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  • 特許-軽質炭酸カルシウムを含有する紙 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-19
(45)【発行日】2025-02-28
(54)【発明の名称】軽質炭酸カルシウムを含有する紙
(51)【国際特許分類】
   D21H 17/67 20060101AFI20250220BHJP
   D21H 17/37 20060101ALI20250220BHJP
   D21H 17/53 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
D21H17/67
D21H17/37
D21H17/53
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021095762
(22)【出願日】2021-06-08
(65)【公開番号】P2022187659
(43)【公開日】2022-12-20
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100126985
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 充利
(74)【代理人】
【識別番号】100141265
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 有紀
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 規之
(72)【発明者】
【氏名】才所 遼平
(72)【発明者】
【氏名】中村 拓馬
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開平2-50890(JP,A)
【文献】特開2014-125509(JP,A)
【文献】特開2014-54832(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0206274(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21H 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共重合体と軽質炭酸カルシウムを含有する紙であって、共重合体が、
(a) 以下の式1で表される単量体に由来する構成単位
【化1】
[式中、Rは、炭素原子数2~5のアルケニル基を表し、AOは、同一または異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表し、n1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~100の数を表し、Rは、水素原子または炭素原子数1~30の炭化水素基を表す];
(b) 以下の式2で表される単量体に由来する構成単位
【化2】
[式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1~3のアルキル基を表し、mは0~2の数を表し、AOは、同一または異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表し、n2は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~100の数を表し、Xは、水素原子または炭素原子数1~30の炭化水素基を表す];
(c) 以下の式3で表される単量体に由来する構成単位
【化3】
[式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、-CHまたは-(CH)rCOOMを表し、MおよびMは、同一または異なって、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基または置換アルキルアンモニウム基を表し、rは0~2の整数であり、ここで、-(CH)rCOOMは、-COOMまたは他の-(CH)rCOOMと無水物を形成してもよいが、無水物を形成する場合、それらの基にMおよびMは存在しない];
のうち2つ以上を含む、上記紙。
【請求項2】
前記共重合体が、(a)~(c)のすべてを含む共重合体である、請求項1に記載の紙。
【請求項3】
共重合体のMwが5000~60000であり、Mw/Mnが1.0~3.0である、請求項1または2に記載の紙。
【請求項4】
紙中灰分が3~30重量%の非塗工紙である、請求項1~3のいずれかに記載の紙。
【請求項5】
軽質炭酸カルシウム100重量部に対して0.1~10重量部の共重合体を含有する、請求項1~4のいずれかに記載の紙。
【請求項6】
前記共重合体が、(b)を含む共重合体である、請求項1~5のいずれかに記載の紙。
【請求項7】
前記共重合体が、n2が1である式2の単量体に由来する構成単位と、n2が1より大きく100以下である式2の単量体に由来する構成単位と、を含む共重合体である、請求項6に記載の紙。
【請求項8】
請求項1~のいずれかに記載される紙を製造する方法であって、前記共重合体と軽質炭酸カルシウムとパルプを含む紙料から抄紙する工程を含む、上記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽質炭酸カルシウムを含有する紙に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、セルロース系繊維で構成される紙に無機物質である填料が添加されることがあり、填料は、セルロース系繊維だけでは不足しがちな光学特性、主に白色度、不透明度を向上させるために添加される。近年では、環境意識の高まりや生産コストの低減のために、木材を原料とするセルロース系繊維の使用量を削減し、代わりに填料を増添して紙中填料率を高める取り組みが行われている。しかしながら、填料を増添した場合、光学特性は向上する一方で、引張強さや引裂強さ、ステキヒトサイズ度などが低下する。一般に、低下する強度特性やサイズ性を補うには、紙力増強剤や内添サイズ剤などの薬品を添加するが、薬品の使用量が多くなると、生産コストへの負荷が大きくなるだけでなく、系内汚れの問題も生じる。
【0003】
近年、中性抄紙化が進み、填料として軽質炭酸カルシウムが広く使用されている。その理由として、タルク、クレーなどの填料に比べて白色度が高く、合成方法によっては粒子形状や粒子径、凝集状態なども調整でき、紙に付与する物性をコントロールし易いからである。そのため、填料用軽質炭酸カルシウムの粒子形状や粒子径など、これまで多くの研究がなされてきた。
【0004】
例えば、特許文献1には、填料として平均粒径4.0~15.0μmでBET比表面積が5.0~10m/gの針状および柱状の形状を有した一次粒子および/またはそれらの凝集体から成る軽質炭酸カルシウムを用いることが提案されている。
【0005】
また、特許文献2には、填料を内添した紙が記載されており、填料として、紡錘状炭酸カルシウムの一次粒子をフロック凝集させた、二次粒子径が1~10μmの軽質炭酸カルシウムであって、BET比表面積が8~20m/g、細孔容積が1.5~3.5cm/gの範囲である軽質炭酸カルシウムが提案されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、紡錘状炭酸カルシウムの一次粒子をいがぐり状に凝集させたロゼッタ型炭酸カルシウムとタルクを填料として併用することによって、紙製造時の乾燥負荷を軽減することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2013-60692号公報
【文献】国際公開WO2004/108597号
【文献】特開2012-172287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の炭酸カルシウムは一次粒子の形状が針状または柱状であるため、その形状の特質から、紙に内添した場合、軽質炭酸カルシウムの一次粒子の先端部が非常に細く、繊維間隙に入り込みやすいため、紙の繊維間結合の形成を阻害し、紙の層間強度が弱くなるという欠点がある。
【0009】
また、特許文献2の軽質炭酸カルシウムは、一次粒子のアスペクトが高いため、特許文献1と同様の問題がある。また、特許文献2に係る炭酸カルシウムは、フロック凝集により形成された二次粒子の比表面積が高く、一般に、比表面積が高い填料を使用すると、填料表面に吸着する製紙用薬品の量も多くなってしまうため、一定の薬品添加効果を得るためには、比表面積が低い填料を使用する場合と比較して、多くの薬品を添加する必要がある。
【0010】
さらに、特許文献3にはロゼッタ型軽質炭酸カルシウムとタルクを併用すると乾燥負荷が小さくなることが記載されているが、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの形状と紙の強度との関係については何も検討されていない。
【0011】
以上の状況に鑑み、本発明の課題は、軽質炭酸カルシウムを含有しながらも、強度の低下が抑制された紙を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、鋭意研究の結果、軽質炭酸カルシウムを特定の共重合体とともに用いることによって上記課題を解決できることを見出した。
これに限定されるものではないが、本発明は以下の態様の発明を包含する。
[1] 共重合体と軽質炭酸カルシウムを含有する紙であって、共重合体が、
(a) 以下の式1で表される単量体に由来する構成単位
【0013】
【化1】
【0014】
[式中、Rは、炭素原子数2~5のアルケニル基を表し、AOは、同一または異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表し、n1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~100の数を表し、Rは、水素原子または炭素原子数1~30の炭化水素基を表す];
(b) 以下の式2で表される単量体に由来する構成単位
【0015】
【化2】
【0016】
[式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1~3のアルキル基を表し、mは0~2の数を表し、AOは、同一または異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表し、n2は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~100の数を表し、Xは、水素原子または炭素原子数1~30の炭化水素基を表す];
(c) 以下の式3で表される単量体に由来する構成単位
【0017】
【化3】
【0018】
[式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、-CHまたは-(CH)rCOOMを表し、MおよびMは、同一または異なって、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基または置換アルキルアンモニウム基を表し、rは0~2の整数であり、ここで、-(CH)rCOOMは、-COOMまたは他の-(CH)rCOOMと無水物を形成してもよいが、無水物を形成する場合、それらの基にMおよびMは存在しない];
のうち2つ以上を含む共重合体と軽質炭酸カルシウムを含有する紙。
[2] 前記共重合体が、(a)~(c)のすべてを含む共重合体である、[1]に記載の紙。
[3] 共重合体のMwが5000~60000であり、Mw/Mnが1.0~3.0である、[1]または[2]に記載の紙。
[4] 紙中灰分が3~30重量%の非塗工紙である、[1]~[3]のいずれかに記載の紙。
[5] [1]~[4]のいずれかに記載される紙の製造方法であって、前記共重合体と軽質炭酸カルシウムを含む紙料から抄紙する工程を含む、上記方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、軽質炭酸カルシウムを含有しながらも、強度の低下が抑制された紙を製造することができる。本発明によって優れた効果が得られる理由の詳細は明らかでないものの、共重合体の添加によって炭酸カルシウムがパルプと水素結合を形成しやすくなり、繊維間に入り込んだ炭酸カルシウムが繊維と水素結合を形成することで、炭酸カルシウム配合に伴う紙力の低下が抑制されるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、サンプル3-1の電子顕微鏡写真である(比較例)。
図2図2は、サンプル3-2の電子顕微鏡写真である。
図3図3は、サンプル3-3の電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、軽質炭酸カルシウムと特定の共重合体を含有する紙に関する。
共重合体
本発明に使用する共重合体は、以下に説明する構成単位(a)~(c)のうち、少なくとも2つを含んでなる。共重合体に含まれる各構成単位の比率は、基本的には、共重合体を合成する際の各構成単位の仕込み比率に一致する。なお、本発明においては、共重合体を1種のみ含んでいても、2種以上含んでいてもよい。
【0022】
好ましい態様において、本発明に係る共重合体は、構成単位(a)~(c)の少なくとも2つを含んでなり、(a)/(b)/(c)の重量比率が、1~98/0~98/1~50が好ましく、5~90/5~90/1~50がより好ましく、5~50/50~90/1~50がさらに好ましく、5~20/70~90/1~20が最も好ましい。ただし、(a)~(c)の合計は100である。
【0023】
共重合体の重量平均分子量Mwは、5000以上であることが好ましく、6000以上であることがより好ましく、6500以上であることがさらに好ましい。重量平均分子量の上限は、60000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましく、30000以下であることがさらに好ましい。流動性や作業性の観点から、重量平均分子量は、5000~60000であることが好ましい。
【0024】
共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましい。上限は、3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましい。分子量分布は、1.0~3.0の範囲であることが好ましく、1.2~3.0の範囲であることがより好ましい。
【0025】
なお、重量平均分子量などは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)にてポリエチレングリコール換算する公知の方法にて測定できる。
(a)式1で表される単量体に由来する構成単位
式1で表される単量体に由来する構成単位である。
【0026】
【化4】
【0027】
ここで、Rは、炭素原子数2~5のアルケニル基を表し、AOは、同一若しくは異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表し、n1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~100の数を表し、Rは、水素原子又は炭素原子数1~30の炭化水素基を表す。
【0028】
式1において、Rは、炭素原子数2~5のアルケニル基を表す。該アルケニル基の炭素原子数は、好ましくは3~5である。Rとして具体的には、アリル基、メタリル基、3-メチル-3-ブテン-1-オールの残基等を例示することができるが、これらに限定されない。
【0029】
式1において、AOは、同一若しくは異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表す。該オキシアルキレン基としては、例えば、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)、オキシブチレン基(ブチレングリコール単位)が挙げられ、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)が好ましい。
【0030】
ここで、「同一若しくは異なって」とは、一般式中にAOが複数含まれる場合(n1が2以上の場合)、それぞれのAOが同一のオキシアルキレン基であってもよいし、異なる(2種類以上の)オキシアルキレン基であってもよいことを意味する。AOが複数含まれる場合の態様としては、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)及びオキシブチレン基(ブチレングリコール単位)からなる群から選ばれる2以上のオキシアルキレン基が混在する態様が挙げられ、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)とオキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)とが混在する態様、又はオキシエチレン基(エチレングリコール単位)とオキシブチレン基(ブチレングリコール単位)とが混在する態様であることが好ましく、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)とオキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)とが混在する態様であることがより好ましい。異なるオキシアルキレン基が混在する態様において、2種類以上のオキシアルキレン基の付加は、ブロック状の付加であってもよく、ランダム状の付加であってもよい。
【0031】
式1において、n1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~100の数を表す。n1は、1~50であることが好ましく、5~50であることがより好ましく、8~50であることが更に好ましい。平均付加モル数とは、単量体1モルに付加しているアルキレングリコール単位のモル数の平均値を意味する。
【0032】
式1において、Rは、水素原子又は炭素原子数1~30の炭化水素基を表す。炭素原子数が大きくなると、炭酸カルシウムと混合した際の分散性が十分発揮されないおそれがあるため、Rは水素原子又は炭素原子数1~10の炭化水素基であることが好ましく、水素原子又は炭素原子数1~5の炭化水素基であることが更に好ましく、水素原子又はメチル基であることが最も好ましい。
【0033】
式1の単量体としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテルが挙げられる。
【0034】
上記の単量体としては、これらのうち1種若しくは2種以上を用いてよいが、共重合体の親水性及び疎水性のバランスを優れたものとし得ることから、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、及び(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテルから選ばれる1種以上を用いることが好ましい。上記単量体の具体例においても、オキシアルキレン基(ポリアルキレングリコール単位)の平均付加モル数は1~50であることが好ましく、5~50であることがより好ましく、8~50であることが更に好ましい。なお、本明細書において「(ポリ)」は、その直後に記載される構成要素又は原料が、1個又は2個以上結合していることを意味する。また、本明細書において、「(メタ)アリル」は、「アリル又はメタリル」を意味する。
【0035】
本発明に係る共重合体は、構成単位(a)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上の組み合わせで含んでいてもよい。
式1の単量体は、特に制限されず公知の方法で製造し得る。その様な方法としては、例えば、アリルアルコール、メタリルアルコール、3-メチル-3-ブテン-1-オール等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを1~100モル付加する方法が挙げられる。
【0036】
(b)式2で表される単量体に由来する構成単位
式2で表される単量体に由来する構成単位である。
【0037】
【化5】
【0038】
ここで、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を表し、mは0~2の数を表し、AOは、同一若しくは異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表し、n2は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~100の数を表す。Xは、水素原子又は炭素原子数1~30の炭化水素基を表す。
【0039】
式2において、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を表す。
式2において、AOは、同一若しくは異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表す。該オキシアルキレン基としては、例えば、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)、オキシブチレン基(ブチレングリコール単位)が挙げられ、オキシエチレン基(エチレングリコール)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール)が好ましい。
【0040】
ここで、「同一若しくは異なって」とは、一般式にAOが複数含まれる場合(n2が2以上の場合)、それぞれのAOが同一のオキシアルキレン基であってもよいし、異なる(2種類以上の)オキシアルキレン基であってもよいことを意味する。一般式中にAOが複数含まれる場合の態様としては、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)及びオキシブチレン基(ブチレングリコール単位)からなる群から選ばれる2以上のオキシアルキレン基が混在する態様が挙げられ、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)とオキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)とが混在する態様、又はオキシエチレン基(エチレングリコール単位)とオキシブチレン基(ブチレングリコール単位)とが混在する態様であることが好ましく、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)とオキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)とが混在する態様であることがより好ましい。異なるオキシアルキレン基が混在する態様において、2種類以上のオキシアルキレン基の付加は、ブロック状の付加であってもよく、ランダム状の付加であってもよい。
【0041】
式2において、n2は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~100の数を表す。n2は、1~50であることが好ましく、5~50であることがより好ましく、8~50であることが更に好ましい。平均付加モル数とは、単量体1モルに付加しているアルキレングリコール単位のモル数の平均値を意味する。
【0042】
共重合体は、式2で表される単量体に由来する構成単位を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上の組み合わせで含んでいてもよい。特にオキシアルキレン基の平均付加モル数が異なる2種の単量体を含んでいることが好ましく、オキシアルキレン基の平均付加モル数n2が1である単量体と、オキシアルキレン基の平均付加モル数n2が1より大きく100以下である単量体と、を組み合わせて含むことがより好ましい。
【0043】
好ましい態様において、n2が1である場合、例えば、Xが水素原子である、式2で表される化合物が挙げられ、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられ、n2が1でありかつXが水素原子である、式2で表される化合物が好ましく、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0044】
n2が1である単量体とn2が1より大きく10以下である単量体を併用する場合、両者の重量比は、1/99~99/1であることが好ましく、3/97~50/50であることがより好ましく、5/95~30/70であることが更に好ましい。なお、この重量比率は、共重合体を合成する際の単量体の仕込み重量比率に一致する。
【0045】
式2において、Xは、水素原子又は炭素原子数1~30の炭化水素基を表す。炭素原子数が大きすぎないことで、水硬性組成物用添加剤(分散剤)水硬性組成物の分散性が十分発揮される。したがって、Xは水素原子又は炭素原子数1~10の炭化水素基であることが好ましく、水素原子又は炭素原子数1~5の炭化水素基であることが更に好ましく、水素原子又はメチル基であることが最も好ましい。
【0046】
式2の単量体としては、例えば、(メタ)アクリレート(以下、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート又はメタアクリレート」を意味する)等の不飽和モノカルボン酸と、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールなどの(ポリ)アルキレングリコールとのエステル化物が挙げられる。
【0047】
具体的には、例えば、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール(メタ)アクリレートなどの、(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。式2の単量体としては、これらのうち1種若しくは2種以上を組み合わせて用いてよいが、(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートを用いることがより好ましい。単量体が(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートである場合、(ポリ)アルキレングリコールの平均付加モル数は1~50であることが好ましい。単量体のn2が1であり、(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートである場合、単量体における(ポリ)アルキレングリコールの平均付加モル数は1であることが好ましい。また、n2が1より大きく10以下であり、(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートである場合、単量体における(ポリ)アルキレングリコールの平均付加モル数は、1より大きく100以下であることが好ましく、5~50であることがより好ましく、8~50であることが更に好ましい。
【0048】
式2の単量体は、特に制限されず公知の方法で製造し得る。その様な方法としては、例えば、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸と、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールなどの、(ポリ)アルキレングリコールとをエステル化する方法が挙げられる。
【0049】
(c)式3で表される単量体に由来する構成単位
式3で表される単量体に由来する構成単位である。
【0050】
【化6】
【0051】
ここで、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、-CH、又は-(CH)rCOOMを表し、-(CH)rCOOMは、-COOM又は他の-(CH)rCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM及びMは存在しない。M及びMは、同一若しくは異なって、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、又は置換アルキルアンモニウム基を表す。rは0~2の整数を示す。
【0052】
式3の単量体としては、例えば、不飽和モノカルボン酸系単量体及び不飽和ジカルボン酸系単量体が挙げられる。不飽和モノカルボン酸系単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、及びクロトン酸、並びにこれらの塩(例、一価金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミンとの塩)が挙げられる。不飽和ジカルボン酸系単量体としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、及びフマル酸、並びにこれらの塩(例、一価金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミンとの塩)、並びにそれらの無水物が挙げられる。
【0053】
本発明に係る共重合体は、式3の単量体に由来する構成単位を、1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
(共重合体の合成方法)
本発明における共重合体は、それぞれの所定の単量体を、公知の方法によって共重合させて製造することができる。共重合の方法としては、例えば、溶媒中での重合、塊状重合などの重合方法が挙げられる。
【0054】
溶媒中での重合において使用される溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;シクロヘキサン、n-ヘキサンなどの脂環式又は脂肪族炭化水素;酢酸エチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。原料単量体及び得られる共重合体の溶解性の面から、水及び低級アルコールからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、その中でも水を用いる
ことがより好ましい。
【0055】
溶媒中で共重合を行う場合は、各単量体と重合開始剤とを各々反応容器に連続滴下してもよいし、各単量体の混合物と重合開始剤とを各々反応容器に連続滴下してもよい。また、反応容器に溶媒を仕込み、単量体及び溶媒の混合物と、重合開始剤溶液とを各々反応容器に連続滴下してもよいし、単量体の一部又は全部を反応容器に仕込み、重合開始剤を連続滴下してもよい。
【0056】
共重合に使用し得る重合開始剤として、特に限定はないが、水溶媒中で共重合を行う際には、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;t-ブチルハイドロパーオキサイドなどの水溶性有機過酸化物が挙げられる。この際、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩などの促進剤を併用してもよい。また、低級アルコール、芳香族炭化水素、脂環式又は脂肪族炭化水素、エステル類あるいはケトン類等の溶媒中で共重合を行う際には、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどのパーオキサイド;クメンパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;アゾビスイソブチロニトリルなどの芳香族アゾ化合物などが重合開始剤として使用できる。この際、アミン化合物などの促進剤を併用してもよい。更に、水-低級アルコール混合溶剤中で共重合を行う場合には、例えば、前述の重合開始剤又は重合開始剤と促進剤との組合せの中から適宜選択して使用することができる。重合温度は、用いる溶媒、重合開始剤の種類等重合条件によって適宜異なるが、通常50~120℃の範囲で行われる。
【0057】
共重合においては、必要に応じて連鎖移動剤を用いて分子量を調整してもよい。使用される連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、及び、2-メルカプトエタンスルホン酸などの既知のチオール系化合物;亜リン酸、次亜リン酸、及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、及びその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物及びその塩;等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。さらに、共重合体の分子量調整のためには、共重合体を得るための単量体として、上記した単量体以外に、さらに連鎖移動性の高い別の単量体を用いてもよい。連鎖移動性の高い単量体としては、例えば(メタ)アリルスルホン酸(塩)系単量体が挙げられる。このような単量体の配合率は、共重合体において、通常は20重量%以下であり、10重量%以下であることが好ましい。
【0058】
共重合体を得る際に水溶媒中で共重合する場合、重合時のpHは通常不飽和結合を有する単量体の影響で強酸性となるが、これを適当なpHに調整してもよい。重合の際にpHの調整が必要な場合は、リン酸、硫酸、硝酸、アルキルリン酸、アルキル硫酸、アルキルスルホン酸、(アルキル)ベンゼンスルホン酸などの酸性物質を用いてpHの調整を行うことができる。これら酸性物質の中では、pH緩衝作用がある点等から、リン酸を用いることが好ましい。しかし、エステル系の単量体が有するエステル結合の不安定さを解消するためには、pH2~7で重合を行うことが好ましい。また、pHの調整に用い得るアルカリ性物質に特に限定はないが、NaOH、Ca(OH)などのアルカリ性物質が一般的である。pH調整は、重合前の単量体を含む溶液に対して行ってもよいし、重合後の共重合体を含む溶液に対して行ってもよい。また、これらは重合前に一部のアルカリ性物質を添加して重合を行った後、更に共重合体を含む溶液に対してpH調整を行ってもよい。
【0059】
軽質炭酸カルシウム
本発明の紙は、軽質炭酸カルシウムを含有する。本発明に用いる軽質炭酸カルシウムについては、製紙用途に用いられるのであれば特に制限はなく、例えば、針状、柱状、紡錘状、球状、立方体状、ロゼッタ状などの炭酸カルシウムを使用することができる。
【0060】
本発明に用いる軽質炭酸カルシウムは、カルサイト系であってもアラゴナイト系であってもよく、どのような製法で製造したものであってもよい。軽質炭酸カルシウムの平均粒子径は特に制限されないが、例えば、0.1~10μmが好ましく、0.5~7μmがより好ましく、1~5μmがさらに好ましい。
【0061】
本発明においては軽質炭酸カルシウムと共重合体を併用するが、共重合体の使用量は、軽質炭酸カルシウム100重量部に対して0.1~10重量部が好ましく、0.3~5重量部がより好ましく、0.6~3重量部がさらに好ましい。
【0062】
本発明において軽質炭酸カルシウムの使用量は特に制限されないが、内添填料として使用する場合、軽質炭酸カルシウムを、使用する内添填料100重量部中に10重量部以上使用することが好ましく、50重量部以上使用することがより好ましく、70重量部以上使用することがさらに好ましい。
【0063】
なお、紙料への炭酸カルシウムの配合量としては、不透明度等の点から、パルプ重量に対して2~30重量%が好ましい。また、紙中填料率(紙中灰分)は10重量%以上であることが望ましく、40重量%以下であることが望ましい。
【0064】
軽質炭酸カルシウムを含有する紙
本発明の紙は、軽質炭酸カルシウムを含有していながら、紙の強度低下が効果的に抑制されており、種々の用途に使用することができる。紙の種類としては、各種塗工用原紙、新聞用紙、上質紙や中質紙、電子写真用転写紙、インクジェット用紙、感熱紙、感圧紙、クラフト用紙、圧着記録紙、包装用紙、紙容器、板紙、壁紙、繊維板、写真用原紙、含浸用原紙、難燃紙などが挙げられる。中でも一つの態様において、本発明の紙はオフセット印刷やグラビア印刷等の各種印刷方式に供される印刷用紙として好適である。
【0065】
本発明に係る紙の坪量については、特に限定は無いが、例えば、30~650g/m程度の範囲とすることができ、35~200g/m、40~120g/m、40~80g/mの範囲としてもよい。なお、本発明の紙は、上記の範囲を超えた多層抄きの板紙、カード等の厚紙とすることもできる。
【0066】
抄紙原料のパルプとしては、例えば、一般に使用されているLBKPやNBKP等の漂白化学パルプ、LUKPやNUKP等の未晒パルプ、砕木パルプ(GP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、リファイナ砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ、脱墨古紙パルプ(DIP)、損紙などが適宜混合使用される。また、ケナフ等の非木材繊維原料から得られるパルプ繊維、合成パルプ、無機繊維等の1種又は2種以上を原紙に配合することもできる。機械パルプやDIPは、必要に応じて漂白して使用することもでき、漂白の程度も任意に行うことができる。
【0067】
本発明の軽質炭酸カルシウムは、一般的に使用されている填料、例えば、重質炭酸カルシウム、本願以外の軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏、タルク、カオリン、エンジニアードカオリン、焼成カオリン、ホワイトカーボン、非晶質シリカ、デラミネートカオリン、ケイソウ土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、製紙スラッジ、脱墨フロスからの再生無機粒子等の無機系填料や尿素ホルマリン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、尿素/ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、スチレン/ブタジエン系共重合体系樹脂、フェノール樹脂、プラスチック中空粒子等の有機系填料等と混合して使用することもできる。混合比率は紙の品質に応じて調整することが可能である。
【0068】
紙中灰分としては、3重量%未満では紙の光学特性、主に白色度、不透明度が不足しやすいため、本発明の紙の灰分は、5重量%以上とすることが好ましく、10重量%以上とすることがより好ましい。一方、灰分が30重量%超えるとワイヤーの磨耗や抄紙機系内の汚れなどの問題が生じやすい。そのため、一般に、3~30重量%の範囲となるように填料を添加することが好ましく、5~20重量%の範囲となるように添加することが特に好ましい。
【0069】
また、紙料としてパルプや填料の他に、内添サイズ剤、アニオン性、ノニオン性、カチオン性もしくは両性の歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤、染料、蛍光染料、嵩高剤等で例示される各種の抄紙用内添助剤を、必要に応じて使用することができる。内添サイズ剤の具体例としては、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、スチレン-アクリル系、高級脂肪酸系、石油樹脂系サイズ剤、ロジン系サイズ剤等が挙げられる。また、歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤の具体例としては、アルミニウム等の多価金属化合物(具体的には、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物等)、各種澱粉類、セルロースナノファイバー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体ポリアクリルアミド、尿素樹脂、ポリアミド・ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。本発明の軽質炭酸カルシウムを内添した紙は、薬品の添加効率が高くサイズ発現性に優れる。
【0070】
本発明の軽質炭酸カルシウムを含む填料をパルプ原料に添加する際には、パルプ原料を十分に攪拌しながら填料を添加することが好ましく、添加場所としてはマシンチェスト流入口、ファンポンプ吸込口が挙げられる。
【0071】
抄造条件は特に限定はなく、抄紙機としては、例えば、長網式抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機、オントップ式抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の商業規模の抄紙機が挙げられ、目的に応じて適宜選択して使用できる。抄紙方式としては、酸性抄紙、中性抄紙、弱アルカリ性抄紙等のいずれの方式も使用することができるが、炭酸カルシウムは酸性領域で溶解してしまうため、中性~弱アルカリ性の範囲で抄紙することが望ましい。
【0072】
表面強度向上や耐水性付与、インキ着肉性改良などを付与するために、紙に表面処理剤を塗布してもよい。表面処理剤の種類は特に限定はないが、生澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、アセチル化したタピオカ澱粉を原料として製紙工場内で熱化学変性あるいは酵素変性によって生成される自家変性澱粉などの澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉などの変性澱粉を含むのが好ましい。カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、セルロースナノファイバーなどのセルロース誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコールなどの変性アルコール、スチレン-ブタジエン系共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステルなどを併用することも可能である。また、サイズ性を高める目的で、スチレン系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、アクリレート系サイズ剤、スチレン-アクリル系サイズ剤、カチオン性サイズ剤などの表面サイズ剤を併用することも可能である。また、本発明においては、必要に応じて分散剤、増粘剤、保水材、消泡剤、耐水化剤、着色剤、導電剤等、通常のクリア塗工に配合される各種助剤を適宜使用される。
【0073】
表面処理塗布液を塗布する装置としては、公知のサイズプレス装置、例えば、2ロールタイプ、3ロールタイプ、ゲートロールタイプ、フィルム転写タイプなどを使用することができる。フィルム転写タイプは、アプリケーターロール上に、湿潤状態にある塗布膜を形成し、塗布膜を基紙表面に転写する方式で、例えば、トランスファーロールコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーターなどが挙げられる。また、カーテンコーター、スプレーコーター、ブレードコーターなどのコーター(塗工機)を使用して塗布してもよい。
【0074】
これら塗布装置で表面処理塗布液を紙に片面あたり0.1~5.0g/m塗布した後に、ドライヤーで乾燥し、仕上げることもできるが、印刷適性向上のため、マシンカレンダ、ソフトカレンダ、シューカレンダ等のカレンダ装置で処理するのが好ましい。また、表面処理液は両面に塗布してもよい。
【0075】
本発明においては、顔料と接着剤を主成分とする塗工層を少なくとも1層有する塗工紙とすることもできる。本発明によれば紙の強度が向上するため、ブリスター適性に優れ、かつ、良好なサイズ性発現性が得られるため、表面平滑性に優れる塗工紙が得られる。
【0076】
一つの態様において、上述の軽質炭酸カルシウムを内添した紙に表面処理剤を含む塗布液を塗布したものを塗工原紙としてもよい。この表面処理を施すことで、塗工原紙の表面強度を向上させる、あるいは塗工原紙表面の異物をクリーニングする効果があり、ストリークなどの発生を抑制させることができる。しかしながら、塗工原紙を抄紙し、顔料と接着剤を主成分とする塗工層を塗工、乾燥させるオンマシンコーターの場合、乾燥能力の制限や断紙の危険性を回避するため、表面処理が省略されることもある。
【0077】
塗工原紙は、マシンカレンダ、ソフトカレンダなどによる平滑化仕上げ処理をすることもできる。
塗工層に使用される顔料としては特に限定するものではなく、通常の塗工紙分野で使用される顔料、例えば、重質炭酸カルシウム、本発明またはそれ以外の軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏、タルク、カオリン、エンジニアードカオリン、焼成カオリン、ホワイトカーボン、非晶質シリカ、デラミネートカオリン、ケイソウ土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、製紙スラッジ、脱墨フロスからの再生無機粒子等の無機系填料や尿素ホルマリン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、尿素/ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、スチレン/ブタジエン系共重合体系樹脂、フェノール樹脂、プラスチック中空粒子等の有機系填料等を必要に応じて1種あるいは2種以上を適宜選択して併用することができる。混合比率は紙の品質に応じて調整することが可能であり、特に限定しない。
【0078】
前記の顔料塗工液には、接着剤として、通常の塗工紙分野で使用される接着剤および、上記非塗工紙で表面処理剤として使用された各種表面処理剤を接着剤として使用してもよい。また、これらの接着剤は1種もしくは2種以上併用することも可能である。
【0079】
接着剤の配合量については、特に限定されるものではないが、顔料100重量部あたり1~50重量部、好ましくは5~30重量部を配合する。
また、必要に応じて、有色染料や有色顔料、蛍光増白染料、増粘剤、保水剤、酸化防止剤、老化防止剤、導電誘導剤、消泡剤、紫外線吸収剤、分散剤、pH調整剤、離型剤、耐水化剤、撥水剤等の各種助剤を適宜配合することができる。
【0080】
顔料塗工液の固形分濃度としては、25~80質量%の範囲で選択できる。塗工量の調整や操業性を考慮すると、50~70質量%の範囲が望ましい。
塗工原紙上に設ける塗工層は、1層または2層以上の多層にするかは特に限定しない。多層の場合、全てが同一である必要はなく、要求される品質レベルに応じて適宜調整することが可能である。また、塗工層の塗工量も、特に限定されるものではなく、塗工紙の白紙品質、印刷品質などに応じて調整することが可能であるが、一般的には、片面あたり0.5~40.0g/m程度である。
【0081】
本発明における塗工層を設ける際の塗工方式については、通常の塗工紙製造分野で使用されている各種の塗工装置、例えばエアーナイフコーター、各種のブレードコーター、ゲートロールコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等を適宜使用することができる。
【0082】
上記顔料塗工液を原紙に塗工した後は、塗工層を乾燥させ、塗工紙を得る。この乾燥方法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法を任意に選択して使用することができる。
【0083】
このようにして得られた塗工紙は、各種公知公用の仕上げ装置、例えばスーパーカレンダ、グロスカレンダ、ソフトカレンダ、マットカレンダ等に通紙して製品仕上げを施してもよい。
【0084】
(電子写真用転写紙)
本発明の紙を用いて電子写真用転写紙を製造することができる。本発明によれば、印刷時のカールや紙粉が発生しにくい電子写真用転写紙を得ることができる。一般的な抄紙機を用いることができ、特に限定されるものではないが、電子写真用転写紙を抄造するために用いられる抄紙機は、両面脱水機構を有しているハイブリッドフォーマー、オントップフォーマーなどが望ましい。
【0085】
本発明で製造される電子写真用転写紙のパルプ原料としては、特に限定されるものではなく、非塗工紙で例示した各種パルプなど、一般的に抄紙原料として使用されているものであればよい。中でも、環境面から脱墨パルプの使用が多いほど望ましい。
【0086】
本発明の軽質炭酸カルシウムは、それ単独で用いることもでき、また、他の製紙用填料と併用することもできる。他の製紙用填料と併用する場合は、非塗工紙で例示した公知の填料を単独でまたは適宜2種類以上を組み合わせて使用することができる。混合比率は紙の品質に応じて調整することが可能であり印刷時のカールや紙粉を低減し、抄造時のワイヤー摩耗を抑制するためには、本発明の特定の軽質炭酸カルシウムを紙の内添填料100重量部中に50重量部以上含有することが好ましく、さらに好ましくは60重量部以上を含有することであり、70重量部以上を含有するのが特に好ましい。
【0087】
紙中灰分としては、3重量%未満では紙の光学特性、主に白色度、不透明度が不足しやすいため、5重量%以上とすることが好ましく、10重量%以上とすることがより好ましい。一方、灰分が30重量%超えるとワイヤーの磨耗や抄紙機系内の汚れ、曲げこわさの低下に起因する電子写真方式印刷機での搬送性(重送、ジャムトラブル等)、紙粉発生量などの問題が生じやすい。そのため、一般に、3~30重量%の範囲となるように添加することが好ましく、5~20重量%の範囲となるように添加することが特に好ましい。
【0088】
本発明の軽質炭酸カルシウムを内添した電子写真用転写紙を製造する場合、上記非塗工紙で例示したような各種抄紙用薬品や、助剤を1種もしくは2種以上を併用して使用することができる。これらの助剤は、本発明の軽質炭酸カルシウムのスラリーに予め添加してから抄紙機に施用してもよく、また、本発明の軽質炭酸カルシウムのスラリーと別々に抄紙機に施用してもよい。電子写真用転写紙においても、前述と同様に、高い薬品添加効率が得られるため、サイズ発現性に優れる。
【0089】
表面強度を高める目的で、本発明の特定の軽質炭酸カルシウムを内添した電子写真電車用転写紙の上に表面処理剤を塗工してもよい。表面処理剤としては、上記非塗工紙で例示した表面処理剤を使用してもよい。また、電気抵抗性をコントロールしてトナー定着性を向上させるために、導電剤として塩化ナトリウムや硫酸ナトリウム、塩化カリウムなどの無機導電剤やジメチルアミノエチルメタアクリレートなどの有機導電剤を加えて、外添で塗布することが好ましい。導電剤を含む表面処理剤の塗布量は適宜調製されるものであるが、通常の塗布量は、両面で0.5~4.0g/m程度である。また、導電剤の塗布量としては、両面で0.02~0.5g/m程度である。
【0090】
本発明の電子写真用転写紙の坪量は、例えば40~80g/mとすることができ、通常の電子写真用転写紙の摩擦係数などを有するレベルに物性を調整すれば良い。
以下、具体的な例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。なお、本明細書において、特に断らない限り、「%」はすべて「重量%」であり、数値範囲はその端点を含むものとする。
【実施例
【0091】
実験1:共重合体の調製
(1)共重合体1
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管及び滴下装置を備えたガラス反応容器に、水291部、及びポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数10)7部を投入し、攪拌しながら反応容器を窒素置換した。窒素雰囲気下で100℃に昇温した後、メタクリル酸4部、アクリル酸0.1部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数25個)22部、2-ヒドロキシプロピルアクリレート36部、及び水33部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム1部、及び水44部の混合液とを、各々2時間で、100℃に保持した反応容器に連続滴下した。滴下終了後、温度を100℃に保持した状態でさらに1時間反応させることにより共重合物の水溶液を得た。
【0092】
なお、共重合体の分子量は、GPCを用いて以下の条件で測定した。
・測定装置:東ソー製
・使用カラム:Shodex Column OH-pak SB-806HQ、SB-804HQ、SB-802.5HQ
・溶離液:0.05mM硝酸ナトリウム/アセトニトリル 8/2(v/v)
・標準物質:ポリエチレングリコール(東ソー製、GLサイエンス製)
・検出器:示差屈折計(東ソー製)
・検量線:ポリエチレングリコール基準
(2)共重合体2
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に水148部、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数10個)347部、4,4´-ジヒドロキシジフェニルスルホンの3および3´位をアリル置換した化合物1部を仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で100℃に昇温した。その後、アクリル酸78部、31%NaOH水溶液1部、水288部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム7部および水113部の混合液を各々2時間で、100℃に保持した反応容器に連続滴下した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合物の水溶液を得た。
(3)共重合体3(比較例)
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に水198部を仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で100℃に昇温した。その後、アクリル酸72部、31%NaOH水溶液70部、水54部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム4部および水37部の混合液を各々2時間で、100℃に保持した反応容器に連続滴下した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合物の水溶液を得た。
【0093】
【表1】
【0094】
実験2:炭酸カルシウム内添紙の製造と評価
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSF:360ml)100%からなるパルプスラリーに、パルプスラリーの全固形分に対して硫酸アルミニウム0.5%、軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業製、タマパールTP121―6S、平均粒子径:1.8μm、紡錘状軽質炭酸カルシウム)および共重合体を添加し、紙料を調成した。なお、軽質炭酸カルシウムと共重合体は、両者を100:1の重量比で混合した水性スラリーを調製してから、そのスラリーをパルプに添加した。
【0095】
この紙料を原料とし、円形手抄き機を用い、JIS P 8222に準じて坪量が約73g/mの手抄紙を作成した。なお、プレス脱水後の湿紙の乾燥では、JIS P 8222に定められた金属プレートと密着させる方法ではなく、ラボスケールのシリンダードライヤーにて乾燥して紙を得た。
【0096】
このように製造した紙の物性を、下記の手順により評価した。
(灰分) JIS P8251に準じて測定した(灰化温度:525℃)。
(坪量) JIS P 8124に準じて測定した。
(引張強度)JIS P 8113に準じて測定した。
(裂断長) JIS P 8113に準じて測定した
【0097】
【表2】
【0098】
本発明に係る共重合体の添加により、比引裂強度や裂断長が増加しており、軽質炭酸カルシウム配合による紙力低下の抑制が確認された。
実験3:炭酸カルシウム内添紙の製造と評価
古紙パルプ(DIP、CSF:270ml)85%、リファイナ砕木パルプ(RGP、CSF:110ml)15%からなるパルプスラリーに、パルプスラリーの全固形分に対して硫酸アルミニウム0.5%、炭酸カルシウム固形分が7.5%となるように軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業製、タマパールTP121―6S平均粒子径:1.8μm、紡錘状軽質炭酸カルシウム)および共重合体を添加して混合し、紙料を調成した。なお、軽質炭酸カルシウムと共重合体は、両者を100:1の重量比で混合した含有する水性スラリーを調製してから、そのスラリーをパルプに添加した。
【0099】
この紙料を原料とし、円形手抄き機を用い、JIS P 8222に準じて坪量が約40.5g/mの手抄紙を作成した。なお、プレス脱水後の湿紙の乾燥では、JIS P 8222に定められた金属プレートと密着させる方法ではなく、ラボスケールのシリンダードライヤーにて乾燥して紙を得た。
【0100】
このように製造した紙の物性を、下記の手順により評価した。
(坪量) JIS P 8124に準じて測定した。
(紙厚) JIS P 8118に準じて測定した。
(灰分) JIS P 8251に準じて測定した(灰化温度:525℃)。
(不透明度)JIS P 8149に準じて測定した。
(紙表面の軽質炭酸カルシウム) 電子顕微鏡でサンプルを撮影し、撮影した画像(図1~3)に基づいて、紙表面の軽質炭酸カルシウム量を5段階で評価した(炭酸カルシウムが最も多い場合を5、最も少ない場合を1とした)。
(印刷評価) RI印刷機を使用して新聞インキ(ヴァンテアンエコー)藍と紅の2色を、マクベス反射濃度計により測定した印刷面の印面濃度が1.30となるよう重ねて印刷した。インキの着肉ムラについては、目視で印刷面を5段階で評価した(ムラが最も少ない場合を5、最も多い場合を1とした)。裏抜けについては、手抄紙のフェルト面のみに印刷し、23℃、50RH%の環境下で24時間調湿した後に、ワイヤー面(非印刷面)のY値を測定し、下式の裏抜け値(%)を算出した。
裏抜け(%)=(印刷後Y値/印刷前Y値)×100
【0101】
【表3】
【0102】
本発明に係る紙については、印刷した際の着肉ムラおよび裏抜けが良好であった。これは、紙の表面近傍に存在する軽質炭酸カルシウムによってインキの染み通しが少なくなり、裏抜けが良化したものと考えられる。
図1
図2
図3