(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-19
(45)【発行日】2025-02-28
(54)【発明の名称】小物品包装装置および複数のブリスター袋を含むブリスターチューブの製造方法
(51)【国際特許分類】
B65B 9/20 20120101AFI20250220BHJP
【FI】
B65B9/20
(21)【出願番号】P 2022570488
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(86)【国際出願番号】 EP2021061432
(87)【国際公開番号】W WO2021233661
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2024-03-08
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516389064
【氏名又は名称】ベクトン・ディッキンソン・ロワ・ジャーマニー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トルベン シュットフォルト
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-291910(JP,A)
【文献】米国特許第02200971(US,A)
【文献】特開2003-026253(JP,A)
【文献】特開2011-046051(JP,A)
【文献】特開2018-076122(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/00 - 9/24
B65B 47/00 - 47/10
B65B 51/00 - 51/32
B65B 59/00 - 65/08
B65B 61/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小物品の包装装置(1)であって、
細長い包装材料ウェブ(40)を受け入れるための包装材料案内装置(10)であって、細長い包装材料ウェブ(40)が小物品を受け入れるのに適するように成形され、細長い包装材料ウェブの移動方向を保つように構成された包装材料案内装置(10)と、
前記包装材料案内装置(10)の下流側に配置され、成形された包装材料ウェブ(43)を当該包装材料ウェブの移動方向における包装材料の重なり領域(41)で接合する縦方向接合装置(20)と、
前記包装材料案内装置(10)の下流側に配置され、成形された包装材料ウェブ(43)を所定の間隔で前記移動方向に対して横断する方向に接合して、横方向の接合領域(42)を形成する横方向接合装置(100)であって、2つの接合手段(110、120)を含み、前記2つの接合手段の少なくとも1つは、前記移動方向に対して横断する方向に移動することが可能な横方向接合装置(100)と、
継続的な包装動作中に、前記移動方向に対して横切る方向に個別に移動可能な複数のエンボス加工手段(112)と、前記エンボス加工手段の停止部とを備え、前記エンボス加工手段と前記停止部は、前記エンボス加工手段によって前記横方向の接合領域において触知可能な隆起が形成されるように協働することを特徴とする小物品の包装装置(1)。
【請求項2】
前記エンボス加工手段(112)は、一方の前記接合手段(110)で伸長しおよび引っ込むことができるように構成され、また、他方の前記接合手段(120)が、少なくとも1つの接触領域で弾性的に構成された接合面(121)、または移動方向に対して横断方向に個々に移動可能な複数のエンボス加工手段のレセプタクルを有することを特徴とする請求項1に記載の小物品の包装装置(1)。
【請求項3】
前記エンボス加工手段(112)がエンボス加工ピンの少なくとも1つの2×3マトリックス(117)として構成され、前記エンボス加工ピンによって点字文字の形状のドットパターンをマトリックスごとに生成することができることを特徴とする請求項1または2に記載の小物品の包装装置(1)。
【請求項4】
前記接合手段(110、120)の少なくとも1つの接合面(111、121)が加熱されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の小物品の包装装置(1)。
【請求項5】
前記包装材料案内装置(10)は、中央の貫通開口部(12)を含み、細長い包装材料ウェブ(40)が前記貫通開口部(12)に供給されるように構成されて、細長い包装材料ウェブ(40)が、その移動する方向において成形されて、前記貫通開口部(12)によって画定され、包装材料ウェブの重なり領域(41)を有する管状包装材料ウェブ(43)を形成し、
ガイド部(62)は前記管状包装材料ウェブ(43)の一部内に延在し、
複数の拡張手段(64)が、前記ガイド部(62)の下部領域(63)に配置されて
おり、
薬剤部分のための受容部分(45)を形成
するために、また、前記接合手段(110、120)の整列に合せて前記横方向接合装置(100)による接合を用意する
ために、前記複数の拡張手段(64)が、前記管状包装材料ウェブ(43)を拡張することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の小物品の包装装置(1)。
【請求項6】
複数のブリスター袋を含むブリスターチューブを製造するための、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の包装装置(1)の使用。
【請求項7】
複数のブリスター袋を含むブリスターチューブを製造する方法であって、
細長い包装材料ウェブ(40)が提供され、
前記包装材料ウェブ(40)は薬剤部分を受け入れるための受容部分(45)に成形され、
縦方向接合装置(20)によって、成形された包装材料ウェブ(40)が前記包装材料ウェブの移動方向における包装材料重なり領域(41)で接合されて、管状包装材料ウェブ(43)を形成し、接合は小物品の供給の間または前に行うことができ、
横方向接合装置(100)によって、前記管状包装材料ウェブ(43)はその移動方向における所定の間隔で横方向接合領域(42)において接合され、
触知可能なパターンが、ブリスター袋の継続的な製造中に、前記移動方向に対して、横切る方向に
個々に移動可能な複数のエンボス加工手段(112)によって横方向接合領域(42)にエンボス加工されることを特徴とする、複数のブリスター袋を含むブリスターチューブを製造する方法。
【請求項8】
前記エンボス加工手段(112)は、エンボス加工ピンの少なくとも1つの2×3マトリックス(117)として構成され、点字文字形状のドットパターンを、前記エンボス加工ピンによって前記マトリックスごとに横方向接合領域にエンボス加工されることを特徴とする請求項7に記載の、複数のブリスター袋を含むブリスターチューブを製造する方法。
【請求項9】
前記管状包装材料ウェブ(43)は、前記横方向接合装置(100)による接合前に、複数の拡張手段(64)によって拡張されることを特徴とする請求項7または8に記載の、複数のブリスター袋を含むブリスターチューブを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小物品、特に、薬剤部分および栄養補助食品部分のための包装装置、包装装置の使用、ならびに複数のブリスター袋を含むブリスターチューブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブリスター機械としても知られる、薬剤部分をブリスター包装するための装置は、例えば、特許文献1によって知られている。拡張の段階に応じて、装置は、特定タイプの薬剤の複数の薬剤部分がそれぞれに格納される数百の供給ステーションおよび分配ステーションを備える。要求に応じて、個々の薬剤部分は供給ステーションおよび分配ステーションから分配され、案内装置を介して包装装置に供給され得、そこで薬剤部分は包装ないしブリスター包装される。上述のブリスター機械で用いるための包装装置は、例えば、特許文献2および特許文献3によって知られている。
【0003】
ブリスター機械で用いられる包装装置の場合、通常、複数のブリスター袋を含んだブリスターチューブが製造される。ブリスター袋またはブリスターチューブを製造するため、包装材料ウェブは、1つ以上の薬剤部分が受容部分に供給されることができように成形される。ブリスター包装される薬剤部分が受容部分に供給された後、包装材料ウェブを所定の位置で接合することによって、ブリスターチューブの個々のブリスター袋は完成し、ブリスター袋は、ブリスターチューブ上を鎖のように延在する。
【0004】
個々のブリスター袋には、患者固有の薬剤部分および/または栄養補助食品部分が入る。患者には通常、複数のブリスター袋またはブリスターチューブの一部が提供され、患者は、ブリスター袋に含まれる薬剤組成物を、例えば、朝、昼、または夕刻に服用しなければならない場合に、ブリスター袋に印刷された摂取情報からそれらを確認する必要がある。公知の包装装置では、ブリスター袋が接合される前に、患者用の摂取情報が包装材料ウェブに印刷される。ブリスター袋自体のサイズが小さいため、印刷された患者の摂取情報も比較的小さくされたままであり、視覚障害を持った患者が特定の補助装置を使用せずに情報を把握する、すなわち読み取ることが困難または不可能になることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】WO2013/034504A1
【文献】WO2016/113291A1
【文献】WO2018/184795A1
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、ブリスター袋を製造することができ、その摂取情報が、視覚障害の患者にも知覚され得る、小物品のための包装装置を提供することである。さらに、本発明の目的は、係るブリスター袋の製造方法を提供することである。
【0007】
この目的は、一方では請求項1に記載の小物品の包装装置によって達成される。本発明の範囲内で、用語「小物品」は、特に、例えば、錠剤形態の薬剤部分および栄養補助食品部分を含むことが意図される。しかしながら、包装装置は、他の小物品(例えば、ネジなど)を包装するために用いることもできる。
【0008】
ブリスター袋が、視覚障害の人々によって認識可能な摂取情報を有するように製造され得る、本発明による小物品用の包装装置は、細長い包装材料ウェブを受け入れるための包装材料案内装置を備え、包装材料案内装置は、細長い包装材料ウェブが、薬剤部分を受け入れるのに適するよう(すなわち、小物品の受容領域を有するように)に成形され、またその移動方向を保つように構成されている。包装材料案内装置に入る細長い包装材料ウェブが、小物品を受け入れるためにどのように成形されるかは、例えば、包装される小物品がどのように供給されるか、形成された包装材料ウェブの移動方向がどのようになるか、および包装材料ウェブが既に予め成形されたものであるか否かによる。例えば、包装材料は既に縦方向または移動方向に折り畳まれて供給されることが想定される。
【0009】
例えば、特許文献3に記載されているように、包装材料ウェブが成形後に垂直下向きに移動する場合、包装材料ウェブはチューブ状に成形され、チューブ状部分の下端は、先行する、既に形成されたブリスター袋に分割する領域で形成される。そのような場合、薬剤部分(すなわち、小物品)は、折り畳みおよび案内する装置で形成された受容部分に上方から直接送られる。あるいは、特許文献2に記載されているように、移動方向が斜めになっている場合は、包装材料ウェブは、上部が開いた一種の四面体に成形され、これが薬剤部分の受容部分を形成する。包装材料案内装置の的確な構造設計は、上記の機能がそれによって満たされる限り、本発明にとって本質的なものではない。
【0010】
本発明による包装装置は、包装材料案内装置の下流側に縦方向の接合装置をさらに備え、これは包装材料ウェブの移動方向における包装材料の重なり領域で包装材料ウェブを接合する。この包装材料の重なり領域は、包装材料案内装置の特別な構造設計によって予め定めることができる。
【0011】
横方向の接合装置はまた、包装材料案内装置の下流に配置され、移動方向に対して横断する方向に、(包装材料ウェブの長手方向軸または移動方向において)所定の間隔で包装材料ウェブを接合し、横方向の接合領域を形成する。横方向の接合装置は、2つの接合手段を含み、そのうちの少なくとも1つは、移動方向に対して横断する方向に移動することができる。この横方向の接合領域は、2つのブリスター袋の間の上部の分離部分に相当する。これは、(通常のように)ブリスターチューブが、横方向の接合領域が2つの連続したブリスター袋に割り当てられるように製造される場合であり、それらの間に、例えば、個々のブリスター袋を分離するため横方向の接合領域内にミシン目が設けられる。あるいは、ブリスターチューブは、それぞれのブリスター袋に2つの「別々の」横方向の接合領域が割り当てられるように製造することもできる。縦方向の接合装置および横方向の接合装置は、別個の構成要素として移動方向において前後に配置することができる(横方向の接合装置は、通常は縦方向の接合装置の下流に配置される)が、2つの接合装置が共通の接合構成要素に配置されることも考えられる。
【0012】
本発明によれば、包装装置はまた、継続的な包装動作中に、縦方向に対して個別に横方向に移動することができる複数のエンボス加工手段と、エンボス加工手段の停止部とを備え、エンボス加工手段とエンボス加工手段の停止部は、横方向の接合領域におけるエンボス加工手段によって、触知可能な隆起が形成されるように協働する。
【0013】
横方向の接合領域に触知可能な隆起を形成することにより、視覚障害の患者が複数のブリスター袋を区別することも可能になる。例えば、1日に3つのブリスター袋が患者に提供される場合、2つのエンボスピンを用いて3つのブリスター袋にパターンをマーキングするときに、患者がそれらを明確に摂取時間に割り当てることが可能となる。従って、本発明による包装装置は、視覚障害を持つ患者によって所定の摂取時間に明確に割り当てられることもできるブリスター袋を提供することを可能にする。
【0014】
包装装置においてエンボス加工手段がどのように実現されるかは、触知可能な隆起が横方向の接合領域に付加されることが確実である限り、本発明にとって本質的なことではない。例えば、接合装置の下流に装置をさらに提供することが考えられ、その装置はエンボス加工手段を備え、その手段によって触知可能な隆起が横方向の接合領域に付加される。しかしながら、エンボス加工手段を案内するために別の装置を用いることを回避するために、本発明による包装装置の好ましい実施形態では、エンボス加工手段が一方の接合手段で伸長しおよび引っ込むことができるように構成され、また、他方の接合手段が、少なくとも1つの接触領域で弾性的に構成された接合面、または移動方向に対して横断方向に個々に移動可能な複数のエンボス加工手段のレセプタクルを有する。この好ましい実施形態では、横方向の接合領域の生成と同時に触知可能な隆起が生成され、それによって、横方向の接合領域が作成された後に別個の装置で触知可能な隆起を付加する必要がなく、これにより、包装装置の複雑さおよび(移動方向における)全長を低減しまたは小さなままとすることができる。
【0015】
2つのエンボス加工手段を用いた場合でも、患者が4つの異なるブリスター袋を区別できるようにブリスター袋を明確に識別することが可能であり、視覚障害のある患者が助けなしに日常的に必要なブリスター袋を区別できるようにすることが可能になる。多数のブリスター袋を互いに明確に区別し、隆起によってもたらされる情報の決定を簡素化するために、本発明による包装装置の好ましい実施形態では、エンボス加工手段がエンボス加工ピンの少なくとも1つの2×3マトリックス(水平、垂直)から形成され、エンボス加工ピンによって点字文字の形状のドットパターンをマトリックスごとに生成することができる。1つのマトリックスのみを用いる場合でも、64個の異なるパターンを表示することができ、その場合、ブリスター袋は、例えば、1週間にわたって互いに明確に区別することができる。従って、より大きなおよび/または複数のマトリックスを使用する場合、横方向の接合領域内の多数のデータをエンボス加工することが可能となる。
【0016】
ブリスター袋は、細長い包装材料ウェブから様々な方法で接合することができる。例えば、接合する前に、特定の領域に接着剤を付与することができる。しかしながら、好ましい実施形態では、接合手段の少なくとも1つの接合面を加熱し、その結果、接合を包装材料の融着として行うことができる。
【0017】
既に示したように、包装装置の全体的な構造に応じて、包装材料案内装置を異なる態様で実現することができる。好ましい実施形態では、包装材料案内装置は、中央の貫通開口部を含み、細長い包装材料ウェブが貫通開口部に供給されるように構成され、これは、細長い包装材料ウェブが、その移動する方向において、貫通開口部によって画定される、包装材料ウェブの重なり領域を有する管状包装材料ウェブに成形されるように実現され、薬剤部分のための案内装置のガイド部は、管状包装材料ウェブの配送領域で終端する管状包装材料ウェブの一部内に延在する。管状包装材料ウェブにおいて、包装材料ウェブの重複を伴わない横方向の接合装置による横方向の接合が、横方向の接合領域において誤りなく行われることを確実にするために、この好ましい実施形態では、複数の拡張手段が、ガイド部の下部領域に配置されて、接合手段の整列に合せて、横方向の接合装置による接合のために管状包装材料ウェブを広げる。言い換えれば、拡張手段は、管状包装材料ウェブを、接合される前に接合手段に整列するようにし、すなわち、円形形状から細長い形状に変換されて横方向の接合装置によって良好に接合され得ることを確実にする。
【0018】
本出願はまた、複数のブリスター袋を含むブリスターチューブを製造するための、本発明による包装装置の使用に関する。
【0019】
本発明の目的は、請求項7に記載の方法によってさらに達成される。複数のブリスター袋を含むブリスターチューブを製造するための本発明による方法では、先ず、細長い包装材料ウェブが提供され、その後、包装材料ウェブは包装材料案内装置によって薬剤部分を受け入れるための受容部分に成形される。この成形がどのように行われるかは、的確な、包装材料案内装置の構成、包装材料ウェブの移動方向、および包装材料の構成に依存する(上記を参照)。小物品を受け入れるための受容部分の成形後、小物品はその受容部分に供給され、包装材料ウェブは接合されて、包装材料ウェブの移動方向における包装材料重なり領域で縦方向の接合装置で管状包装材料ウェブが形成される。ここで、接合および小物品の供給は同時にまたは逆の順序で行うことができる。管状包装材料ウェブは、横方向の接合装置によって、包装材料ウェブの移動方向または縦軸において、所定の間隔で、横方向の接合領域で接合され、これは、縦方向の接合と同時に行うこともできる。本発明によれば、触知可能なパターンは、ブリスター袋の継続的な製造中に、移動方向に対して横方向に移動させることができる複数のエンボス加工手段によって横方向の接合領域に、エンボス加工される。
【0020】
本発明による方法の好ましい実施形態では、エンボス加工手段は、エンボス加工ピンの少なくとも1つの2×3マトリックスとして構成され、それにより、点字文字形状のドットパターンを、エンボス加工ピンによってマトリックスごとに横方向の接合領域にエンボス加工することができる。このようにして、多数の視覚障害を持つ患者に知られている触知可能な文字によって、大量の情報を取り入れることができる。
【0021】
横方向の接合装置によって、予め成形された包装材料ウェブの接合をサポートし、接合誤りの可能性を低減するために、本方法の好ましい実施形態では、管状包装材料ウェブが接合前に複数の拡張手段によって拡張される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明による包装装置および本発明による方法の好ましい実施形態は、図面を参照して以下に説明される。
【
図1a】
図1aは、好ましい実施形態の斜視図を示し、
図1aでは包装材料ウェブが省略される。
【
図1b】
図1bは、好ましい実施形態の斜視図を示す。
【
図2a】
図2aは、縦方向および横方向の接合装置の詳細図を示す。
【
図2b】
図2bは、縦方向および横方向の接合装置の詳細図を示しており、
図2bでは包装材料ウェブが省略されている。
【
図3a】
図3aは、折り畳み・接合装置の詳細図を示す。
【
図3b】
図3bは、折り畳み・接合装置の詳細図を示し、
図3bでは包装材料ウェブが省略されている。
【
図4a】
図4aは、横方向の接合装置の詳細図を示す。
【
図4b】
図4bは、横方向の接合装置の詳細図を示す。
【
図5a】
図5aは、横方向接合装置の断面図を示す。
【
図5b】
図5bは、横方向接合装置の断面図を示す。
【
図7】
図7は、本発明による方法の好ましい実施形態のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に記載される実施形態では、事前に成形されていない(事前に折り畳まれていない)包装材料ウェブに適した特別に構成された包装材料案内装置が説明される。以下の詳細な説明では、小物品として薬剤部分が与えられている。
図1aおよび
図1bは、本発明による包装装置1の好ましい実施形態の斜視図を示し、包装装置を通って延在する包装材料ウェブ40は、その下にある構成要素を示すために
図1aでは省略されている。以下に記載する包装装置の好ましい実施形態では、2つの連続したブリスター袋が横方向の接合領域を“共有”するブリスターチューブが製造される。これは、エンボス加工手段が、横方向の接合領域の一部のみにパターンを作成し、その部分がブリスター袋に割り当てられるように、それに応じて構成されることを意味する。あるいは、エンボス加工手段は、横方向の接合領域の両方の部分にパターンをエンボス加工し、そのパターンがそれぞれブリスター袋に割り当てられるように構成することができる。
【0024】
本実施形態の包装装置は、包装材料供給部30を備え、それによって、細長い包装材料ウェブ40が複数のローラを介して包装材料案内装置10に供給され、その包装材料ウェブの経路は、
図1bに部分的にのみ示される。以降の図でより詳細に説明される包装材料案内装置10の上には、案内装置60が配置され、それによって、提供される薬剤部分は、包装材料ウェブの成形部分によって形成される受容部分に供給される。好ましい本実施形態の包装装置では、以降の図でより詳細に見ることができるように、成形された包装材料ウェブは、包装材料案内装置10から垂直下方に案内される。包装材料ウェブの垂直方向案内に起因して、その移動方向を“下向き”とする。案内装置および包装材料案内装置の異なる構造の場合、移動方向もまた異なる場合があり、例えば、移動方向が斜めになることが考えられ、その場合、薬剤部分の受容部分は異なる形状となる(詳細は、特許文献2および特許文献3も参照されたい)。
【0025】
包装材料案内装置10の下流には縦方向の接合装置20が配置されており、以下の図を参照してより詳細に説明されるように、移動方向に延在する成形された包装材料ウェブ43の重なり領域41が共に接合される。
【0026】
この縦方向接合装置20の下流には、2つの接合手段110、120を備えた横方向の接合装置100が配置されており、本実施形態では、接合手段120は、
図1bに既に示されているように、包装材料ウェブの移動方向に対して横断する方向にまたは直交する方向に移動することができ、2つの接合手段110、120は、付き合わされて包装材料ウェブ40の横方向接合領域42を生成する。本発明による包装装置の上述した装置は、
図1aおよび
図1bにおいて部分的に見ることができるように、複数の駆動部を備える。しかしながら、包装装置内のその動作モードおよび配置は、本発明にとって本質的なものではない。これらは通常、回転モータであり、その動作モードは、ここでより詳細に説明することは要しない。
【0027】
図2aおよび
図2bは、第1の実施形態、特に、案内装置60、包装材料案内装置10、縦方向の接合装置20、および横方向の接合装置100の詳細な図を示している。包装材料案内装置10の上に配置された案内装置60は、
図2Aおよび
図2Bにのみ示され、薬剤部分を受け入れるための漏斗状の受容部61を備える。受容部61は、
図3Aおよび
図3Bを参照してより詳細に説明されるように、薬剤部分をガイド部62に案内し、それによって、薬剤部分は、成形包装材料ウェブ43の受容部分45に案内される。縦方向接合装置20は、包装材料案内装置10の(包装材料ウェブの移動方向に関して)下流側に配置される。これは、実質的に2つのアセンブリ、すなわち、2つの溶着あご24a、24bを有する接続アセンブリと、この接続アセンブリの下流側に配置された動作アセンブリとを含み、この動作アセンブリは、溶着あごによって接合された重なり領域を、ベルト駆動部21、23によって、移動方向において“下向き”に移動させる。代替の実施形態では、溶着あご24a、24bの代わりに、重なり領域について、例えば、接合される前に接着剤が用いられ、次いで、この領域が共に押圧されることで、熱による溶着が行われないことが考えられる。縦方向接合装置20の下流側には、横方向接合装置100が配置され、これにより、縦方向で既に溶着されている包装材料ウェブが横方向に接合され、その結果、横方向の接合領域42(ここでは誇張して示す)が作られる。
【0028】
図3aおよび
図3bは、さらなる詳細な図を示し、案内装置60は一部の図示が省略され、縦方向接合装置20は総て省略されている。また、
図3bでは包装材料ウェブは省略されている。特に、
図3aにおいて、本発明による包装装置内の包装材料ウェブの移動および成形を見ることができる。細長い包装材料ウェブは、包装材料送り部(図示せず)から、包装材料ウェブが成形される、中央の貫通開口部12を有した包装材料案内装置10の受け部11(
図3bに見られる)に到達する。このために、本実施形態の包装材料案内装置10は、中央貫通開口部を有した、肩状または襟状に構成される。包装材料案内装置10の的確な構成によって、細長い包装材料ウェブは、肩状の受け部11上に形成されて、包装材料重なり領域41を有した管状包装材料ウェブ43を形成することができる。
図3aにおいて、包装材料ウェブは、受け部11上に案内され、その受け部に応じて成形されることが分かる(参照番号44は、受け部11上に載っている包装材料ウェブを示している)。
【0029】
包装材料の重なり領域41は、先ず、
図2Aおよび
図2Bに示される溶着あご24a、24bによって溶着される。次いで、搬送手段21、23によって移動方向(すなわち、本実施形態では下向き)にさらに移動させられる。中央の貫通開口部12を備える包装材料案内装置によって包装材料ウェブの所定形状、すなわち管状の形状が維持されるようにするため、案内装置のガイド部62は、この領域の形を維持するよう案内する。このガイド部62の構成自体は、
図3bに見ることができる。
図3Aと
図3Bと比較すると、包装材料案内装置の領域内の包装材料ウェブが、ガイド部62と貫通開口部12の壁との間の隙間を通って延在していることもわかる。次いで、管状包装材料ウェブは、ガイド部62の外側でさらに案内される。
【0030】
図3aおよび
図3bに示すように、管状包装材料ウェブは、ガイド部62の下部領域に固定された拡張手段64によって受容部分45へと広げられる。ブリスター包装される薬剤部分は、この受容部分45に到達する。先行するブリスター袋の既に通された横方向の接合領域があることによって、受容部分45も底部で閉じられている。拡張手段64の使用は必ず必要ということではないが、それを用いることによって横方向の接合部42の誤差がなく、視覚的に好ましい接合とすることができる。
【0031】
包装材料案内装置、並びに案内装置および縦方向接合装置の可能な構成に関しては、特許文献3も参照され、その関連する開示内容は、上記装置に関する本出願に組み込まれる。
【0032】
図4aおよび
図4bは、2つの接合手段110および120を有する横方向接合装置100の詳細な図を示す。
図4aにおいて、本明細書に示される本発明による包装装置の好ましい実施形態では、エンボス加工手段112は、接合手段110内に配置され、具体的には、エンボス加工ピンとして構成されたエンボス加工手段が、接合手段110の表面111に対して出入りすることができるように構成されることが示されている。本明細書に示される実施形態では、接合手段120の方が水平に、すなわち包装材料ウェブの移動方向に対して横切る方向ないし直交する方向に移動することができ、そのために、本実施形態では、より的確な動作モードがここでは関連しない、単に示されるだけの水平移動装置128が設けられる。
【0033】
出入り可能なエンボス加工ピン112によって横方向の接合領域に触知可能なパターンを付加するために、これらは、接合手段120内に形成される弾性的に構成された停止部と協働する必要がある。しかし、これは図から視覚的に認識できない。
【0034】
図5aおよび
図5bは、接合手段ハウジング115内に、または接合手段ハウジング115内のブラケット116(
図6aに示す)に配置された接合手段110の詳細な図を示す。特に、
図5bに見られるように、本実施形態では、エンボス加工手段112は、12個の2×3マトリクス117として構成されており、それによって、12個の点字文字を、その接合手段110とともに横方向の接合領域に付加することができる。個々のブリスター袋の分離を簡単にするために、分離手段130が接合手段120の下に設けられており、これは水平に、すなわち、包装材料帯の移動方向に対して横切る向または直交する方向に移動し、横方向の接合領域にミシン目を付け加えることができ、あるいは完全に分離することができる。
【0035】
図6aおよび
図6bは、接合手段110の詳細な図を示しており、
図6aおよび
図6bにおいて、エンボスピンとして構成された個々のエンボス加工手段112は、個々に出入りするよう移動可能であることがある程度分かる。
図6aおよび
図6bは、エンボスピンの同じ位置を示し、2つの2×3マトリックスが詳細な画像によって目立つようにされており、目立つようにされた左側のマトリックスの第1列の下部エンボスピンおよび第2列の上部エンボスピンが伸長される一方、残りのマトリックスでは、第2列の中間のエンボスピンのみが伸長されている。個々のエンボスピンがどのようにして適格に移動されるかは、本発明にとって本質的ではなく、当業者に知られており、例えば、点字で記載するための従来の装置によって知られている。
【0036】
図7は、本発明による方法の好ましい実施形態のフローチャートを示す。以下に記載する包装装置の好ましい実施形態では、2つの連続したブリスター袋が横方向の接合領域を“共有”するブリスターチューブが製造される。これは、エンボス加工手段が、横方向の接合領域における、一方のブリスター袋に対応する一部のみにパターンを作成し、この部分がそのブリスター袋に割り当てられるように、それに応じて構成されることを意味する。あるいは、エンボス加工手段は、横方向の接合領域の両方の部分にパターンをエンボス加工し、そのパターンがそれぞれブリスター袋に割り当てられるように構成することができる。
【0037】
先ず、ステップ200で、包装材料ウェブ40が提供され、ステップ210では、材料ウェブは薬剤部分を受け入れるための受容部分45に成形される。これは、例えば、これより前の図で説明した包装材料案内装置10によって行われる。受容部分45が形成された後、ブリスター包装される薬剤部分は、ステップ220で受容部分に供給される。ステップ230では、成形された包装材料ウェブ43は、包装材料ウェブの移動方向における包装材料の重なり領域41において、縦方向の接合装置20によって接合され(例えば、溶着され)、管状包装材料ウェブ43が形成される。次のステップ240では、管状包装材料ウェブ43は、縦方向接合装置20の下流側に配置された横方向接合装置100によって、所定の間隔で接合されて、横方向接合領域42が形成される。移動方向から見ると、この横方向の接合領域は、処理されたばかりのブリスター袋の端部であり、同時に、新しい後続のブリスター袋の“下側”の端部であり、横方向の接合領域は、後続のブリスター袋の受容部分の一部を形成する。本発明によれば、触知可能なパターンは、ステップ250で、移動方向に対して横切る方向に移動することができる複数のエンボス加工手段112によって横方向の接合領域42にエンボス加工され、横方向の接合領域での配置は、パターンがブリスター袋の1つまたは両方に割り当てられるようになっている。本明細書に記載の装置および方法の実施形態では、パターンは、1つのブリスター袋にのみ割り当てられ、より複雑なエンボス加工手段を有する接合手段を使用する場合、両方のブリスター袋のパターンは、横方向の接合領域を“共有”する(ブリスター袋の上端または下端として、分離手段130で作られたミシン目によって規則的に分離される)横方向の接合領域にエンボス加工することもできる。