(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-19
(45)【発行日】2025-02-28
(54)【発明の名称】接客システム、サーバ、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250220BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20250220BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/04
B25J13/00 Z
(21)【出願番号】P 2021042707
(22)【出願日】2021-03-16
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 玲央
(72)【発明者】
【氏名】韓 セイブン
(72)【発明者】
【氏名】塚本 智宏
(72)【発明者】
【氏名】岡部 英理子
(72)【発明者】
【氏名】川崎 雄一
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 美慧
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-041230(JP,A)
【文献】特開2016-200851(JP,A)
【文献】特開2011-221683(JP,A)
【文献】特開2011-221891(JP,A)
【文献】特表2020-502649(JP,A)
【文献】特開2020-184216(JP,A)
【文献】特開2004-299026(JP,A)
【文献】特開2021-018482(JP,A)
【文献】特開2018-041231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B25J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接客用のロボットを用いた接客を行うための接客システムであって、
対応担当者の行動を認識する認識手段と、
前記ロボットを商談が行われる場所に移動させる指示手段と、
来訪者と
前記対応担当者との商談において
前記対応担当者が提供した話題に関する第1の情報を取得する第1の取得手段と、
前記ロボットによる前記来訪者の言動に関する検出結果を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段により取得された前記検出結果に基づいて、前記来訪者の反応を推定する推定手段と、
前記推定手段により推定された前記反応に関する第2の情報を出力する出力手段と、を備える、
ことを特徴とする接客システム。
【請求項2】
請求項1に記載の接客システムであって、
前記第2の情報は、前記来訪者の感情に関する情報である、
ことを特徴とする接客システム。
【請求項3】
請求項1から2までのいずれか1項に記載の接客システムであって、
前記第1の取得手段は、前記対応担当者が操作する端末装置の操作内容に基づいて前記第1の情報を取得する、
ことを特徴とする接客システム。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の接客システムであって、
前記第1の取得手段は、前記ロボットによる前記対応担当者の音声の検出結果に基づいて前記第1の情報を取得する、
ことを特徴とする接客システム。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の接客システムであって、
前記出力手段は、前記第1の情報及び前記第2の情報を関連付けて記憶部に出力する、
ことを特徴とする接客システム。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の接客システムであって、
前記出力手段は、前記第2の情報を前記ロボットに対して出力する、
ことを特徴とする接客システム。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の接客システムであって、
前記出力手段は、前記第1の情報及び前記第2の情報を関連付けて前記対応担当者が操作する端末装置に出力する、
ことを特徴とする接客システム。
【請求項8】
請求項
1から7までのいずれか1項に記載の接客システムであって、
前記来訪者の来訪予約情報を管理する管理手段をさらに備え、
前記認識手段は、前記来訪予約情報に基づいて前記行動を認識する、
ことを特徴とする接客システム。
【請求項9】
請求項1から
8までのいずれか1項に記載の接客システムであって、
前記商談における前記来訪者及び前記対応担当者の会話の音声データに基づいてテキストデータを生成する生成手段をさらに備える、
ことを特徴とする接客システム。
【請求項10】
請求項1から
9までのいずれか1項に記載の接客システムの各手段として機能することを特徴とするサーバ。
【請求項11】
接客用のロボットを用いた接客を行うための接客システムの制御方法であって、
対応担当者の行動を認識する認識工程と、
前記ロボットを商談が行われる場所に移動させる指示工程と、
来訪者と
前記対応担当者との商談において
前記対応担当者が提供した話題に関する第1の情報を取得する第1の取得工程と、
前記ロボットによる前記来訪者の言動に関する検出結果を取得する第2の取得工程と、
前記第2の取得工程で取得された前記検出結果に基づいて、前記来訪者の反応を推定する推定工程と、
前記推定工程で推定された前記反応に関する第2の情報を出力する出力工程と、を含む、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項12】
コンピュータを、
対応担当者の行動を認識する認識手段、
接客用のロボットを商談が行われる場所に移動させる指示手段、
来訪者と対応担当者との商談において対応担当者が提供した話題に関する第1の情報を取得する第1の取得手段、
前記ロボットによる前記来訪者の言動に関する検出結果を取得する第2の取得手段、
前記第2の取得手段により取得された前記検出結果に基づいて、前記来訪者の反応を推定する推定手段、
前記推定手段により推定された前記反応に関する第2の情報を出力する出力手段、
の各手段として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接客システム、サーバ、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、人手不足を解消する手段の一つとして、接客用のロボットを用いた接客システムに関する様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1では、ロボットが来訪者に 対して例えば展示物についての説明をしたり、展示会場を案内したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、施設への来訪者とその対応担当者が商談を行う場合に、対応担当者が来訪者の発言を聞き逃したり、来訪者の感情を読み取れなかったりすることがある。その結果として、来訪者に対して適切な提案ができないことがあった。
【0005】
本発明は、来訪者の反応に応じた適切な接客を図ることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、
接客用のロボットを用いた接客を行うための接客システムであって、
対応担当者の行動を認識する認識手段と、
前記ロボットを商談が行われる場所に移動させる指示手段と、
来訪者と前記対応担当者との商談において前記対応担当者が提供した話題に関する第1の情報を取得する第1の取得手段と、
前記ロボットによる前記来訪者の言動に関する検出結果を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段により取得された前記検出結果に基づいて、前記来訪者の反応を推定する推定手段と、
前記推定手段により推定された前記反応に関する第2の情報を出力する出力手段と、を備える、
ことを特徴とする接客システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、来訪者の反応に応じた適切な接客を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】接客システムのハードウェア構成を示すブロック図。
【
図4】管理サーバによって実現される機能を示すブロック図。
【
図5】管理サーバの処理部の処理例を示すフローチャート。
【
図6】(a)は商談内容取得部が取得する情報を例示する図。(b)は反応推定部が取得する情報を例示する図。(c)は反応情報出力部が来訪者DBに対して出力する情報を例示する図。
【
図7】管理サーバの処理部及び端末装置の処理部の処理例を示すフローチャート。
【
図8】端末装置の出力部としての表示部に表示される画面例を示す図。
【
図9】(a)及び(b)は、管理サーバの処理部の処理例を示すフローチャート。
【
図10】管理サーバの処理部及びロボットの処理部の処理例を示すフローチャート。
【
図11】(a)~(c)は、ロボットの顔部の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
<第1実施形態>
<接客システムSYの概略>
図1は、接客システムSYの概略を示す図である。接客システムSYは、ロボット2を用いた接客を行うためのシステムである。
図1は、接客システムSYが自動車販売店のショールーム5で使用される場合の例を示している。接客システムSYは、管理サーバ1と、ロボット2と、端末装置3と、カメラユニット4と、を含む。
【0011】
管理サーバ1は、ショールーム5が設けられる店舗に関する情報又はその店舗の来訪者に関する情報を管理したり、ロボット2、端末装置3及びカメラユニット4の制御を行ったりするサーバである。管理サーバ1は、例えば各店舗のオフィス等に設置される。なお、各店舗に設置される管理サーバ1は、来訪者の予約を受け付けたり個人情報を管理したりする上位のサーバと、インターネット等のネットワークを介して通信可能であってもよい。
【0012】
ロボット2は、ショールーム5において接客を行うためのロボットである。
図1では、ショールーム5の入口51付近において受付を行うロボット2aと、商談スペース52aにおいて対応担当者8と来訪者9との商談に同席しているロボット2bが示されている。以下の説明では、これらを区別しない場合にはロボット2と表記する。
【0013】
端末装置3は、対応担当者8が操作する端末である。対応担当者8は、端末装置3を用いて来訪者9に対して各種資料を提示したり、来訪者9の情報等を確認したりする。カメラユニット4は、ショールーム5を撮影するユニットである。
図1では、商談スペース52a、52bをそれぞれ撮影するカメラユニット4a及びカメラユニット4bと、ショールーム5の全体を撮影するカメラユニット4cとが設けられている。以下の説明では、商談スペース52a、52bを区別しない場合には商談スペース52と、カメラユニット4a~4cを区別しない場合にはカメラユニット4と、それぞれ表記する。
【0014】
<ロボット2の構成>
図2は、ロボット2の構成を示す概略図である。ロボット2は、直立させた略ひょうたん型に形成されており、大まかには頭部201、括れ部202及び胴部203から構成される。本実施形態では、ロボット2は110cm前後の身長を有する。またロボット2には手足がなく、胴部203の下端に設けられる走行装置204により前後左右および斜め方向等、360度如何なる方向にも移動自在に構成される。なお、走行装置204の具体的構成については、説明を省略する。
【0015】
このようにロボット2は、頭部201が胴部303よりも若干大きく、かつ手足のない形状を有することで、例えば子供が抱きつき易く、子供とのコミュニケーションを図りやすい形状となっている。またロボット2は、走行装置204が前後方向および左右方向に揺れながらの動作を可能とするので、来訪者9が接近等に気付き易く、来訪者9とのコミュニケーションを図りやすい動き等が可能となっている。
【0016】
ロボット2の頭部201には、水平方向に長い略楕円形状の顔部205が設けられており、顔部205はロボット2の表情や簡単な文字画像等を表示可能に構成される。本実施形態では、ロボット2の顔部205には眼を表現する一対の疑似眼206が表示されており、一対の擬似眼206により様々な表情が表現可能となっている(
図11(a)~(c)参照)。例えば、一対の疑似眼206の形状を変化させることで、喜怒哀楽等の表情が表現可能である。本実施形態では、さらに口を表現する疑似口207が表示されており、一対の疑似眼206に加えて疑似口207の形状も変化させることで、表情の変化を分かり易くさせている。
【0017】
またロボット2は、顔部205の中で一対の疑似眼206の位置を移動可能に構成される。ロボット2は、顔部205内で一対の疑似眼206の位置を変えることで視線を動かす動作を表現する。ロボット2は、来訪者9の前で一対の疑似眼206の位置を変えて視線を動かす動作を表現することで、来訪者9の視線を誘導する。このときロボット2に視線の移動に連動させて回転動作等を行わせることで、より来訪者9の視線を誘導し易くなる。
【0018】
なお、ロボット2の態様は例示であって、他の態様のロボットも採用可能である。例えば、ロボット2の形状等が適宜変更されてもよい。また、ロボットは据え置き型のロボットでもよく、例えば、ショールーム5の入口51付近及び各商談スペース52a、52bに据え置き型のロボットがそれぞれ配置されてもよい。
【0019】
<ハードウェア構成>
図3は、接客システムSYのハードウェア構成を示すブロック図である。管理サーバ1、ロボット2、端末装置3、及びカメラユニット4は、無線LAN(Wireless Local Area Network)等のネットワークNWを介して通信可能に構成されている。
【0020】
サーバ1は、処理部11と、記憶部12と、通信部13とを含み、これらは不図示のバスにより接続されている。処理部11はCPUに代表されるプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、管理サーバ1に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部13によって具体的に実現されることで、制御部13に含まれる各機能部として実行されうる。記憶部12は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等であり、処理部11が実行するプログラムの他、各種のデータが格納される。通信部13は、外部装置との通信インタフェースである。
【0021】
ロボット2は、処理部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25と、走行部26と、センサ群27と、撮像部28と、を含む。処理部21、記憶部22及び通信部23は、管理サーバ1の処理部11、記憶部12及び通信部13と同様の構成を有し得るため説明を省略する。
【0022】
入力部24は、各種入力を受け付ける。入力部24は、例えば、メンテナンス時等に操作可能な各種のスイッチボタン、来訪者9の音声入力を受け付けるマイク、又は来訪者9による予約情報の入力等を受け付ける操作パネル等であってもよい。
【0023】
出力部25は、各種情報を出力する。出力部25は、例えば、音声を出力可能なスピーカや、画像を表示可能なディスプレイ等の表示部であってもよい。本実施形態では、顔部205が画像を出力(表示)する出力部25として機能する。
【0024】
走行部26は、ロボット2を自走させる前述の走行装置204等により構成される。走行部26は例えばバッテリ及び電動モータを含み、電動モータがバッテリから供給された電力により駆動するように構成される。走行部26は公知の電動技術を用いて適宜構成可能である。
【0025】
センサ群27は、走行速度センサ、加速度センサおよびジャイロセンサ等のロボット2の走行及び停止状態を検出するセンサ並びに障害物センサ、人感センサ及び動体センサ等
のロボット2の周囲の状態を検出するセンサ等の各種センサを含み得る。
【0026】
撮像部28は、CCDやCMOS等の撮像素子を有するカメラであり、ショールーム5を訪れた来訪者を撮像可能に構成される。撮像部28は、例えば、ロボット2の頭部201に設けられる。このような配置態様により、来訪者9の顔を撮像し易くなる。また撮像部28は、来訪者9の顔を撮像する観点から、ロボット2の一対の疑似眼206の近くに設けられてもよい。
【0027】
端末装置3は、処理部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35とを含む。処理部31、記憶部32及び通信部33は、管理サーバ1の処理部11、記憶部12及び通信部13と同様の構成を有し得るため説明を省略する。
【0028】
入力部34は、対応担当者8等による各種入力を受け付ける。入力部34は、例えばタッチパネルである。出力部35は、各種情報を出力する。出力部35は、例えば、音声を出力可能なスピーカや、画像を表示可能なディスプレイ等の表示部であってもよい。
【0029】
カメラユニット4は、撮像部41と、通信部42とを含む。撮像部41は、CCDやCMOS等の撮像素子を有するカメラであり、ショールーム5を訪れた来訪者を撮像可能に構成される。通信部42は、外部装置とのインタフェースであり、撮像部41の撮像画像をネットワークNWを介して管理サーバ1に送信する。
【0030】
<管理サーバ1の機能構成>
図4は、管理サーバ1によって実現される機能を示すブロック図である。管理サーバ1の処理部11は、
図4に示す各機能部111~119として機能する。
【0031】
施設内画像取得部111は、ショールーム5内に設置された複数のカメラユニット4により撮像されるショールーム5内画像を取得する。具体的には、施設内画像取得部111は、複数のカメラユニット4により撮像されたショールーム5の内部の画像(静止画および動画を含む)データを、通信部13を介して入力する。例えば、施設内画像取得部111は、複数のカメラユニット4にショールーム5を撮像させる制御信号を、通信部13を介して出力し、複数のカメラユニット4が撮像したショールーム内画像データを、通信部13を介して入力する。
【0032】
ロボット画像取得部112は、ショールーム5に配置されたロボット2が撮像した来訪者9の顔画像を含む画像を取得する。具体的には、ロボット画像取得部112は、ロボット2が撮像した来訪者9の顔画像を含む画像(静止画および動画を含む)データを、通信部13を介して入力する。例えば、ロボット画像取得部112は、ロボット2に来訪者9の顔を撮像させる制御信号を、通信部13を介して出力し、ロボット2が撮像した来訪者9の顔画像を含む画像データを、通信部13を介して入力する。
【0033】
商談内容取得部113は、対応担当者8と来訪者9との商談の内容を取得する。例えば、商談内容取得部113は、端末装置3が管理サーバ1に対して送信した商談内容に関するデータを、通信部13を介して取得する。商談内容に関するデータとしては、出力部35としての表示部に表示されている内容に関するデータが挙げられる。例えば、商談内容取得部113は、対応担当者8と来訪者9との商談中に端末装置3の表示部に表示されている内容(新車のカタログ、見積もり等)を取得する。これにより、処理部11の側で、商談の内容を把握することができる。或いは、商談内容取得部113は、ロボット2から対応担当者8と来訪者9との会話の音声データを取得してもよい。そして、商談内容取得部113は、その会話の内容に基づいて、商談の内容を取得してもよい。また、商談内容取得部113は、商談が開始したこと及び商談が終了したことについても認識する。
【0034】
来訪者特定部114は、施設内画像取得部111が取得したショールーム内画像からショールーム5に来訪した来訪者9を特定する。例えば来訪者特定部114は、ショールーム内画像から人物を抽出し、抽出した人物から顔画像をさらに抽出(認識)する。そして、来訪者DB123に記憶された来訪者データの中から、抽出した顔画像と一致する顔画像を有する来訪者データを検索し、来訪者9を特定する。抽出した顔画像と一致する顔画像を有する来訪者データがない場合には、新規の来訪者9として、来訪者DB123に記憶させる。
【0035】
反応推定部115は、来訪者9の反応を推定する。例えば、反応推定部115は、対応担当者8と来訪者9との商談中に、ロボット画像取得部112が取得した来訪者9の画像に基づいて、来訪者9の反応を推定する。来訪者9の反応は、例えば、対応担当者8が提供した話題に対する来訪者9の感情であってもよい。
【0036】
感情の特定方法としては、公知の技術を適宜採用可能である。例えば、来訪者9の感情は、来訪者9の仕草や挙動等に基づいて推定することができる。具体的には、反応推定部115は、ショールーム5内画像から抽出した来訪者9の顔画像や、来訪者9の動作等から来訪者9の感情を推定してもよい。例えば、反応推定部115は、来訪者9が怒った顔をしている場合や、周りを見回していたり、貧乏ゆすりなどしていたりして落ち着きがない場合等は、機嫌が悪いと推定する。一方、反応推定部115は、来訪者9がうれしそうな顔をしている場合や、来訪者9同士で会話をしている場合等は、機嫌が良いと推定する。
【0037】
反応情報出力部116は、反応情報を出力する。例えば、反応情報出力部116は、反応推定部115が推定した反応についての情報である反応情報を記憶部12対して出力し、来訪者DB123に記憶する。また例えば、反応情報出力部116は、反応情報を、ロボット2又は端末装置3に対して出力する。反応情報を入力したロボット2又は端末装置3が反応情報を出力(例えば画面表示)することで、対応担当者8は来訪者9の商談内容に対する反応を把握することができる。
【0038】
行動特定部117は、ショールーム5の施設員(対応担当者8)の行動を特定する。例えば、行動特定部117は、施設内画像取得部111が取得したショールーム5内の画像に基づいて認識した対応担当者8の位置又は動線等に基づいて、対応担当者8の行動を特定してもよい。一例として、行動特定部117は、対応担当者8が来訪者9とともに商談スペース52aに入った場合、対応担当者8が商談を開始すると特定する。或いは、行動特定部117は、端末装置3から端末装置3が受け付けた操作内容に関するデータを受信し、受信したデータ内容に基づいて対応担当者8の行動を特定してもよい。
【0039】
ロボット移動指示部118は、ロボット2に対して移動指示を行う。例えば、ロボット移動指示部118は、施設内画像取得部111が取得した画像に基づいて来訪者9が入口51から入店したことを検知した場合に、ロボット2を入口51付近に移動させる。また例えば、ロボット移動指示部118は、行動特定部117により対応担当者8と来訪者9との商談が開始されると特定された場合に、ロボット2を商談スペース52に移動させる。
【0040】
なお、管理サーバ1の処理部11が実現する機能の少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、処理部11が実現する機能の少なくとも一部は、PLD(Programmable Logic Device)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、公知の半導体装置により実現されてもよい。また、ここでは処理部11を単一の要素として示すが、処理部11は必要に応じて2以上の要素に分けられてもよい。
【0041】
なお、ロボット2の処理部21及び端末装置3の処理部31についても同様であり、これらが実現する機能の少なくとも一部はハードウェアによって実現されてもよい。また、処理部21及び記憶部22は必要に応じて2以上の要素に分けられてもよい。
【0042】
次に、管理サーバ1の記憶部12が構築するデータベースについて説明する。本実施形態では、記憶部12は、ロボットデータベース(DB)121、ショールームデータベース(DB)122、来訪者データベース(DB)123及び商談内容データベース(DB)124を構築する。
【0043】
ロボットDB121は、ロボット2のID等、ロボット2に関する基本情報又はメンテナンス情報等を管理する。ショールームDB122は、ショールーム5内に配置される展示車両53やその他物品の配置に対応したデータ又は商談スペース52の利用予約に関するデータ等を記憶する。
【0044】
来訪者DB123は、ショールーム5を来訪する来訪者9の来訪者情報を記憶する。来訪者情報としては、来訪者の住所、氏名、年齢、職業、性別といった来訪者の基本情報に加え、来訪者9の顔画像および来訪履歴等が含まれる。来訪履歴の中には、来訪時における商談内容に加え、商談前の雑談等も含まれ得る。また、本実施形態では、来訪者情報には、ショールーム5への来訪予約が含まれる。来訪予約には、予約日時、担当するショールーム5側の対応担当者8の情報等が含まれる。
【0045】
<処理例>
<反応情報の出力>
図5は、処理部11の処理例を示すフローチャートである。
図5は、対応担当者8と来訪者9との商談中に、処理部11が来訪者9の反応を特定しその反応に関する情報を出力する際の処理を示している。本フローチャートは、処理部11が記憶部12に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、処理部11が
図4で示す各機能部として機能することにより実現される。
【0046】
本フローチャートは、対応担当者8と来訪者9との商談が開始されたことに基づいて、所定の周期で繰り返し実行される。例えば、商談スペース52aにおいて、対応担当者8が商談を開始する旨の入力を端末装置3に対して行うと、端末装置3から管理サーバ1に対して商談が開始される旨の情報が送信される。処理部11は、この商談が開始される旨の情報を通信部13により受信したことに基づいて
図5のフローチャートを開始する。
【0047】
S1は、商談が継続しているか否かについての条件分岐である。商談内容取得部113は、商談が継続していればS2に進み、商談が終了していればS5に進む。例えば、商談が終了すると、対応担当者8は、入力部34により商談が終了した旨の入力を行う。すると、処理部31は、通信部33により、商談が終了した旨の情報を管理サーバ1に対して送信する。商談内容取得部113は、通信部13により、商談が終了した旨の情報を端末装置3から受信した場合に、商談が終了したと判断する。或いは、商談内容取得部113は、ロボット2bから対応担当者8と来訪者9の会話についての音声データを取得し、その会話の内容を解析することで商談が継続しているか終了したかを判断してもよい。
【0048】
S2で、商談内容取得部113は、商談の話題を取得する。さらに言えば、商談内容取得部113は、来訪者9と対応担当者8との商談において対応担当者8が提供した話題に関する情報を取得する。
【0049】
具体的には、商談内容取得部113は、対応担当者8が操作する端末装置3の操作内容に基づいて対応担当者8が提供した話題に関する情報を取得する。例えば、対応担当者8が端末装置3を操作して、新車Aのカタログを端末装置3の表示部に表示させたとする。この場合、端末装置3は、管理サーバ1に対して、新車Aのカタログが表示されたことが認識可能なデータを送信する。商談内容取得部113は、受信したデータに基づき、商談の話題の内容が新車Aの紹介であると認識する。
【0050】
また、具体的には、商談内容取得部113は、ロボット2による対応担当者8の音声の検出結果に基づいて対応担当者8が提供した話題に関する情報を取得する。商談内容取得部113は、ロボット2から商談中の会話の音声データを取得する。そして、商談内容取得部113は、取得した音声データからテキストデータを生成し、生成したテキストデータの内容に基づいて商談の内容を認識する。例えば、商談内容取得部113は、テキストから予め登録しておいた特定の用語(「新車A」等の車名、「見積もり」「納期」等)を抽出して、抽出結果に基づいて商談の内容を認識してもよい。
【0051】
図6(a)は、商談内容取得部113が取得する情報を例示する図である。例えば、商談内容取得部113は、取得した話題の内容を、時刻、来訪者9の氏名(或いは識別情報等)と関連付けた情報を取得する。本実施形態では、商談内容取得部113は、取得した話題に内容についての情報を、記憶部12に含まれるRAM等の一時記憶領域に記憶してもよい。
【0052】
S3で、ロボット画像取得部112は、ロボット2による来訪者9の言動に関する検出結果を取得する。例えば、ロボット画像取得部112は、ロボット2に来訪者9の顔を撮像させる制御信号を、通信部13を介して出力し、ロボット2の撮像部28が撮像した来訪者9の顔画像を含む画像データを、通信部13を介して入力する。なお、ここでは来訪者9の言動に関する検出結果として、ロボット2の撮像部28が撮像した画像データが取得されているが、例えばロボット2の入力部24としてのマイクにより検出された来訪者9の音声データが取得されてもよい。
【0053】
S4で、反応推定部115は、S3にて取得された検出結果に基づいて、来訪者9の反応を推定(取得)する。反応推定部115は、
図4の説明で述べたように、取得した検出結果としての画像データに基づいて、来訪者9の反応を推定する。本実施形態では、反応推定部115は、来訪者9の感情が、普通、ポジティブ、ネガティブのいずれに該当するかを判断する。
【0054】
図6(b)は、反応推定部115が取得する情報を例示する図である。例えば、反応推定部115は、来訪者9の感情の推定結果を、時刻、来訪者9の氏名(或いは識別情報等)と関連付けた情報を取得する。本実施形態では、反応推定部115は、取得した情報を、記憶部12に含まれるRAM等の一時記憶領域に記憶する。
【0055】
S5で、反応情報出力部116は、S4で反応推定部115により推定された来訪者9の反応に関する情報を出力する。本実施形態では、反応情報出力部116は、来訪者9の反応に関する情報を記憶部12に対して出力する。すなわち、反応情報出力部116は、来訪者9の反応に関する情報を記憶部12の来訪者DB123に記憶させる。本実施形態では、反応情報出力部116は、S2で取得した商談の話題に関する情報と、S4で取得したロボット2による検出結果に関する情報とを関連付けて来訪者DB123に記憶させる。
【0056】
図6(c)は、反応情報出力部116が来訪者DB123に対して出力する情報を例示する図である。反応情報出力部116は、S2及びS4で一時記憶領域に保存した情報を関連付けて、来訪者DB123に対して出力する。具体的には、反応情報出力部116は、S2で取得された商談の話題と、話題に対する来訪者9の反応を関連付けた情報を来訪者DB123に記憶させる。このときの関連付けは、各情報に含まれる時刻に基づいて行われてもよい。例えば、反応情報出力部116は、S2で取得された情報から、13:00~13:15の間の話題が新車Aの紹介であったことを認識する。また、反応情報出力部116は、S4において、13:00~13:15の間の来訪者9の感情の推定結果が、普通、ネガティブ、ポジティブそれぞれ1回ずつであったことを認識する。反応情報出力部116は、この合計3回の推定結果を踏まえ、話題「新車Aの紹介」に対する来訪者9の反応(感情)はトータルで「普通」と関連付けてもよい。
【0057】
なお、本処理例では、商談が終了した後に、来訪者9の反応に関する情報が反応情報出力部116により出力されているが、処理の中で取得された情報が随時来訪者DB123に対して出力され、登録されてもよい。
【0058】
<端末装置3への表示指示>
図7は、管理サーバ1の処理部11及び端末装置3の処理部31の処理例を示すフローチャートである。
図7は、反応情報出力部116による反応情報の出力の一態様として、反応情報を端末装置3へ表示させる場合の処理部11及び処理部31の処理例を示している。
【0059】
S11で、処理部31は、通信部33により商談内容表示要求を管理サーバ1に送信する。この要求は、商談の終了後、或いは商談中に、端末装置3の出力部35としての表示部に商談内容を表示させるための要求である。
【0060】
S12で、処理部11は、通信部13を介して処理部31からの商談内容表示要求を受信する。その後、S13で、処理部11の反応情報出力部116は、商談内容を出力部35としての表示部に表示させるための表示データを生成する。反応情報出力部116は、来訪者DB123に記憶された
図6(c)に示すデータに基づいて、この表示データを生成する。すなわち、表示データは、商談の話題に関する情報と、話題に対する来訪者9の反応に関する情報が関連付けられたデータである。S14で、反応情報出力部116は、通信部13により商談内容の表示指示を端末装置3に対して送信する。ここでの表示指示には、商談内容についての画面を出力部35としての表示部に表示させる旨の命令に加え、S13で生成された表示データが含まれ得る。
【0061】
S15で、処理部31は、処理部11から送信された表示指示を通信部33により受信する。S16で、処理部31は、S15で受信した表示データに基づき商談内容を出力部35としての表示部に表示部に表示させる。
図8は、端末装置3の出力部35としての表示部に表示される画面例35aを示す図である。画面例35aには、面談の概略(日時、お客様氏名、担当者氏名)、商談の話題に対するお客様の反応、及びコメントが表示されている。このように、商談での話題に対する来訪者9の反応や、それに応じた対応を促すコメント等が端末装置3に表示されることにより、対応担当者8は、来訪者9の反応をより高精度に認識でき、来訪者9の反応に応じた接客を図ることができる。
【0062】
<ロボットの移動指示>
図9(a)は、処理部11の処理例を示すフローチャートである。
図9(a)は、管理サーバ1が商談の場にロボット2を移動させるための指示を行う際の、処理部11の処理例を示している。例えば本フローチャートは、ショールーム5を有する店舗の営業時間中に所定の周期で繰り返し実行される。
【0063】
S111で、施設内画像取得部111は、ショールーム5内に設置された複数のカメラユニット4により撮像されるショールーム5内画像を取得する。S112で、行動特定部117は、S111で取得した画像に基づいて、対応担当者8の行動認識処理を行う。
【0064】
図9(b)は、S112の行動認識処理の具体例を示すフローチャートである。
S1121は、対応担当者8の移動に基づく条件分岐である。行動特定部117は、対応担当者8が商談ルームに移動していればS1122に進み、そうでなければ
図9(b)のフローチャートを終了して
図9(a)のフローチャートに戻る。例えば、行動特定部117は、商談スペース52に設けられたカメラユニット4により対応担当者8を特定できた場合には対応担当者8が商談ルームに移動していると判断してもよい。或いは、行動特定部117は、カメラユニット4により取得された動画又は時系列で取得された複数の静止画のデータに基づき、対応担当者8が商談スペース52に接近していることが認識できた場合には対応担当者8が商談ルームに移動していると判断してもよい。
【0065】
S1122は、商談の予約状況に基づく条件分岐である。行動特定部117は、対象の対応担当者8が担当する商談の予約がある場合にはS1123に進み対応担当者8が商談を行うと認識し、そうでなければ
図9(b)のフローチャートを終了して
図9(a)のフローチャートに戻る。例えば、行動特定部117は、来訪者DB123に記憶されている、対応担当者8の商談予約を確認する。行動特定部117は、現在の時刻の前後所定時間内に対応担当者8の商談予約があればS1123に進む。このように、行動特定部117は、来訪者9の来訪予約情報に基づいて対応担当者8の行動を認識してもよい。
【0066】
S113は、S112での認識結果に基づく条件分岐である。行動特定部117は、S112で対応担当者8が商談を行うと認識した場合はS114に進み、そうでない場合はフローチャートを終了する。
【0067】
S114で、ロボット移動指示部118は、ロボット2に対する移動指示を行う。ロボット移動指示部118は、ロボット2に対して、対応担当者8が商談を行う商談スペース52に移動するよう移動指示を行う。このとき、ロボット移動指示部118は、ショールーム5に配備されているロボット2のうち、他の商談や受付対応を行っていないロボット2に対して移動指示を行ってもよい。具体的には、ロボットDB121に、受付対応中、商談対応中、待機中等、現在のロボット2のステータスが記憶されてもよい。そして、ロボット移動指示部118は、ロボットDB121に記憶されている各ロボット2のステータスに基づき、ステータスが待機中のロボット2に対して移動指示を出してもよい。或いは、ロボット移動指示部118は、商談を行う来訪者9の受付対応を行ったロボット2に対して、来訪者9に対する商談スペース52への案内も兼ねて、商談スペース52への移動指示を行ってもよい。
【0068】
このように、対応担当者8の行動に応じてロボット2を商談場所に移動させることにより、商談にロボット2を同席させることができる。これにより、商談に同席したロボット2が来訪者9の反応に関する情報を取得することができる。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、反応推定部115により推定された来訪者9の反応に関する情報が反応情報出力部116により出力される。したがって、対応担当者8は、出力された情報を用いて来訪者の反応に応じた適切な接客を図ることができる。また、本実施形態では、商談の話題と、その話題に対する来訪者9の反応を関連付けた情報が出力される。したがって、対応担当者8は、商談の内容に対する来訪者9の反応に基づいてより適切な接客を図ることができる。
【0070】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。概略として、第2実施形態は、商談の最中に来訪者9の反応に関する情報が出力される態様が第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
【0071】
図10は、管理サーバ1の処理部11及びロボット2の処理部21の処理例を示すフローチャートである。本フローチャートは、対応担当者8と来訪者9との商談の間に、ロボット2が来訪者9の反応を適宜出力する際の処理を示している。すなわち、本フローチャートは、対応担当者8と来訪者9との商談が行われている間、所定の周期で繰り返し実行される。
【0072】
S211で、商談内容取得部113は、端末装置3から送信された情報を受信(取得)する。S212で、ロボット画像取得部112は、来訪者9の言動情報としてのロボット2による来訪者9の撮影画像を要求する。なお、処理部11は、来訪者9の言動情報として来訪者9の音声データを要求してもよい。
【0073】
S221で、処理部21は、管理サーバ1からの要求を受け付ける。S222で、処理部21は、通信部23により、言動情報の検出結果を管理サーバ1に送信する。本実施形態では、言動情報の検出結果は、撮像部28による来訪者9の撮影画像の画像データである。
【0074】
S213で、商談内容取得部113は、通信部13により、S222でロボット2から送信された情報を受信する。なお、S212及びS213のステップは、
図5のS3と同様のステップであってもよい。
【0075】
S214で、反応推定部115は、S213で取得した情報に基づき来訪者9の反応を推定(取得)する。本ステップは、
図5のS4と同様のステップであってもよい。その後、S215で、反応情報出力部116は、S214で取得した反応に関する反応情報の出力として、通信部13によりロボット2に対して反応情報の表示指示を行う。例えば、反応情報出力部116は、現在の来訪者9の感情が、普通、ポジティブ、ネガティブのいずれに該当するかについての情報を、表示指示とともにロボット2に対して送信する。
【0076】
S223で、処理部21は、通信部23によりS215で管理サーバ1から送信された表示指示を受信する。S224で、処理部21は、受信した表示指示に基づく表示を行う。具体的には、処理部21は、ロボット2の出力部25として機能する顔部205に、来訪者9の感情に対応する表示を行わせる。
【0077】
図11(a)~
図11(c)は、ロボット2の顔部205の表示例を示す図である。
図11(a)は、S214で推定された来訪者9の感情がポジティブである場合の表示例を示している。
図11(b)は、S214で推定された来訪者9の感情が普通である場合の表示例を示している。
図11(c)は、S214で推定された来訪者9の感情がネガティブである場合の表示例を示している。このように、ロボット2の表情を来訪者9の感情に合わせた表情とすることにより、対応担当者8が来訪者9の反応をより直感的に把握することができる。
【0078】
以上説明したように、本実施形態によれば、対応担当者8は商談の実施中に来訪者9の反応を確認することができる。したがって、対応担当者8は、商談の内容に対する来訪者9の反応に基づいてより適切な接客を図ることができる。なお、本実施形態では、来訪者9の反応に関する情報と商談の話題に関する情報の関連付けは実行されないが、対応担当者8はリアルタイムで来訪者9の反応を確認できるため、対応担当者8は話題の内容に対する来訪者9の反応を把握することができる。
なお、第1実施形態及び第2実施形態の構成は、適宜組み合わせ可能である。
【0079】
<他の実施形態>
上記実施形態の説明では、接客システムSYが自動車販売店のショールーム5で使用される場合の例が示されていた。しかしながら、接客システムSYは、例えば、各種商品を小売販売する販売店、美術館、博物館、画廊およびギャラリー等の美術関連施設、科学館、記念館、展覧会、ワークショップ等の事業体において使用可能である。各種商品を小売販売する販売店としては、例えば、デパート、スーパー、専門販売店等が挙げられる。
【0080】
また、接客システムSY内において、各装置が担う機能の分担は適宜変更されてもよい。例えば、管理サーバ1の処理の一部をロボット2が実行してもよい。一例として、
図5のS4で示す来訪者9の反応の推定処理を、ロボット2の処理部21が実行してもよい。この場合、処理部11が処理部21に対して来訪者9の反応についての情報を要求したことに応じて、処理部21が来訪者9の撮影画像に基づいて来訪者9の反応を推定してもよい。
【0081】
また、処理部21は、ロボット2から、ロボット2の入力部24としてのマイクで検出された商談中の音声データを取得して、取得した音声データに基づいてテキストデータを生成してもよい。すなわち、処理部21は、商談中の音声の文字起こしを行ってもよい。そして、処理部21は、生成したテキストデータを来訪者DB123に来訪記録として記憶してもよい。このテキストデータが記憶されることで、例えば対応担当者8が来訪者9の反応の良くなかった話題を詳細に振り返りたい場合に、具体的な会話内容を参照することができる。
【0082】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の接客システム、サーバ、制御方法及びプログラムを少なくとも開示する。
【0083】
1.上記実施形態の接客システムは、
接客用のロボットを用いた接客を行うための接客システム(SY)であって、
来訪者と対応担当者との商談において対応担当者が提供した話題に関する第1の情報を取得する第1の取得手段(11,S2)と、
前記ロボットによる前記来訪者の言動に関する検出結果を取得する第2の取得手段(11,S3)と、
前記第2の取得手段により取得された前記検出結果に基づいて、前記来訪者の反応を推定する推定手段(11,S4)と、
前記推定手段により推定された前記反応に関する第2の情報を出力する出力手段(11,S5)と、を備える。
【0084】
この実施形態によれば、推定手段により推定された来訪者の反応に関する情報が出力手段により出力される。したがって、対応担当者は、出力手段により出力された情報を用いて来訪者の反応に応じた適切な接客を図ることができる。
【0085】
2.上記実施形態によれば、
前記第2の情報は、前記来訪者の感情に関する情報である。
【0086】
この実施形態によれば、来訪者の感情に応じた接客を図ることができる。
【0087】
3.上記実施形態によれば、
前記第1の取得手段は、前記対応担当者が操作する端末装置の操作内容に基づいて前記第1の情報を取得する。
【0088】
この実施形態によれば、対応担当者の端末装置の操作内容により、商談の内容を認識することができる。
【0089】
4.上記実施形態によれば、
前記第1の取得手段は、前記ロボットによる前記対応担当者の音声の検出結果に基づいて前記第1の情報を取得する。
【0090】
この実施形態によれば、対応担当者が端末装置の操作等の特定の処理を行うことなく、商談内容を認識することができる。
【0091】
5.上記実施形態によれば、
前記出力手段は、前記第1の情報及び前記第2の情報を関連付けて記憶部に出力する。
【0092】
この実施形態によれば、第1の情報及び第2の情報が関連付けられた情報が利用可能となるので、商談の内容に対する来訪者の対応に基づいてより適切な接客を図ることができる。
【0093】
6.上記実施形態によれば、
前記出力手段は、前記第2の情報を前記ロボットに対して出力する。
【0094】
この実施形態によれば、対応担当者がロボットを介して来訪者の反応を確認することができる。
【0095】
7.上記実施形態によれば、
前記出力手段は、前記第1の情報及び前記第2の情報を関連付けて前記対応担当者が操作する端末装置に出力する。
【0096】
この実施形態によれば、対応担当者が、端末装置により商談の内容に対する来訪者の反応を確認することができる。
【0097】
8.上記実施形態によれば、
前記対応担当者の行動を認識する認識手段(11,S112)と、
前記ロボットを前記商談が行われる場所に移動させる指示手段(11,S114)と、をさらに備える。
【0098】
この実施形態によれば、商談が行われる場所にロボットが移動するので、商談中に来訪者の反応に関する情報をロボットにより取得することができる。
【0099】
9.上記実施形態によれば、
前記来訪者の来訪予約情報を管理する管理手段(123)をさらに備え、
前記認識手段は、前記来訪予約情報に基づいて前記行動を認識する。
【0100】
この実施形態によれば、認識手段はより高精度に対応担当者の行動を認識することができる。
【0101】
10.上記実施形態によれば、
前記商談における前記来訪者及び前記対応担当者の会話の音声データに基づいてテキストデータを生成する生成手段をさらに備える。
【0102】
この実施形態によれば、対応担当者が商談中の会話の内容をテキストで確認できるので、効率的に商談の内容を確認することができる。
【0103】
11.上記実施形態のサーバ(1)は、
上述の1.~10.の接客システムの各手段として機能する
【0104】
この実施形態によれば、商談の内容に対する来訪9の反応に基づいてより適切な接客を図るためのサーバが提供される。
【0105】
12.上記実施形態の制御方法は、
接客用のロボットを用いた接客を行うための接客システムの制御方法であって、
来訪者と対応担当者との商談において対応担当者が提供した話題に関する第1の情報を取得する第1の取得工程(S2)と、
前記ロボットによる前記来訪者の言動に関する検出結果を取得する第2の取得工程(S3)と、
前記第2の取得工程で取得された前記検出結果に基づいて、前記来訪者の反応を推定する推定工程(S4)と、
前記推定工程で推定された前記反応に関する第2の情報を出力する出力工程(S5)と、を含む。
【0106】
この実施形態によれば、対応担当者は、出力工程で出力された情報を用いて来訪者の反応に応じた適切な接客を図ることができる。
【0107】
13.上記実施形態のプログラムは、
コンピュータを、
来訪者と対応担当者との商談において対応担当者が提供した話題に関する第1の情報を取得する第1の取得手段(S2)、
接客用のロボットによる前記来訪者の言動に関する検出結果を取得する第2の取得手段(S3)、
前記第2の取得手段により取得された前記検出結果に基づいて、前記来訪者の反応を推定する推定手段(S4)、
前記推定手段により推定された前記反応に関する第2の情報を出力する出力手段(S5)、
の各手段として機能させる。
【0108】
この実施形態によれば、対応担当者は、出力手段により出力された情報を用いて来訪者の反応に応じた適切な接客を図ることができる。
【0109】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0110】
1:管理サーバ、2:ロボット、3:端末装置、11:処理部、SY:接客システム