に設けられた前記基材シートと異なる部材であって、繊維材料により形成されたシート状繊維を起毛させた状態で形成されている第1刷毛部材と、
前記基材シートの一方の面に設けられた前記基材シートと異なる部材であって、粉砕されたパルプ材料が
積繊され、前記粉砕されたパルプ材料の繊維同士の間に前記被清掃物を捕捉するための空間が形成されている第2刷毛部材と、を備えた清掃シート。
【請求項2】
前記基材シートは、
前記被清掃物を清掃する清掃領域を有しており、
前記第1刷毛部材及び前記第2刷毛部材は前記清掃領域に形成されており、
前記基材シート、前記第1刷毛部材及び前記第2刷毛部材の表面が前記被清掃物を清掃する清掃面を構成している請求項1記載の清掃シート。
【請求項3】
前記第1刷毛部材と前記第2刷毛部材とが前記基材シートの異なる位置に形成されている請求項1又は2記載の清掃シート。
【請求項4】
前記第1刷毛部材と前記第2刷毛部材との間に、前記被清掃物を前記第1刷毛部材又は前記第2刷毛部材のいずれかに誘導する第1誘導路が形成されている請求項1から3のいずれかに記載の清掃シート。
【請求項5】
前記第1刷毛部材が複数形成されている請求項1から4のいずれかに記載の清掃シート。
【請求項6】
前記第2刷毛部材は、複数形成されている前記第1刷毛部材と第1刷毛部材との間に形成されている請求項5記載の清掃シート。
【請求項7】
互いに隣接する前記第1刷毛部材の間に、前記被清掃物を前記第1刷毛部材又は前記第2刷毛部材のいずれかに誘導する第2誘導路が形成されている請求項5又は6記載の清掃シート。
【請求項8】
前記第2刷毛部材は、エアレイド不織布により形成されている請求項1から7のいずれかに記載の清掃シート。
【請求項9】
前記エアレイド不織布が複数積層されて前記第2刷毛部材が形成されている請求項8記載の清掃シート。
【請求項10】
前記第1刷毛部材の全体の面積が前記第2刷毛部材の面積よりも大きく形成されている請求項1から9のいずれかに記載の清掃シート。
【請求項11】
前記第2刷毛部材は清掃面を有しており、
前記清掃面には所定のパターンが形成されている請求項1から10のいずれかに記載の清掃シート。
【請求項12】
前記パターンは、前記清掃シートの拭き取り方向とは異なる方向に沿って形成されている請求項11記載の清掃シート。
【請求項13】
前記第1刷毛部材を構成する繊維の剛性よりも前記第2刷毛部材を構成する繊維の剛性が高い請求項1から1
2のいずれかに記載の清掃シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃するときに用いられる清掃シートに関し、より詳しくは床や机などの清掃に好適に用いられる清掃シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、フローリングや畳などの床面や、テーブルの表面等といった被清掃面に落ちている毛髪や綿埃、塵などのような異物を捕捉することにより、被清掃面を被清掃物としての塵埃がないきれいな状態にするための清掃具が知られている。この清掃具は、一般に使用者が手にする柄の一端に被清掃面を払拭する清掃シートを取り付けるヘッド部を有している。使用者は、このヘッド部に清掃シートを取付固定し、柄を操作しながら被清掃面の拭き取りを行い、該被清掃面上の塵埃を除去する。
【0003】
清掃シートも、被清掃面に落ちている塵埃をより多くかつより効率的に捕捉できるようにするという観点から、種々の改良がなされている。例えば、従来の清掃シートは、清掃時に該シートの周辺部分が被清掃面にある塵埃などのような異物と接触する頻度が高いため、主に異物を捕捉するのは清掃シートの周辺部分であり、中央部分は異物を捕捉する頻度が少なくなりがちであった。そのため、下記に示す特許文献1では、清掃用シートの中央部分に粘弾性の粘着材を設け、被清掃面上の異物のうち、該清掃用シートの周辺部分では捕捉しきれなかった異物を中央部分で捕捉できるようにした清掃用シートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した特許文献1に開示された清掃用シートは、粘弾性の粘着材が設けられているため、被清掃面を清掃するときに滑らせにくく、スムーズに清掃することが難しかった。また、特許文献1に開示された清掃用シートの場合、粘着材で異物を捕捉しやすくはできるものの、その捕捉された異物が粘着材によって強く捕捉されるため、硬い異物や尖った部分がある異物を捕捉した場合、その捕捉した状態のまま清掃用シートを被清掃面上で払拭すべく清掃用シートを移動させると、捕捉した異物が床面を傷つけてしまうおそれがあった。また、特許文献1に開示された清掃用シートでは、清掃時に被清掃面を払拭した際、捕捉できる塵埃の大きさや材質などが限定されがちであり、被清掃面上に存在する各種の塵埃を全て捕捉することが困難であった。
【0006】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたもので、被清掃面に落ちている塵埃の大きさなどにも関係なく、被清掃面を傷つけることなく確実にごみを捕捉することのできる清掃シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、被清掃物を清掃するための清掃シートであって、基材シートと、前記基材シートの一方の面に設けられた前記基材シートと異なる部材であって、繊維材料により形成されたシート状繊維を起毛させた状態で形成されている第1刷毛部材と、前記基材シートの一方の面に設けられた前記基材シートと異なる部材であって、粉砕されたパルプ材料が積繊され、前記粉砕されたパルプ材料の繊維同士の間に前記被清掃物を捕捉するための空間が形成されている第2刷毛部材と、を備えた清掃シートを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、繊維を備えた第1刷毛部が毛髪や綿埃などをかき取りながら捕捉し、粉砕されたパルプが積層された第2刷毛部が綿埃よりも小さな異物をかき取りながら捕捉するので、大きさや材質の異なるあらゆる異物に対応可能な清掃シートを提供することができる。また、硬さのある塵埃などは第2刷毛部において捕捉し、その捕捉した塵埃は第2刷毛部内に潜らせた状態で保持されるので、払拭時にこのような塵埃が被清掃面を傷つけることなく、安心して被清掃面を払拭することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本実施形態の清掃シートの断面図(
図1中のA-A線断面図)である。
【
図4】製造過程の清掃シートの別の例を示す図である。
【
図5】本実施形態の清掃シートの製造ラインを示す概要図である。
【
図6】清掃シートを清掃具に装着した状態の概略構成を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の清掃シートにつき図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の清掃シート1は、乾式でも湿式でも用いることができ、湿式の場合に用いる薬液も限定がない。また、清掃の対象も特に限定されるものではない。なお、本明細書において、清掃シートに対するX方向及びY方向は、
図1、
図3~
図6に示す方向を意味する。即ち、清掃シート1は、清掃具101(
図6参照)に取り付けられた場合には、図中のX方向が清掃を行う際に床面を拭き取る拭き取り方向となる。また、清掃シート1の製造時においては、該清掃シート1を搬送させる際の搬送方向(機械方向)がY方向である。
【0011】
まず、
図6を用いて本発明に係る清掃シートを取り付けた清掃具の概略構成を説明する。この清掃具101は、ヘッド部102、柄103及びヘッド部102に柄103を取付固定する固定具104を備えている。この清掃具101は、ヘッド部102の外周面に清掃シート1を巻きつけ、該清掃シート1の両側縁部5をヘッド部102に形成されているシート取付部(図示せず)に取付固定する。清掃シート1をヘッド部102に取り付けるシート取付部の構造は従来から任意の方法を選択して適用してよい。例えば、ヘッド部102の所定箇所にシート取付部としての溝を予め形成しておき、この溝に清掃シート1の端部をくいこませながら取り付ける構成でもよいし、これ以外の方法でも良い。
【0012】
図6に示すように、清掃シート1は、清掃面1aを有している。この清掃面1aは、ヘッド部102へ該清掃シート1を取り付けたときに床面Fと対峙する面である。なお、
図6に示すように、本実施形態に係る清掃シート1は、基材シート2に後述する第1刷毛部3、第2刷毛部4を備えており、これら第1刷毛部3及び第2刷毛部4が床面Fと対峙する。そのため、本実施形態における清掃面1aは、基材シート2が床面Fと対峙する箇所においては基材シート2の表面(
図6中の下面)、第1刷毛部3が床面Fと対峙する箇所においては第1刷毛部3の表面(
図6中の下面)を指す。また、第2刷毛部4が配置されている箇所においては床面Fと対峙する第2刷毛部4の表面4a及び該第2刷毛部4の側面4bを含む箇所が、清掃面1aを構成するものとする。なお、
図6においては、第1刷毛部3及び第2刷毛部4のみが床面Fに接している態様を用いて説明したが、これに限定されるものではなく基材シート2、第1刷毛部3及び第2刷毛部4を用いて床面Fを清掃するようにしてもよい。また、これ以外の態様であってもよい。
【0013】
次に、
図1及び
図2を用いて清掃シート1の構成を説明する。この清掃シート1は、基材シート2と、清掃面1aに形成された第1刷毛部3及び第2刷毛部4とを備えており、これら第1刷毛部3及び第2刷毛部4はそれぞれ異なる位置に設けられ、かつそれぞれ異なる材料で形成されている。以下においては、清掃シート1を構成する各部の詳細を説明する。なお、通常は
図1及び
図2においても後述する複数の切り込み部8の一部は視認できるが、図面を簡単にするため
図1及び
図2では切り込み部8の図示を省略している。
【0014】
(基材シート2)
基材シート2は、清掃シート1のベースになる部材である。この基材シート2は表面(
図6に示す床面Fと対峙する面)が清掃面1aとなっており、この清掃面1aには、第1刷毛部3が接合等によって設けられる第1接合領域21と、第2刷毛部4が接合等によって設けられる第2接合領域22とからなる。なお、これら第1接合領域21及び第2接合領域22をまとめて清掃領域23と呼ぶこともある。この清掃領域23は、清掃時に床面Fに存在する塵埃などのような被清掃物を捕捉し、保持する領域である。また、この清掃領域23よりもX方向に向けた外側には、両側縁部5が形成されている。両側縁部5は、上記した清掃具101のヘッド部102に取り付けたときに、該ヘッド部102の底部102aよりも上方に位置し、かつヘッド部102に取り付け固定されるようになっている。即ち、清掃シート1は、基材シート2において、清掃領域23と、両側縁部5が形成されている領域を有しており、清掃領域23のX方向両端側に両側縁部5が形成されている。
【0015】
この基材シート2は、紙、合成繊維、不織布等のシートなどを用いることができるが、本実施形態では不織布を用いるものとする。不織布としては、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、エアスルー不織布などの各種不織布を用いることができる。不織布を構成する繊維としては、天然繊維、合成繊維、複合繊維のいずれでもよい。基材シート2の寸法は、一例を挙げるとX方向が200mmから300mm程度であり、Y方向が250mmから350mm程度であるが、これに限定されるものではない。また、不織布の目付量は、8g/m2から60g/m2程度であることが好ましい。基材シート2は、1枚で構成する場合に限らず、2枚以上を重ね合わせて構成してもよい。複数枚のシートを重ね合わせて基材シート2を形成する場合、同一種類のシートを重ね合わせても良いし、異なる種類のシートを重ね合わせてもよい。また、重ね合わせるシートの材質や色、厚さなどは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。さらに、上記した以外の点が同一でも異なっていてもよい。
【0016】
(第1刷毛部3)
図3は、製造過程の清掃シート1を示す図であり、第2刷毛部4が接合される前の状態を示している。
図3中、X方向中央部の点線で囲まれた箇所が第2刷毛部4の接合される箇所を示しており、この点線で囲まれた領域が第2接合領域22である。
図3に示すように、第1刷毛部3は、第2刷毛部4を挟んだ複数箇所に形成されている。また、この第1刷毛部3は、シート状繊維6、接合部7、切り込み部8を有している。この第1刷毛部3は、接合部7において、基材シート2と、該基材シート2の表面側に設置されたシート状繊維6が接合されており、さらに接合後には互いに隣接する接合部7と接合部7との間における所定位置で切断されるようになっている。つまり、第1刷毛部3は、接合部7において基材シート2とシート状繊維6とが接合されるとともに、その接合されたシート状繊維6を所定位置にて切断することによって形成されている。また、
図3に示すように、この第1刷毛部3は、基材シート2における複数の第2接合領域22において、複数箇所に形成されている。言い換えると、第2接合領域22においては、複数の第1刷毛部3が一つの群をなすように形成されている。
【0017】
以下においては、
図3に示すX方向は同じ位置でY方向の位置が順次異なるように一列に形成されている複数の第1刷毛部3をまとめて第1刷毛部群と言う。本実施形態では、第1の第1刷毛部群3a、第2の第1刷毛部群3b、第3の第1刷毛部群3c及び第4の第1刷毛部群3dが形成されている。これらは、基材シート2においてX方向に沿う方向に所定間隔を開けて順次配置されており、第2の第1刷毛部群3bと第3の第1刷毛部群3cとの間に第2刷毛部4が配置されている。これら第1の第1刷毛部群3a、第2の第1刷毛部群3b、第3の第1刷毛部群3c及び第4の第1刷毛部群3dのそれぞれは、第1刷毛部3がY方向と沿う方向に向けて列状をなすように形成されている。なお、第2刷毛部4は、第2の第1刷毛部群3bと第3の第1刷毛部群3cとの間に配置されることのみに限定されるものではなく、他の箇所、例えば第1の第1刷毛部群3aと第2の第1刷毛部群3bとの間や、第3の第1刷毛部群3cと第4の第1刷毛部群3dとの間に第2刷毛部4を配置してもよい。また、第2刷毛部4を配置するのも一か所に限定されず、複数箇所に配置しても良い。例えば、第1の第1刷毛部群3aと第2の第1刷毛部群3bとの間、第2の第1刷毛部群3bと第3の第1刷毛部群3cとの間、第3の第1刷毛部群3cと第4の第1刷毛部群3dとの間の3か所すべてに第2刷毛部4を配置してもよいし、これら3箇所のうちの2か所に第2刷毛部4を配置してもよい。また、第2刷毛部4は、上記した第1から第4の第1刷毛部群3a,3b,3c,3dの間だけではなく、例えば第1の第1刷毛部群3aを構成する第1刷毛部3と第1刷毛部3との間に第2刷毛部4を配置してもよい。この場合、第2刷毛部4は複数箇所に設けてもよい。
【0018】
図3に示すように、第1の第1刷毛部群3aを構成する各第1刷毛部3のY方向における形成位置と、第2の第1刷毛部群3bを構成する各第1刷毛部3のY方向における形成位置とは、互いにY方向にずれた位置関係となっている。同様に、第3の第1刷毛部群3cを構成する各第1刷毛部3のY方向における形成位置と、第4の第1刷毛部群3dを構成する各第1刷毛部3のY方向における形成位置とは、互いにY方向にずれた位置関係となっている。本実施形態に係る清掃シート1では、第1の第1刷毛部群3aを構成する第1刷毛部3と第1刷毛部3との間に、第2の第1刷毛部群3bを構成する第1刷毛部3が位置するように配置されている。同様に、第3の第1刷毛部群3cを構成する第1刷毛部3と第1刷毛部3との間に、第4の第1刷毛部群3dを構成する第1刷毛部3が位置するように配置されている。言い換えると、第1の第1刷毛部群3aを構成する第1刷毛部3のY方向における形成位置と、第2の第1刷毛部群3bを構成する第1刷毛部3のY方向における形成位置、及び第3の第1刷毛部群3cを構成する第1刷毛部3のY方向における形成位置と、第4の第1刷毛部群3dを構成する第1刷毛部3のY方向における形成位置は、千鳥状となっている。
【0019】
それぞれの第1刷毛部3をこのように千鳥状に形成することで、払拭時に清掃シート1をX方向に進行した場合、床面Fにある被清掃物が第1刷毛部3に捕捉されやすくすることができる。なお、この第1刷毛部3の配置は千鳥状に限定されるものではなく、従来から知られている任意の配置を適用しても良い。また、本実施形態では、Y方向にのみ千鳥状となるように各第1刷毛部群3a,3b,3c,3dの第1刷毛部3を配置した例を用いて説明したが、X方向及びY方向において千鳥状となるように各第1刷毛部群3a,3b,3c,3dの第1刷毛部3を配置してもよい。
【0020】
なお、上記した第1の第1刷毛部群3a、第2の第1刷毛部群3b、第3の第1刷毛部群3c及び第4の第1刷毛部群3dを構成する複数の接合部7のことを接合部群と言う。つまり、本実施形態においては、
図3に示すように、4つの接合部群として、第1接合部群7a、第2接合部群7b、第3接合部群7c及び第4接合部群7dが形成されている。なお、これら第1接合部群7a、第2接合部群7b、第3接合部群7c、第4接合部群7dの数は任意に設定してよいし、一つの接合部群を構成する複数の接合部の数も任意に設定してよい。
【0021】
なお、この第1刷毛部3の配置の仕方は従来から知られている態様を任意に選択して用いてよい。また、上記したシート状繊維6を切断する所定位置は任意に選択してよく、例えば互いに隣接する接合部7と接合部7との中間地点を切断する位置としてもよいし、互いに隣接する接合部7と接合部7との中間地点よりも、どちらかの接合部7に近接した位置を切断する位置としてもよい。上記した中間地点を切断した場合には、互いに隣接する接合部7から延びる繊維の長さが同じになるので、捕捉できる被清掃物に応じた繊維の長さに調整しつつ、安定的に被清掃物を捕捉することができるようになる。また、上記した中間地点よりもどちらかの接合部7に近接した位置で切断した場合には、互いに隣接する接合部7から延びる繊維の長さを変えることができる。このように繊維の長さを変えることで、幅広い種類の被清掃物を捕捉することができる。例えば、長さが短い繊維により捕捉しやすい被清掃物と長さが長い繊維により捕捉しやすい被清掃物とがそれぞれ存在するところ、このように繊維の長さを変えれば、捕捉しやすい被清掃物の幅を自由に調整することができる。
【0022】
また、これら接合部7及び接合部7の間には、払拭時など清掃シート1が例えばX方向などに動いているときに、床面F上にある被清掃物を第1刷毛部3又は第2刷毛部4のいずれかに誘導する第1誘導路S1及び第2誘導路S2が形成されている。第1誘導路S1は、第1刷毛部3と第2刷毛部4との間に形成されており、第1刷毛部3又は第2刷毛部4において被清掃物を捕捉しやすくするためのものである。第2誘導路S2は、互いに隣接する接合部7と接合部7との間に形成されており、第1刷毛部3の接合部7又は第2刷毛部4の側面4bにおいて被清掃物を捕捉しやすくするためのものである。これら第1誘導路S1及び第2誘導路S2を形成することによって、第1刷毛部3において捕捉しきれない被清掃物を第2刷毛部4において捕捉しやすくすることができる。
【0023】
(シート状繊維6)
シート状繊維6は、本実施形態では綿、毛等の天然繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリル等の合成繊維、芯鞘型繊維、海島型繊維、サイドバイサイド型繊維等の複合繊維等が用いられる。第1刷毛部3に用いられるシート状繊維6を構成する繊維は、基材シート2との熱融着性を有する熱可塑性の繊維が好ましく、中でも芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレンからなる芯鞘型複合繊維が、鞘を構成するポリエチレンの優れた熱融着性と、芯を構成するポリプロピレンの腰の強さとを併せ持つため、より好ましい。繊維としては、0.01mmから0.3mm径程度の太さのものが使用され、繊維の材質、太さ、色等が同一のもののみで構成されていても、これらの異なる2以上の繊維で構成されていても良い。なお、
図3には、2枚のシート状繊維6が図示されているが、3枚以上でもよく、第2刷毛部4を基材シート2の端部側に設けた場合などは、シート状繊維6は1枚でもよい。このように、シート状繊維6は第2刷毛部4および両側縁部5を除いた部分に形成される。なお、前述したように、シート状繊維6は、基材シート2におけるX方向の寸法が200mmから300mm程度、Y方向の寸法が250mmから350mm程度である場合には、3gから8g程度用いられる。
【0024】
(接合部7)
接合部7は、シート状繊維6を基材シート2に部分的に複数箇所で接合するものである。この接合部7は、超音波接合、接着、熱融着、縫着などの各種方法を単独で用いたり、又は複数の方法を組み合わせて用いたりすることができる。本実施形態では、超音波接合によりシート状繊維6が基材シート2に接合されている例を用いて説明する。本実施形態において、接合部7は、上記した接合部群として、第2刷毛部4を挟んでそれぞれX方向に2列ずつ、Y方向に沿って形成された複数の接合部7(第1接合部群7a、第2接合部群7b、第3接合部群7c、第4接合部群7d)が形成されている。また、第1接合部群7aと第2接合部群7b、及び第3接合部群7cと第4接合部群7dのX方向に隣り合う列に含まれる接合部7は、Y方向にずれた配置となっている。なお、接合部7の列数や数、それぞれの接合部7同士の間隔などは任意に設定してよい。また、この接合部7は、基材シート2及びシート状繊維6のどちらに形成されていてもよい。本明細書では、必要に応じて基材シート2及びシート状繊維6のいずれかに接合部7を設けた例を用いて説明しているが、接合する場所は上記した記載に限定されることはない。
【0025】
(切り込み部8)
切り込み部8は、シート状繊維6のX方向に切り込みを形成している。この切り込みは、後述するようにシート状繊維6を圧縮された気体により起毛するための前処理として形成している。
図3では、シート状繊維6の一端から接合部7までに切り込み部8を設けているが、これに限定されるものではない。例えば
図4に示すように、接合部7を避けてシート状繊維6の一端から他端に向けて切り込み部8を設けてもよい。また、接合部7の形成位置をX方向にずらして、接合部7の両側に切り込み部8を設けてもよい。切り込み部8の数及び切り込み深さは適宜設定すればよく、例えば、切り込み部8の深さは、基材シート2にまで達する深さであってもよい。
【0026】
第1刷毛部3を基材シート2とのヒートシール性を有する繊維により構成する場合、第1刷毛部3は、基材シート2に、長繊維からなるシート状繊維6を重ね合わせる。このように、基材シート2上に重ね合わせたシート状繊維6は、繊維方向が
図3中のY方向に沿うように配置されており、間欠的にヒートシールして、該シート状繊維6と基材シート2とを接合している。このとき、
図3に示すように、第1接合部群7aと第2接合部群7bは、Y方向における位置が異なるように形成される。すなわち、Y方向の位置のみで見ると、第1接合部群7aを構成する列のそれぞれの接合部7と接合部7との間に、第2接合部群7bを構成するそれぞれの接合部7が位置するに配置される。
【0027】
また、
図3等において図示はしていないが、シート状繊維6を接合する際は、シート状繊維6の繊維方向とは異なる方向にヒートシール等を行って、繊維同士を接合すればよい。この繊維同士の接合方法は従来から公知の方法を任意に選択して用いることができる。また、このようなシート状繊維6の繊維同士を接合する位置についても、従来から公知のものを適宜利用してもよい。
【0028】
また、基材シート2には、それぞれの接合部7から切り込み部8がX方向に形成されている。この切り込み部8は、互いに隣り合う接合部群を構成する接合部7がある方向に向けて形成されている。例えば、
図3に示すように、第1接合部群7aに含まれる接合部7からは、第2接合部群7bに含まれる接合部7が形成されている側に向けて、X方向(
図3においては右側)に切り込み部8が形成されている。このとき、第1接合部群7aに含まれる接合部7から延びる切り込み部8は、第2接合部群7bに含まれる接合部7と接合部7との間に切り込みが入るように形成されている。逆に、第2接合部群7bに含まれる接合部7からは、第1接合部群7aに含まれる接合部7が形成されている側に向けて、X方向(
図3においては左側)に切り込み部8が形成されている。この切り込み部8も、先に説明した切り込み部8と同様に、第1接合部群7aに含まれる接合部7と接合部7との間に切り込みが入るように形成されている。なお、第3接合部群7cと第4接合部群7dとに含まれる接合部7から形成される切り込み部8についても、上記と同様である。
【0029】
第1刷毛部3は、シート状繊維6と基材シート2とを接合した後、上記した箇所において接合部7の幅と同等か、又は接合部7の幅よりも大きい幅の切り込みを設けることにより、シート状繊維6の繊維を切断して形成することができる。
【0030】
なお、第1刷毛部3を構成する繊維が基材シート2とのヒートシール性を有さない場合、接合部7をヒートシールによって設ける代わりに接着剤を用いて形成すればよいが、第1刷毛部3を構成する繊維が基材シート2とのヒートシール性を有する場合であっても、接合部7は接着剤を用いて形成することができる。この場合、例えばシート状繊維6における繊維はヒートシールにより間欠的に接合し、シート状繊維6と基材シート2とは接着により接合しても良い。また、繊維が基材シート2とのヒートシール性を有する場合には、シート状繊維6の繊維は接着によって間欠的に接合し、シート状繊維6と基材シート2とはヒートシールによって接合してもよいが、シート状繊維6の繊維はヒートシールにより接合し、シート状繊維6と基材シート2とは接着によって接合することが好ましい。
【0031】
接合部7は、ヒートシールと接着とを併用して形成する場合に限らず、同じ方法で形成する場合でも、シート状繊維6における繊維の接合と、シート状繊維6と基材シート2との接合とを別々に行うことができる。ただし、この場合、シート状繊維6を間欠的に接合する位置と、シート状繊維6と基材シート2とを間欠的に接合する位置とが一致するように接合する必要がある。第1接合部群7a、第2接合部群7b、第3接合部群7c、第4接合部群7dそれぞれに含まれる接合部7と接合部7との間隔は、同じであっても良いし、異なっていてもよい。また、接合部7同士の間隔としては、互いに隣接する第1接合部群7aに含まれる接合部7と、第2接合部群7bに含まれる接合部7との間隔も、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0032】
(第2刷毛部4)
図1、
図2に戻って、第2刷毛部4は、本実施形態において、基材シート2の中央部であって、2つの第1刷毛部3に挟まれるように設けられている。第2刷毛部4は、パルプを粉砕して積層して形成したエアレイド不織布からなるエアレイドシートを用いている。エアレイドシートは、粉砕パルプにバインダーを添加することによりシート状に形成するものであり、CMC(カルボキシメチルセルロース)、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)などの水溶性バインダーを用いることができる。また、水溶性バインダーではなく、熱接着性(熱融着性)を有したプラスチック材料(例えばアクリルなど)や複合繊維(例えばES繊維など)などの固体のバインダーを用いてもよく、固体のバインダーと水溶性バインダーとを併用してもよい。
【0033】
エアレイドシートの目付量は、50g/m2から200g/m2程度が好ましく、75g/m2から150g/m2程度がより好ましい。これは、目付量が上記した下限値より小さいとエアレイドシートの剛性が小さく、また吸水性が少ないため、清掃シート1のかきとり性能や吸水性能が十分ではなくなってしまうからである。一方、目付量が上記した上限値より大きいと、清掃シート1の製造コストが増加して、寸法(厚さ)が大きくなり過ぎてしまうからである。
【0034】
なお、水溶性バインダーの添加量は、エアレイドシートに対して2.0重量%から15重量%であることが好ましく、固体のバインダーの添加量は、エアレイドシートの目付量の3重量%から15重量%が好ましい。なお、エアレイドシートの剛性を高めるためには、該エアレイドシートに対するバインダーの添加量を増やせばよい。
【0035】
上記した通り、第2刷毛部4にエアレイドシートを用いる場合、天然由来の繊維素材を含む非水解性を有することが好ましい。このエアレイドシートはエアレイド製法により形成されている。ここで、「エアレイド製法」とは、粉砕パルプ又は粉砕パルプを主原料とする多数の繊維を下方に向かって流れる空気流に沿って積繊させた積繊体にエンボス等の種々の加工を行って製造する方法を言う。
【0036】
第2刷毛部4にエアレイドシートを用いる場合、天然由来の繊維素材のものを材料として用いることが好ましい。具体的には、原紙シートには、パルプ紙又はパルプを主原料とする材料、すなわち、セルロース系の成分を含有する材料から形成されることが好ましい。さらにはパルプの配合が30%以上であることが好ましく、パルプの配合が50%以上であることがより好ましい。さらに加えて、パルプの配合は80%以上になるとさらに好ましい。パルプの配合をこのようにすることで、エアレイドシートの全体的な柔軟性を向上させたり、製造コスト及び生産効率をより向上させることが可能になる。
【0037】
粉砕パルプとは、紙材料等の原料になる原料パルプを粉砕機等によって細かく粉砕して綿状にしたものをいう。粉砕パルプの材料としては種々の原料パルプを用いてよい。ここで、粉砕パルプは、パルプ材料を粉砕して綿状に形成したものである。そのため、綿状の粉砕パルプを順次積繊した場合、それぞれの繊維同士の間に空間を形成しやすくなる。この空間は、繊維と繊維との間に多数形成されている。この空間が形成される分だけ、原紙シートをより嵩高にすることができ、かつ後述するバインダーや架橋剤の浸透性を向上させることもできる。また、このように綿状の粉砕パルプからエアレイド製法で原紙シートを形成することにより、積繊された繊維同士の間に空間を形成して各繊維が動く自由度を大きくすることができる。これにより、原紙シートの柔軟性を向上させることができ、かつ生産効率を向上させることもできる。
【0038】
第2刷毛部4に用いるエアレイドシートの材料としてパルプを用いる場合、その用いられるパルプとしては種々の原料パルプを用いることができる。原料パルプとしては、例えば、木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプ、トイレットペーパー材料等が挙げられる。また、木材パルプとしては、例えば、赤松、エゾ松、トド松、ダグラスファー、ヘムロック、スプルースなどの針葉樹から得られる針葉樹晒クラフトパルプと、ブナ、ナラ、カバ、ユーカリ、オーク、アルダーなどの広葉樹から得られる広葉樹晒クラフトパルプとを所定の割合で配合してなるパルプを用いることもできる。ただし、針葉樹晒クラフトパルプからなる原料パルプを用いることが製造上の観点からは好ましい。また、原紙シートに用いる材料として天然繊維を用いる場合は、例えば、ケナフ、竹繊維、藁、綿、繭糸、サトウキビ等を用いることが好ましい。なお、上記したのは例示であって、上記したこれらの例に限定されるものではない。なお、本実施形態に係る繊維シートにおいては、粉砕パルプ又は粉砕パルプを主原料とする材料を用いることが好ましい。
【0039】
(バインダー)
バインダーは、原紙シートを構成する天然由来の繊維素材を結着するためのものである。このバインダーとしては、天然分解性のものであって、所定の接着力を有しており、かつ上記した素材を所定の強度で接合できるものであればよい。このようなバインダーとしては、例えば多糖誘導体、天然多糖類、合成高分子等、又はタンパク質、アルギン酸、キトサン等が挙げられる。多糖誘導体としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチル化デンプン又はその塩、デンプン、メチルセルロース、エチルセルロース等が挙げられる。また、天然多糖類としては、グアーガム、トラントガム、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、アラビアゴム、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。さらに、合成高分子としては、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリビニルアルコール誘導体、不飽和カルボン酸の重合体又は共重合体、その塩等が挙げられ、不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。これらのうち、特にカルボキシメチルセルロース(CMC)及びポリビニルアルコール(PVA)が望ましい。これらのバインダーは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合したりして併用してもよい。本実施形態に係る繊維シートとして用いるバインダーとしては、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリ乳酸、エステル化デンプン等のデンプン系樹脂、酢酸セルロース、ポリエチレンサクシネート、ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸、キトサン/セルロース/デンプン、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(カプロラクトン/ブチレンサクシネート)、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(エチレンテレフタレート/サクシネート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリ(テトラメチレンアジペート/テレフタレート)等の生分解性樹脂や生分解性樹脂混合物;生分解性バイオマス樹脂等の天然分解性のものが好ましい。
【0040】
なお、CMCにはアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の種類がある。これらのCMCのうち、アンモニウムCMCは熱を加えると架橋をする、いわゆる自己架橋する性質を有する。そのため、バインダーとしてアンモニウムCMCを用いる場合には、他の種類のCMCをバインダーとして使用する場合と比較して、架橋剤の含浸量を少なくするか、又は架橋剤を含浸させなくてもよい。また、PVAの中にも、架橋剤が必要なものと架橋剤が不要なものとが存在するので、バインダーとして架橋剤が不要なPVAを使用する場合には、架橋剤を含浸させなくてもよい。
【0041】
(架橋剤)
架橋剤は、バインダーと架橋反応を起こしてバインダーを架橋構造とする薬剤である。本実施形態に係る架橋剤としては天然分解性を有するものであることが好ましい。例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のようなカルボキシ基を有するバインダーを用いる場合には、価数が2価以上の多価金属イオンを用いることが望ましい。この多価金属イオンとしては、例えばマグネシウム、カルシウム、チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、銀、スズ等の金属イオンが挙げられる。また、多価金属イオンを供給する化合物としては、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、カオリン、ステアリン酸アルミニウム、水酸化アルミニウムマグネシウム、水酸化アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムカリウム(別名:ミョウバン)メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルミニウムグリシネート、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム硫酸第一鉄、塩化第一鉄、硫酸亜鉛、塩化第二銅、塩化スズ、硝酸銀等の一種単独又は二種以上の任意に組み合わせて使用してよい。本実施形態に係る繊維シートにおいては、特にミョウバン及び硫酸銅を用いることが好ましい。ミョウバンとしては、ナトリウムアルミニウムミョウバン、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン、ナトリウムクロムミョウバン、カリウムクロムミョウバン、アンモニウムクロム、ナトリウム鉄ミョウバン、カリウム鉄ミョウバン、アンモニウム鉄ミョウバンなどがある。本実施形態のミョウバンとしては無色なものが好ましいので、ナトリウムアルミニウムミョウバン、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバンを用いることが好ましい。例えば、ミョウバンとして例えばアンモニウムミョウバンを用いる際には、アンモニウムミョウバン溶液の濃度は1%~20%程度が好ましく、結晶化しないように、アンモニウムミョウバン溶液の温度は、10℃から60℃を保つようにすることが好ましい。
【0042】
第2刷毛部4に用いるエアレイドシートは、バインダー及び架橋剤が含浸された状態で加熱処理が行われている。このように加熱処理を行うことによって、エアレイドシートを構成する素材を結着しているバインダーやバインダー同士を架橋するための架橋剤の架橋反応を促進させることができ、繊維同士の結着をより増加させることができ、また、結着強度を大きく向上させることができる。また、この加熱はあらかじめ定められた大きさを有するチャンバーの中において熱風を循環させる通気加熱の構成にすることが好ましい。また、エアレイドシートには、加熱処理を行った状態のものに対して柔軟剤を含浸させることが好ましい。
【0043】
また、第2刷毛部4に用いるエアレイドシートは、加熱処理が行われた状態、又は柔軟剤を含浸させた状態のものを洗浄すると、柔らかさをより得ることができる点で好ましい。第2刷毛部4に用いるエアレイドシートを洗浄するにあたっては、水等の液体を使って洗浄することが好ましい。このようにすることで、柔らかさと強度を併せ持つエアレイドシートを得ることができる。そして、このように形成されたエアレイドシートを用いた第2刷毛部4は、柔らかさを有しているので大きさが大きかったり、硬さがあるなど、第1刷毛部3では捕捉できなかった被清掃物をエアレイドシートで包み込むようにして捕捉することができる。そのため、第1刷毛部3では捕捉できなかった被清掃物を確実に捕捉することができ、床面など被清掃面の清掃をより効率よく行うことが可能になる。第2刷毛部4が表面4a及び側面4bを有しているので、表面4aにおいて床面Fの払拭清掃をすることができ、さらに側面4bにおいて被清掃物を捕捉することができる。そのため、効率よく清掃を行うことが可能になる。
【0044】
また、第2刷毛部4は、粉砕されたパルプとパルプとの間に、異物としての被清掃物を捕集する空間Zが形成されている。これにより、捕捉した被清掃物を空間Zの内部に取り込むことができるので、床面Fを傷つけやすい被清掃物を捕捉したとしても、床面Fを傷つけることなく清掃を継続することができ、安心して清掃することが可能になる。
【0045】
第2刷毛部4には、パターン9が形成されている。このパターン9は後述する一対のエンボスロール18により規制され、本実施形態では拭き取り方向(X方向)と交差するY方向に沿って形成されているが、これに限定されるものではなく、X方向に沿って形成してもよく、X方向およびY方向にパターン9を形成してもよく、X方向から例えば45°傾けてパターンを形成してもよい。パターン9の形状も直線に限定されるものではなく、波目状の曲線であってもよい。
【0046】
本実施形態では、異物の捕集性を向上するために、パターン9はX方向の幅が1mmから6mm程度であり、Y方向の長さが5mmから50mm程度であり、深さが0.3mmから3mm程度の直線パターンとしているが、これに限定されないのは上記した通りである。このように、パターン9を第2刷毛部4の表面4aに形成することで、被清掃物を捕集しやすくすることができるのみならず、第2刷毛部4内の空間Zにも捕集した被清掃物を捕捉させやすくなる。そのため、より塵埃等の被清掃物を捕捉しやすくすることができ、清掃能力をより向上させることができる。
【0047】
なお上述の説明からも明らかなように、第2刷毛部4の剛性は、第1刷毛部3の剛性よりも高くなっているので、異物のかき取り性能に優れている。また、第2刷毛部4は、粉砕パルプを積層したエアレイドシートであるので、粉砕パルプ間に形成された空間によりパン屑、菓子屑のような綿埃よりも小さな異物を捕集することができる。さらに、パターン9でも小さな異物を捕集することが可能である。
【0048】
(両側縁部5)
両側縁部5は、清掃具101への取付け部となっており、拭き取り方向であるX方向と交差するY方向の両端部にそれぞれ設けられている。基材シート2のX方向の寸法を220mmとすると、両側縁部5のそれぞれのX方向の幅が45mm程度である。このため、2つの第1刷毛部3と第2刷毛部4とを合わせたX方向の幅が130mm程度である。また、1つの第1刷毛部3のX方向の寸法が40mmから50mm程度であり、第2刷毛部4のX方向の寸法が30mmから50mm程度である。
【0049】
第1刷毛部3と第2刷毛部4とを基材シート2の面積で比較すると、2つの第1刷毛部3が基材シート2の面積の35%から45%、第2刷毛部4が基材シート2の面積の13%から23%、2つの両側縁部5が基材シート2の面積の35%から45%である。第1刷毛部3、第2刷毛部4および両側縁部5の面積の割合を上述のようにすることにより、バランスのよい清掃シート1を実現することができる。1つの第1刷毛部3と第2刷毛部4との面積を同じとし、2つの第1刷毛部3と2つの両側縁部5との面積を同じとしてもよい。
【0050】
本実施形態の清掃シート1によれば、第1刷毛部3により毛髪、綿埃、油分を捕集し、第2刷毛部4が例えば床面に付着した異物をかき取り、パン屑、菓子屑などの食品の小さな異物を捕集し、液体を吸収するので、多くの異物を捕集・吸水する清掃シート1を実現することができる。また、清掃シート1を湿式とした場合には、第2刷毛部4のエアレイドシートが多くの薬液を吸収するので、清掃できる床面積を拡大することができる。
【0051】
図5は、清掃シート1の製造ライン100を示す概要図であり、上述のように形成された本実施形態の清掃シート1の製造方法につき以下説明を続ける。なお、
図5の製造ライン100のレイアウトは一例に過ぎず、各種装置の配置は工場のスペース都合などにより適宜変更することができる。
【0052】
(基材シート2と、シート状繊維6との接合)
第1ロール10に巻かれた基材シート2は、機械方向(搬送方向)であるY方向に搬送される。第2ロール11に巻かれたシート状繊維6は、基材シート2に向けて搬送される。なお、
図5では、第2ロール11を1つしか図示していないが、紙面直交方向にもう一つの第2ロール11があり、シート状繊維6が合わせて2つ搬送される。
【0053】
基材シート2と、シート状繊維6とは、押圧ロール12により押圧された後、超音波接合装置13により接合される。超音波接合装置13は、ホーン14とアンビル15とを有する。ホーン14は、超音波振動に共鳴して振動し、振動エネルギーを基材シート2とシート状繊維6とに加えて摩擦熱を発生させる。アンビル15は、基材シート2とシート状繊維6とを位置決めして、この振動エネルギーを受けるものである。
【0054】
(切り込み部8の形成)
超音波接合装置13により接合された基材シート2と、シート状繊維6とは、カッター16により複数の切り込み部8が形成される。カッター16は、
図3、
図4の切り込み部8の位置および長さに応じて、交換可能な複数の刃が設けられている。なお、この切り込み部8までが形成された製造過程が、
図3又は
図4に示す状態である。
【0055】
(第2刷毛部4へのパターン9の形成)
第3ロール17に巻かれた第2刷毛部4は、搬送ロール19により、接合された基材シート2とシート状繊維6とに向け搬送される。第2刷毛部4は、この搬送中に一対のエンボスロール18によりパターン9が形成される。前述したように、パターン9の形状や大きさ等は適宜設定すればよい。なお、一対のエンボスロール18は、少なくとも一方のロールが40℃から120℃の間で加熱されていることが好ましく、その材質は金属材料でも非金属材料でも、どちらでもよい。
【0056】
(基材シート2と第2刷毛部4との接合)
パターン9が形成された第2刷毛部4と、接合された基材シート2とシート状繊維6とは、押圧ロール20により押圧されたのち、基材シート2に第2刷毛部4が超音波接合装置26を用いて接合される。超音波接合装置26は、ホーン27とアンビル28とを有しており、その構成および機能は超音波接合装置13と同じであるのでその説明を省略する。基材シート2には、2つの第1刷毛部3と、1つの第2刷毛部4とが接合されている。第2刷毛部4のエアレイドシートは目付量を70g/m2以上にすれば、Z方向の高さが起毛前の第1刷毛部3よりも高くなる。このようにすれば、清掃シート1を用いて清掃するときに第2刷毛部4がフローリング、畳などの床面に接しやすいので、清掃シート1の中央部に設けられた第2刷毛部4により小さな異物を捕集しやすく、床面に付着した異物をかき取りやすくなる。
【0057】
(第1刷毛部3の起毛処理)
第1刷毛部3のシート状繊維6は、起毛装置24により起毛される。起毛装置24は、圧縮された気体(例えば空気)をシート状繊維6に向けて供給する。これにより、シート状繊維6の繊維が起毛する。第2刷毛部4を基材シート2に接合する前にシート状繊維6を起毛すると、起毛されたシート状繊維6を避けて第2刷毛部4を基材シート2に接合しなくてはならない。これに対して、本実施形態では、第2刷毛部4を基材シート2に接合した後にシート状繊維6を起毛するので、清掃シート1の製造を簡単にすることができ、清掃シート1の歩留まりが向上し、清掃シート1の製造コストを低減することができる。なお、シート状繊維6の起毛処理は、圧縮された気体に限らず各種の起毛方法を適用することができる。
【0058】
(裁断)
起毛処理に引き続き、第1刷毛部3と第2刷毛部4とが接合された基材シート2は、裁断装置25によりX方向に沿って裁断され、これにより
図1に示す清掃シート1となる。
【0059】
なお、清掃シート1は、上述の実施形態に限定されるのではなく、各種の変形を行うことができる。例えば、基材シート2に複数の第2刷毛部4を設けてもよく、基材シート2の両面に第1刷毛部3及び第2刷毛部4を形成するようにしてもよい。
【0060】
また、国際公開第2018/003566号に開示されている3層の繊維シートと、弾性部材とを備えた伸縮性シートを第3刷毛部として基材シート2に接合してもよく、2つの第1刷毛部3の少なくとも一方をこの伸縮性シートに置き換えても良い。
【0061】
さらに、第2刷毛部4のエアレイドシートに弾性部材を設けて、第2刷毛部4に伸縮性を持たせても良い。この場合、パターン9を設けてもよいし、パターン9を省略してもよい。
【0062】
以上、本発明に係る清掃シートについて詳細に説明したが、上記したのは本発明に係る清掃シートを例示したにすぎず、これに限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更することができるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0063】
1 清掃シート
1a 清掃面
2 基材シート
3 第1刷毛部
4 第2刷毛部
5 両側縁部
6 シート状繊維
7 接合部
7a 第1接合部群
7b 第2接合部群
7c 第3接合部群
7d 第4接合部群
8 切り込み部
9 パターン
18 一対のエンボスロール
101 清掃具
102 ヘッド部
103 柄
104 固定具
F 床面