(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-19
(45)【発行日】2025-02-28
(54)【発明の名称】眼底カメラ及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
A61B 3/14 20060101AFI20250220BHJP
【FI】
A61B3/14
(21)【出願番号】P 2020159690
(22)【出願日】2020-09-24
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【氏名又は名称】松浦 憲政
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】大木 拓也
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-179205(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0196863(US,A1)
【文献】国際公開第2020/032128(WO,A1)
【文献】特開2009-112664(JP,A)
【文献】特開2015-177881(JP,A)
【文献】特開2014-226370(JP,A)
【文献】国際公開第2014/091992(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0069547(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検眼の眼底を撮影するカメラ本体
であって、且つ前記眼底の第1の撮影と、前記第1の撮影以降の第2の撮影と、を行うカメラ本体と、
少なくとも前記カメラ本体による前記眼底の撮影前に、被検眼の前眼部像を繰り返し取得する前眼部像取得部と、
前記前眼部像取得部が繰り返し取得する前記前眼部像に基づき、前記被検眼の瞳孔径を繰り返し検出する瞳孔径検出部と、
前記瞳孔径検出部により検出される前記瞳孔径が予め定められた第1閾値以上となる場合に、前記カメラ本体による前記眼底の撮影を実行させる撮影制御部と、
前記眼底の撮影を行う場合に前記眼底を可視波長域の撮影照明光で照明する照明光学系の光路に配置可能に設けられ、小瞳孔径眼に対応した小瞳孔径絞りと、
前記第1の撮影の後で且つ前記第2の撮影の開始前に前記瞳孔径検出部により繰り返し検出される前記瞳孔径に基づき、予め定められた一定時間が経過しても前記瞳孔径が前記第1閾値未満である場合に、前記小瞳孔径絞りを前記光路に配置させた状態で前記カメラ本体による前記第2の撮影を実行させる第1特殊撮影制御部と、
を備える眼底カメラ。
【請求項2】
前記カメラ本体が、
前記照明光学系を有し
、
前記撮影制御部が、前記第1の撮影の後で且つ前記第2の撮影の開始前に前記瞳孔径検出部により繰り返し検出される前記瞳孔径の検出結果に基づき、
前記一定時間内で前記瞳孔径が前記第1閾値以上となるまで前記カメラ本体による前記第2の撮影の実行を待機し、前記瞳孔径が前記第1閾値以上になる場合に前記カメラ本体による前記第2の撮影を実行させる請求項1に記載の眼底カメラ。
【請求項3】
前記第1の撮影の前に前記瞳孔径検出部が検出した前記瞳孔径に基づき、前記第1閾値を決定する閾値決定部を備え、
前記撮影制御部が、前記瞳孔径検出部により検出された前記瞳孔径が前記閾値決定部により決定された前記第1閾値以上となる場合に、前記カメラ本体に前記第2の撮影を実行させる請求項2に記載の眼底カメラ。
【請求項4】
前記カメラ本体が、同一の前記被検眼に対して前記第1の撮影と前記第2の撮影とを行う請求項3に記載の眼底カメラ。
【請求項5】
前記被検眼が左右眼である場合、前記カメラ本体が、前記左右眼の一方に対して前記第1の撮影を行い且つ前記左右眼の他方に対して前記第2の撮影を行う請求項3に記載の眼底カメラ。
【請求項6】
前記カメラ本体が前記第1の撮影を実行した場合に、前記瞳孔径検出部の検出結果に基づき、前記瞳孔径が前記第1閾値まで広がるまでの戻り時間を予測する時間予測部と、
前記時間予測部が予測した前記戻り時間を報知する報知部と、
を備える請求項
1から
5のいずれか1項に記載の眼底カメラ。
【請求項7】
前記時間予測部が、前記瞳孔径検出部の検出結果と、前記撮影照明光の種類と、に基づき、前記戻り時間を予測する請求項
6に記載の眼底カメラ。
【請求項8】
前記時間予測部が、前記瞳孔径検出部により繰り返し検出される前記瞳孔径に基づき、前記第1の撮影が行われてからの前記瞳孔径の変化を検出し、前記瞳孔径の変化の検出結果に基づき前記戻り時間を演算する請求項
6に記載の眼底カメラ。
【請求項9】
前記カメラ本体が、
前記照明光学系を有し、
前記瞳孔径検出部の検出結果に基づき、前記被検眼が小瞳孔径眼であるか否かを判定する小瞳孔径判定部と、
前記照明光学系の光路に配置可能に設けられ、前記小瞳孔径眼に対応した小瞳孔径絞りと、
前記小瞳孔径判定部により前記被検眼が前記小瞳孔径眼であると判定された場合に、前記小瞳孔径絞りを前記光路に配置させた状態で前記カメラ本体による前記眼底の撮影を実行させる第2特殊撮影制御部と、
を備える請求項1から
8のいずれか1項に記載の眼底カメラ。
【請求項10】
前記小瞳孔径判定部が、前記瞳孔径検出部により検出された前記瞳孔径が予め定められた第2閾値であって且つ前記第1閾値よりも小さい第2閾値未満になるか否かに基づき、前記被検眼が小瞳孔径眼であるか否かを判定する請求項
9に記載の眼底カメラ。
【請求項11】
被検眼の眼底を撮影する眼底カメラの制御方法において、
少なくとも前記眼底の撮影前に、被検眼の前眼部像を繰り返し取得する前眼部像取得ステップと、
前記前眼部像取得ステップで繰り返し取得する前記前眼部像に基づき、前記被検眼の瞳孔径を繰り返し検出する瞳孔径検出ステップと、
前記瞳孔径検出ステップで検出される前記瞳孔径が予め定められた第1閾値以上となる場合に、前記眼底の撮影を実行する撮影制御ステップと、
前記眼底の第1の撮影の後で且つ第2の撮影の開始前に前記瞳孔径検出ステップで繰り返し検出される前記瞳孔径に基づき、予め定められた一定時間が経過しても前記瞳孔径が前記第1閾値未満である場合に、前記眼底を可視波長域の撮影照明光で照明する照明光学系の光路に小瞳孔径絞りを配置させた状態で前記第2の撮影を実行する第1特殊撮影制御ステップと、
を有する眼底カメラの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検眼の眼底の撮影を行う眼底カメラ及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被検眼の眼底の撮影を行う眼底カメラがよく知られている(特許文献1から特許文献3参照)。この眼底カメラは、被検眼の眼底を観察照明光(フラッシュ光等)で照明し、この観察照明光で照明された眼底を撮影する。この眼底カメラによる眼底の撮影方法としては、同一の被検眼に対する複数回の撮影を連続して行う連続撮影、及び左右の被検眼の眼底の撮影を順番に行う左右眼撮影などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-171221号公報
【文献】特開平5-199997号公報
【文献】特開2013-248376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、被検眼の眼底撮影の際に眼底カメラから眼底に照射される観察照明光(フラッシュ光等)は、可視波長域の光を含んでおりその光量も大きい。このため、無散瞳の被検眼の眼底撮影では、眼底撮影の際に眼底カメラから被検眼に観察照明光が照射されることで被検眼の瞳孔が縮瞳し、この縮瞳が収まる(瞳孔径が元の大きさに戻る)までに時間を要する。このため、上記各特許文献に記載の眼底カメラにおいて上述の連続撮影を行う場合には、被検眼の2回目以降の眼底撮影の際に瞳孔の縮瞳が収まらず、良好な眼底撮影像が得られないおそれがある。
【0005】
また、左右眼の瞳孔径は同じ大きさで変化するので、上記各特許文献に記載の眼底カメラで左右眼撮影を行う場合、すなわち左右眼の一方の眼底撮影を行った後で左右眼の他方の眼底撮影を連続して行う場合に、この他方の瞳孔の縮瞳が収まっていないおそれがある。さらに、眼底カメラによる被検眼の眼底撮影の前に、別の眼科装置で被検眼に対する照明光の照射が行われていた場合には、眼底カメラによる被検眼の1回目の眼底撮影であっても瞳孔の縮瞳が収まっていないおそれがある。その結果、良好な眼底像が得られないおそれがある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、被検眼の瞳孔が縮瞳していない状態での眼底撮影を確実に実行可能な眼底カメラ及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的を達成するための眼底カメラは、被検眼の眼底を撮影するカメラ本体と、少なくともカメラ本体による眼底の撮影前に、被検眼の前眼部像を繰り返し取得する前眼部像取得部と、前眼部像取得部が繰り返し取得する前眼部像に基づき、被検眼の瞳孔径を繰り返し検出する瞳孔径検出部と、瞳孔径検出部により検出される瞳孔径が予め定められた第1閾値以上となる場合に、カメラ本体による眼底の撮影を実行させる撮影制御部と、を備える。
【0008】
この眼底カメラによれば、被検眼の瞳孔径が第1閾値以上となるまで眼底撮影の実行を待機し、瞳孔径が第1閾値以上になった場合に眼底撮影を実行することができる。
【0009】
本発明の他の態様に係る眼底カメラにおいて、カメラ本体が、眼底の撮影を行う場合に眼底を可視波長域の撮影照明光で照明する照明光学系を有し、且つ眼底の第1の撮影と、第1の撮影以降の第2の撮影と、を行い、撮影制御部が、第1の撮影の後で且つ第2の撮影の開始前に瞳孔径検出部により繰り返し検出される瞳孔径の検出結果に基づき、瞳孔径が第1閾値以上となるまでカメラ本体による第2の撮影の実行を待機し、瞳孔径が第1閾値以上になる場合にカメラ本体による第2の撮影を実行させる。これにより、第1の撮影で被検眼の瞳孔が縮瞳した場合であっても、この縮瞳が収まった時点で第2の撮影を自動的に実行することができる。
【0010】
本発明の他の態様に係る眼底カメラにおいて、第1の撮影の前に瞳孔径検出部が検出した瞳孔径に基づき、第1閾値を決定する閾値決定部を備え、撮影制御部が、瞳孔径検出部により検出された瞳孔径が閾値決定部により決定された第1閾値以上となる場合に、カメラ本体に第2の撮影を実行させる。これにより、被検者ごとの瞳孔径に個人差がある場合でも被検者に対応した第1閾値を個別に決定可能である。
【0011】
本発明の他の態様に係る眼底カメラにおいて、カメラ本体が、同一の被検眼に対して第1の撮影と第2の撮影とを行う。
【0012】
本発明の他の態様に係る眼底カメラにおいて、被検眼が左右眼である場合、カメラ本体が、左右眼の一方に対して第1の撮影を行い且つ左右眼の他方に対して第2の撮影を行う。
【0013】
本発明の他の態様に係る眼底カメラにおいて、照明光学系の光路に配置可能に設けられ、小瞳孔径眼に対応した小瞳孔径絞りと、第1の撮影の後で且つ第2の撮影の開始前に瞳孔径検出部により繰り返し検出される瞳孔径に基づき、予め定められた一定時間が経過しても瞳孔径が第1閾値未満である場合に、小瞳孔径絞りを光路に配置させた状態でカメラ本体による眼底の撮影を実行させる第1特殊撮影制御部と、を備える。これにより、眼底撮影像の撮影を短時間で実行することができる。
【0014】
本発明の他の態様に係る眼底カメラにおいて、カメラ本体が第1の撮影を実行した場合に、瞳孔径検出部の検出結果に基づき、瞳孔径が第1閾値まで広がるまでの戻り時間を予測する時間予測部と、時間予測部が予測した戻り時間を報知する報知部と、を備える。これにより、検者は戻り時間、すなわち第2の撮影が開始されるタイミングを認識することができる。
【0015】
本発明の他の態様に係る眼底カメラにおいて、時間予測部が、瞳孔径検出部の検出結果と、撮影照明光の種類と、に基づき、戻り時間を予測する。
【0016】
本発明の他の態様に係る眼底カメラにおいて、時間予測部が、瞳孔径検出部により繰り返し検出される瞳孔径に基づき、第1の撮影が行われてからの瞳孔径の変化を検出し、瞳孔径の変化の検出結果に基づき戻り時間を演算する。
【0017】
本発明の他の態様に係る眼底カメラにおいて、カメラ本体が、眼底を可視波長域の撮影照明光で照明する照明光学系を有し、瞳孔径検出部の検出結果に基づき、被検眼が小瞳孔径眼であるか否かを判定する小瞳孔径判定部と、照明光学系の光路に配置可能に設けられ、小瞳孔径眼に対応した小瞳孔径絞りと、小瞳孔径判定部により被検眼が小瞳孔径眼であると判定された場合に、小瞳孔径絞りを光路に配置させた状態でカメラ本体による眼底の撮影を実行させる第2特殊撮影制御部と、を備える。これにより、被検眼が小瞳孔径眼である場合には、照明光の光路中に小瞳孔径絞りを自動的に配置させることができる。
【0018】
本発明の他の態様に係る眼底カメラにおいて、小瞳孔径判定部が、瞳孔径検出部により検出された瞳孔径が予め定められた第2閾値であって且つ第1閾値よりも小さい第2閾値未満になるか否かに基づき、被検眼が小瞳孔径眼であるか否かを判定する。
【0019】
本発明の目的を達成するための眼底カメラの制御方法は、被検眼の眼底を撮影する眼底カメラの制御方法において、少なくとも眼底の撮影前に、被検眼の前眼部像を繰り返し取得する前眼部像取得ステップと、前眼部像取得ステップで繰り返し取得する前眼部像に基づき、被検眼の瞳孔径を繰り返し検出する瞳孔径検出ステップと、瞳孔径検出ステップで検出される瞳孔径が予め定められた第1閾値以上となる場合に、眼底の撮影を実行する撮影制御ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、被検眼の瞳孔が縮瞳していない状態での眼底撮影を確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】被検者側から見た第1実施形態の眼科装置の正面斜視図である。
【
図2】検者側から見た眼科装置の背面斜視図である。
【
図3】眼科装置の測定ヘッドの構成の一例を示す概略図である。
【
図4】第1実施形態の眼科装置の演算制御ユニットの機能ブロック図である。
【
図5】瞳孔径検出部による瞳孔径の検出を説明するための説明図である。
【
図6】撮影制御部による連続撮影モード時の眼底カメラユニットの撮影制御を説明するための説明図である。
【
図7】撮影制御部による左右眼撮影モード時の眼底カメラユニットの撮影制御を説明するための説明図である。
【
図8】第1実施形態の眼科装置による被検眼の眼底撮影処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】第2実施形態の眼科装置による被検眼の眼底撮影処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】第3実施形態の眼科装置の演算制御ユニットの機能ブロック図である。
【
図11】第3実施形態の眼科装置による被検眼の眼底撮影処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】第4実施形態の眼科装置の演算制御ユニットの機能ブロック図である。
【
図13】時間予測部による戻り時間の予測の第1例を説明するための説明図である。
【
図14】時間予測部による戻り時間の予測の第2例を説明するための説明図である。
【
図15】モニタでの戻り時間情報の表示の一例を説明するための説明図である。
【
図16】第4実施形態の眼科装置による被検眼の眼底撮影処理の流れを示すフローチャートである。
【
図17】第5実施形態の眼科装置による被検眼の眼底撮影処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態の眼科装置の全体構成]
図1は、被検者側から見た第1実施形態の眼科装置10の正面斜視図である。
図2は、検者側から見た眼科装置10の背面斜視図である。なお、図中のX方向は被検者を基準とした左右方向(
図3に示す被検眼Eの眼幅方向)であり、Y方向は上下方向であり、Z方向は被検者に近づく前方向と被検者から遠ざかる後方向とに平行な前後方向(作動距離方向ともいう)である。
【0023】
図1及び
図2に示すように、眼科装置10は、眼底カメラ(無散瞳眼底カメラ)と、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)を用いて断層像であるOCT画像を得る光干渉断層計と、を組み合わせた複合機である。
【0024】
眼科装置10は、無散瞳の被検眼E(
図3参照)の眼底Ef(
図3参照)を撮影する眼底撮影を行うと共に、被検眼Eの眼底EfのOCT画像を得るOCT計測を行う。また、眼科装置10は、被検眼Eの眼底撮影を行う撮影モードとして、眼底撮影を1回だけ行う通常撮影モードの他に、連続撮影モード及び左右眼撮影モードを有する。連続撮影モードは、同一の被検眼Eに対する複数回の眼底撮影を連続して行うモードである。左右眼撮影モードは、左右の被検眼E(左右眼)の眼底撮影を順番に行うモードである。
【0025】
眼科装置10は、ベース11と、顔支持部12と、架台13と、測定ヘッド14と、を備える。
【0026】
ベース11には、顔支持部12及び架台13が設けられている。
【0027】
顔支持部12は、測定ヘッド14のZ方向の前方向側の位置において、ベース11と一体に設けられている。この顔支持部12は、Y方向(上下方向)に位置調整可能な顎受け12a及び額当て12bを有しており、被検者の顔を測定ヘッド14(後述の対物レンズ43)等の眼科装置本体に対向する位置に支持する。
【0028】
また、顔支持部12には外部固視灯15が設けられている。外部固視灯15は、固視光を出射する光源を有し、この光源の位置及び固視光の出射方向を任意に調整することができる。この外部固視灯15は外部固視に用いられる。外部固視は、外部固視灯15の光源の位置を調整することで被検眼E(
図3参照)を任意の方向に回旋させたり、或いは内部固視時よりも大きく回旋させたり、或いは内部固視が行えない場合に被検眼E又は僚眼の視線を誘導することで被検眼Eの向きを調整したりする固視方式である。
【0029】
架台13は、ベース11に対してX方向及びZ方向(前後左右方向)に移動可能に設けられている。この架台13上には操作部16が設けられている。また、架台13上には測定ヘッド14がY方向に移動可能に設けられている。
【0030】
また、架台13には、電動駆動機構17が設けられている。電動駆動機構17は、モータ駆動機構等の公知のアクチュエータであり、後述の演算制御ユニット22(
図3参照)の制御の下、架台13をXZ方向に移動させると共に測定ヘッド14をY方向に移動させる。これにより、被検眼Eに対して測定ヘッド14がXYZ方向に相対移動可能になる。
【0031】
操作部16は、架台13上で且つ測定ヘッド14のZ方向の後方向側(検者側)の位置に設けられている。操作部16には、眼科装置10の各種操作(撮影モードの切替等)を行うための操作ボタンの他、操作レバー16aが設けられている。
【0032】
操作レバー16aは、測定ヘッド14をXYZの各方向に手動で移動させるための操作部材である。例えば、操作レバー16aがZ方向(前後方向)又はX方向(左右方向)に傾倒操作されると、上述の電動駆動機構17により測定ヘッド14がZ方向又はX方向に移動される。また、操作レバー16aがその長手軸周りに回転操作されると、その回転操作方向に応じて、電動駆動機構17により測定ヘッド14がY方向(上下方向)に移動される。
【0033】
測定ヘッド14には、後述の
図3に示す眼底カメラユニット14a及びOCTユニット14bが内蔵されている。また、測定ヘッド14のZ方向の後方向側(検者側)の背面にはモニタ18が設けられている。また、測定ヘッド14のZ方向の前方向側(被検者側)の正面にはレンズ収容部19が設けられている。
【0034】
モニタ18は、例えばタッチパネル式の液晶表示装置が用いられる。このモニタ18は、被検眼E(
図3参照)の各種の撮影データの画面、及び各種の設定操作のための入力画面などを表示する。なお、モニタ18は、入力画面を表示する場合には上述の操作部16として機能する。
【0035】
レンズ収容部19は、眼底カメラユニット14a(
図3参照)の一部を構成し且つZ方向に平行な光軸OA(
図3参照)を有する対物レンズ43を収容している。
【0036】
また、レンズ収容部19には、図示は省略するが、対物レンズ43を囲むようにその周方向に沿って等間隔で配置された複数の固視孔(固視灯ともいう)が設けられている。各固視孔は、周辺固視及び被検眼E(
図3参照)の隅角(
図5中の虹彩Erの端)の撮影等に用いられるものであり、操作部16での操作に応じて選択的に固視光をZ方向に出射する。なお、周辺固視は、各固視孔を選択的に点灯させることで所望の方向に被検眼Eを大きく回旋させる固視方式である。
【0037】
さらに、測定ヘッド14の正面であって且つレンズ収容部19の近傍位置にはステレオカメラ20が設けられている。ステレオカメラ20は、第1カメラ20a及び第2カメラ20bを有する。第1カメラ20a及び第2カメラ20bは、対物レンズ43をその左右から挟み込むように配置されている。なお、第1カメラ20a及び第2カメラ20bについては後述する。
【0038】
[測定ヘッド]
図3は、眼科装置10の測定ヘッド14の構成の一例を示す概略図である。
図3に示すように、測定ヘッド14は、眼底カメラユニット14a、OCTユニット14b、及びステレオカメラ20を備えると共に、演算制御ユニット22に接続している。
【0039】
眼底カメラユニット14aは、本発明のカメラ本体に相当するものであり、従来の眼底カメラとほぼ同様の光学系を有している。眼底カメラユニット14aは、対物レンズ43を通して、被検眼Eの眼底Efに対して撮影照明光(フラッシュ光等)を照射し、この撮影照明光が照射された眼底Efを撮影して眼底撮影像D1を出力する。また、眼底カメラユニット14aは、対物レンズ43を通して被検眼Eの前眼部Eaを撮影して、前眼部Eaの観察像である前眼部像D2を出力する。
【0040】
OCTユニット14bは、対物レンズ43及び眼底カメラユニット14aの一部の光学系を通して眼底EfのOCT画像を取得する。
【0041】
演算制御ユニット22は、例えばベース11内或いは測定ヘッド14内に収容されており、各種の演算処理及び制御処理等を実行するコンピュータ等の演算処理装置である。
【0042】
<眼底カメラユニット>
眼底カメラユニット14aは、眼底撮影像D1及び前眼部像D2を取得するための光学系として、照明光学系30及び撮像光学系50を備える。
【0043】
照明光学系30は、眼底Efに対して照明光(観察照明光及び撮影照明光)を照射する。撮像光学系50は、眼底Efで反射された照明光の眼底反射光を、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型又はCCD(Charge Coupled Device)型の撮像素子57,60に導いて撮像する。また、撮像光学系50は、OCT光学系80(OCTユニット14b)から出力された信号光を眼底Efに導くと共に、眼底Efを経由した信号光をOCT光学系80に導く。
【0044】
照明光学系30は、観察光源31、反射ミラー32、集光レンズ33、可視カットフィルタ34、撮影光源35、ミラー36、リレーレンズ37,38、絞り39、小瞳孔径絞り39A、絞り切替機構39B、リレーレンズ40、孔開きミラー41、ダイクロイックミラー42、及び対物レンズ43等を備える。
【0045】
撮像光学系50は、既述の対物レンズ43、ダイクロイックミラー42、及び孔開きミラー41の他に、合焦レンズ51、ミラー52、ハーフミラー53、視標表示部54、ダイクロイックミラー55、集光レンズ56、撮像素子57、ミラー58、集光レンズ59、及び撮像素子60等を備える。
【0046】
観察光源31は、例えばハロゲンランプ又はLED(light emitting diode)等が用いられ、観察照明光を出射する。観察光源31から出射された観察照明光は、反射ミラー32により反射され、集光レンズ33を経由して可視カットフィルタ34を透過することにより近赤外光となる。可視カットフィルタ34を透過した観察照明光は、撮影光源35の近傍にて一旦集束し、ミラー36により反射され、リレーレンズ37,38、絞り39(又は小瞳孔径絞り39A)、及びリレーレンズ40を経由する。そして、観察照明光は、孔開きミラー41の周辺部(孔部の周囲の領域)にて反射された後、ダイクロイックミラー42を透過し、さらに対物レンズ43により屈折されて眼底Efを照明する。
【0047】
観察照明光の眼底反射光は、対物レンズ43により屈折され、ダイクロイックミラー42、孔開きミラー41の中心領域に形成された孔部、及び合焦レンズ51を経由した後、ミラー52により反射される。さらに、この眼底反射光は、ハーフミラー53を透過した後、ダイクロイックミラー55により反射されることで、集光レンズ56により撮像素子57の受光面に結像される。撮像素子57は、眼底反射光を撮像(受光)して眼底Efの観察像を後述の演算制御ユニット22へ出力する。演算制御ユニット22は、眼底Efの観察像をモニタ18に表示させる。
【0048】
なお、撮像光学系50のピントが被検眼Eの前眼部Eaに調整されている場合には、撮像素子57は前眼部反射光(角膜反射光)を撮像して前眼部像D2を演算制御ユニット22へ出力する。この場合には演算制御ユニット22は、前眼部像D2をモニタ18に表示させる。
【0049】
撮影光源35は、例えばキセノンランプ又はLED光源等が用いられ、少なくとも可視波長域の光を含む撮影照明光(フラッシュ光)を出射する。撮影光源35から出射された撮影照明光は、既述の観察照明光と同様の経路を通って眼底Efに照射される。撮影照明光の眼底反射光は、観察照明光の眼底反射光と同様の経路を通ってダイクロイックミラー55まで導かれ、このダイクロイックミラー55を透過した後、ミラー58により反射されることで、集光レンズ59により撮像素子60の受光面に結像される。
【0050】
撮像素子60は、眼底反射光を撮像(受光)して眼底撮影像D1を演算制御ユニット22へ出力する。演算制御ユニット22は、撮像素子60から出力された撮像信号に基づく眼底撮影像D1をモニタ18に表示させる。なお、各種観察像を表示するモニタ18と眼底撮影像D1を表示するモニタ18とは、同一のものであってもよいし、互いに異なるものであってもよい。
【0051】
小瞳孔径絞り39Aは、瞳孔径d(
図5参照)が標準瞳孔径(例えば3~4mm)よりも小さい小瞳孔径(例えば2mm未満)の小瞳孔径眼に対応したものであり、絞り切替機構39Bにより各照明光の光路に挿脱自在に保持されている。小瞳孔径絞り39Aは、その開口径が標準の絞り39よりも小さく形成されている。なお、小瞳孔径及び小瞳孔径眼の定義、小瞳孔径絞り39Aの具体的な形状及び機能については公知技術であるので、ここでは説明を省略する(上記特許文献2、特開2013-165819号公報参照)。小瞳孔径絞り39Aを各照明光の光路に挿入することで、被検眼Eが小瞳孔径眼であっても眼底Efを各照明光で照明することができる。
【0052】
絞り切替機構39Bは、演算制御ユニット22の制御の下、絞り39及び小瞳孔径絞り39Aを照明光の光路に対して選択的に挿入(配置)させるモータ駆動機構等の公知のアクチュエータである。演算制御ユニット22は、第1実施形態では操作部16に対して入力された切替操作に応じて、絞り切替機構39Bを駆動して絞り39及び小瞳孔径絞り39Aを選択的に照明光の光路上に配置可能である。なお、第1実施形態では、小瞳孔径絞り39A及び絞り切替機構39Bが省略されていてもよい。
【0053】
視標表示部54は、対物レンズ43を通して被検眼Eに固視標(輝点像)の固視光を投射する内部固視に用いられるものであり、例えばドットマトリクス液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)及びマトリクス発光ダイオード(LED)などが用いられる。この視標表示部54は固視標を表示する。また、視標表示部54は、固視標の表示態様(形状等)及び表示位置を任意に設定可能である。
【0054】
視標表示部54に表示された固視標の固視光は、その一部がハーフミラー53にて反射された後、ミラー52、合焦レンズ51、ダイクロイックミラー55、孔開きミラー41の孔部、ダイクロイックミラー42、及び対物レンズ43を経て被検眼Eに投射される。これにより、対物レンズ43を通して、被検眼Eに対して固視標及び視力測定用視標などが提示される。
【0055】
眼底カメラユニット14aは、フォーカス光学系70を備える。フォーカス光学系70は、眼底Efに対してフォーカス(ピント)を合わせるためのスプリット指標を生成する。フォーカス光学系70は、既述の対物レンズ43、ダイクロイックミラー42、及び孔開きミラー41の他に、LED71、リレーレンズ72、スプリット指標板73、二孔絞り74、ミラー75、集光レンズ76、及び反射棒77を備える。
【0056】
反射棒77の反射面は、フォーカス光学系70によるフォーカス調整が行われる場合に照明光学系30の光路上にセットされる。LED71から出射されたフォーカス光は、リレーレンズ72を通過し、スプリット指標板73により2つの光束に分離された後、二孔絞り74、ミラー75、及び集光レンズ76を経て反射棒77の反射面に一旦結像され、この反射面にてリレーレンズ40に向けて反射される。さらにフォーカス光は、リレーレンズ40、孔開きミラー41、ダイクロイックミラー42、及び対物レンズ43を経て眼底Efに投射される。
【0057】
フォーカス光の眼底反射光は、対物レンズ43、ダイクロイックミラー42、及び孔開きミラー41の孔部を経由し、その一部がダイクロイックミラー55を透過した後、合焦レンズ51、ミラー52、ハーフミラー53、ダイクロイックミラー55、及び集光レンズ56を経て撮像素子57により撮像される。撮像素子57は、フォーカス光の眼底反射光を撮像して撮像信号を出力する。これにより、モニタ18に眼底Efの観察像と共にスプリット指標が表示される。演算制御ユニット22は、従来と同様に、スプリット指標の位置を解析して合焦レンズ51等を移動させてピント合わせを自動で行う。また、モニタ18に表示されるスプリット指標に基づき検者が手動でピント合わせを行ってもよい。
【0058】
ダイクロイックミラー42は、眼底撮影用の光路からOCT光学系80の光路を分岐させる。ダイクロイックミラー42は、OCT計測に用いられる波長帯の光を反射し、眼底撮影用の光を透過させる。このOCT光学系80の光路には、OCTユニット14b側から順に、コリメータレンズユニット81と、光路長変更部82と、ガルバノスキャナ83と、合焦レンズ84と、ミラー85と、リレーレンズ86と、が設けられている。
【0059】
光路長変更部82は、例えばコーナーキューブと、これを移動する機構と、を含む。光路長変更部82は、図中に示す矢印の方向に移動可能とされ、OCT光学系80の光路長を変更する。この光路長の変更は、被検眼Eの眼軸長に応じた光路長の補正、及び干渉状態の調整などに利用される。
【0060】
ガルバノスキャナ83は、OCT光学系80の光路を通過する信号光の進行方向を変更する。これにより、眼底Efを信号光で走査することができる。ガルバノスキャナ83は、たとえば、信号光をX方向に走査するガルバノミラーと、Y方向に走査するガルバノミラーと、これらを独立に駆動する機構とを含む。これにより、信号光をXY平面上の任意の方向に走査することができる。
【0061】
<OCTユニット>
OCTユニット14bは、眼底EfのOCT画像の取得に用いられる干渉光学系を備える。このOCTユニット14bは、公知のOCT装置と同様に、低コヒーレンス光を参照光と信号光に分割し、眼底Efを経由した信号光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル成分を検出する。OCTユニット14bによる検出結果(検出信号)は、演算制御ユニット22へ出力される。なお、OCTユニット14bの具体的な構成については公知技術(例えば上記特許文献1参照)であるので、ここでは具体的な説明は省略する。
【0062】
<ステレオカメラ>
ステレオカメラ20を構成する第1カメラ20a及び第2カメラ20bは、前眼部Eaを互いに異なる方向、本実施形態では左右方向から同時(略同時を含む)且つ連続的に撮影(動画撮影)して前眼部像D2を演算制御ユニット22へ出力する。なお、図中の符号OBは、第1カメラ20a及び第2カメラ20bの撮影光軸である。
【0063】
[演算制御ユニット]
図4は、第1実施形態の眼科装置10の演算制御ユニット22の機能ブロック図である。
図4に示すように、演算制御ユニット22は、統括制御部90、記憶部92、画像形成部94、及びデータ処理部96等を備える。また、演算制御ユニット22には、既述の眼底カメラユニット14a、OCTユニット14b、操作部16、電動駆動機構17、モニタ18、及びステレオカメラ20等が接続されている。
【0064】
記憶部92は、統括制御部90が実行する制御プログラムの他、眼底撮影像D1の画像データ及びOCT画像の画像データなどを記憶する。また、記憶部92には、後述の閾値決定部106により決定された撮影閾値T1が記憶される。なお、記憶部92が眼科装置10の内部ではなく、外部サーバ(データベース)に構築されていてもよい。
【0065】
画像形成部94は、OCTユニット14bと共に被検眼Eの眼底EfのOCT画像の取得に用いられるものであり、OCTユニット14bから入力される検出信号を解析して眼底EfのOCT画像を形成する。なお、OCT画像の具体的な形成方法は、従来のOCT装置と同様であるのでここでは説明は省略する。データ処理部96は、画像形成部94により形成されたOCT画像、及び眼底カメラユニット14aにより取得された眼底撮影像D1等に対して画像処理等を施す。
【0066】
統括制御部90は、眼科装置10の各部の動作を統括制御する。また、統括制御部90は、眼底カメラユニット14aによる眼底撮影前に、前眼部像D2に基づき被検眼Eの瞳孔Ep(
図5参照)が縮瞳しているか否かを判定する。そして、統括制御部90は、瞳孔Epが縮瞳していると判定した場合には縮瞳が収まるまで被検眼Eの眼底撮影の実行を待機し、瞳孔Epの縮瞳が収まったと判定した場合には被検眼Eの眼底撮影を実行する撮影制御を行う。なお、第1実施形態では、被検眼Eとして小瞳孔径眼ではない上述の標準瞳孔径の正常眼の眼底撮影を行うため、上述の撮影制御は連続撮影モード或いは左右眼撮影モードの2回目以降の眼底撮影の際に実行される。
【0067】
統括制御部90の機能は、各種のプロセッサ(Processor)を用いて実現される。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、統括制御部90の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
【0068】
統括制御部90は、被検眼Eの眼底撮影時(連続撮影モード、左右眼撮影モード)において、前眼部像取得部100、アライメント制御部102、瞳孔径検出部104、閾値決定部106、及び撮影制御部108として機能する。なお、演算制御ユニット22の「~部」として説明するものは「~回路」、「~装置」、又は「~機器」であってもよい。すなわち、「~部」として説明するものは、ファームウェア、ソフトウェア、及びハードウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで構成されていてもよい。また、
図4では、統括制御部90における被検眼Eの眼底撮影に係る機能のみを図示し、他の機能については公知技術であるので具体的な図示は省略する。
【0069】
前眼部像取得部100は、不図示の通信インタフェースを介して、眼底カメラユニット14a(撮像素子57)及びステレオカメラ20の少なくとも一方に対して有線接続或いは無線接続されており、眼底カメラユニット14a及びステレオカメラ20の少なくとも一方から前眼部像D2を取得する。
【0070】
前眼部像D2は、被検眼Eに対する測定ヘッド14のオートアライメントに用いられる。また、前眼部像D2は、眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの眼底撮影前の瞳孔Ep(
図5参照)の大きさの確認に用いられる。なお、本実施形態では、ステレオカメラ20が撮影した前眼部像D2に基づき、オートアライメント及び眼底撮影前の被検眼Eの瞳孔Epの大きさの確認を行うものとして説明を行う。前眼部像取得部100は、操作部16にて測定開始操作が入力されると、被検眼Eの眼底撮影が終了するまでステレオカメラ20からの前眼部像D2の取得を繰り返し行う。
【0071】
アライメント制御部102は、測定開始操作に応じて前眼部像取得部100がステレオカメラ20から取得した前眼部像D2に基づき、測定ヘッド14に対する被検眼Eの相対位置(三次元位置)を演算する(上記特許文献3参照)。次いで、アライメント制御部102は、被検眼Eの相対位置の演算結果に基づき電動駆動機構17を駆動して、被検眼Eに対する測定ヘッド14のオートアライメントを実行する。
【0072】
瞳孔径検出部104は、眼底撮影の撮影モードが連続撮影モード又は左右眼撮影モードである場合に、少なくとも眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの1回目の眼底撮影前と2回目以降の眼底撮影前とにおいて作動する。
【0073】
なお、1回目の眼底撮影前とは、撮影モードの種類に関係なく、被検眼Eの1回目の眼底撮影が開始されるまでの期間内である。また、連続撮影モードにおける2回目以降の眼底撮影前とは、任意の自然数を「N」とした場合に、N回目の眼底撮影完了後からN+1回目の眼底撮影の開始前までの期間である。さらに、左右眼撮影モードにおける2回目以降の眼底撮影前とは、左右眼の一方の眼底撮影完了後から他方の眼底撮影の開始前までの期間である。
【0074】
図5は、瞳孔径検出部104による瞳孔径dの検出を説明するための説明図である。
図5及び既述の
図4に示すように、瞳孔径検出部104は、ステレオカメラ20の第1カメラ20a及び第2カメラ20bの少なくとも一方から取得した前眼部像D2に基づき、被検眼Eの瞳孔Epの直径である瞳孔径dを検出する。
【0075】
例えば瞳孔径検出部104は、第1カメラ20a及び第2カメラ20bの少なくとも一方から取得した前眼部像D2から瞳孔縁Ebを検出する。この瞳孔縁Ebは、前眼部像D2における瞳孔Epと虹彩Erとの間の明度の差に基づき検出可能である。
【0076】
次いで、瞳孔径検出部104は、前眼部像D2からの瞳孔縁Ebの検出結果に基づき、瞳孔縁Ebの楕円近似及び中心座標を演算することで、瞳孔径dの検出(演算)を行う。なお、ステレオカメラ20により撮影された前眼部像D2から瞳孔径dを検出する方法は公知技術であるので、ここでは具体的な説明は省略する(例えば特開2019-62982号公報参照)。
【0077】
そして、瞳孔径検出部104は、被検眼Eの1回目の眼底撮影前には瞳孔径dの検出を少なくとも1回実行し、且つ2回目以降の眼底撮影前には瞳孔径dの検出を複数回繰り返し実行する。これにより、少なくとも被検眼Eの2回目以降の眼底撮影前には、被検眼Eの瞳孔径dの変化をリアルタイムで検出することができる。
【0078】
閾値決定部106は、被検眼Eの1回目の眼底撮影前に瞳孔径検出部104が検出した瞳孔径dに基づき、良好な眼底撮影像D1が得られる瞳孔径dの下限値である撮影閾値T1(本発明の第1閾値に相当)を決定する。この撮影閾値T1は、被検眼Eの2回目以降の眼底撮影の実行の有無を判定するための閾値である。ここで本実施形態の被検眼Eは正常眼であるので、1回目の眼底撮影前、すなわち撮影照明光(フラッシュ光)が1回も被検眼Eに照射されていない状態ではその瞳孔Epは縮瞳しておらず、その瞳孔径dも良好な眼底撮影像D1が得られる大きさになっている。このため、1回目の眼底撮影前の被検眼Eの瞳孔径dを、瞳孔Epが縮瞳しているか否かを判定するための判定基準(撮影閾値T1)として用いることができる。
【0079】
具体的には閾値決定部106は、瞳孔径検出部104が被検眼Eの1回目の眼底撮影前に検出した瞳孔径dをそのまま撮影閾値T1として決定する。なお、閾値決定部106は、瞳孔径検出部104が瞳孔径dを複数回検出した場合にはその最小値或いは平均値等をそのまま撮影閾値T1として決定してもよい。
【0080】
また、閾値決定部106は、瞳孔径検出部104による瞳孔径dの検出誤差及び被検眼Eの瞳孔径dの変動を考慮して、被検眼Eの1回目の眼底撮影前に瞳孔径検出部104により検出された瞳孔径dよりも一定割合だけ小さい値を撮影閾値T1として決定してもよい。このように閾値決定部106が、瞳孔径検出部104により検出された瞳孔径dに基づき撮影閾値T1を決定することで、被検者ごとの瞳孔径dに個人差がある場合でも被検者に対応した撮影閾値T1を個別に決定可能である。
【0081】
図4に戻って、撮影制御部108は、眼底カメラユニット14a及びOCT14bを制御して、被検眼Eの眼底Efの眼底撮影像D1及びOCT画像の撮影を制御する。撮影制御部108は、眼底撮影の撮影モードが通常モードである場合、オートアライメントの完了後に眼底カメラユニット14aを駆動して被検眼Eの眼底撮影を実行することで、眼底撮影像D1を取得する。なお、撮影モードが連続撮影モード又は左右眼撮影モードの場合の撮影制御部108による眼底カメラユニット14aの撮影制御については後述する。
【0082】
撮影制御部108は、眼底EfのOCT計測を行う場合には、オートアライメントの完了後にOCT光学系80、OCTユニット14b、及び画像形成部94等を駆動して眼底EfのOCT画像を取得する。
【0083】
図6は、撮影制御部108による連続撮影モード時の眼底カメラユニット14aの撮影制御を説明するための説明図である。
【0084】
図6の符号6Aに示すように、撮影制御部108は、撮影モードとして連続撮影モードが選択された場合、オートアライメントの完了後に眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの1回目の眼底撮影(本発明の第1の撮影)を実行する。既述の通り被検眼Eは正常眼であるので、1回目の眼底撮影時には瞳孔Epが縮瞳しておらず、通常モードと同様に眼底撮影を行うことができる。そして、被検眼Eの1回目の眼底撮影が実行されると、撮影照明光(フラッシュ光)の照射により瞳孔Epが縮瞳する。
【0085】
図6の符号6Bに示すように、撮影制御部108は、被検眼Eの2回目の眼底撮影前は、瞳孔径検出部104により繰り返し検出される瞳孔径dの検出結果に基づき、記憶部92内の撮影閾値T1を参照して、被検眼Eの瞳孔径dが撮影閾値T1以上となるか否かを判定する。そして、撮影制御部108は、瞳孔径dが撮影閾値T1未満である場合には、2回目の眼底撮影の実行を待機する。この場合に撮影制御部108は、瞳孔径検出部104により繰り返し検出される瞳孔径dが撮影閾値T1以上となるまで待機する。
【0086】
図6の符号6Cに示すように、撮影制御部108は、瞳孔径検出部104により繰り返し検出される被検眼Eの瞳孔径dが撮影閾値T1以上になった場合に、眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの2回目の眼底撮影(本発明の第2の撮影)を実行する。これにより、被検眼Eの瞳孔Epの縮瞳が収まるのに合わせて眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの2回目の眼底撮影を自動的に実行することができる。
【0087】
以下、撮影制御部108は、被検眼Eの3回目以降の眼底撮影についても同様に、瞳孔径検出部104により繰り返し検出される被検眼Eの瞳孔径dが撮影閾値T1以上となるまで待機し、瞳孔径dが撮影閾値T1以上となった場合に眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの眼底撮影を実行する。
【0088】
図7は、撮影制御部108による左右眼撮影モード時の眼底カメラユニット14aの撮影制御を説明するための説明図である。
【0089】
図7の符号7Aに示すように、撮影制御部108は、撮影モードとして左右眼撮影モードが選択された場合、オートアライメントの完了後に眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの1回目の眼底撮影、すなわち左右眼の一方(例えば右眼)の眼底撮影(本発明の第1の撮影に相当)を実行する。既述の通り被検眼Eは正常眼であるので、連続撮影モード時の1回目の眼底撮影と同様に眼底撮影を行うことができる。そして、左右眼の一方の眼底撮影が実行されると、左右眼の一方の瞳孔Epは撮影照明光(フラッシュ光)の照射により縮瞳すると共に、この縮瞳に連動して左右眼の他方(例えば左眼)の瞳孔Epも縮瞳する。また、左右眼の一方の眼底撮影が実行されると、アライメント制御部102により左右眼の他方に対する測定ヘッド14のオートアライメントが実行される。
【0090】
図7の符号7Bに示すように、撮影制御部108は、オートアライメントの完了後で且つ左右眼の他方の眼底撮影前は、瞳孔径検出部104により繰り返し検出される瞳孔径dの検出結果に基づき、連続撮影モード時の2回目以降の眼底撮影と同様に、左右眼の他方の瞳孔径dが撮影閾値T1以上となるか否かを判定する。そして、撮影制御部108は、左右眼の他方の瞳孔径dが撮影閾値T1未満である場合には、瞳孔径dが撮影閾値T1以上となるまでこの他方の眼底撮影の実行を待機する。
【0091】
図7の符号7Cに示すように、撮影制御部108は、瞳孔径検出部104により繰り返し検出される瞳孔径dが撮影閾値T1以上になった場合に、眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの2回目の眼底撮影、すなわち左右眼の他方の眼底撮影(本発明の第2の撮影に相当)を実行する。これにより、左右眼の他方の縮瞳が収まるのに合わせて眼底カメラユニット14aによる他方の眼底撮影を自動的に実行することができる。
【0092】
[第1実施形態の眼科装置の作用]
図8は、本発明の眼底カメラの制御方法に相当するものであり、第1実施形態の眼科装置10による被検眼Eの眼底撮影処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは眼底撮影の撮影モードとして連続撮影モード又は左右眼撮影モードが選択された場合を例に挙げて説明を行う。
【0093】
被検者の顔が顔支持部12に支持された後、検者が操作部16にて撮影開始操作を入力すると(ステップS1)、統括制御部90が前眼部像取得部100、アライメント制御部102、瞳孔径検出部104、閾値決定部106、撮影制御部108として機能する。そして、前眼部像取得部100がステレオカメラ20による被検眼Eの前眼部Eaの連続撮影を開始する。これにより、前眼部像取得部100が、ステレオカメラ20から前眼部像D2を繰り返し取得する(ステップS2)。
【0094】
そして、アライメント制御部102が、前眼部像取得部100がステレオカメラ20から取得した前眼部像D2に基づき測定ヘッド14に対する被検眼Eの相対位置を検出した後、電動駆動機構17を駆動して被検眼Eに対する測定ヘッド14のオートアライメントを実行する(ステップS3)。
【0095】
また、瞳孔径検出部104が、前眼部像取得部100が取得した前眼部像D2に基づき(ステップS4、本発明の前眼部像取得ステップに相当)、被検眼Eの瞳孔径dの検出を少なくとも1回以上実行する(ステップS5、本発明の瞳孔径検出ステップに相当)。そして、閾値決定部106が、瞳孔径検出部104による瞳孔径dの検出結果に基づき、撮影閾値T1を決定して記憶部92に記憶させる(ステップS6)。なお、ステップS4,S5は、眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの1回目の眼底撮影前であればそのタイミングは特に限定されず、オートアライメント前或いはオートアライメント中に実行してもよい。
【0096】
オートアライメント及び撮影閾値T1の記憶が完了すると、既述の
図6の符号6A及び
図7の符号7Aに示したように、撮影制御部108は、眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの1回目の眼底撮影を実行させる(ステップS7)。これにより、眼底カメラユニット14aが、被検眼Eの眼底Efに対する撮影照明光(フラッシュ光)の照射と、この眼底Efの撮影とを実行して、眼底撮影像D1を演算制御ユニット22に出力する。この際に、被検眼Eは、正常眼であり1回目の眼底撮影前は縮瞳していないので、良好な眼底撮影像D1が得られる。
【0097】
被検眼Eの1回目の眼底撮影が実行されると、既述の
図6の符号6B及び
図7の符号7Bに示したように、被検眼E(両眼)の瞳孔Epは、眼底カメラユニット14aからの撮影照明光の照射により縮瞳する。
【0098】
撮影モードが連続撮影モードである場合には、被検眼Eの1回目の眼底撮影の完了後、前眼部像取得部100によるステレオカメラ20からの前眼部像D2の取得(ステップS8、本発明の前眼部像取得ステップに相当)と、瞳孔径検出部104による瞳孔径dの検出(ステップS9、本発明の瞳孔径検出ステップに相当)と、が引き続き実行される。一方、眼底撮影の撮影モードが左右眼撮影モードである場合には、図示は省略するが、被検眼Eの1回目の眼底撮影が完了すると、上述のステップS8,S9の処理と並行して、アライメント制御部102により左右眼の他方に対する測定ヘッド14のオートアライメントが実行される。
【0099】
そして、撮影制御部108は、瞳孔径検出部104により繰り返し検出される瞳孔径dが撮影閾値T1以上となるまで待機状態となり、上述のステップS8,S9の処理が繰り返し実行される繰り返し制御が行われる(ステップS10でNO)。
【0100】
次いで、既述の
図6の符号6C及び
図7の符号7Cに示したように、撮影制御部108は、瞳孔径検出部104により繰り返し検出される瞳孔径dが撮影閾値T1以上になった場合に、眼底カメラユニット14aによる被検眼E(左右眼の他方)の2回目の眼底撮影を実行させる(ステップS10でYES、ステップS11)。これにより、眼底カメラユニット14aが、被検眼Eの眼底Efに対する撮影照明光(フラッシュ光)の照射と、この眼底Efの撮影とを実行して、眼底撮影像D1を演算制御ユニット22に出力する。被検眼Eの縮瞳が収まるのに合わせて眼底カメラユニット14aによる2回目の眼底撮影が自動的に実行されるので、良好な眼底撮影像D1が得られる。なお、ステップS11は、本発明の撮影制御ステップに相当する。
【0101】
以下、被検眼Eの3回目以降の眼底撮影(連続撮影モード)を行う場合には、ステップS8からステップS11までの処理が繰り返し実行される(ステップS12)。
【0102】
[第1実施形態の効果]
以上のように第1実施形態では、被検眼Eの縮瞳が発生する2回目以降の眼底撮影において、瞳孔径検出部104の検出結果に基づき被検眼Eの瞳孔径dが撮影閾値T1以上となるまで眼底撮影の実行を待機し、瞳孔径dが撮影閾値T1以上になった場合に眼底撮影を実行することができる。その結果、被検眼Eの瞳孔Epが縮瞳していない状態での眼底撮影を確実に実行可能であるので、良好な眼底撮影像D1が得られる。
【0103】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の眼科装置10の説明を行う。上記第1実施形態の眼科装置10では、撮影照明光の照射により被検眼Eの瞳孔Epが縮瞳した場合に、被検眼Eの瞳孔径dが撮影閾値T1以上となるまで眼底撮影の実行を待機しているが、被検眼E(被検者)によっては瞳孔Epの縮瞳が収まるまでに時間がかかる場合がある。そこで、第2実施形態の眼科装置10では、撮影照明光の照射による瞳孔Epの縮瞳が収まるまでに時間がかかる場合には、小瞳孔径絞り39Aを用いて被検眼Eの眼底撮影を行う。
【0104】
なお、第2実施形態の眼科装置10は、撮影制御部108の機能が一部異なる点を除けば第1実施形態の眼科装置10と基本的に同じ構成であるので、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0105】
図9は、第2実施形態の眼科装置10による被検眼Eの眼底撮影処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップS1からステップS9までの処理は、既述の
図8で説明した第1実施形態と同じであるので具体的な説明は省略する。
【0106】
図9に示すように、第2実施形態の撮影制御部108は、被検眼Eの1回目の眼底撮影後、瞳孔径検出部104により繰り返し検出される瞳孔径dが撮影閾値T1未満である場合には、被検眼Eの2回目の眼底撮影の実行を待機する(ステップS10でNO)。そして、撮影制御部108は待機時間の計測を開始する。撮影制御部108は、瞳孔径検出部104の検出結果に基づき、予め定められた一定時間内に被検眼Eの瞳孔径dが撮影閾値T1以上になった場合には、上記第1実施形態(
図8参照)と同様にステップS11,S12の処理が実行される(ステップS10AでNO)。
【0107】
一方、撮影制御部108は、瞳孔径検出部104の検出結果に基づき、予め定められた一定時間が経過しても瞳孔径dが撮影閾値T1未満である場合、絞り切替機構39Bを駆動して小瞳孔径絞り39Aを照明光の光路に挿入させる(ステップS10AでYES、ステップS10B)。これにより、被検眼Eの瞳孔Epの縮瞳が収まっていない状態においても、小瞳孔径眼に対応した小瞳孔径絞り39Aを用いることで、各照明光(撮影照明光等)で眼底Efを照明することができる。
【0108】
次いで、撮影制御部108は、眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの2回目の眼底撮影を実行させる(ステップS11)。この場合には撮影制御部108は、本発明の第1特殊撮影制御部として機能する。小瞳孔径絞り39Aにより撮影照明光が照射されている眼底Efを眼底カメラユニット14aにより撮影することができるので、良好な眼底撮影像D1が得られる。なお、撮影制御部108は、眼底撮影が完了すると、絞り切替機構39Bを駆動して照明光の光路から小瞳孔径絞り39Aを退避させると共にこの光路に絞り39を挿入する。
【0109】
以下、被検眼Eの3回目以降の眼底撮影(連続撮影モード)を行う場合には、上述の一連の処理が繰り返し実行される(ステップS12)。
【0110】
以上のように第2実施形態では、撮影照明光の照射による被検眼Eの瞳孔Epの縮瞳が収まるまでに時間がかかる場合には、小瞳孔径絞り39Aを照明光の光路に挿入させた状態で被検眼Eの眼底撮影を行うことで、眼底撮影像D1の撮影を短時間で実行することができる。
【0111】
なお、上記第2実施形態では、被検眼Eの瞳孔Epの縮瞳が収まるまでに時間がかかる場合には小瞳孔径絞り39Aを照明光の光路に挿入(配置)させているが、第2実施形態における小瞳孔径絞り39Aは、少なくとも絞り39よりも絞り径が小さいものあれば特に限定されず、一般的な小瞳孔径絞り39Aよりも絞り径が大きいものを用いてもよい。また、第2実施形態の小瞳孔径絞り39Aとして、被検眼Eの瞳孔Epの縮瞳量に応じて絞り径を調整可能な可変絞り(液晶シャッタを含む)を用いてもよい。
【0112】
[第3実施形態]
図10は、第3実施形態の眼科装置10の演算制御ユニット22の機能ブロック図である。上記各実施形態の眼科装置10は被検眼Eとして正常眼の眼底撮影を行うが、第3実施形態の眼科装置10は被検眼Eとして小瞳孔径眼の眼底撮影を行う。具体的には第3実施形態の眼科装置10は、小瞳孔径眼の眼底撮影を行う場合には、小瞳孔径絞り39Aを照明光の光路に自動的に挿入させた状態で、被検眼Eの眼底撮影を実行する。
【0113】
なお、第3実施形態の眼科装置10は、統括制御部90が小瞳孔径判定部109として機能し、且つ撮影制御部108の機能が一部異なり、且つ記憶部92に判定閾値T2が記憶されている点を除けば、上記各実施形態の眼科装置10と基本的に同じ構成である。このため、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0114】
小瞳孔径判定部109は、被検眼Eの1回目の眼底撮影前に、被検眼Eが小瞳孔径眼であるか否かを判定する。判定閾値T2(本発明の第2閾値に相当)は、小瞳孔径判定部109による判定に用いられる閾値であり、撮影閾値T1よりも小さい値、例えば2mm(特開2013-165819号公報参照)に設定されている。なお、判定閾値T2が、被検者の年齢等の小瞳孔径眼の瞳孔径dに係る各種条件ごとに個別に用意されていてもよい。
【0115】
第3実施形態の撮影制御部108は、被検眼Eが小瞳孔径眼である場合に本発明の第2特殊撮影制御部として機能して、小瞳孔径絞り39Aを用いて被検眼Eの眼底撮影を実行する。
【0116】
図11は、第3実施形態の眼科装置10による被検眼Eの眼底撮影処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップS1からステップS5までの処理は、既述の
図8で説明した第1実施形態と同じであるので具体的な説明は省略する。
【0117】
図11に示すように、被検眼Eの1回目の眼底撮影前に、小瞳孔径判定部109が、瞳孔径検出部104が検出した瞳孔径dに基づき、記憶部92内の判定閾値T2を参照して、被検眼Eが小瞳孔径眼であるか否かを判定する(ステップS5A)。具体的には小瞳孔径判定部109は、瞳孔径dが判定閾値T2未満であるか否かに基づき、被検眼Eが小瞳孔径眼であるか否かを判定する。
【0118】
なお、小瞳孔径判定部109により被検眼Eが正常眼であると判定された場合には、上記各実施形態(
図8及び
図9参照)との同様の処理が実行される(ステップS5AでNO)。
【0119】
一方、小瞳孔径判定部109により被検眼Eが小瞳孔径眼であると判定された場合には、撮影制御部108が、絞り切替機構39Bを駆動して小瞳孔径絞り39Aを照明光の光路に挿入させる(ステップS5AでYES、ステップS5B)。そして、撮影制御部108は、この光路中に小瞳孔径絞り39Aを挿入した状態で眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの1回目の眼底撮影を実行させる(ステップS5C)。小瞳孔径眼に対応した小瞳孔径絞り39Aを用いて被検眼Eの眼底撮影を行うことにより、被検眼Eが小瞳孔径眼であっても良好な眼底撮影像D1が得られる。
【0120】
なお、撮影モードが左右眼撮影モードである場合には、図示は省略するが、被検眼Eの1回目の眼底撮影が完了すると、アライメント制御部102により左右眼の他方に対する測定ヘッド14のオートアライメントが実行される。
【0121】
次いで、撮影制御部108は、照明光の光路中に小瞳孔径絞り39Aを挿入した状態で眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの2回目の眼底撮影を実行させる(ステップS5D)。これにより、1回目の眼底撮影時と同様に良好な眼底撮影像D1が得られる。
【0122】
以下、被検眼Eの3回目以降の眼底撮影(連続撮影モード)を行う場合には、ステップS5Dの処理が繰り返し実行される(ステップS5E)。
【0123】
以上のように第3実施形態では、瞳孔径検出部104の検出結果に基づき被検眼Eが小瞳孔径眼であるか否かを判定し、被検眼Eが小瞳孔径眼である場合には照明光の光路中に小瞳孔径絞り39Aを自動的に挿入してから眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの眼底撮影を実行することができる。その結果、被検眼Eが小瞳孔径眼であっても良好な眼底撮影像D1が得られる。また、検者が操作部16にて切替操作を行うことなく、照明光の光路中に小瞳孔径絞り39Aを自動的に挿入させることができる。
【0124】
[第4実施形態]
図12は、第4実施形態の眼科装置10の演算制御ユニット22の機能ブロック図である。上記各実施形態の眼科装置10は、被検眼E(小瞳孔径眼は除く)の2回目以降の眼底撮影において瞳孔径dが撮影閾値T1以上となるまで眼底撮影の実行を待機しているが、この場合には眼底撮影がいつ実行されるのかは不明である。そこで、第4実施形態の眼科装置10は、撮影照明光の照射により縮瞳した被検眼Eの瞳孔径dが撮影閾値T1まで広がるのに要する戻り時間tを予測し、この戻り時間tの報知を行う。
【0125】
なお、第4実施形態の眼科装置10は、演算制御ユニット22にスピーカ119が接続され、且つ統括制御部90が時間予測部110及び報知制御部112として機能する点を除けば、上記各実施形態の眼科装置10と基本的に同じ構成である。このため、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。また、第4実施形態では被検眼Eが正常眼であるものとして説明を行う。
【0126】
図13は、時間予測部110による戻り時間tの予測の第1例を説明するための説明図である。
図13及び既述の
図12に示すように、時間予測部110は、被検眼Eの1回目の眼底撮影が実行された場合に、瞳孔径検出部104による新たな瞳孔径dの検出結果を示す瞳孔径情報120、撮影光源35の種類を示す光源情報122、及び被検者の年齢及び疾患等を示す被検者情報124に基づき、戻り時間tを予測する。
【0127】
戻り時間tは、被検眼Eの1回目の眼底撮影時の瞳孔Ep(瞳孔径d)の縮瞳量に応じて変化し、例えば縮瞳量が大きいほど戻り時間tが長くなる。また、戻り時間tは、撮影光源35の種類(撮影照明光の種類)に応じて変化、例えば特定の撮影光源35では戻り時間tが長くなったり或いは逆に短くなったりする。さらに戻り時間tは、被検者の年齢及び疾患等に応じても変化する。例えば被検者が高齢者であったり眼疲労等の疾患を有していたりすると、戻り時間tが長くなる。従って、時間予測部110は、瞳孔径情報120、光源情報122、及び被検者情報124に基づき、戻り時間tを予測することができる。なお、光源情報122は予め記憶部92内に記憶されており、被検者情報124は操作部16を介して入力、或いは病院のデータベース等から取得可能である。
【0128】
例えば時間予測部110は、瞳孔径情報120、光源情報122、及び被検者情報124に基づき、予め生成されたデータテーブルを参照して戻り時間tを予測する。また、時間予測部110は、瞳孔径情報120、光源情報122、及び被検者情報124を入力とし且つ戻り時間tを出力する学習済みモデルを用いて、戻り時間tの予測を行ってもよい。そして、時間予測部110は、戻り時間tの予測結果を示す戻り時間情報126を報知制御部112に出力する。時間予測部110により予測される戻り時間t(戻り時間情報126)は、瞳孔径検出部104が新たな瞳孔径dを検出するごと、すなわち瞳孔径情報120が更新されるごとに更新される。
【0129】
なお、本実施形態の時間予測部110は、瞳孔径情報120、光源情報122、及び被検者情報124に基づき戻り時間tを予測しているが、光源情報122及び被検者情報124は必須ではなく、瞳孔径情報120のみに基づき戻り時間tを予測してもよい。すなわち時間予測部110は、少なくとも瞳孔径情報120に基づき戻り時間tを予測することができる。
【0130】
図14は、時間予測部110による戻り時間tの予測の第2例を説明するための説明図である。
図14に示すように、被検眼Eの瞳孔Epが撮影照明光の照射により縮瞳してから元の状態に戻るまでの瞳孔径dの時間変化は、図示の波形Wで一般的に表される。このため、時間予測部110は、被検眼Eの1回目の撮影後に瞳孔径検出部104により繰り返し検出される瞳孔径dの実測値MVの時間変化(図中、実線で表示)に基づき、波形Wを公知のフィッティング等の手法で演算することで、瞳孔径dの時間変化の予測値PV(図中、点線で表示)を演算することができる。これにより、時間予測部110は、被検眼Eの瞳孔Epの縮瞳が収まる前(瞳孔径dが撮影閾値T1に到達する前)に、戻り時間tを予測して戻り時間情報126を報知制御部112に出力することができる。
【0131】
図15は、モニタ18での戻り時間情報126の表示の一例を説明するための説明図である。
図15と、既述の
図12及び
図13とに示すように、報知制御部112は、モニタ18及びスピーカ119と共に本発明の報知部を構成する。報知制御部112は、時間予測部110から入力された戻り時間情報126をモニタ18及びスピーカ119に出力する。これにより、モニタ18において例えば前眼部像D2(動画像)と共に戻り時間情報126が表示される。また、スピーカ119から戻り時間情報126が音声出力される。
【0132】
図16は、第4実施形態の眼科装置10による被検眼Eの眼底撮影処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップS1からステップS9までの処理は、既述の第1実施形態(
図8参照)及び第2実施形態(
図12参照)と同じであるので、具体的な説明は省略する。
【0133】
図16に示すように、眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの1回目の眼底撮影の完了後、瞳孔径検出部104により繰り返し検出される瞳孔径dが撮影閾値T1未満である場合(ステップS10でNO)、時間予測部110が作動する。時間予測部110は、瞳孔径検出部104の検出結果等に基づき、既述の
図13又は
図14で説明したように戻り時間tを予測して戻り時間情報126を報知制御部112に出力する(ステップS10α)。
【0134】
そして、報知制御部112は、時間予測部110から入力された戻り時間情報126をモニタ18及びスピーカ119に出力する(ステップS10β)。これにより、既述の
図15に示したように、モニタ18及びスピーカ119から戻り時間情報126が報知(画面表示及び音声出力)される。
【0135】
以下、瞳孔径検出部104により繰り返し検出される瞳孔径dが撮影閾値T1以上となるまで、ステップS8~S10,S10α,S10βの処理が繰り返し実行される。その結果、時間予測部110による戻り時間tの予測結果の更新と、報知制御部112による戻り時間情報126の報知とが繰り返し実行される(ステップS10でNO)。
【0136】
なお、瞳孔径dが撮影閾値T1以上となった以降の処理は、上記第1実施形態と同じであるので説明は省略する。また、瞳孔径dが撮影閾値T1未満である状態が一定時間以上継続した場合には、第2実施形態と同様に小瞳孔径絞り39Aを用いて被検眼Eの眼底撮影を行ってもよい。
【0137】
以上のように第4実施形態では、被検眼Eの2回目以降の眼底撮影を行う場合に、被検眼Eの瞳孔Epの縮瞳が収まるまでの戻り時間tを予測して検者等に報知することができる。これにより、検者は戻り時間t、すなわち2回目以降の被検眼Eの眼底撮影が開始されるタイミングを認識することができる。
【0138】
なお、第4実施形態では、モニタ18及びスピーカ119を用いて戻り時間情報126(戻り時間t)の報知を行っているが、モニタ18及びスピーカ119のいずれか一方のみで戻り時間情報126の報知を行ってもよい。
【0139】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態の眼科装置10について説明する。上記各実施形態では、被検眼Eの1回目の眼底撮影前の瞳孔径dに基づき撮影閾値T1を決定し、この撮影閾値T1に基づき2回目以降の眼底撮影で上述の撮影制御を実行しているが、第5実施形態では、被検眼Eの1回目の眼底撮影から上述の撮影制御を実行する。
【0140】
なお、第5実施形態の眼科装置10は、記憶部92内に予め撮影閾値T1が記憶されている点を除けば、上記各実施形態の眼科装置10と基本的に同じ構成である。このため、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0141】
第5実施形態の撮影閾値T1は、例えば、標準的な瞳孔径dに基づき定められた閾値、或いは被検者の年齢及び疾患等の各種条件ごとに個別に定められた閾値である。なお、被検者ごとの瞳孔Epの瞳孔径dを予め測定して病院のデータベース等に記憶させておくことで、閾値決定部106がデータベースにアクセスして被検者の瞳孔径dの情報を取得すると共にこの取得した情報に基づき撮影閾値T1を決定して記憶部92に記憶させてもよい。
【0142】
図17は、第5実施形態の眼科装置10による被検眼Eの眼底撮影処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップS1からステップS3までの処理は、既述の
図8で説明した第1実施形態と同じであるので具体的な説明は省略する。
【0143】
図17に示すように、第5実施形態の撮影制御部108は、被検眼Eの1回目(N=1)の眼底撮影前(ステップS3A)に記憶部92から撮影閾値T1を取得する。そして、撮影制御部108は、前眼部像取得部100による前眼部像D2の取得及び瞳孔径検出部104による瞳孔径dの検出が行われると(ステップS4,S5)、この瞳孔径dの検出結果に基づき、瞳孔径dが撮影閾値T1以上となるまで被検眼Eの1回目の眼底撮影の実行を待機する(ステップS10CでNO)。
【0144】
そして、撮影制御部108は、瞳孔径検出部104により繰り返し検出される瞳孔径dが撮影閾値T1以上になった場合に、眼底カメラユニット14aによる被検眼Eの1回目の眼底撮影を実行させる(ステップS10CでYES、ステップS11)。これにより、眼底撮影前の別の検査等で照明光が被検眼Eに照射されることで瞳孔Epが縮瞳している場合であっても、この縮瞳が収まるのに合わせて眼底カメラユニット14aによる1回目の眼底撮影を自動的に実行可能である。その結果、良好な眼底撮影像D1が得られる。
【0145】
なお、上記第2実施形態と同様に、瞳孔径dが撮影閾値T1未満である状態が一定時間以上継続した場合には、小瞳孔径絞り39Aを用いて被検眼Eの眼底撮影を行ってもよい。
【0146】
以下、被検眼Eの2回目以降(N≧2)の眼底撮影を行う場合には、ステップS4からステップS11Cまでの処理が繰り返し実行される(ステップS12,S13)。
【0147】
以上のように第5実施形態の眼科装置10では、予め撮影閾値T1を決定しておくことで、被検眼Eの1回目の眼底撮影から上述の撮影制御を実行することができる。これにより、眼底撮影前に行われた他の検査によって被検眼Eの瞳孔Epの縮瞳が発生している場合でも、良好な眼底撮影像D1が得られる。
【0148】
[その他]
上記各実施形態では、瞳孔径検出部104がステレオカメラ20により撮影された前眼部像D2に基づき被検眼Eの瞳孔径dを検出しているが、眼底カメラユニット14aにより撮影された前眼部像D2に基づき瞳孔径dの検出を行ってもよい。この場合でも上述の撮影制御部108による撮影制御を実施可能である。
【0149】
上記各実施形態では、撮影開始操作がなされてから被検眼Eの眼底撮影が全て終了するまでの間、ステレオカメラ20又は眼底カメラユニット14aによる前眼部像D2の撮影を繰り返し実行(連続的に実行)しているが、被検眼Eの眼底撮影前の所定期間だけ前眼部像D2の撮影を繰り返し実行してもよい。
【0150】
上記各実施形態では、絞り39及び小瞳孔径絞り39Aが別体に設けられているが、絞り径を調整可能な可変絞りを、絞り39及び小瞳孔径絞り39Aとして機能させてもよい。
【0151】
上記各実施形態では、眼底カメラと光干渉断層計との複合機を例に挙げて説明したが、無散瞳の被検眼Eの眼底撮影を行う眼底カメラ(無散瞳眼底カメラ)にも本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0152】
10 眼科装置
11 ベース
12 顔支持部
12a 顎受け
12b 額当て
13 架台
14 測定ヘッド
14a 眼底カメラユニット
14b OCTユニット
15 外部固視灯
16 操作部
16a 操作レバー
17 電動駆動機構
18 モニタ
19 レンズ収容部
20 ステレオカメラ
20a 第1カメラ
20b 第2カメラ
22 演算制御ユニット
30 照明光学系
31 観察光源
32 反射ミラー
33 集光レンズ
34 可視カットフィルタ
35 撮影光源
36 ミラー
37 リレーレンズ
38 リレーレンズ
39 絞り
39A 小瞳孔径絞り
39B 絞り切替機構
40 リレーレンズ
41 孔開きミラー
42 ダイクロイックミラー
43 対物レンズ
50 撮像光学系
51 合焦レンズ
52 ミラー
53 ハーフミラー
54 視標表示部
55 ダイクロイックミラー
56 集光レンズ
57 撮像素子
58 ミラー
59 集光レンズ
60 撮像素子
70 フォーカス光学系
71 LED
72 リレーレンズ
73 スプリット指標板
74 二孔絞り
75 ミラー
76 集光レンズ
77 反射棒
80 OCT光学系
81 コリメータレンズユニット
82 光路長変更部
83 ガルバノスキャナ
84 合焦レンズ
85 ミラー
86 リレーレンズ
90 統括制御部
92 記憶部
94 画像形成部
96 データ処理部
100 前眼部像取得部
102 アライメント制御部
104 瞳孔径検出部
106 閾値決定部
108 撮影制御部
109 小瞳孔径判定部
110 時間予測部
112 報知制御部
119 スピーカ
120 瞳孔径情報
122 光源情報
124 被検者情報
126 戻り時間情報
D1 眼底撮影像
D2 前眼部像
E 被検眼
Ea 前眼部
Eb 瞳孔縁
Ef 眼底
Ep 瞳孔
Er 虹彩
MV 実測値
OA 光軸
PV 予測値
T1 撮影閾値
T2 判定閾値
W 波形
d 瞳孔径
t 戻り時間