(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-19
(45)【発行日】2025-02-28
(54)【発明の名称】シート状化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20250220BHJP
A61K 8/87 20060101ALI20250220BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20250220BHJP
A61K 8/368 20060101ALI20250220BHJP
A61K 8/67 20060101ALI20250220BHJP
A61Q 19/02 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/87
A61K8/36
A61K8/368
A61K8/67
A61Q19/02
(21)【出願番号】P 2020203340
(22)【出願日】2020-12-08
【審査請求日】2023-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【氏名又は名称】前川 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】廣▲瀬▼ 友香
【審査官】辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-132631(JP,A)
【文献】特開2013-121922(JP,A)
【文献】特開2020-105077(JP,A)
【文献】特開2020-193154(JP,A)
【文献】Facial Sheet Mask,ID 6073303,Mintel GNPD[online],2018年10月,[検索日2022.02.24],インターネット<https
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンと、
(B)塩型美白薬剤と、
(E)イソステアリン酸と、
を含む基剤を、不織布に含浸させてなるシート状化粧料
であって、
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンに対する(E)イソステアリン酸の質量比が0.3~1.6である、シート状化粧料。
【請求項2】
前記(B)塩型美白薬剤が4-メトキシサリチル酸カリウム塩またはアスコルビン酸グルコシドである請求項1記載のシート状化粧料。
【請求項3】
前記(B)塩型美白薬剤に対する前記(A)疎水変性ポリエーテルウレタンの質量比が0.2~1である請求項1または2記載のシート状化粧料。
【請求項4】
さらに(C)カルボキシビニルポリマーを含む請求項1、2または3記載のシート状化粧料。
【請求項5】
さらに(D)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルまたはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の少なくともいずれかを含む請求項1~4いずれか1項記載のシート状化粧料。
【請求項6】
前記(A)疎水変性ポリエーテルウレタンが(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーである請求項1~
5いずれか1項記載のシート状化粧料。
【請求項7】
前記(D)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルが(モノ)イソステアリン酸PEG-20グリセリルである請求項
5記載のシート状化粧料。
【請求項8】
前記(D)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がPEG60水添ヒマシ油である請求項
5記載のシート状化粧料。
【請求項9】
さらに(F)ジグリセリンを基剤全量に対し0.2~4質量%含む請求項1~
8いずれか1項記載のシート状化粧料。
【請求項10】
さらに(G)25℃における動粘度が50mm
2/s以上のジメチコンを基剤全量に対し2~5質量%含む請求項1~
9いずれか1項記載のシート状化粧料。
【請求項11】
前記不織布が、ポリエステル系繊維およびセルロース系繊維を含むものである請求項1~
10いずれか1項記載のシート状化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基剤を含浸したシート状化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
美白剤を配合した皮膚化粧料は広く知られており、例えば特許文献1には、トラネキサム酸やアスコルビン酸グルコシドを配合した皮膚化粧料が記載されている。また特許文献2には、L-アスコルビン酸2-グルコシド、3-O-エチルアスコルビン酸、コウジ酸、エラグ酸、ハイドロキノンβ-D-グルコシド、4-n-ブチルレゾルシノール、5,5’-ジプロピルビフェニル-2,2’-ジオール、トラネキサム酸セチル塩酸塩、trans-4-(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸、ニコチン酸アミド、および4-メトキシサリチル酸カリウム塩を配合したゲル状組成物が記載されている。
【0003】
一方、化粧料を不織布に含浸させたマスク等のシート状化粧料が知られている。例えば、特許文献3には、有効成分として、トラネキサム酸や4-メトキシサリチル酸カリウム塩等の美白成分、抗炎症成分および保湿成分を含有し、アルカリゲネス産生多糖体を含有するシート状化粧料が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2019/093254号
【文献】特開2019-14672号公報
【文献】特開2018-62484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような化粧料を不織布に含浸させたシート状化粧料は、肌に載せた時の液だれを抑制するために含侵させている基剤は高粘度にしたいという要求がある。しかし、4-メトキシサリチル酸塩等のいわゆる塩型美白薬剤は、その塩が化粧品に汎用的に用いられる増粘剤の粘度を低減させてしまうため、塩型美白薬剤を含有しながら、液だれがなく肌への密着性が高いシート状化粧料はこれまでなかった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基剤の粘度を低減させることなく塩型美白薬剤を含有させることができ、肌に貼付しても液だれがなく、シートを剥がした後のもちもち感に優れ、肌に対するシートの密着性が高いにもかかわらず剥がした後にべたつきのないシート状化粧料を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシート状化粧料は、
少なくとも、
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンと、
(B)塩型美白薬剤と、
を含む基剤を、不織布に含浸させてなるものである。
【0008】
(B)塩型美白薬剤は4-メトキシサリチル酸カリウム塩またはアスコルビン酸グルコシドであることが好ましい。
【0009】
(B)塩型美白薬剤に対する(A)疎水変性ポリエーテルウレタンの質量比は0.2~1であることが好ましい。
【0010】
さらに(C)カルボキシビニルポリマーを含むことが好ましい。
【0011】
さらに(D)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルまたはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
【0012】
さらに(E)イソステアリン酸を含むことが好ましい。
【0013】
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンは(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーであることが好ましい。
【0014】
(D)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルは(モノ)イソステアリン酸PEG-20グリセリルであることが好ましい。
【0015】
(D)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油はPEG60水添ヒマシ油であることが好ましい。
【0016】
さらに(F)ジグリセリンを基剤全量に対し0.2~4質量%含むことが好ましい。
【0017】
さらに(G)25℃における動粘度が50mm2/s以上のジメチコンを基剤全量に対し2~5質量%含むことが好ましい。
【0018】
不織布は、ポリエステル系繊維およびセルロース系繊維を含むものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のシート状化粧料は、
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンと、
(B)塩型美白薬剤と、
を含む基剤を不織布に含浸させてなるので、基剤の粘度を低減させることなく塩型美白薬剤を含有させることができ、肌に貼付しても液だれがなく、シートを剥がした後のもちもち感に優れ、肌に対するシートの密着性が高いにもかかわらず剥がした後にべたつきのないものとすることができる。
【0020】
以下、本発明のシート状化粧料について詳細に説明する。
本発明のシート状化粧料は、
少なくとも、
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンと、
(B)塩型美白薬剤と、
を含む基剤を、不織布に含浸させてなるものである。
以下、基剤の各成分および基剤を含侵させる不織布について説明する。なお、以下において各成分を、単に(A)成分、(B)成分等と称する場合がある。
また、本明細書において、HDIはヘキサメチレンジイソシアネート、POEはポリオキシエチレン、PEGはポリエチレングリコール、POPはポリオキシプロピレン、PPGはポリプロピレングリコール、DPGはジプロピレングリコール、BGはブチレングリコール、EOはエチレンオキシド、POはプロピレンオキシドの略である。
【0021】
(A)疎水変性ポリエーテルウレタン
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンは下記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンである。
【0022】
【0023】
上記式(I)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に炭素原子数2~4のアルキレン基、またはフェニルエチレン基を示す。好ましくは炭素原子数2~4のアルキレン基である。
R3はウレタン結合を有していてもよい炭素原子数1~10のアルキレン基を示す。
R5は炭素原子数8~36、好ましくは12~24の、直鎖、分岐または2級のアルキル基を示す。
mは2以上の数である。好ましくは2である。
hは1以上の数である。好ましくは1である。
kは1~500の数である。好ましくは100~300の数である。
nは1~200の数である。好ましくは10~100の数である。
【0024】
上記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンは、例えば、R1-[(O-R2)k-OH]m(ここで、R1、R2、k、mは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリエーテルポリオールと、R3-(NCO)h+1(ここで、R3、hは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリイソシアネートと、HO-(R4-O)n-R5(ここで、R4、R5、nは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリエーテルモノアルコールとを反応させることにより得る方法が好適例として挙げられる。
【0025】
この場合、式(I)中のR1~R5は、用いるR1-[(O-R2)k-OH]m、R3-(NCO)h+1、HO-(R4-O)n-R5により決定される。上記3者の仕込み比は、特に限定されるものでないが、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基の比が、NCO/OH=0.8:1~1.4:1であるのが好ましい。
【0026】
上記式R1-[(O-R2)k-OH]mで表されるポリエーテルポリオール化合物は、m価のポリオールにエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド、スチレンオキシド等を付加重合することによりできる。
【0027】
ここでポリオールとしては、2~8価のものが好ましく、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3-ブタントリオール、1,2,3-ペンタトリオール、2-メチル-1,2,3-プロパントリオール、2-メチル-2,3,4-ブタントリオール、2-エチル-1,2,3-ブタントリオール、2,3,4-ペンタントリオール、2,3,4-ヘキサントリオール、4-プロピル-3,4,5-ヘプタントリオール、2,4-ジメチル-2,3,4-ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4-ブタントリオール、1,2,4-ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、1,2,3,4-ペンタンテトロール、2,3,4,5-ヘキサンテトロール、1,2,4,5-ペンタンテトロール、1,3,4,5-ヘキサンテトロール等の4価のアルコール;アドニット、アラビット、キシリット等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビット、マンニット、イジット等の6価アルコール;ショ糖等の8価アルコール等が挙げられる。
【0028】
また、付加させるアルキレンオキシド、スチレンオキシド等により、R2が決定されるが、特に入手が容易であり、優れた効果を発揮させるためには、炭素原子数2~4のアルキレンオキシドあるいはスチレンオキシドが好ましい。
【0029】
付加させるアルキレンオキシド、スチレンオキシド等は単独重合、2種類以上のランダム重合あるいはブロック重合であってよい。付加の方法は通常の方法であってよい。重合度kは1~500である。R2に占めるエチレン基の割合は、好ましくは全R2の50~100質量%である。
【0030】
R1-[(O-R2)k-OH]mの分子量は500~10万のものが好ましく、1000~5万のものが特に好ましい。
【0031】
上記式R3-(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されない。例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルメタンのジ-、トリ-、テトライソシアネート等が挙げられる。
【0032】
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2-ジメチルペンタンジイソシアネート、3-メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3-ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4-ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0033】
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、2,6-ナフタレンジイソシアネート、2,7-ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0034】
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
【0035】
ビフェニルジイソシアネートとしては、例えば、ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメトキシビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
【0036】
フェニルメタンのジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン-4,4’-ジイソシアネート、2,5,2’,5’-テトラメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、シクロヘキシルビス(4-イソシオントフェニル)メタン、3,3’-ジメトキシジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジメトキシジフェニルメタン-3,3’-ジイソシアネート、4,4’-ジエトキシジフェニルメタン-3,3’-ジイソシアネート、2,2’-ジメチル-5,5’-ジメトキシジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジクロロジフェニルジメチルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ベンゾフェノン-3,3’-ジイソシアネート等が挙げられる。
【0037】
フェニルメタンのトリイソシアネートとしては、例えば、1-メチルベンゼン-2,4,6-トリイソシアネート、1,3,5-トリメチルベンゼン-2,4,6-トリイソシアネート、1,3,7-ナフタレントリイソシアネート、ビフェニル-2,4,4’-トリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアネート、3-メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルオクタン、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
【0038】
また、これらのポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー(イソシアヌレート結合)で用いられてもよく、また、アミンと反応させてビウレットとして用いてもよい。
【0039】
さらに、これらのポリイソシアネート化合物と、ポリオールを反応させたウレタン結合を有するポリイソシアネートも用いることができる。ポリオールとしては、2~8価のものが好ましく、前述のポリオールが好ましい。なお、R3-(NCO)h+1として3価以上のポリイソシアネートを用いる場合は、このウレタン結合を有するポリイソシアネートが好ましい。
【0040】
上記式HO-(R4-O)n-R5で表されるポリエーテルモノアルコールは、直鎖および分岐鎖または2級の1価アルコールのポリエーテルであれば特に限定されない。このような化合物は、直鎖および分岐鎖または2級の1価アルコールにエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド、スチレンオキシド等を付加重合することにより得ることができる。
【0041】
ここでいう直鎖アルコールとは、下記式(II)で表される。
R6-OH (II)
【0042】
また、ここでいう分岐鎖アルコールとは、下記式(III)で表される。
【化2】
【0043】
また、2級アルコールとは、下記式(IV)で表される。
【化3】
【0044】
したがって、R5は、上記式(II)~(IV)において水酸基を除いた基である。上記式(II)~(IV)においてR6、R7、R8、R10およびR11は炭化水素基またはフッ素炭素基であり、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等である。
【0045】
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2-オクチルドデシル、2-ドデシルヘキサデシル、2-テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐-イソステアリル等が挙げられる。
【0046】
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
【0047】
アルキルアリール基としては、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、α-ナフチル、β-ナフチル基等が挙げられる。
【0048】
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
【0049】
上記式(III)において、R9は炭化水素基、またはフッ化炭素基であり、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基等である。
【0050】
また、R5は、炭化水素基またはフッ化炭素基であり、そのうちアルキル基であることが好ましく、さらにその合計の炭素原子数が8~36が好ましく、12~24が特に好ましい。
【0051】
また、付加させるアルキレンオキシド、スチレンオキシド等は、単独重合、2種以上のランダム重合あるいはブロック重合であってよい。付加の方法は通常の方法であってよい。重合度nは0~1000であり、好ましくは1~200、さらに好ましくは10~200が良い。また、R4に占めるエチレン基の割合が、好ましくは全R4の50~100質量%、さらに好ましくは、65~100質量%であることが望ましい。
【0052】
上記式(I)で表されるコポリマーを製造する方法としては、通常のポリエーテルとイソシアネートとの反応と同様にして、例えば、80~90℃で1~3時間加熱し、反応せしめて得ることができる。
【0053】
また、R1-[(O-R2)k-OH]mで表されるポリエーテルポリオール(a)と、R3-(NCO)h+1で表されるポリイソシアネート(b)と、HO-(R4-O)n-R5で表されるポリエーテルモノアルコール(c)とを反応させる場合には、式(I)の構造のコポリマー以外のものも副生することがある。例えば、ジイソシアネートを用いた場合、主生成物としては式(I)で表されるc-b-a-b-c型のコポリマーが生成するが、その他、c-b-c型、c-b-(a-b)x-a-b-c型等のコポリマーが副生することがある。この場合、特に式(I)型のコポリマーを分離することなく、式(I)型のコポリマーを含む混合物の状態で本発明に使用することができる。
【0054】
特に好ましい例として、INCI名称が「(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー(PEG-240/HDI COPOLYMER BISDECYLTETRADECETH-20 ETHER)」である疎水変性ポリエーテルウレタンが挙げられる。当該コポリマーは、商品名「アデカノールGT-700」として株式会社ADEKAから市販されている。
【0055】
(A)疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量は、基剤全量に対して、好ましくは0.1~3質量%、より好ましくは0.3~2.5質量%、さらには0.5~3質量%であることが望ましい。配合量が0.1質量%以上であることで、基剤の粘度をより低減させることなく(B)塩型美白薬剤を含有させることができ、シートを剥がした後でもよりもちもちとした独特の感触がより得られ、3質量%以下であることで、より肌に対するシートの密着性がよく、剥がした後によりべたつきがないものとするができる。
【0056】
(B)塩型美白薬剤
(B)塩型美白薬剤は、塩を形成可能な水溶性の薬剤を意味し、塩を形成した状態の美白薬剤であってもよいし、他の化合物と反応して塩を形成することが可能である美白薬剤であってもよい。水溶性薬剤であれば特に制限がなく希望する薬剤を配合することができる。例えば、L-アスコルビン酸およびその誘導体の塩、トラネキサム酸およびその誘導体の塩、アルコキシサリチル酸およびその誘導体の塩、グルタチオンおよびその誘導体の塩などが好ましいものとして挙げられる。
【0057】
L-アスコルビン酸は、一般にビタミンCと言われ、強い還元作用により細胞呼吸作用、酵素賦活作用、膠原形成作用を有し、かつメラニン還元作用を有する。L-アスコルビン酸誘導体としては、L-アスコルビン酸モノステアレート、L-アスコルビン酸モノパルミテート、L-アスコルビン酸モノオレートなどのL-アスコルビン酸モノアルキルエステル類;L-アスコルビン酸モノリン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルなどのL-アスコルビン酸モノエステル類;L-アスコルビン酸ジステアレート、L-アスコルビン酸ジパルミテート、L-アスコルビン酸ジオレートなどのL-アスコルビン酸ジアルキルエステル類;L-アスコルビン酸トリステアレート、L-アスコルビン酸トリパルミテート、L-アスコルビン酸トリオレートなどのL-アスコルビン酸トリアルキルエステル類;L-アスコルビン酸トリリン酸エステルなどのL-アスコルビン酸トリエステル類;L-アスコルビン酸2-グルコシドなどのL-アスコルビン酸グルコシド類などが挙げられる。本発明では、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸リン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステル、L-アスコルビン酸2-グルコシド、アスコルビン酸リン酸マグネシウムの各塩の形で好適に用いられる。
【0058】
トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸の二量体、(例えば、塩酸トランス-4-(トランス-アミノメチルシクロヘキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサン
カルボン酸、等)、トラネキサム酸とハイドロキノンのエステル体(例えば、4-(トランス-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸4’-ヒドロキシフェニルエステル、等)、トラネキサム酸とゲンチシン酸のエステル体(例えば、2-(トランス-4-アミノメチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)-5-ヒドロキシ安息香酸、等)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トランス-4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルアミド、トランス-4-(p-メトキシベンゾイル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、トランス-4-グアニジノメチルシクロヘキサンカルボン酸、等)などが挙げられる。本発明ではトラネキサム酸の塩あるいはトラネキサム酸誘導体の塩の形で好適に用いられる。
【0059】
アルコキシサリチル酸は、サリチル酸の3位、4位または5位のいずれかの水素原子がアルコキシ基にて置換されたものであり、置換基であるアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基のいずれかであり、さらに好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。具体的に化合物名を例示すれば、3-メトキシサリチル酸、3-エトキシサリチル酸、4-メトキシサリチル酸、4-エトキシサリチル酸、4-プロポキシサリチル酸、4-イソプロポキシサリチル酸、4-ブトキシサリチル酸、5-メトキシサリチル酸、5-エトキシサリチル酸、5-プロポキシサリチル酸などが挙げられる。本発明ではアルコキシサリチル酸およびその誘導体(エステルなど)の各塩の形で好適に用いられる。
【0060】
上記薬剤の塩としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩のほか、アンモニウム塩、アミノ酸塩等の塩が挙げられる。
特に、4-メトキシサリチル酸カリウム塩またはアスコルビン酸グルコシドが好ましく用いられる。
【0061】
(B)塩型美白薬剤は、1種または2種以上を用いることができ、その配合量は任意であり、用いる(B)塩型美白薬剤にもよるため一概にはいえないが、基剤全量に対して、0.001~3質量%が好ましく、さらには0.05~2質量%であることが望ましい。0.001質量%以上であることで、美白効果をより実現することができ、3質量%以下であることで使用性を良好なものとすることができる。
【0062】
(B)塩型美白薬剤に対する(A)疎水変性ポリエーテルウレタンの質量比は0.2~1であることが好ましく、0.3~0.8であることがより好ましい。(B)塩型美白薬剤に対する(A)疎水変性ポリエーテルウレタンの質量比が0.3以上であることで、基剤の粘度をより低減させることなく(B)塩型美白薬剤を含有させることができ、シートを剥がした後でもよりもちもちとした独特の感触がより得られ、質量比が1以下であることで、より肌に対するシートの密着性がよく、剥がした後によりべたつきがないものとするができる。
【0063】
(C)カルボキシビニルポリマー
本発明の基剤には、(C)カルボキシビニルポリマーを含むことが好ましい。
(C)カルボキシビニルポリマー(カルボマー)は、カルボキシル基を有する水溶性のビニルポリマーであり、具体的には、アクリル酸および/またはメタクリル酸を主鎖とするポリマーである。カルボキシビニルポリマーの市販品としては、Carbopol 940、Carbopol 941、Carbopol 980、Carbopol 981(いずれもルブリゾール社製)等を使用することができる。
【0064】
(C)カルボキシビニルポリマーの配合量は0.01~1質量%が好ましく、さらに好ましくは0.05~0.8質量%、さらには0.1~0.5質量%であることが望ましい。(C)カルボキシビニルポリマーの配合量が0.01質量%以上であることで、静置粘度をより充分なものすることができるので、基剤のクリーミングを防ぎ安定的に保つことができる。また1質量%以下であることで、より肌に対するシートの密着性がよく、剥がした後によりべたつきがないものとするができる。
【0065】
(D)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルまたはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
本発明の基剤には、(D)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルまたはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含むことが好ましい。
(D)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルまたはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は少なくともいずれかを含めばよく、両方を含んでいてもよい。
【0066】
(ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル)
ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルとしては、例えば、(モノ)イソステアリン酸PEG-8グリセリル、(モノ)イソステアリン酸PEG-20グリセリル、(モノ)イソステアリン酸PEG-60グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリルが挙げられる。
ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルは、ポリオキシエチレンの付加モル数が5~20であるものが好ましい。
【0067】
ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルの市販品としては、ポリオキシエチレン(8)モノイソステアリン酸グリセリルであるエマレックスGWIS-108(日本エマルジョン株社製)、(モノ)イソステアリン酸PEG-20グリセリルであるエマレックスGWIS-120(同)、ポリオキシエチレン(60)モノイソステアリン酸グリセリルであるエマレックスGWIS-160(同)、ポリオキシエチレン(20)トリイソステアリン酸グリセリルであるエマレックスGWIS-320(同)、PEG-7ヤシ油脂肪酸グリセリルであるセチオールHE(コグニスジャパン株社製)やグリセロックスHE(CRODA社)等が挙げられる。
【0068】
(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、親水性であることが好ましく、エチレンオキシドの平均付加モル数が30~100、さらには40~80であることが好ましい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の市販品としては、PEG30水添ヒマシ油であるニッコールHCO-30、PEG40水添ヒマシ油であるニッコールHCO-40、PEG60水添ヒマシ油であるニッコールHCO-60、PEG100水添ヒマシ油であるニッコールHCO-100等(いずれも日光ケミカルズ株社製)が挙げられる。このうち、PEG60水添ヒマシ油を特に好適に用いることができる。
【0069】
(D)成分の配合量は0.01~1質量%が好ましく、さらに好ましくは0.05~0.8質量%、さらには0.08~0.5質量%であることが望ましい。(D)成分の配合量が0.01質量%以上であることで、シートを触った時のぷるぷるとした感触をより保つことができ、かつ乳化安定性もより向上させることができる。また1質量%以下であることで、より肌に対するシートの密着性がよく、剥がした後によりべたつきがないものとすることができる。
【0070】
(E)高級脂肪酸
本発明の基剤には、(E)高級脂肪酸を含むことが好ましい。
(E)高級脂肪酸は、直鎖状または分岐鎖状の、飽和または不飽和の炭化水素基を有する炭素原子数12~22の高級脂肪酸であって、常温(25℃)で液状のものであることが好ましい。例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の直鎖脂肪酸や、イソステアリン酸、イソパルミチン酸等の分岐鎖脂肪酸が挙げられる。特にイソステアリン酸が好ましく使用できる。
【0071】
(E)高級脂肪酸の配合量は0.01~3質量%が好ましく、さらに好ましくは0.05~2質量%、さらには0.1~1.5質量%、特には0.2~1質量%であることが望ましい。(D)高級脂肪酸の配合量が0.01質量%以上であることで、より肌に対するシートの密着性がありながらべたつかないものとすることができる。また3質量%以下であることで、シートを剥がした後に肌がぬるつかないものとすることができる。
【0072】
(E)高級脂肪酸がイソステアリン酸である場合、(A)疎水変性ポリエーテルウレタンに対するイソステアリン酸の質量比は0.3~1.6であることが好ましい。(A)疎水変性ポリエーテルウレタンに対するイソステアリン酸の質量比が0.3以上であることで、より肌に対するシートの密着性がよく、剥がした後によりべたつきがないものとするができる。また、1.6以下であることで、シートを剥がした後に肌がぬるつかないものとすることができる。
【0073】
(F)ジグリセリン
本発明の基剤には、1分子内に水酸基を3個以上有する多価アルコールである(F)ジグリセリンを基剤全量に対し0.2~4質量%含んでいてもよい。(F)ジグリセリンを基剤全量に対し0.2~4質量%の範囲であることで、より肌に対するシートの密着性がよく、剥がした後によりべたつきがないものとするができる。
【0074】
(G)25℃における動粘度が50mm2/s以上のジメチコン
本発明の基剤には、(G)25℃における動粘度が50mm2/s以上のジメチコンを基剤全量に対し2~5質量%含んでいてもよい。(G)成分の配合量が基剤全量に対し2~5質量%の範囲であることで、より肌に対するシートの密着性がよく、剥がした後によりべたつきがないものとするができる。
【0075】
本発明のシート状化粧料は、上記基剤を不織布に含浸させてなるものである。含浸される不織布は特に限定されないが、天然繊維、再生繊維、合成繊維から選ばれる単繊維または混合繊維の単層または積層であってもよい。例えば、セルロース系繊維(コットン、パルプ、リヨセル、キュプラ、レーヨン、アセテートなど)、アクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリアミド系繊維から選ばれる単繊維または混合繊維が好ましく挙げられる。特にポリエステル系繊維とセルロース系繊維の混合繊維が好ましく、コットン、パルプ、ポリエチレンテレフタレートの混合繊維がさらに好ましい。
【0076】
シートの厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、シートが不織布の場合には、0.1~10mmが好ましく、0.1~5mmがより好ましい。また、目付は10~100g/m2が好ましく、30~80g/m2がより好ましい。目付が10g/m2以上であると、使用する際に破けたりすることがなく、また、100g/m2以下であることで、コスト高を抑制することができる。
【0077】
シートの形状は特に限定されるものではなく、例えば、正方形、長方形の他、楕円形、円形、ハート形、半円形、半楕円形、台形、顔型等が挙げられる。
本発明のシート状化粧料において、シートへの基剤の含浸方法は公知の手段により行うことができ、例えば、滴下法、噴霧法、加圧法、ディッピング加工法が挙げられる。シートはそのままあるいは折りたたむなどして1枚または複数枚を用い、これに基剤を含浸させる。不織布に含浸させる基剤の含浸量は特に限定されないが、不織布と基剤の特性に応じて適宜調整し、不織布の質量に対して1.5~25倍の含浸量が好ましい。
【0078】
基剤を含浸させたシートは、直ちに気密性の高い容器に封入することが好ましく、特にアルミラミネート製包装体やポリエチレンテレフタレート(PET)で内面コートした包装体等の光を通さず、気密の良い袋等に密封装填することがより好ましい。
【0079】
本発明のシート状化粧料に含浸させる基剤には、上記の(A)~(G)成分以外に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、水性成分、油性成分、粉末等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0080】
水性成分としては、水や水溶性成分などが挙げられる。水溶性成分としては、例えば低級アルコール、保湿剤、水溶性高分子(天然、半合成、合成、無機)などが挙げられる。なお、水溶性高分子は増粘目的ではない物を指す。
【0081】
低級アルコールとしては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどが例示される。
【0082】
保湿剤としては、グリセリン、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、エラスチン、アミノ酸、核酸、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサイヨバラ抽出物、セイヨウノキギリソウ抽出物、メリロート抽出物などが例示される。
【0083】
天然の水溶性高分子としては、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリントガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系水溶性高分子;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグリカン、ブルラン等の微生物系水溶性高分子;コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系水溶性高分子などが例示される。
【0084】
半合成水溶性高分子としては、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系水溶性高分子;メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系水溶性高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系水溶性高分子などが例示される。
【0085】
合成水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン等のビニル系水溶性高分子;ポリエチレングリコール20,000、同4,000,000、同600,000等のポリオキシエチレン系水溶性高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等の共重合系水溶性高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系水溶性高分子のほか、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなどが例示される。
【0086】
無機の水溶性高分子としては、ベントナイト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸などが例示される。
【0087】
粉末成分としては、疎水性粉末、親水性粉末のいずれも用いることができる。また、粉末自体が疎水性、親水性のもののみならず、粉末表面を疎水化、親水化の処理をしてもよい。
【0088】
粉末成分としては、例えばタルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなど)、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末などの有機粉末や、トリメチルシルセスキオキサン粉末などのシリコーン粉末、窒化ホウ素等の無機粉末;二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料;酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料;γ-酸化鉄等の無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック、低次二酸化チタン等の無機黒色系顔料;マンゴバイオレット、バルトバイオレット等の無機紫色系顔料;酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料;群青、紺青等の無機青色系顔料;二酸化チタンコーテッドマイカ、二酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、二酸化チタンコーテッドタルク、着色二酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料等が挙げられる。
【0089】
これら粉末成分を疎水化処理する方法としては、疎水化処理方法としては、撥水性を付与できる方法であればいかなるものでもよく、その方法は問わないが、例えば気相法、液相法、オートクレーブ法、メカノケミカル法等、通常の表面処理方法を用いることができる。疎水化処理剤としては、特に限定されるものではないが、脂肪酸デキストリン処理粉末、トリメチルシロキシ珪酸処理粉末、フッ素変性トリメチルシロキシ珪酸処理粉末、メチルフェニルシロキシ珪酸処理粉末、フッ素変性メチルフェニルシロキシ珪酸処理粉末、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の低粘度~高粘度油状ポリシロキサン処理粉末、ガム状ポリシロキサン処理粉末、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、フッ素変性メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、メチルトリクロルシラン、メチルトリアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルクロルシラントリメチルアルコキシシラン等の有機シリル化合物あるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、エチルトリクロルシラン、エチルトリアルコキシシラン、プロピルトリクロルシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ヘキシルトリクロルシラン、ヘキシルトリアルコキシシラン、長鎖アルキルトリクロルシラン、長鎖アルキルトリエトキシシラン等の有機変性シランあるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、アミノ変性ポリシロキサン処理粉末、フッ素変性ポリシロキサン処理粉末、フッ化アルキルリン酸処理粉末等が挙げられる。
【0090】
本発明のシート状化粧料の基剤に配合される油性成分は、通常化粧料に配合され得る油性成分であれば特に限定されるものでなく、例えば、油脂、ロウ類、炭化水素油、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油等が挙げられる。
【0091】
油脂としては、アボガド油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂;カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固体油脂などが例示される。
【0092】
ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテルなどが例示される。
【0093】
炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどが例示される。
【0094】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール;モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分岐鎖アルコールなどが例示される。
【0095】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリー2-エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-クチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、クロタミトン(C13H17NO)などが例示される。
【0096】
シリコーン油としては、(F)以外のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン等の環状ポリシロキサン;3次元網目構造を形成しているシリコ-ン樹脂、シリコーンゴムなどが例示される。
【0097】
乳化剤としては、グリセリンまたはポリグリセリン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビット脂肪酸エステル類、POE脂肪酸エステル類、POEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPアルキルエーテル類、POE蜜ロウ・ラノリン誘導体、アルカノールアミド類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル類、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド類から選択される1種または2種以上を配合する。
【0098】
上記例示した成分以外のその他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);(B)以外の美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等);酸化防止剤(酢酸トコフェロール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等);紫外線吸収剤等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【実施例】
【0099】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限りすべて質量%である。
【0100】
(実施例および比較例)
下記表1~3に示す処方で基剤を作製し、作製した基剤について静置粘度および動粘度を以下の条件で測定した。また、基剤を不織布(コットン、パルプ、ポリエチレンテレフタレートからなる混合繊維、目付け70g/m2、含浸量14.5倍)に含浸させてシート状化粧料を作製し、使用性について以下の基準で評価した。
【0101】
(静置粘度)
作製した基剤について、レオメーターとしてMCR300(Anton―Paar社製)を用い、25℃雰囲気下において、せん断速度0.05[1/s]時の粘度を測定した。
【0102】
(動粘度)
作製した基剤についてVISCOMETER TVB-15(東機産業社製)、ローターNo.2、No.3、No.4を用い、回転数12rpm、1分間の条件で測定した。
【0103】
(シートを貼付するときの液だれのなさ)
作製したシート状化粧料を専門パネラー10名に使用してもらい、シートを貼付するときの液だれのなさについて評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価点>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
<評価基準>
A+:平均点が4.5点以上
A :平均点が3.5点以上4.5点未満
B :平均点が2.5点以上3.5点未満
C :平均点が2.5点未満
【0104】
(シートの密着感)
作製したシート状化粧料を10分間専門パネラー10名に使用してもらい、シートの密着感について評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価点>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
<評価基準>
A+:平均点が4.5点以上
A :平均点が3.5点以上4.5点未満
B :平均点が2.5点以上3.5点未満
C :平均点が2.5点未満
【0105】
(シートをはがした後のもちもち感)
作製したシート状化粧料を10分間専門パネラー10名に使用してもらい、シートをはがした後のもちもち感について評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価点>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
<評価基準>
A+:平均点が4.5点以上
A :平均点が3.5点以上4.5点未満
B :平均点が2.5点以上3.5点未満
C :平均点が2.5点未満
【0106】
(シートをはがした後のべたつきのなさ)
作製したシート状化粧料を10分間専門パネラー10名に使用してもらい、シートをはがした後のべたつきのなさについて評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価点>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
<評価基準>
A+:平均点が4.5点以上
A :平均点が3.5点以上4.5点未満
B :平均点が2.5点以上3.5点未満
C :平均点が2.5点未満
【0107】
処方および評価結果を表1~3に示す。なお、表に示す成分のうち、主だったものの市販品名を以下に示す。
・(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー:アデカノールGT-700(株式会社ADEKA製)純分99.95質量%
・カルボマー:カーボポール980(日光ケミカルズ株社製)
・イソステアリン酸PEG-20グリセリル:エマレックスGWIS-120(日本エマルジョン株社製)
・PEG-60水添ヒマシ油:ニッコールHCO-60(日光ケミカルズ株社製)
・ジメチコン*1:シリコーンKF-96A-6T(信越シリコーン社製)
・ジメチコン*2:メチルポリシロキサン100CS(25℃における動粘度100mm2/s)
・イソステアリン酸:イソステアリン酸SX(高級アルコール工業社製)
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
表1に示す実施例1および2のシート状化粧料は、肌に貼付しても液だれがなく、シートの密着性がよく、シートを剥がした後のもちもち感に優れていた。一方、(A)疎水変性ポリエーテルウレタンを含まない比較例1や2のシート状化粧料は、肌に貼付した際に液だれが顕著で、密着性や、シートを剥がした後のもちもち感も得られなかった。実施例3および4は塩型美白薬剤としてアスコルビン酸グルコシドを配合したものであるが、実施例1や2と同様に肌に貼付しても液だれがなく、シートの密着性がよく、シートを剥がした後のもちもち感に優れていた。一方、(A)疎水変性ポリエーテルウレタンを含まない比較例3のシート状化粧料は、肌に貼付した際に液だれが顕著で、密着性や、シートを剥がした後のもちもち感も得られなかった。
【0112】
表2に示す実施例5~8は実施例1の処方においてさらにイソステアリン酸を追加した例、実施例9および10は(A)疎水変性ポリエーテルウレタンを減量した例であるが、いずれも肌に貼付しても液だれがなく、シートを剥がした後のもちもち感に優れ、シートの密着性が高いにもかかわらず剥がした後にべたつきがなかった。また、静置粘度が高いわりに動粘度が低いので、シートを剥がした後に肌がぬるつかないものとすることができた。
【0113】
表3に示す実施例11は活性剤を減量した例、実施例12および13はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を追加した例、実施例14は動粘度が50mm2/s以上のジメチコンを追加した例、実施例15はジグリセリンを追加した例、実施例16はジプロピレングリコールを追加した例であるが、これらも肌に貼付しても液だれがなく、シートを剥がした後のもちもち感に優れ、シートの密着性が高いにもかかわらず剥がした後にべたつきがなかった。